JP2016102184A - 粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物および粘着シート Download PDF

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智幸 岩島
Tomoyuki Iwashima
智幸 岩島
浩之 五十嵐
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浩之 五十嵐
智志 渡辺
Satoshi Watanabe
智志 渡辺
泰延 大野
Yasunobu Ono
泰延 大野
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Abstract

【課題】透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる粘着剤組成物および粘着シートを提供する。【解決手段】下記一般式(I)、で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)を含有する。ここで、式中、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、アルキル基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物および粘着シートに関し、詳しくは、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる粘着剤組成物および粘着シートに関する。
今日、フラットパネルディスプレイ向けフィルムの中には、粘着剤により貼着され使用されているものがあるが、高透明性および高耐久性等が要求されるために、その粘着剤としては主としてアクリル系粘着剤が使用されている。このようなアクリル系粘着剤の改良関する技術として、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1では、ヒドロキシル基を有する平均分子量40〜2,500,000の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有する粘着剤組成物が提案されており、特許文献2では、特定の構造を有する酸価1〜50mgKOH、水酸基価10〜60mgKOH 、数平均分子量5〜500,000のアクリル樹脂を含有する粘着剤組成物が提案されており、特許文献3では、ラジカル硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物およびそれを用いてなる液晶滴下工法用シール剤が提案されており、特許文献4では、ヒドロキシエーテル部分を有する高分子量アクリルポリマーを含有する熱硬化性組成物が提案されている。
特開2007−9076号公報 特開2008−127431号公報 特開2011−219682号公報 特表2002−502982号公報
接着剤組成物を機能性フィルム用接着剤に用いるにあたっては、透明性、密着性および樹脂溶出性が良好であることが求められるが、従来の接着剤組成物においては、必ずしも十分ではなかった。具体的には、フラットパネルディスプレイ向けの各種機能性フィルム用接着剤、特に、液晶滴下工法用シール剤等の直接液晶と接する接着剤として用いる場合、透明性、密着性および樹脂溶出性(液晶汚染性)が高度に求められ、粘着剤組成物のさらなる改良が望まれている。
そこで、本発明の目的は、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる粘着剤組成物および粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構造を有する単量体を必須成分として重合させたアクリル重合体を含む粘着剤組成物であれば、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の粘着剤組成物は、下記一般式(I)、
Figure 2016102184
(式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、前記アルキル基および前記アルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。)で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)を含有することを特徴とするものである。
本発明の粘着剤組成物においては、前記アクリル重合体(A)100質量部に対し、さらにラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物(B)を0.01〜50質量部含有することが好ましい。また、本発明の粘着剤組成物においては、前記ラジカル重合性置換基または前記カチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物(B)は、下記一般式(II)、
Figure 2016102184
(式中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、Xは直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)、
Figure 2016102184
(式中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)
Figure 2016102184
Figure 2016102184
(式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)で表される置換基を表し、前記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、前記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。)で表されるものや、下記一般式(III)、
Figure 2016102184
(式中、R31、R32、R33は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、または炭素原子数3〜10のアクリルアルキル基を表し、R31、R32、R33のうちいずれか二つまたは三つは、炭素−炭素二重結合を有する置換基である。)で表されるものが好ましい。
本発明の粘着シートは、基材の片面または両面に本発明の粘着剤組成物が塗工乾燥されてなる粘着剤層を備えたことを特徴とするものである。
本発明の粘着シートは、基材が光学等方性フィルムであることが好ましく、ディスプレイ用に好適である。
本発明によれば、透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる粘着剤組成物および粘着シートを提供することができる。
以下、本発明の透明性、密着性および樹脂溶出性に優れる粘着剤組成物および粘着シートについて詳細に説明する。本発明の粘着性組成物は、下記一般式(I)、
Figure 2016102184
