JP6628218B2 - アグロバクテリウム、及びそれを用いた形質転換植物の製造方法 - Google Patents

アグロバクテリウム、及びそれを用いた形質転換植物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、遺伝子ターゲッティング効率が向上したアグロバクテリウム、及びそれを用いた形質転換植物の製造方法に関する。
現在普及している植物の形質転換技術(非特許文献1)では、目的遺伝子を染色体上の狙った部位に挿入することができず、目的遺伝子が染色体上に無作為に挿入されてしまうほか、導入される目的遺伝子のコピー数を制御することができない。これにより、現在の形質転換技術では、例えば、外来遺伝子の挿入部位による遺伝子発現レベルのばらつき、いわゆる「位置効果」が発生する(非特許文献2)、正常な生育に影響を及ぼす染色体上の位置に目的遺伝子が挿入される、複数個の目的遺伝子の挿入により目的遺伝子の不活性化が起こるといった問題が生じる。このため、現在の形質転換技術では、膨大な数の形質転換体を作出した後、その中から望ましい部位にのみ目的遺伝子が挿入された形質転換体を選択する必要があり、効率が悪いという問題がある。この問題を解決し、安全でなおかつ高機能な遺伝子組み換え作物を作出するためには、染色体上の指定した位置に所望のコピー数の目的遺伝子を導入することを可能とする遺伝子ターゲッティング技術を開発することが求められている。
近年、技術開発が進められている植物の遺伝子ターゲッティング技術としては、人工ヌクレアーゼ、クロマチン構造の改変、又は相同組換え関連因子等を利用する手法が報告されている(非特許文献3〜5)。これらの技術はいずれも植物体を改変することによって相同組換え効率を向上させる技術であり、適用する植物種毎に最適化が必要になるという点で汎用性が低く、また他の技術との併用が困難であるという課題を有している。
一方、アグロバクテリウムを用いた植物の形質転換において植物染色体上への目的遺伝子の挿入に関与するアグロバクテリウムの遺伝子として、Vir遺伝子が知られている。特許文献1には植物においてタンパク質を一過性に発現させる方法が記載されており、アグロバクテリウムとして、野生型株(例えばアグロバクテリウム・ツメファシエンス等)または1つまたは複数の遺伝子が突然変異して形質転換効率を増加させた株(例えば突然変異体またはキメラのvirA遺伝子もしくはvirG遺伝子の存在に起因してvir遺伝子発現および/またはその誘導が改変されたアグロバクテリウム株等、多重コピーのプラスミドと好ましくは連結されたpTiBo542に由来するスーパーvirG遺伝子等の余剰のvirG遺伝子コピーを含むアグロバクテリウム株)を使用することが記載されている(段落番号0127)。特許文献2には、機能的な virE2 タンパク質を産生する能力がなく、選択可能なマーカー 遺伝子を含んでいるT-DNAを含んでいるアグロバクテリウム株と共に、機能的な virE2 タンパク質をコード化している遺伝子および所望の遺伝子を含んでいるT-DNAを含んでいるアグロバクテリウム株の、植物細胞と前記二つのT-DNAsとの同時形質転換のための使用が記載されている(請求項10)。また、特許文献3には、virE2を欠失するアグロバクテリウムによるT−DNA送達効率は、野生型アグロバクテリウムやトランスで補完された変異体アグロバクテリウムと比較して、約10,000倍低下したことが記載されている(段落番号0069)。
特表2013−534430号公報 特表2011−505806号公報 特表2008−505622号公報
Pitzschke and Hirt. New insights into an old story: Agrobacterium-induced tumor formation in plants by plant transformation. The EMBO Journal (2010) 29, 1021-1032 Matzke A. and Matzke M. (1998) Position effects and epigenetic silencing of plant transgenes、 Curr. 0pin. Plant Biol. 1 142-148. Kumar et al. "Gene Targeting: Development of Novel Systems for Genome Engineering in Plants" Floriculture, Ornamental and Plant Biotechnology Volume IV (2006) Global Science Books Shukla, et al." Precise genome modification in the crop species Zea mays using zinc-finger nucleases." Nature (2009) 459 437-441 Endo, et al. Increased frequency of homologous recombination and T-DNA integration in Arabidopsis CAF-1 mutants, EMBO J. 25 (2006) 5579-5590.
本発明は、汎用性が高く、かつ他の植物形質転換技術との併用が可能である植物形質転換技術を可能とすることを解決すべき課題とする。より具体的には、本発明は、遺伝子ターゲッティング効率が向上したアグロバクテリウムを提供することを解決すべき課題とする。さらに本発明は、上記アグロバクテリウムの製造方法、上記アグロバクテリウムを用いて得られる植物細胞、並びに上記アグロバクテリウムを用いた形質転換植物の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、野生型と同等のT-DNA核移行能を有し、野生型と比較してT-DNA染色体挿入能が喪失又は低下しているアグロバクテリウムを用いて植物の形質転換を行うことによって遺伝子ターゲッティング効率を顕著に増加できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 野生型と同等のT-DNA核移行能を有し、野生型と比較してT-DNA染色体挿入能が喪失又は低下している、アグロバクテリウム。
[2] 植物に形質転換した際における相同組み換え効率が、野生型アグロバクテリウムと比較して2倍以上向上している(但し、相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である)、[1]に記載のアグロバクテリウム。
[3] 植物に形質転換した際における遺伝子ターゲッティング効率が、野生型アグロバクテリウムと比較して2倍以上向上している(但し、遺伝子ターゲッティング効率とは、相同組み換え効率/ランダム組み換え効率である。相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。ランダム組み換え効率とは、ランダム組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。)、[1]または[2]に記載のアグロバクテリウム。
