JP4524256B2 - 循環装置の殺菌/殺藻装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばクーリングタワー等の循環装置内を循環する循環水中の細菌類や藻類を殺菌・殺藻すると共に、循環水を浄化して活性水にするのに好適な循環装置の殺菌/殺藻装置に関するものである。
従来から空調設備の一つで循環水を冷却するための機器としてクーリングタワー(冷却塔)が知られている。クーリングタワーは、循環水を水滴にして流下させながら送風機で風を送り、外気と接触させることで水温を下げ冷却するようにしていた。
クーリングタワーでは、その内部を循環する循環水の水質悪化を防ぐために、通常は塩素などの化学薬品を使用して水質悪化を防止するようにしている。
なお、特許文献1には、経済的に安価で、安全性が高く、トリハロメタン類等が生成せず、且つ効果の高い工業用廃水系の汚染防止方法を提供するために、塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解してアノード室側から得られた酸性水を直接、または当該酸性水に用廃水および/またはアルカリ水溶液を混合して所望のpHに調整し、工業用用廃水に添加する技術が開示されている。
特開2002−113469公報
しかしながら、クーリングタワーに塩素系殺菌剤を投入した場合、水中の汚れ成分と反応して殺菌効果が劣る結合塩素ができてしまうという欠点があった。
また塩素系殺菌剤の投入を継続すると、結合塩素の反応が終了してから結合塩素が分解し、逆に殺菌効果のある遊離塩素が生成され、塩素濃度が高くなり過ぎて水質値管理が難しくなるうえ塩素殺菌の効果が出にくくなるといった欠点があった。
さらに塩素系殺菌剤を使用した場合は、温水状態でガス化して安定しないため、高濃度管理にならざるを得ない。またpHの影響を受けやすいのでpHが7.0〜7.2の範囲となるように常に調整しなければならないという欠点があった。
さらに塩素系殺菌剤は金属部位を腐食させる要因になるため、設備を傷めるという欠点もあった。
そこで本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、クーリングタワーなどの殺菌、殺藻を簡単、且つ、確実に行うことができ、しかも設備を傷めることもない殺菌/殺藻装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、循環装置内の循環水の中に投入することにより、前記循環水の殺菌/殺藻を行うことができる循環装置の殺菌/殺藻装置であって、装置本体と、該装置本体を制御する制御装置とから成り、前記装置本体は、金属電極の金属イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部と、を備え、前記制御装置は、前記金属イオン発生部の金属電極を通電する電源と、前記電源による前記金属電極の通電時間を制御するタイマ手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、循環装置内の循環水の水面上に設置され、前記循環水の殺菌/殺藻を行う循環装置の殺菌/殺藻装置であって、側面上方に内部に貯水した水を流出させるための流出口を有する矩形容器により構成される装置本体と、該装置本体を制御する制御装置とから成り、前記装置本体内には、金属電極の金属イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部と、前記装置本体内に外部給水栓からの水を散水する散水管と、を備え、前記制御装置は、前記外部給水栓から前記散水管への水の供給を断続する断続手段と、前記金属イオン発生部の金属電極を通電する電源と、前記電源による前記金属電極の通電時間と前記断続手段による前記外部給水栓から前記散水管へ水を供給する給水時間とを制御するタイマ手段と、を備え、前記金属電極の通電と前記散水管からの散水を同時に行うことを特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、前記金属イオン発生部は、金属電極として銀電極と銅電極を備え、前記制御装置の電源から夫々銀電極と銅電極を通電することにより銀イオンと銅イオンを水中に溶解して放出することを特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記マグネットは、6極フェライトマグネットであることを特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、前記電源は、ソーラ発電機であることを特徴とする。
