JP2014003976A - 植物成長阻害ホルモンを用いた植物形質転換方法 - Google Patents

植物成長阻害ホルモンを用いた植物形質転換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改良された植物形質転換方法の提供。
【解決手段】本発明は、植物成長阻害ホルモンの適用下で、外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌を植物に接種し感染させる工程を含むことを特徴とする、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法を提供する。本発明はまた、外来遺伝子を含むが選択マーカー遺伝子を含まないT-DNA領域を有するベクターを保持するアグロバクテリウム菌を用いて、植物を形質転換する工程を含むことを特徴とする、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法も提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、形質転換効率の向上した植物形質転換方法に関する。
現在普及している植物の一般的な形質転換法は、in vitro培養系のカルス又は組織片に外来遺伝子をアグロバクテリウム・ツメファシエンス菌を介して又はパーティクルガン法等により直接的に導入する方法である。しかしこれらの方法では、形質転換効率が十分に高くないという問題があり、そのため選択マーカー遺伝子を導入してマーカー選抜を行うことが必要である。しかし選択マーカー遺伝子の発現が形質転換植物の表現型に影響を及ぼす可能性があること、形質転換植物の安全性の観点から選択マーカー遺伝子を含まない方が好ましいこと等を考慮すると、選択マーカー遺伝子を導入せずに形質転換植物の開発を行うことが求められる。
シロイヌナズナに対する植物形質転換方法として、フローラルディップ法という、in vitro培養系のカルス又は組織片を用いない形質転換法が知られているが、その形質転換効率の低さから、他の植物種への適用は殆ど報告されていない。特許文献1及び非特許文献1には植物細胞のin vitro培養を用いずにin planta(植物内)法で形質転換を行う汎用可能なインプランタ形質転換法が開示されている。しかしその形質転換効率にはなおも改良の余地が残っている。
国際公開WO2005/024034号
小島ら、生物工学会誌、第85巻、第2号、57−62、2007
本発明は、改良された植物形質転換方法を提供することを課題とする。本発明はまた、選択マーカー遺伝子を導入しない植物形質転換方法を提供することを1つの課題とする。本発明はまた、形質転換効率の向上した植物形質転換方法を提供することを1つの課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、植物成長阻害ホルモンがアグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において形質転換効率を増加させること、またそのような形質転換効率の増加を利用して選択マーカー遺伝子を導入せずに植物を形質転換する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 植物成長阻害ホルモンの適用下で、外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌を植物に接種し感染させる工程を含むことを特徴とする、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法。
[2] 植物成長阻害ホルモンが、環境ストレス誘導性である、上記[1]の方法。
[3] 植物成長阻害ホルモンが、アブシジン酸又はジャスモン酸である、上記[1]又は[2]の方法。
[4] 外来遺伝子を含むが選択マーカー遺伝子を含まないT-DNA領域を有するベクターを保持するアグロバクテリウム菌を用いて、植物を形質転換する工程を含むことを特徴とする、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法。
[5] アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法が、メリステムの創傷部位にアグロバクテリウム菌を接種することを含むインプランタ形質転換法である、上記[1]〜[4]のいずれかの方法。
[6] 種子の胚のメリステムの創傷部位にアグロバクテリウム菌を接種する、上記[5]の方法。
[7] 種子が1 mm以下の長さのシュートを有するものである、上記[6]の方法。
[8] アグロバクテリウム菌を接種した植物を減圧処理及び/又は共存培養することを含む、上記[1]〜[7]のいずれかの方法。
[9] 植物がイネ科植物又はマメ科植物である、上記[1]〜[8]のいずれかの方法。
[10] 植物成長阻害ホルモンを含む、植物形質転換用のアグロバクテリウム菌調製用培地。
本発明の方法によれば、アグロバクテリウム菌を介して植物の改良された形質転換を達成できる。本発明の一実施形態では、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において形質転換効率を大きく向上させることができる。本発明の一実施形態では、選択マーカー遺伝子を導入せずに植物を形質転換することができる。
図1は、pIG121-1のベクターマップを示す図である。 図2は、形質転換体の選抜のために行ったPCR増幅の結果を示す電気泳動写真である。図2AはT0世代、図2BはT1世代の各個体の結果を示す。 図3は、T1世代の形質転換体及び非形質転換体(対照)の実生における導入遺伝子の発現状態を示すGUS染色の結果を示した写真である。図3Aは非形質転換体、図3Bは形質転換体(T1世代)を示す。 図4は、T1世代の形質転換体及び非形質転換体(対照)の葯における導入遺伝子の発現状態を示すGUS染色の結果を示した写真である。図4Aは非形質転換体、図4Bは形質転換体(T1世代)を示す。 図5は、アグロバクテリウム菌M21変異株を用いた形質転換により得られたダイズ形質転換植物体(T0世代の個体)において形成された腫瘍を示した写真である(図5A及びB)。 図6は、形質転換体の選抜のために行ったPCR増幅の結果を示す電気泳動写真である。T0世代のトウモロコシの各個体の結果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法の改良法に関する。本発明は、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において、アグロバクテリウム菌の植物への接種を植物成長阻害ホルモンの適用下で行うことを特徴とする、植物形質転換方法に関する。本発明の方法では、アグロバクテリウム菌の接種の際に植物成長阻害ホルモンを適用することにより、植物の形質転換効率を向上させることができる。
