JP2014000375A - 食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具 - Google Patents
食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】食物を入れる食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具を提供する。
【解決手段】食器2を篏着する篏着枠体32とこの篏着枠体の端部を係着する篏着枠体係着部から下方に向かって傾斜する握り主部33の後部に小指の付け根から広がる丘状の小指球6の滑落を防止する小指球固定部331が形成された把持体31を具備した食器把持具3と、親指の腹部が当接するフォークやスプーンなどの食掬具4の柄を保持する食掬具保持部を前方に形成した弾性体を具備した食掬具操作機5で食事補助具1を構成し、その食器把持具3の把持体を下方からは小指と薬指の2指を巻くように上方からは小指球6を押圧して把持し、同時に食掬具操作器5は背面を人差し指もしくは中指で支持して前面の親指との間に保持しつつ操作し、片手による食器保持と食掬具操作を同時に実現した。
【選択図】図1
【解決手段】食器2を篏着する篏着枠体32とこの篏着枠体の端部を係着する篏着枠体係着部から下方に向かって傾斜する握り主部33の後部に小指の付け根から広がる丘状の小指球6の滑落を防止する小指球固定部331が形成された把持体31を具備した食器把持具3と、親指の腹部が当接するフォークやスプーンなどの食掬具4の柄を保持する食掬具保持部を前方に形成した弾性体を具備した食掬具操作機5で食事補助具1を構成し、その食器把持具3の把持体を下方からは小指と薬指の2指を巻くように上方からは小指球6を押圧して把持し、同時に食掬具操作器5は背面を人差し指もしくは中指で支持して前面の親指との間に保持しつつ操作し、片手による食器保持と食掬具操作を同時に実現した。
【選択図】図1
Description
本発明は食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具に関する。
通常食事をする時には、テーブルや食卓、机などの安定した台上に置かれた食器から箸やフォーク、スプーンを使って食べ物を口に運ぶ方法が一般的である。両手が自由に使えれば一方の手で食器を持ち、他方の手で箸やフォークを使い何の不都合もなく食べることができるが、怪我や疾患などで片手が自由に使えない状況では常識的には箸やフォークを持つことが優先され食器に片手を添えることはできない。従って、屋内外を問わず安定した台が使えない環境での不安定な食事はパンやサンドイッチ、おにぎりなど道具を使用しない単純なメニューに限定される傾向が強い。またテーブルや食卓などが整った食事環境であっても片手だけの食事の場合には食器ごと口元まで運ぶことはできないためいわゆる犬食いの姿勢を余儀なくされることになる。何れにしても片手が不自由な状態での食事では食事をする本人も介護する者も共に少なからぬ負担があり、食卓から口元までの短い区間だけでもフォークやスプーンを操作する同じ手で同時に食器も添えて食べ物を運ぶことを可能にする他人の支援もしくは補助を必要としない食事補助具の出現が広く熱望されていた。なお、本発明ではフォークやスプーン、箸のように食器内の食べ物やスープを掬って口に運ぶための道具を食掬具(しょっきぐ)と称し、食べ物を掬うことを食掬、食べ物を掬って食べる道具の操作を食掬具操作若しくは単に食掬操作と表示して以後の説明に使用するものとする。また、箸様に使えるトングも広義に解釈し食掬具に含めるものとする。
食器を片手で胸前に保持し、その同じ手で食掬具も同時に保持して食掬操作を行う場合には5本の指を食器保持と食掬具保持に割り当てることが必要不可欠であるが、フォークやスプーンなどの操作には繊細な動作が要求されるため必然的に自由度の高い親指と人差し指が優先的に食掬操作に割り当てられる。
但し、食器と食掬具を同時に同じ手で保持して操作する場合には重量、寸法の異なる多種多様の食器を2〜3本の指で安全に安定的に保持しなければならないこと、仮に食器の保持が可能でも手の構造上5指は連動しているため食器を保持する指に大きな負担がかかると他の指も同時に緊張し繊細な食掬操作が要求される食事行為が不可能になること、食掬具を操作する親指と人差し指の2指は自由度が高いとはいえ活動可能な領域は限定され、しかも可能な動作も2指で挟み、捻ると云う単純な操作に限定され円滑な食掬操作を実現するには不十分であり満足できるレベルには程遠いことなど克服すべき問題点が多い。
従来公開されている食器把持具はいずれも食器と食掬具を同時に同一の片手で保持することを前提にした道具ではなく、またその食器把持具と同時に片手で保持して操作するための食掬具操作専用の補助具は存在しないため、上記問題点の解決には至らない。
