JPWO2015156340A1 - 植物による有用タンパク質の製造方法 - Google Patents

植物による有用タンパク質の製造方法 Download PDF

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Abstract

目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを植物に感染させる工程、及び前記感染後の植物をさらに栽培して、目的タンパク質を前記植物で発現させる工程を含む、植物によるタンパク質の製造方法であって、前記植物の根に損傷性刺激を付与することにより目的タンパク質の製造効率を向上させる。

Description

本発明は、医療用途等に有用なタンパク質を、植物を用いた一過性発現により効率よく製造する方法に関する。
近年、植物を用いたタンパク質の製造方法は、複雑なタンパク質の発現が可能で、低コストでの大量生産ができ、分離精製が容易であり、かつ安全性が保障されている等の理由により注目されている。植物を用いたタンパク質の製造方法や植物栽培装置としては、以下のような多くの報告がある。
例えば、特許文献1には形質転換アグロバクテリウムを感染させたベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)を温室で栽培することによってH1タンパク質などのインフルエンザウイルス様粒子(VLP)を生産する方法が記載されている。また、特許文献2には、特定の創傷誘導性プロモーターの制御下に殺虫性タンパク質をコードするDNA配列を含むキメラ遺伝子を作製し、トウモロコシ植物のゲノム内に安定に組み込むことにより得られる植物が記載されている。当該殺虫性タンパク質は、昆虫の摂食によって直接影響を受ける創傷組織において局所的に発現し、当該植物に昆虫による摂食に対する耐性を付与する。
一方、特許文献3には、人工的に植物を栽培する装置、特に水耕栽培装置において、当該栽培されている植物の根を切る根切機構が記載されている。
日本国特表2010−533001号公報 日本国特表2005−524400号公報 日本国特開2012−50383号公報
上記のように、植物を用いてタンパク質を生産する技術は知られているが、その生産効率を向上させるための条件検討は未だ十分になされてはいない。
すなわち、特許文献1では、アグロバクテリウム浸透による植物におけるインフルエンザウイルスヘマグルチニンを一過性発現させて、インフルエンザウイルス様粒子(VLP)が検出されているものの、固形培地で植物を栽培しており、根の取扱いについては検討がなされていない。そのため、その発現効率は極めて低いと推測される。
特許文献2では、昆虫の摂食という環境刺激によって植物内での局所的な高用量毒素発現を行なっている。しかしながら、当該方法は、特定のプロモーター配列を用いたキメラ遺伝子を植物のゲノムに組み込むことによって殺虫性タンパク質を発現させるものであり、植物の無創傷の組織ではその発現量は極めて低いレベルである。
特許文献3では、植物栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制しつつ根を切断する方法及び装置が開示されているが、ニンニクのような根を収穫する植物について、植物の根の部分を繰り返し収穫することを目的とし、植物に導入した外来遺伝子の発現効率を改善することを目的とするものではない。
本発明は、植物を用いて目的タンパク質を製造する際に、植物の栽培工程や、植物をアグロバクテリウムに感染させる工程において、植物の根の取り扱いについて検討し、目的タンパク質の製造効率を向上させることを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、宿主となる植物の栽培方法及びアグロバクテリウムによる感染工程における植物の根の処理方法を改善することにより、従来法による植物を用いたタンパク質の一過性発現効率を著しく向上させる方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]アグロバクテリウムに感染し得る植物を水耕栽培法で栽培する工程、
前記水耕栽培にて生育した植物を、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを含む感染液に接触させることにより感染させる工程、及び
前記感染後の植物をさらに栽培して、目的タンパク質を前記植物で発現させる工程を含む、植物によるタンパク質の製造方法であって、
前記植物の根に損傷性刺激を付与することを特徴とする、植物によるタンパク質の製造方法。
[2]前記損傷性刺激が、前記植物の根の少なくとも一部を切断することを含む[1]に記載のタンパク質の製造方法。
[2−1]前記損傷性刺激が、創傷等の機械的刺激、温度や圧力変化等の物理的刺激、化学薬品等による処理、電気的刺激、及び放射線照射からなる群より選択される少なくとも1つの環境刺激である[1]に記載のタンパク質の製造方法。
[3]前記切断された根の部分が、前記植物の根全体の新鮮重量に対し、0.01質量%〜50質量%である[2]に記載のタンパク質の製造方法。
[4]前記根の切断が、前記感染工程の前に行われる[2]又は[3]に記載のタンパク質の製造方法。
[4−1]前記損傷性刺激が、前記感染工程の前に付与される[1]から[3]の何れかに記載のタンパク質の製造方法。
[4−2]前記損傷性刺激が、前記感染工程中又はその後に付与される[1]から[3]の何れかに記載のタンパク質の製造方法。
[5]前記発現工程の後に、前記植物から目的タンパク質を精製し、及び/又は回収する工程を含む[1]から[4]の何れかに記載のタンパク質の製造方法。
[6]前記目的タンパク質が、医療用タンパク質である[1]から[5]の何れかに記載のタンパク質の製造方法。
[7]前記植物が、ベンサミアナタバコである[1]から[6]の何れかに記載のタンパク質の製造方法。
