JP4657180B2 - 冷却塔の除菌装置 - Google Patents

冷却塔の除菌装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4657180B2
JP4657180B2 JP2006240552A JP2006240552A JP4657180B2 JP 4657180 B2 JP4657180 B2 JP 4657180B2 JP 2006240552 A JP2006240552 A JP 2006240552A JP 2006240552 A JP2006240552 A JP 2006240552A JP 4657180 B2 JP4657180 B2 JP 4657180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling tower
tower
cooling
water
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006240552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008064348A (ja
Inventor
友人 小泉
浩之 梅沢
淳 山田
正博 井関
孔明 野口
宏 山本
毅 樂間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2006240552A priority Critical patent/JP4657180B2/ja
Publication of JP2008064348A publication Critical patent/JP2008064348A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4657180B2 publication Critical patent/JP4657180B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、循環する冷却水を塔内に散布し、吸込口から塔内に吸引した外気によって冷却水を冷却する冷却塔の除菌装置に関するものである。
従来より、例えば、デパートなどの大型建築物に用いられる空気調和機には、吸収式や圧縮式の冷媒サイクルを構成する水冷式のコンデンサ(他の冷媒回路などの放熱器又は凝縮器等であっても良い。)が設けられている。このコンデンサは、冷却塔を循環する冷却水によって冷却され、空気調和機の運転効率の向上を図っている。一般に、冷却塔は、コンデンサなどの熱負荷を循環する冷却水によって冷却し、機器の運転効率を向上するために用いられている。
冷却塔は、塔内の下部に冷却水を貯溜するための貯溜部が形成されており、塔内の上部には、熱負荷と熱交換した冷却水を塔内に散布するための散布器が設けられている。また、塔内上端には、吐出口が形成され、該吐出口の近傍には、塔内の空気を外部に吐出するための送風機が配設されている。他方、塔の下部周壁には、貯溜部の上方に位置してフィルタを備えた吸込口が形成されている。これにより、塔上部に設けられる送風機によって塔下部の吸込口から吸い込まれた外気は、塔内に吸引される。吸引された外気は、塔内を上昇し、その過程で、散布器により散布された冷却水と熱交換してそれを冷却した後、吐出口から外部に排出される。
これにより、外部熱負荷と熱交換し、加熱された冷却水は、該冷却塔において、冷却され、再び、外部熱負荷と熱交換することで、該熱負荷を冷却する。
このような冷却塔は、屋外に配設されることが多い。そのため、冷却塔に貯溜される冷却水には、自然界に存在するレジオネラ属菌等の菌類が侵入しやすい。そのため、冷却塔内の冷却水などで、菌類の増殖や、藻等が発生すると、コンデンサの性能低下を招く問題がある。また、レジオネラ属菌は、感染によりレジオネラ肺炎や肺炎にならない自然治癒型のポテンティアック熱などの病型があるレジオネラ症の疾患を招く。
ここで、レジオネラ属菌は、+20℃〜+50℃で繁殖し、+36℃前後が最も繁殖に適した温度であることから、冷却塔内に貯溜される冷却水の温度は、特に、夏季などの温度上昇が著しい時期において、レジオネラ菌の繁殖に適した温度となってしまい、レジオネラ属菌の増殖を招く問題がある。冷却塔内のレジオネラ属菌が増殖した冷却水は、塔内において外気と接触により熱交換され、水蒸気中に多くのレジオネラ属菌を含んだ状態で、外部に排出されることとなる。そのため、冷却塔は、レジオネラ症の感染源として問題提起されており、健康被害への懸念を払拭するため、冷却水に薬剤を添加して冷却塔の冷却水の除菌・殺菌が行われていた。
