JP2014014276A - 乳臭さ及び発酵臭が抑制された後味のキレが良い発酵乳及びその製造方法 - Google Patents

乳臭さ及び発酵臭が抑制された後味のキレが良い発酵乳及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発酵乳の独特の不快臭(乳臭さ、発酵臭)や後味のキレの悪さを改善する方法、及び該方法により味質と風味に優れた発酵乳を提供すること。
【解決手段】 牛乳乳酸発酵の原料中に希少糖含有シロップを固形分で3.5〜14質量%含有させることにより、発酵乳にみられる独特の不快臭や後味のキレの悪さが改善されだけでなく、コク味や自然な甘味が付与された、風味と味質のトータルバランスに優れた発酵乳を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、発酵乳及びその製造方法に関するものであって、より具体的には、希少糖含有シロップを添加することにより、発酵乳が有する乳臭さ(乳脂肪分解臭や酸化臭などの不快な臭い)、発酵臭、及び後味のキレの悪さが改善された発酵乳及びその製造方法に関する。
牛乳は、その味質(例えば、脂肪分に由来するまろやかでコクのある味質)の良さを利用するばかりでなく、その物理的な特性(例えば、タンパク質が有する起泡性)を利用する目的で、多くの飲食物の製造原料として用いられてきた。昨今、消費者の健康に対する関心の高まりに伴い、栄養価の高い食品が注目されているが、そのなかでも特に、牛乳は良質な蛋白質を含み、カルシウムが豊富であることから、幅広い消費者にとって馴染みの深い食品素材のひとつとなっている。
しかし、それら利点を有する一方で、アルデヒド類、ケトン類、ラクトン類等の成分に起因する乳臭さ(乳脂肪分解臭、酸化臭といった不快な臭い)や後味のキレの悪さを有することが問題となっており、この牛乳の好ましくない風味等を改善することは、牛乳を利用した飲食品物の商品設計において非常に大きな課題となっている。
一方、同じく消費者の健康志向の高まりから、乳酸菌による乳酸発酵を利用した飲食品の開発も盛んに行われており、牛乳を乳酸菌により乳酸発酵させた発酵乳の商品化についても、種々検討されてきている。
しかしながら、この発酵乳は、牛乳以上に乳臭さが強くなるだけでなく、独特の不快な発酵臭もあるために、消費者の嗜好に馴染まない場合があった。
これらの問題を改善する方法は、これまでに種々提案されてきている。例えば、牛乳自体の風味を改善する方法として、ハーブを給与して飼養した乳牛から搾乳することを特徴とする牛乳の生産方法(特許文献1、特開平11−346673号公報)が、牛乳の殺菌工程中に発生する風味劣化を改善する方法として、牛乳等の溶存酸素を窒素ガスと置換する方法(特許文献2、特開2001−78665号公報)が、乳類を含む飲食物の味質改善方法として、β−グルコオリゴ糖を添加する方法(特許文献3、特開2002−335903号公報)が、それぞれ開示されている。
また、牛乳を乳酸により発酵させた発酵乳の風味を改善する方法も幾つか提案されており、例えば、発酵乳食品の酢酸臭および発酵臭を改善する方法として、スクラロースを添加する方法(特許文献4、特開2002−95409号公報)が、発酵乳製品の酸味及び/又は渋味をマスキングする方法として、1,3−オクタンジオール、5−オクテン−1,3−ジオール及びジメチルメトキシフラノンよりなる群から選ばれる化合物を添加する方法(特許文献5、特開2010−200636号公報)が、酸味が抑えられたマイルドで風味の良いヨーグルトを得る方法として、特定の乳酸菌および特定の発酵条件により乳酸発酵を行う方法(特許文献6、特開2005−328831号公報)が、酸味が抑えられたまろやか風味を有する発酵乳を得る方法として、発酵乳スターターを添加した発酵乳ミックスの発酵誘導期が長くなるよう調節し、そのミックス中の溶存酸素濃度を5ppm以下に減少させて発酵を行う方法(特許文献7、特開2006−288309号公報)が、開示されている。
しかしながら、発酵乳原料ミックス中の溶存酸素濃度を低減させる方法などの製造方法の変更をする場合には、新たな装置を導入する必要があるために不経済である。また、新規機能(例えば、酸臭や酸味を低減しつつコク味は失わないなど)を有するヨーグルト用乳酸菌を探索するのには、多大な労力とコストを要するにもかかわらず、思ったような結果が得られない場合も多い。そして、既知の各種呈味改善剤や消臭剤を添加する方法も、牛乳又は発酵乳の不快臭や不快味の低減効果はある程度得られるものの、例えば高甘味度甘味料のように、添加した物質固有の味が飲食物に移行し、かえって異質な臭いや味を呈することとなるケースがしばしば見受けられた。
特開平11−346673号公報 特開2001−78665号公報 特開2002−335903号公報 特開2002−95409号公報 特開2010−200636号公報 特開2005−328831号公報 特開2006−288309号公報 特開2002−17392号公報 国際公開2010/113785号公報
