JP2014000846A - 船舶のパワーステアリング装置、船舶 - Google Patents

船舶のパワーステアリング装置、船舶 Download PDF

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幹佳 小林
Ai Habuka
藍 羽深
Yoshihiro Harada
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Abstract

【課題】船体の水面に対する傾斜角度が変わっても操舵フィーリングに与える影響を抑制できる装置を提供する。
【解決手段】ハンドル操作に応じてハンドルが装着される船体の進行方向に対して交差する方向に船体の推進力を発生する船外機を回転させる船舶のパワーステアリング装置であって、ハンドルを操作する操舵力を補助する補助力を付与する電動モータと、電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出部120と、を備え、目標電流算出部120は、船体の水面に対する傾斜角度に応じて目標電流ITを変更する。
【選択図】図9

Description

本発明は、船舶のパワーステアリング装置および船舶に関する。
近年、船舶の操舵系に電動モータからなる操舵駆動装置を用いてステアリング操作を行うステアリング装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の船外機のステアリング装置は、以下のように構成されている。すなわち、船体の幅方向に操舵される船外機本体と、この船外機本体を船体に支持させるブラケットと、を備えた船外機において、船外機本体を操舵可能とするステアリング力を発生する電動モータを備え、ブラケットに固定されたパワーユニットと、このパワーユニットからのステアリング力を船外機本体へ伝達する伝達機構と、運転員が操作するステアリングハンドル部の操作回転角度および操作回転方向を検出するセンサ部と、このセンサ部からの検出信号に基づきパワーユニットの電動モータを制御するコントローラと、を有する。
特開平4−38297号公報
船舶の船体の水面に対する傾斜角度が変わると船体の進行に対する水の抵抗が変わるおそれがある。
本発明は、船体の水面に対する傾斜角度が変わっても操舵フィーリングに与える影響を抑制できる装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、ハンドル操作に応じて当該ハンドルが装着される船体の進行方向に対して交差する方向に当該船体の推進力を発生する船外機を回転させる船舶のパワーステアリング装置であって、前記ハンドルを操作する操舵力を補助する補助力を付与する電動モータと、前記電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、を備え、前記目標電流算出手段は、前記船体の水面に対する傾斜角度に応じて前記目標電流を変更することを特徴とする船舶のパワーステアリング装置である。
ここで、前記目標電流算出手段は、前記船体に対する前記船外機の本体の角度であるチルト角度に応じて前記目標電流を変更するとよい。
また、前記目標電流算出手段は、前記チルト角度が大きくなるのに従って前記目標電流を小さくするとよい。
他の観点から捉えると、本発明は、ハンドルが装着される船体と、前記船体の推進力を発生する船外機と、前記ハンドル操作に応じて前記船体の進行方向に対して交差する方向に前記船外機を回転させるパワーステアリング装置と、を備え、前記パワーステアリング装置は、前記ハンドルを操作する操舵力を補助する補助力を付与する電動モータと、当該電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、を有し、前記目標電流算出手段は、前記船体の水面に対する傾斜角度に応じて前記目標電流を変更することを特徴とする船舶である。
ここで、前記船体に対する前記船外機の本体の角度であるチルト角度を調整するチルト装置をさらに備え、前記パワーステアリング装置の前記目標電流算出手段は、前記チルト角度に応じて前記目標電流を変更するとよい。
また、前記パワーステアリング装置の前記目標電流算出手段は、前記チルト角度が大きくなるのに従って前記目標電流を小さくするとよい。