また、薬剤添加のほかにも、例えば、特許文献1に示される冷却塔におけるレジオネラ菌の除菌方法では、貯水槽内に別途電解槽にて電解することにより生成された遊離塩素濃度の高い遊離塩素水を冷却塔内に導入し、冷却塔内において循環する冷却水と混合することにより所定の遊離塩素濃度とし、これにより、冷却塔内における循環冷却水中のレジオネラ菌の除菌を行っている。
特許第3353497号公報
上述した如き特許文献1における冷却塔の除菌方法では、遊離塩素濃度、即ち次亜塩素酸濃度の高い電解水(遊離塩素水)を冷却塔内において循環冷却水と混合し、循環冷却水を配管の腐食に影響を及ぼさない程度の遊離塩素濃度の電解水とする。これによって、循環冷却水中のレジオネラ菌の除菌や、当該循環冷却水が接触する箇所、例えば、冷却水の循環経路や冷却水が貯溜される貯溜部の除菌を行う。
しかしながら、外気と接触する冷却塔内では、大気中の菌や微生物に常に晒されており、冷却水のみを除菌・殺菌しても、冷却塔内の冷却水が接触しないような場所、例えば、外気の吸込口部分や、散布器上方の冷却塔内部では、スライム等の発生が起こりやすい。そのため、係る吸込口部分や散布器上方の冷却塔内は、定期的な物理的洗浄が必要とされていた。
また、レジオネラ菌等の侵入経路である吸込口には、外気中に含まれるゴミや埃を除去するためのフィルタが設けられていることが多く、当該フィルタにはレジオネラ菌が付着しやすい。フィルタには、アメーバなどの原生動物が増殖しやすく、当該原生動物が生息する生物膜(バイオフィルム)の内部においてレジオネラ菌が増殖し、そのレジオネラ菌が生物膜にて保護されている。そのため、配管等の腐食を招かない程度の濃度にまで希釈された電解水では、仮に、フィルタに循環冷却水が飛散した場合であっても、生物膜内のレジオネラ菌を除菌することは困難であり、当該フィルタに付着したレジオネラ菌を除菌することができないという問題がある。
冷却塔内に吸い込まれる外気は、そのレジオネラ菌が増殖したフィルタを介して行われるため、常に、レジオネラ菌の温床を通過した外気が冷却塔内に取り込まれることとなり、冷却塔から吐出される空気(水蒸気)には、依然として相当数のレジオネラ菌が含まれることとなる。
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、冷却塔において増殖するレジオネラ菌等を効果的に除菌し、該冷却塔からレジオネラ菌を相当数含む空気が排出されることを回避することができる冷却塔の除菌装置を提供することを目的とする。
本発明の除菌装置は、循環する冷却水を塔内に散布し、吸込口から塔内に吸引した外気によって冷却水を冷却する冷却塔の除菌装置であって、外形が断面略円形の冷却塔よりも直径の大きい環状のパイプにより構成され、吸込口に向けて形成された噴霧孔より塔外から吸込口に殺菌能力を有する溶液を噴霧し、塔内に吸引させる手段を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の冷却塔の除菌装置は、上記発明において、吸込口の全周に溶液を噴霧することを特徴とする。
請求項3の発明の冷却塔の除菌装置は、上記各発明において、溶液の濃度を変更可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、循環する冷却水を塔内に散布し、吸込口から塔内に吸引した外気によって冷却水を冷却する冷却塔の除菌装置であって、外形が断面略円形の冷却塔よりも直径の大きい環状のパイプにより構成され、吸込口に向けて形成された噴霧孔より塔外から吸込口に殺菌能力を有する溶液を噴霧し、塔内に吸引させる手段を備えたので、噴霧された殺菌能力を有する溶液が冷却塔の吸込口の内外や塔内面に付着しやすくなり、当該吸込口の内外や塔内面でのレジオネラ菌などの繁殖を防止することが可能となる。これにより、冷却塔からレジオネラ菌等を相当数含む空気が排出されることを回避することが可能となり、環境に適した冷却塔の運転を実現することが可能となる。
また、殺菌能力を有する溶液は、高濃度の溶液であっても、塔内において循環する冷却水により希釈されるため、冷却水が循環する配管等の構成部品の腐食を回避することが可能となる。そのため、殺菌能力の向上を実現しながら、機器の損傷も防止することができる。
