(遊技媒体貸出装置)
本発明の遊技媒体貸出装置の実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド)を併設したパチンコ機を示す正面図であり、図2は、サンドを示す斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機10には、それぞれ、サンド20が併設されている。各サンド20は、隣接するパチンコ機10に対応して設置されており、対応する当該パチンコ機10との間で通信可能に接続されている。また各サンド20は、ホール全体のサンド20のシステム管理や売り上げ管理を行うホールコンピュータ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。なお、本実施の形態においては、ホールコンピュータに対して通信可能に接続されたサンド20について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、ホールコンピュータと通信を行わないサンドであってもよい。
図1及び図2に示すように、各サンド20の前面部21には、LED(light-emitting diode)部31、カード挿入口32、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口33、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット34、カメラ部35、非接触ICカードリーダライタ36、端数用払出口40計数用投入口39等が設けられている。カード挿入口32は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部31は、フルカラーLEDによって構成されている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口32又は紙幣挿入口33に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのパチンコ球の貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダライタ36にかざすことで、遊技に必要なパチンコ球の貸し出しを受けることができる。
サンド20は、情報カード、紙幣及び非接触ICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のパチンコ球を払い出す旨のコマンドを併設するパチンコ機10に送信することにより、パチンコ機10から当該パチンコ球を払い出すようになっている。遊技者は、パチンコ機10においてその上皿12に払い出されたパチンコ球によってパチンコ遊技を行うことができる。
また、パチンコ機10においては、遊技の結果に応じて、上皿12にパチンコ球を払い出すようになされている。遊技者は、所定の操作を行うことにより、上皿12のパチンコ球を下皿13に落とすと、当該パチンコ球は、下皿13の下方に装着された案内皿14に落下する。案内皿14は、下皿13から落下したパチンコ球を、サンド20に設けられた計数用投入口39へ案内する。計数用投入口39に導入されたパチンコ球は、サンド20の内部に設けられた計数部によって計数される。
計数された結果は、カード挿入口32に挿入されたカードに記録され、又は、ホールコンピュータに設けられた記憶部に記憶される。
計数部において計数されたパチンコ球は、サンド20の背面部に設けられた排出口から排出され、回収される。
計数用投入口39から投入されたパチンコ球の計数経路とは別に、サンド20の背面側に端数用供給部が設けられており、外部から端数用のパチンコ球を受け入れるようになっている。この供給部により、端数用のパチンコ球は、常に一定量(例えば24球)が貯留された状態となっており、必要に応じて、端数用払出口40から、案内皿14(具体的には、案内皿14の下方に設けられた専用の払出皿)へ払い出される。
図3は、サンド20の内部構成を示す斜視図である。図3に示すように、サンド20は、筐体22(図2)の内部に、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダライタ62、紙幣識別装置61、非接触ICカードリーダライタ36等)と、電源ユニット65と、制御基板66とを収納している。
また、制御基板66、電源ユニット65の下方には、外部からの端数用のパチンコ球を受け入れる供給部70と、供給部70を介して供給された端数用のパチンコ球を貯留する端数用貯留部71とを有する。供給部70において、外部のシステムから端数用パチンコ球をサンド20に供給するための導入路81は、その先端部に設けられた係合部82をサンド20の背面に設けられた開口部に対して、装着機構部75によって装脱可能となっている。係合部82がサンド20の裏面の開口部に装着された状態において、導入路81を介して端数用のパチンコ球が開口部からサンド20内に供給される。サンド20内に供給された端数用のパチンコ球は、搬送路76を介して端数用貯留部71に貯留される。供給部70の詳細構成については後述する。
端数用貯留部71には、常に一定のパチンコ球が貯留されており、制御基板66からの払出コマンドにより指定された数のパチンコ球が、端数用として、端数用払出口40から払い出される。
端数用払出口40の下方には、計数用投入口39が設けられており、パチンコ機10に装着された案内皿14(図1)から排出されたパチンコ球が、当該計数用投入口39を介して、計数部90に導かれる。計数部90は、パチンコ球を計数し、当該計数結果を制御基板66に送出する。計数済のパチンコ球は、計数部90から排出部95へと転がり、排出部95を介して外部へ排出され回収される。計数部90の詳細構成については後述する。
次に、カメラ部35の構成について説明する。図4に示すように、カメラ部35は、赤外光を照射する赤外LED基板35Aと、赤外光が被写体(遊技者)において反射して得られる反射光を受光することにより、被写体像を撮像するCMOSカメラ35Bとを有する。赤外LED基板35Aは、その赤外LEDにより、制御基板66からのコマンドに基づいて赤外光を照射する。CMOSカメラ35Bは、撮像信号を制御基板66に送出する。制御基板66は、撮像信号に基づいて、画像認識を行う。
カメラ部35においては、赤外LED基板35A及びCMOSカメラ35Bの前面にフィルタ35Cが設けられている。このフィルタ35Cは、赤外光を透過し、それ以外の波長の光は通さないフィルタであり、赤外LED基板35Aから被写体に照射された赤外光の反射光のみを透過させてCMOSカメラ35Bに受光させるようになっている。これにより、パチンコ機10や当該パチンコ機10が設置されているホールの演出光の影響を抑制して、被写体(遊技者)の像を明瞭に撮像することができる。
次に、制御基板66の配置構成について説明する。図5は、サンド20の筺体22に収納された制御基板66及び電源ユニット65を示す略線的断面図である。図5に示すように、制御基板66は、略90°の角度で結合された第1の基板領域66Aと、第2の基板領域66Bとを有し、第1の基板領域66Aは、サンド20の前面パネル21Bの裏面側に接するように収納される。すなわち、第1の基板領域66Aは、略垂直に収納される。第1の基板領域66Aと直交する方向に結合された第2の基板領域66Bは、その端部にコネクタ66Cが設けられており、このコネクタ66CがI/O基板67に接続される。
I/O基板67は、その主面が筺体22の背面部22Bに沿うように配置されており、このI/O基板67の基板面に設けられたコネクタに、制御基板66のコネクタ66Cが接続される。
また、制御基板66の第1の基板領域66AとI/O基板67との間には、電源ユニット65が配置される。この電源ユニット65のコネクタ65Cは、I/O基板67に設けられたコネクタに接続される。このように、電源ユニット65は、制御基板66の第1の基板領域66Aと、I/O基板67との間に挟まれた状態に配置される。電源ユニット65、制御基板66の左右方向の幅寸法は、サンド20の筺体22に設けられた左右両側の側壁22D(図2)によって挟まれる程度の寸法となっており、図5に示すように、電源ユニット65及び制御基板66が配置された状態においては、筺体22の側壁22Dによって、左右方向から挟まれた状態となる。また、電源ユニット65は、筺体22の一部に設けられたフレーム22E上に載置されるようにもなっている。
これらにより、電源ユニット65は、I/O基板67、側壁22D、制御基板66の第1の基板領域66A、第2の基板領域66B、フレーム22Eによって、上下左右全ての方向から挟まれた状態となる。これにより、電源ユニッ65が不用意に動くことを防止することができる。
次に、情報カードリーダライタ62及び非接触ICカードリーダライタ36(図3)のアンテナ配置について説明する。図3に示したように、本実施の形態のサンド20においては、制御基板66を挟んで、上下に情報カードリーダライタ62及び非接触ICカードリーダライタ36が設けられている。
情報カードリーダライタ62及び非接触ICカードリーダライタ36の各々のアンテナは、制御基板66によって制御される。なお、制御基板66のブロック構成については後述する。
次に、筺体22の背面側に設けられた、端数用のパチンコ球を導入するための供給部70の詳細について説明する。図6は、サンド20の背面側を示す斜視図である。図6に示すように、サンド20の筺体22の背面側には、端数用のパチンコ球を外部から供給するための供給部70が設けられている。この供給部70においては、筺体22の背面部に形成された開口部に、外部からの導入路81を装着するための装着機構部75が設けられている。
装着機構部75は、導入路81の先端部に設けられた係合部82を装脱可能となっている。導入路81は、金属材料等により構成された筒状の部材であり、内部をパチンコ球が搬送されるようになっている。図7に示すように、導入路81の先端部に設けられた係合部82は、フレーム101に、パチンコ球を通過させるガイド部102と、ガイド部102の出口を開閉するための第2のシャッタを有する第2のシャッタ部104とを備える。
図8は、係合部82のサンド20への装着側を示す斜視図である。図8に示すように、フレーム101には、ガイド部102のパチンコ球の出口を開閉する第2のシャッタ部104が設けられている。この第2のシャッタ部104は、フレーム101に対して回動軸104Aを中心に回動可能に軸支されたアーム104Cの先端部を第2のシャッタ104Bとし、当該第2のシャッタ104Bが回動位置によってガイド部102のパチンコ球の供給口102Aを閉塞するようになっている。
第2のシャッタ104Bは、係合部82をサンド20の背面部に装着した際にガイド部102の供給口102Aを開くように回動する。この回動機構について説明する。第2のシャッタ104B(アーム104C)は、ばねによって常にガイド部102の供給口102Aを閉塞する状態に付勢されている。フレーム101には、前後移動可能なプッシュレバー105が設けられており、係合部82をサンド20の背面部に装着すると、係合部82の当接面82Aがサンド20の裏面部に当接し、プッシュレバー105の先端部105Aがサンド20の裏面部によって押圧される。これにより、プッシュレバー105は、矢印a方向(後方)に移動する。この移動に伴って、第2のシャッタ104Bが回動し、ガイド部102の供給口102Aが開放される。すなわち、第2のシャッタ104Bは、係合部82をサンド20の背面部に装着する動作に応じて、ガイド部102の供給口102Aを開放するように動作する。
これに対して、係合部82をサンド20の背面部から取り外すと、これに応じて、第2のシャッタ104Bがガイド部102の供給口102Aを閉塞するように動作する。これらにより、係合部82がサンド20から取り外されている状態においては、ガイド部102の供給口102Aから端数用として供給されるパチンコ球がこぼれ落ちない状態となる。
一方、サンド20の背面部には、第1のシャッタ部114が設けられている(図7)。図9に示すように、第1のシャッタ部114は、サンド20の筺体22(背面部)に対して回動軸114Aを中心に回動可能に軸支されたアーム114Cの先端に第1のシャッタ114Bを有しており、当該第1のシャッタ114Bが、回動位置によって、サンド20の背面部に設けられた開口部22Fを開閉する。
第1のシャッタ114Bの回動機構について説明する。第1のシャッタ114Bは、ばねによって、開口部22Fを閉塞する方向に付勢されている。他方の先端部には、斜めに傾斜した傾斜部114Dが形成されている。一方、係合部82のサンド20の背面部に当接される部位には、ガイド突起部82Bが形成されている。係合部82をサンド20の背面部に装着すると、ガイド突起部82Bがアーム114Cの傾斜部114Dを押し下げる。これにより、第1のシャッタ114Bは、ばねの付勢力に抗して開口部22Fを開く方向に回動する。このように、係合部82をサンド20の背面部に装着すると、第1のシャッタ114Bが開口部22Fを開放する。
このように、係合部82を装着していない状態においては、開口部22Fは、第1のシャッタ114Bによって閉塞され、係合部82を装着した場合には、開放されることにより、係合部82を装着していない状態において、開口部22F内に貯留された端数用のパチンコ球が開口部22Fから外部にごぼれ落ちることを防止することができる。
