JP2014003196A - 半導体装置 - Google Patents

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【課題】半導体中の不純物を用いた単電子転送デバイスが、容易に製造できるようにする。
【解決手段】チャネル領域104に導入された1個の不純物原子109を備え、チャネル領域104は、第1ゲート絶縁層106および第2ゲート絶縁層108の間の間隔が4nm以下とされ、また、不純物原子109は、ボロン,アルミニウム,リン,砒素のいずれかから構成した。このようにチャネル領域104に導入した不純物原子109は、チャネル領域104の中に不純物準位を形成して単電子島として機能する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子を転送する半導体装置に関する。
単一の電子を転送するデバイスは、単電子転送デバイスと呼ばれ、最も基本となるデバイスは、単電子トランジスタと呼ばれる3端子素子である。この単電子トランジスタでは、ゲート電極に印加する1回のクロックで、1個の電子をソースからドレインに転送することができる。このため、周波数fのクロック信号、あるいは交流信号を印加することにより、I=efの電流を生成することができる。周波数fは非常に精度が高いので、非常に精度の高い電流を生成することができる。このような特徴を備える単電子転送デバイスは、電流標準などへの応用が期待されている。
しかしながら、一般の単電子転送デバイスは、量子ドットと呼ばれる、半導体あるいは金属のナノメートルオーダーの微小体を使用しており、作製が容易ではない。この欠点を補うために、近年、量子ドットの代わりに半導体中の不純物を用いるデバイスが提案されている(特許文献1参照)。このデバイスによれば、半導体中の不純物も1個の電荷を捕獲、放出できるので、量子ドットと等価な役割を担うことが可能である。
特許文献1のデバイスについて図5,図6を用いて簡単に説明する。まず構造について、図5を用いて説明する。図5は、半導体中の不純物を利用した単電子転送デバイス(三端子電界効果トランジスタ)の構成を示す断面図である。
このデバイスは、シリコンからなる半導体層501と、半導体層501に形成されたp型領域502と、半導体層501にp型領域502と離間して形成されたn型領域503と、半導体層501の一方の表面上に形成された第1ゲート絶縁層504と、p型領域502とn型領域503との間の第1ゲート絶縁層504の上に形成された第1ゲート電極505とを備える。
また、半導体層501の他方の表面上に形成された第2ゲート絶縁層507を備え、第2ゲート絶縁層507は、シリコン基板506の上に形成されている。シリコン基板506が、第2ゲート電極として機能し、上記デバイスは、2つのゲート電極を備える構成とされている。加えて、p型領域502とn型領域503とに挟まれた半導体層501に、1個の不純物508を備えている。
次に、上記デバイスの動作手順について、図6を用いて説明する。図6は、p型領域502とn型領域503に挾まれた半導体層501(チャネル領域)における、半導体層501のポテンシャルを示すポテンシャル図である。
図6の(a)に示すように、初期状態では、ゲート電極505に例えば0V程度と、電子チャネルのしきい値Vth-nと、正孔チャネルのしきい値Vth-pとの中間の値のゲート電圧が印加された状態としておく。なお、Vth-n>Vth-pである。この状態では、電子のチャネルも正孔のチャネルもどちらも開いておらず、不純物508には、なにもトラップ(捕獲)されていない。さらに、この初期状態において、シリコン基板506にオフセット電圧を印加しておく。このオフセット電圧の大きさは、両界面での電位差が、半導体層501を構成する半導体のバンドギャップを越えないように設定する。オフセット電圧は、正でも負でも構わない。以下では、オフセット電圧を負とした場合について説明する。
上述したように各ゲート電圧が印加された状態の初期状態の後、ゲート電極505に正の電圧が印加された状態とする。この正の電圧は、電子チャネルのしきい値Vth-nを越える大きさとする。この電圧印加により、図6の(b)に示すように、ゲート電極505側の界面(半導体層501の表面)に電子チャネル531が形成され、n型領域503より電子が供給される。この時、電子チャネル531から、1個の電子が不純物508にトラップされる。この後、ゲート電極505に印加されているゲート電圧を初期状態に戻すと、電子チャネル531は閉まり、半導体の伝導体中の電子はn型領域503に回収されるが、不純物508にトラップされた電子は、有限のイオン化エネルギーのためにn型領域503に戻ることができない(図6の(c))。
