(第1の実施の形態)
本発明の遊技媒体貸出装置の第1の実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド)を併設したパチスロ機を示す正面図であり、図2は、サンドを示す斜視図である。
図1に示すように、パチスロ機10の向かって右側には、それぞれ、サンド20が併設されている。各サンド20は、隣接するパチスロ機10に対応して設置されており、対応する当該パチスロ機10との間で通信可能に接続されている。また各サンド20は、ホール全体のサンド20のシステム管理や売り上げ管理を行うコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。なお、本実施の形態においては、ホール全体の管理を行うコントローラ(ホールコンピュータ)に通信可能に接続されたサンド20について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、コントローラと通信を行わないサンドであってもよい。
各サンド20の前面部21には、LED(light-emitting diode)部31、カード挿入口32、紙幣を投入可能な紙幣挿入口33、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット34、カメラ35、非接触ICカードリーダライタ36、メダル(遊技媒体)払出用トレー37、スピーカカバー38、メダル(遊技媒体)計数用投入口39等が設けられている。カード挿入口32は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部31は、フルカラーLED31A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)31Bから構成されている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口32又は紙幣挿入口33に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダライタ36にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
サンド20は、情報カード、紙幣及びICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパ(第1の計数部)によって計数してメダル払出用トレー37から払い出す。遊技者は、メダル払出トレー37から払い出されたメダルをパチスロ機10のメダル投入口11へ投入することにより、パチスロ機10において遊技を行うことができる。
また、パチスロ機10においては、遊技の結果に応じて、メダル払出トレー12にメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをメダル払出トレー12から掬い取って、サンド20のメダル計数用投入口39へ投入することにより、このメダルをサンド20によって計数させることができる。サンド20は、メダル計数用投入口39から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパ(第2の計数部)によって計数する。
計数された結果は、カード挿入口32から挿入されたカードに記録され、又は、ホールコンピュータに設けられた記憶部に記憶される。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、サンド20の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド20の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
図3は、サンド20の内部構成を示す斜視図であり、図4は、その縦断面図である。図3及び図4に示すように、サンド20は、筐体22の内部に、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)と、電源ユニット65とを収納する第1の収納空間AR11を有している。また、第1の収納空間AR11の下方には、払出用ホッパ51と計数用ホッパ71とを上下に併設して収納する第2の収納空間AR13を有している。第1の収納空間AR11には、上部に識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)が収納され、下部に電源ユニット65が収納されている。すなわち、第1の収納空間AR11の下部は、電源ユニット65を収納する電源ユニット収納空間AR12を形成している。
図5は、第1の収納空間AR11を示す略線的斜視図である。図5において、紙幣識別装置(ビルバリ)61は、紙幣挿入口33(図3)から投入された紙幣を識別する装置であり、情報カードリーダ62は、カード挿入口32から挿入された情報カードから情報を読み取る装置である。これら紙幣識別装置61及び情報カードリーダ62の合計の幅寸法は、筐体22の内部空間の幅寸法よりも小さくなっている。これにより、情報カードリーダ62及び紙幣識別装置61を並べて収納した場合、これら情報カードリーダ62及び紙幣識別装置61からなる識別手段の側方には、制御基板63の厚み寸法以上の空間が形成されるようになっている。
また、電源ユニット65の幅寸法は、筐体22の内部空間の幅寸法よりも小さくなっている。これにより、電源ユニット65を識別手段の下方に収納した場合、電源ユニット65の側方には、制御基板63の厚み寸法以上の空間が形成されるようになっている。
すなわち、識別手段及び電源ユニット65を上下に並べて収納することにより、それらの側方には、制御基板63の厚み寸法以上の寸法でなる空間が形成される。この空間に制御基板63を立てて収納することができる。この場合、制御基板63を収納する空間の大きさは、筐体22の内部空間の前後方向の寸法及び第1の収納領域AR11の上下方向の寸法を全て充当することができ、大きな収納空間を得ることができる。
図6は、電源ユニット65を、筐体22の内部空間の左右方向の寸法を全て使用して収納した比較例を示している。この場合、識別手段(紙幣識別装置61及び情報カードリーダ62)の側方に形成される制御基板63を収納するための空間の下方は、電源ユニット65によって占められていることにより、その分、制御基板63を収納するための空間が小さくなる。
これに対して、本実施の形態においては、図5に示したように、制御基板63を収納するための空間を大きくとることができることにより、一段と大型の制御基板63を収納することができる。このように大型の制御基板63を収納することができることにより、制御基板63の制御対象装置を多くすることができる。
図3において、第1の収納領域AR11の下方の第2の収納空間AR13に収納された払出用ホッパ51は、その上部において筐体22の背面部に設けられた補給用開口部52を介して、ホールからの補給路によりメダルが補給されるようになっている。この補給用開口部52と払出用ホッパ51との間には、補給通路53が設けられており、補給用開口部52から補給されたメダルは、補給通路53を介して払出用ホッパ51に落下する。
一方、筐体22の前面部21に設けられたメダル計数用投入口39と計数用ホッパ71との間には、導入通路72が設けられたおり、メダル計数用投入口39から投入されたメダルは、この導入通路72を介して計数用ホッパ71に落下する(矢印a)。計数用ホッパ71には、メダルを計数する計数手段が設けられており、この計数手段により計数されたメダルは、筐体20の底面部に設けられた排出口73から搬送コンベアに排出され(矢印b)、回収される。
メダル計数用投入口39は、図1に示すように、パチスロ機10のメダル払出トレー12と同等の高さに設けられている。これにより、遊技者は、パチスロ機10のメダル払出トレー12に払い出されたメダルを、簡単にメダル計数用投入口39へ運ぶことができる。なお、メダル計数用投入口39の高さは、パチスロ機10のメダル払出トレー12と同等の高さに限られず、メダル払出トレー12よりも低い位置に設けるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者がメダルを運び易くすることができる。
次に、サンド20におけるスピーカの取り付け位置について説明する。図3及び図4に示すように、サンド20の前面部21には、前面パネル23が設けられており、この前面パネル23には、スピーカカバー38が設けられている。このスピーカカバー38は、前面パネル23(スピーカカバー38)の裏面側に設けられたスピーカからの音を前方に透過させる複数の透過口を有している。
図7は、サンド20の前面部21の前面パネル23を取り外した状態を示す斜視図である。図7に示すように、前面パネル23の裏面側には、払出用ホッパ51が配置されており、この払出用ホッパ51の前面部にスピーカ81が固定されている。このスピーカ81の固定位置は、払出用ホッパ51の払出口54と、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)との間である。払出用ホッパ51の払出口54は、前面パネル23に設けられたメダル払出用トレー37に対して、払出用ホッパ51からのメダルを払い出すものであり、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)は、メダル計数用投入口39へ投入されたメダルを、計数用ホッパ71へ導くものである。すなわち、スピーカ81の取り付け位置は、メダル払出用トレー37とメダル計数用投入口39との間となっている。
払出用ホッパ51の払出口54は一般に払出用ホッパ51の上部に設けられており、また計数用ホッパ71の投入口(開口部75)は一般に計数用ホッパ71の上部に設けられている。従って、払出用ホッパ51と計数用ホッパ71とを上下に並べて配置した構成においては、払出口54と投入口(開口部75)との間に空間が形成されることになる。また、上部に払出用ホッパ51が設けられ、下部に計数用ホッパ71が設けられている構成においては、メダル計数用投入口39の上部に一定の空間を形成することにより、遊技者がメダル計数用投入口39にメダルを投入し易くすることができる。特に、メダルを貯留した箱をメダル計数用投入口39の上に持ってその箱内のメダルをメダル計数用投入口39に投入することを目的として、メダル計数用投入口39の上部(メダル計数用投入口39とメダル払出用トレー37との間)に空間を形成しておく必要がある。本実施の形態においては、これらの空間を利用して、スピーカ81が取り付けられている。
なお、図8に示すように、前面パネル23の裏面側には、スピーカ81から出力される音の漏れを防止するためのエンクローズド用の突起部材101をスピーカ81の周囲を覆うように一体成形することが望ましい。
図9は、払出用ホッパ51を示す斜視図であり、図10は、その縦断面図である。図9に示すように、払出用ホッパ51には、スピーカ81が結合部材82を介してユニット化されており、図10に示すように、スピーカ81の接続配線84は、払出用ホッパ51の接続コネクタ55に接続されている。この払出用ホッパ51の接続コネクタ55は、制御基板63と払出用ホッパ51とを接続して、払出用ホッパ51に対して制御基板63からの制御信号を供給するためのコネクタであり、本実施の形態の場合、接続コネクタ55にスピーカ81への音声信号供給用の配線を接続することにより、接続コネクタ55を、払出用ホッパ51及びスピーカ81によって共用している。これにより、制御基板63からの音声信号は、接続コネクタ55を介してスピーカ81に出力されることになり、既存の払出用ホッパ51のための接続コネクタ55をスピーカ81のための接続コネクタとして共用することで、接続コネクタが増えることを防止して、構成の複雑化を回避することができる。
図11は、計数用ホッパ71を示す斜視図であり、図12は、その縦断面図である。図11に示すように、計数用ホッパ71のメダル通路76の前面部にはメダルを受けるための開口部75が設けられており、この開口部75には、外部からメダルを投入するためのメダル計数用投入口39が取り付けられる。これにより、メダル計数用投入口39へ投入されたメダルは、開口部75及びメダル通路76を介して計数用ホッパ71へ導かれる。計数用ホッパ71において計数されたメダルは、図12に示すように、計数用ホッパ71の底面部に設けられた排出口74から筺体の排出口73(図3)を介して搬送コンベアに排出される。
因みに、計数用ホッパ71の開口部75及びメダル計数用投入口39の大きさは、遊技者の手が入り難い大きさとされている。メダル計数用投入口39には、前面パネル23に併設して、板状のメダルガイド部材29(図3)が固定されている。これにより、遊技者の手がメダル計数用投入口39から入り難くすることができる。
また、開口部75にはフォトセンサ77(図7)が設けられており、遊技者の手が入った場合にこれを検出するようになっている。これにより、遊技者の手が誤って挿入された場合、又は、不正により手が挿入された場合等に、フォトセンサ77によって検出し、計数用ホッパ71の動作を停止させることができる。なお、このフォトセンサ77の取り付け位置は、メダル計数用投入口39及び開口部75を介して投入されるメダルを誤検出しない位置に設けられている。例えば、開口部75の上部の状態のみを検出するように設けることにより、開口部75の下方を滑り込むメダルは検出せずに、開口部75の上部まで入り込む遊技者の手だけを検出することができる。因みに、計数用ホッパ71には、メダルの投入を検出するためのセンサ(図示せず)も設けられている。
図13は、搬送コンベア90とパチスロ機10及びサンド20との配置状態を示す概略図である。図13に示すように、本実施の形態のサンド20及びパチスロ機10は、搬送コンベア90を挟んで両側に設けられており、図3に示した排出口73の位置と、搬送ベルト90の位置とが離れている。この場合、サンド20の排出口73には、図14に示すような樹脂チューブ95を取り付けることにより、排出口73から排出されたメダルを、搬送コンベア90へ導くことができる。樹脂チューブ95は、蛇腹状に形成されていることが望ましく、これにより、排出口73と搬送コンベア90との位置関係に応じた排出経路の設定を容易に行うことができる。
なお、樹脂チューブ95の取付方法としては、まず、計数用ホッパ71を取り外し、樹脂チューブ95を排出口73の上方から挿入して筺体22の底面部(平面部)で固定する。その後、計数用ホッパ71を取り付ける。このように、樹脂チューブ95を排出口73に取り付けた後に、蛇腹部により排出方向を任意に調整することができ、排出経路の設定を容易に行うことができる。
因みに、図15は、サンド20及びパチスロ機10の近傍に搬送コンベア90が設けられている例を示す概略図である。この場合、サンド20の排出口73の下方近傍に搬送コンベア90が設けられることにより、排出口73から排出されたメダルを直接搬送コンベア90に排出することができる。すなわち、図12に示すように、計数用ホッパ71の排出口74には、排出されるメダルをガイドするガイド部74A、74Bが設けられており、このガイド部74A、74Bによって、メダルの排出方向を斜め方向にすることができる。これにより、計数用ホッパ71の排出口から排出されるメダル(すなわち筺体22の排出口73(図3)から排出されるメダル)の排出方向を、サンド20の下方近傍に配された搬送コンベア90の方向にすることができる。
図16は、サンド20の制御基板63及び当該制御基板63によって制御される構成部品を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)121は、ROM(read only memory)122に格納された制御部ログラムを読み出してメダルの計数及びその他の処理を実行するようになされている。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)123に格納される。
メインCPU121は、情報カードリーダを介して情報カードから読み取った金額データを残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。また、メインCPU121には、駆動回路132を介して計数用ホッパ71が接続されており、メインCPU121は、駆動回路132を制御することにより、計数用ホッパ71を駆動させることができる。
操作ユニット34には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU121は、情報カードリーダ62に挿入されている情報カードをカード挿入口32から返却する。
また、メインCPU121は、紙幣識別装置(ビルバリ)61から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。
また、メインCPU121は、LED部31の赤外LED31Bを監視用投光器として用い、赤外LED31Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ35において撮像する。メインCPU121は、カメラ35において撮像された画像をROM122に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口32から挿入された情報カードの金額データに残高がある場合、又は紙幣挿入口33から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU121は、スピーカ81を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
