JP2013539158A - 有機発光デバイスのための半透明導電性基板 - Google Patents

有機発光デバイスのための半透明導電性基板 Download PDF

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Abstract

透明支持体(10)、透明支持体(10)の上に形成されかつガラスを含む散乱層(11)、及び散乱層(11)の上に形成された透明電極(12)を含む、有機発光デバイスのための半透明導電性基板(1)が開示される。前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料(110)、及びベース材料(110)に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料(111)を有する。前記電極(12)は、少なくとも一つの金属導電性層(122)、及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆(120)を含み、前記被覆(120)は、光透過を改良するための少なくとも一つの層(1201)を含み、金属導電性層(122)と、前記電極(12)が付着される散乱層(11)との間に位置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光デバイス(OLED)のための半透明導電性基板、前記半透明導電性基板を製造するための方法、前記半透明導電性基板を含む有機発光デバイス、及び前記有機発光デバイスを製造するための方法に関する。
有機発光デバイス(OLED)は、電極間に置かれる有機層を少なくとも含み、電極間に電圧が付与されて空孔及び電子を注入し、それは有機層において再結合され、それによって励起状態から低エネルギー状態への移行中に発光分子によって光が放出される。有機発光デバイスは、照明ディスプレイ、バックライト、及び照明用途のために使用される。
支持体から出発して、OLEDは、底面発光、表面発光、及び透明OLEDの三つのカテゴリーに分類される。底面発光OLEDは透明又は半透明底面電極を使用し、光は透明支持体を通って放出される。表面発光OLEDは透明又は半透明表面電極を使用し、それを通って光が放出される。換言すれば、光は支持体を通って放出される。最後に、透明OLED(T−OLED)は装置の両側上に透明又は半透明電極を使用し、光は表面及び底面電極の両方を通って放出されることができる。本明細書において使用される表現「底面電極」は、支持体に最も近い電極を意味するものとして理解される。
一般に、底面発光OLEDは、インジウムをドープされた酸化スズ(ITO)から一般に作られる少なくとも一つの透明電極、透明電極を支持するための透明支持体、及び一般にカルシウム、銀又はアルミニウムから作られる反射対電極を含む。透明支持体は、例えばガラス、セラミックガラス、又はポリマーフィルムから作られる。OLEDの異なる構成の屈折率は、発光デバイスの有機層に対して1.6〜1.8、ITO層に対して1.6〜2.0、支持基板に対して1.4〜1.6、及び外側の空気に対して1.0である。
有機発光デバイスは、良好な内部光効率を伴なって製造される。この効率は、内部量子効率(IQE)に関して表示される。内部量子効率は、得られた光子の数の間の比を注入された電子の数によって割ったものを表わす。それは、既知の有機発光デバイスにおいて85%のオーダー、さらには100%近くである。しかしながら、これらのデバイスの効率は、界面を規定する層を構成する材料の屈折率間の差による界面反射現象と関連した損失によって明らかに制限される。反射(R)の結果としての損失は界面で起こり、外部量子効率(EQE)の減少を起こす。外部量子効率は、内部量子効率マイナス反射による損失に等しい。全てのこれらの組み合わされた損失の結果として、外部量子効率は、一般に内部量子効率の20%〜25%の範囲にあることが一般に許容される。
インジウムをドープされた酸化スズ(ITO)は、透明電極を形成するために最も広く使用される材料である。しかしながら、その使用は、不幸にも幾つかの問題を起こす。実際、インジウム資源は限定され、それは短期間でこれらのデバイスのための製造コストの避けられない増加に導くだろう。さらに、ITOの制限された抵抗のため、十分に導電性の電極を得るために厚い層を使用することが不可欠である(即ち、約5Ω/□の抵抗を有するITO層は、電極の吸収が増加されるような厚さを要求する)。さらに、厚いITOは一般により結晶性であり、表面の微視的な粗さの増加を起こし、それは次に有機発光デバイス内での使用のために時折研磨されなければならない。ディスプレイ用途に対して、かかるITO材料は十分に導電性を持ってもよい。なぜならば画素サイズは小さく、一般的には1mm又はそれより小さいオーダーであるからである。しかしながら、かかる透明ITO電極の導電性は、照明パネルのようにずっと大きい発光面積を要求する用途に対しては不十分でありうる。さらに、有機発光デバイスに存在するインジウムは、これらのデバイスの有機部分中に拡散する傾向を持ち、それはこれらのデバイスの機能及び操作寿命の低下をもたらす。
これらの問題を解決するために、様々な電極構造が提案されている。文献WO2008/029060A2は、透明基板、特に透明ガラス基板を開示し、それは、金属導電性層を含む複雑な積重ね構造を持つ多層電極を有し、またバリヤー層と反射防止層の特性を組み合わせたベース層を有する。このタイプの電極は、ITOの電極に少なくとも等しい低い抵抗及び透明性を持つ層が得られることを可能にし、これらの電極は、発光パネルのような大きな表面の光源の分野において有利に使用されることができる。さらに、これらの電極は、それらの製造に使用されるインジウムの量を減少又はさらには完全に抑制することを可能にする。しかしながら、バリヤー層の形の反射防止層が使用されるが、文献WO2008/029060A2において提案される解決策は、内部反射現象と関連した損失を制限するOLEDによって放出される光の量を最適化することを全く求めようとしていない。さらに、視野角に依存するOLEDによって放出される光の色変化もまた、観察される。
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服することである。
より正確には、本発明による目的は、少なくとも一つの実施形態では、基板を通る順方向で透過される光の量の増加(即ち、単色放射線の場合に組み込まれるOLEDによって放出される光の量の増加)が得られることを可能にするOLEDのための半透明導電性基板を提供することである。用語「単色」は、この光が単色そのものでなくても単一色(例えば、赤、緑、青、白...)が目によって知覚されることを意味するものとして理解される。換言すれば、単色放射線は、波長範囲をカバーしかつ単一波長ではない放射線を示す。さらに、前記半透明導電性基板は、製造することが容易でなければならない。
本発明の目的は、少なくとも一つの実施形態では、半透明導電性基板に含まれる透明電極を作成するために使用されるインジウム、酸化インジウム、又はそれらの混合物に基づいた材料の量を減少すること、さらには抑制することを可能にするOLEDのための半透明導電性基板を提供することである。
本発明の別の目的は、少なくとも一つの実施形態において、半透明導電性基板を組み込むOLEDによって放出される光の色角度依存性の減少を可能にする半透明導電性基板を提供することである。
本発明は、以下のものを含む、有機発光デバイスのための半透明導電性基板に向けられている:
− 透明支持体;
− 透明支持体の上に形成されかつガラスを含む散乱層、但し前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料、及びベース材料に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料を有する;
− 散乱層の上に形成された透明電極、但し前記電極は、少なくとも一つの金属導電性層、好ましくは単一の金属導電性層及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆を含み、前記被覆は、少なくとも3.0nmより大きく、多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有する。
本発明による基板によって与えられる利点は、それが、一方では単色放射線においてそれを組み込むOLEDによって順方向で放出される光の量の増加、及び他方では観察角度に依存するOLEDによって放出される光の色変動の減少を可能にすることである。さらに、白色光を放出する有機発光デバイスの場合において、本発明による基板は、白色光を放出するOLEDの有機部分を形成するいかなる既知のタイプの層状積重ね構造とともに使用されることができる。
本発明の半透明導電性基板は透明支持体を含む。支持体は、それが可視光範囲において多くとも50%、さらには多くとも30%、好ましくは多くとも20%、より好ましくは多くとも10%の光吸収を示すときに透明であると考えられるだろう。特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、550nmの波長で少なくとも1.2に等しい、好ましくは少なくとも1.4に等しい、より好ましくは少なくとも1.5に等しい屈折率を有する透明導電性支持体を含む。
用語「支持体」はまた、支持体それ自体だけでなく、支持体並びに支持体の屈折率nsupportに近い屈折率nmaterialを有する材料(換言すれば、|nsupport−nmaterial|≦0.1。|nsupport−nmaterial|は屈折率間の差の絶対値を表わす)の少なくとも一つの層を含むいかなる構造も意味するものとして理解される。ソーダ石灰シリカガラス支持体の上に付着された酸化ケイ素層は、一例として挙げることができる。この層は、他の層が付着される前に老化に対してガラス表面を保護するために使用される。
支持体の機能は、電極を支持及び/又は保護することである。支持体は、ガラス、硬質プラスチック材料(例えば、有機ガラス、ポリカーボネート)又は可撓性ポリマーフィルム(例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作られることができる。支持体は硬質であることが好ましい。
もし支持体がポリマーフィルムであるなら、これは高い屈折率を有することが好ましく、そこでは支持体の屈折率(nsupport)は、少なくとも1.4に等しい、好ましくは少なくとも1.5に等しい、より好ましくは少なくとも1.6に等しい値を有する。nsupportは、550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。高い屈折率を有する支持体を使用することによって与えられる利点は、それが放出された光の量を同じ基板構造で増加することを可能にすることである。
もし支持体がガラス、例えばガラスのシートから作られるなら、これは少なくとも0.1mmの幾何学的厚さを有することが好ましい。用語「幾何学的厚さ」は、平均幾何学的厚さを意味するものとして理解される。ガラスは無機又は有機である。無機ガラスが好ましい。これらのうち、透明又はバルク又は表面着色のソーダ石灰シリカガラスが好ましい。より好ましくは、これらは超透明ソーダ石灰シリカガラスである。超透明という用語は、Feとして表わされる全Feをガラスの多くとも0.020重量%、好ましくは0.015重量%より多く含有するガラスを示す。その低い多孔性のため、ガラスは、本発明による半透明導電性基板を含むOLEDのいかなる形の汚染に対しても最良の保護を確実にする利点を有する。高い屈折率を有するガラスが好ましく、ガラスの屈折率は、少なくとも1.4に等しい、好ましくは少なくとも1.5に等しい、より好ましくは少なくとも1.6に等しい、最も好ましくは少なくとも1.7に等しい値を有する。それでもなお、コストの理由のため、ガラスの屈折率nsupportは、1.4〜1.6の範囲の値を有することが好ましい。より好ましくは、ガラスの屈折率は約1.5の値を有する。nsupportは、550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。有利には、ガラス支持体は、散乱層が付着されるガラスの面の上に少なくとも一つのバリヤー層を含む。この層は、特に、例えばソーダ石灰シリカガラスから作られた支持体から来るアルカリ性物質の移行によるいかなる汚染からも電極を保護することを可能にし、従って電極の耐用年数を延ばすことを可能にする。バリヤー層は、次のものから選択される少なくとも一種の化合物を含む:酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、亜鉛−スズの混合酸化物、亜鉛−アルミニウムの混合酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム。
本発明の基板は散乱層を含み、前記散乱層は、透明支持体の上に形成され、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料と、ベース材料に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料とを含むガラスを含む。
散乱層は、被覆のような方法によってガラス基板上にガラス粉末を付着し、それを所望の温度で燃焼することによって形成される。前記散乱層は、第一屈折率を有するベース材料と、上述のベース材料に分散されかつ上述のベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料とを有する。散乱層として、主表面を被覆されかつ高い光透過率を有する材料(ベース材料)を使用してもよい。ベース材料として、ガラス、結晶ガラス、半透明樹脂又は半透明セラミックを使用してもよい。ガラスのための材料として、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、低アルカリガラス又は石英ガラスのような無機ガラスを使用してもよい。なお、複数の散乱材料がベース材料の内側に形成される。一実施形態では、半透明導電性基板は、散乱材料が、細孔、沈殿結晶、ベース材料とは異なる化学組成を有する材料粒子、相分離ガラス、又はそれらの少なくとも二つからの混合物から選択されるようなものである。散乱材料は、沈殿結晶、ベース材料とは異なる化学組成を有する材料粒子、相分離ガラス、又はそれらの少なくとも二つからの混合物から選択されることが好ましい。散乱材料は相分離ガラスから選択されることが最も好ましい。散乱材料としてここで使用される材料粒子は小さい固体材料を意味する。一実施形態では、半透明導電性基板は、散乱材料として使用される材料粒子が結晶粒子、非晶質粒子又はそれらの少なくとも一つの混合物から選択されるようなものである。散乱材料として使用される材料粒子は同じ又は異なる化学組成を有してもよく、好ましくは粒子は同じ化学組成を有する。粒子を構成する材料は、セラミック材料から構成されることが好ましい。セラミックは、酸化セラミック(TiO,ZrO,SnO,ZnO,SiO,Sb,Al,ZrSiO、好ましくはTiO,ZrO,Al,SiO)、セラミック非酸化物(炭化物、ホウ化物、窒化物、ケイ化物)又は複合セラミック(酸化物及び非酸化物セラミックの組み合わせ)から選択される。粒子は充填剤の形である(即ち、コロイド粒子、凝集体、クラスタ、...)。散乱材料として粒子を使用する場合には、散乱層を二つの層によって作ることが望ましい。この場合において、粒子は上部層の散乱層に存在しないことが望ましい。さらに、細孔は、ベース材料内に捕捉される空気又はガス材料を意味する。さらに、相分離ガラスは、二種以上のガラス相から構成されるガラスを意味する。なお、散乱材料が細孔材料であるとき、散乱材料のサイズは空隙の直径を示す。
一実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、散乱層における散乱材料の分布が、散乱層の内側から前記散乱層が付着される透明支持体とは反対の散乱層の面に向かって減少するようなものである。さらに、OLED要素の電極内短絡を防止するために、散乱層の主表面は平滑であることが要求される。その目的のため、散乱材料が散乱層の主表面から突出することは好ましくない。また、散乱材料が散乱層の主表面から突出することを防止するためには、散乱材料が散乱層の主表面(換言すれば、前記散乱層が付着される透明支持体とは反対の散乱層の面)から1.0μm、好ましくは0.5μm、最も好ましくは0.2μm以内に存在させないことが好ましい。
一実施形態では、散乱層は単一層に限定されず、二つ以上の層であってもよい。散乱層が第一層部分と、第一層部分の上に形成された第二層部分とを含む場合には、前記第二層部分は第一層部分より厚く、第一層部分が第二層部分よりずっと多く散乱材料を有することが好ましい。特に、もし固体材料が散乱材料として使用されるなら、第二層部分が第一と第二層部分の間の界面を除いて散乱材料を持たないことがより好ましい。散乱層の表面上の固体材料の存在のため、短絡を起こす可能性を持つ。
散乱層の表面は、突起を有する曲面を持つ。その場合、突起平均周期R・aは少なくとも10μmである。突起(粗さ)平均のサイズは0.01μm〜5μmの範囲内である。R・aが10μmより大きく、Ra/R・aが1.0×10−5〜1.0×10−1の範囲内であることが好ましく、陽極電極の鏡機能を低下させる。R・aが50μmより大きく、Ra/R・aが1.0×10−4〜3.0×10−2の範囲内であることがより好ましい。ここで使用されるRa及びR・aは、短波長カットオフ値を25μmとして、長波長カットオフ値を2.5mmとしてとって、ISO 4287:1997(JIS B0601:2001)に基づいて計算された値を意味する。
散乱材料及びベース材料の両方の屈折率が高くなってもよいが、屈折率の差の絶対値|Δn|は、散乱層の放出スペクトル範囲における少なくとも一つの部分に対して、0.2以上(即ち|Δn|≧0.2)であることが好ましい。十分な散乱特性を改良するために、屈折率の差の絶対値|Δn|は、放出スペクトル範囲の全領域(430nm〜650nm)又は可視光の波長範囲の全領域(360nm〜830nm)にわたって0.2以上(即ち|Δn|≧0.2)であることがより好ましい。散乱層の幾何学的厚さは、2μm〜100μm、好ましくは10μm〜60μmの範囲である。
通常、散乱層の屈折率は、ITOのような透明導電性酸化物に基づいた透明電極材料の屈折率に等しいか又はそれより高くなければならない。屈折率が低いとき、全反射による損失は、ベース材料と半透明電極材料の間の界面で起こる。ベース材料の屈折率は、散乱層の放出スペクトル範囲において少なくとも一部分(例えば、赤、青、緑など)に対して越えることが要求されるにすぎない。しかしながら、それは、好ましくは放出スペクトル範囲の全領域(430nm〜650nm)にわたって、より好ましくは可視光の波長範囲の全領域(360nm〜830nm)にわたって越える。本発明者は、この条件が多層構造を有する電極で要求されないことを驚くべきことに見い出した。散乱層の屈折率は次のように決定され、散乱層と同じ組成を有するガラスが作られ、前記ガラスの屈折率は、プリズム法を使用するShimadzu Device Corporation測定装置(販売名KPR2000)を使用して測定される。
