JP2006053425A - 液晶パネルシール用光硬化性組成物及び液晶パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着性及び耐湿性に優れ、且つ、得られる液晶パネルの電圧保持率が低下しない液晶パネルシール用光硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】 1)7〜60質量%の数平均分子量が1,000〜100,000の重合体と、2)ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はリン酸基を有する重合性化合物とを含有する液晶パネルシール用光硬化性組成物であって、該光硬化性組成物が脂環式構造を20〜50質量%含有し、その内の0〜20質量%を重合性化合物が有し、5〜50質量%を重合体が有する液晶パネルシール用光硬化性組成物、及び、前記記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物の硬化物からなるシール部又は封止部を有する液晶パネルを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は液晶パネルシール用組成物に関し、更に詳しくは、光硬化性の液晶パネルシール用組成物、及び該組成物を使用したシール部又は封止部を有する液晶パネルに関する。
一般に液晶パネルは、薄膜トランジスタ、画素電極、配向膜等を備える背面基板と、カラーフィルター、電極、配向膜等を備える前面基板とを対向させ、両基板間に液晶を封入して構成されている。そして、2枚の基板を接着させる目的でシール剤が使用されている。
該シール剤には通常、熱硬化型のエポキシ系接着剤が使用されているが、これは硬化完了までに約30分以上を要し、予め位置合わせした2枚の基板に横方向のずれが生じたりすることがある。そのため近年、硬化の速い、活性エネルギー線硬化性組成物を使用したシール剤の開発が進められている。
活性エネルギー線硬化性組成物を使用したシール剤としては、例えば、ポリカーボネート変性ウレタンアクリレート、アクリルモノマー及び光重合開始剤からなる液晶パネルシール用光硬化性組成物が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。しかし、これらの液晶パネルシール用光硬化性組成物は耐湿性、即ち水蒸気バリア性に劣る傾向があった。
水蒸気バリア性に優れた液晶パネルシール用光硬化性組成物として、縮合型脂環式構造及びマレイミド基を有する光重合性化合物、及び脂環式構造及び一分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性化合物を含有する液晶パネルシール用光硬化性組成物が知られている。(例えば、特許文献3参照)。
しかし、水蒸気バリア性を高めようと、組成物中の脂環式構造の割合を増やそうとすると、接着力が低下するという問題があった。また、縮合型脂環式構造及びマレイミド基を有する光重合性化合物や、脂環式構造及び一分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性化合物は、極性が低いので液晶内に溶出し、電圧保持率が低下するといった問題もあった。
特開平7−13173号公報 特開平7−13174号公報 特開2004−70297号公報
本発明が解決しようとする課題は、接着性及び耐湿性に優れ、且つ、得られる液晶パネルの電圧保持率が低下しない液晶パネルシール用光硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、脂環式構造を有するアクリルポリマー等の(共)重合体と、極性基を有する光重合性モノマーを併用することで、耐湿性と接着性とを兼ね備えた液晶パネルシール用光硬化性組成物が得られることを見いだし、上記課題を解決した。
一般に脂環式構造は耐湿性には優れるが、ガラス基板やITO基板等の極性を有する基板界面に対する親和性が弱く、接着にはほとんど寄与しない。一方、極性基は基板界面への親和性に優れる。本発明者らは、脂環式構造は極力基板界面に触れないようにシール層の内面に局在化させ、基板界面側には、基板界面との親和性に優れる極性基を局在化させるような設計を試みた。
脂環式構造を有する化合物は極性基を有する化合物と相溶性が低く、配合量によっては相分離を起こす。本発明はこれを利用し、脂環式構造を有する化合物を高分子量化させ、これと、極性基を有する光重合性モノマーとを、全組成物中の脂環式構造の割合が特定の割合となるように配合させた。相溶性があまり高くない上に、高分子量化することでモビリティーも制限されるので、脂環式構造を有する高分子量体は、極性基を有する光重合性モノマーに取り囲まれる状態となると推定される。脂環式構造は直接基板界面に触れずに、基板界面には極性基が局在化するので、接着性が改善される。
更に、高分子量体を含有することで、光硬化時に起こる硬化収縮による接着性の低減も改善され、接着性と、脂環式構造に由来する高い耐湿性とを兼ね備えたシール剤を得ることができる。
即ち、本発明は、1)7〜60質量%の数平均分子量が1,000〜100,000の重合体と、2)ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はリン酸基を有する重合性化合物とを含有する液晶パネルシール用光硬化性組成物であって、該光硬化性組成物が脂環式構造を20〜50質量%含有し、その内の0〜20質量%を重合性化合物が有し、5〜50質量%を重合体が有する液晶パネルシール用光硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、前記記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物の硬化物からなるシール部又は封止部を有する液晶パネルを提供する。
液晶パネルシール用光硬化性組成物は、接着性及び耐湿性に優れ、且つ、得られる液晶パネルの電圧保持率が低下しない液晶デバイスを得ることができる。
セルの作成条件にもよるが、本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物を使用することで、後述の実施例の測定方法による耐湿性が12g/m2・day以下であり、後述の測定方法による接着性が600N/cm2以上であるシール剤を得ることができ、後述の実施例の測定方法による電圧保持率が88%以上の液晶デバイスを得ることができる。
(液晶パネルシール用光硬化性組成物)
(重合体)
本発明で使用する重合体は脂環式構造を含有する。本発明において、脂環式構造とは、シクロアルカン又はシクロアルケン等の、炭素数が3以上、好ましくは10以下の飽和又は不飽和単環構造、および炭素数が3以上、好ましくは10以下の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素環の2つ以上好ましくは5つ以下が縮合した構造を指す。飽和又は不飽和単環構造としては例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビシクロヘキサン環、ビシクロヘプタン環、ビシクロヘプテン環、ビシクロオクタン環、ビシクロオクテン環、ビシクロノナン環、ビシクロノネン環、ビシクロデカン環、ビシクロデセン環、ビシクロウンデカン環、ビシクロドデカン環、トリシクロノナン環、トリシクロノネン環、トリシクロデカン環、トリシクロデセン環、トリシクロウンデカン環、トリシクロドデカン環、トリシクロテトラデカン環、トリシクロペンタデカン環、トリシクロヘキサデカン環、アダマンタン環、キュバン環、メチル基等のアルキル置換基を有するトリメチルシクロヘキサン環(イソホロン環)、トリメチルビシクロヘプタン環(イソボルニル環)などが挙げられる。
これらの中でも、ビシクロデカン環、アダマンタン環、トリシクロデカン環を有する高分子化合物を含有する組成物からなる硬化物は高いTgを有するので、耐熱性に優れ、且つ、耐湿性にも優れるので、好ましい。