また、メインCPU121は、非接触ICカードリーダライタ36を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU121は、非接触ICカードリーダライタ36を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ51によって計数し、メダル払出用トレー37から払い出すと共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
また、メインCPU121は、インターフェイス125を介して、パチスロ機やホールコンピュータとの間で通信を行うようになっている。
図17は、メインCPU121による遊技媒体の貸出処理手順を示すフローチャートである。この処理は、メインCPU121によって常時実行されている。図17に示すように、メインCPU121は、ステップS11において、計数済のメダル数に基づく払出指示があったか否かを判断する。この処理は、後述するステップS20において計数されRAM123に記憶されたメダル数の払出しを行う指示が操作ユニット34を介して入力されたか否かを判断する処理である。
因みに、図18は、ステップS11において操作ユニット34のタッチパネルLCDに表示される選択用の表示内容を示す平面図である。図18に示すように、操作ユニット34のタッチパネルLCDには、計数済のメダル数に基づく払出指示を選択するためのアイコンA11と、現金(価値媒体)に基づく払出指示を選択するためのアイコンA12が表示される。遊技者はこれらのアイコンのいずれかを押圧操作することにより、いずれかを指定することができる。
計数済のメダル数に基づく払出指示があった場合、メインCPU121は、ステップS11からステップS12に処理を移して、払出用ホッパ51を動作させることにより、計数済のメダル数と同数のメダルをメダル払出用トレー37に払い出す。なお、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、払出数を指定した場合、RAM123に記憶されているメダル数の範囲で指定された数のメダルを払い出すようにしてもよい。
これに対して、ステップS11において計数済のメダル数に基づく払出指定がなかった場合、メインCPU121は、ステップS11からステップS13に処理を移して、価値媒体の投入があったか否かを判断する。価値媒体とは、カード挿入口32に挿入される情報カード、紙幣挿入口33に挿入される紙幣、又は非接触ICカードリーダライタ36にかざされる非接触ICカードを意味する。情報カードがカード挿入口32に挿入されると、情報カードリーダ62によって情報カードから金額データが読み出される。紙幣が紙幣挿入口33に挿入されると、紙幣識別装置(ビルバリ)61によって紙幣の金額が識別される。また、非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードがかざされると、非接触ICカードリーダライタ36によって非接触ICカードの金額データが読み取られる。これらの読み取られた金額データは、RAM123に記憶される。
価値媒体が挿入された場合、メインCPU121は、ステップS13において肯定結果を得ることにより、ステップS13からステップS14へ処理を移して、払出しに係る金額の指定があったか否かを判断する。ここで否定結果が得られると、このことは、遊技者が操作ユニット34を介して払出メダルの金額を指定していないこと(すなわち、金額データ全額分の払出しを指定したこと)を意味している。ここで、情報カード又は紙幣が挿入されている場合には、情報カード又は紙幣を挿入した後に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額を指定することができ、また、非接触ICカードをかざして金額データを読み取らせる場合には、非接触ICカードをかざす前に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額データを指定することができる。情報カード又は紙幣が挿入された場合にあっては、メインCPU121は、読み取った金額データを一旦RAM123に格納した後、遊技者によって指定された金額がRAM123に格納された金額の範囲内である場合には、RAM123の金額データを指定された金額データに書き換える。
一方、非接触ICカードがかざされる場合、先に金額が指定されることにより、メインCPU121は、指定された金額データをRAM123に設定し、その後非接触ICカードがかざされて当該非接触ICカードとの間で通信を行う際に、RAM123に設定されている金額が非接触ICカードに格納されているか否かを判断し、格納されている場合には、非接触ICカードに格納されている金額から、RAM123に設定された金額を減算することにより、非接触ICカードの金額を書き換える。これに対して、非接触ICカードに格納されている金額が、RAM123に設定された金額に満たない場合、メインCPU121は、非接触ICカードの金額データを書き換えず、操作ユニット34にエラー表示を行うことにより、払出処理を中止する。
このような処理がステップS14において実行されることにより、RAM123には、実際に価値媒体から引き出された金額分のデータが記憶されることになる。因みに、RAM123において、既に残高データがある場合(過去の計数結果や前回の価値媒体の挿入時の残高)、メインCPU121は、これらの残高データに、価値媒体から引き出された金額分のデータを加算することになる。
そして、メインCPU121は、金額指定が有った場合には、ステップS14からステップS15へ処理を映して、払出用ホッパ51を駆動させることにより、指定金額分のメダルを、メダル払出用トレー37に払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。そして、メインCPU121は、ステップS17へ処理を映す。
これに対して、金額指定がなかった場合、メインCPU121は、ステップS14からステップS16へ処理を映して、挿入された全金額分のメダルを払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。そして、メインCPU121は、ステップS17へ処理を映す。
なお、遊技者が価値媒体を投入しなかった場合、メインCPU121は、上述のステップS13において否定結果を得ることにより、ステップS13からステップS17へ処理を映す。以上により、メダルの払出(貸出)処理は終了する。次に、メインCPU121は、ステップS17において、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)に設けられたセンサ(フォトセンサ)77の検出結果に基づいて、遊技者の手が計数用ホッパ71に差し込まれたか否かを判断する。ここで肯定結果が得られると、メインCPU121は、ステップS18へ処理を移して、計数用ホッパ71の動作を停止させることにより、後述するステップS20、ステップS21における計数処理を実行せずに、ステップS22へ処理を移す。これにより、遊技者の手が計数用ホッパ71へ挿入された場合には、計数用ホッパ71の計数処理を中止することができる。
一方、遊技者の手が計数用ホッパ71へ挿入されなかった場合、メインCPU121は、ステップS19からステップS20へ処理を移し、計数用ホッパ71に計数動作を実行させる。そして、メインCPU121は、ステップS21において、計数結果(計数されたメダル数)をRAM123に記憶する。
以上の処理手順により、メダルの計数処理は終了する。次に、メインCPU121は、ステップS22において、離席警告処理を実行する。図19は、離席警告処理手順を示すフローチャートである。メインCPU121は、ステップS41において、カメラ35による撮像結果を分析し、続くステップS42において、遊技者が離籍したか否かを判断する。遊技者が離席した場合、メインCPU121は、ステップS42からステップS43へ処理を移して、情報カード又は現金(金額データ)が残っているか否かを判断する。情報カード又は現金(金額データ)が残っている状態とは、RAM123に記憶されている金額データに残高が残っている状態を意味する。
金額データが残っている場合、メインCPU121は、ステップS43からステップS44へ処理を移して、駆動回路133によりスピーカ81から警告音や警告音声を発生させ、当該離席警告処理を終了する。これにより、残高が残っているにも関わらず遊技者が離席した場合には、遊技者に注意を促すことができる。
また、メインCPU121は、ステップS42において遊技者が離席していないと判断した場合又はステップS43において残高が残っていないと判断した場合、当該離席警告処理を終了し、図17の処理ルーチン(ステップS23)へ処理を移す。
ステップS23において、メインCPU121は、RAM123に記憶されている残高を、このとき挿入されている情報カード又は非接触ICカードに書き込む指示があったか否かを判断する。この処理は、操作ユニット34に書込みを指示するためのアイコンを表示し、このアイコンが押圧操作されたか否かによって判断する処理である。
書込み指示があった場合、メインCPU121は、ステップS23からステップS24へ処理を移して、カード挿入口32に情報カードが挿入されている場合には、当該情報カードにRAM123の残高データを書き込んで情報カードの残高データに加算することにより、情報カードの残高データを更新させる。また、情報カードが挿入されていない場合、メインCPU121は、操作ユニット34に情報カードを挿入するか又は非接触ICカードをかざすことを促す表示を行う。遊技者がカード挿入口32に情報カードを挿入したか、又は非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードをかざした場合、メインCPU121は、これらのカードに残高データを書き込む。メインCPU121は、ステップS24の処理の後、又はステップS23において書込み指示がなかったと判断した場合、上述のステップS11に戻って、同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、メインCPU121は、貸出処理(図17)及び離席警告処理(図19)を実行することにより、サンド20においてメダルの貸出(払出)やメダルの計数を行うことができる。
メダルの貸出処理においては、サンド20において計数された結果を用いたメダルの貸出を行うことにより、遊技者は、パチスロ機10から払い出されたメダルを、パチスロ機10から離れたホールの計数装置へメダルを運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、情報カードや非接触ICカードに計数結果を書き込むことができる。また、計数された結果に基づいてメダルの払出を受けることにより、パチスロ機10から離れたホールの計数装置へメダルを運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、払い出されたメダル数に応じた再遊技を行うことができる。
また、残高があるにも関わらず、遊技者が離席しようとした場合には、サンド20に設けられたスピーカ81から出力される警告音により遊技者に注意を促すことができる。
また、遊技者は、残高データを情報カードや非接触ICカードに書き込むこと又は再遊技のためのメダル払出しに利用することができることにより、メダル収納箱をホールの計数装置へ運ぶといった遊技者やホールスタッフの手間を軽減することができる。
また、遊技者は、投入された価値媒体に基づくメダルの払出し、又は計数結果に基づくメダルの払出しを選択することができることにより、例えば、計数したメダルのデータはそのまま残して、これに価値媒体から引き出した金額データを加算して使用するといった柔軟な利用方法を選択することが可能となる。
また、以上説明したサンド20においては、払出用ホッパ51のメダル払出用トレー37とその下に設けられた計数用ホッパ71のメダル計数用投入口39との間にスピーカ81を設ける構成としたことにより、例えばメダル箱をメダル計数用投入口39の上方へ運んでメダルをメダル計数用投入口39に投入する際のスペースを確保するためのメダル計数用投入口39上の空間を利用してスピーカ81を取り付けることができる。すなわち、スピーカ81を取り付けるための専用のスペースを確保する必要がなくなり、サンド20の前面部の面積を大きくする必要がなくなる。
また、スピーカ81は、取り外し可能な前面パネル23ではなく、払出用ホッパ51に取り付けられていることにより、前面パネル23を取り外す際に、スピーカ81が前面パネル23と共に外されることがなくなる。これにより、スピーカの接続配線84が前面パネル23の取り外しの妨げになることを防止することができ、メンテナンス作業を容易に行うことができるようになる。
また、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ62、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)を筺体内部の左右に寄せて配置すると共に、電源ユニット65も筺体内部の左右方向の寸法よりも小さなものを用い、これを上部に配置された識別手段と同じ側に寄せて配置するようにしたことにより、上下に配置された識別手段及び電源ユニット65の横の空間を上下に大きくとることができ、この空間に大型の制御基板63を配置することができる。本実施の形態の場合、サンド20の筺体22の内部において、制御基板63を、パチスロ機10側に配置する構成としたことにより、制御基板63とパチスロ機10とを接続する信号線の長さを短くすることができる。
なお、上述の実施の形態においては、パチスロ機10のメダル払出トレー12に払い出されたメダルを遊技者が掬い取って、サンド20のメダル計数用投入口39へ投入する場合について述べたが、これに限られるものではなく、図20に示すように、メダル払出トレー12からメダル計数用投入口39へメダルを導くガイド部材39Aを設け、このガイド部材39Aを介してメダルを移動させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、手でメダルを掬って移動させる場合に比べて、容易にメダルを計数用ホッパ71で計数することができる。この場合、メダル計数用投入口39の高さをメダル払出トレー12の高さよりも低くすることにより、メダルをその自重により円滑に移動させることができる。
なお、図20に示すように、ガイド部材39Aの導入側にシャッタ39Bが設けられており、必要な場合においてのみメダルを計数用ホッパ71へ投入することができる。また、ガイド部材39Aは、メダル払出トレー12に設けることに代えて、パチスロ機10のメダル払出口12Aに直接設けるようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の遊技媒体貸出装置の第2の実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図21は、本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド)20を併設したパチスロ機10を示す正面図であり、図22は、パチスロ機10及びサンド20の内部構造を示す斜視図である。
本実施の形態のサンド20においては、計数用ホッパ71の下方に払出用ホッパ51が設けられており、計数用ホッパ71において計数されたメダルが、パチスロ機10のメダル払出装置(ホッパ)350へ搬送可能に構成されている。すなわち、サンド20の計数用ホッパ71において計数されたメダルを、パチスロ機10において払出用のメダルとして利用するようになっている。
図23は、パチスロ機10及びサンド20の内部構造を示す正面図である。図23に示すように、パチスロ機10の筺体内部の底部には、ホッパ350が設けられており、このホッパ350の上方には、筺体の背面部にメダル搬入口355が設けられている。サンド20の計数用ホッパ71によって計数されたメダルは、このメダル搬入口355へ送出されるようになっている。
図24は、パチスロ機10及びサンド20の裏面側の構成を示す背面図である。図24に示すように、パチスロ機10の背面部に設けられたメダル搬入口355と、サンド20の背面図に設けられた送出口78との間には、送出用ガイド356が設けられている。送出口78は、計数用ホッパ71によって計数されたメダルが送出される開口部であり、この開口部の位置は、パチスロ機10側のメダル搬入口355よりも高い位置に設けられている。従って、送出口78から送出されたメダルは、その自重により、送出用ガイド356に導かれてメダル搬入口355へ搬入される。なお、メダル搬入口355には、送出用ガイド356の他に、ホールからメダルを補給するための補給路(図示せず)も併設されている。これにより、パチスロ機10には、通常のホールからの補給路に加えて、サンド20からの送出用ガイド356による供給路も設けられている。
図25は、サンド20の内部構造を示す縦断面図である。図25に示すように、メダル計数用投入口39(図21)を介して計数用ホッパ71に投入されたメダルは、計数用ホッパ71によって計数された後、計数用ホッパ71によって送出口78まで持ち上げられ、送出口78から送出用ガイド356へ送出される。
このように、サンド20は、計数済のメダルを送出用ガイド356を介してパチスロ機10へ送出することにより、パチスロ機10は、このサンド20から送出されたメダルを払出用のメダルとして利用することができる。これにより、パチスロ機10において払い出されたメダルは、遊技者によってサンド20のメダル計数用投入口39(図21)へ投入されて計数された後、送出用ガイド356を介して再びパチスロ機10へ戻る。このようにメダルを循環させることにより、例えばパチスロ機10においてメダルの払出し過多状態となった場合であっても、サンド20からメダルが循環される分、緊急的なメダルの補給といった手間を回避することができる。
