JP4055910B2 - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
セラミック電子部品として、例えば、積層セラミックコンデンサが知られている。積層セラミックコンデンサは、小型化、大容量化の要求が非常に強く、この要求に応えるため、1層あたりの誘電体層の厚みを薄くし、積層数を増大させている。例えば、最近の積層セラミックコンデンサは、誘電体層の厚みが2〜10μm以下、積層数が数百層にも達している。
積層セラミックコンデンサの製造方法としては、例えば、シート状の可撓性支持体の上に、セラミック塗料を塗布し、セラミック塗料を乾燥させてセラミックグリーンシートを形成し、セラミックグリーンシート上に電極群を形成した後、セラミックグリーンシートを所定の大きさに切断し、切断されたセラミックグリーンシートを順次に積層して積層構造体を形成し、この積層構造体を細断し、焼成し、端子電極を取付けて、完成品の積層セラミックコンデンサを得る製造方法が知られている。
しかし、この製造方法は、セラミックグリーンシート上において、電極が形成された部分と電極が形成されていない部分との間に凹凸が生じるので、積層されたセラミックグリーンシートは、この凹凸部分において密着性が悪くなる。このため、後の焼成工程において、セラミックグリーンシート間に生じた凹凸部分にデラミネーションが発生するという問題が生じる。
この問題を解決する手段として、例えば、特許文献1は、シート状の可撓性支持体の上にセラミックグリーンシートを形成し、セラミックグリーンシート上に電極群を形成し、電極群が形成されたセラミックグリーンシートを平坦な表面を持つ金型にて熱プレスした後、セラミックグリーンシートを所定の大きさに切断し、切断されたセラミックグリーンシートを順次に積層して積層構造体を形成する製造方法を開示している。
この製造方法は、電極群が形成されたセラミックグリーンシートの表面を平坦な表面を持つ金型にて熱プレスするので、セラミックグリーンシート上において、電極が形成された部分と電極が形成されていない部分との間に生じる凹凸が低減する。このため、積層されたセラミックグリーンシート間の密着不良が低減し、焼成時に発生するデラミネーションが低減することとなる。
しかし、特許文献1に開示された製造方法は、電極群の形成を行う度に、金型にて熱プレスを施す必要があるので、製造工程が複雑になるという問題が生じる。
また、金型にて熱プレスを施した場合であっても、電極群が形成されたセラミックグリーンシートの表面を完全に平坦にすることは、極めて困難であり、セラミックグリーンシートの表面に、僅かな凹凸が残ってしまう。セラミックグリーンシートの表面に生じた僅かな凹凸は、セラミックグリーンシートを積層するにつれて累積され、最上層のセラミックグリーンシートには大きな凹凸が生じることとなる。
このため、特許文献1に開示された製造方法を用いた場合であっても、多層化に伴い、積層数が増大するにつれ、焼成時に発生するデラミネーションが顕著になるという問題があった。
特開平6−168840号公報 (第2−3頁、第1図)
本発明の課題は、焼成時に発生するデラミネーションを低減することができるセラミック電子部品の製造方法を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、セラミック電子部品を容易に製造し得る製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明は2つの態様に係るセラミック電子部品の製造方法を開示する。
1.第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法では、支持体の上に第1のセラミック塗料層を形成する。次に、第1のセラミック塗料層の上に、第1の電極群、及び、第1の補助層を形成する。第1の補助層は、厚みが、第1の電極群の厚みと等しい。次に、第1の電極群、及び、第1の補助層の上にセラミック塗料を塗布して、厚みが、第1のセラミック塗料層よりも厚い第2のセラミック塗料層を形成する。次に、第2のセラミック塗料層の上に、第2の電極群を形成する。次に、第2のセラミック塗料層、及び、第2の電極群の上にセラミック塗料を塗布して、第2の電極群よりも上部の厚みが、第1のセラミック塗料層の厚みと第2のセラミック塗料層の厚みとの差に等しい第3のセラミック塗料層を形成するステップを含む。第1の電極群及び第1の補助層は、いずれが先に形成されてもよい。
上述した本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法によれば、次のような作用、及び、効果が得られる。
まず、第1のセラミック塗料層を形成し、次に、第1のセラミック塗料層の上に、第1の電極群、及び、第1の補助層を形成する。第1の補助層は、厚みが、第1の電極群の厚みと等しい。次に、第1の電極群、及び、第1の補助層の上にセラミック塗料を塗布して、第2のセラミック塗料層を形成する。
この工程によれば、第1のセラミック塗料層上に、厚みが第1の電極群の厚みと等しい第1の補助層が形成されることとなるので、第1の電極群及び第1の補助層が、凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成することとなる。したがって、第1の電極群及び第1の補助層の上に形成される第2のセラミック塗料層の表面を容易に平坦化し、第2のセラミック塗料層の塗布厚みを容易に均一化することができる。
第1の電極群及び第1の補助層が凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成し、その上に第2のセラミック塗料層が塗布されるので、第1の電極群、第1の補助層及び第2のセラミック塗料層が密着する。このため、焼成時におけるデラミネーションの発生を確実に防止することができる。
上述のようにして第2のセラミック塗料層を形成した後、第2のセラミック塗料層の上に、第2の電極群を形成する。この場合、第2のセラミック塗料層の表面がほぼ平坦であるので、第2の電極群を、高精度パターンとして形成することができる。
次に、第2のセラミック塗料層、及び、第2の電極群の上にセラミック塗料を塗布して、第3のセラミック塗料層を形成する。これにより、第1のセラミック塗料層、第1の電極群、第1の補助層、第2のセラミック塗料層、第2の電極群及び第3のセラミック塗料層を順次に積層した積層シートが得られる。
第3のセラミック塗料層を構成するセラミック塗料は、その流動性により、第2の電極群間に存在する間隔(凹部)を埋めるように塗布される。このため、第2の電極群、及び、第2のセラミック塗料層に対する第3のセラミック塗料層の密着性が向上し、従来問題となっていたデラミネーション等の問題が生じにくくなる。