次に、ゲート電極505に負の電圧が印加された状態とする。この負のゲート電圧は、正孔チャネルのしきい値Vth-pよりも低い値とする。このゲート電圧の印加により、図6の(d)に示すように、正孔チャネル521がシリコン基板506側の界面(半導体層501の表面)に形成され、p型領域502より正孔が供給され、供給された正孔がトラップされていた電子と再結合する。言い換えると、不純物508にトラップされていた電子は、半導体の価電子帯へ移動する。
この後、ゲート電極505に印加されるゲート電圧を再び初期状態に戻すと、正孔チャネル521は閉まり、半導体の価電子帯中の正孔はp型領域502に回収される(図6の(e))。これらで、転送の1サイクルが終了し、図6の(a)に示す状態から、1個の電子がn型領域503からp型領域502へ流れた(転送された)ことになる。なお、上述の動作手順中、n型領域503、p型領域502の電圧は、両方とも0Vにしておけばよい。あるいは、n型領域503とp型領域502の間に、±0.1V程度の電圧を印加していてもよい。
上述した転送動作で、精度よく電子を転送するためには、不純物508が、電子に対しても、正孔に対しても高い捕獲断面積を有している必要がある。言い換えると、不純物508の電子状態が、伝導帯および価電子帯の両方の電子状態とよく結合していなければならない。このためには、より深い準位を有する不純物が適している。例えば、半導体としてシリコンを考えた場合、リンやボロンはそれぞれ浅い準位を有するドナーおよびアクセプターである。
リンは、シリコン伝導帯の下45meV程度の位置に準位を有するが、この場合、リンドナーの電子状態は、伝導帯の電子状態の重ね合わせでよく記述できる。このため、伝導電子を容易に捕獲することができる一方、価電子帯の正孔の捕獲断面積は非常に小さい。逆に、ボロンのような浅い準位を有するアクセプターは、伝導帯電子の捕獲確率が小さい。これに対し、深い準位を有する不純物の電子状態は、伝導帯および価電子帯両方の状態を用いて記述されるため、電子および正孔、両方の捕獲断面積が大きい。単電子転送を実現するためには、不純物のイオン化エネルギー(基底状態の準位)は0.1eV以上が必要である。
また、浅い準位を有するドナーの場合、伝導帯電子をトラップしても、電子チャネルを閉じて電子をn型電極に回収する際に、熱雑音によりトラップ電子を再放出してしまう確率が高くなるので、転送精度が悪くなる。同様に、浅い準位を有するアクセプターの場合、正孔を再放出してしまう確率が高くなるので、転送精度が悪くなる。言い換えると、深い準位の不純物を用いるほど、高温動作に適している。安定した動作のためには、熱エネルギーの4倍程度のイオン化エネルギーが必要であり、室温での動作を実現するためには、やはり、不純物のイオン化エネルギー(基底状態の準位)は0.1eV以上が必要である。
単一の不純物原子の半導体中での位置は、深さ方向のみに制約があり、半導体の界面からの距離が30nm以内に存在していることが重要となる。これは、界面に形成されるチャネルとの間で、電子あるいは正孔を捕獲するためには、チャネルの電子あるいは正孔と不純物の電子の波動関数にオーバーラップが必要なためである。不純物に捕獲された電子の波動関数の広がりは10nm程度、チャネル電子および正孔の波動関数の広がりは5nm程度であり、これらの和の2倍程度以下の距離に不純物が存在していないと、十分な捕獲が起こらない。
一方、チャネルが形成されるゲート電極下の領域であれば、深さ方向に垂直な平面上(半導体層の平面方向)において、不純物原子はどの位置にあっても構わない。例えば、不純物原子は、p型領域に近い位置にあっても、n型領域に近い位置にあっても、中央にあってもよい。これにより素子作製が非常に簡便となる。
イオン化エネルギーが0.1eV以上の深い準位を有する不純物は、例えば半導体としてシリコンを例にとると、インジウム、タリウムのようなIII族の深いアクセプターであり、不純物としてこれらを用いることになる。