[4] 植物に形質転換した際における遺伝子ターゲッティング効率が1%以上である(但し、遺伝子ターゲッティング効率とは、相同組み換え効率/ランダム組み換え効率である。相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。ランダム組み換え効率とは、ランダム組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。)、[1]から[3]の何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
[5] T−DNAランダム挿入に関与する遺伝子の機能が喪失又は低下している、[1]から[4]の何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
[6] T−DNAランダム挿入に関与する遺伝子がATU3081遺伝子、ATU4309遺伝子、ATU6150(virH1)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、ATU6156(virK)遺伝子、ATU6183(virD3)遺伝子、ATU6184(virD4)遺伝子、ATU6185(virD5)遺伝子、ATU6188(virE0)遺伝子、ATU6189(virE1)遺伝子、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6180(virC1)遺伝子又はこれらの相同遺伝子から選択される1以上の遺伝子である、[5]に記載のアグロバクテリウム。
[7] アグロバクテリウム・リゾゲネス、又はアグロバクテリウム・ツメファシエンスである[1]から[6]の何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
[8] 外来遺伝子を有するターゲティングベクターを有する、[1]から[7]の何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
[9] アグロバクテリウムの染色体中のT−DNAランダム挿入に関与する遺伝子を相同組み換え法により破壊する工程を含む、[1]から[8]の何れか1項に記載のアグロバクテリウムの製造方法。
[10] [8]に記載のアグロバクテリウムを植物細胞に感染させることにより得られる植物細胞。
[11] [8]に記載のアグロバクテリウムを植物細胞に感染させることを含む、形質転換植物の製造方法。
本発明によれば、形質転換を仲介するアグロバクテリウムの遺伝子を改変することにより遺伝子ターゲッティング効率(相同組換え効率)を大幅に向上することができる。本発明の方法によれば、相同組換えを利用し、植物の染色体上の特定の位置に遺伝子を高い効率で導入することができる。
図1は、ゲノムPCRによるアグロバクテリウムの遺伝子破壊の確認を示す。W:アグロバクテリウム野生株、M:アグロバクテリウム遺伝子破壊株 図2は、シロイヌナズナにおける遺伝子ターゲッティング評価系を示す。 図3は、GFP蛍光を発するT1種子を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、野生型と同等のT-DNA核移行能を有し、野生型と比較してT-DNA染色体挿入能が喪失又は低下している、アグロバクテリウムに関する。本発明のアグロバクテリウムを介して植物の形質転換を行うことにより、遺伝子ターゲッティング効率を向上させることができる。
好ましくは、本発明のアグロバクテリウムにおいては、T−DNAランダム挿入に関与する遺伝子の機能が喪失又は低下している。本明細書で言うT−DNAランダム挿入とは、T−DNAの挿入のうち、相同組み換えによる挿入以外の全ての挿入を包含するものとする。T−DNAランダム挿入に関与する遺伝子の具体例としては、Vir遺伝子、ChvA遺伝子、ChvB遺伝子、PscA遺伝子、Att遺伝子、並びに未知遺伝子(unknown gene)などが挙げられるが特に限定されない。
Vir遺伝子としては、転写単位としてvirA、virB、virC1、virD3、virD4、virD5、virE0、virE1 、virE2、virF、virG、virH1及びvirKなどが挙げられ、それぞれの転写領域には1〜複数個の遺伝子が含まれている。Vir遺伝子は好ましくは、virA、virC1、virD3、virD4、virD5、virE0、virE1 、virE2、virF、virH1及びvirKの何れか1種以上であり、より好ましくはvirC1、virD3、virD4、virD5、virE0、virE1 、virE2、virF、virH1及びvirKの何れか1種以上であり、さらに好ましくはvirE0、virE1 、virE2、virF、virH1及びvirKの何れか1種以上であり、特に好ましくはvirE0、virE1及びvirE2の何れか1種以上である。
Vir遺伝子として、具体的には、ATU6150(virH1)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、ATU6166(virA)遺伝子、ATU6183(virD3)遺伝子、ATU6184(virD4)遺伝子、ATU6185(virD5)遺伝子、ATU6188(virE0)遺伝子、ATU6189(virE1)遺伝子、ATU6190(virE2)遺伝子、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6156(virK)遺伝子、ATU6180(virC1)遺伝子を挙げることができる。
上記の中で好ましくは、TU6150(virH1)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、ATU6183(virD3)遺伝子、ATU6184(virD4)遺伝子、ATU6185(virD5)遺伝子、ATU6188(virE0)遺伝子、ATU6189(virE1)遺伝子、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6156(virK)遺伝子、及びATU6180(virC1)遺伝子の何れか1種以上である。
より好ましくは、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6150(virH1)遺伝子、ATU6188(virE0)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、及びATU6156(virK)遺伝子の何れか1種以上である。
さらに好ましくは、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6150(virH1)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、及びATU6156(virK)遺伝子の何れか1種以上である。
特に好ましくは、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、及びATU6156(virK)遺伝子の何れか1種以上である。
最も好ましくは、ATU6191(virE3)遺伝子である。
機能未知遺伝子(unknown gene)の例としては、ATU3081遺伝子、及びATU4309遺伝子が挙げられる。