この後、積層シートは、その複数枚が、周知のプロセスに従って、順次に積層される。好ましくは、積層状態で隣接する2つの積層シートでは、一方の積層シートに含まれる第3のセラミック塗料層が、他方の積層シートに含まれる第1のセラミック塗料層と隣接する。従って、隣接する2つの積層シートの間に、第3のセラミック塗料層における第2の電極群よりも上部の厚み(t3)と、第1のセラミック塗料層の厚みt1との和(t3+t1)の厚みt31を有するセラミック塗料層が生じる。
本発明においては、第3のセラミック塗料層における第2の電極群よりも上部の厚みt3が、第1のセラミック塗料層の厚みt1と第2のセラミック塗料層の厚みt2との差(t2−t1)に等しい。
従って、複数枚の積層シートを順次に積層する一般的なプロセスを採用した場合、隣接する積層シートの間に、厚みt2と等しい厚みt31を持つセラミック塗料層が生じる。隣接する積層シートの間では、厚みt31のセラミック塗料層を介して、一方の積層シートに含まれる第2の電極群と、他方の積層シートに含まれる第1の電極群とが対向する。
積層した状態では、電極群の対向関係を考慮する限り、厚みt2を持つ第2のセラミック塗料層、及び、厚みt31を持つセラミック塗料層以外のセラミック塗料層は存在しない。従って、積層を完了した場合、電極群のすべてが、同一厚みのセラミック塗料層を介して対向することになるので、積層数を特定することによって、取得容量を特定し得ることになる。
第1の補助層は、焼成時における収縮率が、第1の電極群の焼成時における収縮率とほぼ等しい材料によって構成することが好ましい。こうすることにより、焼成後においても、第1の電極群及び第1の補助層を、ほぼ平坦な状態に保ち、第1の電極群及び第1の補助層の凹凸に起因する密着不良を低減させ、焼成時にデラミネーションが発生するのを確実に防止することができる。
2.第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法では、支持体の上に第1のセラミック塗料層を形成する。次に、第1のセラミック塗料層の上に、第1の電極群を形成する。次に、第1のセラミック塗料層、及び、第1の電極群の上に、セラミック塗料を塗布して、厚みが、第1のセラミック塗料層よりも厚い第2のセラミック塗料層を形成する。次に、第2のセラミック塗料層の上に、第2の電極群、及び、第2の補助層を形成する。第2の補助層は、厚みが、第2の電極群の厚みと等しい。次に、第2の電極群、及び、第2の補助層の上にセラミック塗料を塗布して、厚みが、第1のセラミック塗料層の厚みと、第2のセラミック塗料層における第1の電極群よりも上部の厚みとの差に等しい第3のセラミック塗料層を形成するステップを含む。第2の電極群及び第2の補助層は、いずれが先に形成されてもよい。
上述した本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法によれば、次のような作用、及び、効果が得られる。
まず、第1セラミック塗料層、及び、第1の電極群の上にセラミック塗料を塗布して、第2のセラミック塗料層を形成する。第2のセラミック塗料層を構成するセラミック塗料は、その流動性により、第1の電極群間に存在する間隔(凹部)を埋めるように塗布される。このため、第1セラミック塗料層、及び、第1の電極群に対する第2のセラミック塗料層の密着性が向上し、従来問題となっていたデラミネーション等の問題が生じにくくなる。
次に、第2のセラミック塗料層の上に、第2の電極群、及び、第2の補助層を形成する。第2の補助層は、厚みが、第2の電極群の厚みと等しい。次に、第2の電極群、及び、第2の補助層の上にセラミック塗料を塗布して、第3のセラミック塗料層を形成する。
この工程によれば、第2のセラミック塗料層上に、厚みが第2の電極群の厚みと等しい第2の補助層が形成されることとなるので、第2の電極群及び第2の補助層が、凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成することとなる。したがって、第2の電極群及び第2の補助層の上に形成される第3のセラミック塗料層の表面を容易に平坦化し、第3のセラミック塗料層の塗布厚みを容易に均一化することができる。
しかも、第2の電極群及び第2の補助層が凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成し、その上に第3のセラミック塗料層が塗布されるので、第2の電極群、第2の補助層及び第3のセラミック塗料層が密着する。このため、焼成時におけるデラミネーションの発生を確実に防止することができる。
この後、積層シートは、その複数枚が、周知のプロセスに従って、順次に積層される。好ましくは、積層状態で隣接する2つの積層シートでは、一方の積層シートに含まれる第3のセラミック塗料層が、他方の積層シートに含まれる第1のセラミック塗料層と隣接する。従って、隣接する2つの積層シートの間に、第3のセラミック塗料層の厚み(t3)と、第1のセラミック塗料層の厚みt1との和(t3+t1)の厚みt31を有するセラミック塗料層が生じる。
本発明においては、第3のセラミック塗料層の厚みt3が、第1のセラミック塗料層の厚みt1と、第2のセラミック塗料層における第1の電極群よりも上部の厚みt2との差(t2−t1)に等しい。
従って、複数枚の積層シートを順次に積層する一般的なプロセスを採用した場合、隣接する積層シートの間に、厚みt2と等しい厚みt31を持つセラミック塗料層が生じる。隣接する積層シートの間では、厚みt31のセラミック塗料層を介して、一方の積層シートに含まれる第2の電極群と、他方の積層シートに含まれる第1の電極群とが対向する。
積層した状態では、電極群の対向関係を考慮する限り、厚みt2を持つ第2のセラミック塗料層、及び、厚みt31を持つセラミック塗料層以外のセラミック塗料層は存在しない。従って、積層を完了した場合、電極群のすべてが、同一厚みのセラミック塗料層を介して対向することになるので、積層数を特定することによって、取得容量を特定し得ることになる。
第2の補助層は、焼成時における収縮率が、第2の電極群の焼成時における収縮率とほぼ等しい材料によって構成することが好ましい。こうすることにより、焼成後においても、第2の電極群及び第2の補助層を、ほぼ平坦な状態に保ち、第2の電極群及び第2の補助層の凹凸に起因する密着不良を低減させ、焼成時にデラミネーションが発生するのを確実に防止することができる。
第2の態様に係る製造方法では、第1の態様に係る製造方法を、併せ含むことができる。この場合には、第1の態様による作用効果をも、併せ得ることができる。
