JP2014203972A - 搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法 - Google Patents

搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014203972A
JP2014203972A JP2013078919A JP2013078919A JP2014203972A JP 2014203972 A JP2014203972 A JP 2014203972A JP 2013078919 A JP2013078919 A JP 2013078919A JP 2013078919 A JP2013078919 A JP 2013078919A JP 2014203972 A JP2014203972 A JP 2014203972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
long sheet
sheet
suction holding
suction
holding mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013078919A
Other languages
English (en)
Inventor
小田 淳一
Junichi Oda
淳一 小田
大三 益田
Daizo Masuda
大三 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Alpha Systems KK
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Alpha Systems KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd, Alpha Systems KK filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2013078919A priority Critical patent/JP2014203972A/ja
Publication of JP2014203972A publication Critical patent/JP2014203972A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】セラミックグリーンシート上に電子部品の内部電極となる導電膜を印刷する際の配置の歪みを低減することで、電子部品の生産性を向上させた搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】この発明にかかる搬送機構10は、キャリアフィルム14とそのキャリアフィルム14上に形成されたセラミックグリーンシート16からなる長尺状シート12に、導電膜パターンを形成するための電極形成機構である加工処理機構40と、その加工処理機構40の上流側に長尺状シート12を巻き出すための巻出ローラ22と、その加工処理機構40の下流側に長尺状シート12を巻き取るための巻取ローラ32とを備える。そして、加工処理機構40の上流側に位置する長尺状シート12の一部と加工処理機構40の下流側に位置する長尺状シート12の一部との間の距離が縮まるように動作する。【選択図】図2

Description

この発明は、搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法に関し、特にたとえば、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造するために用いられる搬送機構およびその製造方法に関する。
現在、電子機器の小型化に伴って、その電子機器に組み込まれる電子部品もさらなる小型化が要求されており、そのような電子部品として、たとえば、積層セラミック電子部品が挙げられる。特許文献1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法では、フィルムによる細長い支持シートを搬送し、その支持シート上に導電性ペーストを印刷することにより内部電極となる導電膜を形成し、その上にセラミックグリーンシートを形成するような電子部品の製造方法が開示されている。
特開平9−283360号公報
特許文献1に記載されたような電子部品の製造方法において、支持シート上に張力が一定以上かかった状態で内部電極となる導電性ペーストを印刷し、導電膜を形成すると、印刷された導電膜の配置が歪んでしまうという問題があった。したがって、印刷された導電膜は、たとえば、マトリックス状に印刷されるが、印刷された導電膜の間隔が設計された数値とは異なる間隔で並んで配列されるという問題があった。このような状態の導電膜が形成されたセラミックグリーンシートを剥離し、積層してマザー積層体を形成すると、積層方向に導電膜の位置が設計値からずれてしまい、個々の積層体チップ片に分割する際、導電膜の位置ズレを考慮して分割する必要があるために、マージンを広めにとって切断する必要があった。このため、このことが、積層体チップの小型化を阻害していた。