本発明のより具体的な一実施形態では、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において、植物成長阻害ホルモンを添加した、外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌を、植物に接種し感染させることにより、植物ゲノムに外来遺伝子を導入し、植物を高効率に形質転換することができる。
また本発明は、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において、T-DNA領域内に選択マーカー遺伝子を含まないベクターを保持するアグロバクテリウム菌を用いて植物を形質転換することを特徴とする、植物形質転換方法にも関する。この植物形質転換方法は上記の植物の形質転換効率の向上方法を用いて好適に行うことができる。
本発明の方法のベースとなる「アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法」とは、一般的にアグロバクテリウム仲介形質転換法又はアグロバクテリウム法と呼ばれており、アグロバクテリウム菌を介して植物細胞のゲノムに外来遺伝子を導入し、植物を形質転換する方法をいう。アグロバクテリウム菌は、感染した植物細胞において、アグロバクテリウム菌が保持するプラスミド等のベクター中のT-DNA領域を植物染色体DNA中に挿入する。そこでアグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法では、T-DNA領域の右側ボーダー配列(RB)及び左側ボーダー配列(LB)の間のプロモーター及びターミネーターの制御下に、植物に導入する外来遺伝子を組み込んだベクター(好ましくはバイナリーベクター)をアグロバクテリウム菌に常法により導入し、それを植物に接種し感染させることにより、T-DNA領域中の外来遺伝子を植物に導入することができる。
より具体的には、例えば、本発明の方法では、in vitro培養系の植物のカルス又は組織片にアグロバクテリウム菌を感染させて外来遺伝子を導入し、それをin vitro培養により植物体に再生させることにより形質転換植物体を作製する形質転換法を、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法として用いてもよい。あるいは本発明の方法では、シロイヌナズナで一般的に用いられるフローラルディップ法と呼ばれるインプランタ形質転換法を用いてもよい。さらに本発明の方法では、植物個体(植物体又は種子)のメリステム(分裂組織)に外来遺伝子含有ベクターをアグロバクテリウム菌を接種及び感染させることによるインプランタ形質転換法を、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法としてより好ましく用いることができる。
一実施形態では、本発明の方法は、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において、特に、外来遺伝子を含むが選択マーカー遺伝子を含まないT-DNA領域を有するベクター、すなわち、T-DNA領域内に外来遺伝子を導入したベクター(外来遺伝子含有ベクター)のT-DNA領域内に選択マーカー遺伝子が挿入されていないベクター、を保持するアグロバクテリウム菌を用いて、植物を形質転換することを特徴とする。この実施形態で用いるT-DNA領域内の「外来遺伝子」は、選択マーカー遺伝子ではない。用語「選択マーカー遺伝子」の定義や具体例等は後述する。この本発明の方法では、形質転換体の選抜用に通常用いられる選択マーカー遺伝子を外来遺伝子とともに宿主植物細胞ゲノムに導入することはせず、ゲノム中に導入された外来遺伝子又はそこから発現されたmRNA等の核酸又はタンパク質を検出することにより、植物形質転換体を選抜すればよい。例えば、ゲノム中の外来遺伝子の少なくとも一部をPCR増幅し、目的の増幅断片を検出することにより、形質転換体を選抜できる。この植物形質転換体は選択マーカー遺伝子を含まないため、選択マーカーによる選抜法(例えば、抗生物質耐性や除草剤耐性に基づく選抜)では選抜されない。この方法では、形質転換効率が高いアグロバクテリウム形質転換法(例えば、後述の方法)と併用することにより、選択マーカー遺伝子を宿主植物ゲノムに導入しなくても、形質転換体を効率よく取得できる。
別の一実施形態では、本発明の方法は、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法において、特に、アグロバクテリウム菌を、植物成長阻害ホルモンの適用下で植物に接種することを特徴とする。本発明において「植物成長阻害ホルモンの適用下でアグロバクテリウム菌を植物に接種する」とは、植物にアグロバクテリウム菌を接種する際に、接種部位に植物成長阻害ホルモンが存在するように植物成長阻害ホルモンを植物に人為的に適用することをいう。植物成長阻害ホルモンの適用下での植物へのアグロバクテリウム菌の接種の具体的な一実施形態では、例えば、植物成長阻害ホルモンを添加した、アグロバクテリウム菌の菌液を、植物に接種してもよい。別の実施形態では、例えば、植物成長阻害ホルモンを接種部位に塗布又は添加した後、そこにアグロバクテリウム菌の菌液を接種してもよいし、それを逆の順序で行ってもよい。あるいは、植物を浸漬したアグロバクテリウム菌の菌液に植物成長阻害ホルモンを添加してもよい。しかし植物成長阻害ホルモンの適用下でのアグロバクテリウム菌の接種は、これらの実施形態に限定されるものではない。
本発明で用いる植物成長阻害ホルモンは、環境ストレス誘導性のものであることが好ましい。「環境ストレス誘導性」とは、天然の宿主植物において環境ストレス(乾燥ストレス、塩ストレス、重金属ストレス等)によりその発現が誘導されることを意味する。環境ストレス誘導性の植物成長阻害ホルモンの好適例としては、限定するものではないが、例えばアブシジン酸、ジャスモン酸、エチレン、サリチル酸等の植物ホルモンが挙げられる。
植物成長阻害ホルモンの植物への適用濃度は、植物成長阻害作用が発揮される濃度であればよく、限定するものではないが、例えば、植物への適用時の終濃度で1〜1,000μM、より好ましくは5〜500μM、さらに好ましくは10〜300μMである。
本発明では、植物成長阻害ホルモンの適用下でアグロバクテリウム菌を植物に接種することにより、形質転換効率を向上させることができる。これは、植物成長阻害ホルモンの働きにより植物の成長が阻害され、アグロバクテリウム菌の生育が優位になることで、結果的にアグロバクテリウム菌の感染が促進されるものと考えられる。
植物成長阻害ホルモンの適用下で植物に接種するために用いるアグロバクテリウム菌の菌液は、さらにTween 20等の界面活性剤を含有してもよい。アグロバクテリウム菌の菌液は、アセトシリンゴン等のフェノール類を含んでもよい。これらの成分も形質転換効率をさらに向上させることができる。