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(A)焼成時に発生するデラミネーション等を低減することができるセラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
(B)セラミック電子部品を容易に製造し得る製造方法を提供することができる。
1.第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
図1は第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図、図2は第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャート、図3〜図20は図2に示したフローチャートにおける各工程を示す図である。本実施例に係る製造方法では、以下の工程を経て、積層セラミックコンデンサを製造する。
<第1のセラミック塗料層の形成工程>
第1のセラミック塗料層51を形成するに当たっては、図1、図3に示すように、まず、セラミック塗料17aと、支持体19と、押し出し式塗布ヘッド10と、乾燥機95とを用意する。
そして、図1、図3に示すように、押し出し式塗布ヘッド10を用いて、支持体19の一面上に、セラミック塗料17aを塗布し、この第1のセラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、厚みがt1である第1のセラミック塗料層51を形成する。
具体的には、セラミック塗料17aとしては、BaTiO3等、公知の材料を用いることができる。支持体19としては、例えば、ローラ97から連続的に供給される可撓性支持体を用いることができる。参照符号F1は支持体19の走行方向を示している。
支持体19は、第1のセラミック塗料層51を成形する面に剥離処理を施しておくことが好ましい。剥離処理は、例えば、支持体19の一面上に、Si等でなる剥離用膜を薄くコートすることによって実行することができる。このような剥離処理を施しておくことにより、第1のセラミック塗料層51を支持体19から容易に剥離することができる。
図3に示した押し出し式塗布ヘッド10は、セラミック塗料排出用スリット46と、上流側ノズル47と、下流側ノズル48と、セラミック塗料だまり49とを含む。このような押し出し式塗布ヘッドは公知である。この押し出し式塗布ヘッド10を用いると、非常に面精度がよく、かつ、厚みバラツキの少ない均一なセラミック塗料層(セラミックグリーンシート)を得ることができる。
<ターゲットマーク形成工程>
図4は、図3に示した工程の後に施される、ターゲットマーク形成工程を示す図である。本実施例においては、図4に示すように、支持体19の第1のセラミック塗料層51が形成された面に、画像処理用の第1のターゲットマークa1,b1,c1,d1及びピッチマークe1を形成する。
この第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1は、スクリーン印刷、グラビヤ印刷もしくはインクジェット印刷等によって形成されたマークまたはスルホールなど、画像処理できるマークであればよく、印刷面は支持体19の表裏どちらの面でもよい。この第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1の形成タイミングは、例えば、図2に示した第1の電極群61の形成ステップと同時に行うこともできる。
<第1の電極群の形成工程>
図5は、図4に示した工程の後に施される、第1の電極群の形成工程を示す図である。本実施例においては、図1、図5に示すように、第1のセラミック塗料層51の上に、スクリーン印刷機91で第1の電極群61を印刷し、第1の電極群61を乾燥機95に通して乾燥させて、第1の電極群61を形成する。
図6は、第1のセラミック塗料層51の上に形成された第1の電極群61を示す平面図、図7は、図6の部分拡大図である。図6、図7において、第1の電極群61は、例えばニッケル、銅等を主成分とする電極材料によって構成されている。
図7において、第1の電極群61を構成する個々の電極111〜161、112〜152、11m〜15mは、第1のセラミック塗料層51上において、互いに間隔を隔てて配列されている。本実施例において各電極は、第1のセラミック塗料層51の長さ方向にm列となるように形成されており、奇数列には6行、偶数列には5行の電極が備えられている。電極に付された参照番号のうち1桁目は当該電極の属する列を示し、2桁目は同じく属する行を示している。個々の電極は、偶数列と奇数列とが寸法Lだけ異なるように配列してある。寸法Lは電極間ピッチ2Lの1/2が適当である。
この第1の電極群61を形成するに当たっては、上述した第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1を画像処理して得られた情報に基づいて、印刷位置決めを行なうことができる。
また、本実施例においては、第1の電極群61の印刷と同時に、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を印刷している。この第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2は、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に利用することができる。
<第1の補助層の形成工程>
図8は、図5に示した工程の後に施される、第1の補助層の形成工程を示す図である。図8に示すように、第1の補助層65の形成に当たっては、第1のセラミック塗料層51上における、第1の電極群61が形成されない領域に、厚みが、第1の電極群61の厚みと等しい第1の補助層65を形成する。この第1の補助層65は、焼成時における収縮率が、第1の電極群61の焼成時における収縮率と等しい材料であることが好ましい。この第1の補助層65は、例えば、印刷方法で形成することができる。また、第1の補助層65は、第1の電極群61よりも先に形成してもよい。
<第2のセラミック塗料層の形成工程>
図9は、図8に示した工程の後に施される、第2のセラミック塗料層の形成工程を示す図である。図1、図9に示すように、第2のセラミック塗料層52の形成に当たっては、上述した押し出し式塗布ヘッド10を用いて、第1の補助層65、及び、第1の電極群61の上に、セラミック塗料17aを塗布し、セラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、厚みt2が、第1のセラミック塗料層51の厚みt1よりも厚い第2のセラミック塗料層52を形成する。
