JP2002233870A - 電気分解整水生成装置及びその方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分子のクラスターを小さくし、活性化を
図り、電解槽への負担を軽減し効率を高めると共に、電
解槽の電極の寿命の延命化を図る。 【解決手段】 水を電気分解するための浄水電解部３と
その浄水電解部３を制御するための電源部２とを有し、
浄水電解部３では、カルシウムを含有する粒状活性炭層
である上部機構２６ａと塩素その他の有害物質を除去し
水を活性化するためファインセラミックス層３１及びカ
ルシウム層３０を備えた下部機構２６ｂを設けた浄水槽
２６と、その浄水槽２６に連結され管状の形状の陰極部
材３７と棒状の形状の陽極部材３９とを備えた電解槽２
８とがあり、浄水槽２６の下部機構２６ｂで水が最初に
ファインセラミックス層３１を通過し、カルシウム層３
０、上部機構２６ａの順で水が通過し電解槽２８でその
水を電気分解しアルカリイオン水及び酸性水を生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ファインセラミッ
クス及びカルシウムを用いてアルカリイオン水及び酸性
水を生成する電気分解整水生成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、強酸性水を殺菌に使用したり、
また、アルカリイオン水を健康飲料として用いるため、
水道水等を電気分解してアルカリイオン水と酸性水とを
生成分離できるように構成したイオン整水器等が使用さ
れている。これは、水道水等を活性炭等により一旦浄水
した後に電解槽に送水して、その電解槽中で陰極電極と
陽極電極との間に介設した電解隔膜により、両電極間に
印加された電圧によって水道水等を電気分解した際に、
アルカリイオン水と酸性水とに分離生成するように構成
されている。そして、生成されたアルカリイオン水及び
酸性水はそれぞれアルカリイオン水導出流路と酸性水導
出流路とを通して外部に排出している。

【０００３】また、電気分解により溶融しているカルシ
ウム、マグネシウム等は、経時的に、両電極に付着し、
電解性能を漸次低下させることになる。そのため、両電
極に印加する直流電源の極性を逆転することにより、各
電極に付着したカルシウム、マグネシウム等を水中に溶
出して両電極を洗浄し、係るカルシウム、マグネシウム
等を含んだ水を、排水通路を通して外部に排出する機構
を採っている装置もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一般にイオン整水器等
では水に電離性無機物質である食塩（ＮａＣｌ）、塩酸
（ＨＣｌ）、硫酸（Ｈ_２ＳＯ_４）或いは塩化カリウム
（ＫＣｌ）の添加を行うことによって、アルカリイオン
水及び強酸性水の生成を行っている。これは電離性無機
物質の添加により水の電気分解を向上させることができ
るからである。しかしながら、電離性無機物質の添加に
より生成された強酸性水に強い塩素臭が残ることにな
り、この強酸性水で食品等の洗浄を行うと強い塩素臭が
残り食品本来の風味が損なわれることになる。また、植
物に農薬の代替として使用する場合、その土壌に塩類が
滞留し、塩害の発生が懸念される。そのため、電離性無
機物質の添加を行うことにより生成された酸性水は食品
等の洗浄や農薬の代替には適しない恐れがある。

【０００５】また、一般のイオン整水器等では、水道水
等をアルカリイオン水と酸性水とに分離生成する際に、
電解槽に大きな負担がかかっておりイオン整水器等の寿
命の短命化を招いている。これは水分子同士の集まりで
あるクラスターが大きく容易に分解できないことが原因
となっている。また、電解槽の電極に付着したカルシウ
ム、マグネシウム等についても付着した量によっては単
に極性を逆転するだけではカルシウム、マグネシウム等
を水中に溶出することは難しい。その結果、溶出せずに
付着したままのカルシウム、マグネシウム等が電極の機
能を低下させ電極の寿命を短くし電解槽の交換を頻繁に
行わなければならないという事態を招いていた。