本発明によれば、船体の水面に対する傾斜角度が変わっても操舵フィーリングに与える影響を抑制することができる。
本実施の形態に係る船舶の概略構成図である。 船外機の概略構成図である。 チルト装置の概略構成を示す部分断面図である。 船外機の船外機本体に対する船体の姿勢を示す図である。 操舵油圧発生ユニットの外観図である。 操舵油圧発生ユニットの部分断面図である。 トルクセンサを詳細に示す拡大図である。 制御装置の概略構成図である。 目標電流算出部の概略構成図である。 制御部の概略構成図である。 船体の進行方向を変えるのに必要な出力トルクをエンジン回転速度毎に示した図である。 操舵トルクおよびエンジン回転速度と、ベース電流との対応を示すマップを例示する図である。 チルト角度と補正係数との相関関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る船舶1の概略構成図である。(a)は、船舶1を上方から見た図であり、(b)は、(a)のIb部の拡大図である。以下の説明において、前後、左右とは、船舶1の直進状態における進行方向を前方、進行方向の左側を左方向、進行方向の右側を右方向とする。
船舶1は、船体2と、この船体2に設けられた船室2aの前部に設けられたインパネ3と、インパネ3に回転自在に取り付けられた輪状のステアリングホイールであるハンドル4と、ハンドル4の中心から延びるハンドル軸5と、ハンドル軸5に接続されて、ハンドル4の回転量に応じた油圧を発生する操舵油圧発生ユニット6と、を備えている。
また、船舶1は、船体2の後端部に円筒状の操舵シリンダ7と、操舵シリンダ7内の空間を右室7Rと左室7Lとに区画するピストン8と、ピストン8を保持して操舵シリンダ7を軸方向に貫通して軸方向に移動可能なピストンロッド9と備えている。そして、船舶1は、操舵油圧発生ユニット6と操舵シリンダ7の右室7Rとに接続された右転向用配管10Rと、操舵油圧発生ユニット6と操舵シリンダ7の左室7Lとに接続された左転向用配管10Lとを備えている。右転向用配管10Rおよび左転向用配管10Lには、ハンドル4の回転方向に応じていずれか一方側に油圧が与えられる。
また、船舶1は、推進力を発生する船外機20と、船外機20に一端が取り付けられた棒状のステアリングアーム11と、ピストンロッド9の操舵シリンダ7の一端側から突出している一端部とステアリングアーム11の他端とに取付けられたリンク12とを備えている。
なお、ハンドル4、ハンドル軸5および操舵油圧発生ユニット6などは、ハンドル操作に応じて船体2の進行方向に対して交差する方向に船外機20を回転させる船舶1のパワーステアリング装置として機能する。
<船外機>
先ずは、船外機20について説明する。
図2は、船外機20の概略構成図である。
船外機20は、クランク軸(不図示)の軸方向が水面に対して垂直方向(上下方向)に向くように置かれたエンジン(不図示)と、そのクランク軸の下端に回転一体に連結されて鉛直下方に延びるドライブ軸(不図示)と、このドライブ軸とべべルギヤ機構を介して連結されたプロペラ軸21と、このプロペラ軸21の後端に装着されたプロペラ22とを有している。
また、船外機20は、垂直方向(上下方向)に設けられたスイベルシャフト23(図1参照)と、水面に対して水平方向に設けられた水平軸24と、スイベルシャフト23が回動自在に収容されるスイベルケース25と、スイベルケース25を船体2に接続するスターンブラケット26と、船体2に対する船外機20の船外機本体20aのチルト角度を調整するチルト装置30(図3も参照)と、を有している。
図3は、チルト装置30の概略構成を示す部分断面図である。
チルト装置30は、スターンブラケット26の最下部に設けられたロアーピボット軸31と、スイベルケース25における水平軸24よりも後方部位に設けられたアッパーピボット軸32とを有している。また、チルト装置30は、上端がアッパーピボット軸32に連結されたチルト用油圧シリンダ33と、このチルト用油圧シリンダ33内の空間を移動可能であり下端がロアーピボット軸31に連結されたピストンロッド34とを有している。
また、チルト装置30は、チルト用油圧シリンダ33内に油圧を供給するチルト用油圧ポンプ(不図示)と、チルト用油圧ポンプを駆動するチルト用モータ(不図示)と、チルト用油圧ポンプとチルト用油圧シリンダ33とを接続する2つのチルト用油圧配管(不図示)とを備えている。
