JP6755084B2 - 水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法 - Google Patents

水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、変電設備の冷却設備に係り、特に、運用の際に水を使用する水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法に関する。
都市部の市街地に設置される変電所は、一般に、建物の地上階や地下部分に設置されることが多い。また、これらの変電所の内、中規模以上の変電所は、限られたスペースに設置可能な水冷式が多く採用される。このような水冷式変電所は、都市部の送配電において重要な設備であって、最大のものでは500kV級の設備もある。このような水冷式変電所は、都市部の主要機関に電力を供給している関係から、設備停止は混乱を招く等の社会問題としてクローズアップされる傾向がある。従って、水冷式変電所の信頼性向上は大きな命題である。
上述した事情から、水冷式変電所を構成する機器(例えば、変圧器)について、高い信頼性が求められるのはもちろんのこと、その補機(例えば、変圧器の冷却システム)についても同様に高い信頼性が求められる。例えば、水冷式変電所を構成する変圧器の冷却システムは、冷却システムの停止が、変圧器の停止(熱による自損)に直結するため、やはり、高い信頼性が求められる。
また、水冷式変電所は、電力需要の大きな都市部に設置されるのに加えて、建物の地上階や地下部分に設置されていることから、変圧器等で大量に発生した熱が放散しにくく、発生した熱を地下階等の屋内から屋外(地上)へ強制的に放出することが必要であり、水冷式変電所の冷却設備は屋外に設置される変電所に比べて、大型化・複雑化する傾向がある。
一般的な水冷式変電所の冷却設備システムは、変圧器で発生した熱を、変圧器に設置される一次冷却器において冷水が温水となる過程で熱交換し、一次冷却器からの温水(一次冷却器で熱交換された後の冷却水)を循環水ポンプによって二次冷却器へ送り、二次冷却器で温水が冷水となる過程で熱交換することによって放熱する仕組である。上記仕組を採用した変電設備の冷却設備の一例としては、例えば、特開2001−91189号公報(特許文献1)に記載されるような冷却システムが知られている。
特許文献1に記載される水冷式変電所の変圧器冷却システムでは、変圧器の冷却設備(二次冷却器)として冷却塔を使用しているが、開放型冷却塔、および密閉型冷却塔の何れの方式を採用しても大量の水が必要となる。より具体的に説明すれば、開放型冷却塔は、循環水を直接大気に蒸発させた時の蒸発潜熱を用いて冷却するため、冷却塔内部で水が大量に使用される。また、密閉型冷却塔は、密閉された循環水が通水する熱交換部に散布水を散布し、この蒸発潜熱を用いて冷却している。
また、大量の水を使用する冷却塔は、塔内の水環境がレジオネラ属菌の増殖にも好適であり、レジオネラ症汚染防止の観点から注意を払わなければならない建築設備の一つである。特に、人口の多い都市部に設置されることの多い水冷式変電所の冷却塔については、汚染によるレジオネラ症発生が発生した場合、より徹底したレジオネラ属菌への対策が求められる。
水系統におけるレジオネラ属菌を低減させる技術(以下、単に「レジオネラ属菌低減技術」とする。)として、例えば、特開2009−024895号公報(特許文献2)に記載されるようなレジオネラ属菌等を殺菌する薬剤を注入よる薬剤注入方式、特開2011−112308号公報(特許文献3)に記載されるような紫外線を照射する紫外線照射方式、特開2015−85211号公報(特許文献4)に記載されるようなオゾンを溶解させた循環水を供給するオゾン水供給方式等が提案されている。
特開2001−91189号公報 特開2009−024895号公報 特開2011−112308号公報 特開2015−85211号公報
しかしながら、薬剤注入方式によるレジオネラ属菌低減法は、一般的に、薬剤を注入しレジオネラ属菌を殺菌処理した後、ブローダウン水として排出する時の排水処理が必要となる。つまり、薬剤注入方式によるレジオネラ属菌低減技術は、排水処理関連の費用が生じる分、高額化しやすく、また、設置装置での安全操作に加え、排水に対して適切な処理がなされている事などの厳しい管理が求められる。
さらに、薬剤注入方式によるレジオネラ属菌低減技術は、同じ薬剤を連続して使用するとその薬剤に対する耐性を有する耐性菌を生み出してしまうことがあり、何種類かの薬剤をローテーションする等の同じ薬剤の連続使用を避けなくてはならない。冷却塔内の部材を腐食させない薬剤の種類は限定的であり、長期的に耐性菌の発生を抑制することの課題がある。
紫外線照射方式によるレジオネラ属菌低減技術は、照射している紫外線(紫外光)が当たっている箇所でのレジオネラ属菌を低減する効果が認められるものの、紫外線(紫外光)が当たらない部分では、レジオネラ属菌の増殖の温床となるバイオフィルムやスライムが形成されたり、残存したりする。紫外線の照射を止めた場合、形成等されていたバイオフィルム等からレジオネラ属菌の増殖が起こり、レジオネラ属菌低減の効果が限定的で長期に持続させることが難しいという課題がある。
これに対して、オゾン水供給方式によるレジオネラ属菌低減技術は、オゾン濃度が高すぎる場合には、発生する強い臭気や設備の腐食に対して課題を生じるものの、オゾン濃度を適切にコントロールすることで、オゾンによる周辺環境および冷却設備の寿命への影響を小さく抑えることができる利点があること、生成過程で毒性のある二次生成物を生成せず、また、空気中に排出されても酸素に戻ることから環境への影響が小さいという利点があること、オゾンは空気中に多量に存在する酸素を原材料として生成されるため、原材料費がかからない等の理由で、薬剤注入方式や紫外線照射方式よりも優位な方式と考えられる。
また、オゾン水供給方式によるレジオネラ属菌低減技術は、酸化して直接細胞を破壊するので必ず細菌死滅効果があり、耐性菌を発生させない点で薬剤注入方式より優位である。また、バイオフィルムやスライムに対しても低減効果が高い点で他の方式よりも優位である。
しかしながら、被冷却体としての変圧器(分路リアクトルを含む)の冷却に水を使用する水冷式変電所の被冷却体冷却システムでは、設備容量が大きいため、発生する熱量も大きい。例えば、冷却設備、給水設備、水処理設備、空調設備等の水を使用する一般的な機器で使用される冷却水よりも温度が高い(約50℃)冷却水が流れており、このような高温度では、検出下限未満の状態から検出下限以上に増殖するまでの期間が一般的な水系統に適用される場合よりも短く、レジオネラ属菌がより短期間で繁殖しやすい。従って、冷水が通水する一般的な水系統の場合と同様の装置構成および繁殖抑制方法では、レジオネラ属菌を十分に抑制できない可能性がある。
また、高温水環境下では、レジオネラ属菌の濃度の高低について、よりタイムリーな判断が求められる。しかしながら現状ではレジオネラ属菌の濃度測定結果を直ちに精度良く得る装置および方法が確立していない。レジオネラ属菌の菌濃度を、直接サンプリングにより培地で増殖するコロニー数をカウントして測定する方法があるが、この測定方法では、レジオネラ属菌の濃度を直接測定した結果が得られるまでに14日間(2週間)程度を要する。
従って、前記レジオネラ属菌の濃度測定方法では、得られる濃度測定結果は、約14日前の水系統におけるレジオネラ属菌の濃度測定結果であって、現在の水系統におけるレジオネラ属菌の濃度を示している訳ではない。すなわち、約14日間という極めて長い濃度判定遅れ時間がある。
14日間という期間は、水冷式変電所の被冷却体冷却システムで使用される冷却水(約50℃)の温度環境下では、検出下限未満の状態から数万CFU/100mLなどのはるかに高い菌濃度に増殖するまでの期間よりも長く、仮に約14日前の水系統におけるレジオネラ属菌の濃度測定結果が検出下限未満であったとしても、現在の水系統におけるレジオネラ属菌の濃度は、例えば、数十万CFU/100mL以上などの検出下限よりもはるかに高い菌濃度になっていることも起こり得る。従って、レジオネラ属菌の濃度測定結果に基づくオゾン殺菌装置の運転制御では、水冷式変電所の被冷却体冷却システムの水系統におけるレジオネラ属菌を十分に抑制できない事態を招来し得る。
さらに、水冷式変電所の被冷却体冷却システムでは、予備の冷却塔が設けられている場合がある。予備の冷却塔では、冷却水の循環および冷却用の散布水の散布が停止している。当該箇所ではレジオネラ属菌が増殖しやすく、十分に抑制できない事態を招来し得る。
一方、オゾン水の濃度を定常的に高く維持していれば、高温度の水環境下であっても、レジオネラ属菌の濃度を要求される値未満に維持することも可能であるが、この場合には、オゾン水に曝される部材の腐食をより進行させてしまう。また、高いオゾン濃度に伴う臭気の発生や連続運転に伴う電力消費増大やオゾン発生部の寿命低下も懸念される。従って、オゾン水の濃度を定常的に高く維持することは極力回避したい事情がある。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、水を使用する冷却塔の散布水中へオゾンを供給し、そのオゾン供給量をタイムリーに制御することで、冷却塔の設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保しつつ、レジオネラ属菌の濃度を運用上要求される濃度基準よりも低いレベルに抑制し、当該レベルを維持可能な水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法を提供すること、を目的とする。
本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムは、上述した課題を解決するため、循環水が循環する流路上に設けられ、前記循環水と熱交換することで、水冷式変電所の変電動作時に冷却対象となる当該水冷式変電所の被冷却体の発生熱を前記被冷却体から除去する第1の冷却手段とは離れた位置であって前記循環水が循環する流路上に設置され、前記第1の冷却手段を通過した後の循環水である温水を冷却する冷却塔内で散布される散布水を散布水送出口から取り出して導入し、導入した散布水に発生させたオゾンを溶解させて、オゾン水を生成し、生成したオゾン水をオゾン水送出口から送出して前記冷却塔の水槽部と冷却塔入口配管へ戻すオゾン殺菌装置と、前記散布水が通水する前記冷却塔と前記オゾン殺菌装置との間を連絡しており、前記オゾン水を前記冷却塔へ供給する状態と供給しない状態とを切り替え可能な流路を備えるオゾン水供給系統と、前記冷却塔に存在するレジオネラ属菌を含むオゾン消費物質の濃度レベルを前記オゾン水の水温及びオゾン溶存濃度に基づき判定するための判定値を得て、得られる前記判定値と設定される閾値との大小関係と対応したモードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水供給系統内の流路の開閉状態の少なくとも一方を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温と、少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度とを検出部から取得し、取得した少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度の検出値と、前記制御手段に与えられる、前記オゾン溶存濃度の検出値と前記判定値との関係を規定した判定値導出情報とを用いて前記判定値を求める一方、取得した前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温の検出値と前記制御手段に与えられる温度および前記閾値との関係を規定した閾値決定情報とを用いて前記閾値を求めるように構成されることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムは、上述した課題を解決するため、前記第1の冷却手段と、前記冷却塔と、上述した水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムと、を具備すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法は、上述した課題を解決するため、循環水が循環する流路上に設けられ、前記循環水と熱交換することで、水冷式変電所の変電動作時に冷却対象となる当該水冷式変電所の被冷却体の発生熱を前記被冷却体から除去する第1の冷却手段とは離れた位置であって前記循環水が循環する流路上に設置され、前記第1の冷却手段を通過した後の循環水である温水を冷却する冷却塔内で散布される散布水を取り出して導入し、導入した散布水に発生させたオゾンを溶解させて、オゾン水を生成し、生成したオゾン水をオゾン水送出口から送出して前記冷却塔の水槽部と冷却塔入口配管へ戻すオゾン殺菌装置と、前記散布水が通水する前記冷却塔と前記オゾン殺菌装置との間を連絡しており、前記オゾン水を前記冷却塔へ供給する状態と供給しない状態とを切り替え可能な流路を備えるオゾン水供給系統と、前記冷却塔に存在するレジオネラ属菌を含むオゾン消費物質の濃度レベルを前記オゾン水の水温及びオゾン溶存濃度に基づき判定するための判定値を得て、得られる前記判定値と設定される閾値との大小関係と対応したモードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌手段および前記オゾン水供給系統内の流路の開閉状態の少なくとも一方を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記オゾン水供給系統に設けられ、前記オゾン水供給系統を流れる前記オゾン水のオゾン溶存濃度を検出する検出部から得られる第1の検出値と温度検出値とを用いて前記判定値を求めるように構成されるレジオネラ属菌対策システムを用いた水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法であって、前記レジオネラ属菌対策システムの運転が開始され、前記オゾン殺菌手段が、オゾンを発生させ、前記冷却塔から導入した散布水に発生させたオゾンを溶解させて前記冷却塔の水槽部と冷却塔入口配管へ戻すステップと、前記制御手段が、前記検出部から取得する少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度の検出値を用いて前記判定値を求めるステップと、前記制御手段が、取得する前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温の検出値を用いて前記閾値を決定するステップと、前記制御手段が、前記判定値を求めるステップで得た前記判定値と前記閾値を決定するステップで得た前記閾値との大小関係を求め、求めた大小関係に対応したモードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水供給系統内の流路の開閉状態の少なくとも一方を制御するオゾン水供給制御ステップと、を具備することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却方法は、上述した課題を解決するため、上述した水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法が具備するステップと、前記循環水を、前記流路で循環させて前記被冷却体を冷却するステップと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、冷却塔の設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保しつつ、レジオネラ属菌の濃度を運用上要求される濃度基準よりも低いレベルに抑制し、当該レベルを維持することができる。