機能を喪失又は低下させる遺伝子の数は1以上であれば特に限定されず、1〜11個の任意の数であるが、例えば1〜10個、好ましくは1〜5個の遺伝子の機能を喪失又は低下させることができる。
アグロバクテリウムA208株におけるATU3081遺伝子(配列番号1)、ATU4309遺伝子(配列番号2)、ATU6150(virH1)遺伝子(配列番号3)、ATU6154(virF)遺伝子(配列番号4)、ATU6166(virA)遺伝子(配列番号5)、ATU6183(virD3)遺伝子(配列番号6)、ATU6184(virD4)遺伝子(配列番号7)、ATU6185(virD5)遺伝子(配列番号8)、ATU6188(virE0)遺伝子(配列番号9)、ATU6189(virE1)遺伝子(配列番号10)、ATU6190(virE2)遺伝子(配列番号11)、ATU6191(virE3)遺伝子(配列番号12)、ATU6156(virK)遺伝子(配列番号13)及びATU6180(virC1)遺伝子(配列番号14)の塩基配列を、配列表の配列番号1〜14にそれぞれ記載する。アグロバクテリウムEHA101系株におけるATU6150(virH1)遺伝子(配列番号15)、ATU6154(virF)遺伝子(配列番号16)、ATU6166(virA)遺伝子(配列番号17)、ATU6183(virD3)遺伝子(配列番号18)、ATU6184(virD4)遺伝子(配列番号19)、ATU6185(virD5)遺伝子(配列番号20)、ATU6189(virE1)遺伝子(配列番号21)、ATU6190(virE2)遺伝子(配列番号22)、ATU6191(virE3)遺伝子(配列番号23)、ATU6156(virK)遺伝子(配列番号24)及びATU6180(virC1)遺伝子(配列番号25)の塩基配列を、配列表の配列番号15〜25にそれぞれ記載する。
本発明のアグロバクテリウムとしては、上記の14種の遺伝子の機能が喪失又は低下しているアグロバクテリウムのみならず、上記遺伝子の相同遺伝子の機能が喪失又は低下しているアグロバクテリウムでもよい。相同遺伝子とは、ATU3081遺伝子、ATU4309遺伝子、ATU6150(virH1)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、ATU6166(virA)遺伝子、ATU6183(virD3)遺伝子、ATU6184(virD4)遺伝子、ATU6185(virD5)遺伝子、ATU6188(virE0)遺伝子、ATU6189(virE1)遺伝子、ATU6190(virE2)遺伝子、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6156(virK)遺伝子、及びATU6180(virC1)遺伝子の何れかの塩基配列に対して、40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性(配列同一性ともいう)を有する塩基配列からなり、上記各遺伝子と同等の機能を有する遺伝子を言う。以下の表1に、相同遺伝子の一例として、アグロバクテリウムEHA101系株における相同遺伝子の遺伝子サイズ及び相同性を記載する。
上記遺伝子の機能を喪失又は低下させるための手法としては特に限定されず、上記の1以上の遺伝子の塩基配列中に変異または欠失を導入することにより遺伝子の機能を喪失又は低下させてもよいし、上記の1以上の遺伝子の全体が欠失させることにより遺伝子の機能を喪失させてもよい。染色体上の遺伝子を部位特異的に変異する方法は当業者に周知である。代表的な方法としてはトランスポゾンと相同組換えの機構を利用した方法(Ohman等、J.Bacteriol.,162:1068−1074(1985))や相同組換えの機構によって起こる部位特異的な組み込みと第二段階の相同組換えによる脱落を原理とした方法(Noti等、Methods Enzymol.,154:197−217(1987))などがあり、また、Bacillus subtilis由来のsacB遺伝子を共存させて、第二段階の相同組換えによって遺伝子が脱落した微生物株をシュークロース耐性株として容易に単離する方法(Schweizer、Mol.Microbiol.,6:1195−1204(1992)、Lenz等、J.Bacteriol.,176:4385−4393(1994))も利用することができるが、その方法は特に制限されない。好ましくは、アグロバクテリウムの染色体中のT−DNAランダム挿入に関与する遺伝子を相同組み換え法により破壊することができる。
また本発明は、野生型と同等のT-DNA核移行能を有し、野生型と比較してT-DNA染色体挿入能が喪失又は低下しているアグロバクテリウムであって、外来遺伝子を有するターゲティングベクターを有する上記アグロバクテリウムを、植物細胞に感染させることを含む、形質転換植物の製造方法に関する。
本発明の方法のベースとなる「アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換法」とは、一般的にアグロバクテリウム仲介形質転換法又はアグロバクテリウム法と呼ばれており、アグロバクテリウム菌を介して植物細胞のゲノムに外来遺伝子を導入し、植物を形質転換する方法をいう。アグロバクテリウム菌は、感染した植物細胞において、アグロバクテリウム菌が保持するプラスミド等のベクター中のT-DNA領域を植物染色体DNA中に挿入する。そこでアグロバクテリウム菌を介する植物形質転換法では、T-DNA領域の右側ボーダー配列(RB)及び左側ボーダー配列(LB)の間のプロモーター及びターミネーターの制御下に、植物に導入する外来遺伝子を組み込んだベクター(好ましくはバイナリーベクター)をアグロバクテリウム菌に常法により導入し、それを植物に接種し感染させることにより、T-DNA領域中の外来遺伝子を植物に導入することができる。
より具体的には、例えば、本発明の方法では、in vitro培養系の植物のカルス又は組織片にアグロバクテリウム菌を感染させて外来遺伝子を導入し、それをin vitro培養により植物体に再生させることにより形質転換植物体を作製する形質転換法を、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換法として用いてもよい。あるいは本発明の方法では、シロイヌナズナで一般的に用いられるフローラルディップ法と呼ばれるインプランタ形質転換法を用いてもよい。さらに本発明の方法では、植物個体(植物体又は種子)のメリステム(分裂組織)に外来遺伝子含有ベクターをアグロバクテリウム菌に接種及び感染させることによるインプランタ形質転換法を、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換法としてより好ましく用いることができる。
一実施形態では、本発明の方法は、アグロバクテリウム菌を介する植物形質転換法において、特に、外来遺伝子を含むが選択マーカー遺伝子を含まないT-DNA領域を有するベクター、すなわち、T-DNA領域内に外来遺伝子を導入したベクター(外来遺伝子含有ベクター)のT-DNA領域内に選択マーカー遺伝子が挿入されていないベクター、を保持するアグロバクテリウム菌を用いて、植物を形質転換することもできる。ここで用いるT-DNA領域内の「外来遺伝子」は、選択マーカー遺伝子ではない。用語「選択マーカー遺伝子」の定義や具体例等は後述する。この本発明の方法では、形質転換体の選抜用に通常用いられる選択マーカー遺伝子を外来遺伝子とともに宿主植物細胞ゲノムに導入することはせず、ゲノム中に導入された外来遺伝子又はそこから発現されたmRNA等の核酸又はタンパク質を検出することにより、植物形質転換体を選抜すればよい。この植物形質転換体は選択マーカー遺伝子を含まないため、選択マーカーによる選抜法(例えば、抗生物質耐性や除草剤耐性に基づく選抜)では選抜されない。この方法では、形質転換効率が高いアグロバクテリウム形質転換法(例えば、後述の方法)と併用することにより、選択マーカー遺伝子を宿主植物ゲノムに導入しなくても、形質転換体を効率よく取得できる。