上述した第1のセラミック塗料層51形成工程、第1の電極群61形成工程、第2のセラミック塗料層52形成工程によれば、第1のセラミック塗料層51上に、厚みが第1の電極群61の厚みと等しい第1の補助層65が形成されることとなるので、第1の電極群61及び第1の補助層65が、凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成することとなる。したがって、第1の電極群61及び第1の補助層65の上に形成される第2のセラミック塗料層52の表面を容易に平坦化し、第2のセラミック塗料層52の塗布厚みを容易に均一化することができる。
しかも、第1の電極群61及び第1の補助層65が凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成し、その上に第2のセラミック塗料層52が塗布されるので、第1の電極群61、第1の補助層65及び第2のセラミック塗料層52が密着する。このため、焼成時におけるデラミネーションの発生を確実に防止することができる。
第1の補助層65は、焼成時における収縮率が、第1の電極群61の焼成時における収縮率とほぼ等しい材料によって構成することが好ましい。こうすることにより、焼成後においても、第1の電極群61及び第1の補助層65を、ほぼ平坦な状態に保ち、第1の電極群61及び第1の補助層65の凹凸に起因する密着不良を低減させ、焼成時にデラミネーションが発生するのを確実に防止することができる。
<第2の電極群の形成工程>
図10は、図9に示した工程の後に施される、第2の電極群の形成工程を示す図である。本実施例においては、図1、図10に示すように、第2のセラミック塗料層52の上に、第2の電極群62を印刷し、第2の電極群62を乾燥機95に通して乾燥させて、第2の電極群62を形成する。
図11は、第2のセラミック塗料層52の上に形成された第2の電極群62を示す平面図、図12は図11の正面部分断面図、図13は図11の部分拡大図である。図11〜図13において、第2の電極群62は、図5〜図7に示した第1の電極群61と同一の電極材料によって構成され、第2のセラミック塗料層52上において、間隔を隔てて備えられている。第2の電極群62が形成される第2のセラミック塗料層52の表面は、ほぼ平坦であるから、第2の電極群62を、高精度パターンとして形成することができる。
本実施例において、第2の電極群62を構成する個々の電極211〜251、212〜262、21m〜26mは、第2のセラミック塗料層52の長さ方向にm列となるように形成されており、奇数列には5行、偶数列には6行の電極が備えられている。電極に付された参照番号のうち1桁目は当該電極の属する列を示し、2桁目は同じく属する行を示している。
第2の電極群62を形成するに当たっては、上述した第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1を画像処理して得られた情報に基づいて、印刷位置決めを行なうことができる。
また、第2のセラミック塗料層52を非常に薄く形成することにより、第2のセラミック塗料層52を透かして、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を確認することができる。このため、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を第2の電極群62を形成する際の印刷位置決めに利用することもできる。
また、本実施例においては、第2の電極群62の印刷と同時に、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を印刷している。この第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3は、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に利用することができる。
<第3のセラミック塗料層の形成工程>
図14、図15は、図10に示した工程の後に施される、第3のセラミック塗料層の形成工程を示す図である。図1、図14、図15に示すように、第3のセラミック塗料層53の形成に当たっては、上述した押し出し式塗布ヘッド10を用いて、第2のセラミック塗料層52、及び、第2の電極群62の上に、セラミック塗料17aを塗布し、セラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、第2の電極群62よりも上部の厚みt3が、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と第2のセラミック塗料層52の厚みt2との差(t2−t1)に等しい第3のセラミック塗料層53を形成する。例えば、厚みt3は、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と等しい厚みにすることができる。これにより、第1のセラミック塗料層51、第1の電極群61、第1の補助層65、第2のセラミック塗料層52、第2の電極群62及び第3のセラミック塗料層53を順次に積層した積層シート70が得られる。
第3のセラミック塗料層53を構成するセラミック塗料は、その流動性により、第2の電極群62間に存在する間隔(凹部)を埋めるように塗布される。このため、第2の電極群62、及び、第2のセラミック塗料層52に対する第3のセラミック塗料層53の密着性が向上し、従来問題となっていたデラミネーション等の問題が生じにくくなる。
<積層シート切断等の工程>
図16は、図14、図15に示した工程の後に施される、積層シート切断等の工程を示す図である。図1、図16に示すように、積層シート70の切断に当たっては、第1のセラミック塗料層51を支持体19から剥離した後、ダイサ96を用いて、第1のセラミック塗料層51、第2のセラミック塗料層52及び第3のセラミック塗料層53を所定の寸法に切断する。
図17は切断された積層シート70の平面図である。図17に示すように、第3のセラミック塗料層53を非常に薄く形成することにより、第3のセラミック塗料層53を透かして、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を確認することができる。このため、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を利用することができる。
<積層シートの積層工程>
図18は、図16に示した工程の後に施される、積層シートの積層工程を示す図である。図18に示すように、積層シート70の積層に当たっては、複数の積層シート70を順次に積層する。具体的には、隣接する2枚の積層シート70において、一方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接するように、複数の積層シート70を順次に積層する。それぞれの積層シート70は、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を利用した画像処理により、高精度に位置決めされる。 図18に示した実施例においては、最上層の積層シート70の上層、及び、最下層の積層シート70の下層に、保護層71を形成している。この保護層71は、積層シート70を保護する外装となる。