本発明の植物形質転換方法は、アグロバクテリウム菌が感染可能な任意の植物に適用することができる。本発明の植物形質転換方法の適用対象は、双子葉植物であってもよいし、単子葉植物であってもよい。適用対象植物としては、特に限定されないが、例えば、イネ科[コムギ(Triticum aestivum L.)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare L.)、トウモロコシ(Zea mays L.)、ソルガム(Sorghum bicolor (L.) Moench)、エリアンサス(Erianthus spp)、ギニアグラス(Panicum maximum Jacq.)、ミスカンサス(Miscanthus spp)、サトウキビ(Saccharum officinarum L.)、ネピアグラス(Pennisetum purpureum Schumach)、パンパスグラス(Cortaderia argentea Stapf.)、ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)、イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)、メドウフェスク(Festuca pratensis Huds.)、トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)、オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)、チモシー(Phleum pratense L.)等]、マメ科[ダイズ(Glycine max)、アズキ(Vigna angularis Willd.)、インゲン(Phaseolus vulgaris L.)、ソラマメ(Vicia faba L.)等]、アオイ科[ワタ(Gossypium spp.)、ケナフ(Hibiscus cannabinus)、オクラ(Abelmoschus esculentus)等]、ナス科[ナス(Solanum melongena L.)、トマト(Solanum lycopersicum)、ピーマン(Capsicum annuum L. var. angulosum Mill.)、トウガラシ(Capsicum annuum L.)、タバコ(Nicotiana tabacum L.)等]、アブラナ科[シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica campestris L.)、ハクサイ(Brassica pekinensis Rupr.)、キャベツ(Brassica oleracea L. var. capitata L.)、ダイコン(Raphanus sativus L.)、ナタネ(Brassica campestris L., B. napus L.)等]、ウリ科[キュウリ(Cucumis sativus L.)、メロン(Cucumis melo L.)、スイカ(Citrullus vulgaris Schrad.)、カボチャ(C. moschata Duch., C. maxima Duch.)等]、ヒルガオ科[サツマイモ(Ipomoea batatas)等]、ユリ科[ネギ(Allium fistulosum L.)、タマネギ(Allium cepa L.)、ニラ(Allium tuberosum Rottl.)、ニンニク(Allium sativum L.)、アスパラガス(Asparagus officinalis L.)等]、シソ科[シソ(Perilla frutescens Britt. var. crispa)等]、キク科[キク(Chrysanthemum morifolium)、シュンギク(Chrysanthemum coronarium L.)、レタス(Lactuca sativa L. var. capitata L.)等]、バラ科[バラ(Rose hybrida Hort.)、イチゴ(Fragaria x ananassa Duch.)等]、ミカン科[ミカン(Citras unshiu)、サンショウ(Zanthoxylum piperitum DC.)等]、フトモモ科[ユーカリ(Eucalyptus globulus Labill)等]、ヤナギ科[ポプラ(Populas nigra L. var. italica Koehne)等]、アカザ科[ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)、テンサイ(Beta vulgaris L.)等]、リンドウ科[リンドウ(Gentiana scabra Bunge var. buergeri Maxim.)等]、ナデシコ科[カーネーション(Dianthus caryophyllus L.)等]の植物が挙げられる。イネ科、マメ科植物及びアオイ科植物等の、従来の形質転換法では遺伝子導入効率が低い植物が、本発明の形質転換法の適用対象として特に好適である。
本発明の方法で用いるアグロバクテリウム菌は、アグロバクテリウム仲介形質転換を引き起こすことができるリゾビウム属の植物病原菌であり、特に限定されないが、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アグロバクテリウム・ビチス(Agrobacterium vitis)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)、及びアグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)等であってよい。具体的には、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)LBA4404株、C58株、EHA101株、A208株、アグロバクテリウム・ビチス(Agrobacterium vitis)F2/5株、S4株、及びアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)A4株、LBA9402株等、並びにそれらの派生株(一例として、M21変異株)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明の方法で用いるアグロバクテリウム菌は、トリプトファンモノオキシゲナーゼ遺伝子を欠失しているか又はトリプトファンモノオキシゲナーゼ遺伝子が(例えばトランスポゾンの挿入により)破壊されておりその遺伝子機能を喪失しているTiプラスミドを有していてもよく、そのようなアグロバクテリウム菌の例としてはM21変異株が挙げられる。本発明の方法で用いるアグロバクテリウム菌は、植物染色体DNAへの遺伝子導入に関与するvir遺伝子を、そのゲノム中又はヘルパープラスミド中に有していることが好ましい。本発明の方法で用いるアグロバクテリウム菌は、植物細胞への遺伝子導入に関与するvir遺伝子を有するヘルパープラスミドと、外来遺伝子含有ベクターとを両方有していることがさらに好ましい。