このチルト装置30は、インパネ3に設けられたチルトスイッチ(不図示)の操作に基づいて動作する。チルトスイッチにはプラス、零、マイナスの3モードがある。
図4は、船外機20の船外機本体20aに対する船体2の姿勢を示す図である。
以上のように構成されたチルト装置30により、チルト用油圧シリンダ33が縮んでいる場合は、図4(a)に示すように、船体2と水面とが平行になる状態で、船外機20の船外機本体20aが直立してプロペラ軸21が水面と水平となる。
使用者がチルトスイッチのプラスモードを操作し続けると、チルト用油圧ポンプの油圧が2つのチルト用油圧配管の内の一方の配管を経てチルト用油圧シリンダ33に加わり、チルト用油圧シリンダ33が伸びて船外機20の船外機本体20aが水平軸24を支点に、船体2に対して反時計回転方向に回転する。そして、図4(b)に示すように、船外機20の船外機本体20aが船体2に対して傾き、船外機20の船外機本体20aが直立してプロペラ軸21が水面と水平となる状態で船体2が水面に対して傾く。以下では、図4(a)に示した状態(チルト用油圧シリンダ33が縮んでいる状態)から、船外機20の船外機本体20aが船体2に対して傾いた角度をチルト角度θと称す。
他方、使用者がチルトスイッチのマイナスモードを操作し続けると、チルト用油圧ポンプの油圧が2つのチルト用油圧配管の内の他方の配管を経てチルト用油圧シリンダ33に加わり、チルト用油圧シリンダ33が縮んで船外機20の船外機本体20aが水平軸24を支点に時計回転方向に回転する。そして、チルト角度θが小さくなる。
これらの動作の途中でチルトスイッチの零モードに操作すると、船外機20の船外機本体20aが任意のチルト角度θで停止する。
<操舵油圧発生ユニット>
次に、操舵油圧発生ユニット6について説明する。
図5は操舵油圧発生ユニット6の外観図である。図6は操舵油圧発生ユニット6の部分断面図である。図7はトルクセンサを詳細に示す拡大図である。
操舵油圧発生ユニット6は、ハンドル4に加えられた操舵トルクThに対してアシストトルクTaを加えて出力する電動アシスト装置40と、公知の斜板式アキシャルピストンポンプであるヘルムポンプ50と、電動アシスト装置40から出力された動力をヘルムポンプ50に伝達する伝達機構60とを備えている。
操舵油圧発生ユニット6は、ハンドル4から延びるハンドル軸5の軸線であるアシスト装置中心軸線C1とヘルムポンプ50のポンプ軸51の軸線であるポンプ中心軸線C2が平行するよう並列配置されて一体化されたユニットであり、ハンドル4に加えられた操舵トルクThに電動アシスト装置40のアシストトルクTaを加えた出力トルクTtに対応する油圧をヘルムポンプ50の吐出口から吐出する。
電動アシスト装置40は、ハンドル4から延びるハンドル軸5とジョイント5aを介して連結された入力軸41と、電動モータ42と、ハンドル4に加えられた操舵トルクThを検出するトルクセンサ70と、トルクセンサ70の検出値に基づいて電動モータ42の駆動を制御する制御装置100とを備えている。そして、電動アシスト装置40は、電動モータ42によるアシストトルクTaをハンドル4に加えられた操舵トルクThに加えて合成した操舵力を出力する出力軸43を備えている。
入力軸41と出力軸43とはトーションバー44を介して連結されている。トーションバー44の上端部44aはピン45により入力軸41の上端部と連結されており、トーションバー44の下端部44bは、出力軸43の上端部43aに形成された軸穴43bに嵌合され、セレーション結合で上端部43aと連結されている。それゆえ、ハンドル4へ加えられた操舵トルクThと出力軸43におけるヘルムポンプ50側からの負荷との間にトルク差が生じ、トーションバー44が捩れて、入力軸41と出力軸43とは相対回転する。
また、電動アシスト装置40は、出力軸43の外周に、電動モータ42の回転軸に装着されるウォームギヤ(不図示)と噛み合うウォームホイール47と、ウォームホイール47、ウォームギヤなどを収容するギヤケース48とを有している。また、電動アシスト装置40は、この電動アシスト装置40をインパネ3に支持するための支持部材49を有している。