積層シート70は、セラミック塗料層(第1〜第3のセラミック塗料層51〜53)単体でなく、複数のセラミック塗料層が順次に積層されて構成されているので、積層シート70全体として、厚みが厚くなる。このため、セラミック塗料層51〜53が薄くなった場合でも、ハンドリングが容易になり、支持体19からの剥離が容易になる。しかも、積層シート70全体としての厚みが厚くなり、強度が増すので、ハンドリングの際に、セラミック塗料層51〜53及び電極群61、62にかかる負担が低減し、ショート等の特性不良が低減する。
図18に図示した積層状態において、隣接する2つの積層シート70では、一方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接する。従って、隣接する2つの積層シート70の間に、第3のセラミック塗料層53における第2の電極群62よりも上部の厚み(t3)と、第1のセラミック塗料層51の厚みt1との和(t3+t1)の厚みt31、
t31=t3+t1
を有するセラミック塗料層が生じる。
厚みt3は、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と第2のセラミック塗料層52の厚みt2との差(t2−t1)に等しい。即ち、
t3=t2−t1
となる。変形すると、
t2=t3+t1
=t31
上述のように、複数枚の積層シート70を順次に積層する一般的なプロセスを採用した場合、隣接する積層シート70の間に、厚みt2と等しい厚みt31を持つセラミック塗料層が生じる。隣接する積層シート70の間では、厚みt31のセラミック塗料層を介して、一方の積層シート70に含まれる第2の電極群62と、他方の積層シート70に含まれる第1の電極群61とが対向する。
積層した状態では、電極群の対向関係を考慮する限り、厚みt2を持つ第2のセラミック塗料層52、及び、厚みt31を持つセラミック塗料層以外のセラミック塗料層は存在しない。従って、積層を完了した場合、電極群のすべてが、同一厚みのセラミック塗料層を介して対向することになるので、積層数を特定することによって、取得容量を特定し得ることになる。
また、別の積層プロセスとして、例えば、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と、第3のセラミック塗料層53における第2の電極群62よりも上部の厚みt3とが等しい場合には、隣接する2枚の積層シート70において、一方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51が、他方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接するように、又は、一方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53と隣接するように、複数の積層シート70を順次に積層することができる。このとき、両積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51の厚みの和(t1+t1)、又は、両積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53における第2の電極群62よりも上部の厚みの和(t3+t3)が、第2のセラミック塗料層52の厚みt2と等しくなる。
このため、第2のセラミック塗料層52を介して対向する第1の電極群61及び第2の電極群62の間に生じる塗料層厚みt2が、第1のセラミック塗料層51、又は、第3のセラミック塗料層53を介して対向する第1の電極群61及び第2の電極群62の間に生じる塗料層厚み(t1+t1、又は、t3+t3)と等しくなるので、特性の安定したセラミック電子部品を製造することが可能となる。
<設定積層数を得た後の工程>
図19は、図18に示した工程の後に施される、設定積層数を得た後の工程を示す図、図20は、図19に示した工程の後の工程を示す斜視図である。図19に示すように、積層された積層シート70、及び、保護層71は、熱プレスされる。そして、熱プレスされた積層シート70、及び、保護層71は、切断され、図20に示す積層チップが得られる。
上述した第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法では、第1のセラミック塗料層51は、支持体19の上にセラミック塗料17aを塗布して形成されているので、支持体19を剥離すると、支持体19に対向していた面が平坦になる。
また、第3のセラミック塗料層53は、表面に電極群が形成されておらず、第2のセラミック塗料層52、及び、第2の電極群62の上にセラミック塗料17aを塗布して形成されている。このため、公知の方法、例えば、押し出し式塗布法、ドクターブレード法等で、セラミック塗料17aを塗布することにより、表面を平坦にすることができる。
このように、積層シート70は、表面が平坦であり、表面に凹凸が生じないので、積層シート70毎に、熱プレスを施す必要がない。このため、複数の積層シート70を順次に積層した後で、熱プレスを施せば足りる。このため、複数の積層シート70を積層する前、第1のセラミック塗料層51、第1の電極群61、第1の補助層65、第2のセラミック塗料層52、第2の電極群62、及び、第3のセラミック塗料層53には、熱プレスを施す必要がないので、熱プレスの回数が低減し、精度よく、短時間に、容易にセラミック電子部品を製造することが可能となる。
積層コンデンサの完成品は、この積層チップを所定の温度条件で脱バインダ処理し、焼成し、更に、端子電極を焼き付け形成することにより得られる。積層チップを脱バインダ処理し、焼成し、更に、端子電極を焼き付け形成する方法は、従来からよく知られている。
2.第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
図21は第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図、図22は第2の態様に係る製造方法の工程を示すフローチャート、図23〜図28は図22に示したフローチャートにおける各工程を示す図である。以下、図21及び図22を参照し、図23〜図28に図示された各工程を説明する。
<第1のセラミック塗料層形成工程〜第1の電極群形成工程>