本発明で使用する重合体の分子量は、数平均分子量にして1,000〜100,000の範囲である。前記分子量が1,000より小さいと、硬化物は高いTgにならず耐熱性に劣る。また、前記分子量が100,000よりも大きいと、重合体のドメインが大きくなりすぎ、内部凝集力が劣る傾向がある。中でも、1,000〜40,000の範囲が好ましく、1,000〜20,000の範囲がなお好ましく、1,000〜10,000の範囲が最も好ましい。
本発明で使用する重合体の具体例としては、脂環式構造を有するポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルエーテル、ポリオレフィンなどのビニル系(共)重合体や、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルなどの(共)重合体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル(共)重合体や、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドが、合成が簡単で、任意に脂環式構造を組み込むことができ好ましい。中でも、(メタ)アクリル(共)重合体が好ましい。
脂環式構造を有するビニル系(共)重合体は、例えば、汎用のビニル系重合性モノマーと、脂環式構造を有するビニル系重合性モノマーとを共重合させて得られる。共重合方法は特に限定はないが、ラジカル重合が簡便であり好ましい。また、必要に応じて、連鎖移動剤等を使用して分子量を調整してもよい。
脂環式構造を有するビニル系モノマーとしては、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH、共栄社化学)、シクロヘキシルアクリレート(ビスコート#155、大阪有機化学)、ジシクロペンタニルアクリレート(ファンクリルFA−513A、日立化成)、ジシクロペンテニルアクリレート(ファンクリルFA−511A、日立化成)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(ファンクリルFA-512A、日立化成)、イソボニルアクリレート(アロニックスM-156、東亞合成)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(ビスコート#150、大阪有機化学)、ジシクロペンタニルメタクリレート(ファンクリルFA-513M、日立化成)、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ファンクリルFA-512M、日立化成)、イソボニルメタクリレート(SR-423、化薬サートマー)、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート(ブレンマーTBCHMA、日本油脂)等の(メタ)アクリレートや、シクロヘキシルビニルエーテル(東京化成)、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル(RAPI-CURE DVB1D、BASF)等のビニルエーテルの他、ビニルシクロヘキサン(東京化成)、アリルシクロヘキシルプロピオネート(東京化成)、アリルシクロヘキサン(東京化成)、2−アリルシクロヘキサノン(アクロス・オーガニック。インターナショナル)等が挙げられる。
汎用のビニル系重合性モノマーとしては、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリルモノマーや、スチレン、4−tert−ブトキシスチレン等のアルキルスチレン、クロロスチレン等のハロゲン化スチレン、4−エトキシスチレンや4−フェノキシスチレン等のオキシスチレンといったスチレン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩化ビニル系モノマー、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル系モノマー等が挙げられる。
また、上記脂環式構造を有するビニル系(共)重合体は、シール剤成分との相溶性を調節する目的で、ヒドロキシ基、カルボキシ基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するビニル系重合性モノマーとの共重合で得ることもできる。これらの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイロキシエチルフタレート(アロニックスM5400、東亞合成)、2−アクリロイロキシエチルー2−ヒドロキシエチルフタレート(HOA-MPE、共栄社化学)、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOA-HH、共栄社化学)、2−アクリロイロキシプロピルフタレート(ビスコート#2100、大阪有機化学)、2−ヒドロキシブチルアクリレート(ライトアクリレートHOB−A、共栄社化学)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(BHEA、日本触媒)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA、大阪有機化学)、ブタンジオールモノアクリレート、カプロラクトンアクリレート(SR-495、化薬サートマー)、ジプロピレングリコールアクリレート(ニューフロンティアDPGA、第一工業製薬)、ポリプロピレングリコールアクリレート(ブレンマーAP-400、AP-550、AP-800、日本油脂)、EO変性コハク酸アクリレート(ライトエステルHOAMS、共栄社化学)、β−カルボキシエチルアクリレート(βCEA、ダイセルUCB)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート(アロニックスM5300、東亞合成)、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(ライトエステルG-201P、共栄社化学)、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(ライトエステルHOB、共栄社化学)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(ライトエステルHOP、共栄社化学)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ライトエステルHO、共栄社化学)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(ライトエステルCL共栄社化学)、グリセロールメタクリレート(ブレンマーGLM-R、日本油脂)、グリセロールポリメタクリレート(ブレンマーGDM、日本油脂)、EO変性リン酸メタクリレート(ライトエステルP-1M、共栄社化学)、EO,PO変性フタル酸メタクリレート(ライトエステルHO-MPP、共栄社化学)、EO変性フタル酸メタクリレート(ライトエステルHO-HH、共栄社化学)、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリテトレメチレングリコールメタクリレート、EO変性コハク酸メタクリレート(ライトエステルHO-MS、共栄社化学)等の(メタ)アクリレートや、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE、丸善石油化学)、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE、丸善石油化学)、4−ビニル安息香酸などが挙げられる。
脂環式構造を有するポリエステルとしては、脂環式構造を有するジオールとジカルボン酸およびその酸無水物または酸クロリドとの縮合重合などにより得ることができる。また、これに、汎用のジカルボン酸成分、及びジオール成分を適宜共重合させてもよい。重合方法に特に限定はなく、汎用のポリエステル製造方法で合成すればよい。