解決しようとする課題1は食器の保持に割り当てられる指にかかる負担を軽減し食掬具操作を容易にするための安全で安定した食器保持を実現する食事補助具を構成する食器把持具の提供である。カップ容器入り食品を例に説明するならば、熱湯を注いだ後には内容物を含めた食器の重量は最大で850gに達するが、親指と人差指の2指で食掬具を同時に操作するためには先ず薬指、小指の2指、もしくは中指を含めた最大3本の指でそのような重量の食器を長時間安全に安定的に保持できることが前提となる。
解決しようとする課題2は最小限の指先操作で複雑な操作を実現可能とする食掬具操作器の提供である。食掬具操作に割り当てられる親指と人差し指の2指の可動域は広く自由度も大とはいえ中指を補助的に加えた3指であっても基本的には挟む、捻るという2動作に限定される操作では食器を保持する同一の手の指で同時に食掬具を直接保持し、その先端部を食器内部の広範な部位に巡らせ食物を掬い上げるという繊細なレベルの操作は困難である。従って、両手による通常の食事行為と同等の食事行為を実現するには2指による指先操作であっても食掬具の保持と操作が容易に実現可能な媒体としての食掬具操作器が必要不可欠になる。
解決しようとする課題3は使用者個々人の小指球の形状や寸法に対応可能に把持体とは別体の形状補正具が小指球固定部に係着された把持体を具備した食器把持具を提供することである。
解決しようとする課題4は中間部で角度自在に固定可能に軸着し手の形状と寸法に応じた適切な角度で小指球部との当接の調整を実現する把持体を具備した食器把持具を提供することである。
解決しようとする課題5は素材および係着手段の異なる2種類の嵌着枠体を選択的に係着可能な把持体を具備した食器把持具を提供することである。
解決しようとする課題6は食器の縁部近辺で頻繁に移動を繰り返す食掬具操作中に食掬具を保持する弾性体が食器の縁部に絡むことを阻止する下部覆体を具備した食掬具操作器を提供することである。
解決しようとする課題7は既存若しくは将来的に出現することが予想される多様な形状の食器に対応した嵌着枠体の製作を使用者自身で随意に実現可能な治具が組込まれた把持体を具備した食器把持具を提供することである。
以上の課題1を解決するための手段としての請求項1に記載の食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具を構成する食器把持具は、食器を篏着する枠面が水平な篏着枠体とこの篏着枠体の端部を係着する篏着枠体係着部から下方に向かって傾斜する握り主部の後部に小指の付け根から丘状に広がる小指球の滑落防止手段が講じられた把持体を具備したことを特徴とする。滑落防止手段が講じられた把持体とは滑落を防止する小指球固定部が形成された把持体を意味し、前記握り主部を下方から小指と薬指で巻くように握り小指球部を把持体の上面に当接して下方に押圧し前方の食器を押し上げる要領で把持する。小指球固定部は把持体の該当部の形状自体を小指球部が係止しやすい形状に形成して実現する場合と使用者自身の小指球部の形状に則した別体の形状補正具を把持体後部に係着して実現する場合がある。
課題2を解決するための手段としての請求項2に記載の食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具を構成する食掬具操作器は、親指の腹部が当接するフォークやスプーンなどの食掬具の柄を保持する食掬具保持部が前方に形成された、親指と人差し指もしくは中指との間に挟持される弾性体を具備したことを特徴とする。前記食掬具操作器は嵌着枠体係着部上方の空間に位置する親指の腹部で食掬具の柄を押圧し、人差し指もしくは中指で弾性体の背面を支持しながら挟持するが、中指が背面を支持する場合には人差し指は上側から巻くように弾性体に当接する。なお前記弾性体にはコイルばねの他に空気封入体が含まれる。また5指の中間に位置する中指は状況により食器把持具の保持に切り替えて使用される場合もある。
課題3を解決するための手段としての請求項3に記載の食器把持具の把持体は握り主部の後方に小指球部に適合する形状を実現する形状補正具を具備したことを特徴とする。形状補正具は把持体後部上面に当接する小指球の滑落を阻止するために小指側側面部の形状に合わせて把持体の後部に係着される把持ずれ防止用の小部材である。
課題4を解決するための手段としての請求項4に記載の食器把持具の把持体は嵌着枠体係着部側ピースと小指球固定部側ピースで構成され、これらが角度自在に固定可能に軸着した構造であることを特徴とする。
課題5を解決するための手段としての請求項5に記載の食器把持具の把持体は線材もしくは平板材で形成される嵌着枠体のいずれかを選択的に係着可能に着脱自在の嵌着枠体結合器を具備したことを特徴とする。嵌着枠体を把持体に係着させる形態には把持体に直接係着手段を講じる形態と把持体とは独立した結合部材に係着させその結合部材を把持体に係着させる2形態があり、前記結合部材を嵌着枠体結合器と称す。前記嵌着枠体結合器は把持体先端寄りの側面から嵌入し係着する略円柱状の小部品であり嵌着枠体の形成面と動径方向が一致するように枠体の係着手段が講じられている。線材を素材とする嵌着枠体と平板材を素材とする嵌着枠体の係着する位置は角度的に動径方向をずらしてあるが、これらは同時に使用されることはなく必要に応じて何れか一方の嵌着枠体が選択される。嵌着枠体結合器には外周部にキーが凸設され、把持体側嵌入部には前記異なる素材で形成される嵌着枠体がそれぞれ水平な状態で固定される位置にキー溝が凹設される。