で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)を含有する(以下、「(A)成分」という)ここで、式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、これらアルキル基およびアルケニル基はハロゲン原始で置換されていてもよい。また、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。
<(A)成分>
式(I)中のRは、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、これらアルキル基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。
炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシルが挙げられる。これら炭素原子数1〜6のアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されていてもよく、例えば、クロロエチル、フルオロエチル、1−クロロプロピル、2−クロロプロピル、1−クロロブチル、2−クロロブチル等が挙げられる。
また、炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、ペンチニルまたはヘキシニル等が挙げられる。これら炭素原子数2〜6のアルケニル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
上記一般式(I)中のRで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記(A)成分は、重量平均分子量は500〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,500,000であり、また、水酸基価は80mgKOH以上が好ましく、より好ましくは200mgKOH以上であり、上記一般式(I)で表される化合物を必須の単量体成分とするものである。
上記(A)成分を構成する単量体成分としては、上記一般式(I)で表されている化合物を単独で重合させてもよく、他の単量体と複数で重合させてもよい。他の単量体としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を用いることができ、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α−クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート、あるいは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸および多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸および多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール、クロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌレート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートの反応物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物の反応物である酸価を有する多官能アクリレートが挙げられる。
上記(A)成分を構成する単量体成分として、上記一般式(I)で表される化合物の使用割合は、30〜80質量部、好ましくは40〜70質量部とすることができる。少なすぎると密着性が不十分となりやすく、多すぎるとゲル化するおそれがある。
<(B)成分>
本発明の粘着剤組成物には、さらに、粘着性向上のため、ラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物(B)((B)成分)を用いることができる。ラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の(B)成分としては、例えば、多官能アクリレート、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリカルボン酸、多官能エポキシ化合物、ジビニル化合物、スチレン−マレイン酸コポリマー、ジアルデヒド、多官能アクリルアミド、多官能オキセタン化合物、ポリアルキロール化メラミン、ポリアルキロール化グリコールウリル、ポリアルキロール化ヒドロキシエチレン尿素、ポリアルキロール化ウレア、ポリアルキロール化ベンゾグアナミン、ポリアルキロール化スピログアナミン、ポリアルキロール化アクリルアミド、ポリアルキロール化フェノール/ホルムアルデヒド付加物、アセトアセテート、カルボジイミド、アルキレンカーボネート、多価アジリジン化合物、多価アミン化合物、シランカップリング剤等が挙げられ、これらは一種単独あるいは複数を混合して用いることができる。
上記ラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物において、ラジカル重合性置換基とは、ビニル基、アクリル基等が挙げられ、カチオン重合性置換基とは、エポキシ基、オキセタン基、環状チオエーテル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。上記ラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物としては、水酸基を持つものが、液晶汚染性が低いので好ましい。
上記ラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2016102184
式(II)中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、Xは直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)で表される置換基を表す。上記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、上記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。
Figure 2016102184
式(i)中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。
Figure 2016102184
Figure 2016102184
式(iii)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。
上記一般式(II)中、Xで表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチリデン、イソブチリデン、トリフルオロメチリデン、ジトリフルオロイソプロピリデン等が挙げられる。Xで表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基を置換していてもよいハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
で表される炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3−メチルシクロペンチリデン、シクロペンテニリデン、シクロヘキセニリデン、3−メチルシクロヘキシリデン、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン、3,5−ジメチルシクロヘキシリデン等が挙げられる。