脂環式構造を有するジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール(東京化成)、1,2−シクロヘキサンジメタノール(東京化成)、1,2−ジシクロヘキシル−1,2−エタンジオール(アクロス・オーガニック・インターナショナル)、4,4‘−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ビスフェノール(アクロス・オーガニック・インターナショナル)等が挙げられる。
また、脂環式構造を有するジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(東京化成)、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(東京化成)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(東京化成)、1,3−アダマンタンジカルボン酸(東京化成)、4−フェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸(アクロス・オーガニック・インターナショナル)が挙げられる。
その他、汎用のジカルボン酸成分としては、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボンル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族や脂環族二塩基酸である。また、発明の内容を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価のカルボン酸や2,2−ジメチル3−ヒドロキシプロピオン酸などのヒドロキシカルボン酸を併用しても良い。
また、汎用のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1.3−シクロヘキサンジメタノール、1,2シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールS、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサスド付加物、ビスフェノ−ルSのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノ−ルSのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルが挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲で、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併用しても良い。
脂環式構造を有するポリウレタンとしては、脂環式構造を有するジイソシアネートとジオールとの縮合重合などにより得ることができる。また、これに、汎用のジイソシアネート成分、及びジオール成分を適宜共重合させてもよい。重合方法に特に限定はなく、汎用のポリウレタン製造方法で合成すればよい。
脂環式構造を有するジイソシアネートとしては、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(アルドリッチ)、イソホロンジイソシアネート(東京化成)、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(東京化成)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(東京化成)等が挙げられる。
脂環式構造を有するポリアミドとしては、脂環式構造を有する一級ジアミンとジカルボン酸との縮合重合、ジイソシアネートとジカルボン酸の縮合重合、一分子内に脂環構造とカルボン酸と一級アミンを有する化合物の縮合重合などにより得ることができる。また、これに、汎用のジイソシアネート成分、及びジカルボン酸成分を適宜共重合させてもよい。重合方法に特に限定はなく、汎用のポリアミド製造方法で合成すればよい。
脂環式構造を有する一級ジアミンとしては、1,2−シクロヘキサンンジアミン(東京化成)、1,3−シクロヘキサンンジアミン(東京化成)、1,4−シクロヘキサンンジアミン(東京化成)、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)(東京化成)、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)(東京化成)、イソホロンジアミン(東京化成)、p−メンタン−1,8−ジアミン(アルドリッチ)、4,4‘−ジアミノジシクロヘキシルメタン(東京化成)が挙げられる。
また、一分子内に脂環構造とカルボン酸と一級アミンを有する化合物としては、トラネキサム酸(東京化成)、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(東京化成)、2−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(アクロス・オーガニック・インターナショナル)が挙げられる。
本発明で使用する重合体は、該光硬化性組成物全量に対して7〜60質量%の範囲で使用することが好ましい。該高分子化合物の含有量がこの7%未満では、高分子化合物の添加による接着力向上の効果が十分に得られず、60%を越える量では、シール剤塗布性に劣る傾向にある。中でも、10〜50質量%の範囲が特に好ましい。
本発明で使用する重合体が有する脂環式構造の割合は、下記の条件を満たすように、任意に決定する。即ち、該光硬化性組成物が該光硬化性組成物全量に対して脂環式構造を20〜50質量%含有し、そのうちの5〜50質量%を重合体が有する。
例えば、該光硬化性組成物中の脂環式構造を有する成分が重合体のみの場合には、該光硬化性組成物中の重合体の配合量と、重合体が有する脂環式構造の割合のみから、該光硬化性組成物全量に対する脂環式構造の割合は決定される。
また、該光硬化性組成物中の脂環式構造を有する成分が、重合体及び、脂環式構造を有する重合性化合物の場合には、組成物中の重合体の配合量と、脂環式構造を有する重合性化合物の配合量と、重合体が有する脂環式構造の割合とから決定される。
このようにして得られた該光硬化性組成物全量に対する脂環式構造の割合が、20〜50質量%となり、そのうちの5〜50質量%を重合体が有するように、光硬化性組成物の配合を設計する。
(ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はリン酸基を有する重合性化合物)
本発明で使用するヒドロキシ基、カルボキシ基、又はリン酸基を有する重合性化合物のうち、ヒドロキシ基、又はカルボキシ基を有する重合性化合物(以下、重合性化合物B1と略す)の重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基等が挙げられる。