課題6を解決するための手段としての請求項6に記載の食掬具操作器の弾性体は食掬具保持部を前面側とする前後に伸縮するコイルばね体であって、このコイルばね体の下部を前後に凹状に覆設する下部覆体を具備したことを特徴とする。下部覆体は食掬具操作器がコイルばね体の場合に背面の巻き終わり部から連接して前面の食掬具保持部の下方で略U字状に折り返された並行する枠体である。
課題7を解決するための手段としての請求項7に記載の食器把持具の嵌着枠体係着部側ピースと小指球固定部側ピースはこれらを軸着する軸を中心とする折り曲げ時にいずれか一方のピースの軸着部周辺の外周面と他方のピースの段差壁面との間に嵌着枠体形成素材の線材の直径幅で少なくても前記段差壁面の横幅の長さの間隙を並行して形成すべく軸着し、段差壁面形成側のピースには段差壁面に平行に前記線材幅のスリットが溝設され、軸を中心に段差壁面に対峙する側のピースを回転させた時にその軸着部周辺の外周面が、元部側を前記スリットに嵌着固定し端部側を軽く折り返して両パーツ間に緩挿された線材の折り返し区間部を前記段差壁面に押圧しつつ前記間隙に押し込み、前記スリットと前記間隙の中心間距離を並行幅とする嵌着枠体係着部に特化したU字形に定型加工する挟み治具を実現したことを特徴とする。
第1の発明によれば、握り主部は傾斜しているため嵌着枠体係着部の直下方向の裏面側を小指と薬指で支持し巻き握ると親指と人差し指の2指は必然的に食器縁部上方の空間に誘導され食掬具操作器の保持操作に最適の環境が確保される。この時、把持部が傾斜しているため掌と握り主部との間には空間が生じにくく密着度の高い安全で安定した把持が堅持される。また滑落が阻止された状態で小指球を下方に押圧し前方に保持された食器を押し上げる把持方法は前記2指が支点となり小指球当接部が力点となる梃子様の安定した保持形態が成立し、疲労感が少なくバランス維持が容易なため片手による長時間の重い食器の保持が可能な環境が実現する。
第2の発明によれば、親指と人差し指もしくは中指で挟持される弾性体は前記複数の指で挟み捻られて変形するが、この変形は食掬具の先端部では増幅されて反映されるため、可動域が制限された指先操作の小さな変化であっても食事行為に必要な量の移動と回転が実現する。弾性体がその後方に指の係止しやすい部位が形成されたコイルばね体の場合には、前後で挟持する各指の力加減と押圧方向によるコイルばね体の形状変化が容易に実現し複雑な食掬操作が可能になる。弾性体がラバーボールのような球状の空気封入体の場合には、親指と人差指で前後を挟み下方から中指で支持するとこれら3指が仮想的にすり鉢状の回転支持部を形成し微小な変形加圧、ひねり操作に対して方向変換が過敏に反応する食掬具操作が可能になる。
第3の発明によれば、手のサイズに応じた小指球固定部の位置調整が可能である。形状補正具は任意の寸法に製作可能であり、また把持体の任意の位置へ係着可能であるため使用者にとって最も有効な位置に小指球固定部を確保することが可能になる。
第4の発明によれば、把持体の嵌着枠体側ピースと小指球固定部側ピースを把持者の手の形状に馴染む最も良好な角度に調整して固定することが可能である。把持体と食掬具操作器を片手で同時に保持する5指は2群に分割されるがこれら2群の指が互いに他を拘束し拘束される不自由な環境下では把持部に当接する掌の微妙な違和感はそのまま操作性に致命的に影響する。その違和感は前記2ピースの角度を調整し把持感を向上させることで解消される。
第5の発明によれば、嵌着枠体結合器のキーと把持体側のキー溝の組み合わせを変えることにより同一の把持体に異なる素材の嵌着枠体を状況に応じて使い分けて係着することが可能になり、嵌着枠体ごとに把持体を変える必要がなく効率の良い食器把持具を実現することができる。把持体側のキー溝の数量に制限はなく嵌着枠体の枠内に把持体が収まる携帯時の収納専用のキー溝の設定も可能である。
第6の発明によれば、食掬具操作は食掬具を保持する位置が食器の縁部であり食掬操作中には弾性体が食器縁部上方を内外方向に頻繁に繰り返し往復するが、弾性体がコイルばね体の場合には下部覆体がコイルばねと食器を分離しコイルばねの線間隙間に食器の縁部が絡むことによる食器操作の中断は阻止される。下部覆体は食掬具を押さえる親指の前面を覆って弾力的に適度の力で親指を押圧しつつ親指は柄との間に挟持されるが親指の屈伸動作で嵌脱は自在である。またコイルばねの背面を支持する人差し指を離した状態でも食掬具の柄は親指に密着したまま親指の動きに追随して保持され、可動域の広い親指単独の微小な操作も可能になる。
第7の発明によれば、保持可能な重量であれば既存のいかなる寸法の食器にも対応する嵌着枠体も使用者自身で随時製作可能であり将来的に出現する可能性のある未知の食器に対する不安が払しょくされる。