トルクセンサ70は、入力軸41と出力軸43との相対回転角度、言い換えればトーションバー44の捩れ量を検出することにより、電動アシスト装置40にてアシストに必要なトルクを検出する。
このトルクセンサ70は、入力軸41の外周面を囲み、コイル71を保持する保持部材72と、コイル71の内側と対向するように配置されたコア73とを備えている。コイル71は、上下2段から構成されるコイル71aおよびコイル71bを有している。
コア73は、環状のアルミ合金からなり、円筒状のリング74の外周部に嵌め込まれて一体化されている。リング74には、螺旋状に貫通された螺旋溝74aと、軸方向の縦溝74bとが形成されており、螺旋溝74aには入力軸41に半径方向外側へ突出するように設けられたトルクピン75が嵌め込まれ、縦溝74bには出力軸43に半径方向外側へ突出するように設けられたガイドピン76が嵌め込まれている。また、リング74における下方には、トーションバー44が捩れていない中立時にトルクピン75が螺旋溝74aの中央に位置するようにリング74を付勢するコイルスプリング77が設けられている。
このように構成されたトルクセンサ70においては、ハンドル4から入力軸41へ操舵トルクThが加えられると、入力軸41と一体のトルクピン75によりリング74は入力軸41の回りに回転しようとするが、出力軸43と一体のガイドピン76により回転が抑制され、リング74はコイルスプリング77に抗して軸方向へ移動する。リング74が軸方向に移動すると、コイル71aおよびコイル71bそれぞれがコア73を囲む面積が変化し、一方の面積が増すと他方の面積が減る関係にある。コイル71aおよびコイル71bの内、コア73を囲む面積が大きくなったコイルのインダクタンスは減り、逆にコア73を囲む面積が小さくなったコイルのインダクタンスは増す。そして、コイル71aおよびコイル71bのインダクタンスの変化に基づく電圧変化が制御装置100に伝送される。
ヘルムポンプ50は、上部に2つの吐出口である右吐出口52Rおよび左吐出口52Lを有している。右吐出口52Rは右転向用配管10Rへ接続され、左吐出口52Lは左転向用配管10Lへ接続されている。このヘルムポンプ50は、公知の斜板式アキシャルピストンポンプであり、アキシャルピストンによる圧油の吐出回数が多いほどポンプ効率が高くなり、アキシャルピストンによる圧油の吐出回数は、ポンプ軸51の回転を速くすることにより実現される。ゆえに、電動アシスト装置40にてハンドル4に加えられた操舵トルクThにアシストトルクTaを加えてポンプ軸51へ伝達すれば、ポンプ軸51の回転が早くなりポンプ効率が高まる。その結果、船舶1の転舵動作が迅速になり、レスポンス性が向上するとともに操舵負荷が軽くなる。
伝達機構60は、ギヤ機構として構成され、電動アシスト装置40の出力軸43に取付けられた駆動ギヤ61とヘルムポンプ50のポンプ軸51に取付けられた従動ギヤ62とで構成されている。これら駆動ギヤ61および従動ギヤ62は、伝達機構カバー63にて覆われている。
以上のように構成された船舶1においては、ハンドル4を右に回すと、操舵油圧発生ユニット6からアシスト駆動により加圧された油圧が右転向用配管10Rから右室7Rへ入り、ピストン8を左へ移動させる。このピストン8の移動により縮小される左室7Lの作動油は左転向用配管10Lより操舵油圧発生ユニット6へ戻されると同時に、ピストンロッド9は左へ伸び出し、リンク12がステアリングアーム11の先端側を左側へ引っ張るので、ステアリングアーム11と一体の船外機20はスイベルシャフト23を中心にして反時計回転方向に回り、船体2を右方へ旋回するように転舵する。
一方、ハンドル4を左に回すと、操舵油圧発生ユニット6からアシスト駆動により加圧された油圧が左転向用配管10Lから左室7Lへ入り、ピストン8を右へ移動させる。このピストン8の移動により縮小される右室7Rの作動油は右転向用配管10Rより操舵油圧発生ユニット6へ戻されると同時に、ピストンロッド9は右へ伸び出し、リンク12がステアリングアーム11の先端側を右側へ引っ張るので、ステアリングアーム11と一体の船外機20はスイベルシャフト23を中心にして時計回転方向に回り、船体2を左方へ旋回するように転舵する。
本実施の形態に係る操舵油圧発生ユニット6は電動アシスト装置40を備えるので、ハンドル4を回すと、操舵油圧発生ユニット6による油圧は、ハンドル4に対する操舵トルクThによる油圧よりも大きくなる。