図26は、パチスロ機10の構成を示すブロック図である。パチスロ機10は、主制御回路250、副制御回路280及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。主制御回路250は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ260を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ260は、メインCPU261、メインROM262及びメインRAM263により構成される。
メインROM262には、メインCPU261により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路280に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM263には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU261には、クロックパルス発生回路252、分周器253、乱数発生器254及びサンプリング回路255が接続されている。クロックパルス発生回路252及び分周器253は、クロックパルスを発生する。メインCPU261は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器254は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路255は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ260の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU261は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ271L、271C、271R等の周辺装置の動作を制御する。停止操作検出手段であるストップスイッチ312Sは、3つのストップボタン312L、312C、312Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、開始操作検出手段であるスタートスイッチ310Sは、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ240Sは、メダル投入口11に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ332Sは、ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ334Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。また、扉センサ335Sは、筺体の扉が開かれたことを検出する。
マイクロコンピュータ260により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ271L、271C、271R、7セグ表示器314及びホッパ350がある。また、マイクロコンピュータ260の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路272は、各リール320L、320C、320Rに対応して設けられたステッピングモータ271L、271C、271Rの駆動を制御する。リール位置検出回路270は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスを各リール320L、320C、320Rに応じて検出する。
ステッピングモータ271L、271C、271Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ271L、271C、271Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール320L、320C、320Rに伝達される。ステッピングモータ271L、271C、271Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール320L、320C、320Rは一定の角度で回転する。
メインCPU261は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ271L、271C、271Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール320L、320C、320Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール320L、320C、320Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路315は、7セグ表示器314の動作を制御する。また、ホッパ駆動回路352は、ホッパ350の動作を制御する。また、払出完了信号回路353は、ホッパ350に設けられたメダル検出部351が行うメダルの検出を管理し、ホッパ350から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
副制御回路280は、主制御回路250と電気的に接続されており、主制御回路250から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路280は、基本的に、サブCPU、サブROM、サブRAM、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM等を含んで構成されている。
サブCPUは、主制御回路250から送信されたコマンドに応じて、サブROMに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAMは、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路250から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROMは、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
また、サブROMには、発光演出装置(図示せず)における光による演出を行うための演出データが格納されている。サブCPUは、主制御回路250からのコマンドに基づいて、この演出データを出力することにより、ランプ412を発光させる。また、サブROMには、効果音や画像による演出を行うための演出データが格納されており、サブCPUは、主制御回路250からのコマンドに基づいて、この演出データを出力することにより、スピーカ414から効果音を出力させると共に、液晶表示装置410に演出画像を表示させる。
ここで、主制御回路250には、インターフェイス210が接続されており、メインCPU261は、インターフェイス210を介して、サンド20やホールコンピュータと通信を行う。メインCPU261は、サンド20からの要求に応じて、メダルの払出情報をサンド20へ送信する。メダルの払出情報とは、例えば、メダルの払出し数やボーナス発生回数等である。メインCPU261は、前回サンド20から要求があった後のこれらの情報をメインRAM263に蓄積し、サンド20からの要求によってこの払出情報をサンド20へ送信する。メインCPU261は、サンド20へ送信した後、それまでの蓄積情報をリセットする。
この払出情報の蓄積処理を図27に示す。メインCPU261は、図27に示す蓄積処理を繰り返す実行する。メインCPU261は、ステップS101において、メダルの払出しが行われたか否かを判断する。メダルが払い出された場合、メインCPU261は、ステップS101からステップS102へ処理を移して、メインRAM263の払出情報に新たに払い出されたメダル数を加算することにより、払出情報を更新し、続くステップS103へ処理を移す。
メダルが払い出されていない場合、メインCPU261は、ステップS101からステップS103へ処理を移す。ステップS103において、メインCPU261は、サンド20から払出情報の要求があったか否かを判断する。要求があった場合、メインCPU261は、ステップS103からステップS104へ処理を移して、メインRAM263に蓄積されている払出情報をサンド20へ送信した後、ステップS105において、メインRAM263に蓄積されている払出情報をリセットする。そしてメインCPU261は、上述のステップS101へ戻る。また、ステップS103において払出情報の要求を受けていないと判断した場合、メインCPU261は上述のステップS101へ戻る。
このようにして、パチスロ機10では、メダルの払出しが行われるごとに、その情報がメインRAM263に蓄積され、サンド20からの要求に応じて、これをサンド20へ送信する。これにより、サンド20では、前回払出情報を要求した後に蓄積された払出情報をパチスロ機10から取得することができる。
パチスロ機10から払出情報を受け取ったサンド20では、この払出情報に基づいて、異常状態を検出する。例えば、サンド20におけるメダルの貸出数とパチスロ機10におけるメダルの払出数の合計よりも、サンド20の計数用ホッパ71において計数された数のほうが格段に多い場合、遊技者が他のパチスロ機10や他の店で払い出されたメダルを使用している可能性があり、サンド20では、この状態を異常状態として検出する。なお、異常状態として検出される状態は、これに限られるものではなく、例えば、単にパチスロ機10における払出数を計数値が上回った状態、又はパチスロ機10において発生したボーナス回数によって払い出された最大のメダル数を計数値が上回った状態等、種々の状態を適用することができる。
図28は、サンド20のメインCPU121によって実行される異常検出処理を示すフローチャートである。メインCPU121は、第1の実施の形態について説明した貸出処理(図17)及び離席警告処理(図19)に加えて、この異常検出処理を実行するようになされている。図28に示すように、サンド20のメインCPU121は、ステップS111において、計数用ホッパ71による計数が行われたか否かを判断する。計数が行われていない場合、計数が行われるまでこの処理を繰り返す。
計数が行われた場合、メインCPU121は、ステップS111からステップS112へ処理を移して、計数結果をRAM123(図16)に記憶する。そして、メインCPU121は、ステップS113において、パチスロ機10から払出情報を取得する。
そして、メインCPU121は、ステップS114において、上述のステップS112においてRAM123に記憶された計数結果と、上述のステップS113においてパチスロ機10から取得した払出情報とを比較し、続くステップS115において異常状態であるか否かを判断する。
メインCPU121は、異常状態であると判断した場合、ステップS115からステップS116へ処理を移して、例えばサンド20の上部に設けられた発光部(図示せず)を発光させることにより、異常状態を報知する。報知方法としては、発光部を発光させることに限られず、スピーカから報知音を発生させる等、種々の方法を用いることができる。
異常状態を報知した後、メインCPU121は、ステップS117において、ホールコンピュータへ異常状態の発生を通知し、ステップS118において、カメラ35によって遊技者を撮像してその画像をRAM123に記憶し、ステップS119において、計数結果の出力を停止する。計数結果の出力とは、カード挿入口32に挿入されている情報カードに計数結果を書き込む処理、非接触ICカードに計数結果を書き込む処理、計数結果に基づいてメダルを払い出す処理等である。これらの処理が停止されることにより、異常状態において計数された結果を遊技者に還元することを停止することができる。
メインCPU121は、ステップS119の処理の後、又は、ステップS115において異常状態が発生していないと判断した場合、上述のステップS111に処理を戻す。
このようにして、サンド20においては、パチスロ機10における払出情報に基づいて、当該サンド20において計数された結果が異常であるか否かを判断することにより、遊技者によるメダルの不正利用を防止することができる。
なお、図28においては、サンド20がパチスロ機10からメダルの払出情報を取得する場合について述べたが、これに代えて、ホールコンピュータから取得するようにしてもよい。図29は、ホールにおけるパチスロ機10、サンド20及びホールコンピュータ500の接続状態を示す概略図である。図29に示すように、パチスロ機10及びサンド20は、それぞれホールコンピュータ500と通信可能に接続されており、パチスロ機10は、メダルの払出情報をホールコンピュータ500に送信し、サンド20は、ホールコンピュータ500から払出情報を取得する。
図30は、サンド20がホールコンピュータ500から払出情報を取得する場合の手順を示すタイミングチャートである。図30に示すように、パチスロ機10は、メダルの払出しが行われると、ホールコンピュータ500に払出情報を送信する。この払出情報は、メダルの払出し数に限られず、例えば、ボーナス遊技の発生状態(遊技情報)であってもよい。
パチスロ機10から払出情報又は遊技情報を受け取ると、ホールコンピュータ500は、この情報を内部のRAMに蓄積する(ステップS151)。一方、サンド20において計数用ホッパ71による計数が行われると(ステップS152)、サンド20は、ホールコンピュータ500に払出情報(遊技情報)を要求する(ステップS153)。
ホールコンピュータ500は、サンド20からの要求に応じて、払出情報(遊技情報)をサンド20へ送信し(ステップS154)、蓄積している払出情報(遊技情報)をリセットする。
そして、サンド20は、上述のステップS152において計数した計数結果と、上述のステップS154においてホールコンピュータ500から取得した払出情報とを比較し(ステップS156)、異常状態であるか否かを判断する(ステップS157)。
サンド20は、異常状態であると判断した場合、例えばサンド20の上部に設けられた発光部(図示せず)を発光させることにより、異常状態を報知する(ステップS158)。報知方法としては、発光部を発光させることに限られず、スピーカから報知音を発生させる等、種々の方法を用いることができる。
異常状態を報知した後、サンド20は、ホールコンピュータへ異常状態の発生を通知し(ステップS159)、カメラ35によって遊技者を撮像してその画像をRAM123に記憶し(ステップS160)、計数結果の出力を停止する(ステップS161)。計数結果の出力とは、カード挿入口32に挿入されている情報カードに計数結果を書き込む処理、非接触ICカードに計数結果を書き込む処理、計数結果に基づいてメダルを払い出す処理等である。これらの処理が停止されることにより、異常状態において計数された結果を遊技者に還元することを停止することができる。
一方、異常状態ではないと判断した場合、サンド20は、ステップS158〜ステップS161の処理を行わない。
ホールコンピュータ500は、サンド20に払出情報(遊技情報)を送信した後、サンド20から異常状態である旨の通知を待ちうける(ステップS162)。ホールコンピュータ500は、異常状態である旨の通知を受けると、例えば監視用のモニタにサンド20が異常状態であることを報知する(ステップS163)。これにより、ホールスタッフは、サンド20においてメダルの不正利用が行われている可能性のあることを認識することができる。
このように、ホールコンピュータ500においてパチスロ機10の払出情報や遊技情報を管理しながら、サンド20において計数処理が実行された場合にこれらの情報を当該サンド20に送信することにより、サンド20において異常状態が発生したか否かを判断することができる。
次に、サンド20において行われる、他の不正防止処理について説明する。パチスロ機10には、その扉の開閉を検知する扉センサ335S(図26)が設けられており、この扉センサ335Sから扉の開放を示す信号が出力されると、パチスロ機10のメインCPU261は、その結果(扉開放情報)をインターフェイス210を介してサンド20へ送信する。
サンド20のメインCPU121は、パチスロ機10から扉開放情報を受けると、カメラ35によって遊技者を撮像し、その画像をRAM123に記憶する。カメラ35によって遊技者を撮像する場合、メインCPU121は、LED部31の赤外LED31B(図23)を発光させて遊技者を照らすことにより、可視光を照射せずに遊技者を撮像することができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、パチスロ機10とサンド20とを通信可能に接続し、パチスロ機10からサンド20に対して払出情報を送信することにより、メダルの不正使用を防止することができる。
(他の実施の形態)
(1) なお上述の実施の形態においては、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、払出用ホッパ51、計数用ホッパ71等をサンド20の筺体22にそれぞれ固定する場合について述べたが、これに限られず、例えば、図31に示すように、筺体22に対して着脱可能なユニット構成としてもよい。
図31は、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、払出用ホッパ51、計数用ホッパ71等を着脱可能なユニット構成とした場合のサンド20を示すブロック図である。図31に示すように、サンド20は、縦長の箱状に形成されており、遊技機間に設置固定される断面コの字型の筺体22に対して着脱可能なユニット部630と、ユニット構成の払出用ホッパ51と、ユニット構成の計数用ホッパ71と、電源ユニット65とを備えている。
このサンド20においては、ユニット部630の着脱装置634と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)625とを介して、ユニット部630を、筺体22に対して着脱可能となっている。
