JP5335217B2 - 空気調和システム - Google Patents
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Description
このため、この種の空気調和システムにおいても、住宅の各室に除菌された清浄な空気を供給することが望ましい。
この構成によれば、室内機の室内熱交換器の風下に配置された空気除菌装置が、室内熱交換器で熱交換された調和空気を除菌するため、簡単な構成で、この除菌された清浄な空気をダクトを通じて各室に供給することができる。
図1は、住宅を全館冷暖房する空気調和システム100の概略構成を示す斜視図であり、図2は、空気調和システム100の配管構成図である。
空気調和システム100は、図1に示すように、住宅200の外部に配置される室外機1と、この住宅200の内部に配置される室内機2及び空気除菌装置150とを備えて構成されている。
室外機1は、図2に示すように、冷媒配管10に設けられた圧縮機11を備え、この圧縮機11の吸込側に、アキュムレータ12が接続され、その吐出側には四方弁13と室外熱交換器14と電動膨張弁15とが順に接続されている。また、室外機1には、室外熱交換器14へ向かって送風する室外送風機16が配設されている。
一方、室内機2は、上記冷媒配管10を介して電動膨張弁15に接続される室内熱交換器21と、この室内熱交換器21へ向かって送風する室内送風機22とを備えて構成され、当該室内熱交換器21は、冷媒配管10を介して上記四方弁13に接続されている。
また、暖房運転時には、図中に示す破線矢印の方向に冷媒が流れるように、四方弁13が切り換えられる。圧縮機11から吐出された高圧の冷媒は、室内熱交換器21に送られ、この室内熱交換器21において凝縮することにより、室内機2内に導入された空気を加温する。室内熱交換器21で凝縮した冷媒は、電動膨張弁15で膨張して室外熱交換器14に流入し、この室外熱交換器14で蒸発した後、四方弁13を介してアキュムレータ12に送られ、圧縮機11の吸込側に戻る。
この吹出口2Cには、室内熱交換器21で熱交換された調和空気が流れる主ダクト31が接続されている。この主ダクト31には、空気除菌装置150を介して、分岐チャンバ32が接続され、この分岐チャンバ32に第1分岐ダクト33及び第2分岐ダクト34がそれぞれ接続されている。第1分岐ダクト33は、住宅200の1階天井部201に配置され、この第1分岐ダクト33の末端部は、住宅200の各室に向けて分岐されて、これら各室に設けた吹出開口部35にそれぞれ接続されている。
また、第2分岐ダクト34は、住宅200の2階天井部202に配置され、この第2分岐ダクト34の末端部は、住宅200の各室に向けて分岐されて、これら各室に設けた吹出開口部36にそれぞれ接続されている。第1分岐ダクト33及び第2分岐ダクト34には、分岐チャンバ32の近傍にそれぞれサイレンサ38が設けられている。このサイレンサ38は、第1分岐ダクト33及び第2分岐ダクト34を空気が流れる際に生じる音を低減するものである。
また、本構成では、室内機2の筐体2Aの上面には、室内熱交換器21で熱交換された空気の一部が流れる排気ダクト39の一端が接続され、この排気ダクト39の他端は住宅200の壁面に形成された排気口30に接続されている。室内送風機22が運転されると、調和空気の一部が排気口30を通じて室外に排出される。また、住宅200の壁面には給気口29が設けられており、この給気口29を通じて、排気口30から排出された空気と略同量の外気が室内に流れ込むため、室内空間の換気が実現される。
この空気除菌装置150は、後述するように活性酸素種を含む電解水に浸潤される気液接触部材41(図4参照)において、熱交換された空気に電解水を接触させることにより、この空気を除菌するものである。本構成では、空気除菌装置150は、図1に示すように、室内機2の筐体2Aの上面に載置され、この室内機2の吹出口2Cに接続される主ダクト31に取り付けられている。
空気除菌装置150は、図2に示すように、主ダクト31中に配置される箱体28と、この箱体28に導入された調和空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて当該空気の除菌を行う空気除菌部40と、所定のイオン種を含む水を電気分解して、活性酸素種を含む電解水を生成して上記空気除菌部40に供給する電解水生成部50とを備える。
気液接触部材41は、ハニカム構造に似た3次元構造を持ったフィルタ部材であり、気体に接触するエレメント部をフレームにより支持する構造を有する。エレメント部は、図示を省略するが、波板状の波板部材と平板状の平板部材とが積層されて構成され、これら波板部材と平板部材との間に略三角状の多数の開口が形成されている。従って、エレメント部に空気を通過させる際の気体接触面積が広く確保され、電解水の滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。
エレメント部には、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)又はセラミックス系材料等の素材が使用され、本構成では、PET樹脂を用いるものとする。また、エレメント部には親水性処理が施され、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材41の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種(活性酸素物質)と空気との接触が長時間持続される。
また、気液接触部材41の上面には、散水ボックス42から滴下される電解水をエレメント部に効率よく分散させるため、分流シート(図示略)が配設されている。この分流シートは、液体の浸透性を有する繊維材料からなるシート(織物、不織布等)であり、気液接触部材41の厚み方向断面に沿って一または複数設けられる。