【０００６】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
であり、水分子のクラスターを小さくし、水自身の活性
化を図り、電解槽への負担を軽減すると共に、電解槽の
電極の寿命の延命を図り、活性化されたアルカリイオン
水並びに、殺菌性の強い強酸性水を同時に得るための電
気分解整水生成装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項１に記載の発明は、水道水
を電気分解するための浄水電解部と該浄水電解部を制御
するための電源部とを有し、前記浄水電解部では浄水槽
と、該浄水槽に連結され、陰極部材と陽極部材とを電解
隔膜で仕切った電解槽とを備え、前記浄水槽の注水孔か
ら供給された水道水を浄化し、該水を前記電解槽へ送り
電気分解を行い、酸性水及びアルカリイオン水を生成す
るための電気分解整水生成装置であって、前記浄水槽の
上部機構にはカルシウム、粒状活性炭及び銀イオンコー
テイング粒状活性炭が封入されており、前記浄水槽の下
部機構にはファインセラミックス層及びカルシウム層が
設けられていることを特徴とする。

【０００８】従って、請求項１に記載の発明によれば、
浄水槽の上部機構で主に塩素やその他の有害物質等を除
去する機能を果たし、浄水槽の下部機構では主に水を活
性化する機能を果たす。浄水槽の下部機構にファインセ
ラミックス層及びカルシウム層を設けているため、水道
水である原水が注水孔を通り浄水槽の下部機構を通過す
る際に、ファインセラミックス層の働きにより水分子の
クラスターが小さくなる。またカルシウム層を原水が通
過することにより原水にカルシウム分が補強される。そ
して、浄水槽の下部機構から上部機構へ原水が移動する
と封入されているカルシウムにより原水にさらにカルシ
ウム分が補強される。また上部機構に封入されている粒
状活性炭によりカルキ（残留塩素）等の余分な塩素その
他の有害物質を取り除き原水を浄化する。なお、銀イオ
ンコーティング粒状活性炭は浄水槽内に滞留する水に対
して静菌作用として微生物の繁殖を抑える。

【０００９】また、請求項２に記載の発明は、請求項１
に記載した構成に加え、前記ファインセラミックス層は
前記浄水槽の注水孔に対向し、該注水孔と同一面内に設
けられていることを特徴とする。

【００１０】従って、請求項２に記載の発明によれば、
浄水槽に原水が注ぎ込まれたときに最初にファインセラ
ミックス層を通過するように構成されており、最初に原
水がファインセラミックス層を通過することで水分子の
クラスターを小さくし、原水に含まれている塩素その他
の有害物質の除去も行う。

【００１１】さらに、請求項３に記載の発明は、請求項
１に記載した構成に加え、前記電解槽内では、管状の形
状の陰極部材と棒状の形状の陽極部材とが電解隔膜を介
して組み込まれていることを特徴とする。

【００１２】従って、請求項３に記載の発明によれば、
同心状に陰極電極及び陽極電極をまとめることができ、
電解槽の小型化を図ることが可能になる。

【００１３】また、請求項４に記載の発明は、請求項３
に記載した構成に加え、前記陰極部材は合金鋼であり、
前記陽極部材はフェライトであることを特徴とする。

【００１４】従って、請求項４に記載の発明によれば、
フェライトを用いるため、電解効果を高めると共に電解
槽に電圧を印加したときに生じる電極部材の電食を抑え
ることが可能になり電極部材の変質を防止でき電解槽の
寿命の延命を図り、電解槽の交換の頻度を減少させるこ
とが可能となる。

【００１５】さらに、請求項５に記載の発明は、浄水電
解部内の浄水槽から電解槽へ水道水を通過させることで
アルカリイオン水と酸性水を生成する電気分解整水生成
方法であって、水道水を浄水槽の下部機構に設けた注水
孔を通過させ下部機構内のファインセラミックス層を通
過させる第１の工程と、前記ファインセラミック層を通
過した水を下部機構のカルシウム層及び上部機構のカル
シウム、粒状活性炭及び銀イオンコーティング粒状活性
炭を通過させる第２の工程と、前記浄水槽の上部機構を
通過した水に電離性無機物質の添加を行わずに、電解槽
に供給し、各電極に電圧を印加することで電解隔膜と陰
極部材との間にアルカリイオン水を生成し、電極隔膜と
陽極部材との間に酸性水を生成する第３の工程と、を含
むことを特徴とする。