植物に導入する外来遺伝子を、T-DNA領域を含むベクターのT-DNA領域内に導入して外来遺伝子含有ベクターを作製し、それをアグロバクテリウム菌に導入することにより、外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌を作製することができる。T-DNA領域を含むベクターは、アグロバクテリウム菌のプラスミドに由来するT-DNA領域、すなわち、右側ボーダー配列(RB)及び左側ボーダー配列(LB)によって挟まれた核酸配列と、複製開始点とを含み、アグロバクテリウム菌で自律複製可能なベクターである。好ましくは該ベクター中のT-DNA領域はRB及びLB配列の間にプロモーター及びターミネーターを含む。T-DNA領域を含むベクターは、大腸菌や酵母などの他の微生物の複製開始点も含み、アグロバクテリウム菌だけでなくそれらの微生物でも自律複製を可能にするバイナリーベクターであることがさらに好ましい。T-DNA領域を含むベクターは、T-DNA領域外に、vir遺伝子を含有していてもよい。外来遺伝子を導入するのに好適な、植物形質転換用のT-DNA領域を含むベクターは複数の種類が市販されている。T-DNA領域を含むベクターとしては、例えば、pIG121-Hm、pRI909、pRI910、pBIN、pGA、SEV、pEND4K、pBI、pCIB10、pMRK63、pGPTV、pCGN1547、pART、pGKB5、pMJD80、pMJD81、pPZP、pBINPLUS、pRT100、BIBAC、pGreen、pCB、pPZP-RCS2、pMDC、pRCS2、pORE等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明の好ましい一実施形態において、T-DNA領域内に外来遺伝子を導入したベクター(外来遺伝子含有ベクター)は、T-DNA領域外に選択マーカー遺伝子を含んでもよいが、T-DNA領域内には選択マーカー遺伝子を含まないことが好ましい。本発明において選択マーカー遺伝子とは、成功裏に形質転換された細胞に選抜を容易にするマーカー(標識)を付与することができる遺伝子をいい、例えば、形質転換細胞のみに所定条件下での生存能を付与して形質転換細胞の選抜を可能にする遺伝子(薬剤耐性遺伝子や栄養要求性相補遺伝子など)、蛍光タンパク質遺伝子及び呈色反応を触媒する酵素遺伝子等が含まれる。選択マーカー遺伝子としては、以下に限定するものではないが、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ホスフィノトリシン耐性遺伝子、ビアラフォス耐性遺伝子、ゲンタマイシン耐性遺伝子、スルホニルウレア耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ブレオマイシン耐性遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、β−グルクロニターゼ遺伝子、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子等が挙げられる。外来遺伝子含有ベクターがT-DNA領域内に選択マーカー遺伝子を含まない場合、形質転換植物に選択マーカー遺伝子が導入されず、より形質の安定性及び安全性の高い形質転換植物を得ることができる。本発明の方法では形質転換効率が大きく向上しているため、選択マーカー遺伝子を導入せず、選択マーカー遺伝子の発現による表現型の変化を指標とすることなしに、ゲノムPCR等により、十分な効率で形質転換植物を選抜することができる。
T-DNA領域を含むベクターに含める外来遺伝子は、植物で発現を誘導することを意図する任意の遺伝子であり、植物由来遺伝子であってもよいし、動物由来遺伝子であってもよい。「外来遺伝子」は、アグロバクテリウム菌を介して外部から導入する核酸(通常はDNA)であることを指し、例えば遺伝子導入する宿主植物又はそれと同じ生物種若しくは株から単離したものであってもよい。本発明の「外来遺伝子」は、タンパク質をコードするものであってもよいし、機能性RNAをコードするものであってもよい。外来遺伝子としては、例えば、種子収量増加、環境ストレス(低温、乾燥、塩、ウィルス、病害、高温)耐性、光合成機能増強、バイオマス生産、有用物質生産などに関与する遺伝子群が挙げられるが、これらに限定されるものではない。外来遺伝子は好ましくは選択マーカー遺伝子ではない。
外来遺伝子含有ベクターのアグロバクテリウム菌への導入は、常法により行うことができる。例えば、外来遺伝子含有ベクターを、凍結融解法やパーティクルガン法により、アグロバクテリウム菌に導入することができる。凍結融解法の例を簡単に説明すると、アグロバクテリウム菌のコンピテント細胞を、外来遺伝子含有ベクターと混合し、氷上で5分間インキュベートし、液体窒素中で5分間凍結させ、次いで37℃で5分間インキュベートして解凍させて、室温又は28℃で2〜4時間振とう培養した後、抗生物質含有培地で培養し、形成された単一クローンを採取すればよい。
このようにして得られる外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌は、上記のように、植物成長阻害ホルモンの適用下で植物に接種することが好ましい。アグロバクテリウム菌の接種は常法にしたがって行えばよいが、本発明においてインプラント形質転換法を用いる場合には、植物個体(植物体又は種子)のメリステム(分裂組織)に外来遺伝子含有ベクターをアグロバクテリウム菌を接種することが好ましい。植物個体の任意のメリステムを接種部位とすることができるが、例えば、幼植物若しくは実生の茎頂又は腋芽や、種子の胚のメリステムに接種することが好ましい。アグロバクテリウム菌はまた、花序メリステム、花蕾等の花芽メリステムのような、花のメリステムに接種してもよい。例えばイネ科植物では、種子の胚のメリステムに接種することが好ましい。種子の胚のメリステムへの接種は、種子から発芽したシュート(茎及び葉)(典型的にはシュート頂端)、シュート周辺(すなわちシュート基部の周囲の胚部分)、又は根(典型的には根端)のメリステムに対する接種でありうる。
メリステムへの接種は、メリステムへの創傷部位に行うことが好ましい。創傷部位は、例えば殺菌した針(通常は直径0.01〜1 mm、例えば直径0.20〜0.71 mm)でメリステムを数箇所突いて刺し傷をつけることによって作製してもよい。刺し傷は限定するものではないが、0.5 mm〜2 mm程度、例えば0.5 mm〜1.5 mm又は0.5 mm〜1 mmの深さとすることができる。あるいはメリステムに微小な切り傷又は擦り傷等の他の創傷をつけてもよい。創傷を作製してから、アグロバクテリウム菌をその創傷部位に接種してもよいし、アグロバクテリウム菌を植物に接種した後に接種部位に創傷をつけてもよい。
