JP2017153426A - 形質転換植物体の獲得効率の向上剤、及び形質転換植物体の獲得効率向上方法 - Google Patents

形質転換植物体の獲得効率の向上剤、及び形質転換植物体の獲得効率向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形質転換植物体の獲得効率の向上剤、及び形質転換植物体の獲得効率を向上させる方法を提供する。【解決手段】グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子を含むベクターからなる、形質転換植物体の獲得効率の向上剤、及び、外来遺伝子を導入した形質転換植物体を獲得する効率を向上させる方法であって、植物細胞に、前記外来遺伝子と共に、グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子を導入することを特徴とする、形質転換植物体の獲得効率向上方法。【選択図】なし

Description

本発明は、遺伝子工学的手法により植物細胞に外来遺伝子を導入する際の、形質転換植物体の獲得効率を向上させる方法、及び当該方法に用いられる形質転換植物体の獲得効率の向上剤に係る。
遺伝子工学技術の発達により、植物の新品種の育種方法として、有用な外来遺伝子を宿主となる植物細胞に導入し、得られた形質転換細胞から植物個体を再生させる方法が利用されている。また、遺伝子工学的手法による形質転換方法は、遺伝子の機能解析にも用いられている。解析対象の標的遺伝子を導入した形質転換体の形質や機能を、当該遺伝子を導入する前の宿主と比較することにより、当該遺伝子の機能を解析することができる。しかし、植物のような高等生物の場合には、大腸菌のような微生物よりも形質転換体が得られ難いという問題がある。
当該問題を解決し、目的遺伝子の導入効率の向上を図る方法として、例えば、特許文献1には、アデニン・リボースリン酸転移酵素(APRT)をコードする遺伝子からなる形質転換体の獲得効率向上剤を用いる方法が開示されている。植物の形質転換を行う場合に、適切なプロモーター配列に制御されたAPRT遺伝子を目的遺伝子と共に同じ細胞に導入することにより、形質転換体の獲得効率が著しく向上する。また、APRT遺伝子を適切な時期に発現させることにより、これを有する形質転換植物種子の発芽生長が旺盛となり、初期生育が大きく促進される(特許文献1参照。)。
一方で、グリシンベタイン生合成酵素は、コリンからベタインを生合成する酵素群であり、近年の研究で、高温、乾燥、塩といった環境ストレス下で働き、ベタインを過剰に蓄積して植物内の浸透圧を上げることにより、蒸発等の危険から身を守っていることが分かってきた。より具体的には、例えば、ベタインの蓄積によって、高温ストレス下において植物体内のタンパク質が保護され(例えば、非特許文献1参照。)、浸透圧バランスが維持され(例えば、非特許文献2参照。)、塩ストレス下において可溶性酵素が保護される(例えば、非特許文献3参照。)。これらの特性を利用し、グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子(グリシンベタイン生合成酵素遺伝子)を導入することによって、環境ストレス耐性を付与した遺伝子組換植物体の作出研究が盛んに行なわれている(例えば、非特許文献4参照。)。
特許第4119200号公報
Allakhverdiev, Journal of Photochemistry and Photobiology, 1996, vol.34,p.149-157. Robinson, et al., Australian Journal of Plant Physiology, 1986,vol.13, p.659-668. Gabbay-Azaria et al., Archives of Biochemistry and Biophysics, 1988,vol.264 p.333-339. Ahmad et al., Plant Cell Reports, 2008, vol.27, p.687-698.
グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を導入することによって環境ストレス耐性の高い形質転換体が得られることは開示されているものの、グリシンベタイン生合成酵素の形質転換処理時のストレスに対する影響については知られていない。
本発明は、形質転換植物体の獲得効率の向上剤、形質転換植物体の獲得効率向上方法、及び形質転換植物再生体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る形質転換植物体の獲得効率の向上剤、形質転換植物体の獲得効率向上方法、及び形質転換植物再生体の製造方法は、下記[1]〜[9]である。
[1] グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子を含むベクターからなることを特徴とする、形質転換植物体の獲得効率の向上剤。
[2] 外来遺伝子を導入した形質転換植物体を獲得する効率を向上させる方法であって、
植物細胞に、外来遺伝子と共に、グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子を導入することを特徴とする、形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[3] 植物細胞に、前記外来遺伝子とグリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子との両方を含むベクターを導入する、前記[2]の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[4] グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子が導入された植物細胞に、前記外来遺伝子を導入する、前記[2]の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[5] 前記グリシンベタイン生合成酵素が、土壌細菌由来のコリンオキシダーゼである、前記[2]〜[4]のいずれかの形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[6] 前記植物細胞がカルスである、前記[2]〜[5]のいずれかの形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[7] 前記植物細胞が、トウダイグサ科の植物細胞である、前記[2]〜[5]のいずれかの形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[8] 前記植物細胞が、ジャトロファ・クルカス(Jatropha curcus)の細胞である、前記[2]〜[7]のいずれかの形質転換植物体の獲得効率向上方法。
[9] 前記[5]の形質転換植物体の獲得効率向上方法により得られた形質転換植物体を生育し、再生体を得る、形質転換植物再生体の製造方法。
本発明に係る形質転換植物体の獲得効率の向上剤を用いることにより、又は本発明に係る形質転換植物体の獲得効率向上方法により、目的の外来遺伝子を導入した形質転換植物体を、効率よく獲得することができる。さらに、獲得された形質転換植物体を生育させることにより、形質転換植物体の再生体を得ることができる。
pBI121ベクターの構造を模式的に示した図である。 pBI121−Venusベクターの構造を模式的に示した図である。 比較例1において、黄色蛍光が観察されたVenus導入株と蛍光が観察されなかった未導入株の明視野画像(透過光画像)と暗視野画像(蛍光顕微鏡画像)である。 pBI121−COX−Venusベクターの構造を模式的に示した図である。
<形質転換植物体の獲得効率の向上剤>
本発明に係る形質転換植物体の獲得効率の向上剤(以下、「本発明に係る向上剤」ということがある。)は、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を含むベクターからなる。外来遺伝子を導入した形質転換植物体を作製する際に、宿主細胞に外来遺伝子と共にグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を導入することによって、形質転換効率が改善され、当該外来遺伝子が導入された形質転換植物体を効率よく獲得することができる。
グリシンベタイン生合成酵素遺伝子により形質転換植物体の獲得効率向上効果が得られる理由は明らかではないが、宿主細胞内においてグリシンベタイン生合成酵素が発現し、ベタインが蓄積されることによって、形質転換処理時におけるストレスが改善される結果、外来遺伝子が導入された形質転換体の獲得率が高くなると推察される。また、形質転換植物体内に蓄積されたベタインにより、外来遺伝子が発現することによるストレスによる生育阻害も軽減されるため、外来遺伝子が導入された形質転換体の生存率が高くなることも、形質転換植物体の獲得効率向上効果の一因と推察される。
なお、本発明及び本願明細書において、遺伝子とは、タンパク質をコードする塩基配列を含み、細胞に導入されることにより、コードされたタンパク質が、細胞が備える転写・翻訳機構によって合成される核酸を意味する。遺伝子には、生物が有する天然の遺伝子のみならず、遺伝子組換技術を用いて人工的に設計・合成された遺伝子も含まれる。