因みに、係合部82は、位置決め孔82C(図9)とサンド20の背面部に設けられた突起部22Gとを係合することで位置決めし、ねじ孔22Hにフレーム101の一部をねじ止めすることで、サンド20の背面部に固定することができる。
次に、開口部22Fに連通する端数用貯留部71(図3)について説明する。図10は、端数用貯留部71及びその周辺部のみを抽出して示す部分的斜視図である。図10に示すように、サンド20の内部には、開口部22F(図9)に連通して搬送路76が設けられており、この搬送路76の先には端数用貯留部71が設けられている。開口部22Fから供給された端数用のパチンコ球は、搬送路76を介して端数用貯留部71に貯留される。
端数用貯留部71では、開口部22Fを介して外部から供給されたパチンコ球を常に一定数貯留しており、制御基板66からのコマンドに応じた数のパチンコ球を端数用のパチンコ球として端数用払出口40から払い出す。
図11は、端数用貯留部71の内部構成を示す斜視図である。なお、図11は、端数用貯留部71のカバーを取り外した状態を示している。端数用貯留部71は、搬送路76を介して外部から供給されたパチンコ球を、屈曲形状の通路に1列に貯留するようになっている。この屈曲形状の通路は、カバー側に設けられている。
通路の下端部には、パチンコ球を検出するセンサ(磁気センサ、光センサ等)71Aが設けられている。このセンサ71Aは、パチンコ球を1つずつ通過させるための開口部が形成されており、この開口部を通過するパチンコ球を検出する。検出結果は、制御基板66に送出される。
センサ71Aの開口部には、パチンコ球を通過又は非通過とするための払出しアーム121が設けられている。この払出しアーム121は、回動軸121Aを中心に回動可能に軸支されており、ソレノイド222によって回動するようになっている。払出しアーム121の回動位置に応じて、当該払出しアーム121の先端部によって、センサ71Aの開口部を開放又は閉塞することにより、パチンコ球を通過又は非通過状態に制御することができる。センサ71Aを通過したパチンコ球は、払出路125を介して、端数用払出口40から払い出される。
図12は、端数用貯留部71を含む領域AR1と、払出路125を含む領域AR2を示す部分的側面図である。図12は、筺体22の側壁を省略し、内部構造を示している。図12に示すように、サンド20は、端数用貯留部71から上方の領域AR1と、払出路125及び計数部90を含む領域AR2とが分離された構成を有している。払出路125は、連結部125Aによって計数部90と一体化されている。この一体化された払出路125と計数部90とは、領域AR2を構成する筺体(図示せず)によって、1つのユニット130B(図2〜図4)を構成している。このユニット130Bは、当該ユニット130Bよりも上部の他の構成部からなるユニット130A(図2〜図4)に対して筺体を含めて別体となっており、前面側からユニット130Bを独立に抜き差しすることが可能となっている。
これにより、ユニット130Bのみを取り出して、計数部90のみを個別にメンテナンスすることが可能となっている。
前面側からユニット130Bを挿入した状態においては、端数用貯留部71のセンサ71Aの下方に設けられた貯留部出口71Bと、払出路125の上端部に設けられた払出路入口125Bとが連通することにより、センサ71Aを通過したパチンコ球は、貯留部出口71B及び払出路入口125Bを介して、払出路125に落下するようになっている。すなわち、ユニット130Bを挿入した状態においては、端数用貯留部71のセンサ71Aを通過したパチンコ球が、払出路125を介して端数用払出口40から払い出されるようになっている。
次に、計数部90について説明する。図12に示すように、計数部90は、計数用投入口39から投入されたパチンコ球を、筒状の搬送路91を通して排出部95から外部へ排出する。搬送路91の内部には、磁気センサ又は光センサ等で構成されたセンサ(図示せず)が設けられており、このセンサにより、搬送路91を転がるパチンコ球を検出し、検出結果を制御基板66へ送出する。制御基板66は、センサからの検出結果に基づいて、搬送路91を転がるパチンコ球の数を計数する。これにより、パチンコ機10の下皿13から案内皿14へ落下し、計数用投入口39へ導かれたパチンコ球の数を計数部90において計数することができる。
図13は、制御基板66、ビルバリ61、情報カードリーダライタ62、非接触ICカードリーダライタ36等を筺体22に設けると共に、計数部90については、筺体22とは別体で着脱可能に設けられる構成を示す略線図である。図13に示すように、サンド20は、制御基板66、ビルバリ61、情報カードリーダライタ62、非接触ICカードリーダライタ36等を筺体22の内部に設けて構成されており、計数部90は、筺体22の下部に設けられた空間に着脱可能にユニット化された構成を有している。
この計数部90においては、ユニット部の着脱装置634と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)624とを介して、計数部90を、筺体22の下部に設けられた筺体622に対して着脱可能となっている。計数部90を装着した際に、計数部90のコネクタ636と、筺体622側のコネクタ626とが接続されることにより、計数部90のセンサ等の部品が筺体22側の制御基板66に接続される。
このように、計数部90を筺体22とは別体にして前面側からスライドさせて着脱可能としたことにより、メンテナンス作業を容易に行うことができる。なお、本実施の形態においては、筺体622と筺体22を完全に別体としているが、筺体22の一部に計数部90を着脱可能な構成としてもよい。
また、上述の実施の形態においては、計数部90を有するユニット130Bを前方から抜き差しすることが可能な構成について述べたが、これに限られるものではなく、端数用貯留部71を有するユニット130Aを前方から抜き差しすることが可能な構成としてもよい。
図14は、他の実施の形態に係るサンド20の構成を示す略線図である。図14に示すように、他の実施の形態に係るサンド20において、その筐体は、ホールの島設備に組み付けられるフレーム652を備えている。フレーム652には、ユニット130Bを組み込むフレーム下部領域652Bと、ユニット130Aを組み込むフレーム上部領域652Aとが設けられている。
フレーム上部領域652Aには、ユニット130Aを前方から抜き差し可能とするガイド部(図示せず)が設けられており、ユニット130Aをガイド部に沿って前方からフレーム652へ挿入することにより、当該ユニット130Aをフレーム652に組み込むことができる。
このユニット130Aにおいては、当該ユニット130A側の着脱装置664とフレーム652側の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)654とを介して、ユニット130Aを、フレーム652のフレーム上部領域652Aに対して着脱可能となっている。ユニット130Aを装着した際に、ユニット130Aのコネクタ666と、フレーム652側のコネクタ656とが接続されることにより、ユニット130Aに設けられた各部(ビルバリ、情報カードリーダライタ、カメラ部、制御基板、操作ユニット、非接触ICカードリーダライタ等)がフレーム652に組み込まれた計数部90に接続される。
計数部90を有するユニット130Bは、フレーム652のフレーム下部領域652Bにねじ等を用いて固定されている。
ここで、ユニット130Aの下部には、当該ユニット130Aをユニット130Bに固定するための鍵670が設けられている。ユニット130Bがフレーム652のフレーム下部領域652Bに固定されている状態において、フレーム上部領域652Aにユニット130Aを挿入し、ロック機構部670をロックすることにより、ユニット130Aとユニット13Bとを一体に係合することができる。
図15は、図14のロック機構部670を前方から見た状態を示す正面図である。ロック機構部670は、例えば、図15に示すように、ユニット130Bの筺体に設けられており、外部から挿入される鍵を用いて回動することが可能な回動片671を有している。所定の鍵を鍵穴672に挿入して回動し、回動片671を回動させることにより、回動片671の回動位置に応じて、ユニット130Aを、ユニット130Bに対して、ロック状態又はロック解除状態とするようになっている。具体的には、ロック機構部670は、外部から鍵穴672に挿入された鍵により、回動片671をロック位置(図15において破線で示す)又はロック解除位置(図15において実線で示す)へ回動可能となっており、回動片671がロック位置まで回動した場合、当該回動片671は、ユニット130Aの筺体に形成された係合部131A(例えば溝状の部位)に係合され、この係合によって、フレーム上部領域652A(図14)に挿入されたユニット130Aが前方に引き抜かれないようにロックすることができる。ユニット130Bはねじ等によってフレーム652に固定されていることにより、ユニット130Aがユニット130Bにロックされた状態は、ユニット130Aがフレームから引き抜かれない状態にロックされた状態となる。
また、ロック機構部670の回動片671をロック解除位置へ回動させると、当該回動片671がユニット130Aの係合部から離間することにより、フレーム上部領域652Aに挿入されているユニット130Aのロックが解除され、当該ユニット130Aは、前方へ引き抜くことが可能な状態となる。
このように鍵を用いてロック機構部670を開錠又は施錠する構成を用いることにより、ユニット130Aが不正に取り外されることを防止することができる。また、ユニット130Aとユニット130Bとをロック機構部670によってロック状態又はロック解除状態とすることにより、ユニット130Aとユニット130Bとを必要に応じて分離可能とすることができる。ユニット130Aとユニット130Bとを分離可能とすることにより、故障個所がユニット130A又はユニット130Bのいずれかにある場合、これらを分離して故障個所のある側のみを交換することができる。これにより、余分な部品の交換が不要になる。また、ユニット130Aを前方から抜き差し可能な構成とすることにより、容易にユニット130Aの交換、修理を行うことができる。
なお、図14に示す構成において、ユニット130Bを交換、修理する場合、ユニット130Aをフレーム652から取り外した状態において、ユニット130Bをフレーム652に固定しているねじ等の固定手段を外すことにより、ユニット130Bをフレーム652から取り外すことができる。
図14に示した他の実施の形態に係るサンド20においては、ユニット130Aのみを前方から抜き差し可能とする構成について述べたが、これに限られるものではなく、ユニット130A及び130Bをそれぞれ個別に前方から抜き差し可能とするようにしてもよい。
すなわち、図16に示すように、ユニット130Aとユニット130Bとを分離可能とし、それぞれをフレーム652に対して、前方から個別に抜き差し可能とする構成とする。フレーム652には、ユニット130Aを前方から抜き差し可能とするガイド部(図示ぜず)と、ユニット130Bを前方から抜き差し可能とするガイド部(図示せず)がそれぞれ設けられている。図16において、ユニット130Aの上部には、フレーム652に対してユニット130Aをロック状態又はロック解除状態とすることが可能なロック機構部680が設けられたおり、ユニット130Aを前方からフレームに挿入した状態で、当該ロック機構部680に所定の鍵を差し込んで施錠することにより、ユニット130Aをフレームに対してロックすることができる。このロック機構部680は、図15に示したロック機構部670と同様の構成を有し、その回動片を回動させてフレーム652の一部に形成された係合部(例えば溝状の部位)に係合させることにより、ユニット130Aをフレーム652に対してロック状態とすることができる。
また、ユニット130Aの下部にもロック機構部670が設けられている。このロック機構部670は、図14について上述したロック機構部670と同一のものである。このロック機構部670によって、ユニット130Aとユニット130Bとを係合状態とする共に、必要に応じてこれらを分離可能とすることができる。
具体的には、ユニット130Aは、その上部に設けられたロック機構部680ををロック状態とすることにより、当該ユニット130Aをフレームに固定すると共に、下部のロック機構部670をロック状態とすることにより、当該ユニット130Aとユニット130Bとを互いに係合状態にロックすることができる。
ユニット130Aを取り外す場合、上部のロック機構部680を開錠することにより、ユニット130Aのフレームに対するロックを解除すると共に、下部のロック機構部670を開錠することにより、ユニット130Aとユニット130Bとの係合状態を解除して、これらを分離状態とする。これにより、ユニット130Aを前方に引き出すことができる。
また、図16の構成において、ユニット130Bは、前方からフレーム652に対して抜き差しすることができるようになされており、ユニット130A及びユニット130Bをフレーム652に差し込んだ状態において、ユニット130Bの上部に設けられたロック機構部670(すなわち、ユニット130Aの下部に設けられたロック機構部)を施錠することにより、ユニット130Bをユニット130Aに対してロック状態とすることができる。ユニット130Bを交換、修理する場合、ユニット130Bの上部に設けられたロック機構部670を開錠してロック解除状態とすることにより、ユニット130Bとユニット130Aとの係合状態を解除し、ユニット130Bをフレームから前方に引き出す。これにより、ユニット130Bをユニット130Aから分離して、当該ユニット130Bのみを取り外すことができる。なお、下側のユニット130Bのみを取り外した場合、上側のユニット130Aは、フレーム652に吊下された状態となる。
