以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置100を備えた画像形成装置400を正面から視た概略断面図である。
図1に示す画像形成装置400は、原稿Gの画像を読み取る画像読取装置100と、画像読取装置100により読み取られた原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で普通紙等の記録シートに記録形成する画像形成装置本体400dとを備えており、画像形成装置本体400dの上面に画像読取装置100が装着されている。
[画像形成装置の全体構成について]
画像形成装置本体400dは、露光装置1、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、像担持体として作用する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、転写部として作用する中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、シート搬送装置50、給紙部として作用する給紙トレイ10、及び、排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
画像形成装置本体400dにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は、単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれの末尾符号a〜dのうち、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。以下、末尾符号a〜dは省略して説明する。
感光体ドラム3は、画像形成装置本体400dの上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャ型の帯電器が用いられる。
露光装置1は、ここでは、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニットであり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を所定のシート搬送方向(図中矢印方向)に周回移動させる。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されている。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
画像形成装置本体400dは、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
前述したように各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11によって記録シート上に転写される。
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録シートに転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。
また、2次転写装置11は、トナー像が記録シート上に完全に転写されずに中間転写ベルト7上に残留した残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。
給紙トレイ10は、記録シートを格納しておくためのトレイであり、画像形成装置本体400dの画像形成部110の下側に設けられている。また、画像形成部110の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録シートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。
また、画像形成装置本体400dには、給紙トレイ10の記録シートを2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るためのシート搬送装置50が設けられている。シート搬送装置50は、Sの字形状のシート搬送路Sを有し、シート搬送路Sに沿って、ピックアップローラ16、第1分離ローラ14a、第2分離ローラ14b、各搬送ローラ13、レジスト前ローラ対19、レジストローラ対106、定着装置12及び排紙ローラ17等の搬送部材が配置されている。
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10のシート搬送方向において下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録シートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。第1分離ローラ14aは、第2分離ローラ14bとの間に記録シートを通過させて1枚ずつ分離しつつシート搬送路Sへと搬送する。各搬送ローラ13及びレジスト前ローラ対19は、記録シートの搬送を促進補助するための小型のローラである。各搬送ローラ13は、シート搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。レジスト前ローラ対19は、レジストローラ対106のシート搬送方向上流側の直近に設けられており、記録シートをレジストローラ対106へと搬送するようになっている。
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録シートを挟み込んで搬送する。
ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録シートを熱圧着することにより、記録シートに転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録シートに対して熱定着させる機能を有している。また、定着装置12には、ヒートローラ31を外部から加熱するための外部加熱ベルト33が設けられている。
各色のトナー像の定着後での記録シートは、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置8の中間転写ベルト7に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト7から記録シートに転写され、記録シート上に定着される。