本発明及び本願明細書において、グリシンベタイン生合成酵素は、コリンからベタインを生合成する経路に関与する酵素活性を有するタンパク質を意味する。グリシンベタイン生合成酵素としては、コリンからベタインを直接生合成するコリンオキシダーゼ(EC 1.1.3.17)、コリンからベタインアルデヒドを生合成するコリンデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.99.1)及びアルコールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)、ベタインアルデヒドからベタインを生合成するベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ(BADH)(EC 1.2.1.8)等が挙げられる。本発明において用いられるグリシンベタイン生合成酵素遺伝子としては、グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子であれば特に限定されるものではなく、動物、植物、微生物等の生物が本来有している天然の遺伝子であってもよく、生物が本来している天然の遺伝子を、グリシンベタイン生合成酵素活性が失活しないように改変した遺伝子であってもよい。例えば、天然のグリシンベタイン生合成酵素遺伝子の塩基配列を、宿主とする植物細胞内での発現量を増大させるために、宿主細胞内において使用頻度の高いコドンに改変してもよい。
本発明において用いられるグリシンベタイン生合成酵素遺伝子がコードするグリシンベタイン生合成酵素としては、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来のコリンモノオキシゲナーゼ(AB093586.1)及びベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ(BADH);大腸菌由来のコリンデヒドロゲナーゼ(ALD36399.1);シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)由来のコリンデヒドロゲナーゼ(ALE51385.1);アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)由来のコリンデヒドロゲナーゼ(AKJ46741.1);スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)由来のコリンデヒドロゲナーゼ(AKJ50360.1);エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)由来のコリンデヒドロゲナーゼ(AKM86564.1)及びベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ(BADH);土壌細菌アルトバクター・オーレセンス(Arthobacter aurescens)由来のコリンオキシダーゼ;土壌細菌アルトバクター・グロビフォルミス(Arthrobacter globiformis)由来のコリンオキシダーゼ(AAP68832.1);土壌細菌アルトバクター・パセンス(Arthobacter pascens)由来のコリンオキシダーゼ(J.Bacteriol., 1991, vol.173(2), p.472);クロオコッカス目シアノバクテリウム属菌(Chroococcaales cyanobacterium)由来のコリンオキシダーゼ;ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のコリンオキシダーゼ;ストレプトマイセス属菌(Streptomyces)由来のコリンオキシダーゼ、のいずれかであることが好ましく、土壌細菌由来のコリンオキシダーゼがより好ましい。なお、酵素名の後ろの番号は、NCBI(National Center for Biotechnology Information)のGenBankの登録番号である。
本発明に係る向上剤であるベクター(グリシンベタイン生合成酵素発現ベクター)は、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を含み、当該遺伝子を、宿主細胞の転写・翻訳系を使用して発現可能な状態で宿主細胞へ導入される核酸である。当該発現ベクターとしては、環状のプラスミドであってもよく、線状の核酸であってもよい。
グリシンベタイン生合成酵素発現ベクターは、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を発現カセットの一部として含むことが好ましい。発現カセットとは、目的のタンパク質を発現するために必要なDNAの組み合わせであり、少なくとも、目的のタンパク質をコードする遺伝子と、当該遺伝子の宿主細胞内における発現を制御するプロモーターを有する。グリシンベタイン生合成酵素発現ベクターが含むグリシンベタイン生合成酵素遺伝子の発現カセットとしては、宿主細胞内で機能するプロモーターとグリシンベタイン生合成酵素遺伝子と宿主細胞内で機能するターミネーターとを含むものが好ましく、さらに5’−非翻訳領域と3’−非翻訳領域を含むものがより好ましい。
グリシンベタイン生合成酵素遺伝子の発現カセットが含むプロモーターとしては、宿主細胞が本来有する遺伝子のプロモーターであってもよく、宿主細胞とは異なる生物種由来の遺伝子のプロモーターであってもよく、これらを適宜改変したプロモーターであってもよい。また、恒常的に発現させるプロモーターであってもよく、刺激等により発現を誘導する誘導型プロモーターであってもよく、組織特異的に発現させるプロモーターであってもよい。