[8]目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを植物に感染させる工程、及び前記感染後の植物をさらに栽培して、目的タンパク質を前記植物で発現させる工程を含む、植物によるタンパク質の製造方法であって、
前記植物の根に損傷性刺激を付与することを特徴とする、植物によるタンパク質の製造方法。
[9]前記損傷性刺激が、前記感染に先立って前記植物の根に付与される[8]に記載のタンパク質の製造方法。
[10]前記損傷性刺激が、前記感染と同時に又はその後に前記植物の根に付与される[8]に記載のタンパク質の製造方法。
本発明の植物によるタンパク質の製造方法によれば、根の取り扱いを工夫することで、目的タンパク質の発現効率、すなわち、葉の重量あたりの目的タンパク質の発現量が増加する。そのため、比較的少ない葉重で多量の目的タンパク質を効率よく発現させることができ、当該タンパク質を回収、精製する工程での負荷を軽減して製造コストの削減に大きく寄与するものである。
プラスミドpGFP/MM444の構造を示す図である。 プラスミドp19/MM444の構造を示す図である。 根に損傷性刺激を付与していない植物を示す模式図である。 根の先端を切断した植物を示す模式図である。 切断以外の損傷性刺激を付与する場所を例示した植物を示す模式図である。
本発明に係る植物を用いて目的タンパク質を製造する方法は、第一の態様において、植物を水耕栽培法で栽培する工程(栽培工程)、次いで、該植物に目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを感染させる工程(感染工程)、及び、感染工程後の植物を栽培して前記目的タンパク質を発現させる工程(発現工程)を含む。また、本発明の第二の態様では、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを植物に感染させる工程(感染工程)、及び前記感染後の植物をさらに栽培して、目的タンパク質を前記植物で発現させる工程(発現工程)を含む。ここで、損傷性刺激は、前記感染に先立って、同時に又はその後に前記植物の根に付与されてよい。
本発明で用いることのできる植物としては、アグロバクテリウムに感染し得る植物であり、目的タンパク質を発現する植物であればよく、特に限定されない。例えば、双子葉植物と単子葉植物が挙げられる。具体的には、双子葉植物ではナス科植物として、タバコ、ジャガイモ、トマト等が、アブラナ科植物として、ルッコラ、コマツナ、ミズナ、カラシナ、シロイズナズナ等が、キク科植物として、チコリ、エンダイブ、アーティチョーク等が、マメ科植物として、アルファルファ、リョクトウ、ダイズ等が、アカザ科植物としてホウレンソウ、テンサイ等が、シソ科植物としてシソ、バジル等が、セリ科植物としてミツバ等が例示される。単子葉植物としてはイネ科植物として、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ等が、アオイ科植物としてはワタ等が例示される。中でも、ナス科植物が好ましく、タバコがより好ましい。
タバコとしては、タバコ(Nicotiana tabacum)、ベンサミアナアタバコ(N. benthamiana)、ハナタバコ(N. alata)、キダチタバコ(N. glauca)、ナガバナタバコ(N. longiflora)、ニコチアナ・ペルシア(N. persica)、ニコチアナ・ルスチカ(N. rustica)、ニコチアナ・シルベストシス(N. sylvestris)などが挙げられる。好ましくはベンサミアナタバコである。
本発明において、目的タンパク質とは、医療用や産業用に用いられるタンパク質であれば特に限定はされない。好ましくは医療用タンパク質である。
医療用タンパク質としては、治療用タンパク質と診断タンパク質に分類され、治療用タンパク質としては、ペプチド、ワクチン、抗体、酵素、ホルモン(好ましくはペプチドホルモン)などが例示され、より具体的には、ワクチンとして使用されるウイルスタンパク質、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン等の造血因子、インターフェロン、インターロイキン(IL)−1やIL−6等のサイトカイン、モノクローナル抗体またはその断片、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ウロキナーゼ、血清アルブミン、血液凝固第VIII因子、レプチン、インシュリン、幹細胞成長因子(SCF)などが例示される。また、診断タンパク質としては、抗体、酵素、ホルモン等が例示される。
ワクチンとして使用されるウイルスタンパク質として好ましくは、ウイルス様粒子(VLP)の構成タンパク質が挙げられる。VLPの構成タンパク質は単一のタンパク質でもよいし、1つ以上のタンパク質を含んでもよい。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトC型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトB型肝炎ウイルス(HBV)などが挙げられ、インフルエンザウイルスのVLPの構成タンパク質としてはインフルエンザヘマグルチニン(HA)タンパク質、ノロウイルスのVLP構成タンパク質としてはNorwalk virus capsid protein(NVCP)などが例示される。
産業用タンパク質とは、食品、飼料、化粧品、繊維、洗剤、化学品などに用いられるタンパク質であり、ペプチド、酵素、機能性タンパク質が例示される。具体的には、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペプチダーゼ、ルシフェラーゼ、ラクタマーゼ、コラーゲン、ゼラチン、ラクトフェリン、クラゲ緑色蛍光タンパク質(GFP)などが例示される。
以下、本発明の製造方法の各工程について説明する。
<栽培工程>
1つの実施形態において、本発明は、前記植物を水耕栽培法で栽培する工程を有することを特徴とする。