また、記録シートの表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録シートの表面の画像を定着装置12により定着した後に、記録シートをシート搬送路Sの排紙ローラ17により搬送する途中で、排紙ローラ17を停止させてから逆回転させ、記録シートを表裏反転経路Srに通して、記録シートの表裏を反転させてから、記録シートを再びレジストローラ対106へと導き、記録シートの表面と同様に、記録シートの裏面に画像を記録して定着し、記録シートを排紙トレイ15に排出する。
なお、図1に示す画像読取装置100において、付している参照符号のうち、説明していない参照符号の箇所については、後述する。
[画像読取装置の全体構成について]
図2は、図1に示す画像形成装置400に装着された画像読取装置100を上から視た概略平面図である。図3は、図1及び図2に示す画像読取装置100を正面から視た概略断面図である。なお、図1及び図3において、後述する規制部材370については図示を省略している。
図2及び図3に示すように、画像読取装置100は、縮小光学系タイプの画像読取装置とされており、原稿固定方式により原稿G(例えば、一般的な通常の原稿に加えて、光沢性を有する原稿)を固定して原稿画像を読み取るように構成されている。画像読取装置100は、画像読取装置本体100dと、透明板の一例であるコンタクトガラス201aを有する原稿載置台201のコンタクトガラス201aに載置された複数種類の規定サイズ(ここでは、A3サイズ、B4サイズ、A4サイズ、B5サイズ、A5サイズ、2Lサイズ、B6サイズ、A6サイズ、Lサイズ)の原稿Gを押さえる原稿押さえ装置300とを備えている。ここで、2Lサイズ及びLサイズは、主として写真原稿で用いられるサイズであり、2Lサイズは127mm(5インチ)×178mm(7インチ)とされ、Lサイズは89mm(3.5インチ)×127mm(5インチ)とされている。
画像読取装置本体100dは、図3に示すように、光源ユニット210を副走査方向Yの一方側Y1に移動させつつコンタクトガラス201a上に載置される原稿Gを、コンタクトガラス201aを介して照明し、光源ユニット210により照明された原稿Gからの反射光を副走査方向Y及び上下方向Zの双方に直交する主走査方向Xに走査して原稿画像を読み取る原稿読取部200を備えている。
詳しくは、原稿読取部200は、コンタクトガラス201a、走査体として作用する光源ユニット210、光源ユニット210を移動させる光学系駆動部(図示省略)、ミラーユニット203、集光レンズ204、及び、光電変換素子(ここではCCD)205を備えており、これらの部材は金属製の枠体202内に収容されている。光源ユニット210は、原稿Gへ向けて光を照射する光源211と、原稿Gからの反射光をミラーユニット203へ導く第1ミラー230とを有している。光源211は、複数の発光素子を主走査方向Xに列設した二つの発光素子列212a,212bと、二つの発光素子列212a,212bをそれぞれ搭載した光源基板213a,213bとを備えている。
原稿Gを載置するコンタクトガラス201aは、透明なガラス板からなり、主走査方向Xの両端部が枠体202に載置されている。原稿押さえ装置300は、開閉軸Q1(後述する図7等参照)を備え、画像読取装置本体100d又は画像形成装置本体400d(ここでは画像読取装置本体100d)に対して一端側(具体的には画像読取装置本体100dの操作部101(図2参照)が設けられた操作側、手前側(正面側))が一端側とは反対側の他端側(具体的には開閉可能に操作側とは反対側、奥側(背面側))で開閉軸Q1によって軸支されている。なお、原稿押さえ装置300についてはのちほど図4から図16を参照しながら詳しく説明する。
ミラーユニット203は、第2ミラー203a、第3ミラー203b及び支持部材(図示せず)を備えている。支持部材は、第2ミラー203aを、光源ユニット210における第1ミラー230からの光を反射して第3ミラー203bに導くように支持している。また、支持部材は、第3ミラー203bを、第2ミラー203aからの光を反射して集光レンズ204に導くように支持している。集光レンズ204は、第3ミラー203bからの光を光電変換素子205の受光面205dに集光するものである。光電変換素子205は、集光レンズ204からの光(原稿画像光)を繰り返し主走査方向Xに走査し、その度に、1走査ラインのアナログ信号を出力する。
また、光学系駆動部は、ここでは、図示しないスキャナモータ及び図示しないプーリー及びワイヤー等の移動機構を備えており、これらスキャナモータ及び移動機構によって、光源ユニット210を一定の速度で副走査方向Yに移動させると共に、ミラーユニット203を光源ユニット210の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yに移動させるように構成されている。
以上説明した画像読取装置100では、光源ユニット210は、原稿載置台201におけるコンタクトガラス201aに載置された原稿Gに対して光源211からの光を、コンタクトガラス201aを介して照射しながら一定の速度で副走査方向Yの一方側Y1に移動して原稿Gの画像を走査し、それと同時にミラーユニット203は光源ユニット210の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yの一方側Y1に移動する。
光源ユニット210にて照明されて原稿Gから反射された反射光は、光源ユニット210に設けられた第1ミラー230で反射されたのち、ミラーユニット203の第2ミラー203a及び第3ミラー203bによって180°光路変換される。第3ミラー203bから反射された光は、集光レンズ204を介して光電変換素子205の受光面205dに結像し、ここで原稿画像光が読み取られてアナログ信号に変換される。
なお、本実施の形態では、画像読取装置本体100dは、原稿押さえ装置300に代えて、原稿Gを自動的に搬送して原稿押さえ装置を兼用する自動原稿送り装置が装置されることで、原稿移動方式により原稿Gを移動させて原稿画像を読み取るようになっている。この場合、画像読取装置100は、自動原稿送り装置で原稿読取ガラス201b上を通過するように副走査方向Yの一方側Y1に搬送される原稿Gを、原稿読取部200において読取位置(原稿読取ガラス201bの下方位置)に位置する光源ユニット210にて原稿読取ガラス201bを介して照明しつつ光源ユニット210により照明された原稿Gからの反射光を主走査方向に走査して原稿画像を読み取ることができる。
