JP2014016128A - 空気加湿装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筐体11内に形成される通風路19に気化式加湿器22と送風機30とを備え、送風機30によって筐体11内に導入された空気を気化式加湿器22で加湿した後に室内に供給する外気処理機10において、気化式加湿器22は、通風路19に配置される加湿エレメント23と、水を電気分解して生成した次亜塩素酸を含む電解水を加湿エレメント23に循環して供給する電解水循環供給装置35と、加湿運転時の電解水の次亜塩素酸濃度を当該電解水中の雑菌の繁殖を抑制する濃度に制御する濃度制御手段としての制御基板53Aを備えた。
【選択図】図1
Description
しかしながら、水を加湿エレメントに単純に循環させた場合、時間経過と共に空気中を浮遊する雑菌が水に混入するため、この混入した雑菌やカビが気化式加湿器で繁殖し、加湿時に外気と一緒に室内に供給される問題が想定される。
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、気化式加湿器での使用水量を低減するとともに、使用される水を常に清浄に保つことができる空気加湿装置を提供することにある。
図1は、本実施形態にかかる空気加湿装置としての外気処理機10の内部構成を示す斜視図である。この図1では、内部が露出するように筐体が想像線で描かれている。
外気処理機10は、導入された外気及び室内空気に対し、調温及び加湿処理を行った後に室内に供給する装置である。外気処理機10は、図1に示すように、横長に形成された箱形の筐体11を有し、この筐体11の天板11Aには、該天板11Aの一方の側板11B側に外気取入口12及び内気取入口13が横並びに設けられ、この側板11Bに対向する他方の側板11C側に給気口14が設けられている。本実施形態では、筐体11内に形成される空間が通風路19として機能し、この通風路19に上記した外気取入口12、内気取入口13及び給気口14がそれぞれ連通して設けられている。
空気熱交換器21は、通風路19を流れる空気と、外部から供給された冷媒との熱交換を行うフィンチューブ型の熱交換器であり、空気熱交換器21に冷媒を流入する入口管21Aと、この空気熱交換器21で熱交換された冷媒が流出される出口管21Bとが設けられている。これら入口管21A及び出口管21Bには、冷媒配管を介して、冷媒を圧縮する圧縮機、四方弁、熱源側熱交換器及び膨張弁などを備える熱源側ユニット(不図示)に接続されている。この熱源側ユニットを冷房運転、または、暖房運転することにより、通風路19を流れる空気が調温され、この調温された空気が室内に供給される。
なお、本実施形態では、空気熱交換器21には、熱源側ユニットから供給された冷媒を流通させる構成として説明したが、これに限るものではなく、空気熱交換器21の入口管21A及び出口管21Bに水配管を介して、冷温水機(不図示)を接続し、この冷温水機で生成された冷水もしくは温水を空気熱交換器21に流通させる構成としても良い。この場合、冷水供給時には冷房運転、温水供給時には暖房運転が実行されることにより、通風路19を流れる空気が調温され、この調温された空気が室内に供給される。
加湿エレメント23の上縁部には、この加湿エレメント23に電解水を略均等に供給するための供給ノズル27が設けられ、この供給ノズル27には、供給管24を介して電解水循環供給装置35が接続されている。
電解水循環供給装置35は、図2に示すように、ケース体36を備え、このケース体36内に、貯水タンク51(水槽)、食塩水タンク52、及び電装ボックス53を収容して構成される。
貯水タンク51は、水道水を電気分解して生成された電解水を貯留するための水槽であり、この貯水タンク51には、水道水を供給する給水電磁弁55を備える給水管56が設けられている。この給水電磁弁55は、貯水タンク51内に配置されたフロートスイッチ57の動作に応じて開閉制御される。