植物細胞内で機能可能なプロモーターとしては、例えば、全身過剰発現型のカリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーター(35SCaMV)及びノパリン合成酵素のプロモーター;鉄栄養欠乏誘導型で部位特異的発現のIds3プロモーター(Kobayashi, et al., Planta 2001, vol.212, p.864-871)及びHvNAS1プロモーター(Higuchi, et al., Plant Journal, 2001, vol.25, p.159-167);化学物質誘導型のTetリプレッサー融合型カリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーター(Gatz, et al., Molecular and General Genetics, 1991, vol.227(2), p.229-237);Lacオペレーター/リプレッサー系プロモーター(Wilde, et al., EMBO Journal, 1992, vol.11(4), p.1251-1259)等が挙げられる。本発明に係る向上剤を、宿主細胞がカルスである形質転換処理に用いる場合、カルス等の分化初期段階でも発現可能なプロモーターを、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子の発現カセットが含むプロモーターとすることが好ましい。
グリシンベタイン生合成酵素遺伝子の発現カセットが含むターミネーターとしては、宿主細胞が本来有する遺伝子のターミネーターであってもよく、宿主細胞とは異なる生物種由来の遺伝子のターミネーターであってもよく、これらを適宜改変したターミネーターであってもよい。植物細胞内で機能可能なターミネーターとしては、例えば、ノパリン合成酵素のポリアデニル化シグナル(tNOS)(Depicker, et al., Journal of Molecular and Applied Genetics, 1982, vol.1(6), p.561-573)、オクトピン合成酵素のポリアデニル化シグナル(Gielen, et al., EMBO Journal, 1984, vol.3(4), p.835-46) 等が挙げられる。
グリシンベタイン生合成酵素発現ベクターは、そのまま宿主細胞の核外遺伝子として導入されるものであってもよく、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子の発現カセットを含む一部分を、宿主細胞のゲノムに組込むようにして導入されるものであってもよい。発現カセットの宿主細胞のゲノムへの組込みは、発現カセットの上流側と下流側に、それぞれ宿主細胞の染色体の相同組換えの標的部位に対して相同組換えを行わせることができる塩基配列を設けた発現ベクターを用い、相同組換え法により行うことができる。
グリシンベタイン生合成酵素発現ベクターは、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子の発現カセットのみからなる核酸であってもよいが、薬剤耐性遺伝子や蛍光タンパク質をコードする遺伝子等も含むものが好ましい。薬剤耐性や蛍光タンパク質の発現を指標として、発現ベクターにより形質転換された細胞と形質転換されていない細胞の選抜を容易に行うことができるためである。当該薬剤耐性遺伝子として、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、及びビアラホス耐性遺伝子等がある。蛍光タンパク質遺伝子としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)及びその改変タンパク質をコードする遺伝子等が挙げられる。
グリシンベタイン生合成酵素発現ベクターは、植物細胞を宿主とする形質転換体作製に使用される発現ベクターを作成するために汎用されているクローニングベクターに、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を挿入することによっても製造することができる。当該クローニングベクターとしては、pIG121、pIG121Hm、pBIGRZ(特開平10−155485号)等のようなT−DNA(transfer DNA)を含み、アグロバクテリウム法に用いられるバイナリーベクターが挙げられる。
<形質転換植物体の獲得効率向上方法>
本発明に係る形質転換植物体の獲得効率向上方法(以下、「本発明に係る向上方法」ということがある。)は、外来遺伝子を導入した形質転換植物体を獲得する効率を向上させる方法であって、植物細胞に、外来遺伝子と共に、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を導入することを特徴とする。植物体は環境ストレスに弱く、従来の形質転換方法では、外来遺伝子の導入効率が低く、かつ外来遺伝子が導入された形質転換体が得られた場合でも、生育阻害を受け、枯死してしまうことが多々あった。これは、形質転換ストレスが強いことと、さらに外来遺伝子の発現によるストレスのためと推察される。これに対して本発明に係る向上方法では、外来遺伝子と耐ストレス遺伝子であるグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を共発現させることにより、形質転換ストレス及び外来遺伝子の発現によるストレスを軽減でき、高効率で形質転換体を取得できるようになる。
本発明に係る向上方法において用いられる外来遺伝子としては、特に限定されず、宿主の植物細胞が本来有している遺伝子であってもよく、本来有していない遺伝子であってもよい。また、植物由来の遺伝子であってもよく、動物や微生物由来の遺伝子であってもよい。また、本発明に係る向上方法において宿主細胞に導入される外来遺伝子は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
