JP5174787B2 - 船外機の操舵装置 - Google Patents
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操舵装置のなかには、ステアリングホイール(以下、「操舵ハンドル」という)および油圧ヘルムポンプ(油圧操舵ポンプ)間にアシスト機構を設け、このアシスト機構で操舵ハンドルの操舵力(操作力)をアシスト(補助)するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
ヘルム機構の駆動軸を作動することで、ヘルム機構からオイルが吐出され、吐出されたオイルが舵取り手段に導かれる。舵取り手段にオイルが導かれることで、オイルで舵取り手段を作動させて船外機を操舵することができる。
よって、特許文献1の操舵装置を船体に設置するためには船体に比較的大きな設置空間を必要とする。このため、特許文献1の操舵装置を設置できる船体は、船体に比較的大きな設置空間を確保できるものに限られていた。
よって、電動アシスト機構やヘルム機構をハンドル出力軸に対して横向きに配置でき、操舵ハンドルからヘルム機構までの全長を短く抑えることができる。
これにより、船外機の操舵装置のコンパクト化を図ることが可能になり、コンパクト化した操舵装置を多種の船体に設置することができる。
よって、ハンドル出力軸に設けたベベルギヤと駆動軸に設けたベベルギヤとのギヤ比を変更することで、操舵ハンドルの転舵角を好適に調整することができる。
これにより、例えば、操舵ハンドルの転舵角を、船体を離岸させる場合や着岸させる場合の操作性に合わせて好適に調整することができる。
これにより、船外機の操舵装置を船体に取り付ける際に、油圧ヘルムポンプやメカニカルヘルム機構のうちから船体に適したものを選択でき、設計の自由度を高めることができる。
ここで、エンジンの回転数を高くすると船体が高速滑走状態(高速滑走域)になり、推進プロペラの反力が大きくなる。このため、高速滑走域では、操舵ハンドルの操舵力(操作力)が大きくなる。
一方、エンジンの回転数を低くすると船体が低速滑走状態(低速滑走域)になり、推進プロペラの反力が小さくなる。このため、低速滑走域では、操舵ハンドルの操舵力が軽くなる。
よって、高速滑走域において、電動アシスト機構による操舵ハンドルの操舵力(アシスト力)が大きくなるように制御することで、操作者による操舵ハンドルの操舵力を軽減することができる。
このように、高速滑走域において操舵ハンドルの操舵力を軽減し、低速滑走域において操舵ハンドルの操舵力を適正に保つことで、操舵ハンドルの操縦安定性を向上させることができる。
図1に示すように、船外機10は、船体11の船尾12に設けられた船外機本体13と、船外機本体13を操舵するシリンダユニット14と、シリンダユニット14を操作する船外機の操舵装置(以下、「操舵装置」という)16とを備えている。
船外機本体13は、エンジン22が内蔵され、エンジン22の出力軸に推進プロペラ23が連結されている。
アーム27は船外機本体13に設けられている。
操舵シリンダ25は、左端部25aが左操舵用配管31を介して油圧ヘルムポンプ66(後述する)の左ポート部77に連通されるとともに、右端部25bが右操舵用配管32を介して油圧ヘルムポンプ66の右ポート部78に連通されている。
一方、右操舵用配管32に油圧ヘルムポンプ66から油圧が作用することで操舵ピストン26が左方向に矢印Cの如く移動する。これにより、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして右方向に矢印Dの如く揺動する。
さらに、操舵装置16は、ステアリングホイール37を操作する際に、ステアリングホイール37の操作性を電動アシスト機構41で高める機能を備えている。
ハンドル出力軸48は、ハンドル入力軸47に対して同軸上に回動自在に支持されている。
ジョイント部46は、ハンドル入力軸47に対してハンドル軸45を任意の方向に傾斜可能にハンドル入力軸47にハンドル軸45を連結する連結部材である。
制御部43は、伝えられた操舵トルクに基づいて電動アクチュエータ52に駆動信号を出力する。
電動アクチュエータ52は、制御部43からの駆動信号に基づいて駆動する(具体的には、出力軸53を回転する)通常の電動モータである。
出力軸53にはアシストギヤ機構54のピニオン61(図5参照)が設けられている。
ここで、電動アクチュエータ52の出力軸53は、ステアリングホイール37に連結されたハンドル軸ユニット36(ハンドル出力軸48)に対して直交に配置されている。
電動アシスト機構41は、ステアリングホイール37とヘルム機構42との間に設けられている。
電動アクチュエータ52の出力軸53をハンドル軸ユニット36(ハンドル出力軸48)に対して直交に配置した理由については後述する。