本発明では、特定の遺伝子が破壊されたアグロバクテリウム株を用いることにより相同組換え効率を向上させることができる。これは、特定の遺伝子の欠損により、植物ゲノムへのT-DNAの挿入が抑制されることにより、結果的に相同組換えが促進されるものと考えられる。
植物に接種するために用いるアグロバクテリウム菌の菌液は、さらにTween 20等の界面活性剤を含有してもよい。アグロバクテリウム菌の菌液は、アセトシリンゴン等のフェノール類を含んでもよい。これらの成分も形質転換効率をさらに向上させることができる。
本発明の植物形質転換法は、アグロバクテリウム菌が感染可能な任意の植物に適用することができる。本発明の植物形質転換法の適用対象は、双子葉植物であってもよいし、単子葉植物であってもよい。適用対象植物としては、特に限定されないが、例えば、イネ科[コムギ(Triticum aestivum L.)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare L.)、トウモロコシ(Zea mays L.)、ソルガム(Sorghum bicolor (L.) Moench)、エリアンサス(Erianthus spp)、ギニアグラス(Panicum maximum Jacq.)、ミスカンサス(Miscanthus spp)、サトウキビ(Saccharum officinarum L.)、ネピアグラス(Pennisetum purpureum Schumach)、パンパスグラス(Cortaderia argentea Stapf.)、ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)、イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)、メドウフェスク(Festuca pratensis Huds.)、トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)、オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)、チモシー(Phleum pratense L.)等]、マメ科[ダイズ(Glycine max)、アズキ(Vigna angularis Willd.)、インゲン(Phaseolus vulgaris L.)、ソラマメ(Vicia faba L.)等]、アオイ科[ワタ(Gossypium spp.)、ケナフ(Hibiscus cannabinus)、オクラ(Abelmoschus esculentus)等]、ナス科[ナス(Solanum melongena L.)、トマト(Solanum lycopersicum)、ピーマン(Capsicum annuum L. var. angulosum Mill.)、トウガラシ(Capsicum annuum L.)、タバコ(Nicotiana tabacum L.)等]、アブラナ科[シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica campestris L.)、ハクサイ(Brassica pekinensis Rupr.)、キャベツ(Brassica oleracea L. var. capitata L.)、ダイコン(Raphanus sativus L.)、ナタネ(Brassica campestris L., B. napus L.)等]、ウリ科[キュウリ(Cucumis sativus L.)、メロン(Cucumis melo L.)、スイカ(Citrullus vulgaris Schrad.)、カボチャ(C. moschata Duch., C. maxima Duch.)等]、ヒルガオ科[サツマイモ(Ipomoea batatas)等]、ユリ科[ネギ(Allium fistulosum L.)、タマネギ(Allium cepa L.)、ニラ(Allium tuberosum Rottl.)、ニンニク(Allium sativum L.)、アスパラガス(Asparagus officinalis L.)等]、シソ科[シソ(Perilla frutescens Britt. var. crispa)等]、キク科[キク(Chrysanthemum morifolium)、シュンギク(Chrysanthemum coronarium L.)、レタス(Lactuca sativa L. var. capitata L.)等]、バラ科[バラ(Rose hybrida Hort.)、イチゴ(Fragaria x ananassa Duch.)等]、ミカン科[ミカン(Citras unshiu)、サンショウ(Zanthoxylum piperitum DC.)等]、フトモモ科[ユーカリ(Eucalyptus globulus Labill)等]、ヤナギ科[ポプラ(Populas nigra L. var. italica Koehne)等]、アカザ科[ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)、テンサイ(Beta vulgaris L.)等]、リンドウ科[リンドウ(Gentiana scabra Bunge var. buergeri Maxim.)等]、ナデシコ科[カーネーション(Dianthus caryophyllus L.)等]の植物が挙げられる。イネ科、マメ科植物及びアオイ科植物等の、従来の形質転換法では遺伝子導入効率が低い植物が、本発明の形質転換法の適用対象として特に好適である。
本発明の方法で用いるアグロバクテリウム菌は、アグロバクテリウム仲介形質転換を引き起こすことができるリゾビウム属の植物病原菌であり、特に限定されないが、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アグロバクテリウム・ビチス(Agrobacterium vitis)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)、及びアグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)等であってよい。具体的には、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)LBA4404株、C58株、EHA101株、A208株、アグロバクテリウム・ビチス(Agrobacterium vitis)F2/5株、S4株、及びアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)A4株、LBA9402株等、並びにそれらの派生株が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