それゆえに、この発明の主たる目的は、セラミックグリーンシート上に電子部品の内部電極となる導電膜を印刷する際の配置の歪みを低減することで、電子部品の生産性を向上させた搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法を提供することである。
この発明にかかる搬送機構は、長尺状シートと、長尺状シートを加工処理するための加工処理機構と、加工処理機構の上流側に長尺状シートを巻き出すための巻出ローラと、加工処理機構の下流側に長尺状シートを巻き取るための巻取ローラと、を備え、加工処理機構の上流側に位置する長尺状シートの一部と加工処理機構の下流側に位置する長尺状シートの一部との間の距離を縮める機構を備えることを特徴とする、搬送機構である。
また、この発明にかかる搬送機構では、巻出ローラと加工処理機構との間に設けられる第1の吸引保持機構と、巻取ローラと加工処理機構との間に設けられる第2の吸引保持機構と、を備え、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との間の距離を縮める機構を備えることが好ましい。
さらに、この発明にかかる搬送機構では、長尺状シートは、キャリアフィルムと、キャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートからなり、加工処理機構は、キャリアフィルムを保持するためのフィルム保持テーブルとセラミックグリーンシート上に導電性ペーストで導電膜パターンを形成する電極形成機構からなることが好ましい。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法は、キャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートからなる長尺状シートを巻取ローラと巻出ローラで一定ピッチ搬送する工程と、長尺状シートを一定ピッチで搬送した後、第1の吸引保持機構および第2の吸引保持機構の吸引を入れて、長尺状シートを第1の吸引保持機構および第2の吸引保持機構により吸引し保持する工程と、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との距離を縮める工程と、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との距離が縮まった後、フィルム保持テーブルにより長尺状シートを保持する工程と、電極形成機構により、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷し導電膜を形成する工程と、を含む電子部品の製造方法である。
この発明にかかる搬送機構によれば、長尺状シートを加工処理するための加工処理機構と、加工処理機構の上流側に長尺状シートを巻き出すための巻出ローラと、加工処理機構の下流側に長尺状シートを巻き取るための巻取ローラとを備えており、加工処理機構の上流側に位置する長尺状シートの一部と加工処理機構の下流側に位置する長尺状シートの一部との間の距離を縮めることから、長尺状シートに作用する搬送方向のテンションをゼロにすることができることから、長尺状シートの幅方向に作用するテンションのバラツキを低減することができる。
この発明にかかる搬送機構によれば、巻出ローラと加工処理機構との間に第1の吸引保持機構を設け、巻取ローラと加工処理機構との間に第2の吸引保持機構を設けると、より確実に、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との間の距離を確実に縮めることができる。
また、この発明にかかる搬送機構によれば、長尺状シートが、キャリアフィルムと、キャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートからなり、加工処理機構が、キャリアフィルムを保持するためのフィルム保持テーブルとセラミックグリーンシート上に導電性ペーストで導電膜パターンを形成する電極形成機構であると、長尺状シートに作用する搬送方向のテンションがゼロであることから、長尺状シートに付加される幅方向におけるテンションの影響による導電膜の配置の歪みが低減される。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法は、長尺状シートを第1の吸引保持機構および第2の吸引保持機構により吸引し保持する工程と、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との距離を縮める工程と、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との距離が縮まった後、フィルム保持テーブルにより長尺状シートを保持する工程と、電極形成機構により、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷し導電膜を形成する工程とを含むので、長尺状シートに作用する搬送方向のテンションをゼロにすることができることから、長尺状シートに付加される幅方向におけるテンションの影響による導電膜の配置の歪みを低減することができる。