<制御装置>
次に、電動アシスト装置40の電動モータ42の駆動を制御する制御装置100について説明する。
図8は、制御装置100の概略構成図である。
制御装置100は、CPU、ROM、RAMなどを有する算術論理演算回路である。制御装置100は、トルクセンサ70からの出力信号に基づいて操舵トルクThを演算するトルク演算部110と、トルク演算部110にて演算された操舵トルクThに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ42が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出手段の一例としての目標電流算出部120と、目標電流算出部120が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部130とを有している。
トルク演算部110は、トルクセンサ70のコイル71aおよびコイル71bのインダクタンスの変化に基づく電圧変化でコア73の移動量を検出し、これをトルク量に換算することで操舵トルクThを検出する。そして、検出した操舵トルクThに応じたトルク信号Tdを、目標電流算出部120へ向けて出力する。
図9は、目標電流算出部120の概略構成図である。
目標電流算出部120は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部121と、目標電流を設定する上で基準となるベース電流IBを算出するベース電流算出部122と、チルト角度に応じた補正係数αを設定する補正係数設定部123と、を備えている。また、目標電流算出部120は、ベース電流算出部122が算出したベース電流IBと、補正係数設定部123が設定した補正係数αとに基づいて目標電流を決定する目標電流決定部124を備えている。
なお、目標電流算出部120には、トルク信号Tdと、船外機20のエンジンの回転速度Nmを検出するエンジン回転速度センサ(不図示)にて検出されたエンジン回転速度Nmが出力信号に変換されたエンジン回転速度信号Nmsなどが入力される。
ベース電流算出部122および補正係数設定部123については、後で詳述する。
目標電流決定部124は、ベース電流算出部122が算出したベース電流IBと、補正係数設定部123が設定した補正係数αとに基づいて目標電流ITを決定する。例えば、目標電流決定部124は、ベース電流IBに補正係数αを乗算することにより得た値を目標電流ITとして決定する。
図10は、制御部130の概略構成図である。
制御部130は、電動モータ42の作動を制御するモータ駆動制御部131と、電動モータ42を駆動させるモータ駆動部132と、電動モータ42に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部133とを有している。
モータ駆動制御部131は、目標電流算出部120にて最終的に決定された目標電流ITと、モータ電流検出部133にて検出された電動モータ42へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部140と、電動モータ42をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部160とを有している。
フィードバック制御部140は、目標電流算出部120にて最終的に決定された目標電流ITとモータ電流検出部133にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部141と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部142とを有している。
フィードバック(F/B)処理部142は、目標電流ITと実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部141にて算出された目標電流ITと実電流Imとの偏差に対して、比例要素で比例処理した信号を出力し、積分要素で積分処理した信号を出力し、加算演算部でこれらの信号を加算する。
PWM信号生成部160は、フィードバック制御部140からの出力値に基づいてPWM信号を生成する。