本発明は、銀イオンと銅イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部とを備える装置本体をクーリングタワーなどの循環装置の循環水中に投入することにより、金属イオンと天然セラミックにより循環装置の循環水中の細菌類や藻類を殺菌・殺藻すると共に、マグネット収納部のマグネットの反発により水の通水時に水分子構造を微細化させる働きを促すことで殺菌作用と水質浄化作用と複合的に行うようにした。このようにすれば、塩素系殺菌剤を使用したときのように循環装置内の設備を傷めることなく、循環装置内の循環水の殺菌/殺藻を行うことが可能になる。
また本発明は、銀イオンと銅イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部とを備える装置本体を循環装置の循環水の水面上に配置して、金属電極への通電と同時に外部給水栓から散水管を通して装置本体内に給水を行うことで、金属イオンと天然セラミックの成分が溶け出した水が装置本体の側面上方に位置する流出口から循環装置内へ流出させるようにした。これにより、循環装置の循環水中に含まれる細菌類や藻類を殺菌・殺藻すると共に、マグネット収納部のマグネットの反発により水の通水時に水分子構造を微細化させる働きを促すことで殺菌作用と水質浄化作用と複合的に行う事が可能になる。この結果、塩素系殺菌剤を使用したときのように循環装置内の設備を傷めることなく、循環装置内の循環水の殺菌/殺藻を行うことが可能になる。
また本発明は、装置本体を循環装置の循環水の水面上に配置し、装置本体内において金属イオンと天然セラミックの成分が溶け出し、しかも装置本体から溢れ出た水を循環装置の循環水に含ませるようにした。これより、循環装置内の循環水に含まれる不純物が装置本体内の金属電極に付着して金属電極の通電率が低下することにより、殺菌/殺藻能力が低下するのを防止することができる。
さらに、制御装置により金属電極の通電と散水管からの散水が同時に行われるように制御することで、金属電極から金属イオンが発生する際に金属電極周辺の水を対流させ、金属電極から溶けた金属イオンが結晶化して金属電極に付着するのを防止するようにした。これにより、金属イオンの結晶化により金属電極に金属イオン膜が形成され、金属電極の通電率が低下することにより、殺菌/殺藻能力が低下したり、或いは金属イオンの再結晶化により金属電極が膨張して+側の金属電極と−側の金属電極が接触して短絡したりするといった不具合の発生を防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の循環装置の殺菌/殺藻装置の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る殺菌/殺藻装置の概略構成を示した外観斜視図である。また図2は、第1の実施形態の殺菌/殺藻装置本体の内部構成を示した図であり、(a)はその上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図1に示す殺菌/殺藻装置1は、装置本体10と、装置本体10に電源を供給するための電源等を備えた制御装置40とから構成される。装置本体10は金属電極棒を収納した金属イオン発生部2と、天然セラミックである緑色片岩を収納したセラミック収納部3と、マグネットを収納したマグネット収納部4とから構成される。なお、セラミック収納部3とマグネット収納部4については後述する。
金属イオン発生部2は長方形状の金属筐体2aからなり、その上部であって短手方向両側には装置を把持するための取手11、11が取り付けられている。また金属筐体2aの上部には制御装置40からの配線12、12をカバーする配線カバー13、13が取り付けられている。