最大屈折率差を得るために、上述の高い光透過材料として高い屈折率のガラス、及び散乱材料としてガス材料、即ち細孔を使用する散乱層が望ましい。この場合において、ベース材料の屈折率はできるだけ高いことが望ましく、従って高い屈折率のガラスはベース材料として使用されることが好ましい。高い屈折率のガラスの成分のために、P,SiO,B,GeO及びTeOから選択される一つ又は二つ又はそれより多い種類の成分をネットワーク形成材として使用することができ、TiO,Nb,WO,Bi,La,Gd,Y,ZrO,ZnO,BaO,PbO及びSbから選択される一つ又は二つ又はそれより多い種類の成分を高い屈折率成分として使用することができる。さらに、ガラスの特性を調整する意味において、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物、フッ化物などが、屈折率のために要求される特性を損わない範囲内で使用されることができる。特定のガラスシステムは、B−ZnO−La系、P−B−R´O−R´´O−TiO−Nb−WO−Bi系、TeO−ZnO系、B−Bi系、SiO−Bi系、SiO−ZnO系、B−ZnO系、P−ZnO系などを含み、ここでは、R´はアルカリ金属元素を表わし、R´´はアルカリ土類金属元素を表わす。なお、上記は例示であり、がラス系は、上述の条件を満足するように構成される限り、これらの例に限定されるものとして解釈されない。
本発明では、散乱層は、15〜30mol%のP,5〜25mol%のBi,5〜27mol%のNb,10〜35mol%のZnO、及びその全量に関して5質量%またはそれより少ないLiO,NaO及びKOを含むアルカリ金属を含むガラスを使用する。
は、このガラス系の骨格であるネットワーク形成材であるので本質的な成分であり、ガラス安定化要素である。しかしながら、含有量が低すぎるとき、ガラスの失透が増加してガラスを得ることができないことをもたらす。従って、それは、好ましくは15mol%以上、より好ましくは18mol%以上である。他方、含有量が高すぎるとき、屈折率が低下して本発明の目的を達成できないことをもたらす。従って、それは好ましくは30mol%以下、より好ましくは28mol%以下である。それゆえ、ガラス中のPの量は、有利には前述の値の二つの範囲内、より有利には18mol%〜28mol%の範囲内である。
Biは、屈折率を改良する成分であり、ガラスの安定性を維持しながら相対的に高い量でガラス中に導入されることができる。従って、含有量は5mol%より多く、好ましくは10mol%より多く、より好ましくは13mol%より多い。しかしながら、その過剰な導入はかなり着色されたガラスを作る問題を課し、それゆえ透過性を低下する。従って、含有量は25mol%以下、好ましくは23mol%以下、より好ましくは20mol%以下である。それゆえ、ガラス中のBiの量は、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは10mol%〜23mol%の範囲内、より好ましくは13mol%〜20mol%の範囲内である。
Nbは、屈折率を改良する本質的な成分であり、また同時に耐候性を増強する効果を持つ。従って、含有量は5mol%以上、好ましくは7mol%以上、より好ましくは10mol%以上である。他方、含有量が高すぎるとき、失透が増加してガラスを得ることができないことをもたらす。従って、その含有量は27mol%以下、好ましくは20mol%以下、より好ましくは18mol%以下である。それゆえ、ガラス中のNbの量は、有利には前述の値の二つの範囲内に、好ましくは7mol%〜20mol%の範囲内、より好ましくは10mol%〜18mol%の範囲内にある。
ZnOは、屈折率を改良する成分であり、ガラス転移温度を低下する。従って、含有量は10mol%以上、好ましくは16mol%以上、より好ましくは18mol%以上である。しかしながら、それが過剰に加えられるとき、ガラスの失透が増加して均質なガラスを得ることができなくなることをもたらす。従って、含有量は35mol%以下、好ましくは30mol%以下、より好ましくは27mol%以下である。それゆえ、ガラス中のZnOの量は、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは16mol%〜30mol%の範囲内、より好ましくは18mol%〜27mol%の範囲内である。
LiO,NaO及びKOのようなアルカリ金属酸化物(RO)は、ガラス転移温度を低下する溶融性を改良する効果、及び同時にガラス基板との親和性を高めて接着性を高める効果を有する。この理由のため、混合物はこれらの前記アルカリ金属酸化物の一つ又は二つ又はそれより多い種類を含有することが望ましい。それらが過剰の割合であるとき、ガラスの安定性は損われる。さらに、これらの成分は、屈折率を低下する傾向があり、光導出効率の所望の改良ができないことをもたらす。さらに、低い量のアルカリの使用は、これらのアルカリイオンによるOLEDの有機部分又は電極の汚染リスクを低減する。それゆえ、アルカリ金属酸化物の全量は、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満であり、特に好ましくは実質的に含有しない。
TiOは、屈折率を改良する任意成分である。しかしながら、含有量が高すぎるとき、ガラスの着色は増加して散乱層中の損失を増加させ、光導出効率を改良する目的を達成することができないことをもたらす。従って、含有量は好ましくは8mol%までである。
Oは、ガラス中に添加される成分としての任意成分であり、それによって失透に対する抵抗性を改良し、熱膨張率を低下する。含有量が高すぎるとき、屈折率が低下する。それゆえ、それは好ましくは17mol%以下である。
WOは、屈折率を改良し、ガラス転移温度を低下して燃焼温度を低下する任意成分である。しかしながら、その過剰な導入は、ガラスの着色をもたらし、光導出効率の低下を起こす。従って、その含有量は好ましくは20mol%までである。
TeOは、熱膨張の過剰な上昇を抑制しながら、ガラス転移温度を低下する効果を持つ任意成分である。従って、含有量は好ましくは7mol%までである。
GeOは、高い屈折率の効果を有する任意成分である。従って、含有量は好ましくは7mol%までである。
Sbは、着色を抑制する効果を有する任意成分である。従って、含有量は好ましくは2mol%までである。
アルカリ土類金属酸化物(MgO,CaO,SrO及びBaO)は、ガラスの安定性を改良する成分である。しかしながら、その過剰な導入は、熱膨張率及び屈折率を低下することをもたらす。従って、その全含有量は好ましくは10mol%までである。
たとえ上述の成分以外の成分であっても、我々は、それが本発明の効果から逸脱しない限り、溶解性の改良又は精製の目的のために添加してもよい。かかる成分は、例えばSiO,Al,La,Y,Gd,ZrO,Ta,CsOを含んでもよく、また遷移金属酸化物を含んでもよい。それらの含有量は、全体で好ましくは5mol%未満、より好ましくは3mol%未満であり、特に好ましくは実質的に含有しない。
本発明のガラスは、鉛酸化物を実質的に含まず、環境汚染をあまり起こしにくい。
本発明の基板は透明電極を含み、前記電極は、それが挿入されるOLEDのタイプに依存して、陽極として又は逆に陰極として作用することができる。表現「光透過を改良するための特性を有する被覆」は、電極を形成する積重ね構造中の存在が基板を通って透過される光の量の増加に導く被覆(例えば反射防止特性を有する被覆)を示すために理解される。換言すれば、本発明による基板を組み込むOLEDは、同じタイプのOLEDと比較して高い量の光を放出するが、本発明による基板と同一の支持体上に付着された従来の電極(例えばITO層)を持ち、放出される光の量の増加は、放出される光の色にかかわらず、高い輝度値によって特徴づけられる。
光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、少なくとも3.0nmより大きい、好ましくは少なくとも5.0nmに等しい、より好ましくは少なくとも7.0nmに等しい、最も好ましくは少なくとも10.0nmに等しい厚さを持たなければならない。例えば、光透過を改良するための被覆が酸化亜鉛又は酸素が化学量論より少ない酸化亜鉛ZnOxであり、これらの酸化亜鉛が可能ならスズでドープされるか又はスズと合金にされるとき、少なくとも3.0nmより大きい光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、良好な導電性を有する特に銀の金属導電層を得ることを可能にする。光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、有利には200.0nmに等しいか又はそれより小さい、好ましくは170.0nmに等しいか又はそれより小さい、より好ましくは130.0nmに等しいか又はそれより小さい厚さを持ち、かかる厚さの利点は、前記被覆の製造プロセスが速くなるということにある。それゆえ、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、有利には5.0nm〜200.0nmの範囲内、好ましくは7.0nm〜170.0nmの範囲内、より好ましくは10.0nm〜130nmの範囲内である。
金属導電性層の幾何学的厚さは少なくとも6.0nmに等しく、好ましくは少なくとも8.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも10.0nmに等しく、そして多くとも29.0nmに等しく、好ましくは多くとも27.0nmに等しく、より好ましくは多くとも25.0nmに等しく、最も好ましくは多くとも22.0nmである。それゆえ、金属導電性層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは6.0nm〜29.0nm、より好ましくは8.0nm〜27.0nm、さらにより好ましくは10.0nm〜25.0nmの範囲内である。
特定の実施形態では、半透明導電性電極は、透明電極が散乱層の上に形成され、前記電極が、単一の金属導電性層、及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆を含み、前記被覆が、少なくとも3.0nmより大きくかつ多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有し、前記被覆が、光透過を改良するための少なくとも一つの層を含み、かつ金属導電性層と、前記電極が付着される散乱層との間に位置され、光透過を改良するための特性を有する被覆の光学的厚さTD1及び金属導電性層の幾何学的厚さTMEが、以下の式によって関係づけられるようなものである:
式中、TME_O,B及びTD1_Oは定数であり、TME_Oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは、550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。
層の光学的厚さは、前記層の幾何学的厚さを、前記層を構成する材料の屈折率によって掛けることによって得られる。とられた屈折率の値は、550nmの波長におけるものである。
本発明者は、金属導電性層の幾何学的厚さTMEを、光透過を改良するための特性を有する被覆の光学的厚さTD1に関係づける式によってなされる選択に基づく電極積重ね構造が、OLEDによって放出される光の量の増加に導くことを驚くべきことに見い出した。
特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、透明電極が散乱層の上に形成され、前記電極が、単一の金属導電性層、及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆を含み、前記被覆が、少なくとも3.0nmより大きくかつ多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有し、前記被覆が、光透過を改良するための少なくとも一つの層を含み、かつ金属導電性層と、前記電極が付着される散乱層との間に位置され、光透過を改良するための特性を有する被覆の光学的厚さTD1及び金属導電性層の幾何学的厚さTMEが、以下の式によって関係づけられるようなものである:
式中、TME_O,B及びTD1_Oは定数であり、TME_Oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nSSは、550nmの波長における支持体及び散乱層を含む積重ね構造の屈折率を表わす、

式中、nsupportは、550nmの波長における透明支持体の屈折率を表わし、nscatteringlayerは、550nmの波長における散乱層の屈折率を表わし、Isupportは、支持体の幾何学的厚さを表わし、Iscatteringlayerは、散乱層の幾何学的厚さを表わす。
本発明者は、金属導電性層の幾何学的厚さTMEを、光透過を改良するための特性を有する被覆の光学的厚さTD1に関係づける式に基づいた電極積重ね構造の選択が、散乱層の屈折率を考慮するために適応されることができること(例えば、散乱層の光学的厚さが支持体の光学的厚さの0.1%より大きいか又はそれに等しいとき)を驚くべきことに見い出した。
特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、光透過を改良するための被覆の屈折率が550nmの波長において支持体及び散乱層を含む積重ね構造の屈折率より高いようなものである。
特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、支持体が550nmの波長で1.4〜1.6の範囲の屈折率nsupportを有するようなものであり、電極が、光透過を改良するための特性を持つ被覆の光学的厚さTD1と金属導電性層の幾何学的厚さTMEが以下の方程式によって関係づけられているようなものである:
式中、TME_o,B及びTD1_oは定数であり、TME_oは10.0〜25.0nm、好ましくは10.0〜23.0nmの範囲の値を有し、Bは10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_oは23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは550nmの波長における透明支持体の屈折率を表わす。好ましくは、定数TME_o,B及びTD1_oは、TME_oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、より好ましくは11.5〜22.5nmの範囲を有し、Bが11.5〜15.0nmを有し、TD1_oが24.8*nD1〜27.3*nD1nmの範囲の値を有するようなものである。より好ましくは、定数TME_o,B及びTD1_oは、TME_oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、より好ましくは11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが12.0〜15.0nmの範囲を有し、TD1_oが24.8*nD1〜27.3*nD1nmの範囲の値を有するようなものである。
特定の実施形態によれば、本発明による半透明導電性基板は、支持体が1.4〜1.6の範囲の屈折率値nsupportであるようなものであり、金属導電性層の幾何学的厚さが少なくとも6.0nmに等しく、好ましくは少なくとも8.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも10.0nmに等しく、多くとも22.0nmに等しく、好ましくは多くとも20.0nmに等しく、より好ましくは多くとも18.0nmに等しく、金属導電性層の幾何学的厚さが有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは6.0nm〜22.0nm、より好ましくは8.0nm〜20.0nm、最も好ましくは10.0nm〜18.0nmの範囲であるようなものであり、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは少なくとも50.0nmに等しく、好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、多くとも130.0nmに等しく、好ましくは多くとも110.0nmに等しく、より好ましくは多くとも90.0nmに等しく、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは50.0nm〜110.0nm、より好ましくは60.0nm〜90.0nmの範囲である。
特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、支持体が1.4〜1.6の範囲の屈折率値nsupportを有するようなものであり、金属導電性層の幾何学的厚さが少なくとも16.0nmに等しく、好ましくは少なくとも18.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも29.0nmに等しく、好ましくは多くとも27.0nmに等しく、より好ましくは多くとも25.0nmに等しく、金属導電性層の幾何学的厚さが前述の値の二つの範囲内、好ましくは16.0nm〜29.0nm、より好ましくは18.0nm〜27.0nm、最も好ましくは20.0nm〜25.0nmの範囲内であるようなものであり、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも40.0nmに等しい。驚くべきことに、光透過を改良するための被覆の最適化された厚さと組み合わされた厚い金属導電性層の使用は、高い輝度を持つOLEDとともに電極がΩ/□で表示される低い表面抵抗を有する半透明導電性基板が得られることを可能にする。
好ましい実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、光透過を改良するための被覆を形成する材料の屈折率(nD1)が支持体の屈折率(nsupport)より高く(nD1>nsupport)、好ましくはnD1>1.2nsupport、より好ましくはnD1>1.3nsupport、最も好ましくはnD1>1.5nsupportであるようなものである。被覆を形成する材料の屈折率(nD1)は550nmの波長で1.5〜2.4の範囲、好ましくは2.0〜2.4の範囲、より好ましくは2.1〜2.4の範囲の値を有する。
光透過を改良するための被覆が複数の層から形成されるとき、nD1は以下の方程式によって与えられる:
式中、mは被覆中の層数を表わし、nは支持体から出発してx番目の層を形成する材料の屈折率を表わし、1はx番目の層の幾何学的厚さを表わし、1D1は被覆の幾何学的厚さを表わす。高い屈折率を有する材料の使用は、放出又は透過された光の高い量が得られることを可能にする。提供される利点は、光透過を改良するための被覆の屈折率と支持体の屈折率の間の差が実質的なものであるときに一層有意になる。
光透過を改良するための被覆の少なくとも一つの層を形成する材料は少なくとも一つの誘電性化合物及び/又は少なくとも一つの導電性化合物を含む。用語「誘電性化合物」は、以下のものから選択された少なくとも一つの化合物を意味するものとして理解される:
・ Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb,Biから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの少なくとも二つの混合酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの少なくとも二つの混合窒化物;
・ 酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、ケイ素−アルミニウムの混合酸窒化物;
・ 酸炭化ケイ素。
もし存在するなら、誘電性化合物は酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素及び/又は酸炭化ケイ素を含むことが好ましい。
用語「導電性」は、以下のものから選択される化合物に関するものとして理解される:
・ Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb,Biから選択される少なくとも一つの元素の酸素が化学量論より少ない酸化物、及び前記少なくとも一つの元素のドープされた酸化物並びにそれらの少なくとも二つのドープされた混合酸化物及びそれらの少なくとも二つの酸素が化学量論より少ない混合酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素のドープされた窒化物並びにそれらの少なくとも二つのドープされた混合窒化物;
・ ドープされた酸炭化Si;
・ ドープ剤はAl,Ga,In,Sn,P,Sb,Fから選択される少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。酸窒化ケイ素の場合において、ドープ剤はB,Al及び/又はGaを含む。
導電性化合物は、少なくともITO及び/又はドープされたSn酸化物(ドープ剤はF及びSbから選択された少なくとも一つの元素である)、及び/又はドープされたZn酸化物(ドープ剤はAl,Ga,Sn,Tiから選択された少なくとも一つの元素である)を含むことが好ましい。好ましい実施形態によれば、無機化学化合物は少なくともZnO(式中、x≦1)及び/又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)を含む。ZnSnは、層中に存在する金属の全重量の多くとも95%を含むことが好ましい。
本発明による半透明導電性基板の一部を形成する電極の金属導電性層は主に前記電極の導電性を確保する。それは金属又は金属の混合物から構成される少なくとも一つの層を含む。一般的な用語「金属の混合物」は、少なくとも一つの金属の少なくとも一つの他の金属によるドーピング又は合金の形の少なくとも二つの金属の組み合わせを意味し、金属及び/又は金属の混合物は、Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Alから選択される少なくとも一つの元素を含む。金属及び/又は金属の混合物は、Cu,Ag,Au,Alから選択される少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。より好ましくは、金属導電性層は純粋な形のAg又は他の金属に合金されたAgを少なくとも含む。他の金属は、Au,Pd,Al,Cu,Zn,Cd,In,Si,Zr,Mo,Ni,Cr,Mg,Mn,Co,Snから選択される少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。より好ましくは、他の金属は少なくともPd及び/又はAuを含み、好ましくはPdを含む。本発明者は、金属導電性層の幾何学的厚さが電極の良好な導電性、換言すれば低い電気抵抗を得るために少なくとも6.0nmに等しくなければならないことを見い出した。
特定の実施形態によれば、本発明による半透明導電性基板の一部を形成する電極の光透過を改良するための被覆は少なくとも一つの追加の結晶層を含み、そこでは支持体に関して、前記層は、前記被覆を形成する積重ね構造から最も遠い層である。この層は、金属導電性層を形成する、例えば銀の金属層の好ましい生長を可能にし、従って金属導電性層の好ましい電気的及び光学的特性を得ることを可能にする。それは少なくとも一つの無機化学化合物を含む。結晶層を形成する無機化学化合物は必ずしも高い屈折率を持たない。無機化学化合物は少なくともZnO(式中、x≦1)及び/又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)を含む。ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含むことが好ましく、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に関して表示される。結晶層はZnOから構成されることが好ましい。光透過を改良するための特性を持つ層は、多層導電性被覆(例えば低放射タイプの被覆)の分野で通常遭遇されるものより一般に大きい厚さを有するので、結晶層の厚さは、良好な導電性及び極めて低い吸収性を持つ金属導電性層を与えるために適応又は増大されなければならない。
特定の実施形態によれば、結晶層の幾何学的厚さは、光透過を改良するための被覆の全幾何学的厚さの少なくとも7%、好ましくは11%、より好ましくは14%に等しい。例えば、光透過を改良するための層及び結晶層を含む光透過を改良するための被覆の場合において、光透過を改良するための層の幾何学的厚さは、もし結晶層の幾何学的厚さが金属導電性層の幾何学的厚さと光透過を改良するための被覆の光学的厚さの間の関係に従うために増加されるなら減少されなければならない。
特定の実施形態によれば、結晶層は光透過を改良するための被覆を形成する光透過を改良するための少なくとも一つの層と合併される。
特定の実施形態によれば、光透過を改良するための被覆は少なくとも一つの追加のバリヤー層を含み、そこでは散乱層に関して、前記バリヤー層は前記被覆を形成する積重ね構造に最も近い層である。この層は特に、例えばソーダライム石英ガラスから作られた支持体から又は散乱層から来るアルカリ性物質の移行によるいかなる混入からも電極を保護することを可能にし、従って電極の耐用寿命を延ばすことができる。バリヤー層は、以下のものから選択される少なくとも一つの化合物を含む:
・ 酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム並びにそれらの少なくとも二つの混合物。
・ 亜鉛−スズ、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−チタン、亜鉛−インジウム、スズ−インジウムの混合酸化物;
・ 窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、アルミニウム−ケイ素の混合窒化物、アルミニウム−ケイ素の混合酸窒化物;
・ このバリヤー層はおそらくスズをドープされるか又はスズと合金される。
特定の実施形態によれば、バリヤー層は、光透過を改良するための被覆を形成する光透過を改良するための少なくとも一つの層と合併される。
バリヤー及び結晶層の好ましい実施形態によれば、これらの二つの追加の層の少なくとも一つは、光透過を改良するための被覆を形成する光透過を改良するための少なくとも一つの層と合併される。
特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、それを部分的に形成する電極が、散乱層に関して前記電極を形成する多層積重ね構造の上部に位置される表面電気特性を均一化するための薄層を含むようなものである。表面電気特性を均一化するための薄層の主な機能は、電荷の均一な移動が電極の全表面にわたって得られることを可能にすることである。この均一な移動は、表面のあらゆる点での放出された光の均衡された束によって示される。それはまた、OLEDの耐用寿命を増加することができる。なぜならばこの移動は各点で同じであり、従っていかなる可能なホットスポットも除去できるからである。均一化層は少なくとも0.5nm、好ましくは少なくとも1.0nmの幾何学的厚さを有する。均一化層は多くとも6.0nm、好ましくは多くとも2.5nm、より好ましくは多くとも2.0nmの幾何学的厚さを有する。均一化層は1.5nmに等しいことがより好ましい。それゆえ、均一化層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは0.5nm〜6.0nm、より好ましくは1.0nm〜2.5nm、最も好ましくは1.0nm〜2.0nmの範囲内である。均一化層は、金属、窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物、炭窒化物、酸炭窒化物から選択される少なくとも一つの無機材料から構成される少なくとも一つの層を含む。
前の実施形態の第一の特定の実際例によれば、均一化層の無機材料は単一金属又は金属の混合物から構成される。一般的な用語「金属の混合物」は、少なくとも一つの金属の少なくとも一つの他の金属によるドーピング又は合金の形の少なくとも二つの金属の組み合わせを意味する。均一化層は、Li,Na,K,Be,Mg,Ca,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,Ce,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,B,Al,Ga,In,Tl,C,Si,Ge,Sn,Pbから選択される少なくとも一つの元素から構成される。金属及び/又は金属の混合物は、Li,Na,K,Mg,Ca,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al,Si,Cから選択される少なくとも一つの元素を含む。金属又は金属の混合物がC,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cr,Al,Znから選択される少なくとも一つの元素を含むことがより好ましい。金属の混合物はNi−Cr及び/又はAlをドープされたZnを含むことが好ましい。この特定の例によって提供される利点は、一方で表面電気特性を均一化するための層の効果から生じる電気特性と、他方で改良被覆の結果として得られる光学特性との間で良好な可能な妥協を可能にすることである。最も小さい可能な厚さを有する均一化層の使用は基本的な条件である。実際、OLEDによって放出された光の量に対するこの層の影響は、その厚さが小さいときにずっと少なくなる。それゆえ、もし金属性であるなら、この均一化層はその小さい厚さによって導電性層とは区別される。なぜならばこの厚さは導電性を確保するために不十分であるからである。それゆえ、均一化層はもし金属性であるなら、単一金属又は金属の混合物から構成される多くとも5.0nmの幾何学的厚さを有することが好ましい。
第二の特定の実施形態によれば、均一化層の無機材料は、炭化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭化物、酸炭窒化物並びにそれらの少なくとも二つの混合物から選択される少なくとも一つの化学化合物の形で存在する。均一化層の酸窒化物、酸炭化物、酸炭窒化物は化学量論的でなくてもよく、好ましくは酸素に対して化学量論より少ない形であってもよい。炭化物はBe,Mg,Ca,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,Ce,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Au,Zn,Cd,B,Al,Si,Ge,Sn,Pbから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Au,Zn,Cd,Al,Siから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cr,Zn,Alから選択される少なくとも一つの元素の炭化物である。炭窒化物は、Be,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Fe,Co,Zn,B,Al,Siから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Co,Zn,Al,Siから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Zn,Alから選択される少なくとも一つの元素の炭窒化物である。酸窒化物は、Be,Mg,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Rh,Ir,Ni,Cu,Au,Zn,B,Al,Ga,In,Si,Geから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Cu,Au,Zn,Al,Siから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Zn,Alから選択される少なくとも一つの元素の酸窒化物である。酸炭化物は、Be,Mg,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ni,Zn,Si,Geから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Ni,Zn,Al,Siから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Zn,Alから選択される少なくとも一つの元素の酸炭化物である。酸炭窒化物は、Be,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Zn,B,Al,Si,Geから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Zn,Al,Snから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Zn,Alから選択される少なくとも一つの元素の酸炭窒化物である。表面電気特性を均一化するための層の炭化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭化物、酸炭窒化物は、おそらく少なくとも一つのドーピング元素を含む。好ましい実施形態では、薄い均一化層は、Ti,Zr,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Cu,Au,Zn,Al,Siから選択される少なくとも一つの元素から構成される少なくとも一つの酸窒化物を含む。より好ましくは、表面電気特性を均一化するための薄層は、Ti酸窒化物、Zr酸窒化物、Ni酸窒化物、NiCr酸窒化物から選択される少なくとも一つの酸窒化物を含む。
第三の特定の実施形態によれば、均一化層の無機材料は、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,B,Al,Ga,In,Si,Ge,Snから選択される少なくとも一つの元素の少なくとも一つの金属窒化物の形で存在する。好ましくは、均一化層は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al,Siから選択される元素の少なくとも一つの窒化物を含む。より好ましくは、窒化物は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cr,Al,Znから選択される少なくとも一つ元素を含む。より好ましくは、表面電気特性を均一化するための薄層は少なくともTi窒化物、Zr窒化物、Ni窒化物、NiCr窒化物を含む。
第四の特定の実施形態によれば、均一化層の無機材料は、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,B,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Pbから選択される少なくとも一つの元素の少なくとも一つの金属酸化物の形で存在する。好ましくは、均一化層は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al,In,Si,Snから選択される元素の少なくとも一つの酸化物を含む。より好ましくは、酸化物は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cu,Cr,Al,In,Sn,Znから選択される少なくとも一つの元素を含む。均一化層の酸化物は、酸素が化学量論より少なくてもよい。酸化物は、おそらく少なくとも一つのドーピング元素を含む。好ましくは、ドーピング元素は、Al,Ga,In,Sn,Sb,F,Agから選択される元素の少なくとも一つから選択される。より好ましくは、表面電気特性を均一化するための薄層は少なくともTi酸化物及び/又はZr酸化物及び/又はNi酸化物及び/又はNiCr酸化物及び/又はITO及び/又はドープされたCu酸化物(ドーピング剤はAgである)及び/又はドープされたSn酸化物(ドーピング剤はAl,Ga,Sn,Tiから選択される少なくとも一つの元素である)を含む。
特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、それを部分的に形成する電極が金属導電性層と薄い均一化層の間に位置される少なくとも一つの追加の挿入層を含むようなものである。金属導電性層と均一化層の間に挿入される層は、少なくとも一つの誘電性化合物及び/又は少なくとも一つの導電性化合物から構成される少なくとも一つの層を含む。好ましくは、挿入層は、少なくとも一つの導電性化合物から構成される少なくとも一つの層を含む。この挿入層の機能は、金属導電性層が透明になることができる光キャビティの一部を形成することである。用語「誘電性化合物」は、以下のものから選択された少なくとも一つの化合物を意味するものとして理解される:
・ Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb,Biから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの少なくとも二つの混合酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの混合窒化物;
・ 酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、ケイ素−アルミニウムの混合酸窒化物;
・ 酸炭化ケイ素。
もし存在するなら、誘電性化合物は酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素及び/又は酸炭化ケイ素を含むことが好ましい。
用語「導電性」は、以下のものから選択される化合物に関するものとして理解される:
・ Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb,Biから選択される少なくとも一つの元素の酸素が化学量論より少ない酸化物、及び前記少なくとも一つの元素のドープされた酸化物並びにそれらの少なくとも二つのドープされた混合酸化物及びそれらの少なくとも二つの酸素が化学量論より少ない混合酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素のドープされた窒化物並びにそれらの少なくとも二つのドープされた混合窒化物;