図1は本発明の食事補助具の使用中のイメージの全景図であり拡大した右下図円内では食事補助具1は実線で抽出した食掬具操作器5、把持体31、嵌着枠体32の3部品で構成された部分を指す。食器2は把持体31と嵌着枠体32で構成される食器把持具3に保持され食掬具4は食掬具操作器5に保持されている。またこの時食事補助具1を構成する食器把持具3と食掬具操作器5は片手で同時に保持されている。食器把持具3の把持体31の前方端部寄りに食器2を篏着する篏着枠体32が係着し、食掬具操作器5は前方に保持された食掬具4の柄の表面に当接する親指と背面を支持する人差し指との間に挟持されている。把持体31の握り主部33の後部に当接する小指球6は握り主部33が略水平方向に曲成された小指球固定部331上にあり滑落が阻止されている。傾斜する握り主部33を小指と薬指で下方から巻いて把持すると食器2の縁部上方には必然的に親指と人差し指で食掬具操作器を挟持する体勢の環境が形成される結果、食器の開口面から適度な距離に食掬具操作器の保持と操作に適する空間が確保される。
図2は食器把持具と嵌着枠体結合器の詳細を示す斜視図である。(a)は把持体31の前方端部寄りに篏着枠体32が水平に係着し、この係着部から斜め下方に向かう握り主部33の後部は略水平方向に屈曲して小指球固定部331が形成されていることを示す。嵌着枠体32は把持体31に直接係着する場合と間接的に係着する場合があるが、本図では嵌着枠体32が嵌着枠体結合器34を媒体にして把持体31に係着する場合を示しており、嵌着枠体32はピン349で嵌着枠体結合器34に固定されている。(b)は把持体31と嵌着枠体結合器34の組み立て方法の一例を示す分解図である。略円柱状の嵌着枠体結合器34には平板材を素材とする嵌着枠体32の両端部を両側から挿通して係着するための角穴341と線材を素材とし両端部をU字状に折り返した嵌着枠体を係着するための2本のスリット342と343が外周面に軸方向に平行に溝設され、前記U字状に折り返した端部を嵌入して係止するための小孔344と345が各スリットの底部に平行して穿通している。嵌着枠体結合器34と把持体31の嵌着は嵌着枠体結合器34の外周面に凸設されたキー346を把持体31側に溝設された2本のキー溝347、348のいずれか一方に位置を合わせて実現する。本図例では6時の方向にキー溝347、11時の方向にキー溝348が150度ずらして設定されているが、これらのキー溝にキーを合わせると前者では平板状素材で形成される嵌着枠体、後者では線材で形成される嵌着枠体が水平に保持される。ピンの頭部を輪状に丸めた板バネ状のピン349は平板状の嵌着枠体を角穴に固定する場合に限り隙間に嵌入されるものであり他の嵌着枠体の場合には不要である。なお、嵌着枠体結合器の外周面に凸設したキーおよび把持体側のキー溝の数量は前記に限定されるものではなく、把持体側の筒状部を内歯車状に形成すると嵌着枠体と把持体との係着角度を歯数に応じた中心角度で微調整することが可能になる。また、嵌着枠体結合器の外周面のキーもスリット部を除き複数個平歯車状に凸設した構造にすることも可能であり、それぞれの形状や数量、配置は図に表示したものに限定されるものではない。(c)は線材を素材とする嵌着枠体を嵌着枠体結合器に係着する場合の係着部の拡大図で、U字状に折り返された両端部を互いに反対側から異なる小孔に挿入し、その挿入区間部に並行する枠体形成側の区間がスリットに係着すると環状の枠体が完成することを示している。(d)は角型の食器の形状に合わせて形成された嵌着枠体を係着した嵌着枠体結合器を把持体に嵌着した状態の食器把持具の一例を示す斜視図である。(e)は環状と角型状の嵌着枠体の形状例を示す斜視図である。(f)は嵌着枠体を嵌着枠体結合器を介さず把持体に直接係着する場合の嵌着枠体係着部の形状例を示す斜視図で、左図は角穴、右図は小孔とスリットの組み合わせが把持体に直接形成された場合を示している。なお、本発明では嵌着枠体と把持体との係着方法は前記に示す手段に限定されるものではなく、例えば、角柱状に端部を加工した線材が挿通可能に穿通された把持体ではこの小穴に嵌着する線材は回転することなく安定して係着するため枠体の両端を柱状に加工するだけでスリット不要の嵌着枠体係着部を実現することができる。
図3は小指球固定部331の裏面側に指固定部332と333が円湾状に形設されている把持体を具備した食器把持具の斜視図で(a)は前記把持体を裏返した状態を示し(b)はその裏返した状態で嵌着枠体係着部から斜め後方且つ上方に向かう把持部の前記指固定部332の内周面に中指の背部を当てつつ小指と薬指の2指で握り主部を下方から挟むように把持する方法を示している。この把持方法では掌が概ね垂直状態で食器方向に向き親指と人差し指の前側に食掬具操作器の保持空間が広く確保され、軽い食器を保持操作する時の食掬具操作態勢が実現する。即ち、軽い食器を保持する場合には掌が食器の開口面に覆いかぶさる形態では親指と人差指を開口面から引き離す動作に手指の人体上の特性から無理が生じるが、予め掌が食器側に上向きに開く把持形態であればその不具合は解消される。なお、使用者の手のサイズが大きい場合には中指の位置は前記指固定部333側に移動した位置であっても良い。
