JP2013545067A - 多重デッキチャンバー型熱処理炉 - Google Patents

多重デッキチャンバー型熱処理炉 Download PDF

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Abstract

少なくとも2つの水平なチャンバー炉(16・17・18)を有する熱処理炉ハウジング(11)を有し、前記チャンバー炉は一つが他の一つの上に来るように上下に配置され、前記各チャンバー炉は一側の炉壁(12)に開口(13・14・15)を有し、そして当該開口は炉扉(20・21・22)により閉じることができる、ワークピース(19・19´)を加熱するための多重デッキチャンバー型熱処理炉(10)において、炉扉(20・21・22)の横断軸線が炉壁(12)との間に0°よりも大きく45°よりも小さい角度αを成すように、前記炉扉が付随する前記チャンバー炉の前記開口の前部に配置され、前記炉扉の横断軸線は前記炉扉の水平軸線と垂直に延びており、前記炉扉はこれらの横断軸線に沿って直線的に動くことができることとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワークピースを加熱するための多重デッキチャンバー型熱処理炉に関し、特に、少なくとも2つの水平なチャンバー炉を有する熱処理炉ハウジングを有し、前記チャンバー炉は一つが他の一つの上に来るように上下に配置され、各チャンバー炉は少なくとも一側の炉壁に開口を有し、そして当該開口は炉扉により閉じることができる、当該多重デッキチャンバー型熱処理炉に関する。このような熱処理炉は、とりわけ、自動車産業に用いられるワークピースを加熱するのに採用することができる。
今日だけでなく将来においても、自動車産業の主要な到達点となり得るべきものには、燃料消費量の減少、CO排出量の低減、そして乗客の安全の向上が含まれる。燃料消費量を低減し、そしてCO排出量を低減するために、一般的に採用されている方法は、例えば、車両の重量を低減するという方法である。しかしながら、同時に乗客の安全も向上させるためには、車体パネルに採用される鋼品質は、とても強く、しかも重量が軽いものでなければならない。
結果として、車体パネルの鋼品質であって、重量に対する強度の比率が好適な値を示す鋼品質に対し、大きな関心が寄せられている。これは、一般的に、いわゆるプレス焼入れ又は熱間鍛造の過程により成し遂げることができる。この過程においては、シート状の金属のパーツが800℃〜1000℃(華氏1472度〜1832度)まで加熱され、それから冷却鋳型により成形され急冷される。この過程により、パーツの強度が約3倍に増加する。プレス焼入れは、加熱処理、成形、そして同時に制御冷却と組み合わせることにより、車体パネルをより軽量にかつより硬くすることができる。
通常は、このようなシート状の金属のパーツは、6枚ぐらいまでの個々のシートが互いに隣り合うように及び/又は互いに前後となるように配置されてパックとされて、細長いローラハース熱処理炉又はウォーキングビーム熱処理炉により約900℃(華氏1652度)のオーステナイト温度にまで加熱される。Si−Alコーティングをする場合、パーツは約950℃(華氏1742度)の拡散温度にまで加熱される。Si−Alコーティングにおいては、より長い保持時間である約5分程度が必要となる。これらの理由により、必要とされる熱処理炉は、長さが40メートルぐらいまでとなるように設計される。そのため、この長さが原因で、これらの熱処理炉には莫大なスペースが必要であるという難点が通常存在する。しかしながら、このような設置長さは、近年の自動車プレス工場において、容易に省コストで適合することは困難である。
このため、スペースを抑えるために、水平に、一つが他の一つの上に来るように上下に配置される複数のフロアを有する熱処理炉を採用する可能性が考えられる。このような熱処理炉は、階層熱処理炉とも呼ばれる。ここで、個々の熱処理炉のフロアは引き出し要素により構成され、当該引き出し要素は、ワークピースを載せたり取り出したりするために熱処理炉から水平に引き出すことができる。例えば、独国特許発明第102006020781B3号明細書には、鋼薄板を加熱するための階層熱処理炉が開示されており、それには複数の熱処理炉のフロアが水平に、一つが他の一つの上に来るように上下に配置されており、各フロアは少なくとも一つ鋼薄板に対応している。しかしながら、比較的高いチャンバー炉に設けられた棚状の支持構造の上に、複数の金属のシートを一つが他の一つの上に来るように載せることも可能である。
金属のシート又は金属のシートのパックを、一つが他の一つの上に来るように上下に載せることのできる階層熱処理炉又は多重チャンバー熱処理炉の場合、上下に配置される個々の熱処理炉デッキの高さを出来る限り低くすることがとても重要となる。そうすることにより、熱処理炉の全体的な高さは、用いられているグリッパー技術をコスト的に実現することが可能なものとなる。さらに、内部の温度に起因する煙突圧力が高くなり過ぎないようにしなくてはならない。コーティングされていない金属シートに対しては無酸素不活性ガスが用いられなくてはならないため、熱処理炉の中においても気流が発生することを避けなければならない。さらに、いかなる気流の発生も避けられなければならない。そうでなければ、下側の扉の近辺の温度が、制御することが困難又は不可能なような加熱曲線の原因となるからである。
このタイプの第一の熱処理炉は、スライド式の扉を有し、また、チャンバー炉として構成される連続的な内部空間を有する。また、一側にスイング式の扉を有するタイプの熱処理炉も既に存在している。しかしながら、これらのデザインでは、スライド式の扉においては完全にぴったりとはシールされることがなく、そしてスイング式の扉においては大きな体積の空気の動きを招く、という難点を有する。さらに、スイング式の扉の場合、スイングして扉を開くためには広いスペースが要求されるという難点もある。
独国特許発明第102006020781B3号明細書
この背景の下に、本発明の目的は、金属シートのパーツを加熱するための多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、上下に配置される複数の熱処理炉のフロアと、扉をしっかりとシールする機構と、を有する多重デッキチャンバー型熱処理炉を提供することである。この多重デッキチャンバー型熱処理炉は、上述の仕様にも対応するものである。
本発明によれば、この目的は、独立請求項1の特徴を有する多重デッキチャンバー型熱処理炉により達成される。当該多重デッキチャンバー型熱処理炉の有利な改良は、従属請求項2〜15の結果として生じる。
ワークピースを加熱するための本発明に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉は、少なくとも2つの水平なチャンバー炉を有する熱処理炉ハウジングを有し、前記チャンバー炉は一つが他の一つの上に来るように上下に配置され、各チャンバー炉は一側の炉壁に開口を有し、そして当該開口は炉扉により閉じることができる。前記炉扉の横断軸線が前記炉壁との間に0°よりも大きく45°よりも小さい角度αを成すように、前記炉扉が付随する前記チャンバー炉の前記開口の前部に配置される。ここで、前記炉扉の前記横断軸線は前記炉扉の水平軸線と垂直に延びている。さらに、本発明によれば、前記炉扉はこれらの横断軸線に沿って直線的に動くことができる。
一つが他の一つの上方に配置されるチャンバー炉の炉扉の本発明に関する構成により、熱処理炉及びチャンバー炉の寸法に関係なく、過程を通じてぴったりと閉まる扉の機構を実現することができる。これは、炉扉の傾斜により、狭いスペースにおいても、当該炉扉が直線的に動くことができるからである。このとき、一つの扉が他の一つの扉の動きを邪魔することはない。チャンバー炉がとても低くなるように設計された場合においても、炉扉をぴったりとシールすることが可能であり、例えば従来のスイング式の扉の場合のような空気の入換えが起こることは特にない。とりわけ、一番上及び一番下の炉扉を除いて、各炉扉は隣接する炉扉に沿って直線的に動かすことができる。結果として、本発明の前記扉の構造を採用することにより、チャンバー炉の高さを非常に低く設計することができ、熱処理炉の全体的な高さを小さくすることができる。結果として、当該熱処理炉の全体的な高さは、用いられているグリッパー技術をコスト的に実現することが可能なものとなる。
さらに、本発明に係る前記扉の機構においてはそれほどスペースが必要ではなく、特に、従来のように前記扉をスイングして開けるようにするために前記熱処理炉の周囲にスペースを設ける必要がない。さらに、前記炉扉は直線的に動かすことができるので、前記熱処理炉の中にも気流が入って来ることを避けることができる。これは、例えば従来のスイング式の扉では実現できなかったことである。それにも関わらず、前記炉扉は、ぴったりとシールされるように設計することができ、逃げ出る不活性ガスの量を最小限とするために、部分的に開けることも可能としている。