また、気液接触部材41の下部には、これら気液接触部材41から流下した水を受ける水受皿43が取り付けられている。この水受皿43は、所定量の水を貯留するための深さを有し、水受皿43の一端部には、より深底となった貯留部43Aが形成されている。この貯留部43Aには給水タンク44が配設され、給水タンク44から貯留部43Aに水を供給可能な構成となっている。詳細には、給水タンク44の下端に形成された給水口44Aにはフロートバルブ(図示略)が設けられ、貯留部43Aの水面が給水口44Aよりも下になると、このフロートバルブが開放されることにより、給水タンク44から必要量の水が供給され、貯留部43Aの水位が一定に保たれる仕組みとなっている。
水受皿43には、貯留部43Aの入口部分に当該貯留部43Aに流れ込む水に混入する固形物を捕集する捕集部材45が配置されている。この捕集部材45は、電解水による劣化が少ない素材で形成された捕集フィルタであり、当該捕集部材45によって、水受皿43を介して気液接触部材41と電解水生成部50の電解ユニット(後述する)52とを流れる水に含まれる固形物(例えば、スケール成分)が捕集されるため、この固形物が気液接触部材41に流入し、この気液接触部材41の目詰まりの発生が防止される。
また、本実施形態では水受皿43に貯留された水を適宜排出可能に構成されている。具体的には、貯留部43Aの下部には排水管46が連結されるとともに、この排水管46を開閉させる排水バルブ47が設けられている。そして、排水管46の先端は、室内機2のドレンパン(不図示)まで延びており、定期的に排水バルブ47を開放することにより、水受皿43上の水がドレンパンに排出される。これにより、気液接触部材41と電解ユニット52との間を循環する水を定期的に交換することができ、この水の濃縮に伴うスケールの発生を防止することができる。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
上記電極54、55間に電圧を印加すると、カソード電極(陰極)では、下記式(1)に示すように反応する。
2H2O+2e-→H2+2OH- ・・・(1)
アノード電極(陽極)では、下記式(2)に示すように反応する。
2H2O→O2+4H++4e- ・・・(2)
これらカソード電極及びアノード電極での反応を合わせると、下記式(3)に示すように水が電気分解される。
2H2O→2H2+O2 ・・・(3)
この反応とともに、アノード電極においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(4)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(4)
さらに、この塩素は下記式(5)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(5)
例えば、電極54に正の電位を与えて、電極54、55間に流れる電流値を、電流密度で20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)とすると、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。また、電極54、55間に印加する電圧を変更して、電流値を高くすることで、電解水中の次亜塩素酸の濃度を高い濃度に調整できる。
さらに、除菌された空気が主ダクト31、第1分岐ダクト33及び第2分岐ダクト34を流れるため、これら各ダクト内が除菌されるため、当該ダクト内を清潔な状態に保つことができる。
また、例えば、上記した空気除菌装置150を冬期に使用した場合、空気除菌部40では、空気の除菌とともに加湿がなされるため、この加湿された空気がダクト31、33、34を通じて各室に供給される。これによれば、室内機2に加湿機能を別途設ける必要がなくなるため、当該室内機2の構成を簡素化することができる。
この実施形態では、空気除菌装置150が一体的に設けられた室内機120を備える点で上記した実施形態と構成が異なる。上記した実施形態と同一の構成を有するものには、同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、この実施形態にかかる室内機の構成を示す斜視図である。室内機120は、室内機本体121と、この室内機本体121の前面側に配置される前面パネル122とを備える。この前面パネル122の下部には、グリル上の吸込口122Aが形成されており、この吸込口122Aには不図示の吸込フィルタが配置されている。
また、室内機本体121の上面には、吹出口121Aが形成されており、この吹出口121Aには、上記主ダクト31が接続されている。
また、室内熱交換器21と室内送風機22との間には、室内機120及び空気除菌装置150を制御する制御ボックス124が設けられている。この制御ボックス124の上部には、室内熱交換器21から流下したドレン水を受けるドレンパン125が設けられ、このドレンパン125には、当該ドレンパン125に溜まった水を外部に導くドレン管126が接続されている。
また、本実施形態では、空気除菌部40の気液接触部材41は、上記ドレンパン125上に配置されており、気液接触部材41を流下した電解水は、ドレンパン125を介してドレン管126によって機外に排出される。
また、給水トレー127上には、給水ポンプ51が配置され、この給水ポンプ51の上方には、散水ボックス42の近傍に、電解ユニット52が設けられている。給水タンク44に貯えられた水は、給水トレー127に貯留され、この貯留された水が給水ポンプ51によって電解ユニット52に供給される。そして、この電解ユニット52にて電気分解されることにより、上記活性酸素種を有する電解水が気液接触部材41に供給され、この気液接触部材41にて空気が除菌される。