図4は発明1の食器把持具を構成する把持体の握り主部の掌が当接する斜面の傾斜角度を決定する目安と小指球固定部が形成されるまでの過程を解説するための参考図である。(a)は直線的な柱状の把持体311の先端部に篏着枠体321を水平に係着し小指と薬指の2指を下方から巻いて把持した状態を示す。この状態からは親指と人差し指の2指を上方に反らせて食掬具を保持するための体勢を作ることは指の骨や筋肉などの人体上の特性から困難であるが(b)のように篏着枠体321を指で押えると掌は把持体311の上面当接部を中心にして上方に開くことが可能である。この時親指と人差指は嵌着枠体形成面から離れて概ね楕円網状部に示す位置に食掬具を保持操作する空間が生まれる。(a)と(b)の状態はそれぞれ食器重量も含めて軽い食品と重い食品を保持した場合に相当するもので、重い食品に例えることができる(b)の場合には小指球部を支点にして掌を上方に開き食掬具を保持して操作する空間を容易に確保することが可能であることを示している。但し、掌が把持体表面から離れ両者の当接面積が減少した分食掬具の保持バランスは不安定になる。(c)は(b)の一点鎖線で示される掌と篏着枠体形成面で挟まれる角度分だけ握り部を予め傾斜させた把持体312を一例として示すもので、先端部に篏着枠体を水平に係着して把持すると前記(b)の説明の結果から掌と把持体は密着したまま食掬具の保持操作に必要な空間が必然的に確保されることを示す。(d)は水平に係着した嵌着枠体に食器を嵌着した前記(c)の把持体を把持した状態を示す斜視図である。食器が重い場合には把持体を保持する手側は掌の小指球を握り部の当接面に強く押し当て食器側を梃子様に押し上げバランスをとろうとするが、黒丸で示す小指球部は下方に滑落し把持体の握り部当接面との間には一点鎖線で示すように空間が広がる。この時、食掬具操作に割り当てられる親指と人差し指の2指と食器との距離も広がり食掬操作が困難になる方向に状況が進行するが、一度下方に滑落した小指球の当接部を上方に戻し掌の内側に広がった空間を狭めて再度食掬操作が可能な環境に戻ることは使用者自身による片手だけでは不可能である。(e)は握り主部334の後部を水平方向に屈曲させて小指球固定部335が形成された把持体313で、上面に当接する小指球は下方に滑落することはなく安定した保持と容易な食器操作を実現する形状例を示した斜視図である。
図5は把持体を握る掌の小指球部の滑落を防止する形状補正具例を示す斜視図である。(a)〜(d)は使用される状況により中間の形状は異なるが基本的には線材を素材とし中央部で略コ字形に折り返されて並行した後向き合うように直角方向に折曲して閉路を形成し、正対する両端部が同一の小孔に逆方向から着脱自在に嵌入挟着される枠状に形成された金具である。(b)を代表にして説明するとこの枠体が把持体に前記のように装着され、把持体の厚み幅で対称に曲成された対向する2辺で挟まれる概ね破線領域部分が把持部の傾斜面との間に疑似的な屈曲面を形成し、元の把持体とは異なる形状補正された小指球固定部を創出する。把持体の握り部後方の上面部が疑似的に凸状となるように係着される前記形状補正具は把持体の小指球固定部の形状を使用者の手の形状、寸法に応じて補正し小指球部の把持体からの滑落を阻止する手段とするもので各部の長さおよび湾曲の度合いは係着する把持体の形状によって異なり任意である。(a)〜(c)は把持体の上下両面側で把持する手の一部に当接する例で、(d)は上面側のみ当接する例である。(e)〜(h)は小指球の滑落が阻止された状態を示す斜視図である。(e)は小指球だけを固定する場合で(f)は把持する2指が下面側でも固定される形状補正具を柱状の把持体に係着した実施例である。(g)は傾斜した握り部の後半部が略水平状態に形成された既に小指球滑落防止手段が講じられた把持体に保持力と安定感の増強のため小指球から把持指までをカバーする形状補正具例であり円内は小指球が固定されている状態を後方側から見た斜視図である。(h)は嵌着枠体係着部につながる握り主部の傾斜区間が短く2指で握ることが困難な湾曲した把持体に形状補正具を係着した実施例である。前記形状補正具はその形状と選択する小孔の位置を変えることにより把持する手の寸法に応じた小指球固定部の実現が可能である。
図6は食掬具操作器の実施例を示す斜視図ある。(a)は弾性体として水平方向に伸縮するコイルバネ51を使用した食掬具操作器5を示し、その前方には食掬具の柄を保持するU字形に曲成された食掬具保持部52が連設され、コイルバネ51の後部の巻き終わりからは前端でU字状に折り返して並行するそりの脚様に形成された下部覆体53が前記食掬具保持部52までを下方から覆うように凹状に覆設されている。(b)(c)(d)は食掬具操作器5の保持要領を示す斜視図で(b)は食掬具保持部に保持された食掬具41の柄と下部覆体53との間に挿入された親指と背面の人差し指もしくは中指で前後からコイルばね部を挟む基本の保持方法を示している。背面側の指の配置はコイルばねの背面部に人差し指を直接当接する方法とコイルばねの後部を上から人差し指で巻きつつ背面部に中指を当接する方法があり通常はこれらを切り替えながら時には複合的に併用して保持する。