外来遺伝子が宿主細胞内において過剰発現した場合に生育阻害を起こしやすいタンパク質をコードしている場合、従来の方法では、形質転換体の獲得効率が極めて低く、遺伝子導入を諦めざるを負えなかった。これに対して、本発明に係る向上方法では、形質転換処理時のストレスのみならず、生育時の外来遺伝子の発現によるストレスへの耐性も高められるため、形質転換植物体の獲得効率が顕著に改善されている。このため、本発明に係る向上方法は、特に、外来遺伝子として、宿主細胞内における発現が植物体にとってストレスとなりやすいタンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換植物体を製造する際に好適に用いられる。植物体にとってストレスとなりやすいタンパク質としては、酵素、転写因子、細胞内シグナル経路におけるシグナル分子等が挙げられる。
本発明に係る向上方法において宿主とする植物細胞は、カルスのような植物培養細胞を用いてもよく、植物器官や植物組織を用いてもよい。例えば、植物体の葉や茎等の一部としてある細胞に、外来遺伝子及びグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を導入することができる。
本発明に係る向上方法においては、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子を外来遺伝子と共発現させることの利点がより発揮されることから、カルスを宿主とすることが好ましい。生育初期の植物体は、成長した植物体よりも各種ストレスに対する抵抗性が低い。このため、特に宿主としてカルスを用いる場合には、形質転換ストレスや外来遺伝子の発現ストレスの影響を強く受ける。これに対して、カルス等の分化初期段階でも発現可能なプロモーターで制御されたグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を共発現させることにより、耐ストレス性が改善される結果、外来遺伝子が導入された形質転換植物体の獲得効率が改善される上に、得られた形質転換植物体の初期生育も向上させることができる。
本発明に係る向上方法では、外来遺伝子とグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を、一度の形質転換処理によって植物細胞内に導入してもよく、それぞれ別個の形質転換処理によって植物細胞内に導入してもよい。別個の形質転換処理を行う場合には、先にグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を導入する形質転換処理を行い、グリシンベタイン生合成酵素遺伝子が導入された植物細胞に外来遺伝子を導入することが好ましい。グリシンベタイン生合成酵素遺伝子が導入され、ベタインが蓄積された植物細胞に対して外来遺伝子を導入することにより、より外来遺伝子を含む形質転換植物体の獲得率を向上させることができる。
宿主である植物細胞へのグリシンベタイン生合成酵素遺伝子の導入は、形質転換処理により本発明に係る向上剤を植物細胞に導入することによって行うことができる。同様に、植物細胞への外来遺伝子の導入は、少なくとも外来遺伝子とその発現を制御するプロモーターとを含む発現カセット(外来遺伝子の発現カセット)を含むベクター(外来遺伝子発現ベクター)を、形質転換処理により植物細胞に導入することによって行うことができる。外来遺伝子の発現カセット及び外来遺伝子発現ベクターは、例えば、グリシンベタイン生合成酵素の発現カセット及びグリシンベタイン生合成酵素発現ベクター中のグリシンベタイン生合成酵素遺伝子に替えて外来遺伝子を組込むことにより製造できる。
外来遺伝子とグリシンベタイン生合成酵素遺伝子を、一度の形質転換処理によって植物細胞内に導入する場合、グリシンベタイン生合成酵素発現ベクターと外来遺伝子発現ベクターの混合物を用いて形質転換処理を行ってもよく、外来遺伝子の発現カセットとグリシンベタイン生合成酵素の発現カセットの両方を含むベクターを用いて形質転換処理を行ってもよい。
植物細胞へ発現ベクターを導入する形質転換処理の方法は、特に限定されるものではなく、形質転換植物体を作製する場合に通常用いられている方法により行うことができる。当該方法として、例えば、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法、及びPEG(ポリエチレングリコール)法等が挙げられる。
宿主となる植物細胞は、被子植物、裸子植物、シダ類等のいずれの植物由来の細胞であってもよい。宿主細胞が由来する被子植物のうち双子葉植物としては、ジャトロファ・クルカス、パラゴムノキ (Hevea brasiliensis)、トウゴマ(Ricinus communis)、キャッサバ(Manihot palmata)等のトウダイグサ科植物、ダイズ(Glycine max)、アズキ(Vigna angularis)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)等のマメ科植物、シロイヌナズナ、セイヨウワサビ(Armoracia rusticana)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、ダイコン(Raphanus sativus var. longipinnatus)等のアブラナ科植物、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、レタス(Lactuca sativa)等のキク科植物、タバコ(Nicotiana tabacum)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum L.)等のナス科植物等が挙げられる。被子植物のうち単子葉植物としては、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(Triticum L.)、ライムギ(Secale cereale)、トウモロコシ(Zea mays)等のイネ科植物、ココヤシ(Cocos nucifera)、パームヤシ(Elaeis guineensi, Elaeis oleifera)等のヤシ科植物、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)、アオウキクサ(Lemna aoukikusa)等のウキクサ科植物等が挙げられる。