第2の態様に係る製造方法において、第1のセラミック塗料層の形成工程、ターゲットマークの形成工程及び第1の電極群の形成工程は、第1の態様に係る製造方法と同じ工程(図3〜図7参照)が採用されるので、その重複説明は省略する。図23は、上記工程を経て、第1のセラミック塗料層51の上に第1の電極群61を形成した状態を示す図である。
<第2のセラミック塗料層形成工程>
図24は、図23に示した工程の後に施される、第2のセラミック塗料層形成工程を示す図である。第1の態様に係る製造方法では、第1の電極群61を形成した後、または、第1の電極群61を形成する前に、第1の充填層65を形成していたが、第2の態様に係る製造方法では、図21及び図24に示すように、第1の電極群61を形成した後、第1の充填層65を形成することなく、第2のセラミック塗料層52を形成する。第2のセラミック塗料層52の形成に当たっては、押し出し式塗布ヘッド10を用いて、第1の電極群61の上に、セラミック塗料17aを塗布し、セラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、厚みが、第1のセラミック塗料層51の厚みt1よりも厚い第2のセラミック塗料層52を形成する。
<第2の電極群形成工程>
図25は、図24に示した工程の後に施される、第2の電極群形成工程を示す図である。第2の電極群62は、図21、図25に示すように、第2のセラミック塗料層52の上に、第2の電極群62を印刷し、第2の電極群62を乾燥機95に通して乾燥させて形成する。第2の電極群62の詳細については、第1の態様に係る製造方法において、既に述べてあるので、重複説明は省略する。
<第2の補助層の形成工程>
図26は、図25に示した工程の後に施される、第2の補助層の形成工程を示す図である。図26に示すように、第2の補助層66の形成に当たっては、第2のセラミック塗料層52上における、第2の電極群62が形成されない領域に、厚みが、第2の電極群62の厚みと等しい第2の補助層66を形成する。この第2の補助層66は、焼成時における収縮率が、第2の電極群62の焼成時における収縮率と等しい材料であることが好ましい。この第2の補助層66は、例えば、印刷方法で形成することができる。また、第2の補助層66は、第2の電極群62よりも先に形成してもよい。
<第3のセラミック塗料層の形成工程>
第2の充填層66を形成した後、セラミック塗料17aを塗布し、第3のセラミック塗料層53を形成する。その詳細は、第1の態様にかかる製造方法において、既に説明したので、重複説明は省略する。
図27は第3のセラミック塗料層53を形成した後に剥離して得られた積層シート70を示す図である。第3のセラミック塗料層53の厚みt3は、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と、第2のセラミック塗料層52における第1の電極群61よりも上部の厚みt2との差(t2−t1)に等しい。これにより、第1のセラミック塗料層51、第1の電極群61、第2のセラミック塗料層52、第2の電極群62、第2の補助層66及び第3のセラミック塗料層53を順次に積層した積層シート70が得られる。第3のセラミック塗料層53の厚みt3は、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と等しい厚みにしてもよい。
第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法では、第2のセラミック塗料層52上に、厚みが第2の電極群62の厚みと等しい第2の補助層66が形成されているので、第2の電極群62及び第2の補助層66が、凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成することとなる。したがって、第2の電極群62及び第2の補助層66の上に形成される第3のセラミック塗料層53の表面を容易に平坦化し、第3のセラミック塗料層53の塗布厚みを容易に均一化することができる。
しかも、第2の電極群62及び第2の補助層66が凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成し、その上に第3のセラミック塗料層53が塗布されるので、第2の電極群62、第2の補助層66及び第3のセラミック塗料層53が密着する。このため、焼成時におけるデラミネーションの発生を確実に防止することができる。
第2の補助層66は、焼成時における収縮率が、第2の電極群62の焼成時における収縮率とほぼ等しい材料によって構成することが好ましい。こうすることにより、焼成後においても、第2の電極群62及び第2の補助層66を、ほぼ平坦な状態に保ち、第2の電極群62及び第2の補助層66の凹凸に起因する密着不良を低減させ、焼成時にデラミネーションが発生するのを確実に防止することができる。
<積層シートの積層工程>
図28は、図27に示した工程の後に施される、積層シートの積層工程を示す図である。図28に示すように、積層シート70の積層に当たっては、複数の積層シート70を順次に積層する。具体的には、隣接する2枚の積層シート70において、一方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接するように、複数の積層シート70を順次に積層する。それぞれの積層シート70は、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を利用した画像処理により、高精度に位置決めされる。
図28に示した実施例においては、最上層の積層シート70の上層、及び、最下層の積層シート70の下層に、保護層71を形成している。この保護層71は、積層シート70を保護する外装となる。
積層シート70は、セラミック塗料層(第1〜第3のセラミック塗料層51〜53)単体でなく、複数のセラミック塗料層が順次に積層されて構成されているので、積層シート70全体として、厚みが厚くなる。このため、セラミック塗料層51〜53が薄くなった場合でも、ハンドリングが容易になり、支持体19からの剥離が容易になる。しかも、積層シート70全体としての厚みが厚くなり、強度が増すので、ハンドリングの際に、セラミック塗料層51〜53及び電極群61、62にかかる負担が低減し、ショート等の特性不良が低減する。
図28に図示した積層状態において、隣接する2つの積層シート70では、一方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接する。従って、隣接する2つの積層シート70の間に、第3のセラミック塗料層53の厚み(t3)と、第1のセラミック塗料層51の厚みt1との和(t3+t1)の厚みt31、
t31=t3+t1
を有するセラミック塗料層が生じる。