以上のように、不純物を用いた単電子転送デバイスは、量子ドットを形成する必要がないため、作製が容易であるという著しい特徴を有する。
特開2006−332097号公報
しかしながら、インジウム,タリウムに代表されるような、イオン化エネルギーが0.1Vを超えるような深い準位を有する不純物は、質量が大きいため、半導体中にイオン注入で導入する際に、多くの結晶欠陥を誘発する。この状態は、デバイスの誤動作の原因になるという欠点となる。また、これらの元素は、一般のシリコンをベースとした集積回路に使用されることがほとんど無く、汎用性に乏しいという問題点がある。このように、上述した技術では、半導体中の不純物を用いた単電子転送デバイスが、容易に製造できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、半導体中の不純物を用いた単電子転送デバイスが、容易に製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、p型の不純物が導入されたシリコンからなるp型領域と、n型の不純物が導入されたシリコンからなるn型領域と、第1方向でp型領域とn型領域とに挾まれて配置されたシリコンからなるチャネル領域と、チャネル領域の第1方向に垂直な第2方向の側に配置された第1ゲート電極と、シリコンよりもバンドギャップの広い材料から構成されて第1ゲート電極とチャネル領域との間に配置された第1ゲート絶縁層と、チャネル領域の第1ゲート電極と反対の側に第1ゲート電極と対向して配置された第2ゲート電極と、シリコンよりもバンドギャップの広い材料から構成されて第2ゲート電極とチャネル領域との間に配置された第2ゲート絶縁層と、チャネル領域に導入された1個の不純物原子とを少なくとも備え、チャネル領域は、第1ゲート絶縁層および第2ゲート絶縁層の間の間隔が4nm以下とされ、不純物原子は、ボロン,アルミニウム,リン,砒素のいずれかであり、チャネル領域の中に不純物準位を形成し、不純物原子が単電子島として機能する。
以上説明したことにより、本発明によれば、半導体中の不純物を用いた単電子転送デバイスが、容易に製造できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における半導体装置の構成を示す断面図である。 図2は、チャネル層の薄層化によるドナー電子の波動関数の変調の状態を示す説明図である。 図3は、リンおよび砒素のイオン化エネルギーとチャネル領域104の厚さとの関係を示す特性図である。 図4は、ホウ素およびアルミニウムのイオン化エネルギーとチャネル領域104の厚さとの関係を示す特性図である。 図5は、単電子転送デバイスの構成例を示す断面図である。 図6は、図5を用いて説明した単電子転送デバイスの動作(駆動方法)例について説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における半導体装置(単電子トランジスタ)の構成を示す断面図である。この半導体装置は、シリコンからなる半導体層101と、半導体層101に形成されたp型領域102と、p型領域102と離間して半導体層101に形成されたn型領域103とを備える。p型領域102は、p型の不純物が導入された領域であり、n型領域103は、n型の不純物が導入された領域である。
また、この半導体装置は、第1方向でp型領域102とn型領域103とに挾まれて配置されたシリコンからなるチャネル領域104と、チャネル領域104の第1方向に垂直な第2方向の側に配置された第1ゲート電極105と、シリコンよりもバンドギャップの広い材料から構成されて第1ゲート電極105とチャネル領域104との間に配置された第1ゲート絶縁層106とを備える。第1方向は、半導体層101の平面方向であり、第2方向は、半導体層101の平面の法線方向である。
また、この半導体装置は、チャネル領域104の第1ゲート電極105と反対の側に第1ゲート電極105と対向して配置された第2ゲート電極107と、シリコンよりもバンドギャップの広い材料から構成されて第2ゲート電極107とチャネル領域104との間に配置された第2ゲート絶縁層108とを備える。
加えて、この半導体装置は、チャネル領域104に導入された1個の不純物原子109を備え、チャネル領域104は、第1ゲート絶縁層106および第2ゲート絶縁層108の間の間隔が4nm以下とされ、また、不純物原子109は、ボロン,アルミニウム,リン,砒素のいずれかから構成されている。このようにチャネル領域104に導入した不純物原子109は、チャネル領域104の中に不純物準位を形成して単電子島として機能する。