ピニオン61は、検出した操舵トルクに基づいて電動アクチュエータ52が作動することにより出力軸53と一体に回転する。
よって、電動アクチュエータ52(電動アシスト機構41)でハンドル出力軸48の回転をアシスト(補助)することができる。
したがって、ステアリングホイール37を操作する際に、ステアリングホイール37を比較的小さな操舵力で操作することができ、操作性を高めることができる。
すなわち、電動アシスト機構41は、検出した操舵トルクや、エンジン回転数に基づいてステアリングホイール37の操作を好適に制御可能に構成されている。
換言すれば、ハンドル出力軸48および駆動軸67は、ハンドル出力軸48に設けた駆動ベベルギヤ68に、駆動軸67に設けた従動ベベルギヤ69を噛み合わせることで連結されている。
このヘルム機構42は、電動アシスト機構41の下方に設けられている。
すなわち、ステアリングホイール37からヘルム機構42までの距離が操舵装置16の全長L1となる。
ヘルム機構42の駆動軸67をハンドル軸ユニット36(ハンドル出力軸48)に対して直交に配置した理由については後述する。
ピストン72はベアリング73を介して斜板74に対して摺接しながら回転することで、ピストン72が軸線方向に摺動してシリンダ75内のオイルを吐出する。
すなわち、油圧ヘルムポンプ66は、通常用いられているピストンポンプ(プランジャポンプ)である。
油圧ヘルムポンプ66からオイルを吐出することで、操舵シリンダ25の左操舵用配管31および右操舵用配管32の何れか一方に油圧が作用する。
これにより、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして左方向および右方向の一方に揺動することにより、船体11を左方向および右方向の一方に転舵することができる。
このように、油圧ヘルムポンプ66を用いることで、船外機本体13を油圧で操舵することが可能になる。
よって、駆動ベベルギヤ68および従動ベベルギヤ69のギヤ比を変更することで、ステアリングホイール37の転舵角を好適に調整することができる。
これにより、例えば、ステアリングホイール37の転舵角を、船体11を離岸させる場合や着岸させる場合の操作性に合わせて好適に調整することができる。
これにより、ステアリングホイール37からヘルム機構42までの全長L1を短く抑えるとともに、ヘルムギヤ機構65の簡素化やコスト低減を図ることができる。
よって、前述したように、ステアリングホイール37を操舵する際に、ステアリングホイール37の操舵力(操舵トルク)F1を電動アシスト機構41でアシスト(補助)することができる。
これにより、ステアリングホイール37を比較的小さな操舵力F1で操作することができ、操作性を高めることができる。
一方、エンジン22の回転数を低くすると船体11が低速滑走状態(低速滑走域)になり、推進プロペラ23の反力が小さくなる。このため、低速滑走域では、ステアリングホイール37の操舵力F1が軽くなる。
具体的には、エンジン回転数を回転数検出手段81(図1参照)で検出し、検出した信号を制御部43に伝える。
よって、高速滑走域において、ステアリングホイール37に作用する操舵力(アシスト力)が大きくなるように電動アシスト機構41を制御できる。
これにより、操作者によるステアリングホイール37の操舵力F1を軽減することができる。
よって、低速滑走域において、ステアリングホイール37に作用する操舵力(アシスト力)を小さく抑えるように電動アシスト機構41を制御できる。
これにより、操作者によるステアリングホイール37の操舵力F1を適正に保つことができる。
よって、電動アシスト機構41やヘルム機構42をハンドル出力軸48に対して横向きに配置でき、ステアリングホイール37からヘルム機構42までの全長L1を短く抑えることができる。
これにより、操舵装置16のコンパクト化を図ることが可能になり、コンパクト化した操舵装置16を多種の船体11(図1参照)に設置することができる。
なお、実施例2〜3において実施例1の操舵装置16と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図6〜図7に示すように、操舵装置90は、実施例1の油圧ヘルムポンプ66に代えてメカニカルヘルム機構(メカニカル操舵機構)92を設けたものでその他の構成は実施例1の操舵装置16と同じである。
操作ケーブル94は、ケース95から外部に引き出され、一対の端部94a,94bが船外機本体13(図1も参照)まで延出されている。
一端部94aが操舵ロッド97の右端部97aに連結され、他端部94bが操舵ロッド97の左端部97bに連結されている。
駆動軸67と一体にプーリ93が左側面視で時計回り方向に回転することで、操作ケーブル94の一端94aが矢印Eの如く引き戻される。