第3のセラミック塗料層53の厚みt3は、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と、第2のセラミック塗料層52における第1の電極群61よりも上部の厚みt2との差(t2−t1)に等しい。即ち、
t3=t2−t1
となる。変形すると、
t2=t3+t1
=t31
上述のように、複数枚の積層シート70を順次に積層する一般的なプロセスを採用した場合、隣接する積層シート70の間に、厚みt2と等しい厚みt31を持つセラミック塗料層が生じる。隣接する積層シート70の間では、厚みt31のセラミック塗料層を介して、一方の積層シート70に含まれる第2の電極群62と、他方の積層シート70に含まれる第1の電極群61とが対向する。
積層した状態では、電極群の対向関係を考慮する限り、厚みt2を持つ第2のセラミック塗料層52、及び、厚みt31を持つセラミック塗料層以外のセラミック塗料層は存在しない。従って、積層を完了した場合、電極群のすべてが、同一厚みのセラミック塗料層を介して対向することになるので、積層数を特定することによって、取得容量を特定し得ることになる。
また、別の積層プロセスとして、例えば、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と、第3のセラミック塗料層53の厚みt3とが等しい場合には、隣接する2枚の積層シート70において、一方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51が、他方の積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接するように、又は、一方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方の積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53と隣接するように、複数の積層シート70を順次に積層することができる。このとき、両積層シート70に含まれる第1のセラミック塗料層51の厚みの和(t1+t1)、又は、両積層シート70に含まれる第3のセラミック塗料層53の厚みの和(t3+t3)が、第2のセラミック塗料層52における第1の電極群61よりも上部の厚みt2と等しくなる。
このため、第2のセラミック塗料層52を介して対向する第1の電極群61及び第2の電極群62の間に生じる塗料層厚みt2が、第1のセラミック塗料層51、又は、第3のセラミック塗料層53を介して対向する第1の電極群61及び第2の電極群62の間に生じる塗料層厚み(t1+t1、又は、t3+t3)と等しくなるので、特性の安定したセラミック電子部品を製造することが可能となる。
この後、第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法でも、上述した第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と同様に、積層された積層シート70及び保護層71が、熱プレスされ、熱プレスされた積層シート70及び保護層71は、切断され、図20に示す積層チップが得られる。
第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法は、上述した第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と、同様の工程を含むので、同様の作用効果を奏することができる。
3.第1の態様及び第2の態様の組み合わせによる製造方法
図29は、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の更に別の実施例を示す図、図30は、図29に示した工程の後に施される工程を示す図である。
本実施例に示すように、第2の態様に係る製造方法では、第1の態様に係る製造方法を、併せ含むことができる。この場合には、第1の態様による作用効果をも、併せ得ることができる。図において、図1〜図28に現れた構成と、同様の構成には、同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。
本実施例においては、図10と同様に、第1のセラミック塗料層51上における、第1の電極群61が形成されていない領域に第1の補助層65を形成し、第1の電極群61及び第1の補助層65の上に、セラミック塗料17aを塗布して、第2のセラミック塗料層52を形成し、第2のセラミック塗料層52の上に、第2の電極群62を形成する。
この後、図28に示すように、第2のセラミック塗料層52上における、第2の電極群62が形成されない領域に、厚みが、第2の電極群62の厚みと等しい第2の補助層66を形成する。
そして、図14、図15と同様に、第2の電極群62及び第2の補助層66の上に、セラミック塗料17aを塗布して、第3のセラミック塗料層53を形成することにより、図30に示す積層シート70が形成される。
図31は、本実施例に係る積層シート70を積層した状態を示す正面断面図、図32は、図31に示した積層構造体を焼成したときの正面断面図である。図32に示すように、本実施例に係る製造方法によれば、焼成後においても、第1の電極群61及び第1の補助層65、並びに、第2の電極群62及び第2の補助層66が平坦な平面を構成するので、第1〜3のセラミック塗料層51〜53の凹凸が低減する。このため、第1〜3のセラミック塗料層51〜53の凹凸による密着不良が低減するので、焼成時に発生するデラミネーションを確実に防止することができる。
4.他の態様
図33は、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の更に別の実施例を示す図、図34は、図33に示した工程の後に施される工程を示す図である。図において、図1〜図32に現れた構成と、同様の構成には、同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。
本実施例においては、第2のセラミック塗料層を形成し、第2のセラミック塗料層の上に、第2の電極群を形成し、第2のセラミック塗料層上の第2の電極群が形成されていない領域に、厚みが、第2の電極群の厚みと等しい第2の補助層を形成する工程を、連続して、複数回繰り返す。
具体的には、図33に示すように、第2のセラミック塗料層52、第2の電極群62、及び、第2の補助層66の上に、更に、セラミック塗料17aを塗布して、別の第2のセラミック塗料層54を形成し、別の第2のセラミック塗料層54の上に、別の第2の電極群63、及び、別の第2の補助層67(図34参照)が形成される。そして、別の第2の電極群63、及び、別の第2の補助層67の上には、図14、図15と同様に第3のセラミック塗料層53が形成される。