本発明の実施形態に係る水冷式変電所の変圧器冷却システムを概略的に示したシステム構成図。 本発明の第1の実施形態に係る水冷式変電所の変圧器冷却システムを概略的に示したシステム構成図。 本発明の実施形態に係る水冷式変電所の変圧器冷却システムにおけるオゾン殺菌手段の構成を概略的に示した説明図であり、(A)はオゾン殺菌手段の平面図、(B)はオゾン殺菌手段の正面図。 本発明の第1の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第1の開放型冷却塔運転制御手順を示す処理フロー図。 本発明の第1の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第2の開放型冷却塔運転制御手順を示す処理フロー図。 発生させるオゾン量およびpH一定時における、水温に対するオゾン溶存濃度の関係を示し、且つ温度と水質基準値(閾値)との関係を示す説明図(グラフ)。 オゾン溶存濃度に対するレジオネラ属菌の殺菌効果が認められる菌初期濃度の関係を示す説明図(グラフ)。 オゾン溶存濃度に対するレジオネラ属菌の濃度が1/10(10%)になるまでの時間の関係を示す説明図(グラフ)。 本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第1のオゾン供給制御手順を示す処理フロー図。 本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第2のオゾン供給制御手順を示す処理フロー図。 本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第3のオゾン供給制御手順を示す処理フロー図。 本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムのレジオネラ属菌対策システムに適用されるイオン供給源の他の構成例を示す説明図。 本発明の第2の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムを概略的に示したシステム構成図。 本発明の第2の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムの変形例(第1の変形例)を示す概略図。 本発明の第2の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムの変形例(第2の変形例)を示す概略図。 本発明の第3の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムを概略的に示したシステム構成図。 本発明の第3の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第1の密閉型冷却塔運転制御手順を示す処理フロー図。 本発明の第3の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける第2の密閉型冷却塔運転制御手順を示す処理フロー図。
以下、本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明および図面の記載は、本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法の代表的な例を例示したものであり、本発明は、当該例示の内容に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムの一実施例である被冷却体冷却システム10(10A,10B,10C)を概略的に示したシステム構成図である。
なお、図1において、オゾン水供給系統35(36)は、図の明瞭化および簡略化の観点から、オゾン水供給系統35(36)が備える、各冷却塔221〜225(241〜245)とオゾン殺菌装置31と接続する循環流路のうち、左右の両端に図示される第1の冷却塔221および第5の冷却塔225(245)の循環流路を図示し、その他の冷却塔222〜224(242〜245)の循環流路については一部を省略して部分的に示している。
被冷却体冷却システム10(10A〜10C)は、水冷式変電所に設置される、例えば3個等の1個以上の被冷却体1,2,3での発生熱を、例えば、3台等の1台以上の熱交換器211,212,213で構成される一次冷却手段と、例えば5台等の1台以上の冷却塔22(24)で構成される、冷却に水を使用する二次冷却手段とを配管によって接続した冷却系統20に水(以下、「循環水」とする。)を循環水ポンプ231,232,233で循環させることによって除熱(熱交換)し、被冷却体1,2,3を冷却するシステムである。冷却系統20において、循環水は、3個の被冷却体1〜3と5台の冷却塔22(24)とが共通ヘッダH1,H2を介して接続された循環流路を循環する。
ここで、被冷却体1〜3は、変電動作時に冷却対象となる機器であり、例えば、変圧器(トランス)や分路リアクトルのように変電動作時に発熱する機器である。また、冷却塔22(221〜225)および冷却塔24(241〜245)は、それぞれ、開放型冷却塔(図2他)および密閉型冷却塔(図16他)である。
5台の冷却塔22(24)、すなわち、第1〜5の冷却塔221〜225(241〜245)のうち、4台の冷却塔(第1〜4の冷却塔)221〜224(241〜244)は常用冷却塔として使用され、残り1台の冷却塔(第5の冷却塔)225(245)は予備冷却塔として使用される。なお、後述する「予備冷却塔225(245)」は、図1に例示される被冷却体冷却システム10(10A,10B,10C)において、第5の冷却塔225(245)を予備冷却塔として運用していることを示している。
図1に例示される被冷却体冷却システム10(10A,10B,10C)は、熱的には被冷却体1〜3の発生熱量合計と、冷却塔221〜225(241〜245)の全冷却量合計は互いに一致するものであり、予備冷却塔225(245)が稼働していない場合、熱を発生させる被冷却体1〜3の個数および運転している冷却塔221〜224(241〜244)の台数は、それぞれ、3個および4台であり、被冷却体1個に対して、平均して約1.3台の冷却塔22(24)が冷却を受け持つことになる。
また、被冷却体冷却システム10(10A,10B,10C)は、被冷却体1,2,3の一次および二次冷却手段に加えて、本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムの一実施例であるレジオネラ属菌対策システム30(30A,30B,30C)をさらに具備する。
レジオネラ属菌対策システム30は、例えば、導入した水にオゾン(O)を溶解させて生成したオゾン水を供給するオゾン殺菌装置31と、オゾン殺菌装置31および冷却塔22(24)と接続され、オゾン水が循環する各流路に設けられる弁33の開閉状態を制御する制御装置32と、を備え、オゾン殺菌装置31で生成したオゾン水を、各冷却塔221〜225(241〜245)とオゾン殺菌装置31とを独立に接続される流路を備えるオゾン水供給系統35(36)を通じて供給する。
オゾン殺菌装置31で生成されたオゾン水は、レジオネラ属菌対策システム30Aでは開放型冷却塔221〜225とオゾン殺菌装置31とを独立に接続するオゾン水供給系統35(図2)を通じて、レジオネラ属菌対策システム30Bでは開放型冷却塔221〜225とオゾン殺菌装置31とを独立に接続するオゾン水供給系統36(図13)を通じて、レジオネラ属菌対策システム30Cでは密閉型冷却塔241〜245とオゾン殺菌装置31とを独立に接続するオゾン水供給系統36(図16)を通じて供給される。
続いて、本発明の各実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法について説明する。
なお、後述する各実施形態は、レジオネラ属菌対策システム30A〜30Cの構成およびレジオネラ属菌対策システム30A〜30Cで行われるレジオネラ属菌対策方法の点で相違するが、その他の点は実質的に相違しないため、レジオネラ属菌対策システム30A〜30Cの構成およびレジオネラ属菌対策システム30A〜30Cで行われるレジオネラ属菌対策方法を中心にして、被冷却体冷却システム10A〜10C、レジオネラ属菌対策システム30A〜30C、被冷却体冷却システム10A〜10Cによる被冷却体冷却方法およびレジオネラ属菌対策システム30A〜30Cによるレジオネラ属菌対策方法について説明し、その他の点は説明を簡略または省略する。
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムの一実施例であり、本実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムの一実施例である被冷却体冷却システム10Aを概略的に示したシステム構成図である。
なお、図2においては、図を簡略化する観点から、図1に例示される各被冷却体1〜3と各開放型冷却塔221〜225とをそれぞれ接続する流路を備える冷却系統20については、第1の被冷却体1、熱交換器211、第1の開放型冷却塔221および循環水ポンプ231を循環する流路および図1において図示が省略されている補給水槽25を代表して示す。また、開放型冷却塔221〜225とオゾン殺菌装置31とをそれぞれ接続する流路を備えるオゾン水供給系統35については、各流路を代表して、1台の冷却塔である第1の開放型冷却塔221とオゾン殺菌装置31とを接続する分岐流路351a,351bを示す。
被冷却体冷却システム10Aは、例えば、熱交換器211等の一次冷却手段と、第1の開放型冷却塔221等の二次冷却手段と、二次冷却手段から循環水の一部を抜き出してオゾンを溶解させ、オゾン水として二次冷却手段へ戻すレジオネラ属菌対策システム30Aとを具備する。
図2に示される第1の開放型冷却塔221における循環水系統26は、他の開放型冷却塔222〜225における循環水系統26を代表して示したものである。従って、第2〜第5の開放型冷却塔222〜225における循環水系統26は、図2に示される第1の開放型冷却塔221における循環水系統26と同様の構成である。
レジオネラ属菌対策システム30Aは、例えば、オゾン殺菌装置31と、制御装置32と、オゾン水供給系統35とを具備する。また、レジオネラ属菌対策システム30Aでは、開放型冷却塔22の冷却塔水槽(水槽部)22bには、例えば、銀イオン(Ag)、銅イオン(Cu2+)、亜鉛イオン(Zn2+)およびその他の殺菌効果を有する金属イオン(以下、「殺菌金属イオン」とする。)の発生源であるイオン発生源51が設置される。これは、冷却塔水槽(水槽部)22b内の散布水に上記殺菌金属イオンを供給するためである。
イオン発生源51は、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、亜鉛(Zn)、白金(Pt)およびその他のイオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属、すなわち、殺菌金属イオンの元となる金属(以下、「殺菌金属」とする。)を含有する金属板などの殺菌金属を含有する構造物や、銀イオン(Ag)や銅イオン(Cu2+)などの殺菌金属イオンを発生させる殺菌金属の無電解メッキを表面に施したプラスチック板等である。
また、開放型冷却塔22の充填材部22cには、例えば、銀イオン(Ag)や銅イオン(Cu2+)などの殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属、すなわち、殺菌金属の無電解メッキを表面に施したプラスチック板が使用される。これは、充填材部22cを通水する散布水に、銀イオン(Ag)や銅イオン(Cu2+)などの殺菌金属イオンを散布水中に供給するためである。
オゾン殺菌装置31は、酸素(O)を濃縮する酸素濃縮部31aと、酸素濃縮部31aが濃縮した酸素を用いてオゾン(O)を発生させるオゾン発生部31bと、オゾン発生部31bが発生させたオゾンを吸入口31iから取り込む水に混合してオゾン水を生成する気液混合部31cと、気液混合部31cが生成したオゾン水を送出口31oから送出するオゾン溶解部31dと、概ね直径50μm以下の極めて小さな気泡(オゾンのバブル)であるマイクロバブルやナノバブルを発生させる極小バブル発生手段の一例であるマイクロバブル発生器31eとを備えて構成される。
なお、マイクロバブル発生器31eは、オゾン殺菌装置31の必須構成要素ではないものの、マイクロバブルやナノバブルでオゾンを水中に溶解させることで、オゾンの水中への保持時間を長くすることができ、ひいてはオゾンによる殺菌や有機物の繁殖抑制の効果を高めることができる点で好適である。
吸入口31iから導入した散布水(レジオネラ属菌対策システム30Aの場合、開放型冷却塔22を含む循環水系統26を循環する循環水であり、レジオネラ属菌対策システム30Cでは密閉型冷却塔24内で散布される散布水)にオゾン発生機能を用いてオゾンを発生させ、オゾン溶解機能を用いて発生させたオゾンを水中に溶解してオゾン水を生成し、送出口31oから送出する。
なお、図の煩雑化を避ける観点から、送出口31oにおけるオゾン水の水温を検出する温度検出器と、送出口31o側に設けられ、送出口31oにおけるオゾン水のオゾン溶存濃度(以下、単に「出口オゾン濃度」とする。)を検出するオゾン濃度検出器(第1のオゾン濃度検出器)と、吸入口31i側に設けられ、吸入口31iにおけるオゾン水のオゾン溶存濃度(以下、単に「入口オゾン濃度」とする。)を検出するオゾン濃度検出器(第2のオゾン濃度検出器)については図示を省略している。すなわち、オゾン殺菌装置31には、前記温度検出器、前記第1のオゾン濃度検出器および前記第2のオゾン濃度検出器が設置されている。なお、第2のオゾン濃度検出器については必ずしもオゾン殺菌装置31に設置されていなくてもよい。
オゾン殺菌装置31から送出されたオゾン水は、分岐流路351a,351bを介して、それぞれ、開放型冷却塔221内の上部に配設される充填部22cと下部に配設される冷却塔水槽(水槽部)22bへと供給され、オゾン水による殺菌や藻の発生および繁殖防止を行う。弁37aおよび弁37bを、両方とも開放、またはどちらか一方を開放し他方を閉止することによって、充填部22cおよび冷却塔水槽22bの両方の殺菌や藻の発生および繁殖防止、および充填部22cまたは冷却塔水槽22bに特化した殺菌や藻の対策が可能となっている。なお、分岐流路351aの出口、すなわち、冷却塔水槽22bと連通する箇所に、マイクロバブル発生機能を有するマイクロバブル発生器52が取り付けられていても良い。