種子の胚のメリステムに接種する場合、シュートが十分に伸長していない成長段階にある(すなわち未成熟なシュートを有する)種子を用いることがより好ましい。種子のそのようなシュート長は植物の種類によっても多少異なるが、典型的には、2mm未満、好ましくは1 mm以下、例えば0.5 mm〜1 mmの長さのシュートを有する種子を有利に用いることができる。このようにシュートが十分に伸長していない成長段階の種子では、メリステム(分裂組織)への創傷が適切になされやすく、アグロバクテリウム菌の感染がさらに促進されると考えられる。このような種子の発芽を促進するため、予め吸水させて発芽させた種子を用いることができる。
アグロバクテリウム菌を接種した植物は、一定時間、菌液に接触した状態で置くことが好ましい。例えば、アグロバクテリウム菌の菌液に浸漬することでアグロバクテリウム菌を接種した種子は、例えば5分〜2時間、好ましくは10分〜40分間、菌液に浸漬する。この段階で、アグロバクテリウム菌を接種した植物は、減圧処理に供してもよい。この減圧処理により、アグロバクテリウムの感染を促進することができる。減圧処理は、例えば、アスピレーターで減圧することで実施することができる。処理時間は、上記の接触時間と同じであってよいが、より短くてもよい。
アグロバクテリウム菌を接種した植物は、アグロバクテリウム菌の感染を促進するため、アグロバクテリウム菌との共存培養を行ってもよい。本発明の方法において、共存培養は、15〜30℃、好ましくは20〜30℃、さらに好ましくは22〜28℃で行うことが好ましい。共存培養は、通常の期間行えばよいが、例えば、12時間〜10日間、好ましくは24時間〜5日間、より好ましくは36時間〜4日間行うことが好ましい。このような温度で共存培養を行うことにより、アグロバクテリウム菌の生育を促進し、感染を促進することができる。
これらの減圧処理及び共存培養は、いずれかのみを行ってもよいし、両方を行ってもよい。
アグロバクテリウム菌を接種した植物は、感染後、アグロバクテリウムの除菌処理を行ってもよい。除菌処理は、例えばセフォタキシム等の抗生物質で処理することにより実施することができる。
アグロバクテリウム菌を感染させ、必要に応じて除菌した植物は、適切な栽培条件下で生育させる。一定の生育段階に至った時点で、ゲノムPCR等により、導入した外来遺伝子がゲノムに組み込まれていることを確認することが好ましい。外来遺伝子の導入が確認された植物を形質転換植物として選抜し、これをT0世代とする。
T0世代の植物は、花芽形成させ、交配させて種子を形成する。このようにして得られる植物がT1世代である。T1世代でも外来遺伝子のゲノムへの組込みを確認することにより、安定した形質転換植物を選抜し、取得することができる。外来遺伝子のゲノムへの組込みは、例えば、ゲノム核酸を鋳型として外来遺伝子の一部又は全体を増幅するゲノムPCRを行い、外来遺伝子由来の目的の増幅断片を検出することにより、調べることができる。
このようにして得られる形質転換植物について、形質転換効率を算出することができる。形質転換効率(T0世代×T1世代)は、T0世代の形質転換効率(T0世代形質転換個体数/形質転換処理を実施した個体数)とT1世代の形質転換効率(T1世代形質転換個体数/ゲノムへの外来遺伝子の組込みを調べたT1世代個体数)の積により算出する。
本発明の植物形質転換方法では、限定するものではないが、2%〜40%、好ましくは3%〜30%の形質転換効率を達成することができる。
本発明では、植物成長阻害ホルモンの適用下でアグロバクテリウム菌を、1 mm以下(例えば0.5 mm〜1 mm)のシュートを有する種子の創傷部位に接種し、減圧処理を行い、23℃〜30℃(好ましくは28℃)で共存培養をした場合に、特に高い形質転換効率を得ることができる。この方法では、Tween 20及びアセトシリンゴンを含む菌液を用いて接種することがさらに好ましい。
本発明はまた、上記の植物成長阻害ホルモンを含む、植物形質転換用のアグロバクテリウム菌調製用培地も提供する。本培地は、Tween 20等の界面活性剤、アセトシリンゴン等のフェノール類を含んでもよい。本培地は、アグロバクテリウム菌の培養培地(例えばLB培地)の成分を含んでもよいし、形質転換体の選抜のためアグロバクテリウムを殺菌するための抗生物質を含んでもよい。本培地は、アグロバクテリウム菌を植物に接種する際に菌液の調製用に有利に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)植物導入用の外来遺伝子含有ベクターの調製
植物導入用バイナリーベクターpIG121-Hm(Ohta, S. et al., Plant Cell Physiol., 31, 805-813 (1990))を制限酵素NheI及びHindIIIで切断することによりT-DNA領域内のカナマイシン耐性マーカー遺伝子NPTIIを除去し、さらに、制限酵素EcoRI及びStuIで切断することによりT-DNA領域内のハイグロマイシン耐性マーカー遺伝子HPTを除去したベクターpIG121-1を調製した。ベクターマップを図1に示す。このpIG121-1においてはT-DNA領域内からGUS遺伝子以外の全ての選択マーカー遺伝子が除去されていた。植物に導入するpIG121-1中の外来遺伝子としては、pIG121-HmのT-DNA領域に既に含まれている、GUS(βガラクトシダーゼ)遺伝子をそのまま用いた。
(2)pIG121-1が導入されたアグロバクテリウムの調製
上記(1)で得られたバイナリーベクターpIG121-1を、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株LBA4404菌に、凍結融解法(Hofgen et al.(1998) Storage of competent cells for Agrobacterium transformation. Nucleic Acids Res., Oct 25;16(20):9877)を利用して導入し形質転換した。形質転換アグロバクテリウムを選抜するため、遺伝子導入したアグロバクテリウムをカナマイシン(50mg/L)及びストレプトマイシン(50mg/L)を含むYEP培地上で増殖させた。
(3)アブシジン酸を使用した植物形質転換−1
上記で調製したpIG121-1を導入したアグロバクテリウムを、カナマイシン、ストレプトマイシン(各50mg/l)を含むLB培地中で28℃で18時間培養することにより、アグロバクテリウム菌液を調製した。この培養により、pIG121-1を保持する形質転換アグロバクテリウムを、pIG121-1のT-DNA領域外に含まれるカナマイシン耐性遺伝子及びストレプトマイシン耐性遺伝子の機能により選抜した。
上記方法にて調製した菌液に、アブシジン酸(終濃度100μM)を添加した菌液を、接種用アグロバクテリウム菌液とした。
種子の前処理は、コムギの種子(品種:ゆめちから(小麦農林172号))を70%エタノールに5分間浸漬後、20%アンチホルミン溶液にて10分間振とうすることにより行った。水洗によりアンチホルミン溶液を除去した種子を、湿ったキムタオルで包み、25℃で36〜40時間培養して発芽させた。