この発明によれば、セラミックグリーンシート上に電子部品の内部電極となる導電膜を印刷する際の配置の歪みを低減することで、電子部品の生産性を向上させた搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる搬送機構の一実施の形態についての模式図である。 図1に示される搬送機構の要部構成を示した図であり、(a)はその平面図であり、(b)はその側面図である。 この発明にかかる搬送機構を用いて製造される積層セラミック電子部品の外観の一例を示す概略斜視図である。 この発明にかかる搬送機構により製造される積層セラミック電子部品のD−D線における断面を示す断面図解図である。 セラミックグリーンシート上に、マトリックス状に形成された導電膜パターンの配置の状態を示す図である。
本発明にかかる搬送機構の一実施の形態について説明する。図1は、本発明にかかる搬送機構の一実施の形態の一例を示す模式図である。図2は、図1に示される搬送機構の要部構成を示した図であり、(a)はその平面図であり、(b)はその側面図である。
この搬送機構は、長尺状シートを搬送し、その長尺状シート上に、電子部品の内部電極となる導電性ペーストを印刷するための装置である。以下、本発明にかかる搬送機構の一実施の形態について説明する。
図1に記載の搬送機構10は、長尺状シート12を搬送するための巻出搬送部20および巻取搬送部30と、巻出搬送部20と巻取搬送部30との間に設けられ、セラミックグリーンシート上に内部電極となる導電性ペーストをスクリーン印刷するための加工処理機構40とを備える。
長尺状シート12は、キャリアフィルム14と、このキャリアフィルム14上に形成されたセラミックグリーンシート16とからなる。キャリアフィルム14の材料は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。キャリアフィルム14に用いられるPETは、伸縮性を有しており、一般的に、70℃から軟化が開始される材料である。なお、キャリアフィルム14の材料は、ポリプロピレン(PP)を用いてもかまわない。このキャリアフィルム14上に、溶剤中にセラミック粒子やバインダなどを分散したセラミックスラリーをダイコーターにて成形し、乾燥することによりセラミックグリーンシート16が形成されている。
巻出搬送部20は、長尺状シート12を加工処理機構40の上流側に連続的に送り出す機能を有する。巻出搬送部20は、巻出ロール22、複数個のガイドロール24、ダンサロール26および第1の吸引保持機構28を含む。巻出ロール22には、長尺状シート12が巻きつけられている。巻出ロール22が矢印Aで示す方向に回転することによって、長尺状シート12が搬送方向(図1における矢印Bで示す方向)に繰り出される。そして、巻出ロール22から繰り出された長尺状シート12が、複数個のガイドロール24により、巻出ロール22から第1の吸引保持機構28へと搬送方向に搬送される。また、ダンサロール26は、複数個のガイドロール24と第1の吸引保持機構28との間に設けられている。ダンサロール26は、巻出ロール22から繰り出された長尺状シート12に作用する巻出ロール22から第1の吸引保持機構28までのテンションを一定に制御し、加えて、連続搬送または間欠搬送の切り換えを行う機能を有する。長尺状シート12の送り出し量は、長尺状シート12の搬送ピッチとタクトタイムに合わせて制御しており、巻取搬送部30の巻取り量とも同期するように制御される。
第1の吸引保持機構28は、巻出搬送部20と巻取搬送部30との間における長尺状シート12に作用するテンションを制御するために設けられる。第1の吸引保持機構28は、サクションプレート28aおよび可動機構(図示せず)を含む。
サクションプレート28aは、長尺状シート12のキャリアフィルム14に当接するように配置されている。このサクションプレート28aは、可動式のプレートである。キャリアフィルム14と当接するサクションプレート28aの一方主面には、複数個の吸引孔28bが設けられている。この複数個の吸引孔28bの配置により定められる吸引エリア28cは、キャリアフィルム14の幅方向(搬送方向とは直交する方向)の大きさより小さく設けられる。サクションプレート28aの他方主面の下側には、サクションプレート28aを搬送方向に動作させる可動機構を有する。可動機構は、搬送方向に往復して駆動できるように、駆動源を備える。
したがって、駆動源の駆動が、サクションプレート28aに伝わることで、サクションプレート28aを搬送方向に可動させる。