[原稿押さえ装置]
原稿押さえ装置300は、複数種類の規定サイズ(ここでは、A3、B4、A4、B5、A5、2L、B6、A6、Lの各サイズ)の原稿Gを覆って押圧保持する押圧部材360を備えている。押圧部材360は、原稿押さえ部材(具体的には原稿押さえ板)310と、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に設けられて複数種類の規定サイズの原稿Gを押圧する弾性部材320とを備えている。
なお、図2及び図3に示す原稿押さえ装置300において、付している参照符号のうち、説明していない参照符号の箇所については、後述する。
図4から図16は、画像読取装置100における原稿押さえ装置300を説明するための模式図である。図4から図16のうち、図4は、図1から図3に示す画像読取装置100の原稿押さえ装置300が開いた状態を正面の斜め上から視た概略斜視図を示している。なお、図4において、規制部材370の位置は、後述する実施例1の位置とされている。また、図5は、図1から図3に示す画像読取装置100の原稿押さえ装置300が閉じた状態でのコンタクトガラス201a、支持部340及び規制部材370部分を概略的な断面図で示している。
図4から図16に示す原稿押さえ装置300において、原稿押さえ部材310は、板状のハウジング部材とされており、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの樹脂材料で形成されている。原稿押さえ部材310は、弾性部材320を支持するようになっており、コンタクトガラス201aに載置される原稿Gの最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも大きめの寸法とされている。具体的には、原稿押さえ部材310は、原稿押さえ部材本体311(図5等参照)と、原稿押さえ部材本体311から原稿押さえ側に立設した複数のリブ312〜312(図5等参照)とを備えている。各リブ312〜312は、副走査方向Yに沿って延びており、各リブ312〜312に弾性部材320が設けられている。原稿押さえ部材本体311及び各リブ312〜312は一体形成されている。
原稿押さえ部材310は、手前側が開閉可能に奥側で開閉軸Q1によって軸支されるようになっている。
本実施の形態では、原稿押さえ装置300は、原稿押さえ部材310を開閉可能に支持する回動支持部として作用するヒンジ部330をさらに備えている。
ヒンジ部330は、副走査方向Yの一方側Y1と他方側Y2とに設けられた一対のものとされており、それぞれ、画像読取装置本体100dの奧側(背面側)に設けられる本体側部材331と、原稿押さえ部材310の奧側(背面側)に設けられて本体側部材331に対して開閉方向W(図9等参照)に回動する原稿押さえ側部材332とを備えている。
原稿押さえ部材310は、開閉軸Q1が上下方向Zに移動自在に画像読取装置本体100dに設けられている。
詳しくは、本体側部材331は、画像読取装置本体100dに対して挿脱自在に設けられている。原稿押さえ側部材332は、副走査方向Yに沿った開閉軸Q1によって回動可能に本体側部材331に軸支されている。具体的には、本体側部材331は、画像読取装置本体100dに上下方向Zに沿って設けられた挿入穴206(図9等参照)に挿通される棒状の部材とされている。原稿押さえ側部材332は、原稿押さえ部材310に固定されて設けられている。原稿押さえ側部材332及び原稿押さえ部材310は、一体形成されていてもよい。
また、ヒンジ部330は、コイルバネ等の付勢部材によって原稿押さえ部材310を原稿押さえ側に付勢するようになっている。なお、原稿押さえ部材310を原稿押さえ側に付勢する構成については、従来公知の構成を用いることができ、ここでは、詳しい説明を省略する。
かかる構成を備えた原稿押さえ装置300は、原稿押さえ部材310における本体側部材331が画像読取装置本体100dにおける挿入穴206(図9等参照)に挿通されて画像読取装置本体100dに装着されることにより、画像読取装置本体100dに装着された状態で原稿押さえ側部材332に対して本体側部材331が回動することで、原稿押さえ部材310が画像読取装置本体100dに対して手前側で開閉することができる。そして、原稿押さえ装置300は、ヒンジ部330による原稿押さえ部材310の原稿押さえ側への付勢力によって原稿押さえ部材310及び弾性部材320で構成される押圧部材360を原稿載置台201におけるコンタクトガラス201aに向けて押圧することができる。
また、本実施の形態では、押圧部材360は、手前側から奥側へ向かう方向(ここでは閉じた状態での主走査方向X)における原稿押圧領域α1(図4の斜線部参照)の中央部又は略中央部(ここでは中央部C、図4参照)を境にして折り曲げ自在とされた二つ折り構造とされている。ここで、原稿押圧領域α1は、各規定サイズ(具体的には各規定サイズのうち最大サイズ、ここではA3サイズ)の原稿Gを押圧する領域(具体的には弾性部材320)である。
詳しくは、押圧部材360は、原稿押さえ部材310が原稿押圧領域α1の手前側から奥側へ向かう方向(ここでは閉じた状態での主走査方向X)における中央部又は略中央部(ここでは中央部C)を境にした折り曲げ構造となっている。具体的には、原稿押さえ部材310は、奥側に位置する第1原稿押さえ部材310a(図4等参照)と、手前側に位置する第2原稿押さえ部材310b(図4等参照)とを備えている。第1原稿押さえ部材310aは、ヒンジ部330における原稿押さえ側部材332が設けられ、画像読取装置本体100dに対してヒンジ部330によって手前側で開閉するようになっている。第2原稿押さえ部材310bは、第1原稿押さえ部材310aの手前側端部に対して副走査方向Yに沿った回動軸Q2(図4等参照)回りに上下折り曲げ自在とされている。そして、弾性部材320は、中央部又は略中央部(ここでは中央部C)を中央にして跨ぐように第1原稿押さえ部材310a及び第2原稿押さえ部材310bに設けられている。なお、第2原稿押さえ部材310bの第1原稿押さえ部材310aに対する折り曲げ角度は、例えば、±45°程度の角度とすることができる。