植物に導入する外来遺伝子を、T-DNA領域を含むベクターのT-DNA領域内に導入して外来遺伝子含有ベクター(即ち、外来遺伝子を有するターゲティングベクター)を作製し、それをアグロバクテリウム菌に導入することにより、外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウム菌を作製することができる。T-DNA領域を含むベクターは、アグロバクテリウム菌のプラスミドに由来するT-DNA領域、すなわち、右側ボーダー配列(RB)及び左側ボーダー配列(LB)によって挟まれた核酸配列と、複製開始点とを含み、アグロバクテリウム菌で自律複製可能なベクターである。好ましくは該ベクター中のT-DNA領域はRB及びLB配列の間にプロモーター及びターミネーターを含む。T-DNA領域を含むベクターは、大腸菌や酵母などの他の微生物の複製開始点も含み、それらの微生物でも自律複製を可能にするバイナリーベクターであることがさらに好ましい。T-DNA領域を含むベクターは、T-DNA領域外に、vir遺伝子を含有していてもよい。外来遺伝子を導入するのに好適な、植物形質転換用のT-DNA領域を含むベクターは複数の種類が市販されている。T-DNA領域を含むベクターとしては、例えば、pIG121-Hm (Ohta,S.,et al. Plant Cell Physiol. 31, 805-813. 1990)、pCAMBIA(Marker Gene Technologies, Inc.)、pRI909(TaKaRa社)、pRI101、(TaKaRa社)、pBI(インプランタイノベーションズ社)、pBIN(Bevan, M. et al. Nucleic Acids Res. 12, 8711-8721. 1984)、pPZP(Hajdukiewicz, P.et al. Plant Mol. Biol. 25, 989-994 1994)、pGreen(Hellens, R. et al Plant Mol. Biol. 42, 819-832. 2000)、pBIBAC(Liu, Y. et al Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96, 6535-6540. 1999)、pGA、SEV、pEND4K、pCIB10、pMRK63、pGPTV、pCGN1547、pART、pGKB5、pMJD80、pMJD81、pBINPLUS、pRT100、pCB、pMDC、pRCS2、pORE等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明の好ましい一実施形態において、T-DNA領域内に外来遺伝子を導入したベクター(外来遺伝子含有ベクター)は、T-DNA領域外に選択マーカー遺伝子を含んでもよいが、T-DNA領域内には選択マーカー遺伝子を含まないことが好ましい。本発明において選択マーカー遺伝子とは、形質転換細胞のみに所定条件下での生存能を付与して形質転換細胞の選抜を可能にする遺伝子、あるいは、蛍光タンパク質遺伝子、呈色反応を触媒する酵素遺伝子をいい、典型的には例えば、薬剤耐性遺伝子や栄養要求性相補遺伝子等が含まれる。選択マーカー遺伝子としては、以下に限定するものではないが、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ホスフィノトリシン耐性遺伝子、ビアラフォス耐性遺伝子、ゲンタマイシン耐性遺伝子、スルホニルウレア耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ブレオマイシン耐性遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、β−グルクロニターゼ遺伝子、グリーンフルオレッセンスプロテイン(GFP)遺伝子等が挙げられる。外来遺伝子含有ベクターがT-DNA領域内に選択マーカー遺伝子を含まないことで、形質転換植物に選択マーカー遺伝子が導入されず、より形質の安定性及び安全性の高い形質転換植物を得ることができる。本発明の方法では形質転換効率が大きく向上しているため、選択マーカー遺伝子を導入せず、選択マーカー遺伝子の発現による表現型の変化を指標とすることなしに、十分な効率で形質転換植物を選抜することができる。
T-DNA領域を含むベクターに含める外来遺伝子は、植物で発現を誘導することを意図する任意の遺伝子であり、植物由来遺伝子であってもよいし、動物由来遺伝子であってもよい。「外来遺伝子」は、アグロバクテリウム菌を介して外部から導入する核酸(通常はDNA)であることを指し、例えば遺伝子導入する宿主植物又はそれと同じ生物種若しくは株から単離したものであってもよい。本発明の「外来遺伝子」は、タンパク質をコードするものであってもよいし、機能性RNAをコードするものであってもよい。外来遺伝子としては、例えば、種子収量増加、環境ストレス(低温、乾燥、塩、ウィルス、病害、高温)耐性、光合成機能増強、バイオマス生産、有用物質生産などに関与する遺伝子群が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
外来遺伝子含有ベクターのアグロバクテリウム菌への導入は、常法により行うことができる。例えば、外来遺伝子含有ベクターを、凍結融解法やパーティクルガン法により、アグロバクテリウム菌に導入することができる。凍結融解法の例を簡単に説明すると、アグロバクテリウム菌のコンピテント細胞を、外来遺伝子含有ベクターと混合し、氷上で5分間インキュベートし、液体窒素中で5分間凍結させ、次いで37℃で5分間インキュベートして解凍させて、室温又は28℃で2〜4時間振とう培養した後、抗生物質含有培地で培養し、形成された単一クローンを採取すればよい。
本発明においては、アグロバクテリウムを植物細胞に感染させることができる。外来遺伝子含有ベクターを有するアグロバクテリウムを植物細胞に感染させることによって形質転換植物を製造することができる。
アグロバクテリウム菌の接種は常法にしたがって行えばよいが、本発明においてインプラント形質転換法を用いる場合には、植物個体(植物体又は種子)のメリステム(分裂組織)に外来遺伝子含有ベクターをアグロバクテリウム菌に接種することが好ましい。植物個体の任意のメリステムを接種部位とすることができるが、例えば、幼植物若しくは実生の茎頂又は腋芽や、種子の胚のメリステムに接種することが好ましい。例えばイネ科植物では、種子の胚のメリステムに接種することが好ましい。種子の胚のメリステムへの接種は、種子から発芽したシュート(茎及び葉)、シュート基部の周囲の胚部分、又は根に対する接種でありうる。
メリステムへの接種は、メリステムへの創傷部位に行うことが好ましい。創傷部位は、例えば殺菌した針(例えば直径0.71 mm)でメリステムを数箇所突いて刺し傷をつけることによって作製してもよい。刺し傷は限定するものではないが、0.5 mm〜2 mm程度とすることができる。あるいはメリステムに微小な切り傷等の他の創傷をつけてもよい。創傷を作製してから、アグロバクテリウム菌をその創傷部位に接種してもよいし、アグロバクテリウム菌を植物に接種した後に接種部位に創傷をつけてもよい。