巻取搬送部30は、長尺状シート12を加工処理機構40の下流側から連続的に巻き取る機能を有する。巻取搬送部30は、巻取ロール32、複数個のガイドロール34、ダンサロール36および第2の吸引保持機構38を含む。巻出搬送部20から加工処理機構40を通じて送り出された長尺状シート12は、複数個のガイドロール34により第2の吸引保持機構38から巻取ロール32へと搬送方向(図1における矢印Bで示す方向)に搬送され、巻取ロール32が矢印Cで示す方向に回転することによって巻き取られる。また、ダンサロール36は、第2の吸引保持機構38と複数個のガイドロール34との間に設けられている。ダンサロール36は、巻き取られる長尺状シート12に作用するテンションを一定に制御し、加えて、連続搬送または間欠搬送の切り換えを行う機能を有する。長尺状シート12の巻取り量は、長尺状シート12の搬送ピッチとタクトタイムに合わせて制御しており、巻出搬送部20の送り出し量とも同期するように制御される。
第2の吸引保持機構38は、巻出搬送部20と巻取搬送部30との間における長尺状シート12に作用するテンションを制御するために設けられる。第2の吸引保持機構38は、サクションプレート38aを含む。
サクションプレート38aは、長尺状シート12のキャリアフィルム14に当接するように配置されている。このサクションプレート38aは、固定式のプレートである。キャリアフィルム14と当接するサクションプレート38aの一方主面には、複数個の吸引孔38bが設けられている。この複数個の吸引孔38bの配置により定められる吸引エリア38cは、キャリアフィルム14の幅方向(搬送方向とは直交する方向)の大きさより小さく設けられる。なお、第2の吸引保持機構38は、第1の吸引保持機構28と同様に搬送方向に往復駆動できるようにしてもよい。
加工処理機構40は、巻出搬送部20から送り出された長尺状シート12に対して加工処理するために設けられる。図1に示す加工処理機構は、たとえば、長尺状シート12のセラミックグリーンシート16上に導電性ペーストを印刷し、図2に示されるような導電膜18を形成する機能を有する。また、上述したように、加工処理機構40は、巻出搬送部20と巻取搬送部30との間に設けられる。本実施の形態における加工処理機構40は、たとえば、長尺状シート12を保持するためのシート保持テーブル42と電極形成機構(図示せず)とを備える。
シート保持テーブル42は、たとえば、多孔質の金属製プレートにより形成される。シート保持テーブル42は、長尺状シート12のキャリアフィルム14に当接するように配置されている。長尺状シート12のキャリアフィルム14上に形成されるセラミックグリーンシート16に導電性ペーストを印刷する際に、キャリアフィルム14を吸引し、キャリアフィルム14に皺を生ずることなく固定するための吸引機構が、キャリアフィルム14と当接するシート保持テーブル42の一方主面に設けられている。この吸引機構は、たとえば、シート保持テーブル42の一方主面に形成される複数個の吸引孔44を含む。
電極形成機構は、たとえば、セラミックグリーンシート16上に導電性ペーストをスクリーン印刷するためのスクリーン印刷版を含む。スクリーン印刷版は、シート保持テーブル42に対向して配置され、かつキャリアフィルム14およびセラミックグリーンシート16を挟んで配置されている。そして、電極形成機構は、スクリーン印刷版上に投入された導電性ペーストをスキージにより一定圧力をかけて、セラミックグリーンシート16側へ導電性ペーストを押し出すことで、セラミックグリーンシート16上にマトリックス状の内部電極となる導電膜18により構成される導電膜パターンを形成する。なお、導電性ペーストは、溶剤中に金属粒子やバインダなどを分散することで作製されており、有機溶剤を含有することで一定の粘度に保たれている。
次に、上記構成からなる搬送機構10の動作について説明する。
(1)動作1
まず、巻出搬送部20における巻出ロール22から長尺状シート12が繰り出される。繰り出された長尺状シート12は、ダンサロール26により、間欠搬送に切り換えられる。
(2)動作2
次に、第1の吸引保持機構28のサクションプレート28aに形成される吸引孔28bおよび第2の吸引保持機構38のサクションプレート38aに形成される吸引孔38bの吸引がオンにされ、長尺状シート12のキャリアフィルム14が保持される。続いて、サクションプレート28aを搬送方向(図1における矢印Bで示す方向)へ0.5mm移動させることで、サクションプレート28aとサクションプレート38aとの間における長尺状シート12に作用するテンションがゼロの状態に保たれる。そして、この状態で、加工処理機構40のシート保持テーブル42に設けられる吸引機構における吸引孔44の吸引が入れられることで、長尺状シート12が非伸長状態で保持され、固定される。すなわち、第1の吸引保持機構28と第2の吸引保持機構38との間における長尺状シート12には、テンションが作用されていない状態になる。そして、第1の吸引保持機構28のサクションプレート28aに形成される吸引孔28bおよび第2の吸引保持機構38のサクションプレート38aに形成される吸引孔38bの吸引が解除にされる。
