JP2009525750A - 色素体ゲノム内に挿入された外来遺伝子の二次組換えを防止するための色素体形質転換システム - Google Patents

色素体ゲノム内に挿入された外来遺伝子の二次組換えを防止するための色素体形質転換システム Download PDF

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Abstract

本発明は、色素体ゲノム内に挿入された外来遺伝子の二次組換えを防止するための色素体形質転換システムに関するもので、より詳細にはタバコ以外の生物から分離したプロモーターとターミネーターを含んだ色素体形質転換用発現ベクターに関するものである。本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターは、既存のタバコ由来プロモーター/ターミネーター(例、rrnプロモーター/psbAターミネーター)と比較して同等な程度に色素体で外来タンパク質を効果的に大量生産することができると同時に、色素体内の二次組換えを防止することができるので、目的とする外来遺伝子を安全かつ正常に形質転換して外来タンパク質を発現する形質転換植物体を製造するのに極めて有用である。

Description

本発明は、色素体ゲノム内に挿入された外来遺伝子の二次組換えを防止するためのベクター開発に関するもので、具体的にはタバコ以外の生物から分離したプロモーター(promoter)とターミネーター(terminator)を含んだ色素体形質転換用発現ベクターに関するものである。
色素体は、光合性を担当する葉緑体(chloroplast)、澱粉保存をする澱粉体(amyloplast)、色素を含まない白色体(luekoplast)、花及び果物の色に関与する有色体(chromoplast)などに分類され、植物細胞一つに200個までの色素体が存在し、一つの色素体は100個のゲノムを有していて、10,000〜50,000コピーの遺伝子が存在する。一方、植物の核は、普通1〜2コピーのゲノムを有している。したがって、色素体形質転換による外来遺伝子の導入は、核を形質転換させた時と比べて目的タンパク質を約10,000倍以上効率的に生産することができる。
色素体形質転換に関する大部分の研究がタバコで行なわれており、それ以外にシロイヌナズナ、じゃがいも、トマトなどで成功した事例がある。しかし、タバコ以外の植物体では形質転換効率が非常に低いことが知られている。このような低い効率は、色素体の形質転換が非常に不充分に起きて、結果的に形質転換された植物体を選別する過程に長い時間と複雑な作業が要求されるからであると考えられる。タバコの場合、幾多の研究を通じてその特性が広く知られているので、比較的高い効率の達成が可能である。
最近、前記のような理由で色素体形質転換方法によって外来遺伝子を植物に導入することによって新しい形質を植物に付与する方法が開発された(Svab,Z., Hajdukiewicz,P.,Maliga,P.Proc.Natl Acad. Sci.,1990年,第87巻,8526−8530頁(非特許文献1);Staub,J.M.ら,Nature Biotechnol.,2000年,第18巻,333−338頁(非特許文献2))。このような色素体形質転換方法は、大きく分けて色素体形質転換工程と形質転換された植物体の選抜工程とからなる。
色素体形質転換でホモプラスミー(homoplasmy)を作る長期間の選抜過程と、低い形質転換効率の問題点を克復して、簡便で効率的な形質転換方法を開発するために、大韓民国公開特許第2002−00218号では、核に導入したリコンビナーゼが色素体に移動するようにした植物体を使用して、目的遺伝子配列とマーカー遺伝子配列を含む色素体形質転換用ベクターを製作して、色素体形質転換を遂行した後、色素体でのマーカー遺伝子の発現程度によって選別することで、相同組換え(homologous recombination)効率と形質転換効率が高い色素体形質転換方法を完成した。
組換えタンパク質の生産は、微生物と動物細胞システムを使用して主になされてきたが、最近、植物と植物細胞培養を通じて組換えタンパク質を生産しようとする研究が活発に進行されている。植物を使用した外来遺伝子の形質転換は、アグロバクテリウムを媒介にした形質転換方法が主に使用されている。植物発現システムは、微生物発現システムが有している解読後の修飾過程の短所を克復することができ、生産された組換えタンパク質の活用価値を高めることができる。また、植物細胞の培地や培養条件が動物細胞に比べて簡単で、比較的安価で動物ウイルスや毒素などの感染の危険性が少ないという長所がある(Doran,P.M.Current Opinion in Biotechnology,2000年,第11巻,199−204頁(非特許文献3))。最近、植物細胞培養を使用して外来タンパク質を発現しようとする研究が多く遂行されており、モデルシステムとしては、β−グルクロニダーゼ(glucuronidase)(Kurata,H.,T.Takemura,S.Furusaki,and C.I.Kado,J Ferment Bioeng,1998年,第86巻,317−323頁(非特許文献4))、抗体(LaCount,W.,G.An,J.M.Lee,Biotechnology Letters.,1997年,第19巻,93−96頁(非特許文献5))、インターロイキン(Magnuson,N.ら,Protein Expre Purif,1998年,第13巻,45−52頁(非特許文献6))、リシン(ricin)(Sehnki,P.C.and R.J.Ferl,Protein Expr Purif,1999年,第15巻,188−195頁(非特許文献7))、α1−アンチトリプシン(Terashima,M.ら,Appl Microbiol Biotechnol,1999年,第52巻,516−523頁(非特許文献8))などがある。
