JP2014003145A - 電子部品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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和広 天谷
Katsunori Ogata
克則 尾形
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尚弘 山田
Minoru Dooka
稔 堂岡
Tomoaki Matsuda
智秋 松田
Hiroyoshi Takashima
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Abstract

【課題】電子部品の生産性を向上させた電子部品の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】この発明にかかる電子部品の製造方法は、樹脂製のシートで裏打ちされたセラミックグリーンシートを含む長尺状シートを準備する工程と、長尺状シートの表面にストライプ状に第1の内部電極を印刷する第1の内部電極印刷工程と、長尺状シートを乾燥する工程とを含む、第1の印刷工程を含む。また、長尺状シートを乾燥する工程の後、長尺状シート上にセラミックグリーンシートを形成する工程と、セラミックグリーンシートの表面にストライプ状に第2の内部電極を印刷する第2の内部電極印刷工程と、長尺状シートを乾燥する工程とを含む、第2の印刷工程を含む。そして、第2の内部電極印刷工程において、第1の内部電極の位置を第2の内部電極の印刷位置に合わせるように、長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷する。
【選択図】図3

Description

この発明は、電子部品の製造方法および製造装置に関し、特にたとえば、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品の製造方法および製造装置に関する。
特許文献1に記載の電子部品の製造方法では、積層セラミック電子部品である積層セラミックコンデンサを製造する工程において、内部電極となる導電膜ペーストが、PETフィルム上に成形された長尺状のセラミックグリーンシート(長尺状シート)の表面に帯状に印刷されている。そして、この印刷される導電膜は、この長尺状のセラミックグリーンシートの表面において幅方向にずらされて印刷されることによって、セラミックグリーンシートの長手方向にストライプ状に形成される。したがって、このような、ストライプ状に形成された導電膜が印刷されたセラミックグリーンシートを積層する工法によれば、長手方向への位置合わせは不要であり、幅方向への位置合わせのみを考慮すればよい。
特開2006−351820号公報
しかしながら、セラミックグリーンシートを成形する際に使用するPETフィルムは、樹脂性であるため、1層目のセラミックグリーンシートに内部電極用導電性ペースト(先刷り電極)を印刷した後は、乾燥させると、熱によって歪んでしまう。また、先刷り印刷後の長尺状シートは印刷時の溶剤による膨潤、乾燥工程、保管時の温湿度等の影響により、印刷直後の場合と比較して歪み(拡大)が発生する。この歪み方向は、長手方向/幅方向にそれぞれ歪む。2層目における内部電極用導電性ペーストの印刷では、位置合わせマークに基づいて蛇行補正装置等で位置合わせ印刷を行う(例えば中央部分)が、その際、歪みの発生した1層目の導電膜に2層目の導電膜を印刷することになる。このため位置合わせマークの部分を合わせるだけでは、歪みの影響から位置合わせマークから遠ざかる程(例えば、端部)、位置合わせの誤差が大きくなる。したがって、このようなセラミックグリーンシートに2層目のセラミックグリーンシートを成形し、この2層目のセラミックグリーンシートの表面に内部電極用導電性ペースト(追い刷り電極)を印刷する場合、この印刷のための位置決めが困難であるといった問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、電子部品の内部電極となる導電膜を印刷する際の位置合わせを容易に行えるようにすることで、電子部品の生産性を向上させた電子部品の製造方法を提供することである。
この発明にかかる電子部品の製造方法は、樹脂製のシートで裏打ちされたセラミックグリーンシートを含む長尺状シートを準備する工程と、長尺状シートの表面にストライプ状に第1の内部電極を、長尺状シートの長手方向に印刷する第1の内部電極印刷工程と、第1の内部電極が印刷された長尺状シートを乾燥する工程と、を含む、第1の印刷工程と、長尺状シートを乾燥する工程の後、第1の内部電極が印刷された長尺状シート上にセラミックグリーンシートを形成する工程と、セラミックグリーンシートの表面にストライプ状に第2の内部電極を、長尺状シートの長手方向に印刷する第2の内部電極印刷工程と、第2の内部電極が印刷された長尺状シートを乾燥する工程と、を含む、第2の印刷工程と、を含み、第2の内部電極印刷工程において、第1の内部電極の位置を、第2の内部電極の印刷位置に合わせるように、長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷することを特徴とする、電子部品の製造方法である。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法では、樹脂製のシートで裏打ちされたセラミックグリーンシートを含む長尺状シートを準備する工程と、長尺状シートの表面にストライプ状に第1の内部電極を、長尺状シートの長手方向に印刷する第1の内部電極印刷工程と、第1の内部電極が印刷された長尺状シートを乾燥する工程と、を含む、第1の印刷工程と、長尺状シートを乾燥する工程の後、第1の内部電極が印刷されていない領域に、段差解消用セラミックパターンを形成する段差解消用セラミックパターン形成工程と、段差解消用パターンが形成された長尺状シートを乾燥する工程と、を含む、第2の印刷工程と、を含み、段差解消用セラミックパターン形成工程では、第1の内部電極の位置を、段差解消用セラミックパターンの形成位置に合わせるように、長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷することを特徴とする、電子部品の製造方法である。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法では、第1および第2の印刷工程は、グラビア印刷によって行われることが好ましい。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法では、長尺状シートには、幅方向において、二つ以上の位置合わせ用のマークが印刷され、位置合わせ用マークの間隔から、長尺状シートの幅方向の伸びを検出していることが好ましい。
