JP2014001340A - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供する。また、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記硬化性樹脂は、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、又は、エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有する液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているような光硬化性樹脂、光重合開始剤、熱硬化性樹脂、及び、熱硬化剤を含有する光、熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
液晶表示素子の駆動方式のうち、IPS(In−Plane Switching)方式は、基板に沿った電界によって液晶分子を基板と平行な面内で回転させることでバックライトからの入射光の透過量を制御する方式である。IPS方式は、液晶分子の垂直方向の傾きが発生しないため視野角が広く、また、発色特性に優れるという特徴を有するため、高精細な表示特性を有する液晶表示素子が得られる。このような高精細な液晶表示素子に用いる液晶材料には、更に、低電圧駆動性や高速駆動性が求められている。しかしながら、このような液晶材料を用いた液晶表示素子を、従来のシール剤を用いた液晶滴下工法にて製造した場合、シール剤によって液晶が汚染され、表示不良が発生するという問題があった。
また、タブレット端末、携帯端末、車載用端末の普及に伴い、液晶表示素子には高温高湿環境下での駆動等における耐湿信頼性がますます要求されており、シール剤には外部からの水の浸入を防止する性能が一層求められている。特に、車載用端末では、温度80℃湿度85%等の条件下で駆動するといった厳しい耐湿信頼性試験が行われており、より高温高湿環境下での硬化物の透湿度の低いシール剤が求められていた。
特開2001−133794号公報 国際公開第02/092718号パンフレット
本発明は、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、上記硬化性樹脂は、下記式(1)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、又は、下記式(2)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有する液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
Figure 2014001340
Figure 2014001340
本発明者は、硬化性樹脂として、融点が高く、かつ、高い結晶性を有するエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート又はエトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを配合することにより、硬化後のガラス転移温度が高く、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、上記式(1)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、又は、上記式(2)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有する。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート又は上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化後のガラス転移温度の高いものとなり、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合の液晶への溶出を抑制することができ、かつ、高温高湿環境下での透湿度の低いものとなる。
なかでも、結晶性が高く、得られる液晶滴下工法用シール剤の硬化後のガラス転移温度を高くする効果に特に優れることから、上記硬化性樹脂は、エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有することが好ましい。
上記硬化性樹脂がエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを含有する場合、上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートの含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が20重量部である。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートの含有量が20重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の硬化後のガラス転移温度を高くする効果が充分に発揮されず、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶へ溶出したり、高温高湿環境下での耐湿性に劣るものとなったりすることがある。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートの含有量のより好ましい下限は30重量部である。
また、上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートの含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい上限が60重量部である。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートの含有量が60重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に劣るものとなることがある。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートの含有量のより好ましい上限は50重量部である。
上記硬化性樹脂がエトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有する場合、上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートの含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が10重量部である。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートの含有量が10重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の硬化後のガラス転移温度を高くする効果が充分に発揮されず、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶へ溶出したり、高温高湿環境下での耐湿性に劣るものとなったりすることがある。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートの含有量のより好ましい下限は20重量部である。
また、上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートの含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい上限が50重量部である。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートの含有量が50重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に劣るものとなることがある。上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートの含有量のより好ましい上限は40重量部である。
上記硬化性樹脂は、上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート又は上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートに加えて、その他の硬化性樹脂を含有することが好ましい。
上記その他の硬化性樹脂としては、例えば、上記エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート及び上記エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレート以外のその他の(メタ)アクリル樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を意味し、上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
上記その他の(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを示す。
上記エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)、エピクロンEXA−830CRP(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA−1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA−7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP−7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸210重量部を、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、5時間反応させることによってレゾルシノール型エポキシアクリレートを得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYLRDX63182(いずれもダイセルサイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。また、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物を使用することもできる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、2時間反応させることによってウレタンアクリレートを得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220(いずれもダイセルサイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6LPA、U−6HA、U−10H、U−15HA、U−122A、U−122P、U−108、U−108A、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4100、UA−4000、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AI−600、AH−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記その他の(メタ)アクリル樹脂の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が20重量部、好ましい上限が70重量部である。上記その他の(メタ)アクリル樹脂の含有量が20重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶汚染を引き起こすことがある。上記その他の(メタ)アクリル樹脂の含有量が70重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に劣るものとなることがある。上記その他の(メタ)アクリル樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は60重量部である。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、上述したエポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物と同様のものが挙げられる。
また、上記エポキシ樹脂として、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂を含有してもよい。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味する。また、本明細書において上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
更に、上記エポキシ樹脂は、上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリル樹脂の(メタ)アクリロイル基の一部又は全部がエポキシ基である樹脂であってもよい。