アグロバクテリウム菌を接種した植物は、アグロバクテリウム菌の感染を促進するため、アグロバクテリウム菌との共存培養を行ってもよい。本発明の方法において、共存培養は、23℃以上、好ましくは25〜30℃、さらに好ましくは28℃で行うことが好ましい。共存培養は、通常の期間行えばよいが、例えば、12時間〜10日間、好ましくは24時間〜5日間、より好ましくは36時間〜4日間行うことが好ましい。このような温度で共存培養を行うことにより、アグロバクテリウム菌の生育を促進し、感染を促進することができる。
アグロバクテリウム菌を接種した植物は、感染後、アグロバクテリウムの除菌処理を行ってもよい。除菌処理は、例えばセフォタキシム等の抗生物質で処理することにより実施することができる。
アグロバクテリウム菌を感染させ、必要に応じて除菌した植物は、適切な栽培条件下で生育させる。一定の生育段階に至った時点で、ゲノムPCR等により、導入した外来遺伝子がゲノムに組み込まれていることを確認することが好ましい。外来遺伝子の導入が確認された植物を形質転換植物として選抜し、これをT0世代とする。
T0世代の植物は、花芽形成させ、交配させて種子を形成する。このようにして得られる植物がT1世代である。T1世代でも外来遺伝子のゲノムへの組込みを確認することにより、安定した形質転換植物を選抜し、取得することができる。
このようにして得られる形質転換植物について、遺伝子ターゲッティング効率を算出することができる。遺伝子ターゲッティング効率は、相同組み換え効率/ランダム組み換え効率により算出することができる。ここで、相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数であり、ランダム組み換え効率とは、ランダム組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。
本発明のアグロバクテリウムを植物に形質転換した際における相同組み換え効率は、野生型アグロバクテリウムと比較して、好ましくは2倍以上向上しており、さらに好ましくは5倍以上向上しており、さらに好ましくは10倍以上向上しており、さらに好ましくは15倍以上向上しており、特に好ましくは20倍以上向上している。上記の向上の倍率は高いほど好ましく、その上限は特に限定されないが、一般的には200倍以下、例えば100倍以下である。
本発明のアグロバクテリウムを植物に形質転換した際における遺伝子ターゲッティング効率は、野生型アグロバクテリウムと比較して、好ましくは2倍以上向上しており、さらに好ましくは4倍以上向上しており、さらに好ましくは10倍以上向上しており、さらに好ましくは15倍以上向上しており、特に好ましくは20倍以上向上している。上記の向上の倍率は高いほど好ましく、その上限は特に限定されないが、一般的には200倍以下、例えば100倍以下である。
本発明のアグロバクテリウムを植物に形質転換した際における遺伝子ターゲッティング効率は、好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは1.5%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは8%以上であり、特に好ましくは10%以上である。遺伝子ターゲッティング効率は高いほど好ましく、その上限は特に限定されないが、一般的には70%以下であり、例えば50%以下である。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]アグロバクテリウムの遺伝子破壊株の作製
アグロバクテリウムA208株(C58染色体, ノパリン型 T37pTi)(Wirawan IG, Kang HW, Kojima M (1993) Isolation and characterization of a new chromosomal virulence gene of Agrobacterium tumefaciens. J Bacteriol 175: 3208-3212)の遺伝子破壊株の作製は、特開2007-259708に記載の「相同組換えの機構によって起こる部位特異的な組み込みと第二段階の相同組換えによる脱落を原理とした方法」を用いて実施した。
アグロバクテリウムの遺伝子破壊株作製に使用したプライマーを以下に示す。
ATU3081 Forward1 TTAGCGCCTCTGAAATTCGG(配列番号26)
ATU3081 Reverse1 AAGGCACTTCGTCAGCGACCA(配列番号27)
ATU3081 Forward2 TTACTTCTGACCGCAAGAGATC(配列番号28)
ATU3081 Reverse2 TTCGCCAGATGCTCAGCGAT(配列番号29)
ATU4309 Forward1 GGTGGTTGGAAAGCTCATGTC(配列番号30)
ATU4309 Reverse1 CGATCCAGAAAATCCTGGCG(配列番号31)
ATU4309 Forward2 CACCGGCTTCTGCGACGCGC(配列番号32)
ATU4309 Reverse2 AATCTATCCGTAGATCATCCTC(配列番号33)
ATU6150 Forward1 GTGGATATCGAGGGGACAC(配列番号34)
ATU6150 Reverse1 ACATACTTTCATCGAAGTCG(配列番号35)
ATU6150 Forward2 GGTCACCGTTCCGTTCGGTT(配列番号36)
ATU6150 Reverse2 TCTCCGCGAACAGATCTACTG(配列番号37)
ATU6154 Forward1 CAATTGACTGACCTCGCGAA(配列番号38)
ATU6154 Reverse1 CGTGCATGCTCCTTCTTTCT(配列番号39)
ATU6154 Forward2 TTCCTGGATCCACCGCGCTG(配列番号40)
ATU6154 Reverse2 ATCGGCTCAATTGATATCCC(配列番号41)
ATU6166 Forward1 TTTGCTTGGTCACCTGAAAC(配列番号42)
ATU6166 Reverse1 CCGCACTTACGTCCTCGTAC(配列番号43)
ATU6166 Forward2 AGTTGAGGATGTTTTTCAGGAG(配列番号44)
ATU6166 Reverse2 TAGGGTCGGTTACTCTAGGAT(配列番号45
ATU6183 Forward1 AAACCGCACTCCCGATATTC(配列番号46)
ATU6183 Reverse1 CACTCGGTCCTTCTCTATCT(配列番号47)
ATU6183 Forward2 AGGCTGTGTTGTTCGCAGCA(配列番号48)
ATU6183 Reverse2 CCAAAGATTGGCCCCTTGATAC(配列番号49)
ATU6184 Forward1 GTTGGTTCCCAATGCCAATC(配列番号50)
ATU6184 Reverse1 CACTTCACCGAGATTCTTCG(配列番号51)
ATU6184 Forward2 CTTCAAGCTGCCTTTCACAT(配列番号52)
ATU6184 Reverse2 AAGATCAAAGGCGACTCCTC(配列番号53)
ATU6185 Forward1 GCCTTTCACATTGGAATCAT(配列番号54)
ATU6185 Reverse1 ATGGGAAGACCTCGTTGTCA(配列番号55)