本発明の一つの実施形態においては、前記チャンバー炉は中間デッキによりそれぞれ互いに分離されており、当該中間デッキは前記熱処理炉ハウジングの中に取り外し可能に取り付けられる。好ましくは、前記中間デッキは、前記熱処理炉ハウジングの中に取り付けられた支持構造の上に実質的に気密に載置されている。この実施形態により、前記熱処理炉の組み立てが容易となり、問題となっている適用に適合した適切な材料で作られた中間デッキを形成することが可能となる。例えば、前記中間デッキは、放射熱透過性石英板として構成することができる。このように構成することにより、気体が熱処理炉の中に混入し混ざることを防止することができる一方、放射熱は中間デッキを通過するようにすることができる。さらに、当該中間デッキは、前記熱処理炉ハウジングの中で有害な煙突圧力が生じることを防止できる。
本発明の一つの実施形態においては、支持構造は、前記熱処理炉ハウジングの内壁に取り付けられた少なくとも2つの対向する支持ビームにより形成され、当該支持ビームは前記熱処理炉ハウジングの側壁に沿って延びており、前記各中間デッキは、互いに対向するように配置された2つの支持ビームの上に載置される。このように、簡単な方法により、実質的に気密となるように前記中間デッキを載せられるように、支持構造を組み立てることができる。
ここで、前記支持ビームは、例えば、ブリッジを有するビームとして構成され、少なくとも一つのフランジが前記ブリッジに対して垂直となるように位置付けられ、前記少なくとも一つのフランジは水平に延びていて、前記中間デッキは、支持ビームの前記少なくとも一つのフランジの上に載置される。好ましくは、前記中間デッキが載せられる前記少なくとも一つのフランジはブリッジの下端に設けられ、そして前記中間デッキはそれぞれ、支持ビームのこの下側のフランジに載置される。さらに、前記支持ビームの前記ブリッジにはそれぞれ少なくとも一つの凹所が設けられ、当該凹所を、前記多重デッキチャンバー型熱処理炉の加熱手段としての放射管が貫通し、当該各放射管は前記熱処理炉ハウジングの前記側壁に嵌め込まれている。このような実施形態は、前記ビームの下側のフランジは中間デッキの座面を作るために有利に用いることができ、一方で、ワークピースを加熱するための放射管は前記中間デッキの上に直接的に配置することができることを意味している。そして、ワークピースが前記放射管の上方に配置されたら(例えば、ワークピースがダブルT型ビームの上側のフランジに載置されたら)、放射管は下方からワークピースを加熱することができる。一方で、生成した熱は、下方のチャンバー炉の中にも放射される。
好ましくは、前記支持構造は繊維強化酸化アルミニウム(Al)製である。なぜならば、この材料は軽量で、かつ高い耐熱性を示すからである。
前記炉扉は好ましくは個々の駆動部によって動かされる、いずれの場合にも、個々の駆動部は炉扉の側面に取り付けられ、そしてそれは前記関連する炉扉と噛み合っている。好ましくは、前記個々の駆動部の動作は、同期シャフトにより前記炉扉の反対側の側面に伝達され、前記同期シャフトは前記炉扉の水平長手方向の軸に沿って延びている。この実施形態によれば、炉扉の両側面に2つの駆動部を設けるやり方と比べて、コンパクトな構成とすることができる。
さらに、前記炉扉は、部分的に又は全体的に発泡セラミックにより作られているものとすることができる。発泡セラミックは、熱伝導性が低く、熱膨張係数の値も小さいため、一つの炉扉が他の一つの炉扉の前方に動かされた場合においても、当該炉扉の寸法安定性が保たれ、そのためぴったりとシールされた状態に保たれるという利点を発揮する。
さらに、少なくとも前記開口を有する前記炉壁は、前記熱処理炉の前面を安定させることを目的としてこれを冷却することができるように構成されている。この目的のために、前記炉壁の前部及び/又は内部に設けられたパイプシステムの中を例えば冷却剤が流れる。ここで、各炉扉の前記同期シャフトの少なくとも特定の部分は、このパイプシステムの中を通るものとすることができる。このように構成することにより、スペースを取らず、前記同期シャフトが過剰な熱にさらされることから保護することができ、そのため当該同期シャフトは折れ曲がらない。
本発明の付加的な利点、特別な特徴及び実際上の改良は、従属請求項、及び、図を参照した好適な実施形態についての以下の説明により、結果として起こる。
本発明に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉の一つの実施形態についての概略縦断面図。 炉扉が開いた状態の、図1に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉。 図1に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉についての概略横断面図。 図1に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉の拡大断面図であり、個々の駆動部を概略的に描写している。 2つの側に炉扉を設けた場合の、多重デッキチャンバー型熱処理炉の三次元の図。 (a)炉扉が閉じた状態のときの、駆動部の詳細な側面図。(b)図6(a)において炉扉が開こうとしているときの詳細な図。 (a)炉扉が閉じた状態のときの、駆動部の詳細な図であり、熱処理炉の内側から見たときの後面図。(b)図7(a)において炉扉が開こうとしているときの詳細な図。
図1は本発明に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉10の一つの実施形態を示しており、当該多重デッキチャンバー型熱処理炉10は、3つのチャンバー炉16・17・18を備える外側熱処理炉ハウジング11を有する。ここで、チャンバー炉16・17・18はそれぞれ水平に延びており、一つが他の一つの上に来るように上下に配置される。このように、この実施形態においては、3つのチャンバー炉16・17・18が上下に積み重ねられて配置される場合のみを示しているが、チャンバー炉の数として他の数を選択することもできる。
ワークピース19・19´は、各チャンバー炉16・17・18の中で加熱手段により加熱される。ここで、複数のワークピースを前記チャンバー炉の中において隣り合うように及び/又は互いに背後となるように配置することができる。ここで、前記ワークピースは前記熱処理炉の中に個別に積み込まれてもよく、あるいは、典型的には6枚までのワークピースを1つのパックにして積み込まれてもよい。前記ワークピースは、例えば、コーティングされた又はコーティングされていない鋼板から成る金属薄板であり、これはその後にプレス加工されて硬化される。ここで、前記金属板の厚みはほぼ1.5mm程度の厚さである。しかしながら、本発明に係る熱処理炉は、他の適用目的にも用いることができる。
各チャンバー炉の少なくとも一側には、炉壁に設けられた開口が付随する。当該開口を通して、加熱するために前記ワークピースを熱処理炉10の中に置くことができ、また加熱過程が終了したら取り出すことができる。ここでは、図1に示される実施形態に表されているように、各チャンバー炉16・17・18は、右手側の炉壁12にただ一つの開口13・14・15を有するものとすることができ、当該開口13・14・15を通して、前記ワークピースを熱処理炉10の中に置くことができ、またそこから取り出すことができる。しかしながら、各チャンバー炉の付随する炉扉に2つの対向する開口が設けられているものとすることもできる。このように構成した場合、前記チャンバー炉には供給側の炉扉を通してワークピースが連続的に搭載され、その一方で、これらのワークピースは加熱過程が終了した後に反対側の取り除き側の炉扉から取り出される。
チャンバー炉16・17・18の各開口13・14・15は、炉壁12の外側に配置される炉扉20・21・22により、個別に閉めることができる。ここで、炉扉20・21・22の横断軸線は炉壁12に対して角度αを成して延びている。当該角度αは、0°よりも大きく45°よりも小さい。それ故に、熱処理炉10の側方から見れば分かるように、前記炉扉は炉壁12に対して傾斜している。
長手軸線という用語は通常、部材の最も長く延びた方向に対応する当該部材の軸線を指す。一方で、部材の横断軸線は、この長手軸線に対して垂直に延びている。典型的には、前記熱処理炉を前方から見たら、前記炉扉はその高さよりも幅が広くなるように構成されているものである。これは、前記チャンバー炉は、その水平方向に延びた幅と比べて、高さは低くなるように構成されているものだからである。このため、炉扉の長手軸線は通常水平方向に延びる一方、その横断軸線はこの長手軸線に対して垂直に延び、炉壁12に対して角度αを成していると考えられる。すなわち横断軸線は、傾斜に関わらず、本質的には垂直に延びているのである。しかしながらこの発明においては、横断軸線とは、炉扉の寸法に関係なく、当該炉扉の水平な主軸線に対して垂直に延びる主軸線のことを常に指す。ここでは、炉扉の厚み方向に延びる軸線は考慮に入れられるべきではない。
各炉扉20・21・22は、個々の駆動部によって、この傾斜した横断軸線に沿って直線的に動かされることができる。好ましくは、前記炉扉は、隣接する炉扉に沿って直線的に動くこととすることができる。これは図2において、真ん中の扉21を動かす場合を例示している。この例示においては、真ん中の炉扉21が、これの上方に配置された炉扉20に沿って上方に直線的に動かされて、そうすることにより、炉扉20の後方に配置される炉壁12に形成された開口14が開放される。こうすることにより、この開口を通してワークピース19´を取り出すことができ、そして新しいワークピースを前記熱処理炉の中に配置することができる。