また、貯水タンク51には、オーバーフロー排出口61、水抜き口62、及び、循環水戻り口63が設けられている。オーバーフロー排出口61は、貯水タンク51内の電解水の水位が、オーバーフロー排出口61の高さを超えた場合に、電解水をオーバーフロー管(不図示)に排出させる開口部である。循環水戻り口63は、加湿エレメント23の下方に配置されたドレンパン25からの返送管26が接続される開口部である。また、水抜き口62は、加湿エレメント23の洗浄運転を行う際に、貯水タンク51内の電解水を強制的に全量排水するための開口部であり、貯水タンク51と水抜き口62との間の配管に排水電磁弁(不図示)が設けられている。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキ シルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素種に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素種を含めたものとする。
上記電極間に電圧を印加すると、カソード電極(陰極)では、下記式(1)に示すように反応する。
2H2O+2e-→H2+2OH- ・・・(1)
アノード電極(陽極)では、下記式(2)に示すように反応する。
2H2O→O2+4H++4e- ・・・(2)
これらカソード電極及びアノード電極での反応を合わせると、下記式(3)に示すように水が電気分解される。
2H2O→2H2+O2 ・・・(3)
この反応とともに、アノード電極においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(4)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(4)
さらに、この塩素は下記式(5)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(5)
貯水タンク51内の電解水は、循環ポンプ65、供給管24を介して気化式加湿器22の加湿エレメント23に供給され、この加湿エレメント23から流下した電解水はドレンパン25で受けた後に、返送管26を通じて貯水タンク51内に返送される。このため、加湿エレメント23と貯水タンク51との間には、電解水が循環して供給されることにより、この電解水中の次亜塩素酸は加湿エレメント23と常時接触する。
これによれば、次亜塩素酸の作用によって、気化式加湿器22の加湿エレメント23に雑菌やカビが繁殖されることが防止される。このため、加湿エレメント23を常時、清浄な状態に保持することができ、当該加湿エレメント23にて加湿された清浄な外気を室内に供給できる。
このように、水を電気分解して電解水を生成し、この電解水を加湿エレメント23に対して循環して供給する電解水循環供給装置35を備えた構成によれば、水循環方式の気化式加湿器22であっても、当該気化式加湿器22の加湿エレメント23に雑菌やカビが発生することが防止され、加湿エレメント23を清浄な状態に保つとともに、使用水量の低減を実現することが可能となる。
一方で、電解水中の次亜塩素酸の濃度が低すぎると、時間経過とともに次亜塩素酸が消費されてしまい、加湿エレメント23及び循環している水中に雑菌が繁殖しやすい環境となる。
このため、本構成では、加湿運転時に加湿エレメント23に供給される電解水中の次亜塩素酸濃度は、当該電解水中の雑菌の繁殖を抑制する濃度に設定されている。具体的には、電解水中の雑菌の繁殖を抑制する濃度として、水道水に残存する所定の遊離残留塩素濃度(例えば0.5〜1ppm)程度に設定されている。これにより、室内のユーザが塩素臭をほとんど感じることが防止されるとともに、循環される水を常に清浄な状態に保つことができ、ひいては、常に清浄な加湿された空気を室内に供給することができる。
なお、活性酸素種を効率よく発生させるために貯水タンク51内の水に添加される電解質は食塩に限らず、他の電解質を用いることも可能であり、例えば、他のハロゲンを含む含ハロゲン塩や、塩素及び他のハロゲンの各種ハロゲン酸塩を用いることも可能であり、ハロゲンを含まない電解質を用いてもよい。
ケース体36の正面側のパネルを取り外すと、電装ボックス53の正面側が開放され、電装ボックス53内の制御基板53A、及び、電源回路部53Bへのアクセスを容易に行うことができる。
