JP2015527954A - 光電子デバイスのための強化された光学特性を有するテクスチャ処理されたガラス基板 - Google Patents

光電子デバイスのための強化された光学特性を有するテクスチャ処理されたガラス基板 Download PDF

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Abstract

本発明は、光電子デバイスのための改良された光学特性を有するガラス基板であって、その面の一つに透明電極を含むものに関し、前記基板は、前記透明電極が付着される面とは反対の基板の面を化学的攻撃によって完全に又は部分的にテクスチャ処理され、二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(Rz)の比率の逆正接が少なくとも35?の角度に等しく、多くとも80?の角度に等しい幾何学的パターンを持つ。【選択図】図1

Description

本発明の分野は、光電子デバイスのためのテクスチャ処理されたガラス基板の技術分野である。
より詳細には、本発明は、光電子デバイスのための改良された光学特性を有するテクスチャ処理されたガラス基板、及びかかるテクスチャ処理されたガラス基板の製造のための方法に関する。光電子デバイスは、光を放出又は収集することができるあらゆるタイプのデバイスを意味することが理解される。かかるデバイスは、例えば有機発光デバイス(OLED)又は光収集デバイス、例えば有機光電池(太陽電池としても知られる)である。特に、本発明は、有機発光デバイス(OLED)のための改良された光学特性を有するガラス基板に関する。
テクスチャ処理(textured)という用語は、基板がその表面の少なくとも一つのテクスチャ処理を含むことを示すことを意図される。テクスチャ処理は、ガラス基板の面の一般面に対して凹状又は凸状であるレリーフを作る複数のパターンを意味することが理解される。ガラス基板の両面がかかるパターンを示してもよい。そのテクスチャ処理によって、ガラス基板は改良された光学特性を示す。用語「改良された光学特性」は、光の改良された透過性、換言すればテクスチャ処理されたガラス基板を通って透過される光の量の増加を示すことを意図される。従って、ガラス基板が有機発光デバイスに組み込まれるとき、入射光の方向がどのようなものであっても前記有機発光デバイスによって放出される光の量の増加が観察されるが、特に、透過される色の純度及び色刺激の主波長の角度依存性の低下も観察される。
色の純度は、CIE1931XYZ色空間において、CIEの投影面xy上の色の位置(x,y)と白色点(x,y)の間のユークリッド距離を同じ色相(x,y)=ρmax(x−x,y−y)+(x,y)の純粋色(同じ線における単色又は二色)についての距離(依然としてユークリッド)によって割ったものによって規定される:
ρmaxは色度図の限界内の最大である。
主波長は、無彩色と混合されて等価な色印象に戻る単色波長である。
基板の表面のテクスチャ処理が、透過される光の量の増加をもたらすことが知られている。従って、文献EP1449017B1は、面の少なくとも一つに複数のピラミッド型のパターンを示す圧延によってテクスチャ処理されたガラス板を記載する。かくして得られた表面は良好な光透過性を示す。しかしながら、これは比較的柔軟性のない処理を要求する方法である。これは、ガラスのテクスチャ処理がガラスをその変形温度で圧延することによって跡を作ることによってパターンの刻印をもたらすためである。テクスチャ処理に対するいかなる変更も作らされる跡を変更することによってのみ作られることができ、それは使用される圧延ロールの変化を伴なう。この操作は、冗長で退屈である。さらに、使用される圧延はまた、時間とともに摩耗する傾向を持ち、それは作られた跡の再現性の問題を生じる。
JP2004342523は、有機系とは反対の面がフォトリソグラフィによって作られる不均一な表面を示す透明基板を持つOLEDを記載する。その粗さは、5.7°〜31°の平均角度を特徴とし、それは、光の良好な抽出を得るには低すぎる角度、及び主波長及び有機発光デバイスによって放出される色の純度の角度依存性の良好な低下を表わす。
本発明の目的は、特に従来技術のこれらの欠点を克服することである。
より詳細には、本発明の目的は、その実施形態の少なくとも一つにおいて、入射光の方向がどのようなものであっても改良された光透過特性を示す光電子デバイスのためのテクスチャ処理されたガラス基板を提供することである。特に、それは、波長範囲をカバーする多色放射について、テクスチャ処理されたガラス基板を組み込む有機発光デバイスによって透過される光の量の増加を得ることができる、テクスチャ処理されたガラス基板を提供することに関する。
本発明の別の目的は、その実施形態の少なくとも一つにおいて、テクスチャ処理されたガラス基板を組み込む有機発光デバイスによって放出される色の純度及び主波長の角度依存性を低減することができる、テクスチャ処理されたガラス基板を提供することである。
本発明は、その実施形態の少なくとも一つにおいて、透明電極を備えたテクスチャ処理されたガラス基板を提供するというさらなる目的を持つ。特に、それは、好ましくは銀から作られた少なくとも一つの金属層を含む電極を備えた、テクスチャ処理されたガラス基板を提供することに関する。
特別な実施形態によれば、本発明は、光電子デバイスのための改良された光学特性を有するガラス基板であって、前記基板が、以下のように、幾何学的パターンの組によってその面の少なくとも一つを完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理されるものに関する:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が少なくとも35°の角度に等しく、
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が多くとも80°の角度に等しい。
本発明の一般的な原理は、ガラス基板の化学的攻撃によるテクスチャ処理に基づき、このテクスチャ処理は、前記基板の少なくとも一つの面で実施されることが可能である。テクスチャ処理は、面の全部に対して又は面の一部に対して実施されることができる。化学的攻撃によるこのテクスチャ処理は、幾何学的パターンの組の形成をもたらし、それらの存在はガラス基板の光学特性を改良する。
従って、本発明は、ガラス基板の化学的テクスチャ処理に基づく完全に新規でかつ発明的なアプローチに基づく。ガラスのこの化学的テクスチャ処理は、変形温度にもたらされたガラスを圧延することによって跡を作ることによるパターンの刻印の段階をなくし、この操作に関連する制約から解放されることを可能にする。これは、このテクスチャ処理の形態はより柔軟性があり、より簡単に制御可能であるためである。テクスチャ処理のより柔軟な方法は、粗さパラメータR及びRsmの形で測定された表面のテクスチャ処理が攻撃時間または攻撃溶液の化学組成に対するわずかな変更によって変更されることができることを意味することが理解される。テクスチャ処理のより簡単に制御可能な方法は、テクスチャ処理の制御が攻撃溶液の組成及び攻撃時間の制御にのみに関係することを意味することが理解される。この制御は、パターンの刻印を実現する圧延ロールの摩耗の制御より簡単である。
用語「テクスチャ処理」はさらに、ガラス基板が化学的攻撃によって表面の少なくとも一つのテクスチャ処理を含むことを意味することが理解される。このテクスチャ処理は少なくとも艶消及び/又はエッチング、好ましくは艶消を含む。
ガラス基板上の化学的攻撃は、酸又はアルカリの化学的攻撃によって実施されることができる。基板上のアルカリの化学的攻撃は、固体形態で又は少なくとも10重量%のアルカリを含む濃厚溶液の形態で適用される少なくとも一種のアルカリ化学化合物(NaOH,KOH又はそれらの混合物)と基板の表面を接触させることによって実施される。基板は、アルカリ化合物の適用の前又は後に少なくとも350℃に等しい温度にもたらされる。
ガラス基板上の化学的攻撃は、(例えばフッ化水素酸を使用する攻撃によって)テクスチャ処理ガラスの製造に使用される酸溶液を使用して、制御された酸攻撃によって有利に実施されることができる。一般に、酸溶液は、0〜5の範囲のpHを有するフッ化水素酸水溶液である。かかる水溶液は、フッ化水素酸に加えて、この酸の塩、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸のような他の酸及びそれらの塩(例えば、NaSO,KSO,(NHSO,BaSOなど)、及び少ない割合の任意の添加剤(例えば、酸/塩基緩衝剤、湿潤剤など)を含むことができる。アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が一般的に好ましい。これらのうちでナトリウム、カリウム及びアンモニウムフッ化水素、及び/又はアンモニウムフッ化二水素が特に挙げられることができる。かかる溶液は、例えば0〜600g/lのフッ化水素酸、好ましくは150〜250g/lのフッ化水素酸を含み、また0〜700g/lのNHHF、好ましくは150〜300g/lのNHHFを含む水溶液である。酸攻撃は一つ以上の段階で実施されることができる。攻撃時間は少なくとも10秒である。好ましくは、攻撃時間は少なくとも20秒である。攻撃時間は30分を越えない。パターンの平均高さ(R)は、パターンの頂点とベースの間の平均距離を規定する。用語「頂点」は、パターンのベースに対して最も遠い点を示す。この点は、先端の場合には唯一のものであるが、頂点が水平の形で存在するときには多数存在しうる。水平の形で存在する頂点の場合には、距離Rsmは前記水平の中央点を分離する距離である。
前述の形態の特別な形態によれば、ガラス基板は、以下のようなものである:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接は少なくとも35°の角度に等しい。
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接は多くとも70°の角度に等しい。
前述の形態の特別な形態によれば、ガラス基板は、以下のようなものである:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接は少なくとも35°の角度に等しい。
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接は多くとも60°の角度に等しい。
二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接は35°〜80°の範囲内の値に等しく、好ましくは35°〜70°の範囲内の値を有し、最も好ましくは35°〜60°の範囲内の値を有する。
前述の形態の特別な形態によれば、本発明によるガラス基板は、光電子デバイスを受容することを意図される表面とは反対の基板の表面の少なくとも一つの完全な又は部分的なテクスチャ処理を含む。前述の形態の特別な形態によれば、表面のテクスチャ処理は多角形ベースを有するピラミッドの形成を少なくとも含み、一方は前記ピラミッドのベースに平行な面と、他方は前記ピラミッドの少なくとも一つの側面の面との間に形成された最も小さい角度は少なくとも35°である。一方は前記ピラミッドのベースに平行な面と、他方は前記ピラミッドの少なくとも一つの側面の面との間に形成された角度は多くとも80°、好ましくは多くとも70°、より好ましくは多くとも60°である。一方は前記ピラミッドのベースに平行な面と、他方は前記ピラミッドの少なくとも一つの側面の面との間に形成された角度は35°〜80°の値の範囲内、好ましくは35°〜70°の値の範囲内、より好ましくは35°〜60°の値の範囲内である。基板の表面の部分的な又は完全なテクスチャ処理によって与えられる利点は、この基板の界面における内面反射に関する損失を減少することを可能にすることである。特別な実施形態によれば、ガラス基板は少なくとも1.5に等しい屈折率を有する。高い屈折率を有する基板の使用は、同じ光電子システム及び同じテクスチャ処理で、多量の透過光、従って大きな輝度を得ることを可能にする。