図34に示すように、本実施例において、積層シート70は、第1のセラミック塗料層51と第2のセラミック塗料層52との間に第1の電極群61、及び、第1の補助層65が形成され、第2のセラミック塗料層52と別の第2のセラミック塗料層54との間に第2の電極群62、及び、第2の補助層66が形成され、別の第2のセラミック塗料層54と第3のセラミック塗料層53との間に別の第2の電極群63、及び、別の第2の補助層67が形成される。
本実施例に係る製造方法によれば、図1〜図32に示した製造方法と同様に、第1の電極群61、第2の電極群62、及び、別の第2の電極群63の間隔がt2(=t1+t3)となるので、特性の安定したセラミック電子部品を製造することが可能となる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図である。 第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャートである。 図2に示したフローチャートにおける工程を示す図である。 図3に示した工程の後の工程を示す平面図である。 図4に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 第1の電極群を示す平面図である。 図6の部分拡大図である。 図5に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図8に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図9に示した工程の後の工程を示す正面図である。 第2の電極群を示す平面図である。 図11の正面部分断面図である。 図11の部分拡大図である。 図10に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図10に示した工程の後の工程を示す別の正面断面図である。 図14、図15に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 積層シートの平面図である。 図16に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図18に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図19に示した工程の後の工程を示す斜視図である。 本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図である。 第2の態様に係る製造方法の工程を示すフローチャートである。 図22に示したフローチャートにおける工程を示す図である。 図23に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図24に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図25に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図26に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 図27に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の更に別の実施例を示す図である。 図29に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。 本実施例に係る積層シートを積層した状態を示す正面断面図である。 図31に示した積層構造体を焼成したときの正面断面図である。 本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の更に別の実施例を示す図である。 図33に示した工程の後の工程を示す正面断面図である。
符号の説明
70 積層シート
51 第1のセラミック塗料層
52 第2のセラミック塗料層
53 第3のセラミック塗料層
61 第1の電極群
62 第2の電極群

Claims (5)

  1. セラミック電子部品の製造方法であって、
    支持体の上に第1のセラミック塗料層を形成し、
    次に、前記第1のセラミック塗料層の上に、第1の電極群と、印刷により設けられる第1の補助層とを形成し、前記第1の補助層は前記第1の電極群の厚みと等しい厚みを有しており、
    次に、前記第1の電極群及び前記第1の補助層の上にセラミック塗料を塗布して、厚みt2が、前記第1のセラミック塗料層の厚みt1よりも厚い第2のセラミック塗料層を形成し、
    次に、前記第2のセラミック塗料層の上に第2の電極群を形成し、
    次に、前記第2のセラミック塗料層及び前記第2の電極群の上にセラミック塗料を塗布して、前記第2の電極群よりも上部の厚みt3が、前記第1のセラミック塗料層の厚みt1と、前記第2のセラミック塗料層の厚みt2との差(t2−t1)に等しい第3のセラミック塗料層を形成する
    ステップを含むセラミック電子部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載されたセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1の電極群は、複数であり、間隔を隔てて備えられ、
    前記第1の補助層は、前記間隔を埋めている
    電子部品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載されたセラミック電子部品の製造方法であって、前記第1のセラミック塗料層の厚みを、前記第3のセラミック塗料層における前記第2の電極群よりも上部の厚みと等しくなるように形成する
    セラミック電子部品の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載されたセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記第1のセラミック塗料層を前記支持体から剥離して、積層シートとし、
    複数の前記積層シートを順次に積層する
    ステップを含むセラミック電子部品の製造方法。
  5. 請求項4に記載されたセラミック電子部品の製造方法であって、
    隣接する2枚の前記積層シートにおいて、一方の前記積層シートに含まれる前記第3のセラミック塗料層が、他方の前記積層シートに含まれる前記第1のセラミック塗料層と隣接するように、積層するステップを含むセラミック電子部品の製造方法。
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