【００１６】従って、請求項５に記載の発明によれば、
供給された水（原水）が最初にファインセラミックス層
を通過することにより原水中の余分な塩素その他の有害
物質を取り除くと共に、水分子のクラスターを小さく
し、浄水槽内のカルシウムにより原水にカルシウム分を
補強し、粒状活性炭により原水からさらに余分な塩素や
その他の有害物質を取り除き、さらに銀イオンコーティ
ング活性炭により原水に静菌作用が働き微生物の繁殖を
抑えることになる。そして、以上の処理が行われた原水
が電解槽に入り、各電極に電圧が印加されることにより
環状の電極隔膜を挟んで電極隔膜と対向する陰極部材と
の間にアルカリイオン水、電極隔膜と対向する陽極部材
との間に酸性水が生成される。特に、各工程において電
離性無機物質である食塩（ＮａＣｌ）、塩酸（ＨＣ
ｌ）、硫酸（Ｈ_２ＳＯ_４）或いは塩化カリウム（ＫＣ
ｌ）の添加が行われていないため、得られた酸性水に強
い塩素臭が生じるのを抑えることが可能である。また、
陰極側に生成されるアルカリイオン水は飲用としての適
性を得ることができると同時に、酸性水及びアルカリイ
オン水から発生することが予測される塩害も未然に予防
することが可能である。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明の電気分解整水生成
装置１の概略を示す。電解水製造装置１は電源部２と浄
水電解部３とから成り立っている。浄水電解部３を作動
させるためのスイッチ４、５が浄水電解部３の側面に設
置されている。浄水を得るためにはスイッチ４を「Ｏ
Ｎ」する必要があり、アルカリイオン水及び酸性水を得
るためにはスイッチ４、５を「ＯＮ」する必要がある。

【００１８】また、その際には電源部２内に設置された
レンジ可変スイッチＡ１１及びレンジ可変スイッチＢ１
３を適宜調整する必要がある。レンジ可変スイッチＡ１
１はｐＨを調整するためのスイッチであり、レンジ可変
スイッチＢ１３はアルカリイオン水及び酸性水の
「強」、「弱」を微調整するためのスイッチである。ま
た、電源部２と浄水電解部３を連結するためには、浄水
電解部３からの接続パイプ１５を電源部２のコネクター
１７に差し込むことになる。

【００１９】電源部２内に設置されているスイッチ７は
電極部材に付着したカルシウム、マグネシウム等の析出
物を剥離するために電解槽２８内の電離作用を逆転させ
るためのスイッチであり、必要時に自動的に逆洗浄を可
能にするためのタイマースイッチを兼ねている。そし
て、スイッチ７に隣接してランプ９が設置が設けらてい
る。ランプ９が点灯している場合には、電気分解機構が
順調に機能していることを示している。

【００２０】図３には浄水電解部３の詳細が示されてい
る。図３に示すように、浄水電解部３の側面の下部には
水道吸水管１９Ａ、１９Ｂを取り付けるための接続口１
８Ａ、１８Ｂが設置されており、この水道吸水管１９
Ａ、１９Ｂにより浄水電解部３に水道水を供給すること
になる。水道水を浄水槽２６に供給するにはいずれの水
道吸水管１９Ａ、１９Ｂを用いることもできる。また、
いずれの水道吸水管１９Ａ、１９Ｂも電磁給水バルブ２
１につながっている。具体的には水道吸水管１９Ａと電
磁給水バルブ２１とは連結パイプ２３を介して接続され
ており、水道吸水管１９Ｂと電磁給水バルブ２１とは連
結パイプ２４を介して接続されている。そして、この電
磁給水バルブ２１において浄水槽２６へ水道水の供給の
調整が行われることになる。電磁給水バルブ２１から浄
水槽２６へ給水するための注入孔２６ｃは連結パイプ２
２で接続されている。