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、吸込口の全周に溶液を噴霧することにより、効果的に吸込口の内外や塔内面を除菌することが可能となる。これにより、より一層確実に、レジオネラ菌などの繁殖を防止することが可能となる。
請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて、溶液の濃度を変更可能とされているので、噴霧される溶液を希釈する冷却水の濃度に応じて溶液の濃度を変更可能とすることができ、これにより、冷却塔を構成する構成部品の溶液による腐食を回避しつつ、吸込口の内外や塔内面を好適に除菌することが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の冷却塔の除菌装置の参考例としての冷却塔用除菌装置1及び当該除菌装置1を備えた冷却塔2の概略構成図を示している。本実施例における冷却塔2は、例えば、吸収式や圧縮式の冷媒サイクルを構成する水冷式のコンデンサなどの熱負荷3を冷却するための装置である。尚、本実施例では熱負荷3として水冷式のコンデンサとしているが、他の冷媒回路などの放熱器や凝縮器、更には、当該熱負荷を冷却することによって運転効率の向上を図ることができるものであれば、これに限定されない。
即ち、冷却塔2は、塔2内の下部に冷却水を貯溜するための貯溜部4が形成されており、当該貯溜部4には、配管5が接続されている。好ましくは、冷却塔本体は塩素系物質に対して耐性のある材質により構成、若しくは、防食剤や塩素系物質に対し所定の耐性を有する材料にて被膜処理したものであることが望ましい。
配管5は、冷却塔2の貯溜部4に貯溜された冷却水中にて一端が開口し、これにより、冷却塔2内を出て、循環ポンプ6の入口側に接続される。循環ポンプ6の出口側には、配管7の一端が接続され、この配管7の他端は、上記熱負荷3の上流側に接続されている。そして、この熱負荷3の下流側には、一端に散布器9が設けられた配管8が接続されている。この散布器9は、冷却塔2内の上部に位置して、熱負荷3と熱交換した冷却水を塔2内に散布するものであり、本実施例では下向きに散水可能に設けられている。尚、この散布器9は、固定された散布孔から散布するものであっても、例えば水平面上に回転可能に設けられた散布孔から散布するものであっても良いものとする。
また、冷却塔2の下部周壁2Aには、前記貯溜部4の上方に位置してフィルタ11を備えた吸込口12が形成されている。この吸込口12は、一箇所又は複数箇所に形成されているものであっても、冷却塔2の周壁2A全周に渡って形成されているものであっても良いものとする。但し、熱効率の観点より、全周に形成されていることが好ましく、本実施例では、全周に渡って形成されているものとする。また、この吸込口12には、図示しない風向板が設けられていてもよい。この場合には、少なくとも風向板は、耐腐食性金属又は合成樹脂にて構成されているものとする。
そして、冷却塔2の上端には、上方に開口した吐出口13が形成されており、当該吐出口13の近傍、本実施例では、吐出口13の少許下方に位置する塔2内には、塔2内の空気を外部に吐出するための送風機14(後の電解水を塔2内に吸引させる手段)が配設されている。
尚、図1において15は、蒸発により減少した冷却水を補給するための給水手段であり、本実施例では、貯溜部4の上方より給水可能とされている。また、貯溜部4の底部には、貯溜部4内の冷却水を外部に排水可能とするための図示しない排水口が設けられている。これにより、当該冷却水の交換作業を行う際に、排水口を開口することにより、冷却水の廃棄を行うことができ、給水手段より、新たな冷却水を補給することが可能である。
係る構成により、循環ポンプ6及び送風機14を運転すると、貯溜部4内に貯溜された冷却水は、循環ポンプ6により、配管5、7を介して熱負荷3に送出され、循環される冷却水と熱負荷3との熱交換を行う。ここで、熱負荷3は、上述したように、冷媒サイクルを構成するコンデンサなどから構成されており、当該冷媒サイクルの運転により加熱されたコンデンサと冷却水が熱交換することで、コンデンサ、即ち熱負荷3が冷却され、冷却水が加熱されることとなる。
そして、熱負荷3により加熱された、即ち、熱負荷3の冷却に用いられた冷却水は、配管8を介して塔2内上部に配設される散布器9により塔2内に散布される。ここで、塔2内には、送風機14が運転されることにより、冷却塔2の周壁2Aに形成された吸込口12を介して外気が冷却塔2内に吸引される。吸引された外気は、塔2内を上昇し、その過程で、上方から散布器9により散布された冷却水と熱交換してそれを冷却した後、塔2上端に形成された吐出口13から外部に排出される。