また、払出用ホッパ51の着脱装置651と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)653とを介して、払出用ホッパ51は、筺体22に対して着脱可能となっている。また、計数用ホッパ71の着脱装置671と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)673とを介して、払出用ホッパ51は、筺体22に対して着脱可能となっている。
ユニット部630は、略長方体形状に構成された縦長状の本体(ケーシング)633内に、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36を収容しており、メンテナンスの頻度が高いこれらの構成装置を、1つのユニット部630内に設置して筺体22に対して取り外しできるように構成されている。
上記した各ユニットは、ユニット部630の内部に設置された制御基板63によってその動作が制御される。この制御基板63は、ユニット部630の後面に装着されるコネクタ631が筺体22内面に装着された接続コネクタ622に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、ユニット部630に設けられるコネクタ631と、筺体22に設けられる接続コネクタ622は、ユニット部630を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
また、払出用ホッパ51は、その後面に装着されるコネクタ652が筺体22内面に装着されたコネクタ654に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、払出用ホッパ51に設けられるコネクタ652と、筺体22に設けられるコネクタ654は、払出用ホッパ51を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
また、計数用ホッパ71は、その後面に装着されるコネクタ672が筺体22内面に装着されたコネクタ674に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、計数用ホッパ71に設けられるコネクタ672と、筺体22に設けられるコネクタ674は、計数用ホッパ71を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
電源供給部D内には、ユニット部630の内部に収容されるビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、操作ユニット34及び着脱装置634の駆動モータ等、払出用ホッパ51の駆動モータ等、及び計数用ホッパ71の駆動用モータ等にそれぞれ電力を供給すべく、外部電源645から供給される電圧等を制御する電源ユニット65と、通信制御ユニット623とが設置されている。この通信制御ユニット623は、通信方式の変換制御(シリアル/パラレル変換制御)や送受信先の振り分け制御を行う機能を有しており、通信コネクタ627、628を介して、それぞれホールコンピュータ500及び隣接するパチスロ機10との間で各種データの送受信を実行する。
このように、ユニット部630、払出用ホッパ51及び計数用ホッパ71を筺体22に対して前面側からスライドさせて着脱可能としたことにより、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
(2) また、上述の実施の形態においては、本発明をパチスロ機10に併設されるサンド20に適用する場合について述べたが、これに限られるものではなく、パチンコ機に併設されるサンドにも適用することができる。
(3) また、上述の実施の形態においては、メダル計数用投入口39として、図2及び図11に示したように、メダルを投入するための単なる開口を有するトレー状の投入部を筐体22の前面部21に設ける場合について述べたが、これに限られるものではなく、遊技者の手が入り込むことを防止する仕切り部材を設けた構成としてもよい。
図32は、他の実施の形態に係るメダル計数用投入口739を示す斜視図であり、図33は、その背面側を示す斜視図である。図32及び図33に示すように、メダル計数用投入口739は、開口上面739Aと、開口上面739Aに続いて形成され、当該開口上面739Aを介して投入されたメダルをその自重により下方へ滑り落とすための傾斜面739Bと、傾斜面739Bの後端部に形成される後端開口部739Cとを有する。
メダル計数用投入口739は、サンド20(図2)の筐体22の前面パネル23に取り付けられ、開口上面739Aが筐体22の外部に配置されると共に、後端開口部739Cが筐体22の内部に配置されるように、前面パネル23に取り付けられている。後端開口部739Cの下方には、計数用ホッパ71(図3)が設けられており、後端開口部739Cと計数用ホッパ71との間には、メダルを計数用ホッパ71へ導入するための導入通路72が設けられている。
これにより、メダル計数用投入口739の開口上面を介して投入されたメダルは、メダル計数用投入口739の傾斜面739Bをその自重によって滑り落ち、さらに、傾斜面739Bの後端部の後端開口部739Cから導入通路72を介して計数用ホッパ71に導入される。
計数用ホッパ71は、例えば、所定の回転機構部によって回転するメダル受け部を有し、このメダル受け部に設けられたメダルの没入部にメダルを没入させ、メダル受け部の回転によって没入部を所定の計数部へ移動させることにより、メダルを計数し、計数済のメダルを排出するように構成されている。このように、計数用ホッパ71は、メダルを計数するために動作する機構部を有しており、この機構部に遊技者の手が入ることを防止する挿入防止手段を設けることにより、安全性を確保するようになっている。この挿入防止手段は、メダル計数用投入口739に設けられている。
図32に示すように、メダル計数用投入口739には、開口上面739Aの開口部の前方内壁面739D及び傾斜面739Bからなる前壁裏面739Eと、開口上面739Aの開口部の後方内壁面を構成するメダルガイド部材29(又は前面パネル23)からなる後壁前面739Gとの間に、挿入防止手段として仕切り部材740が架け渡されている。
本実施の形態の場合、仕切り部材740は、金属の丸棒でなり、メダル計数用投入口739のメダルが通る投入路を分断するようになっている。投入路は、仕切り部材740に分断されることにより、分断された投入路の各々の開口面積が小さくなり、遊技者の手が挿入され難くなる。これにより、遊技者の手が、メダル計数用投入口739を介して計数用ホッパ71に差し込まれることを防止することができる。
仕切り部材740は、金属材料で構成されていることにより、樹脂等の剛性が比較的低い材料で構成する場合に比べて、その径を小さくしても、実用上十分な強度を得ることができる。これにより、仕切り部材740を設けたことによる投入路の全面積が小さくなることを抑えながら、遊技者の手が挿入されることを有効に防止することができる。
図34、図35及び図36に示すように、メダル計数用投入口739の後壁前面739Gを構成するメダルガイド部材29の前面には、仕切り部材740の一方の端部を受けてこれを支持するための支持部741が設けられている。また、メダル計数用投入口739の前壁裏面739Eを構成する傾斜面739Bには、仕切り部材740の他方の端部を受けてこれを支持するための支持部742が設けられている。
支持部741は、メダルガイド部材29の前面側に設けられた凸部に、仕切り部材740を挿入し得る径の凹部741Aが形成されたものであり、仕切り部材740の端部を凹部741Aに受けてこれを支持するようになっている。
また、支持部742は、前壁裏面739Eを構成する傾斜面739Bに凹部742Aが設けられ、この凹部742Aに仕切り部材740の他方の端部を受けてこれを支持するようになっている。因みに、傾斜面739Bの厚みは、凹部742Aを形成し得る程度の厚みを有していないことにより、図35に示すように、傾斜面739Bの裏面側に肉厚部742Bを設けることにより、傾斜面739Bの表面側(メダルが滑り落ちる側の面)から凹部742Aを形成し得るようになっている。
図37に示すように、メダルガイド部材29は、メダル計数用投入口739に対して着脱可能となっており、メダルガイド部材29の貫通孔29Aを、メダル計数用投入口739の貫通孔739Iに合わせると共に、メダルガイド部材29の貫通孔29Bを、メダル計数用投入口739の貫通孔739Jに合わせ、貫通孔29A及び739Iを介してメダル計数用投入口739及びメダルガイド部材29を前面パネル23(図32)にねじ止めすると共に、貫通孔29B及び739Jを介してメダル計数用投入口739及びメダルガイド部材29を前面パネル23(図32)にねじ止めする。この際に、仕切り部材740の一方の端部及び他方の端部を支持部741の凹部741A及び支持部742の凹部742Aに挿入することにより、当該仕切り部材740をメダル計数用投入口739に取り付けることができる。
また、本実施の形態の場合、図37に示すように、支持部742において、傾斜面739B側に突出した突部742Bを有しており、この突部742Bによって、仕切り部材740が凹部742Aから容易に抜け落ちないようになっている。
次に、メダル計数用投入口739の筐体22(前面パネル23)への固定構造について説明する。メダル計数用投入口739には、前面パネル23(筐体22)に当接する部位に貫通孔739Hが設けられており、筐体22(前面パネル23)側にも、貫通孔739Hに対応する位置に貫通孔が設けられている。これらの貫通孔を介して、メダル計数用投入口739が前面パネル23(筐体22)にねじ止めされるようになっている。また、上述したメダル計数用投入口739の貫通孔739I、739Jと、メダルガイド部材29の貫通孔29A、29Bを介してメダル計数用投入口739が前面パネル23(筐体22)に固定される。さらに、メダルガイド部材29の上部に設けられた貫通孔29Cを介して、メダル計数用投入口739に締結されたメダルガイド部材29が前面パネル(筐体22)に固定される。
なお、メダル計数用投入口739の固定方法はこれに限られるものではなく、例えば、計数用ホッパ71と一体化し、計数用ホッパ71を筐体22に固定することにより、計数用ホッパ71とともにメダル計数用投入口739が筐体22に固定されるようにしてもよい。すなわち、図38は、ホッパ71に一体化されたメダル計数用投入口739を示す略線図である。図38に示すように、メダル計数用投入口739の後端開口部739Cは、計数用ホッパ71の導入通路72に一体化されており、メダル計数用投入口739に投入されたメダルは、後端開口部739Cから導入通路72を介して計数用ホッパ71へ導入されるようになっている。
このような、メダル計数用投入口739を一体化してなる計数用ホッパ71は、例えばねじ等の固定手段により、筐体22に固定され、これに伴ってメダル計数用投入口739も筐体22に固定されることになる。
計数用ホッパ71の具体的な取り付け方法としては、例えば、前面パネル23を筐体22から取り外した状態で、メダル計数用投入口739が一体化された計数用ホッパ71を筐体22の内部にねじ止めする。その後、計数用ホッパ71に一体化されたメダル計数用投入口739が前面パネル23の開口部23Aに挿通されるように前面パネル23を筐体22に取り付ける。これにより、前面パネル23の開口部23Aからメダル計数用投入口739を前方に突出させた状態で前面パネル23を取り付けることができる。
かかる構成のメダル計数用投入口739を用いたサンド20においては、遊技者がメダルをメダル計数用投入口739の開口上面739Aから投入すると、このメダルは、開口上面739Aを介して傾斜面739Bに落下し、当該メダルの自重により傾斜面739Bを滑り落ちる。そして、後端開口部739Cから計数用ホッパ71の導入通路72を介して計数用ホッパ71へ落下する。
メダル計数用投入口739のメダルが通過する投入路の一部には仕切り部材740が設けられているが、当該仕切り部材740が丸棒形状で構成されていること、及び仕切り部材740が鉛直方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、落下するメダルが仕切り部材740に当っても、仕切り部材740を避けながら流れ落ちることとなり、メダルは、仕切り部材740の取り付け位置において詰まることなく、計数用ホッパ71へ落下する。
なお、上述の実施の形態においては、仕切り部材740を傾斜して取り付ける場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば図39に示すように、後端開口部739Cよりも上方において、水平に取り付けるようにしてもよい。この場合においても、投入されるメダルがその自重により鉛直下方へ落下する途中に仕切り部材740が取り付けられることにより、メダルが仕切り部材740に当って詰まることを回避することができる。すなわち、後端開口部739Cの近傍に仕切り部材740が取り付けられているとすると、傾斜面739B上を滑り落ちることで落下速度が遅くなったメダルが仕切り部材740に当って詰まる虞があるが、メダルが鉛直下方へ落下する途中に仕切り部材740を設けることにより、メダルが詰まることを防止することができる。
次に、第2の計数部による計数処理について説明する。図40は、他の実施の形態に係る計数処理手順を示すフローチャートである。図40に示すように、サンド20のメインCPU121は、ステップS201において、計数開始操作がなされるのを待ち受ける。計数開始操作とは、サンド20の前面に設けられた操作ユニット34を操作することにより、計数用ホッパ71の計数動作の開始を指示する操作であり、遊技者がこの操作を行うと、メインCPU121は、ステップS202において肯定結果を得ることにより、ステップS202からステップS203へ処理を移して、計数用ホッパ71を動作させる。これに対して、計数動作の開始の操作がなされていない場合、メインCPU121は、上述のステップS201に処理を移して、計数操作を待ち受ける。これにより、計数用ホッパ71は、計数操作に基づいて、計数動作を開始することになる。この状態で、メダルがメダル計数用投入口739を介して投入されると、計数用ホッパ71は、投入されたメダルを順次カウントして行く。
メインCPU121は、続くステップS204において、排出センサからの検出結果を待ち受ける。排出センサとは、計数用ホッパ71において計数処理されたメダルが排出される排出経路上に設けられた光センサ等であり、この排出経路をメダルが通過すると、検出結果を出力するものである。すなわち、計数用ホッパ71において計数処理の対象であるメダルが投入されている状態においては、排出部に計数済のメダルが排出されることにより、排出センサからの検出結果が得られることになる。これに対して、計数用ホッパ71において計数対象であるメダルが投入されていない場合、計数済のメダルもないことから、排出センサからの検出結果は得られない状態となる。
メインCPU121は、この排出センサからの検出結果が得られる場合、計数用ホッパ71にメダルが投入されている状態であると判断し、これに対して、一定時間排出センサからの検出結果が得られない場合、計数用ホッパ71にメダルが投入されていない状態であると判断するようになっている。
ステップS205において否定結果が得られると、このことは、排出センサから検出結果を得られなかったことを意味しており、メインCPU121は、ステップS205からステップS206へ処理を移して、所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していない場合、メインCPU121は、ステップS206において否定結果を得ることにより、上述のステップS204へ処理を移して、排出センサからの検出結果を待ち受ける。
これに対して、ステップS206において肯定結果が得られると、このことは、予め設定されている所定時間が経過したことを意味しており、メインCPU121は、ステップS206からステップS207へ処理を移して、計数用ホッパ71の動作を停止させることにより、計数用ホッパ71による計数処理を停止する。
また、上述のステップS205において肯定結果が得られると、このことは、排出センサから検出結果が得られたことを意味しており、メインCPU121は、上述のステップS203へ処理を移して、計数用ホッパ71の動作を継続させる。これにより、計数用ホッパ71にメダルが投入されている状態においては、計数用ホッパ71の動作が継続されることになる。
このように、メインCPU121は、計数用ホッパ71にメダルが投入されている状態が続く限りにおいて、計数用ホッパ71の動作を継続させ、所定時間メダルの投入がなかった場合(所定時間排出センサから検出結果が出力されなかった場合)、計数用ホッパ71の動作を停止させることにより、遊技者の操作により計数用ホッパ71の動作を開始した後、計数対象であるメダルの計数が終わると、計数動作を自動的に停止させることができる。
なお、図40は、遊技者による操作ユニット34の操作により、計数用ホッパ71の計数動作を開始させる場合について示したが、これに限られるものではなく、計数用ホッパ71のメダルが導入される部分に光センサ等のメダルを検出するためのセンサを設け、このセンサがメダルを検出した場合に計数動作を開始するようにしてもよい。
この場合のメインCPU121の計数処理手順は、図17に示した遊技媒体の貸出処理のなかで実行されるものである。この処理手順を図41に示す。