植物発現システムの宿主細胞としては、タバコ懸濁細胞または根毛が主に使用されており、これらは形質転換が容易で蛍光測定が比較的易しくて成長速度が早い(Wongsamuth,R.,P.M.Doran,Biotechnol Bioeng,1997年,第54巻,401−415頁(非特許文献9))。また、組換えタンパク質発現に関与するプロモーターによって多様な植物種を宿主細胞に使用することができる。一例として、スクロースの枯渇を信号にして組換えタンパク質発現を誘導するプロモーターを使用するための稲細胞培養がある(Terashima,M.ら, Appl Microbiol Biotechnol,1999年,第52巻,516−523頁(非特許文献8))。
既存のタバコ葉緑体形質転換に使用するプロモーター(promoter)/ターミネーター(terminator)システムは、タバコ由来のプロモーターとターミネーターを使用するので形質転換体が作られる過程で初めて相同組換えが起きた後、以後ターミネーター部位と既存タバコ葉緑体ゲノム内の同一な塩基配列との間で再度組換え(recombination)が起きて、非正常的な葉緑体ゲノムを有する植物体が生産される(Staub JM,Maliga P.Proc.Natl.Acad.Sci.,1994年,第91巻,7468−7472頁(非特許文献10);Svab Z,Maliga P,Proc.Natl.Acad.Sci.,1993年,第90巻,913−917頁(非特許文献11))。本発明者らは、既存の典型的なrrnプロモーターとpsbAターミネーターを有する色素体形質転換ベクターを使用した場合、100%すべての形質転換植物体で二次組換えが起きて、約50%の確率で二次組換えによって生成される小さな大きさのサブゲノム(subgenome)が大部分を占める非正常的な色素体形質転換体が生産されることを確認したが、このような場合には、導入遺伝子の安定的維持及び発現が保障されなかった。
Svab,Z., Hajdukiewicz,P.,Maliga,P.Proc.Natl Acad. Sci.,1990年,第87巻,8526−8530頁 Staub,J.M.ら,Nature Biotechnol.,2000年,第18巻,333−338頁 Doran,P.M.Current Opinion in Biotechnology,2000年,第11巻,199−204頁 Kurata,H.,T.Takemura,S.Furusaki,and C.I.Kado,J Ferment Bioeng,1998年,第86巻,317−323頁 LaCount,W.,G.An,J.M.Lee,Biotechnology Letters.,1997年,第19巻,93−96頁 Magnuson,N.ら,Protein Expre Purif,1998年,第13巻,45−52頁 Sehnki,P.C.and R.J.Ferl,Protein Expr Purif,1999年,第15巻,188−195頁 Terashima,M.ら,Appl Microbiol Biotechnol,1999年,第52巻,516−523頁 Wongsamuth,R.,P.M.Doran,Biotechnol Bioeng,1997年,第54巻,401−415頁 Staub JM,Maliga P.Proc.Natl.Acad.Sci.,1994年,第91巻,7468−7472頁 Svab Z,Maliga P,Proc.Natl.Acad.Sci.,1993年,第90巻,913−917頁
本発明の目的は、色素体形質転換時に発生する二次組換えを防止するための色素体形質転換用組換え発現ベクター、前記ベクターを使用した外来遺伝子形質転換植物体の製造方法及び前記方法によって外来遺伝子が形質転換された形質転換植物体を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は対象植物体のゲノム内に存在するDNA塩基配列と相同性が低い外来プロモーター、リボソーム結合部位(rbs)配列、対象植物体の色素体ゲノム内に存在する DNAポリヌクレオチド配列と相同性が低い外来ターミネーターを順次に含む色素体形質転換用組換え発現ベクターを提供する。
また、本発明は、前記発現ベクターを使用した外来遺伝子形質転換植物体の製造方法を提供する。
同時に、本発明は、前記製造方法によって外来遺伝子が形質転換された形質転換植物体を提供する。
以下、本発明を詳しく説明する。
既存のタバコ由来プロモーター/ターミネーターを有する葉緑体形質転換ベクターに外来遺伝子を挿入して葉緑体形質転換を遂行すると、元々形質転換ベクターに存在するpsbAターミネーターと外来遺伝子に存在するpsbAターミネーターとの間の単一交差によってお互いに異なる大きさの色素体ゲノムが形成される(図1a)。それに加えて、元々色素体形質転換ベクターに存在するtrnIとpsbAターミネーター部位が、元々色素体ゲノムに存在するtrnIとpsbAターミネーター部位と二重交差によってお互いに異なる大きさの色素体ゲノムを形成することができる(図1b)。本発明者らは、PCR分析、配列分析及びサザンブロットを通じて前記現象を確認した(図2〜図7参照)。