上記エポキシ樹脂の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が40重量部である。上記エポキシ樹脂の含有量が5重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に劣るものとなることがある。上記エポキシ樹脂の含有量が40重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶汚染を引き起こすことがある。上記エポキシ樹脂の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記硬化性樹脂全体における(メタ)アクリロイル基とエポキシ基との合計量に対するエポキシ基の比率の好ましい上限は50モル%である。上記エポキシ基の比率が50モル%を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の液晶に対する溶解性が高くなって液晶汚染を引き起こし、得られる液晶表示素子が表示性能に劣るものとなることがある。上記エポキシ基の比率のより好ましい上限は20モル%である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、ラジカル重合開始剤を含有する。
上記ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤は特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等を好適に用いることができる。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア907、イルガキュア2959、イルガキュアOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(以上、いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤であることが好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
また、上記高分子アゾ開始剤は、通常、光照射によっても分解してラジカルを発生することから、上記光ラジカル重合開始剤としても機能し得る。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が1000未満であると、高分子アゾ開始剤が液晶に悪影響を与えることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が30万を超えると、硬化性樹脂への混合が困難になることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
上記高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボエチル−5−イソプロピルヒダントイン]、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、SDH、IDH、ADH(いずれも、大塚化学社製)等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等を目的としてフィラーを含有することが好ましい。
上記フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機フィラーや、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラーが挙げられる。これらのフィラーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサー、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、ラジカル重合開始剤と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化後のガラス転移温度(硬化物のガラス転移温度)が140℃以上であることが好ましい。上記硬化物のガラス転移温度が140℃以上であることにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどないものとなる。上記硬化物のガラス転移温度のより好ましい下限は145℃である。
上記硬化物のガラス転移温度の好ましい上限は200℃である。基板とシール剤との接着性の観点から、硬化物のガラス転移温度のより好ましい上限は180℃である。
なお、上記硬化物は、3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって得られるものであり、上記硬化物のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて、−80〜200℃、10Hzにおいて動的粘弾性を測定した際の、損失正接(tanδ)の極大値の温度として得ることができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、温度85℃湿度85%RHにおける硬化物の透湿度が100g/m・24hr以下であることが好ましい。上記硬化物の透湿度が100g/m・24hrを超えると、得られた液晶表示素子が高温高湿の環境下に曝した際に液晶汚染を発生させることがある。上記硬化物の透湿度のより好ましい上限は90g/m・24hrである。
なお、上記硬化物の透湿度は、JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で測定することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤に導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いて液晶表示素子を製造する方法は特に限定されず、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、ITO薄膜等の2枚の電極付き透明基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して硬化させる。その後、100〜200℃のオーブン中で約1時間加熱硬化させて硬化を完了させ、液晶表示素子を作製する。本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いれば、IPS液晶等の高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合でも、液晶汚染の発生を抑制することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜6、比較例1)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜6、比較例1の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(ガラス転移温度)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤に3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱して硬化させ、厚さ300μmのフィルムを作製し、試験片とした。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、−80〜200℃、10Hzにおいて動的粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
(透湿度)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤を、平滑な離型フィルム状にコーターで厚さ200〜300μmに塗工した後、メタルハライドランプにて3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって透湿度測定用硬化フィルムを得た。JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で透湿度試験用カップを作製し、得られた透湿度測定用硬化フィルムを取り付け、温度85℃湿度85%RHの高温高湿オーブンに投入して透湿度を測定した。
(液晶表示素子の表示むら(対IPS液晶))
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、IPS液晶の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。張り合わせ後のセルをメタルハライドランプにて3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を各シール剤につき5枚ずつ作製した。得られた液晶表示素子について、中間調のシール剤部周辺を目視で観察した。シール剤部周辺に色むらが全く見られなかった場合を「○」、少し薄い色むらが見えた場合を「△」、はっきりとした濃い色むらがあった場合を「×」として評価した。
Figure 2014001340
本発明によれば、高精細な液晶表示素子用の液晶材料を用いる場合や高温高湿環境下でも液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
本発明は、硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、上記硬化性樹脂は、下記式(2)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有する液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
参考例1〜3、実施例4〜6、比較例1)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより参考例1〜3、実施例4〜6、比較例1の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
<評価>
参考例、実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(ガラス転移温度)
参考例、実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤に3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱して硬化させ、厚さ300μmのフィルムを作製し、試験片とした。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(IT計測制御社製、「DVA−200」)を用いて、−80〜200℃、10Hzにおいて動的粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
(透湿度)
参考例、実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤を、平滑な離型フィルム状にコーターで厚さ200〜300μmに塗行した後、メタルハライドランプにて3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって透湿度測定用硬化フィルムを得た。JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で透湿度試験用カップを作製し、得られた透湿度測定用硬化フィルムを取り付け、温度85℃湿度85%RHの高温高湿オーブンに投入して透湿度を測定した。
(液晶表示素子の表示むら(対IPS液晶))
参考例、実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、IPS液晶の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。張り合わせ後のセルをメタルハライドランプにて3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を各シール剤につき5枚ずつ作製した。得られた液晶表示素子について、中間調のシール剤部周辺を目視で観察した。シール剤部周辺に色むらが全く見られなかった場合を「○」、少し薄い色むらが見えた場合を「△」、はっきりとした濃い色むらがあった場合を「×」として評価した。
Figure 2014001340

Claims (6)

  1. 硬化性樹脂とラジカル重合開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、
    前記硬化性樹脂は、下記式(1)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、又は、下記式(2)で表されるエトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを含有する
    ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
    Figure 2014001340
    Figure 2014001340
  2. 硬化性樹脂は、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートを、硬化性樹脂100重量部に対して20重量部以上含有することを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. 硬化性樹脂は、エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレートを、硬化性樹脂100重量部に対して10重量部以上含有することを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
  4. 硬化後のガラス転移温度が140℃以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  6. 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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