水耕栽培とは、養液栽培のことをいい、養液(液体肥料)が根域を流動する流動法と養液の動きが毛管現象に依存した静置法がある。流動法には緩傾斜の平面上に養液を薄く流下させる薄膜水耕法(NFT:Nutrient Film Technique)と、溜めた養液中で栽培する湛液型水耕法(DFT:Deep Flow Technique)等がある。湛液型水耕法(DFT)は、液肥の流動により十分な酸素を根部に供給して養分吸収を促進し、さらに液肥の温度及び濃度を含む根圏環境も安定化し、栽培環境を一定に整えるという利点がある。
水耕栽培法は、栽培棚の多段化や、養液のリサイクル、肥料成分およびpHの管理が容易であることから好ましく、これらの中でも、根が養液中でむき出しの状態となるbare-root法が好ましい。bare-root法とは、根の全体またはその一部がそのまま養液に浸された状態で栽培する方法をいう。尚、根元はウレタン等の支持体で支えられていてもよい。根は水の中を自由に伸び、養液との接触面積が増大することで、十分な量の水分と養分を吸収できるため、一般に土壌栽培に比べ生育が旺盛になるからである。
また、栽培工程における栽培日数は、通常5日以上、好ましくは7日以上、より好ましくは10日以上であり、また、通常35日以下、好ましくは28日以下、より好ましくは21日以下である。
栽培工程においては、必要に応じて、移植を行なってもよい。移植の時期としては、栽培後6日〜15日の間に行なうことが好ましい。
なお、本実施形態の製造方法においては、栽培工程の前に育苗工程を行うことが好ましい。育苗工程とは、植物の苗を一定期間人工的な環境下で発芽・育成させ、その後栽培工程に移植するまでの工程をいう。該育苗工程における温度、湿度等の条件は上記栽培工程における条件と同様の条件とすることができる。また、光照射の条件も太陽光、蛍光灯、LED、冷陰極蛍光ランプ(CCFL、HEFL)、無機・有機EL等を用いた通常の条件を採用することができるが、育苗工程においては、光照射の時間が一日当たり12時間以上24時間以下であるサイクル下で植物を育苗することが好ましい。なお、「光の照射時間が1日あたり12時間以上24時間以下」とは、必ずしも連続照射でなくてもよく、例えば、照射時間が1日あたり20時間の場合、10時間以上の連続照射を1日に2回行なってもよい。
栽培工程では植物を、上記条件下で栽培することができれば、いずれの植物生産システムを用いてもよく、特に限定されない。栽培時の光の波長や強度の調整のしやすさから、半閉鎖型、または閉鎖型の植物工場が好ましく、閉鎖型植物工場がより好ましい。半閉鎖型としては、園芸施設、太陽光型植物工場などが例示される。
ここで、閉鎖型植物工場は、太陽光が当たらない植物工場を意味し、温度、湿度、二酸化炭素濃度、人工光の波長および照射時間などが制御された空間で植物を栽培するシステムである。閉鎖型植物工場を用いることにより、環境の制御が可能なので、植物およびそれが生産する物質の品質が安定するという効果や、外気に含まれる病原菌の感染を防ぐことができるという効果がある。
閉鎖型植物工場としては、環境制御された部屋と、該環境制御された部屋内に設置され植物栽培容器を載置する植物栽培容器棚と、該植物栽培容器棚の近接部に配され植物に光を近接照射する照明を含むシステムが例示される。植物栽培容器棚は複数段に配置可能である。
栽培工程で栽培される植物は、その草丈(cm)が2cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましく、また、25cm以下であることが好ましく、15cm以下であることがより好ましい。草丈が、上述の範囲内であると、栽培棚の多段化により閉鎖型植物工場のSTY(space time yield)向上に有利である。さらに、温度、湿度、気流などの栽培環境条件の精密制御が容易に可能となり、栽培工程における植物の生長速度、及び発現工程における目的タンパク質の発現が向上するという効果が得られるので好ましい。なお、ここでいう「草丈」とは、地上部の下端から生長点までの長さを意味し、収穫直後の植物の地下部を切除した後、草丈の長さを測定することにより求めることができる。
栽培工程で栽培される植物は、その地上部新鮮重量(g)が3g以上であることが好ましく、10g以上であることがより好ましく、また、100g以下であることが好ましく、70g以下であることがより好ましい。地上部新鮮重量が、上述の範囲内である植物は生長速度が速く、このような生長速度の速い時期にある植物を用いると、目的タンパク質の生産効率が向上するので好ましい。
栽培工程で栽培される植物は、その葉重量(g)が2.5g以上であることが好ましく、7.5g以上であることがより好ましく、また、80g以下であることが好ましく、60g以下であることがより好ましい。葉重量が、上述の範囲内である植物は、生長速度が速く、このような生長速度の速い時期にある植物を用いると、目的タンパク質の生産効率が向上するので好ましい。
栽培工程での栽培条件は、植物の生育および目的タンパク質の生産に適した条件であれば特に制限されないが、例えば、以下の条件で栽培することができる。
植物工場内の温度は、通常10℃以上、好ましくは15℃以上であり、また、通常40℃以下、好ましくは37℃以下である。
植物工場内の湿度は、通常40%以上、好ましくは50%以上であり、また、通常100%以下、好ましくは95%以下である。
植物工場内の二酸化炭素濃度は、通常300ppm以上、好ましくは500ppm以上であり、また、通常5000ppm以下、好ましくは3000ppm以下である。
栽培工程において使用される光源としては、特に制限されないが、太陽光、蛍光灯、LED、冷陰極蛍光ランプ(CCFL、HEFL)、無機・有機EL等を例示することができる。好ましくは、蛍光灯、LED、冷陰極蛍光ランプが挙げられ、さらに好ましくはLEDが挙げられる。LEDは、白熱電球、HIDランプと比較して、光変換効率が高く省電力であるので好ましい。また、植物に葉焼け障害を引き起こす熱線の放出量が小さい点でも好ましい。