・ ドープされた酸炭化Si;
・ ドープ剤はAl,Ga,In,Sn,P,Sb,Fから選択される少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。酸窒化ケイ素の場合において、ドープ剤はB,Al及び/又はGaを含む。
導電性化合物は少なくともITO及び/又はドープされたSn酸化物(ドープ剤はF及びSbから選択された少なくとも一つの元素である)、及び/又はドープされたZn酸化物(ドープ剤はAl,Ga,Sn,Tiから選択された少なくとも一つの元素である)を含むことが好ましい。好ましい実施形態によれば、無機化学化合物は少なくともZnO(式中、x≦1)及び/又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)を含む。ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含むことが好ましく、亜鉛の重量百分率は層中に存在する金属の全重量に関して表示される。
前の実施形態の特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、挿入層の幾何学的厚さ(Ein)がそのオーム厚さが多くとも1012オームに等しく、好ましくは多くとも10オームに等しいようなものであり、オーム厚さは、挿入層を形成する材料の抵抗(・)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、挿入層の幾何学的厚さはさらに、方程式Eorg=A−Ein(式中、Aは5.0〜75.0nm、好ましくは20.0〜60.0nm、より好ましくは30.0〜45.0nmの範囲の値を有する定数である)によって有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さに関係づけられる。用語「第一有機層」は、挿入層と有機発光層の間に配置される全ての有機層を意味する。本発明者は、方程式Eorg=A−Einが、驚くべきことに使用される有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さが挿入層の光学パラメータ(幾何学的厚さ及び屈折率)を最適化し、それゆえ第一輝度最大に対して高い点火電圧を回避できる電気特性と適合しうる挿入層の厚さを保持しながら透過される光の量を最適化することができることを見出した。
別の特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、挿入層の幾何学的厚さ(Ein)が、そのオーム厚さが多くとも1012オームに等しく、好ましくは多くとも10オームに等しいようなものであり、オーム厚さは、挿入層を形成する材料の抵抗(・)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、挿入層の幾何学的厚さはさらに、方程式Eorg=C−Ein(式中、Cは150.0〜250.0nm、好ましくは160.0〜225.0nm、より好ましくは75.0〜205.0nmの範囲の値を有する定数である)によって有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さ(Eorg)に関係づけられる。用語「第一有機層」は、挿入層と有機発光層の間に配置される全ての有機層を意味する。本発明者は、方程式Eorg=C−Einが、驚くべきことに、使用される有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さが挿入層の光学パラメータ(幾何学的厚さ及び屈折率)を最適化し、それゆえ第二輝度最大に対して高い点火電圧を回避できる電気特性と適合しうる挿入層の厚さを保持しながら透過される光の量を最適化することができることを見出した。
別の特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、電極の金属導電性層がその面の少なくとも一つの上に少なくとも一つの犠牲層を含むようなものである。犠牲層は、完全に又は部分的に酸化又は窒化されることができる層を意味するものとして理解される。この層は、特に酸化又は窒化の結果として金属導電層の劣化を避けることを可能にする。さらに、それは金属導電性層と結晶層の間に位置されることができるが、この犠牲層の存在は結晶層の作用と適合しうる。もし存在するなら、犠牲層は、金属、窒化物、酸化物、酸素が化学量論より少ない金属酸化物から選択される少なくとも一つの化合物を含む。好ましくは、金属、窒化物、酸化物、酸素が化学量論より少ない金属酸化物は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Alから選択される少なくとも一つの元素を含む。犠牲層は好ましくはTi,Zr,Ni,Zn,Alを含む。最も好ましくは、犠牲層は少なくともTi,TiO(式中、x≦2),NiCr,NiCrO,TiZrO(TiZrOは50重量%の酸化ジルコニウムを有する酸化チタン層を示す)、ZnAlO(ZnAlOは2〜5重量%の酸化アルミニウムを有する酸化亜鉛層を示す)を含む。上記の特徴を保持する特定の実施形態によれば、犠牲層の厚さは少なくとも0.5nmの幾何学的厚さを持つ。犠牲層の厚さは多くとも6.0nm、好ましくは多くとも5.0nmの厚さを含む。もし厚さが2.5nmに等しいなら、より好ましい。それゆえ、犠牲層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは0.5〜6.0nm、より好ましくは0.5〜5.0nmの範囲内である。好ましい実施形態によれば、犠牲層は、支持体に関して最も遠い金属導電性層の面上に付着される。
別の特定の実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、前記電極が付着される散乱層及び支持体を含む積重ね構造が少なくとも一つの機能性被覆を電極が付着される面とは反対の面上に含むようなものである。この被覆は、反射防止層又は多層積重ね構造、拡散層、非くもり又は汚れ防止層、光学フィルター、特に酸化チタン層、選択的吸収層、Lin及びCollによる論文、例えばOptics Express,2008,vol.16,no.15,pp.11044−11051に又は文献US 2003/0020399 A1、第6頁に記載されるようなマイクロレンズ系から選択される少なくとも一つの被覆を含む。
好ましい実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、透明又は超透明ガラス支持体から出発して以下の構造を本質的に持つ:
− 透明支持体の上に形成され、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料と、ベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有しかつベース材料に分散された複数の散乱材料を含むガラスを含む散乱層、但し前記散乱層は10μm〜60μmの範囲の幾何学的厚さを有する、
− 以下のものを含む光透過を改良するための被覆:
・ (バリヤー層と合併される)TiOから作られた光透過を改良するための層
・ ZnO又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた結晶層
− Agから作られた金属導電性層、但し光透過を改良するための特性を持つ被覆の幾何学的厚さと金属導電性層の幾何学的厚さは以下の方程式に関係づけられている:
式中、TME_o,B及びTD1_oは定数であり、TME_oは10.0〜25.0nm、好ましくは10.0〜23.0nmの範囲の値を有し、Bは10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_oは23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。好ましくは、定数TME_o,B及びTD1_oは、TME_oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、より好ましくは11.5〜22.5nmの範囲を有し、Bが11.5〜15.0nmを有し、TD1_oが24.8*nD1〜27.3*nD1nmの範囲の値を有するようなものである。より好ましくは、定数TME_o,B及びTD1_oは、TME_oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、より好ましくは11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが12.0〜15.0nmの範囲を有し、TD1_oが24.8*nD1〜27.3*nD1nmの範囲の値を有するようなものである。
− 犠牲層:Ti又はTiOx(x≦2)から作られた幾何学的厚さ1.0〜3.0nm
− 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた幾何学的厚さ3.0〜20.0nm
− 均一化層:X,X窒化物、X酸窒化物(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Pd,Cr,Mo,Al,Zn,Ni−Cr又はAlをドープされたZn)から作られた幾何学的厚さ0.5〜3.0nm。
好ましい実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、透明又は超透明ガラス支持体から出発して以下の構造を持つ:
− 透明支持体の上に形成され、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料と、ベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有しかつベース材料に分散された複数の散乱材料を含むガラスを含む散乱層、但し前記散乱層は10μm〜60μmの範囲の幾何学的厚さを有する、
− 光透過を改良するための被覆:
・ (バリヤー層と合併される)TiOから作られた光透過を改良するための層
・ ZnO又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた結晶層
・ 光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは少なくとも50.0nmに等しく、好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも70.0nmに等しく、多くとも100nmに等しく、好ましくは多くとも90.0nmに等しく、より好ましくは多くとも80.0nmに等しい。それゆえ、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは50nm〜100nmの範囲内、より好ましくは60.0nm〜90.0nm、最も好ましくは70.0nm〜80.0nmの範囲内である。
− Agから作られた金属導電性層、但し金属導電性層の幾何学的厚さは少なくとも6.0nmに等しく、好ましくは少なくとも8.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも10.0nmに等しく、多くとも22.0nmに等しく、好ましくは多くとも20.0nmに等しく、より好ましくは多くとも18.0nmに等しい。それゆえ、金属導電性層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは6.0nm〜22.0nm、より好ましくは8.0nm〜20.0nm、最も好ましくは10.0nm〜18.0nmの範囲内である。
− 犠牲層:Ti又はTiOx(x≦2)から作られた幾何学的厚さ1.0〜3.0nm
− 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた幾何学的厚さ3.0〜20.0nm
− 均一化層:X,X窒化物、X酸窒化物(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Pd,Cr,Mo,Al,Zn,Ni−Cr又はAlをドープされたZn)から作られた幾何学的厚さ0.5〜3.0nm。
好ましい実施形態では、本発明による半透明導電性基板は、透明又は超透明ガラス支持体から出発して以下の構造を持つ:
− 透明支持体の上に形成され、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料と、ベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有しかつベース材料に分散された複数の散乱材料を含むガラスを含む散乱層、但し前記散乱層は10μm〜60μmの範囲の幾何学的厚さを有する、
− 光透過を改良するための被覆:
・ (バリヤー層と合併される)TiOから作られた光透過を改良するための層
・ ZnO又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた結晶層
・ 光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも40.0nmに等しい。
− Agから作られた金属導電性層、但し金属導電性層の幾何学的厚さは少なくとも16.0nmに等しく、好ましくは少なくとも18.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも29.0nmに等しく、好ましくは多くとも27.0nmに等しく、最も好ましくは多くとも25.0nmに等しい。それゆえ、金属導電性層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内、好ましくは16.0nm〜29.0nm、より好ましくは18.0nm〜27.0nm、最も好ましくは20.0nm〜25.0nmの範囲内である。
− 犠牲層:Ti又はTiOx(x≦2)から作られた幾何学的厚さ1.0〜3.0nm
− 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた幾何学的厚さ3.0〜20.0nm
− 均一化層:X,X窒化物、X酸窒化物(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Pd,Cr,Mo,Al,Zn,Ni−Cr又はAlをドープされたZn)から作られた幾何学的厚さ0.5〜3.0nm。
半透明導電性基板の実施形態は上で述べた実施形態に限定されず、それらの二つ以上を組み合わせることによって等しく形成されることができる。
本発明の第二の主題は、本発明による半透明導電性基板の製造方法に関する。この基板は支持体、散乱層及び電極を含む。本発明による半透明導電性基板の製造方法は、以下の方法である。
・ 散乱層は以下のようにして作られる:酸化物、リン酸塩、メタリン酸塩、炭酸塩、窒化物、水酸化物又は他の材料が散乱層を作るために出発材料として使用される。第一に、それらは予め決められた量になるように計量され、収集された材料が混合される。次いで、混合材料が、プラチナるつぼなどを使用することによって950〜1500℃の温度で溶解される。次いで、溶解された材料が型又はツインロールの間隙中に注がれる。注がれた材料は、本発明のガラスを持つために迅速に冷却される。歪を除去するために徐々に冷却する可能性もある。本発明は、上の方法によって作られたガラスフリットの形で使用される。ガラスは、すり鉢、ボールミル、ジェットミルなどを使用することによって押しつぶされるか、又はもし必要ならガラスフリットを得るために分級される。ガラスフリットの質量平均粒径は一般的に0.5〜10ミクロンである。ガラスフリットの表面は、界面活性剤又はシランカップリング剤によって改良されることができる。もし必要なら、溶媒、結合剤など、及びこのガラスフリットを混合することもできる。混合されたガラスフリットは透明支持体上に被覆され、ガラスフリットを軟化させるためにガラスフリットのガラス転移温度と比較して約60℃より高い温度で燃焼される。室温に冷却した後、散乱層を有する透明支持体が得られる。溶媒として、エーテル型溶媒(ブチルカルビトール(BC)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ジエチレングリコール、ジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル及びブチルセロソルブアセテート)、アルコール型溶媒(テルピネオール、マツ油及びDowanol)、エステル型溶媒(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、及びフタル酸エステル型溶媒(DBP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレート)及びDOP(ジオクチルフタレート))が使用される。主にテルピネオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートが使用される。なお、DBP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレート)及びDOP(ジオクチルフタレート)もまた、可塑剤として機能する。結合剤として、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ロジン樹脂などが使用される。ベース樹脂としてエチルセルロース及びニトロセルロースが使用される。なお、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂及びロジン樹脂が被覆フィルム強度を改良するための添加剤として使用される。本発明の目的が損われない範囲内で、結合剤又は溶媒以外のいかなる成分も導入されてもよい。結合剤が使用される場合には、ガラスフリットが軟化される前に、それはガラス転移温度より低い温度で燃焼し、結合剤を蒸発する工程を含むことが望ましい。本発明者は、好ましい燃焼温度値が530℃〜580℃の範囲にあることを驚くべきことに見い出した。
・ 電極は、おそらく磁界を使用する陰極スパッタリング技術、プラズマを使用する付着技術、CVD(化学蒸着)及び/又はPVD(物理蒸着)技術から選択された方法のおかげで前記電極を構成する積重ね構造の少なくとも一つの層の散乱層上の付着によって作られる。付着法は真空下で行われることが好ましい。用語「真空下」は、2.0Paより低いか又はそれに等しい圧力を意味する。より好ましくは、真空下の方法は磁気スパッタリング技術である。半透明導電性基板の製造方法は連続法であり、そこでは電極を形成するあらゆる層が多層積重ね構造においてそれの下のある層の直後に付着される(例えば、動いているリボンである支持体上に本発明による電極を形成する積重ね構造の付着、又はパネルである支持体上への積重ね構造の付着)。製造方法はまた、(例えば貯蔵の形の)時間間隔が電極を形成する積重ね構造においてある層とそれの下にある層の付着を分離する不連続法を含む。
好ましい実施形態によれば、本発明による半透明導電性基板の製造方法は、それが以下のように三段階で行われるようなものである:
・ 透明支持体上の散乱層の付着、
・ 光透過を改良するための特性を有する被覆の支持体の付着、