このように、ユニット130Aとユニット130Bとの間をロック機構部670によってロック状態又はロック解除状態とすることにより、ユニット130Aとユニット130Bとを必要に応じて分離可能とすることができる。ユニット130Aとユニット130Bとを分離可能としたことにより、故障個所がユニット130A又はユニット130Bのいずれかにある場合、これらを分離して故障個所のある側のみを交換することができる。特に、図16に示す構成の場合、ユニット130Bも前方から抜き差し可能となっていることにより、ユニット130Bに故障箇所がある場合においても、ユニット130Bのみをフレーム652から容易に取り外してその修理、交換を行うことができる。
なお、上述の各実施の形態(図13、図14及び図16)においては、図11及び図12に示したように、排出路125及び端数用払出口40が連結部125Aによってユニット130B側の計数部90側に固定されている構成(すなわち、排出路125及び端数用払出口40がユニット130Bに設けられている構成)について述べたが、これに限られるものではなく、排出路125及び端数用払出口40をユニット130A側に設けるようにしてもよい。この場合、排出路125の上部に設けられたパチンコ球を導入するための開口部を、ユニット130Aの下端部(例えば、端数用貯留部71の下端部)に固定する。これにより、排出路125及び端数用払出口40は、ユニット130A側に設けられる。このような構成とすることにより、端数用の払い出しに関する構成(供給部70、搬送路76、端数用貯留部71等)と、計数用の構成(計数部90等)を別体のユニットで構成することが可能となる。すなわち、パチンコ球について、端数の払い出しに関する一連の機能を有する構成(ユニット130A)と、計数に関する機能を有する構成(ユニット130B)とを別体とすることにより、機能ごとに修理、交換を行うことが可能となり、一段とメンテナンスを行い易くすることができる。
図17は、サンド20の制御基板66及び当該制御基板66によって制御される構成部品を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)221は、ROM(read only memory)222に格納された制御部ログラムを読み出してパチンコ球の計数及びその他の処理を実行するようになされている。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)223に格納される。
メインCPU221は、情報カードリーダライタ62を介して情報カードから読み取った金額データを残高データとしてRAM223に格納する。メインCPU221は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のパチンコ球を払い出すためのコマンドを、I/O基板67を介してパチンコ機10に送出する。パチンコ機10では、サンド20から送出されたコマンドに基づいて、パチンコ球を上皿12に払い出す。この場合、メインCPU221は、残高データから払い出されたパチンコ球分の金額を減算することにより、残高データを更新する。
操作ユニット34には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU221は、情報カードリーダライタ62に挿入されている情報カードをカード挿入口32から返却する。
また、メインCPU221は、紙幣識別装置(ビルバリ)61から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM223に格納する。メインCPU221は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のパチンコ球を払い出す旨のコマンドをパチンコ機10に送出すると共に、残高データから払い出されたパチンコ球分の金額を減算することにより、残高データを更新する。
また、メインCPU221は、カメラ部35の赤外LED基板35Aを監視用投光器として用い、赤外LED基板35Aの赤外LEDからの赤外光を遊技者で反射させ、これをCMOSカメラ35Bにおいて撮像する。メインCPU221は、CMOSカメラ35Bにおいて撮像された画像をROM222に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口32から挿入された情報カードの金額データに残高がある場合、又は紙幣挿入口33から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU221は、スピーカ181を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
また、メインCPU221は、非接触ICカードリーダライタ36を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU221は、非接触ICカードリーダライタ36を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のパチンコ球を払い出す旨のコマンドをパチンコ機10に送出すると共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
なお、非接触ICカードに代えて、同様の機能を備えた携帯電話機を用いるようにすることもできる。この場合、携帯電話機において、非接触ICカードリーダライタ36との間で通信を行うための機能を備える。この機能としては、例えば、非接触ICカード(例えば、フェリカ:フェリカはソニー社の登録商標)機能等が挙げられる。この携帯電話機には、非接触ICカードと同様にして、サンド20の非接触ICカードリーダライタ36との間で通信を行うための、近距離通信部として、非接触ICカード用チップやアンテナを備える。係る携帯電話機は、非接触ICカードの場合と同様にして、予めty会員登録を行い、その登録内容(会員情報、使用可能な金額データ等)を非接触ICカードリーダライト36との間で送受信することにより、必要な数のパチンコ球の払い出しを受けることができる。
また、メインCPU221は、I/O基板67を介して、パチンコ機、ホールコンピュータ又は金融サーバ(後述)との間で通信を行うようになっている。
また、メインCPU221は、駆動回路231を介してソレノイド122を動作させることにより、端数用貯留部71から端数用のパチンコ球を払い出すことができる。また、メインCPU221は、センサ71Aから出力されるパチンコ球の検出結果に基づいて、端数用貯留部71から払い出されるパチンコ球の数を検知することができる。これらにより、メインCPU221は、端数用貯留部71から所定数のパチンコ球を払い出すことができる。
また、メインCPU221は、計数部90に設けられたセンサ91Aから出力されるパチンコ球の検出結果に基づいて、計数部90において通過したパチンコ球の数を計数することができる。
また、メインCPU221は、駆動回路233を介して、スピーカ181から音声や効果音を出力することができる。
次に、パチンコ機10の回路構成について説明する。図18は、パチンコ機10の回路構成を示すブロック図である。図18に示すように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路10Aと、演出制御手段としての副制御回路10Bとから構成される。主制御回路10Aは、遊技全般の制御を行うものであり、副制御回路10Bは、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものに位置付けられている。
センサ群10Cは、入賞球センサや各部の球通過センサなどからなり、主制御回路10Aは、センサからの検出結果に基づいて、入賞などを判断し、遊技を進める。また、表示手段10Dは、スピーカ、装飾ランプ、液晶表示装置などを含み、遊技の進行に応じて副制御回路10Bから出力される演出用の駆動信号に基づいて動作する。
払出・発射部10Eは、主制御回路10Aからの制御信号により、パチンコ球の払出しや遊技盤への発射を行う。すなわち、遊技の進行に応じた数のパチンコ球が払出・発射部10Eによって払い出される。
主制御回路10Aには、インターフェイス(IF)10Fを介してサンド20及びコールコンピュータが接続されている。主制御回路10Aは、サンド20からの払出し要求に応じて、払出・発射部10Eを制御することにより、上皿12にパチンコ球の払出しを行う。これにより、サンド20からの払出し要求に応じた数のパチンコ球が払い出される。例えば、サンド20において受け付けた紙幣や情報カードの金額に応じたパチンコ球の貸出しが、主制御回路10Aからの指示により、払出・発射部10Eにおいて実行される。
次に、金融サーバについて説明する。図19は、サンド20が設置された遊技店と金融サーバ300とを示す略線的ブロック図である。図19に示すように、サンド20は、パチンコ機10及び遊技店に設置されたホールコンピュータ500に接続されていると共に、通信網200を介して外部の金融サーバ300にも接続されている。
サンド20は、ホールコンピュータ500との間では、遊技に関する情報、ホールが遊技者(情報カードや非接触ICカードの所有者)に対して貸し出したパチンコ球(遊技媒体)の数に関する情報、遊技者がサンド20を介してパチンコ球を計数した結果に関する情報等を送受信する。
また、サンド20は、ホールコンピュータ500との間の通信路とは異なる通信路(通信網200)を介して、外部の金融サーバ300との間で、遊技者のクレジット情報等を送受信する。図20は、サンド20の制御基板66及びI/O基板67を示すブロック図である。図20に示すように、I/O基板67と制御基板66とは、コネクタを介して直接接続されており、I/O基板67はホールコンピュータ500と接続され、制御基板66は、インターフェイス68及び外部の通信網200を介して、金融サーバ300と接続されている。
制御基板66のメインCPU221は、ホールコンピュータ500との間での通信は、I/O基板67を介して行う共に、金融サーバ300との間の通信は、I/O基板67を介さずに(すなわち、ホールコンピュータ500を介さずに)、直接行う。これにより、例えば、遊技者の暗証番号といった決済情報は、サンド20から直接金融サーバ300に送信されることにより、情報のセキュリティを向上させることができる。
図21は、メインCPU221による遊技媒体の貸出処理手順を示すフローチャートである。この処理は、メインCPU221によって常時実行されている。図21に示すように、メインCPU221は、ステップS11において、計数済のパチンコ球数に基づく払出指示があったか否かを判断する。この処理は、前回までの貸出処理において、ステップS20(後述)で計数されRAM223に記憶されたパチンコ球数について、当該数の払出しを行う指示が操作ユニット34を介して入力されたか否かを判断する処理である。
因みに、図22は、ステップS11において操作ユニット34のタッチパネルLCDに表示される選択用の表示内容を示す平面図である。図22に示すように、操作ユニット34のタッチパネルLCDには、計数済のパチンコ球数に基づく払出指示を選択するためのアイコンA11と、現金(価値媒体)に基づく払出指示を選択するためのアイコンA12が表示される。遊技者はこれらのアイコンのいずれかを押圧操作することにより、いずれかを指定することができる。
計数済のパチンコ球数に基づく払出指示があった場合、メインCPU221は、図21のステップS11からステップS12に処理を移して、パチンコ機10にパチンコ球の払出しを指示するコマンドを送信することにより、パチンコ機10において、計数済のパチンコ球数と同数のパチンコ球をパチンコ機10の上皿12に払い出すように制御する。なお、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、払出数を指定した場合、RAM223に記憶されているパチンコ球数の範囲で指定された数のパチンコ球を払い出すようにしてもよい。
これに対して、ステップS11において計数済のパチンコ球数に基づく払出指定がなかった場合、メインCPU221は、ステップS11からステップS13に処理を移して、価値媒体の投入があったか否かを判断する。価値媒体とは、カード挿入口32に挿入される情報カード、紙幣挿入口33に挿入される紙幣、又は非接触ICカードリーダライタ36にかざされる非接触ICカードを意味する。情報カードがカード挿入口32に挿入されると、情報カードリーダライタ62によって情報カードから金額データが読み出される。紙幣が紙幣挿入口33に挿入されると、紙幣識別装置(ビルバリ)61によって紙幣の金額が識別される。また、非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードがかざされると、非接触ICカードリーダライタ36によって非接触ICカードの金額データが読み取られる。これらの読み取られた金額データは、RAM223に記憶される。