これにより、散布器9により散布された冷却水は、外気との熱交換により冷却された後、自重により再び冷却塔2下部に形成される貯溜部4に貯溜され、再度、熱負荷3と熱交換を行う回路に送出され、当該回路を循環することにより、熱負荷3の冷却に用いられる。
一方、本実施例における冷却塔2の除菌装置1は、電解槽18と、給水槽19と、ポンプ20と、噴霧器21とから構成されている。給水槽19内には、塩化物イオンを含む水道水や、当該水道水中のハロゲン化物イオンの濃度、本実施例では塩化物イオン濃度を高濃度とするため、塩化ナトリウム等の塩化物イオンを含む物質を溶解した塩化ナトリウム溶液が貯溜されている。そして、この給水槽19は、開閉弁22が介設された配管23を介して電解槽18に接続されている。尚、この開閉弁22は、図示しない制御手段により、電解槽18内に設けられる水位検出手段が低水位を検知すると、開放し、満水位を検知することで、閉鎖するものとする。これにより、電解槽18内には、随時塩化ナトリウム溶液が補給される。
電解槽18は、少なくとも一対の電極24、25が配設されており、各電極24、25が電源26によって通電された場合、電解槽18内に貯溜された塩化物イオンを含む溶液(例えば食塩水)を電気分解(電気化学的処理)して活性酸素種を生成させる。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒロドキシルラジカル、或いは、過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった広義の活性酸素を含むものとする。
前記電極24、25は、例えばベースがTi(チタン)で被膜槽がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された電極板であり、この電極24、25に印加する電流値は、電流密度で20mA/cm2として、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg/L)を発生させる。
上記電極24、25により塩化物イオンを高濃度に含む溶液に通電すると、カソードを構成する電極24では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が生じ、アノードを構成する電極25では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、水に含まれる塩化物イオンが、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、更にはここで生成された塩素は水と反応し
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
本発明では、当該電解槽18において生成される電解水の次亜塩素酸濃度が例えば10mg/L〜200mg/L、本実施例では、100mg/Lとなるように電解処理する。
そして、この電解槽18には、端部に噴霧器21が設けられると共に、ポンプ20が介設された配管28の一端が接続されており、ポンプ20を運転することにより、電解槽18において生成された電解水は、噴霧器21から噴霧される。ここで、噴霧器21は、図1に示すように、上述した如き冷却塔2の吸込口12(フィルタ11)に向けて設けられている。尚、参考例では図1に示すように、吸込口12に対し、一方向からのみ、電解水の噴霧を行っているが、複数方向、例えば、冷却塔2に形成される吸込口12の全周に対し、電解水の噴霧を行ってもよい。
係る場合には、図2に示されるように、噴霧器27を冷却塔2の外形に対応した形状、例えば、冷却塔2の外形が断面略円形である場合には、当該円形よりも直径の大きい略円形に形成された環状のパイプにより構成し、当該パイプの内面、即ち、冷却塔2の吸込口12側に複数の噴霧孔を形成する。これにより、配管28を介して供給される電解水を各噴霧孔から冷却塔2の周壁2A全周に渡って形成される吸込口12に対し、噴霧することが可能となる。
ここで、冷却塔2の送風機14が運転されることにより、噴霧器21又は27から噴霧された霧状の電解水は、図3に示すように、フィルタ11が設けられる吸込口12を介して塔2内に吸引される外気と共に、塔2内に吸引される。図3では、白抜きの矢印により外気の流れを示し、破線矢印により霧状の電解水の流れを示す。