上述した半導体装置の製造について簡単に説明する。例えば、よく知られたSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層を第2ゲート絶縁層108として用い、シリコン基板部を第2ゲート電極107として用い、表面シリコン層を半導体層101として用いればよい。また、表面シリコン層(半導体層101)の表面を熱酸化することで第1ゲート絶縁層106を形成すればよい。なお、第1ゲート絶縁層106は、化学的気相成長法などの堆積法により形成した酸化シリコンから構成してもよい。
また、表面シリコン層に対し、イオン注入法により選択的に所定の不純物を導入することで、p型領域102,n型領域103を形成し、これらの間をチャネル領域104とすればよい。また、第1ゲート絶縁層106の上に、ポリシリコンなどのゲート電極材料を堆積して電極材料膜を形成し、形成した電極材料膜を公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、第1ゲート電極105が形成できる。また、不純物原子109は、公知のシングルイオン注入技術を用いて単一イオンをチャネル領域104に打ち込み、打ち込んだ後にアニール処理を行い活性化させればよい。この不純物原子109の導入は、第1ゲート電極105の形成前に行う。
以下、本実施の形態の半導体装置における不純物原子109について、より詳細に説明する。ボロンおよびアルミニウムはIII族であり、リンおよび砒素はV族元素である。ボロンおよびアルミニウムは、シリコン中においてアクセプターとして働く。一方、リンおよび砒素は、シリコン中においてドナーとして働く。いずれのイオン化エネルギーも40〜60meV程度であり、0.1eVに満たない。このため、伝導帯電子,価電子帯正孔のいずれかとの結合が小さく、再結合断面積も小さい。具体的には、ドナーである、リンおよび砒素は、伝導帯電子との結合は大きいが、価電子帯正孔との結合が非常に小さい。アクセプターであるボロンおよびアルミニウムはその逆である。このため、図6を用いて説明した電荷転送には不向きである。
しかしながら、上述した元素のイオン化エネルギーは、薄膜に閉じ込めることにより大きくすることができる。ドナーの場合について以下に説明する。
V族の元素であるドナーは、シリコンに比べて核の電荷が一つ多い。この+1eの電荷のため、電子を1個捕獲することができる。このドナーに捕獲された電子は、真空中に置かれた陽子に束縛された電子、すなわち、水素原子における電子と極めて類似の性質を持っている。例えば、このドナー電子のボーア半径aBは、「aB=(εε02)/(πme2)」と書くことができる。ここで、εは、半導体(シリコン)の比誘電率、ε0は真空の誘電率、hはプランク定数、mはシリコンの有効質量、eは素電荷である。シリコン中のドナーの場合には、aBは、2nmとなる。あるいは、軌道の直径Lは、4nmとなるといっても良い。
仮に、シリコンからなる半導体層101(チャネル領域104)の層厚が、上述した直径Lよりも十分厚い場合には、ドナー電子は、チャネル領域104の第2方向の端(界面)を感じることがないため、波動関数の形も、バルクの場合と変わらない。しかしながら、チャネル領域104の厚さが、L(4nm)よりも小さくなると、図2に示すように、ドナー電子の波動関数は、界面の影響を受けることになる。
図2の(a)に示すようにチャネル領域104の厚さが4nmより大きい場合に比較し、図2の(b)に示すように、チャネル領域104の厚さが4nm以下になると、波動関数が、第1ゲート絶縁層106および第2ゲート絶縁層108との界面の影響を受けて変化する。この場合、イオン化エネルギーも影響を受け、チャネル領域104の厚さの減少とともに、深くなる方向に変化する。
図3,図4は、イオン化エネルギーをチャネル領域104の厚さの関数としてプロットしたもの(第一原理計算結果)である。図3は、リンおよび砒素のイオン化エネルギーとチャネル領域104の厚さとの関係を示している。図3において、実線がリンの関係、点線が砒素の関係を示している。また、図4は、ホウ素およびアルミニウムのイオン化エネルギーとチャネル領域104の厚さとの関係を示している。図4において、実線がホウ素の関係、点線がアルミニウムの関係を示している。ここでは、不純物原子109を、チャネル領域104の中央、すなわち、2つの対向する界面から等距離に置いた場合を計算している。