価値媒体が挿入された場合、メインCPU221は、ステップS13において肯定結果を得ることにより、ステップS13からステップS14へ処理を移して、払出しに係る金額の指定があったか否かを判断する。ここで否定結果が得られると、このことは、遊技者が操作ユニット34を介して払い出すパチンコ球の金額を指定していないこと(すなわち、金額データ全額分の払出しを指定したこと)を意味している。ここで、情報カード又は紙幣が挿入されている場合には、情報カード又は紙幣を挿入した後に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額を指定することができ、また、非接触ICカードをかざして金額データを読み取らせる場合には、非接触ICカードをかざす前に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額データを指定することができる。情報カード又は紙幣が挿入された場合にあっては、メインCPU221は、読み取った金額データを一旦RAM223に格納した後、遊技者によって指定された金額がRAM223に格納された金額の範囲内である場合には、RAM223の金額データを指定された金額データに書き換える。
一方、非接触ICカードがかざされる場合、先に金額が指定されることにより、メインCPU221は、指定された金額データをRAM223に設定し、その後非接触ICカードがかざされて当該非接触ICカードとの間で通信を行う際に、RAM223に設定されている金額が非接触ICカードに格納されているか否かを判断し、格納されている場合には、非接触ICカードに格納されている金額から、RAM223に設定された金額を減算することにより、非接触ICカードの金額を書き換える。これに対して、非接触ICカードに格納されている金額が、RAM223に設定された金額に満たない場合、メインCPU221は、非接触ICカードの金額データを書き換えず、操作ユニット34にエラー表示を行うことにより、払出処理を中止する。
このような処理がステップS14において実行されることにより、RAM223には、実際に価値媒体から引き出された金額分のデータが記憶されることになる。因みに、RAM223において、既に残高データがある場合(過去の計数結果や前回の価値媒体の挿入時の残高)、メインCPU221は、これらの残高データに、価値媒体から引き出された金額分のデータを加算することになる。
そして、メインCPU221は、金額指定が有った場合には、ステップS14からステップS15へ処理を映して、パチンコ機10にコマンドを送信することにより、指定金額分のパチンコ球を、パチンコ機10においてその上皿12に払い出すように制御する。払い出された金額データは、RAM223の特定の領域に払出履歴データとして残される。そして、メインCPU221は、ステップS19へ処理を映す。
これに対して、金額指定がなかった場合、メインCPU221は、ステップS14からステップS16へ処理を映して、挿入された全金額分のパチンコ球をパチンコ機10を介して払い出す。払い出された金額データは、RAM223の特定の領域に払出履歴データとして残される。そして、メインCPU221は、ステップS17へ処理を映す。
なお、遊技者が価値媒体を投入しなかった場合、メインCPU221は、上述のステップS13において否定結果を得ることにより、ステップS13からステップS19へ処理を映す。以上により、パチンコ球の払出(貸出)処理は終了する。
ここで、ステップS12、ステップS15又はステップS16におけるパチンコ球の払出し処理について説明する。これらのステップにおける払出処理は、いずれも同様の処理手順となる。図23は、払出処理の処理手順を示すフローチャートである。サンド20のメインCPU221は、図21のステップS12、ステップS15又はステップS16に処理を移すと、図23に示す払出処理を実行し、ステップS31において、払出し球数を判断する。具体的には、遊技者により指定された金額分のパチンコ球の貸出し数(払出し数)を判断する。
そして、メインCPU221は、ステップS32に処理を移して、判断された払出し数に端数が有るか否かを判断する。端数とは、パチンコ機10において1回の払出し数として決められている数(例えば、25球)で割り切れない場合の端数を意味する。
端数が有る場合、メインCPU221は、ステップS32において肯定結果を得ることにより、ステップS33へ処理を移して、端数分を端数用貯留部71から払い出す。具体的には、端数用貯留部71のソレノイド122を駆動させることにより、端数分のパチンコ球を、端数用払出口40から払い出す。
ステップS33において端数分を払い出した後、又は、ステップS32において端数がないと判断された場合(NO)、メインCPU221は、ステップS34において、パチンコ機10へ払出しコマンドを送信する。この払出しコマンドにより指定される球数は、パチンコ機10において1回に払い出される数(例えば、25球)で割り切れる数である。
このコマンドを受信したパチンコ機10では、指定された数のパチンコ球を上皿12へ払い出すことになる。
このように、端数がある場合には、端数分を端数用貯留部71から払い出し、パチンコ機10において1回の払出しで払い出すことのできる数(例えば、25球)で割り切れる数のパチンコ球がパチンコ機10において払い出される。
メインCPU221は、ステップS34の処理の後、図21の処理ルーチン(ステップS19)へ処理を移す。
図21のステップS19において、メインCPU221は、計数部90にパチンコ球が投入されたか否かを判断する。この判断は、計数部90に設けられた計数センサによってパチンコ球が検出されたか否かによって判断される。
パチンコ球が検出された場合、メインCPU221は、ステップS19からステップS20へ処理を移し、計数部90のセンサによって検出されるパチンコ球の数を計数する。そして、メインCPU221は、ステップS21において、計数結果(計数されたパチンコ球数)をRAM223に記憶する。
以上の処理手順により、パチンコ球の計数処理は終了する。次に、メインCPU221は、ステップS22において、離席警告処理を実行する。図24は、離席警告処理手順を示すフローチャートである。メインCPU221は、ステップS41において、カメラ部35による撮像結果を分析し、続くステップS42において、遊技者が離籍したか否かを判断する。遊技者が離席した場合、メインCPU221は、ステップS42からステップS43へ処理を移して、情報カード又は現金(金額データ)が残っているか否かを判断する。情報カード又は現金(金額データ)が残っている状態とは、RAM223に記憶されている金額データに残高が残っている状態を意味する。
金額データが残っている場合、メインCPU221は、ステップS43からステップS44へ処理を移して、駆動回路133によりスピーカ181から警告音や警告音声を発生させ、当該離席警告処理を終了する。これにより、残高が残っているにも関わらず遊技者が離席した場合には、遊技者に注意を促すことができる。
また、メインCPU221は、ステップS42において遊技者が離席していないと判断した場合又はステップS43において残高が残っていないと判断した場合、当該離席警告処理を終了し、図21の処理ルーチン(ステップS23)へ処理を移す。
図21のステップS23において、メインCPU221は、RAM223に記憶されている残高を、このとき挿入されている情報カード又は非接触ICカードに書き込む指示があったか否かを判断する。この処理は、操作ユニット34に書込みを指示するためのアイコンを表示し、このアイコンが押圧操作されたか否かによって判断する処理である。
書込み指示があった場合、メインCPU221は、ステップS23からステップS24へ処理を移して、カード挿入口32に情報カードが挿入されている場合には、当該情報カードにRAM223の残高データを書き込んで情報カードの残高データに加算することにより、情報カードの残高データを更新させる。また、情報カードが挿入されていない場合、メインCPU221は、操作ユニット34に情報カードを挿入するか又は非接触ICカードをかざすことを促す表示を行う。遊技者がカード挿入口32に情報カードを挿入したか、又は非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードをかざした場合、メインCPU221は、これらのカードに残高データを書き込む。メインCPU221は、ステップS24の処理の後、又はステップS23において書込み指示がなかったと判断した場合、上述のステップS11に戻って、同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、メインCPU221は、貸出処理(図21)、払出処理(図23)及び離席警告処理(図24)を実行することにより、サンド20においてパチンコ球の貸出(払出)やパチンコ球の計数を行うことができる。
パチンコ球の貸出処理においては、サンド20において計数された結果を用いたパチンコ球の貸出を行うことにより、遊技者は、パチンコ機10から払い出されたパチンコ球を、パチンコ機10から離れたホールの計数装置へパチンコ球を運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、情報カードや非接触ICカードに計数結果を書き込むことができる。また、計数された結果に基づいてパチンコ球の払出を受けることにより、パチンコ機10から離れたホールの計数装置へパチンコ球を運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、払い出されたパチンコ球数に応じた再遊技を行うことができる。
また、残高があるにも関わらず、遊技者が離席しようとした場合には、サンド20に設けられたスピーカ181から出力される警告音により遊技者に注意を促すことができる。
また、遊技者は、残高データを情報カードや非接触ICカードに書き込むこと又は再遊技のためのパチンコ球払出しに利用することができることにより、パチンコ球収納箱をホールの計数装置へ運ぶといった遊技者やホールスタッフの手間を軽減することができる。
また、遊技者は、投入された価値媒体に基づくパチンコ球の払出し、又は計数結果に基づくパチンコ球の払出しを選択することができることにより、例えば、計数したパチンコ球のデータはそのまま残して、これに価値媒体から引き出した金額データを加算して使用するといった柔軟な利用方法を選択することが可能となる。
次に、金融サーバ300との情報の送受信について説明する。図25は、サンド20(メインCPU221)と金融サーバ300との間の情報のやり取りを示すタイミングチャートである。
図25に示すように、サンド20において、遊技者が情報カードとしてクレジットカードをカード挿入口32から挿入すると共に、操作ユニット34を操作して、クレジットカードを利用したパチンコ球の貸出しを要求する操作を行うと、制御基板66のメインCPU221は、情報カードリーダライタ62を介してクレジットカードからカード情報を読み取ると共に、操作ユニット34の表示により、遊技者に対して、暗証番号の入力を促す。
遊技者が操作ユニット34を操作して暗証番号を入力すると、メインCPU221は、カード情報及び暗証番号を金融サーバ300へ送信する(ステップS101)。金融サーバ300は、送信されたカード情報及び暗証番号に基づいて、認証処理を行う(ステップS102)。認証処理の結果、正規のユーザであることが認証されると、金融サーバ300は、認証完了(認証OK)の情報をサンド20に送信する(ステップS103)。
認証完了の情報を受け取ったサンド20のメインCPU221は、操作ユニット34の表示により遊技者に対して認証が完了した旨を伝えると共に、必要な金額(パチンコ球の球数)の入力を促す。この場合、予め決められた数単位での入力を促すことになる。
遊技者が操作ユニット34を操作して、金額(球数)を指定すると、メインCPU221は、指定された金額(球数を指定した場合には、当該球数に応じた金額)の振込を要求する振込要求を金融サーバ300に送信する(ステップS104)。
金融サーバ300は、サンド20から受け取った振込要求に応じて、指定された金額を、遊技者の指定の口座から遊技店の口座へ振り込む(ステップS105)。この振込処理が完了すると、金融サーバ300は、振込完了情報を、サンド20へ送信すると共に(ステップS106)、ホールコンピュータ500へ送信する(ステップS107)。
サンド20のメインCPU221は、金融サーバ300からの振込完了情報に基づいて、パチンコ機10にパチンコ球の払出しを指示するコマンドを送信する。パチンコ機10は、このコマンドに基づいて、指定された数のパチンコ球を上皿12へ払い出す。これにより、遊技者がクレジットカードを利用してパチンコ球の貸出しを受けることができる。なお、ホールコンピュータ500は、金融サーバ300からの振込完了情報に基づいて、該当するサンド20及びパチンコ機10に関する履歴情報を更新する。
このように、本実施の形態においては、サンド20からホールコンピュータ500及び金融サーバ300に対する通信を個別に行うことにより、遊技者のクレジットカードに関する情報をホールコンピュータ500を介さずに直接金融サーバ300に送信することができ、セキュリティを一段と高めることが可能となる。
(決済システム)