これにより、噴霧された霧状の電解水は、外気の流れに乗って冷却塔2の吸込口12の内外やフィルタ11、塔2内面、特に、散布器9により冷却水がかかりにくい位置にまで付着しやすくなる。本実施例では、この電解水は、所定濃度の塩化物イオンを含む水道水を電解することにより生成されたものであり、上述したように所定の次亜塩素酸濃度(100mg/L)である。これに対し、レジオネラ属菌は、約1ppm程度の次亜塩素酸濃度で死滅するといわれている。そのため、電解水は、例えば冷却塔2内に増殖するレジオネラ属菌を瞬時に殺菌可能であり、当該電解水が付着した部分に繁殖するレジオネラ菌を除菌することが可能となる。
また、生物膜の内部において増殖するレジオネラ菌であっても、高濃度の次亜塩素酸濃度の電解水が付着することによって、除菌することが可能となる。そのため、ゴミや埃などが捕獲されており、アメーバなどの原生動物が増殖しやすい吸込口12に設けられるフィルタ11の除菌を効果的に行うことが可能となり、当該フィルタ11から冷却水への浮遊細菌の流入を抑制することが可能となる。
更に、フィルタ11及び吸込口12を介して外気の流れに乗って塔2内に吸引された霧状の電解水は、外気と共に塔2内を上昇し、散布器9からの冷却水がかかりにくい塔2上部内壁や送風機14にも付着する。これにより、冷却水内に次亜塩素酸等の活性酸素種を投入又は生成し、当該冷却水を循環させることによって、冷却塔2内の除菌を行う場合では除菌することが困難となる吸込口12や、散布器9上方に位置する塔2上部内壁、更には、送風機14をも除菌することが可能となる。
従って、冷却塔2全体の除菌・殺菌を実現することが可能となり、冷却塔2からレジオネラ属菌などを相当数含む空気が環境中に放出される不都合を回避することが可能となり、レジオネラ属菌による健康被害を抑制することが可能な環境に適した冷却塔の運転を実現することができる。
図2に示されるように、冷却塔2の下部周壁全周に渡って形成される吸込口12に対し、噴霧器27により、当該吸込口12の全周に渡って電解水を噴霧可能としたことにより、効果的に吸込口12の内外や塔2内面を除菌することが可能となる。これにより、より一層確実に、レジオネラ属菌などの繁殖を防止することが可能となる。
そして、外気と共に冷却塔2内に吸引された霧状の電解水や、冷却塔2の内壁に付着した電解水は、自重により、又は、散布器9から散布される冷却水によって、貯溜槽4内に貯溜される冷却水(又は散布されている冷却水)に溶け込み、該冷却水によって当該電解水の次亜塩素酸濃度が所定濃度、例えば1mg/L以下、好ましくは、0.3mg/L以下にまで希釈される。
本実施例では、冷却塔2の総循環水量が約5000Lであり、一回の電解水の噴霧で、次亜塩素酸濃度100mg/Lの電解水を15L噴霧するため、冷却水中の次亜塩素酸濃度は約0.3mg/L程度にまで希釈される。係る電解水の噴霧は、定期的に行う間欠噴霧とする。
そのため、殺菌能力を有する溶液、即ち、所定の次亜塩素酸濃度の電解水は、付着するのみで瞬時にレジオネラ属菌などを殺菌することが可能である高濃度の溶液であっても、塔2内において循環する冷却水により希釈されるため、冷却水が循環する配管5等の構成部品の腐食を回避することが可能となる。そのため、殺菌能力の向上を実現しながら、機器の損傷も防止することができる。
そして、所定の次亜塩素酸濃度、例えば0.3mg/l程度にまで希釈された電解水は、冷却水として上述した如く熱負荷3を冷却するための環状に形成された配管経路及び散布器9を流通することにより、冷却水自体、及び、当該冷却水が流通する経路をも除菌・殺菌することが可能となる。これにより、冷却水などで発生する菌類や藻の発生を抑制することが可能となり、熱負荷3を構成するコンデンサ等の性能低下や、蒸発する冷却水中に含まれるレジオネラ属菌数を減少させることが可能となる。従って、環境中に放出されるレジオネラ属菌の数を抑制することができ、冷却塔2から放出されるレジオネラ属菌による健康被害を抑制することが可能となる。
尚、本実施例では、図1(参考例)、図2、図3に示すように冷却塔2の外方から噴霧器21又は27によって殺菌能力を有する溶液、ここでは電解水を噴霧しているが、噴霧形態としてはこれに限定されるものではない。
例えば、当該噴霧形態に加えて、図4に示すように、冷却塔2の内壁に向けて直接、殺菌能力を有する溶液、本実施例では電解水を噴霧手段を設けても良いものとする。図4に示す構成では、冷却塔2の内形に対応した形状、例えば、冷却塔2の内形が断面略円形である場合には、当該円形よりも直径の小さい略円形に形成された環状の噴霧器29を吸込口12の上方に位置する冷却塔2内に設け、当該噴霧器29の少なくとも外面、即ち、冷却塔2の内壁側に複数の噴霧孔を形成する。そして、この噴霧器29には、配管28に接続される分岐配管30を介して電解槽18からの電解水を供給可能とする。