栽培工程における光強度としては、光合成有効光量子束密度(PPFD)等を測定することで評価できる。PPFDとは、光合成に有効な可視領域400〜700nmの光の単位時間、単面積当たりの光量子数で表され、単位は、μmol・m−2・s−1である。PPFDは、通常30μmol・m−2・s−1以上から600μmol・m−2・s−1以下、好ましくは、50μmol・m−2・s−1以上から500μmol・m−2・s−1以下、さらに好ましくは、70μmol・m−2・s−1以上400μmol・m−2・s−1以下で栽培される。ここで、PPFDは、光量子計などを用いて測定することができる。
なお、栽培工程の全期間にわたって、光強度の条件を上記の条件とする必要はなく、例えば、栽培工程を前半と後半に分けて後半のみ強度の条件を上記の条件とするなど、栽培工程のうちの一定期間のみ上記の条件下で植物を栽培してもよい。この場合、上記の条件下とする期間としては、全栽培期間の1%以上の期間が好ましく、20%以上の期間がより好ましい。
栽培工程の全期間のうち、光強度の条件を上記の条件としない期間の光強度の条件については特に制限はなく、この期間は開放型植物工場で太陽光のもとで栽培してもよい。
また、栽培工程において、植物は、光照射の時間が一日当たり10時間以上24時間未満であるサイクル下で栽培されるか、または、連続光下により栽培されることが好ましい。中でも、連続光下により栽培されることがより好ましい。上述の範囲にすると、植物生長速度が加速され、収穫までの栽培期間が短縮されるので好ましい。なお、「光の照射時間が1日あたり10時間以上24時間未満」とは、必ずしも連続照射でなくてもよく、例えば、照射時間が1日あたり20時間の場合、10時間以上の連続照射を1日に2回行なってもよい。
なお、ここで照射する光は、パルス光であってもよい。パルス光は、1マイクロ秒〜1秒間の短い間隔でLED等を点滅させることにより得られるものであり、このようなパルス光を用いることにより、生理学上植物が光を必要としない時間には光を当てず、光を必要とする時間だけ光を当てることができるので光合成速度を上昇させ、電力コストを抑えることができる。この場合の照射時間は、LEDが点灯していない時間も照射時間に含むこととし、1日当たりのパルス光照射した時間の合計とする。
<感染工程>
感染工程では、前記栽培工程で得られた植物に、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを感染させる。アグロバクテリウムの感染は、植物細胞内に組換えDNAを導入するための優れた方法であり本発明において好ましく用いられる。
目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドとは、前述した目的とする医療用又は産業用タンパク質をコードするポリヌクレオチドのことである。ポリヌクレオチドとしては、天然型の配列に、目的とする目的タンパク質が得られる範囲内で、適宜、変異や改変を加えたものを用いてもよい。
目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを植物内で過剰発現させるには、該ポリヌクレオチドを適当なプロモーターの下流に機能的に連結し、得られたポリヌクレオチド構築物をアグロバクテリウム法によって植物細胞に導入すればよい。上記プロモーターは、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネのアクチンプロモーターやElongation factor 1βプロモーター、トウモロコシのユビキチンプロモーターなどを挙げることができるが、これらに限定されない。上記プロモーターは、構成的プロモーター又は構成的調節エレメントと呼ばれ、植物の多様な部分全体で、かつ植物の全生育を通じて継続的に目的タンパク質を発現する。「構成的」という用語は、その制御下にある遺伝子が必ずしも全ての組織や細胞で同じレベルで発現されることを要するものではないが、広範囲の植物組織や細胞で発現されることを示しており、本発明の方法に好ましく用いられる。
本発明の1つの実施形態では、組織特異的プロモーター又は誘導性プロモーターを用いてもよく、これらの中には、葉肉特異的プロモーター、光、熱ショック、低温、水ストレスなどによる誘導性プロモーターがある。
アグロバクテリウム法を行う際は、アグロバクテリウムのTiプラスミドやRiプラスミド由来のT−DNA(transfer DNA)を含むバイナリーベクターまたは中間ベクターを用いることができる(Nucl. Acids Res. 12(22):8711-8721 (1984), Plasmid, 7, 15-29 (1982))。バイナリーベクターの具体例として、pBI系ベクター(例えば、pRiceFOX)、pPZP系ベクター(Plant Molecular Biology 25(6): 989-94. (1994))、pCAMBIA系ベクター(ベクター骨格:pPZPベクター)、pSMA系ベクター(Plant Cell Reports 19: 448-453. (2000))を挙げることができるが、これらに限定されない。
具体的な感染工程としては、前記アグロバクテリウムを含む感染液に、前記植物の少なくとも一部を浸漬した状態で圧力を調節することによって行う。アグロバクテリウムを含む感染液は、上記ベクターにて形質転換されたアグロバクテリウムを培養して得られた菌体を、植物組織への浸潤に適した緩衝液に懸濁したものを用いることができ、好ましくは感染液の濁度がOD600で0.05〜5、より好ましくは0.1〜2、さらに好ましくは0.2〜1程度のものを用いることができる。
植物を浸漬した状態とは、植物全体が感染液に浸漬している必要はなく、例えば、茎、根等の一部が感染液から露出していてもよい。