この発明にかかる電子部品の製造装置は、この発明にかかる電子部品の製造方法を用いる製造装置であって、長尺状シートを巻き出す機構と、長尺状シートを巻き取る機構と、巻き出し機構と巻き取り機構の間に内部電極または段差解消用セラミックパターンを印刷する機構とを備え、長尺状シートのテンションを、巻き取り機構、および/または、巻出し機構により調整しながら内部電極または段差解消用セラミックパターンを印刷することを特徴とする電子部品の製造装置である。
この発明にかかる電子部品の製造方法によれば、第2の内部電極印刷工程において、第1の内部電極の位置を、第2の内部電極の印刷位置に合わせるように、長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷するので、幅方向に縮んだ状態で印刷されることから、第2の内部電極の形成された位置と第1の内部電極が形成された位置とのズレと同程度となり、印刷位置のズレを解消することができる。
この発明にかかる電子部品の製造方法によれば、段差解消用セラミックパターン形成工程において、第1の内部電極の位置を、段差解消用セラミックパターンの形成位置に合わせるように、長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷するので、幅方向に縮んだ状態で印刷されることから、段差解消用セラミックパターンの形成された位置と第1の内部電極が形成された位置とのズレが同程度となり、印刷位置のズレを解消することができる。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法は、第1および第2の印刷工程が、グラビア印刷により行われるため、スクリーン印刷に比べて、連続して印刷できるので印刷速度が速く印刷効率を向上させることができる。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法は、幅方向の位置合わせには、幅方向の伸びを測定する必要があり、幅方向に2つの位置合わせマークが形成されることで、その幅方向の伸びを正確に検出することができる。
また、この発明にかかる電子部品の製造装置は、長尺状シートのテンションを、巻き取り機構、および/または、巻き出し機構により調整することができるので、電子部品の内部電極となる導電膜等の印刷位置のズレの解消を可能にする。
この発明によれば、電子部品の内部電極となる導電膜を印刷する際の位置合わせを容易に行えるようにすることで、電子部品の生産性を向上させた電子部品の製造方法および製造装置を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミック電子部品の外観の一例を示す概略斜視図である。 この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミック電子部品のA−A線における断面を示す断面図解図である。 この発明にかかる第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において、積層セラミック電子部品の製造工程の一部を示した概略斜視図であり、(a)は長尺状シートが準備された状態の図であり、(b)は準備された長尺状シートに第1の導電膜が帯状に印刷された状態の図であり、(c)は導電膜付き長尺状シートに第2のセラミックグリーンシートを成形する工程を示した図であり、(d)は、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施している図であり、(e)は第2にセラミックグリーンシートに第2の導電膜が帯状に印刷された状態の図であり、(f)は積層工程を示した図である。 第1のセラミックグリーンシートの表面に印刷される導電膜の印刷状態の詳細を表す平面図である。 この発明にかかる第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において、第2の印刷工程を実施するために用いられるグラビア印刷機の概略的構成を図解的に示す正面図である。 この発明にかかる第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法により得られた積層体を示す概略斜視図である。 (a)は積層セラミック電子部品の製造方法により製造された積層体チップの外観の一例を示す概略斜視図であり、(b)及び(c)はそれぞれ内部電極の形状を説明するための平面断面図である。 この発明にかかる第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において、積層セラミック電子部品の製造工程の一部を示した概略斜視図であり、(a)は長尺状シートが準備された状態の図であり、(b)は準備された長尺状シートに第1の導電膜が帯状に印刷された状態の図であり、(c)は、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施している図であり、(d)は導電膜付き長尺状シートに段差解消用セラミックパターンを印刷する工程を示した図である。 第1の印刷工程において、導電膜付き長尺状シートの歪の状態を示した図である。 第2の印刷工程において、テンション制御を実施した場合における第2の導電膜の歪の状態を示した図である。 第2の印刷工程において、テンション制御を実施していない場合における第2の導電膜の歪の状態を示した図である。