・ 金属導電性層の付着の直後のOLEDシステムを形成する異なる機能性要素の付着。
別の好ましい実施形態によれば、本発明による半透明導電性基板の製造方法は、それが以下のように三段階で行われるようなものである:
・ 透明支持体上の散乱層の付着、
・ 電極、金属導電性層、犠牲層、挿入層を通る光透過を改良するための特性を有する被覆の支持体の付着、
・ 均一化層の付着の直後のOLEDシステムを形成する異なる機能性要素の付着。
均一化層又は金属導電性層が後の段階で付着されるとき、OLEDの有機部分は、均一化層又は金属導電性層の付着直後に付着される(即ち、均一化層又は金属導電性層はOLEDの有機部分の付着前に露出されない)。これらの方法によって提供される利点は、導電性層及び均一化層の酸化がこれらが金属から作られるときに回避できることである。
特定の実施形態によれば、酸化物及び/又は酸窒化物に基づく表面電気特性を均一化するための層は直接付着によって得られることができる。代替例によれば、酸化物及び/又は酸窒化物に基づく均一化層は金属及び/又は対応する窒化物の酸化によって得られることができる(例えば、Tiは酸化されてTi酸化物になり、Ti窒化物は酸化されてTi酸窒化物になる)。この酸化は均一化層の付着の直後又は長時間後に行われることができる。酸化は自然であることができ(例えば、製造工程時又はOLEDの完全な製造前の電極の保管時に存在する酸化化合物との相互作用によるもの)、又は後処理操作から生じることができる(例えば、紫外光下のオゾンの処理)。
代替的な実施形態によれば、製造方法は、電極の表面を構築する追加工程を含む。電極の構築は支持体の構築とは異なる。この追加の工程は、電極の表面を造形すること及び/又は電極の表面を装飾することからなる。電極に表面を造形する方法は少なくともレーザ又はエッチングによる彫刻を含む。電極の表面を装飾する方法は少なくともマスキング操作を含む。マスキングは、電極の表面の少なくとも一部が後処理工程(例えば被覆されていない部分のエッチング)の一部として保護被覆で覆われる操作である。
本発明の第三の主題では、本発明による半透明導電性基板は、光を放出するOLED中に組み込まれる。
前述の実施形態の変形例によれば、有機発光デバイスは、準白色光を放出する目的のために本発明による基板の上にOLED系を含む。幾つかの方法は、赤、緑及び青色光を放出する単一の有機層化合物内で混合することによって、赤、緑及び青色光の放出部分にそれぞれ対応する三つの有機層構造又は二つの有機層構造(黄及び青色光の放出)を積層することによって、光拡散系に接続された三つ(赤、緑、青色光の放出)又は二つ(黄及び青色光の放出)の有機層構造を並置することによって準白色光を生成することができる。
用語「準白色光」は、基板の表面への垂直な放射により、0°の色座標が八つの色度四辺形の一つに含まれる(但し、四辺形の輪郭は含まれる)光を意味するものとして理解される。これらの四辺形は標準規格ANSI_NEMA_ANSLG C78.377−2008の第10〜12頁に規定される。これらの四辺形は、「Graphical representation of the chromaticity specification of SSL products in Table 1,on the CIE(x,y)chromaticity diagram」という名称のパート1の図A1に示されている。
特定の実施形態によれば、有機発光デバイスは板ガラス、二重板ガラス又は積層板ガラス中に一体化される。また、複数の有機発光デバイス、好ましくは多数の有機発光デバイスを一体化することもできる。
別の特定の実施形態によれば、有機発光デバイスは、ガラス及び/又はプラスチックから作られた少なくとも一つの封入材料中に封入される。有機発光デバイスの異なる実施形態を組み合わせることができる。
最後に、様々な有機発光デバイスは広範な分野の用途を持つ。本発明は、特に一つ以上の発光表面の形成においてこれらの有機発光デバイスの可能な使用に関する。用語「発光表面」は、例えば照明タイル、発光パネル、発光パーティション、工作物の表面、ガラスハウス、懐中電灯、スクリーンベース、引き出しベース、発光屋根、タッチスクリーン、ランプ、カメラフラッシュシステム、ディスプレイのための発光ベース、保安灯、棚を含む。
本発明による半透明導電性基板は以下の図面に基づいて説明されるだろう。図面は、幾つかの基板構造を限定されない態様で示す。これらの図は、純粋に説明目的のためであり、構造の表現を縮尺通り構成していない。
図1は、半透明導電性基板が最小数の層からなる積重ね構造から形成された、支持体、散乱層及び電極を含む、本発明による半透明導電性基板の断面図を示す。
図2は、第二実施形態の本発明による半透明導電性基板の断面図を示す。
図3は、半透明導電性基板が最小数の層からなりかつ異なる機能を有する積重ね構造から形成された、バリヤー層を有する支持体、散乱層及び電極を含む、本発明による半透明導電性基板の断面図を示す。
図4は、好ましい実施形態の本発明による半透明導電性基板の断面図を示す。
図5は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.4の屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含みかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図6は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.5の屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含みかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図7は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.6の屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含みかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図8は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.8の屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含みかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図9は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で2.0の屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含みかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図10は、主波長が赤色光の範囲にある単色放射線の波長スペクトルの関数としてフォトルミネセンスを示す。
図11は、主波長が緑色光の範囲にある単色放射線の波長スペクトルの関数としてフォトルミネセンスを示す。
図12は、主波長が青色光の範囲にある単色放射線の波長スペクトルの関数としてフォトルミネセンスを示す。
図13は、Agの金属導電性層が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有し、支持体が1.5の屈折率を有する、赤色光のために本発明による電極の光透過を改良するための層の屈折率及び幾何学的厚さの関数として透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図14は、Agの金属導電性層が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有し、支持体が1.5の屈折率を有する、緑色光のために本発明による電極の光透過を改良するための層の屈折率及び幾何学的厚さの関数として透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図15は、Agの金属導電性層が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有し、支持体が1.5の屈折率を有する、青色光のために本発明による電極の光透過を改良するための層の屈折率及び幾何学的厚さの関数として透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図16は、Agの金属導電性層が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有し、支持体が2.0の屈折率を有する、赤色光のために本発明による電極の光透過を改良するための層の屈折率及び幾何学的厚さの関数として透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図17は、Agの金属導電性層が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有し、支持体が2.0の屈折率を有する、緑色光のために本発明による電極の光透過を改良するための層の屈折率及び幾何学的厚さの関数として透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図18は、Agの金属導電性層が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有し、支持体が2.0の屈折率を有する、青色光のための本発明による電極の光透過を改良するための層の屈折率及び幾何学的厚さの関数として透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を含む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図19は、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.5に等しい屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板のヨーロッパ標準規格EN410に従って2°でD65で表示されたシミュレートされた反射の進展を示し、そこでは導電性層の上に基板はまた、3.0nmに等しい幾何学的厚さを有するTiOの犠牲層及び14.7nmに等しい幾何学的厚さを有するZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)の挿入層を含み、挿入層は550nmの波長で1.7に等しい屈折率を有する有機媒体で被覆されている。
図20は、緑色光のための電極の第一有機層及び挿入層の幾何学的厚さ(Ein)の関数として12.5nmの幾何学的厚さを有する金属導電性層及び550nmの波長で1.5の屈折率を有する透明支持体を有しかつ散乱層なしの基板を組み込む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。
図21は、発光輝度及び角度依存発光色を測定するための測定装置を示す。
図1は、本発明による半透明導電性基板を形成する積重ね構造の一例を示す。半透明導電性基板は、透明支持体(10)から出発して以下の構造を有する:
− 透明支持体(10)の上に形成されかつガラスを含む散乱層(11)、但し前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料(110)、及びベース材料(110)に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料(111)を含む;
− 以下のものによって構成される電極(12):
− 光透過を改良するための層(1201)を含む光透過を改良するための被覆(120);
− 金属導電性層(122)。
図2は、本発明による半透明導電性基板の代替例を示す。これは、電極(12)を構成する図1に既に存在する層に加えて、挿入層(123)及び表面電気特性を均一化するための層(124)を含む。半透明導電性基板は、支持体(10)から出発して以下の構造を有する:
− 透明支持体(10)の上に形成されかつガラスを含む散乱層(11)、但し前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料(110)、及びベース材料(110)に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料(111)を含む;
− 以下のものによって構成される電極(12):
− 光透過を改良するための層(1201)を含む光透過を改良するための被覆(120);
− 金属導電性層(122);
− 挿入被覆(123);
− 均一化被覆(124)。
図3は、本発明による別の半透明導電性基板を示す。これは、電極(12)を構成する図2に既に存在する層に加えて、光透過を改良するための被覆(120)に属する追加のバリヤー層(1200)及び追加の結晶層(1202)、二つの犠牲層(121a,121b)を含む。さらに、本発明による半透明導電性基板は、支持体(10)と散乱層(11)の間に位置されるバリヤー層(9b)、及び透明支持体(10)の第二面上の機能性被覆(9a)を含む。半透明導電性基板は、支持体(10)の第二面から出発して以下の構造を有する:
− 機能性被覆(9a);
− 透明支持体(10);
− 支持体上のバリヤー層(9b);
− 透明支持体(10)の上に形成されかつガラスを含む散乱層(11)、但し前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料(110)、及びベース材料(110)に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料(111)を含む;
− 以下のものによって構成される電極(12):
− 以下のものを含む光透過を改良するための被覆(120);
○ バリヤー層(1200);
○ 光透過を改良するための層(1201);
○ 結晶層(1202)
− 犠牲層(121a);
− 金属導電性層(122);
− 犠牲層(121b);
− 挿入層(123);
− 均一化層(124)。
図4は、本発明による半透明基板の別の例を示す。基板は、支持体(10)から出発して以下の構造を有する。
− 透明支持体(10)の上に形成されかつガラスを含む散乱層(11)、但し前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料(110)、及びベース材料(110)に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料(111)を含む;
− 以下のものによって構成される電極(12):
− 以下のものを含む光透過を改良するための被覆(120);
○ 光透過を改良するための層(1201);
○ 結晶層(1202);
− 犠牲層(121a);
− 金属導電性層(122);
− 犠牲層(121b);
− 挿入層(123);
− 均一化層(124)。
図5,6,7,8及び9は、550nmに等しい波長で1.4,1.5,1.6,1.8及び2.0に等しい屈折率をそれぞれ有する支持体を含み、かつAgの金属導電性層の幾何学的厚さと550nmの波長で2.3の屈折率(nD1)を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さ(D)の関数として準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を示す。有機発光デバイスの構造は以下の積重ね構造を含む:
− 100.0nmに等しい幾何学的厚さを有する支持体(10);
− 電極(12):
○ 光透過を改良するための被覆(120);
○ Agから作られた金属導電性層(122);
− 有機発光デバイスの有機部分は、それが以下の構造を有するようなものである:
○ 25.0nmに等しい幾何学的厚さを有する正孔輸送層HTL;
○ 10.0nmに等しい幾何学的厚さを有する電子ブロッキング層EBL;
○ 光源Aに対応する白色光のガウススペクトルを放出しかつ16.0nmに等しい幾何学的厚さを有する放出層;
○ 10.0nmに等しい幾何学的厚さを有する正孔ブロッキング層HBL;
○ 43.0nmに等しい幾何学的厚さを有する電子輸送層ETL;
○ 100.0nmに等しい厚さを有するAlから作られた対電極。
驚くべきことに、これらの計算は、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)の光学的厚さTD1と金属導電性層(122)の幾何学的厚さTMEが以下の方程式によって関係づけられるような散乱層のない基板に対して最大輝度が得られることを示す:
式中、TME_o,B及びTD1_oは定数であり、TME_oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_oは23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。輝度はFluximからのプログラムSETFOS,version 3(Semiconductive Emissive Thin Film Optics Simulator)を使用して計算された。この輝度は任意単位として表示される。太い線の形で表われる正弦曲線は、方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupportによって選択される領域において極値を示す。本発明は、驚くべきことに、選択される領域が準白色光を放出する有機発光デバイスに対してだけでなく、放出されたいかなるタイプの色(例えば赤、緑、青色)に対しても有効であることを見出した。さらに、本発明者は、驚くべきことに、散乱層のない基板に対して方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupport によって選択される領域がまた、支持体と電極の間に位置される散乱層を含む本発明による半透明導電性基板のために使用されることができることを見出した。
本発明者は、同じ構造の散乱層(11)なしの基板では、高い屈折率を有する支持体(10)の使用がOLEDによって放出される光の量を増加できることを見出した。高い屈折率は、少なくとも1.4に等しい、好ましくは少なくとも1.5に等しい、より好ましくは少なくとも1.6に等しい、最も好ましくは少なくとも1.7に等しい屈折率であるものとして理解される。実際、図5及び9の比較が示すように、同じ構造の散乱層(11)なしの基板では、2.0に等しい屈折率を有する支持体が1.4に等しい屈折率を有する支持体の代わりに使用される(支持体の屈折率は550nmの波長での屈折率である)ときにOLEDの輝度の180%のオーダの増加が観察される。同じ展開が本発明による半透明導電性基板に対しても観察される。
図10〜19、特に図13〜19は、12.5nmに等しい幾何学的厚さを有するAgの導電性層に対応する散乱層のない基板の例に関する。これらの図では、散乱層のない基板は、赤、緑又は青色を放出するOLED中に組み込まれる。有機発光デバイスの構造は以下の積重ね構造を含む:
− 100.0nmに等しい幾何学的厚さを有する支持体(10);
− 電極(12);
○ 光透過を改良するための被覆(120);