ATU6185 Forward2 AAGGTCGTCCACGATACTTT(配列番号56)
ATU6185 Reverse2 GGCACTGCTGTCAAGAAATC(配列番号57)
ATU6188 Forward1 ATTCCTGAGCATTGAGGTCC(配列番号58)
ATU6188 Reverse1 TGCTTTCTAGGCTGCTGCAG(配列番号59)
ATU6188 Forward2 ATGGAGCAAACCTTAATTTG(配列番号60)
ATU6188 Reverse2 GGACATCCCGGTGGAATTTA(配列番号61)
ATU6189 Forward1 ACCGAAGGCTCAATTCTATT(配列番号62)
ATU6189 Reverse1 ATCATTGTTTCTCCTACAGA(配列番号63)
ATU6189 Forward2 AAGGAGTTAGACGATGGATC(配列番号64)
ATU6189 Reverse2 CAGCTCGCATTGAATTCCG(配列番号65)
ATU6190 Forward1 ACCTGGCGGCAAACCGACA(配列番号66)
ATU6190 Reverse1 TAGCCGGCTAGGTTTTCTTC(配列番号67)
ATU6190 Forward2 GGTCGACACGACGAAGAAG(配列番号68)
ATU6190 Reverse2 TATTTCACATGCTTCGCGCG(配列番号69)
ATU6191 Forward1 ACCGCGTCAGTGACGAAGCC(配列番号70)
ATU6191 Reverse1 GCGTTACGCTTCAGAACCTT(配列番号71)
ATU6191 Forward2 TGAAACAGGCCAAGATGTG(配列番号72)
ATU6191 Reverse2 TCATTCACCATCGCGCGCCA(配列番号73)
ATU6156 Forward1 ATCAATTGAGCCGATCTTCC (配列番74)
ATU6156 Reverse1 AGGTGATCCTATTTAGATTG(配列番号75)
ATU6156 Forward2 TGATCTCTGACTCCTGTGT(配列番号76)
ATU6156 Reverse2 CTTCCATGTGCTGATTTCCA(配列番号77)
Atu6180 Forward1 TCTCTGCGTCGATTTCAAGA(配列番号78)
Atu6180 Reverse1 TCCTTATCCTGTCGATTTTG(配列番号79)
Atu6180 Forward2 CAGATGGGAATTCGCAAACC(配列番号80)
Atu6180 Reverse2 TGTGTGAGGGATCGGATAAC(配列番号81)
また、遺伝子破壊の確認は、作成したアグロバクテリウム株のゲノムPCRにより実施した。PCR反応条件は以下の表2に示す。
なお、遺伝子破壊の確認のためのゲノムPCRには、以下のプライマーを用いた。
ATU3081 Forward1 TTAGCGCCTCTGAAATTCGG(配列番号26)
ATU3081 Reverse2 TTCGCCAGATGCTCAGCGAT(配列番号29)
ATU4309 Forward1 GGTGGTTGGAAAGCTCATGTC(配列番号30)
ATU4309 Reverse2 AATCTATCCGTAGATCATCCTC(配列番号33)
ATU6150 Forward1 GTGGATATCGAGGGGACAC(配列番号34)
ATU6150 Reverse2 TCTCCGCGAACAGATCTACTG(配列番号37)
ATU6154 Forward1 CAATTGACTGACCTCGCGAA(配列番号38)
ATU6154 Reverse2 ATCGGCTCAATTGATATCCC(配列番号41)
ATU6166 Forward1 TTTGCTTGGTCACCTGAAAC(配列番号42)
ATU6166 Reverse2 TAGGGTCGGTTACTCTAGGAT(配列番号45
ATU6183 Forward1 AAACCGCACTCCCGATATTC(配列番号46)
ATU6183 Reverse2 CCAAAGATTGGCCCCTTGATAC(配列番号49)
ATU6184 Forward1 GTTGGTTCCCAATGCCAATC(配列番号50)
ATU6184 Reverse2 AAGATCAAAGGCGACTCCTC(配列番号53)
ATU6185 Forward1 GCCTTTCACATTGGAATCAT(配列番号54)
ATU6185 Reverse2 GGCACTGCTGTCAAGAAATC(配列番号57)
ATU6188 Forward1 ATTCCTGAGCATTGAGGTCC(配列番号58)
ATU6188 Reverse2 GGACATCCCGGTGGAATTTA(配列番号61)
ATU6189 Forward1 ACCGAAGGCTCAATTCTATT(配列番号62)
ATU6189 Reverse2 CAGCTCGCATTGAATTCCG(配列番号65)
ATU6190 Forward1 ACCTGGCGGCAAACCGACA(配列番号66)
ATU6190 Reverse2 TATTTCACATGCTTCGCGCG(配列番号69)
ATU6191 Forward1 ACCGCGTCAGTGACGAAGCC(配列番号70)
ATU6191 Reverse2 TCATTCACCATCGCGCGCCA(配列番号73)
ATU6156 Forward1 ATCAATTGAGCCGATCTTCC (配列番号74)
ATU6156 Reverse2 CTTCCATGTGCTGATTTCCA(配列番号77)
Atu6180 Forward1 TCTCTGCGTCGATTTCAAGA(配列番号78)
Atu6180 Reverse2 TGTGTGAGGGATCGGATAAC(配列番号81)
ゲノムPCRの結果、各々のアグロバクテリウムの遺伝子破壊株において、目的遺伝子が破壊されていることを確認した(図1)。また、各々の破壊株に関して、シークエンス解析を実施し、遺伝子が破壊されていることをDNA配列においても確認した。
[実施例2]アグロバクテリウム遺伝子破壊株の病原性(T-DNA染色体挿入能)、及びT-DNA核移行能の確認
アグロバクテリウム遺伝子破壊株の病原性(T-DNA染色体挿入能)は以下の方法にて実施した。[実施例1]で作製したアグロバクテリウム遺伝子破壊株を、LB個体培地(Difco社)にて25℃で48時間培養した菌体をカランコエ(Kalanchoe daigremontiana)の植物体の葉に接種した。病原性(T-DNA染色体挿入能)の有無は、接種後3週間経過時に、接種箇所における腫瘍(クラウンゴール)形成の有無で判断した。また、腫瘍のサイズをアグロバクテリウム野生株と比較し、病原性の強度を評価した。
また、T-DNA核移行能の確認は、GUS遺伝子の一過的発現により確認した。方法を以下に記す。[実施例1]で作製したアグロバクテリウム遺伝子破壊株に、プラスミドベクターpIG121-Hmを導入した株を調製し、LB個体培地(Difco社)にて、25℃で48時間培養したものをカランコエ(Kalanchoe daigremontiana)の植物体の葉に接種した。接種後2週間経過時に、GUS活性を測定した。GUS活性の測定方法は(Journal of Bioscience and Bioengineering vol.90, 328-331.2000)に記載の方法にて実施した。