オゾン殺菌装置31から供給されるオゾン水のオゾン濃度(オゾン溶存濃度)は、冷却塔22(24)への部材の腐食を抑えて設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保するため、例えば、事前に確認されている(公知の)範囲、すなわち、オゾン水のオゾン濃度(オゾン溶存濃度)を、オゾン殺菌装置31の送出口31oでは2〜3ppm程度、冷却塔水槽で通常1ppm以下に設定する。
オゾン殺菌装置31は、オゾン発生量を調整可能な範囲内に制御することによって、オゾン殺菌装置31から供給されるオゾン水のオゾン溶存濃度の範囲を所定範囲で制御することができる。
被冷却体冷却システム10(10A〜10C)におけるオゾン殺菌装置31では、少なくとも、冷却塔水槽22b内のオゾン濃度(オゾン溶存濃度)が例えば0.01ppm以上0.1ppm以下の低い範囲になる低濃度範囲と、これよりも高い例えば0.5ppm以上1ppm以下の範囲になる高濃度範囲との異なる二つの濃度範囲に落ち着くように構成されており、低濃度範囲と高濃度範囲とをオゾン殺菌装置31の駆動電力を切り替える、または順次連続的に駆動電力を変える等によりオゾン殺菌装置31の出口濃度を高くしたり低くしたりして運転する。すなわち、オゾン殺菌装置31は、濃度交番運転を行う。これに伴って、冷却塔水槽22b内のオゾン溶存濃度は、前記高濃度範囲および前記低濃度範囲に落ち着く(以下、「濃度交番」とする。)。
制御手段としての制御装置32は、オゾン殺菌装置31を制御する機能と、オゾン水供給系統35(36)の各流路を独立して開閉する弁33(図1)の開閉を制御する機能と、被冷却体冷却システム10(10A〜10C)(図1)を制御する、図示が省略された中央制御系に対して、循環水が循環する循環水系統26の流路を開閉する弁27a,27bが開いているか閉じているか(開閉状態)等の機器の状態を問い合わせる機能と、当該問い合わせに対する回答(状態判定結果)を受信し、受信した回答に基づいて問い合わせた機器の状態を判定する機能と、を有する。
制御手段としての中央制御系(図示省略)は、例えば、開放型冷却塔22(図1)の入口、出口弁である弁27a,27bの開閉を制御する機能と、開放型冷却塔22の送風機22aの入(ON)と切(OFF)とを制御する機能等の機器制御機能および制御装置32からの問い合わせがあった機器の状態を判定し判定結果を返す機能を有している。制御装置32から問い合わせる機器の状態には、例えば、被冷却体冷却システム10(10A〜10C)の運転を継続するか否か、冷却塔22(24)が常用運用であるか予備運用であるか、弁27a,27bの開閉状態、および開放型冷却塔22(図1)の送風機22aが入(ON)の状態にあるか切(OFF)の状態にあるか(入切状態)等がある。
制御装置32は、オゾン殺菌装置31を制御する機能として、オゾン殺菌装置31の駆動電力を制御して少なくともオゾン殺菌装置31で生成するオゾン水のオゾン溶存濃度(オゾン殺菌装置出口濃度)の高低を、オゾン殺菌装置31の駆動電力を制御することにより制御する機能を有する。定格駆動電力でのオゾン殺菌装置31から第1の開放型冷却塔221へ供給されるオゾン水のオゾン溶存濃度の高低は、第1の開放型冷却塔221に存在するレジオネラ属菌の濃度レベルを判定するための判定値(以下、「水質判定値」とする。)を得て、得られる水質判定値と設定される閾値との大小関係と対応付けられた駆動電力設定モードを選択することで行う。
制御装置32は、水質判定値を、例えば、ユーザが入力して与えることによって、またはオゾン水供給系統35(36)を流れるオゾン水のオゾン殺菌装置31の送出口31oにおける温度の検出値(温度検出器については図示を省略)と、少なくとも一つの出口オゾン溶存濃度の検出値(オゾン濃度検出器については図示を省略)を含むオゾン溶存濃度の検出値とを用いて演算処理することによって取得する。水質判定値を取得するための演算処理の内容の詳細については、後述する。
オゾン水供給系統35のうち、第1の冷却塔221(241)とオゾン殺菌装置31との間でオゾン水を循環的に通水させるオゾン殺菌装置流路351のうち、オゾン水をオゾン殺菌装置31から第1の冷却塔221(241)へ供給する送出口31o側の流路は、2本の分岐流路351a,351bに分岐している。分岐流路351aは、弁37aを介して冷却塔水槽22b(下部側)にオゾン水を供給する。また、分岐流路351bは、弁37bを介して冷却塔入口配管(上部側)にオゾン水を供給する。
オゾン水供給系統35は、排水系統41に設けられる弁42の閉止時に、排水系統41における分岐点BP1と弁42との間に、オゾン水(散布水)の一部が流入して流動せずに滞留する(死水となる)量を極力少なくすること、すなわち、死水領域(デッドリージョン)をより小さくすることが好ましい。そこで、図2に例示されるオゾン水供給系統35では、分岐点BP1を可能な限り弁42の入口に近い位置(直前)に設定している。なお、後述する図14に例示されるように、分岐点BP1を三方弁V2(図14)の後段(第1のポートV2a側:図14)に設けてもよい。
続いて、被冷却体冷却システム10におけるオゾン殺菌手段の一例であるオゾン殺菌装置31について説明する。
図3は、被冷却体冷却システム10におけるオゾン殺菌装置31の構成を概略的に示した説明図であり、図3(A)および図3(B)は、それぞれ、オゾン殺菌装置31の平面図および正面図である。
オゾン殺菌装置31は、例えば、酸素濃縮部31aと、オゾン発生部31bと、気液混合部31cと、オゾン溶解部31dと、マイクロバブル発生器31eと、を備えて構成される。オゾン溶存濃度を制御する場合、オゾン発生部31bに供給する電力が制御される。オゾン発生部31bへの供給電力を制御することによって、オゾン発生量が調節され、水中に溶け込むオゾンの量、すなわち、オゾン溶存濃度が制御される。
図3に例示されるオゾン殺菌装置31は、酸素濃縮部31aを有する第1のユニットとオゾン発生部31bを有する第2のユニットと、マイクロバブル発生器31eを搭載した気液混合部31cおよびオゾン溶解部31dを有する、気液混合及びオゾン溶解部としての第3のユニットとから成る3個の可搬なユニットで構成される組立式であり、第1のユニットと第2のユニットと第3のユニットと、を可撓(とう)性を有する配管(可撓管)38を接続して使用される。すなわち、オゾン殺菌装置31は、第1〜3のユニットを接続することで運用可能な状態となる一方、運用可能な組立状態から第1〜3のユニットに分解可能な構成である。
また、オゾン殺菌装置31を構成する第1〜3のユニットは、それぞれが、運搬用の台車を用いて2名程度で人力運搬可能な大きさおよび重量で構成される。例えば、第1のユニットは、300mm×400mm×700mm程度で35kg程度であり、第2のユニットは600mm×400mm×800mm程度で60kg程度であり、第3のユニットは600mm×500mm×850mm程度で60kg程度である。
なお、図3に示されるオゾン殺菌装置31は、一例であり、ユーザが台車を用いて2名程度で人力運搬可能であれば、ユニットの分割数や配置は図3に示される例に限らず任意に設定できる。
続いて、本実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける二次冷却手段としての開放型冷却塔22の運転制御方法について説明する。
図4および図5は、被冷却体冷却システム10Aにおける開放型冷却塔22(221〜225)の運転制御手順を示す処理フロー図である。
図4に例示される開放型冷却塔22の運転制御手順(第1の開放型冷却塔運転制御手順)は、例えば、開放型冷却塔22およびオゾン殺菌装置31を起動して被冷却体冷却システム10Aの運転を開始すると、第1の開放型冷却塔運転制御手順は開始する。
被冷却体冷却システム10Aが、第1の開放型冷却塔運転制御手順を開始すると、図示しない中央制御装置が運転を継続するか否かを判定する(ステップS1)。判定結果が運転継続の場合(ステップS1でYESの場合)には、図示しない中央制御装置が、常用運用の開放型冷却塔22か否(予備運用の開放型冷却塔22)かに応じて、通常運転(ステップS3)とするか通水運転(ステップS4a)とするかを決定する。
より具体的には、常用運用の開放型冷却塔22、すなわち、第1〜4の開放型冷却塔221〜224(図1)に対しては(ステップS2でYESの場合)、通常運転を行い(ステップS3)、予備運用の開放型冷却塔22である第5の冷却塔225(図1)に対しては(ステップS2でNOの場合)、通水運転を行う(ステップS4a)。
ここで、通常運転(ステップS3)とは、弁27a,27bを「開」として循環水を循環させつつ開放型冷却塔22の送風機22aを「入」とする状態である。また、通水運転(ステップS4a)とは、弁27a,27bを「開」とする一方、開放型冷却塔22の送風機22aを「切」として空気7による放熱を行わずに循環水を循環させる状態である。
一方、運転を継続しない場合(ステップS1でNOの場合)には、運転を停止(ステップS5)し、第1の開放型冷却塔運転制御手順は終了する。
第1の開放型冷却塔運転制御手順では、予備運用の開放型冷却塔22である第5の冷却塔225(図1)に対しても循環水を長時間滞留させずに循環させることで、レジオネラ属菌を含む有機物が増殖し難い環境を提供することができ、レジオネラ属菌の増殖を有効に抑制することができる。
図5に例示される開放型冷却塔22の運転制御手順(第2の開放型冷却塔運転制御手順)は、予備である第5の冷却塔225を通水運転する第1の開放型冷却塔運転制御手順(図4)に対して、通水運転(ステップS4a)の代わりに、予備冷却塔225を間欠通水運転(ステップS4b)する。
間欠通水運転(ステップS4b)とは、予備冷却塔225内にオゾン水を間欠的に通水させる運転である。すなわち、第2の開放型冷却塔運転制御手順では、通水運転(ステップS4a)における弁27a,27bの開放を通水運転中常時に行うのではなく、間欠的に行う。予備冷却塔225内への通水は、33℃以上の水温環境下で検出下限であったレジオネラ属菌が検出下限以上に増殖するまでに要する約7日間(168時間)を考慮して、制御装置32は、中央制御系(図示省略)へ通水停止時間の情報を送信するように構成されており、中央制御系(図示省略)では、通水停止時間が、例えば168時間等の所定時間を超えないように、通水を開始するように設定される。
第2の開放型冷却塔運転制御手順は、第1の開放型冷却塔運転制御手順よりも循環水を循環させる時間が短くなるものの、レジオネラ属菌の濃度が低い場合や冷却塔水槽内のオゾン溶存濃度を0.5〜1ppm程度(高濃度モード)に設定した場合には十分な殺菌および菌抑制の効果があるため、より効率的にレジオネラ属菌対策システム30Aおよび被冷却体冷却システム10Aを運転することができる。
続いて、本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム、被冷却体冷却システム、レジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法における、レジオネラ属菌の殺菌および菌抑制の手法について説明する。
本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム等では、まず、菌濃度レベル判定値を取得する。その後、水質判定値と設定される基準値(閾値)との大小関係を判定することで、冷却塔22(24)(図1)に存在するレジオネラ属菌の濃度を推定し、推定結果に応じて制御装置32がオゾン溶存濃度を制御してオゾン水を冷却塔22(24)内に供給する。
レジオネラ属菌対策システム30および被冷却体冷却システム10の制御装置32における、水質判定値を取得する演算処理の内容について説明すると、制御装置32には、オゾン殺菌装置31が生成可能な任意のオゾン溶存濃度のオゾン水であって当該オゾン水のpHが一定時の場合における、水温に対するオゾン溶存濃度の関係の情報が与えられている。
レジオネラ属菌対策システム30および被冷却体冷却システム10では、オゾン濃度制御をタイムリーに行うため、与えられる水温に対する水中のオゾン溶存濃度の関係の情報と、温度検出器(図示省略)によってタイムリーに取得可能なオゾン水の水温と、オゾン水供給系統35(36)を循環するオゾン水のオゾン溶存濃度を計測するオゾン濃度検出器(図示省略)によってタイムリーに取得可能な少なくとも1個の送出口31o(図2等)におけるオゾン溶存濃度の検出値を含むオゾン溶存濃度の検出値とに基づいて、散布水が循環する系統(開放型冷却塔22では塔内で散布される循環水が循環する循環水系統26であり、密閉型冷却塔24では散布水系統28)におけるレジオネラ属菌の菌濃度をタイムリーに推定している。
図6は、発生させるオゾン量およびpH一定時における、水温に対するオゾン溶存濃度の関係を示し、且つ温度と水質基準値(閾値)との関係を示す説明図(グラフ)である。
定格駆動電力で運転されるオゾン殺菌装置31(図2等)の出口オゾン溶存濃度は、同じ水温でもオゾン消費物質の量によって異なり、同じ水温であれば、オゾン消費物質の量が多いほど低くなり、オゾン消費物質の量が少ないほど高くなる傾向にある。ここで、オゾン消費物質とは、水が存在する流路において存在する、細菌や菌等の菌類、アメーバ等の微生物、および藻等の植物等の有機物である。このような、水が存在する流路において存在するオゾン消費物質量、水温、およびオゾン溶存濃度の関係から、オゾン殺菌装置31の送出口31oのオゾン溶存濃度を測定することによって、遅れ時間を発生することなく間接的にオゾン消費物質の量、ひいてはレジオネラ属菌の菌濃度レベルを判定することができる。
例えば、図6によれば、同じ水温では、曲線C1,C2,C3のうち、オゾン消費物質の量が最も少ない(極少の場合)曲線C1でオゾン溶存濃度が最も高く、オゾン消費物質の量が最も多い(多の場合)曲線C3でオゾン溶存濃度が最も低くなる。また、散布水中に溶存するオゾン溶存濃度は、オゾン消費物質の量が多いほど低下する傾向は、オゾン殺菌装置31で発生させるオゾン溶存濃度を高低させてもほぼ同様である。
従って、オゾン殺菌装置31が発生するオゾンの量に関係なく、オゾン殺菌装置31で発生させるオゾンの量に対して水中にどれだけのオゾンが溶存しているか、すなわち、オゾン消費量の多少を判定できれば、オゾン消費量の多少に基づいて、散布水が循環する系統におけるレジオネラ属菌の菌濃度をタイムリーに推定することができる。
そこで、レジオネラ属菌対策システム30(図1)および被冷却体冷却システム10(図1)では、オゾン殺菌装置31の出口オゾン溶存濃度を測定することにより、冷却塔22(24)内から導入した水中にどれだけのレジオネラ属菌が存在しているか、すなわち、オゾン溶解部31d(図3)におけるオゾン溶解槽(オゾン溶解部31d直後)でのオゾン消費量の多少を判定して、水中に存在するレジオネラ属菌の菌濃度を推定する。
レジオネラ属菌対策システム30および被冷却体冷却システム10では、オゾン消費量の多少を適切に評価するため、制御装置32が、例えば、水温と少なくとも一つのオゾン殺菌装置31の出口オゾン溶存濃度または複数の同一箇所で検出されたオゾン溶存濃度の代表値(例えば、各種平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値等)と、ユーザによる設定で与えられるオゾン溶存濃度の検出値を用いた水質判定値の算出式やオゾン溶存濃度の検出値と水質判定値との対応表等のオゾン溶存濃度の検出値と水質判定値との関係を規定した情報(以下、「判定値導出情報」とする。)を用いて水質判定値を求める。