なお、第1の吸引保持機構28と第2の吸引保持機構38との間における長尺状シート12に作用するテンションがゼロの場合であっても、この長尺状シート12は、シート保持テーブル42で吸引されることで保持されているため、加工処理機構40により加工処理するために必要な所定の位置からずれることはない。
次に、電極形成機構のスクリーン印刷版上に補充された導電性ペーストをスキージングすることで、内部電極となる導電膜がセラミックグリーンシート16上に印刷される。
導電膜の印刷が終了した後、第1の吸引保持機構28のサクションプレート28aと第2の吸引保持機構38のサクションプレート38aとは、動作1である元の位置に戻される。
そして、動作1と動作2とが繰り返されることで、加工処理機構40の電極形成機構により、セラミックグリーンシート16上に対して所望の導電性ペーストの印刷を行うことができる。
次に、図1に示す搬送機構を用いて製造される積層セラミック電子部品の一例について説明する。図3は、セラミック素体と外部電極とにより構成された積層セラミック電子部品の外観の一例である積層セラミック電子部品の概略斜視図を示し、図4は、図3に示される積層セラミック電子部品のD−D線における断面を示す断面図解図を示す。
この搬送機構10を用いて製造される積層セラミック電子部品50は、セラミック素体12と、セラミック素体52の表面に形成される外部電極54aおよび54bとから構成される。
この実施形態にかかる搬送機構10により製造される積層セラミック電子部品50に用いられるセラミック素体52は、複数の積層されたセラミック層56aおよび56bから構成される。そして、セラミック素体52は、直方体状に形成され、長さ(L)方向および幅(W)方向に沿って延びる一方主面58aおよび他方主面58bと、長さ(L)方向および高さ(T)方向に沿って延びる一方側面60aおよび他方側面60bと、幅(W)方向および高さ(T)方向に沿って延びる一方端面62aおよび他方端面62bとを有する。ここで、積層セラミック電子部品50は、必要な容量を確保した上で、その一方側面60aおよび他方側面60bは、絶縁されていることが求められる。なお、セラミック素体52は、角部および稜部に丸みがつけられていることが好ましい。
セラミック層56a,56bの材料には、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分に、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。その他、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミックなどを用いることもできる。
なお、この実施形態にかかるセラミック素体52については、誘電体セラミックを用いるので、コンデンサとして機能する。
セラミック素体52は、複数のセラミック層56a,56bに挟まれるように複数の内部電極64a,64bを有する。内部電極64a,64bの材料には、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどを用いることができる。焼成後の内部電極68a,68bの厚みは、0.3〜2.0μmであることが好ましい。また、焼成後のセラミック層56a,56bの厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。
内部電極64aは、対向部66aと引出し電極部68aとを有する。対向部66aは、内部電極64bと対向する。引出し電極部68aは、対向部66aからセラミック素体52の一方端面62aに引出される。そして、内部電極64aの引出し電極部68aの端部がセラミック素体52の一方端面62aに延びて露出するように形成される。
また、内部電極64bは、内部電極64aと同様に、内部電極64aと対向する対向部66bと、対向部66bからセラミック素体52の他方端面62bに引出された引出し電極部68bとを有する。内部電極64bの引出し電極部68bの端部がセラミック素体52の他方端面62bに延びて露出するように形成される。
セラミック素体52の一方端面62aには、外部電極54aが引出し電極部68aを介して内部電極64aに電気的に接続され、一方端面62a及び内部電極64aを覆うように形成される。同様に、セラミック素体52の他方端面62bには、外部電極54bが引出し電極部68bを介して内部電極64bに電気的に接続され、他方端面62b及び内部電極64bを覆うように形成される。
外部電極54aおよび54bの材料には、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等を用いることができる。このうち、たとえば、Cu、Ni等の卑金属を用いることが好ましい。外部電極54aおよび54bの厚みは、10〜80μmであることが好ましい。