本発明の課題は、牛乳の乳臭さや後味のキレの悪さが改善されるだけでなく、牛乳を乳酸発酵させることにより生じる不快な発酵臭も抑制された発酵乳及びその製造方法を提供することにある。
以上の現状を鑑み、本発明者が鋭意検討した結果、これまでの種々の方法を用いても抑制することのできなかった牛乳及び乳酸発酵物の不快臭(乳臭さや発酵臭)及び後味のキレの悪さが、意外にも特定量の希少糖含有シロップを含有させることにより改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち具体的には、本発明は以下からなる。
1.希少糖含有シロップを発酵原料中に固形分換算で3.5〜14質量%含有させることを特徴とする、乳臭さ及び発酵臭が抑制された後味のキレが良い発酵乳の製造方法。
2.希少糖含有シロップが、D−プシコースを0.5〜17質量%及びD−アロースを0.2〜10質量%含むシロップである、上記1に記載の発酵乳の製造方法。
3.希少糖含有シロップが、D−グルコース及び/若しくはD−フラクトースを原料とし、D−グルコース及び/若しくはD−フラクトース含量が99〜55質量%になるまでアルカリ異性化したシロップである、上記1又は2に記載の発酵乳の製造方法。
4.上記1〜3のいずれかひとつに記載の方法により製造された発酵乳。
本発明によれば、牛乳に由来する乳臭さ、その発酵乳独特の発酵臭、及び後味のキレの悪さが改善された、嗜好性の高い発酵乳を提供することができる。また、本発明によれば、不快臭等が改善されるだけでなく、好ましいコク味や自然な甘味が付与され、風味及び味質のトータルバランスに優れた発酵乳を提供することができる。
本発明の発酵乳の原料として用いられる牛乳は、主にホルスタイン、ジャージー種などの乳牛から得られる生乳のみを原料とし、均質化(ホモジナイズ)や加熱殺菌などの工程を経て、ガラス瓶(牛乳瓶)や紙パックに詰められた製品(市乳)をいう。この牛乳を得るための搾乳対象となる乳牛はどのような品種でもよく、特に限定されないが、例えば、ホルスタイン種、ジャージー種、ガーンジー種、エアシャー種、ショートホーン種、デボン種、シンメンタール種、ブラウン・スイス種などが挙げられる。また、勿論これらの混合種から搾乳したもの、あるいは、搾乳してから混合したものでも構わない。
本発明において、乳酸発酵に用いられるスターター(種菌となる乳酸菌)は、牛乳を乳酸発酵することができればいずれの菌株を用いてもよく、特に限定されないが、例えば、ストレプトコッカス属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ビフィドバクテリウム属、ロイコノストック属などに属する菌株などが挙げられ、単一菌株に限らず複数菌株の組合せで使用することもできる。スターターの添加量、発酵条件等については、使用菌の種類等により適宜設定すればよい。
また、本発明の発酵乳は、上記乳酸菌による発酵が必須であるが、さらに酵母菌(例えば、Saccharomyces属、Candida属、Zygosaccharomyces属の菌株)を用いて並行、もしくは後発酵を行うこともできる。
本発明における希少糖とは、糖の基本単位である単糖のうち、自然界に大量に存在するD−グルコース(ブドウ糖)に代表される「天然型単糖」に対して、自然界に微量にしか存在しない単糖を「希少糖」と定義付けられている。単糖は全部で59種類あり、そのうち天然型単糖は7種類、希少糖は52種類確認されている。希少糖の存在量は非常に少なく、例えばD−アロースは、D−グルコース(ブドウ糖)に比べて圧倒的に存在量が少ない。
そのなかでも、現在、大量生産が可能な希少糖は、D−プシコースとD−アロースである。D−プシコースは、ケトヘキソースに分類されるプシコースのD体であり、六炭糖である。また、D−アロースは、アルドースに分類されるアロースのD体であり、同じく六炭糖である。D−プシコースは、自然界から抽出されたもの、化学的又は生物学的な方法により合成されたもの等を含め、どのような手段により入手してもよい。D−アロースは、D−プシコースを含有する溶液にD−キシロースイソメラーゼを作用させて、D−プシコースからD−アロースを生成させる(特許文献8、特開2002−17392号公報)などして入手できるが、この方法に限定せず、どのような手段により入手してもよい。
本発明における希少糖含有シロップは、上述の希少糖(例えば、D−ソルボース、D−タガトース、L−ソルボース、D−プシコース、D−アロース、D−アルトロース)を適宜選択し、一般的なシロップ(液糖)に適宜混合することでも得られるが、市販品「レアシュガースウィート」(発売元:(株)レアスウィート、販売者:松谷化学工業(株))として、容易に入手することができる。