なお、水質判定値は、水温と一つの出口オゾン溶存濃度および一つの入口オゾン溶存濃度もしくは複数の出口オゾン溶存濃度の代表値および複数の入口オゾン溶存濃度の代表値の差や比を用いたりして算出しても良い。
例えば、水温と出口オゾン溶存濃度を用いる場合、図6に例示される温度-オゾン溶存濃度曲線により閾値判定を行うものであり、オゾン溶存濃度の検出値として複数個のオゾン溶存濃度の検出値の代表値を用いれば、水質判定に使用するオゾン溶存濃度をより信頼性の高い水質判定値を得ることができる。また、水温とオゾン溶存濃度の出入口比(=入口オゾン溶存濃度/出口オゾン溶存濃度)や出口オゾン溶存濃度および入口オゾン溶存濃度の差(=出口オゾン溶存濃度−入口オゾン溶存濃度)を用いる方法は、オゾン消費物質により変化する濃度差、濃度比のプラントに特有のオゾン消費物質による影響について測定した結果を反映して行うものである。
ここで、水質判定に使用される閾値(水質基準値)は、制御装置32が、ユーザによる設定で与えられる温度(水温)および閾値との関係を規定した算出式や対応表等の閾値決定情報と、水温の検出値とを用いて値を求め、求めた値を閾値(水質基準値)として決定する。例えば、出口オゾン溶存濃度を用いて水質判定値を得る場合や代表値を用いて水質判定値を得る場合、閾値(水質基準値)は、曲線C1〜C3等で表される温度-オゾン溶存濃度曲線上の点、すなわち、温度の関数として与えられる。なお、濃度比や濃度差を用いて水質判定値を得る場合についても、水質判定に使用される閾値は、温度の関数として与えることができる。
また、本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム等では、オゾン水のオゾン溶存濃度を設定した範囲内で高くしたり低くしたりする濃度交番を行うことで、冷却塔22(24)のオゾンによる損傷(腐食)を最小限に抑えつつより少ないシステムの運転時間でレジオネラ属菌の濃度を低減している。続いて、オゾン濃度の濃度交番の有効性について説明する。
図7はオゾン溶存濃度に対するレジオネラ属菌の効果が認められる菌初期濃度の関係を示す説明図(グラフ)である。
図7に示されるオゾン溶存濃度に対するレジオネラ属菌の濃度の低減効果が認められる菌初期濃度を示す線分L1の点は、任意の初期濃度のレジオネラ属菌に対して当該レジオネラ属菌が死滅して濃度が低減する(される)最低のオゾン水のオゾン溶存濃度、すなわち、レジオネラ属菌の濃度を低減可能なオゾン濃度の閾値を示している。従って、図7において、線分L1に対して左上に位置する領域は、レジオネラ属菌を低減不可能な領域であり、線分L1上および線分L1に対して右下に位置する領域は、レジオネラ属菌濃度を低減可能な領域である。
図7に示されるように、レジオネラ属菌の菌初期濃度が100ml当たり10CFU(=10CFU/100ml)であり、オゾン水のオゾン濃度(オゾン溶存濃度)を0.02ppm以上0.2ppm以下の範囲R0で高低させる場合、線分L1に対して右下に位置する領域と重なる濃度範囲(レジオネラ属菌濃度低減有効範囲)R1、すなわち、0.12ppm以上0.2ppm以下の範囲の時間帯ではレジオネラ属菌への濃度低減効果が認められるということになる。
また、図7に示される線分L1によれば、レジオネラ属菌の濃度低減効果が認められる菌初期濃度が高くなるほど、レジオネラ属菌を濃度低減するためにはオゾン水のオゾン濃度(オゾン溶存濃度)を高くする必要があることがわかる。すなわち、菌初期濃度の高低に応じてオゾン水のオゾン溶存濃度を設定することが有効であり、短時間であってもレジオネラ属菌を濃度低減可能なオゾン溶存濃度以上となる時間を確保することがレジオネラ属菌の濃度を低減するために必要となる。
逆に言えば、レジオネラ属菌を濃度低減可能なオゾン溶存濃度未満のオゾン水を長時間供給したとしても、レジオネラ属菌は濃度を低減されず、非効率な運転となってしまうため、レジオネラ属菌の菌初期濃度を適切に把握するとともに当該レジオネラ属菌を濃度低減可能な範囲内のうち低いオゾン濃度範囲にオゾン溶存濃度を設定することで、より短時間のオゾン水供給でレジオネラ属菌を効果的に濃度低減することができる。
なお、レジオネラ属菌濃度低減有効範囲R1でオゾン水が供給されている場合、時間の経過と共にレジオネラ属菌の濃度は低下していくため、同じ濃度範囲内での運転でも時間の経過と共にレジオネラ属菌濃度低減有効範囲R1が拡大することになる。
オゾン水(オゾン殺菌装置31内でオゾンを溶解させた散布水)を通水する時間の目安は、レジオネラ属菌の菌初期濃度および目標とする菌濃度、およびオゾン水のオゾン溶存濃度を考慮して決定する。
図8はオゾン溶存濃度に対するレジオネラ属菌の濃度が1/10(10%)になるまでの時間の関係を示す説明図(グラフ)である。
なお、図8に示されるレジオネラ属菌の濃度が1/10になるまでの時間は、レジオネラ属菌の菌初期濃度およびオゾン濃度が、常時、濃度低減効果が認められる範囲内(図7に示されるレジオネラ属菌濃度低減有効領域R1)である場合である。また、図8に示されるグラフG1,G2,G3は、それぞれ、異なるデータに基づいて求められたオゾン濃度に対するレジオネラ属菌の濃度が1/10になるまでの時間を示している。
図8のグラフG1,G2,G3によれば、理論上は、レジオネラ属菌の濃度が1/10になるまでには、オゾン濃度が1ppmの場合には0.5〜2分程度、0.1ppmの場合には5〜20分程度、0.01ppmの場合には50〜200分程度の時間を要することがわかる。従って、オゾン水を約1時間(60分)程度通水する場合には、オゾン濃度が1ppmの場合には冷却塔22(24)内のレジオネラ属菌の濃度を検出下限レベルまで(開始時の約10−30)に、0.1ppmの場合にはレジオネラ属菌の濃度を開始時の約1/1000(10−3)に濃度を低減することができることになる。
但し、実際には、冷却塔22(24)の散布水が循環する流路には、レジオネラ属菌の他、レジオネラ属菌よりもオゾンをより消費するバイオフィルム、微生物等のオゾン消費物質が存在しているため、必ずしもオゾン水を約1時間(60分)程度通水すれば十分という訳ではなく、オゾン消費物質が多く存在する場合には発生させるオゾン量に対してオゾン水中のオゾン溶存濃度が中々高まらない場合も起こり得る。このような場合には初期時から高濃度(冷却塔水槽22bにおけるオゾン溶存濃度0.5〜1ppm程度)で数時間運転する等して、流路に存在するオゾン消費物質を低減させることが必要になる。
尚、夏季など高温で日照時間が長くなる時期においては水中に藻などの有機物が発生しやすい。これを防ぐために、夏季の日照時間を中心とした運転は、藻などの有機物の発生しやすい冷却塔22(24)の充填部22c(24c)を対象に処置するため冷却塔22(24)の上流側に重点的にオゾン水を注入するようにする。一方、夜間の日照のない時間帯は、冷却塔22(24)の下流側である冷却塔水槽22bに注入して万遍なくオゾンを行き渡るようにする。
さらに、藻などの有機物の発生を防ぐため銅や銀などの金属イオン源であるイオン発生源51(図2)を水中に入れておくなどの処置が好ましい。イオン発生源51として銅や銀の板やプラスチックに無電解めっきを施した板を設置するほか、後述する図12に例示されるような直流電源(電池、太陽電池)55の陽極を、殺菌金属イオンを水中に発生可能に処理された導体(以下、「殺菌導体」とする)56に接続して(冷却塔の筐体および直流電源55を接地)、殺菌金属イオンを発生しやすくする方法がある。また、無電解メッキをしたプラスチックの波板などを充填部22c(24c)に使用し、充填部22c(24c)の殺藻、殺菌を行うようにすると、藻などの有機物が繁殖しやすい時期においても、冷却塔水槽22bのみならず充填部22c(24c)についても藻の発生を防ぐことができる。
次に、本発明の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法および被冷却体冷却方法について説明する。
図9〜図11は、被冷却体冷却システム10の一例である被冷却体冷却システム10Aにおけるオゾン供給制御手順(第1〜第3のオゾン供給制御手順)を示す処理フロー図である。
オゾン供給制御手順(第1〜第3のオゾン供給制御手順)は、被冷却体冷却システム10Aが運転を開始すると、制御装置32によって開始される。
第1のオゾン供給制御手順(ステップS11〜ステップS16:図9)は、例えば、制御装置32(図1)が、オゾン水供給系35におけるオゾン水の水温の検出値と1個の出口オゾン溶存濃度の検出値を含む少なくとも1個のオゾン溶存濃度の検出値(検出結果)を取得するステップ(ステップS12)と、制御装置32が取得した検出結果に基づいて循環水(被冷却体冷却システム10Cでは密閉型冷却塔24内で散布される散布水)の水質判定値dと水質判定用の閾値となる水質基準値(以下、単に「基準値」または「閾値」と省略する場合有。)rを求めるステップ(ステップS13)と、制御装置32が水質判定値dと水質基準値rとに応じて運転開始直後におけるオゾン溶存濃度(検出値)の初期値(初期濃度)を決定し、オゾン溶存濃度(検出値)を設定した範囲内で高低させてオゾン殺菌装置31を運転させる(濃度交番運転)ステップ(ステップS14)と、を具備する。
第1のオゾン供給制御手順では、制御装置32が、オゾン殺菌装置31の運転を継続するか否かを判定する(ステップS11)。運転継続の場合(ステップS11でYESの場合)には、制御装置32が、温度検出器(図示省略)およびオゾン濃度検出器(図示省略)から、それぞれ、循環水(オゾン水)の水温の検出値と1個の出口オゾン溶存濃度の検出値を含む少なくとも1個のオゾン溶存濃度の検出値(検出結果)を取得し(ステップS12)、循環水の水質判定値dを求める(ステップS13)。
水質判定値dは、幾つかの算出手法があるが、ここでは、最も単純な1個の出口オゾン溶存濃度の検出値をそのまま使用する場合を説明する。すなわち、1個の出口オゾン溶存濃度の検出値を水質判定値dとして用いる場合を説明する。水質判定値dが求められると、求められた水質判定値dに応じて運転開始直後におけるオゾン溶存濃度(検出値)の初期値(初期濃度)が決定され、オゾン殺菌装置31による濃度交番運転が行われる(ステップS14)。
濃度交番のやり方は、様々考えられ、例えば、時間に対するオゾン濃度の関数を、正弦波、方形波(矩形波)、三角波またはこれらを組み合わせた波形としたり、正弦波、方形波(矩形波)または三角波またはこれらを組み合わせた波形に対して振幅の中心を時間の経過と共に減少させる波形としたり等とすることで、オゾン溶存濃度を所定範囲内で高低(濃度交番)させることができる。なお、オゾン溶存濃度はオゾン殺菌装置31の駆動電力と通水経路中に存在するオゾン消費物質の大小(量の多少)によって変化するので、オゾン消費物質の大小に応じて駆動電力を増減することで濃度交番を行うことができる。
なお、振幅の中心を時間の経過と共に減少させる波形の場合、減少割合は図8に例示されるレジオネラ属菌の減少割合等を考慮して、濃度範囲を低下させたとしても当初のレジオネラ属菌濃度低減有効範囲R1(図7)を確保することができる割合に設定することが好ましい。このように設定することで、オゾン濃度をより低く抑えながらレジオネラ属菌の濃度を確実に低減させることができる。
濃度交番運転が開始されステップS14が完了すると、第1のオゾン供給制御手順の処理フローは、ステップS14からステップS11に戻り、ステップS11以降の処理ステップが実行される。
一方、制御装置32によるオゾン殺菌装置31の運転継続または運転非継続の判定結果が、オゾン殺菌装置31の運転を継続しない(運転非継続)である場合(ステップS11でNOの場合)には、運転を停止(ステップS15)し、第1のオゾン供給制御手順は終了する。
第2のオゾン供給制御手順(ステップS11〜ステップS15:図10)は、第1のオゾン供給制御手順の濃度交番運転(ステップS14:図9)をより限定した内容になっている。より具体的には、図9に例示されるステップS14は、図10に例示されるステップS14a、ステップS14bおよびステップS14cであり、その他の処理ステップ(ステップS11〜ステップS13およびステップS15)については同様である。そこで、第2のオゾン供給制御手順の説明では、ステップS14a、ステップS14bおよびステップS14cを中心に説明する。なお、水質判定値dについては、最も単純な場合、すなわち、1個の出口オゾン溶存濃度の検出値となる場合を説明する。
第2のオゾン供給制御手順では、第1のオゾン供給制御手順と同様にして、制御装置32が、オゾン殺菌装置31の運転を継続するか否かを判定し(ステップS11)、循環水(オゾン水)の水温の検出値と1個の出口オゾン溶存濃度の検出値を含む少なくとも1個のオゾン溶存濃度の検出値(検出結果)を取得し(ステップS12)、水質判定値dを求め、送出口31oの水温の検出値を用いて水質基準値(閾値)rを求める(ステップS13)。
水質判定値dと水質基準値rが求められると、続いて、制御装置32が、水質判定値dと設定される水質基準値(閾値)rとを比べ(ステップS14a)、その大小関係に応じて、高濃度モードでの運転(ステップS14b)か、低濃度モード(ステップS14c)での運転かを切り替える。設定される水質基準値rは、任意のオゾン消費量時における水温-オゾン溶存濃度曲線上の点から少なくとも1個が選択され、例えば、図6に示される曲線C2等が選択される。すなわち、本例では、水質基準値rを、循環水(オゾン水)の水温の関数として設定する。
例えば、水質基準値(閾値)rが、図6に例示される曲線C2上の点で設定されている場合、水質基準値rは、ステップS12で取得された温度検出値が示す温度と曲線C2との交点に位置するオゾン溶存濃度となる。ここで求まった水質基準値rと水質判定値dとの大小を比べ、水質判定値dが水質基準値r未満となる(d<r)場合(ステップS14aでNOの場合)、冷却塔水槽内のオゾン溶存濃度を高濃度(0.5〜1ppm程度)とする高濃度モードでの運転(ステップS14b)を所定時間行う。一方、水質判定値dが水質基準値r以上となる(d≧r)場合(ステップS14aでYESの場合)、冷却塔水槽内のオゾン溶存濃度を低濃度(0.01〜0.1ppm程度)とする低濃度モードでの運転(ステップS14c)を所定時間行う。
このように、第2のオゾン供給制御手順は、高濃度モードでの運転と低濃度モードでの運転とを水質判定値dの大小に応じて切り替えることで濃度交番運転を行っている。すなわち、第2のオゾン供給制御手順は、濃度交番運転のステップとして、水質判定値dと水質基準値(閾値)rとを比べるステップ(ステップS14a)と、高濃度モードでオゾン殺菌装置31を運転させる高濃度運転ステップ(ステップS14b)と、低濃度モードでオゾン殺菌装置31を運転させる低濃度運転ステップ(ステップS14c)と、を備えている。
第2のオゾン供給制御手順では、濃度交番運転として、高濃度運転(ステップS14b)または低濃度運転(ステップS14c)が開始されてステップS14bまたはステップS14cが完了した後は、第2のオゾン供給制御手順の処理フローは、ステップS11へ戻り、ステップS11以降の処理ステップが実行される。