本発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミック電子部品の一例について説明する。図1は、セラミック素体と外部電極とにより構成された積層セラミック電子部品の外観の一例である積層セラミック電子部品の概略斜視図を示し、図2は、図1に示される積層セラミック電子部品のA−A線における断面を示す断面図解図を示す。
この実施形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミック電子部品10は、セラミック素体12と、セラミック素体12の表面に形成される外部電極14aおよび14bとから構成される。
この実施形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミック電子部品10に用いられるセラミック素体12は、複数の積層されたセラミック層16aおよび16bから構成される。そして、セラミック素体12は、直方体状に形成され、長さ(L)方向および幅(W)方向に沿って延びる一方主面18aおよび他方主面18bと、長さ(L)方向および高さ(T)方向に沿って延びる一方側面20aおよび他方側面20bと、幅(W)方向および高さ(T)方向に沿って延びる一方端面22aおよび他方端面22bとを有する。ここで、積層セラミック電子部品10は、必要な容量を確保した上で、その一方側面20aおよび他方側面20bは、絶縁されていることが求められる。なお、セラミック素体12は、角部および稜部に丸みがつけられていることが好ましい。
セラミック層16aおよび16bの材料には、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分に、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。その他、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミックなどを用いることもできる。
なお、この実施形態にかかるセラミック素体12については、誘電体セラミックを用いるので、コンデンサとして機能する。
セラミック素体12は、複数のセラミック層16aおよび16bに挟まれるように複数の内部電極24aおよび24bを有する。内部電極24aおよび24bの材料には、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどを用いることができる。焼成後の内部電極28aおよび28bの厚みは、0.3〜2.0μmであることが好ましい。また、焼成後のセラミック層16aおよび16bの厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。
内部電極24aは、対向部26aと引出し電極部28aとを有する。対向部26aは、内部電極24bと対向する。引出し電極部28aは、対向部26aからセラミック素体12の一方端面22aに引出される。そして、内部電極24aの引出し電極部28aの端部がセラミック素体12の一方端面22aに延びて露出するように形成される。
また、内部電極24bは、内部電極24aと同様に、内部電極24aと対向する対向部26bと、対向部26bからセラミック素体12の他方端面22bに引出された引出し電極部28bとを有する。内部電極24bの引出し電極部28bの端部がセラミック素体12の他方端面22bに延びて露出するように形成される。
セラミック素体12の一方端面22aには、外部電極14aが引出し電極部28aを介して内部電極24aに電気的に接続され、一方端面22a及び内部電極24aを覆うように形成される。同様に、セラミック素体12の他方端面22bには、外部電極14bが引出し電極部28bを介して内部電極24bに電気的に接続され、他方端面22b及び内部電極24bを覆うように形成される。
外部電極14aおよび14bの材料には、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等を用いることができる。このうち、例えば、Cu、Ni等の卑金属を用いることが好ましい。外部電極14aおよび14bの厚みは、10〜80μmであることが好ましい。
次に、本発明にかかる電子部品の製造方法の一例である積層セラミック電子部品の製造方法についての第1の実施の形態について説明する。図3(a)〜(f)は、本発明にかかる第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において、積層セラミック電子部品の製造工程の一部を示した概略斜視図である。積層セラミック電子部品の製造方法は、第1の印刷工程、第2の印刷工程を含み、さらに、積層体を得るための積層工程、チップ状の積層体チップを得るためのカット工程を含む。以下、詳細に説明する。
まず、積層セラミック電子部品の製造方法における第1の印刷工程について説明する。第1の印刷工程は、図3(a)に示すように、長尺状シートを準備する工程と、図3(b)に示すように、第1のセラミックグリーンシートの表面に第1の導電膜を印刷する工程を含む。
積層セラミック電子部品10を製造する際には、まず、キャリアフィルム30が準備される。キャリアフィルム30としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリプロピレン(PP)が用いられる。このキャリアフィルム30の上に、溶剤中にセラミック粒子やバインダなどを分散したセラミックスラリーをダイコーターにて成形し、乾燥して、たとえば、図3(a)に示すように、長尺状の第1のセラミックグリーンシート32aが得られる。このように、キャリアフィルム30と、このキャリアフィルム30によって裏打ちされた第1のセラミックグリーンシート32aとからなる長尺状シート34が準備される。なお、第1のセラミックグリーンシート32aの厚みは、3μm以下である。また、第1のセラミックグリーンシート32aの成形の方法は、ダイコーター以外にも、グラビアコーター、マイクログラビアコーター等を用いて行われる。