モータ駆動部132は、所謂インバータであり、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ42の駆動を制御する。
モータ電流検出部133は、モータ駆動部132に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ42に流れる実電流Imの値を検出する。
次に、目標電流算出部120のベース電流算出部122について説明する。
船外機20のプロペラ22の回転反力の作用で、船体2には直進航行を阻害する方向の力が作用する。つまり、ハンドル4を操作しない場合には、プロペラ22の回転反力の影響により、船体2は直進せずにいずれかの方向に回転する。
図11は、船体2の進行方向を変えるのに必要な出力トルクTtをエンジン回転速度毎に示した図である。
図11に示すように、プロペラ22の回転反力の影響で、船体2を右方向に回転させるのに必要な出力トルクTtの方が、船体2を左方向に回転させるのに必要な出力トルクTtよりも大きい。また、エンジン回転速度、言い換えればプロペラ22の回転速度が高い方が、エンジン回転速度が低い場合よりも出力トルクTtが大きくなる。
それゆえ、船体2の進行方向を変える際に使用者がハンドル4を操作する操舵トルクThを左右同じトルクとするためには、電動アシスト装置40によるアシストトルクTaを左方向と右方向とで変える必要がある。また、エンジン回転速度と無関係に操舵トルクThを同じにするためには、電動アシスト装置40によるアシストトルクTaをエンジン回転速度に応じて変える必要がある。
そこで、ベース電流算出部122は、トルクセンサ70からの出力値に基づく操舵トルクThと、エンジン回転速度センサにて検出されたエンジン回転速度Nmとに基づいてベース電流IBを算出する。
図12は、操舵トルクThおよびエンジン回転速度Nmと、ベース電流IBとの対応を示すマップを例示する図である。
例えば、ベース電流算出部122は、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクThおよびエンジン回転速度Nmとベース電流IBとの対応を示す図12に示したようなマップに、操舵トルクThおよびエンジン回転速度Nmを代入することによりベース電流IBを算出する。
次に、補正係数設定部123について説明する。
低速走行時には、船体2に対する水の抵抗は小さいため、船体2は水面に対して傾き難いが、高速走行時には、船体2に対する水の抵抗が大きいため、船体2は水面に対して傾き易い。そして、操縦者は、船体2が水面に対して傾いた場合には、船外機20のプロペラ軸21が水面と平行となるようにチルト角度θを変更する。
また、水面に対する船体2の傾きに応じて船体2の進行方向を変えるのに必要な出力トルクTtが変わる。例えば、船体2が水面に対して傾く角度(以下、「船体角度」と称す。)が大きくなるのに応じて進行方向を変えるのに必要な出力トルクTtが小さくなる。かかる場合、船体角度が大きくなるのに応じて電動アシスト装置40によるアシストトルクTaを小さくしても、船体角度に関わらず、船体2の進行方向を変えるのに必要な出力トルクTtは等しくなる。言い換えれば、船体角度に関わらず、船体2の進行方向を変える際の操縦者の操舵トルクThを同じとするためには、電動アシスト装置40によるアシストトルクTaを船体角度に応じて変える必要がある。
そこで、補正係数設定部123は、船体2の水面に対する傾き(船体角度)に応じてベース電流IBを補正する補正係数αの値を変更する。本実施の形態に係る目標電流決定部124がベース電流IBに補正係数αを乗算することにより得た値を目標電流ITとして決定する場合には、補正係数設定部123においては、船体2の水面に対する傾きが大きいときの補正係数αの値を、傾きが零の場合よりも小さくする。
また、本実施の形態に係る補正係数設定部123においては、操縦者が、船体2が水面に対して傾いた場合には、船外機20のプロペラ軸21が水面と平行となるようにチルト角度θを変更することに鑑み、船体2の水面に対する傾き(船体角度)とチルト角度θとが等しいとして、チルト角度θに応じた補正係数αを設定する。つまり、チルト角度θは、船外機20の船外機本体20aが直立してプロペラ軸21が水面と水平となる状態で船体2が水面に対して傾いた角度であるとして、チルト角度θに応じた補正係数αを設定する。