(c)左図は基本の保持状態に捻り動作を加え食掬具の先端部を上方に持ち上げた状態を示し(c)右図は食掬具の柄と下部覆体に挟持された親指だけで食掬具を操作する親指の活動域が最大限に拡大された使用方法を示す斜視図である。(d)は下部覆体が具備されない食掬具操作器の不具合を示すものである。食事中には食掬具の操作は指先の可動範囲で多々繰り返されるが、小指と薬指の2指の動きは必然的に食器の縁部上の内外方向の小刻みな動きが中心となる。食掬具操作器は食事中常に食器の縁部から離れることはなく、下部覆体が具備されないコイルばねの線間隙間には食器の縁が絡みやすく食掬操作が中断される不具合が頻繁に発生する。なお、食掬具の柄の保持は前記手段に限定されるものではなく、別途任意の留め具を介した手段も含まれるものとする。(e)は食掬具操作器の弾性体に気体を封入したラバーボールを使用した例を示し、表面に無数の突起が凸設されたラバーボール7を固定具71に固定し食掬具4の柄をラバーボール7と固定具71の間に嵌着した斜視図である。(f)は1本の線材を折り返して並行する略C字形の枠体に曲成された固定具71の単体を示すもので、ラバーボールの最大直径部を枠体の並行部の中心面に合わせて嵌着固定するとラバーボールの前面に食掬具保持部が形成される。線材で形成された枠部分はラバーボールの表面の突起の間に食い込み脱落することはなく食掬具の柄は安定的に保持される。(g)はラバーボールが前後を支持する親指と人差指の2指と下方から軽く丸めた中指の3指が形成する椀状部に収まり安定的に保持されることを破線の球状体に置き換えてそのイメージを示した斜視図である。(h)左図は食掬具を嵌着した食掬具操作器の基本的な保持方法を示し、右図は弾性体が球体の場合には3指の僅かな捻りで食掬具の柄の方向変換が容易に実現することを示す斜視図である。
図7は、コイルばね体の後部に直状の指係止部もしくは線材を折り返して形成される間隙と線材曲成部で構成される指係止部の形状例を示す斜視図である。(a1)は前方でU字状に折り返されて戻った下部覆体53を上方に屈曲させた直状部にスリーブを被せた指係止部54をコイルばね51の後方に具備した食掬具操作器例を示す斜視図である。前記指係止部54は下部覆体53を経由してコイルばね51と連結した弾性体の一部を構成している。(a2)と(a3)は前記指係止部への指の当て方を示したもので(a2)は人差し指を後方から当てた状態であり(a3)は人差し指と中指の間に挟んだ状態を示している。直状の指係止部54に対する人差し指もしくは中指の係止具合は食掬操作の良否を左右するため、指の位置を頻繁にずらす動作を繰り返し最善の係止部位を探す技量が操作者には求められる。(b1)は矢印に示される下部覆体方向から戻り指先が多方向から引っ掛けやすい形状もしくは指の側周面が複数の箇所に当接して多様な係着状態を可能にする線材の曲成部とそれらの間隙で構成された指係止部例を示している。図中破線で示される楕円内が指係止部55であるが(b2)〜(b10)に示すように指係止部の形状は多様に成形可能であり、それら個々形状に対しても多様な指の係止形体が存在するが、この指の係止形体の選択度が高いほどコイルばね体を変形させる操作手段も増える。現実の食掬操作の過程においては食掬具操作器の操作者は指の適切な係止部位を選択する動作を連続的に繰り返し、適切なポイントであると直感する状態を瞬時に探り当てる技術を要求される。そしてこの適切な指係止部位が決まるとコイルばね体を意図する形状に容易に変形させることが可能となり操作者の所望する食掬具操作が実現する。指係止部の理想的形体は操作する個々人の技量に依存し一意に特定することは困難であるが任意に設定された初期の形体が操作過程において操作者による指先の力加減により形状変形が進行し最終的に操作者にとって最も使いやすい理想的な形体にカスタマイズされる。なお、このカスタマイズされた形体は食掬具の操作性を決定的に左右する要因となる。(c1)〜(c5)は独立した小部品をコイルばね体に組み合わせてコイルばね体後方に指係止部を形成する例を示した斜視図である。(c1)は一本の線材の中央部に長円形もしくは四角形の食掬具の柄を挿通する小枠を巻成し、前記小枠の両側の直線部をX字状に交差させて形成した小部品の形状例であり(c2)は交差部分にひねりを加え湾曲させた形状例を示している。(c3)はU字状に折り返されて前方から戻った下部覆体の端部を単純に巻き止め処理した食掬具操作器に前記小部品を組み合せて指係止部を形成した例であり、食掬具の柄の保持部直下に前記小枠を合せて食掬具の柄を通し、小枠を挟む両側の直線部は下部覆体の端部の巻き止め環状部の中央を通り後方でV字を形成している。(c4)は既に形成された指係止部に更に指係止箇所を追加する目的で前記湾曲した小部品を(c3)の要領で組み合わせた食掬具操作器の構成例を示している。(c5)は使用方法を示す斜視図である。本図に示すようにコイルばね体の中に小部品を補助的に通すと食掬具操作器の剛性が上がるため固い食材を対象とする食掬操作の場合には効果的である。