金属イオン発生部2の内部には、図2(a)に示すように複数本の銀電極棒21と、複数本の銅電極棒22とが直線状に取り付けられている。また、これらの銀電極棒21と銅電極棒22と対をなすように複数本のステンレス棒23が同じく直線上に取り付けられている。これら銀電極棒21、銅電極棒22及びステンレス棒23には、配線12、12を介して制御装置40の電源から間欠的に直流電圧が印加される。なお、銀電極棒21と銅電極棒22との間に仕切板等を配置して仕切るようにしても良い。
図3は制御装置40の内部構成を示した図である。
この図3に示す制御装置40は、商用電源に接続されて漏電を遮断する漏電遮断器41と、漏電遮断器41を介して供給される商用電圧の所定時間だけオンにするタイマ装置42、43と、タイマ装置42から供給される交流電圧を所定レベルの直流電圧に変換して銀電極棒21に供給するAC/DC電源44と、タイマ装置43から供給される交流電圧を所定レベルの直流電圧に変換して銅電極棒22に供給するAC/DC電源45とを備えて構成される。
図1に戻り、装置本体10の天然セラミック収納部3は、例えばセラミック等の金属製で多数の長孔3bが形成された筐体3aが筐体2aの側面にビス等によって取り付けられている。天然セラミック収納部3の内部には天然セラミックである緑色片岩31が収納されている。また、図2(c)に示すように筐体3aが取り付けられる筐体2aの側面は開口面3Cになっている。
天然セラミックである緑色片岩31は、断層粘土の集合体で三波川変成岩に属し、図4に示すような組成の物質である。なお、緑色片岩31の殺菌機能については後述する。
また図1に示す装置本体10のマグネット収納部4も天然セラミック収納部3の筐体3aと同様、セラミック等の金属製で多数の長孔4bが形成された筐体4aが筐体2aの側面にビス等によって取り付けられている。なお、この場合も図2(c)に示すように、筐体4aが取り付けられる筐体2aの側面は開口面4Cになっている。マグネット収納部4の内部には、例えば図5に示すような6極フェライトマグネット32が複数配置されている。
図2に示す例では複数の6極フェライトマグネット32が直線上に配列されているマグネット群が上下に配置されている。また、第1の実施形態では、銀電極棒21及び銅電極棒22の各電極間にも夫々6極フェライトマグネット32が配置されている。なお、6極フェライトマグネット32の数量は、マグネット自体の大きさや装置本体10の大きさや、各電極間の間隔、本数等の条件により適宜設定すれば良い。
このように第1の実施形態の殺菌/殺藻装置1は、装置本体10に銀イオンと銅イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部2を構成し、その両側に天然セラミックである緑色片岩31を収納した天然セラミック収納部3と、複数の6極フェライトマグネット32を収納したマグネット収納部4とを組み合わせるようにして構成している。そして、このような殺菌/殺藻装置1の装置本体10をクーリングタワーなどの循環装置の循環水(冷却水)中に投入し、制御装置40の電源から夫々銀電極棒21と銅電極棒22を通電するようにしている。これにより、後述する金属イオンと緑色片岩31、6極フェライトマグネット32の相乗効果により循環装置内の循環水の殺菌、殺藻を行うことができる。なお、制御装置40の電源による銀電極棒21及び銅電極棒22の通電時間はクーリングタワーの水量などにより適宜設定すれば良い。
以下、第1の実施形態の殺菌/殺藻装置1を用いてクーリングタワーの殺菌、浄化を行う場合について説明する。
図6は第1の実施形態の殺菌/殺藻装置を用いてクーリングタワーの殺菌、浄化を行う場合のシステム構成を示した図である。
この図6に示すクーリングタワー(冷却塔)51は、下部水槽52の冷却水(循環水)を、配管53を通して熱交換器61に送り、熱交換器61において配管62内の冷却水と熱交換を行うようにしている。熱交換器61により暖められた暖水は、クーリングタワー51の上部に設けられている散水槽54に供給される。散水槽54では熱水を水滴にして上から流しながら、送風機55により風を送り外気と接触させることで温度を下げるようにしている。このようにして冷却された循環水はクーリングタワー51内の充填部材56を通って下部水槽52に貯水される。なお、熱交換器61により熱交換が行われ、冷却された配管62内の循環水は工場63等において冷却水として使用される。