また、本実施の形態では、原稿載置台201は、コンタクトガラス201aに載置された規定サイズの原稿Gの手前側から奥側へ向かう方向に沿った第1辺(短辺)G1及び第1辺G1(図4等参照)に直交する第2辺(長辺)G2(図4等参照)を支持する支持部340(図4等参照)と、原稿載置台201を構成する枠体202(図3及び図5等参照)を覆って支持部340の外側に位置する外装カバー部材380(図4等参照)とをさらに備えている。外装カバー部材380は、ABSなどの樹脂材料で形成されている。
支持部340には、原稿Gのサイズ(ここでは、A3、B4、A4、B5、A5、2L、B6、A6、Lの各サイズ)を示す位置において該サイズを示す文字(図8等中の符号S1参照)が設けられている。なお、図8等において、B列のサイズ表示については図示を省略している。
また、支持部340には、第1辺(短辺)G1及び第2辺(長辺)G2の交点を示す位置において該交点を示す矢印(図8等中の符号S2参照)が設けられている。
詳しくは、支持部340は、原稿Gの第1辺G1を当接させて第2辺G2に沿った方向の一方側、具体的には副走査方向Yの他方側Y2(ここでは原稿読み取り開始側)への移動を規制する第1支持部341と、原稿Gの第2辺G2を当接させて第1辺G1に沿った方向の一方側、具体的には主走査方向Xの他方側X2(ここでは奥側)への移動を規制する第2支持部342とを備えている。これにより、支持部340は、副走査方向Yの他方側Y2(ここでは原稿読み取り開始側)及び主走査方向Xの他方側X2(ここでは奥側)基準で原稿Gを支持することができる。
そして、第1支持部341及び第2支持部342に、原稿Gのサイズを示す文字S1が設けられており、第1支持部341に、第1辺(短辺)G1及び第2辺(長辺)G2の交点を示す矢印S2が設けられている。
本実施の形態では、第1支持部341は、原稿Gの第2辺G2に沿った方向の一方側への移動を規制するだけでなく、コンタクトガラス201aの第1辺を当接させて第1辺に直交する第2辺に沿った方向の一方側への移動を規制する支持部を兼ねており、第2支持部342は、原稿Gの第1辺G1に沿った方向の一方側への移動を規制するだけでなく、コンタクトガラス201aの第2辺を当接させて第1辺に沿った方向の一方側への移動を規制する支持部を兼ねている。また、支持部340は、コンタクトガラス201aの第1辺に相対する第3辺を当接させて第2辺に沿った方向の他方側、具体的には副走査方向Yの一方側Y1(ここでは原稿読み取り終了側)への移動を規制する第3支持部343と、コンタクトガラス201aの第2辺に相対する第4辺を当接させて第1辺に沿った方向の他方側、具体的には主走査方向Xの一方側X1(ここでは手前側)への移動を規制する第4支持部344とを備えている。
また、本実施の形態では、原稿押さえ装置300は、弾性部材320の原稿Gへの押圧時において、コンタクトガラス201aに載置された原稿Gと接するシート状の接触部材350(図4等参照)をさらに備えている。接触部材350は、予め定めた所定色を有する部材とされており、ここでは、白色部材とされている。
接触部材350は、ポリプロピレン等の樹脂フィルム材で形成されている。弾性部材320は、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に設けられ(具体的には貼り付けられ)ており、弾性部材320と同程度の寸法とされている。接触部材350の厚み(ここでは0.1mm)は、均一とされている。
また、原稿押さえ部材310、弾性部材320及び接触部材350の形状は、原稿Gの形状と同じ矩形形状(長方形状)とされている。
そして、押圧部材360は、規定サイズの原稿Gを押圧する原稿押圧領域α1(図4参照)と、原稿押圧領域α1よりも外側の非原稿押圧領域α2(図4の斜線部参照)とを有している。ここでは、非原稿押圧領域α2は、ヒンジ部330により原稿押さえ部材310を支持している部分よりも内側(手前側)の領域とされている。原稿押さえ装置300は、規制部材370をさらに備えており、規制部材370は、押圧部材360の非原稿押圧領域α2において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力F(図9等参照)を部分的に規制するようになっている。具体的には、規制部材370は、押圧部材360の非原稿押圧領域α2と、原稿載置台201の原稿押圧領域α1に対応する原稿領域β1(図4の斜線部参照)よりも外側の外側領域(押圧部材360による原稿Gへの押圧に関与しない領域)β2(図4の斜線部参照)との重複領域(オーバーラップする領域)γ(図8等の斜線部参照)において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力F(図9等参照)を部分的に規制するようになっている。
詳しくは、規制部材370は、原稿載置台201の外側領域β2(ここでは外側領域β2内に位置する支持部340)と押圧部材360の非原稿押圧領域α2(ここでは原稿押さえ部材310の弾性部材320以外の領域)との間に配設されている。
図6は、画像読取装置100に設けられた規制部材370部分を示す概略断面図である。図6(a)は、規制部材370により押圧力Fが規制されない部分で原稿Gが押圧されていない状態を示している。図6(b)は、規制部材370により押圧力Fが規制されない部分で接触部材350を介して弾性部材320により原稿Gが押圧されている状態を示している。図6(c)は、規制部材370により押圧力Fが規制される部分で原稿Gが押圧されていない状態を示している。図6(d)は、規制部材370により押圧力Fが規制される部分で接触部材350を介して弾性部材320により原稿Gが押圧されている状態を示している。
本実施の形態では、規制部材370は、押圧部材360の非原稿押圧領域α2(具体的には非原稿押圧領域α2及び外側領域β2の重複領域γ)を部分的に支持する支持片とされている。詳しくは、規制部材370は、非原稿押圧領域α2(具体的には重複領域γ)の奥側(具体的には中央部Cよりも奥側)において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力Fを部分的に規制するようになっている。