閉じた状態においては、炉扉20・21・22は、好ましくは屋根板のように重なり合い、炉扉の下部の領域はそれの下に配置される炉扉により部分的に覆われるようになっている。しかしながら、図1に示した実施形態においては、このことは一番下の炉扉22については明らかに当てはまらない。一番下の炉扉22は、これよりも下に他の炉扉が存在しないので、その下部領域がむき出しの状態となっている。しかしながら、炉扉が下方に向かって傾斜し、これらが下方に向かって直線的に動かされることにより下方に向かって開放されるように、炉扉を構成することもできる。この場合、炉扉の配置及び重なり合う箇所は前記と逆になる。このような実施形態は、炉扉を動かす際に当該炉扉の重力が利用できる点において、有利である。
ここで、全ての炉扉20・21・22を同時に開けることができ、あるいは、それぞれの炉扉が個々の駆動部によって別個に動かされるものとすることもできる。このように構成することにより、好ましくは炉扉を部分的に開けることができ、そうすることにより、不活性ガスだけではなく、放射熱も、確保しておくことができる。
前記炉扉が屋根板のように配置されることにより、当該炉扉は十分にしっかりと密閉されることとなる。ここで、前記炉扉の間の間隙は約1mmが許容範囲であり、当該炉扉は過程を通じて隙間がぴったりと閉まっていると考えることができる。前記扉が開くときに当該扉が炉扉の中の熱にさらされてゆがんでしまわないようにするために、各炉扉は全体的に又は少なくとも部分的には発泡セラミックで作られている。当該発泡セラミックは、熱伝導率が低く、熱膨張係数が約1×10−7−1である。このことにより、一つの炉扉が他の一つの前方に動かされたようなときでさえ、前記扉は寸法的に安定した状態に保たれ、そのためしっかりと密閉することができる。
図1、2及び3に示すように、個々のチャンバー炉16・17・18は中間デッキ40・41によりそれぞれ互いに分離されている。それ故に、3つのチャンバー炉16・17・18につき2つの中間デッキ40・41が設けられている。しかしながら、好ましくは、これらの中間デッキ40・41は熱処理炉ハウジング11に取り外せないように固定されているのではなく、むしろ、熱処理炉ハウジング11の中に取り外し可能に取り付けられている。中間デッキ40・41は、例えば、熱処理炉ハウジング11の中の支持構造の上に載置されている。この支持構造は、複数の支持ビームで形成されているものとすることができる。
前記支持構造の配置及び機能について、図3に基づいて説明する。図3は、熱処理炉ハウジング11の両側に3つの支持ビーム30・31・32及び30´・31´・32´が形成された構成から成る好ましい支持構造を概略横断面図で示している。これらの支持ビームは前記熱処理炉の内側に取り付けられているか、或いは部分的にその中に配置されており、いずれの場合にも、2つの支持ビームは、同じ高さで対向するように位置付けられている。好ましくは、これらはダブルT型ビームであるが、フランジが一つのみのT型ビームやその他の好適な支持ビームを適用することも可能である。前記ビームのフランジ35は水平に延びており、前記ビームのブリッジ33は垂直に延びており、このような構成により中間デッキ40・41を前記フランジの上に載せることができる。
図3に示した実施形態の場合のように、ダブルT型ビームが適用された場合、中間デッキ40・41は好ましくは下側のフランジ35の上に載置される。なお、描写を簡潔なものとするために、支持ビーム30の下側のフランジのみに参照符号35を付している。それ故に、中間デッキ40・41の幅は、熱処理路10が組み立てられたときに、2つの支持要素の間に中間デッキ40・41を配置し、下側のフランジ35の上に載置することができるような長さとなるように選択される。実際の実施においてアドヴァンテージとなることが確かな前記中間デッキの寸法は、例えば500mm×500mmである。前記チャンバー炉の間の実質的な気密性シールは、前記中間デッキに固有の重量がある結果得られるものである。ここで、前記中間デッキと保持フランジとの間には、小さな隙間があっても構わない。
しかしながら、2つの平行な支持ビームの間の距離を小さくするために、チャンバー炉の側壁の間に付加的な支持ビームが取り付けられているものとすることもできる。このようにした場合、前記中間デッキのサイズも縮小され、そして各中間デッキは2つの支持ビームの上に載せられる。
好ましくは、前記中間デッキは、赤外線スペクトルの放射線に対し高透磁性の石英ガラス板である。ここで、700nmから2000nmまでの範囲の赤外線放射に対しての約98%の透磁性を優先する。前記中間デッキの構造により、熱処理炉ハウジング11を複数のチャンバー炉に分割するのが簡単となる。各チャンバー炉の高さは、熱処理炉10の全体的な高さを小さくするために、出来る限り低くなるように選択することができる。チャンバー炉の高さは、例えば、約150mmから200mm程度の高さである。
特に、ダブルT型ビームを備える一つの実施形態においては、ワークピースの寸法がこれに適合する場合には、前記ワークピース又はワークピースのパック19・19´を、前記支持ビームの上側フランジ34の上に直接的に載せることができる。ここで、図3においては、同様に、ビーム30の上側のフランジのみが参照符号34を付して示してある。しかしながら、分離構造は前記熱処理炉の中に設けることもでき、そこに前記ワークピースを置くことができる。さらに、左手側の支持ビーム30・31・32から右手側の支持ビーム30´・31´・32´へと延びる追加の交差ビームが、付随する支持ビームの上側のフランジ34に取り付けられているものとすることもできる。そうした場合、同様に前記ワークピースを追加の交差支持構造の上に載せることができ、その結果、前記熱処理炉の横幅をより有効に利用するために、複数のワークピース又はワークピースのパックを隣同士に載せることができる。また、前記熱処理炉の側壁に外側のビームがあるだけではなく、これらのビームの間に追加の平行なビームを有するような、実施形態を選択することにより、同様の利点を達成することができる。
熱処理炉10の加熱手段として機能する放射管50・51・52が凹所36に挿入されるように、複数の凹所36が前記支持ビームのブリッジ33に設けられているものとすることができる。これらの放射管50・51・52は、熱処理炉ハウジング11の側壁に取り付けられ、凹所36を通って前記支持ビームの中を延びていて、前記チャンバー炉の中の端から端まで延びている。結果として、放射管50・51・52は前記チャンバー炉の中の一側の、ワークピースの下方に配置され、そのため前記ワークピースは均一に加熱される。これらはガス加熱放射管とすることができ、或いは電気抵抗加熱性の放射管とすることができる。当該放射管の直径は、約50mmから150mm程度の大きさである。
中間デッキ40・41が実質的に気密にシールされるこの配置においては、ワークピース19・19´と共に入ってきた空気中の酸素が隣接するチャンバー炉に混入し混合されることを防ぐことができ、また一方で放射管の放射熱は透過できるようにすることができる。
一般的に知られる熱処理炉でワークピースのキャリヤとして通常用いられる材料は、耐熱性ステンレス鋼又は脆性セラミックである。金属のキャリヤは所定の時間・温度の負荷を過ぎたら固有の重量に起因して次第にたわみ、約半年ぐらいの短い作動時間を過ぎたらひっくり返されなければならない。その結果、次第にたわむ過程は逆にされる。これは鋼鉄をひどく老朽化させるため、この過程は、ワークピースのキャリヤに亀裂が形成されて取り替えなくてはならなくなるまでに2、3回繰り返すことができるのみである。一方で、脆性セラミックのキャリヤは、例えば、使用されるローディング装置に起因するほんの少しの衝撃や衝突により破壊されてしまう。
このため、支持ビーム30・30´・31・31´・32・32´のために提案される材料は、特に純粋なAl繊維と適切な焼結結合剤から成る繊維強化セラミックの形のセラミック繊維複合材料である。この複合材料の比重は、鋼のおよそ3分の1であるが、その温度耐性は鋼よりも5倍高い。さらに、この複合材料は、例えばプレス工場で直面する大まかな動作条件に応じて、必要衝撃力及び衝撃抵抗を有する。
前記炉扉を横断軸線に沿って直線的に動かすのに、そして好ましくは隣接する炉扉に沿って動かすのに、用いられる個々の駆動部は、異なる方法で構成することができる。一つの実施形態においては、それは電気モーターであり、或いは、シリンダーに収容されるピストンロッドを有する空圧駆動である。このような駆動部は、図4の詳細な図の中に示してある。描写を簡潔にするために、真ん中の炉扉21の駆動部のみを示してある。図4においてこの真ん中の扉は開いている。さらに、駆動部全体はハウジングの中に配置されていてもよく、及び/又は他の構成要素を有していてもよい。図4の概略図では、あり得る駆動部の基本原理のみを示すことを意図している。
他の炉扉20及び22については、同一の駆動部が前記熱処理炉の同じ側に備えられているものとすることができる。或いは、スペースに関係する理由から、駆動部は前記炉扉の異なる側に交互に配置されるものとすることもできる。後者の場合には、図4に示すように、炉扉20及び22の駆動部は、前記熱処理炉の後方に配置され、同様に炉扉21の図示された駆動部と同一のものとすることができる。