一般的に、キャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートからなる長尺状シートを搬送するための搬送機構において、巻取ローラおよび巻出ローラの組み付けでは、これら2つのローラは理想的には完全に平行であることが望ましいが、これら2つのローラの組み付け精度により、この平行度がずれてしまう場合がある。また、円筒状に形成された巻取ローラや巻出ローラの円径は、理想的には軸線方向において全て同じであることが好ましいが、成形精度の違いにより、軸線方向において、円径が異なっている。このような2つのローラの組み付け精度や、成形精度により、それぞれのローラにかけまわされている長尺状シートのテンションが各々のローラの幅方向において異なることとなる。このように、長尺状シートのテンションが幅方向において異なる状態で、セラミックグリーンシートに対してスクリーン印刷により導電膜を印刷し、導電膜パターンを形成すると、セラミックグリーンシートをキャリアフィルムから剥離した際、テンションから開放され、導電膜パターンの配置が歪む。
しかしながら、図1に示す搬送機構10では、加工処理機構による電極形成機構によりスクリーン印刷する際に、加工処理機構40の上流側に位置する長尺状シート12の一部と、加工処理機構40の下流側に位置する長尺状シートの一部との間を縮めることにより、巻出搬送部20と巻取搬送部30との間における長尺状シート12に作用する搬送方向のテンションをゼロの状態にすることができることから、長尺状シート12の幅方向におけるテンションのバラツキを低減することができる。したがって、この状態で、内部電極となる導電膜18をセラミックグリーンシート16上にマトリックス状に印刷すれば、長尺状シート12に付加される幅方向におけるテンションの影響による導電膜18の配置の歪みを低減することができる。
(実験例)
次に、図1に示す搬送機構を用いた電子部品の製造方法にかかる実験例を示す。この実験例では、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との間における長尺状シートのテンションをゼロにすることによる効果についての評価を行った。評価実験は、スクリーン印刷によりセラミックグリーンシート上に導電性ペーストを、図5に示すように、複数の導電膜としてマトリックス状に印刷し、マトリックス状に印刷された複数の導電膜の配置の歪みを測定することで評価した。
長尺状シートの幅方向(搬送方向とは直交する方向)のテンションの違いを測定するため、マトリックス状に印刷された複数の導電膜において、角部に配置される導電膜のうち、長尺状シートの搬送方向に対して左端に配置される導電膜(図5において、最も上側に配置されている導電膜)間の距離X1と長尺状シートの搬送方向に対して右端に配置される導電膜(図5において、最も下側に配置される導電膜)間の距離X2を測定し、その差の値を歪みとした。
また、同様の方法で、予めスクリーン印刷版上のマトリックス状に形成された導電膜パターンの距離X1および距離X2を基準測定値として測定した。
基準測定値の距離X1と距離X2、テンションなしの場合の距離X1と距離X2、およびテンションありの場合の距離X1と距離X2をそれぞれ比較した。テンションありの場合は、それぞれ10N、20Nおよび30Nのテンションを加えた。なお、テンションの測定方法は、ガイドロールの軸端にテンションメータとしてロードセルを取り付けることで測定した。表1に評価結果を示す。
Figure 2014203972
まず、テンションがない状態で印刷を行った結果、距離X1は、150μmの伸び、距離X2は130μmの伸びが生じた。したがって、その差は、距離X1と距離X2との差の絶対値として算出され、20μmであった。それぞれの伸びは、スクリーン印刷版上の導電性ペーストをスキージで押圧したときのスクリーン印刷版の伸びにより生じたものと考えられる。
また、10Nのテンションをかけて印刷を行った結果、距離X1は、10μm収縮し、距離X2は、110μmの伸びが生じた。したがって、その差は、距離X1と距離X2との差の絶対値として算出され、120μmであった。
さらに、20Nのテンションをかけて印刷を行った結果、距離X1は、60μm収縮し、距離X2は、80μmの伸びが生じた。したがって、その差は、距離X1と距離X2との差の絶対値として算出され、140μmであった。
また、30Nのテンションをかけて印刷を行った結果、距離X1は、120μm収縮し、距離X2は、40μmの伸びが生じた。その差は、距離X1と距離X2との差の絶対値として算出され、160μmであった。
本評価結果から、第1の吸引保持機構と第2の吸引保持機構との間における長尺状シートのテンションを作用させない状態でセラミックグリーンシート上に導電性ペーストの印刷を行うことにより、マトリックス状に形成された導電膜パターンの配列の歪みが低減されていることが示された。
なお、上述の搬送機構10では、第1の吸引保持機構28および第2の吸引保持機構38は、長尺状シートを保持するためにそれぞれサクションプレート28a,38aを用いたが、これに限るものではなく、この発明では、これに代えてサクションロールを用いてもよい。