また、一般式(II)中のR、R、R、R、R、R、RおよびRで表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル等が挙げらる。
、R、R、R、R、R、RおよびRで表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル等が挙げられる。
、R、R、R、R、R、RおよびRで表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、プロペニル等が挙げられる。
、R、R、R、R、R、RおよびRで表されるアルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基を置換していてもよいハロゲン原子としては、上記Xで表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基を置換していてもよいハロゲン原子として例示したものが挙げられる。
上記一般式(II)におけるXは、上記(i)、(ii)または(iii)で表される置換基でもよい。上記(i)で表される置換基中、R10、R11、R12、R13およびR14で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子としては、上記で例示したものが挙げられる。
上記(iii)で表される置換基中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子としては、上記で例示したものが挙げられる。
上記一般式(II)におけるXは、炭素原子数1〜4のアルキリデン基であるものが、得られる光硬化性組成物の塗布性が高いので好ましい。
上記ラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の(B)成分としては、下記一般式(III)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2016102184
ここで、式(III)中、R31、R32、R33は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜10のアクリルアルキル基を表し、R31、R32、R33のうちいずれか二つまたは三つは、炭素−炭素二重結合を有する置換基である。炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、一般式(II)中のR等と同じものが挙げられ、炭素原子数3〜10のアクリルアルキル基としては、アクリルメチル、アクリルエチル、アクリルプロピル、アルキルブチル、アルキルペンチル、アクリルヘキシル等が挙げられる。
上記(A)成分に対する(B)成分の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、例えば、(A)成分100質量部に対して、(B)成分0.01〜50質量部、好ましくは10〜50質量部、より好ましくは20〜40質量部とすることができる。少なすぎると硬化が不十分となりやすく、多すぎると硬化物の吸水率や硬化物強度などの諸物性に悪影響を与える場合がある。
本発明の粘着剤組成物には、上記(A)、(B)成分の他に溶媒を含有させてもよい。溶媒としては、(A)、(B)各成分を溶解または分散しえるものであれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−またはn−プロパノール、イソ−またはn−ブタノール、アミルアルコール、アセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールメチルアセテート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種または2種以上の混合溶媒として使用することができる。
本発明の粘着剤組成物には、必要に応じてタッキファイヤー(粘着付与剤)を用いることができる。タッキファイヤーは、被着体との接着性を改善する目的で添加されるもので、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、水添ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンなどの変性ロジン、ロジングリセリンエステル、水添ロジングリセリンエステル、重合ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル、水添ロジンペンタエリスリトールエステル、重合ロジンペンタエリスリトールエステル等のロジン系樹脂;α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどのテルペン樹脂や、α−ピネンフェノール樹脂、ジテルペンフェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;ブタジエン、シクロペンタジエン等の環状ジエン類;不飽和高級脂肪酸およびそのトリグリセリド;脂肪族系、脂環族系、芳香族石油樹脂;クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、フラン類等を用いることができる。
本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて界面活性剤を用いることができる。上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ガラス、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じてモノマー、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料等の着色剤、光増感剤、消泡剤、増粘剤、レべリング剤、有機金属カップリング剤、チクソ剤、炭素化合物、金属微粒子、金属酸化物、難燃剤、可塑剤、光安定剤、熱安定剤、老化防止剤、エラストマー粒子、連鎖移動剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤、離型剤、流動調整剤、密着促進剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。
本発明の粘着剤組成物の具体的な用途としては、有機EL等の電子ディスプレイ用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・医療用・衛生用・包装用等を挙げることができる。
次に、基材の片面または両面に本発明の粘着剤組成物が塗工乾燥されてなる粘着剤層を備えた粘着シートについて説明する。
本発明の粘着シートは、厚さ10〜500μmの基材、好ましくは透明基材の少なくとも1つの表面に、本発明の粘着剤組成物を塗工乾燥させて粘着剤層を形成したものである。
上記透明基材の材料としては、例えば、ガラス等の無機材料;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリアラミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等の高分子材料が挙げられる。透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。