図17との対応部分に同一符号を付して示す図41は、他の実施の形態に係るサンド20のメインCPU121による遊技媒体の貸出処理手順を示すフローチャートである。図41において図17との対応部分には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図41に示す貸出処理では、メダルがメダル計数用投入口739に投入されて計数用ホッパ71の後述するセンサ(例えばフォトセンサ751)によってメダルの投入が検出された場合に、計数用ホッパ71の計数動作を開始させるようになっている。
メインCPU121は、ステップS17において、遊技者の手が計数用ホッパ71に挿入されなかったものと判断された場合、メインCPU121は、ステップS17において否定結果を得ることにより、ステップS17からステップS19へ処理を移して、計数用ホッパ71にメダルが投入されたか否かを判断する。この処理において、メインCPU121は、計数用ホッパ71のメダルが導入される部分に設けられたセンサからの検出結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判断する。
このセンサは、図7との対応部分に同一符号を付して示す図42に示すように、例えば、計数用ホッパ71におけるメダルの投入口である開口部75に設けられたフォトセンサ751であり、このフォトセンサ751によってメダルが投入されたことを検出する。遊技者の手を検出するためのフォトセンサ77は、開口部75の上部に設けられ、開口部75の大きさに対して比較的大きな領域を占める遊技者の手を検出することができるようになっており、これに対して、メダルを検出するためのフォトセンサ751は、開口部75の下部に設けられ、メダル計数用投入口739に投入されて開口部75に滑り落ちたメダルを検出するようになっている。なお、これらのフォトセンサ77、751は、他のセンサを用いるようにしてもよく、例えば、メダルを検出するフォトセンサ751については、磁気センサ等、金属を検知可能なセンサを用いることにより、遊技者の手を誤検出することを防止するようにすることもできる。
図41のステップS19において、フォトセンサ751の検出結果に基づいて、メダルが投入されたことが検出されると、メインCPU121は、ステップS19において肯定結果を得ることにより、ステップS19からステップS251へ処理を移して、内部タイマによる計時動作を開始し、続くステップS20において計数用ホッパ71の計数動作を開始させメダルの計数処理を開始する。
メインCPU121は、ステップS21において計数結果を記憶した後、続くステップS252へ処理を移して、上述のステップS251において開始した計時動作の結果に基づいて、所定時間が経過したか否かを判断する。
所定時間が経過していない場合、メインCPU121はステップS252において否定結果を得ることにより、ステップS252から上述のステップS19へ処理を移して、メダルが投入されたか否かを再度判断する。これに対して、所定時間が経過した場合、メインCPU121は、ステップS252において肯定結果を得ることにより、ステップS252からステップS22の離席警告処理(図19)へ処理を移す。
一方、上述のステップS19において否定結果が得られると、このことは、フォトセンサ751によるメダルの検出結果が得られていないことを意味しており、メインCPU121は、ステップS19からステップS22へ処理を移す。
このように、図41に示す貸出処理においては、計数用ホッパ71の開口部75(図42)に設けられたフォトセンサ751によってメダルの投入状態を検出し、検出結果に基づいて計数用ホッパ71の計数動作を開始させることにより、遊技者が操作ユニット34(図2)等の操作部を操作することなく、メダル計数用投入口739からメダルを投入するだけで、容易に計数用ホッパ71の計数動作を開始させることができる。
(4) また上述の実施の形態においては、図3について上述したように、計数用ホッパ71によって計数されたメダルを、筐体20の底面部に設けられた排出口73から搬送コンベアに排出する場合について述べたが、これに限られるものではなく、排出口73に代えて、計数用ホッパ71において計数済のメダルを、所定の揚送手段を用いて、払出用ホッパ51へ揚送するようにしてもよい。
揚送手段としては、例えば、エアを利用してメダルを揚送するもの、ベルト等のリフト手段によってメダルを揚送するもの、又は、ばねによってメダルを打ち上げるもの等、種々の構成を適用することができる。
例えば、図43に示すように、計数用ホッパ71において計数され、排出口74から排出されるメダルを、揚送部760によって揚送路761を揚送し、計数用ホッパ71の上部に設けられた払出用ホッパ51の補給通路53へ落とし込むように構成する。
揚送手段を設けることにより、計数用ホッパ71において計数処理されたメダルをホールの回収手段によって回収することなく、払出用ホッパ51へ送ることにより、遊技者への払出しに供することができる。これにより、ホールによって回収する手間を省くことが可能となる。
(5) また上述の実施の形態においては、サンド20の紙幣識別装置61、電源ユニット65、制御基板63等が収納された筺体内部空間の前面側を、まとめて1つの前面パネル(前面部21)によって覆う場合について述べたが、これに限られるものではなく、前面部21を複数(例えば2つ)に分割して、制御基板63などの重要な構成部品が取り付けられる部位の前面部のみを個別のパネル構成としてもよい。
このような構成としたサンド20を図44に示す。図44に示すように、サンド20は、その前面部21として、紙幣識別装置61が取り付けられる筺体内部空間前面部を覆う前面パネル221と、制御基板63及び電源ユニット65が取り付けられる筺体内部空間の前面部を覆う前面パネル222と、払出用ホッパ51の補給通路53が設けられる筺体内部空間の前面部を覆う前面パネル223とから構成されている。
図45に示すように、前面パネル221、222及び223は、各々個別に着脱可能に構成されており、最も重要な構成部品である制御基板63が設けられる筺体内部空間の前面部を覆う前面パネル222は、その上下に配置された前面パネル221及び223を筺体22に取り付けることで、ロックされる構成となっている。
このロック機構について説明する。図46は、前面パネル221、222及び223の取付け状態を示す略線図である。図46に示すように、前面パネル221の上部には、鍵224が設けられており、この鍵224によって前面パネル221が筺体20にロックされる。前面パネル221は、鍵224を解除することにより、図46において一点鎖線で示すように、略平行に筺体22から取り外すことができる。これにより、筺体22の内部空間のうち、上部空間(後述する第1の内部空間AR101の上側に隣接する空間)AR102の前方を前面パネル221によって開閉することができる。また、前面パネル223の下部には、鍵225が設けられており、この鍵225によって前面パネル223が筺体20にロックされる。前面パネル223は、その下部が筺体22に対して回動可能に軸支されており、図46において一点鎖線で示すように、当該下部を回動軸として上部が開閉する。これにより、筺体22の内部空間のうち、下部空間(後述する第1の内部空間AR101の下側に隣接する空間)AR103の前方を前面パネル223によって開閉することができる。
前面パネル221の下部には、略L字状の屈曲部221Aが形成されており、また、前面パネル222の上部には、略U字状の屈曲部222Aが形成されている。屈曲部222Aによって形成される凹部に、屈曲部221Aが挿入されることにより、前面パネル222の上部は、前面パネル221の屈曲部221Aによって前方から押されて筺体22にロックされた状態となる。屈曲部221A及び222Aによって第1のロック部が構成される。
前面パネル223の上部には、略L字状の屈曲部223Aが形成されており、また、前面パネル222の下部には、略U字状の屈曲部222Bが形成されている。屈曲部222Bによって形成される凹部に、屈曲部223Aが挿入されることにより、前面パネル222の下部は、前面パネル223の屈曲部223Aによって前方から押されて筺体22にロックされた状態となる。屈曲部223A及び222Bによって第2のロック部が構成される。
前面パネル221が鍵224によって筺体22にロックされている状態においては、前面パネル222の上部も前面パネル221によってロックされ、また、前面パネル223が鍵225によって筺体22にロックされている状態においては、前面パネル222の下部も前面パネル223によってロックされる。このように、前面パネル221及び223が鍵224及び225によって筺体22にロックされている状態においては、前面パネル22は、その上部及び下部が筺体22にロックされる。すなわち、前面パネル221及び223のロックを解除してこれらを筺体22から取り外すことにより、前面パネル222を筺体22から取り外すことができる。
また、前面パネル222を取り付ける場合は、当該前面パネル222を筺体22位置合わせした後、前面パネル221及び223を筺体22に取り付ける。
かくして、前面パネル222自体には鍵等を設けることなく、前面パネル221及び223によりロックさせる構成とすることにより、簡単に前面パネル22が取り外されることを防止することができる。これにより、重要な構成部品(制御基板など)が不正に交換されることを防止することができる。
(6) 上述の実施の形態においては、計数用投入口39からメダルを投入することで、当該メダルを計数する構成について述べた。この計数用投入口39を照明によって照らすことにより、メダルを投入し易くすることもできる。
図47は、計数用投入口39を照らすための照明を備えたサンド20を示す斜視図である。図47に示すように、サンド20は、前面パネル23のメダルガイド部材29に、光を透過させる開口部29Eを有している。筺体22の内部には、スピーカ81の下方に照光用LED基板311が設けられている。照光用LED基板311は、その基板面に設けられたLEDからの光を、照光用レンズ313及び開口部29Eを介して、サンド20の前方に照射する。開口部29Eは、計数用投入口39の上部に設けられていることにより、照光用LED基板311からの光によって、計数用投入口39が照らされることになる。これにより、暗い店内においても、計数用投入口39を照らして、メダルの投入位置を目視し易くすることができる。
照光用LED基板311の配線は、スピーカ81の配線とまとめられ、同じコネクタ55(図10)を介して制御基板63に接続されている。このように、照光用LED基板311の配線を、スピーカ81の配線とまとめて引き回すことにより、配線の設置を容易に行うことができる。図16との対応部分に同一符号を付して示す図48は、制御基板63に照光用LED基板311を接続した構成を示すブロック図である。
図48に示すように、メインCPU121は、照光用LED基板311を駆動制御することにより、当該照光用LED基板311に設けられたLED(図示せず)を発光させることができる。本実施の形態の場合、制御基板63は、照光用LED基板311のLEDを常に点灯するように制御しているが、これに限られるものではなく、例えば、操作ユニット34の操作結果に基づいて、照光用LED基板311を発光させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が必要な場合のみ、操作ユニット34を操作することにより、計数用投入口39を照らすことができる。また、例えば、計数用投入口39にセンサを設け、メダルが計数用投入口39に近づいた際に、照光用LED基板311を発光制御して、計数用投入口39を照らすようにしてもよい。
(7) 上述の実施の形態においては、平板状の基板で構成された制御基板63(図5)を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、図49に示すようにL字状に屈曲した基板によって制御基板63を構成するようにしてもよい。
図49に示すように、この制御基板63は、略90°の角度で結合された第1の基板領域63Aと、第2の基板領域63Bとを有する。第1の基板領域63Aは、垂直面内に主面を有し、第2の基板領域63Bは、水平面内に主面を有する。第1の基板領域63Aは、サンド20の前面部21(前面パネル)の裏面側に接するように収納される。すなわち、第1の基板領域63Aは、略垂直に収納される。第1の基板領域63Aと直交する方向に結合された第2の基板領域63Bは、その端部にコネクタ63Cが設けられており、このコネクタ63CがI/O基板67に接続される。
I/O基板67は、その主面が筺体22の背面部22Bに沿うように配置されており、このI/O基板67の基板面に設けられたコネクタに、制御基板63のコネクタ63Cが接続される。
また、制御基板63の第1の基板領域63AとI/O基板67との間には、電源ユニット65が配置される。この電源ユニット65のコネクタ65Cは、I/O基板67に設けられたコネクタに接続される。このように、電源ユニット65は、制御基板63の第1の基板領域63Aと、I/O基板67との間に挟まれた状態に配置される。電源ユニット65、制御基板63の左右方向の幅寸法は、サンド20の筺体22に設けられた左右両側の側壁22D(図2)によって挟まれる程度の寸法となっており、図49に示すように、電源ユニット65及び制御基板63が配置された状態においては、筺体22の側壁22D(図2)によって、左右方向から挟まれた状態となる。また、電源ユニット65は、筺体22の一部に設けられたフレーム22E上に載置されるようにもなっている。
これらにより、電源ユニット65は、I/O基板67、側壁22D、制御基板63の第1の基板領域63A、第2の基板領域63B、フレーム22Eによって、上下左右全ての方向から挟まれた状態となる。これにより、電源ユニッ65が不用意に動くことを防止することができる。因みに、前面部21は、筺体22に対して、所定のロック機構などで固定されることにより、制御基板63、電源ユニット65などが前方に飛び出すことを防止することができる。
(8) 情報カードリーダ62及び非接触ICカードリーダライタ36(図3)のアンテナ配置の他の実施の形態について説明する。サンド20においては、制御基板63を挟んで、上下に情報カードリーダ62及び非接触ICカードリーダライタ36が設けられていることにより、情報カードリーダ62及び非接触ICカードリーダライタ36の各々のアンテナは、1つの制御基板63によって別々に制御される(図16)。
(9) カメラ35の他の実施の形態について説明する。他の実施の形態のカメラ35は、図1に示した赤外LED31Bに代えて、赤外光を照射する赤外LEDとカメラユニット(CMOSカメラ)とが近接して設けられている。具体的には、図50に示すように、カメラ35は、赤外光を照射する赤外LED基板35Aと、赤外光が被写体(遊技者)において反射して得られる反射光を受光することにより、被写体像を撮像するCMOSカメラ35Bとを有する。赤外LED基板35Aは、その赤外LEDにより、制御基板63からのコマンドに基づいて赤外光を照射する。CMOSカメラ35Bは、撮像信号を制御基板63に送出する。制御基板63は、撮像信号に基づいて、画像認識を行う。
カメラ35においては、赤外LED基板35A及びCMOSカメラ35Bの前面にフィルタ35Cが設けられている。このフィルタ35Cは、赤外光を透過し、それ以外の波長の光は通さないフィルタであり、赤外LED基板35Aから被写体に照射された赤外光の反射光のみを透過させてCMOSカメラ35Bに受光させるようになっている。これにより、パチスロ機10や当該パチスロ機10が設置されているホールの演出光の影響を抑制して、被写体(遊技者)の像を明瞭に撮像することができる。
(10) サンド20の他の実施の形態として、金融サーバとの間で通信を行う構成を有するサンド20について説明する。図51は、他の実施の形態に係るサンド20の制御基板63の構成を示すブロック図である。なお、図51において、図16との対応部分には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図51に示すように、メインCPU121は、I/O基板67を介して、パチスロ機及びホールコンピュータと通信を行うようになっており、また、インターフェイス68を介して金融サーバ(後述)と通信を行うようになっている。
図52は、サンド20が設置された遊技店と金融サーバ300とを示す略線的ブロック図である。図52に示すように、サンド20は、パチスロ機10及び遊技店に設置されたホールコンピュータ500に接続されていると共に、通信網200を介して外部の金融サーバ500にも接続されている。
サンド20は、ホールコンピュータ500との間では、遊技に関する情報、ホールが遊技者(情報カードや非接触ICカードの所有者)に対して貸し出したメダル(遊技媒体)の数に関する情報、遊技者がサンド20を介してパチスロ球を計数した結果に関する情報等を送受信する。
また、サンド20は、ホールコンピュータ500との間の通信路とは異なる通信路(通信網200)を介して、外部の金融サーバ300との間で、遊技者のクレジット情報等を送受信する。図53は、サンド20の制御基板63及びI/O基板67を示すブロック図である。図53に示すように、I/O基板67と制御基板63とは、コネクタを介して直接接続されており、I/O基板67はホールコンピュータ500と接続され、制御基板63は、インターフェイス68及び外部の通信網200を介して、金融サーバ300と接続されている。
制御基板63のメインCPU121は、ホールコンピュータ500との間での通信は、I/O基板67を介して行う共に、金融サーバ300との間の通信は、I/O基板67を介さずに(すなわち、ホールコンピュータ500を介さずに)、直接行う。これにより、例えば、遊技者の暗証番号といった決済情報は、サンド20から直接金融サーバ300に送信されることにより、情報のセキュリティを向上させることができる。
次に、金融サーバ300との情報の送受信について説明する。図54は、サンド20(メインCPU121)と金融サーバ300との間の情報のやり取りを示すタイミングチャートである。