そこで、本発明者らは、タバコに由来したrrnプロモーターとpsbAターミネーターの代りに稲(Oryza sativa)に由来したclpプロモーターと、大膓菌に由来したrrnB1/B2ターミネーターを使用して、色素体形質転換用組換え発現ベクターを製作した(図8参照)。本発明者らは、前記組換え発現ベクターに外来遺伝子であるGFP挿入した後、前記GFP形質転換用組換え発現ベクターをタバコ植物体に形質転換した。以後、前記形質転換植物体を対象に選別遺伝子を対象に多様な組合のプライマーを使用したPCR分析及びプローブを製作して、サザンブロットを遂行して本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターを使用時、既存ベクターと異なり二次組換えが発生しないことを確認した(図9、図10参照)。本発明者らは、外来遺伝子として導入されたGFPが正常に発現するかどうか確認するために、蛍光顕微鏡でGFP活性を調査した。その結果、形質転換植物体の葉緑体でも既存に使用したプロモーターを使用した場合のようにGFPが正常に発現することを確認した(図11参照)。それに加えて、本発明者らは、前記形質転換植物体を対象にノーザンブロットを遂行して外来遺伝子であるGFPが正常に転写されて発現することを確認した(図12参照)。
前記結果を通じて、本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターは、既存の発現ベクター使用時に発生した二次組換えを防止するので、正常に外来遺伝子を形質転換植物体に導入して発現させるのに有用に使用することができる。
本発明は、対象植物体の色素体ゲノム内に存在するDNA塩基配列と相同性が低い外来プロモーター、rbs配列、対象植物体の色素体ゲノム内に存在するDNA塩基配列と相同性が低い外来ターミネーターを順次に含む、色素体形質転換用組換え発現ベクターを提供する。前記組換え発現ベクターは、色素体内の二次組換えを防止することで、外来遺伝子が安全に形質転換して正常に形質転換植物体内で発現することができるようにする。
前記組換え発現ベクターにおいて、外来プロモーターは前記対象植物体の色素体ゲノム内に存在するDNA塩基配列と相同性が低い外来プロモーターなら、いずれのものを使用してもかまわない。前記プロモーターの塩基配列は、100ヌクレオチド以上に構成された連続されたDNA断片を意味し、前記外来プロモーターは、前記の塩基配列と90%以下の相同性を有することが好ましく、80%以下の相同性を有することがより好ましく、70%以下の相同性を有することがさらに好ましく、50%以下の相同性を有することが最も好ましいが、これに限定されるものではない。本発明者らは、稲に由来したclpプロモーターを使用し、前記clpプロモーターは配列番号1の配列であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、対象植物の葉緑体プロモーターと相同性が低いいずれの原核生物類型のプロモーター配列でも、本発明の組換え発現ベクターに含ませることができる。ここで、対象植物体から稲は除く。
前記組換え発現ベクターにおいて、外来ターミネーターは前記対象植物体の色素体ゲノム内に存在するポリヌクレオチド配列と相同性が低い外来ターミネーターならいずれのものでも使用してもかまわない。前記ターミネーターの塩基配列は、100ヌクレオチド以上に構成された連続したDNA断片を意味し、前記外来ターミネーターは前記ターミネーター塩基配列と90%以下の相同性を有することが好ましく、80%以下の相同性を有することがより好ましく、70%以下の相同性を有することがさらに好ましく、50%以下の相同性を有することが最も好ましいが、これに限定されるものではない。また、前記ターミネーターは、原核生物から由来したものが好ましく、大膓菌(Escherichia coli)発現ベクターpHCE19に由来したrrnB1/B2ターミネーター(配列番号2)であることがさらに好ましいが、これに限定されるものではなく、対象植物体の色素体ゲノム内のDNAと塩基配列と低い相同性を有するすべてのターミネーターを本発明の組換え発現ベクターに含ませることができる。
前記発現ベクターにおいて、追加的に形質転換後植物体選別のために選別遺伝子を含ませることができる。前記選別遺伝子としては、aadAまたはgfpなどがあるが、これに限定されるのではなく、当業界の当業者に公知された配列を有し、外来遺伝子の発現に影響を及ぼさない遺伝子なら選別遺伝子に使用することができる。
前記発現ベクターの対象植物体は、タバコ、緑豆、インゲン豆、エンドウ、じゃがいも、カッサバ、さつま芋、大豆、菜の花、ひまわり、綿、トマト、茄子、にんじん、唐辛子、白菜、大根、すいか、きゅうり、メロン、春菊、ほうれんそう、キャベツ、いちご、菊、バラ、カーネーション、ペチュニアまたはシロイヌナズナであることが好ましいが、これに限定されるのではなく、当業界の当業者に公知されたすべての植物体を対象に本発明の組換え発現ベクターを使用することができる。
また本発明は、前記発現ベクターを使用した外来遺伝子形質転換植物体の製造方法を提供する。
前記製造方法は、下記の工程を含む。
1)本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターに外来遺伝子配列を挿入する工程、
2)工程1)の外来遺伝子を挿入した色素体形質転換用組換え発現ベクターを植物体の葉に形質転換する工程、
3)工程2)の植物体の葉を選抜培地を使用して抵抗性幼い芽(shoot)を誘導する工程、
4)工程3)の幼い芽を再分化して再誘導する工程、
5)工程4)の再誘導された幼い芽からDNAを抽出して外来遺伝子導入を確認して選別する工程、及び