具体的には、規制部材370は、予め定めた所定の厚みh1(図6(c)及び図6(d)参照)を有しており、ここでは、立方体形状の部材とされている。規制部材370は、規制部材370の縦方向(閉じた状態での主走査方向X)の長さd1(図7参照)が20mm、規制部材370の横方向(副走査方向Y)の長さd2(図7参照)が20mm、規制部材370の厚みh1(h1a、図6(c)参照)が圧縮されていない状態(原稿Gが押圧されていない状態)で6.75mmとされている。
また、コンタクトガラス201aの上面と支持部340の上面との間の距離D(図6(a)参照)が1.4mmとされ、原稿(ここでは写真原稿)の厚みt(図6(a)参照)が0.2mmとされ、弾性部材320の厚み及び接触部材350の厚みを合計した厚みh2(h2a、図6(a)及び図6(c)参照)が圧縮されていない状態(原稿Gが押圧されていない状態)で8.3mmとされている。
そして、規制部材370の厚みh1(h1b、図6(d)参照)は、圧縮されている状態(接触部材350を介して弾性部材320により原稿Gが押圧されている状態)で6.7mm(圧縮距離0.05mm)とされ、弾性部材320の厚み及び接触部材350の厚みを合計した厚みh2は、圧縮されている状態(接触部材350を介して弾性部材320により原稿Gが押圧されている状態)において、規制部材370により押圧力Fが規制されていない部分では(厚みh2b、図6(b)参照)7.9mm(圧縮距離0.4mm)とされ、規制部材370により押圧力Fが規制されている部分では(厚みh2c、図6(d)参照)8.1mm(圧縮距離0.2mm)とされている。
なお、規制部材370は、外装カバー部材380と原稿押さえ部材310との間に設けられていてもよい。
弾性部材320は、マット状の部材とされており、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成されている。ここでは、弾性部材320として、F−2(株式会社イノアックコーポレーション製)のウレタンフォームを用いている。弾性部材320は、原稿押さえ部材310の原稿押さえ側に付設され(具体的には貼り付けられ)ており、原稿押さえ部材310の寸法より小さめで、かつ、コンタクトガラス201aに載置される原稿Gの最大サイズ(ここではA3サイズ)程度或いは最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも大きめの寸法とされている。弾性部材320の厚みは、均一とされている。
規制部材370は、ウレタンフォームなどの発泡状(フォーム状)の発泡樹脂材料又は多孔質形状の多孔質樹脂材料で形成することができる。ここでは、規制部材370として、L−32(株式会社ロジャースイノアック製)のウレタンフォームを用いている。
本実施の形態に係る原稿押さえ装置300において、規制部材370は、原稿載置台201におけるコンタクトガラス201aに載置された原稿Gの少なくとも二つの辺(ここでは2つの辺)に臨む位置に設けられている。規制部材370は、原稿Gの辺に沿って複数設けられていてもよい。
規制部材370は、所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gの辺の臨む位置を含むように設けられている。すなわち、規制部材370は、少なくとも所定サイズ(ここでは2Lサイズ)の原稿Gの辺の臨む位置に設けられている。ここで、原稿Gの辺に臨む位置は、原稿Gの辺から外側への予め定めた所定の幅m1(図8参照)の領域である。なお、幅m1の奥側の領域は、開閉軸Q1よりも内側の領域とされている。
次に、本実施の形態の実施例1から実施例3に係る原稿押さえ装置300(300A〜300C)の詳細について図7から図15を参照しながら説明する。
(実施例1)
図7から図9は、本実施の形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300A)を説明するための模式図である。図7は、本実施の形態の実施例1に係る原稿押さえ装置300(300A)を底面から視た概略底面図である。図8は、図7に示す原稿押さえ装置300(300A)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。また、図9は、図7に示す原稿押さえ装置300(300A)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図9(a)は、図8に示すA方向から視た状態を示しており、図9(b)は、図8に示すB方向から視た状態を示している。
図7から図9に示す実施例1では、規制部材370は、第1辺G1に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられた第1規制部材371と、第2辺G2に臨む位置のうち第1辺G1に相対する第3辺G3の側に設けられた第2規制部材372とを備えている。ここで、第2辺G2の側は、主走査方向Xの中央よりも第2辺G2側の位置である。このことは、後述する実施例2及び実施例3についても同様である。また、第3辺G3の側は、副走査方向Yの中央よりも第3辺G3側の位置である。
なお、図7から図9に示す例では、第1規制部材371及び第2規制部材372は、第1支持部341及び第2支持部342の上面に位置するように原稿押さえ部材310にそれぞれ設けられているが、第1規制部材371は、第1支持部341よりも外側の位置に(具体的には外装カバー部材380の上面に位置するように)設けられていてもよいし、第2規制部材372は、第2支持部342よりも外側の位置に(具体的には外装カバー部材380の上面に位置するように)設けられていてもよい。
(実施例2)
図10から図12は、本実施の形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300B)を説明するための模式図である。図10は、本実施の形態の実施例2に係る原稿押さえ装置300(300B)を底面から視た概略底面図である。図11は、図10に示す原稿押さえ装置300(300B)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。また、図12は、図10に示す原稿押さえ装置300(300B)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図である。図12(a)は、図11に示すA方向から視た状態を示しており、図12(b)は、図11に示すB方向から視た状態を示している。