ピストンロッド63が炉扉21に取り付けられ、当該ピストンロッド63は、下方に配置され前記熱処理炉ハウジングに固定されたシリンダー64に適合する。シリンダー64も、ピストンロッド63も、炉扉21の横断軸線と平行に延びており、そのためこれらは炉壁12に対して傾斜している。ピストンロッド63が動くと、炉扉21はこれの上方に配置された炉扉20に沿って、上方へ又は下方へ直線的に動く。さらに、前記炉扉の直線的な動きを助力し、そして当該炉扉が前方へ傾くのを防止するために、この目的のためにガイドやその他の手段(ここでは示していない)を設けることとすることもできる。
さらに、冷却パイプ60・60´・60´´を炉壁12の開口14・15・16の領域に設けることができる。これらの冷却パイプ60・60´・60´´は、この領域の前記熱処理炉の前面を冷却するために、水のような冷却剤を運搬するのに用いられる。冷却パイプ60・60´・60´´は、互いに直列的に接続されていてもよく、或いは、互いに分離して冷却剤が個別に供給されるものとすることもできる。
図5の三次元の図は、一つが他の一つの上に位置している4つの炉扉に対してどのように駆動部が配置され得るかを示している。ここで、この実施形態においては、開口及び関連する炉扉は、熱処理炉10の両側に設けられている。シリンダーとピストンロッドを有する駆動部が上下に配置され、互いにオフセットとなるように配置される。このような構成により、各ピストンロッドはそれに関連するシリンダーの中で動くことができ、そうすることによりそれに関連する炉扉が直線的に動くことができる。ここで、図5で示した図では駆動部は全て前面に配置されているが、既に言及したように、スペースに関連する理由から、各第二の駆動部は熱処理炉10の後面に配置することもできる。
好ましくは、駆動部の作動力は炉扉の側面で作用する。しかしながら、これは作動時に炉扉の一側に圧力を与えることとなり、当該炉扉の変形を招くこととなる。そのため、作動力が均等に伝達されるようにするために、駆動部の動きは好ましくは同期シャフト65により反対側へと、すなわちその炉扉の反対側の側面へと、伝達される。それ故に、同期シャフト65は炉扉の長手軸線に沿って水平方向に延びている。前記炉扉が閉まっている時は、同期シャフト65は前記扉の上側領域に位置している。本発明の一つの実施形態においては、付随する同期シャフトの少なくとも特定の部分は、前記熱処理炉の前面の冷却システムの冷却パイプの中を通るものとすることができる。そうすることにより、デザインがよりコンパクトとなり、スペースを抑えることができる。さらに、このように構成することにより、同期シャフトが冷却されることともなり、屈曲することを防ぐことができる。
作動力は、図6(a)及び図6(b)に概略的に示したように、例えばラックピニオンギアにより、同期シャフトを経由して伝達されるものとすることができる。ここで、図6(a)には、閉じた状態の時の真ん中の炉扉21と、それの駆動部と、を示してある。隣接する炉扉20及び22は、またもや駆動部なしの状態で示してある。ラック61が炉扉21に又はピストンロッド63に取り付けられており、このラック61は炉扉21の横断軸線に沿って延びている。炉扉21がピストンロッド63により駆動されることにより動いたとき、この前記ラックはピニオン62と互いに噛み合う。この過程は、図6(b)において、動きを示す矢印により示してある。ここで、ピストンロッド63とそれに伴いラック61とが上方へ動いた場合、ピニオン62は反時計回りに回転する。ピニオン62は同期シャフト65に固定されており、そのためこれは同様に反時計回りに回転する。
図7(a)及び図7(b)は、前記熱処理炉の内側から見たときの、この作動力伝達機構の概略的な後面図を示している。そのため、真ん中の炉扉21の同期シャフト65が、当該炉扉の前方に配置されている。他の2つの炉扉20・22は単に破線で示してある。上述のピニオン62は同期シャフト65に固定されており、もう1つのピニオン62´は炉扉21の反対側で同期シャフト65上に配置されている。こちら側にも、もう1つのラック61´が炉扉21に設けられており、これが第二のピニオン62´と互いに噛み合っている。
図7(a)は、前記炉扉が閉じている状態の時を示しており、真ん中の炉扉21の同期シャフト65が当該炉扉21の上側領域に配置されている。その後、図7(b)に矢印で示されるように、前記炉扉がピストンロッド63により上方に動かされた場合、ピニオン62が回転し、この回転は同期シャフト65を介して反対側のピニオン62´に伝達される。結果として、反対側のラック61´も上方へと動き、炉扉21のもう一方の側面に上方への力を与える。それ故に、動く時には、炉扉21の両方の側面において上方へ又は下方への垂直な力が作用する。そのため、炉扉21には均一に圧力が加えられ、作動時に曲がったりすることがない。ピニオン62・62´とラック61・61´との噛み合いを助力するために、ガイド(ここでは示していない)を設けることもできる。当該ガイドは、前記炉扉の直線的な動きを確かなものとするためのものであり、前記ピニオンが前記ラックから外れることを防止するためのものである。
10 熱処理炉、多重デッキチャンバー型熱処理炉
11 熱処理炉ハウジング
12 炉壁
13・14・15 開口
16・17・18 チャンバー炉
19・19´ ワークピース、ワークピースのパック
20・21・22 炉扉
30・30´・31・31´・32・32´ 支持ビーム、ビーム
33 ブリッジ
34・35 フランジ
36 凹所
40・41 中間デッキ
50・51・52 放射管
60・60´・60´´・60´´´ 冷却パイプ
61・61´ ラック
62・62´ ピニオン
63 ピストンロッド
64 シリンダー
65 同期シャフト
本発明は、ワークピースを加熱するための多重デッキチャンバー型熱処理炉に関し、特に、少なくとも2つの水平なチャンバー炉を有する熱処理炉ハウジングを有し、前記チャンバー炉は一つが他の一つの上に来るように上下に配置され、各チャンバー炉は少なくとも一側の炉壁に開口を有し、そして当該開口は炉扉により閉じることができる、当該多重デッキチャンバー型熱処理炉に関する。このような熱処理炉は、とりわけ、自動車産業に用いられるワークピースを加熱するのに採用することができる。
今日だけでなく将来においても、自動車産業の主要な到達点となり得るべきものには、燃料消費量の減少、CO排出量の低減、そして乗客の安全の向上が含まれる。燃料消費量を低減し、そしてCO排出量を低減するために、一般的に採用されている方法は、例えば、車両の重量を低減するという方法である。しかしながら、同時に乗客の安全も向上させるためには、車体パネルに採用される鋼品質は、とても強く、しかも重量が軽いものでなければならない。
結果として、車体パネルの鋼品質であって、重量に対する強度の比率が好適な値を示す鋼品質に対し、大きな関心が寄せられている。これは、一般的に、いわゆるプレス焼入れ又は熱間鍛造の過程により成し遂げることができる。この過程においては、シート状の金属のパーツが800℃〜1000℃(華氏1472度〜1832度)まで加熱され、それから冷却鋳型により成形され急冷される。この過程により、パーツの強度が約3倍に増加する。プレス焼入れは、加熱処理、成形、そして同時に制御冷却と組み合わせることにより、車体パネルをより軽量にかつより硬くすることができる。
通常は、このようなシート状の金属のパーツは、6枚ぐらいまでの個々のシートが互いに隣り合うように及び/又は互いに前後となるように配置されてパックとされて、細長いローラハース熱処理炉又はウォーキングビーム熱処理炉により約900℃(華氏1652度)のオーステナイト温度にまで加熱される。Si−Alコーティングをする場合、パーツは約950℃(華氏1742度)の拡散温度にまで加熱される。Si−Alコーティングにおいては、より長い保持時間である約5分程度が必要となる。これらの理由により、必要とされる熱処理炉は、長さが40メートルぐらいまでとなるように設計される。そのため、この長さが原因で、これらの熱処理炉には莫大なスペースが必要であるという難点が通常存在する。しかしながら、このような設置長さは、近年の自動車プレス工場において、容易に省コストで適合することは困難である。
このため、スペースを抑えるために、水平に、一つが他の一つの上に来るように上下に配置される複数のフロアを有する熱処理炉を採用する可能性が考えられる。このような熱処理炉は、階層熱処理炉とも呼ばれる。ここで、個々の熱処理炉のフロアは引き出し要素により構成され、当該引き出し要素は、ワークピースを載せたり取り出したりするために熱処理炉から水平に引き出すことができる。例えば、独国特許発明第102006020781B3号明細書には、鋼薄板を加熱するための階層熱処理炉が開示されており、それには複数の熱処理炉のフロアが水平に、一つが他の一つの上に来るように上下に配置されており、各フロアは少なくとも一つ鋼薄板に対応している。しかしながら、比較的高いチャンバー炉に設けられた棚状の支持構造の上に、複数の金属のシートを一つが他の一つの上に来るように載せることも可能である。