6)工程5)の選別された形質転換植物体を栽培する工程。
前記製造方法において、工程5)の外来遺伝子導入確認方法としては、PCR、ノーザンブロット、サザンブロット方法を使用することができるが、これらに限定されるのではなく、当業界の当業者に知られた外来遺伝子導入確認方法ならすべて使用可能である。PCR方法の場合、プライマーは当業者に知られたプライマーデザインプログラムを使用して製作して、前記確認方法に使用することができる。ノーザンブロットとサザンブロットの場合、プローブは前記発現ベクターに存在する選別遺伝子または外来遺伝子の配列を使用して製作することができる。
併せて、本発明は前記製造方法によって外来遺伝子が形質転換されたことを特徴とする形質転換植物体を提供する。
前記外来遺伝子は、当業界の当業者が目的とするすべての外来タンパク質の配列が使用可能であり、例えば、人体血清アルブミン、抗細菌ペプチド、人体インターフェロンアルファ、人体インターフェロンガンマなどの医薬用高付加価値タンパク質、コレラワクチン、破傷風ワクチン、炭疽菌ワクチン、動物ワクチンを含むワクチン及び抗体の配列を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、前記植物体は、タバコ、緑豆、インゲン豆、エンドウ、じゃがいも、カッサバ、さつま芋、大豆、菜の花、ひまわり、綿、トマト、茄子、にんじん、唐辛子、白菜、大根、すいか、きゅうり、メロン、春菊、ほうれんそう、キャベツ、いちご、菊、バラ、カーネーション、ペチュニアまたはシロイヌナズナであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターは、既存のタバコ由来プロモーター/ターミネーター(rrnプロモーター/psbAターミネーター)の代りに稲のclpプロモーターと大膓菌のrrnB1/B2ターミネーターを含む。このようなベクターは、植物の色素体形質転換時、既存のタバコ由来プロモーター/ターミネーターと比べて同等な程度に外来タンパク質を効果的に大量生産することができると同時に、色素体内の二次組換えを防止することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。但し、下記の実施例は本発明を例示するだけのものであり、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
一般的な葉緑体形質転換ベクターを使用した色素体形質転換植物体での二次組換えの確認
本発明者らは、アメリカのダニエル(Daniell)教授研究室から分譲を受けた葉緑体形質転換ベクターCtV2(Guda G,Lee SB,Daniell H Plant Cell Rep,2000年、第19巻,257−26頁)を変形して、pTIG ベクター(Jeong SW,Jeong WJ,Woo JW,Choi DW,Park YI,Liu JR,Plant Cell Rep,2004年,第22巻,747−751頁)と同じ方法でGFPを有する典型的な葉緑体形質転換ベクターCtVGを対照として製作(図8b)し、葉緑体形質転換を遂行して対照色素体形質転換植物体を生産した。二次組換えが発生したことを調査するために、下記のような実験を遂行した。
色素体形質転換植物体で分離した10〜100ngのゲノミックDNAを鋳型にしてPCRを遂行した。PCR条件は下記に示す。exTaq酵素(Takara,日本)とAccuPower(登録商標)PCR premix(Bioneer,韓国)を使用して、94℃で5分間の前−変性反応以後、94℃で1分間変性反応、55℃で1分間プライマー結合反応、72℃で1〜5分間伸長反応を30回反復した後、72℃で10分間伸長反応を遂行した。
サザンブロット分析のためのすべてのDNAは、植物用DNA抽出キット(DNeasy Plant Mini Kit,QIAGENE,ドイツ)を使用して抽出した。抽出したDNA4μgをBamHI、Bgl II及びEcoRI制限酵素でそれぞれ処理して、1%アガロースゲルで電気泳動して分離した。以後、ブロッティング膜(Zeta−Probe GT blotting membrane,Bio−Rad,米国)にブロッティングした。プローブの準備は、下記のように遂行した。aadAプローブは、aad5プライマー(配列番号16)とaad3プライマー(配列番号17)を使用して、ベクターにあるaadA遺伝子を鋳型にPCRで合成して分離したバンドを[α−32P]dCTPで標識した。trnAプローブは、trnAF1プライマー(配列番号19)とtrnAR1プライマー(配列番号20)を使用してベクターにあるtrnA遺伝子を鋳型にPCRで合成して分離したバンドを[α−32P]dCTPで標識した。trnIプローブは、trnIF3プライマー(配列番号14)とtrnIR4プライマー(配列番号18)を使用し、ベクターにあるtrnI遺伝子を鋳型にPCRで合成して分離したバンドを[α−32P]dCTPで標識して準備した。予備混成化(Prehybridization)及び混成化(Hybridization)過程は、7%(w/v)SDSを含む0.25Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)を使用して65℃でひと晩遂行した。反応が終わった膜は、5%(w/v)SDSを含んだ20mMリン酸ナトリウム緩衝液(sodium phosphate buffer:pH7.2)で65℃で30分間洗浄して3時間露出させた。