【００２１】また、浄水電解部３内では浄水槽２６と電
解槽２８とが隣り合って配置されている。浄水槽２６と
電解槽２８とは連結パイプ２５で接続されている。本実
施の形態では浄水槽２６の上部と電解槽２８の下部とを
連結パイプ２５で接続しているが、特にこの形態に限定
されることない。逆に浄水槽２６の下部と電解槽２８の
上部とを接続する形態であってもよい。結果的に浄水槽
２６と電解槽２８とが接続されて供給された水道水が浄
水槽２６から電解槽２８へ送ることができればよい。

【００２２】浄水槽２６内では上部機構２６ａと下部機
構２６ｂとに分けられている。上部機構２６ａでは主に
塩素やその他の有害物質等を除去するための機能を果た
しており、上部機構２６ａにはカルシウム、粒状活性炭
及び銀イオンコーティング粒状活性炭により粒状活性炭
層が形成されている。本実施の形態では上部機構２６ａ
内のカルシウムとして、炭酸カルシウムを用いている
が、特に炭酸カルシウムに限定されるものではない。そ
して、ここでの炭酸カルシウムは原水にカルシウム分を
補給する役割を果たしている。また、上部機構２６ａの
粒状活性炭では原水である水道水内に含まれる殺菌剤と
して使用するカルキ（残留塩素）等の余分な塩素その他
の有害物質を取り除いて浄水することになる。さらに、
銀コーティング粒状活性炭により、上部機構２６ａ内に
送られた原水に銀イオンが溶け込み、微生物の繁殖を抑
える静菌作用が働くことになる。

【００２３】下部機構２６ｂ内には、ファインセラミッ
クス層３１及びカルシウム層３０が設けられている。フ
ァインセラミックス層３１のファインセラミックス及び
カルシウム層３０のカルシウムは、それぞれ粒状であ
り、それぞれ通水性のある袋に充填してある。充填に際
しては、袋内のカルシウム及びファインセラミックスが
注水孔２６ｃから入ってくる原水により、袋内で自由運
動ができるような状態になっている必要がある。つま
り、カルシウム及びファインセラミックスを袋に充填し
たときに袋内に十分な隙間が存在していることが必要に
なる。

【００２４】下部機構２６ｂには下部機構２６ｂ内に水
道水である原水を供給するための注水孔２６ｃが設けら
れている。ファインセラミックス層３１は注水孔２６ｃ
に対向し、注水孔２６ｃと同一平面である同じ高さに配
置されている。このように同じ高さに配置することによ
り、注水孔からの水道水である原水が最初にファインセ
ラミックス層３１に注ぎ込まれるようになるからであ
る。その結果、原水が注ぎ込まれることによりファイン
セラミックス層３１内のファインセラミックスが袋内で
自由運動をし、水分子と衝突等することで最初に原水の
水分子のクラスターを小さくすることができる。また、
ファインセラミックスは原水中に含まれる余分な塩素や
その他の有害物質も一部吸着、除去する作用もある。

【００２５】また、カルシウム層３０はファインセラミ
ックス層３１の上側でも下側でもいずれの側に設けるこ
とが可能である。本実施の形態ではファインセラミック
ス層３１の上にカルシウム層３０が設けられている。さ
らに、本実施の形態ではカルシウム層３０には乳酸カル
シウムが用いられているが、他の種類のカルシウムを用
いることもできる。また、ファインセラミックス層３１
には天然ファインセラミックスが用いられているが、他
の種類のファインセラミックスであってもよい。

【００２６】電解槽２８は、図１及び図２に示すように
円筒形をなしており、電解槽２８の詳細は図４及び図５
に示されている。図５は図４に示す電解槽２８の断面を
斜め方向から示す破断図である。図５に示すように、電
解槽２８内には円筒形の電解隔膜３３が設置されてい
る。そして、電解隔膜３３で仕切られた電解槽２８の外
側には管状の形状の陰極部材３７が設けられており、電
解槽２８の中心部には電極棒である棒状の形状の陽極部
材３９が設けられている。つまり、電解槽２８は管状の
形状の陰極部材３７に棒状の形状の陽極部材３９が組み
込まれて（挿入されて）形成されている。そして、陰極
部材３７は合金鋼であり、陽極部材３９はフェライトで
ある。