次いで、直径0.71mmの針で、種子のシュート(シュート長:2mm程度)周辺を、約1mmの深さで突いて孔を開けた。こうしてメリステムに創傷をつくった種子を、上記で調製済みのアグロバクテリウム菌液に20分程度浸してアグロバクテリウムを接種した。接種工程後、種子をアグロバクテリウム菌液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをした状態で22℃で2日間培養した(共存培養)。これによりアグロバクテリウムを感染させた。さらに、アグロバクテリウム菌を除菌するため、共存培養後の種子をセフォタキシム1000ppm水溶液に浸し、室温で2時間振とうした。続いて、種子をセフォタキシム水溶液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをし、25℃で2日間生育した。この種子を培養土の入ったポットに移し、25℃、長日条件(16時間明期、8時間暗期)にて生育させた。
第5〜6葉期まで成長した段階で、ゲノムPCRを実施し、形質転換体を選抜した。PCR反応条件は以下の表1に示す。
Figure 2014003976
ここでPCRに使用したプライマーは:
GUS 5’ 5'-acctcgcattacccttacgc-3'(配列番号1)
GUS 3’ 5'-tatccacgccgtattcggtg-3'(配列番号2)
である。
得られたPCR産物の電気泳動の結果を図2Aに示した。形質転換処理を実施した14個体(T0世代)のうち2個体において、GUS遺伝子の導入を示す目的のバンド(544bp)が検出された。
ゆめちからは秋コムギであるため、形質転換体については春化処理(4℃、1.5ヶ月間)を実施し、花芽形成を促進した。次いで形質転換体(T0世代)を自家交配させ、T1種子を取得後、T1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
T1世代での導入遺伝子の発現確認は、GUS染色により実施した。GUS反応液は、下記の表2の組成のものを用いた。
Figure 2014003976
T1種子を発芽後、3日間培養した実生、又は約1.5ヶ月間培養した植物体の葯に適当量のGUS反応液を加え、37℃で一晩反応させた後、反応液を捨て、70%エタノールを加えて発色反応を停止させ、染色を観察してGUS活性を確認した。図3B及び図4Bに示すように、導入遺伝子が発現している個体の実生や葯においては、GUSの染色が認められた。
また、T1世代での遺伝子導入確認は、ゲノムPCRにより、T0世代の場合と同一の条件にて実施した。得られたPCR産物の電気泳動の結果を図2Bに示した。ゲノムPCRを実施した14個体のうち3個体において、目的のバンドが検出された。
このようにして算出した、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、14.3%(T0)×21.4%(T1) = 3.1%であった。
[実施例2]
実施例1で調製したpIG121-1を導入したアグロバクテリウムを、カナマイシン、ストレプトマイシン(各50mg/l)を含むLB培地中において28℃で18時間培養することにより、アグロバクテリウム菌液を調製した。
上記方法にて調製した菌液に、ジャスモン酸(終濃度100μM)を添加した菌液を、接種用アグロバクテリウム菌液とした。
種子の前処理は、コムギの種子(品種:ゆめちから)を70%エタノールに5分間浸漬後、20%アンチホルミン溶液にて10分間振とうすることにより行った。水洗によりアンチホルミン溶液を除去した種子を、湿ったキムタオルで包み、25℃で36〜40時間培養して発芽させた。
次いで、直径0.71mmの針で、種子のシュート(シュート長:2mm程度)周辺を、約1mmの深さで突いて孔を開けた。こうしてメリステムに創傷をつくった種子を、上記で調製済みのアグロバクテリウム菌液に20分程度浸してアグロバクテリウムを接種した。接種工程後、種子をアグロバクテリウム菌液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをした状態で、22℃で2日間培養した(共存培養)。これによりアグロバクテリウムを感染させた。さらに、アグロバクテリウム菌を除菌するため、共存培養後の種子をセフォタキシム1000ppm水溶液に浸し、室温で2時間振とうした。続いて、種子をセフォタキシム水溶液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをし、25℃で2日間生育した。この種子を培養土の入ったポットに移し、実施例1と同じ条件で生育させた。
第5〜6葉期まで成長した段階で、ゲノムPCRを実施し、形質転換体を選抜した。PCR反応条件は及び使用したプライマーは実施例1と同じである。
ゆめちからは秋コムギであるため、形質転換体については春化処理(4℃、1.5ヶ月間)を実施し、花芽形成を促進した。次いで形質転換体(T0世代)を自家交配させ、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出した、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、2.4%であった。
[実施例3]
実施例1で調製したpIG121-1を導入したアグロバクテリウムを、カナマイシン、ストレプトマイシン(各50mg/l)を含むLB培地中で28℃で18時間培養することにより、アグロバクテリウム菌液を調製した。
上記方法にて調製した菌液に、アブシジン酸(終濃度100μM)及びTween 20(終濃度0.1%)を添加した菌液を、接種用アグロバクテリウム菌液とした。
種子の前処理は、コムギの種子(品種:ゆめちから)を70%エタノールに5分間浸漬後、20%アンチホルミン溶液にて10分間振とうすることにより行った。水洗によりアンチホルミン溶液を除去した種子を、湿ったキムタオルで包み、25℃で36〜40時間培養して発芽させた。
次いで、直径0.71mmの針で、種子のシュート(シュート長:1mm以下。およそ0.5〜1.0mm)周辺を、約1mmの深さで突いて孔を開けた。こうしてメリステムに創傷をつくった種子を、上記で調製済みのアグロバクテリウム菌液に浸し、アスピレーターにて減圧操作を20分間実施することにより、アグロバクテリウムを接種した。接種工程後、種子をアグロバクテリウム菌液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをした状態で、28℃で2日間培養した(共存培養)。これによりアグロバクテリウムを感染させた。さらに、アグロバクテリウム菌を除菌するため、共存培養後の種子をセフォタキシム1000ppm水溶液に浸し、室温で2時間振とうした。続いて、種子をセフォタキシム水溶液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをし、25℃で2日間生育した。この種子を培養土の入ったポットに移し、実施例1と同じ条件で生育させた。
第5〜6葉期まで成長した段階で、ゲノムPCRを実施し、形質転換体を選抜した。PCR反応条件は及び使用したプライマーは実施例1と同じである。