既存のタバコ由来プロモーター/ターミネーターを有する外来遺伝子発現ベクターを使用して形質転換された色素体で、二次組換えによって21kbと139kbの異なる大きさの色素体ゲノムが生成されるモデルを図1で示している。まず、葉緑体形質転換ベクターによって外来遺伝子が色素体ゲノムに挿入された以後、psbAターミネーター部位と、導入した外来遺伝子に存在するpsbAターミネーターとの間の単一交差によってお互いに異なる大きさの色素体ゲノムが生成される過程を説明した(図1)。このような二次組換えは、導入遺伝子のプロモーター(rrnプロモーター)と色素体ゲノムに元来存在するrrnプロモーター部位、導入遺伝子のターミネーター(psbAターミネーター)と色素体ゲノムに元々存在するpsbAターミネーター部位によっても起きるので、前記二次組換えによって、154kb、139kb、21kb、18kb、2.8kbの小さな大きさの色素体ゲノムが作られ得る。このように二次組換えが起きることで、導入遺伝子が異なる所に移されて、21kb、139kb、2.8kbが生成されたことを示すPCR、塩基配列分析及びサザンブロットを通じて確認した(図2ないし図7)。
図3では、予想される遺伝子配列を参照して、Iプライマー(配列番号5)とHプライマー(配列番号6)、RR16プライマー(配列番号8)とHプライマー(配列番号6)、RR16プライマー(配列番号8)とRP2プライマー(配列番号7)でそれぞれPCRを遂行した結果、野生種(WT)では存在しないが、二次組換えが発生した色素体形質転換体でのみ、PCRバンドが生成された。
図4では、PAF1(psbA)プライマー(配列番号10)とA(trnA)プライマー(配列番号9)によって生成されたPCRバンドの場合、正常な組換えによって作られ、PAF1プライマー(配列番号10)とHプライマー(配列番号6)によって生成されたPCRバンドは、二次組換えによって外来遺伝子が色素体ゲノム内で移動したことを塩基配列を分析して証明した。
図5では、色素体形質転換植物体のDNAを分離後、Bam HとBglIIで切った後、aadA遺伝子をプローブ(probe)にしてサザンブロットを遂行した結果、正常な形質転換バンドである9.3kbと6.5kbが主バンドで現われたが、4.9kbと8.9kbの弱いバンドもみられ、これが21kbを示すものである(図2)。
図6のaでは、予想される遺伝子配列を参照してAプライマー(配列番号9)とPAF1プライマー(配列番号10)によって生成されたPCRバンドが、二次組換えによって外来遺伝子が色素体ゲノム内で移動したことを塩基配列を分析して証明した。図6のbでは、Aプライマー(配列番号9)とpAR1プライマー(配列番号11)によって生成されたPCRバンドであり、図6のcでは、RR23プライマー(配列番号12)とMKプライマー(配列番号13)によって生成されたPCRバンドとして139kbが生成されたことをPCRで証明したものである。図6のdでは、このような139kbが生成されたことを示したサザンブロット結果として、制限酵素BamHI/BglIIを処理した場合、正常色素体野生型の場合、約0.5kbのtrnI−trnA部位を示し、形質転換された色素体ゲノムの場合、2.2kbの正常バンドを示して、約1.9kbのバンドも現われる。これは、二次組換えによって139kbのゲノムが生成されたことを示している(図6)。
図7のaでは、二次組換えによって生成される2.8kb circular DNAを図式化したものであり、図7のbでは、trnIF3プライマー(配列番号14)とrrn16R1プライマー(配列番号15)によって生成されたPCRバンドとして2.8kbのDNAcircleが存在することを証明したものである。図7のcでは、このような2.8kbが生成されたことを示すサザンブロット結果として、制限酵素EcoRIを処理した場合、正常色素体野生型の場合には見えない2.8kbのバンドが見えて、制限酵素を処理しない場合、1〜2kbの間にバンドが見えて、2.8kbのゲノムが生成されたことを示している(図7)。
稲(Oryza sativa)clpプロモーターと大膓菌(Escherichia coli)rrnB1/B2ターミネーターを含む色素体形質転換ベクターの製作
稲(Oryza sativa)の染色体DNAを鋳型にrclpP5プライマー(配列番号3)とrclpP3プライマー(配列番号4)を使用して下記の方法でPCR増幅した後、pCR2.1−TOPOベクター(Invitrogen,米国)でクローニングした。PCRは、exTaq酵素(タカラ,日本)を使用して、10〜100ngの稲ゲノミックDNAを鋳型にして、94℃で5分間前変性反応以後、94℃で1分間変性過程、55℃で1分間プライマー結合過程、72℃で1分間伸長過程を30回反復した後、72℃で10分間伸長過程を遂行した。rrnB1/B2ターミネーターは、日本のタカラ社の常用大膓菌(Escherichia coli)発現ベクターpHCE19から800bpのrrnB1/B2ターミネーターをPstI/HincIIで分離して使用した(配列番号2)。稲のclpプロモーターは、塩基配列を配列決定して確認した(配列番号1)。