【００２７】また、図４に示すように、電解槽２８に供
給された浄化された原水を電気分解するために各電極部
材３７、３９に電圧を印加するためのリード線４１、４
２が電解槽２８の上部及び胴部に取り付けられている。
電解槽２８には電気分解した後に生成されるアルカリイ
オン水及び酸性水を電解槽３から送水するための酸性水
出水口２８ａ及びアルカリイオン水出水口２８ｂが設け
られている。

【００２８】つぎに、本発明の電気分解整水生成装置１
の動作について説明する。最初に浄水電解部３の側面に
設置されているスイッチ４、５を「ＯＮ」にし、浄水電
解部３を作動させる。そして、図３に示すように、水道
給水管１９Ｂより水道水である原水を供給する。原水
は、矢印に示すように給水パイプ２４を通り電磁給水バ
ルブ２９に到達する。つぎに電磁給水バルブ２９は開か
れ、連結パイプ２２を経て水道水である原水は下部機構
２６ｂの注入孔２６ｃに到達する。そして、到達した原
水は最初にファインセラミックス層３１に注ぎ込む（第
１の工程）。注ぎ込まれると粒状のファインセラミック
スは袋内で自由運動を行う。

【００２９】そして、ファインセラミックス層３１に注
ぎ込まれた原水では、水分子のクラスターは大きいが粒
状のファインセラミックスと衝突等することにより、フ
ァインセラミックスの働きにより水分子のクラスターが
小さくなり、原水の活性化を図ることになる。具体的に
はファインセラミックスより発せられる微弱エネルギー
である電磁波（育成光線）が水分子を強力に励起・振動
状態にさせられる。その結果、水分子のクラスターが細
かく切断されて小さくなる。また、同時に原水に含まれ
る塩素その他の有害物質もファインセラミックス層３１
で吸着される。

【００３０】つぎに、ファインセラミックス層３１を通
過した原水はカルシウム層３０及び上部機構２６ａを通
過する（第２の工程）。まず原水の通過により袋内の乳
酸カルシウム（カルシウム層３０）が自由運動を行う。
その結果、カルシウム層３０は原水にカルシウム分を供
給することになる。そして、下部機構２６ｂを出た原水
は上部機構２６ａ内に入り、原水（水道水）に含まれる
殺菌剤であるカルキ（残留塩素）等の余分な塩素その他
の有害物質が除去され浄水される。また、浄水槽２６の
上部機構２６ａ内の銀コーティング粒状活性炭により、
銀イオンが原水に溶け込み静菌作用をなし、一層の浄化
作用が原水に働く。さらに、上部機構２６ａ内にもカル
シウムを含有させてあるために、上部機構２６ａを通過
する原水にさらにカルシウム分が補給される。

【００３１】つぎに、浄化された原水は浄水槽２６の上
部機構２６ａから連結パルプ２５を経て電解槽２８へ移
動する。その際、原水に電離性無機物質である食塩（Ｎ
ａＣｌ）、塩酸（ＨＣｌ）、硫酸（Ｈ_２ＳＯ_４）或いは
塩化カリウム（ＫＣｌ）の添加は行わない。電解槽２８
に取り付けられたリード線４１、４２から各電極部材３
７、３９に電圧を印加して電解槽２８内で原水の電気分
解を行う。電離作用により陰極側に水素イオンが生成さ
れ、陽極側に酸素イオンが生成される（第３の工程）。
その結果、電解槽２８に入ってきた原水はアルカリイオ
ン水と酸性水とに分離される。このとき水分子のクラス
ターが小さくなり電気分解し易くなっているため、電極
部材３７、３９にカルシウム、マグネシウム等が付着し
難くなっており、僅かな量のカルシウム、マグネシウム
等が付着するだけである。また、水分子のクラスターが
小さくなっているため、原水を電気分解する際の電解槽
２８に加わる負荷が小さい。さらに、電解槽２８の陽極
部材３９はフェライトを用いているため陽極部材３９の
電圧印加による変質が防止される。