中でも、反応性が高いことから(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物B1としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイロキシエチルフタレート(アロニックスM5400、東亞合成)、2−アクリロイロキシエチルー2−ヒドロキシエチルフタレート(HOA-MPE、共栄社化学)、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOA-HH、共栄社化学)、2−アクリロイロキシプロピルフタレート(ビスコート#2100、大阪有機化学)、2−ヒドロキシブチルアクリレート(ライトアクリレートHOB−A、共栄社化学)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(BHEA、日本触媒)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA、大阪有機化学)、ブタンジオールモノアクリレート、カプロラクトンアクリレート(SR-495、化薬サートマー)、ジプロピレングリコールアクリレート(ニューフロンティアDPGA、第一工業製薬)、ポリプロピレングリコールアクリレート(ブレンマーAP-400、AP-550、AP-800、日本油脂)、EO変性コハク酸アクリレート(ライトエステルHOAMS、共栄社化学)、β−カルボキシエチルアクリレート(βCEA、ダイセルUCB)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート(アロニックスM5300、東亞合成)、ジアクリル化イソシアヌレート(アロニックスM215、東亞合成)、EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(RCC13-361、サンノプコ)、ECH変性1,6−ヘキサンジールジアクリレート(カヤラッドR-167、日本化薬)、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-722、ナガセ化成)、ECH変性フタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-721、ナガセ化成)、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート(アロニックスM233、東亞合成)、ECH変性プロピレングリコールジアクリレート(デナコールアクリレートDA911、DA-920、ナガセ化成)、PO変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート(エポキシエステル3002A、共栄社化学)、ECH変性グリセロールトリアクリレート(デナコールアクリレートDA-314、ナガセ化成)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM-305、東亞合成)、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(ライトエステルG-201P、共栄社化学)、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(ライトエステルHOB、共栄社化学)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(ライトエステルHOP、共栄社化学)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ライトエステルHO、共栄社化学)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(ライトエステルCL、共栄社化学)、グリセロールメタクリレート(ブレンマーGLM-R、日本油脂)、グリセロールポリメタクリレート(ブレンマーGDM、日本油脂)、EO,PO変性フタル酸メタクリレート(ライトエステルHO-MPP、共栄社化学)、EO変性フタル酸メタクリレート(ライトエステルHO-HH、共栄社化学)、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリテトレメチレングリコールメタクリレート、EO変性コハク酸メタクリレート(ライトエステルHO-MS、共栄社化学)、ECH変性エチレングリコールジメタクリレート(デナコールアクリレートDM-811、ナガセ化成)、グリセロールメタクリレートアクリレート(ブレンマーGAM-R、日本油脂)、グリセロールジメタクリレート(ブレンマーGMR、日本油脂)、ECH変性フェノキシジメタクリレート(デナコールアクリレートDM-201、ナガセ化成)、ECH変性ポリエチレングリコールジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート(エポキシエステル3002M、共栄社化学)等が挙げられる。
重合性化合物B1の配合量は、10〜60質量%の範囲が好ましく、接着性と耐湿性とのバランスのとれたシール剤とすることができる。中でも15〜55質量%の範囲がなお好ましく、25〜50質量%の範囲が最も好ましい。
また、リン酸基を有する重合性化合物(以下、重合性化合物B2と略す)の重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基等が挙げられる。中でも、反応性が高いことから(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物B2としては、例えば、EO変性リン酸トリアクリレート(ビスコート3PA、大阪有機化学)、EO変性リン酸メタクリレート(ライトエステルP-1M、共栄社化学)、EO変性リン酸ジメタクリレート(カヤマーPM-21、日本化薬)、EO変性リン酸ジメタクリレート(カヤマーP-2M、化薬サートマー)等が挙げられる。重合性化合物B2の配合量は、0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜7質量%の範囲が最も好ましい。
(脂環式構造の割合(割合A))
本発明で使用する重合体が有する脂環式構造の割合は、該光硬化性組成物が該光硬化性組成物全量に対して脂環式構造を20〜50質量%含有し、そのうちの5〜50質量%を重合体が有することを満たせば、任意に決定してよい。
例えば、該光硬化性組成物中の脂環式構造を有する成分が重合体のみの場合には、該光硬化性組成物中の重合体の配合量と、重合体が有する脂環式構造の割合のみから、該光硬化性組成物全量に対する脂環式構造の割合は決定される。
また、該光硬化性組成物中の脂環式構造を有する成分が、重合体及び、脂環式構造を有する重合性化合物の場合には、組成物中の、重合体の配合量と、脂環式構造を有する重合性化合物の配合量と、重合体が有する脂環式構造の割合とから決定される。
このようにして得られた該光硬化性組成物全量に対する脂環式構造の割合が、20〜50質量%となり、そのうちの5〜50質量%を重合体が有するように、光硬化性組成物を設計する。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物が有する脂環式構造の割合が20%未満では、十分な耐湿性が得られず、50%を越える量ではシール剤の接着性が劣る傾向にある。中でも、20〜40質量%の範囲であることが特に好ましい。
20〜50質量%の範囲のうち、0〜20質量%を重合性化合物が有し、5〜50質量%を重合体が有すると、接着性と透湿性のバランスのとれたシール剤が得られることについては、次のように推定している。
基板界面に極性基を局在化させて接着性を改善するためには、脂環式構造をなるべく基板界面に存在させないことが好ましい。しかし、重合性化合物に存在する脂環式構造が多すぎてしまうと、基板界面に脂環式構造が存在する確率が高くなり接着性が下がってしまう。実際に、重合性化合物に存在する脂環式構造の量が、組成物全量に対して20質量%を越えてしまうと接着性が下がってしまうことが判っている。しかし、透湿性を満足するためには、脂環式構造は20%以上必要である。そこで、少なくとも5質量%以上の脂環式構造を高分子量化させてシール層内部に局在化させ、重合性化合物に存在する脂環式構造は20質量%未満に押さえることで、接着性と透湿性のバランスが得られる。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物が有する脂環式構造の割合は、組成物中にある脂環式構造を構成する原子数を総和し、これを、組成物を形成する分子の分子量の総和で除して%表示して求める。脂環式構造とは、前述の脂環式構造である。
脂環式構造が水素原子以外の置換基を有する場合は、置換基の原子数は脂環式構造を構成する原子数に算入しない。
しかし、例外として、該置換基がアルキル基の場合は脂環式構造を構成する原子数にアルキル基の原子数を算入する。
具体的には、シクロヘキシルメタクリレートを使用した場合、脂環構造の総和は83.2(C11)、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレートを使用した場合(置換基:アルキル基)、脂環構造の総和は125.2(C17)、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレートを使用した場合(置換基:アルキル基以外の置換基)、脂環構造の総和は82.1(C10)である。