本実施形態では、上記した実施形態と異なり、水を循環させないため、水使用量は増加するものの、水が濃縮する前に排出するため、気液接触部材41や電解ユニット52のメンテナンス周期を延ばすことができる。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(6)
3H2O→O3+6H++6e- ・・・(7)
2H2O→O3+4H++4e- ・・・(8)
一方、カソード電極では、下記式(9)及び(10)に示す反応が起こり、この(10)式では、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
2H2O+2e-→H2+2OH- ・・・(9)
O2 -+e-+2H+→H2O2 ・・・(10)
この場合、電解ユニット52に導入される水に、薬剤(ハロゲン化合物等)が供給される構成とすればよい。例えば、上記薬剤を供給する薬剤供給装置を給水タンク44に設けてもよく、この薬剤供給装置は、給水タンク44から電解ユニット52に至る経路上において薬剤を注入するものであってもよいし、電解ユニット52に直接薬剤を注入する構成としてもよい。
ここで、薬剤としては食塩または食塩水を用いることができる。例えば、電解ユニット52中の食塩水の濃度を2〜3%(重量パーセント)程度に調整すれば、電解ユニット52において食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸もしくは過酸化水素を含んだ電解水(0.5〜1%)を生成できる。この構成によれば、電解ユニット52に導入される水中のイオン種が希薄な場合でも、食塩または食塩水を添加することにより、イオン種を増加させて、水の電気分解時に、高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
また、上記した実施形態では、空気除菌装置150は、空気除菌部40と電解水生成部50とを一体に設ける構成について説明したが、図7に示すように、空気除菌部40と、電解水生成部50とをそれぞれ分離して配置する構成としても良い。この図7では、空気除菌部40が主ダクト31内に配置され、電解水生成部50は、例えば室内機2、120の内部に配置されている。電解水生成部50は、電解水水槽71と、この電解水水槽71内に設けられる電極54、55とを備え、当該電解水水槽71と上記空気除菌部40の散水ボックス42とは循環ポンプ72を介して電解水チューブ53で接続されている。また、空気除菌部40の電解水トレー43と電解水水槽71とは還流チューブ73にて接続されている。この構成では、電解水水槽71は、電解水トレー43よりも下方に設けられており、この電解水トレー43に溜まった水は、電解水トレー43と電解水水槽71との高低差によって電解水水槽に戻されるようになっている。また、電解水水槽71には、この電解水水槽71内に水道水等の水を供給する給水配管74が設けられている。
この構成によれば、空気除菌部40と、電解水生成部50とをそれぞれ分離して配置可能としているため、この電解水生成部50をユーザの嗜好に合致した場所に配置することができる。このため、電解水生成部50を例えば、室内機2、120の内部に配置することにより、電解水水槽71の清掃や、電極54、55のメンテナンス等の作業を容易に行うことができる。
また、上記した実施形態では、住宅200内の廊下や階段を通じて、空気を室内機2、120の吸込口2B、122Aに戻す構成としていたが、これに限るものではなく、例えば、還気(各部屋から戻る空気)用のダクトを設け、この還気用ダクトを通じて空気を循環させる構成としても良いことは勿論である。
2、120 室内機
2A 筐体
2B、122A 吸込口
2C、121A 吹出口
21 室内熱交換器
22 室内送風機
28 箱体
31 主ダクト
32 分岐チャンバ
33 第1分岐ダクト
34 第2分岐ダクト
35、36 吹出開口部
40 空気除菌部
41 気液接触部材
42 散水ボックス
43 水受皿
43A 貯留部
44 給水タンク
44A 給水口
50 電解水生成部
51 給水ポンプ
52 電解ユニット
52A 電解ユニット本体
54、55 電極
71 電解水水槽
72 循環ポンプ
73 還流チューブ
100 空気調和システム
121 室内機本体
122 前面パネル
124 制御ボックス
125 ドレンパン
126 ドレン管
127 給水トレー
128 排水管
150 空気除菌装置
200 住宅
201 1階天井部
202 2階天井部
300 給気ダクト
301 排気ダクト
302 全熱交換素子
Claims (2)
- 室内機の吹出口に接続された主ダクトが、住宅の各室に設けた調和空気の吹出開口部に接続された分岐ダクトに分岐し、該主ダクト及び分岐ダクトを通じて各室に供給された調和空気を前記室内機の吸込口に戻して冷暖房する空気調和システムにおいて、
前記吸込口から前記室内機内に吸い込まれた空気の一部を前記室内機外に排出する排気ダクトを前記室内機に接続し、
前記室内機の室内熱交換器の風下であって前記室内機と前記排気ダクトとの接続部分より下流側に、水を電気分解して生成した電解水と前記主ダクトに送る調和空気とを接触させて該空気を除菌する空気除菌部を有した空気除菌装置を備え、
前記室内機の室内機本体内には、前記室内熱交換器を送風方向に対して斜めに配置するとともに、前記空気除菌装置の空気除菌部を前記室内熱交換器と重ねて配置したことを特徴とする空気調和システム。 - 前記室内熱交換器の下部に当該室内熱交換器から流下したドレン水を受けるドレンパンを設け、
前記空気除菌部は、当該空気除菌部から流下した電解水が前記ドレンパンによって受けられるように、前記ドレンパン上に配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
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