「レアシュガースウィート」は、異性化糖を原料とし、特許文献9(国際公開2010/113785号公報)に開示される手法により得られる希少糖を含有するシロップであり、希少糖として主にD−プシコース及びD−アロースが含まれるように製造されたものである。該手法により得られる希少糖含有シロップに含まれる希少糖は、D−プシコース0.5〜17質量%、D−アロース0.2〜10質量%であるが、未同定の希少糖も含まれる。
この希少糖含有シロップを得る方法は、上記手法に限られるものではなく、単糖(D−グルコースやD−フラクトース)にアルカリを作用させ、19世紀後半に発見された反応、ロブリー・ドブリュイン−ファン エッケンシュタイン転位反応やレトロアルドール反応とそれに続くアルドール反応を起こさせ(以上の反応をアルカリ異性化反応と呼ぶ)、生じた各種単糖(希少糖含む)を含むシロップを広く「希少糖含有シロップ」と呼ぶことができる。
希少糖の測定方法は種々存在するが、高速液体クロマトグラフィーにより分離測定する方法が一般的であり、測定条件の一例として、特許文献9に記載の測定条件が挙げられる(検出器;RI、カラム;三菱化成(株)MCI GEL CK 08EC、カラム温度;80℃、移動相;精製水、移動相流量;0.4mL/min、試料注入量;10μL)。
前記希少糖含有シロップの製造に使用される原料としては、でん粉、砂糖、異性化糖などが挙げられる。
異性化糖とは、特定組成比のD−グルコースとD−フラクトースを主組成分とする混合糖として広く捉えられ、一般的には、でん粉をアミラーゼ等の酵素又は酸により加水分解して得られた、主にブドウ糖からなる糖液を、グルコースイソメラーゼまたはアルカリにより異性化したブドウ糖及び果糖を主成分とする液状の糖のことを指す。JAS規格においては、果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のものを「ブドウ糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものを「果糖ブドウ糖液糖」、90%以上のものを「高果糖液糖」、及びブドウ糖果糖液糖にブドウ糖果糖液糖を超えない量の砂糖加えたものを「砂糖混合果糖ブドウ糖液糖」とよぶが、本発明の希少糖含有シロップの原料としては、何れの異性化糖を用いても構わない。
本発明における発酵乳を製造する際に、上記希少糖含有シロップが含まれるよう設定することが必須であり、発酵原料の均質化液に対して、固形分換算で3.5〜14質量%含有させることが好ましい。希少糖含有シロップが3.5質量%より少ないと、本発明の原料に起因する不快な乳臭み、エグ味、及び乳酸発酵に起因する不快な発酵臭を緩和する効果が十分に得られず、逆に、14質量%を超えて添加しても、量依存的に風味改善効果が増強されることはなく、かえって全体的な風味や味質のバランスを損なうことになるために好ましくない。
ただし、本発明の発酵乳を得る際に、乳酸発酵と並行して酵母菌による発酵を行う場合は、グルコースが多く資化されるため、甘味が付き過ぎることや味質等のバランスが損なわれることを気にする必要はなく、固形分換算で14質量%以上の希少糖含有シロップを添加することもできる。
本発明における発酵乳は、上記発酵源に希少糖含有シロップを含有させ、少なくとも前述の乳酸菌を添加して発酵させるものであるが、その発酵温度、発酵時間、嫌気などの発酵条件は特に限定されるものでなく、乳酸発酵が進行する条件(例えば、発酵温度;30〜45℃、発酵時間;6〜24時間、半嫌気・静置培養)であれば、何れの条件であっても構わない。
本発明における発酵乳の発酵源は、前述の牛乳に希少糖含有シロップが添加されている限りにおいて特に限定されるものではなく、さらに必要に応じて各種食品素材、例えば、果汁、野菜汁、フレーバー、増粘剤、乳化剤、各種ビタミン剤等の任意成分を添加することができ、勿論、発酵源としてではなく、得られた発酵乳にこれら食品素材を後から添加する方法を採用してもよい。
こうして得られる本発明の発酵乳は、そのままのプレーンタイプのほか、上記に例として挙げられるような食品素材を利用して、フレーバードタイプ、フルーツタイプ、甘味タイプとすることができ、また、好みに応じて、ソフトタイプ、ドリンクタイプ、固形(ハード)タイプ、フローズンタイプなどのいずれの形態の製品とすることもできる。
さらに、これら発酵乳は、調味、ゲル化、乾燥などの種々の処理を加えることによって、飲料、調味料、サプリメント等の飲食物として利用することもできる。
本発明によれば、牛乳に由来する乳臭さ(乳脂肪分解臭、酸化臭といった不快な臭い)や後味のキレの悪さ、発酵に由来する不快な発酵臭が抑制されるだけでなく、好ましいコク味や自然な甘味が付与されるために、風味や味質のトータルバランスに優れた発酵乳及びそれを利用した飲食品を提供することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