続いて、図3(b)に示すように、第1のセラミックグリーンシート32aの表面に、帯状に内部電極用導電性ペーストを印刷し、乾燥することにより、内部電極24aとなる複数の連続した帯状の第1の導電膜36a(先刷り電極)がストライプ状に形成され、導電膜付き長尺状シート40が得られる。このとき、第1の導電膜36aは、キャリアフィルム30が熱等により歪み、第1の導電膜36aのための内部電極用導電性ペーストを印刷した位置と比較したとき、幅方向の歪みにより伸びた状態となる。この第1の導電膜36aは、キャリアフィルム30の長手方向に形成され、互いに平行に形成される。第1の導電膜36aと第1の導電膜36aとの間には、適宜、ギャップ38aが設けられる。内部電極用導電性ペーストは、溶剤中に金属粒子やバインダなどを分散することで作製される。
第1の導電膜36aを形成するために内部電極用導電性ペーストを印刷する方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法、グラビア印刷法等を用いて塗布される。この第1の導電膜36aの厚みは、1.5μm以下である。なお、連続した帯状の第1の導電膜36aを得るには、スクリーン印刷よりグラビア印刷やグラビアオフセット印刷などの連続印刷方式を使用する方が好ましい。また、ストライプ状に形成された第1の導電膜36aは、長手方向で導電膜が連続した形状となり、中間での区切り部分が発生しない特徴を有する。このためストライプ状に形成された導電膜を用いた位置合わせ印刷の場合、幅方向のみの位置合わせを行うだけでよく、長手方向の位置合わせを行う必要がない。
ここで、図4は、第1のセラミックグリーンシート32aの表面に印刷される導電膜の印刷状態の詳細を表す平面図を示す。第1の印刷工程おいて、第1の導電膜36aの印刷工程を行う際には、位置合わせマークには、図4に示されるような帯状のマークが使用される。第1のセラミックグリーンシートシート32aの幅方向に対して中央部分には中心位置合わせマーク42が設置され、第1のセラミックグリーンシート32aの端部には端部歪調整用マーク44が設置される。中央部分に設置される中心位置合わせマーク42は、主に、サイドレジスタや蛇行補正装置における位置合わせ制御用に用いられる。端部歪調整用マーク44は、主に、後述するテンション制御を実施する際の幅方向の位置合わせに使用される。また、中心位置合わせマーク42および端部歪調整用マーク44の幅方向の間隔の変化から、幅方向のズレを検出することも可能である。中心位置合わせマーク42および端部歪調整用マーク44は、第1の導電膜36aと同様に導電膜ペーストが用いられる。なお、幅方向の伸びを測定するために用いられる中心位置合わせマーク42および端部歪調整用マーク44は、第1の導電膜36aを間に挟まれるように形成されるのが好ましい。
次に、積層セラミック電子部品の製造方法における第2の印刷工程について説明する。第2の印刷工程は、図3(c)に示すように、第2のセラミックグリーンシートを成形する工程と、図3(e)に示すように、この第2のセラミックグリーンシートの表面に第2の導電膜を印刷する工程を含む。
第1の導電膜36aが形成された第1のセラミックグリーンシート32a上に、図3(c)に示すように、セラミックスラリーをダイコーターにて成形し、乾燥して、第2のセラミックグリーンシート32bが得られる。第2のセラミックグリーンシート32bに使用するスラリーは、第1のセラミックグリーンシート32aで使用されたスラリーと同じスラリーが用いられる。セラミックグリーンシート32bの成形の方法は、ダイコーター以外にも、グラビアコーター、マイクログラビアコーター等を用いて行われる。
ここで、第2の印刷工程において、第2のセラミックグリーンシート32bを成形した後、第2の導電膜を印刷する前に、図3(d)に示すように、乾燥により生じた幅方向の歪みにより伸びた導電膜付き長尺状シート40を、長手方向(矢印Aで示す方向)にテンションをかけることで、導電膜付き長尺状シート40を長手方向に伸ばすための制御(テンション制御)が行われる。このように、導電膜付き長尺状シート40が長手方向に伸びることによって、結果として、導電膜付き長尺状シート40は幅方向に縮む。そして、幅方向に縮んだ状態で第2の導電膜を印刷する工程が実際される。
導電膜付き長尺状シート40に対して行われるテンション制御について、説明する。まず、イメージセンサで中心位置合わせマーク42を読み取り、蛇行補正装置(EPC)で蛇行を修正して、中心部を合わせる。なお、イメージセンサによる中心位置合わせマーク42の読み取りは、ラインセンサもしくはカメラによる撮像により行われる。次に、端部歪調整用マーク44を見て、巻き出しの速度および/または巻き取りの速度を変化させることで導電膜付き長尺状シート40にかかるテンションを制御して、長手方向に導電膜付き長尺状シート40を伸ばすことにより、所望の範囲に端部歪調整用マーク44が位置するように調整する。なお、導電膜付き長尺状シート40にかけるテンション制御の方法は、コンペンセータロールにより行われてもよい。このように、導電膜付き長尺状シート40のテンション制御が実行された状態で、第2の導電膜を印刷する工程が実施される。
続いて、図3(e)に示すように、第2のセラミックグリーンシート32bの表面に、帯状に内部電極用導電性ペーストを印刷し、乾燥することにより、内部電極24bとなる複数の連続した帯状の第2の導電膜36b(追い刷り電極)がストライプ状に形成される。この第2の導電膜36bを形成するために使用される内部電極用導電性ペーストは、内部電極24aとなる第1の導電膜36aと同じペーストが使用される。第2の導電膜36bを第2のセラミックグリーンシート32bの表面に印刷する位置は、内部電極24aにおける対向部26aおよび内部電極24bにおける対向部26bが形成されるように、導電膜の印刷する方向とは垂直な方向(導電膜の幅方向)に、少なくとも内部電極24aおよび24bにおける引出し電極部28aおよび28bを確保するために必要な大きさだけずらして印刷される。この第2の導電膜36bは、キャリアフィルム30の長手方向に形成され、互いに平行に形成される。第2の導電膜36bと第2の導電膜36bとの間には、適宜、ギャップ38bが設けられる。