感染液に植物を浸漬した状態で圧力を調節するとは、当該植物の一部を前記アグロバクテリウム含む感染液に浸漬した状態で、加圧処理及び減圧処理の少なくとも一方を含む圧力サイクル処理によってアグロバクテリウムを植物細胞に感染させることをいう。大気圧(通常は、1気圧=101.325kPa=約0.1MPa)よりも高い圧力で処理する加圧処理を行なう場合、少なくとも1.1気圧(112kPa)、1.5気圧(152kPa)、2気圧(203kPa)、2.5気圧(253kPa)、3気圧(304kPa)、4気圧(405kPa)若しくは5気圧(507kPa)又は任意の中間値又はこれを超える任意の値で処理する。好ましくは1.7気圧(172kPa)〜10気圧(1013kPa)の範囲であり、より好ましくは4気圧(405kPa)〜8気圧の範囲である。大気圧よりも低い圧力で処理する減圧処理を行なう場合、0.005気圧(0.5kPa)〜0.3気圧(30kPa)の範囲が好ましく、0.01気圧(1.0kPa)〜0.1気圧(10.1kPa)の範囲がより好ましく、0.02気圧(2.0kPa)〜0.06気圧(6.1kPa)の範囲がさらに好ましい。減圧の圧力が高すぎる場合は、感染液の浸潤が不十分になるため好ましくない。逆に圧力が低すぎる場合は、液体が沸点に達し著しく蒸発して液体が減少し浸潤が不十分になることや、製造プロセスや設備が大がかりになるためやはり好ましくない。したがって、これらの加圧処理又は減圧処理を行う時間は、植物の種類や処理する組織に応じて適宜設定することができるが、10秒〜10分であり、好ましくは20秒〜5分であり、さらに好ましくは30秒〜3分程度である。
感染液に植物を浸漬した状態で圧力を調節する際、装置が比較的簡素である等、利便性の点で優れていることから、加圧処理よりも減圧処理が好ましい。減圧処理の一形態として、真空浸潤法(vacuum infiltration)が挙げられ、この真空浸潤法によりアグロバクテリウムを植物に感染させることが好ましく、中でも、Plant Science, 122, 1: 101-108 (1997)によって記載された真空に基づく一過性発現方法を使用することがより好ましい。
真空浸潤法(vacuum infiltration)とは、植物の細胞間または間質腔の中へアグロバクテリウムの浸透を可能にする方法であり、物理的に、真空は、植物の組織における細胞の間の空気空間を減少させる陰性の大気圧を生成する。継続期間が長いほどおよび真空の圧力が低いほど、植物の組織内の空気空間は少ない。増加した圧力により、感染液(形質転換ベクターを有するアグロバクテリウムを含む)が植物の組織の中へ移動することが可能になる。植物の感染のために、アグロバクテリウムの存在下において植物部分に一定の期間で真空を適用することができる。真空状態とするために減圧にした後、通常の圧力に復帰(復圧)することで、植物の感染が可能となる。感染により、ポリヌクレオチド構築物を含むアグロバクテリウムは、組織、例えば、葉、植物の地上構造の一部(茎、葉および花を含む)、植物の他の一部(茎、根、花)、または全草の細胞間の空間に入り込む。表皮の通過後に、アグロバクテリウムは感染し、細胞へとポリヌクレオチドを移行させる。ポリヌクレオチドはエピソームとして転写され、mRNAは翻訳され、感染した細胞中で対象となるタンパク質の産生をもたらすが、核の内部でのポリヌクレオチドの継代は一過性である。
<発現工程>
発現工程では感染工程後の植物を栽培して該目的タンパク質を発現させる。発現工程での栽培条件は目的タンパク質が効率よく発現できる条件であれば特に制限されないが、該発現工程における温度、湿度等の条件は上記栽培工程における条件と同様の条件とすることができる。
また、光照射の条件も太陽光、蛍光灯、LED、冷陰極蛍光ランプ(CCFL、HEFL)、無機・有機EL等を用いた通常の条件を採用することができる。発現工程における栽培日数は、好ましくは3日以上、より好ましくは4日以上であり、また、好ましくは14日以下、より好ましくは10日以下である。
<タンパク質発現増強のための根の取り扱い>
本発明の方法では、上記栽培工程、感染工程及び発現工程の何れかの段階で、植物の根に損傷性刺激を付与することを特徴とする。損傷性刺激を付与する時期は特に限定されないが、当該刺激を付与する処理を行った後に、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドが転写、翻訳されて植物細胞内で発現するために十分な時間がとれるような時期に損傷性刺激を付与することが好ましい。そのため、植物が栽培工程で適度に成育した段階、特に、アグロバクテリウムを含む感染液に接触する前段階または接触した直後の間が好ましい。さらに好ましくは、アグロバクテリウムを含む感染液に植物を浸漬する操作を行なう際に、併せて根に当該刺激を付与することができる。あるいは、前記感染工程中又は発現工程の初期段階においてそのような処理を行ってもよい。具体的には、例えば、感染を実施する24時間前から感染直前までの間に処理を行うこと、感染後72時間以内の間に処理を行うことなどが挙げられ、感染を実施する12時間前までに処理を行うことが好ましく、感染直前、例えば1時間前、好ましくは30分前までに処理を行うことがより好ましい。
また、上記栽培、感染工程及び発現工程のそれぞれを別々の植物工場等で行ってもよい。さらに、市販の栽培植物を購入し、これを用いて感染工程及び発現工程を行ってもよい。その際、購入した植物に直ちに損傷性刺激を付与するとともにアグロバクテリウムを感染させてもよいし、あるいはそれらの処理を所定の時間をおいて順次実施してもよい。
前述のとおり、本発明の方法おいてはbare-root法で栽培された植物を好適に用いることができるが、bare-root法で栽培された植物は根の全体または一部がむき出しの状態となっているため、各工程において適宜根へ損傷性刺激を与えることが容易であり好ましい。例えば、栽培工程及び発現工程の途中であっても、土壌、固形培地等から根を取り出す操作を行うことなく損傷性刺激を付与し、さらに栽培を継続することが可能である。また、感染工程において、通常、根がむき出しの状態で葉部分へ種々の操作を実施するため、これらの操作と同時に根部分に損傷性刺激を付与する操作を行うことができ、製造方法全体の工程に要する時間を短縮することができる。