以後、10〜100ngのタバコゲノミックDNAをI−L1プライマー(配列番号21)とI−R2プライマー(配列番号22)を使用してPCRを遂行して、1.95kbのtrnI−trnA boarderDNA断片を増幅した。PCR条件は下記のとおりである。exTaq酵素(タカラ,日本)を使用して、94℃で5分間前変性過程以後、94℃で1分間変性過程、55℃で1分間プライマー結合過程、72℃で2分間伸長反応を30回反復した後、72℃で10分間伸長反応を遂行した。以後、これをXbaI/KpnIで切断してクレノウ酵素にブロッティングしてpuc18ベクター(Fermentas,米国)のPvuII位置に導入して、pTIAバックボーンベクター(図8c)を完成した。そして、pTIGベクターから分離したaadA−GFPDNA断片をpBluescript KSIIベクター(Stratagene,米国)にSalI/PstIで導入して、これをBamHI/SmaIで切断してブロッティングした後、そこに前記rrnB1/B2ターミネーターDNA断片を導入した。以後、XhoI/SalI位置にrclpプロモーターを導入してpRclPADGHTベクター(図8d)を製作した。以後、XhoIとEcoRIでrclp−aadA−gfp−rrnB1/B2ターミネーターDNA断片を分離して、Klenow酵素でブロッティングした後、pTIAバックボーンベクターのPvuII位置に導入して、稲(Oryza sativa)clpプロモーターと大膓菌(Escherichia coli)rrnB1/B2ターミネーターとを含む色素体形質転換ベクターpTIA−RclPADGHTを完成した(図8e)。
稲(Oryza sativa)clpプロモーターと大膓菌(Escherichia coli)rrnB1/B2ターミネーターを含む色素体形質転換ベクターを使用した色素体形質転換タバコ植物体の製作
実施例2で製作したベクターを使用して色素体形質転換実験を下記のように遂行した。ここで、対照に従来から使用されているrrnプロモーター/psbAターミネーターを有したCtVGベクターを使用した。
野生型タバコ(Nicotiana tabacum,Samsun)植物体の種子を培養器内で8週間芽生えさせた後、幼植物体の葉を分離して1mg/l BAP、0.1mg/l NAAが添加されたMS培地(Murashige T,Skoog F,Physiol Plant,1962年,第15巻,473−49頁)で置床して色素体形質転換に使用した。外来遺伝子としてGFP遺伝子が挿入された色素体形質転換用ベクターDNAをCaClとスペルミジン(spermidine)を使用して直径0.6μmの金粒子(gold particle)にコーティングした後、遺伝子伝達システム(PDH−1000/He gene delivery system)器機(Biorad,米国)を使用して1,100psiの加速度、9cmの目標距離、28in/Hgの真空条件で色素体形質転換を遂行した。
処理されたタバコ葉は、以後25℃、2,000luxの明条件で2日間培養してタバコ葉を大きさ2〜5mmの切片に分けて、1mg/l BAP、0.1mg/l NAA、500mg/lスペクチノマイシンが添加されたMS培地で6〜7週培養して抵抗性幼い芽(shoot)を誘導した。スペクチノマイシン(Spectinomycin)抵抗性MS培地で誘導された幼い芽(shoot)は、3mm×3mmの大きさに切断して同じ選抜培地で再分化を通じて抵抗性幼い芽を再び誘導した。このように選抜培地で再分化を繰り返して導入された遺伝子のホモプラスミー(homoplasmy)を高めた。
色素体形質転換タバコ植物体のサザンブロット分析
形質転換植物体での外来遺伝子の導入有無、ホモプラスミー水準及び二次組換えによって生成されたゲノムの存在有無を確認するために、aadA、trnAまたはtrnI遺伝子をプローブに使用してサザンブロット分析を遂行した。サザンブロット分析のためのすべての染色体DNAは、植物用DNA抽出キット(DNeasy Plant Mini Kit,QIAGENE,ドイツ)を使用して抽出した。形質転換植物体の制限酵素処理及びPCR、制限酵素処理等を通じたプローブの準備など、サザンブロットのすべての方法は前記実施例1と同一の方法で遂行した。
clpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを有するベクターで形質転換後に得られた色素体形質転換体のDNAをBgl IIで処理して、aadAプローブでサザンブロットを遂行した結果(図9)、野生型ではDNAバンドが検出されず、rrnプロモーター及びpsbAターミネーターを含むベクターで形質転換された対照形質転換体(レーンC)は、6.5kbの主バンドとともに、8.9kbの弱いバンドも同時に検出され、21kbの二次組換えによるゲノムの変化が確認された。それに比べて、本発明のclpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを含むベクターで形質転換後に得られた色素体形質転換体は、3個レーン(レーン1〜3)すべてで約7.2kbの主バンドのみが見られるだけで他のバンドは現われなかった(図9a)。
trnAプローブを使用したサザンブロットの場合(図9b)には、野生型の場合4.47kbのバンドが見られ、rrnプロモーター及びpsbAターミネーターを含むベクターに形質転換された対照形質転換体(レーンC)は、6.5kbの主バンドとともに、1.9kbの弱いバンドも同時に検出されて、139kbの二次組換えによるゲノムの存在が確認された。それに比べて、clpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを含むベクターで形質転換後に得られた色素体形質転換体は、3個レーン(レーン1〜3)すべてで約7.2kbの株バンドのみが見られるだけで他のバンドは現われなかった。野生型を除き、4.47kbのバンドがほとんど検出されなかった。これは、再分化された形質転換植物体の葉緑体ゲノム全体が外来遺伝子が導入された状態に転換されたホモプルラスミー状態であることを確認した(図9b)。