続いて、導電膜付き長尺状シート40にかけられているテンションが解除される。そうすると、第2の導電膜36bのための内部電極用導電性ペーストを印刷した位置と比較したとき、長手方向に対しては縮むが、幅方向に対しては伸びた状態になる。したがって、第2の導電膜36bは、第1の導電膜36aにおいて生じた幅方向のズレに対して所望の位置に第2の導電膜36bが印刷される。このように、第2の印刷工程においてテンション制御を実施することで、第2の導電膜36bの位置合わせが可能となる。なお、テンションが解除されたとき、第2の導電膜36bは、長手方向に対して縮むため、導電膜の密度が上がる。また、第2の導電膜36bは、長手方向に対して縮むが、第2の導電膜36bは長手方向にストライプ状に形成されているので、印刷の精度に影響はない。
なお、第2の導電膜36bを形成するために内部電極用導電性ペーストを印刷する際において、スクリーン印刷機、グラビア印刷機あるいはグラビアオフセット印刷機等が用いられる。なお、連続した帯状の第2の導電膜36bを得るには、スクリーン印刷よりグラビア印刷やグラビアオフセット印刷などの連続印刷方式を使用する方が好ましい。このようにして、2層構造のセラミックグリーンシート46が得られる。
ここで、上述した、積層セラミック電子部品の製造方法において、たとえば、第2の印刷工程において使用される輪転印刷機としてのグラビア印刷機50について簡単に説明する。図5は、この発明にかかる第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において、第2の印刷工程を実施するために用いられるグラビア印刷機50の概略的構成を図解的に示す正面図である。
グラビア印刷機50では、たとえば、導電膜付き長尺状シート40が取り扱われる。グラビア印刷機50は、このような導電膜付き長尺状シート40を、巻き出し部(図示せず)から巻き取り部(図示せず)へと供給方向(矢印Bで示す方向)に搬送する複数個のガイドロール52を備えている。このような導電膜付き長尺状シート40の搬送経路の途中に、第1の印刷部54および第2の印刷部56が配置されている。
第1の印刷部54は、導電膜付き長尺状シート40の表面に第2のセラミックグリーンシート32bを成形するために設けられる。第1の印刷部54は、第1の印刷ロール54aと、この第1の印刷ロール54aに圧接する第1の圧接ロール54bとを備えている。導電膜付き長尺状シート40は、第1の印刷ロール54aと第1の圧接ロール54bとの間に供給される。第1の印刷ロール54aは矢印Cで示す方向に、第1の圧接ロール54bは矢印Dで示す方向に回転することによって、導電膜付き長尺状シート40は、供給方向に搬送される。
また、第2の印刷部56は、第2のセラミックグリーンシート32b上に第2の導電膜36bを印刷するために設けられる。第2の印刷部56は、第2の印刷ロール56aと、この第2の印刷ロール56aに圧接する第2の圧接ロール56bとを備えている。
図5に示すように、グラビア印刷機50における第1の印刷部54の下流側には、乾燥炉58が配置される。この乾燥炉58は、第1の印刷部54において成形された第2のセラミックグリーンシート32bを乾燥するために設けられる。また、第2の印刷部56の下流側には、乾燥炉60が配置される。乾燥炉60は、第2の印刷部56において印刷された第2の導電膜36bを乾燥するために設けられる。
また、第2の印刷部56の上流側には、導電膜付き長尺状シート40を巻き掛けする状態でコンペンセータロール62が配置される。コンペンセータロール62は、図5において両方向矢印Eで示すように、上下方向に移送するように構成される。このコンペンセータロール62は、導電膜付き長尺状シート40のテンションを制御するために設けられる。導電膜付き長尺状シート40のテンションを制御することにより、第2の導電膜36bの位置ずれを補正するように作用する。また、乾燥により生じた幅方向の歪みにより伸びた導電膜付き長尺状シート40を、その長手方向にテンションをかけることで、導電膜付き長尺状シート40を長手方向に伸ばすように作用する。
次に、積層セラミック電子部品の製造方法における積層工程およびカット工程について、説明する。得られた2層構造のセラミックグリーンシート46は、一括して所定のサイズにカットされ、キャリアフィルム30から剥離された上で、図3(f)に示されるように、積層される。そして、このように積層されたセラミックグリーンシートの上面および下面に、必要に応じて導電膜が形成されていないセラミックグリーンシートが所定枚数積み重ねられ、保護層が形成される。そして、積み重ねられたセラミックグリーンシートは、プレスして互いに圧着され、帯状に印刷された第1の導電膜36aおよび第2の導電膜36bを含む積層体70が得られる。
図6は、この発明にかかる第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法により得られた積層体を示す概略斜視図である。図6に示すように、得られた積層体70を長さ(L)方向に第1切断線72でカットし、幅(W)方向に第2切断線74でカットすることにより、積層体チップ80が製造される。このとき、積層体チップ42において、第1の導電膜32aは内部電極24aとして機能し、第2の導電膜32bは内部電極24bとして機能する。
なお、カット工程において実施される積層体70のカットの方法は、ダイシングや押切りにより行われるが、レーザーでカットしてもよい。また、上述した、プレスおよびカットの各工程は、一般的な積層セラミックコンデンサの製造工程において行われる工程と同等であるが、このプレスおよびカットの各工程において、帯状の導電膜の印刷する方向とは垂直な方向に対する位置合わせや変形を考慮する必要がないため、工程管理や設備の費用を安価に抑えることができる。
図7(a)は、チップ状の積層体チップの外観の一例を示す概略斜視図である。積層体44よりカットされた積層体チップ80は、積層セラミック電子部品10と同様に、直方体状に形成されており、長さ(L)方向および幅(W)方向に沿って延びる一方主面18aおよび他方主面18bと、長さ(L)方向および高さ(T)方向に沿って延びる一方側面20aおよび他方側面20bと、幅(W)方向および高さ(T)方向に沿って延びる一方端面22aおよび他方端面22bとを有する。一方主面18aには、保護層82aが形成され、他方主面18bには保護層82bが形成されている。