よって、操舵ロッド97が右方向に移動し、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして左方向に揺動する。
駆動軸67と一体にプーリ93が左側面視で反時計回り方向に回転することで、操作ケーブル94の他端94bが矢印Fの如く引き戻される。
よって、操舵ロッド97が左方向に移動し、船外機本体13がスイベル軸21を中心にして右方向に揺動する。
すなわち、メカニカルヘルム機構92は、船外機本体13を機械的に操舵する機構である。
よって、電動アシスト機構41やメカニカルヘルム機構92をハンドル出力軸48に対して横向きに配置でき、ステアリングホイール37からメカニカルヘルム機構92(すなわち、ヘルム機構)までの全長L2を短く抑えることができる。
これにより、操舵装置90のコンパクト化を図ることが可能になり、コンパクト化した操舵装置90を多種の船体11(図1参照)に設置することができる。
これにより、油圧ヘルムポンプ66やメカニカルヘルム機構92のうちから船体11に適したものを選択することが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
図8に示すように、操舵装置100は、実施例2のステアリングホイール37に代えてティラーハンドル(操舵ハンドル)102を設けたものでその他の構成は実施例2の操舵装置90と同じである。
よって、実施例1のジョイント部46を不要にできる。これにより、ティラーハンドル102からメカニカルヘルム機構92(すなわち、ヘルム機構)までの全長L3を一層短く抑えることができる。
また、トーションバー56は、実施例1と同様に、ハンドル入力軸47(上端部47a)に上端部56aが連結されるとともにハンドル出力軸48に下端部56bが連結されている。
前述したように、ハンドル軸45の下端部45aがハンドル入力軸47の上端部47aに同軸上に連通されている。
これにより、実施例2と同様に、メカニカルヘルム機構92を作動させて、図1に示す船外機本体13をスイベル軸21を中心にして左右方向に揺動することができる。
これにより、操舵装置を多種の船体11に適用可能となり、操舵装置の用途の拡大を図ることができる。
ここで、船外機のティラーハンドルは、通常、船外機本体に一体に設けられている。
このため、ティラーハンドルの取付位置を任意に選択することができない。
よって、ティラーハンドル102を船体11の任意の部位に取り付けることができる。
これにより、操舵装置100の使い勝手を高めることができ、さらに、設計の自由度を高めることができる。
例えば、前記実施例1では、ヘルム機構42の油圧ヘルムポンプ66としてピストンポンプ(プランジャポンプ)を用いた例について説明したが、これに限らないで、油圧ヘルムポンプ66としてシリンダ形式の油圧発生デバイスなどの他のポンプを用いることも可能である。
シリンダ形式の油圧発生デバイスは、例えば、駆動軸が回転することで駆動軸と一体にピニオンが回転し、ピニオンの回転でラックがシリンダの軸線方向に移動し、ラックの移動で一対のピストンがシリンダ97の軸線方向に移動し、ピストンの移動でシリンダ内のオイルを突出するように構成されている。
Claims (4)
- 船体に設けた操舵ハンドルを操作してヘルム機構を作動し、前記ヘルム機構の作動で船外機を操舵する船外機の操舵装置において、
前記操舵ハンドルに作用した操舵トルクを検出し、検出した操舵トルクに基づいて前記操舵ハンドルの操作をアシストする電動アシスト機構が設けられ、
前記電動アシスト機構に備えた電動アクチュエータの出力軸が前記操舵ハンドルのハンドル出力軸に対して直交に配置され、
かつ、前記ヘルム機構の駆動軸が前記ハンドル出力軸に対して直交に配置されたことを特徴とする船外機の操舵装置。 - 前記ハンドル出力軸および前記駆動軸は、
前記ハンドル出力軸に設けたベベルギヤに、前記駆動軸に設けたベベルギヤを噛み合わせることで連結されたことを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。 - 前記ヘルム機構は、
油圧で前記船外機を操舵する油圧ヘルムポンプ、または、機械的に前記船外機を操舵するメカニカルヘルム機構であることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。 - 前記電動アシスト機構は、
前記検出した操舵トルク、および前記船外機の推進プロペラを駆動するエンジンの回転数に基づいて制御されることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。
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