なお、ステップS14aで使用される水質基準値rは複数個用意されていても良い。続いて、基準値rが複数個設定される一例として、図6に例示される曲線C1上の点および曲線C2上の点が、2個の水質基準値である基準値r1,r2(r1>r2)として、それぞれ、設定されている場合を説明する。
水質判定値dが、両基準値r1,r2に対して小さくなる場合(水質判定値d<基準値r(=基準値r2)(<基準値r1)となる場合:ステップS14aでNOの場合)、すなわち、出口オゾン溶存濃度が相対的に低い場合には高濃度運転(ステップS14b)とする。一方、水質判定値dが、両基準値r1,r2に対して同値かそれ以上になる場合(水質判定値d≧基準値r(=基準値r1)(>基準値r2)となる場合:ステップS14aでYESの場合)、すなわち、出口オゾン溶存濃度が相対的に高い場合には低濃度運転モード(ステップS14c)での運転とする。
なお、前記例では、当然ながら、水質判定値dが、基準値r2以上であって基準値r1未満となり、両基準値r1,r2に対して小さくなる場合および両基準値r1,r2に対して同値かそれ以上になる場合の何れにも該当しない場合(基準値r2≦水質判定値d<基準値r1)が起こり得る。この場合には、現状のモードを維持し、モードを切り替えずに運転を行う。図6に例示される曲線C1,C2で説明すれば、曲線C1〜C2の間をバッファ区間として取り扱う。
換言すれば、最初の濃度判定は、曲線C1(基準値r1)で行い、水質判定値dがC1(基準値r1)以上であれば、低濃度運転(ステップS14c)とし、曲線C1(基準値r1)未満であれば、高濃度運転(ステップS14b)とする。その後の運転は、曲線C1〜C2の間をバッファ区間として取り扱い、仮に、水質判定値dが、曲線C1(基準値r1)以上から曲線C2(基準値r2)まで下がるまでは低濃度運転(ステップS14c)を継続する。その後、さらに、水質判定値dが、低下して曲線C2(基準値r2)を下回り曲線C2(基準値r2)未満となったら高濃度運転(ステップS14b)に切り替える。
一方、水質判定値dが曲線C2(基準値r2)未満であった場合、曲線C2(基準値r2)未満から曲線C2(基準値r2)を超えたとしても、曲線C1(基準値r1)に上昇するまでは、高濃度運転(ステップS14b)を継続する。その後、さらに、水質判定値dが、上昇して、曲線C1(基準値r1)以上となったら低濃度運転(ステップS14c)に切り替える。
なお、高濃度モードでの運転とは、オゾン殺菌装置31の駆動電力を高めて冷却塔水槽内のオゾン溶存濃度を高くする運転であり、低濃度モードでの運転とは、オゾン殺菌装置31の駆動電力低めて冷却塔水槽内のオゾン溶存濃度を低めて運転することを示す。また、ステップS14bおよびステップS14c(図10)において括弧内に示されオゾン溶存濃度は、それぞれの運転で実現する冷却塔水槽内のオゾン溶存濃度を示す。オゾン溶存濃度を範囲で示しているのは、オゾン消費物質の濃度(量)の大小に応じてオゾン殺菌装置31の駆動電力を変えた場合にもある濃度範囲で変動するためである。その範囲の濃度範囲ならばオゾン消費物質濃度の大小に応じてそれぞれの運転で効果を及ぼすことができる。
第3のオゾン供給制御手順(ステップS11〜ステップS18:図11)は、レジオネラ属菌の濃度が設定した濃度(閾値)以上と推定される場合と設定した濃度(閾値)未満と推定される場合とで、オゾン殺菌装置31で発生させるオゾン水のオゾン溶存濃度を所定値または所定範囲内で維持しつつ運転時間を長くしたり、短くしたりしてオゾン水を供給する制御手順である。
従って、第3のオゾン供給制御手順は、第2のオゾン供給制御手順に対して、ステップS14a、ステップS14bおよびステップS14cの代わりに、ステップS17、ステップS18aおよびステップS18bを備える点で相違するが、その他の処理ステップ(ステップS11〜ステップS13およびステップS15)については同様である。そこで、第3のオゾン供給制御手順の説明では、ステップS17、ステップS18aおよびステップS18bを中心に説明する。なお、水質判定値dについては、上述した第2のオゾン供給制御手順と同様に、1個の出口オゾン溶存濃度の検出値となる場合を説明する。
第3のオゾン供給制御手順では、第2のオゾン供給制御手順と同様にして、水質判定値dが求められると、制御装置32が、水質判定値dと温度検出値から求められる水質基準値(閾値)rとを比べ(ステップS17)、その大小関係に応じて、オゾン溶存濃度は所定値または所定範囲内で維持しつつ、オゾン殺菌装置31を相対的に長い時間(例えば、8時間以上24時間以下/1日)運転させる長時間モードで運転させる長時間運転(ステップS18a)と、オゾン殺菌装置31を相対的に短い時間(例えば、8時間未満/1日)運転させる短時間モードで運転させる短時間運転(ステップS18b)と、を切り替える。
第3のオゾン供給制御手順では、長時間運転(ステップS18a)または短時間運転(ステップS18b)が開始されてステップS18aまたはステップS18bが完了した後は、第3のオゾン供給制御手順の処理フローは、ステップS11へ戻り、ステップS11以降の処理ステップが実行される。
このように、レジオネラ属菌対策システム30A、被冷却体冷却システム10A、レジオネラ属菌対策システム30Aを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Aを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保しつつ、レジオネラ属菌の濃度を閾値未満の低レベルに抑制することができる。
また、レジオネラ属菌対策システム30A、被冷却体冷却システム10A、レジオネラ属菌対策システム30Aを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Aを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、レジオネラ属菌の濃度レベルを短時間で判定し、レジオネラ属菌の濃度を考慮したタイムリーなオゾン供給制御が可能となる。
さらに、レジオネラ属菌対策システム30A、被冷却体冷却システム10A、レジオネラ属菌対策システム30Aを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Aを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、レジオネラ属菌の濃度低減や繁殖抑制のために人体には無害な濃度のオゾンを利用しているので、長期的に使用したとしても、薬剤による殺菌とは異なり耐性菌を生じさせる懸念もない。
また、オゾンを水に溶解させてオゾン水として循環させるので、水の流路全域にレジオネラ属菌の殺菌や繁殖抑制の効果を波及させることができる。さらに、オゾンはレジオネラ属菌のみならず、レジオネラ属菌の住処となるバイオフィルム、スライムおよびアメーバ等の微生物、および藻等の有機物にも殺菌や繁殖抑制の効果が及ぶため、レジオネラ属菌を根元から絶つことができる。但し、夏季等の水温が高く、有機物の繁殖が激しい時期には冷却塔充填部などへの藻の発生などを防ぐため冷却塔22(24)の上流側へのオゾン水供給が必要であり、この設備でも分岐流路351b(図2)等の冷却塔上流側へオゾン水を供給できる配管を設置し、冷却塔水槽22b(図2)の内部および冷却塔充填部22c(図2)の両方に対して処置が可能になっている。
レジオネラ属菌対策システム30が可搬式のオゾン殺菌装置31(図3)を具備している場合、設置場所の確保、およびオゾン殺菌装置31の搬入、組立、解体および搬出が容易であり、レジオネラ属菌対策システム30の既設システムへの導入を容易化することができる。さらに、レジオネラ属菌対策システム30を仮設とすることができるので、仮設のレジオネラ属菌対策システム30を適用して水冷式変電所の被冷却体冷却システムの冷却塔22(24)におけるレジオネラ属菌対策を推進することができ、対策費用をより安価に抑えることができる。
また、レジオネラ属菌対策システム30A、被冷却体冷却システム10A、レジオネラ属菌対策システム30Aを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Aを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、オゾン水供給系統35の一部を排水系統41と共通化するとともに、オゾン水供給系統35への分岐点BP1を排水時に開放する弁42の直前設けることで、オゾン水(散布水)が滞留して流れない(死水となる)死水領域(デッドリージョン)を排水系統41内にほとんど発生させないので、レジオネラ属菌が繁殖しやすい環境を流路から排除することができる。
また、オゾン殺菌装置31による殺菌や繁殖抑制の効果は、レジオネラ属菌のみならず、レジオネラ属菌の住処となるバイオフィルム、スライムおよびアメーバ等の微生物、および藻等の有機物にも及ぶため、レジオネラ属菌を根元から絶つことができる。
さらに、オゾン殺菌装置31による殺菌や繁殖抑制の効果は、レジオネラ属菌のみならず他の有機物にも波及させることができ、オゾン殺菌装置31による殺菌や繁殖抑制の効果をレジオネラ属菌以外の有機物にも波及可能な点は、後述する他の実施形態やその変形についても同様である。すなわち、レジオネラ属菌対策システム30A等のレジオネラ属菌対策システムは、他の菌類対策システムや藻の繁殖防止対策システムとしても適用することができる。
なお、上述したイオン発生源51(図2)は、冷却塔の種類に依存するものではなく、開放型冷却塔22(図1)および密閉型冷却塔24(図1)の何れの場合にも適用できる。すなわち、レジオネラ属菌対策システム30Aのみならず、後述するレジオネラ属菌対策システム30B,30C等も含めた全てのレジオネラ属菌対策システム30に対して適用できる。
また、上述したイオン発生源51(図2)は、例えば、殺菌金属イオンの供給源となる、銅、銀などの金属で構成される金属板やプラスチックの表面に金属による無電解メッキを施した無電解メッキプラスチック板を例示したが、上述した例に限定されることなく、冷却塔水槽22b内に殺菌金属イオンを供給可能なあらゆるイオン供給方法を適用できる。
図12は、レジオネラ属菌対策システム30に適用される、イオン発生源51の他の構成例を示す説明図であり、より具体的には、開放型冷却塔22およびその周辺部分の構成を概略的に示したレジオネラ属菌対策システム30の部分構成図である。
図12に例示されるように、電池、太陽電池等で構成される直流電源55の陽極に、殺菌導体56を冷却塔水槽22b内に配設したものをイオン発生源51として構成しても良い。また、図2および図12に例示されるイオン発生源51は、密閉型冷却塔24(図1)に対しても適用できる。
[第2の実施形態]
図13は、本発明の第2の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムの一実施例である被冷却体冷却システム10Bを概略的に示したシステム構成図である。
なお、図13に示される弁27a,27b,335,42の黒塗りまたは白塗りが、通常運用時(オゾン殺菌装置31が運転中でありオゾン水を供給している場合)の開閉状態を示している点は、図2等の他図と同様である。
レジオネラ属菌対策システム30Bを具備する被冷却体冷却システム10Bは、被冷却体冷却システム全体の構成の概略を示す図1において、被冷却体冷却システム10およびレジオネラ属菌対策システム30が、それぞれ、被冷却体冷却システム10Bおよびレジオネラ属菌対策システム30Bの場合である。すなわち、被冷却体冷却システム10Bは、被冷却体冷却システム10Aに対して、レジオネラ属菌対策システム30Aの代わりにレジオネラ属菌対策システム30Bを具備する点で相違するものの、その他の点は実質的に相違しない。
そこで、本実施形態では、レジオネラ属菌対策システム30Bを中心に説明し、レジオネラ属菌対策システム30Aを具備する被冷却体冷却システム10Aの構成要素と実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
被冷却体冷却システム10B(図1)が具備するレジオネラ属菌対策システム30Bは、レジオネラ属菌対策システム30A(図2)に対して、オゾン水供給系統35の代わりに、オゾン水供給系統36を具備する点で相違するものの、その他の点は実質的に相違しない。
オゾン水供給系統36は、オゾン水供給系統35(図2)のオゾン殺菌装置流路に対して、オゾン水供給系統35の5本のオゾン殺菌装置流路のうち、少なくとも予備冷却塔である第5の開放型冷却塔225とオゾン殺菌装置31とを循環するオゾン殺菌装置流路355(図2)のうち第5の開放型冷却塔225の出口側とオゾン殺菌装置31の入口側(吸入口31i)とを接続する流路と、第5の開放型冷却塔225の内部で散布される循環水(散布水)が通水する循環水流路(散布水流路)265とを連絡する連絡流路36aをさらに設けたオゾン殺菌装置流路365を備える。
連絡流路36aは、例えば、オゾン殺菌装置流路365上であって、排水系統41に設けられる弁42の直前で共通化される排水系統41から分岐する分岐点BP1とオゾン殺菌装置31との間に設定される接続点CP1と、散布水として使用される循環水が循環する循環水流路(散布水流路)265上であって第5の開放型冷却塔225の出口側に設けられる弁27bの直前(入口側)に設定される接続点CP2とを通水可能に連絡する流路である。
なお、連絡流路36aの一端である循環水流路265との接続点CP2は、オゾン水供給系統35における分岐点BP1と同様、弁27a,27bの閉止時に第5の開放型冷却塔225の出口以降であり弁27b以前に生じ得る死水領域(デッドリージョン)をより小さくする観点から可能な限り弁27bの入口に近い位置(直前)に設けることが好ましい。
被冷却体冷却システム10Bおよびレジオネラ属菌対策システム30Bでは、連絡流路36aが設けられたオゾン殺菌装置流路365を備えるオゾン水供給系統36を具備することによって、連絡流路36aが設けられていないオゾン水供給系統35では弁27a,27bの閉止時に第5の開放型冷却塔225の出口以降であり弁27b以前に生じる、循環水(散布水)が流動せずに滞留する(死水となる)循環水(散布水)をオゾン殺菌装置流路365へ案内して流動させることができる。
従って、図13に例示される被冷却体冷却システム10Bでは、被冷却体冷却システム10Aと同様に、弁27a,27b、弁42および弁335を開閉して予備冷却塔225を間欠通水運転(ステップS4b:図5)する場合に生じる弁27a,27bが閉止される時間帯においても、循環水(散布水)を滞留させることなく、オゾン殺菌装置流路365へ案内して流動させることができる。
また、被冷却体冷却システム10Bおよびレジオネラ属菌対策システム30Bでは、弁27a,27bの閉止時においても、第5の開放型冷却塔225の出口以降であり弁27b以前の流路と分岐点BP1以降オゾン殺菌装置31以前(吸入口31i側)の流路とを連絡しているため、予備冷却塔としての第5の開放型冷却塔225を間欠通水運転(ステップS4b:図5)しなくても、循環水(散布水)が流動せずに滞留する(死水となる)ことを防止することができる。すなわち、予備冷却塔としての第5の開放型冷却塔225の循環水流路265内の死水領域(デッドリージョン)が極めて小さい被冷却体冷却システム10Bおよびレジオネラ属菌対策システム30Bを構成することができる。