○ Agから作られた金属導電性層(122);
− 有機発光デバイスの有機部分は、それが以下の構造を有するようなものである:
○ 25.0nmに等しい幾何学的厚さを有する正孔輸送層HTL;
○ 10.0nmに等しい幾何学的厚さを有する電子ブロッキング層EBL;
○ 16.0nmに等しい幾何学的厚さを有する、赤、緑又は青色光のスペクトルの放出を起こす放出層、但しそれらの色座標(x,y)はCIE1931測色図において(0.63,0.36),(0.24,0.68)又は(0.13,0.31)にそれぞれ等しく、それによればデバイスは赤、緑又は青色光の放出のために与えられる;
○ 10.0nmに等しい幾何学的厚さを有する正孔ブロッキング層HBL;
○ 43.0nmに等しい幾何学的厚さを有する電子輸送層ETL;
○ 100.0nmに等しい厚さを有するAlから作られた対電極。
図10,11及び12はそれぞれ、主波長が赤、緑又は青色光範囲にある、単色放射線の波長スペクトルの関数としてフォトルミネセンスの進展を示す。主波長は、フォトルミネセンスがその最大にある波長を意味するものとして理解される。用語「単色」は、この光が単色そのものでなくても単一色が目によって知覚されることを意味するものとして理解される。フォトルミネセンスは、最大フォトルミネセンスの値によって分割される波長のフォトルミネセンスの値の間の関係の形で表示される。それゆえ、フォトルミネセンスは0と1の間の範囲の単位のない数字である。これらの数字は、OLEDによって放出される光が単一の波長に簡単に限定されることができないことを示す。図10は、616nmに等しい波長で、フォトルミネセンスが主波長が赤色範囲にある単色放射線の場合に最大にあることを示す。図11は、512nmに等しい波長で、フォトルミネセンスが主波長が緑色範囲にある単色放射線の場合に最大にあることを示す。図12は、453nmに等しい波長で、フォトルミネセンスが主波長が青色範囲にある単色放射線の場合に最大にあることを示す。
図13,14及び15は、赤、緑及び青色光のそれぞれに対して、そして550nmの波長で1.5の屈折率を有する支持体に対して散乱層のない基板の光透過を改良するための被覆(120)の屈折率(nD1)及び幾何学的厚さ(D)の関数として有機発光デバイスの輝度の進展を示し、そこではAgの金属導電性層の幾何学的厚さは12.5nmに等しい。この計算は、単一波長に限定された光放射を考慮することによってではなく、図10,11及び12に示されているように波長の実際のスペクトルを考慮することによって行なわれた。驚くべきことに、これらの計算は、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)の光学的厚さTD1と金属導電性層(122)の幾何学的厚さTMEが以下の方程式によって関係づけられているようなものである散乱層のない半透明導電性基板に対して最大輝度が得られることを示す:
式中、TME_o,B及びTD1_oは定数であり、TME_oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_oは23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。輝度はFluximからのプログラムSETFOS,version 3(Semiconductive Emissive Thin Film Optics Simulator)を使用して計算された。
上で述べた特定のケースに対して、散乱層のない基板が550nmの波長で1.5に等しい屈折率を有する支持体と12.5nmに等しい幾何学的厚さを有するAgの導電性層を持つ場合、赤、緑及び青色光のそれぞれを放出するOLEDに対して得られた図13,14,15に基づくと、特に光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さが少なくとも50.0nmに等しく、好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも70.0nmに等しく、多くとも110.0nmに等しく、好ましくは多くとも100.0nmに等しく、より好ましくは多くとも90.0nmに等しく、最も好ましくは多くとも80.0nmに等しいときに高い輝度が得られることは明らかである。さらに、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さ、及びAgから作られた金属導電層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.5の屈折率を有する支持体を持ちかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を記載する図6に基づくと、12.5nmのAgの金属導電性層の厚さを有する基板に対して、光透過を改良するための被覆の最適な幾何学的厚さが50.0nm〜130.0nmの範囲になければならないことは明らかである。同じ観察は、本発明による半透明導電性基板でなされる。
図16,17及び18は、赤、緑及び青色光のそれぞれに対して、そして550nmの波長で2.0の屈折率を有する支持体に対して散乱層のない基板の光透過を改良するための被覆(120)の屈折率(nD1)及び幾何学的厚さ(D)の関数として有機発光デバイスの輝度の進展を示し、そこではAgの金属導電性層の幾何学的厚さは12.5nmに等しい。この計算は、単一波長に限定された光放射を考慮することによってではなく、図10,11及び12に示されているように波長の実際のスペクトルを考慮することによって行なわれた。驚くべきことに、これらの計算は、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)の光学的厚さTD1と金属導電性層(122)の幾何学的厚さTMEが以下の方程式によって関係づけられているようなものである散乱層のない半透明導電性基板に対して最大輝度が得られることを示す:
式中、TME_o,B及びTD1_oは定数であり、TME_oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_oは23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは550nmの波長における支持体の屈折率を表わす。輝度はFluximからのプログラムSETFOS,version 3(Semiconductive Emissive Thin Film Optics Simulator)を使用して計算された。
上で述べた特定のケースに対して、赤、緑及び青色光をそれぞれ放出するOLEDに対して得られた図16,17,18に基づくと、特に光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さが少なくとも40.0nmに等しく、好ましくは少なくとも50.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、多くとも110.0nmに等しく、好ましくは多くとも100.0nmに等しく、より好ましくは多くとも90.0nmに等しいときに高い輝度が得られることは明らかである。それゆえ、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、前述の値の二つの範囲内、好ましくは40.0nm〜110.0nm、より好ましくは50.0nm〜100.0nm、最も好ましくは60.0nm〜90.0nmの範囲内であることが有利である。さらに、550nmの波長で2.3の屈折率を有する光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さとAgから作られた金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で2.0の屈折率を有する支持体を持ちかつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の進展を記載する図9に基づくと、12.5nmのAgの金属導電性層の厚さを有する基板に対して、光透過を改良するための被覆の最適な幾何学的厚さが少なくとも3.0nmより大きくかつ多くとも200.0nmに等しくなければならないことは明らかである。同じ観察は、本発明による半透明導電性基板でなされる。
図13〜18は全て、支持体の固定された屈折率の場合の同じ基板構造では、光透過を改良するための被覆(110)の屈折率が支持体(10)の屈折率より高いとき、特にnD1>1.2*nsupportであるとき、さらにnD1>1.3*nsupportのとき、さらにnD1>1.5*nsupportのときにより有意な輝度が得られることを示す。被覆を形成する材料の屈折率(nD1)は550nmの波長で1.5〜2.4の範囲、好ましくは2.0〜2.4の範囲、より好ましくは2.1〜2.4の範囲の値を有する。同じ観察は、本発明による半透明導電性基板でなされる。
驚くべきことに、本発明者は、最大輝度、換言すれば高い放射レベルを得るための改良被覆の最適厚さが図13〜18に示すように単色放射線(青、緑又は赤色光)の波長スペクトルにほとんど依存しないことを見出した。特に驚くべきことに、この最適値は改良被覆(120)の幾何学的厚さの同じ範囲にある。例えば、2.0〜2.3の範囲の屈折率を有する材料の場合において、異なる波長で最適放出を可能にする改良被覆の幾何学的厚さは45.0〜95.0nmの範囲の値を有する。この範囲は70.0nmの幾何学的厚さ値を中心とする。さらに、赤色光に対しては図8と11の比較、緑色光に対しては図9と12の比較、及び青色光に対しては図10と13の比較は、支持体の屈折率が改良被覆の最適な厚さの範囲にほとんど影響しないことを示す。同じ観察は、本発明による半透明導電性基板でなされる。
本発明者は、高放出レベルを与えることに加えて、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)の光学的厚さTD1と金属導電性層(122)の幾何学的厚さTMEが以下の方程式によって関係づけられるようなものである電極及び透明支持体を含む基板の使用が、図5〜9に示すように赤、青及び緑色光の源が同時に使用されるときに準白色光を与えることができることを見出した:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupport
特に、図13〜15に示すように、上記方程式に従う電極及び透明支持体を含む基板が12.5nmに等しい幾何学的厚さを有するAgの導電性層を有しかつ550nmの波長で1.5に等しい屈折率を有する支持体によって形成されるようなものであるとき、本発明者は、2.0〜2.3の値の範囲内の屈折率を有するあらゆる材料に対して、45〜95nmの範囲の値を有する改良被覆(120)の最適な幾何学的厚さが準白色光を得ることを可能にすることを決定することができた。準白色光は60.0〜80.0nm、より好ましくは65.0〜75.0nmの範囲の幾何学的厚さで得られることが好ましい。従って、赤色光源に対する色座標(0.63,0.36)、緑色光源に対する色座標(0.26,0.68)及び青色光源に対する色座標(0.13,0.31)のスペクトルを放出する三つの光源の同時使用は、70.0nmの幾何学的厚さ及び2.3の屈折率を有する光透過を改良する被覆に対して準白色光を得ることを可能にする。同じ観察は、本発明による半透明導電性基板でなされる。
図5〜7に基づくと、本発明者は、驚くべきことに、二つの特定の領域が有機発光デバイス中に組み込むために意図される方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupportのような電極及び透明支持体を含む基板の構造において選択されることができることを見出した。
選択の第一領域は基板に関し、そこでは支持体は550nmの波長で1.5に等しい屈折率を有し、金属導電性層の幾何学的厚さは少なくとも6.0nmに等しく、好ましくは少なくとも8.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも10.0nmに等しく、多くとも22.0nmに等しく、好ましくは多くとも20.0nmに等しく、より好ましくは多くとも18.0nmに等しく、金属導電性層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内であり、好ましくは6.0nmから22.0nmまで、より好ましくは8.0nmから18.0nmまで、最も好ましくは10.0nmから18.0nmの範囲内であり、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは少なくとも50.0nmに等しく、好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、多くとも130.0nmに等しく、好ましくは多くとも110.0nmに等しく、より好ましくは多くとも90.0nmに等しく、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内にあり、好ましくは50.0nmから110.0nmまで、より好ましくは60.0nmから90.0nmまでの範囲内である。この構造は、低コストのソーダライム石英ガラス支持体を使用し、光透過を改良するための被覆の大きい厚さと組み合わせた微細な金属導電性層(例えばAgの層)を使用するという三重の利点を持ち、かかる厚さは、ソーダライム石英ガラス支持体から来るアルカリ性物質の移行による可能な汚染に対して金属導電性層の良好な保護を可能にする。
選択の第二領域は、1.4〜1.6の範囲の屈折率を有する支持体を持つ基板に関し、そこでは金属導電性層の幾何学的厚さは少なくとも16.0nmに等しく、好ましくは少なくとも18.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも29.0nmに等しく、好ましくは多くとも27.0nmに等しく、より好ましくは多くとも25.0nmに等しく、金属導電性層の幾何学的厚さは、有利には前述の値の二つの範囲内にあり、好ましくは16.0nmから29.0nmまで、より好ましくは18.0nmから27.0nmまで、最も好ましくは20.0nmから25.0nmまでの範囲であり、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも40.0nmに等しい。この構造は、より厚い金属導電性層(例えば銀の層)を使用する利点を持ち、厚い金属導電性層の使用は良好な導電性を達成可能にする。
本発明者は、驚くべきことに、同じ観察が本発明による半透明導電性基板でも見られることを見出した。
図19は、光透過を改良するための被覆の幾何学的厚さ及びAgの金属導電性層の幾何学的厚さの関数として550nmに等しい波長で1.5に等しい屈折率を有する支持体を含む基板のヨーロッパ標準規格EN410による2°でのD65で表示されるシミュレートされた反射の進展を示し、そこでは導電性層の上で、基板はまた、3.0nmに等しい幾何学的厚さを有するTiOの犠牲層及び14.7nmに等しい幾何学的厚さを有するZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)の挿入層を含み、挿入層は550nmの波長で1.7に等しい屈折率を有する有機媒体で被覆される。太い線の形で表われる正弦曲線は、方程式TME=TME_o+[Bsin(ΠD1/TD1_o)]/(nsupportによって選択される領域において極値を示す。
図20は、緑色光に対して電極の第一有機層(Eorg)及び挿入層(Ein)の幾何学的厚さの関数として550nmの波長で1.5の屈折率を有する支持体及び12.5nmの幾何学的厚さを有する金属導電性層を含む基板を組み込む有機発光デバイスの輝度の進展を示す。この計算は、単一波長に限定された光放射を考慮することによってではなく、図11に示すように、波長の実際のスペクトルを考慮することによって行われた。輝度はまた、プログラムSETFOS,version3を使用して計算された。この輝度は任意単位として表示される。本発明者は、驚くべきことに、輝度最大値によって特徴づけられる二つの領域が観察されることを見出した:
・ 方程式Eorg=A−Einに対応する第一領域(式中、Aは5.0〜75.0nm、好ましくは20.0〜60.0nm、より好ましくは30.0〜45.0nmの範囲の値を有する定数である)
・ 方程式Eorg=C−Einに対応する第二領域(式中、Cは5.0〜75.0nm、好ましくは10.0〜60.0nm、より好ましくは30.0〜45.0nmの範囲の値を有する定数である)
本発明者は、方程式Eorg=A−Ein又はEorg=C−Einにより、驚くべきことに、使用される有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さが挿入層の光学的パラメータ(幾何学的厚さ及び屈折率)を最適化し、従って第一及び第二輝度最大値のそれぞれに対して高い点火電圧を避けることができる電気特性と適合しうる挿入層の厚さを保持しながら透過される光の量を最適化することを可能にすることを見出した。
本発明による半透明導電性基板、それの実行のモード並びにそれを含有する有機発光デバイスは、以下の表I,II,III,IV,V及びVIに記載されかつ並べられた実際例に基づいて特徴付けられるだろう。これらの例は決して本発明を限定するものではない。
性能が表I,II,III,IV,V及びVIで示される緑色単色放射線を放出する有機発光デバイスは、半透明導電性基板(1)から出発して以下の有機構造を有する:
・ N,N′−ビス(1−ナフチル)―N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(アルファ−NPDに略される)の層、
・ 1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N′,N′′−トリアセテート(TCTAに略される)+トリス[2−(2−ピリジニル)フェニル−C,N]イリジウム(Ir(ppy)3に略される)の層、
・ 4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhenに略される)の層、
・ LiFの層、
・ 少なくとも一つの金属から構成される上部反射電極。
好ましい実施形態によれば、上部反射電極の金属は少なくともAgからなる。代替実施形態によれば、上部反射電極の金属は少なくともAlからなる。
本例に使用される半透明導電性基板は以下のように製造される:
ガラス基板は、1.60mmの厚さを有するAGCによって作られた透明ソーダライムガラスである。散乱層は以下のようにガラス支持体上に付着される:ガラスフリット材料は、ガラス組成が酸化物に基づくmol%で、22.7mol%のP,14.9mol%のBi,15.7mol%のNb,20.6mol%のZnO,11.8mol%のB,5.0mol%のLiO及び9.3mol%のWOになるように混合された。その後、調製されたフリット材料は電気炉で1050℃で90分費やして溶解され、950℃で60分間保持した後、ガラスフレークはロール鋳造によって得られた。このガラスのガラス転移温度は475℃であり、その変形点は525℃であり、熱膨張率は72×10−7(1/℃)である(50〜300℃の平均値)。測定は、熱分析装置(Bruker社によって作られる、商品名:TD5000SA)によって熱膨張法によって5℃/分でなされた。さらに、F−ライン(486.13nm)における屈折率nFは2.00であり、d−ライン(587.56nm)における屈折率ndは1.98であり、C−ライン(656.27nm)における屈折率nCは1.97である。屈折率測定装置(Shimadzu Device Corporationによって作られる、商品名:KPR-2000)が使用される。