クーリングタワー51に対して第1の実施形態の殺菌/殺藻装置1を使用する場合は、クーリングタワー51内の下部水槽52に装置本体10を投入する。そして、クーリングタワー51の外部に設置した制御装置40の電源から装置本体10の金属イオン発生部2に配置した銀電極棒21、銅電極棒22、ステンレス棒23に所定電圧を供給することで、銀電極棒21の銀と銅電極棒22の銅を効率良く電気分解し、電気分解した金属イオンと6極フェライトマグネット32の磁力によりクーリングタワー51の循環水中の細菌類や藻類を殺菌・殺藻すると共に、循環水を浄化して活性水にするようにしている。
さらに、この殺菌成分(金属イオン)と共に、天然セラミック収納部3に収納した無機物である緑色片岩31により殺菌効果の発現作用を最大限に引き出すようにしている。具体的には、緑色片岩31を担体として緑色片岩の連続多孔質の孔や結晶格子中に殺菌成分である銀/銅イオンの化合物、あるいは金属単体のコロイドなどを担持させることによって、殺菌成分の放出速度、殺菌効果、妨害要因への対処方法などを相乗的に科学作用させるようにしている。担体として緑色片岩31を活用することで、溶解によるイオンとの合体性で微量濃度の金属イオンによる殺菌力を発揮させることができる。
また第1の実施形態では、金属イオン発生部2と緑色片岩31に加えて、6極フェライトマグネット32を収納したマグネット収納部4を組み合わせたことで、6極フェライトマグネット32の反発セットにより水の通水時に水分子構造を微細化させる働きも促し、殺菌作用と水質浄化作用の複合的相乗作用をもたらすようにしている。
ここで、殺菌/殺藻装置1の各部の殺菌/殺藻機能について説明しておく。
金属イオン発生部2では、銀を水中で電気分解することにより銀イオンを生成させ、銀イオンを細菌に接触させることにより細菌を不活性化させ死滅させる。細菌は体面の細胞膜と細胞壁との間の呼吸を司る呼吸連鎖酵母が存在し、様々な役割を持つ組織から成り立っている。これらの呼吸鎖酵母のうち、−SH基を有する酵素は、酵素のタンパク質構造の維持、酵素活性などの大変重要な役割をしている。
ここに、銀イオンが置換反応し、−SAg基に変質することにより、これらの酵母の活性が失われ細菌は不活性化する。−SH基の他に−s−s(システィン結合)を持つものが存在するが、銀イオンは同様の効果を発揮し殺菌する。
また同様に銅を水中で電気分解することにより銅イオンを生成させ、銅イオンを細菌に接触させることにより細菌を不活性化させ死滅させる。理論は上記銀と同じである。銅イオンが0.04ppm(40ppb)達すると大腸菌群の大半は生存できなくなり死滅する。大腸菌群以外の菌でも同様であると推定されている。
また銀イオンは細菌の細胞酵素をブロッキングして短時間で死滅させ、有機物を減少させる。これに伴い、原生動物や水中懸濁物も減少し濁度は澄んだ状態になる。銅イオンは銀イオンより殺菌作用は若干劣るが、銅イオンは藻類に強く吸着し生育を阻害し死滅させる。レジオレネラ族菌群は藻類やアメーバと共生し増殖するために、その根源の藻類に有効に作用する銅イオンを活用し相乗効果を引き出すようにしている。
また天然セラミックである緑色片岩31の機能としては、緑色片岩31は、その表面は負又は正の電荷を持っているため、水中のイオンとイオン交換を素早く行うことが出来る。また緑色片岩31は負の状態が多いため、陽イオン(カルシウム、マグネシウム等)を引きつける。これによって配管53や熱交換器61へのスライムやスケールの付着を抑止することができ、水中イオンが減少すると、電気伝導率も低下する。また緑色片岩31は、水を保持する力が強く、表面張力が小さいので物質が吸着しやすい状態になっており、吸着飽和点に達する時間が長期間維持される連続多孔質(特殊ランダム層)という形態にあるため、批評面積が大きくその分、吸着能力に優れ、この高い吸着力によって水中の金属化合物やトリハロメタンなどを吸着補足することができる。
さらに緑色片岩31は、遠赤外線放射力により水の分子構造を置換、浸透性・洗浄性を向上させるので、強固なスケールやスライムを徐々に剥離溶質し、正常な設備部材面を復活させることができる。さらにまた緑色片岩31には酸化と還元のバランスを保つ鉄塩の2価鉄と3価鉄が3:1の割合で含有しており、水中の酸素によって酸化還元反応が起こり、微弱電流が発生しイオン化を促進する。また緑色片岩31自身からマイナスイオンが発生し、酸化度を示す指標となる酸化還元電位を低下させる働きをします。すなわち、還元性が強くなって設備内の部材や配管53内壁のスケール等を剥離溶質し易くする作用がある。