図26は、他の実施の形態に係る、決算システムの構成を示すネットワーク図である。この図に示す例においては、決済システム700は、管理サーバ1010と、遊技者が個人で使用する携帯電話機1000と、サンド20と、ホールコンピュータ(預かり装置)500を有している。また、決済システム700は、金融機関システム800、クレジットカードシステム900に通信可能に接続されている。
管理サーバ1010は、通信網200を介して、携帯電話機1000、ホールコンピュータ500及び金融機関システム800、クレジットカードシステム900に接続されている。
管理サーバ1010は、通信網1050に接続されており、ホールコンピュータ500と通信網1050を介して通信可能となっている。携帯電話機1000は、基地局(BS)1060、移動体通信網1070及び移動体通信網1070と通信網1050とを接続するゲートウエイ1080とを介して管理サーバ1010、ホールコンピュータ500、金融機関システム800と通信可能であると共に、携帯電話機1000が備えている近距離通信手段(例えば、非接触ICカード及びそのリーダライタ)によりサンド20と通信可能である。
金融機関システム800は、以下の口座の入出金を電子的に行うことができるシステムである。決済システム700が利用する金融機関システム800は、遊技者であって、本電子決済を用いて支払いを行う者(以下、単に遊技者と呼ぶ)の口座(以下、遊技者の銀行口座と呼ぶ)、決済システム700の運営、管理を直接又は間接に行い、決済システム700の運営の対価、代価、手数料等を受け取る者(以下、決済事業者と呼ぶ)の口座(以下、決済事業者口座と呼ぶ)、及びパチンコ球を遊技者に提供する者であって、本決済システム700を用いて遊技者からの支払いを受け取る者(以下、遊技場事業者と呼ぶ)の口座(以下、遊技場事業者口座と呼ぶ)を有する。これらの遊技者の銀行口座、決済事業者口座、遊技場事業者口座は、同一の金融機関システム800に設けられていてもよいし、互いに別の金融機関システム800に設けられていてもよい。図26では、これらの口座が同一の金融機関システム800に設けられているものとして示したが、このような態様に限定されるものではない。
クレジットカードシステム900は、クレジットカードを利用した各種決済、支払いを電子的に行うシステムであって、例えば、交通系の電子マネーであるSuica(東日本旅客鉄道株式会社の登録商標)システムにおいて、電子マネーが予め設定した金額以下になると、予め登録しておいた金額を、クレジットカード決済を利用して自動的に電子マネーに入金する「Suicaオートチャージ・サービス」が存在する。また、利用者が自ら操作する方法として、前記電子マネーであるSuicaの場合、携帯電話機の専用のメニューから、指定した金額をクレジット決済にて、電子マネーに入金が可能である。これらの従来の方法は、電子マネーに対する入金が可能となる方法であるが、本実施の形態において説明する決済システム700では、銀行口座に対するクレジットカード決済を利用した、自動的またはワンタッチによる入金方法を用いている。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、「クレジットカードシステム」としたが、電子マネーの補充を行うための金銭を融通できるシステムであれば、クレジットカードに係るシステムに限られない。
決済システム700において用いられる携帯電話機1000は、非接触ICカード機能を備え、サンド20の非接触ICカードリーダライタ36との間で非接触の近接通信を行うことができるものである。
図27を参照しながら、サンド20の決済システム700において使用される機能ブロックについて説明する。サンド20は、ユーザ(遊技者)が携帯電話機1000を用いて電子決済を行った対価として、パチンコ球等の遊技媒体(有価価値:金銭と交換して購入できる有体物、無体物をいう)をユーザに提供する装置である。
図27は、サンド20及び携帯電話機1000の構成例を示す機能ブロック図である。サンド20は、ネットワーク通信処理部1301と、提供制御部1302と、提供装置側近距離通信部1303と、有価価値供給部1304と、遊技履歴処理部305とを有している。
ネットワーク通信処理部1301は、ホールコンピュータ500と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボード等である。なお、サンド20は、ホールコンピュータ500に対して複数台接続されていてもよく、サンド20とホールコンピュータ500とはLAN等の通信網やその他の通信手段によって接続されている。本実施の形態のネットワーク通信処理部1301は、図17に示したサンド20の制御基板66において、メインCPU221、I/O67等がこれに該当する。
提供制御部1302は、ネットワーク通信処理部1301、提供装置側近距離通信部1303、有価価値供給部1304の動作を命令・制御する機能を有し、例えばサンド20を実現するためのプログラムを搭載したマイクロコンピュータである。本実施の形態の提供制御部1302は、図17に示したサンド20の制御基板66において、メインCPU221及び当該プログラムを記憶したROM222がこれに該当する。
提供装置側近距離通信部1303は、携帯電話機1000に搭載されている端末側近距離通信部1201と通信を行う機能を有し、本実施の形態の場合、図17に示したサンド20の制御基板66に接続される非接触ICカードリーダライタ36がこれに相当する。なお、提供装置側近距離通信部1303が用いる通信方式は、無線に限られるものではなく、赤外線通信であってもよい。また、必ずしも非接触の通信方式でなくともよく、通信ケーブルやUSBソケットにより接続して通信する方式を採用してもよい。
有価価値供給部1304は、提供制御部1302の命令に応じて、有価価値(パチンコ球)を遊技者に提供するための機能を有する。本実施の形態の有価価値供給部1304は、図17に示したサンド20の制御基板66において、パチンコ機10にパチンコ球の払出しを要求する機能を実行するためのプログラムが記憶されたROM222及びこの機能を実行するメインCPU221及びI/O67がこれに相当する。
遊技履歴処理部1305は、遊技者によるサンド20の使用に基づいて、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データを生成して、ネットワーク通信処理部1301を介してホールコンピュータ500又は管理サーバ1010に送信する機能を有する。本実施の形態の場合、図17に示したサンド20の制御基板66において、メインCPU221、当該機能を実行するためのプログラムを記憶したROM222及び生成した遊技履歴データを記憶するRAM223がこれに該当する。
例えば、遊技者がサンド20が付設されたパチンコ機10で遊技を行うために、サンド20と、携帯電話機1000とにより、決済システム700による決済によりパチンコ球の球貸しを受ける。遊技履歴処理部1305は、どの遊技者がどのパチンコ機10をいつ遊技したのか、どれだけの金額を遊技したのか、等のデータである遊技履歴データを提供制御部1302の動作状況及びパチンコ機10の動作状況により生成し、これを、遊技履歴データを管理するサーバに送信する。遊技履歴データは、全てのサンド20が使用されるごとに、サーバに送られ蓄積される。
この遊技履歴データを解析したり、データマイニングの手法等により分析したりすることにより、遊技者の行動傾向、パチンコ機10の人気傾向、時間帯別利用傾向等が明らかになり、その結果店舗経営や遊技機開発等の資料となる有用な情報を取得できる。
なお、本実施の形態においては、遊技履歴データを管理するサーバとして、管理サーバ1010を用いる構成とするが、遊技履歴データを管理するサーバは、管理サーバ1010とは別のサーバ装置として本決済システム700に組み込まれるようにしてもよい。
次に、図27を参照しながら、携帯電話機1000について説明する。携帯電話機1000は、管理サーバ1010と通信網1050を介して通信可能であると共に、近距離通信手段を用いてサンド20とも通信可能な端末装置である。また、携帯電話機1000は、通信網1050を介してホールコンピュータ500と通信可能であってもよい。
携帯電話機1000は、例えば、非接触ICカード(例えば、フェリカ:ソニー社の登録商標)機能を有する。なお、本実施の形態においては、携帯電話機1000を用いるが、これに限られるものではなく、近距離通信手段及び無線通信手段を搭載したPDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機、無線LANを搭載したIP電話機等を用いるようにしてもよい。
携帯電話機1000は、サンド20と通信を行うための端末側近距離通信部1201と、支払要求生成部1202と、無線通信部1203と、入力部1204と、出力部1205と、ユーザ(遊技者)情報記憶部1206と、振込み要求生成部1207とを有している。
端末側近距離通信部1201は、サンド20のICカードリーダライタ36と通信を行う機能を有し、例えば、非接触ICカード用チップ及びアンテナを備える。
支払要求生成部1202は、サンド20にパチンコ球を提供してもらえるように、遊技者が受け取りパチンコ球の対価(代金)の支払、決済をホールコンピュータ500に要求する支払要求メッセージを生成する機能を有し、例えば、iアプリ(NTTドコモ社の登録商標)を搭載したマイクロコンピュータである。
無線通信部1203は、携帯電話機1000がベースステーション(BS)1060を介して移動体通信網1070に接続し、移動体通信網1070を介した通信を実行する機能を有し、例えば、変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網1070は、一般的な携帯電話機の通信網であっても、WIMAXや無線LANの通信網であってもよい。
入力部1204は、支払要求生成部1202、振込み要求生成部1207等に遊技者の指示を電気信号に代えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機1000のキー、タッチペンとタッチパネル、ポインティングデバイスである。
出力部1205は、携帯電話機1000が遊技者(ユーザ)に情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機1000の液晶パネル、音声出力装置(スピーカ等)、あるいは小型プリンタ等である。
ユーザ情報記憶部1206は、遊技者(ユーザ)の支払又は決済に要する情報を記憶する機能を有する。図28は、ユーザ情報記憶部1206が記憶する情報の一例を示す。この例では、ユーザ情報記憶部1206は、その携帯電話機1000の使用者として登録された遊技者を一意に特定する情報であるユーザID1208と、管理サーバ1010及び/又はホールコンピュータ500が遊技者の本人認証を行うためのパスワード1209と、遊技者が支払代金を引き出す、遊技者の銀行口座に相当するユーザ口座を特定する情報である銀行番号1210、支店番号1211、口座番号1212及びその口座に設定された暗証番号1213を記憶する。
これらの情報は、遊技者が携帯電話機1000に支払要求生成部1202及び振込み要求生成部1207として機能させるアプリケーションのインストール時、又は本決済システム700のサービスを受けるためのユーザ登録時等に遊技者により入力されればよい。例えば、携帯電話機1000において、起動したアプリケーションは、遊技者に入力部1204からこれら情報を入力することを要求し、入力された情報1208〜1213は、ユーザ情報記憶部1206に記憶される。これらの情報1208〜1213は、ユーザ口座から決済事業者口座へのデポジットの振込み要求のための振込み要求メッセージを生成するときに使用され、振込み要求メッセージの一部として管理サーバ1010に送信されることになる。
これにより、遊技者は、クレジットカードや銀行デビットカードを持ち歩く必要が無く、さらに決済時に必要な個人情報や口座情報、暗証番号等を、自身が所有する携帯電話機1000にのみ入力してあることから、情報漏えいの可能性が低くなる。
なお、ユーザID1208は、管理サーバ1010が自動的に割り当てる識別番号でもよいし、携帯電話機1000が有する識別情報、例えばフェリカID(フェリカは、ソニー社の登録商標)、個体識別番号(FOMAカード識別情報を含む(FOMAは、NTTドコモ社の登録商標))であってもよい。
次に、管理サーバ1010について説明する。図26に示すように、決済システム700は、その中核となる構成要素として管理サーバ1010を有している。管理サーバ1010は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合は、ハードディスク装置等の外部記憶装置を有する装置であって、例えば、コンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置である。ROM又はハードディスク装置等に情報処理装置を管理サーバ1010として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより管理サーバ1010が実現され、又は電子決済方法が実行される。