ゆめちからは秋コムギであるため、形質転換体については春化処理(4℃、1.5ヶ月間)を実施し、花芽形成を促進した。次いで形質転換体(T0世代)を自家交配させ、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出した、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、5.1%であった。
[実施例4]
実施例1で調製したpIG121-1を導入したアグロバクテリウムを、カナマイシン、ストレプトマイシン(各50mg/l)を含むLB培地中で28℃で18時間培養することにより、アグロバクテリウム菌液を調製した。
上記方法にて調製した菌液に、アブシジン酸(終濃度100μM)、Tween 20(終濃度0.1%)及びアセトシリンゴン(100μM)を添加した菌液を、接種用アグロバクテリウム菌液とした。
種子の前処理は、コムギの種子(品種:ゆめちから)を70%エタノールに5分間浸漬後、20%アンチホルミン溶液にて10分間振とうすることにより行った。水洗によりアンチホルミン溶液を除去した種子を、湿ったキムタオルで包み、25℃で36〜40時間培養して発芽させた。
次いで、直径0.71mmの針で、種子のシュート(シュート長:1mm以下。およそ0.5〜1.0mm)周辺を、約1mmの深さで突いて孔を開けた。こうしてメリステムに創傷をつくった種子を、上記で調製済みのアグロバクテリウム菌液に20分程度浸し、アスピレーターにて減圧操作を20分間実施することにより、アグロバクテリウムを接種した。接種工程後、種子をアグロバクテリウム菌液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをした状態で、28℃で2日間培養した(共存培養)。これによりアグロバクテリウムを感染させた。さらに、アグロバクテリウム菌を除菌するため、共存培養後の種子をセフォタキシム1000ppm水溶液に浸し、室温で2時間振とうした。続いて、種子をセフォタキシム水溶液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをし、25℃で2日間生育した。この種子を培養土の入ったポットに移し、実施例1と同じ条件で生育させた。
第5〜6葉期まで成長した段階で、ゲノムPCRを実施し、形質転換体を選抜した。PCR反応条件は及び使用したプライマーは実施例1と同じである。
ゆめちからは秋コムギであるため、形質転換体については春化処理(4℃、1.5ヶ月間)を実施し、花芽形成を促進した。次いで形質転換体(T0世代)を自家交配させ、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出した、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、7.2%であった。
[実施例5]
コムギとして品種春よ恋(品種登録番号第8834号。春小麦の1種)を用いた点以外は、実施例4記載と同一の方法で、コムギ種子に遺伝子を導入し、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、10.2%であった。
[実施例6]
300μMアブシジン酸を添加する点以外は、実施例4と同一の方法で、コムギ種子に遺伝子を導入し、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、7.0%であった。
[実施例7]
10μMアブシジン酸を添加する点以外は、実施例4と同一の方法で、コムギ種子に遺伝子を導入し、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代×T1世代)は、6.3%であった。
[実施例8]
ダイズとして品種トヨムスメを用い、発芽後14日経過時の植物体の腋芽にアグロバクテリウム菌液を接種する点以外は、実施例1と同様の方法にて形質転換を実施し、T0世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代)は、30%であった。
[実施例9]
アグロバクテリウム菌株として、アグロバクテリウム・ツメファシエンスM21変異株を用いること以外は、実施例8と同様の方法にて、形質転換を実施し、T0世代での遺伝子導入を確認した。
アグロバクテリウム・ツメファシエンスM21変異株(以下、M21変異株)は、アグロバクテリウム・ツメファシエンスA208株(C58染色体,ノパリン型 T37 pTi)をトランスポゾン5(Tn5)変異によって突然変異させることで得られた(Majumder Pら, J. Biosci. Bioeng., 90:328-331,2000;WO 2005/024034)。M21変異株においては、TiプラスミドのT-DNA領域にあるインドール酢酸(IAA)生合成に関与するトリプトファンモノオキシゲナーゼ遺伝子にTn5が挿入されており、そのためM21変異株の感染により形質転換された形質転換植物体はホルモンバランスに支障をきたし、表現形質の変化を示す。M21変異株を用いて形質転換したダイズ形質転換植物体は図5A及びBに示すような腫瘍を形成したため、視覚的に容易に形質転換の有無を判別できた。
アグロバクテリウム・ツメファシエンスM21変異株を用いたダイズのインプランタ形質転換効率を以下の表3に示す。本方法による形質転換効率(T0世代)は、75%であった。
Figure 2014003976
[実施例10]
トウモロコシ(Zea mays)の種子を滅菌水で2〜3回洗い、種皮に付いている赤色の殺菌剤を洗い落とした。この種子を滅菌水中に浸漬して、25℃の温度で2日間インキュベートした。この間に水を1回交換した。この処理により、種子が吸水して胚部分が白色を呈するようになった。この種子を以下の実験に使用した。また、実施例1と同様の方法で、pIG121-1を導入したアグロバクテリウムとアブシジン酸(終濃度100μM)を含む菌液を接種用アグロバクテリウム菌液として調製した。
針(φ0.71 mm)を用いて上記トウモロコシの種子における胚(長径約1 cm)のシュート(長さ1 mm)に対し、メリステムが存在すると思われる頂端の上から4回、深さ0.5 mm〜1 mmになるように約2mm四方内の合計4ヶ所に穿設した後、調製した接種用アグロバクテリウム菌液をピペットを用いて穿孔箇所に滴下することにより、種子にアグロバクテリウムを接種した。
次いで、シャーレ中にろ紙を敷き、ろ紙を水で湿らせた。その上にアグロバクテリウムを接種したトウモロコシの種子を置床して、シャーレの蓋をした。これを25℃の恒温器に入れて、暗所で2日間インキュベートした。2日間の共存培養後、種子をそのまま培養土へ播種して、生育させた。
T0世代での遺伝子導入の確認は、実施例1と同様の方法にて実施した。ゲノムPCRには、形質転換処理後20日経過時の植物体(第5葉)を用いた。PCR増幅の結果を示す電気泳動写真を図6に示した。2個体で、GUS遺伝子の導入を示す544bpのPCR産物が検出された。pIG121-1を導入したアグロバクテリウムを用いたトウモロコシのインプランタ形質転換効率を以下の表4に示す。本方法による形質転換効率(T0世代)は、15.4%であった。