前記結果を通じて、本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターを使用すると、二次組換えによって生成される21kb及び139kbのような非正常的ゲノムが生成されないことが分かった。
色素体形質転換タバコ植物体で二次組換え有無を確認するためのPCR分析
本発明者らは、稲clpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを含むベクターで形質転換して得られた色素体形質転換体で、二次組換えによる非正常ゲノムが存在するのかどうかを確認するためにPCRを遂行した。PCR条件は、実施例1と同一な方法を使用した。Iプライマー(配列番号5)とAプライマー(配列番号9)を使用した結果、すべての独立形質転換体に遺伝子が正常に導入されたことを確認した(図10a)。また、Iプライマー(配列番号5)とHプライマー(配列番号6)を使用した結果、対照のみでPCRバンドが現われて、clpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを使用した10個形質転換体すべてでバンドが検出されなかった(図10b)。以後、RR23プライマー(配列番号12)とMKプライマー(配列番号13)を使用した場合にも、対照のみでPCRバンドが検出された。前記結果を通じて、稲clpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを含むベクターで形質転換して得られたすべての色素体形質転換体では、二次組換えによる非正常的ゲノムが生成されないことを確認した。
色素体形質転換タバコ植物体でのGFP発現観察
GFP発現ベクターで形質転換された植物体でGFPが正常に発現しているのかどうかを直接観察するために、葉切片から表皮細胞を分離して蛍光顕微鏡でGFPの発現を調査した。
その結果、本発明の稲由来clpプロモーターとrrnB1/B2ターミネーターを含む色素体形質転換ベクターを使用して作った形質転換植物体の葉緑体でも、既存に使用されていたプロモーターのように外来遺伝子であるGFPが正常に発現されていることを観察することができた(図11)。
色素体形質転換タバコ植物体のノーザンブロット分析
本発明者らは、稲clpプロモーター及びrrnB1/B2ターミネーターを含むベクターで形質転換して得られた色素体形質転換体で、外来遺伝子の発現を形質転換体の葉からRNAを分離してノーザンブロットを遂行して確認した。ノーザンブロット分析のためのすべてのRNAは、植物用RNA分離キット(RNAeasy Plant Mini Kit,QIAGENE,ドイツ)を使用して抽出した。抽出したRNA5μgを1%アガロースゲルで電気泳動して分離した後、ブロッティング膜(Zeta−Probe GT blotting membrane,Bio−Rad,米国)にブロッティングした。プローブは、gfp遺伝子を使用し、GFP(F)プライマー(配列番号23)とGFP(R)プライマー(配列番号24)を使用して実施例1と同一な条件でPCRを遂行して準備した。予備混成化と混成化過程は、7%(w/v)SDSを含む0.25Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)を使用して、65℃でひと晩遂行した。反応が終わった膜は、5%(w/v)SDSを含んだ20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)で65℃で30分間洗浄して、1時間露出させた。
その結果、本発明の稲由来clpプロモーターとrrnB1/B2ターミネーターで構成された色素体形質転換ベクターを使用して作った形質転換植物体の葉緑体でも、既存に使用されたプロモーターのようにGFPがよく発現されていることを観察することができた(図12)。
本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターは、色素体で既存のタバコ由来プロモーター/ターミネーターと比べて同等な程度に外来タンパク質を効果的に大量生産することができると同時に、色素体内の二次組換えを防止することができるので、目的とする外来遺伝子を安全かつ正常に形質転換して外来タンパク質を発現する形質転換植物体を製造するのに有用に使用することができる。
タバコ色素体形質転換ベクターのrrnプロモーターとpsbAターミネーター使用時に現われる二次組換えを説明する模式図である。 二次組換えが起きることで外来遺伝子が異なる所に移されて、21kbのベクターに生成されることを示した模式図である。 二次組換えが起きることで外来遺伝子が異なる所に移されて、21kbのベクターに生成されることを示したPCR結果である。 二次組換えが起きることで外来遺伝子が異なる所に移されて、21kbのベクターに生成されることを示した塩基配列分析結果である。 二次組換えが起きることで外来遺伝子が異なる所に移されて、21kbのベクターに生成されることを示したサザンブロット結果である。 二次組換えが起きることで外来遺伝子が異なる所に移されて、139kbのベクターに生成されることを示したPCR、塩基配列分析及びサザンブロット結果である。 二次組換えが起きることで新たに2.8kbの小さなプラスミドが生成されることを示したPCR及びサザンブロット結果である。 稲のclpプロモーターと大膓菌のrrnB1/B2ターミネーターを含む色素体形質転換用組換え発現ベクターの模式図である。