また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)のサーバ等)から提供され、これを主メモリに載せる構成としてもよい。さらに、この管理サーバ1010は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものであってもよい。管理サーバ1010は、一か所に全ての機能を集約したセンター構成であってもよいし、また、機能ごとに分割し、分散処理可能な分散サーバ構成であってもよい。
図29を参照しながら、管理サーバ1010について説明する。図29は、管理サーバ1010の構成例を示す機能ブロック図である。図29に示す管理サーバ1010は、ネットワーク通信処理部1401と、支払要求処理部1402と、データベース部1403と、振込み要求処理部1404と、精算処理部1405と、遊技情報更新部1406とを有している。なお、これら各部は、プログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPU等によって実現される構成要素である。
ネットワーク通信処理部1401は、通信網1050を介して携帯電話機1000、ホールコンピュータ500、金融機関システム800及びクレジットカードシステム900と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを実行するための通信ボードである。
データベース部1403は、本決済システム700に登録した各ユーザ(遊技者)の保有金額データ1700、遊技場事業者の保有金額データ1900を記憶すると共に、金融機関システム800との間で行う振込みに必要な情報であるユーザテーブル1600、ユーザ保有金額データ1700、遊技場事業者テーブル1800、遊技場事業者保有金額データ1900、ホールコンピュータテーブル2000及び遊技履歴情報2100を記憶する。
図30は、データベース部1403に記憶されているユーザテーブル1600の構成例である。ユーザテーブル1600は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。ユーザテーブル1600は、ユーザごとに一つのレコード1601を有するデータであって、各レコード1601は、ユーザID1602、パスワード1603及びメールアドレス1604と、ユーザの口座であって引き落とし先口座を特定するための銀行番号1605、その銀行の支店番号1606、その銀行口座の口座種別1607、その銀行口座の口座番号1608、その銀行口座の口座名義1609及びその銀行口座の暗証番号1610を格納している。
ユーザID1602は、ユーザを一意に特定する情報である。パスワード1603は第三者がそのユーザになりすまして本決済システム700を不正利用することを防止する情報である。メールアドレス1604は、結果通知部1407が支払処理の処理結果をユーザに通知する際にその電子メールの送り先である宛先アドレスとして使用する情報である。銀号番号1605、支店番号1606、口座種別1607、口座番号1608、口座名義1609及び暗証番号1610は、金融機関システム800に対して引き落とし先口座を指定し、口座を利用するための情報である。
ユーザテーブル1600に格納される情報は、ユーザが管理サーバ1010にユーザ登録する際に、管理サーバ1010に入力される。
図31は、データベース部1403に記憶されるユーザ保有金額データ1700の構成例である。ユーザ保有金額データ1700は、ユーザごとに一つのレコード1701を有するデータであって、各レコード1701は、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド1702と、ホールコンピュータ500を一意に特定する情報であるホールコンピュータIDを格納するホールコンピュータIDフィールド1703と、そのユーザ(遊技者)がホールコンピュータIDによって特定されたホールコンピュータ500に預けた金額である保有金額を格納する保有金額フィール1704とを有している。
保有金額フィールド1704に格納される値は、ユーザが決済システム700のホールコンピュータ500に預け入れると預入額の分だけ増加し、サンド20を利用した支払が行われると支払額の分だけ減少するように書き換えられる。なお、同一のユーザであってもホールコンピュータ500ごとに保有金額を管理するため、同一ユーザについて複数のレコード1701を持ち得る。
図32は、データベース部1403に記憶される遊技場事業者テーブル1800の構成例である。遊技場事業者テーブル1800は、遊技場事業者に関する情報を格納したデータである。遊技場事業者テーブル1800は、決済システム700に加入している遊技場事業者ごとに一つのレコード1801を有するデータである。各レコード1801は、遊技場事業者IDを格納する遊技場事業者ID1802及びその遊技場事業者の口座であって、ユーザからサンド20に支払われた金額を振込む振込先口座を特定するための銀行番号1803、支店番号1804、口座種別1805、口座番号1806及び口座名義1807を格納している。
遊技場事業者ID1802は、遊技場事業者を一意に特定する情報である。銀行番号1803、支店番号1804、口座種別1805、口座番号1806及び口座名義1807は、金融機関システム800に対して振込先口座を特定するための情報である。
遊技場事業者テーブル1800に格納される情報は、遊技場事業者が決済システム700に加入登録する際に、管理サーバ1010に入力される。
図33は、データベース部1403に記憶される遊技場事業者保有金額データ1900の構成例である。遊技場事業者保有金額データ1900は、決済システム700に登録される遊技場事業者ごとに一つのレコード1901を有するデータである。各レコード1901は、遊技場事業者ID1902と、決済システム700が遊技場事業者口座へ振り込む分の金額である保有金額を格納する保有金額1903とを有している。保有金額1903に格納される値は、ホールコンピュータ500を経由したサンド20の利用によりユーザから支払われた分だけ増加し、金融機関システム800を利用した遊技場事業者口座への振込額分だけ減少するように書き換えられる。
図34は、データベース部1403に記憶されるホールコンピュータテーブル2000の構成例である。ホールコンピュータテーブル2000は、決済システム700に含まれる各ホールコンピュータ500について一つのレコード2001を有するデータであって、各レコード2001は、ホールコンピュータID2002、ホールコンピュータIPアドレス2003及び遊技場事業者ID2004を格納する。
ホールコンピュータID2002は、ホールコンピュータ500を一意に特定するための情報であり、ホールコンピュータIPアドレス2003は、管理サーバ1010が、ホールコンピュータ500との通信を行うための宛先情報であって、例えば、あるホールコンピュータ500へユーザからの預かり金を通知する預かり金通知メッセージを送信するために使用するための送信先アドレスとして使用する情報である。遊技場事業者ID2004は、そのホールコンピュータID2002を付与されたホールコンピュータ500について、ユーザの消費金額に相当する支払いを受け取る権利を有する遊技場事業者を特定する情報であって、遊技場事業者テーブル1800の遊技場事業者ID1802(図32)と同一のIDが用いられている。
遊技履歴情報2100は、遊技者がいつごこでどの遊技機(パチンコ機10)でいくら遊技をしたのか等の、遊技に関する履歴を示す情報であって、各サンド20の遊技履歴処理部(制御基板66(図17)のメインCPU221が実行する処理)が生成し、ホールコンピュータ500を経由して送信された遊技履歴データを蓄積記憶することによって生成される情報である。この遊技履歴情報2100を、周知のマーケティング解析やデータマイニング手法により分析することにより、さまざまは有用な情報を得ることができる。
図29に戻って、管理サーバ1010の説明を続ける。振込み要求処理部1404について説明する。振込み要求処理部1404は、携帯電話機1000から受信した振込み要求メッセージを処理する機能を有する。振込み要求処理部1404は、ネットワーク通信処理部1401を介して携帯電話機1000又はホールコンピュータ500から振込み要求メッセージ等を受け取る。振込み要求メッセージの内容は、ユーザの銀行口座から指定した金額を引き落として、決済システム700、より詳しくは、指定したホールコンピュータ500で引き落とした金額分使用できるようにすることを要求する内容である。この振込要求メッセージ等を受け取った振込み要求処理部1404は、データベース部1403に記憶されているユーザテーブル1600をチェックする。振込み要求処理部1404は、ユーザテーブル1600から振込み元口座となるユーザの口座を特定する情報である銀行番号1605、支店番号1606、口座種別1607、口座番号1608、口座名義1609及び暗証番号1610を取得し、これらの情報と合わせて振込み先口座となる決済事業者口座を特定する情報を振込み依頼メッセージとして金融機関システム800にネットワーク通信処理部1401を介して送信する。
金融機関システム800は、振込み依頼メッセージを受け取ると、指定された金額をユーザの銀行口座から決済事業者口座へ振り込む。振り込まれた金額は、ユーザが本決済システム700を利用して使用できる資金(手数料分は除く)となる。
次に、清算処理部1405について説明する。清算処理部1405は、各ホールコンピュータ500からユーザが消費した金額を示すメッセージを受信し、このメッセージに応じて遊技場事業者保有金額データ1900、より詳しくは、保有金額1903の変更又は更新を行う。また、清算処理部1405は、遊技場事業者保有金額データ1900が示す金額を決済事業者口座から各遊技場事業者の遊技場事業者口座に振り込むよう金融機関システム800に要求する。
この振り込まれる資金の額は、決済システム700がユーザから預かっている遊技場事業者への支払金額、すなわち、遊技場事業者保有金額データ1900の保有金額1903に相当する。本実施の形態においては、清算処理部1405は、自律的に振込み依頼処理を行う。例えば、清算処理部1405は、所定のタイミング(例えば、毎日深夜0時、毎週末)で自動で起動する。起動した清算処理部1405は、各ホールコンピュータ500に、ユーザが消費した金額、すなわち遊技場事業者への支払額を問い合わせ、ホールコンピュータ500がこれに応じて送信する支払い要求メッセージに応じて、遊技場事業者保有金額データ1900の保有金額1903を更新する。
さらに、清算処理部1405は、データベース部1403に記憶されている全ての遊技場事業者保有金額データ1900をチェックし、振込みが済んでいないものについて金融機関システム800に決済事業者口座から該当する遊技場事業者口座に振り込みを行うように振込み依頼を送信する。
遊技情報更新部1406は、サンド20の履歴情報処理部(制御基板(図17)のメインCPUの処理)からホールコンピュータ500を経由して受信した遊技履歴データを刻々蓄積記憶し、遊技履歴情報2100のアップデートを行う機能を有する。
図35は、他の実施の形態に係る、決済システムの動作例を示すタイミングチャートである。図35は、遊技者が遊技店において遊技を行うために有価価値であるパチンコ球(遊技媒体)の提供を受ける場合を示している。
図35では、遊技者は、すでに本システムにユーザ登録を完了しており、ホールコンピュータ500には、当該遊技者の店舗内預かり金の登録、携帯電話機1000の識別情報の登録がなされている。また、管理サーバ1010には、振込み処理等に使用する遊技者の銀行口座、クレジットカード番号等の登録がなされているものとする。
遊技者は、携帯電話機1000をサンド20に接近させ、両装置間の通信を可能とする。携帯電話機1000は、サンド20に提供要求メッセージ(MSG)を送信する(S201)。ここで、「提供要求メッセージ」とは、サンド20が、パチンコ球の提供を遊技者から要求されたことが認識できる情報であって、かかる認識が可能であれば、どのような情報であってもよい。例えば、携帯電話機1000に設定されたICカード用アプリケーション識別番号と、携帯電話機1000の識別情報との組合せからなるデータであってもよい。なお、本実施の形態において「メッセージ」は、何らかの情報を伝達することが可能な信号、信号列が含まれるものとする。
提供要求メッセージを受信したサンド20は、このメッセージを送信した携帯電話機1000に、パチンコ球の提供を実行してよいか否かを問い合わせるメッセージでる提供許可要求メッセージをホールコンピュータ500に送信する(S202)。提供許可要求メッセージを受信したホールコンピュータ500は、携帯電話機1000に対応する遊技者の店舗内預かり額(遊技者の預かり金の額)から、パチンコ球の提供の代金を減算することができるか否かを判定する残高確認処理を実行する(S203)。なお、代金の額は、予めいずれかのききに設定登録されているものとする(例えば、一律1000円等)。
なお、図35に図示していないが、代金の減算が可能な場合には、ホールコンピュータ500は、サンド20に提供許可メッセージを送信し、提供許可メッセージを受信したサンド20は、代金に応じた数のパチンコ球を遊技者に提供する(すなわち、代金に応じた数のパチンコ球を、パチンコ機10から払い出させる。
一方、遊技者の店舗内預かり額がパチンコ球の代金を下回っており、代金の減算が不可能である場合には、ホールコンピュータ500は、サンド20に残高不足通知メッセージを送信する(S204)。「残高不足通知メッセージ」は、遊技者の店舗内預かり額が不足のためパチンコ球の提供ができないことをサンド20が認識可能であればどのような情報であってもよい。