図10から図12に示す実施例2では、規制部材370は、第1辺G1に相対する第3辺G3に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられた第3規制部材373と、第2辺G2に臨む位置のうち第1辺G1の側に設けられた第4規制部材374とを備えている。ここで、第1辺G1の側は、副走査方向Yの中央よりも第1辺G1側の位置である。
なお、図10から図12に示す例では、第3規制部材373及び第4規制部材374は、第3支持部343及び第2支持部342の上面に位置するように原稿押さえ部材310にそれぞれ設けられているが、第3規制部材373は、第3支持部343よりも外側の位置に(具体的には外装カバー部材380の上面に位置するように)設けられていてもよいし、第4規制部材374は、第2支持部342よりも外側の位置に(具体的には外装カバー部材380の上面に位置するように)設けられていてもよい。
(実施例3)
図13から図15は、本実施の形態の実施例3に係る原稿押さえ装置300(300C)を説明するための模式図である。図13は、本実施の形態の実施例3に係る原稿押さえ装置300(300C)を底面から視た概略底面図である。図14は、図13に示す原稿押さえ装置300(300C)が原稿Gを押圧している状態を平面から視た概略平面図である。また、図15は、図13に示す原稿押さえ装置300(300C)を画像読取装置本体100dから離間させた状態を示す概略断面図であって、図15は、図14に示すA方向から視た状態を示している。
図13から図15に示す実施例3では、規制部材370は、第1辺G1に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられた第1規制部材371と、第1辺G1に相対する第3辺G3に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられた第3規制部材373とを備えている。
図13から図15に示す例では、第1規制部材371及び第3規制部材373は、第1支持部341及び第3支持部343の上面に位置するように原稿押さえ部材310にそれぞれ設けられているが、第1規制部材371は、第1支持部341よりも外側の位置に(具体的には外装カバー部材380の上面に位置するように)設けられていてもよいし、第3規制部材373は、第3支持部343よりも外側の位置に(具体的には外装カバー部材380の上面に位置するように)設けられていてもよい。
(実施例1〜3共通の構成)
本実施の形態の実施例1〜3では、規制部材370(第1規制部材371、第2規制部材372、第3規制部材373及び第4規制部材374)は、弾性部材320よりも密度が大きいか或いは硬度が大きい物性値とされている。
詳しくは、物性値としては、密度や硬度の他、発泡樹脂材料の発泡倍率などを例示できる。ここで、硬度として、日本ゴム協会標準規格(SRIS0101)に規定された硬度を示すアスカーC(ASKER C)の値を例示できる。また、発泡倍率は、発泡性材料の発泡前の体積に対する発泡後の体積の比率とすることができる。
そして、規制部材370(371〜374)の硬度及び密度の少なくとも一つをそれに対応する弾性部材320の物性値よりも大きくすることができる。或いは/さらに、弾性部材320の発泡倍率を規制部材370(371〜374)の発泡倍率よりも小さくすることができる。例えば、弾性部材320の密度を23kg/m3〜27kg/m3とし、規制部材370(371〜374)の密度を320kg/m3とすることができる。
実施例1〜3では、規制部材370(371〜374)は、原稿載置台201の外側領域β2及び押圧部材360の非原稿押圧領域α2のうち少なくとも一方に貼り付けられていてもよい。また、規制部材370(371〜374)は、原稿載置台の外側領域β2及び押圧部材360の非原稿押圧領域α2のうち少なくとも一方と一体形成されていてもよい。具体的には、規制部材370(371〜374)は、原稿押さえ部材310に対して接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされていてもよいし、原稿押さえ部材310及び規制部材370(371〜374)が一体形成されていてもよい。或いは/さらに、規制部材370(371〜374)は、支持部340や外装カバー部材380等の原稿載置台201の外側領域β2を構成する部材に対して接着部材(例えば接着剤や両面粘着シート)を介して貼り合わされていてもよいし、支持部340や外装カバー部材380等の原稿載置台201の外側領域β2を構成する部材及び規制部材370(371〜374)が一体形成されていてもよい。
(本実施の形態について)
以上説明したように、本実施の形態によると、規制部材370(第1規制部材371、第2規制部材372、第3規制部材373及び第4規制部材374)により、各規定サイズ(具体的には各規定サイズのうち最大サイズ、ここではA3サイズ)の原稿G(例えば写真原稿等の光沢性を有する原稿)を押圧する原稿押圧領域α1、及び、原稿押圧領域α1よりも外側の非原稿押圧領域α2を有する押圧部材360の非原稿押圧領域α2(具体的には押圧部材360の非原稿押圧領域α2、及び、原稿載置台201の外側領域β2の重複領域γ)において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力Fを部分的に規制(小さく)することができる。従って、押圧部材360の原稿押圧領域α1での押圧力を、規制部材370により規制した部分と規制していない部分との双方で適度なものにすることができ、これにより、原稿Gとコンタクトガラス201aと間の隙間での光波の干渉により原稿Gの読み取り画像に発生し得る斑点、及び、コンタクトガラス201aに対する原稿Gの浮きにより原稿Gの読み取り画像に発生し得る影の双方を効果的に防止することができる。しかも、原稿押圧領域α1を規定サイズのうち最大サイズ(ここではA3サイズ)の原稿Gを押圧する領域とすることができ、これにより、最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも小さい所定サイズ(ここでがB4以下のサイズ)に適用できるだけでなく、最大サイズ(ここではA3サイズ)の原稿Gに対しても適用することができる。これらのことは、原稿Gが、写真原稿等の光沢性を有する原稿(例えば光沢紙原稿)である場合に、特に有効となる。