上記透明基材としては、光学等方性フィルムが、耐熱性の点から好ましく、シクロオレフィン、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンまたはノルボルネン系樹脂等の150℃以上の熱変形温度を有する未延伸の高分子フィルムを好ましく用いることができる。
さらに、これらの透明基材の少なくとも1つの表面に透明金属薄膜を形成した金属薄膜積層型透明樹脂フィルムでもよい。透明金属薄膜を有する金属薄膜積層型透明樹脂フィルムの例としては、ITO蒸着トリアセチルセルロース、銅蒸着トリアセチルセルロース、酸化スズ(SnO)蒸着トリアセチルセルロース、ITO蒸着ポリエチレンテレフタレート、銅蒸着ポリエチレンテレフタレート、酸化スズ(SnO)蒸着ポリエチレンテレフタレート、ITO蒸着ポリカーボネート、銅蒸着ポリカーボネートおよび酸化スズ(SnO)蒸着ポリカーボネート等を挙げることができる。
本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成させる方法としては、剥離紙等に粘着剤組成物を塗布・流延した後に、加熱により溶剤や水等の溶媒あるいは分散媒を除去するとともに架橋反応させて粘着剤層を形成した後、透明樹脂フィルムに粘着剤層を転写する方法、透明樹脂フィルム上に直接粘着剤組成物を塗布・流延し溶媒あるいは分散媒を除去するとともに架橋反応させる方法等が挙げられる。この架橋反応は、常温で7日程度静置することにより、架橋が安定するが、加熱を行ってもよい。
本発明のディスプレイ用粘着シートは、前記粘着剤組成物を所定の温度で架橋反応させて粘着剤層を形成することにより、透明支持体に貼着するもので、透明支持体と、その少なくとも片面に、本発明の粘着剤組成物から成る粘着剤層とを含む。
上記透明基材は、被着体に粘着層を転写するための剥離シートとして用いることもできるし、また所望の被着体に貼着されるための部材として用いることもできる。前者の用途に用いる場合には、透明支持体に、通常シリコーン樹脂等の剥離剤が塗布される。
上記透明基材層を剥離シートとして用いる場合、透明基材の厚さとしては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。所望の被着体に貼着されるための部材として用いる場合には、透明支持体の種類および厚さは、その用途に応じて適宜選定される。また、この場合、粘着剤層の上に、所望により、通常の剥離シートを設けることができる。
粘着剤層の厚さは、5〜500μm程度、特に10〜300μmの範囲が好ましい。
粘着剤層の形成方法としては、特に制限されず、本発明の粘着剤組成物を、転写印刷、ナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の通常使用される塗布方法により透明支持体の片面に塗布し、赤外線、熱風、蒸気等により加熱乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法等が挙げられる。
粘着剤層は、使用態様として、製膜したフィルムとすることが、扱い易く、好適である。この場合、上述した接着剤組成物を、例えば、カレンダー、押出し機、プレス等でシューティングし、溶融状態のうちに、電子ディスプレイ用フィルタの片面もしくは両面、または、剥離シート等に貼り付けることによって製造することができる。また、前記接着剤組成物をトルエン等の溶媒で溶解した後、電子ディスプレイ用フィルタの片面もしくは両面、または、剥離シート上に、塗布、乾燥させて製造することもできる。
剥離シートは、公知のものを使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンを主材としたものを挙げることができ、特にポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
粘着剤層は、塗布後の接着剤組成物を熱重合反応させることにより形成されるのがよい。これにより、粘着剤層の厚さを、十分な接着性、耐衝撃性を得るために、所定の厚さにすることができる。熱重合反応の反応条件は、通常70〜170℃、特に70〜150℃で、2〜60分、特に5〜30分とすればよい。また、好ましくは0.01〜50kgf/cm、特に0.1〜20kgf/cmの圧力条件下で行うことが推奨される。
粘着剤層は、電子ディスプレイの最表面に、電磁波シールド材、反射防止処理フィルム、反射防止処理ガラス、帯電防止ガラス、帯電防止フィルム、および近赤外線吸収フィルム、カラーフィルター等を有する電子ディスプレイ用フィルタに好適に使用される。電子ディスプレイとしては、表面電界型ディスプレイを含む電界放出型ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、およびCRTディスプレイ等が挙げられる。
以下、本発明の粘着剤組成物および粘着シートに関し、製造例、実施例および比較例により具体的に説明する。なお、実施例および比較例では部は質量部を意味する。
[製造例1]アクリル重合体(A−1)の製造
<ステップ1>アクリル重合体中間体の製造
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、メタクリル酸グリシジル98部、アクリル酸メチル1部、アクリル酸エチル1部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をトルエンと共に加えて溶液を調製した。次いで、この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、60℃で8時間反応させて、重量平均分子量1万のアクリル重合体中間体を含有する溶液を得た。さらに、このアクリル重合体中間体を含有する溶液を固形分濃度50%に調整したアクリル重合体(A−0)中間体溶液を得た。
<ステップ2>
撹拌装置、還流冷却器および温度計を備えた反応器に、ステップ1で得られたアクリル重合体中間体(A−0)溶液100部、アクリル酸70部、トリエチルアンモニウム酢酸5部、t−ブチルピロカテコール0.1部を仕込み、7%含酸素窒素ガスを液中に吹き込みながら、100℃で12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、室温に戻し、トルエン300部を添加して生成物をこれに溶解後、炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水の順に添加し、3回ずつ洗浄した。反応率に関しては系中のエポキシ当量を測定し、エポキシ当量から算出した反応率が97%以上になるように反応をさせた。溶媒交換をし、プロピレングリコールモノメチルエーテル50%溶液としてアクリル重合体(A−1)を得た。
[製造例2]アクリル重合体(A−2)の製造