なお、図13に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265の構成は、死水領域をより小さくする、オゾン殺菌装置流路365および循環水流路265の構成例の一つであり、図13に例示される連絡流路36aを設ける場合に限定されない。後述するように、幾つかの構成例(変形例)が存在する。
図14は、分岐点BP1および接続点CP1,CP2(図13)を含む範囲を拡大して、死水領域(デッドリージョン)をより小さくする、他のオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265の構成例を一部省略して例示した概略図である。より詳細に説明すれば、図14がオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265の第1の構成例を示した概略図、図15がオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265の第2の構成例を示した概略図である。
図14に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265は、図13に例示される弁27bを三方弁V1に置き換える一方、第5の開放型冷却塔225(出口側)とオゾン殺菌装置31(吸入口31i側)とを接続する流路上(図14では分岐点BP1と第5の開放型冷却塔225の出口端との間)に三方弁V2を設け、三方弁V1および三方弁V2の3個のポートのうちの1個を連絡流路36aの両端(接続点CP1,CP2)としたものである。すなわち、三方弁V1および三方弁V2に、それぞれ、接続点CP2および接続点CP1を設定したものである。また、図14に例示されるオゾン殺菌装置流路365では、排水系統41からの分岐点BP1が三方弁V2とオゾン殺菌装置31(吸入口31i側)との間に設定される。
図14に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265を備える被冷却体冷却システム10Bおよびレジオネラ属菌対策システム30Bでは、接続点CP2が三方弁V1に設定されるので、循環水流路265内に死水領域を発生させることなく、オゾン殺菌装置流路365にオゾン水を循環させることができる。
また、図15に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265では、図14に例示される三方弁V2を省略した構成である。すなわち、図14に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265に対して、接続点CP2を三方弁V1に設定する一方、三方弁V2を省略して排水系統41に設けられる弁42の入口側に接続点CP1を設定する。すなわち、連絡流路36aの一端を循環水流路265上の三方弁V1の1個のポートV1cに設ける一方、連絡流路36aの他端を排水系統41の弁42の入口側に直接(弁を介さずに)接続して構成される。
図15に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265が設けられる被冷却体冷却システム10Bでは、予備の開放型冷却塔22としての第5の開放型冷却塔225に対して通水を停止(弁27a,27bが閉止)している時間帯においても、散布水が滞留して流れない(死水となる)死水領域(デッドリージョン)を発生させず、図14に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265と同様に、よりレジオネラ属菌が繁殖しにくい流路構成となっている。
なお、図14および図15に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265では、接続点CP1の位置を分岐点BP1と第5の開放型冷却塔225の出口端との間に設定した例であるが、三方弁V1,V2を用いる場合においても、図13に例示されるオゾン殺菌装置流路365および循環水流路265と同様に、接続点CP1の位置を分岐点BP1とオゾン殺菌装置31の吸入口31i側との間に設定しても良い。
本実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける二次冷却手段としての冷却塔の運転制御方法については、前述した第1の実施形態に係る被冷却体冷却システムにおける冷却塔の運転制御手順と同様であるため、説明を省略する。
このように、レジオネラ属菌対策システム30B、被冷却体冷却システム10B、レジオネラ属菌対策システム30Bを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Bを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、前述したレジオネラ属菌対策システム30A、被冷却体冷却システム10A、レジオネラ属菌対策システム30Aを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Aを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法と同様に、設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保しつつ、レジオネラ属菌の濃度を閾値未満の低レベルに抑制することができる。
また、レジオネラ属菌対策システム30B、被冷却体冷却システム10B、レジオネラ属菌対策システム30Bを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Bを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、予備冷却塔225に対して通水を停止(弁27a,27bが閉止)している時間帯においても、散布水が滞留して流れない(死水となる)死水領域(デッドリージョン)をほとんど発生させない、または発生させないので、よりレジオネラ属菌が繁殖しにくい環境を提供することができる。
[第3の実施形態]
図16は、本発明の第3の実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムの一実施例である被冷却体冷却システム10Cを概略的に示したシステム構成図である。
なお、図16に示される弁27a,27b,335,42の黒塗りまたは白塗りが、通常運用時(オゾン殺菌装置31が運転中でありオゾン水を供給している場合)の開閉状態を示している点は、図2等の他図と同様である。
レジオネラ属菌対策システム30Cを具備する被冷却体冷却システム10Cは、被冷却体冷却システム全体の構成の概略を示す図1において、被冷却体冷却システム10およびレジオネラ属菌対策システム30が、それぞれ、被冷却体冷却システム10Cおよびレジオネラ属菌対策システム30Cの場合である。すなわち、被冷却体冷却システム10Cは、被冷却体冷却システム10Aまたは10Bに対して、レジオネラ属菌対策システム30Aまたは30Bの代わりにレジオネラ属菌対策システム30Cを具備する点で相違するものの、その他の点は実質的に相違しない。
そこで、本実施形態では、レジオネラ属菌対策システム30Cを中心に説明し、前述した被冷却体冷却システム10A,10Bの構成要素と実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
被冷却体冷却システム10C(図1)が具備するレジオネラ属菌対策システム30Cは、レジオネラ属菌対策システム30A(図2)に対して、オゾン水が供給される二次冷却手段が異なっており、オゾン水が通水する流路が異なる。より具体的に説明すれば、レジオネラ属菌対策システム30Cは、レジオネラ属菌対策システム30Aに対して、開放型冷却塔22(図1)の代わりに、密閉型冷却塔24(図1)である点で相違し、その他の点では実質的に相違しない。
すなわち、レジオネラ属菌対策システム30Cは、オゾン殺菌装置31と、制御装置32と、各密閉型冷却塔241〜245(図1)とオゾン殺菌装置31とを接続する流路を備えるオゾン水供給系統35とを具備する。なお、被冷却体冷却システム10における二次冷却手段が密閉型冷却塔24の場合、冷却塔出入口弁となる弁27a,27b(図16)は循環系(循環水系統26:図16)に組み込まれており密閉であるので、この部分にオゾン水を注入する必要は生じない。
密閉型冷却塔24は、開放型冷却塔22と異なり、被冷却体1(図16)の冷却に使用される循環水は密閉されている(循環水が大気開放されない)流路を循環する構成のため、レジオネラ属菌対策システム30Cでは、循環水系統26と伝熱部24dに散布される散布水が循環する散布水系統28とが独立している。また、散布水系統28は、補給水を貯える補給水槽25と連絡しており、循環する過程で蒸発等により減少する散布水の減少分や蒸発により水槽内の不純物濃度が濃縮されるのを防止するブローダウン水の分の水量は、補給水槽25から補給される。循環水については、パッキン等からの僅かな蒸発等を補うことと、温度変動があった場合の系内の水の膨張収縮を吸収する膨張タンクの意味で補給水槽25と接続されるが、ほとんど流れず循環水系統26は密閉とみなされる。
オゾン殺菌装置31は散布水系統28と接続される一方、循環水系統26とは隔離される(接続されていない)。これは、レジオネラ属菌が問題になるのは、空気に曝される水が通水する系統であるためである。従って、レジオネラ属菌対策システム30Cでは、密閉型冷却塔24内で散布され空気に曝される散布水にオゾンを溶解させてオゾン水として散布水系統28内を循環させる一方、ほぼ密閉の循環水系統26を循環する循環水にはオゾン水を注入しない。
続いて、本実施形態に係る水冷式変電所の被冷却体冷却システムにおける二次冷却手段としての密閉型冷却塔24の運転制御方法について説明する。
図17および図18は、被冷却体冷却システム10Cにおける密閉型冷却塔24(241〜245)の運転制御手順を示す処理フロー図である。
図17および図18に例示される運転制御手順は、図4および図5に例示される運転制御手順と同様にして、常用である第1〜第4の冷却塔241〜244(図17)に対しては通常運転(ステップS6:図17,18)がなされ、予備冷却塔である第5の冷却塔245(図1,16)に対しては通水運転(ステップS7a:図17)または間欠通水運転(ステップS7b:図17)が行われる。
但し、循環水系統26が密閉されている(循環水が大気開放されない)密閉型冷却塔24(図1,16)では、開放型冷却塔22(図1,2,12)とは異なる流路構成であるため、通常運転時(ステップS6:図17,18)、通水運転時(ステップS7a:図17)および間欠通水運転時(ステップS7b:図17)における構成機器の動作内容が異なる。
密閉型冷却塔24(241〜245)の運転制御手順における「通常運転」(ステップS6:図17,18)とは、送風機24aおよび散水ポンプ24eが共に「入」となっており、冷却用の空気(外気)7が取り込まれて伝熱部24dを通気して排気されるとともに、散布水が散布水系統28を循環しつつ密閉型冷却塔24内で伝熱部24dに散布されている状態である。
また、密閉型冷却塔24(241〜245)の運転制御手順における「通水運転」(ステップS7a:図17)とは、送風機24aが「切」となっており、冷却用の空気(外気)7を取り込まない状態であるが、散水ポンプ24eは「入」となっており、散布水系統28に散布水が循環する状態である。なお、「間欠通水運転」(ステップS7b:図18)とは、散水ポンプ24eが間欠的に通水運転する(その他の時間帯は散布水の循環を停止する)状態であり、散布水系統28に散布水が間欠的に通水して循環する状態(散布水の循環と循環停止とを交互に繰り返す状態)である。
このように、レジオネラ属菌対策システム30C、被冷却体冷却システム10C、レジオネラ属菌対策システム30Cを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Cを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、前述したレジオネラ属菌対策システム30A,30B、被冷却体冷却システム10A,10B、レジオネラ属菌対策システム30A,30Bを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10A,10Bを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法と同様に、設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保しつつ、レジオネラ属菌の濃度を閾値未満の低レベルに抑制することができる。
また、レジオネラ属菌対策システム30C、被冷却体冷却システム10C、レジオネラ属菌対策システム30Cを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Cを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、被冷却体1(図16)を冷却する循環水の循環が停止している場合においても、散布水系統28(図16)は循環水系統26とは独立しているため、散水ポンプ24eを運転することによって散布水のみを循環させることができる。
従って、被冷却体冷却システム10Cでは、冷却水(循環水)の循環が停止している予備冷却塔245についても、散水ポンプ24eの停止に起因する、散布水の循環が停止している時間帯をなくす、または短い時間に限定することで、散布水が滞留して流れない(死水となる)死水領域(デッドリージョン)は散水系配管のみとなり、よりレジオネラ属菌が繁殖しにくい環境を提供することができる。
なお、本実施形態に係る水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムおよび被冷却体冷却システムの一例として、図16に、被冷却体冷却システム10A(図2)に対してレジオネラ属菌対策システム30A(図2)の代わりにレジオネラ属菌対策システム30Cを具備する被冷却体冷却システム10Cを例示したが、この例に限定されない。例えば、被冷却体冷却システム10B(図13)に対して、開放型冷却塔22を密閉型冷却塔24に置き換えた被冷却体冷却システム10Cを構成することも可能ではある。なお、水冷式変電所の二次冷却手段は、循環水の水質が変わってしまうため、通常、開放型冷却塔22を使用した場合は全て開放型冷却塔22、密閉型冷却塔24を使用した場合は全て密閉型冷却塔24が用いられる。
また、被冷却体冷却システム10A(図2)に対して、さらにプレート式の熱交換器を適用し、開放型冷却塔22とプレート式熱交換器とを組み合わせて、プレート式熱交換器の1次側(高温側)に循環水ポンプ231で循環水を循環させる一方、2次側(低温側)に開放型冷却塔22を流路に含む循環水の循環流路を設けた循環水系統26を構成することで、二次冷却手段として密閉型冷却塔24を適用した被冷却体冷却システム10Cと同様に循環水系統26を密閉化した被冷却体冷却システム10を構成できる。二次冷却手段として密閉型冷却塔24を使用した場合または開放型冷却塔22とプレート式熱交換器とを組み合わせて循環水系統を密閉化した被冷却体冷却システム10の場合、循環水中への酸素の取り込みを防ぐことができ、循環水系統全体を腐食しにくい環境に維持することができる。