図13は、チルト角度θと補正係数αとの相関関係を示す図である。
本実施の形態に係る補正係数設定部123は、チルト角度θに応じて、補正係数αが図13に示すような値となるように補正係数αを設定する。
チルト角度θを把握する手法としては、インパネ3に設けられたチルトスイッチの操作に基づいて把握することを例示することができる。例えば、チルトスイッチのプラスモードの操作履歴とマイナスモードの操作履歴とから把握すればよく、プラスモードが操作された分、チルト角度θをプラスし、マイナスモードが操作された分、チルト角度θをマイナスすることで把握することができる。
また、チルト角度θを検出するセンサを設けることでチルト角度θを把握してもよい。例えば、チルト装置30と船外機20の船外機本体20aとの間の距離を検出するセンサを、チルト装置30あるいは船外機本体20aに設け、このセンサの出力値に基づいて制御装置100がチルト角度θを演算してもよい。
以上のように構成された制御装置100においては、ベース電流算出部122が、操舵トルクThおよびエンジン回転速度Nmに応じてベース電流IBを算出するので、ハンドル4の操作方向あるいはエンジン回転速度に応じて、ハンドル4の操舵フィーリングが変化することを抑制することができる。
また、補正係数設定部123が、チルト角度θ、言い換えれば船体角度に応じて補正係数αを変えるので、船体角度に応じて電動モータ42の目標電流が変わる。これにより、電動アシスト装置40によるアシストトルクTaが船体角度に応じて変わる。その結果、船体角度に応じて操舵フィーリングが変化することを抑制することができる。
1…船舶、2…船体、4…ハンドル、6…操舵油圧発生ユニット、20…船外機、20a…船外機本体、21…プロペラ軸、22…プロペラ、30…チルト装置、40…電動アシスト装置、42…電動モータ、50…ヘルムポンプ、100…制御装置、120…目標電流算出部、130…制御部

Claims (6)

  1. ハンドル操作に応じて当該ハンドルが装着される船体の進行方向に対して交差する方向に当該船体の推進力を発生する船外機を回転させる船舶のパワーステアリング装置であって、
    前記ハンドルを操作する操舵力を補助する補助力を付与する電動モータと、
    前記電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、
    を備え、
    前記目標電流算出手段は、前記船体の水面に対する傾斜角度に応じて前記目標電流を変更することを特徴とする船舶のパワーステアリング装置。
  2. 前記目標電流算出手段は、前記船体に対する前記船外機の本体の角度であるチルト角度に応じて前記目標電流を変更することを特徴とする請求項1に記載の船舶のパワーステアリング装置。
  3. 前記目標電流算出手段は、前記チルト角度が大きくなるのに従って前記目標電流を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の船舶のパワーステアリング装置。
  4. ハンドルが装着される船体と、
    前記船体の推進力を発生する船外機と、
    前記ハンドル操作に応じて前記船体の進行方向に対して交差する方向に前記船外機を回転させるパワーステアリング装置と、
    を備え、
    前記パワーステアリング装置は、前記ハンドルを操作する操舵力を補助する補助力を付与する電動モータと、当該電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、を有し、
    前記目標電流算出手段は、前記船体の水面に対する傾斜角度に応じて前記目標電流を変更することを特徴とする船舶。
  5. 前記船体に対する前記船外機の本体の角度であるチルト角度を調整するチルト装置をさらに備え、
    前記パワーステアリング装置の前記目標電流算出手段は、前記チルト角度に応じて前記目標電流を変更することを特徴とする請求項4に記載の船舶。
  6. 前記パワーステアリング装置の前記目標電流算出手段は、前記チルト角度が大きくなるのに従って前記目標電流を小さくすることを特徴とする請求項5に記載の船舶。
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