図3,図4から分かるように、チャネル領域104の厚さが、4nm以下で、イオン化エネルギーは、リンおよび砒素ともに、0.1eVを超えるようになる。このように、リンおよび砒素のように小さいイオン化エネルギーを有する不純物でも、十分に薄いチャネル領域104に閉じ込めることによって、イオン化エネルギーを増大させることができ、深い準位を有する不純物と等価な役割をすることが可能となる。
アクセプターであるボロンおよびアルミニウムについても状況は同じであり、やはり、チャネル領域104の膜厚を4nm以下にすることにより、イオン化エネルギーを0.1eV以上にすることができる。また、不純物原子109の位置が中央からずれた場合には、より近接した界面からの影響を強く受けるようになるので、イオン化エネルギーは、中央にある場合よりもさらに増大する。
上述したイオン化エネルギーの増大の原因は2つあり、チャネル領域104が薄くなることによる量子閉じ込め効果と、バンドギャップが大きい第1ゲート絶縁層106および第2ゲート絶縁層108が存在することによる誘電的効果である。ただし、これらの寄与の割合はチャネル領域104の厚さによって複雑に変化するので、定性的な議論をすることは容易ではない。
なお、チャネル領域104の厚さが4nm以下であるため、不純物原子109の位置が界面から30nm以内になければならないという動作上の条件は、自動的に満足される。また、この半導体装置の動作については、図5を用いて説明した単電子転送デバイスの図6を用いて説明した動作と同様である(特許文献1参照)。
以上に説明したように、本発明によれば、2組のゲート電極およびゲート絶縁層で挟んだチャネル領域の厚さを4nm以下とし、ここに1個の不純物原子を導入するようにした。このため、1個の不純物原子を用いる単電子転送デバイスを、より高温で動作させることが可能となる。また、不純物原子は、汎用的に用いられているボロン,アルミニウム,リン,砒素のいずれかであり、インジウムやタリウムなどと比較して質量が小さく、半導体中に多くの結晶欠陥を誘発することがない。このため、1個の不純物原子を用いる単電子転送デバイスが、より容易に製造できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述した実施の形態では、各ゲート絶縁層を、酸化シリコンから構成した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、シリコンよりバンドギャップの広い半導体から構成されていてもよい。
101…半導体層、102…p型領域、103…n型領域、104…チャネル領域、105…第1ゲート電極、106…第1ゲート絶縁層、107…第2ゲート電極、108…第2ゲート絶縁層、109…不純物原子。

Claims (1)

  1. p型の不純物が導入されたシリコンからなるp型領域と、
    n型の不純物が導入されたシリコンからなるn型領域と、
    第1方向で前記p型領域と前記n型領域とに挾まれて配置されたシリコンからなるチャネル領域と、
    前記チャネル領域の前記第1方向に垂直な第2方向の側に配置された第1ゲート電極と、
    シリコンよりもバンドギャップの広い材料から構成されて前記第1ゲート電極と前記チャネル領域との間に配置された第1ゲート絶縁層と、
    前記チャネル領域の前記第1ゲート電極と反対の側に前記第1ゲート電極と対向して配置された第2ゲート電極と、
    シリコンよりもバンドギャップの広い材料から構成されて前記第2ゲート電極と前記チャネル領域との間に配置された第2ゲート絶縁層と、
    前記チャネル領域に導入された1個の不純物原子と
    を少なくとも備え、
    前記チャネル領域は、前記第1ゲート絶縁層および前記第2ゲート絶縁層の間の間隔が4nm以下とされ、
    前記不純物原子は、ボロン,アルミニウム,リン,砒素のいずれかであり、前記チャネル領域の中に不純物準位を形成し、前記不純物原子が単電子島として機能する
    ことを特徴とする半導体装置。
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