図7(b)及び(c)は、それぞれ内部電極の形状を説明するための斜視断面図である。積層体チップ80は、複数のセラミック層16aおよび16bに挟まれるように複数の内部電極24aおよび24bを有する。従って、積層体チップ80には、複数のセラミック層16aおよび16bと内部電極24aおよび24bとが積層されて構成される。
図7(b)に示すように、内部電極24aは、対向部26a、引出し電極部28a、側面部電極84aおよび側面部電極84bを有する。そして、引出し電極部28aは、対向部26aから積層体チップ80の一方端面22aに引き出される。そして、内部電極24aの引出し電極部28aの端部が積層体チップ80の一方端面22aに延びて露出するように形成される。また、側面部電極84aは、積層体チップ80の一方側面20aに露出しており、側面部電極84bは、積層体チップ80の他方側面20bに露出している。
また、図7(c)に示すように、内部電極24bは、対向部26b、引出し電極部28b、側面部電極84aおよび側面部電極84bを有する。そして、引出し電極部28bは、対向部26bから積層体チップ80の他方端面22bに引き出される。そして、内部電極24bの引出し電極部28bの端部が積層体チップ80の他方端面22bに延びて露出するように形成される。また、側面部電極84aは、積層体チップ80の一方側面20aに露出しており、側面部電極84bは、積層体チップ80の他方側面20bに露出している。
次に、積層体チップの製造工程において製造された積層体チップ80には、カバー層が形成される。そして、上述の工程により製造されたカバー層付き積層体チップが脱バインダされ、焼成される。そして、焼成されたカバー層付き積層体チップの一方端面22a及び他方端面22bに対して導電ペーストが塗布され、導電ペーストが塗布されたカバー層付き積層体チップが焼き付けられる。そして、一方端面22a及び他方端面22bには外部電極がそれぞれ形成され、積層セラミック電子部品10が製造される。
第1の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、第2の導電膜36bを第2のセラミックグリーンシート32bの表面に印刷するとき、導電膜付き長尺状シート40に長手方向にテンションをかけるので、導電膜付き長尺状シート40は、その長手方向に伸ばされ、幅方向に縮んだ状態で行われる。その後、テンションを解除すると、第1のセラミックグリーンシート32aの幅方向に伸びる幅と同程度に第2の導電膜36bも幅方向に伸びるので、その結果、第1の導電膜36aの位置に対して設定された第2の導電膜36bの印刷位置のズレが解消される。そのため、第2の導電膜36bの位置合わせが容易になる。また、導電膜付き長尺状シート40にかけられていたテンションを解除すると、長手方向に対して縮むため、第2の導電膜32bの密度が上昇する。
また、第1の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、第1の印刷工程および第2の印刷工程をグラビア印刷により行うと、スクリーン印刷に比べて、連続して印刷ができるので、印刷速度が速く印刷効率が向上する。
次に、本発明にかかる電子部品の製造方法の一例である積層セラミック電子部品の製造方法についての第2の実施の形態について説明する。図8(a)〜(d)は、本発明にかかる第2の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法において、積層セラミック電子部品の製造工程の一部を示した概略斜視図である。第2の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシート上に帯状の導電膜を形成した後に、第2の印刷工程において、帯状の導電膜の厚さ分の段差を解消しながら積層体チップを製造する製造方法である。以下、説明する。
まず、第1の印刷工程が実施される。第1の印刷工程は、図8(a)に示すように、長尺状シートを準備する工程と、図8(b)に示すように、第1のセラミックグリーンシートの表面に第1の導電膜を印刷する工程を含む。この第1の印刷工程では、導電膜付き長尺状シート40が得られる。なお、この第1の印刷工程は、第1の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法と同様である。
次に、積層セラミック電子部品の製造方法における第2の印刷工程について説明する。第2の印刷工程は、図8(d)に示すように、第1のセラミックグリーンシート32a上において、第1の導電膜36aが印刷されていない領域に、段差解消用セラミックパターンを印刷する工程である。この第2の印刷工程を実施する前に、図8(c)に示すように、第1の印刷工程により得られた導電膜付き長尺状シート40にテンションをかける制御が行われる。すなわち、第2の導電膜を印刷する前に、乾燥により生じた幅方向の歪みにより伸びた導電膜付き長尺状シート40を、長手方向(矢印Fで示す方向)にテンションをかけることで、導電膜付き長尺状シート40を長手方向に伸ばすための制御が行われる。この導電膜付き長尺状シート40に対して行われるテンション制御は、第1の実施の形態における積層セラミック電子部品の製造方法において行われるテンション制御と同様である。
次に、導電膜付き長尺状シート40のテンションが調整された状態で第2の印刷工程が実施される。すなわち、図8(d)に示すように、第1のセラミックグリーンシート32a上において、第1の導電膜36aが形成された部分を除いた部分に、段差解消用のセラミックペーストが印刷され、乾燥して、連続した帯状の段差解消用セラミックパターン90が形成される。
段差解消用セラミックパターン90を形成するために段差解消用のセラミックペーストを印刷する際において、スクリーン印刷機、グラビア印刷機あるいはグラビアオフセット印刷機等が用いられる。なお、連続した段差解消用セラミックパターン90を得るには、スクリーン印刷よりグラビア印刷やグラビアオフセット印刷などの連続印刷方式を使用する方が好ましい。