図8は中央部で2つのピースが角度調整可能に軸着した把持体の実施例である。(a)は回転自在に軸着し任意の角度に固定可能な嵌着枠体係着部側ピースと小指球固定部側ピースで構成された把持体314を示す斜視図である。前記両ピースは軸着時に重り合う軸着部の厚みが把持体の厚みと均等になるように段差が設けられ両ピース共に二分の一の厚み幅になるように形成されている。嵌着枠体係着部側ピース35には表面にナット351が埋設されこれに通されるボルト352に小指球固定側ピース36が軸着し平ワッシャー361とスプリングワッシャー362と共に蝶ナット363で締めて固定される。(b)は蝶ナット363を緩めて前記2ピース35と36の係着角度を変えて固定した場合の把持体314の形状例を示すもので、回転可能範囲で角度は任意に設定できることを示している。(c)は前記2ピースの固定角度を変えて把持した時の小指球固定部の状態を示した斜視図で手の寸法および保持感覚の好みで小指球と把持体との当接状態を任意に設定できることを示している。
図9は把持体の略垂直状の前端面の上下隣接面に嵌着枠体係着部が形成される例を示す斜視図で(a)はスリットと小孔の組み合わせで構成される係着部形成例であり(b)は角穴の形成例である。図中の白抜き矢印で示す一点鎖線は食器を水平に嵌着する嵌着枠体の枠面の基本的方向を示すもので、太矢印と細矢印はそれぞれ前記基本方向に対して直角方向および俯角をなす前傾方向に形成される枠面の副次的方向を示している。前記3方向は嵌着する食器の開口面の広さと深さおよび食器の重さなどを把持者が自身の手のサイズや使用感に応じて選択するもので同時に使用されることはなく、また使用目的は同一でも個々の把持者の器用さや習熟度によっても選択する方向は異なる場合もある。(c)は前記上面側に嵌着枠体係着部が形成された把持体の把持方法を示し(d)は前記指防護部に嵌着枠体係着部が形成された把持体の把持方法を示している。(c)(d)いずれの場合も食掬具操作器が保持される親指と人差し指のV字底部は食器縁部から後退した位置にあって掌が返り食掬具は寝かせ気味に保持されるが、この把持形態では食掬具の先端部が食器の内周面開口縁部に引っ掛かり難く引き抜きやすい操作が可能であり開口面が狭くて軽く浅い食器を対象とする食掬操作に有利な位置に食掬具の保持空間が確保される。
図10は、前方端面側に上向きのフックを具備した把持体とその受け部の実施例である。(a)は略把持体幅で両側を略コ字形に同方向に折曲した線材の各辺を嵌着枠体係着部に溝設されたスリット間隔分の段差をつけて同方向に略L字形に曲折し、上段側は嵌着枠体係着部の小孔とスリットに係着可能にU字形に折り返され、下段側はその下段のスリットに係着後前方側に戻るようにU字形に折り返された後に把持体の前部端面に密着するように下方に折曲されたフック形成補助金具37である。(b)は把持体314に装着した嵌着枠体結合器34に前記フック形成補助金具37を係着し把持体前方端面に沿って上方に解放されたフック部が形成された状態を示している。(c)は形状の異なる把持体の各前端面に平行なスリットs1、s2を溝設しフックを形成した把持体例を示す斜視図である。(d)は外周の一部にフックが嵌入するフック受け部322を具備した環状枠体323を示し(e)は外周面にフック受け部324を一体的に具備した専用食器21の例を示す斜視図である。
図11は頂部が略V字形もしくは略U字形に折り返されたトングを食掬具とする実施例を示す斜視図である。(a)はトング8の一方の脚部を食掬具保持部502に嵌着保持し、他方を後方の線間隙間503に挿入してトングの両脚間に食掬具操作器のコイルばね部504が保持された状態を示したものであり、(b)は弾性体としてラバーボールを使用した食掬具操作器にトングが保持された例を示している。(c)はコンパス状に開閉する空洞に形成された脚基部に箸状物を挿入嵌着したトング例を示し、(d)は前記脚部に嵌着された箸状物の1本をヘラもしくはフォークに差し替えたトングの変形例を示している。把持体と食掬具操作器を同時に同じ手で保持する本発明では各指の可動は制限されており対象となる食材に応じて先部が交換可能なトングは食事補助具として操作面では有効な手段となる。(e)はラバーボールを弾性体とする食掬具操作器にトングを保持した場合の保持操作例であり(f)はコイルばねを弾性体とする食掬具操作器にトングを保持した場合の保持操作例の斜視図を示す。
図12は把持体の握り主部の厚みもしくは高さを拡大する方法例を示す斜視図である。対象となる把持する人の手のサイズは一様ではなく掌が大きい人の場合には相応の握り部の径が必要となるが把持体に高さ補正具を係着することにより擬似的に拡大した握り主部が実現する。(a)は線材を略U字状に折り返した後更に同方向側に折り返した高さ補正具であり(b)は前記高さ補正具の両端部を把持体の上面側縁部に沿って側面に穿通された小孔に横から挿入して係着した状態を示しているが(b)図中では小指球固定部の形状補正具も同時に装着した例を示している。(c)は前記(b)の把持状態を斜め下方から見た斜視図であるが、小指球当接部は前後方向を拡大する形状補正具、握り主部は高さ方向を拡大する補正具により実際より拡大された把持体が実現し良好な把持感が確保され大きな手に対する対処が可能であることを示している。不特定多数の使用者を対象とする場合、前記小孔は把持体の上下面を含む外周面縁部に沿った側面の穿通可能な区間に5〜10mmの任意の間隔で穿通され数量が多いほど形状補正の調整効果が大となる。