本発明に係る向上方法により得られた形質転換植物体を生育させることにより、形質転換植物再生体を得ることができる。形質転換植物体の生育は、周知の植物組織培養法等を用いることにより行うことができる。例えば、形質転換植物細胞を、ホルモンフリーの再分化培地等を用いて培養して、得られた発根した幼植物体を土壌等に移植して栽培することにより、再生体を得ることができる。得られた再生体は、形質転換前の植物個体と同様に栽培したり、挿し木をしたり、交配等により後代個体を得ることができる。また、公知のクローニング技術によりクローン個体を得ることもできる。
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[比較例1]
目的の外来遺伝子として、黄色蛍光タンパク質VenusをコードするVenus遺伝子を、アグロバクテリウム法によりジャトロファ・クルカスに導入した形質転換体を作製した。
<1> pBI121−Venusコンストラクトの作成
ナガイらの方法(Nature Biotechnology (2002) vol.20, p.87-90)を参考に、Venus遺伝子の5’末端にSpeIサイト、3’末端にSmaIサイトを結合させた塩基配列(配列番号1)からなる断片(SpeI/SmaIサイト付きVenus)を人工遺伝子合成で得た。
まず、pBI121ベクター(図1)に対してSacI切断後平滑末端化を行い、さらにXbaI切断を行ってGUS配列を除去した。次いで、GUS配列を除去したpBI121のXbaI/平滑末端化SacIサイトに、SpeI/SmaIサイト付きVenusを導入し、pBI121−Venusベクター(図2)を得た。なお、図中、「NPTII」、「NPTIII」はカナマイシン耐性遺伝子を示し、「RB」はRightBorderを示し、「LB」はLeftBorderを示し、「35SP」はカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターを示し、「NosP」はノパリン合成酵素のプロモーターを示し、「NosT」はノパリン合成酵素のターミネーターを示し、「GUS」はβ−glucuronidaseを示す。
<2> 形質転換ジャトロファ35SP−Venusの作成
アグロバクテリウム法により、ジャトロファ・クルカスにVenus遺伝子のコンストラクトを含むpBI121−Venusを導入した。
まず、pBI121−Venusを導入した感染用アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を得るために、凍結融解法とカナマイシン選抜を行い、pBI121−Venus導入アグロバクテリム株を単離した。
次に、ジャトロファ種子を無菌播種し、発芽させた後、出芽した新葉を1mm角に切断した外植片を作製した。16個の外植片について、それぞれpBI121−Venus導入アグロバクテリム株と混合し、30秒間感染させた後、当該外植片を水洗浄した。水洗浄後の外植片を、MS培地プレートに置床し、28℃暗条件で2日間インキュベートした。
その後、当該外植片からに対してカナマイシンによる選抜を行った。具体的には、当該外植片を、10mg/Lのカナマイシン含有MS培地プレートで1週間、次いで30mg/Lのカナマイシン含有MS培地プレートで1週間、さらに50mg/Lのカナマイシン含有MS培地プレートで2週間インキュベートし、カナマイシン耐性株を選抜した。この結果、16個の外植片のうち、4個から、カナマイシン耐性株が取得できた。
得られたカナマイシン耐性株に対して再分化誘導を行い、植物体を生育させた。再分化誘導は、当該カルスを、30g/Lスクロース、TDZ(チジアズロン)0.5mg/L、IBA(インドール−3−酪酸)0.05mg/L、カナマイシン50mg/L、寒天0.8%を含むMS培地で3週間インキュベートして行った。インキュベート環境は、28℃、16時間明期、8時間暗期とした。この結果、高さ約5cmの不定芽を取得できた。
<3> Venus遺伝子挿入の確認
前記<2>により得られたカナマイシン耐性株の不定芽の新葉を、蛍光顕微鏡により観察した。蛍光フィルターは、Cyan光源フィルターセット(励起490−515nm、蛍光550nm、NIGHTSEA社製)を用いた。カナマイシン耐性株のうち、pBI121−Venus導入アグロバクテリム株が感染してVenus遺伝子が導入された形質転換体が再分化した不定芽では黄色蛍光が確認され、Venus遺伝子が導入されていないカナマイシン耐性株が再分化した不定芽では蛍光は観察されない。この結果、4個のカナマイシン耐性株のうち、3個では、黄色蛍光を発するものが観察された。図3に、黄色蛍光が観察されたVenus導入株と蛍光が観察されなかった未導入株の明視野(透過光画像)と暗視野(蛍光顕微鏡画像)の画像を示す。
また、黄色蛍光が観察された不定芽の葉組織から葉ゲノムを抽出し、Venus特異プライマーでゲノムPCRを行なった。葉ゲノムの抽出には、DNeasy Plant Purification Kit(Qiagen社製)を用いた。この結果、黄色蛍光が観察された不定芽のゲノムには、Venus遺伝子が導入されていることが判明した。
[実施例1]