撹拌装置、還流冷却器および温度計を備えた反応器に、製造例1のステップ1で得られたアクリル重合体中間体(A−0)溶液100部、プロピオン酸70部、トリエチルアンモニウム酢酸5部、t−ブチルピロカテコール0.1部を仕込み、7%含酸素窒素ガスを液中に吹き込みながら、100℃で12時間撹拌し、反応させた。反応終了後、室温に戻し、トルエン300部を添加して生成物をこれに溶解後、炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水の順に添加し、3回ずつ洗浄した。反応率に関しては系中のエポキシ当量を測定し、エポキシ当量から算出した反応率が97%以上になるように反応をさせた。溶媒交換をし、プロピレングリコールモノメチルエーテル50%溶液としてアクリル重合体(A−2)を得た。
[実施例1〜7、比較例1〜4]
下記の表1および表2に示す配合で、各成分を撹拌混合して、各実施例および比較例の光硬化性組成物を得た。実施例1〜7で得られた粘着剤組成物および比較例1〜4で得られた粘着剤組成物について、下記評価を行った。結果を下記表1、2に示す。
(塗布性)
実施例1〜7で得られた粘着剤組成物および比較例1〜4で得られた粘着剤組成物を、ゼオン社製ゼオノアフィルムにバーコーターを用いて乾燥後の塗工厚が2.5μmになるようにバーコーターを選択し、塗工を行った。塗膜の表面の状態を観察し、均一な塗膜形成の有無を目視で確認した。
○:均一な塗膜が得られた。
×:塗工後、塗膜のはじきやムラが観察された。
(密着性)
実施例1〜7で得られた粘着剤組成物および比較例1〜4で得られた比較粘着剤組成物を、日本ゼオン社製ゼオノアフィルムに塗布し、80℃で30分乾燥させた。ガラスを面積が625mmになるように貼り合わせて試験片を得た。貼り合わせ部分のせん断接着強度(MPa)を測定した。
(TNI点)
上記塗布性試験において得られた硬化膜上に、下記に示す液晶化合物No.1〜No.11を含有する液晶組成物を接触させ、60℃で60時間後、液晶化合物を取り出すことにより樹脂溶出性試験を行った。取り出した液晶化合物について樹脂溶出性試験前後でのTNI点(Nematic―Isotropic転移温度)を比較し、下記基準により評価を行った。なお、TNI点の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により吸熱ピークの温度を読み取ることにより行った。
○:VHRの低下率が99%超
△:VHRの低下率が90〜99%
×:VHRの低下率が90%未満
(VHR)
上記樹脂溶出性試験を行い、取り出した液晶組成物について樹脂溶出性試験前後でのVHR(電圧保持率)を比較し、VHRの低下率を求め、下記基準により評価を行った。評価は、液晶組成物を液晶評価用TNセル(セル厚5μm、電極面積8mm×8mm配向膜JALS2096)に注入し、VHRをVHR−1A(東陽テクニカ製)を用い測定した。(測定条件:パルス電圧幅60μs、フレーム周期16.7ms、波高±5V、測定温度25℃)
○:VHRの低下率が99%超
△:VHRの低下率が90〜99%
×:VHRの低下率が90%未満
Figure 2016102184
化合物A−1’:アートレジンUN−3320(ウレタンアクリレート;根上工業社製)
化合物B−1:EA−1020(ビスフェノールA型エポキシアクリレート;新中村化学社製)
化合物B−2:1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンのアクリレート
化合物B−3:トリアリルイソシアヌレート
化合物B−4:A9300(イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート;新中村化学社製)
化合物B−5:M215 (イソシアヌル酸変性ジアクリレート;東亞合成社製)
化合物B−6:EP−4100L(ビスフェノールA型エポキシ;ADEKA製)
Figure 2016102184
Figure 2016102184
表1、2より、本発明の粘着剤組成物は、塗布性、樹脂溶出性、密着性等に優れ、粘着シートに好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)、
    Figure 2016102184
    (式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、前記アルキル基および前記アルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。)で表される化合物を必須の単量体成分とし、一種以上の単量体を重合することにより得られる重量平均分子量500〜2,000,000のアクリル重合体(A)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記アクリル重合体(A)100質量部に対し、さらにラジカル重合性置換基またはカチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物(B)を0.01〜50質量部含有する請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 前記ラジカル重合性置換基または前記カチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物(B)が、下記一般式(II)、
    Figure 2016102184
    (式中、Rは、上記一般式(I)と同じであり、Xは直接結合、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基、O、S、SO、SS、SO、CO、OCO、または下記式(i)、(ii)若しくは(iii)、
    Figure 2016102184
    (式中、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)
    Figure 2016102184
    Figure 2016102184
    (式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニル基を表す。)で表される置換基を表し、前記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基またはハロゲン原子を表し、前記アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の整数であり、nが0でないときに存在する光学異性体は、どの異性体でもよい。)で表される請求項2記載の粘着剤組成物。
  4. 前記ラジカル重合性置換基または前記カチオン重合性置換基を有する分子量200〜500の化合物(B)が、下記一般式(III)、
    Figure 2016102184
    (式中、R31、R32、R33は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、または炭素原子数3〜10のアクリルアルキル基を表し、R31、R32、R33のうちいずれか二つまたは三つは、炭素−炭素二重結合を有する置換基である。)で表される請求項2記載の粘着剤組成物。
  5. 基材の片面または両面に請求項1〜4のいずれか記載の粘着剤組成物が塗工乾燥されてなる粘着剤層を備えたことを特徴とする粘着シート。
  6. 前記基材が光学等方性フィルムである請求項5記載の粘着シート。
  7. ディスプレイ用である請求項5または6記載の粘着シート。
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