続いて行われる、図8(d)より後の工程は、図3(c)〜(f)に記載の工程と同様の工程が行われる。なお、第2の導電膜が印刷された後は、段差解消用セラミックパターンが印刷される。また、第1のセラミックグリーンシート32a上における段差解消用セラミックパターン90の印刷の代わりに、第2のセラミックグリーンシート32bの印刷時に、第1のセラミックグリーンシート32a上において、内部電極24aである第1の導電膜36aの部分を除く部分にもスラリーが塗工されるようにしてもよい。
また、第2の実施の形態においてグラビア印刷機50を用いる場合は、長尺状シート34が取り扱われる。そして、第1の印刷部54において、第1の導電膜36aが印刷され、続いて、第2の印刷部56において、段差解消用セラミックパターン90が形成される。
この第2の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、第1の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法と同様の効果を奏するとともに、次の効果も奏する。
すなわち、たとえば、セラミックグリーンシート上に導電膜を印刷した場合、導電膜が印刷された部分と印刷されていない部分とでは、導電膜が印刷された部分が、導電膜の厚さ分だけ厚くなる。積層枚数が少なければ、特に大きな問題は生じないところ、積層枚数が増加すると、厚みの差が大きくなり、積層体チップの内部におけるクラックや空隙等の発生する可能性が増加する。
このため、第2の実施の形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法のように、セラミックグリーンシート上において、導電膜が印刷されていない部分に、段差解消用セラミックパターンを印刷することで、上記の問題に対処することができる。
(実験例)
次に、積層セラミック電子部品の製造方法にかかる実験例を示す。まず、積層セラミック電子部品の製造方法における第1の印刷工程について説明する。まず、キャリアフィルムであるPETフィルム上にダイコーターにてセラミックスラリーを塗布し、乾燥して、第1のセラミックグリーンシートを成形した。続いて、グラビア印刷により、第1のセラミックグリーンシートの表面に内部電極用導電性ペーストをストライプ状に印刷し、乾燥することにより、複数の連続した帯状の導電膜をストライプ状に形成し、導電膜付き長尺状シートを得た。
図9は、第1の印刷工程において、導電膜付き長尺状シートの歪の状態を示した図である。まず、成形された第1のセラミックグリーンシート上に500μm間隔で9ヵ所の測定点を設定した。すなわち、図9において、各目盛の間隔は、500μmである。これらの測定点は、四角で設計値として図9に示される。次に、第1のセラミックグリーンシートの表面に内部電極用導電性ペーストを印刷し、乾燥させた後、先に設定した測定点を測定した結果を測定値とした。図9において、それぞれの測定値は、丸印で示している。図9より、測定値は、100μm(上下方向に各50μm)程度、幅方向に伸びていることがわかる。
次に、積層セラミック電子部品の製造方法における第2の印刷工程について説明する。第2のセラミックグリーンシートを成形し、その表面に第2の導電膜を形成するに際して、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施した場合(実施例)と、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施しない場合(比較例)との実験を行った。
(実施例)
まず、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施した場合について説明する。
第1のセラミックグリーンシートの表面にダイコーターで第2のセラミックグリーンシートを成形し、乾燥させ、第2のセラミックグリーンシートを成形した。次に、この第2のセラミックグリーンシートの表面に、内部電極用導電性ペーストをストライプ状に印刷し、第2の導電膜を形成した。この第2の導電膜を形成したとき、導電膜付き長尺状シートを長手方向(印刷方向)にテンションをかけるようにテンション制御を行って、導電膜付き長尺状シートを幅方向に100μm縮ませて、位置合わせした後、内部電極用導電性ペーストの印刷を行った。
図10は、第2の印刷工程において、テンション制御を実施した場合における第2の導電膜の歪の状態を示した図である。まず、成形された第2のセラミックグリーンシート上に500μmの間隔で9ヵ所の測定点を設定した。これらの測定点は、四角印で設計値として図10に示される。次に、テンション制御を実施した上で第2のセラミックグリーンシートの表面に内部電極用導電性ペーストを印刷し、乾燥させた後、先に設定した測定点を測定した結果を測定値とした。図10において、それぞれの測定値は、丸印で示している。図10より、図9と同様に、導電膜付き長尺状シートの幅方向に100μm伸びていることがわかる。したがって、第1の導電膜における幅方向のズレと第2の導電膜における幅方向のズレとが、いずれもに100μmとほぼ等しいことから、結果として、第1のセラミックグリーンシートの印刷された導電膜とのが解消されていることが確認できた。なお、図10によると、長手方向のズレ量が大きくなることが確認できる。しかしながら、第2の導電膜は、長手方向にストライプ状に導電膜が形成されているため、印刷の精度に影響はない。
(比較例)
次に、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施しない場合について説明する。
第1のセラミックグリーンシートの表面にダイコーターなどでセラミックグリーンシートを成形し、乾燥させ、第2のセラミックグリーンシートを成形した。次に、この第2のセラミックグリーンシートの表面に、内部電極用導電性ペーストをストライプ状に印刷し、第2の導電膜を形成した。この第2の導電膜を形成したとき、導電膜付き長尺状シートには、テンション制御を実施してない。