【００３２】そして、陰極側である電解隔膜３３と陰極
部材３７との間に生成されたアルカリイオン水はアルカ
リイオン水出水口２８ｂを通り出水パイプ３４を経て浄
水電解部３外に導出され、陽極側である電解隔膜３３と
陽極部材３９との間に生成された酸性水は酸性水出水口
２８ａを通り出水パイプ３２を経て浄水電解部３外に導
出される。このように塩素その他の有害な物質もなく電
気分解し易い状態で原水が電解槽２８に入るため得られ
た酸性水は殺菌性が強くなる。

【００３３】以上のように電気分解整水生成装置１で
は、アルカリイオン水及び酸性水を生成する。このと
き、電解槽２８の陰極部材３７、陽極部材３９には溶融
しているカルシウム、マグネシウム等が付着するため、
スイッチ７（クリーンスイッチ）を「ＯＮ」にし、ラン
プ９を点灯させ、陰極と陽極を切り替えて電解槽２８内
の電離作用を逆転させて電極部材３７、３９に付着した
カルシウム、マグネシウム等を剥離する。このような電
離作用を逆転させる洗浄は電解槽２８内の水が全て排出
する数分間にわたって行われることになる。なお、この
逆洗浄機能はタイムスイッチにより任意に時間設定が可
能である。

【００３４】本実施の形態においては浄水電解部３に供
給される水には電離性無機物質である食塩（ＮａＣ
ｌ）、塩酸（ＨＣｌ）、硫酸（Ｈ_２ＳＯ_４）或いは塩化
カリウム（ＫＣｌ）の添加を行わずにアルカリイオン水
及び酸性水の生成を行った。浄水電解部３内の電解槽２
８に水を供給する際に、水に電離性無機物質である食塩
（ＮａＣｌ）、塩酸（ＨＣｌ）、硫酸（Ｈ_２ＳＯ_４）或
いは塩化カリウム（ＫＣｌ）の添加を行うことも可能で
あり、その場合であってもアルカリイオン水及び酸性水
を生成することができる。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、ファインセラミックス
を浄水槽の下部機構に封入することで、ファインセラミ
ックスから放出される育成光線とも呼称される４μｍ〜
１４μｍの電磁波（遠赤外線）が水分子を照射し、水分
子同士の結合を切断し、水分子のクラスターを小さくで
き、水の電気分解が行い易くなる。その結果、電気分解
整水生成装置の電解槽に負担がかかり難くなり装置の寿
命を延命することが可能になる。また、水がファインセ
ラミックス層を通過することで水が活性化される。すな
わち、水分子のクラスターが小さくなると同時に付与さ
れた遠赤外線効果により、動植物の細胞に付着し浸透し
易くなり細胞の活性化を図ることが可能になる。特に、
その水を飲むことにより体内の細胞の活性化を図ること
も可能になる。従って、これまでのアルカリイオン水の
作用に加え水分子のクラスターを小さくすることと遠赤
外線による効果が加わりアルカリイオン水の健康飲料と
しての価値を高めることが可能になる。また、水分子の
クラスターが小さくなり電気分解し易くなっているため
アルカリイオン水と共に得られる酸性水の殺菌性の向上
も図れる。

【００３６】さらに、ファインセラミックスは塩素その
他の有害物質を吸着する機能を備えているため、ファイ
ンセラミックス層に原水が注ぎ込まれ、ファインセラミ
ックスと原水とが衝突することにより、ファインセラミ
ックスの吸着する機能より塩素その他の有害物質の吸着
を行い原水が浄化されることになる。

【００３７】また、電解槽に入ってきた原水は水分子の
クラスターが小さいため電気分解し易いため、電気分解
に要する時間も短縮でき、電解槽内の汚れも従来に比べ
減らすことができる。そして、それに伴い電極部材にカ
ルシウム、マグネシウム等が付着し難く、付着した場合
であっても電解槽内で行われる電離作用を逆転させる洗
浄において容易にしかも確実に電極部材に付着した析出
物の除去を行うことができる。さらに、電極部材にフェ
ライトを用いているため、電極部材自体が電食され難
く、電極の変質を防止できる。その結果、電極部材に析
出物の付着、変質等がし難くなり電解槽の交換も頻繁に
行なう必要が無くなった。