残高不足通知メッセージを受信したサンド20は、携帯電話機1000に預かり金補充要求メッセージを送信する(S205)。ここで「補充」は、追加入金を意味する。「預かり金補充要求メッセージ」は、携帯電話機1000がパチンコ球の提供を受けるには遊技者の店舗内預かり金の補充を行う必要があることを認識できればどのような情報であってもよい。例えば、補充要求を意味するエラー番号のような情報であってもよい。なお、本実施の形態では、遊技者の店舗内預かり金に追加すべき金額(例えば、1000円)と、追加すべき金額の振り込み先となる振込先口座を示す情報が預かり金補充要求メッセージに含まれているものとするが、これら情報は予め携帯電話機1000に記憶させておいてもよい。
この預かり金補充要求メッセージを受信した携帯電話機1000は、預かり金の補充を行うための振り込みを実行する旨の遊技者の確認の入力を促し、この入力の待ち受けを行う補充実行確認処理を行う(S206)。確認の入力がされた場合、携帯電話機1000は、当該遊技者の銀行口座(遊技者の口座)から前記振込先口座へ代金の金額を振り込むように要求するメッセージである振込要求メッセージを管理サーバ1010に送信する(S207)。なお、本実施の形態では、振込要求メッセージは、サンド20、ホールコンピュータ500が通信を行うものとするが、本発明が係る通信経路に限定される趣旨ではない。なお、遊技者の預かり金を補充する補充元となる遊技者の口座は、銀行口座に限られず、振り込みが可能な口座であればどのような期間、事業者の口座であってもよい。
振込要求メッセージを受信した管理サーバ1010は、前記振込先口座を取り扱う金融機関のシステムである金融機関システム800に、当該遊技者の銀行口座から前記振込先口座へ前記金額を振り込むように要求するメッセージである振込依頼メッセージを生成する振込依頼処理を実行する(S208)。なお、遊技者の銀行口座は、予め用意された、携帯電話機1000の識別情報等と対応付けて記憶しているデータを使用して特定すればよい。管理サーバ1010は、生成した振込依頼メッセージを金融機関システム800に送信する(S209)。
振込依頼メッセージを受信した金融機関システム800は、遊技者の銀行口座から前記振込先口座へ代金の金額をお振り込む処理である振込処理を行う(S210)。振り込みが正常に完了した場合には、金融機関システム800は、管理サーバ1010に振込完了メッセージを送信する(S211)。なお、金融機関システム800は、振込処理(S210)において、遊技者の口座残高が不足している場合には、図37において後述するクレジットを利用する処理に移る。
図35において、振込完了メッセージを受信した管理サーバ1010は、ホールコンピュータ500に前記遊技者の店舗内預かり金に追加する金額の入金が行われたことを通知するメッセージである入金確認メッセージを送信する(S212)。この入金確認メッセージを受信したホールコンピュータ500は、入金確認メッセージに対応する残高不足通知メッセージの送信先であるサンド20に提供指示メッセージを送信する(S213)。この提供指示メッセージをお受診したサンド20は、前記金額に相当するパチンコ球の提供を行う処理である提供処理を実行する(S214)。この提供処理では、サンド20からパチンコ機10に対して、パチンコ球の払出しが指示され、パチンコ機10からパチンコ球が払い出されることになる。
このパチンコ球の提供によって、本システムにおけるステップS201で行われた提供要求メッセージの処理が完了し、遊技者は、パチンコ機10においてパチンコ球の払出しを受けて遊技を行うことができる。
図35について上述した実施の形態では、ステップS207において、携帯電話機1000が移動体通信網等を経由して管理サーバ1010に振込要求メッセージを送信する構成であったが、この振込要求メッセージを、サンド20及びホールコンピュータ500を経由して管理サーバ1010に送信するように構成してもよい。この場合の実施の形態を、図36を参照しながら説明する。図36は、図35の変形例に係る決済システムの動作例を示すタイミングチャートである。
図35に示したステップS206の補充実行確認処理が携帯電話機1000によって行われ、遊技者が確認の入力を行ったものとする。確認の入力を受け付けた携帯電話機1000は、サンド20に対して、当該遊技者の銀行口座から前記振込先口座へ前記金額を振り込むように要求するメッセージである振込要求メッセージを送信する(S301)。なお、この変形例においては、振込要求メッセージに振込先口座及び金額が含まれていなくともよい。これらの情報は、ホールコンピュータ500又は管理サーバ1010に予め記憶させておき、それを使用するようにしてもよい。
また、遊技者が携帯電話機1000とサンド20とを再度通信させる行為を上記遊技者の確認の入力の代わりとして使用してもよい。例えば、携帯電話機1000をサンド20に接近させ両者間の通信を可能とすることによって、遊技者の確認の入力の代わりとして使用する構成としてもよい。
サンド20は、振込要求メッセージをホールコンピュータ500に送信し(S302)、ホールコンピュータ500は、振込要求メッセージを管理サーバ1010に送信する(S303)。その後、図36に示すステップS304からステップS310の処理が実行される。ステップS304からステップS310の処理は、図35に示したステップS208からステップS214の処理と同様であるので、これらの処理内容の説明は省略する。
次に、図37を参照しながら、遊技者の銀行残高が不足している場合の処理について説明する。図35のステップS210の処理では、遊技者の銀行口座残高が不足の場合には、非り込み不可能の通知を金融機関システム800から管理サーバ1010に返してパチンコ球の提供を行わない処理としてもよいが、遊技者のクレジットカードから遊技者の銀行口座に入金して、パチンコ球の提供を行う構成としてもよい。図37は、遊技者のクレジットカードから遊技者の銀行口座に入金して、パチンコ球の提供を可能とする場合の、本決算システムの動作例を示す。
前提としてステップS209(図35)、又はステップS305(図36)が行われたものとする。遊技者の銀行口座の残高(例えば、500円)が振込要求額(例えば、1000円)に満たない場合、金融機関システム800は、全高不足時処理を実行する(S401)。残高不足時処理は、遊技者の銀行口座に予め設定されているクレジットカードを扱うクレジットカード会社のオンライン決済システム(以下、クレジットカードシステム)に予め設定された金額分をその遊技者の銀行口座に振り込みさせる処理である。
残高不足時処理(S401)の後、金融機関システム800は、クレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する(S402)。クレジットカードシステム900は、クレジット利用メッセージに応じて、金融機関システム800に、設定された金額分を遊技者の銀行口座に振り込みするよう要求する振込要求メッセージを送信する(S403)。この振込要求メッセージを受信した金融機関システム800は、設定された金額分(例えば、50,000円)の遊技者の銀行口座へ振込処理を行う(S405)。その後、金融機関システム800は、遊技者の店舗内預かり金として支払う金額(例えば1,000円)について、遊技者の銀行口座から店舗内預かり金の受け入れ銀行口座(例えば、ホールコンピュータ500が設置されている遊技店の運営会社の銀行口座、あるいは本システムの運営会社の銀行口座等)へ振り込みを行う(S410)。なお、上記処理では、金融機関システム800がクレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する(S402参照)構成として説明したが、これに限られるものではなく、残高不足時処理(S401)の後、金融機関システム800が残高不足を通知するメッセージを管理サーバ1010に送信し、このメッセージを受信した管理サーバ1010がクレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する構成としてもよい。また、このとき管理サーバ1010は、携帯電話機1000に、遊技者にクレジット利用の意思の確認を示すメッセージを受け取るようにし、係るメッセージを受信した場合にクレジットカードシステム900にクレジット利用メッセージを送信する構成としてもよい。
一方、振り込みが正常に完了した場合には、金融機関システム800は、管理サーバ1010に振込完了メッセージを送信する(S406)。振込完了メッセージを受信した管理サーバ1010は、ホールコンピュータ500に遊技者の店舗内預かり金に前記金額(前記例では1,000円)の入金が行われたことを通知するメッセージである入金確認メッセージを送信する(S407)。入金確認メッセージを受信したホールコンピュータ500は、この入金確認メッセージに対応する残高不足通知メッセージ(S204参照)を特定し、特定した残高不足通知メッセージの送信先であるサンド20に、提供指示メッセージを送信する(S408)。この提供指示メッセージを受信したサンド20は、前記金額に相当するパチンコ球の提供を実行する(S409)。
このような構成とすることにより、遊技者の銀行口座の残高が不足状態になっていても、設定金額を逸脱しない範囲で、遊技者は即座にパチンコ球の提供を受けることが可能となる。
図37に示した決済システム700においては、ユーザ(遊技者)の銀行口座の残高が不足している場合に、金融機関システム800から直接クレジットカードシステム900へクレジット利用メッセージを送信する場合(S402)について述べたが、これに限られるものではなく、クレジットカードシステム900への指示を、ユーザの携帯電話機1000から行うようにすることもできる。
この処理を行う場合の処理手順を図38〜図40を参照しながら説明する。図38〜図40に示す処理を実行する決済システムは、図26及び図27に示した決済システム700と同様の構成を有し、その処理が異なる。
この処理においては、図38に示すステップS601からステップS609の処理が実行される。ステップS601からステップS609に示す処理は、図35に示したステップS201からステップS209にそれぞれ対応する同様の処理であるので、これらステップS601からステップS609の処理内容の説明は省略する。
ステップS609において送信された振込要求メッセージを受信した金融機関システム800は、振込処理を実行しようとする(S610)。ここでは、ユーザ(遊技者)の銀行口座の残高が不足しているものとして以降の動作を説明する。なお、銀行口座の残高が振り込みできる程度に足りている場合の動作は、図35のステップS210からステップS214と同様である。
ステップS610において、要求された振り込み額(例えば、1,000円)にユーザの銀行口座残高が足りない(例えば、500円)ことを認識した金融機関システム800は、管理サーバ1010に、ユーザの銀行口座の残高が不足していることを通知するメッセージである残高不足通知メッセージを送信する(S411)。
残高不足通知メッセージを受信した管理サーバ1010は、携帯電話機1000に入金指示要求メッセージを送信する(図39、S701)。入金指示要求メッセージは、ユーザに対して、クレジットカードからユーザの銀行口座に入金させることを指示する入力を求めるメッセージである。
入金指示要求メッセージを受信した携帯電話機1000は、クレジットカードからユーザの銀行口座に入金させることを指示する入力を求める入力画面を表示し、ユーザの入力を待ち受ける、指示入力待受処理を実行する(S702)。指示入力待受処理は、例えば、携帯電話機1000の液晶ディスプレイに「銀行口座の残高が不足です。クレジットカードから初期設定額(50,000円)を銀行口座に入金しますか?<OK>」のようなメッセージを表示させ、この画面表示後ユーザ所定の操作(例えば、決定ボタンの押下)を行った場合は、クレジットカードから銀行口座への入金指示入力がなされたものとして処理する。なお、上記例では、初期設定金額が入金される処理としたが、ユーザが入金額を指定できるようにしてもよい。
ユーザの指示入力を受け付けた携帯電話機1000は、管理サーバ1010にクレジット利用指示メッセージを送信する(S703)。クレジット利用指示メッセージは、前述の入金指示要求メッセージに対してユーザの指示入力がなされたことが分かる情報、データであればどのようなものでもよい。
クレジット利用指示メッセージを受信した管理サーバ1010は、クレジット依頼処理を実行する(S704)。クレジット依頼処理は、管理サーバ1010に登録されている、クレジットカードシステムに設定された金額分をその銀行口座に振り込みさせる処理である。
クレジット依頼処理(S704)の後、管理サーバ1010は、クレジットカードシステム900にクレジット要求メッセージを送信する(S705)。クレジット要求メッセージは、ユーザの銀行口座にクレジットカードの利用分として、所定の金額の振込を要求するメッセージである。
この後、図40に示すステップS801からステップS809までの処理が行われ、ユーザに対して有価価値(パチンコ球)の提供が行われる。ステップS801からステップS809までの処理の内容は、図37のステップS403からステップS410までの処理の内容と同一であるため、ここではこれら処理の内容の説明は省略する。