また6極フェライトマグネット32の作用としては、水分子の酸素原子と水素原子との結合電子対の酸素原子電気陰性度特性電子を引き寄せる力が水素原子より大きいため、幾分水素原子側に偏っている酸素原子とマイナスイオン水素原子はプラスに帯電し、正電荷の重心と負電荷の重心が一致しないため、水分子は極性分子であると共に、双極子モーメントを持っている。双極子モーメントがあるために水分子中のマイナス電荷を持つ酸素原子とプラス電荷を持つ水分子間にクーロン力が働き水素結合を形成する。
水素結合体をより効果的にするために、水を6極フェライトマグネット32に強制的に触れさせることにより、変性反発微弱磁気水に変換させて水に磁気密度の変化を生じさせる。原理構造は酸素原子1個と水素原子2個が電子の共有結合により、一体となっている化合物であるので、各電子は自転と原子核の周りを周転する2回路の回転運動を行っており、各電子は電荷を持っているので、2種類の磁場を形成しているため回転している電子自体の回転によるN極、S極の特性を活かし、6極フェライトマグネット32を利用して反発磁性にし、エネルギー体の作用による水素結合により多数集合してクラスターを形成し、高分子的な構造に乱れを生じさせる磁場、電子の運動を増幅させて水の分子構造に変性作用の働きをさせることにより、水の浄化に適したエネルギー積を発生させる。6極フェライトマグネットにより水に自由電子の誘発と分子構造の変化、物理、化学的物性の変性現象で浄化を促すようにしている。
これにより、第1の実施形態の殺菌/殺藻装置1の装置本体10をクーリングタワー51など循環装置の循環水(冷却水)中に投入しておくことで、循環装置内の循環水の殺菌、殺藻を行うことができる。
ところで、上記した殺菌/殺藻装置1は、図7(a)に示すようにクーリングタワー51の下部水槽52に貯水した循環水の中に装置本体10を投入して浸漬することにより、クーリングタワー51内を循環する循環水の殺菌殺藻を行うようにしているが、この場合は循環水に含まれている不純物が銀電極棒21や銅電極棒22、ステンレス棒23等の金属電極に付着して金属電極の通電率が低下し、これに伴って殺菌/殺藻能力が低下する虞がある。
また、クーリングタワー51の下部水槽52に貯水した循環水は流れが弱いため、銀電極棒21や銅電極棒22等の金属電極から溶けた金属イオンが結晶化して金属電極に付着することにより形成される金属イオンの膜により金属電極の通電率が低下して殺菌/殺藻能力が低下したり、或いは金属イオンの再結晶化により金属電極が膨張して+側の金属電極と−側の金属電極が接触して短絡したりする虞がある。
そこで、次に上記したような不具合が発生することが無い本発明の殺菌/殺藻装置の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態の殺菌/殺藻装置70は、図7(b)に示すように、装置本体80と制御装置90とから構成され、クーリングタワー51の下部水槽52に貯水した循環水の水面上に設置することにより、クーリングタワー51内を循環する循環水の殺菌殺藻を行うようにしている。この場合、装置本体80内の散水管には、外部給水栓92から水の供給を断続する電磁弁(断続手段)91を介して水を供給できるように構成されている。電磁弁91は制御装置90により制御が行われる。
図8は本発明の第2の実施形態に係る殺菌/殺藻装置の概略構成を示した外観斜視図である。また図9は第2の実施形態の殺菌/殺藻装置本体の内部構成を示した図であり、(a)はその上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
なお、図1及び図2と同一部位には同一符号を付して重複する説明は省略する。
図8に示す第2の実施形態の殺菌/殺藻装置70は、装置本体80と、装置本体80に駆動電圧を供給するための電源等を備えた制御装置90とから構成される。