Figure 2006053425
シクロヘキシルメタクリレート
Figure 2006053425
3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート
Figure 2006053425
2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート
(光硬化性組成物)
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物は、組成物全量に対する脂環式構造の割合を調整する目的で、脂環式構造を有する重合性化合物を含有させることもできる。添加量は、前記記載のとおり、該脂環構造が組成物全質量の20質量%を越えない範囲とすることが好ましい。このような脂環式構造を有する重合性化合物としては、例えば、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)、シクロヘキシルアクリレート(ビスコート#155大阪有機化学)、ジシクロペンタニルアクリレート(ファンクリルFA−513A日立化成)、ジシクロペンテニルアクリレート(ファンクリルFA−511A日立化成)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(ファンクリルFA-512A日立化成)、イソボニルアクリレート(アロニックスM-156)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(ビスコート#150大阪有機化学)、ジシクロペンタニルメタクリレート(ファンクリルFA-513M日立化成)、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ファンクリルFA-512M)、イソボニルメタクリレート(SR-423化薬サートマー)、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート(ブレンマーTBCHMA日本油脂)等、単官能(メタ)アクリレートの他、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレ−ト(デナコールアクリレートDA-722ナガセ化成)、トリシクロデカンジメタノールアクリレート(カヤラッドR-684日本化薬)等の他官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
(光重合開始剤)
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物は、必要に応じて慣用の光重合開始剤や光増感剤が含まれて良い。光重合開始剤の代表的なものとしては、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンの如きアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物;2,4−ジメチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物;4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系化合物;ポリエーテル系マレイミドカルボン酸エステル化合物などが挙げられ、これらは併用して使用することもできる。中でも、チオキサントン系・アセトフェノン系の光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤の使用量は用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に対して、通常、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜8質量%である。光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルの如きアミン類が挙げられる。さらに、ベンジルスルホニウム塩やベンジルピリジニウム塩、アリールスルホニウム塩などのオニウム塩は、光カチオン開始剤として知られており、これらの開始剤を用いることも可能であり、上記の光重合開始剤と併用することもできる。
(マレイミド化合物)
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物は、光重合開始剤として、光重合開始能、及び重合性能を有するマレイミド化合物を使用すると、電圧保持率の低下の原因となるような、光重合開始剤の光分解物あるいは未反応の光重合開始剤がシール部分に残存することがないのでなお好ましい。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物に使用するマレイミド化合物は、汎用のマレイミド化合物であれば特に限定はないが、中でも、縮合型脂環式構造を有するものはガラス転移温度(以下、Tgと略す)が高く、耐湿性に優れるのでより望ましい。
マレイミド化合物としては、例えば、特開2004−70297号公報に例示されているような縮合型脂環式構造を有するマレイミド化合物を使用することができる。
ここでの縮合型脂環式構造は、炭素数が3以上、好ましくは10以下の飽和脂肪族炭化水素環の2つ以上、好ましくは5つ以下が縮合した構造を指す。縮合型脂環式構造としては、例えば、ビシクロヘキサン環、ビシクロヘプタン環、ビシクロオクタン環、ビシクロノナン環、ビシクロデカン環、ビシクロウンデカン環、ビシクロドデカン環、トリシクロデカン環、トリシクロウンデカン環、トリシクロドデカン環、トリシクロテトラデカン環、トリシクロペンタデカン環、トリシクロヘキサデカン環、アダマンタン環、キュバン環などが挙げられる。これらの縮合型脂環式構造は、カルボキシ基、スルホン酸基等の酸基を有しないもの、アミノ基、第4級アミノ基などの塩基性基を有しないものが好ましい。
これらの中でも、ビシクロデカン環、アダマンタン環、トリシクロデカン環を有するマレイミド化合物を含有する組成物からなる硬化物は、高いTgを有するので、耐熱性に優れ、且つ、耐湿性にも優れるので、好ましい。
具体的には、以下の一般式(1)〜(3)で表わされる化合物は、優れた光重合開始能を有し、且つ、これらの化合物を含有する本発明の組成物からなる硬化物が、高いTgを有し、しかも耐湿性に優れるので特に好ましい。
Figure 2006053425
(1)
Figure 2006053425
(2)
Figure 2006053425
(3)
上記一般式(1)〜(3)におけるmは1〜5の整数を、nは0〜4の整数をそれぞれ表わす。該マレイミド化合物は、特開2004−70297号公報に例示されているような方法で容易に製造することができる。
前記マレイミド化合物は、全組成物量に対して1〜30質量%の範囲で使用することが好ましく、中でも、1〜25質量%が特に好ましい。該化合物が1%未満では、実用的な光量で硬化させることが難しく、30%を超える量では、シール剤の接着性が劣る傾向にある。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物には、その他成分として、接着性を向上させるために、公知慣用のシランカップリング剤を混合することもできる。そのようなシランカップリング剤の中でも、重合性基を有するシランカップリング剤は、光硬化の際、前記光重合性モノマーと共重合し、高い接着性を得ることができるため特に好ましい。重合性基を有するシランカップリング剤として、具体的には、ビニルトリクロルシラン(KA−1003、信越化学)、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学)、p−スチリルトリメトキシシラン(KBM−1403、信越化学)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−502、信越化学)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学)等が挙げられる。