ガラス基板は、特にAGCからのガラスMatelux Clear、AGCからのガラスMatelux Light、AGCからのガラスMatelux Double Sided、AGCからのガラスMatelux Clearvision、AGCからのガラスMatelux Antislip、AGCからのガラスArctic White、AGCからのガラスMatelux Stopsol Supersilver Clear、AGCからのガラスGlamatt、AGCからのガラスMatobelなどから選択されることが有利である。
特別な実施形態によれば、基板は、幾何学的パターンが多角形ベースを有する少なくとも一つの階段状ピラミッドタイプの構造を含むようなものである。用語「階段状ピラミッド」は、ピラミッドの少なくとも一つの面が階段構造を示すピラミッドを意味することが理解される。この階段構造は、踏み段及び蹴上げの寸法が必ずしも互いに等しくかつ一組にする必要はないようなものである。踏み段を含む面と蹴上げを含む面とによって形成された角度は必ずしも90°に等しくない。好ましくは、ピラミッドの内側から見られる「踏み段−蹴上げ」の角度は少なくとも100°、より好ましくは少なくとも120°、最も好ましくは少なくとも145°である。この角度は「踏み段−蹴上げ」ごとに変化することができる。
好ましくは、幾何学的パターンは互いにできるだけ近い。好ましい実施形態によれば、基板は結合パターンを含む。結合パターンは、それらのベースの少なくとも一部で接触する二つのパターンを規定する。結合パターンは、高いパターン密度を示す基板の表面を得ることを可能にし、それによって卓越したテクスチャ処理、従って高い光透過性を得ることを可能にする。
好ましい実施形態によれば、基板は、完全に結合されたパターンを含む。完全に結合されたパターンは、パターンのベースの全ての辺が別のパターンのベースの一部も形成することを意味することが理解される。
本発明の別の主題は、ガラス基板の面の少なくとも一つに少なくとも一つの透明電極を含むようなテクスチャ処理されたガラス基板である。本発明の基板に含まれる電極は、それが可視光の波長範囲において多くとも50%、さらには多くとも30%、好ましくは多くとも20%、より好ましくは多くとも10%の光吸収率を示すときに透明と見なされるだろう。さらに、本発明によるガラス基板に含まれる電極は、それが挿入されるデバイスのタイプに従って、陽極として、又は逆に陰極として挙動することができる。
好ましい実施形態によれば、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板は、前記基板が前記透明電極が付着される面とは反対の基板の面を完全に又は部分的にテクスチャ処理されるようなものである。透明電極上の基板の面はテクスチャ処理されてもされなくてもよく、好ましくは透明電極側上の面はテクスチャ処理されない。
前述の形態の特別な実施形態によれば、光電子デバイスのためのテクスチャ処理されたガラス基板は、透明電極が、スズをドープされた酸化インジウム(ITO)、アルミニウム(AZO)もしくはガリウム(GZO)から選択される少なくとも一つのドーピング元素によってドープされた酸化亜鉛、またはフッ素もしくはアンチモンでドープされた酸化スズから選択されることが好ましい少なくとも一つのドープされた酸化物に基づいた導電性酸化物の少なくとも一つの層を含むようなものである。
別の実施形態によれば、光電子デバイスのためのテクスチャ処理されたガラス基板は、透明電極が少なくとも一つの導電性金属層、好ましくは一つだけの導電性金属層、及び前記電極を通る光の透過性を改良するための特性を与える少なくとも一つの被覆を含む積重ねを含むようなものであり、前記被覆は少なくとも3.0nmより大きく、かつ多くとも200nmより小さいか又はそれに等しく、好ましくは170nmより小さいか又はそれに等しく、より好ましくは130nmより小さいか又はそれに等しい幾何学的厚さを有し、前記被覆は、光の透過性を改良しかつ導電性金属層と前記電極が付着される基板との間に位置される少なくとも一つの層を含む。
前述の形態の特別な実施形態によれば、光電子デバイスのためのテクスチャ処理されたガラス基板は、透明電極が、一つだけの導電性金属層、及び前記電極を通る光の透過性を改良するための特性を与える少なくとも一つの被覆を含む積重ねを含むようなものであり、前記被覆は少なくとも3.0nmより大きく、かつ多くとも200nmより小さいか又はそれに等しく、好ましくは170nmより小さいか又はそれに等しく、より好ましくは130nmより小さいか又はそれに等しい幾何学的厚さを有し、前記被覆は、光の透過性を改良し、かつ導電性金属層と前記電極が付着される基板の間に位置されるための少なくとも一つの層を含み、光の透過性を改良するための特性を与える被覆の光学的厚さ(TD1)と、導電性金属層の幾何学的厚さ(TME)が以下の関係式によって関係付けられるようなものである:
式中、TME_O,B及びTD1_Oは、定数であり、TME_Oは、10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5の範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光の透過性を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。好ましくは、定数TME_O,B及びTD1_Oは、TME_Oが11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが12〜15の範囲の値を有し、TD1_Oが24.8D1〜27.3D1nmの範囲の値を有するようなものである。より好ましくは、定数TME_O,B及びTD1_Oは、TME_Oが12.0〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが12〜15の範囲の値を有し、TD1_Oが24.8D1〜27.3D1nmの範囲の値を有するようなものである。
本発明による基板によって与えられる利点は、単色放射について、それを含む光電子デバイスによって放出又は変換される光の量の増加、特に有機発光デバイス(OLED)の場合に放出される光の量の増加を得ることができることである。
用語「光の透過性を改良するための特性を与える被覆」は、電極を構成する積重ねにおける被覆の存在が基板を通って透過される光の量の増加をもたらす被覆、例えば反射防止特性を有する被覆を意味することを意図される。換言すれば、本発明による基板を含む光電子デバイスは、同じ性質を有するが本発明による基板と同一の基板上に付着された通常の電極(例えば、ITO)を含む光電子デバイスと比較して多量の光を放出又は変化する。特に、基板が有機発光デバイス中に挿入されるとき、放出される光の量の増加は、放出される光の色がどのようなものであれ、大きな輝度値によって特徴づけられる。
光透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さは、少なくとも3nmより大きい、好ましくは少なくとも5nmに等しい、より好ましくは少なくとも7nmに等しい、最も好ましくは少なくとも10nmに等しい厚さを持たなければならない。例えば、光の透過性を改良するための被覆が酸化亜鉛、酸素が化学量論より少ない酸化亜鉛ZnOに基づくとき(これらの酸化亜鉛はスズでドープされるか又はスズと合金化される)、少なくとも3nmより大きい光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さは、特に良好な導電性を示す銀から作られた導電性金属層を得ることを可能にする。光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さは、200nmより小さいか又はそれに等しい、好ましくは170nmより小さいか又はそれに等しい、より好ましくは130nmより小さいか又はそれに等しい厚さを有することが有利であり、かかる厚さによって与えられる利点は、前記被覆の製造のための工程がより速くなることにある。
用語「基板」は、ガラス基板自体だけなく、ガラス基板を含み、さらに基板を構成するガラスの屈折率nsubstrateに近い(換言すれば、|nsubstrate−nmaterial|≦0.1、|nsubstrate−nmaterial|は屈折率間の差の絶対値を表わす)屈折率nmaterialを有する材料の少なくとも一つの層を含むいかなる構造も意味することを意図される。例えば、ソーダ石灰石英ガラスから作られたガラス基板上に付着された酸化ケイ素の層を述べることができる。
ガラス基板は、少なくとも0.35nmの幾何学的厚さを有することが好ましい。用語「幾何学的厚さ」は、平均幾何学的厚さを意味することが理解される。ガラスは無機又は有機である。無機ガラスが好ましい。これらのうちで、それらの本体又は表面において透明であるか又は着色されているソーダ石灰石英ガラスが好ましい。より好ましくは、これらは超透明ソーダ石灰石英ガラスである。用語「超透明」は、Feとして表示される全Feをガラスの最大0.020重量%、好ましくは最大0.015重量%含むガラスを意味する。コストの理由のため、ガラスの屈折率nsubstrateは1.4〜1.6の値を有することが好ましい。より好ましくは、ガラスの屈折率は1.5に等しい値を有する。nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。
特別な実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、それを構成するガラスが550nmの波長で1.4〜1.6の屈折率を有するようなものであり、それが含む電極は、光の透過性を改良するための特性を与える被覆の光学的厚さ(TD1)と、導電性金属層の幾何学的厚さ(TME)が以下の関係式によって関係づけられるようなものである:
式中、TME_O,B及びTD1_Oは、定数であり、TME_Oは、10.0〜25.0nm、好ましくは10.0〜23.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5の範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光の透過性を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。好ましくは、定数TME_O,B及びTD1_Oは、TME_Oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、最も好ましくは11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが11.5〜15.0の範囲の値を有し、TD1_Oが24.8D1〜27.3D1nmの範囲の値を有するようなものである。より好ましくは、定数TME_O,B及びTD1_Oは、TME_Oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、より好ましくは、11.5〜22.5の範囲の値を有し、Bが12.0〜15.0の範囲の値を有し、TD1_Oが24.8D1〜27.3D1nmの範囲の値を有するようなものである。
特別な実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、それを構成するガラスが550nmの波長で1.5に等しい屈折率を有するようなものであり、それが含む電極は、光の透過性を改良するための特性を与える被覆の光学的厚さ(TD1)と、導電性金属層の幾何学的厚さ(TME)が以下の関係式によって関係づけられるようなものである:
式中、TME_O,B及びTD1_Oは、定数であり、TME_Oは、10.0〜25.0nm、好ましくは10.0〜23.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5の範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜27.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光の透過性を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。好ましくは、定数TME_O,B及びTD1_Oは、TME_Oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、最も好ましくは11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが11.5〜15.0の範囲の値を有し、TD1_Oが24.8D1〜27.3D1nmの範囲の値を有するようなものである。より好ましくは、定数TME_O,B及びTD1_Oは、TME_Oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、より好ましくは11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが12.0〜15.0の範囲の値を有し、TD1_Oが24.8D1〜27.3D1nmの範囲の値を有するようなものである。
前述の形態の特別な実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、導電性金属層の幾何学的厚さが少なくとも6.0nmに等しく、好ましくは少なくとも8.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも10.0nmに等しく、かつ多くとも22.0nmに等しく、好ましくは多くとも20.0nmに等しく、より好ましくは多くとも18.0nmに等しく、その光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さが少なくとも50.0nmに等しく、好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、そして多くとも130.0nmに等しく、好ましくは多くとも110.0nmに等しく、より好ましくは多くとも90.0nmに等しいようなものである。
特別な実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、それを構成するガラスが1.4〜1.6の範囲の屈折率値を有するようなものであり、導電性金属層の幾何学的厚さが少なくとも16.0nmに等しく、好ましくは少なくとも18.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも20.0nmに等しく、そして多くとも29.0nmに等しく、好ましくは多くとも27.0nmに等しく、より好ましくは多くとも25.0nmに等しく、その光透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さが少なくとも20.0nmに等しく、多くとも40.0nmに等しいようなものである。驚くべきことに、光の透過性を改良するための被覆の最適化された厚さと組み合わされた厚い導電性金属層の使用は、一方では高い輝度を持ち、他方では電極がΩ/□で表示される低い表面抵抗を有するガラス基板を含む光電子システム、特にOLEDデバイスを得ることを可能にする。
好ましい実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、光の透過性を改良するための被覆を構成する材料の屈折率(nD1)が基板を構成するガラスの屈折率(nsubstrate)より高く(nD1>nsubstrate)、好ましくはnD1>1.2substrate、より好ましくはnD1>1.3substrate、最も好ましくはnD1>1.5substrateであるようなものである。被覆を形成する材料の屈折率(nD1)は550nmの波長で1.5〜2.4の範囲、好ましくは2.0〜2.4の範囲、より好ましくは2.1〜2.4の範囲の値を有する。光の透過性を改良するための被覆が複数の層から構成されるとき、nD1は以下の方程式によって与えられる:
式中、mは、被覆を構成する層の数を表わし、nは、基板から出発してx番目の層を構成する材料の屈折率を表わし、1は、x番目の層の幾何学的厚さを表わし、1D1は、被覆の幾何学的厚さを表わす。高い屈折率を有する材料の使用は、放出又は透過された光の高い量が得られることを可能にする。提供される利点は、光の透過性を改良するための被覆の屈折率と基板を構成するガラスの屈折率の間の差が増加するときに高まる。
光の透過性を改良するための被覆の少なくとも一つの層を構成する材料は少なくとも一つの誘電性化合物及び/又は少なくとも一つの導電性化合物を含む。用語「誘電性化合物」は、以下のものから選択された少なくとも一つの化合物を意味するものとして理解される:
・Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Zn,A1,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb,Biから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの少なくとも二つの混合物の酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの混合物の窒化物;
・ 酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム;
・ 酸炭化ケイ素。
もし存在するなら、誘電性化合物は酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素及び/又は酸炭化ケイ素を含むことが好ましい。
用語「導電性」は、以下のものから選択される少なくとも一つの化合物を示すことが意図される:
・ Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Zn,A1,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb,Biから選択される少なくとも一つの元素及びそれらの少なくとも二つの混合物をドープされた酸化物及び酸素が化学量論より少ない酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム及びそれらの少なくとも二つの混合物から選択された少なくとも一つの元素をドープされた窒化物;
・ ドープされた酸炭化Si。
好ましくは、ドープ剤はA1,Ga,In,Sn,P,Sb及びFから選択される少なくとも一つの元素を含む。酸窒化ケイ素の場合において、ドープ剤はB,A1及び/又はGaを含む。
好ましくは、導電性化合物は、少なくともITO及び/又はドープされたSn酸化物(ドープ剤はF及びSbから選択された少なくとも一つの元素である)、及び/又はドープされたZn酸化物(ドープ剤はA1,Ga,Sn及びTiから選択された少なくとも一つの元素である)を含む。好ましい実施形態によれば、無機化学化合物は少なくともZnO(式中、x≦1)及び/又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)を含む。好ましくは、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含む。亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。
本発明によるガラス基板の一部を構成する電極の導電性金属層は、主に前記電極の導電性を与える。それは、金属又は金属の混合物を含む少なくとも一つの層を含む。一般的な用語「金属の混合物」は、少なくとも一つの金属の少なくとも一つの他の金属によるドーピングの形又は合金の形の少なくとも二つの金属の組み合わせを意味し、金属及び/又は金属の混合物は、Pd,Pt,Cu,Ag,Au及びA1から選択される少なくとも一つの元素を含む。好ましくは、金属及び/又は金属の混合物は、Cu,Ag,Au及びA1から選択される少なくとも一つの元素を含む。より好ましくは、導電性金属層は純粋な形のAg又は他の金属と合金されたAgを少なくとも含む。好ましくは、他の金属は、Au,Pd,A1,Cu,Zn,Cd,In,Si,Zr,Mo,Ni,Cr,Mg,Mn,CO及びSnから選択される少なくとも一つの元素を含む。より好ましくは,他の金属は少なくともPd及び/又はAuを含み、好ましくはPdを含む。
特別な実施形態によれば、本発明による基板の一部を構成する電極の光の透過性を改良するための被覆は少なくとも一つの追加の結晶層を含み、前記結晶層は、基板に対して、前記被覆を構成する積重ねの最外層である。この層は、導電性金属層を構成する金属層(例えば銀層)の優先的な生長を可能にし、この理由のため導電性金属層の良好な電気的及び光学的特性を得ることを可能にする。それは少なくとも一つの無機化学化合物を含む。結晶層を構成する無機化学化合物は必ずしも高い屈折率を持たない。無機化学化合物は少なくともZnOx(式中、x≦1)及び/又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)を含む。好ましくは、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は、層中に存在する金属の全重量に対して表示される。好ましくは、結晶層はZnOから作られる。光の透過性を改良するための特性を与える層は、導電性多層被覆(例えば低放射タイプの被覆)の分野で通常遭遇されるものより一般に大きい厚さを有するので、結晶層の厚さは、良好な導電性及び極めて低い吸収性を持つ導電性金属層を与えるために調整又は増大されなければならない。
特別な実施形態によれば、結晶層の幾何学的厚さは、光の透過性を改良するための被覆の全幾何学的厚さの7%、好ましくは11%、より好ましくは14%に少なくとも等しい。例えば、光の透過性を改良するための層及び結晶層を含む光の透過性を改良するための被覆の場合において、光の透過性を改良するための層の幾何学的厚さは、もし結晶層の幾何学的厚さが導電性金属層の幾何学的厚さと光の透過性を改良するための被覆の光学的厚さの間の関係に従うように増加されるなら減少されなければならない。
特別な実施形態によれば、結晶層は光の透過性を改良するための被覆を構成する光の透過性を改良するための少なくとも一つの層と合併される。
特別な実施形態によれば、透明電極の光の透過性を改良するための被覆は少なくとも一つの追加のバリヤー層を含み、前記バリヤー層は、電極が付着される基板の面に対して、前記被覆を構成する積重ねの最内層である。この層は特に、例えばソーダ石灰石英ガラスから作られたガラス基板から来るアルカリ金属の移行によるいかなる混入に対しても電極を保護することを可能にし、従って電極の耐用寿命を延ばすことができる。バリヤー層は、以下のものから選択される少なくとも一つの化合物を含む:
・ 酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、及びそれらの少なくとも二つの混合物。
・ 亜鉛/スズ、亜鉛/アルミニウム、亜鉛/チタン、亜鉛/インジウム、スズ/インジウムの混合酸化物;
・ 窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、及びそれらの少なくとも二つの混合物;
このバリヤー層は、任意選択的にスズをドープされるか又はスズと合金化される。
特別な実施形態によれば、バリヤー層は、光の透過性を改良するための被覆を構成する光の透過性を改良するための少なくとも一つの層と合併される。
バリヤー及び結晶層の好ましい実施形態によれば、これらの二つの追加の層の少なくとも一つは、光の透過性を改良するための被覆の光の透過性を改良するための少なくとも一つの層と合併される。
特別な実施形態では、本発明によるガラス基板は、電極が、電極が付着される基板の面に対して、前記電極を構成する多層積重ねの頂部に位置される表面電気特性を均一化するための薄層を含むようなものである。表面電気特性を均一化するための薄層は、電荷の均一な移動が電極の全表面にわたって得られることを可能にする主要な役割を持つ。この均一な移動は、表面のあらゆる点で等しい放出または変換された光束によって反射される。それはまた、光電子デバイスの耐用寿命を増加することができる。なぜならばこの移動は各点で同じであり、従っていかなる可能なホットスポットも除去できるからである。均一化層は少なくとも0.5nm、好ましくは少なくとも1.0nmの幾何学的厚さを有する。均一化層は多くとも6.0nm、好ましくは多くとも2.5nm、最も好ましくは多くとも2.0nmの幾何学的厚さを有する。より好ましくは、均一化層は1.5nmに等しい。均一化層は、金属、窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物、炭窒化物、酸炭窒化物から選択される少なくとも一つの無機材料を含む少なくとも一つの層を含む。
前述の形態の第一の特別な実施形態によれば、均一化層の無機材料は単一金属又は金属の混合物を含む。一般的な表現「金属の混合物」は、少なくとも一つの金属の少なくとも一つの他の金属によるドーピングの形又は合金の形の少なくとも二つの金属の組み合わせを意味する。均一化層は、Li,Na,K,Be,Mg,Ca,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,Ce,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,B,A1,Ga,In,T1,C,Si,Ge,Sn及びPbから選択される少なくとも一つの元素を含む。金属及び/又は金属の混合物は、Li,Na,K,Mg,Ca,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,A1,Si及びCから選択される少なくとも一つの元素を含む。好ましくは,金属又は金属の混合物は、C,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cr,A1及びZnから選択される少なくとも一つの元素を含む。金属の混合物はNi−Cr及び/又はA1をドープされたZnを含むことが好ましい。この特別な実施形態によって提供される利点は,一方で表面電気特性を均一化するための層の効果から生じる電気特性と、他方で改良のための被覆によって得られる光学特性との間で最良の可能な妥協を得ることができることである。最も小さい可能な厚さを有する均一化層の使用は基本的な条件である。これは、光電子デバイスによって放出又は変換された光の量に対するこの層の影響は、その厚さが小さいときに少なくなるからである。この均一化層は、金属から作られるとき、その小さい厚さによって導電性層とは区別される。なぜならばこの厚さは導電性を与えるために不十分であるからである。従って、均一化層は、金属から作られるとき、即ち、単一金属又は金属の混合物から構成されるとき、多くとも5.0nmの幾何学的厚さを有することが好ましい。
第二の特別な実施形態によれば、均一化層の無機材料は、炭化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭化物、酸炭窒化物及びそれらの少なくとも二つの混合物から選択される少なくとも一つの化学化合物の形で存在する。均一化層の酸窒化物、酸炭化物、酸炭窒化物は化学量論的でない形であってもよく、好ましくは酸素に対して化学量論より少ない形であってもよい。炭化物は、Be,Mg,Ca,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,Ce,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Au,Zn,Cd,B,Al,Si,Ge,Sn及びPbから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Au,Zn,Cd,Al及びSiから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cr,Zn及びAlから選択される少なくとも一つの元素の炭化物である。炭窒化物は、Be,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Fe,Co,Zn,B,Al及びSiから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Co,Zn,Al及びSiから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Zn及びAlから選択される少なくとも一つの元素の炭窒化物である。酸窒化物は、Be,Mg,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Rh,Ir,Ni,Cu,Au,Zn,B,Al,Ga,In,Si及びGeから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Cu,Au,Zn,Al及びSiから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Zn及びAlから選択される少なくとも一つの元素の酸窒化物である。酸炭化物は、Be,Mg,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ni,Zn,Si及びGeから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Ni,Zn,Al及びSiから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Zn及びAlから選択される少なくとも一つの元素の酸炭化物である。酸炭窒化物は、Be,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Zn,B,Al,Si及びGeから選択される少なくとも一つの元素、好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Zn,Al及びSnから選択される少なくとも一つの元素、より好ましくはTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Zn及びAlから選択される少なくとも一つの元素の酸炭窒化物である。表面電気特性を均一化するための層の炭化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭化物、酸炭窒化物は、任意選択的に少なくとも一つのドーピング元素を含む。好ましい実施形態では、薄い均一化層は、Ti,Zr,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Cu,Au,Zn,Al及びSiから選択される少なくとも一つの元素を含む少なくとも一つの酸窒化物を含む。より好ましくは、表面電気特性を均一化するための薄層は、Ti酸窒化物、Zr酸窒化物、Ni酸窒化物及びNiCr酸窒化物から選択される少なくとも一つの酸窒化物を含む。
第三の特別な実施形態によれば、均一化層の無機材料は、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,B,Al,Ga,In,Si,Ge及びSnから選択される少なくとも一つの元素の少なくとも一つの金属窒化物の形で存在する。好ましくは、均一化層は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al及びSiから選択される元素の少なくとも一つの窒化物を含む。より好ましくは、窒化物は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cr,Al及びZnから選択される少なくとも一つ元素を含む。より好ましくは、表面電気特性を均一化するための薄層は少なくともTi窒化物、Zr窒化物、Ni窒化物またはNiCr窒化物を含む。
第四の特別な実施形態によれば、均一化層の無機材料は、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,B,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn及びPbから選択される少なくとも一つの元素の少なくとも一つの金属酸化物の形で存在する。好ましくは、均一化層は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al,In,Si及びSnから選択される元素の少なくとも一つの酸化物を含む。より好ましくは、酸化物は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Cu,Cr,Al,In,Sn及びZnから選択される少なくとも一つの元素を含む。均一化層の酸化物は、酸素が化学量論より少ない酸化物であることができる。酸化物は、任意選択的に少なくとも一つのドーピング元素を含む。好ましくは、ドーピング元素は、Al,Ga,In,Sn,Sb,F及びAgから選択される少なくとも一つの元素から選択される。より好ましくは、表面電気特性を均一化するための薄層は少なくともドープされたTi酸化物及び/又はZr酸化物及び/又はNi酸化物及び/又はNiCr酸化物及び/又はITO及び/又はCu酸化物(ドーピング剤はAgである)及び/又はドープされたSn酸化物(ドーピング剤はF及びSbから選択される少なくとも一つの元素である)及び/又はドープされたZn酸化物(ドーピング剤はAl,Ga,Sn及びTiから選択される少なくとも一つの元素である)を含む。
特別な実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、電極が導電性金属層と薄い均一化層の間に位置される少なくとも一つの追加の挿入層を含むようなものである。導電性金属層と均一化層の間に挿入される層は、少なくとも一つの誘電性化合物及び/又は少なくとも一つの導電性化合物を含む少なくとも一つの層を含む。好ましくは、挿入層は、少なくとも一つの導電性化合物を含む少なくとも一つの層を含む。この挿入層の役割は、導電性金属層が透明になることができる光キャビティの一部を構成することである。用語「誘電性化合物」は、以下のものから選択された少なくとも一つの化合物を意味するものとして理解される:
・ Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb及びBiから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの少なくとも二つの混合物の酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素及びゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの混合物の窒化物;
・ 酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム;
・ 酸炭化ケイ素。
もし存在するなら、誘電性化合物は酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素及び/又は酸炭化ケイ素を含むことが好ましい。
用語「導電性」は、以下のものから選択される少なくとも一つの化合物を意味することを意図される:
・ Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Sb及びBiから選択される少なくとも一つの元素並びにそれらの少なくとも二つの混合物をドープされた酸化物及び酸素が化学量論より少ない酸化物;
・ ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウムから選択される少なくとも一つの元素及びそれらの混合物をドープされた窒化物;
・ ドープされた酸炭化Si。
好ましくは、ドープ剤はAl,Ga,In,Sn,P,Sb及びFから選択される少なくとも一つの元素を含む。酸窒化ケイ素の場合において、ドープ剤はB,Al及び/又はGaを含む。
好ましくは、導電性化合物は少なくともITO及び/又はドープされたSn酸化物(ドープ剤はF及びSbから選択された少なくとも一つの元素である)、及び/又はドープされたZn酸化物(ドープ剤はAl,Ga,Sn及びTiから選択された少なくとも一つの元素である)を含む。好ましい実施形態によれば、無機化学化合物は少なくともZnO(式中、x≦1)及び/又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)を含む。好ましくは、ZnSnは多くとも95重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量百分率は層中に存在する金属の全重量に対して表示される。
前述の形態の特別な実施形態では、本発明による透明基板は、挿入層の幾何学的厚さ(Ein)がそのオーム厚さが多くとも1012オームに等しく、好ましくは多くとも10オームに等しく、より好ましくは多くとも10オームに等しいようなものであり、オーム厚さが、挿入層を構成する材料の抵抗(ρ)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、挿入層の幾何学的厚さが有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さ(Eorg)に関係づけられ、用語「第一有機層」は、関係式Eorg=Ein−A(式中、Aは5.0〜75.0nm、好ましくは20.0〜60.0nm、より好ましくは30.0〜45.0nmの範囲の値を有する定数である)によって挿入層と有機発光層の間に含まれる有機層の全てを示す。
本発明者は、驚くべきことに、関係式Eorg=Ein−Aが、有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さを使用して挿入層の光学的パラメータ(幾何学的厚さ及び屈折率)を最適化し、従って第一輝度最大に対して高い開始電圧を回避できる電気特性と適合しうる挿入層の厚さを保持しながら透過される光の量を最適化することができることを見出した。
別の特別な実施形態では、本発明によるガラス基板は、挿入層の幾何学的厚さ(Ein)が、そのオーム厚さが多くとも1012オームに等しく、好ましくは多くとも10オームに等しく、より好ましくは多くとも10オームに等しいようなものであり、オーム厚さが、挿入層を構成する材料の抵抗(ρ)とこの同じ層の幾何学的厚さ(l)との比に等しく、挿入層の幾何学的厚さが有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さ(Eorg)に関係づけられ、用語「第一有機層」は、関係式Eorg=Ein−C(式中、Cは150.0〜250.0nm、好ましくは160.0〜225.0nm、より好ましくは75.0〜205.0nmの範囲の値を有する定数である)によって挿入層と有機発光層の間に含まれる有機層の全てを示す。本発明者は、驚くべきことに、関係式Eorg=Ein−Cが、有機発光デバイスの第一有機層の幾何学的厚さを使用して挿入層の光学的パラメータ(幾何学的厚さ及び屈折率)を最適化し、従って第二輝度最大に対して高い開始電圧を回避できる電気特性と適合しうる挿入層の厚さを保持しながら透過される光の量を最適化することができることを見出した。
本発明によるガラス基板の別の特別な実施形態では、電極の導電性金属層は、その面の少なくとも一つの上に少なくとも一つの犠牲層を含む。犠牲層は、完全に又は部分的に酸化又は窒化されることができる層を意味するものとして理解される。この層は、特に酸化又は窒化による導電性金属層の劣化を防止することを可能にする。さらに、それは導電性金属層と結晶層の間に位置されることができるが、この犠牲層の存在は結晶層の作用と適合しうる。もし存在するなら、犠牲層は、金属、窒化物、酸化物、酸素が化学量論より少ない金属酸化物から選択される少なくとも一つの化合物を含む。好ましくは、金属、窒化物、酸化物、酸素が化学量論より少ない金属酸化物は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn及びAlから選択される少なくとも一つの元素を含む。好ましくは、犠牲層はTi,Zr,Ni,ZnまたはAlを含む。最も好ましくは、犠牲層は少なくともTi,TiO(式中、x≦2),NiCr,NiCrO,TiZrO(TiZrOは50重量%の酸化ジルコニウムを含む酸化チタン層を示す)またはZnAlO(ZnAlOは2〜5重量%の酸化アルミニウムを含む酸化亜鉛の層を示す)を含む。前述のものに従った特別な実施形態によれば、犠牲層の厚さは少なくとも0.5nmの幾何学的厚さを持つ。犠牲層の厚さは多くとも6.0nmである。より好ましくは、厚さは2.5nmに等しい。好ましい実施形態によれば、犠牲層は、基板に対して最も遠い導電性金属層の面上に付着される。
別の実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、それが少なくとも一つの散乱層を含むようなものである。前記散乱層は、透明電極と基板の間に位置される。かかる層は、公開文献WO2009/017035,WO2009/116531,WO2010/084922,WO2010/084925,WO2011/046156,WO2011/046190及び出願PCT/JP2011/074358に記載され、全てが参考としてここに組み入れられる。一般的に、この散乱層は、5μmより大きい厚さを示し、コヒーレント光学システムとして見なされない。
別の特別な実施形態によれば、本発明によるガラス基板は、それが少なくとも一つの機能性被覆を含むようなものである。好ましくは、前記機能性被覆は、電極が付着される面とは反対の面に位置される。この被覆は、反射防止層又は多層積重ね、散乱層、くもり防止又は汚れ反発層、光学フィルター、特に酸化チタン及び選択的吸収層から選択された少なくとも一つの被覆を含む。
好ましい実施形態では、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板は、以下の構造を本質的に持つ:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が35°〜80°の範囲内の値に等しく、好ましくは35°〜70°の範囲の値を有し、最も好ましくは35°〜60°の範囲の値を有するように幾何学的パターンの組によって、ガラスの面の少なくとも一つを完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理された透明又は超透明ガラス板;
− 以下のものを含む、光の透過性を改良するための被覆:
・ (バリヤー層と合併される)TiOから作られた光の透過性を改良するための層;
・ ZnO又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた結晶層;
− Agから作られた導電性金属層、但し光の透過性を改良するための特性を与える被覆の幾何学的厚さと導電性金属層の幾何学的厚さは、以下の関係式によって関係づけられている:
式中、TME_o,B及びTD1_oは、定数であり、TME_oは、10.0〜25.0nm、好ましくは10.0〜23.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5の範囲の値を有し、TD1_oは、23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光の透過性を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。好ましくは、定数TME_o,B及びTD1_oは、TME_oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、最も好ましくは11.5〜22.5nmの範囲を有し、Bが11.5〜15.0の範囲の値を有し、TD1_oが24.8*nD1〜27.3*nD1nmの範囲の値を有するようなものである。より好ましくは、定数TME_o,B及びTD1_oは、TME_oが10.0〜23.0nm、好ましくは10.0〜22.5nm、最も好ましくは11.5〜22.5nmの範囲の値を有し、Bが12.0〜15.0の範囲の値を有し、TD1_oが24.8*nD1〜27.3*nD1nmの範囲の値を有するようなものである。
− 犠牲層:Tiから作られた幾何学的厚さ1.0〜3.0nm;
− 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた幾何学的厚さ3.0〜20.0nm;
− 均一化層:X,X窒化物、X酸窒化物(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Pd,Cr,Mo,Al,Zn,Ni/Cr又はAlをドープされたZn)から作られた幾何学的厚さ0.5〜3.0nm。
好ましい実施形態では、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板は、以下の構造を本質的に持つ:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が15°〜80°の範囲内の値に等しく、好ましくは25°〜70°の範囲の値を有し、最も好ましくは35°〜60°の範囲の値を有するように幾何学的パターンの組によって、ガラスの面の少なくとも一つを完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理された透明又は超透明ガラス板;
− 以下のものを含む、光の透過性を改良するための被覆:
・ (バリヤー層と合併される)TiOから作られた光の透過性を改良するための層;
・ ZnO又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた結晶層;
光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さは、少なくとも50.0nmに等しく、好ましくは少なくとも60.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも70.0nmに等しく、多くとも100nmに等しく、好ましくは多くとも90.0nmに等しく、より好ましくは多くとも80.0nmに等しい;
− Agから作られた導電性金属層、但し導電性金属層の幾何学的厚さは、少なくとも6.0nmに等しく、好ましくは少なくとも8.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも10.0nmに等しく、多くとも22.0nmに等しく、好ましくは多くとも20.0nmに等しく、より好ましくは多くとも18.0nmに等しい;
− 犠牲層:Tiから作られた幾何学的厚さ1.0〜3.0nm;
− 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた幾何学的厚さ3.0〜20.0nm;
− 均一化層:X,X窒化物、X酸窒化物(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Pd,Cr,Mo,Al,Zn,Ni−Cr又はAlをドープされたZn)から作られた幾何学的厚さ0.5〜3.0nm。
好ましい実施形態では、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板は、以下の構造を本質的に持つ:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が35°〜80°の範囲内の値に等しく、好ましくは35°〜70°の範囲の値を有し、最も好ましくは35°〜60°の範囲の値を有するように幾何学的パターンの組によって、ガラスの面の少なくとも一つに完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理された透明又は超透明ガラス板;
− 光の透過性を改良するための被覆:
・ (バリヤー層と合併される)TiOから作られた光の透過性を改良するための層;
・ ZnO又はZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた結晶層;
光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さは、少なくとも20.0nmに等しく、多くとも40.0nmに等しい。
− Agから作られた導電性金属層、但し導電性金属層の幾何学的厚さは、少なくとも16.0nmに等しく、好ましくは少なくとも18.0nmに等しく、より好ましくは少なくとも20.0nmに等しく、多くとも29.0nmに等しく、好ましくは多くとも27.0nmに等しく、最も好ましくは多くとも25.0nmに等しい;
− 犠牲層:Tiから作られた幾何学的厚さ1.0〜3.0nm;
− 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から作られた幾何学的厚さ3.0〜20.0nm;
− 均一化層:X,X窒化物、X酸窒化物(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ni,Pd,Cr,Mo,Al,Zn,Ni−Cr又はAlをドープされたZn)から作られた幾何学的厚さ0.5〜3.0nm。
テクスチャ処理されたガラス基板の実施形態は、上で述べた実施形態に限定されず、それらの二つ以上を組み合わせから得ることができる。
本発明の別の主題は、透明電極を含むテクスチャ処理されたガラス基板の製造方法に関する。本発明によるテクスチャ処理された基板の製造方法は、均一化層及び/又は電極を作り上げる層の組が化学的に予めテクスチャ処理されたガラス基板上に付着される方法である。かかる方法の例は、任意選択的に磁界によって補助された陰極スパッタリング技術、プラズマを使用する付着技術、CVD(化学蒸着)及び/又はPVD(物理蒸着)タイプの付着技術である。好ましくは、付着法は真空下で行われる。用語「真空下」は、1.2Paより低いか又はそれに等しい圧力を意味する。より好ましくは、真空下の方法は磁気スパッタリング技術である。テクスチャ処理されたガラス基板の製造方法は連続法を含み、そこでは電極を構成するあらゆる層が多層積重ねにおいてそれの下の存在する層の直後に付着される(例えば、前進しているストリップである基板上に本発明による電極を構成する積重ねの付着、又はパネルである基板上への積重ねの付着)。製造方法はまた、(例えば貯蔵の形の)時間間隔が電極を構成する積重ねにおいてある層とそれの下に存在する層の付着を分離するバッチ法を含む。
好ましい実施形態によれば、本発明によるテクスチャ処理された基板の製造方法は、それが以下のように三段階で実施されるようなものである:
− 0〜5の範囲のpHを有するフッ化水素酸に基づいた水溶液を使用する酸攻撃によるガラス基板の面のテクスチャ処理、但し前記酸攻撃は少なくとも一段階で実施され、攻撃時間は10秒〜30分である、
− 化学的に予めテクスチャ処理されたガラス基板のテクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、光の透過性を改良するための特性を与える被覆の付着、
− 導電性金属層の付着、及びその直後に、テクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、光電子システムを構成する種々の機能要素の付着。
別の好ましい実施形態によれば、本発明によるテクスチャ処理された基板の製造方法は、それが以下のように三段階で実施されるようなものである:
− 0〜5の範囲のpHを有するフッ化水素酸に基づいた水溶液を使用する酸攻撃によるガラス基板の面のテクスチャ処理、但し前記酸攻撃は少なくとも一段階で実施され、攻撃時間は10秒〜30分である、
− 化学的に予めテクスチャ処理されたガラス基板のテクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、電極を通る光の透過性を改良するための特性を与える被覆、導電性金属層、犠牲層、挿入層の付着、
− 均一化するための層の付着、及びその直後に、テクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、光電子システムを構成する種々の機能要素の付着。
均一化層又は導電性金属層が続いて付着されるとき、光電子デバイスの有機部分は、均一化層又は導電性金属層の付着直後に付着される(即ち、均一化層又は導電性金属層は光電子デバイスの有機部分の付着前に空気に露出されない)。これらの方法によって提供される利点は、導電性層及び均一化層の酸化がこれらが金属から構成されるときに回避できることである。前述の形態の特別な形態によれば、バリヤー層はガラスストリップ上に(例えばCVDによって)付着される。均一化層あり又はなしの積重ねの続く層は、前記ストリップ上又は前記ストリップから切り出されたガラスパネル上に真空下に付着される。切断後に得られるバリヤー層をカバーされたパネルが任意選択的に保管される。
特別な実施形態によれば、酸化物及び/又は酸窒化物に基づく表面電気特性を均一化するための層は、直接付着によって得られることができる。代替形態によれば、酸化物及び/又は酸窒化物に基づく均一化層は、対応する金属及び/又は窒化物の酸化によって得られることができる(例えば、Tiは酸化されてTi酸化物になり、Ti窒化物は酸化されてTi酸窒化物になる)。この酸化は均一化層の付着の直後又は長時間後に行われることができる。酸化は自然であることができ(例えば、製造工程時又は光電子デバイスの完全な製造前の電極の保管時に存在する酸化化合物との相互作用によるもの)、又は後処理操作から生じることができる(例えば、紫外線下のオゾンでの処理)。
代替的な実施形態によれば、製造方法は、電極の表面を構築する追加工程を含む。電極の表面の構築は基板のテクスチャ処理とは異なる。この追加の工程は、電極の表面を造形すること及び/又は電極の表面を装飾することを実施する。電極の表面を造形する方法は少なくともレーザ又は化学攻撃によるエッチングを含む。電極の表面を装飾する方法は少なくともマスキングを含む。マスキングは、電極の表面の少なくとも一部が後処理工程(例えば被覆されていない部分の化学攻撃)の目的のための保護被覆で覆われる操作である。
本発明の別の主題によれば、本発明によるガラス基板は、光を放出するか又は光を収集する光電子デバイス中に組み込まれる。好ましい実施形態によれば、光電子デバイスは、上記の本発明による少なくとも一つのテクスチャ処理されたガラス基板を含む有機発光デバイスである。
上述の実施形態の代替形態によれば、有機発光デバイスは、準白色光を放出するために与えられるOLEDシステムを本発明による基板の上に含む。幾つかの方法は、光を散乱するためのシステムと組み合わせて、赤、緑及び青色光を放出する化合物を一つだけの有機層内で混合することによって、赤、緑及び青色光の放出部分にそれぞれ対応する三つの有機層の構造又は二つの有機層の構造(黄及び青色光の放出)を積層することによって、または三つ(赤、緑、青色光の放出)又は二つ(黄及び青色光の放出)の有機層の構造を並置することによって準白色光を生成することができる。
用語「準白色光」は、基板の表面に対して垂直な放射により、0°の色座標が八つの色度四辺形の一つに含まれる(但し、四辺形の輪郭は含まれる)光を意味することを意図される。これらの四辺形は標準規格ANSI_NEMA_ANSLG C78.377−2008の第10〜12頁に規定される。これらの四辺形は、「Graphical representation of the chromaticity specification of SSL products in Table 1,on the CIE(x,y)chromaticity diagram」という名称のパート1の図A1に表わされている。
特別な実施形態によれば、有機発光デバイスは板ガラス、二重板ガラス又は積層板ガラス中に組み込まれる。また、複数の有機発光デバイス、好ましくは多数の有機発光デバイスを組み込むこともできる。
別の特別な実施形態によれば、有機発光デバイスは、ガラス及び/又はプラスチックから作られた少なくとも一つの封入材料中に封入される。有機発光デバイスの種々の実施形態を組み合わせることができる。
最後に、様々な有機発光デバイスは広範な用途を持つ。本発明は、特に一つ以上の発光表面の生成においてこれらの有機発光デバイスの可能な使用に関する。用語「発光表面」は、例えば照明タイル、発光パネル、発光パーティション、工作物の表面、温室、懐中電灯、画面の背景、引き出し底、発光屋根、タッチスクリーン、ランプ、写真フラッシュ、発光ディスプレイの背景、安全信号、棚を含む。
本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板は、以下の図を使用して示されるだろう。図は、限定されない方法で、基板の構造、特に本発明による基板に含まれる電極を構成する層の積重ねの構造の数を示す。これらの図は、純粋に例示であり、構造の縮尺の提示を構成しない。さらに、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板を含む有機発光デバイスの性能は図の形で与えられるだろう。
図1は、テクスチャ処理の構造の概略図を示す。
図2は、25,50及び75μmのピラミッドベース幅について、逆正接(R/(Rsm/2))の関数としての透過光/放出光の比率の変化を示す。
図3は、階段状ピラミッドの形態のテクスチャ処理パターンの例を示す。
図4は、階段状ピラミッドの形態のテクスチャ処理パターンの例を示す。
図5は、階段状ピラミッドの形態のテクスチャ処理パターンの例を示す。
図6は、階段状ピラミッドの形態のテクスチャ処理パターンの例を示す。
図7は、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板の電子顕微鏡写真を示す。
図8は、観察の角度の関数として、エレクトロルミネセンス、主波長及び色純度の変化を決定することができる実験装置の概略図を示す。
図9は、観察の角度の関数として、主波長及び色純度の変化を示す。
図10は、好ましい実施形態による本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板の断面を示す。
図11は、透明電極に最小数の層を含むテクスチャ処理されたガラス基板の断面を示す。
図12は、第二実施形態による本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板の断面を示す。
図13は、透明電極に、異なる効果を有する最小数の層を含むテクスチャ処理されたガラス基板の断面を示す。
図14は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する、光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さ、及びAgから作られた導電性金属層の幾何学的厚さの関数として、550nmに等しい波長で1.4の屈折率を有する支持体を含み、かつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の変化を示す。
図15は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する、光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さ、及びAgから作られた導電性金属層の幾何学的厚さの関数として、550nmに等しい波長で1.5の屈折率を有する支持体を含み、かつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の変化を示す。
図16は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する、光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さ、及びAgから作られた導電性金属層の幾何学的厚さの関数として、550nmに等しい波長で1.6の屈折率を有する支持体を含み、かつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の変化を示す。
図17は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する、光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さ、及びAgから作られた導電性金属層の幾何学的厚さの関数として、550nmに等しい波長で1.8の屈折率を有する支持体を含み、かつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の変化を示す。
図18は、550nmの波長で2.3の屈折率を有する、光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さ、及び厚さの関数として、550nmに等しい波長で2.0に等しい屈折率を有する支持体を含み、かつ準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の変化を示す。
図1は、光電子デバイスのための改良された特性を有するガラス基板のテクスチャ処理の構造を概略的に表わす。ガラス基板のテクスチャ処理は、パラメーターR,Rsm及びθによって規定される。Rはパターンの平均高さを表わし、Rsmは二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離である。角度θは、以下の関係式によって規定される。
図2は、1mAの電流が付与されるときに有機発光デバイスによって放出される光に対して本発明による表面のテクスチャ処理を含むこのデバイスから前方に(基板の表面の平均平面に対して垂直に)放出する緑色光(λ:550nm)の百分率割合の変化を表わす。驚くべきことに、これらの計算は、透過光の量が角度θの関数であることを示す。表面がテクスチャ処理を欠くとき、放出光/透過光の比率は12.5%である。角度θが15°〜80°であるとき、放出光/透過光の比率が25%の最小値であり、それは有機発光デバイスの前方から見ると2倍の輝度の増加に相当することが観察される。角度θが25°〜70°であるとき、放出光/透過光の比率が30%の最小値であり、それは有機発光デバイスの前方から見ると2.4倍の輝度の増加に相当する。最後に、角度θが35°〜60°であるとき、放出光/透過光の比率が34%の最小値であり、それは有機発光デバイスの前方から見ると2.7倍の輝度の増加に相当する。従って、シミュレーションは、表面の適切なテクスチャ処理が透過光の量の増加、従って前方の輝度(換言すれば光源の光パワー)の増加を得ることを可能にすることを示す。適切なテクスチャ処理は15°〜80°、好ましくは25°〜70°、より好ましくは35°〜60°の角度θの値を意味することが理解される。これらのシミュレーションは、正方形ベースを持つピラミッドタイプの幾何学的パターンに基づくテクスチャ処理を考慮することによって実施された。シミュレーションは、Optical Research Associatesからの「Light Tool version6」プログラムを使用して計算された。これらのシミュレーションは、1mAで放出する放射体が有機発光デバイスの有機部分の中央に導入されているモデルを考慮することによって計算された。放出光は、多色放射線であり、その主波長は緑色光の領域である。考慮されるモデルの構造は以下の通りである:
− 本発明によるテクスチャ処理された透明ガラスから作られた基板;
− ITOを含む透明電極;
− N,N′−ビス(1−ナフチル)−N,N′ジフェニル−1,1′−ビフェニル
− 4,4′−ジアミン(α−NPDと略す)から作られた層;
− トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)から作られた層;
− LiFから作られた層;
− Alから作られた上部反射電極。
実施されるシミュレーションによれば、ピラミッドのベースのサイズの影響は全く観察されなかった。角度θのみが有意な影響を持っていた。さらに、シミュレーションは、結合されたピラミッドが好ましいことを示した。これは、ピラミッドが互いに大きく離れるほど、透過光の量に対するテクスチャ処理の効果が弱くなるためである。従って、幾何学的パターンは互いにできるだけ近くなければならない。これらのパターンは結合パターンであることが好ましく、完全に結合されたパターンが最も好ましい。結合パターンという用語は、それらのベースの少なくとも一部で接触する二つのパターンを規定する。完全に結合されたパターンは、パターンのベースの全ての辺が別のパターンのベースの一部も形成することを意味することが理解される。
本発明者は、(R/(Rsm/2))の逆正接が15°〜80°、好ましくは25°〜70°、より好ましくは35°〜60°の角度θの値に相当するような幾何学的パターンを得ることを可能にする表面テクスチャ処理が化学的攻撃によって生成されることができることを見出した。化学的攻撃は、濃厚なアルカリ溶液又は酸溶液を使用して実施されることができる。アルカリ溶液は高濃度で使用され、少なくとも350℃の温度を有するか又は少なくともこの温度に付与後にもたらされるガラス基板に付与される。
基板に対する化学的攻撃は、テクスチャ処理されたガラスの製造で一般的に使用される酸溶液を使用して、制御された酸攻撃によって(例えばフッ化水素酸を使用する攻撃によって)有利に実施されることができる。一般的に、酸溶液は0〜5の範囲のpHを有するフッ化水素酸水溶液である。かかる水溶液は、フッ化水素酸に加えて、この酸の塩、例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸のような他の酸及びそれらの塩(例えばNa,KSO,(NHSO,BaSOなど)、及び少ない割合の任意の添加剤(例えば、酸/塩基緩衝剤、湿潤剤など)を含むことができる。アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が一般的に好ましい。これらのうち、特にナトリウム、カリウム及びアンモニウムフッ化水素、及び/又はアンモニウムフッ化二水素が特に述べられる。かかる溶液は、例えば0〜600g/lのフッ化水素酸、好ましくは150〜250g/lのフッ化水素酸を含み、また0〜700g/lのNHHF、好ましくは150〜300g/lのNHHFを含む水溶液である。酸攻撃は一つ以上の段階で実施されることができる。攻撃時間は少なくとも10秒である。好ましくは、攻撃時間は少なくとも20秒である。攻撃時間は30分を越えない。この化学的攻撃は、幾何学的パターンが多角形ベースを有する階段状ピラミッドの少なくとも一つの構造を含むような基板を得ることを可能にする。用語「階段状ピラミッド」は、ピラミッドの少なくとも一つの面が階段構造を示すピラミッドを意味することが理解される。この階段構造を示すピラミッドを意味することが理解される。この階段構造は、踏み段及び蹴上げの寸法が必ずしも互いに等しくかつ一組にする必要はないようなものである。踏み段を含む面と蹴上げを含む面とによって形成された角度は必ずしも90°に等しくない。好ましくは、ピラミッドの内側から見られる「踏み段−蹴上げ」の角度は少なくとも100°、より好ましくは少なくとも120°である。この角度は「踏み段−蹴上げ」ごとに変化することができる。かかるタイプの構造は図3,4,5及び6に与えられる。図7は、酸テクスチャ処理を使用して得られた本発明による基板の電子顕微鏡写真を示し、その幾何学的パターンは、「階段状ピラミッド」タイプのパターンであり、そのテクスチャ処理は、粗さ測定に関して記載するとR:14μmである。図8は、干渉計測顕微鏡によって得られる3D像を示す。プロファイル間の平均距離(RmS)を決定するために(プロファイルの頂点を必ずしも通過しない)試料の3D像からランダムにとられた二つの直線プロファイル(一つはXに沿って、一つはYに沿っている)が図9に表わされる。200ミクロンの距離にわたって、水平方向(Xに沿う)及び垂直方向に(Yに沿う)の両方で六つと七つのプロファイル間で容易に数えることができる。従って、28ミクロン(七つのプロファイル)と34ミクロン(六つのプロファイル)の間の値としてRmSを決定することが可能である。従って、プロファイルの平均角度は39〜45°である。
粗さ測定は、Veeco 3D干渉計測装置を使用して実施された。試料は、以下のパラメータを使用して測定された:
サイズ:2036×2036
サンプリング:98.21nm
モード:VSI
除去される条件:Tilt
フィルタリング:なし
使用される有機発光デバイス(1)は、発光表面から出発して以下の積重ねから構成される:
− 4mmの厚さを有する透明ガラス;
− 以下のものを含む透明電極:
○ 60nmのTiOから作られた光学最適化層及びZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から形成された結晶層(9.0nmの厚さを有するバリヤー層と合体される)を含む光学最適化被覆;
○ Agから作られた導電性層:幾何学的厚さ14.6nm;
○ Tiから作られた犠牲層:幾何学的厚さ6.0nm;
○ 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6):幾何学的厚さ9.0nm;
○ 1.5nmの幾何学的厚さを有するTiNから作られた均一化層;
○ Nature,vol.459,pp.234−238,2009で公開されたS.Reinekeらによる論文の「Methods Summary」という標題の部分に記載される銀から作られた対向電極及び有機層の組。
図10は、本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板の一例を表わし、この基板は透明電極を含む。本発明によるガラス基板の一般的な構造は以下の通りである:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が35°〜80°の範囲内の値、好ましくは35°〜70°の範囲内の値、最も好ましくは35°〜60°の範囲内の値に等しいように幾何学的パターンの組によって少なくとも一つの面を完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理された透明又は超透明ガラス板(1);
− 光学最適化層(20)を含む光学最適化被覆(2);
− 導電性金属層(3)。
図11は、本発明によるガラス基板の代替例を表わし、この基板は透明電極を含む。本発明によるガラス基板の一般的な構造は以下の通りである:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が35°〜80°の範囲内の値、好ましくは35°〜70°の範囲内の値、最も好ましくは35°〜60°の範囲内の値に等しいように幾何学的パターンの組によって少なくとも一つの面を完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理された透明又は超透明ガラス板(1);
− 光学最適化層(21)を含む光学最適化被覆(2);
− 導電性層(3);
− 挿入層(4);
− 均一化層(5)。
図12は、本発明によるガラス基板の別の代替例を表わし、この基板は透明電極を含む。本発明によるガラス基板の一般的な構造は以下の通りである:
− 二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が35°〜80°の範囲内の値、好ましくは35°〜70°の範囲内の値、最も好ましくは35°〜60°の範囲内の値に等しいように幾何学的パターンの組によって少なくとも一つの面に完全に又は部分的に化学的攻撃によってテクスチャ処理された透明又は超透明ガラス板(1);
− 以下のものを含む光学最適化被覆(2):
○ バリヤー層(20);
○ 光学最適化層(21);
○ 結晶層(22);
− 犠牲層(31);
− 導電性層(3);
− 犠牲層(32);
− 挿入層(4);
− 均一化層(5)。
図13は、本発明によるガラス基板の別の代替例を表わし、この基板は透明電極を含む。積重ねの一般的な構造は、本発明による基板(1)から出発して以下の通りである:
− 光学最適化層(21)を含む光学最適化被覆(2);
− 導電性層(3);
− 犠牲層(32);
− 挿入層(4);
− 均一化層(5)。
図14,15,16,17及び18は、550nmに等しい波長で1.4,1.5,1.6,1.8及び2.0に等しい屈折率をそれぞれ有する支持体を含み、かつAgから作られた導電性金属層の幾何学的厚さと、550nmの波長で2.3の屈折率(nD1)を有する、光の透過性を改良するための被覆の幾何学的厚さ(D)の関数として、準白色光を放出する有機発光デバイスの輝度の変化を示す。有機発光デバイスの構造は以下の積重ねを含む:
− 1000.0nmに等しい幾何学的厚さを有するテクスチャ処理されていない透明ガラス板;
− 電極:
○ 光の透過性を改良するための被覆;
○ Agから作られた導電性金属層;
− 有機発光デバイスの有機部分は、それが以下の構造を有するようなものである:
○ 25.0nmに等しい幾何学的厚さを有する正孔輸送層(HTL);
○ 10.0nmに等しい幾何学的厚さを有する電子ブロッキング層(EBL);
○ 光源Aに対応する白色光のガウススペクトルを放出しかつ16.0nmに等しい幾何学的厚さを有する放出層;
○ 10.0nmに等しい幾何学的厚さを有する正孔ブロッキング層(HBL);
○ 43.0nmに等しい幾何学的厚さを有する電子輸送層(ETL);
− 100.0nmに等しい厚さを有するAlから作られた対向電極。
驚くべきことに、これらの計算は、光の透過性を改良するための特性を与える被覆(110)の光学的厚さ(TD1)と導電性金属層(112)の幾何学的厚さ(TME)が以下の関係式によって関係づけられるような透明基板に対して最大輝度が得られることを示す:
式中、TME_o,B及びTD1_oは、定数であり、TME_oは、10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5の範囲の値を有し、TD1_oは、23.9*nD1〜28.3*nD1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光の透過性を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。輝度は、FluximからのプログラムSETFOS,version3(Semiconducting Emissive Thin Film Optics Simulator)を使用して計算された。この輝度は任意単位で表示される。太い線の形で表われる正弦曲線は、方程式:TME=TME_0+[Bsin(ΠD1/TD1_0)]/(nsubstrateによって選択される範囲の極値を示す。本発明者は、驚くべきことに、選択される範囲が準白色光を放出する有機発光デバイスに対してだけでなく、放出されたいかなるタイプの色(例えば赤、緑、青色)に対しても有効であることを見出した。本発明者は、同じ透明基板構造では、高い屈折率を有するガラス基板の使用が光電子システムによって透過される光の量を増加できることを見出した。高い屈折率は、少なくとも1.4に等しい、好ましくは少なくとも1.5に等しい、より好ましくは少なくとも1.6に等しい、最も好ましくは少なくとも1.7に等しい屈折率を意味するものとして理解される。特に、図5及び9の比較によって示されるように、同じ透明基板構造では、2.0に等しい屈折率を有する支持体が1.4に等しい屈折率を有する支持体の代わりに使用される(ガラスの屈折率は550nmの波長での屈折率である)ときにOLEDデバイスの輝度の180%のオーダの増加が観察される。さらに、本発明者は、驚くべきことに、光の透過性を改良するための特性を与える被覆(2)の光学的厚さ(TD1)と導電性金属層(3)の幾何学的厚さ(TME)の間の関係式が本発明によるテクスチャ処理されたガラス基板にも適用されることを見出した。
光抽出効率又は外結合係数効率(out−coupling coefficient efficiency(OCE))に対する支持体の粗さの影響は表1に与えられる。
OCEは、基準と比較して抽出されることができる光の量を規定する因子である。使用される基準は、同一構造(陽極、OLEDの有機部分及び陰極)のOLEDデバイスであるが、そのガラス基板はテクスチャ処理されていない。OCEは、以下の構造を有するOLEDデバイスで測定される:
− 4mmに等しい幾何学的厚さを有するテクスチャ処理された超透明ガラス板;
− 以下のものを含む透明電極:
○ 60nmのTiOから作られた光学最適化層及びZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6)から形成された結晶層(9.0nmの厚さを有するバリヤー層と合体される)を含む光学最適化被覆;
○ Agから作られた導電性層:幾何学的厚さ14.6nm;
○ Tiから作られた犠牲層:幾何学的厚さ6.0nm;
○ 挿入層:ZnSn(式中、x+y≧3及びz≦6):幾何学的厚さ9.0nm;
○ 1.5nmの幾何学的厚さを有するTiNから作られた均一化層;
○ Nature,vol.459,pp.234−238,2009で公開されたS.Reinekeらによる論文の「Methods Summary」という標題の部分に記載されるアルミニウムから作られた対向電極及び有機層の組。
OCE値は以下の方法で得られた:
− Labsphere LMS-200積分球での光束の絶対測定。各試料に適用される電圧は、4mAの電流強さを得るために要求されるものである。
− OCEは、得られる光束の値を、基準に対して測定された光束の値で割ることによって得られる。
基準OLEDデバイスに対するCIE(x,y)図における色座標の角度依存性が表2に与えられ、前記基準試料は、表1に与えられたOCE値を決定するために使用されるものと同一であり、同一構造(陽極、OLEDの有機部分及び陰極)のデバイスであり、そのガラス板は14μmの粗さR及び28〜34μmのRsmを示す。色座標の低下した角度依存性がテクスチャ処理されたガラス板で得られることが観察される。Δx0°−80°は、0°〜80°で測定されるxの最高値と0°〜80°で測定されるxの最低値の間の差を表わす。同様に、Δy0°−80°は、0°〜80°で測定されるyの最高値と0°〜80°で測定されるyの最低値の間の差を表わす。
光学的測定は、Hamamatu Photonics K.K.によって販売される商品名C10027を有するマルチチャンネルスペクトロスコープを使用して実施された。測定角度は、一方ではガラス板に対する垂線と、他方ではスペクトロスコープの測定表面に対して垂直な直線との間で形成される角度によって規定される。

Claims (13)

  1. 光電子デバイスのための改良された光学特性を有するガラス基板であって、その面の一つに透明電極を含むものにおいて、前記基板が、二つの隣接パターンの頂点を分離する平均距離(Rsm)の半分に対するパターンの平均高さ(R)の比率の逆正接が少なくとも35°の角度に等しく、多くとも80°の角度に等しいように幾何学的パターンの組によって、前記透明電極が付着される面とは反対の基板の面を完全に又は部分的にテクスチャ処理されることを特徴とするガラス基板。
  2. 少なくとも1.5に等しい値を有する屈折率を持つことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。
  3. 幾何学的パターンが、多角形ベースを有する少なくとも一つの「階段状ピラミッド」構造を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板。
  4. 結合パターンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板。
  5. 透明電極が、少なくとも一つの導電性金属層(3)、好ましくは一つだけの導電性金属層、及び前記電極を通る光の透過性を改良するための特性を与える少なくとも一つの被覆(2)を含む積重ねを含み、前記被覆が、少なくとも3.0nmより大きく、かつ多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい、好ましくは170nmに等しいか又はそれより小さい、より好ましくは130nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有し、前記被覆が、光の透過性を改良するための少なくとも一つの層(21)を含み、かつ導電性金属層(3)と、前記電極が付着される基板の面の間に位置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス基板。
  6. 透明電極が、一つだけの導電性金属層(3)及び前記電極を通る光の透過性を改良するための特性を与える少なくとも一つの被覆(2)を含む積重ねを含み、前記被覆が、少なくとも3.0nmより大きく、かつ多くとも200nmに等しいか又はそれより小さい、好ましくは170nmに等しいか又はそれより小さい、より好ましくは130nmに等しいか又はそれより小さい幾何学的厚さを有し、前記被覆が、光の透過性を改良するための少なくとも一つの層(21)を含み、かつ導電性金属層(3)と、前記電極が付着される基板の面の間に位置され、光の透過性を改良するための特性を与える被覆(2)の光学的厚さ(TD1)と、導電性金属層(3)の幾何学的厚さ(TME)が以下の関係式によって関係付けられることを特徴とする請求項5に記載のガラス基板:
    式中、TME_O,B及びTD1_Oは、定数であり、TME_Oは、10.0〜25.0nmの範囲の値を有し、Bは、10.0〜16.5の範囲の値を有し、TD1_Oは、23.9D1〜28.3D1nmの範囲の値を有し、nD1は、550nmの波長における光の透過性を改良するための被覆の屈折率を表わし、nsubstrateは、550nmの波長における基板を構成するガラスの屈折率を表わす。
  7. 電極が、少なくとも一つの追加の結晶層(22)を含む、光の透過性を改良するための被覆(2)を含み、前記結晶層(22)が、前記電極が付着される基板の面に対して、前記被覆(2)を構成する積重ねの最外層であることを特徴とする請求項5または6に記載のガラス基板。
  8. 透明電極の光の透過性を改良するための被覆(2)が少なくとも一つの追加のバリヤー層(20)を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のガラス基板。
  9. 電極が、電極が付着される基板の面に対して、前記電極を構成する多層積重ねの頂点に位置される、表面電気特性を均一化するための薄層(5)を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のガラス基板。
  10. 透明電極が、導電性層(3)と均一化するための薄層(5)の間に位置される少なくとも一つの追加の挿入層(4)を含むことを特徴とする請求項9に記載のガラス基板。
  11. 電極の導電性金属層(3)が、その面の少なくとも一つに、少なくとも一つの犠牲層(31,32)を含むことを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載のガラス基板。
  12. 請求項5〜11のいずれかに記載のテクスチャ処理された基板の製造方法であって、以下のように分類される三つの工程で実施されることを特徴とする方法:
    − 0〜5の範囲のpHを有するフッ化水素酸に基づいた水溶液を使用する酸攻撃によるガラス基板の面のテクスチャ処理、但し前記酸攻撃は少なくとも一つの段階で実施され、攻撃時間は10秒〜30分である、
    − 化学的に予めテクスチャ処理されたガラス基板のテクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、光の透過性を改良するための特性を与える被覆(2)の付着、
    − 導電性金属層(3)の付着、及びその直後に、テクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、光電子システムを構成する種々の機能要素の付着。
  13. 請求項11に記載のテクスチャ処理されたガラス基板の製造方法であって、以下のように分類される三つの工程で実施されることを特徴とする方法:
    − 0〜5の範囲のpHを有するフッ化水素酸に基づいた水溶液を使用する酸攻撃によるガラス基板の面のテクスチャ処理、但し前記酸攻撃は少なくとも一つの段階で実施され、攻撃時間は10秒〜30分である、
    − 化学的に予めテクスチャ処理されたガラス基板のテクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、電極を通る光の透過性を改良するための特性を与える被覆(2)、導電性金属層(3)、犠牲層(32)、挿入層(4)の付着、
    − 均一化するための層(5)の付着、及びその直後に、テクスチャ処理された面とは反対の基板の面への、光電子システムを構成する種々の機能要素の付着。
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