また、上述の搬送機構10では、第1の吸引保持機構28を含む巻出搬送部20および第2の吸引保持機構38を含む巻取搬送部30と、加工処理機構40とは各々が別体に構成されている。そして、上述の搬送機構10では、加工処理機構40として、電極形成機構を用いた導電性ペーストを印刷する機能を有する機構としているが、これに限るものではなく、この発明では、加工処理機構40を、セラミックグリーンシートを積層する積層機構に置き換えるなどして、種々の加工処理機構に適応するようにしてもよい。
また、上述の搬送機構10および電子部品の製造方法により製造される電子部品は、積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサとしたが、これに限られるものではなく、積層セラミック電子部品は、その他、インダクタ、積層セラミックLCフィルタ、サーミスタ等にも用いることができる。
この発明にかかる搬送機構および電子部品の製造方法は、特に、たとえば小型化が要求される積層セラミックコンデンサなどの電子部品の製造に好適に用いられる。
10 搬送機構
12 長尺状シート
14 キャリアフィルム
16 セラミックグリーンシート
18 導電膜
20 巻出搬送部
22 巻出ロール
24 ガイドロール
26 ダンサロール
28 第1の吸引保持機構
28a サクションプレート
28b 吸引孔
28c 吸引エリア
30 巻取搬送部
32 巻取ロール
34 ガイドロール
36 ダンサロール
38 第2の吸引保持機構
38a サクションプレート
38b 吸引孔
38c 吸引エリア
40 加工処理機構
42 シート保持テーブル
44 吸引孔
50 積層セラミック電子部品
52 セラミック素体
54a、54b 外部電極
56a、56b セラミック層
58a 一方主面
58b 他方主面
60a 一方側面
60b 他方側面
62a 一方端面
62b 他方端面
64a、64b 内部電極
66a、66b 対向部
68a、68b 引出し電極部

Claims (4)

  1. 長尺状シートと、
    前記長尺状シートを加工処理するための加工処理機構と、
    前記加工処理機構の上流側に長尺状シートを巻き出すための巻出ローラと、
    前記加工処理機構の下流側に長尺状シートを巻き取るための巻取ローラと、
    を備え、
    前記加工処理機構の上流側に位置する長尺状シートの一部と前記加工処理機構の下流側に位置する長尺状シートの一部との間の距離を縮める機構を備えることを特徴とする、搬送機構。
  2. 前記巻出ローラと前記加工処理機構との間に設けられる第1の吸引保持機構と、
    前記巻取ローラと前記加工処理機構との間に設けられる第2の吸引保持機構と、
    を備え、
    前記第1の吸引保持機構と前記第2の吸引保持機構との間の距離を縮める機構を備えることを特徴とする、請求項1に記載の搬送機構。
  3. 前記長尺状シートは、キャリアフィルムと、キャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートからなり、
    前記加工処理機構は、前記キャリアフィルムを保持するためのフィルム保持テーブルと前記セラミックグリーンシート上に導電性ペーストで導電膜パターンを形成する電極形成機構からなる、請求項1または請求項2に記載の搬送機構。
  4. キャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートからなる長尺状シートを巻取ローラと巻出ローラで一定ピッチ搬送する工程と、
    前記長尺状シートを一定ピッチで搬送した後、第1の吸引保持機構および第2の吸引保持機構の吸引を入れて、前記長尺状シートを前記第1の吸引保持機構および前記第2の吸引保持機構により吸引し保持する工程と、
    前記第1の吸引保持機構と前記第2の吸引保持機構との距離を縮める工程と、
    前記第1の吸引保持機構と前記第2の吸引保持機構との距離が縮まった後、フィルム保持テーブルにより前記長尺状シートを保持する工程と、
    電極形成機構により、前記セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷し導電膜を形成する工程と、
    を含む、電子部品の製造方法。
JP2013078919A 2013-04-04 2013-04-04 搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法 Pending JP2014203972A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013078919A JP2014203972A (ja) 2013-04-04 2013-04-04 搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013078919A JP2014203972A (ja) 2013-04-04 2013-04-04 搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014203972A true JP2014203972A (ja) 2014-10-27