金属のシート又は金属のシートのパックを、一つが他の一つの上に来るように上下に載せることのできる階層熱処理炉又は多重チャンバー熱処理炉の場合、上下に配置される個々の熱処理炉デッキの高さを出来る限り低くすることがとても重要となる。そうすることにより、熱処理炉の全体的な高さは、用いられているグリッパー技術をコスト的に実現することが可能なものとなる。さらに、内部の温度に起因する煙突圧力が高くなり過ぎないようにしなくてはならない。コーティングされていない金属シートに対しては無酸素不活性ガスが用いられなくてはならないため、熱処理炉の中においても気流が発生することを避けなければならない。さらに、いかなる気流の発生も避けられなければならない。そうでなければ、下側の扉の近辺の温度が、制御することが困難又は不可能なような加熱曲線の原因となるからである。
このタイプの第一の熱処理炉は、スライド式の扉を有し、また、チャンバー炉として構成される連続的な内部空間を有する。また、一側にスイング式の扉を有するタイプの熱処理炉も既に存在している。しかしながら、これらのデザインでは、スライド式の扉においては完全にぴったりとはシールされることがなく、そしてスイング式の扉においては大きな体積の空気の動きを招く、という難点を有する。さらに、スイング式の扉の場合、スイングして扉を開くためには広いスペースが要求されるという難点もある。
独国特許発明第102006020781B3号明細書
この背景の下に、本発明の目的は、金属シートのパーツを加熱するための多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、上下に配置される複数の熱処理炉のフロアと、扉をしっかりとシールする機構と、を有する多重デッキチャンバー型熱処理炉を提供することである。この多重デッキチャンバー型熱処理炉は、上述の仕様にも対応するものである。
本発明によれば、この目的は、独立請求項1の特徴を有する多重デッキチャンバー型熱処理炉により達成される。当該多重デッキチャンバー型熱処理炉の有利な改良は、従属請求項2〜15の結果として生じる。
ワークピースを加熱するための本発明に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉は、少なくとも2つの水平なチャンバー炉を有する熱処理炉ハウジングを有し、前記チャンバー炉は一つが他の一つの上に来るように上下に配置され、各チャンバー炉は一側の炉壁に開口を有し、そして当該開口は炉扉により閉じることができる。前記炉扉の横断軸線が前記炉壁との間に0°よりも大きく45°よりも小さい角度αを成すように、前記炉扉が付随する前記チャンバー炉の前記開口の前部に配置される。ここで、前記炉扉の前記横断軸線は前記炉扉の水平軸線と垂直に延びている。さらに、本発明によれば、前記炉扉はこれらの横断軸線に沿って直線的に動くことができる。
一つが他の一つの上方に配置されるチャンバー炉の炉扉の本発明に関する構成により、熱処理炉及びチャンバー炉の寸法に関係なく、過程を通じてぴったりと閉まる扉の機構を実現することができる。これは、炉扉の傾斜により、狭いスペースにおいても、当該炉扉が直線的に動くことができるからである。このとき、一つの扉が他の一つの扉の動きを邪魔することはない。チャンバー炉がとても低くなるように設計された場合においても、炉扉をぴったりとシールすることが可能であり、例えば従来のスイング式の扉の場合のような空気の入換えが起こることは特にない。とりわけ、一番上及び一番下の炉扉を除いて、各炉扉は隣接する炉扉に沿って直線的に動かすことができる。結果として、本発明の前記扉の構造を採用することにより、チャンバー炉の高さを非常に低く設計することができ、熱処理炉の全体的な高さを小さくすることができる。結果として、当該熱処理炉の全体的な高さは、用いられているグリッパー技術をコスト的に実現することが可能なものとなる。
さらに、本発明に係る前記扉の機構においてはそれほどスペースが必要ではなく、特に、従来のように前記扉をスイングして開けるようにするために前記熱処理炉の周囲にスペースを設ける必要がない。さらに、前記炉扉は直線的に動かすことができるので、前記熱処理炉の中にも気流が入って来ることを避けることができる。これは、例えば従来のスイング式の扉では実現できなかったことである。それにも関わらず、前記炉扉は、ぴったりとシールされるように設計することができ、逃げ出る不活性ガスの量を最小限とするために、部分的に開けることも可能としている。
本発明の一つの実施形態においては、前記チャンバー炉は中間デッキによりそれぞれ互いに分離されており、当該中間デッキは前記熱処理炉ハウジングの中に取り外し可能に取り付けられる。好ましくは、前記中間デッキは、前記熱処理炉ハウジングの中に取り付けられた支持構造の上に実質的に気密に載置されている。この実施形態により、前記熱処理炉の組み立てが容易となり、問題となっている適用に適合した適切な材料で作られた中間デッキを形成することが可能となる。例えば、前記中間デッキは、放射熱透過性石英板として構成することができる。このように構成することにより、気体が熱処理炉の中に混入し混ざることを防止することができる一方、放射熱は中間デッキを通過するようにすることができる。さらに、当該中間デッキは、前記熱処理炉ハウジングの中で有害な煙突圧力が生じることを防止できる。
本発明の一つの実施形態においては、支持構造は、前記熱処理炉ハウジングの内壁に取り付けられた少なくとも2つの対向する支持ビームにより形成され、当該支持ビームは前記熱処理炉ハウジングの側壁に沿って延びており、前記各中間デッキは、互いに対向するように配置された2つの支持ビームの上に載置される。このように、簡単な方法により、実質的に気密となるように前記中間デッキを載せられるように、支持構造を組み立てることができる。
ここで、前記支持ビームは、例えば、ブリッジを有するビームとして構成され、少なくとも一つのフランジが前記ブリッジに対して垂直となるように位置付けられ、前記少なくとも一つのフランジは水平に延びていて、前記中間デッキは、支持ビームの前記少なくとも一つのフランジの上に載置される。好ましくは、前記中間デッキが載せられる前記少なくとも一つのフランジはブリッジの下端に設けられ、そして前記中間デッキはそれぞれ、支持ビームのこの下側のフランジに載置される。さらに、前記支持ビームの前記ブリッジにはそれぞれ少なくとも一つの凹所が設けられ、当該凹所を、前記多重デッキチャンバー型熱処理炉の加熱手段としての放射管が貫通し、当該各放射管は前記熱処理炉ハウジングの前記側壁に嵌め込まれている。このような実施形態は、前記ビームの下側のフランジは中間デッキの座面を作るために有利に用いることができ、一方で、ワークピースを加熱するための放射管は前記中間デッキの上に直接的に配置することができることを意味している。そして、ワークピースが前記放射管の上方に配置されたら(例えば、ワークピースがダブルT型ビームの上側のフランジに載置されたら)、放射管は下方からワークピースを加熱することができる。一方で、生成した熱は、下方のチャンバー炉の中にも放射される。
好ましくは、前記支持構造は繊維強化酸化アルミニウム(Al)製である。なぜならば、この材料は軽量で、かつ高い耐熱性を示すからである。
前記炉扉は好ましくは個々の駆動部によって動かされる、いずれの場合にも、個々の駆動部は炉扉の側面に取り付けられ、そしてそれは前記関連する炉扉と噛み合っている。好ましくは、前記個々の駆動部の動作は、同期シャフトにより前記炉扉の反対側の側面に伝達され、前記同期シャフトは前記炉扉の水平長手方向の軸に沿って延びている。この実施形態によれば、炉扉の両側面に2つの駆動部を設けるやり方と比べて、コンパクトな構成とすることができる。
さらに、前記炉扉は、部分的に又は全体的に発泡セラミックにより作られているものとすることができる。発泡セラミックは、熱伝導性が低く、熱膨張係数の値も小さいため、一つの炉扉が他の一つの炉扉の前方に動かされた場合においても、当該炉扉の寸法安定性が保たれ、そのためぴったりとシールされた状態に保たれるという利点を発揮する。
さらに、少なくとも前記開口を有する前記炉壁は、前記熱処理炉の前面を安定させることを目的としてこれを冷却することができるように構成されている。この目的のために、前記炉壁の前部及び/又は内部に設けられたパイプシステムの中を例えば冷却剤が流れる。ここで、各炉扉の前記同期シャフトの少なくとも特定の部分は、このパイプシステムの中を通るものとすることができる。このように構成することにより、スペースを取らず、前記同期シャフトが過剰な熱にさらされることから保護することができ、そのため当該同期シャフトは折れ曲がらない。
本発明の付加的な利点、特別な特徴及び実際上の改良は、従属請求項、及び、図を参照した好適な実施形態についての以下の説明により、結果として起こる。