また、本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物には、粘度調整や保存安定性などの目的に応じて、フィラー、重合禁止剤、熱重合開始剤等の公知慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物は、液晶パネルを作成する時のシール剤として、また、液晶パネルに液晶材料を注入した後、注入口を封止する封止剤として使用することができる。
液晶パネルは、例えば、薄膜トランジスタ、画素電極、配向膜、カラーフィルター、電極等を備えた前面又は背面基板の、どちらか一方の基板面に本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物を塗布した後、もう一方の基板を貼りあわせ、該基板の基板面側、あるいは該基板の側面から光を照射して、本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物を硬化させる。次に、得られた液晶セルに液晶を注入後、封止剤で注入口を封止することによって、液晶パネルを作成することができる。
また、液晶パネルは、前記どちらか一方の基板面の外縁部に、額縁状に本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物を塗布し、この中に液晶を滴下した後、真空下で、もう一方の基板を貼り合わせてから光硬化させる方法によっても作成することができる。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物を基板面に塗布するには、ディスペンサーを使用するか、あるいはスクリーン印刷法を用いればよい。その場合、線幅0.08〜0.1mm、線高さ5〜50μmに塗布するのが、一般的である。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物を硬化させる為に使用する光は、紫外線又は可視光線が好ましく、中でも、300nm〜400nmの波長の光が好ましい。光源としては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を使用することができる。該光源の照度は、250W/m2以上であると、硬化が速く好ましい。照射する光量は、積算光量に換算して100J/m2以上であれば良好に硬化させることができる。また、本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物は、空気雰囲気下においても良好な光硬化性を示すが、窒素などの不活性ガス雰囲気下で光硬化させると、少ない積算光量で硬化させることができるので、より好ましい。
本発明の液晶パネルシール用光硬化性組成物は、マレイミド化合物を含有すると、汎用の光重合開始剤を使用せずに前記組成物を光硬化させることができ、液晶パネル中の液晶材料に光硬化物から光分解物がブリードすることがない。その結果、得られた液晶パネルは電圧保持率の低下を引き起こすことがない。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明する。実施例、比較例中の「部」は特に断りがない限り、「質量部」を示す。なお、評価は、接着性、耐湿性、Tg、電圧保持率、硬化性について行った。評価方法は次のとおり行った。
<接着性試験>
平均粒径が約9μmの積水化学社製の球状スペーサ−「ミクロパール SP−209」と、実施例1〜5、比較例1〜5で後述する液晶パネルシール用光硬化性組成物0.01〜0.02gを、厚さ2.7mm、大きさ76×26mmの松浪ガラス工業社製のガラス板の中心に塗布し、上からもう1枚のガラス板を十字になるように重ねた。空気雰囲気下、ガラス板の上から、高圧水銀灯を使用して50mW/cm2の紫外線を40秒照射し、接着面積が0.2〜0.4cm2である評価サンプルを得た。貼り合わせた該評価サンプルのガラス板を、上下から10mm/分の速度で接着面に対して垂直に引っ張り、ガラス基板間の接着部が破壊されるのに要する力(N)を測定し、単位面積当りの接着力(N/cm2)を評価した。
<耐湿性試験>
耐湿性の評価は、JIS Z−0208に準じて行った。40℃、相対湿度90%の条件で、24時間でシール剤を透過した水分量(g/m2・24時間)を測定した。シール剤は、実施例1〜5、比較例1〜5で後述する液晶パネルシール用光硬化性組成物をアプリケータで厚さ約200μmに基板上に塗布し、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を使用して50mW/cm2の紫外線を200秒間照射したものを使用した。
<Tg測定>
実施例1〜5、比較例1〜5で後述する液晶パネルシール用光硬化性組成物をアプリケータにて厚さ約200μmに基板上に塗布し、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を使用して50mW/cm2の紫外線を200秒間照射し、サンプルを得た。得られたサンプルをレオメトリックス社製の粘弾性測定装置「Solid Analyzer RSAII」(周波数 1Hz、5℃/分の速度で昇温)にて測定し、損失弾性率/貯蔵弾性率で表わされるtanδが極大となる温度をTgとした。
<電圧保持率試験用液晶パネルの作成>
3.5ml容量のピアーズバイアル(CV−35)に実施例1〜5、比較例1〜5で後述する液晶パネルシール用光硬化性組成物を0.1g入れ、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を使用して50mW/cm2の紫外線を200秒間、該シール剤部分に照射した後、該バイアルに、後述するTFT駆動用液晶組成物0.1gを入れ、窒素雰囲気下で130℃のオーブンに70分間静置した。EHC社製のITO付きガラスセル「KSSZ−10/A107N1NSS」に該液晶を注入し、液晶パネルエンドシール剤(スリーボンド社製の商品名「3026B」)でセル周囲を封止し、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を使用して60mW/cm2の紫外線を200秒間再照射して、液晶パネルを作製した。
Figure 2006053425
TFT駆動用液晶組成物の組成
上記TFT駆動用液晶組成物の物性
誘電率の異方性(△ε):5.30
比抵抗値 :5.2×1014Ω・m
<電圧保持率試験>
前記方法で作成した液晶パネルを、80℃の恒温漕の中に1時間放置し、同温度にて電圧5V、印加時間64マイクロ秒のパルス電圧を印加した後、当該電圧の印加を解除してから16.67ミリ秒後における当該液晶表示素子の保持電圧(V)を測定して、電圧保持率〔(V/5)×100[%]〕を求めた。
<硬化性>
実施例1〜5、比較例1〜5で後述する液晶パネルシール用光硬化性組成物をアプリケータで厚さ約10μmとなるように基板上に塗布し、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を使用して60mW/cm2の紫外線を照射した時、タックフリーとなるまでに必要なエネルギー量を算出した。
[合成例1](トリシクロデカン構造を有する高分子化合物の合成)
攪拌機及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ジシクロペンタニルアクリレート(ファンクリルFA−513A(日立化成社製))9部と2−ヒドロキシプロピルメタクリレート1部、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー1部、溶剤としてトルエン100部を仕込み、攪拌、窒素雰囲気下で95℃まで昇温し、重合開始剤としてV−59(和光純薬社製)を1部加え、95℃で2時間、後110℃で4時間攪拌し、ラジカル重合を行った。反応物をワコーゲルC−200のカラムに通し、モレキュラーシーブで一晩乾燥後、エバポレータでトルエンを留去して、(共)重合体1を得た。数平均分子量は1350、分散度は1.70であった(GPC測定によるポリスチレン換算)。