一方で、水耕栽培、特にbare-root法で栽培された植物を用いる場合には、根の周辺に土壌由来の汚染物質や雑菌を伴う可能性が少ないことから、根へ損傷性刺激を付与する操作において取り扱いが容易となるメリットがある。特に、感染液に浸漬して圧力調整を行う場合、圧力装置内に根を含む植物全体を配置したとしてもコンタミネーションなどの問題が発生しにくく好ましい。
本発明において、「損傷性刺激」とは、創傷等の機械的刺激、温度や圧力変化等の物理的刺激、化学薬品等による処理、電気的刺激、及び放射線照射からなる群より選択される少なくとも1つの環境刺激を含むものであり、典型的には、根の少なくとも一部を切断することを含むがこれに限定されるものではない。例えば、植物の根の機能が部分的に抑制されるような形態でその組織の一部に損傷を加えること、例えば、鋭利な突起物を用いて開放性の傷を与えることや、鈍器等を用いて打撲のような切り口のない閉鎖性の傷を与えることを含み、根が植物から完全に切り離されることを必要とするものではない。
損傷性刺激を付与する方法の一例を、図面を用いて説明する。図3Aは、損傷性刺激を付与する前の植物を示す模式図である。図3Aでは根の全体がむき出しの状態となっている。図3Bでは根の先端部の一部が切断され、切断された根が植物から切り離されている。図3Cでは、植物の根の根元付近に開放性または閉鎖性の傷を付与する箇所が破線で囲まれ、線状に付与される傷の位置が点線で示されている。
根を切断する方法、創傷を付与する方法は特に限定されるものではなく、はさみや小刀のような鋭利な道具で根を切断したり、創傷を付与したりしてもよく、あるいは曲げ破壊やせん断破壊などの物理的な応力によって切断したり、創傷を付与したりしてもよい。
どの程度の範囲で根を切断したり、創傷を付与したりするかについても特に限定するものではないが、根による水分や養分の吸収が著しく阻害されて目的タンパク質の発現効率が低下しない範囲内で根を切断したり、創傷を付与したりすることができる。切断箇所および創傷付与箇所についても根の先端部分であってもよいし、茎との接合部分であってもよいが、好ましくは根の先端部分から根全体の新鮮重量に対し、少なくとも0.01質量%程度切断する、または創傷を与えればよい。切断量または創傷量の上限についても上述したような理由から、根全体の新鮮重量に対し50質量%程度であれば問題ないと考えられる。ここで、切断または創傷される根の選択方法は、全ての根について概ね同程度の量を切断または創傷してもよいし、複数の根のうちの任意の数本について所定の量を切断または創傷し、根全体の新鮮重量に対して上記範囲内に入るように調整してもよい。
本発明の好ましい実施形態では、切断または創傷された根の部分が、前記植物の根全体の新鮮重量に対し、0.1質量%〜40質量%、好ましくは1質量%〜30質量%、さらに好ましくは2質量%〜20質量%程度である。
このように植物の根を切断または創傷することにより、目的タンパク質の発現効率が向上する理由は必ずしも明らかではないが、根が損傷を受けることで、養分の吸収が減少するか、植物の生理活動が損傷の修復に優先され葉への養分の供給が減少するか、あるいは、何らかの信号が伝播すること等により、特定の制御機構が活性化、もしくは、不活性化されること等で、外来遺伝子の過剰発現に対する抵抗性機構等が弱まるか、あるいは、アグロバクテリウムが感染しやすくなることが理由として推測され、本発明の方法では目的タンパク質の種類によらずその発現効率が向上するものと考えられる。
<目的タンパク質回収工程>
発現工程において、植物内に蓄積した目的タンパク質は植物から回収されることが好ましい。植物から目的タンパク質を含む画分を取得し、目的タンパク質を適当な方法により精製することが好ましい。なお、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドは精製のためのタグ配列を含んでもよい。
本発明の方法では、植物全体の重量が増加することなく、目的タンパク質のみの発現量が増加するため、含量の高い出発原料を用いて目的タンパク質を回収、精製することができ、製造コストの大きな割合を占める精製工程の負担を軽減できると考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
1.植物バイオマスの調製
(1)播種
播種用液体肥料(大塚ハウスS1号(大塚アグリテクノ株式会社)0.78g/L、大塚ハウス2号(大塚アグリテクノ株式会社)0.25g/L、pH5.0)を水耕栽培用ウレタンマット(江松化成W587.5mm×D282mm×H28mm:12×2マス穴径φ9mm)にしみこませ、育苗トレー(W600mm×D300mm×H300mm)に収め、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)種子を播種した。
(2)育苗
播種後の植物を人工気象器(NC−410HC)(日本医化器械製作所)にて室温28℃、16時間昼/8時間夜の光サイクルにて12日間生育させた。
(3)栽培(前期)
(2)で育苗に用いたウレタンマットを1マスずつ分離し、栽培(前期)用パネル(W600mm×D300mm、30穴)に移植した。移植後の栽培(前期)用パネルを栽培装置にセットし、湛液方式(deep flow technique, DFT方式)にて9日間栽培した。環境条件および液体肥料条件は以下のとおりに制御した。
《環境条件》
−温度:28℃
−相対湿度:60〜80%
−CO濃度:400ppm
−照明:平均光合成光量子束密度(PPFD):140μmol/m・秒、24h連続照射、三波長蛍光灯「ルピカライン」(三菱電機株式会社)
《液体肥料条件》
液体肥料は、肥料A液(大塚ハウスS1号150g/L、大塚ハウス5号(大塚アグリテクノ株式会社)2.5g/L)、肥料B液(大塚ハウス2号100g/L)をそれぞれ脱塩素水に溶解し、等量に混合して使用した。pH調整にはpH調整剤ダウン(大塚アグリテクノ株式会社)および4%KOH水溶液を用いた。液体肥料の電気伝導度(electrical conductivity, EC)およびpHは「らくらく肥料管理機3」(株式会社セムコーポレーション)を用いてEC:2.3mS/cm、pH6.0になるように調整した。
(4)栽培(後期)