また、本実施の形態では、規制部材370が原稿載置台201の外側領域β2(ここでは支持部340)と押圧部材360の非原稿押圧領域α2(ここでは原稿押さえ部材310の弾性部材320以外の領域)との間に配設されて押圧部材360の非原稿押圧領域α2を部分的に支持する支持片とされていることで、原稿載置台201の外側領域β2と押圧部材360の非原稿押圧領域α2との間の間隔を部分的に確保することができ、これにより、押圧部材360の原稿押圧領域α1(ここでは弾性部材320)での押圧力Fの部分的な規制を確実に行うことができる。
ところで、押圧部材360は、本実施の形態のように、手前側が開閉可能に奥側で開閉軸Q1によって軸支された構成とされている場合には、原稿押圧領域α1の奥側において押圧力Fが大きくなる傾向にある。
この点、本実施の形態において、押圧部材360は、たとえ手前側が開閉可能に奥側で開閉軸Q1によって軸支された構成とされていても、規制部材370は、非原稿押圧領域α2(具体的には非原稿押圧領域α2及び外側領域β2の重複領域γ)の奥側において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力Fを部分的に規制することにより、原稿押圧領域α1の奥側で大きくなる傾向にある押圧力Fを奥側で確実に規制する(弱める)ことができ、それだけ斑点及び影の双方を効果的に防止することができる。
また、押圧部材360は、本実施の形態のように、原稿押圧領域α1の中央部又は略中央部(ここでは中央部C)を境にして折り曲げ自在とされた二つ折り構造とされている場合には、原稿押圧領域α1での押圧力Fが手前側よりも奥側で大きくなり易い。
この点、本実施の形態において、押圧部材360は、たとえ原稿押圧領域α1の中央部又は略中央部(ここでは中央部C)を境にして折り曲げ自在とされた二つ折り構造とされていても、規制部材370は、非原稿押圧領域α2(具体的には重複領域γ)の奥側において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力Fを部分的に規制することにより、手前側よりも奥側で大きくなり易い原稿押圧領域α1での押圧力Fを奥側で確実に規制する(弱める)ことができ、それだけ斑点及び影の双方を効果的に防止することができる。
また、押圧部材360は、本実施の形態のように、開閉軸Q1が上下方向Zに移動自在とされている場合には、原稿押圧領域α1での押圧力Fが手前側よりも奥側で大きくなり易い。
この点、本実施の形態において、押圧部材360は、たとえ開閉軸Q1が上下方向Zに移動自在とされていても、規制部材370は、非原稿押圧領域α2(具体的には重複領域γ)の奥側において原稿押圧領域α1の原稿Gへの押圧力Fを部分的に規制することにより、手前側よりも奥側で大きくなり易い原稿押圧領域α1での押圧力Fを奥側で確実に規制する(弱める)ことができ、それだけ斑点及び影の双方を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態では、規制部材370がコンタクトガラス201aに載置された原稿Gの少なくとも二つの辺に臨む位置に設けられていることで、押圧部材360の原稿押圧領域α1での押圧力Fを原稿Gの少なくとも二つの辺の奥側において部分的に規制することができ、これにより、押圧部材360の原稿押圧領域α1(ここでは弾性部材320)での押圧力Fの部分的な規制を安定して行うことができる。
詳しくは、実施例1では、第1規制部材371が第1辺G1に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられ、第2規制部材372が第2辺G2に臨む位置のうち第3辺G3の側に設けられているので、押圧部材360の原稿押圧領域α1(ここでは弾性部材320)での押圧力Fを、第1規制部材371により第1辺G1に臨む位置のうち第2辺G2の側で部分的に規制するだけでなく、第2規制部材372により第2辺G2に臨む位置のうち第3辺G3の側で部分的に規制することができ、それだけ押圧部材360の原稿押圧領域α1での押圧力Fの部分的な規制を安定して行うことができる。
また、実施例2では、第3規制部材373が第3辺G3に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられ、第4規制部材374が第2辺G2に臨む位置のうち第1辺G1の側に設けられているので、押圧部材360の原稿押圧領域α1(ここでは弾性部材320)での押圧力Fを、第4規制部材374により第2辺G2に臨む位置のうち第1辺G1の側で部分的に規制するだけでなく、第3規制部材373により第3辺G3に臨む位置のうち第2辺G2の側で部分的に規制することができ、それだけ押圧部材360の原稿押圧領域α1での押圧力Fの部分的な規制を安定して行うことができる。
また、実施例3では、第1規制部材371が第1辺G1に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられ、第3規制部材373が第3辺G3に臨む位置のうち第2辺G2の側に設けられているので、押圧部材360の原稿押圧領域α1(ここでは弾性部材320)での押圧力Fを、第1規制部材371により第1辺G1に臨む位置のうち第2辺G2の側で部分的に規制するだけでなく、第3規制部材373により第3辺G3に臨む位置のうち第2辺G2の側で部分的に規制することができ、それだけ押圧部材360の原稿押圧領域α1での押圧力Fの部分的な規制を安定して行うことができる。
ところで、原稿載置台201のコンタクトガラス201aに載置される原稿G(特に写真原稿等の光沢性を有する原稿)は、一般的には、規定サイズのうち最大サイズ(ここではA3サイズ)よりも小さいサイズの原稿である頻度が高い。
この点、本実施の形態において、規制部材370が所定サイズ(例えば2Lサイズ)の原稿の辺に臨む位置を含むように設けられていることで、押圧部材360の原稿押圧領域α1(ここでは弾性部材320)での押圧力Fを、規制部材370により所定サイズ(例えば2Lサイズ)の原稿Gの辺の側で部分的に規制することができ、これにより、押圧部材360の原稿押圧領域α1のうち所定サイズ(例えば2Lサイズ)の原稿Gを押圧する領域での押圧力Fの部分的な規制を確実に行うことができる。