アグロバクテリウム遺伝子破壊株の病原性(T-DNA染色体挿入能)、及びT-DNA核移行能の測定結果を表3に示す。病原性(T-DNA染色体挿入能)、及びT-DNA核移行能の評価基準は以下の通りである。
病原(T-DNA染色体挿入能)
++:腫瘍が野生型(A208)と同等(サイズが0.5倍以上)(T-DNA染色体挿入能「強」)
+:腫瘍が野生型(A208)よりも半分未満のサイズ(T-DNA染色体挿入能「弱」)
−:目視で腫瘍が全く確認できない(T-DNA染色体挿入能「欠損」)
T-DNA核移行能:
++:T-DNA核移行能有り(GUS活性値が 100 [pmol of 4-MU/min/mg protein]以上)
+:T-DNA核移行能有り(GUS活性値が20〜100 [pmol of 4-MU/min/mg protein] )
−:T-DNA核移行能無し(GUS活性値が20 [pmol of 4-MU/min/mg protein]以下)
[実施例3]シロイヌナズナを用いた遺伝子ターゲッティング(相同組換え)評価システムの構築
シロイヌナズナの種子貯蔵タンパク質である クルシフェリン3(以下CRU3)を用いたターゲッティングレポーター遺伝子を作製し、双子葉植物であるシロイヌナズナにおける遺伝子ターゲッティング評価システムを構築した(図2)。用いるターゲッティングベクターには、CRU3遺伝子の内部にGFP蛍光タンパク質(GFP)を挿入してあるため、遺伝子ターゲッティングが成功した場合はCRU3遺伝子の発現部位である胚乳において、特異的にGFP蛍光を発すると考えられる。
また、ゲノムPCRによるターゲッティングの有無の確認には、以下のプライマー、及び表4のPCR反応条件を用いた。
Forward primer ctacgcgcatgaagatcaag(配列番号82)
Reverse primer tcctcgcccttgctcaccat(配列番号83)
[実施例4]シロイヌナズナを用いた遺伝子ターゲッティングの改善効果の確認(ATU6191遺伝子破壊株)
[実施例3]において作製したターゲッティングベクターを導入したアグロバクテリウム変異株(ATU6191遺伝子破壊株)を用いて、形質転換を行い、得られた T1種子を回収し、顕微鏡観察により、GFP蛍光を発するT1種子を選抜した(図3)。GFP蛍光を示さないT1種子については、ハイグロマイシン選抜培地上で発芽させ、ハイグロマイシン耐性個体は、非相同組み換えによるランダム挿入が起こったものとした。
形質転換処理後のT1種子5198個のうち、3個の種子においてGFP蛍光が認められた(3/5198=0.06%)。また、これらの種子において、ゲノムPCRにより、遺伝子ターゲッティングが起きた時にのみ得られるフラグメントが確認された。
さらに、得られた5198個のT1種子において、ハイグロマイシン耐性を指標に非相同的組み換えによるランダム挿入が起こった割合を算出したところ、1.05%(45/4280)であった。以上より算出した、本アグロバクテリウム変異株の遺伝子ターゲッティング効率(相同組換え効率/ランダム挿入効率)は5.5%であった。
[実施例5]シロイヌナズナを用いた遺伝子ターゲッティングの改善効果の確認(ATU6150遺伝子破壊株、ATU6188遺伝子破壊株、ATU6154遺伝子破壊株、ATU3081遺伝子破壊株、ATU6156遺伝子破壊株
アグロバクテリウム 変異株としてATU6150遺伝子破壊株、ATU6188遺伝子破壊株、ATU6154遺伝子破壊株、ATU3081遺伝子破壊株、またはATU6156遺伝子破壊株を用いた点以外は[実施例4]と同一の方法にて実施した。その結果、上記5種の株について、GFP蛍光が認められた種子の割合は何れも0.1%以上である。
[比較例1]
アグロバクテリウムの野生株を用いる点以外は、[実施例4]と同一の方法にて実施した場合、形質転換処理後のT1種子5000個のうち、GFP蛍光種子は一つも得られなかった。

Claims (9)

  1. 野生型と同等のT-DNA核移行能を有し、野生型と比較してT-DNAを染色体にランダム挿入する能力が喪失又は低下している、アグロバクテリウムであって、T−DNAランダム挿入に関与する遺伝子の機能が喪失又は低下しており、前記T−DNAランダム挿入に関与する遺伝子がATU3081遺伝子、ATU4309遺伝子、ATU6150(virH1)遺伝子、ATU6154(virF)遺伝子、ATU6156(virK)遺伝子、ATU6183(virD3)遺伝子、ATU6185(virD5)遺伝子、ATU6188(virE0)遺伝子、ATU6189(virE1)遺伝子、ATU6191(virE3)遺伝子、ATU6180(virC1)遺伝子又はこれらの相同遺伝子から選択される1以上の遺伝子である、アグロバクテリウム。
  2. 植物に形質転換した際における相同組み換え効率が、野生型アグロバクテリウムと比較して2倍以上向上している(但し、相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である)、請求項1に記載のアグロバクテリウム。
  3. 植物に形質転換した際における遺伝子ターゲッティング効率が、野生型アグロバクテリウムと比較して2倍以上向上している(但し、遺伝子ターゲッティング効率とは、相同組み換え効率/ランダム組み換え効率である。相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。ランダム組み換え効率とは、ランダム組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。)、請求項1または2に記載のアグロバクテリウム。
  4. 植物に形質転換した際における遺伝子ターゲッティング効率が1%以上である(但し、遺伝子ターゲッティング効率とは、相同組み換え効率/ランダム組み換え効率である。相同組み換え効率とは、相同組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。ランダム組み換え効率とは、ランダム組み換えを生じた個体数/形質転換に供した個体数である。)、請求項1から3の何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
  5. アグロバクテリウム・リゾゲネス、又はアグロバクテリウム・ツメファシエンスである請求項1から4の何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
  6. 外来遺伝子を有するターゲティングベクターを有する、請求項1からの何れか1項に記載のアグロバクテリウム。
  7. アグロバクテリウムの染色体中のT−DNAランダム挿入に関与する遺伝子を相同組み換え法により破壊する工程を含む、請求項1からの何れか1項に記載のアグロバクテリウムの製造方法。
  8. 請求項に記載のアグロバクテリウムを植物細胞に感染させることにより得られる植物細胞。
  9. 請求項に記載のアグロバクテリウムを植物細胞に感染させることを含む、形質転換植物の製造方法。
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