以上、レジオネラ属菌対策システム30、被冷却体冷却システム10、レジオネラ属菌対策システム30を用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10を用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、冷却塔22,24の設計上要求される使用に耐え得る期間(耐用年数)を確保しつつ、レジオネラ属菌の濃度を閾値未満の低レベルに抑制することができる。
また、レジオネラ属菌対策システム30、被冷却体冷却システム10、レジオネラ属菌対策システム30を用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10を用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、レジオネラ属菌の濃度レベルを短時間で判定し、レジオネラ属菌の濃度を考慮したタイムリーなオゾン供給制御が可能となる。
さらに、レジオネラ属菌対策システム30では、レジオネラ属菌の殺菌や繁殖抑制のために人体には無害な濃度のオゾンを利用しているので、長期的にレジオネラ属菌対策システム30および被冷却体冷却システム10のシステム運用を継続したとしても、薬剤による殺菌とは異なり、耐性菌を生じさせる懸念もない。
また、オゾンを水に溶解させて循環させるので、水の流路全域にレジオネラ属菌の殺菌や繁殖抑制の効果を波及させることができる。さらに、オゾンはレジオネラ属菌のみならず、レジオネラ属菌の住処となるバイオフィルム、スライムおよびアメーバ等の微生物、および藻等の有機物にも殺菌や繁殖抑制の効果が及ぶため、レジオネラ属菌を根元から絶つことができる。
レジオネラ属菌対策システム30が可搬式のオゾン殺菌装置31(図3)を具備している場合、設置場所の確保、およびオゾン殺菌装置31の搬入、組立、解体および搬出が容易であり、レジオネラ属菌対策システム30の既設システムへの導入を容易化することができる。さらに、レジオネラ属菌対策システム30を仮設とすることができるので、仮設のレジオネラ属菌対策システム30を適用して水冷式変電所の被冷却体冷却システムの冷却塔22(24)におけるレジオネラ属菌対策を推進することができ、対策費用をより安価に抑えることができる。
レジオネラ属菌対策システム30、被冷却体冷却システム10、レジオネラ属菌対策システム30を用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10を用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、オゾン水供給系統35,36の一部を排水系統41と共通化するとともに、オゾン水供給系統35,36への分岐点BP1を排水時に開放する弁42の直前設けることで、オゾン水(散布水)が滞留して流れない(死水となる)死水領域(デッドリージョン)をほとんど発生させないので、まんべんなくオゾン水を行き渡らすことができ、レジオネラ属菌が繁殖しやすい環境を流路から排除することができる。
レジオネラ属菌対策システム30B、被冷却体冷却システム10B、レジオネラ属菌対策システム30Bを用いる水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法、および被冷却体冷却システム10Bを用いる水冷式変電所の被冷却体冷却方法によれば、循環水流路265上に設けられる弁27b以前の流路と予備冷却塔225の出口以降オゾン殺菌装置31(吸入口31i)以前の流路(例えば、図13では分岐点BP1以降オゾン殺菌装置31以前(吸入口31i側)の流路であり、図14,15では、予備冷却塔225の出口以降分岐点BP1以前の流路)とを連絡する連絡流路36aが設けられているため、予備冷却塔225に対して通水を停止(弁27a,27bが閉止)している時間帯においても、散布水が滞留して流れない死水領域をほとんど発生させないので、レジオネラ属菌が繁殖しやすい環境を流路から排除することができる。
また、弁27bに代えて三方弁V1を設置した場合には、連絡流路36aの散布水系統を兼ねる循環水系統26側の一端である接続点CP2が三方弁V2に設定されるため、予備冷却塔225の出口以降接続点CP2以前の流路における死水領域の発生を完全に排除することができ、さらにレジオネラ属菌が繁殖しにくい流路構成とすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。例えば、設置される二次冷却手段としての冷却塔22(24)は、通常、一つの変電所内で開放型冷却塔22と密閉型冷却塔24とが混在することはないのであるが、開放型冷却塔22と密閉型冷却塔24とを混在させて二次冷却手段が構築されていてもよい。また、上述したオゾン殺菌装置31は、可搬式であるが、常設を前提とする常設式で構成されていてもよい。
また、これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1〜3 被冷却体
7 空気
10(10A,10B,10C) 被冷却体冷却システム
20 冷却系統
211〜213 熱交換器(一次冷却手段)
22(221〜225) 開放型冷却塔(二次冷却手段)
22a 送風機
22b 冷却塔水槽(水槽部)
22c 充填部
231〜233 循環水ポンプ
24(241〜245) 密閉型冷却塔(二次冷却手段)
24a 送風機
24b 冷却塔水槽(水槽部)
24c 充填部
24d 伝熱部
24e 散水ポンプ
25 補給水タンク
26 循環水系統
261,265 循環水流路
27a,27b,33,331,335,37a,37b,42 弁
V1,V2 三方弁
V1a,V2a 第1のポート
V1b,V2b 第2のポート
V1c,V2c 第3のポート
28 散布水系統
285 散布水流路
31 オゾン殺菌装置
31a 酸素濃縮部
31b オゾン発生部
31c 気液混合部
31d オゾン溶解部
31e マイクロバブル発生器(極小バブル発生手段)
31i 吸入口
31o 送出口
32 制御装置
35,36 オゾン水供給系統
351a,355a,365a 第1の分岐流路(オゾン殺菌装置流路)
351b,355b,365b 第2の分岐流路(オゾン殺菌装置流路)
38 可撓(とう)管
41 排水系統
51 イオン発生源
52 マイクロバブル発生器(極小バブル発生手段)
55 直流電源
56 殺菌導体
H1,H2 共通ヘッダ

Claims (31)

  1. 循環水が循環する流路上に設けられ、前記循環水と熱交換することで、水冷式変電所の変電動作時に冷却対象となる当該水冷式変電所の被冷却体の発生熱を前記被冷却体から除去する第1の冷却手段とは離れた位置であって前記循環水が循環する流路上に設置され、前記第1の冷却手段を通過した後の循環水である温水を冷却する冷却塔内で散布される散布水を散布水送出口から取り出して導入し、導入した散布水に発生させたオゾンを溶解させて、オゾン水を生成し、生成したオゾン水をオゾン水送出口から送出して前記冷却塔へ戻すオゾン殺菌装置と、
    前記散布水が通水する前記冷却塔と前記オゾン殺菌装置との間を連絡しており、前記オゾン水を前記冷却塔へ供給する状態と供給しない状態とを切り替え可能なオゾン殺菌装置流路を備えるオゾン水供給系統と、
    前記冷却塔に存在するレジオネラ属菌を含むオゾン消費物質の濃度レベルを前記オゾン水の水温及びオゾン溶存濃度に基づき判定するための判定値を得て、得られる前記判定値と設定される閾値との大小関係と対応したモードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水供給系統内の流路の開閉状態の少なくとも一方を制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温と、少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度とを検出部から取得し、取得した少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度の検出値と、前記制御手段に与えられる、前記オゾン溶存濃度の検出値と前記判定値との関係を規定した判定値導出情報とを用いて前記判定値を求める一方、取得した前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温の検出値と前記制御手段に与えられる温度および前記閾値との関係を規定した閾値決定情報とを用いて前記閾値を決定するように構成されることを特徴とする水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  2. 前記検出部は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を第1の検出値として検出する第1のオゾン濃度検出器と、オゾン殺菌装置入口のオゾン溶存濃度を第2の検出値として検出する第2のオゾン濃度検出器と、を有することを特徴とする請求項1に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  3. 前記検出部は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を検出するオゾン濃度検出器を有し、
    前記制御手段は、前記オゾン濃度検出器から取得される複数個の検出値から選択される少なくとも2個の検出値を用いて得られる代表値を前記オゾン水のオゾン溶存濃度の検出値として得るように構成されることを特徴とする請求項1に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  4. 前記判定値は、前記オゾン水送出口で検出された前記オゾン水のオゾン溶存濃度に基づくものであり、
    前記制御手段は、前記判定値が前記閾値以上の場合、1日当たり8時間未満の期間で前記オゾン水を通水する短時間運転モードを選択する一方、前記判定値が前記閾値未満の場合、前記短時間運転モードよりも長く、1日当たり最大24時間の期間で断続的または連続的に前記オゾン水を通水する長時間運転モードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水を通水させる流路の開閉状態の少なくとも一方を制御するように構成されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  5. 前記判定値は、前記オゾン水送出口で検出された前記オゾン水のオゾン溶存濃度に基づくものであり、
    前記制御手段は、前記判定値が前記閾値以上の場合、前記第2の検出値を設定される第1の範囲内に制御する低濃度モードを選択する一方、前記判定値が前記閾値未満の場合、
    前記第2の検出値を設定される前記低濃度モードよりも高い第2の範囲に設定される高濃度モードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水を通水させる流路の開閉状態の少なくとも一方を制御するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  6. 前記第1の範囲は、0.01ppm以上0.1ppm以下であり、
    前記第2の範囲は、0.5ppm以上1ppm以下であることを特徴とする請求項5に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  7. 前記制御手段は、前記冷却塔が複数台である場合、前記複数台の冷却塔の一部が運転であり、残りが停止である旨が検知された場合であって、前記停止である旨が検知されている冷却塔が開放型冷却塔である場合、
    前記制御手段は、前記停止である旨が検知されている開放型冷却塔に対して、当該開放型冷却塔内に前記循環水である前記散布水を散水して循環させる状態と前記散布水の循環を停止させる状態とに切り替え可能に構成されており、前記停止である旨が検知されている開放型冷却塔の前記オゾン殺菌装置流路へ前記オゾン水を供給する状態に切り替えている場合、少なくとも一時的に前記停止である旨が検知されている開放型冷却塔を通水する前記散布水を循環させる状態に切り替えるように構成されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  8. 前記制御手段は、前記冷却塔が複数台である場合、前記複数台の冷却塔の一部が運転であり、残りが停止である旨が検知された場合であって、前記停止である旨が検知されている冷却塔が密閉型冷却塔である場合、
    前記制御手段は、前記停止である旨が検知されている密閉型冷却塔に対して、当該密閉型冷却塔内で前記散布水を散布して循環させる状態と前記散布水の循環を停止させる状態とに切り替え可能に構成されており、前記停止である旨が検知されている密閉型冷却塔の前記オゾン殺菌装置流路へ前記オゾン水を供給する状態に切り替えている場合、少なくとも一時的に前記停止である旨が検知されている密閉型冷却塔内で前記散布水を散布して当該密閉型冷却塔内を循環させる状態に切り替えるように構成されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  9. 前記冷却塔と前記オゾン殺菌装置とを前記散布水が循環可能に通水するオゾン殺菌装置流路は、前記冷却塔の出口側と前記オゾン殺菌装置の入口側とを連絡する流路の一部が前記冷却塔に対して設けられている前記冷却塔からドレンおよびブローダウン水を流す排水流路の一部と共通化された構成であり、前記排水流路上に配設される第1の弁の直前で前記排水流路から分岐する第1の分岐点が設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  10. 前記冷却塔の出口側と前記オゾン殺菌装置の入口側とを連絡する流路上に設けられる第1の接続点および前記冷却塔内で散布される前記散布水が循環する散布水流路上に配設され前記散布水を循環させるポンプの入口側と前記冷却塔の出口側との間で前記散布水流路を開閉する第2の弁の直前に設けられる第2の接続点の両接続点を連絡する連絡流路が設けられていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  11. 前記オゾン殺菌装置の前記オゾン水送出口から前記オゾン水を前記冷却塔に供給する流路は、前記冷却塔の充填部側へ前記オゾン水を供給する開閉自在な第1の分岐流路と、前記冷却塔内の前記水槽部側へ前記オゾン水を供給する開閉自在な第2の分岐流路と、を備えることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  12. 前記オゾン殺菌装置の前記オゾン水送出口から前記オゾン水を前記冷却塔に供給する流路は、前記冷却塔の充填部側へ前記オゾン水を供給する開閉自在な第1の分岐流路と、前記冷却塔内の前記水槽部側へ前記オゾン水を供給する開閉自在な第2の分岐流路と、を備え、