図54に示すように、サンド20において、遊技者が情報カードとしてクレジットカードをカード挿入口32から挿入すると共に、操作ユニット34を操作して、クレジットカードを利用したメダルの貸出しを要求する操作を行うと、制御基板63のメインCPU121は、情報カードリーダ62を介してクレジットカードからカード情報を読み取ると共に、操作ユニット34の表示により、遊技者に対して、暗証番号の入力を促す。
遊技者が操作ユニット34を操作して暗証番号を入力すると、メインCPU121は、カード情報及び暗証番号を金融サーバ300へ送信する(ステップS1101)。金融サーバ300は、送信されたカード情報及び暗証番号に基づいて、認証処理を行う(ステップS1102)。認証処理の結果、正規のユーザであることが認証されると、金融サーバ300は、認証完了(認証OK)の情報をサンド20に送信する(ステップS1103)。
認証完了の情報を受け取ったサンド20のメインCPU121は、操作ユニット34の表示により遊技者に対して認証が完了した旨を伝えると共に、必要な金額(メダルの数)の入力を促す。この場合、予め決められた数単位での入力を促すことになる。
遊技者が操作ユニット34を操作して、金額(メダルの数)を指定すると、メインCPU121は、指定された金額(メダルの数を指定した場合には、当該メダルの数に応じた金額)の振込を要求する振込要求を金融サーバ300に送信する(ステップS1104)。
金融サーバ300は、サンド20から受け取った振込要求に応じて、指定された金額を、遊技者の指定の口座から遊技店の口座へ振り込む(ステップS1105)。この振込処理が完了すると、金融サーバ300は、振込完了情報を、サンド20へ送信すると共に(ステップS1106)、ホールコンピュータ500へ送信する(ステップS1107)。
サンド20のメインCPU121は、金融サーバ300からの振込完了情報に基づいて、指定された数のメダルをメダル払出トレー37から払い出す。これにより、遊技者がクレジットカードを利用してメダルの貸出しを受けることができる。なお、ホールコンピュータ500は、金融サーバ300からの振込完了情報に基づいて、該当するサンド20及びパチスロ機10に関する履歴情報を更新する。
このように、本実施の形態においては、サンド20からホールコンピュータ500及び金融サーバ300に対する通信を個別に行うことにより、遊技者のクレジットカードに関する情報をホールコンピュータ500を介さずに直接金融サーバ300に送信することができ、セキュリティを一段と高めることが可能となる。
(11) 図55は、他の実施の形態に係る、決算システムの構成を示すネットワーク図である。この図に示す例においては、決済システム700は、管理サーバ1010と、遊技者が個人で使用する携帯電話機1000と、サンド20と、ホールコンピュータ(預かり装置)500を有している。また、決済システム700は、金融機関システム800、クレジットカードシステム900に通信可能に接続されている。
管理サーバ1010は、通信網200を介して、携帯電話機1000、ホールコンピュータ500及び金融機関システム800、クレジットカードシステム900に接続されている。
管理サーバ1010は、通信網1050に接続されており、ホールコンピュータ500と通信網1050を介して通信可能となっている。携帯電話機1000は、基地局(BS)1060、移動体通信網1070及び移動体通信網1070と通信網1050とを接続するゲートウエイ1080とを介して管理サーバ1010、ホールコンピュータ500、金融機関システム800と通信可能であると共に、携帯電話機1000が備えている近距離通信手段(例えば、非接触ICカード及びそのリーダライタ)によりサンド20と通信可能である。
金融機関システム800は、以下の口座の入出金を電子的に行うことができるシステムである。決済システム700が利用する金融機関システム800は、遊技者であって、本電子決済を用いて支払いを行う者(以下、単に遊技者と呼ぶ)の口座(以下、遊技者の銀行口座と呼ぶ)、決済システム700の運営、管理を直接又は間接に行い、決済システム700の運営の対価、代価、手数料等を受け取る者(以下、決済事業者と呼ぶ)の口座(以下、決済事業者口座と呼ぶ)、及びメダルを遊技者に提供する者であって、本決済システム700を用いて遊技者からの支払いを受け取る者(以下、遊技場事業者と呼ぶ)の口座(以下、遊技場事業者口座と呼ぶ)を有する。これらの遊技者の銀行口座、決済事業者口座、遊技場事業者口座は、同一の金融機関システム800に設けられていてもよいし、互いに別の金融機関システム800に設けられていてもよい。図55では、これらの口座が同一の金融機関システム800に設けられているものとして示したが、このような態様に限定されるものではない。
クレジットカードシステム900は、クレジットカードを利用した各種決済、支払いを電子的に行うシステムであって、例えば、交通系の電子マネーであるSuica(東日本旅客鉄道株式会社の登録商標)システムにおいて、電子マネーが予め設定した金額以下になると、予め登録しておいた金額を、クレジットカード決済を利用して自動的に電子マネーに入金する「Suicaオートチャージ・サービス」が存在する。また、利用者が自ら操作する方法として、前記電子マネーであるSuicaの場合、携帯電話機の専用のメニューから、指定した金額をクレジット決済にて、電子マネーに入金が可能である。これらの従来の方法は、電子マネーに対する入金が可能となる方法であるが、本実施の形態において説明する決済システム700では、銀行口座に対するクレジットカード決済を利用した、自動的またはワンタッチによる入金方法を用いている。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、「クレジットカードシステム」としたが、電子マネーの補充を行うための金銭を融通できるシステムであれば、クレジットカードに係るシステムに限られない。
決済システム700において用いられる携帯電話機1000は、非接触ICカード機能を備え、サンド20の非接触ICカードリーダライタ36との間で非接触の近接通信を行うことができるものである。
図56を参照しながら、サンド20の決済システム700において使用される機能ブロックについて説明する。サンド20は、ユーザ(遊技者)が携帯電話機1000を用いて電子決済を行った対価として、メダル等の遊技媒体(有価価値:金銭と交換して購入できる有体物、無体物をいう)をユーザに提供する装置である。
図56は、サンド20及び携帯電話機1000の構成例を示す機能ブロック図である。サンド20は、ネットワーク通信処理部1301と、提供制御部1302と、提供装置側近距離通信部1303と、有価価値供給部1304と、遊技履歴処理部305とを有している。
ネットワーク通信処理部1301は、ホールコンピュータ500と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボード等である。なお、サンド20は、ホールコンピュータ500に対して複数台接続されていてもよく、サンド20とホールコンピュータ500とはLAN等の通信網やその他の通信手段によって接続されている。本実施の形態のネットワーク通信処理部1301は、図16に示したサンド20の制御基板63において、メインCPU121、IF125等がこれに該当する。
提供制御部1302は、ネットワーク通信処理部1301、提供装置側近距離通信部1303、有価価値供給部1304の動作を命令・制御する機能を有し、例えばサンド20を実現するためのプログラムを搭載したマイクロコンピュータである。本実施の形態の提供制御部1302は、図16に示したサンド20の制御基板63において、メインCPU121及び当該プログラムを記憶したROM122がこれに該当する。
提供装置側近距離通信部1303は、携帯電話機1000に搭載されている端末側近距離通信部1201と通信を行う機能を有し、本実施の形態の場合、図16に示したサンド20の制御基板63に接続される非接触ICカードリーダライタ36がこれに相当する。なお、提供装置側近距離通信部1303が用いる通信方式は、無線に限られるものではなく、赤外線通信であってもよい。また、必ずしも非接触の通信方式でなくともよく、通信ケーブルやUSBソケットにより接続して通信する方式を採用してもよい。
有価価値供給部1304は、提供制御部1302の命令に応じて、有価価値(メダル)を遊技者に提供するための機能を有する。本実施の形態の有価価値供給部1304は、図16に示したサンド20の制御基板63において、パチンコ機10にパチンコ球の払出しを要求する機能を実行するためのプログラムが記憶されたROM122及びこの機能を実行するメインCPU121及びIF125がこれに相当する。
遊技履歴処理部1305は、遊技者によるサンド20の使用に基づいて、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データを生成して、ネットワーク通信処理部1301を介してホールコンピュータ500又は管理サーバ1010に送信する機能を有する。本実施の形態の場合、図16に示したサンド20の制御基板63において、メインCPU121、当該機能を実行するためのプログラムを記憶したROM122及び生成した遊技履歴データを記憶するRAM123がこれに該当する。
例えば、遊技者がサンド20が付設されたパチスロ機10で遊技を行うために、サンド20と、携帯電話機1000とにより、決済システム700による決済によりメダルの貸出しを受ける。遊技履歴処理部1305は、どの遊技者がどのパチスロ機10をいつ遊技したのか、どれだけの金額を遊技したのか、等のデータである遊技履歴データを提供制御部1302の動作状況及びパチスロ機10の動作状況により生成し、これを、遊技履歴データを管理するサーバに送信する。遊技履歴データは、全てのサンド20が使用されるごとに、サーバに送られ蓄積される。
この遊技履歴データを解析したり、データマイニングの手法等により分析したりすることにより、遊技者の行動傾向、パチスロ機10の人気傾向、時間帯別利用傾向等が明らかになり、その結果店舗経営や遊技機開発等の資料となる有用な情報を取得できる。
なお、本実施の形態においては、遊技履歴データを管理するサーバとして、管理サーバ1010を用いる構成とするが、遊技履歴データを管理するサーバは、管理サーバ1010とは別のサーバ装置として本決済システム700に組み込まれるようにしてもよい。
次に、図56を参照しながら、携帯電話機1000について説明する。携帯電話機1000は、管理サーバ1010と通信網1050を介して通信可能であると共に、近距離通信手段を用いてサンド20とも通信可能な端末装置である。また、携帯電話機1000は、通信網1050を介してホールコンピュータ500と通信可能であってもよい。
携帯電話機1000は、例えば、非接触ICカード(例えば、フェリカ:ソニー社の登録商標)機能を有する。なお、本実施の形態においては、携帯電話機1000を用いるが、これに限られるものではなく、近距離通信手段及び無線通信手段を搭載したPDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機、無線LANを搭載したIP電話機等を用いるようにしてもよい。
携帯電話機1000は、サンド20と通信を行うための端末側近距離通信部1201と、支払要求生成部1202と、無線通信部1203と、入力部1204と、出力部1205と、ユーザ(遊技者)情報記憶部1206と、振込み要求生成部1207とを有している。
端末側近距離通信部1201は、サンド20のICカードリーダライタ36と通信を行う機能を有し、例えば、非接触ICカード用チップ及びアンテナを備える。
支払要求生成部1202は、サンド20にメダルを提供してもらえるように、遊技者が受け取りメダルの対価(代金)の支払、決済をホールコンピュータ500に要求する支払要求メッセージを生成する機能を有し、例えば、iアプリ(NTTドコモ社の登録商標)を搭載したマイクロコンピュータである。
無線通信部1203は、携帯電話機1000がベースステーション(BS)1060を介して移動体通信網1070に接続し、移動体通信網1070を介した通信を実行する機能を有し、例えば、変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網1070は、一般的な携帯電話機の通信網であっても、WIMAXや無線LANの通信網であってもよい。
入力部1204は、支払要求生成部1202、振込み要求生成部1207等に遊技者の指示を電気信号に代えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機1000のキー、タッチペンとタッチパネル、ポインティングデバイスである。
出力部1205は、携帯電話機1000が遊技者(ユーザ)に情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機1000の液晶パネル、音声出力装置(スピーカ等)、あるいは小型プリンタ等である。
ユーザ情報記憶部1206は、遊技者(ユーザ)の支払又は決済に要する情報を記憶する機能を有する。図57は、ユーザ情報記憶部1206が記憶する情報の一例を示す。この例では、ユーザ情報記憶部1206は、その携帯電話機1000の使用者として登録された遊技者を一意に特定する情報であるユーザID1208と、管理サーバ1010及び/又はホールコンピュータ500が遊技者の本人認証を行うためのパスワード1209と、遊技者が支払代金を引き出す、遊技者の銀行口座に相当するユーザ口座を特定する情報である銀行番号1210、支店番号1211、口座番号1212及びその口座に設定された暗証番号1213を記憶する。
これらの情報は、遊技者が携帯電話機1000に支払要求生成部1202及び振込み要求生成部1207として機能させるアプリケーションのインストール時、又は本決済システム700のサービスを受けるためのユーザ登録時等に遊技者により入力されればよい。例えば、携帯電話機1000において、起動したアプリケーションは、遊技者に入力部1204からこれら情報を入力することを要求し、入力された情報1208〜1213は、ユーザ情報記憶部1206に記憶される。これらの情報1208〜1213は、ユーザ口座から決済事業者口座へのデポジットの振込み要求のための振込み要求メッセージを生成するときに使用され、振込み要求メッセージの一部として管理サーバ1010に送信されることになる。
これにより、遊技者は、クレジットカードや銀行デビットカードを持ち歩く必要が無く、さらに決済時に必要な個人情報や口座情報、暗証番号等を、自身が所有する携帯電話機1000にのみ入力してあることから、情報漏えいの可能性が低くなる。
なお、ユーザID1208は、管理サーバ1010が自動的に割り当てる識別番号でもよいし、携帯電話機1000が有する識別情報、例えばフェリカID(フェリカは、ソニー社の登録商標)、個体識別番号(FOMAカード識別情報を含む(FOMAは、NTTドコモ社の登録商標))であってもよい。
次に、管理サーバ1010について説明する。図55に示すように、決済システム700は、その中核となる構成要素として管理サーバ1010を有している。管理サーバ1010は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合は、ハードディスク装置等の外部記憶装置を有する装置であって、例えば、コンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置である。ROM又はハードディスク装置等に情報処理装置を管理サーバ1010として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより管理サーバ1010が実現され、又は電子決済方法が実行される。
また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)のサーバ等)から提供され、これを主メモリに載せる構成としてもよい。さらに、この管理サーバ1010は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものであってもよい。管理サーバ1010は、一か所に全ての機能を集約したセンター構成であってもよいし、また、機能ごとに分割し、分散処理可能な分散サーバ構成であってもよい。
図58を参照しながら、管理サーバ1010について説明する。図58は、管理サーバ1010の構成例を示す機能ブロック図である。図58に示す管理サーバ1010は、ネットワーク通信処理部1401と、支払要求処理部1402と、データベース部1403と、振込み要求処理部1404と、精算処理部1405と、遊技情報更新部1406とを有している。なお、これら各部は、プログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPU等によって実現される構成要素である。
ネットワーク通信処理部1401は、通信網1050を介して携帯電話機1000、ホールコンピュータ500、金融機関システム800及びクレジットカードシステム900と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを実行するための通信ボードである。
データベース部1403は、本決済システム700に登録した各ユーザ(遊技者)の保有金額データ1700、遊技場事業者の保有金額データ1900を記憶すると共に、金融機関システム800との間で行う振込みに必要な情報であるユーザテーブル1600、ユーザ保有金額データ1700、遊技場事業者テーブル1800、遊技場事業者保有金額データ1900、ホールコンピュータテーブル2000及び遊技履歴情報2100を記憶する。