図13は小指球固定部側ピース35と嵌着枠体係着部側ピース36で構成される把持体に線材の端部をU字形に定型化する挟み治具を組込んだ例を示す斜視図である。前記2ピースの軸着部には二分の一の厚さ分の段差が設けられ、小指球固定部側ピース35を矢印で示される方向に回転させた時には小指球当接面366と嵌着枠体係着部側ピース36の段差壁面364との間に嵌着枠体の素材となる線材の直径と等しい間隙が形成されるように前記両ピースの軸着位置が設定されている。また嵌着枠体係着部側ピース36の側面367には段差壁面364と平行に且つ嵌着枠体係着部に係着するU字状に折り返されて並行する線材間距離を確保して前記線材の直径幅のスリットs3が並行して溝設されている。嵌着枠体の素材となる線材365の端部を先端から概ね30mm程度分だけペンチなどの工具を使用して目分量で軽く折り返した後、前記嵌着枠体係着部側ピース36と小指球固定部側ピース35を軸着するボルトを緩め、図に示されるように前記折り返された線材の元部側はスリットs3に嵌着固定し端部側は両ピース35と36の間に緩挿した後、小指球固定部側ピース35を矢印方向に回転させて小指球当接面366で前記線材の折り返された区間部を前記段差壁面364に押圧し前記間隙に押し込めると、前記スリットと前記間隙の中心間距離を並行幅とする嵌着枠体係着部に対応した固有のU字状の係着端末部が安定的に定型化されて完成する挟み治具が実現する。この操作を食器の縁部外周に適応した長さの線材の両端に実施すると、既存の任意のサイズと形状の食器に対応した線材を素材とする嵌着枠体を使用者自身で容易に製作することができ、将来的に新たに出現する可能性のある任意の規格の食器に対する不安も解消される。なお、前記段差壁面とこの段差壁面に並行するスリットの組み合わせはピースを入れ替えても実現可能であり、両面に挟み治具を実現するか片面側のみとするかは任意である。
1 食事補助具
2 食器
3 食器把持具
4 食掬具
5 食掬具操作器
6 小指球
31 把持体
32 篏着枠体
33 握り主部
331 小指球固定部
2 食器
3 食器把持具
4 食掬具
5 食掬具操作器
6 小指球
31 把持体
32 篏着枠体
33 握り主部
331 小指球固定部
Claims (8)
- 食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具であって、食器を篏着する枠面が水平な篏着枠体とこの篏着枠体の端部を係着する篏着枠体係着部から下方に向かって傾斜する握り主部の後部に小指の付け根から丘状に広がる小指球の滑落防止手段が講じられた把持体を具備したことを特徴とする食器把持具。
- 食器とフォークやスプーンなどの食掬具を片手で同時に保持して操作する食事補助具であって、親指の腹部が当接するフォークやスプーンなどの食掬具の柄を保持する食掬具保持部が前方に形成された、親指と人差し指もしくは中指との間に挟持される弾性体を具備したことを特徴とする食掬具操作器。
- 前記把持体は握り主部の後方に小指球部に適合する形状を実現する着脱自在の形状補正具を具備したことを特徴とする請求項1に記載の食器把持具。
- 前記把持体は嵌着枠体係着部側ピースと小指球固定部側ピースで構成され、これらが角度自在に固定可能に軸着した構造であることを特徴とする請求項1に記載の食器把持具。
- 前記把持体は線材もしくは平板材で形成される嵌着枠体のいずれかを選択的に係着可能に着脱自在の嵌着枠体結合器を具備したことを特徴とする請求項1に記載の食器把持具。
- 前記弾性体は食掬具保持部を前面側とする前後に伸縮するコイルばね体であって、このコイルばね体の下部を前後に凹状に覆設する下部覆体を具備したことを特徴とする請求項2に記載の食掬具操作器。
- 前記嵌着枠体係着部側ピースと小指球固定部側ピースはこれらを軸着する軸を中心とする折り曲げ時にいずれか一方のピースの軸着部周辺の外周面と他方のピースの段差壁面との間に嵌着枠体形成素材の線材の直径幅で少なくても前記段差壁面の横幅の長さの間隙を並行して形成すべく軸着し、段差壁面形成側のピースには段差壁面に平行に前記線材幅のスリットが溝設され、軸を中心に段差壁面に対峙する側のピースを回転させた時にその軸着部周辺の外周面が、元部側を前記スリットに嵌着固定し端部側を軽く折り返して両パーツ間に緩挿された線材の折り返し区間部を前記段差壁面に押圧しつつ前記間隙に押し込み、前記スリットと前記間隙の中心間距離を並行幅とする嵌着枠体係着部に特化したU字形に定型加工する挟み治具を実現したことを特徴とする請求項4に記載の食器把持具。
- 前記把持体は前端面下方に嵌着枠体が俯角をなして前傾に保持される嵌着枠体係着部を具備したことを特徴とする請求項1に記載の食器把持具。
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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