[合成例2](ノルボルネン骨格を有する(共)重合体の合成)
攪拌機及び温度計を備えた4つ口フラスコに、イソボルニルアクリレート(ニューフロンティアIBA(第一工業製薬社製)6部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部、溶剤としてトルエン100部を仕込み、攪拌、窒素雰囲気下で95℃まで昇温し、パーヘキシルPV(日本油脂社製)1部を加え、85℃で2時間、後110℃で4時間攪拌し、ラジカル重合を行った。反応物をワコーゲルC−200のカラムに通し、モレキュラーシーブで一晩乾燥後、エバポレータでトルエンを留去して、(共)重合体2を得た。数平均分子量は4352、分散度は2.10であった(GPC測定によるポリスチレン換算)。
[合成例3](トリシクロデカン構造を有する(共)重合体の合成・エポキシとカルボン酸の縮合による)
攪拌機及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ジシクロペンタジエンジオキシド(DCPDDO丸善石油化学)10部とコハク酸8部とトリフェニルホスフィン0.5部、溶剤としてトルエン100部を仕込み、116℃で6時間、加熱還流を行った。反応溶液を7.5%硫酸100部で3回、蒸留水100部で5回洗浄し、モレキュラーシーブで一晩乾燥後、エバポレータでトルエンを留去して、(共)重合体3を得た。数平均分子量は3602、分散度は1.75であった(GPC測定によるポリスチレン換算)。
[合成例4](トリシクロデカン構造を有するジマレイミドの合成)
攪拌機及び温度計を備えた4つ口フラスコに、マレイミド酢酸ブチルエステル(以下、MIABと略す。)60部と、丸善石油化学社製のビス−ヒドロキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン27部と、ヒドロキノン0.12部、ジオクチルチンオキシド0.5部を仕込み、減圧下127℃まで昇温し、生成するブタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。反応物を同量のトルエンに希釈し、該トルエン溶液と同量の7.5質量%硫酸水溶液を用いて洗浄を3回繰り返した。硫酸マグネシウムで一晩乾燥後、エバポレータでトルエンを留去して、下記式(4)で表わされるマレイミド化合物(分子式=C2222、分子量=442.42)を得た。この化合物の縮合型脂環式構造部分の分子式はC1014(分子量=134.22)であるので、この化合物中の縮合型脂環式構造部分の割合は、30.3質量%であった。
Figure 2006053425
(4)
[比較合成例1]
攪拌機及び温度計を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート7部と2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、溶剤としてトルエン100部を仕込み、攪拌、窒素雰囲気下で95℃まで昇温し、V−59(和光純薬)1部を加え、95℃で2時間、後110℃で4時間攪拌し、ラジカル重合を行った。反応物をワコーゲルC−200のカラムに通し、モレキュラーシーブで一晩乾燥後、エバポレータでトルエンを留去して、(共)重合体4を得た。数平均分子量は1779、分散度は1.73であった(GPC測定によるポリスチレン換算)。
[比較合成例2]
攪拌機及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ジシクロペンタニルアクリレート(ファンクリルFA−513A(日立化成社製))1部と2−ヒドロキシプロピルメタクリレート9部、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー1部、溶剤としてトルエン100部を仕込み、攪拌、窒素雰囲気下で95℃まで昇温し、V−59を1部加え、95℃で2時間、後110℃で4時間攪拌し、ラジカル重合を行った。反応物をワコーゲルC−200のカラムに通し、モレキュラーシーブで一晩乾燥後、エバポレータでトルエンを留去して、(共)重合体5を得た。数平均分子量は1980、分散度は2.23で合った(GPC測定によるポリスチレン換算)。
[実施例1]
合成例1で得た(共)重合体1を20部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)25部、ECH変性フタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-721ナガセ化成)20部、合成例4で得たマレイミド化合物15部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部を、60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は30.6質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は11.8質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[実施例2])
合成例2で得た(共)重合体2を20部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)25部、ECH変性フタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-721ナガセ化成)20部、合成例4で得たマレイミド化合物15部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部を、60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は26.7質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は7.9質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[実施例3]
合成例3で得た(共)重合体3を20部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)25部、ECH変性フタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-721ナガセ化成)20部、合成例4で得たマレイミド化合物15部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部を、60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は28.2質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は9.4質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[実施例4]
合成例1で得た(共)重合体1を20部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、PO変性ビスフェノールAメタクリレート(ファンクリルFA−321M、日立化成)20部、EO変性リン酸ジメタクリレート(カヤマーP-2M化薬サートマー)5部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)15部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部、合成例3で得たマレイミド化合物15部を60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は24.5質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は11.8質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[実施例5]