図59は、データベース部1403に記憶されているユーザテーブル1600の構成例である。ユーザテーブル1600は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。ユーザテーブル1600は、ユーザごとに一つのレコード1601を有するデータであって、各レコード1601は、ユーザID1602、パスワード1603及びメールアドレス1604と、ユーザの口座であって引き落とし先口座を特定するための銀行番号1605、その銀行の支店番号1606、その銀行口座の口座種別1607、その銀行口座の口座番号1608、その銀行口座の口座名義1609及びその銀行口座の暗証番号1610を格納している。
ユーザID1602は、ユーザを一意に特定する情報である。パスワード1603は第三者がそのユーザになりすまして本決済システム700を不正利用することを防止する情報である。メールアドレス1604は、結果通知部1407が支払処理の処理結果をユーザに通知する際にその電子メールの送り先である宛先アドレスとして使用する情報である。銀号番号1605、支店番号1606、口座種別1607、口座番号1608、口座名義1609及び暗証番号1610は、金融機関システム800に対して引き落とし先口座を指定し、口座を利用するための情報である。
ユーザテーブル1600に格納される情報は、ユーザが管理サーバ1010にユーザ登録する際に、管理サーバ1010に入力される。
図60は、データベース部1403に記憶されるユーザ保有金額データ1700の構成例である。ユーザ保有金額データ1700は、ユーザごとに一つのレコード1701を有するデータであって、各レコード1701は、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド1702と、ホールコンピュータ500を一意に特定する情報であるホールコンピュータIDを格納するホールコンピュータIDフィールド1703と、そのユーザ(遊技者)がホールコンピュータIDによって特定されたホールコンピュータ500に預けた金額である保有金額を格納する保有金額フィール1704とを有している。
保有金額フィールド1704に格納される値は、ユーザが決済システム700のホールコンピュータ500に預け入れると預入額の分だけ増加し、サンド20を利用した支払が行われると支払額の分だけ減少するように書き換えられる。なお、同一のユーザであってもホールコンピュータ500ごとに保有金額を管理するため、同一ユーザについて複数のレコード1701を持ち得る。
図61は、データベース部1403に記憶される遊技場事業者テーブル1800の構成例である。遊技場事業者テーブル1800は、遊技場事業者に関する情報を格納したデータである。遊技場事業者テーブル1800は、決済システム700に加入している遊技場事業者ごとに一つのレコード1801を有するデータである。各レコード1801は、遊技場事業者IDを格納する遊技場事業者ID1802及びその遊技場事業者の口座であって、ユーザからサンド20に支払われた金額を振込む振込先口座を特定するための銀行番号1803、支店番号1804、口座種別1805、口座番号1806及び口座名義1807を格納している。
遊技場事業者ID1802は、遊技場事業者を一意に特定する情報である。銀行番号1803、支店番号1804、口座種別1805、口座番号1806及び口座名義1807は、金融機関システム800に対して振込先口座を特定するための情報である。
遊技場事業者テーブル1800に格納される情報は、遊技場事業者が決済システム700に加入登録する際に、管理サーバ1010に入力される。
図62は、データベース部1403に記憶される遊技場事業者保有金額データ1900の構成例である。遊技場事業者保有金額データ1900は、決済システム700に登録される遊技場事業者ごとに一つのレコード1901を有するデータである。各レコード1901は、遊技場事業者ID1902と、決済システム700が遊技場事業者口座へ振り込む分の金額である保有金額を格納する保有金額1903とを有している。保有金額1903に格納される値は、ホールコンピュータ500を経由したサンド20の利用によりユーザから支払われた分だけ増加し、金融機関システム800を利用した遊技場事業者口座への振込額分だけ減少するように書き換えられる。
図63は、データベース部1403に記憶されるホールコンピュータテーブル2000の構成例である。ホールコンピュータテーブル2000は、決済システム700に含まれる各ホールコンピュータ500について一つのレコード2001を有するデータであって、各レコード2001は、ホールコンピュータID2002、ホールコンピュータIPアドレス2003及び遊技場事業者ID2004を格納する。
ホールコンピュータID2002は、ホールコンピュータ500を一意に特定するための情報であり、ホールコンピュータIPアドレス2003は、管理サーバ1010が、ホールコンピュータ500との通信を行うための宛先情報であって、例えば、あるホールコンピュータ500へユーザからの預かり金を通知する預かり金通知メッセージを送信するために使用するための送信先アドレスとして使用する情報である。遊技場事業者ID2004は、そのホールコンピュータID2002を付与されたホールコンピュータ500について、ユーザの消費金額に相当する支払いを受け取る権利を有する遊技場事業者を特定する情報であって、遊技場事業者テーブル1800の遊技場事業者ID1802(図61)と同一のIDが用いられている。
遊技履歴情報2100は、遊技者がいつごこでどの遊技機(パチスロ機10)でいくら遊技をしたのか等の、遊技に関する履歴を示す情報であって、各サンド20の遊技履歴処理部(制御基板63(図16)のメインCPU121が実行する処理)が生成し、ホールコンピュータ500を経由して送信された遊技履歴データを蓄積記憶することによって生成される情報である。この遊技履歴情報2100を、周知のマーケティング解析やデータマイニング手法により分析することにより、さまざまは有用な情報を得ることができる。
図58に戻って、管理サーバ1010の説明を続ける。振込み要求処理部1404について説明する。振込み要求処理部1404は、携帯電話機1000から受信した振込み要求メッセージを処理する機能を有する。振込み要求処理部1404は、ネットワーク通信処理部1401を介して携帯電話機1000又はホールコンピュータ500から振込み要求メッセージ等を受け取る。振込み要求メッセージの内容は、ユーザの銀行口座から指定した金額を引き落として、決済システム700、より詳しくは、指定したホールコンピュータ500で引き落とした金額分使用できるようにすることを要求する内容である。この振込要求メッセージ等を受け取った振込み要求処理部1404は、データベース部1403に記憶されているユーザテーブル1600をチェックする。振込み要求処理部1404は、ユーザテーブル1600から振込み元口座となるユーザの口座を特定する情報である銀行番号1605、支店番号1606、口座種別1607、口座番号1608、口座名義1609及び暗証番号1610を取得し、これらの情報と合わせて振込み先口座となる決済事業者口座を特定する情報を振込み依頼メッセージとして金融機関システム800にネットワーク通信処理部1401を介して送信する。
金融機関システム800は、振込み依頼メッセージを受け取ると、指定された金額をユーザの銀行口座から決済事業者口座へ振り込む。振り込まれた金額は、ユーザが本決済システム700を利用して使用できる資金(手数料分は除く)となる。
次に、清算処理部1405について説明する。清算処理部1405は、各ホールコンピュータ500からユーザが消費した金額を示すメッセージを受信し、このメッセージに応じて遊技場事業者保有金額データ1900、より詳しくは、保有金額1903の変更又は更新を行う。また、清算処理部1405は、遊技場事業者保有金額データ1900が示す金額を決済事業者口座から各遊技場事業者の遊技場事業者口座に振り込むよう金融機関システム800に要求する。
この振り込まれる資金の額は、決済システム700がユーザから預かっている遊技場事業者への支払金額、すなわち、遊技場事業者保有金額データ1900の保有金額1903に相当する。本実施の形態においては、清算処理部1405は、自律的に振込み依頼処理を行う。例えば、清算処理部1405は、所定のタイミング(例えば、毎日深夜0時、毎週末)で自動で起動する。起動した清算処理部1405は、各ホールコンピュータ500に、ユーザが消費した金額、すなわち遊技場事業者への支払額を問い合わせ、ホールコンピュータ500がこれに応じて送信する支払い要求メッセージに応じて、遊技場事業者保有金額データ1900の保有金額1903を更新する。
さらに、清算処理部1405は、データベース部1403に記憶されている全ての遊技場事業者保有金額データ1900をチェックし、振込みが済んでいないものについて金融機関システム800に決済事業者口座から該当する遊技場事業者口座に振り込みを行うように振込み依頼を送信する。
遊技情報更新部1406は、サンド20の履歴情報処理部(制御基板63(図16)のメインCPU121の処理)からホールコンピュータ500を経由して受信した遊技履歴データを刻々蓄積記憶し、遊技履歴情報2100のアップデートを行う機能を有する。
図64は、他の実施の形態に係る、決済システムの動作例を示すタイミングチャートである。図64は、遊技者が遊技店において遊技を行うために有価価値であるメダル(遊技媒体)の提供を受ける場合を示している。
図64では、遊技者は、すでに本システムにユーザ登録を完了しており、ホールコンピュータ500には、当該遊技者の店舗内預かり金の登録、携帯電話機1000の識別情報の登録がなされている。また、管理サーバ1010には、振込み処理等に使用する遊技者の銀行口座、クレジットカード番号等の登録がなされているものとする。
遊技者は、携帯電話機1000をサンド20に接近させ、両装置間の通信を可能とする。携帯電話機1000は、サンド20に提供要求メッセージ(MSG)を送信する(S1201)。ここで、「提供要求メッセージ」とは、サンド20が、パチンコ球の提供を遊技者から要求されたことが認識できる情報であって、かかる認識が可能であれば、どのような情報であってもよい。例えば、携帯電話機1000に設定されたICカード用アプリケーション識別番号と、携帯電話機1000の識別情報との組合せからなるデータであってもよい。なお、本実施の形態において「メッセージ」は、何らかの情報を伝達することが可能な信号、信号列が含まれるものとする。
提供要求メッセージを受信したサンド20は、このメッセージを送信した携帯電話機1000に、メダルの提供を実行してよいか否かを問い合わせるメッセージでる提供許可要求メッセージをホールコンピュータ500に送信する(S1202)。提供許可要求メッセージを受信したホールコンピュータ500は、携帯電話機1000に対応する遊技者の店舗内預かり額(遊技者の預かり金の額)から、メダルの提供の代金を減算することができるか否かを判定する残高確認処理を実行する(S1203)。なお、代金の額は、予めいずれかのききに設定登録されているものとする(例えば、一律1000円等)。
なお、図64に図示していないが、代金の減算が可能な場合には、ホールコンピュータ500は、サンド20に提供許可メッセージを送信し、提供許可メッセージを受信したサンド20は、代金に応じた数のメダルを遊技者に提供する(すなわち、代金に応じた数のメダルを、パチスロ機10から払い出させる。
一方、遊技者の店舗内預かり額がメダルの代金を下回っており、代金の減算が不可能である場合には、ホールコンピュータ500は、サンド20に残高不足通知メッセージを送信する(S1204)。「残高不足通知メッセージ」は、遊技者の店舗内預かり額が不足のためメダルの提供ができないことをサンド20が認識可能であればどのような情報であってもよい。
残高不足通知メッセージを受信したサンド20は、携帯電話機1000に預かり金補充要求メッセージを送信する(S1205)。ここで「補充」は、追加入金を意味する。「預かり金補充要求メッセージ」は、携帯電話機1000がメダルの提供を受けるには遊技者の店舗内預かり金の補充を行う必要があることを認識できればどのような情報であってもよい。例えば、補充要求を意味するエラー番号のような情報であってもよい。なお、本実施の形態では、遊技者の店舗内預かり金に追加すべき金額(例えば、1000円)と、追加すべき金額の振り込み先となる振込先口座を示す情報が預かり金補充要求メッセージに含まれているものとするが、これら情報は予め携帯電話機1000に記憶させておいてもよい。
この預かり金補充要求メッセージを受信した携帯電話機1000は、預かり金の補充を行うための振り込みを実行する旨の遊技者の確認の入力を促し、この入力の待ち受けを行う補充実行確認処理を行う(S1206)。確認の入力がされた場合、携帯電話機1000は、当該遊技者の銀行口座(遊技者の口座)から前記振込先口座へ代金の金額を振り込むように要求するメッセージである振込要求メッセージを管理サーバ1010に送信する(S1207)。なお、本実施の形態では、振込要求メッセージは、サンド20、ホールコンピュータ500が通信を行うものとするが、本発明が係る通信経路に限定される趣旨ではない。なお、遊技者の預かり金を補充する補充元となる遊技者の口座は、銀行口座に限られず、振り込みが可能な口座であればどのような期間、事業者の口座であってもよい。
振込要求メッセージを受信した管理サーバ1010は、前記振込先口座を取り扱う金融機関のシステムである金融機関システム800に、当該遊技者の銀行口座から前記振込先口座へ前記金額を振り込むように要求するメッセージである振込依頼メッセージを生成する振込依頼処理を実行する(S1208)。なお、遊技者の銀行口座は、予め用意された、携帯電話機1000の識別情報等と対応付けて記憶しているデータを使用して特定すればよい。管理サーバ1010は、生成した振込依頼メッセージを金融機関システム800に送信する(S1209)。
振込依頼メッセージを受信した金融機関システム800は、遊技者の銀行口座から前記振込先口座へ代金の金額をお振り込む処理である振込処理を行う(S1210)。振り込みが正常に完了した場合には、金融機関システム800は、管理サーバ1010に振込完了メッセージを送信する(S1211)。なお、金融機関システム800は、振込処理(S1210)において、遊技者の口座残高が不足している場合には、図66において後述するクレジットを利用する処理に移る。
図64において、振込完了メッセージを受信した管理サーバ1010は、ホールコンピュータ500に前記遊技者の店舗内預かり金に追加する金額の入金が行われたことを通知するメッセージである入金確認メッセージを送信する(S1212)。この入金確認メッセージを受信したホールコンピュータ500は、入金確認メッセージに対応する残高不足通知メッセージの送信先であるサンド20に提供指示メッセージを送信する(S1213)。この提供指示メッセージをお受診したサンド20は、前記金額に相当するメダルの提供を行う処理である提供処理を実行する(S1214)。この提供処理では、サンド20の払出用ホッパ51を介して、メダル払出用トレー37(図16)からメダルが払い出されることになる。
このメダルの提供によって、本システムにおけるステップS1201で行われた提供要求メッセージの処理が完了し、遊技者は、サンド20においてメダルの払出しを受けて、パチスロ機10で遊技を行うことができる。
図64について上述した実施の形態では、ステップS1207において、携帯電話機1000が移動体通信網等を経由して管理サーバ1010に振込要求メッセージを送信する構成であったが、この振込要求メッセージを、サンド20及びホールコンピュータ500を経由して管理サーバ1010に送信するように構成してもよい。この場合の実施の形態を、図65を参照しながら説明する。図65は、図64の変形例に係る決済システムの動作例を示すタイミングチャートである。
図64に示したステップS1206の補充実行確認処理が携帯電話機1000によって行われ、遊技者が確認の入力を行ったものとする。確認の入力を受け付けた携帯電話機1000は、サンド20に対して、当該遊技者の銀行口座から前記振込先口座へ前記金額を振り込むように要求するメッセージである振込要求メッセージを送信する(S1301)。なお、この変形例においては、振込要求メッセージに振込先口座及び金額が含まれていなくともよい。これらの情報は、ホールコンピュータ500又は管理サーバ1010に予め記憶させておき、それを使用するようにしてもよい。
また、遊技者が携帯電話機1000とサンド20とを再度通信させる行為を上記遊技者の確認の入力の代わりとして使用してもよい。例えば、携帯電話機1000をサンド20に接近させ両者間の通信を可能とすることによって、遊技者の確認の入力の代わりとして使用する構成としてもよい。
サンド20は、振込要求メッセージをホールコンピュータ500に送信し(S1302)、ホールコンピュータ500は、振込要求メッセージを管理サーバ1010に送信する(S303)。その後、図65に示すステップS1304からステップS1310の処理が実行される。ステップS1304からステップS1310の処理は、図64に示したステップS1208からステップS1214の処理と同様であるので、これらの処理内容の説明は省略する。
次に、図66を参照しながら、遊技者の銀行残高が不足している場合の処理について説明する。図64のステップS1210の処理では、遊技者の銀行口座残高が不足の場合には、非り込み不可能の通知を金融機関システム800から管理サーバ1010に返してメダルの提供を行わない処理としてもよいが、遊技者のクレジットカードから遊技者の銀行口座に入金して、メダルの提供を行う構成としてもよい。図66は、遊技者のクレジットカードから遊技者の銀行口座に入金して、メダルの提供を可能とする場合の、本決算システムの動作例を示す。