この場合、装置本体80は矩形状の容器によって構成され、その内部に上記したような金属電極を収納した金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩31を収納したセラミック収納部3と、6極フェライトマグネット32を収納したマグネット収納部等が設けられている。この場合も、金属イオン発生部では、図示していない複数本の銀電極棒21と、複数本の銅電極棒22とが直線状に取り付けられている。また、これらの銀電極棒21と銅電極棒22と対をなすように複数本のステンレス棒23が同じく直線上に取り付けられ、これら銀電極棒21、銅電極棒22及びステンレス棒23には、配線12、12を介して制御装置90の電源から間欠的に直流電圧を印加するようにしている。なお、この図9に示す例では銀電極棒21と銅電極棒22との間を仕切板81により仕切るようにしている。
装置本体80内の底面側の中央付近には、散水管82が配置されており、制御装置40の制御により外部給水栓から供給される水を散水するようにしている。
また装置本体80の長手方向側面の上方には、内部に貯水した水を外部に流出させる流出口83が設けられている。なお、第2の実施形態では、装置本体80の側面の両側に設けられている流出口83、83の高さが異なっており、通常はセラミック収納部3側の流出口83から装置本体内の水を流出させる構造になっている。
図10は制御装置90の内部構成を示した図である。
この図10に示す制御装置90は、商用電源に接続されて漏電を遮断する漏電遮断器93と、漏電遮断器93を介して供給される商用電圧の所定時間だけオンにするタイマ装置94と、タイマ装置94がオンになったときに供給される交流電圧を所定レベルの直流電圧に変換して金属電極に供給するAC/DC電源95と、タイマ装置94がオンになったときに供給される交流電圧により外部給水栓92から装置本体80の散水管82へ給水が行われるように弁を開放し、それ以外は外部給水栓92から散水管82への給水を止水する電磁弁91とを備えている。
従って、このような第2の実施形態の殺菌/殺藻装置70によれば、銀イオンと銅イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部とを備える装置本体80をクーリングタワー51の循環水の水面上に配置して、金属電極への通電と同時に外部給水栓92から散水管82を通して装置本体80内に給水を行うことで金属イオンと天然セラミックの成分が溶け出した水が装置本体80の側面上方に位置する流出口83からクーリングタワー51の下部水槽に流入させるようにした。これにより、クーリングタワー51の循環水中に含まれる細菌類や藻類を殺菌・殺藻すると共に、マグネット収納部のマグネットの反発により水の通水時に水分子構造を微細化させる働きを促すことで殺菌作用と水質浄化作用と複合的に行うことが可能になる。この結果、第1の実施形態と同様、塩素系殺菌剤を使用したときのように循環装置内の設備を傷めることなく、クーリングタワー51内の循環水の殺菌/殺藻を行うことが可能になる。
また第2の実施形態では、装置本体80をクーリングタワー51の循環水の水面上に配置し、金属イオンと天然セラミックの成分が溶け出した水をクーリングタワー51の循環水に含ませるようにした。これにより、クーリングタワー51の循環水に含まれる不純物が装置本体80内の金属電極に付着して、金属電極の通電率が低下することにより、殺菌/殺藻装置の殺菌/殺藻能力が低下するのを防止することができる。
さらに、第2の実施形態では、制御装置90により金属電極の通電と散水管82からの散水が同時に行われるように制御することで、金属電極から金属イオンが発生する際に金属電極周辺の水を対流させ、金属電極から溶けた金属イオンが結晶化して金属電極に付着するのを防止するようにした。これにより、金属イオンが結晶化することにより金属電極に金属イオン膜が形成され、金属電極の通電率が低下することにより、殺菌/殺藻装置の殺菌/殺藻能力が低下したり、或いは金属イオンの再結晶化により金属電極が膨張して+側の金属電極と−側の金属電極が接触して短絡したりするといった不具合の発生を防止することができる。
なお、本実施形態では、本発明の殺菌/殺藻装置の電源として商用電源を用いる場合を例に挙げて説明したが、商用電源に限らず太陽光により発電を行うソーラ発電機と蓄電装置とにより構成されるソーラ電源を用いることも可能である。ソーラ電源を利用すると、商用電源コンセントが設けられていない場所などにも容易に設置することができるという利点がある。