図11は、第2の印刷工程において、テンション制御を実施していない場合における第2の導電膜の歪の状態を示した図である。まず、成形された第2のセラミックグリーンシート上に500μmの間隔で9ヵ所の測定点を設定した。これらの測定点は、四角印で設計値として図11に示される。次に、第2のセラミックグリーンシートの表面に内部電極用導電性ペーストを印刷し、仮乾燥させた後、先に設定した測定点を測定した結果を測定値とした。図11において、それぞれの測定値は、丸印で示している。仮乾燥させただけなので、伸びはみられない。したがって、1層目のセラミックグリーンシートの内部電極との位置が100μmずれている。図11より、設計値と測定値の位置関係を比較したとき、幅方向にはほとんど伸びていない(ズレていない)ことが確認できた。すなわち、このことは、第1のセラミックグリーンシート上の測定値と第2のセラミックグリーンシート上の測定値とでは、100μm程度ずれていることを示している。
本実験結果により、導電膜付き長尺状シートにテンション制御を実施した上で、第2のセラミックグリーンシートを成形し、第2の導電膜を形成することで、第1のセラミックグリーンシートの表面に形成される第1の導電膜とのズレが解消されることが示された。
なお、第1の実施の形態において、位置合わせマークとして、中心位置あわせマーク42および端部歪調整用マーク44の2ヵ所設けられているが、これに限るものではなく、いずれか一方の位置合わせマークのみが設置されるようにしてもよい。
10 積層セラミック電子部品
12 セラミック素体
14a、14b 外部電極
16a、16b セラミック層
18a 一方主面
18b 他方主面
20a 一方側面
20b 他方側面
22a 一方端面
22b 他方端面
24a、24b 内部電極
26a、26b 対向部
28a、28b 引出し電極部
30 キャリアフィルム
32a 第1のセラミックグリーンシート
32b 第2のセラミックグリーンシート
34 長尺状シート
36a 第1の導電膜
36b 第2の導電膜
38a、38b ギャップ
40 導電膜付き長尺状シート
42 中心位置合わせマーク
44 端部歪調整用マーク
46 2層構造のセラミックグリーンシート
50 グラビア印刷機
52 ガイドロール
54 第1の印刷部
54a 第1の印刷ロール
54b 第1の圧接ロール
56 第2の印刷部
56a 第2の印刷ロール
56b 第2の圧接ロール
58 乾燥炉
60 乾燥炉
62 コンペンセータロール
70 積層体
72 第1切断線
74 第2切断線
80 積層体チップ
82a、82b 保護層
84a、84b 側面部電極
90 段差解消用セラミックパターン

Claims (5)

  1. 樹脂製のシートで裏打ちされたセラミックグリーンシートを含む長尺状シートを準備する工程と、
    前記長尺状シートの表面にストライプ状に第1の内部電極を、前記長尺状シートの長手方向に印刷する第1の内部電極印刷工程と、
    前記第1の内部電極が印刷された長尺状シートを乾燥する工程と、
    を含む、第1の印刷工程と、
    前記長尺状シートを乾燥する工程の後、第1の内部電極が印刷された長尺状シート上にセラミックグリーンシートを形成する工程と、
    前記セラミックグリーンシートの表面にストライプ状に第2の内部電極を、前記長尺状シートの長手方向に印刷する第2の内部電極印刷工程と、
    第2の内部電極が印刷された長尺状シートを乾燥する工程と、
    を含む、第2の印刷工程と、を含み、
    前記第2の内部電極印刷工程において、前記第1の内部電極の位置を、前記第2の内部電極の印刷位置に合わせるように、前記長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷することを特徴とする、電子部品の製造方法。
  2. 樹脂製のシートで裏打ちされたセラミックグリーンシートを含む長尺状シートを準備する工程と、
    前記長尺状シートの表面にストライプ状に第1の内部電極を、前記長尺状シートの長手方向に印刷する第1の内部電極印刷工程と、
    前記第1の内部電極が印刷された長尺状シートを乾燥する工程と、
    を含む、第1の印刷工程と、
    前記長尺状シートを乾燥する工程の後、前記第1の内部電極が印刷されていない領域に、段差解消用セラミックパターンを形成する段差解消用セラミックパターン形成工程と、
    前記段差解消用セラミックパターンが形成された長尺状シートを乾燥する工程と、
    を含む、第2の印刷工程と、を含み、
    前記段差解消用セラミックパターン形成工程では、前記第1の内部電極の位置を、前記段差解消用セラミックパターンの形成位置に合わせるように、前記長尺状シートを長手方向に伸ばしながら印刷することを特徴とする、電子部品の製造方法。
  3. 前記第1および第2の印刷工程は、グラビア印刷によって行われることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記長尺状シートには、幅方向において、二つ以上の位置合わせ用のマークが印刷され、前記位置合わせ用マークの間隔から、前記長尺状シートの幅方向の伸びを検出していることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載の電子部品の製造方法を用いる製造装置であって、前記長尺状シートを巻き出す機構と、
    前記長尺状シートを巻き取る機構と、
    前記巻き出し機構と前記巻き取り機構の間に前記内部電極または前記段差解消用セラミックパターンを印刷する機構とを備え、
    前記長尺状シートのテンションを、前記巻き取り機構、および/または、前記巻出し機構により調整しながら前記内部電極または前記段差解消用セラミックパターンを印刷することを特徴とする電子部品の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017005087A (ja) * 2015-06-09 2017-01-05 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. チップインダクタ
CN111128546A (zh) * 2019-12-12 2020-05-08 深圳市宇阳科技发展有限公司 一种多层片式陶瓷电容器及其制作方法
WO2022270052A1 (ja) * 2021-06-22 2022-12-29 株式会社村田製作所 電子部品の製造システム、電子部品の製造方法

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