Family

ID=52354145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013078919A Pending JP2014203972A (ja) 2013-04-04 2013-04-04 搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014203972A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106504893A (zh) * 2015-09-07 2017-03-15 株式会社村田制作所 片材赋予装置及使用片材赋予装置的电子部件的制造方法
JP2018140857A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 株式会社村田製作所 ウェブ加工装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106504893A (zh) * 2015-09-07 2017-03-15 株式会社村田制作所 片材赋予装置及使用片材赋予装置的电子部件的制造方法
JP2018140857A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 株式会社村田製作所 ウェブ加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7315138B2 (ja) 積層セラミックキャパシタ
JP6103780B2 (ja) 積層セラミックキャパシタ及びその実装基板
JP5332475B2 (ja) 積層セラミック電子部品およびその製造方法
TWI400728B (zh) 積層陶瓷電容器
KR101141342B1 (ko) 적층 세라믹 커패시터 및 그 제조방법
US9627142B2 (en) Multilayer ceramic capacitor and board for mounting of the same
KR102086480B1 (ko) 적층 세라믹 커패시터 및 적층 세라믹 커패시터의 실장 기판
KR102356801B1 (ko) 적층 세라믹 커패시터
US20140185189A1 (en) Multilayer ceramic capacitor and method of manufacturing the same
JP7207837B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法及び積層セラミック電子部品
US9779875B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
JP2015019079A (ja) 積層セラミック電子部品
US11996244B2 (en) Multilayer electronic component and method of manufacturing the same
TW486700B (en) Method and device for manufacturing thin film laminated body
US9978520B2 (en) Multilayer ceramic capacitor and method of manufacturing the same
JP2014203972A (ja) 搬送機構およびそれを用いた電子部品の製造方法
US9978536B2 (en) Method of manufacturing electronic component and electronic-component manufacturing apparatus
JP2016132522A (ja) 図形印刷装置および図形印刷方法
JP2014003145A (ja) 電子部品の製造方法および製造装置
US20180330884A1 (en) Multilayer ceramic capacitor and board having the same
JP6298007B2 (ja) チップ貼替装置、電子部品の製造装置、及び電子部品の製造方法
US12002627B2 (en) Multilayer electronic component and method of manufacturing the same
JP4863028B2 (ja) グリーンシートの製造方法、グリーンシート積層体の製造方法およびグリーンシートの製造装置
KR20220159252A (ko) 적층형 전자 부품 및 그 제조방법
KR102070231B1 (ko) 외부 전극 형성 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150313