合成例1で得た(共)重合体1を20部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)33部、ECH変性フタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-721ナガセ化成)20部、ベンジルジメチルケタール(イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)7部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)15部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部を、60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は28.4質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は11.8質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、(共)重合体1を0部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)を35部に変更した以外は、実施例1と同様にして、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は27.6質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[比較例2]
合成例1で得た(共)重合体1を50部、合成例4で得たマレイミド化合物15部、ジシクロペンタニルアクリレート(FA-513A日立化成)30部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部を、60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は53.7質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は29.5質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[比較例3]
合成例2で得た(共)重合体2を10部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート33部、PO変性ビスフェノールAメタクリレート(ファンクリルFA−321M、日立化成)35部、EO変性リン酸ジメタクリレート(カヤマーP-2M化薬サートマー)5部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部、合成例3で得たマレイミド化合物15部を60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は8.6質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は4.0質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[比較例4]
実施例1において、合成例1で得た(共)重合体1を比較合成例1で得た(共)重合体4に変えた以外は実施例1と同様にして、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は18.8質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は0質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
[比較例5]
比較合成例2で得た(共)重合体5を10部、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート(HOAHH共栄社)25部、ECH変性フタル酸ジアクリレート(デナコールアクリレートDA-721ナガセ化成)20部、合成例4で得たマレイミド化合物15部、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート(IRR214ダイセルUCB)25部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の商品名「KBM5103」)2部を、60℃で攪拌し、液晶パネルシール用光硬化性組成物を得た。この組成物全量に対する脂環式構造の合計割合は23.9質量%、また、この組成物全量に対する(共)重合体の脂環構造の割合は0.7質量%であった。該組成物について、前記評価方法に従い評価して、その結果を表1に示した。
Figure 2006053425
表1に示した結果から、実施例1〜5は、接着性、耐湿性、Tg、電圧保持率及び耐熱性の全てにおいて優れていた。これに対し、重合体を含まない比較例1は接着性に劣っていた。脂環式構造の割合が50%を越える比較例2は接着性に劣っていた。一方、脂環式構造の割合が10%に満たない比較例3は、耐湿性に劣っていた。
比較例4は、重合体が有する脂環式構造の割合が5%に満たない例であるが、耐湿性に劣っていた。比較例5は、重合性化合物が有する脂環式構造の割合が20%を越える例であるが、これは接着性に劣っていた。

Claims (9)

  1. 1)7〜60質量%の数平均分子量が1,000〜100,000の重合体と、2)ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はリン酸基を有する重合性化合物とを含有する液晶パネルシール用光硬化性組成物であって、該光硬化性組成物が脂環式構造を20〜50質量%含有し、その内の0〜20質量%を重合性化合物が有し、5〜50質量%を重合体が有することを特徴とする液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  2. 前記1)重合体が、脂環式構造を有する重合性化合物と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はリン酸基を有する重合性化合物とを必須原料とするビニル系(共)重合体である、請求項1に記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  3. 脂環式構造を有する重合性化合物を含有する、請求項1に記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  4. 前記2)ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する重合性化合物を、該光硬化性組成物全量に対して10〜60質量%含有する、請求項1に記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  5. 前記2)リン酸基を有する重合性化合物を、該光硬化性組成物全量に対して0.1〜10質量%含有する、請求項1に記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  6. 前記重合性化合物が(メタ)アクリレートである、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  7. マレイミド化合物を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  8. 前記マレイミド化合物が縮合環脂環式構造を有する、請求項7に記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の液晶パネルシール用光硬化性組成物の硬化物からなるシール部又は封止部を有することを特徴とする液晶パネル。







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