本発明に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉の一つの実施形態についての概略縦断面図。 炉扉が開いた状態の、図1に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉。 図1に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉についての概略横断面図。 図1に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉の拡大断面図であり、個々の駆動部を概略的に描写している。 2つの側に炉扉を設けた場合の、多重デッキチャンバー型熱処理炉の三次元の図。 (a)炉扉が閉じた状態のときの、駆動部の詳細な側面図。(b)図6(a)において炉扉が開こうとしているときの詳細な図。 (a)炉扉が閉じた状態のときの、駆動部の詳細な図であり、熱処理炉の内側から見たときの後面図。(b)図7(a)において炉扉が開こうとしているときの詳細な図。
図1は本発明に係る多重デッキチャンバー型熱処理炉10の一つの実施形態を示しており、当該多重デッキチャンバー型熱処理炉10は、3つのチャンバー炉16・17・18を備える外側熱処理炉ハウジング11を有する。ここで、チャンバー炉16・17・18はそれぞれ水平に延びており、一つが他の一つの上に来るように上下に配置される。このように、この実施形態においては、3つのチャンバー炉16・17・18が上下に積み重ねられて配置される場合のみを示しているが、チャンバー炉の数として他の数を選択することもできる。
ワークピース19・19´は、各チャンバー炉16・17・18の中で加熱手段により加熱される。ここで、複数のワークピースを前記チャンバー炉の中において隣り合うように及び/又は互いに背後となるように配置することができる。ここで、前記ワークピースは前記熱処理炉の中に個別に積み込まれてもよく、あるいは、典型的には6枚までのワークピースを1つのパックにして積み込まれてもよい。前記ワークピースは、例えば、コーティングされた又はコーティングされていない鋼板から成る金属薄板であり、これはその後にプレス加工されて硬化される。ここで、前記金属板の厚みはほぼ1.5mm程度の厚さである。しかしながら、本発明に係る熱処理炉は、他の適用目的にも用いることができる。
各チャンバー炉の少なくとも一側には、炉壁に設けられた開口が付随する。当該開口を通して、加熱するために前記ワークピースを熱処理炉10の中に置くことができ、また加熱過程が終了したら取り出すことができる。ここでは、図1に示される実施形態に表されているように、各チャンバー炉16・17・18は、右手側の炉壁12にただ一つの開口13・14・15を有するものとすることができ、当該開口13・14・15を通して、前記ワークピースを熱処理炉10の中に置くことができ、またそこから取り出すことができる。しかしながら、各チャンバー炉の付随する炉扉に2つの対向する開口が設けられているものとすることもできる。このように構成した場合、前記チャンバー炉には供給側の炉扉を通してワークピースが連続的に搭載され、その一方で、これらのワークピースは加熱過程が終了した後に反対側の取り除き側の炉扉から取り出される。
チャンバー炉16・17・18の各開口13・14・15は、炉壁12の外側に配置される炉扉20・21・22により、個別に閉めることができる。ここで、炉扉20・21・22の横断軸線は炉壁12に対して角度αを成して延びている。当該角度αは、0°よりも大きく45°よりも小さい。それ故に、熱処理炉10の側方から見れば分かるように、前記炉扉は炉壁12に対して傾斜している。
長手軸線という用語は通常、部材の最も長く延びた方向に対応する当該部材の軸線を指す。一方で、部材の横断軸線は、この長手軸線に対して垂直に延びている。典型的には、前記熱処理炉を前方から見たら、前記炉扉はその高さよりも幅が広くなるように構成されているものである。これは、前記チャンバー炉は、その水平方向に延びた幅と比べて、高さは低くなるように構成されているものだからである。このため、炉扉の長手軸線は通常水平方向に延びる一方、その横断軸線はこの長手軸線に対して垂直に延び、炉壁12に対して角度αを成していると考えられる。すなわち横断軸線は、傾斜に関わらず、本質的には垂直に延びているのである。しかしながらこの発明においては、横断軸線とは、炉扉の寸法に関係なく、当該炉扉の水平な主軸線に対して垂直に延びる主軸線のことを常に指す。ここでは、炉扉の厚み方向に延びる軸線は考慮に入れられるべきではない。
各炉扉20・21・22は、個々の駆動部によって、この傾斜した横断軸線に沿って直線的に動かされることができる。好ましくは、前記炉扉は、隣接する炉扉に沿って直線的に動くこととすることができる。これは図2において、真ん中の扉21を動かす場合を例示している。この例示においては、真ん中の炉扉21が、これの上方に配置された炉扉20に沿って上方に直線的に動かされて、そうすることにより、炉扉21の後方に配置される炉壁12に形成された開口14が開放される。こうすることにより、この開口を通してワークピース19´を取り出すことができ、そして新しいワークピースを前記熱処理炉の中に配置することができる。
閉じた状態においては、炉扉20・21・22は、好ましくは屋根板のように重なり合い、炉扉の下部の領域はそれの下に配置される炉扉により部分的に覆われるようになっている。しかしながら、図1に示した実施形態においては、このことは一番下の炉扉22については明らかに当てはまらない。一番下の炉扉22は、これよりも下に他の炉扉が存在しないので、その下部領域がむき出しの状態となっている。しかしながら、炉扉が下方に向かって傾斜し、これらが下方に向かって直線的に動かされることにより下方に向かって開放されるように、炉扉を構成することもできる。この場合、炉扉の配置及び重なり合う箇所は前記と逆になる。このような実施形態は、炉扉を動かす際に当該炉扉の重力が利用できる点において、有利である。
ここで、全ての炉扉20・21・22を同時に開けることができ、あるいは、それぞれの炉扉が個々の駆動部によって別個に動かされるものとすることもできる。このように構成することにより、好ましくは炉扉を部分的に開けることができ、そうすることにより、不活性ガスだけではなく、放射熱も、確保しておくことができる。
前記炉扉が屋根板のように配置されることにより、当該炉扉は十分にしっかりと密閉されることとなる。ここで、前記炉扉の間の間隙は約1mmが許容範囲であり、当該炉扉は過程を通じて隙間がぴったりと閉まっていると考えることができる。前記扉が開くときに当該扉が炉扉の中の熱にさらされてゆがんでしまわないようにするために、各炉扉は全体的に又は少なくとも部分的には発泡セラミックで作られている。当該発泡セラミックは、熱伝導率が低く、熱膨張係数が約1×10−7−1である。このことにより、一つの炉扉が他の一つの前方に動かされたようなときでさえ、前記扉は寸法的に安定した状態に保たれ、そのためしっかりと密閉することができる。
図1、2及び3に示すように、個々のチャンバー炉16・17・18は中間デッキ40・41によりそれぞれ互いに分離されている。それ故に、3つのチャンバー炉16・17・18につき2つの中間デッキ40・41が設けられている。しかしながら、好ましくは、これらの中間デッキ40・41は熱処理炉ハウジング11に取り外せないように固定されているのではなく、むしろ、熱処理炉ハウジング11の中に取り外し可能に取り付けられている。中間デッキ40・41は、例えば、熱処理炉ハウジング11の中の支持構造の上に載置されている。この支持構造は、複数の支持ビームで形成されているものとすることができる。
前記支持構造の配置及び機能について、図3に基づいて説明する。図3は、熱処理炉ハウジング11の両側に3つの支持ビーム30・31・32及び30´・31´・32´が形成された構成から成る好ましい支持構造を概略横断面図で示している。これらの支持ビームは前記熱処理炉の内側に取り付けられているか、或いは部分的にその中に配置されており、いずれの場合にも、2つの支持ビームは、同じ高さで対向するように位置付けられている。好ましくは、これらはダブルT型ビームであるが、フランジが一つのみのT型ビームやその他の好適な支持ビームを適用することも可能である。前記ビームのフランジ35は水平に延びており、前記ビームのブリッジ33は垂直に延びており、このような構成により中間デッキ40・41を前記フランジの上に載せることができる。
図3に示した実施形態の場合のように、ダブルT型ビームが適用された場合、中間デッキ40・41は好ましくは下側のフランジ35の上に載置される。なお、描写を簡潔なものとするために、支持ビーム30の下側のフランジのみに参照符号35を付している。それ故に、中間デッキ40・41の幅は、熱処理路10が組み立てられたときに、2つの支持要素の間に中間デッキ40・41を配置し、下側のフランジ35の上に載置することができるような長さとなるように選択される。実際の実施においてアドヴァンテージとなることが確かな前記中間デッキの寸法は、例えば500mm×500mmである。前記チャンバー炉の間の実質的な気密性シールは、前記中間デッキに固有の重量がある結果得られるものである。ここで、前記中間デッキと保持フランジとの間には、小さな隙間があっても構わない。
しかしながら、2つの平行な支持ビームの間の距離を小さくするために、チャンバー炉の側壁の間に付加的な支持ビームが取り付けられているものとすることもできる。このようにした場合、前記中間デッキのサイズも縮小され、そして各中間デッキは2つの支持ビームの上に載せられる。