これにより、ポンプ20が運転されると、配管28を介して噴霧器29に供給される電解水を各噴霧孔から冷却塔2の内壁全周に向けて噴霧することが可能となる。従って、冷却塔2内には、上述した如き噴霧器21又は27により吸込口12を介して噴霧され、外気と共に吸入される電解水に加えて、直接、冷却塔2の内壁に向けて噴霧される電解水により、より効果的に、冷却塔2内の除菌・殺菌を実行することが可能となる。
また、この噴霧器29は、吸込口12の上方に配設されているため、冷却塔2の上部にまで霧状の電解水を付着させることが可能となり、より確実に、冷却塔2内の除菌・殺菌を行うことができる。
尚、図4では、冷却塔2内に設けられる噴霧器29は、一段であるが、これに限定されるものではなく、多段であっても良いものとする。
次に、図5を参照して第2の実施例としての冷却塔用除菌装置32について説明する。図5は第2の実施例としての冷却塔用除菌装置32の概略構成図を示している。尚、図5において図1乃至図4と同様の符号が付されているものについては、同様の効果を奏するものであり、詳細な説明を省略する。
係る実施例における除菌装置32は、上記実施例1における冷却塔2と同様の冷却塔を除菌するものであり、電解槽18、その他、噴霧器21、27等は同様の構成とされる。この実施例における除菌装置32は、電解水を生成する塩化物イオンを含む溶液として、冷却塔2における循環冷却水を用いるものである。即ち、冷却塔2の貯溜部4の底部には、開閉弁33が介設された配管34が接続されており、当該配管34の他端は、電解槽18内に接続されている。開閉弁33は、図示しない制御手段により、電解槽18内に設けられる水位検出手段が低水位を検知すると、開放し、満水位を検知することで、閉鎖するものとする。これにより、電解槽18内には、冷却水が補給される。尚、当該電解槽18内には、別途塩化物イオンを含む物質、例えば塩化ナトリウムなどを添加しても良いものとする。
以上の構成で、上記実施例と同様に電極24、25により塩化物イオンを含む溶液に通電すると、電解槽18内には所定の次亜塩素酸濃度、例えば10mg/L〜200mg/Lの電解水が生成される。
そして、ポンプ20を運転することにより、電解槽18に接続された配管28を介して、噴霧器21から電解水が噴霧される。この場合においても、噴霧器21は、冷却塔2の吸込口12(フィルタ11)に向けて設けられているため、冷却塔2の送風機14が運転されることにより、噴霧器21から噴霧された霧状の電解水は、フィルタ11が設けられる吸込口12を介して塔2内に吸引される外気と共に、塔2内に吸引される。
これにより、噴霧された霧状の電解水は、外気の流れに乗って冷却塔2の吸込口12の内外やフィルタ11、塔2内面、特に、散布器9により冷却水がかかりにくい位置にまで付着しやすくなる。特に、電解槽18に貯溜された冷却塔2からの冷却水に塩化物イオンを含む物質、例えば塩化ナトリウムを添加することにより、所定の塩化物イオン濃度とし、当該冷却水を電解することにより、殺菌能力の高い次亜塩素酸等を高濃度に含む溶液とすることが可能となり、当該電解水が付着した部分に繁殖するレジオネラ菌を除菌することが可能となる。
また、係る実施例では、電解槽18への水の補給は、冷却塔2内を循環する冷却水を用いることから、装置の簡素化を図ることができると共に、給水槽19を設ける必要がなくなるため、装置全体のコンパクト化を図ることが可能となる。
次に、図6を参照して第3の実施例としての冷却塔用除菌装置36について説明する。図6は第3の実施例としての冷却塔用除菌装置36の概略構成図を示している。尚、図6において図1乃至図4と同様の符号が付されているものについては、同様の効果を奏するものであり、詳細な説明を省略する。
係る実施例における除菌装置32は、上記実施例1における冷却塔2と同様の冷却塔を除菌するものであり、電解槽18、給水槽19、その他、噴霧器21、27等は同様の構成とされる。この実施例における除菌装置36は、電解槽18内に塩化物イオン濃度を検出するための濃度センサ(濃度検出手段)37を備える。更に、冷却塔2に配設される配管7には、開閉弁38が介設された分岐配管39が接続されており、当該分岐配管39の他端は、電解槽18に接続されている。