    前記制御手段は、有機物の繁殖が激しい時期には前記第1の分岐流路を開とし、前記第2の分岐流路を閉とする一方、その他は前記第1の分岐流路を閉とし、前記第2の分岐流路を開とする流路開閉制御を行うことを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  13. 前記オゾン殺菌装置は、空気中の酸素を濃縮させる酸素濃縮部と、オゾンを発生させるオゾン発生部と、前記オゾン発生部が発生させた前記オゾンを水中に溶解させて前記オゾン水を生成する気液混合及びオゾン溶解部と、を備え、前記オゾン殺菌装置は、前記酸素濃縮部、前記オゾン発生部並びに前記気液混合及びオゾン溶解部から成る三個のユニットを接続することで運用可能な状態となる組立可能な構成である一方、前記運用可能な状態から、前記酸素濃縮部、前記オゾン発生部並びに前記気液混合及びオゾン溶解部から成る前記三個のユニットに分解可能な構成であることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  14. 溶解させる前記オゾンの気泡を、バブルマイクロバブルおよびナノバブルの一方である極小バブルとして発生させる極小バブル発生手段をさらに具備し、
    前記極小バブル発生手段は、前記オゾン殺菌装置の内部および前記冷却塔の前記水槽部の少なくとも一方で前記極小バブルを発生させるように構成したことを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  15. 前記冷却塔の前記水槽部に、殺菌効果を有する金属イオンの発生源を設置したことを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  16. 前記金属イオンの発生源は、イオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属を含有する金属板、前記イオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属によって表面に無電解メッキを施したプラスチック板、および直流電源の陽極に接続される、前記殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属を含有する金属板または前記殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属によって表面に無電解メッキを施したプラスチック板の何れかであることを特徴とする請求項15に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  17. 前記冷却塔の冷却塔充填部に使用されるプラスチック板は、イオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属の無電解メッキを表面に施したプラスチック板であることを特徴とする請求項1から16の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システム。
  18. 前記第1の冷却手段と、
    前記冷却塔と、
    請求項1から17の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムとを具備することを特徴とする水冷式変電所の被冷却体冷却システム。
  19. 循環水が循環する流路上に設けられ、前記循環水と熱交換することで、水冷式変電所の変電動作時に冷却対象となる当該水冷式変電所の被冷却体の発生熱を前記被冷却体から除去する第1の冷却手段とは離れた位置であって前記循環水が循環する流路上に設置され、
    前記第1の冷却手段を通過した後の循環水である温水を冷却する冷却塔内で散布される散布水を散布水送出口から取り出して導入し、導入した散布水に発生させたオゾンを溶解させて、オゾン水を生成し、生成したオゾン水をオゾン水送出口から送出して前記冷却塔へ戻すオゾン殺菌装置と、前記散布水が通水する前記冷却塔と前記オゾン殺菌装置との間を連絡しており、前記オゾン水を前記冷却塔へ供給する状態と供給しない状態とを切り替え可能なオゾン殺菌装置流路を備えるオゾン水供給系統と、前記冷却塔に存在するレジオネラ属菌を含むオゾン消費物質の濃度レベルを前記オゾン水の水温及びオゾン溶存濃度に基づき判定するための判定値を得て、得られる前記判定値と設定される閾値との大小関係と対応したモードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水供給系統内の流路の開閉状態の少なくとも一方を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温と、少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度とを検出部から取得し、取得した少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度の検出値と、前記制御手段に与えられる、前記オゾン溶存濃度の検出値と前記判定値との関係を規定した判定値導出情報とを用いて前記判定値を求める一方、取得した前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温の検出値と前記制御手段に与えられる温度および前記閾値との関係を規定した閾値決定情報とを用いて前記閾値を決定するように構成されるレジオネラ属菌対策システムを用いた水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法であって、
    前記レジオネラ属菌対策システムの運転が開始され、前記オゾン殺菌装置が、オゾンを発生させ、前記冷却塔から導入した散布水に発生させたオゾンを溶解させて前記冷却塔へ戻すステップと、
    前記制御手段が、前記検出部から取得する少なくとも1個の前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を含む前記オゾン水のオゾン溶存濃度の検出値を用いて前記判定値を求めるステップと、
    前記制御手段が、取得する前記オゾン水送出口における前記オゾン水の水温の検出値を用いて前記閾値を決定するステップと、
    前記制御手段が、前記判定値を求めるステップで得た前記判定値と前記閾値を決定するステップで得た前記閾値との大小関係を求め、求めた大小関係に対応したモードを選択し、選択したモードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水供給系統内の流路の開閉状態の少なくとも一方を制御するオゾン水供給制御ステップと、を具備することを特徴とする水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  20. 前記検出部は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を第1の検出値として検出する第1のオゾン濃度検出器と、オゾン殺菌装置入口のオゾン溶存濃度を第2の検出値として検出する第2のオゾン濃度検出器とを有しており、
    前記判定値を求めるステップは、前記制御手段が、前記制御手段に与えられる第1のオゾン溶存濃度および第2のオゾン溶存濃度と前記判定値との関係を示す情報と、前記検出部が検出した前記第1の検出値とおよび前記第2の検出値とを用いて前記判定値を求めるステップであることを特徴とする請求項19記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  21. 前記検出部は、前記オゾン水送出口における前記オゾン水のオゾン溶存濃度を検出するオゾン濃度検出器を有しており、
    前記判定値を求めるステップは、前記制御手段が、前記制御手段に与えられる第1のオゾン溶存濃度および第2のオゾン溶存濃度と前記判定値との関係を示す情報と、前記オゾン濃度検出器が検出した前記オゾン溶存濃度の第1の検出値と、前記検出部が前記第1の検出値よりも後に検出した第2のオゾン検出値とを用いて前記判定値を求めるステップであることを特徴とする請求項19記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  22. 前記判定値は、前記オゾン水送出口で検出された前記オゾン水のオゾン溶存濃度に基づくものであり、
    前記オゾン水供給制御ステップは、前記判定値を求めるステップで算出された前記判定値が前記閾値以上の場合に、1日当たり8時間未満の期間で前記オゾン水を通水する短時間運転モードを、前記判定値が前記閾値未満の場合に、前記短時間運転モードよりも長く、1日当たり最大24時間の期間で断続的または連続的に前記オゾン水を通水する長時間運転モードを選択する運転モード選択ステップと、前記運転モード選択ステップで選択される前記短時間運転モードまたは前記長時間運転モードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水を通水させる流路の開閉状態の少なくとも一方を制御するステップと、を備えることを特徴とする請求項19から21の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  23. 前記判定値は、前記オゾン水送出口で検出された前記オゾン水のオゾン溶存濃度に基づくものであり、
    前記オゾン水供給制御ステップは、前記判定値を求めるステップで算出された前記判定値が前記閾値以上の場合に、前記第2の検出値を設定される第1の範囲内に制御する低濃度運転モードを、前記判定値が前記閾値未満の場合に、前記第2の検出値を設定される前記低濃度運転モードよりも高い第2の範囲に設定される高濃度運転モードを選択する運転モード選択ステップと、
    前記運転モード選択ステップで選択される前記低濃度運転モードまたは前記高濃度運転モードに応じて、前記オゾン殺菌装置および前記オゾン水を通水させる流路の開閉状態の少なくとも一方を制御するステップと、を備えることを特徴とする請求項20に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  24. 前記第1の範囲は、0.01ppm以上0.1ppm以下であり、
    前記第2の範囲は、0.5ppm以上1ppm以下であることを特徴とする請求項23に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  25. 前記オゾン殺菌装置の前記オゾン水送出口から前記オゾン水を前記冷却塔に供給する流路は、前記冷却塔の充填部側へ前記オゾン水を供給する開閉自在な第1の分岐流路と、前記冷却塔内の前記水槽部側へ前記オゾン水を供給する開閉自在な第2の分岐流路とを備えており、
    前記オゾン水供給制御ステップは、前記オゾン水供給系統が備える流路の開閉状態の制御として、有機物の繁殖が激しい時期には前記第1の分岐流路を開とし、前記第2の分岐流路を閉とする一方、その他は前記第1の分岐流路を閉とし、前記第2の分岐流路を開とする流路開閉制御を行うことを特徴とする請求項19から24の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  26. 前記オゾン殺菌装置は、空気中の酸素を濃縮する酸素濃縮部、オゾンを発生させるオゾン発生部と、前記オゾン発生部が発生させた前記オゾンを水中に溶解させて前記オゾン水を生成する気液混合及びオゾン溶解部から成る三個のユニットを接続することで運用可能な状態となる一方、前記運用可能な状態から、前記酸素濃縮部、前記オゾン発生部並びに前記気液混合及びオゾン溶解部から成る前記三個のユニットに分解される、組立および分解可能であって、前記運用可能な状態で前記制御手段と信号伝送可能に接続されている場合には前記運用可能な状態にある旨を前記制御手段に通知可能に構成されており、
    前記制御手段が、前記オゾン殺菌装置が前記運用可能な状態にあって前記制御手段と信号伝送可能に接続されている場合には前記運用可能な状態にある旨の通知を前記オゾン殺菌装置から受け取るステップをさらに具備することを特徴とする請求項19から25の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  27. 前記水冷式変電所のレジオネラ属菌対策システムは、溶解させる前記オゾンの気泡を、バブルマイクロバブルおよびナノバブルの一方である極小バブルとして発生させる極小バブル発生手段をさらに具備しており、
    前記冷却塔へ戻すステップは、前記極小バブル発生手段が、前記オゾン殺菌装置の内部および前記冷却塔の前記水槽部の少なくとも一方で前記極小バブルを発生させて前記散布水にオゾンを溶解させるステップを有することを特徴とする請求項19から26の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  28. 前記冷却塔の前記水槽部には、殺菌効果を有する金属イオンの発生源が設置されており、前記金属イオンの発生源が、前記水槽部の前記散布水に前記殺菌効果を有する金属イオンを供給するステップをさらに備えることを特徴とする請求項19から27の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  29. 前記金属イオンの発生源は、イオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属を含有する金属板、前記イオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属によって表面に無電解メッキを施したプラスチック板、および直流電源の陽極に接続される、前記殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属を含有する金属板または前記殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属によって表面に無電解メッキを施したプラスチック板の何れかであることを特徴とする請求項28に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  30. 前記冷却塔の冷却塔充填部に使用されるプラスチック板は、イオン化する際に殺菌効果を有する金属イオンを発生させる金属の無電解メッキを表面に施したプラスチック板であり、
    前記冷却塔充填部に使用されるプラスチック板が、前記冷却塔充填部を通水する前記散布水に前記殺菌効果を有する金属イオンを供給するステップをさらに備えることを特徴とする請求項19から29の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法。
  31. 請求項19から30の何れか1項に記載の水冷式変電所のレジオネラ属菌対策方法が具備するステップと、
    前記循環水を前記流路で循環させて前記被冷却体を冷却するステップと、を具備することを特徴とする水冷式変電所の被冷却体冷却方法。
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