栽培(前期)用パネルより植物体を取り出し、栽培(後期)用パネル(W600mm×D300mm 6穴)に定植した。移植後の栽培(後期)用パネルを栽培装置にセットし、DFT方式にて7日間(播種後28日間)栽培した。液体肥料条件は、液体肥料条件のうち電気伝導度(EC)を4.0mS/cmに変更したこと以外は、栽培(前期)と同様の条件に制御した。
《環境条件》
−温度:28℃
−相対湿度:60〜80%
−CO濃度:400ppm
−照明:平均光合成光量子束密度(PPFD):140μmol/m・秒、24h連続照射、三波長蛍光灯「ルピカライン」(三菱電機株式会社)
2.形質転換アグロバクテリウムの調製
(1)発現プラスミド
GFP(クラゲ緑色蛍光タンパク質)発現の検討には、以下の2種類の発現プラスミドを用いた。
植物バイナリーベクターpMM444(特開平9−313059号公報)のカナマイシン耐性発現カセット(ノパリンシンターゼ遺伝子のプロモーター、カナマイシン耐性遺伝子、及びノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーターからなる)を、pIZI(特開平7−274752)由来のハイグロマイシン耐性発現カセット(カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーター、ヒマのカタラーゼ遺伝子の第一イントロン、ハイグロマイシン耐性遺伝子、及びノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーター)に置換した。このようにして得られたプラスミドに、さらに、pIG221(Plant Cell Physiol., 31, 805(1990))由来のGUS発現カセット(カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーター、ヒマのカタラーゼ遺伝子の第一イントロン、β−グルクロニダーゼ遺伝子、及びノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーターからなる)のβ−グルクロニダーゼ遺伝子をEGFP遺伝子(pEGFP−N3:クローンテック社製)に置換したEGFP発現カセットを導入し、EGFP遺伝子発現プラスミドを作製した(以下、このプラスミドを「pGFP/MM444」と称する。その構造を図1に示す)。
また、pGFP/MM444におけるハイグロマイシン耐性発現カセットを削除し、ついで、EGFP発現カセットのEGFP遺伝子をP19遺伝子に置換することでP19遺伝子発現プラスミドを作製した(以下、このプラスミドを「p19/MM444」と称する。その構造を図2に示す)。なお、P19遺伝子はEGFP遺伝子の発現を強化する働きがあり、このp19/MM444は、pGFP/MM444との共発現に供した。
なお、図1及び2において、遺伝子やその制御領域を示す記号の意味は、以下の通りである。
35S: カリフラワーモザイクウィルス 35S プロモーター
int: ヒマ カタラーゼ遺伝子 第一イントロン
Nos: ノパリンシンターゼ ターミネーター
Spec: スペクチノマイシン耐性遺伝子
Tc: テトラサイクリン耐性遺伝子
Hm: ハイグロマイシン耐性遺伝子
OripBR322: pBR322 ori
OripRK2: pRK2 ori
: T−DNA left border
: T−DNA right border
(2)アグロバクテリウムの形質転換と形質転換アグロバクテリウムグリセロールストックの調製
上述のプラスミド(pGFP/MM444、p19/MM444)をそれぞれ、エレクトロポレーション法(Mattanovich et al.1989)によってアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens AGL1: Rhizobium radiobacter ATCC BAA-101; American Type Culture Collection (ATCC), Manassas, VA20108, USA)株に導入した(得られた形質転換アグロバクテリウムを、以下、それぞれ、GFP−アグロバクテリウム、P19−アグロバクテリウムと称する)。
形質転換アグロバクテリム(GFP−アグロバクテリウム、P19−アグロバクテリウム)を、カルベニシリン25μg/mlとスペクチノマイシン50μg/mlを含有するLB培地(SIGMA−ALDRICH社製)にて培養後、グリセロールを加えて最終的にグリセロール濃度を30質量%となるよう調整し、−80℃で保存することで各形質転換アグロバクテリウムグリセロールストックとした。
(3)感染工程用形質転換アグロバクテリウムの調製
上記(2)で作製した形質転換アグロバクテリウム(GFP−アグロバクテリウム、P19−アグロバクテリウム)のグリセロールストックをLB培地に植菌して、培養を行った。
培養後、遠心することで集菌し、得られた菌体をインフィルトレーションbuffer[5mM MES、10mM MgCl、pH5.6]に懸濁して濃縮菌液を得た。得られた濃縮菌体をGFP−アグロバクテリウムとP19−アグロバクテリウムの1:1混合菌液のOD600が0.8となるように4Lのインフィルトレーションbufferに加えて、pH5.6に調整し、感染工程用アグロバクテリウム菌液とした。
[実施例1及び2、比較例1]
3.Vacuum Infiltration(真空浸潤法)による感染(感染工程)
上記1(4)で得られた播種後28日目のベンサミアナタバコの根を、該根の総重量に対して、切断なし(0質量%;比較例1;図3A参照)、2質量%(実施例1;図3B参照)又は18質量%(実施例2;図3B参照)の割合で、それぞれその先端から切断した。その後すぐ(切断後30分以内)に、各々を逆さにしてビーカー中のアグロバクテリウム菌液(上述の2.(3)で調製したもの)中に地上部が浸るように沈めた。その後、該ビーカーを真空デシケーター(FV−3P)(東京硝子器械株式会社製)に入れ、19〜40Torrに1分間静置し、減圧した。その後、バルブを一気に開放して復圧をおこなった。