これにより、図示しない制御手段は、電解槽18内の次亜塩素酸濃度を検出する濃度センサ37の出力に基づき、当該検出濃度が所定の濃度より高い場合には、開閉弁38を開放し、冷却塔2の熱負荷3へ循環する冷却水を電解槽18に供給する。
これにより、電解槽18において生成される電解水の次亜塩素酸濃度を下げる方向への調整を行うことが可能となり、噴霧器27(又は21)から噴霧される電解水の次亜塩素酸濃度を所定の濃度以下とすることができる。
従って、実施例1の除菌装置1において、電解水の噴霧が繰り返され、電解槽18内の塩化物イオン濃度が著しく上昇した場合であっても、本実施例の如く、冷却塔2を循環する冷却水を電解槽18に供給可能とすることで、生成される次亜塩素酸濃度を調整することが可能となり、必要以上に、即ち、レジオネラ属菌等を瞬時に除菌・殺菌可能とする最小の濃度を大きく上回ってしまう程度にまで上昇してしまい、冷却塔2その他、当該電解水を搬送する配管28等に悪影響を及ぼしてしまう不都合を回避しつつ、吸込口12の内外や塔2内面を好適に除菌することが可能となる。また、冷却塔2から電解槽18への給水が可能となるため、塩化物イオンを含む溶液(本実施例では、塩化ナトリウム溶液)を貯溜するための給水槽19のコンパクト化を図ることが可能となる。
尚、上記各実施例では、殺菌能力を有する溶液として電解槽18において生成された次亜塩素酸等の含む電解水を冷却塔2の吸込口12(フィルタ11)に噴霧し、冷却塔2の吸込口12の内外や、冷却塔2内面でのレジオネラ菌等の繁殖を防止しているが、殺菌能力を有する溶液は、電解槽18にて生成された電解水に限定されるものではなく、例えば実施例4として図7に示されるように、予め所定の高濃度、即ち、接触により瞬時にレジオネラ属菌等を除菌・殺菌可能な濃度に調整された薬剤(薬剤タンク40に収容されたもの)をポンプ20を用いて噴霧器21等により冷却塔2の吸込口12(フィルタ11)に噴霧しても同様の効果を得ることができる。
冷却塔と除菌装置の概略構成図である。(参考例) 冷却塔と除菌装置の概略構成図である。(実施例1) 冷却塔と除菌装置の外気流及び電解水の流れを示す概略構成図である。(実施例1) 冷却塔と除菌装置の外気流及び電解水の流れを示す概略構成図である。(実施例1) 冷却塔と除菌装置の概略構成図である。(実施例2) 冷却塔と除菌装置の概略構成図である。(実施例3) 冷却塔と除菌装置の概略構成図である。(実施例4)
1、32、36 冷却塔用除菌装置
2 冷却塔
2A 周壁
3 熱負荷
4 貯溜部
5、7、8、34、23、28 配管
6 循環ポンプ
9 散布器
11 フィルタ
12 吸込口
13 吐出口
14 送風機
15 給水手段
18 電解槽
19 給水槽
20 ポンプ
21、27、29 噴霧器
22、33、38 開閉弁
24、25 電極
37 濃度センサ(濃度検出手段)
40 薬剤タンク

Claims (3)

  1. 循環する冷却水を塔内に散布し、吸込口から塔内に吸引した外気によって前記冷却水を冷却する冷却塔の除菌装置であって、
    外形が断面略円形の前記冷却塔よりも直径の大きい環状のパイプにより構成され、前記吸込口に向けて形成された噴霧孔より塔外から前記吸込口に殺菌能力を有する溶液を噴霧し、塔内に吸引させる手段を備えたことを特徴とする冷却塔の除菌装置。
  2. 前記吸込口の全周に前記溶液を噴霧することを特徴とする請求項1に記載の冷却塔の除菌装置。
  3. 前記溶液の濃度を変更可能とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却塔の除菌装置。
JP2006240552A 2006-09-05 2006-09-05 冷却塔の除菌装置 Expired - Fee Related JP4657180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006240552A JP4657180B2 (ja) 2006-09-05 2006-09-05 冷却塔の除菌装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006240552A JP4657180B2 (ja) 2006-09-05 2006-09-05 冷却塔の除菌装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008064348A JP2008064348A (ja) 2008-03-21