好ましくは、前記中間デッキは、赤外線スペクトルの放射線に対し高透磁性の石英ガラス板である。ここで、700nmから2000nmまでの範囲の赤外線放射に対しての約98%の透磁性を優先する。前記中間デッキの構造により、熱処理炉ハウジング11を複数のチャンバー炉に分割するのが簡単となる。各チャンバー炉の高さは、熱処理炉10の全体的な高さを小さくするために、出来る限り低くなるように選択することができる。チャンバー炉の高さは、例えば、約150mmから200mm程度の高さである。
特に、ダブルT型ビームを備える一つの実施形態においては、ワークピースの寸法がこれに適合する場合には、前記ワークピース又はワークピースのパック19・19´を、前記支持ビームの上側フランジ34の上に直接的に載せることができる。ここで、図3においては、同様に、ビーム30の上側のフランジのみが参照符号34を付して示してある。しかしながら、分離構造は前記熱処理炉の中に設けることもでき、そこに前記ワークピースを置くことができる。さらに、左手側の支持ビーム30・31・32から右手側の支持ビーム30´・31´・32´へと延びる追加の交差ビームが、付随する支持ビームの上側のフランジ34に取り付けられているものとすることもできる。そうした場合、同様に前記ワークピースを追加の交差支持構造の上に載せることができ、その結果、前記熱処理炉の横幅をより有効に利用するために、複数のワークピース又はワークピースのパックを隣同士に載せることができる。また、前記熱処理炉の側壁に外側のビームがあるだけではなく、これらのビームの間に追加の平行なビームを有するような、実施形態を選択することにより、同様の利点を達成することができる。
熱処理炉10の加熱手段として機能する放射管50・51・52が凹所36に挿入されるように、複数の凹所36が前記支持ビームのブリッジ33に設けられているものとすることができる。これらの放射管50・51・52は、熱処理炉ハウジング11の側壁に取り付けられ、凹所36を通って前記支持ビームの中を延びていて、前記チャンバー炉の中の端から端まで延びている。結果として、放射管50・51・52は前記チャンバー炉の中の一側の、ワークピースの下方に配置され、そのため前記ワークピースは均一に加熱される。これらはガス加熱放射管とすることができ、或いは電気抵抗加熱性の放射管とすることができる。当該放射管の直径は、約50mmから150mm程度の大きさである。
中間デッキ40・41が実質的に気密にシールされるこの配置においては、ワークピース19・19´と共に入ってきた空気中の酸素が隣接するチャンバー炉に混入し混合されることを防ぐことができ、また一方で放射管の放射熱は透過できるようにすることができる。
一般的に知られる熱処理炉でワークピースのキャリヤとして通常用いられる材料は、耐熱性ステンレス鋼又は脆性セラミックである。金属のキャリヤは所定の時間・温度の負荷を過ぎたら固有の重量に起因して次第にたわみ、約半年ぐらいの短い作動時間を過ぎたらひっくり返されなければならない。その結果、次第にたわむ過程は逆にされる。これは鋼鉄をひどく老朽化させるため、この過程は、ワークピースのキャリヤに亀裂が形成されて取り替えなくてはならなくなるまでに2、3回繰り返すことができるのみである。一方で、脆性セラミックのキャリヤは、例えば、使用されるローディング装置に起因するほんの少しの衝撃や衝突により破壊されてしまう。
このため、支持ビーム30・30´・31・31´・32・32´のために提案される材料は、特に純粋なAl繊維と適切な焼結結合剤から成る繊維強化セラミックの形のセラミック繊維複合材料である。この複合材料の比重は、鋼のおよそ3分の1であるが、その温度耐性は鋼よりも5倍高い。さらに、この複合材料は、例えばプレス工場で直面する大まかな動作条件に応じて、必要衝撃力及び衝撃抵抗を有する。
前記炉扉を横断軸線に沿って直線的に動かすのに、そして好ましくは隣接する炉扉に沿って動かすのに、用いられる個々の駆動部は、異なる方法で構成することができる。一つの実施形態においては、それは電気モーターであり、或いは、シリンダーに収容されるピストンロッドを有する空圧駆動である。このような駆動部は、図4の詳細な図の中に示してある。描写を簡潔にするために、真ん中の炉扉21の駆動部のみを示してある。図4においてこの真ん中の扉は開いている。さらに、駆動部全体はハウジングの中に配置されていてもよく、及び/又は他の構成要素を有していてもよい。図4の概略図では、あり得る駆動部の基本原理のみを示すことを意図している。
他の炉扉20及び22については、同一の駆動部が前記熱処理炉の同じ側に備えられているものとすることができる。或いは、スペースに関係する理由から、駆動部は前記炉扉の異なる側に交互に配置されるものとすることもできる。後者の場合には、図4に示すように、炉扉20及び22の駆動部は、前記熱処理炉の後方に配置され、同様に炉扉21の図示された駆動部と同一のものとすることができる。
ピストンロッド63が炉扉21に取り付けられ、当該ピストンロッド63は、下方に配置され前記熱処理炉ハウジングに固定されたシリンダー64に適合する。シリンダー64も、ピストンロッド63も、炉扉21の横断軸線と平行に延びており、そのためこれらは炉壁12に対して傾斜している。ピストンロッド63が動くと、炉扉21はこれの上方に配置された炉扉20に沿って、上方へ又は下方へ直線的に動く。さらに、前記炉扉の直線的な動きを助力し、そして当該炉扉が前方へ傾くのを防止するために、この目的のためにガイドやその他の手段(ここでは示していない)を設けることとすることもできる。
さらに、冷却パイプ60・60´・60´´を炉壁12の開口14・15・16の領域に設けることができる。これらの冷却パイプ60・60´・60´´は、この領域の前記熱処理炉の前面を冷却するために、水のような冷却剤を運搬するのに用いられる。冷却パイプ60・60´・60´´は、互いに直列的に接続されていてもよく、或いは、互いに分離して冷却剤が個別に供給されるものとすることもできる。
図5の三次元の図は、一つが他の一つの上に位置している4つの炉扉に対してどのように駆動部が配置され得るかを示している。ここで、この実施形態においては、開口及び関連する炉扉は、熱処理炉10の両側に設けられている。シリンダーとピストンロッドを有する駆動部が上下に配置され、互いにオフセットとなるように配置される。このような構成により、各ピストンロッドはそれに関連するシリンダーの中で動くことができ、そうすることによりそれに関連する炉扉が直線的に動くことができる。ここで、図5で示した図では駆動部は全て前面に配置されているが、既に言及したように、スペースに関連する理由から、各第二の駆動部は熱処理炉10の後面に配置することもできる。
好ましくは、駆動部の作動力は炉扉の側面で作用する。しかしながら、これは作動時に炉扉の一側に圧力を与えることとなり、当該炉扉の変形を招くこととなる。そのため、作動力が均等に伝達されるようにするために、駆動部の動きは好ましくは同期シャフト65により反対側へと、すなわちその炉扉の反対側の側面へと、伝達される。それ故に、同期シャフト65は炉扉の長手軸線に沿って水平方向に延びている。前記炉扉が閉まっている時は、同期シャフト65は前記扉の上側領域に位置している。本発明の一つの実施形態においては、付随する同期シャフトの少なくとも特定の部分は、前記熱処理炉の前面の冷却システムの冷却パイプの中を通るものとすることができる。そうすることにより、デザインがよりコンパクトとなり、スペースを抑えることができる。さらに、このように構成することにより、同期シャフトが冷却されることともなり、屈曲することを防ぐことができる。
作動力は、図6(a)及び図6(b)に概略的に示したように、例えばラックピニオンギアにより、同期シャフトを経由して伝達されるものとすることができる。ここで、図6(a)には、閉じた状態の時の真ん中の炉扉21と、それの駆動部と、を示してある。隣接する炉扉20及び22は、またもや駆動部なしの状態で示してある。ラック61が炉扉21に又はピストンロッド63に取り付けられており、このラック61は炉扉21の横断軸線に沿って延びている。炉扉21がピストンロッド63により駆動されることにより動いたとき、この前記ラックはピニオン62と互いに噛み合う。この過程は、図6(b)において、動きを示す矢印により示してある。ここで、ピストンロッド63とそれに伴いラック61とが上方へ動いた場合、ピニオン62は反時計回りに回転する。ピニオン62は同期シャフト65に固定されており、そのためこれは同様に反時計回りに回転する。
図7(a)及び図7(b)は、前記熱処理炉の内側から見たときの、この作動力伝達機構の概略的な後面図を示している。そのため、真ん中の炉扉21の同期シャフト65が、当該炉扉の前方に配置されている。他の2つの炉扉20・22は単に破線で示してある。上述のピニオン62は同期シャフト65に固定されており、もう1つのピニオン62´は炉扉21の反対側で同期シャフト65上に配置されている。こちら側にも、もう1つのラック61´が炉扉21に設けられており、これが第二のピニオン62´と互いに噛み合っている。