【００３８】そして、浄水槽の上部機構及び下部機構内
のカルシウムを原水が通過することにより、原水に対し
てカルシウムが補給されることになり原水の栄養分を豊
富にすることが可能になる。また、原水が上部機構内の
銀イオンコーテイング粒状活性炭を通過することによ
り、浄水槽内に滞留する原水に対して静菌作用が働き微
生物の繁殖を抑えることが可能になる。

【００３９】さらに、本発明では電離性無機物質である
食塩（ＮａＣｌ）、塩酸（ＨＣｌ）、硫酸（Ｈ_２Ｓ
Ｏ_４）或いは塩化カリウム（ＫＣｌ）を添加することな
く、酸性水の生成を行っているため、本発明の電気分解
整水生成装置により得られた酸性水では強い塩素臭がな
く、食品等の洗浄に用いることも可能である。また、農
業園芸用の消毒薬の代替として使用した場合も塩害の発
生を懸念せずに用いることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気分解整水生成装置の全体を示す斜
視図である。

【図２】本発明の電気分解整水生成装置の電解槽の内部
を示す斜視図である。

【図３】本発明の電気分解整水生成装置の浄水電解部内
の水の流れを示す浄水電解部の断面図である。

【図４】本発明の電気分解整水生成装置の電解槽の側面
図である。

【図５】図４に示す電解槽の断面を斜め方向から示す破
断図である。

【符号の説明】

１…電気分解整水生成装置 ２…電源部 ３…浄
水電解部 ２６…浄水槽 ２６ａ…上部機構
２６ｂ…下部機構 ２８…電解槽 ３０…カル
シウム層 ３１…ファインセラミックス層 ３３…
電解隔膜 ３７…陰極部材 ３９…陽極部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０２Ｆ 1/68 ５３０ Ｃ０２Ｆ 1/68 ５３０Ｃ ５４０ ５４０Ａ ５４０Ｅ ５４０Ｇ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水道水を電気分解するための浄水電解部
   と該浄水電解部を制御するための電源部とを有し、 前記浄水電解部では浄水槽と、該浄水槽に連結され、陰
   極部材と陽極部材とを電解隔膜で仕切った電解槽とを備
   え、 前記浄水槽の注水孔から供給された水道水を浄化し、該
   水を前記電解槽へ送り電気分解を行い、酸性水及びアル
   カリイオン水を生成するための電気分解整水生成装置で
   あって、 前記浄水槽の上部機構にはカルシウム、粒状活性炭及び
   銀イオンコーテイング粒状活性炭が封入されており、前
   記浄水槽の下部機構にはファインセラミックス層及びカ
   ルシウム層が設けられていることを特徴とする電気分解
   整水生成装置。
2. 【請求項２】 前記ファインセラミックス層は前記浄水
   槽の注水孔に対向し、該注水孔と同一面内に設けられて
   いることを特徴とする請求項１に記載の電気分解整水生
   成装置。
3. 【請求項３】 前記電解槽内では、管状の形状の陰極部
   材と棒状の形状の陽極部材とが電解隔膜を介して組み込
   まれていることを特徴とする請求項１に記載の電気分解
   整水生成装置。
4. 【請求項４】 前記陰極部材は合金鋼であり、前記陽極
   部材はフェライトであることを特徴とする請求項３に記
   載の電気分解整水生成装置。
5. 【請求項５】 浄水電解部内の浄水槽から電解槽へ水道
   水を通過させることでアルカリイオン水と酸性水を生成
   する電気分解整水生成方法であって、水道水を浄水槽の
   下部機構に設けた注水孔を通過させ下部機構内のファイ
   ンセラミックス層を通過させる第１の工程と、 前記ファインセラミック層を通過した水を下部機構のカ
   ルシウム層及び上部機構のカルシウム、粒状活性炭及び
   銀イオンコーティング粒状活性炭を通過させる第２の工
   程と、 前記浄水槽の上部機構を通過した水に電離性無機物質の
   添加を行わずに、電解槽に供給し、各電極に電圧を印加
   することで電解隔膜と陰極部材との間にアルカリイオン
   水を生成し、電極隔膜と陽極部材との間に酸性水を生成
   する第３の工程と、を含むことを特徴とする電気分解整
   水生成方法。