ここで、原稿載置台201の外側領域β2(ここでは支持部340)及び押圧部材360の非原稿押圧領域α2(ここでは原稿押さえ部材310の弾性部材320以外の領域)のうち少なくとも一方に規制部材370を設けることができる。すなわち、押圧部材360の非原稿押圧領域α2のみに規制部材370を設ける場合、原稿載置台201の外側領域β2のみに規制部材370を設ける場合、及び、原稿載置台201の外側領域β2及び押圧部材360の非原稿押圧領域α2の双方に規制部材370を設ける場合を例示できる。押圧部材360の非原稿押圧領域α2のみに規制部材370を設ける場合には、押圧部材360が閉じられたときに、非原稿押圧領域α2に設けられた規制部材370を原稿載置台201の外側領域β2に当接させることができる。原稿載置台201の外側領域β2のみに規制部材370を設ける場合には、押圧部材360が閉じられたときに、外側領域β2に設けられた規制部材370を押圧部材360の非原稿押圧領域α2に当接させることができる。また、押圧部材360の非原稿押圧領域α2及び原稿載置台201の外側領域β2の双方に規制部材370を設ける場合には、押圧部材360が閉じられたときに、非原稿押圧領域α2に設けられた規制部材370及び外側領域β2に設けられた規制部材370を互いに当接させることができる。
ここで、規制部材370が原稿載置台201の外側領域β2(ここでは支持部340)及び押圧部材360の非原稿押圧領域α2(ここでは原稿押さえ部材310の弾性部材320以外の領域)のうち少なくとも原稿載置台201の外側領域β2の方に設けられている場合には、ユーザ等の操作者が原稿Gを原稿載置台201のコンタクトガラス201aに載置する際に規制部材370が邪魔になったり、剥がれたり、或いは、破損したりといった不都合を招く。
この点、本実施の形態のように、規制部材370が原稿載置台201の外側領域β2(ここでは支持部340)及び押圧部材360の非原稿押圧領域α2(ここでは原稿押さえ部材310の弾性部材320以外の領域)のうち押圧部材360の非原稿押圧領域α2のみに設けられている場合には、ユーザ等の操作者が原稿Gを原稿載置台のコンタクトガラス201aに載置する際に規制部材370が邪魔になったり、剥がれたり、或いは、破損したりといった不都合の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、規制部材370が弾性を有する部材とされていることで、押圧部材360が閉じられたときに、規制部材370の相手側(ここでは支持部340)への損傷を抑制することができる。
ところで、規制部材370は、密度が弾性部材320の密度と同じか小さい物性値、或いは、硬度が弾性部材320の硬度と同じか小さい物性値とされていると、弾性部材320の原稿押圧領域α1での押圧力Fを部分的に規制することが困難となる。
この点、本実施の形態のように、規制部材370は、弾性部材320よりも密度が大きいか或いは硬度が大きい物性値とされていることで、弾性部材320の原稿押圧領域α1での押圧力Fの部分的な規制を確実に行うことができる。
本実施の形態において、規制部材370は、硬質性を有する突起形状の部材(例えば硬質性の樹脂部材)とされていてもよい。この場合、規制部材370は、外装カバー部材380や原稿押さえ部材310と同様の部材、例えば、ABSなどの樹脂材料で形成することができる。
図16は、原稿押さえ装置300(300A〜300C)において規制部材370が硬質性を有する突起形状の部材とされ、押圧部材360が閉じられた状態を示す概略図である。図16(a)は、規制部材370が原稿押さえ部材310の非原稿押圧領域α2に設けられている一例を示している。図16(b)は、規制部材370が原稿載置台201の外側領域β2における支持部340に設けられている一例を示している。また、図16(c)は、規制部材370が原稿押さえ部材310の非原稿押圧領域α2及び原稿載置台201の外側領域β2における支持部340の双方に設けられている一例を示している。
図16(a)から図16(c)に示すように、規制部材370が硬質性を有する突起形状の部材とされていることで、規制部材370を可及的に小さいサイズにした状態で、原稿押さえ部材310の原稿押圧領域α1での押圧力Fの部分的な規制を確実に行うことができる。また、規制部材370と、原稿押さえ部材310の非原稿押圧領域α2及び原稿載置台201の外側領域β2における支持部340のうち少なくとも一方とを容易に一体形成させることができる。図16に示す例では、規制部材370の先端における形状は、平面形状とされているが、原稿載置台201の外側領域β2と原稿押さえ部材310の非原稿押圧領域α2との間の間隔を確保することができれば、何れの形状であってもよく、例えば、凸状の曲面形状であてもよい。
なお、本実施の形態では、センチ仕様の構成について説明したが、勿論、インチ仕様の構成であってもよい。
[斑点及び影の評価]
次に、本実施の形態の実施例1〜3において、原稿Gとコンタクトガラス201aと間の隙間での光波の干渉により原稿Gの読み取り画像に発生し得る斑点、及び、コンタクトガラス201aに対する原稿Gの浮きにより原稿Gの読み取り画像に発生し得る影(カブリ)の発生状態を調べたので、規制部材370を設けていない比較例と共に以下に説明する。
図17は、原稿Gとコンタクトガラス201aと間の隙間での光波の干渉により原稿Gの読み取り画像に発生し得る斑点、及び、コンタクトガラス201aに対する原稿Gの浮きにより原稿Gの読み取り画像に発生し得る影(カブリ)の発生状態の評価結果を示す図表である。なお、図17において、「◎」は、十分許容できる程度の読み取り画像が得られたことを示し、「○」は、許容できる程度の読み取り画像が得られたことを示し、「×」は、許容できない程度の読み取り画像となったことを示している。
本実施の形態の実施例1〜3及び比較例での斑点及び影(カブリ)評価は、何れも原稿Gとして厚みが0.2mmの白色の印画紙を用いて写真モードで読み取った画像を基に印刷した印刷画像を確認することにより行った。
図17に示すように、比較例では、斑点及び影(カブリ)が共に許容できない程度の読み取り画像となったのに対して、本実施の形態の実施例1〜3では、斑点及び影(カブリ)の双方とも十分許容できる或いは許容できる程度の読み取り画像が得られた。