また、本実施形態では循環装置としてクーリングタワーを例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば浴場や人口池、養殖場、発電所等の循環装置にも適用可能である。
また本実施の形態では、金属イオン発生部と、天然セラミック収納部と、マグネット収納部とを組み合わせて殺菌/殺藻装置を構成したが、6極フェライトマグネット32を収納したマグネット収納部4は必ずしも設けなくとも殺菌/殺藻装置を構成することは可能である。
本発明の第1の実施形態に係る殺菌/殺藻装置の概略構成を示した外観斜視図。 第1の実施形態の殺菌/殺藻装置本体の内部構成を示した図。 制御装置の内部構成を示した図。 天然セラミックである緑色片岩の組成表を示した図。 6極フェライトマグネットの構成を示した図。 第1の実施形態の殺菌/殺藻装置を用いてクーリングタワーの殺菌、浄化を行う場合のシステム構成を示した図。 本実施形態に係る殺菌/殺藻装置の設置例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係る殺菌/殺藻装置の概略構成を示した外観斜視図。 第2の実施形態の殺菌/殺藻装置本体の内部構成を示した図。 制御装置の内部構成を示した図。
符号の説明
1、70…殺菌/殺藻装置、2…金属イオン発生部、3…セラミック収納部、10、80…装置本体、21…銀電極棒、22…銅電極棒、23…ステンレス棒、31…緑色片岩、32…6極フェライトマグネット、4…マグネット収納部、40、90…制御装置、41、93…漏電遮断器、42、43、94…タイマ装置、44 45、95…AC/DC電源、51…クーリングタワー、81…仕切板、82…散水管、83…流出口、91…電磁弁、92…外部給水栓

Claims (5)

  1. 循環装置内の循環水の中に投入することにより、前記循環水の殺菌/殺藻を行うことができる循環装置の殺菌/殺藻装置であって、
    装置本体と、該装置本体を制御する制御装置とから成り、
    前記装置本体は、金属電極の金属イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部と、を備え、
    前記制御装置は、前記金属イオン発生部の金属電極を通電する電源と、前記電源による前記金属電極の通電時間を制御するタイマ手段と、を備えることを特徴とする循環装置の殺菌/殺藻装置。
  2. 循環装置内の循環水の水面上に設置され、前記循環水の殺菌/殺藻を行う循環装置の殺菌/殺藻装置であって、
    側面上方に内部に貯水した水を流出させるための流出口を有する矩形容器により構成される装置本体と、該装置本体を制御する制御装置とから成り、
    前記装置本体内には、金属電極の金属イオンを水中に溶解して放出する金属イオン発生部と、天然セラミックである緑色片岩を収納した天然セラミック収納部と、複数のマグネットを収納したマグネット収納部と、前記装置本体内に外部給水栓からの水を散水する散水管と、を備え、
    前記制御装置は、前記外部給水栓から前記散水管への水の供給を断続する断続手段と、前記金属イオン発生部の金属電極を通電する電源と、前記電源による前記金属電極の通電時間と前記断続手段による前記外部給水栓から前記散水管へ水を供給する給水時間とを制御するタイマ手段と、を備え、前記金属電極の通電と前記散水管からの散水を同時に行うことを特徴とする循環装置の殺菌/殺藻装置。
  3. 前記金属イオン発生部は、金属電極として銀電極と銅電極を備え、前記制御装置の電源から夫々銀電極と銅電極を通電することにより銀イオンと銅イオンを水中に溶解して放出することを特徴とする請求項1又は2に記載の循環装置の殺菌/殺藻装置。
  4. 前記マグネットは、6極フェライトマグネットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の循環装置の殺菌/殺藻装置。
  5. 前記電源がソーラ発電機と蓄電装置とから成るソーラ電源であることを特徴とする請求項1又は2に記載の循環装置の殺菌/殺藻装置。
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