(a):タバコ色素体ゲノムで外来遺伝子が導入する部位であるtrnI−TrnA部位、(b):タバコのrrnプロモーター及びpsbAターミネーターを使用した一般的な色素体形質転換用組換え発現ベクター、(c):タバコのtrnI−trnAを含む色素体形質転換ベクター製作のバックボーンベクターpTIA、(d):稲clpプロモーターとaadA遺伝子、gfp遺伝子及びrrnB1/B2ターミネーターが順次に連結されたpRclPADGHTベクター、及び(e):稲clpプロモーターとaadA遺伝子、gfp遺伝子及びrrnB1/B2ターミネーターを含む色素体形質転換用組換え発現ベクター。 本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターで色素体形質転換されたタバコ植物体のサザンブロット結果である。(a)aadAプローブ、及び(b)trnAプローブ。 本発明の色素体形質転換用組換え発現ベクターで色素体形質転換されたタバコ植物体のPCR結果である。(a)I/Aプライマー使用、(b)I/Hプライマー使用、及び(c)RR23/MKプライマー使用。 外来遺伝子GFPが挿入された色素体形質転換用組換え発現ベクターで色素体形質転換された、タバコ植物体の細胞の葉緑体でGFP発現を観察した写真である。 外来遺伝子GFPが挿入された色素体形質転換用組換え発現ベクターで色素体形質転換された、タバコ植物体を対象にしたノーザンブロット結果を示した写真である。
配列番号1は、稲(Oryza sativa)のclpプライマー配列である。
配列番号2は、大膓菌(E.coli)のrrnB1/B2ターミネーター配列である。
配列番号3は、rclpP5プライマー配列である。
配列番号4は、rcplP3プライマー配列である。
配列番号5は、Iプライマー配列である。
配列番号6は、Hプライマー配列である。
配列番号7は、RP2プライマー配列である。
配列番号8は、RP16プライマー配列である。
配列番号9は、Aプライマー配列である。
配列番号10は、RAF1プライマー配列である。
配列番号11は、pAR1プライマー配列である。
配列番号12は、RP23プライマー配列である。
配列番号13は、MKプライマー配列である。
配列番号14は、trnIF3プライマー配列である。
配列番号15は、trn16R1プライマー配列である。
配列番号16は、aad5プライマー配列である。
配列番号17は、aad3プライマー配列である。
配列番号18は、trnIR4プライマー配列である。
配列番号19は、trnAF1プライマー配列である。
配列番号20は、trnAR1プライマー配列である。
配列番号21は、I−L1プライマー配列である。
配列番号22は、I−R2プライマー配列である。
配列番号23は、GFP(F)プライマー配列である。
配列番号24は、GFP(R)プライマー配列である。

Claims (11)

  1. 対象植物体の色素体ゲノム内に存在するDNA塩基配列と相同性が低い外来プロモーター、リボソーム結合部位配列、対象植物体の色素体ゲノム内に存在するDNAヌクレオチド配列と相同性が低い外来ターミネーターを順次に含む、色素体形質転換用組換え発現ベクター。
  2. 前記外来プロモーターが、稲(Oryza sativa)に由来したclpプロモーターであり、前記対象植物体が、稲を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の発現ベクター。
  3. 前記外来プロモーターが、原核生物由来または対象植物と異なる植物由来の葉緑体プロモーターであることを特徴とする、請求項1に記載の発現ベクター。
  4. 前記外来ターミネーターが、pHCE19ベクターから由来したrrnB1/B2ターミネーターであることを特徴とする、請求項1に記載の発現ベクター。
  5. 前記外来ターミネーターが、原核生物由来または対象植物と異なる植物由来の葉緑体ターミネーターであることを特徴とする、請求項1に記載の発現ベクター。
  6. 追加的に選別遺伝子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発現ベクター。
  7. 前記選別遺伝子が、aadAまたはgfp遺伝子であることを特徴とする、請求項6に記載の発現ベクター。
  8. 1)請求項1に記載の色素体形質転換用組換え発現ベクターに外来遺伝子配列を挿入する工程、
    2)工程1)の外来遺伝子を挿入した色素体形質転換用組換え発現ベクターを対象植物体の葉に形質転換する工程、
    3)工程2)の植物体の葉から選抜培地を使用して抵抗性幼い芽(shoot)を誘導する工程、
    4)工程3)の幼い芽を再分化して再誘導する工程、
    5)工程4)の再誘導された幼い芽からDNA及び/又はRNAを抽出して外来遺伝子導入を確認して選別する工程、及び
    6)工程5)の選別された形質転換植物体を栽培する工程
    を含む色素体形質転換植物体製造方法。
  9. 工程5)の外来遺伝子導入確認方法が、PCR、ノーザンブロット、又はサザンブロットを使用することを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
  10. 請求項8に記載の製造方法によって作製されたことを特徴とする形質転換植物体。
  11. 前記植物体が、タバコ、緑豆、インゲン豆、エンドウ、じゃがいも、カッサバ、さつまいも、大豆、菜の花、ひまわり、綿、トマト、茄子、にんじん、唐辛子、白菜、大根、すいか、きゅうり、メロン、春菊、ほうれんそう、キャベツ、いちご、菊、バラ、カーネーション、ペチュニアおよびシロイヌナズナからなる群より選択されることを特徴とする、請求項10に記載の形質転換植物体。
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