無菌状態で、明治おいしい牛乳(明治乳業(株)製、無調整)、希少糖含有シロップ(商品名「レアシュガースウィート」、発売元;(株)レアスウィート、販売者;松谷化学工業(株)、固形分70%)又はブドウ糖果糖液糖(商品名「フジフラクトF−100」、日本食品化工(株)製、固形分70%)を表1又は表2の配合に従って混合、均質化した。この発酵原料の均質化液に対して乳酸菌(Lactobacillus helveticus)が湿重量で0.2質量部(菌数1×10^8)となるように添加し、37℃で18時間、半嫌気・静置状態で培養した。
得られた発酵乳の評価は、パネラー10名により、比較例1(ブドウ糖果糖液糖)と比較したときの乳臭さ、後味のキレ、及び全体的な風味と味質のバランス(甘味やコク味を含む)について行った。評価点は、各評価項目について、コントロールと比較したときに、非常に改善されている(2点)、改善されている(1点)、ほぼ改善されていない(0点)、やや悪化している(−1点)の4段階とし、パネラー10名による評価点の合計点を表2に示す。また、その各々の合計点をさらに合計し、60〜41点は非常に良い(◎)、40〜21点は良い(○)、20〜1点は大差なし(△)、0〜−30点は悪い(×)とし、その総合的な評価結果を表3に示す(ただし、比較例1〜4は、実施例1〜4の各々を評価するために、発酵原料中の糖質含量を同等とした対照区なので、評価点はない)。
牛乳乳酸発酵原料の配合;実施例1〜4
Figure 2014014276
牛乳乳酸発酵原料の配合;比較例1〜4
Figure 2014014276
発酵乳の評価結果(パネラー10名の合計点)
Figure 2014014276
希少糖含有シロップを含有させた発酵乳を評価したところ、希少糖含有シロップが発酵原料に対して固形分換算で3.5〜14重量%含まれるとき、最も異臭と異味が低減され、全体的な風味や味質のバランスの良い発酵乳を得られることが分かった。
この効果は、ブドウ糖は乳酸菌に資化されやすい一方、D−プシコースをはじめとする希少糖は資化されず、発酵乳中に残存したこと、また、希少糖や、希少糖が蛋白質やアミノ酸と反応することにより生成されたメイラード物質が、乳酸発酵の何らかの代謝調整に寄与、若しくは、代謝生成物との反応に寄与したこと、及び、これらの相乗効果により得られたものと推察される。
一方、実施例4は、実施例1〜3に比べて、異臭及び異味の改善は見られたものの、風味及び味質の全体的なバランスがやや悪いとの結果であった。これは、希少糖含有シロップの添加量が過多で、甘味だけが際立ち、風味及び味質の全体的なバランスが崩れたためであると考えられた。
発酵時間についても検討したところ、発酵時間を長くするにつれて(最大120時間)、乳臭さや後味のキレの悪さが改善される傾向、及び、ブドウ糖が資化される事実が確認されたことから(数値未記載)、乳酸発酵の時間を延長することにより、本発明の効果がより期待できるといえる。
さらに、上記実施例に示した市販の希少糖含有シロップに限らず、希少糖含有シロップの製造条件(アルカリ異性化の反応条件)を変え、D−グルコース及びD−フラクトースの総含量が55質量%程度になるまで反応を進めて得た希少糖含有シロップを用いて乳酸発酵を行ったところ、上記実施例と同様に、乳臭さが減る傾向が認められた。
本発明によれば、原料に由来する乳臭さや後味のキレの悪さ、及び、牛乳を乳酸発酵させることにより生じる不快な発酵臭もが抑制され、好ましいコク味や自然な甘味が付与されるために、風味や味質のトータルバランスに優れた発酵乳を提供することができる。また、該発酵乳は、飲料、調味料、サプリメント等の飲食物として利用することができ、消費者の健康に資する飲食物を提供できるだけでなく、味質に優れた嗜好性の高い飲食物として提供することができる。

Claims (4)

  1. 希少糖含有シロップを発酵原料中に固形分で3.5〜14質量%含有させることを特徴とする、乳臭さ及び発酵臭が抑制された後味のキレが良い発酵乳の製造方法。
  2. 希少糖含有シロップが、D−プシコースを0.5〜17質量%及びD−アロースを0.2〜10質量%含むシロップである、請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  3. 希少糖含有シロップが、D−グルコース及び/若しくはD−フラクトースを原料とし、D−グルコース及び/若しくはD−フラクトース含量が55〜99質量%になるまでアルカリ異性化したシロップである、請求項1又は2に記載の発酵乳の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により製造された発酵乳。
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