目的の外来遺伝子として、黄色蛍光タンパク質VenusをコードするVenus遺伝子を、コリンオキシダーゼ遺伝子(COX遺伝子)と共に、アグロバクテリウム法によりジャトロファ・クルカスに導入した形質転換体を作製した。
<1> pBI121−COX−Venusコンストラクトの作成
アルトバクター・グロビフォルミス由来のコリンオキシダーゼ(AAP68832.1)のアミノ酸配列(配列番号2)を参考に、当該アミノ酸配列からなるコリンオキシダーゼをコードする遺伝子(COX遺伝子)の断片を、人工遺伝子合成により得た。同様に、35Sプロモータ遺伝子(35SP)とNosターミネーター遺伝子(NosT)の各断片も、人工遺伝子合成により得た。これらの3種の断片は、5’末端側から35SP、COX、NosTの順に並んだ状態でpBI121−VenusのScaIサイトに導入するために、各5’末端と3’末端に15塩基のオーバーラップ配列が付くようにPCRにてフラグメントを作製した。
次に、ScaI切断したpBI121−Venusと、オーバーラップ配列を付加した35SP、COX、NosTの断片と、In−Fusion HD Cloning Kitとを用いてIn−Fusionクローニングを行い、35SP−COX−NosTを挿入したpBI121−COX−Venusを得た(図4)。
<2> 形質転換ジャトロファ35Sp−COX−35Sp−Venusの作成
pBI121−VenusにかえてpBI121−COX−Venusを用いた以外は比較例1と同様にして、pBI121−COX−Venus導入アグロバクテリム株を単離した。次いで、比較例1と同様にして、得られたpBI121−COX−Venus導入アグロバクテリム株を、20個のジャトロファの外植片それぞれに感染させた後、カナマイシン耐性株を選抜し、再分化誘導を行った。この結果、10個の外植片からカナマイシン耐性株が選抜され、それぞれから高さ約5cmの不定芽を取得できた。
<3> Venus遺伝子挿入の確認
比較例1と同様にして、前記<2>により得られたカナマイシン耐性株の不定芽の新葉を蛍光顕微鏡により観察し、カナマイシン耐性株の数と、蛍光顕微鏡で黄色に光る株(Venus発現株)を計数し、形質転換効率を求めた。この結果、10個のカナマイシン耐性株のうち、9個で黄色蛍光を発するものが観察された。
比較例1と実施例1において、遺伝子導入処理を行った外植片の数(個)、再分化した不定芽の数(カナマイシン耐性株の数)及びVenus発現株の数を表1にまとめた。また、遺伝子導入処理を行った外植片の数に対するVenus発現株の割合([Venus発現株の数]/[遺伝子導入処理を行った外植片の数]×100)を形質転換効率(%)とした。Venus遺伝子のみを導入した比較例1では、形質転換効率は18.8%であったのに対して、Venus遺伝子をCOX遺伝子と共に導入した実施例1では、形質転換効率は45%であり、約2.5倍も高かった。これらの結果から、目的の外来遺伝子をコリンオキシダーゼ遺伝子と共に導入することにより、形質転換効率を飛躍的に高められることが明らかとなった。

Claims (9)

  1. グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子を含むベクターからなることを特徴とする、形質転換植物体の獲得効率の向上剤。
  2. 外来遺伝子を導入した形質転換植物体を獲得する効率を向上させる方法であって、
    植物細胞に、外来遺伝子と共に、グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子を導入することを特徴とする、形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  3. 植物細胞に、前記外来遺伝子とグリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子との両方を含むベクターを導入する、請求項2に記載の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  4. グリシンベタイン生合成酵素をコードする遺伝子が導入された植物細胞に、前記外来遺伝子を導入する、請求項2に記載の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  5. 前記植物細胞がカルスである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  6. 前記グリシンベタイン生合成酵素が、土壌細菌由来のコリンオキシダーゼである、請求項2〜5のいずれか一項に記載の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  7. 前記植物細胞が、トウダイグサ科の植物細胞である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  8. 前記植物細胞が、ジャトロファ・クルカス(Jatropha curcus)の細胞である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の形質転換植物体の獲得効率向上方法。
  9. 請求項5の形質転換植物体の獲得効率向上方法により得られた形質転換植物体を生育し、再生体を得る、形質転換植物再生体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110747196A (zh) * 2019-10-16 2020-02-04 中国科学院西双版纳热带植物园 一种在植物花中表达的组织特异性启动子JcTM6基因启动子及其应用

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