図7(a)は、前記炉扉が閉じている状態の時を示しており、真ん中の炉扉21の同期シャフト65が当該炉扉21の上側領域に配置されている。その後、図7(b)に矢印で示されるように、前記炉扉がピストンロッド63により上方に動かされた場合、ピニオン62が回転し、この回転は同期シャフト65を介して反対側のピニオン62´に伝達される。結果として、反対側のラック61´も上方へと動き、炉扉21のもう一方の側面に上方への力を与える。それ故に、動く時には、炉扉21の両方の側面において上方へ又は下方への垂直な力が作用する。そのため、炉扉21には均一に圧力が加えられ、作動時に曲がったりすることがない。ピニオン62・62´とラック61・61´との噛み合いを助力するために、ガイド(ここでは示していない)を設けることもできる。当該ガイドは、前記炉扉の直線的な動きを確かなものとするためのものであり、前記ピニオンが前記ラックから外れることを防止するためのものである。
10 熱処理炉、多重デッキチャンバー型熱処理炉
11 熱処理炉ハウジング
12 炉壁
13・14・15 開口
16・17・18 チャンバー炉
19・19´ ワークピース、ワークピースのパック
20・21・22 炉扉
30・30´・31・31´・32・32´ 支持ビーム、ビーム
33 ブリッジ
34・35 フランジ
36 凹所
40・41 中間デッキ
50・51・52 放射管
60・60´・60´´・60´´´ 冷却パイプ
61・61´ ラック
62・62´ ピニオン
63 ピストンロッド
64 シリンダー
65 同期シャフト

Claims (15)

  1. 少なくとも2つの水平なチャンバー炉(16・17・18)を有する熱処理炉ハウジング(11)を有し、前記チャンバー炉(16・17・18)は一つが他の一つの上に来るように上下に配置され、各チャンバー炉(16・17・18)は一側の炉壁(12)に開口(13・14・15)を有し、そして当該開口は炉扉(20・21・22)により閉じることができる、ワークピース(19・19´)を加熱するための多重デッキチャンバー型熱処理炉(10)において、
    炉扉(20・21・22)の横断軸線が炉壁(12)との間に0°よりも大きく45°よりも小さい角度αを成すように、炉扉(20・21・22)が付随する前記チャンバー炉(16・17・18)の前記開口(13・14・15)の前部に配置され、炉扉(20・21・22)の横断軸線は炉扉(20・21・22)の水平軸線と垂直に延びており、炉扉(20・21・22)はこれらの横断軸線に沿って直線的に動くことができることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  2. 請求項1に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    一番上の及び一番下の前記炉扉を除いて、各炉扉は隣接する前記炉扉に沿って直線的に動くことができることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  3. 請求項1又は2に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記チャンバー炉(16・17・18)は中間デッキ(40・41)によりそれぞれ互いに分離されており、当該中間デッキ(40・41)は前記熱処理炉ハウジング(11)の中に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  4. 請求項3に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記中間デッキ(40・41)は、前記熱処理炉ハウジング(11)の中に取り付けられた支持構造の上に載置されていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  5. 請求項4に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    支持構造は、前記熱処理炉ハウジング(11)の内壁に取り付けられた少なくとも2つの対向する支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)により形成され、当該支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)は前記熱処理炉ハウジングの側壁に沿って延びており、前記各中間デッキ(40・41)は、互いに対向するように配置された2つの支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)の上に載置されていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  6. 請求項5に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)は、ブリッジ(33)を有するビームとして構成され、少なくとも一つのフランジ(34・35)が前記ブリッジ(33)に対して垂直となるように位置付けられ、前記少なくとも一つのフランジ(34・35)は水平に延びていて、前記中間デッキ(40・41)は、支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)の前記少なくとも一つのフランジ(34・35)の上に載置されていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  7. 請求項6に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記少なくとも一つのフランジ(35)はブリッジ(33)の下端に設けられ、そして前記中間デッキ(40・41)はそれぞれ、支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)のこの下側のフランジ(35)に載置され、そして前記支持ビーム(30・30´・31・31´・32・32´)の前記ブリッジ(33)にはそれぞれ少なくとも一つの凹所(36)が設けられ、当該凹所(36)を、前記多重デッキチャンバー型熱処理炉(10)の加熱手段としての放射管(50・51・52)が貫通し、当該各放射管(50・51・52)は前記熱処理炉ハウジング(11)の前記側壁に嵌め込まれていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  8. 請求項3から7までのいずれか一項に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記中間デッキ(40・41)は放射熱透過性石英板として構成されることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  9. 請求項4から8までのいずれか一項に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記支持構造は繊維強化酸化アルミニウム(Al)製であることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    いずれの場合にも、個々の駆動部が炉扉(20・21・22)の側面に取り付けられ、そしてそれは前記関連する炉扉(20・21・22)と噛み合っていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  11. 請求項10に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記個々の駆動部の動作は、同期シャフト(65)により前記炉扉(20・21・22)の反対側の側面に伝達され、前記同期シャフト(65)は前記炉扉(20・21・22)の水平長手方向の軸に沿って延びていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  12. 請求項1から11までのいずれか一項に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記炉扉(20・21・22)は、部分的に又は全体的に発泡セラミックにより作られていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  13. 請求項1から12までのいずれか一項に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    少なくとも前記開口(13・14・15)を有する前記炉壁(12)は、これを冷却することができるように構成されていることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  14. 請求項13に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記炉壁(12)を冷却するために、当該炉壁(12)の前部及び/又は内部に設けられたパイプシステムの中を冷却剤が流れることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
  15. 請求項11及び14に記載の多重デッキチャンバー型熱処理炉であって、
    前記同期シャフト(65)の少なくとも特定の部分は、前記炉壁(12)を冷却するための前記冷却パイプの中を通ることを特徴とする、多重デッキチャンバー型熱処理炉。
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