ジルコニアから作られた遊星ミルで2時間、製造されたガラスフレークを粉砕した後、粉砕したガラスフレークを篩に通してガラスフリットを得た。このとき、ガラスフレークの粒子サイズ分布は、D50が2.15μmであり、D10が0.50μmであり、D90が9.72μmであった。D50=2.15μmは、粒子の50%が2.15μmより小さいか又はそれに等しい粒子サイズを有することを意味し、D10=0.50μmは、粒子の10%が0.50μmより小さいか又はそれに等しい粒子サイズを有することを意味し、D90=9.72μmは、粒子の90%が9.72μmより小さいか又はそれに等しい粒子サイズを有することを意味する。粒子サイズはTEM(透過電子顕微鏡)写真によって決定される。次に、得られたガラスフリット35gは有機ビヒクルと混合され、それはテルピネオールとエチルセルロースによって溶解されてガラスペーストを得た。ガラスペーストは、直径が10mmである円でガラス支持体上に均一に印刷され、それは燃焼後厚さが14μmになることを生じた。この基板を150℃で30分間乾燥した後、基板は室温に一度戻された。温度は、45分かけて450℃まで上昇させた。次いで、基板は、燃焼されるために450℃で30分間保持された。その後、温度は、13分かけて580℃まで上昇させられ、580℃で30分間保持され、3時間かけて室温まで戻された。それゆえ、散乱層はガラス支持体上に形成された。
本発明による半透明導電性基板(1)の例の電極(12)を形成する層は、1.60mmの厚さを有する透明ガラス支持体(10)上への磁気スパッタリングによって付着された。
層の各々に対する付着条件は以下の通りである:
・ TiOベース層はAr/O雰囲気において0.5Paの圧力でチタンターゲットを使用して付着される、
・ ZnSnベース層はAr/O雰囲気において0.5Paの圧力でZnSn合金ターゲットを使用して付着される、
・ Agベース層はAr雰囲気において0.5Paの圧力でAgターゲットを使用して付着される、
・ Tiベース層はAr雰囲気において0.5Paの圧力でTiターゲットを使用して付着され、続くAr/Oプラズマによって部分的に酸化されることができる、
・ 窒化Tiに基づく表面電気特性を均一化するための層は80/20Ar/N雰囲気において0.5Paの圧力でTiターゲットを使用して付着される。
ITO電極と比較すると、付着条件はより低い温度を要求し、それは散乱層の支持体からのアルカリの移行の危険を低下する。
表Iは、本発明に従わない半透明導電性基板(1)の例、並びにこれらの基板が組み入れられる有機発光デバイスによって得られた電気的及び光学的性能の測定の結果を有する四つの欄を示す。有機発光デバイスの一般的な構造は上で記載された([0141]〜[0145])。例I.1RはITO電極である。例I.2Rは散乱層を有するITOである。例I.3Rは散乱層なしの半透明導電性基板であり、最適化されていない電極を有する。なぜならば改良被覆(120)の厚さが最適化されず、それゆえ以下の方程式に従う光学的厚さの範囲外にあるからである:TME=TME_o+[Bsin(ΠD1/TD1_o)]/(nsupport
例I.4Rは、散乱層のない半透明導電性基板であり、電極を含むものであり、そこでは改良被覆(120)の厚さは最適化され、それゆえ以下の方程式に従う光学的厚さの範囲内にある:TME=TME_o+[Bsin(ΠD1/TD1_o)]/(nsupport
例I.3R及びI.4Rでは、改良被覆(120)はバリヤー層(1200)を有し、それは光透過を改良するための層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)によって被覆される。さらに、結晶層(1202)と挿入層(123)は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは好ましくは多くとも95重量%の亜鉛を含む(亜鉛の重量百分率は、Agの導電性層(122)を有する建築的低放射積重ね構造に基づいて層に存在する金属の全重量に対して表示される)。
支持体(10)は、1.60mmに等しい幾何学的厚さを有する透明ガラスである。
表IIは、異なるタイプの電極を有する本発明による半透明導電性基板の例、並びにこれらの基板が組み入れられる有機発光デバイスの電気的及び光学的性能を有する二つの欄を示す。例II.5は、散乱層を有し、最適化されていない電極を含む半透明導電性基板である。なぜならば改良被覆(120)の厚さが以下の方程式に従う光学的厚さの範囲外にあるからである:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupport
例II.6は、OLEDに対して最適化されている電極を有し、かつ散乱層を有する半透明導電性基板である。なぜならば改良被覆(120)の厚さが以下の方程式に従う光学的厚さの範囲内にあるからである:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupport
例II.5及びII.6では、改良被覆(120)は、結晶層(1202)によって覆われていないバリヤー層(1200)を有する。さらに、結晶層(1202)と挿入層(123)は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは好ましくは多くとも95重量%の亜鉛を含む(亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される)。
支持体(10)は、1.60mmに等しい幾何学的厚さを有する透明ガラスである。
例II.5及びII.6と比較用の例I.1R,I.2R,I.3R及びI.4Rの比較は、光学的性能に関して本発明による半透明導電性基板によって与えられる利点を明らかに示す。
外結合係数効率(out−coupling coefficient efficiency(OCE))は、基準と比較して導き出されることができる光の量を規定する因子である。OCEは、例I.1Rに表わされる基準に対して計算される。OCE値は以下のように決定される:
− 例I.1R,I.2R,I.3R,I.4R,II.5及びII.6の基板を含む各OLEDの輝度は角度θ=0°で測定された。各試料に付与される電圧は、6mAの電流強さを得るために要求されるものである。
− OCEは、例I.1Rのために測定された輝度の値によって得られる輝度値を割ることによって得られた。
光学的測定は、Hamamatsu Photonics K.K.によって製造される多チャンネルスペクトロスコープ(商品名:C10027)によって実施された。角度の規定のために、要素の法線方向と要素からスペクトロスコープまで延びる方向の間の角度は、測定角度θとして規定された(図21)。
驚くべきことに、本発明者は、多層化半透明導電性基板の構造における小さな変化がOCEに対して有意な影響を持つことを見い出した。OCEに対するこの効果は、多層電極の第一層の屈折率が散乱層のそれに匹敵するという事実にかかわらず見い出される。例I.3RとII.5、また例I.4RとII.6の比較はOCEに対する散乱層の影響を示す。例I.3R及びII.5に記載のような電極積重ね構造の場合には、散乱層の含有はOCEの10%の増加に導く。例I.4R及びII.6に記載のような電極積重ね構造の場合には、散乱層の含有はOCEの58%の増加に導く。
本発明者は、驚くべきことに、例I.3R及びII.6の比較によって示すように、本発明による半透明導電性基板が使用されるときにOCEの約90%の増加が得られることを見い出した。さらに、得られたOCEの比較は、OCEについて最適化された電極と散乱層の相乗効果を示す。もし効果が単に累積するなら、OCEの30%の増加が得られるだろう:10%は使用される散乱層のおかげであり、20%は最適化された電極のおかげであるだろう。さらに、OCEの比較は、例II.6によって放出される光の量がOLEDについての通常の基板を表わす例I.1R(ガラス上のITO電極)によって放出される光の量より90%大きいことを明らかに示す。
光学的測定は、Hamamatsu Photonics K.K.によって製造される多チャンネルスペクトロスコープ(商品名:C10027)によって実施された。角度の規定のために、要素の法線方向と要素からスペクトロスコープまで延びる方向の間の角度は測定角度θとして規定された(図21)。測定は、スペクトロスコープに対してOLEDを回転しながらなされ、それによって色を放出する光の角度依存性を測定する。
値x及びyは以下のように測定される:
例I.1R,I.2R,I.3R,I.4R,II.5及びII.6の基板を含む各OLEDの輝度は、角度θ=0°〜70°の異なる角度で測定された。各試料上に付与される電圧は、6mAの電流の強さを得るために要求されるものである。
最後に、電気的見地から、本発明による半透明導電性基板に対して得られた抵抗値(約4Ω/□)は、従来のITO基板で得られた抵抗値(約35Ω/□)より低い。
表IIIは、散乱層を含みかつ異なるタイプの電極(層の数、化学的性質及び層の厚さ)を有する本発明による半透明導電性基板の例、及びΩ/□で表わされる抵抗の測定結果を有する三つの欄で示す。有機発光デバイスの一般的な構造は上で記載された([0141]〜[0145])。例III.1は、Agの導電性層(122)、表面電気特性を均一化するための層(124)、改良被覆(120)(改良被覆(120)の厚さは最適化されていない、なぜならば改良被覆(120)の厚さは方程式:TME=TME_o+[Bsin(ΠD1/TD1_o)]/(nsupportに従う光学的厚さの範囲外であるからである)を含む電極を有する半透明導電性基板である。この例では、改良被覆(120)はバリヤー層(1200)を含み、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)に覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(123)層は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。例III.2及びIII.3は、本発明に従う半透明導電性基板を示す。これらの例では、改良被覆(120)は、方程式:TME=TME_o+[Bsin(ΠD1/TD1_o)]/(nsupportに従う光学的厚さを有し、バリヤー層(1200)を有し、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1102)によって覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(124)層は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。例III.3は、結晶層(1102)の幾何学的厚さに対して最適化される電極を有する本発明による半透明導電性基板を示す。
支持体(10)は、1.60mmに等しい幾何学的厚さを有する透明ガラスである。
上記のように、本発明による半透明導電性基板は、少なくとも一つの追加の挿入層(123)を有する電極を持つ。この挿入層(123)の機能は、金属導電性層を透明にするようにできる光キャビティの一部を形成することである。実際、低放射多層被覆を最適化する当業者にとって、例えば、少なくとも15.0nmの幾何学的厚さを有する挿入層の使用が導電性層を透明にするために必要であることは知られている。他方、建築用途に適合しうる光学的透明性の値を得るために導電性条件は全く課されない。建築用途のために開発された層は光電子用途のために直接使用されることができない。なぜならばそれらは一般に誘電性化合物及び/又は劣った導電性の化合物を含有するからである。
本発明者は、驚くべきことに、挿入層(123)の幾何学的厚さ(Ein)は、第一に、そのオーム厚さが最大1012オームに等しく、好ましくは最大10オームに等しく、オーム厚さが、挿入層を形成する材料の抵抗(・)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、第二に、挿入層(123)の幾何学的厚さが、有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さ(Eorg)に関係づけられるようなものであることを決定した。用語「第一有機層」は、挿入層(123)と有機発光層の間に配置された全ての有機層を示す。従って、本発明者は、驚くべきことに、図20に示されるように、輝度最大によって特徴づけられる二つの領域が観察されることを見い出した。
方程式:Eorg=A−Einに対応する第一領域、但しAは5.0〜75.0nm、好ましくは20.0〜60.0nm、より好ましくは30.0〜45.0nmの範囲の値を有する定数である。
方程式:Eorg=C−Einに対応する第二領域、但しCは150.0〜250.0nm、好ましくは160.0〜225.0nm、より好ましくは75.0〜205.0nmの値を有する定数である。
従って、本発明者は、方程式Eorg=A−Ein又はEorg=C−Einが有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さが挿入層の光学的パラメータ(幾何学的厚さ及び屈折率)を最適化し、それゆえ高い点火電圧を第一及び第二輝度最大のそれぞれに対して避けることを可能にする電気特性と適合しうる挿入層の厚さを保持しながら透過される光の量を最適化するために使用されることができることを見い出した。
さらに、導電性層と有機発光デバイスの有機部分の間の接触のための誘電性の、即ち劣った導電性の層の使用は、有機発光デバイスを製造する当業者の習慣的に受け入れられている知識の対極を実行する。本発明者は、驚くべきことに、誘電性の、即ち劣った導電性の材料の使用が挿入層(123)の形成のために除外される必要がないことを見い出した。しかしながら、導電性材料が好ましい。実際、もし挿入層が高すぎるオーム厚さを有するなら、使用の電圧は表IVに示されるようにかなり増加する。
表IVは、異なるタイプの電極(層の数、化学的性質及び層の厚さ)を有する本発明による半透明導電性基板の例、並びにこれらの基板が含まれる有機発光デバイスによって得られた電気的性能の測定の結果を有する二つの欄を示す。有機発光デバイスの一般的な構造は上で記載された([0141]〜[0145])。例IV.1は、Agの導電性層(122)を有する構造に基づいて電極を含む半透明導電性基板であり、電極は最適化されていない。例IV.1の電極は均一化層(124)及び光透過を改良するための被覆(120)(その光学的特性は最適化されず、それゆえ方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupportに従う厚さの範囲の外側にある)を有する。例IV.1では、改良被覆(120)はバリヤー層(1200)を含み、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)に覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(123)層は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。さらに、例IV.1はまた、最適化されていない幾何学的厚さを有する挿入層(123)を示す。例IV.2は最適化された電極を示し、改良被覆(120)は、方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupportに従う光学的厚さを有し、改良被覆はバリヤー層(1200)を有し、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)によって覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(124)層は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。例IV.2の電気的特性が例IV.1に示されたものより明らかに高いことは明白である。
支持体(10)は、1.60mmに等しい幾何学的厚さを有する透明ガラスである。
最後に、表Vは、挿入層の一定の幾何学的厚さにより、使用の電圧を減少し、この層の抵抗性を減少することができることを示す。実際、表Vは、本発明に従うが、挿入層を形成する化学化合物の性質に対して互いに異なる、半透明導電性物質の例、並びにこれらの電極が含まれる有機発光デバイスによって得られた電気的及び光学的性能の測定の結果を有する三つの欄を示す。有機発光デバイスの一般的な構造は上で記載された([0141]〜[0145])。例V.1は、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛(ZnO:Alの抵抗:10−4Ωcm)から作られた導電性層を含む挿入層を有する電極を持つ本発明による半透明導電性基板を示す。例V.2は、ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた劣った導電性の層を含む挿入層を有する電極を持つ本発明による半透明導電性基板を示し、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含むことが好ましく、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される(ZnSnの抵抗:10-2Ωcm)。例V.3は、二酸化チタンの誘電体層を含む挿入層を有する電極を持つ本発明による半透明導電性基板を示す。
100mAの電流レベルを達成するために、付与される電圧が誘電体材料から作られた層の場合より導電性材料から作られた層を有する導電性挿入層の場合の方が低いことが明白である。
支持体(10)は、1.60mmに等しい幾何学的厚さを有する透明ガラスである。
表VIは、準白色光を放出する有機発光デバイスを示す。表VIに性能が示される準白色光を放出する有機発光デバイスの一般的な構造は、半透明導電性基板で開始して、以下の構造を有する:
− 4mol%のNPD−2をドープされたN,N,N´,N´´−テトラキス(4−メトキシフェニル)−ベンジジン(MeO−TPDに略す)の層、
− N,N´−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N´−ジフェニル−ベンジジン(NPBに略す)の層、
− イリジウム−ビス−(4,6−ジフルオロフェニル−ピリジナート−N,C2)−ピコリネート(FirPicに略す)、トリス[2−(2−ピリジニル)フェニル−C,N]イリジウム(Ir(ppy)3に略す)及びイリジウム(III)ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)(Ir5MDQに略す)(acac)で部分的にドープされた2,2´,2´´(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(TBPiに略す)から及び4,4´4´´−トリス(N−カルバゾルイル)−トリフェニルアミン(TCTAに略す)から形成された放射層の積重ね構造、