4.感染葉の栽培(発現工程)
感染後の栽培は人工気象器(日本医化器械製作所製)を用いて行った。光源として、三波長蛍光灯「ルピカライン(登録商標)」(三菱電機株式会社製)を用い、16時間昼/8時間夜の光サイクルで、平均PPFD150μmol/m・秒にて栽培した。液体肥料は、EC:2.1〜2.2mS/cm、pH5.5とした。温度は、昼25℃/夜20℃のサイクルとした。また、相対湿度は60〜85%とした。6日間かけて上述の発現工程を行ったアグロバクテリウム感染ベンサミアナタバコは、葉柄を含めずに全ての葉を収穫した。その後、−80℃にて保管した。
5.GFP発現量の測定
(1)粗抽出液の調製
4.で凍結保存したGFPおよびP19発現用アグロバクテリウム感染葉を乳鉢に移し、液体窒素中で磨砕した。その後、サンプル新鮮重量の6倍量のGFPアッセイ用抽出バッファー(50mM Tris−HCl,150mM NaCl,2mM EDTA,0.1%Triton−X100(pH7.25))を加え、激しく懸濁することでタンパク質粗抽出を行った。粗抽出液1mlを1.5mlエッペンドルフチューブに移し、4℃、20,400×g、10分間遠心後、上清を回収し、後述のGFP定量に用いた。
(2)GFP定量
GFP蛍光の検出にはWallac ARVO SX 1420 Multilabel counter (Perkin-Elmer Life Sciences)を用いて485nmの励起光によって生じる507nmの発光を検出した。定量には段階希釈したGFPスタンダード(rAcGFP1 Protein:タカラバイオ社製)を用いた。測定サンプルはGFP用抽出バッファーで5倍希釈し、100μLずつ、96−wellマイクロプレート(Nuncフルオロヌンクプレート:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に分注し、3株の測定結果を平均し、葉の新鮮重量当たりのGFP発現量(mg/kg−FW)、すなわち発現効率を算出し根を切断しなかった植物の場合を100%として表1に示した。
表1から、根を切断しなかった植物に比べ、根を切断した場合の葉の新鮮重量当たりのGFP発現量が増大した。これより、根の切断により発現効率が向上したことがわかる。
[比較例2]
上記1(4)で得られた播種後28日目のベンサミアナタバコを逆さにしてビーカー中のアグロバクテリウム菌液(上述の2.(3)で調製したもの)中に地上部が浸るように沈めた。その後、該ビーカーを真空デシケーター(FV−3P)(東京硝子器械株式会社製)に入れ、19〜40Torrに1分間静置し、減圧した。その後、バルブを一気に開放して復圧をおこなった。真空浸潤処理後の植物の根に対して、切断などの処理を特に行わなかった。(比較例2;図3A参照)。
感染後の栽培、およびGFP発現量の測定は、それぞれ上記4、および上記5と同様の方法にて行った。結果を表2に示した。
[実施例3]
上記1(4)で得られた播種後28日目のベンサミアナタバコの根の根元(図3C参照)を、デザートフォーク18−8(株式会社クリンプ製)で10回繰り返して突いて刺傷を与えた。その後すぐ(創傷後30分以内)に、該植物を逆さにしてビーカー中のアグロバクテリウム菌液(上述の2.(3)で調製したもの)中に地上部が浸るように沈めた。その後、該ビーカーを真空デシケーター(FV−3P)(東京硝子器械株式会社製)に入れ、19〜40Torrに1分間静置し、減圧した。その後、バルブを一気に開放して復圧をおこなった。
感染後の栽培、およびGFP発現量の測定は、それぞれ上記4、および上記5と同様の方法にて行った。結果を表2に示した。
日本国特許出願2014−081110号(出願日:2014年4月10日)の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (10)

  1. アグロバクテリウムに感染し得る植物を水耕栽培法で栽培する工程、
    前記水耕栽培にて生育した植物を、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを含む感染液に接触させることにより感染させる工程、及び
    前記感染後の植物をさらに栽培して、目的タンパク質を前記植物で発現させる工程を含む、植物によるタンパク質の製造方法であって、
    前記植物の根に損傷性刺激を付与することを特徴とする、植物によるタンパク質の製造方法。
  2. 前記損傷性刺激が、前記植物の根の一部を切断することを含む請求項1に記載のタンパク質の製造方法。
  3. 前記切断された根の部分が、前記植物の根全体の新鮮重量に対し、0.01質量%〜50質量%である請求項2に記載のタンパク質の製造方法。
  4. 前記根の切断が、前記感染工程の前に行われる請求項2又は3に記載のタンパク質の製造方法。
  5. 前記発現工程の後に、前記植物から目的タンパク質を精製し、及び/又は回収する工程を含む請求項1〜4の何れか一項に記載のタンパク質の製造方法。
  6. 前記目的タンパク質が、医療用タンパク質である請求項1〜5の何れか一項に記載のタンパク質の製造方法。
  7. 前記植物が、ベンサミアナタバコである請求項1〜6の何れか一項に記載のタンパク質の製造方法。
  8. 目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを植物に感染させる工程、及び
    前記感染後の植物をさらに栽培して、目的タンパク質を前記植物で発現させる工程を含む、植物によるタンパク質の製造方法であって、
    前記植物の根に損傷性刺激を付与することを特徴とする、植物によるタンパク質の製造方法。
  9. 前記損傷性刺激が、前記感染に先立って前記植物の根に付与される請求項8に記載のタンパク質の製造方法。
  10. 前記損傷性刺激が、前記感染と同時に又はその後に前記植物の根に付与される請求項8に記載のタンパク質の製造方法。
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