まず、制御基板53Aは、送風機30の運転を開始する(ステップS1)。続いて、制御基板53Aは、電解モジュール67の電極に所定の電圧を印加して、貯水タンク51内の水の電気分解を開始し(ステップS2)、貯水タンク51内の電解水中の次亜塩素酸濃度を加湿運転時の所定濃度に調整する(ステップS3)。加湿運転時の所定濃度とは、電解水中の雑菌の繁殖を抑制できる程度の濃度であり、具体的には、電解水中の次亜塩素酸濃度が水道水中に残存する遊離残留塩素濃度と同程度(0.5〜1.0ppm)に調整される。なお、電解水中の次亜塩素酸濃度は、電極間で計測される導電率に基づいて、印加される電圧及び時間を設定することで調整される。
一方、電解水は、雑菌や有機化合物等の分解により次亜塩素酸を消費するが、加湿エレメント23からドレンパン25に流下した電解水は、返送管26を通じて、短時間で貯水タンク51内に返送される。そして、この貯水タンク51内で再び電気分解されることにより、電解水中の次亜塩素酸濃度を、加湿運転時の所定濃度に保持することができるため、水を循環する構成であっても、循環する水(電解水)を清浄な状態に保つことができる。
これにより、加湿エレメント23だけでなく、電解水の循環経路内に雑菌やカビなどが発生することが防止され、室内に清浄な空気を供給できる。
具体的には、制御基板53Aは、排水電磁弁を開放して、貯水タンク51に溜まった水を水抜き口62を通じて排出し、排出後に給水電磁弁55を開放して貯水タンク51内に新たな水道水を供給する(ステップS6)。そして、制御基板53Aは、電解モジュール67の電極に所定の電圧を印加して、貯水タンク51内の水の電気分解を開始し(ステップS7)、貯水タンク51内の電解水中の次亜塩素酸濃度を、加湿運転時よりも高い洗浄運転時の濃度(例えば、5ppm以上)に調整する(ステップS8)。
これにより、送風機30の運転が停止期間中であっても、高濃度の電解水が加湿エレメント23に供給されるため、この加湿エレメント23が十分に洗浄されることにより、当該加湿エレメント23に雑菌やカビが繁殖することを確実に防止できる。また、洗浄運転時には、加湿運転時よりも次亜塩素酸濃度が高く設定されるが、この洗浄運転中は、送風機30の運転が停止されているため、高濃度の次亜塩素酸が分解した際に発生する塩素が室内に供給されることは少なく、室内に塩素臭が漂う事態を防止できる。
11 筐体
19 通風路
22 気化式加湿器
23 加湿エレメント
24 供給管
25 ドレンパン
26 返送管
30 送風機
35 電解水循環供給装置(電解水循環供給手段)
36 ケース体(箱体)
51 貯水タンク(水槽)
53 電装ボックス
53A 制御基板(濃度制御手段、洗浄運転制御手段)
65 循環ポンプ
67 電解モジュール(電解ユニット)
Claims (4)
- 筐体内に形成される通風路に気化式加湿器と送風機とを備え、前記送風機によって前記筐体内に導入された空気を前記気化式加湿器で加湿した後に室内に供給する空気加湿装置において、
前記気化式加湿器は、前記通風路に配置される加湿エレメントと、水を電気分解して生成した活性酸素種を含む電解水を前記加湿エレメントに循環して供給する電解水循環供給手段と、加湿運転時の前記電解水の活性酸素種の濃度を当該電解水中の雑菌の繁殖を抑制する濃度に制御する濃度制御手段とを備えることを特徴とする空気加湿装置。 - 前記濃度制御手段は、前記送風機の運転が停止している場合に、前記電解水の活性酸素種の濃度を、加湿運転時よりも高い濃度に調整し、該高濃度の電解水を前記加湿エレメントに供給して当該加湿エレメントの洗浄を行うことを特徴とする請求項1に記載の空気加湿装置。
- 前記電解水循環供給手段は、水を貯留する水槽と、この水槽内の水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットと、生成された電解水を前記加湿エレメントに送る循環ポンプと、前記加湿エレメントから流下した水を受けるドレンパンと、このドレンパンで受けた水を前記水槽に返送する返送管とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気加湿装置。
- 前記通風路には、前記加湿エレメントの空気上流側に、外部から供給される冷媒と前記空気との熱交換を行う熱交換器が設けられ、この熱交換器は、前記加湿エレメントと共に前記ドレンパン上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の空気加湿装置。
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