上述の実施の形態においては、本発明をパチンコ機10に併設されるサンド20に適用する場合について述べたが、これに限られるものではなく、パチスロ機に併設されるサンドにも適用することができる。
(遊技媒体貸出装置の概要)
本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、筺体22と、遊技機(パチンコ機10)に併設され、前記遊技機(パチンコ機10)において払い出された遊技媒体を前記筺体22の内部に取り込んで計数する計数部90と、前記計数部90により計数された遊技媒体を前記筺体22の外部に排出する排出部95と、前記遊技機(パチンコ機10)から払出し可能な所定数の球数に満たない端数分の遊技媒体を遊技者に払い出す端数払出部(端数貯留部71)と、前記端数分として払い出すための遊技媒体を前記筺体22の外部から前記端数払出部(端数貯留部71)に供給する供給部と、を備え、前記計数部90と前記端数払出部(端数貯留部71)とは、互いに分離可能に構成されていることを特徴としている。
上記構成においては、筐体22の外部から端数用の遊技媒体を取り込むことにより、端数分の遊技媒体が不足することを未然に防止することができる。また、計数部90と端数払出部(端数貯留部71)とが分離可能に構成されていることにより、例えば計数部90だけを取り出してメンテナンスを容易に行うことができる。
また本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、前記供給部90は、前記端数分として払い出すための遊技媒体を前記筺体22の外部から導入するための前記筺体22に設けられた開口部22Fと、前記開口部22Fを開閉する第1のシャッタ114Bと、前記端数分として払い出すための遊技媒体を前記筺体22の外部から前記筺体22へ導入する導入路81の先端に設けられた係合部82を前記開口部22Fに装着するための装着機構部75と、前記第1のシャッタ114B及び前記導入路81を開閉する第2のシャッタ104Bを、前記係合部82の前記開口部22Fへの装脱に応動して開閉させる開閉機構部(プッシュレバー105、アーム104C、ガイド突起部82B、アーム114C)と、を備えることを特徴としている。
上記構成においては、端数分の遊技媒体を外部から供給する導入路81を装着する動作に応動して、第1及び第2のシャッタ114B、104Bを開閉動作させることにより、導入路81が取り外されている場合には、筐体22の開口部22Fの第1のシャッタ114Bが閉じられて当該開口部22Fから端数用の遊技媒体がこぼれ落ちることを防止することができると共に、導入路81の第2のシャッタ104Bが閉じられて導入路81の先端から、端数用として供給される遊技媒体がこぼれ落ちることを防止することができる。また、導入路81を筐体22に装着した場合には、第1及び第2のシャッタ114B、114Bが開かれることにより、導入路81から端数用の遊技媒体を筐体内部の端数払出部(端数貯留部71)へ供給することができる。
また本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、前記開閉機構部(プッシュレバー105、アーム104C、ガイド突起部82B、アーム114C)は、第1機構部(ガイド突起部82B、アーム114C)及び第2機構部(プッシュレバー105、アーム104C)を備え、前記第2機構部は、前記第2のシャッタ104Bを有し、第2の付勢手段(ばね)により前記第2のシャッタ104Bが前記導入路81を閉じる方向に付勢された第2の回動アーム(アーム104C)と、前記係合部82の前記開口部22Fへの装着に応じて、前記筺体22によって押されて移動するプッシュレバー105と、を備え、前記プッシュレバー105の移動に伴って、前記第2の回動アーム(アーム104C)を前記第2の付勢手段(ばね)の付勢力に抗して回動させ、当該回動動作に応じて、前記第2のシャッタ104Bを開き、前記第1機構部(ガイド突起部82B、アーム114C)は、前記第1のシャッタ114Bを有し、第1の付勢手段(ばね)により前記第1のシャッタ114Bが前記開口部22Fを閉じる方向に付勢された第1の回動アーム(アーム114C)と、前記係合部82に設けられ、前記係合部82の前記開口部22Fへの装着に応じて、前記第1の回動アーム114Cを前記第1の付勢手段(ばね)の付勢力に抗して回動させ、当該回動動作に応じて、前記第1のシャッタ114Bを開くガイド突起部82Bと、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、導入路81の先端に設けられた係合部82を、筺体側の開口部22Fに装着する操作に応じて、導入路側の第2のシャッタ104Bと、開口部側の第1のシャッタ114Bとが開く。このように、係合部82を装着するといった一回の操作によって、第1及び第2のシャッタを一度に開くことができることにより、各々のシャッタを個別に開く操作が不要となる。
また本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、上記構成に加えて、遊技者の操作に応じて、遊技媒体の貸出の要求信号を、前記遊技者の価値媒体を預かる預かり装置(ホールコンピュータ500)に送信する処理と、前記預かり装置(ホールコンピュータ500)の残高が不足している旨の情報を前記預かり装置(ホールコンピュータ500)から受信した場合に、前記遊技者の銀行口座から前記預かり装置(ホールコンピュータ500)への振込み又はクレジットカードを利用した前記銀行口座への振込みを行わせるための信号を、前記遊技者の携帯端末装置(携帯電話機1000)に対して送信する処理と、を実行する制御部(制御基板66)を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)においては、預かり装置(ホールコンピュータ500)の残高が不足している場合に、遊技者の携帯端末装置(携帯電話機1000)を介して、銀行口座から預かり装置への振込み、又は、クレジットカードを利用した銀行口座への振込を介して、当該銀行口座から預かり装置(ホールコンピュータ500)への振込が実行されることにより、遊技者は、預かり装置(ホールコンピュータ500)の残高を気にすることなく、遊技媒体の貸出を受けて遊技を楽しむことができる。
ところで、従来の遊技媒体貸出装置においては、パチンコ機から賞球として払い出されたパチンコ球を計数し、計数結果を情報カードに記録したり、計数結果の一部をパチンコ球として遊技者に払い出したりする計数機能を備えたものがある。
この計数機能は、パチンコ機の下皿から排出されたパチンコ球を計数し、計数された球数を、遊技者の持ち球として情報カードに記憶する。遊技者は、所定の操作を行うことにより、情報カードに記憶された持ち球数を所定数単位で遊技に使用できるようになっており、指定された数のパチンコ球は、サンドからの指示によって、パチンコ機からその上皿に払い出される。
しかしながら、サンドは、その本来の機能が球貸し機能であり、所定金額単位の球数を貸し出すものであるため、サンドからの指示によってパチンコ機から払い出されるパチンコ球の数の単位が決められている。
従って、遊技者が情報カードに記憶された持ち球を使用する場合、サンドの機能によって決まる所定数単位(例えば25球)でしかこれを使用することができない。この点について従来では、計数装置によって計数された持ち球数や、記憶媒体に記憶されている球数が所定数(例えば25球)で割り切れない数である場合を考慮し、割り切れない端数のパチンコ球を遊技者が利用できるようにするため、パチンコ機を介さずに、サンドから直接遊技者に払い出すようにしている。
この場合、サンドにおいて、端数用として予めパチンコ球を用意しておく必要があり、従来のサンドでは、パチンコ機から払い出されたパチンコ球を計数する際に、その一部を端数用として貯留するようになっている。サンドでは、計数を行う際に、この端数分を専用の貯留部に貯留し、貯留部が満杯になった場合は、計数済のパチンコ球を排出部から外部へ排出するようになっている。貯留部に端数分として貯留されるパチンコ球の数は、例えば1回の払出し数が25球である場合には、24球となっている。
ところが、計数済のパチンコ球を貯留する構成においては、端数分のパチンコ球を払い出した後、遊技者が計数を行わずに遊技を終了した場合には、端数用の貯留部は満杯になっていない状態が起こり得る。このような場合に、次の遊技者が計数処理を行わずに、端数をサンドから払い出す場合、払出数が不足する問題があった。
そこで、本発明の目的は、端数の払出し分に不足が生じないようにし得る遊技媒体貸出装置を提供することである。
本発明は、以下のような個別計数装置機を提供する。
本発明の遊技媒体貸出装置は、遊技機に併設された筐体と、前記遊技機に配置された遊技媒体を受ける皿の下方に配置された案内皿と、からなる遊技媒体貸出装置であって、前記筐体内部に設けられ、前記案内皿から導かれた遊技媒体を内部に取り込んで計数する計数部と、前記筐体内部に設けられ、前記計数部により計数された遊技媒体を前記筐体の外部に排出する排出部と、前記筐体内部に設けられ、前記遊技機から払出し可能な所定数の球数に満たない端数分の遊技媒体を遊技者に払い出す端数払出部と、前記案内皿に設けられ、前記端数払出部から払出された端数分の遊技媒体を受ける端数専用払出皿と、前記端数分として払い出すための遊技媒体を前記筐体の外部から前記端数払出部に供給する供給部と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、筐体の外部から端数用の遊技媒体を取り込むことにより、端数分の遊技媒体が不足することを未然に防止することができる。
また本発明は、前記構成に加えて、前記供給部は、前記端数分として払い出すための遊技媒体を前記筺体の外部から導入するための前記筺体に設けられた開口部と、前記開口部を開閉する第1のシャッタと、前記端数分として払い出すための遊技媒体を前記筺体の外部から前記筺体へ導入する導入路の先端に設けられた係合部を前記開口部に装着するための装着機構部と、前記第1のシャッタ及び前記導入路を開閉する第2のシャッタを、前記係合部の前記開口部への装脱に応動して開閉させる開閉機構部と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、端数分の遊技媒体を外部から供給する導入路を装着する動作に応動して、第1及び第2のシャッタを開閉動作させることにより、導入路が取り外されている場合には、筐体の開口部の第1のシャッタが閉じられて当該開口部から端数用の遊技媒体がこぼれ落ちることを防止することができると共に、導入路の第2のシャッタが閉じられて導入路の先端から、端数用として供給される遊技媒体がこぼれ落ちることを防止することができる。また、導入路を筐体に装着した場合には、第1及び第2のシャッタが開かれることにより、導入路から端数用の遊技媒体を筐体内部の端数払出部へ供給することができる。
また本発明は、前記構成に加えて、前記開閉機構部は、第1機構部及び第2機構部を備え、前記第2機構部は、前記第2のシャッタを有し、第2の付勢手段により前記第2のシャッタが前記導入路を閉じる方向に付勢された第2の回動アームと、前記係合部の前記開口部への装着に応じて、前記筺体によって押されて移動するプッシュレバーと、を備え、前記プッシュレバーの移動に伴って、前記第2の回動アームを前記第2の付勢手段の付勢力に抗して回動させ、当該回動動作に応じて、前記第2のシャッタを開き、前記第1機構部は、前記第1のシャッタを有し、第1の付勢手段により前記第1のシャッタが前記開口部を閉じる方向に付勢された第1の回動アームと、前記係合部に設けられ、前記係合部の前記開口部への装着に応じて、前記第1の回動アームを前記第1の付勢手段の付勢力に抗して回動させ、当該回動動作に応じて、前記第1のシャッタを開くガイド突起部と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、導入路の先端に設けられた係合部を、筺体側の開口部に装着する操作に応じて、導入路側の第2のシャッタと、開口部側の第1のシャッタとが開く。このように、係合部を装着するといった一回の操作によって、第1及び第2のシャッタを一度に開くことができることにより、各々のシャッタを個別に開く操作が不要となる。
また本発明は、前記構成に加えて、遊技者の操作に応じて、遊技媒体の貸出の要求信号を、前記遊技者の価値媒体を預かる預かり装置に送信する処理と、前記預かり装置の残高が不足している旨の情報を前記預かり装置から受信した場合に、前記遊技者の銀行口座から前記預かり装置への振込み又はクレジットカードを利用した前記銀行口座への振込みを行わせるための信号を、前記遊技者の携帯端末装置に対して送信する処理と、を実行する制御部を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、預かり装置の残高が不足している場合に、遊技者の携帯端末装置を介して、銀行口座から預かり装置への振込み、又は、クレジットカードを利用した銀行口座への振込を介して、当該銀行口座から預かり装置への振込が実行されることにより、遊技者は、預かり装置の残高を気にすることなく、遊技媒体の貸出を受けて遊技を楽しむことができる。
本発明によれば、端数の払出し分に不足が生じないようにし得る遊技媒体貸出装置を提供することができる。