− 2,2´2´´(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス−(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(TBPiに略す)の層、
− Csでドープされた4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンの層、
− 少なくとも一種の金属から構成された上部反射電極。
好ましい実施形態によれば、上部反射電極の金属は少なくともAgからなる。代替実施形態によれば、上部反射電極の金属は少なくともAlからなる。
使用される化合物を示すために使用される頭字語は当業者に良く知られている。使用される有機層の構造は、Nature,2009,vol.459,234〜238頁においてReinekeらによって論文の「Methods Summary」の部分の237頁に記載されている。
本発明による半透明導電性基板(1)の例の散乱層(11)及び電極(12)は、ここで上で記載された条件に従って付着された([0142]〜[0145])。例VI.1は、Agの導電性層を有する積重ね構造に基づいた電極を含む半透明導電性基板である。例VI.1は、均一化層(124)を有するOLEDについて最適化されていない電極を含む本発明による半透明導電性基板であり、改良被覆(120)の厚さは、以下の方程式に従う厚さの範囲の外側にある:
例VI.1では、改良被覆(120)はバリヤー層(1200)を含み、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)によって覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(123)層は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。例VI.2及びVI.3は、改良被覆(2)が方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupportに従う光学的厚さを有する例を示し、これはバリヤー層(1200)を有し、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)によって覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(124)層は同じ性質を有する。これらの層はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。さらに、例VI.2は特に、微細な金属層を有し、かつ光透過特性を改良するための被覆のより有意な厚さを有する半透明導電性基板を示す。かかる厚さの改良被覆の利点は以下の通りである:
− それは、一方では、支持体又は散乱層から来る汚染物質(例えば、アルカリ性物資)の移行による層のいかなる混入に対しても金属導電性層の良好な保護を可能にする。
− 他方で、それは金属導電性層の形成のために使用される貴金属を少なくすることができる。
例VI.3は、低い抵抗を有する導電性層を得ることを可能にする厚い銀層を有する半透明導電性基板を示す。例VI.1,VI.2及びVI.3による半透明導電性基板を含む準白色光を放出するデバイスのために得られた特性の比較は以下のことを示す:
− 本発明による基板を含むデバイスの使用寿命は例VI.1と比較すると長く、同一支持体(10)からなり、その上に90nmに等しい幾何学的厚さを有するITOの電極を配置された半透明導電性基板(その使用寿命は162時間に達する)と比較しても長い(結果は表VIには確立されていない)。
− 厚い導電性層を有する例VI.3の表面抵抗(Ω/□)は例VI.2及びVI.1の表面抵抗(Ω/□)の少なくとも半分ほどであり、この特性は、例えば金属グリッドのようないかなる導電性補強も使用せずに大きい寸法のデバイスを形成する可能性を提供する。
支持体(10)は、1.60mmに等しい幾何学的厚さを有する透明ガラスである。
電気的性能のレベルは、2mA/cmの電流を得るために付与される電圧(V)によって測定される。
表VIIは、準白色光を放出する有機発光デバイスを示す。性能が表VIIに示される準白色光を放出する有機発光デバイスの一般的な構造は、半透明導電性基板から出発して以下の有機構造を有する:
− N,N´−ビス(1−ナフチル)−N,N´−ジフェニル−1,1´−ビフェニル−4,4´−ジアミン(アルファ−NPDに略す)の層、
− NPD+5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレンに略す)の層、
− 2−メチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(MADNに略す)+p−ビス−p−N,N´−ジ−フェニル−アミノスチリルベンゼン(DSAに略す)の層、
− トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(AlQ3に略す)の層、
− LiFの層、
− 上部反射電極はまた、少なくとも一種の金属から構成される。
好ましい実施形態によれば、上部反射電極の金属は少なくともAgからなる。代替実施態様によれば、上部反射電極の金属は少なくともAlからなる。
本発明による半透明導電性基板(1)の例の散乱層(11)及び電極(12)は上で記載した条件([0142]〜[0145])に従って付着され、前記散乱層は、例VII.2において、前の例に使用された組成と同じ組成を有するが、例VII.1及びVII.3において、3μmの直径を有するアルミナ粒子の15vol%の追加量を含む。さらに、TiO及びZnO:Alに基づく層はそれぞれ、Ar/O雰囲気において0.5Paの圧力でTiOセラミックターゲットを使用して及びAr/O雰囲気においてZnO:Alセラミックターゲットを使用して付着され、少ない割合のO(0〜0.7%)が0.5Paの圧力で導入される。例VII.1及びVII.2は、Agの導電性層を有する積重ね構造に基づいた電極を含む半透明導電性基板である。例VII.1及びVII.2は、均一化層(124)を有するOLEDに対して最適化されていない電極を含む本発明による半透明導電性基板であり、そこでは改良被覆(120)の厚さは、以下の方程式に従う厚さ範囲の外側にある:
例VII.1では、改良被覆(120)はバリヤー層(1200)を含み、それは改良層(1201)と合併され、この層は結晶層(1202)によって覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(123)層は同じ性質の導電性層である。これらの層は、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛から作られる(ZnO:Alの抵抗:10−4Ω/cm)。例VII.2では、改良被覆(120)はバリヤー層(1200)、改良層(1201)及び結晶層(1202)を含み、それらは合併され、ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られ、ZnSnは好ましくは亜鉛の多くとも95重量%を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。例VI.3は、改良被覆(120)が方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsupportに従う光学的厚さを有する例を示し、この改良被覆(120)は、バリヤー層(1200)を有し、それは改良層(1201)と合併され、前記改良層(1201)は結晶層(1202)によって覆われる。さらに、結晶(1202)及び挿入(124)層は同じ性質を有する。これらの層は、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛から作られる(ZnO:Alの抵抗:10−4Ω/cm)。犠牲層(121b)はTiOから作られ、前記TiOは完全に又は部分的に酸化された酸化チタンである。
(1)散乱層は、直径3μmを有するアルミナ粒子の15vol%の追加量を含む。
外結合係数効率(OCE)は、基準のものと比較して導き出すことができる光の量を規定する因子である。OCEは、例I.1Rで表わされる基準に対して計算される。OCE値は以下のように決定される:
− 例I.1R,VII.1,VII.2及びVII.3の基板を含む各OLEDの輝度は角度θ=0°で測定された。各試料に付与される電圧は、6mAの電流の強さを得るために要求されるものである。
− OCEは、例I.1Rに対して測定された輝度の値によって得られた輝度値を割ることによって得られた。
光学的測定は、Hamamatsu Photonics K.K.によって製造される多チャンネルスペクトロスコープ(商品名:C10027)によって実施された。角度の規定のために、要素の法線方向と要素からスペクトロスコープまで延びる方向の間の角度は、測定角度θとして規定された(図21)。

Claims (20)

  1. 以下のものを含む、有機発光デバイスのための半透明導電性基板(1):
    − 透明支持体(10);
    − 透明支持体(10)の上に形成されかつガラスを含む散乱層(11)、但し前記ガラスは、透過される光の少なくとも一つの波長に対して第一屈折率を有するベース材料(110)、及びベース材料(110)に分散されかつベース材料の第一屈折率とは異なる第二屈折率を有する複数の散乱材料(111)を有する;
    − 散乱層(11)の上に形成された透明電極(12)、但し前記電極(12)は、少なくとも一つの金属導電性層(122)、及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆(120)を含み、前記被覆(120)は、光透過を改良するための少なくとも一つの層(1201)を含み、金属導電性層(122)と、前記電極(12)が付着される散乱層(11)との間に位置される。
  2. 散乱層(11)の散乱材料(111)が、細孔、沈殿結晶、ベース材料(110)とは異なる化学組成を有する材料粒子、相分離ガラス、又はそれらの少なくとも二つからの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の半透明導電性基板(1)。
  3. 材料粒子が、結晶粒子、非晶質粒子、又はそれらの少なくとも一つの混合物から選択されることを特徴とする請求項2に記載の半透明導電性基板(1)。
  4. 散乱層における散乱材料の分布が、散乱層(11)の内側から前記散乱層(11)が付着される透明支持体(10)とは反対の散乱層の面に向かって減少することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  5. 散乱層が、第一層部分、及び第一層部分上に形成された第二層部分を含み、前記第二層部分が第一層部分より薄く、第一層部分が第二層部分よりずっと多い散乱材料を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  6. 透明電極が散乱層の上に形成され、前記電極が、単一の金属導電性層、及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆(120)を含み、前記被覆(120)が、少なくとも3.0nmより大きくかつ多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有し、前記被覆が、光透過を改良するための少なくとも一つの層(120)を含み、かつ金属導電性層(122)と、前記電極が付着される散乱層(11)との間に位置され、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)の光学的厚さTD1及び金属導電性層(122)の幾何学的厚さTMEが、以下の式によって関係づけられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半透明導電性基板(1):
    式中、TME_O,B及びTD1_Oは定数であり、TME_Oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsupportは、550nmの波長における透明支持体の屈折率を表わす。
  7. 透明電極が散乱層の上に形成され、前記電極が、単一の金属導電性層、及び前記電極を通る光透過を改良するための特性を有する少なくとも一つの被覆(120)を含み、前記被覆(120)が、少なくとも3.0nmより大きくかつ多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有し、前記被覆が、光透過を改良するための少なくとも一つの層(120)を含み、かつ金属導電性層(122)と、前記電極が付着される散乱層(11)との間に位置され、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)の光学的厚さTD1及び金属導電性層(122)の幾何学的厚さTMEが、以下の式によって関係づけられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半透明導電性基板(1):
    式中、TME_O,B及びTD1_Oは定数であり、TME_Oは10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5nmの範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光透過を改良するための被覆の屈折率を表わし、nSSは、550nmの波長における支持体及び散乱層を含む積重ね構造の屈折率を表わす、

    式中、nsupportは、550nmの波長における透明支持体(10)の屈折率を表わし、nscatteringlayerは、550nmの波長における散乱層(11)の屈折率を表わし、Isupportは、支持体(10)の幾何学的厚さを表わし、Iscatteringlayerは、散乱層(11)の幾何学的厚さを表わす。
  8. 電極(12)の光透過を改良するための被覆(120)が、少なくとも一つの追加の結晶層(1202)を含み、散乱層(11)に対して、前記結晶層(1202)が、前記被覆(120)を形成する積重ね構造から最も遠い層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  9. 結晶層(1202)の幾何学的厚さが、光透過を改良するための被覆(120)の全幾何学的厚さの少なくとも7%に等しいことを特徴とする請求項8に記載の半透明導電性基板(1)。
  10. 光透過を改良するための被覆(120)が、少なくとも一つの追加のバリヤー層(1200)を含み、散乱層(11)に対して、前記バリヤー層(1200)が、前記被覆(120)を形成する積重ね構造に最も近い層であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  11. 電極(12)が、表面電気特性を均一化するための薄層(124)を含み、散乱層(11)に対して、薄層(124)が、前記電極(12)を形成する多層積重ね構造の上に位置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  12. 電極(12)が、金属導電性層(122)と均一化薄層(124)との間に位置される少なくとも一つの追加の挿入層(123)を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  13. 挿入層(123)の幾何学的厚さ(Ein)が、そのオーム厚さが多くとも1012オームに等しいようなものであり、オーム厚さが、挿入層を形成する材料の抵抗(・)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、挿入層の幾何学的厚さがさらに、有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さ(Eorg)に、式Eorg=A−Einによって関係づけられ、用語「第一有機層」が、挿入層と有機発光層の間に配置された全ての有機層を意味し、Aが、5.0〜75.0nm、好ましくは20.0〜60.0nm、より好ましくは30.0〜45.0nmの範囲の値を有する定数であることを特徴とする請求項12に記載の半透明導電性基板(1)。
  14. 挿入層(123)の幾何学的厚さ(Ein)が、そのオーム厚さが多くとも1012オームに等しいようなものであり、オーム厚さが、挿入層を形成する材料の抵抗(・)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、挿入層の幾何学的厚さがさらに、有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さ(Eorg)に、式Eorg=C−Einによって関係づけられ、用語「第一有機層」が、挿入層と有機発光層の間に配置された全ての有機層を意味し、Cが、150.0〜250.0nm、好ましくは160.0〜225.0nm、より好ましくは75.0〜205.0nmの範囲の値を有する定数であることを特徴とする請求項12に記載の半透明導電性基板(1)。
  15. 金属導電性層(122)が、その面の少なくとも一方の上に少なくとも一つの犠牲層(121a及び/又は121b)を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  16. 電極(12)が付着される散乱層(11)及び支持体(10)を含む積重ね構造が、散乱層(11)が付着される面とは反対の面の上に少なくとも一つの機能性被覆(9)を含むことを特徴とする請求項〜15のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の少なくとも一つの半透明導電性基板(1)を含む有機発光デバイス。
  18. 準白色光を放出する請求項17に記載の有機発光デバイス。
  19. 以下の工程を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の半透明導電性基板(1)の製造のための方法:
    − 支持体(10)の上に散乱層(11)を付着すること;
    − 散乱層(11)の上に、光透過を改良するための特性を有する被覆(120)を付着すること;及び
    − 金属導電性層(122)を付着し、その直後に有機発光デバイスを形成する異なる機能性要素を付着すること。
  20. 以下の工程を含む、請求項11に記載の半透明導電性基板(1)の製造のための方法:
    −支持体(10)の上に散乱層(11)を付着すること;
    −散乱層(11)の上に、電極(12)を通る光透過を改良するための特性を有する被覆(120)、金属導電性層(122)、犠牲層(121b)、挿入層(123)を付着すること;及び
    −均一化層(124)を付着し、その直後に有機発光デバイスを形成する異なる機能性要素を付着すること。
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