Figure 2014003976
[比較例1]
実施例1で調製したpIG121-1を導入したアグロバクテリウムを、カナマイシン、ストレプトマイシン(各50mg/l)を含むLB培地中で28℃で18時間培養することにより、アグロバクテリウム菌液を調製した。
上記方法にて調製した菌液を、接種用アグロバクテリウム菌液とした。この菌液には植物成長阻害ホルモンを含めなかった。
種子の前処理は、コムギの種子(品種:ゆめちから)を70%エタノールに5分間浸漬後、20%アンチホルミン溶液にて10分間振とうすることにより行った。水洗によりアンチホルミン溶液を除去した種子を、湿ったキムタオルで包み、25℃で36〜40時間培養して発芽させた。
次いで、直径0.71mmの針で、種子のシュート(シュート長:2mm程度)周辺を、約1mmの深さで突いて孔を開けた。こうしてメリステムに創傷をつくった種子を、上記で調製済みのアグロバクテリウム菌液に20分程度浸してアグロバクテリウムを接種した。接種工程後、種子をアグロバクテリウム菌液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをした状態で、22℃で2日間培養した(共存培養)。これによりアグロバクテリウムを感染させた。さらに、アグロバクテリウム菌を除菌するため、共存培養後の種子をセフォタキシム1000ppm水溶液に浸し、室温で2時間振とうした。続いて、種子をセフォタキシム水溶液より取り出し、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをし、25℃で2日間生育した。この種子を培養土の入ったポットに移し、実施例1と同じ条件で生育させた。
第5〜6葉期まで成長した段階で、ゲノムPCRを実施し、形質転換体を選抜した。PCR反応条件は及び使用したプライマーは実施例1と同じである。
ゆめちからは秋コムギであるため、形質転換体については春化処理(4℃、1.5ヶ月間)を実施し、花芽形成を促進した。次いで形質転換体(T0世代)を自家交配させ、T1種子を取得後、実施例1と同様にしてT1世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出した、植物形質転換効率(T0世代×T1世代)は、1.0%であった。
[比較例2]
共存培養において、アグロバクテリウム菌液より取り出した種子を、湿ったキムタオルの上に乗せ、シャーレのフタをした状態で、28℃で2日間培養(共存培養)したこと以外は、比較例1と同じ手順で実験を行った。
このようにして算出した、植物形質転換効率(T0世代×T1世代)は、3.6%であった。
[比較例3]
アグロバクテリウム感染工程において、メリステムに創傷をつくった種子を、比較例1と同じアグロバクテリウム菌液に浸し、アスピレーターにて減圧操作を20分間実施すること(減圧浸潤操作)により、アグロバクテリウムを接種したこと以外は、比較例1と同じ手順で実験を行った。
このようにして算出した、植物形質転換効率(T0世代×T1世代)は、2.4%であった。
[比較例4]
アグロバクテリウム感染工程において、直径0.71mmの針で、種子のシュート(シュート長:1mm以下。およそ0.5〜1.0mm)周辺を、約1mmの深さで突いて孔を開けたこと以外は、比較例1と同じ手順で実験を行った。
このようにして算出した、植物形質転換効率(T0世代×T1世代)は、2.5%であった。
[比較例5]
ダイズとして品種トヨムスメを用い、発芽後14日経過時の植物体の腋芽にアグロバクテリウム菌液を接種する点以外は、比較例1と同様の方法にて形質転換を実施し、T0世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。
このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代)は、10%であった。
[比較例6]
アグロバクテリウム菌液にアブシジン酸を添加しない点以外は、実施例9と同様の方法にて形質転換を実施し、T0世代での遺伝子導入を確認した。このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代)は、30%であった。
[比較例7]
アグロバクテリウム菌液にアブシジン酸を添加しない点以外は、実施例10と同様の方法にて形質転換を実施し、T0世代での遺伝子導入、遺伝子発現を確認した。このようにして算出された、本方法による形質転換効率(T0世代)は、0%であった。
本発明の形質転換法は、高効率で植物を形質転換し、効率よく目的の形質転換植物を作出するために用いることができる。本発明の方法により、より多くの植物品種の形質転換が容易になる。
配列番号1、2:プライマー

Claims (10)

  1. 植物成長阻害ホルモンの適用下で、外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌を植物に接種し感染させる工程を含むことを特徴とする、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法。
  2. 植物成長阻害ホルモンが、環境ストレス誘導性である、請求項1に記載の方法。
  3. 植物成長阻害ホルモンが、アブシジン酸又はジャスモン酸である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 外来遺伝子を含むが選択マーカー遺伝子を含まないT-DNA領域を有するベクターを保持するアグロバクテリウム菌を用いて、植物を形質転換する工程を含むことを特徴とする、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法。
  5. アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換方法が、メリステムの創傷部位にアグロバクテリウム菌を接種することを含むインプランタ形質転換法である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 種子の胚のメリステムの創傷部位にアグロバクテリウム菌を接種する、請求項5に記載の方法。
  7. 種子が1 mm以下の長さのシュートを有するものである、請求項6に記載の方法。
  8. アグロバクテリウム菌を接種した植物を減圧処理及び/又は共存培養することを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 植物がイネ科植物又はマメ科植物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 植物成長阻害ホルモンを含む、植物形質転換用のアグロバクテリウム菌調製用培地。
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