前提としてステップS1209(図64)、又はステップS1305(図65)が行われたものとする。遊技者の銀行口座の残高(例えば、500円)が振込要求額(例えば、1000円)に満たない場合、金融機関システム800は、全高不足時処理を実行する(S401)。残高不足時処理は、遊技者の銀行口座に予め設定されているクレジットカードを扱うクレジットカード会社のオンライン決済システム(以下、クレジットカードシステム)に予め設定された金額分をその遊技者の銀行口座に振り込みさせる処理である。
残高不足時処理(S1401)の後、金融機関システム800は、クレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する(S1402)。クレジットカードシステム900は、クレジット利用メッセージに応じて、金融機関システム800に、設定された金額分を遊技者の銀行口座に振り込みするよう要求する振込要求メッセージを送信する(S1403)。この振込要求メッセージを受信した金融機関システム800は、設定された金額分(例えば、50,000円)の遊技者の銀行口座へ振込処理を行う(S1405)。その後、金融機関システム800は、遊技者の店舗内預かり金として支払う金額(例えば1,000円)について、遊技者の銀行口座から店舗内預かり金の受け入れ銀行口座(例えば、ホールコンピュータ500が設置されている遊技店の運営会社の銀行口座、あるいは本システムの運営会社の銀行口座等)へ振り込みを行う(S1410)。なお、上記処理では、金融機関システム800がクレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する(S1402参照)構成として説明したが、これに限られるものではなく、残高不足時処理(S1401)の後、金融機関システム800が残高不足を通知するメッセージを管理サーバ1010に送信し、このメッセージを受信した管理サーバ1010がクレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する構成としてもよい。また、このとき管理サーバ1010は、携帯電話機1000に、遊技者にクレジット利用の意思の確認を示すメッセージを受け取るようにし、係るメッセージを受信した場合にクレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する構成としてもよい。
一方、振り込みが正常に完了した場合には、金融機関システム800は、管理サーバ1010に振込完了メッセージを送信する(S1406)。振込完了メッセージを受信した管理サーバ1010は、ホールコンピュータ500に遊技者の店舗内預かり金に前記金額(前記例では1,000円)の入金が行われたことを通知するメッセージである入金確認メッセージを送信する(S1407)。入金確認メッセージを受信したホールコンピュータ500は、この入金確認メッセージに対応する残高不足通知メッセージ(S1204参照)を特定し、特定した残高不足通知メッセージの送信先であるサンド20に、提供指示メッセージを送信する(S1408)。この提供指示メッセージを受信したサンド20は、前記金額に相当するメダルの提供を実行する(S1409)。
このような構成とすることにより、遊技者の銀行口座の残高が不足状態になっていても、設定金額を逸脱しない範囲で、遊技者は即座にメダルの提供を受けることが可能となる。
図66に示した決済システム700においては、ユーザ(遊技者)の銀行口座の残高が不足している場合に、金融機関システム800から直接クレジットカードシステム900へクレジット利用メッセージを送信する場合(S1402)について述べたが、これに限られるものではなく、クレジットカードシステム900への指示を、ユーザの携帯電話機1000から行うようにすることもできる。
この処理を行う場合の処理手順を図67〜図69を参照しながら説明する。図67〜図69に示す処理を実行する決済システムは、図55及び図56に示した決済システム700と同様の構成を有し、その処理が異なる。
この処理においては、図67に示すステップS1601からステップS1609の処理が実行される。ステップS1601からステップS1609に示す処理は、図64に示したステップS1201からステップS1209にそれぞれ対応する同様の処理であるので、これらステップS1601からステップS1609の処理内容の説明は省略する。
ステップS1609において送信された振込要求メッセージを受信した金融機関システム800は、振込処理を実行しようとする(S1610)。ここでは、ユーザ(遊技者)の銀行口座の残高が不足しているものとして以降の動作を説明する。なお、銀行口座の残高が振り込みできる程度に足りている場合の動作は、図64のステップS1210からステップS1214と同様である。
ステップS1610において、要求された振り込み額(例えば、1,000円)にユーザの銀行口座残高が足りない(例えば、500円)ことを認識した金融機関システム800は、管理サーバ1010に、ユーザの銀行口座の残高が不足していることを通知するメッセージである残高不足通知メッセージを送信する(S1611)。
残高不足通知メッセージを受信した管理サーバ1010は、携帯電話機1000に入金指示要求メッセージを送信する(図68、S1701)。入金指示要求メッセージは、ユーザに対して、クレジットカードからユーザの銀行口座に入金させることを指示する入力を求めるメッセージである。
入金指示要求メッセージを受信した携帯電話機1000は、クレジットカードからユーザの銀行口座に入金させることを指示する入力を求める入力画面を表示し、ユーザの入力を待ち受ける、指示入力待受処理を実行する(S1702)。指示入力待受処理は、例えば、携帯電話機1000の液晶ディスプレイに「銀行口座の残高が不足です。クレジットカードから初期設定額(50,000円)を銀行口座に入金しますか?<OK>」のようなメッセージを表示させ、この画面表示後ユーザ所定の操作(例えば、決定ボタンの押下)を行った場合は、クレジットカードから銀行口座への入金指示入力がなされたものとして処理する。なお、上記例では、初期設定金額が入金される処理としたが、ユーザが入金額を指定できるようにしてもよい。
ユーザの指示入力を受け付けた携帯電話機1000は、管理サーバ1010にクレジット利用指示メッセージを送信する(S1703)。クレジット利用指示メッセージは、前述の入金指示要求メッセージに対してユーザの指示入力がなされたことが分かる情報、データであればどのようなものでもよい。
クレジット利用指示メッセージを受信した管理サーバ1010は、クレジット依頼処理を実行する(S1704)。クレジット依頼処理は、管理サーバ1010に登録されている、クレジットカードシステムに設定された金額分をその銀行口座に振り込みさせる処理である。
クレジット依頼処理(S1704)の後、管理サーバ1010は、クレジットカードシステム900にクレジット要求メッセージを送信する(S1705)。クレジット要求メッセージは、ユーザの銀行口座にクレジットカードの利用分として、所定の金額の振込を要求するメッセージである。
この後、図69に示すステップS1801からステップS1809までの処理が行われ、ユーザに対して有価価値(メダル)の提供が行われる。ステップS1801からステップS1809までの処理の内容は、図66のステップS1403からステップS1410までの処理の内容と同一であるため、ここではこれら処理の内容の説明は省略する。
(遊技媒体貸出装置の概要)
本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、遊技機(パチスロ機10)に併設され、供給された価値媒体に応じて遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置(サンド20)であって、筐体22と、筐体の一部を開閉可能とする蓋体(前面パネル23)と、筐体22側に取り付けられる、遊技媒体の数を計数する計数手段(払出用ホッパ51)と、蓋体(前面パネル23)に設けられた透音口(スピーカカバー38)と、計数手段(払出用ホッパ51)とユニット化され、透音口(スピーカカバー38)を介して蓋体(前面パネル23)の外部へ音を出力するスピーカ81と、計数手段(払出用ホッパ51)及びスピーカ81を個別に制御する制御基板63と、計数手段(払出用ホッパ51)と制御基板63とを接続する、計数手段(払出用ホッパ51)及びスピーカ81によって共用される接続コネクタ55とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、スピーカ81の取り付け位置を、開閉蓋(前面パネル23)ではなく、筐体22側の計数手段(払出用ホッパ51)としたことにより、開閉蓋(前面パネル23)を開ける際にスピーカ81からの配線によって開閉蓋(前面パネル23)の開放が妨げられるといった不都合の発生を防止することができる。
また、計数手段(払出用ホッパ51)と制御基板63とを接続するコネクタ55を、スピーカ81から音を出力するための配線(接続配線84)の接続用として共用することにより、制御基板63における配線接続が複雑化することを回避することができる。
また本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、筐体22の内部幅よりも小さい幅で構成された、価値媒体を識別する識別手段(紙幣識別装置(ビルバリ)61、情報カードリーダ62)と、筐体22の内部幅よりも小さい幅で構成され、遊技媒体の貸出動作のための電源ユニット65とを備え、筐体22の内部において、電源ユニット65は、識別手段(紙幣識別装置(ビルバリ)61、情報カードリーダ62)の上方又は下方に配置され、電源ユニット65及び識別手段(紙幣識別装置(ビルバリ)61、情報カードリーダ62)の側方に制御基板63の配置空間を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、識別手段(紙幣識別装置(ビルバリ)61、情報カードリーダ62)の上方又は下方に電源ユニット65を配置することにより、上下に配列された識別手段(紙幣識別装置(ビルバリ)61、情報カードリーダ62)及び電源ユニット65の側方に制御基板63を配置する大きな空間を形成することができる。この空間は、遊技媒体貸出装置(サンド20)の筐体22内部の前後方向の幅全体を利用することができ、また上下方向については、識別手段(紙幣識別装置(ビルバリ)61、情報カードリーダ62)及び電源ユニット65を上下に並べた寸法を利用することができる。これにより、例えば、電源ユニット65を筐体22の幅全体に配置した場合に比べて、制御基板63を配置する空間の上下方向の寸法を大きくとることが可能となる。
また、制御基板63は、筐体22内部において、併設された遊技機(パチスロ機10)側に設けられていることが好ましい。このように構成すれば、遊技機(パチスロ機10)と、遊技媒体貸出装置(サンド20)の制御基板63とを接続する配線の長さを短くすることができる。
また本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、計数手段は、供給された価値媒体に応じた数の遊技媒体を計数して払い出す第1の計数部(払出用ホッパ51)と、外部から投入された遊技媒体を計数し、当該計数結果を再遊技に供する第2の計数部(計数用ホッパ71)とを備えることを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)によれば、遊技機(パチスロ機10)において払い出された遊技媒体を遊技媒体貸出装置(サンド20)の第2の計数部(計数用ホッパ71)において計数することにより、遊技機(パチスロ機10)において払い出された遊技媒体を一旦遊技媒体収納箱に入れて遊技機(パチスロ機10)から離れた計数装置まで運ぶ手間がかからなくなる。
また、スピーカ81は、第1の計数部(払出用ホッパ51)又は第2の計数部(計数用ホッパ71)のいずれかにユニット化される。これにより、開閉蓋(前面パネル23)を開放する際にスピーカ81の配線が妨げとなることを回避することができる。
なお、遊技媒体貸出装置(サンド20)の前面には、第1の計数部(払出用ホッパ51)によって計数された遊技媒体の払出口(メダル払出用トレー37)と、第2の計数部(計数用ホッパ71)によって計数させるための遊技媒体の投入口(メダル計数用投入口39)が並設されており、第1の計数部(払出用ホッパ51)又は第2の計数部(計数用ホッパ71)とユニット化されたスピーカ81の取り付け位置は、遊技媒体の払出口(メダル払出用トレー37)と遊技媒体の投入口(メダル計数用投入口39)との間であることが好ましい。このようにすれば、遊技媒体貸出装置(サンド20)の前面において、デッドスペースとなる払出口(メダル払出用トレー37)と投入口(メダル計数用投入口39)との間の領域を有効に利用することが可能となる。
また本実施の形態の遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、併設された遊技機(パチスロ機10)において払い出される遊技媒体の数を計数する遊技機計数手段(ホッパ350)に対して、第2の計数部(計数用ホッパ71)において計数された遊技媒体をその自重により搬送する搬送手段(送出用ガイド356)を備えることを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)によれば、第2の計数部(計数用ホッパ71)によって計数された遊技媒体を、その自重により遊技機(パチスロ機10)へ搬送することができる。これにより、遊技機(パチスロ機10)において払い出された遊技媒体が遊技媒体貸出装置(サンド20)へ投入されると、第2の計数部(計数用ホッパ71)を介して遊技機(パチスロ機10)へ循環されることにより、遊技媒体貸出装置(サンド20)の第2の計数部(計数用ホッパ71)において計数済の遊技媒体を、遊技機(パチスロ機10)へ運ぶ手間がかからなくなる。このように、遊技機(パチスロ機10)への遊技媒体の補充が不要となることにより、遊技機(パチスロ機10)及び遊技媒体貸出装置(サンド20)を設置したホールの人件費を削減することができる。また、その分、サービスの向上を図ることができる。
また本実施の形態の遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、筐体22の外部から第2の計数部(計数用ホッパ71)へ遊技媒体(メダル)を投入するための開口上面739Aを有する遊技媒体計数用投入口(メダル計数用投入口739)と、遊技媒体計数用投入口(メダル計数用投入口739)の前壁裏面739Eと後壁前面739Gとの間に設けられる仕切り部材740とを備えることを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)によれば、遊技媒体計数用投入口(メダル計数用投入口739)を仕切る仕切り部材740を設けることにより、仕切られた遊技媒体計数用投入口(メダル計数用投入口739)を狭い空間に分断することができ、遊技者の手が第2の計数部(計数用ホッパ71)に差し込まれることを防止することができる。第2の計数部(計数用ホッパ71)は、遊技媒体(メダル)を計数するための計数機構が設けられており、この計数機構に遊技者の手が差し込まれることを防止することができることにより、安全性を確保することができる。これにより、遊技者の使い勝手を向上することができる。
また、本実施の形態の遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、制御基板63を収納する筺体22の第1の内部空間AR101の前面部を閉塞する着脱可能な第1の前面パネル222と、第1の内部空間AR101の上部に隣接する上部空間AR102の前面部を閉塞する着脱可能な第2の前面パネル221と、第1の内部空間AR101の下部に隣接する下部空間AR103の前面部を閉塞する着脱可能な第3の前面パネル223と、第2の前面パネル221の装着に応じて、第1の前面パネル222の上部を筺体22にロックする第1のロック部(屈曲部221A及び222A)と、第3の前面パネル223の装着に応じて、第1の前面パネル222の下部を筺体22にロックする第2のロック部(屈曲部223A及び222B)とを備えることを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)によれば、第2及び第3の前面パネル221、223を外さなければ第1の前面パネル222を外すことができない構成とすることにより、第1の前面パネル222が容易に外されないようにすることができ、セキュリティを向上させることができる。
また、本実施の形態の遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、制御基板63は、垂直面内に主面を有する第1の基板領域63Aと、水平面内に主面を有する第2の基板領域63Bとを備え、各部に電源を供給する電源ユニット65の前面及び上面を、第1の基板領域63A及び第2の基板領域63Bによって囲繞することを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)によれば、電源ユニット65の前面及び上面が制御基板63によって囲繞されることにより、電源ユニット65の不用意な動きを抑制し、脱落を防止することができる。
また、本実施の形態の遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、第2の計数部(計数用ホッパ71)に外部から遊技媒体(メダル)を投入する投入口(メダル計数用投入口39)を照明する照明手段(照光用LED基板311)を備えることを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)によれば、計数用のメダルの投入口(メダル計数用投入口39)を照明することにより、遊技媒体貸出装置(サンド20)が暗い場所に設置されている場合であっても、メダルを投入すべき位置を容易に把握することができ、遊技者の使い勝手を向上することができる。