JP4657180B2 true JP4657180B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=39287222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006240552A Expired - Fee Related JP4657180B2 (ja) 2006-09-05 2006-09-05 冷却塔の除菌装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4657180B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5831673B2 (ja) * 2010-01-22 2015-12-09 東洋製罐株式会社 空間表面の殺菌方法
JP5445522B2 (ja) * 2011-06-24 2014-03-19 三菱電機株式会社 給湯装置、空調機器
KR101553058B1 (ko) * 2014-04-28 2015-09-15 현대제철 주식회사 냉각탑용 충전재
JP6755084B2 (ja) * 2015-10-30 2020-09-16 東芝プラントシステム株式会社 水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法
CN109231616A (zh) * 2018-11-07 2019-01-18 杭州埃思波环保科技有限公司 工业冷却循环水处理综合解决装置及方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63287595A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Hitachi Ltd 制菌冷却装置
JPH06300486A (ja) * 1993-04-15 1994-10-28 Zexel Corp 熱交換器清浄装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63287595A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Hitachi Ltd 制菌冷却装置
JPH06300486A (ja) * 1993-04-15 1994-10-28 Zexel Corp 熱交換器清浄装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008064348A (ja) 2008-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100884879B1 (ko) 공기 제균 장치
JP4878826B2 (ja) 空気除菌装置
JP2008043634A (ja) 空気除菌装置
JP4657180B2 (ja) 冷却塔の除菌装置
JP5305770B2 (ja) 空気除菌装置
JP2008079723A (ja) 空気除菌装置
JP2008045856A (ja) 空気除菌装置
JP2008049002A (ja) 空気除菌装置
JP2008036135A (ja) 空気除菌装置
KR20090124996A (ko) 제균 시스템 및 공기 조화 제균 시스템
KR20100033356A (ko) 전해수 생성 장치 및 제균 시스템
JP2008229475A (ja) 滅菌水の製造装置
JP2010017413A (ja) 空気除菌装置
JP2008232552A (ja) 空気調和装置の室外ユニット
JP4781288B2 (ja) 空気除菌装置の洗浄方法、及び、空気除菌装置
JP2004132592A (ja) 電気化学的水処理方法及び水処理システム
JP2016180531A (ja) 空気浄化装置
JP6829002B2 (ja) 保管庫及び保管方法
JP4878822B2 (ja) 床置き式空気除菌装置
JP5335217B2 (ja) 空気調和システム
JP4721921B2 (ja) 空気除菌装置
JP6111417B2 (ja) 空気の除菌脱臭装置
JP5108655B2 (ja) 大空間除菌システム
JP2011045563A (ja) 空気除菌装置
JP4675230B2 (ja) 床置き式空気除菌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101221

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees