JP2015528628A - Oledデバイス用の散乱性導電性支持体及びそれを組み込んだoledデバイス - Google Patents

Oledデバイス用の散乱性導電性支持体及びそれを組み込んだoledデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、OLEDと称される有機発光ダイオードデバイス用の散乱性導電性支持体であって、基材上に以下の順序で、散乱層と、高屈折率層と、誘電性の下層、誘電性結晶層、銀から作られ、厚さが6nm未満の、導電機能を有する単一金属層、及び下層を有する下部電極とを含む、散乱性導電性支持体に関する。

Description

本発明の対象は、有機発光ダイオードデバイス用の散乱性導電性支持体及びそれを組み込んだ有機発光ダイオードデバイスである。
公知の有機発光システム又はOLED(有機発光ダイオード)は、電極から電気が供給される1種以上の有機発光材料を含み、電極は一般に、この(これらの)材料を挟む2つの導電層の形態をしている。
エレクトロルミネッセンスによる発光では、アノードから注入される正孔とカソードから注入される電子の再結合エネルギーを利用する。
様々な構成のOLED、すなわち、
・底面発光型デバイス、すなわち下部(半)透明電極及び上部反射電極を有するデバイス、
・上面発光型デバイス、すなわち上部(半)透明電極及び下部反射電極を有するデバイス、
・上面底面発光型デバイス、すなわち下部(半)透明電極及び上部(半)透明電極の両方を有するデバイス、
がある。
本発明は、底面発光型OLEDデバイスに関する。
照明用の実質的に白色の光を発するOLEDデバイスを製造するためには、下部透明電極(アノード)には通常、酸化インジウムをベースとした、一般にはITOの省略形でよりよく知られる、スズをドープした酸化インジウムをベースとした層が使用され、又はITOの代わりに金属薄層を用いた新しい電極構造体も使用される。
さらに、OLEDは光抽出効率が低く、ガラス基材から実際に出てくる光の発光材料が放出する光に対する比は比較的低く、0.25程度である。
この現象は特に、一定量の光子が電極間の導波モードで捕捉されたままになるという事実によって説明される。
したがって、OLEDの効率を改善するための、すなわち光抽出における利得を増加させるための解決策が求められている。
国際公開第2012/007575号では、表Vの最初の一連の実施例V.1〜V.3において、それぞれが厚さ1.6mmの透明ガラスで作製された基材を有するOLEDデバイスが提示されており、このOLEDデバイスは、
・ジルコニアで作製された散乱成分を含むガラス(溶融ガラスフリットから得られるエナメル)で作製されたマトリックスを含む、光を抽出するための厚さ50μmの散乱層と、
・銀を含む薄層の積層体の形態の電極と、
を連続して含み、この電極は、
・光透過を「改善」するための下層であって、
・Tiターゲットから開始する反応性Ar/O2雰囲気下でのスパッタリングにより被着される、TiO2で作製された厚さ65nmの第1層、
・SnZn合金のターゲットから開始する反応性Ar/O2雰囲気下でのスパッタリングにより被着されるZnxSnyz(この式において、x+y≧3であり且つz≦6である)で作製された(好ましくは存在する全ての金属の重量%に対して亜鉛が95重量%である)、厚さ5又は10nmの結晶層、
・アルゴン雰囲気下でのスパッタリングにより被着される、厚さ12.5nmの、銀を含む単一の導電性層、
をこの順序で含む下層と、
・次のものを含む上層、すなわち、
・Tiターゲットから開始するアルゴン雰囲気下でのスパッタリングにより被着される、チタンで作製された厚さ2.5nmの犠牲層、
・酸化チタンTiO2若しくはアルミニウムドープした酸化亜鉛(AZO)で作製された、又はSnZn合金のターゲットから開始する反応性Ar/O2雰囲気下でのスパッタリングにより被着されるZnxSnyz(この式において、x+y≧3であり且つz≦6である)で作製された(好ましくは、存在する全ての金属の重量%に対して亜鉛が95重量%である)、厚さ7nmの「挿入」層、
・Tiターゲットから開始する反応性Ar/N2雰囲気下でのスパッタリングにより被着されるTiNで作製された、表面の電気的性質を均一にするための、厚さ1.5nmの層、
を含む上層と、
を含んでいる。
この電極の表面抵抗は4Ω/□程度である。
国際公開第2012/007575号
本発明が設定する目的は、白色領域で発光するOLEDの光をより多く抽出することを可能にする電極を備えた、それゆえに照明用途に適している、散乱性支持体を提供することである。
この目的を達成するために、本発明の第1の対象はOLED用の散乱性導電性支持体であり、この散乱性導電性支持体は、
・透明基材、好ましくは無機ガラス製の透明基材、特に屈折率n2が1.6以下である基材(ガラス)と、
・散乱層であって、この(高屈折率)層は前記基材の(直接)上に追加された、特に被着された、及び/又は前記基材の散乱面(散乱性にされた面)により形成された、特にミクロンの厚さを有し好ましくは無機材料(エナメル及び同種のもの)である、散乱層と、
・前記散乱層の(直接)上の高屈折率層であって、屈折率n0が1.8以上、好ましくは1.9以上であり、かつ好ましくは2.2以下であり、特に厚さが少なくとも0.2μm、0.4μm、さらに言うと少なくとも1μmであり、好ましくは無機材料(エナメル及び同種のもの)であり、好ましくは前記散乱層とは別個の、高屈折率層と、
・前記高屈折率層の(直接)上の、下部電極と称される第1の(任意選択的に構造化された)透明電極であって、以下のもの、すなわち、
・単層又は多層の誘電性の下層であって、好ましくは薄く、特に金属酸化物及び/又は金属窒化物で作製された、屈折率n1及び0nm以上の厚さt1を有し、好ましくは前記高屈折率層とは別個であって、200nm未満であり、さらに言えば100nmより厚い、単層又は多層の誘電性の下層と、
・特に金属酸化物及び/又は金属窒化物で作製された、「接触層」と称される誘電性結晶層であって、前記任意選択的下層の(直接)上又は前記高屈折率層の(直接)上に被着され、少なくとも3nm、かつ好ましくは15nm未満、さらに好ましくは10nm未満の厚さを有し、任意選択的に前記下層とは別個である、誘電性結晶層と、
・電気伝導の(主要な)役割を担う単一の金属層であって、銀をベースとし、6nm未満の所定の厚さt2を有し、好ましくは前記接触層の(直接)上、さらに言うと前記下層の上、さらに言うと銀より導電性が低く3nm未満の厚さを有し、特に部分酸化された金属で作製された薄い金属「アンダーブロッカー」(前記接触層上又は下層上のアンダーブロッカー)層上に配置される、単一の金属層と、
・単層又は多層の上層であり、例えば薄くて、前記単一の金属層の(直接)上、さらに言うと銀より導電性が低く3nm以下の厚さを有し、特に部分酸化された金属で作製された薄い金属の「オーバーブロッカー」層の上に被着される上層であって、導電性であり、特に金属酸化物及び/又は金属窒化物で作製された、そして特に有機発光システムとの接触のための好ましくは最終電極層である仕事関数整合層を含む、単層又は多層の被覆層、
をこの順序で(基材から離れる方向に向かって)含む、第1の(任意選択的に構造化された)透明電極と、
を(この順序で)含み、
前記散乱層と高屈折率層との組み合わせは好ましくは少なくともミクロンの厚さを示し、当該高屈折率層は、例えば短絡を防止するため、特に当該散乱層の平滑化/平坦化に関与し又はそうするのに使用される。
エレクトロルミネッセンスにより放出される最大量の白色光を、光の抽出に使用される散乱成分又は構成要素(粒子及び/又は構造化した面)に到達させることが必要である。実際には、銀層の存在に関係したプラズモン導波モード及び他の導波モードが共存し、これらの導波モードにより有意の割合の白色光が捕捉されて光の抽出が比較的非効率となりかねない。
本発明では、銀の単層をベースとした積層体の整合により、これらの導波モードの度合を最小限に抑え、そして散乱層による積分光の抽出を最適化する。
意外なことに、導波モードで捕捉される光の量は、アノード内に存在する銀の総量の増加関数である。その結果、抽出を最適化するためには、銀のこの厚さをまず必要な限り最小限に抑えることが必要である。実際には、銀のこの厚さは、シート抵抗を増大させる危険を承知の上でITOの層と競うために、6nm未満でなくてはならない。
さらに、国際公開第2012/007575号(A1)に関して言うと、それでは法線入射の光の抽出における増加しか得られないが、これには大した利点はない。OLEDの製造業者はどの角度であっても回収される光に関心があるからである。これらのOLEDの輝度は法線で分光法により測定される。加えて、この特許文献は単色光、すなわち1つの波長を中心とした光(緑など)に傾注している。
そのため、本出願人の会社は、光学性能を評価するための適切な基準を確立した。この基準は、後述する積分抽出(integrated extraction)である。
本発明において、全ての屈折率は550nmで規定される。
下層が多層の場合、例えば二層、さらに言うと三層(好ましくは全てが誘電体)である場合、n1は、慣用の式n1=Σnii/Σtiにしたがって、層の屈折率niに厚さtiを掛けた積の合計を各厚さtiの合計で割ることで定義される平均屈折率である。当然のことながら、その場合、t1は全ての厚さの合計である。
本発明において、層は、金属層とは対照的に誘電性であり、典型的には金属酸化物及び/又は金属窒化物で作製され、その延長線でケイ素、さらには有機層も含まれる。
本発明において、「…をベースとした(あるいは、…をベースとする)」という表現は、層が主に(少なくとも50重量%)、表示されている成分を含むことを示す。
本発明においては、単一の金属導電層に、又はどの誘電性層にも、ドープを行うことができる。ドープは通常、成分が層中の金属成分の10重量%未満の量で存在することを示すものと理解される。金属酸化物又は窒化物には、特に0.5%と5%の間のドープを行うことができる。本発明によるいずれの金属酸化物層も、ドープした又はドープしていない単一酸化物又は混合酸化物であることができる。
薄層(あるいは薄い層)とは、本発明によれば、(さらに詳述されていない場合)厚さが最大で200nmの、好ましくは真空下で、特にPVDで、特に(マグネトロン支援)スパッタリングで、さらに言うとCVDで、被着される層を意味するものと理解される。
本発明によれば、銀をベースとした層は主要導電層、すなわち最も導電性が高い層である。銀をベースとした層は、少なくとも2nm、さらに言えば少なくとも3nmの厚さを有するのが好ましい。
本発明の意義の範囲内で、層又は(1つ以上の層を含む)コーティングの被着が別の被着層の直接下で又は直接上で行われると明記されている場合、これはこれら2つの被着層の間にいずれの層も介在できないことを意味する。
アモルファス層とは、結晶性でない層を意味するものと理解される。
散乱層とは、エレクトロルミネッセンスにより放出される可視領域の光の散乱が可能な層を意味するものと理解される。
本発明の意義の範囲内で、酸化インジウムスズ(あるいはスズをドープした酸化インジウム、またはITO)とは、酸化インジウム(III)(In23)及び酸化スズ(IV)(SnO2)から得られる、好ましくは最初の酸化物については70%と95%の間の重量割合、2番目の酸化物については5%と20%の間の重量割合で得られる、混合酸化物又は混合物を意味するものと理解される。典型的な重量割合は約10重量%のSnO2に対して約90重量%のIn23である。
本発明によれば、高屈折率層は、(さらに詳述されていない場合)1.8以上、さらに言うと1.9以上の屈折率を有する。
好ましくは、下層は、以下の特徴のうちの少なくとも1つ、すなわち、
・下層が単層、二層又は三層である、
・少なくとも第1層又はベース層が金属酸化物であり、さらに言うと上層の層の全てが金属酸化物で作製されている(アンダーブロッカーを除外して)、
・下層がインジウムを含まず、又は少なくともIZO若しくはITOで作製された層を含まない、
・n1が1.9以上であり、好ましくは2.7未満である、
・下層が金属酸化物及び/又は金属窒化物で作製されており、特に金属層を含まない、
のうちの少なくとも1つを示すことができる。
n1が2.2以上、さらに言うと2.3又は2.4以上であり、そして例えば2.8未満であることが特に好ましい。
好ましい実施形態では、接触層は、厚さがゼロでない下層とは別個であって、15nm未満の厚さを有する。
下層は、比較的厚くて過度に吸収性でなくてよく、特に窒化ケイ素をベースとする、さらに言えば酸化スズをベースとする層、あるいはスズを好ましくは少なくとも30%又は主に含むスズと亜鉛の混合した層である場合、例えば最大200nm又は150nmの範囲であることができる。
とは言え、厚さt1が100nm未満、さらに言えば80nm又は50nm未満の下層が好ましい。上層についても同じことが言える。
電極が、ITO、IZO、単一酸化物のZnOから選ばれる、任意選択的にドープされた、酸化物を含む場合に、吸収をできる限り減らすためには、酸化物層は100nm未満、さらに言えば50nm以下、さらに言えば30nm以下の厚さを有する。
下層は、特にその屈折率を上昇させるために、所望によりドープされる。
下層は、電極の粗さを著しく増大させることなく接触層の付着特性を改善することができる。
それは特に
・単独の又は積層体中の、Sixy(特にSi34)の層、
・単独の又はSixy/SnO2タイプの積層体中の、SnO2
・さらに言うと、単独の又はSixy/TiO2タイプの積層体中の、TiO2
に関係することができる。
高屈折率層(さらに言うと基材上の散乱層)は、好ましくは基材の主要面を覆う。そのため、電極を構造化する(全体的に又は部分的に)場合であっても、それは構造化されずあるいは構造化できない。
下層の第1層又はベース層、すなわち高屈折率層に最も近い層は、好ましくは基材の主要面も覆い、例えばアルカリに対するバリア(必要に応じて)及び/又はエッチング(ドライ及び/又はウェット)停止層を形成する。
ベース層の例としては、酸化チタン又は酸化スズの層を挙げることができる。
アルカリに対するバリア(必要に応じて)及び/又はエッチング停止層を構成するベース層は、厚さが10nm未満の場合、酸炭化ケイ素(一般式SiOC)、窒化ケイ素(一般式Sixy)、特にSi34、酸窒化ケイ素(一般式Sixyz)、酸炭窒化ケイ素(一般式Sixyzw)、さらに言うと酸化ケイ素(一般式Sixy)をベースとすることができる。
また、任意でZrをドープした、他の酸化物及び/又は窒化物、特に酸化ニオブ(Nb25)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、アルミナ(Al23)、酸化タンタル(Ta25)、酸化イットリウム、又はアルミニウム、ガリウム若しくはケイ素の窒化物、並びこれらの混合物を選択することも可能である。
ベース層の窒化はわずかに亜化学量論的(substoichiometric)であることが可能である。
したがって、下層(ベース層など)は電極の下のアルカリに対するバリアになり得る。それは、上にある任意選択的な1又は複数の層、特に金属導電層の下の接触層を、汚染(機械的欠陥、例えば層間剥離を引き起こす可能性がある汚染物質)から保護する。加えて、それは金属導電層の導電性を維持する。それはまた、OLEDの寿命をかなり短縮しかねないアルカリによりOLEDデバイスの有機構造体が汚染されるのを防止する。
デバイス製造中にアルカリのマイグレーションが生じると、信頼性が欠けることになりかねず、及び/又はその後その寿命の短縮化が起きかねない。
下層は好ましくは、本質的に高屈折率層を覆っている、特にベース層であるエッチング停止層、特に酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、さらに言うとシリカ又は窒化ケイ素をベースとした層、を含むことができる。
特に、簡略化のために、エッチング停止層は、ベース層の一部を構成し又はベース層であることができ、そして、
・窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、又は酸炭化ケイ素をベースとすることができ、あるいはまた酸炭窒化ケイ素をベースとするとともに耐エッチング特性によって強化するためにスズを含む、一般式SnSiOCNの層であることができ、あるいは、
・酸化チタン(単一又は混合酸化物)、酸化ジルコニウム(単一又は混合酸化物)又はチタンとジルコニウムの混合酸化物をベースとした高屈折率層、
であることができる。
エッチング停止層は、特に化学エッチング又は反応性プラズマエッチングの場合に、ベース層及び/又は高屈折率層を保護する役割を果たし、例えば、少なくとも2nm、さらに言うと3nm、さらに言うと5nmの厚さを有する。
エッチング停止層のおかげで、ベース層及び/又は高屈折率層は、液体系又はドライ系エッチング段階の間、守られる。
好ましい実施形態では、下層は、酸化チタン、酸化ジルコニウム又はチタンとジルコニウムの混合酸化物をベースとした層(任意選択的にドープされた)、好ましくはベース層、を含み、さらに言うとこの層からなり、そしてこの層は特に3nmと80nmの間の、さらに言えば50nm未満の厚さを有する。
結晶性接触層を用いない場合には、金属導電層を下層(最終層としての)の上に、例えばアモルファス層、例えば任意選択的にアンダーブロッカーを有する窒化ケイ素をベースとした層、又は酸化チタンをベースとした層、又は典型的にSnに富んだ(SnO2に近い)又はZnに富んだ(ZnOに近い)アモルファスSnZnOで作製された層の上に、(直接)被着させることができる。
下層を用いない場合には、結晶性接触(単)層が高屈折率層の直上にくる。結晶性接触層は、上に被着させる銀ベースの層の適切な結晶配向を促進する。
接触層としてITOを選択してもよい。しかしながら、インジウムを含有せず、銀の成長にとって可能な限り効率的である接触層が好ましい。
結晶性接触層は、好ましくは酸化亜鉛をベースとすることができ、また好ましくは、被着工程の安定性をより良好にするために、ドープされていてもよく、特に以下のドーパント、すなわち、Al(AZO)、Ga(GZO)、さらに言うとB、Sc又はSbのうちの少なくとも1種でドープされていてもよい。そのほかに、酸化亜鉛ZnOx(好ましくはxは1未満、より一層好ましくは0.88と0.98の間、特に0.90〜0.95である)の層が好ましい。
好ましくは重量比がZn/(Zn+Sn)≧80%、さらに言うと85%又は90%である、SnxZnyzで作製された結晶性接触層を選択することも可能である。
結晶性接触層の厚さは、好ましくは3nm以上、さらに言うと5nm以上であり、そしてその上に15nm以下、さらに言うと10nm以下であることができる。
一つの構成においては、結晶性の下層、例えばSnZnO又はSnO2、特に単層である下層が用いられ、これまで説明してきた結晶性接触層(ZnO、SnZnOなど)は、
・この下層とは異なり、
・あるいはこの下層は結晶性接触層を含み、t1は一般に15nm又は20nmより大きい。
好ましくは、金属導電層は、純粋なものでもよく、あるいは、Au、Pd、Al、Pt、Cu、Zn、Cd、In、Si、Zr、Mo、Ni、Cr、Mg、Mn、Co又はSnから好ましく選択される少なくとも1種の別の材料と合金化された又は当該材料をドープされたものでもよく、特に、銀の水分への耐性を改善するために、銀とパラジウム及び/又は金及び/又は銅との合金をベースとする。
下部電極で被覆された本発明による基材は好ましくは、上層上の最も窪んだ点から最も高い点までの差(ピークと谷との差)が10nm以下となるような小さい粗さを示す。
下部電極で被覆された本発明による基材は好ましくは、上層上において、特にOLEDの寿命及び信頼性を大幅に低下させるスパイク効果を回避するために、10nm以下、さらに言うと5nm又は3nm以下、好ましくは2nm以下、1.5nm以下、さらに言うと1nm以下のRMS粗さを示す。
RMS粗さとは、二乗平均平方根粗さを意味する。それは、粗さの標準偏差の値を測定する測定値である。したがって、このRMS粗さは、具体的には、平均高さに対して粗さのピークと窪みの高さを、平均として定量化するものである。それゆえに、2nmのRMS粗さは、ピーク平均高さの2倍を意味する。
それは様々なやり方で測定することができ、例えば原子間力顕微鏡法により、スタイラス機械系(例えば商品名DektakでVeeco社が販売している測定装置を使用する)により、又は光干渉法により測定することができる。測定は、一般には、原子力間顕微鏡法で1μm2に対して行われ、またスタイラス機械系の場合は50μm2〜2mm2程度のより広い表面積で行われる。
この小さい粗さは、特に下層が平滑化層、特に非結晶性平滑化層を含む場合に達成され、この平滑化層は結晶性接触層の下に(直接であるとないとを問わず)配置され、そして接触層の材料以外の材料で作製される。
平滑化層は好ましくは、次の金属、すなわち、Sn、Si、Ti、Zr、Hf、Zn、Ga又はIn、の1種以上のものの酸化物をベースとする、ドープされた又はドープされていない単一又は混合酸化物の層であり、それは特に、任意選択的にドープされた亜鉛とスズをベースとした混合酸化物の層であり、あるいはインジウムとスズとの混合酸化物(ITO)の層又はインジウムと亜鉛との混合酸化物(IZO)の層である。
平滑化層は特に、アモルファス相の、特に非化学量論的である、亜鉛とスズの混合酸化物SnxZnyzをベースとすることができ、そしてそれは任意選択的に、特にアンチモンを、ドープされる。
この平滑化層は好ましくは、ベース層の上に、又は高屈折率層の直上に、あることができる。
銀層の下(そして好ましくは高屈折率層の直上)に、例えば以下のもの、すなわち、
・Si34/アモルファスSnxZnyz/ZnOをベースとした結晶層、例えばAZO又はSnZnO、
・SnO2/アモルファスSnxZnyz/ZnOをベースとした結晶層、例えばAZO又はSnZnO、
・TiO2又はZr(Ti)O2/アモルファスSnxZnyz/ZnOをベースとした結晶層、例えばAZO又はSnZnO、
・SiNx/アモルファスSnxZnyz/ZnOをベースとした結晶層、例えばAZO又はSnZnO、
・アモルファスSnxZnyz/ZnOをベースとした結晶層、例えばAZO又はSnZnO、
が設けられる。
例えば、下層は、以下のもの、すなわち、
・酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はチタンとジルコニウムの混合酸化物、あるいは、
・窒化ケイ素/酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はチタンとジルコニウムの混合酸化物、あるいは、
・酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタンとジルコニウムの混合酸化物/亜鉛及びスズをベースとしたアモルファス混合酸化物、あるいは、
・窒化ケイ素又は酸化スズ/亜鉛及びスズをベースとしたアモルファス混合酸化物、
を含み、さらに言うとそれから構成され、この下層の上にはZnOをベースとした結晶層が配置されるのが好ましい。
好ましくは、上層は、以下の特徴のうちの少なくとも1つ、すなわち、
・単層、二層又は三層である、
・少なくとも第1層(オーバーブロッカーは除外する)は金属酸化物であり、さらに言うと上層の層の全てが金属酸化物で作製されている、
・上層の全てを含めた層は120nm以下、さらに言うと80nm以下の厚さを示す、
・基材より高い、例えば1.8以上の、(平均)屈折率を有する、
のうちの少なくとも1つを示すことができる。
さらに、電流の投入を促進する及び/又は動作電圧の値を制限するために、好ましくは、上層を107Ω・cm以下、好ましくは106Ω・cm以下、さらに言うと104Ω・cm以下の電気抵抗率(文献から公知のようにバルク状態での)を有する層(後述する薄いブロッキング層を除外する)から構成することが可能である。
その性質により、さらに言うとその厚さにより(TiO2、SnO2、など)、エッチング停止層を形成するいずれの層も回避することが可能である。
上層は好ましくは、特に無機材料である薄層をベースとする。
本発明による上層は好ましくは、任意選択的にドープされる、次の酸化物、すなわち、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛(任意選択的に亜化学量論的な)、酸化モリブデン、酸化タングステン又は酸化バナジウム、のうちの少なくとも1種をベースとした、単一又は混合酸化物をベースとする。
この上層は特に、任意選択的にF若しくはSbをドープされた酸化スズ、又は任意選択的にアルミニウムをドープされた酸化亜鉛で作製することができ、あるいは任意選択的に、混合酸化物、特にインジウムとスズの混合酸化物(ITO)、インジウムと亜鉛の混合酸化物(IZO)、又は亜鉛とスズの混合酸化物SnxZnyz、をベースとすることができる。
この上層は、特にITO、IZO(一般に最終層)の場合又はZnOをベースとする場合には、好ましくは50nm以下又は40nm以下、さらには30nm以下、例えば10nm又は15nmと30nmの間の厚さt3を示すことができる。
ITOは、その吸収を減らすため(一般には1%未満まで)、過化学量論的(superstoichiometric)であるのが好ましい。
上層は、ZnOをベースとする層であって、結晶性である(AZO、SnZnOなど)か又はアモルファスであり(SnZnO)、最終層でなく、例えば下層と同じ層である、層を含むことができる。
一般に、銀をベースとした層は、ITO特有のより高い仕事関数を示す追加の薄層で覆われる。仕事関数整合層は、例えば、4.5eVから始まる、好ましくは5eV以上の、仕事関数WFを有することができる。
上層は好ましくは、最終層として、特に仕事関数整合層、次の金属酸化物、すなわち、酸化インジウム、酸化亜鉛(任意選択的に亜化学量論的な)、酸化モリブデンMoO3、酸化タングステンWO3、酸化バナジウムV25、ITO、IZO又はSnxZnyx、のうちの少なくとも1種をベースとし、任意選択的にドープされた、単一又は混合酸化物をベースとした層を含み、そして上層は好ましくは、50nm以下、さらに言うと40nm又はさらには30nm以下の厚さを示す。
上層は、最終層、特に仕事関数整合層を含むことができ、この層は金属薄層(銀より導電性が低い)、特にニッケル、白金又はパラジウムをベースとし、例えば5nm以下、特に1〜2nmの厚さを有し、そして好ましくは、下にある単一又は混合金属酸化物で作製された層により金属導電層(又はオーバーブロッカーの層)から隔てられている。
上層は、最終誘電層として、厚さが5nm未満、さらに言うと2.5nm未満で少なくとも0.5nm、さらに言うと少なくとも1nmである、特にTi、Zr、Ni又はNiCrの、窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物又は酸炭化物から選択される層を含むことができる。
本発明による下部電極は、特に周囲温度で被着可能な積層体の材料を選択することによって、製造が容易である。より一層好ましくは、積層体の層の大部分、さらに言うと全てを、真空下で(好ましくは連続的に)、好ましくは陰極スパッタリング、任意選択的にマグネトロン陰極スパッタリングにより被着させて、生産性の有意の向上を可能にする。
下部電極のコストをさらに低下させるために、この電極のインジウムを含む(好ましくは主体として含む、すなわちインジウムの重量割合が50%以上の)材料の合計厚さは、60nm以下、さらに言うと50nm以下、40nm以下、さらに言うと30nm以下であることが好ましかろう。例えば、ITO又はIZOの層を挙げることができ、その厚さを制限することが好ましい。
銀金属層の直下に、上に又はその各側に配置した「ブロッキングコーティング」とし知られる1つの、さらに言うと2つの、極めて薄いコーティングを設けることもできる。
基材の方向において銀金属層の下にあるアンダーブロッキングコーティング、又はアンダーブロッカーは、付着、核形成及び/又は保護コーティング用である。
それは、上の層からの酸素による攻撃及び/又は酸素のマイグレーションによる、さらに言うとその上にくる層を酸素の存在下での陰極スパッタリングにより被着する場合のやはり酸素のマイグレーションによる、銀層の有害な変化を防止するために、保護又は「犠牲」コーティングとして働く。
したがって、銀金属層を、その下にある少なくとも1つのブロッキングコーティングの直上に被着させることができる。
銀金属層はまた、あるいは代替案として、その上にくる少なくとも1つのブロッキングコーティング又はオーバーブロッカーの直下にあることができ、各コーティングは好ましくは0.5nmと5nmの間の厚さを示す。
少なくとも1つのブロッキングコーティング(好ましくはオーバーブロッカー)は、次の金属、すなわち、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Zr、Hf、Al、Nb、Ni、Cr、Mo、Ta又はW、のうちの少なくとも1種、あるいはこれらの材料のうちの少なくとも1種の合金をベースとした、好ましくはNi又はTiをベースとした、Ni合金をベースとした、あるいはNiCr合金をベースとした、金属、金属窒化物及び/又は金属酸化物層を含むのが好ましい。
例えば、ブロッキングコーティング(好ましくはオーバーブロッカー)は、ニオブ、タンタル、チタン、クロム又はニッケルをベースとした、あるいはこれらの金属のうちの少なくとも2種に由来する合金、例えばニッケル/クロム合金などをベースとした、層から構成することができる。
ブロッキング薄層(好ましくはオーバーブロッカー)は、保護層、さらに言うと「犠牲層」を形成し、そしてこれは、特に以下の状況、すなわち、
・金属導電層上の層を反応性プラズマ(酸素、窒素など)を用いて被着する場合、例えばその上の酸化物層を陰極スパッタリングで被着する場合、
・導電性金属層の上の層の組成が工業的な製造中に変動しかねない(ターゲットの被着条件、減耗タイプなどが変化する)場合、特に酸化物及び/又は窒化物タイプの層の化学量論量が変化して銀金属層の品質ひいては電極の特性(シート抵抗、光透過率など)が変わる場合、
・電極を被着に続いて熱処理に供する場合、
の1つ及び/又は他において、銀金属層の金属の有害な変化の防止を可能にする。
ニオブNb、タンタルTa、チタンTi、クロムCr又はニッケルNiから選択される金属、あるいはこれらの金属のうちの少なくとも2種に由来する合金、特にニオブとタンタルの合金(Nb/Ta)、ニオブとクロムの合金(Nb/Cr)、タンタルとクロムの合金(Ta/Cr)又はニッケルとクロムの合金(Ni/Cr)をベースとした薄いブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)が特に好ましい。少なくとも1種の金属をベースとしたこのタイプの層は、特に高いゲッター効果を示す。
薄い金属ブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)は、金属導電層に悪影響を与えることなく容易に作製することができる。この金属層は、希ガス(He、Ne、Xe、Ar又はKr)からなる不活性雰囲気(すなわち、酸素又は窒素を意図的に導入しない)中で好ましく被着させることができる。その後の金属酸化物をベースとした層の被着の際にこの金属層が表面で酸化されることは、除外されずあるいは有害でない。
加えて、薄い金属ブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)により、優れた機械的強度(摩耗耐久性、特に耐引っかき性)が得られる。
それでもなお、金属ブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)を使用する場合は、透明電極にとって充分な光透過率を保持するために、その厚さひいては光の吸収を制限する必要がある。
薄いブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)を部分的に酸化して、MOxタイプ(この式のMは材料を表し、xは当該材料の酸化物の化学量論量より小さい数である)にしてもよく、又は2種の材料M、N(又はそれより多い)の酸化物の場合はMNOxタイプにしてもよい。例えば、TiOx又はNiCrOxを挙げることができる。
xは、酸化物の通常の化学量論量の0.75倍と0.99倍の間であるのが好ましい。一酸化物の場合、xは特に0.5と0.98の間で選択することができ、二酸化物の場合、xは特に1.5と1.98の間で選択することができる。
特定の代替形態において、薄いブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)はTiOxをベースとし、xは特に、例えば1.5≦x≦1.98、又は1.5<x<1.7、さらに言うと1.7≦x≦1.95であることができる。
薄いブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)は、部分的に窒化されてもよい。したがって、それは化学量論形態では被着されず、MNyタイプ(この式のMは材料を表し、yは当該材料の窒化物の化学量論量より小さい数である)の亜化学量論的形態で被着される。yは、窒化物の通常の化学量論量の0.75倍と0.99倍であるのが好ましい。
同じように、薄いブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)を部分的に酸窒化させてもよい。
この薄い酸化及び/又は窒化ブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)は、機能層に悪影響を与えることなく容易に製造することができる。それは、好ましくは希ガス(He、Ne、Xe、Ar又はKr)からなる、非酸化性雰囲気中で、セラミックターゲットから被着させるのが好ましい。
電極の電気的及び光学的な特性の再現性をより一層高くするために、薄いブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)は、亜化学量論的な窒化物及び/又は酸化物で好ましく作製することができる。
選択される薄い亜化学量論的酸化物及び/又は窒化物ブロッキング層(好ましくはオーバーブロッカー)は好ましくは、次の金属、すなわち、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Zr、Hf、Al、Nb、Ni、Cr、Mo、Ta又はW、のうちの少なくとも1種から選択される金属をベースとし、あるいはこれらの材料のうちの少なくとも1種をベースとした合金の亜化学量論的酸化物をベースとすることができる。
ニオブNb、タンタルTa、チタンTi、クロムCr又はニッケルNiから選択される金属の、あるいはこれらの金属のうちの少なくとも2種に由来する合金、特にニオブとタンタルの合金(Nb/Ta)、ニオブとクロムの合金(Nb/Cr)、タンタルとクロムの合金(Ta/Cr)又はニッケルとクロムの合金(Ni/Cr)の、酸化物又は酸窒化物をベースとした層(好ましくはオーバーブロッカー)が特に好ましい。
亜化学量論的な金属窒化物として、窒化ケイ素SiNx、窒化アルミニウムAINx、窒化クロムCrNx、窒化チタンTiNx、又は複数種の金属の窒化物、例えばNiCrNxなど、で作製された層を選択することも可能である。
ブロッキング薄層(好ましくはオーバーブロッカー)は、酸化勾配を示してもよく、例えばxiが変数であるM(N)Oxiであってもよい。特定の被着雰囲気を用いて、金属層と接触しているブロッキング層の部分を金属層から最も離れているこの層の部分よりも少なく酸化させる。
電極の全ての層を真空被着技術により被着させるのが好ましいが、積層体の1つ以上の層を別の技術で、例えば熱分解タイプの熱での分解技術により被着できることは排除されない。
第1の実施形態において、散乱層は、基材に、好ましくは構造化されていないものに、追加される、例えば被着される、高屈折率マトリックス(1.8より高い、さらに言うと1.9以上のn3)と、ndとn3との絶対値の差が概して0.1より大きい屈折率ndtdを有する特に無機タイプの散乱成分とを含む層である。
この第1の実施形態において、高屈折率層は、
・この散乱層(例えば単層、例えば少なくとも1μm、さらに言うと5μmの層)の上部領域であって、例えば0.2μmより大きい、又は0.5μmより大きい、さらに言うと1μmより大きい厚さt0を有し、散乱成分を含まない(例えば散乱粒子なしの)、あるいは少なくとも量がその下の領域より少ない、上部領域、及び/又は、
・散乱層の上に被着した、例えば0.2μmより大きい、さらに言うと1μmより大きい、なおまたそれより大きい厚さt0を有し、散乱成分を含まない(例えば散乱粒子の添加なしの)、あるいは少なくとも量が散乱層より少ない、追加の層、
であることができる。
これは、散乱層それ自体が散乱成分に勾配がある単層、あるいは散乱成分に勾配がある及び/又は異なる散乱成分(性質及び/又は濃度)を有する二層であることを妨げない。
例えば欧州特許出願公開第1406474号明細書に記載されている、散乱粒子を含むポリマーマトリックスの形態の散乱層が可能である。
この第1の実施形態の好ましい実施に当たっては、散乱層は基材上の無機層、特にガラス層であり、例えば酸化物、特にエナメルで作製された、高屈折率の無機マトリックス(屈折率n3)と、ndとn3との絶対値での差が0.1より大きい屈折率ndtdを有する、特に無機タイプの散乱成分(細孔、例えば酸化物又は非酸化物セラミックの析出した結晶、中実又は中空粒子)とを有する。
好ましくは、高屈折率層は無機材料であり、例えば酸化物で作製され、特にガラス層であり、とりわけエナメルである。
高屈折率層は好ましくは、散乱層のものと同じマトリックスを有する。マトリックスが同じである場合、散乱層と高屈折率層との界面は、たとえ順々に被着させても、「目立たない」し観察不可能である。
そのようなエナメル層は当該分野において公知であり、また例えば欧州特許出願公開第2178343号明細書及び国際公開第2011/089343号、あるいは上述の従来技術の特許出願明細書に記載されている。
散乱粒子の化学的な性質に特に制限はないが、それらは好ましくはTiO2及びSiO2粒子から選択される。抽出効率を最適にするために、それらは104粒子/mm2と107粒子/mm2の間の濃度で存在する。粒子の大きさが大きいほど、その最適濃度はこの範囲の下限寄りとなる。
散乱エナメル層は一般に、1μmと100μmの間、特に2μmと30μmの間の厚さを有する。このエナメル中に分散している散乱粒子は、DLS(動的光散乱法)で測定して、0.05μmと5μmの間、特に0.1μmと3μmの間の平均直径を有するのが好ましい。
散乱層の下に、アルカリに対するバリアであって、無機ガラス製の基材上に被着される層、又はプラスチック基材上の水分に対するバリアとなる層を、追加することが可能であり、この層は窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭窒化ケイ素をベースとし、あるいはシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、窒化アルミニウム又は窒化チタンをベースとし、例えば10nm以下で且つ好ましくは3nm以上、さらに言うと5nm以上の厚さを有する。それは、特に水分に対するバリアである層の場合、多層であることができる。
第2の(代替の又は併合的な)実施形態では、散乱層は表面の構造化により形成され、この構造化は、白色光用途の場合、好ましくは周期性でなく、特にランダムである。無機又は有機ガラスで作製された基材に構造化加工を施すか、あるいは構造化した層を無機又は有機ガラスに追加する(被着させる)(こうして複合基材を形成する)。その上に高屈折率層がくる。
OLEDの有機層が発する光の抽出を目的とした粗い界面も、例えば国際公開第2010/112786号、国際公開第02/37568号及び国際公開第2011/089343号でもって公知であり、それらに記載されている。基材の表面粗さは、任意の公知の適当な手法により、例えば酸エッチング(弗酸)、サンドブラスト又は研磨により得られる。高屈折率層は好ましくは、無機材料であり、酸化物をベースとし、特にエナメルである。好ましくは、厚さは少なくとも1μm、さらに言うと5μm、又はさらには10μmである。
光を抽出するための手段を、基材の外面、すなわち下部電極の方を向いた面とは反対の面に位置させることもできる。それは、Japanese Journal of Applied Physics, Vol.46, No.7A, pp4125−4137(2007)の論文に記載されるようなマイクロレンズもしくはマイクロピラミッドのネットワークでよく、又はサテン仕上げでよく、例えば弗酸での艶消しによるサテン仕上げでよい。
基材は平坦であっても又は湾曲していてもよく、加えて剛性、可撓性又は半可撓性であることができる。
その主面は、長方形、正方形、又はさらにはいずれの他の形状(円形、楕円形、多角形など)でもよい。この基材は、大きな寸法でよく、例えば0.02m2より大きい、さらに言うと0.5m2又は1m2より大きい表面積でよく、その面を(構造化ゾーン及び/又はエッジゾーンからは離れて)下部電極(任意選択的にいくつかの「電極面」ゾーンに分割される)が実質的に占有する。
基材は実質的に透明である。それは、70%以上、好ましくは80%以上、さらに言うと90%以上の光透過率TLを示すことができる。
基材は、無機材料でよく、あるいはプラスチック製でよく、例えばポリカーボネートPC又はポリメチルメタクリレートPMMA、あるいはまたポリエチレンナフタレートPEN、ポリエステル、ポリイミド、ポリエステルスルホンPES、PET、ポリテトラフルオロエチレンPTFE製でよく、あるいは熱可塑性材料のシート、例えばポリビニルブチラールPVB、ポリウレタンPUのシートでよく、あるいはエチレン/ビニルアセテートEVA製でよく、あるいは、熱架橋させることができる(エポキシ、PU)又は紫外線を使って架橋させることができる(エポキシ、アクリル樹脂)、多成分もしくは単成分樹脂で製作したもの、などでよい。
基材は好ましくは、無機ガラス、ケイ酸塩ガラス、特にソーダ石灰もしくはソーダ石灰シリカガラス、透明ガラス、超透明ガラス又はフロートガラスで作製された、ガラス品目であることができる。それは高屈折率ガラス(特に1.6より高い屈折率を有する)であることができる。
基材は有利には、OLED放射線の波長で2.5m-1未満、好ましくは0.7m-1未満の吸収係数を示すガラスであることができる。
例えば、Fe(III)又はFe23が0.05%未満のソーダ石灰シリカガラスが選択され、特にSaint−Gobain Glass社のDiamantガラス、Pilkington社のOptiwhiteガラス、又はSchott社のB270ガラスが選択される。国際公開第04/025334号に記載の全ての超透明ガラス組成物を選択することが可能である。
透明基材の厚さを通してOLEDシステムが発光すると、放出された放射線の一部が基材内で導波される。このため、本発明の有利な設計においては、選択されるガラス基材の厚さは、例えば少なくとも1mm、好ましくは少なくとも5mmであることができる。これにより、内部反射数を減らしガラス内で導波される放射線をより多く抽出して、可視光ゾーンの輝度を上げることが可能となる。
OLEDデバイスは、上部電極が反射性であるか半反射性であるか、あるいは透明(特にアノードに匹敵するTL、典型的には60%以上、好ましくは80%以上のTLを有する)であるかに応じて、背面発光型であることができ、任意選択的に前面発光型であることもできる。
実質的に白色の光を作り出すために、いくつかの方法、すなわち、単一層における複数の化合物(赤、緑、青を発光)の混合、電極面への3つの有機構造体(赤、緑、青を発光)又は2つの有機構造体(黄色及び青)の積層、が考えられる。
特に0°で可能な限り(0.33,0.33)座標又は(0.45,0.41)座標に近い、(実質的に)白色の光が出射部で得られるように、OLEDデバイスを調整することができる。
白色光は、ANSI C78.377−2008規格pp11−12の“Specifications for the chromaticity of solid state lighting products”と題された説明中のCIE XYZ測色図で定義され得る。
OLEDは一般に、使用する有機材料に応じて主に2つに分類される。
発光層が小分子の場合、SM−OLED(小分子有機発光ダイオード)と称される。
一般に、SM−OLEDの構造は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層、及び電子輸送層(ETL)の積層体からなる。
有機発光積層体の例は、例えばC.H.JeongらによりOrganics Electronics, 8(2007), pp683−689で発表された“Four wavelength white organic light emitting diodes using 4,4’−bis[carbazoyl−(9)]stilbene as a deep blue emissive layer”と題された文書に記載されている。
有機発光層がポリマーの場合は、PLED(ポリマー発光ダイオード)と称される。
OLEDの有機層は一般に、1.8以上の、さらに言うとそれをなお一層超える(1.9以上)屈折率を有する。
本発明の最後の対象は、上で規定したような散乱性導電性支持体と、下部電極上にあり、多色放射線、好ましくは白色光を発するOLEDシステムとを組み込んだOLEDデバイスである。
好ましくは、OLEDデバイスは、大体において厚い、例えば50nmと350nm又は300nmの間、特に90nmと130nmの間、さらに言うと100nmと120nmの間である、OLEDシステムを含むことができる。
米国特許第7274141号明細書に記載されるような高ドープHTL層(正孔輸送層)を含むOLEDデバイスが存在する。
厚さが100nmと500nmの間、典型的には350nmであるOELDシステム、又はLighting Korea 2009会議に関係してPhilip Wellmannが“Novaled PIN OLED(商標) Technology for High Performance OLED Lighting”と題した論文に記載したような、例えば厚さが800nmの、より厚いOELDシステムが存在する。
加えて、本発明の対象は、本発明による散乱性導電性支持体及び本発明によるOLEDの製造方法である。
この方法は、当然のことながら、例えばシルクスクリーン印刷を利用して、散乱層を被着することと、高屈折率層(好ましくは散乱層とは異なる)を被着すること、特にエナメル(溶融ガラスフリット)を作るため、好ましくは高屈折率の無機層を被着することを含む。
この方法はまた、当然のことながら、下部電極を構成する連続層を被着することも含む。これらの層の大部分、さらに言うと全ての被着は、マグネトロン陰極スパッタリングにより行うのが好ましい。
加えて、本発明による方法は好ましくは、180℃より高い、好ましくは200℃より高い、特に230℃と450℃の間、理想的には300℃と350℃の間の温度で、好ましくは5分と120分の間、特に15分と90分の間の時間、下部電極を加熱する段階を含む。
この加熱(徐冷)段階の間に、本発明の電極は、電気的及び光学的な特性に注目に値する改善を受ける。
次に、非限定的な実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
本発明による例1では、OLEDデバイスは、0.7mmの無機ガラス(λ=550nmで屈折率n2=1.5)を、一方の同じ主面上の、以下の順序の層、すなわち、
・高屈折率エナメル(λ=550nmでn3=1.95)で作製され、例えばビスマスに富むマトリックスから構成されて、またTiO2粒子(平均直径400nm)を含み又はそれに代わる形態においてSiO2粒子(平均直径300nm)を含み、厚さが15μmで、TiO2の場合の粒子密度が5×108粒子/mm3程度、SiO2の場合の粒子密度が2×106粒子/mm3程度である散乱層、
・例えば同じビスマスに富むマトリックス(λ=550nmでn0=1.95)から構成され、散乱粒子の添加がなく、ミクロンオーダーの厚さを有する、散乱層上に被着した高屈折率層、
と共に含む。
散乱層+高屈折率層の集成体を、以下ではIELと称する。
下部電極をこの高屈折率層の上に陰極スパッタリングによりに被着し、この下部電極は、
・誘電性の下層(これはここでは二層である)と、
・接触層と称される、結晶層と、
・銀をベースとし、電気伝導の役割を担う単一の金属層と、
・オーバーブロッカーと、
・上層と、
を含む透明アノードを形成する。
有機層(HTL/EBL(電子ブロッキング層)/EL/HBL(正孔ブロッキング層)/ETL)を、白色光を発するOLEDが得られるように真空蒸着により被着する。最後に、銀及び/又はアルミニウムで作製された金属カソードを、真空蒸着により有機層の積層体の直上に被着する。
比較として、ITOに関する従来技術を代表する2つの比較例と、従来技術及び本発明の一部を形成しない参考例とを製造する。全ての例とそれらの電気的及び光学的性能の詳細を、下記の表1に示す。さらに、上述のIELを比較例2と参考例のために選択する。
Figure 2015528628
Agを含み、厚さが<6nmの電極のみが、ITOより良好な性能を示す。さらに、RはITOのそれより良好である。より厚い参考例はRは良好であるが、ただしEQE(放出された光子の数の注入された電子の数に対する比である、積分球で測定した外部光子効率)が犠牲になっている。
Si34には、酸化亜鉛と同様にアルミニウムがドープされる。SnZnOはアモルファスであり、Sbがドープされる。
各層の被着条件は以下の通りである。
・Si34:Alをベースとした層は、アルミニウムをドープしたケイ素ターゲットを使用し、圧力0.25Paで、アルゴン/窒素雰囲気中での反応性スパッタリングにより被着する。
・SnZnOx:Sbxをベースとした層は、重量で例えば65%のSn、34%のZn及び1%のSbを含む、あるいはまた重量で50%のSn、49%のZn及び1%のSbを含む、アンチモンをドープした亜鉛とスズのターゲットを使用し、圧力0.2Paで、アルゴン/酸素雰囲気中での反応性スパッタリングにより被着する。
・ZnO:Alの層は、アルミニウムをドープした亜鉛ターゲットを使用し、あるいはまたセラミックターゲットを使用して、圧力0.2Paで、アルゴン/酸素雰囲気中での反応性スパッタリングにより被着する。
・銀の層は、銀ターゲットを使用し、圧力0.8Paで、純粋アルゴン雰囲気中で被着する。
・Tiの層は、チタンターゲットを使用し、圧力0.8Paで、純粋アルゴン雰囲気中で被着する。
・ITOの上層は、90重量%の酸化インジウム及び10重量%の酸化スズを含むセラミックターゲットを使用し、アルゴン/酸素雰囲気中で被着し、このITOは酸素が化学量論的量より多い。
Tiオーバーブロッカー層は、ITOを上に被着した後に、部分的に酸化してもよい。
有機発光積層体を被着する前に、例えば下部電極の被着直後に、電気的及び光学的な特性をさらに改善することを目的に、散乱性導電性支持体を230℃、さらに言うと300℃でアニールするのが有利である。アニールの時間は、一般に少なくとも10分であり、例えば1時間30分未満である。
下層の別の例として、
・t1が例えば2〜32nm、さらに言うと2〜24nm又は2〜14nmのSiO2
・t1が例えば2〜30nmの、SnO2又はSiNx又はSnZnO(アモルファス又は結晶性)、
・SnO2/例えば2〜30nmの、アモルファスSnZnO、特に厚さ10nm未満のSnZnO、
・例えばt1が2〜50nm、さらに言うと2〜15nmのZrO2、又は(Ti)ZrOx
・例えば2〜50nm、さらに言うと2〜25nmのTiO2
・例えば2〜50nm、さらに言うと2〜25nmのTiO2/好ましくは10nm未満の、好ましくはアモルファスSnZnO、
を挙げることができる。
結晶層AZOの下に下層を置かないことも可能である。
代替形態において、下部電極は、その下にくるブロッキングコーティングを含むことができ、このコーティングは、特に、上にくるブロッキングコーティングと同様に、中性プラズマを用いて金属ターゲットにより得られるのが好ましい金属層、あるいは中性プラズマを用いてセラミックターゲットにより得られるのが好ましい、1種以上の金属の、例えばTi、Ni又はCrなどの窒化物及び/又は酸化物で作製された層を含む。
別の上層として、
・厚さ50nm未満、さらに言うと35nm又は20nm以下の、(好ましくは最終層としての、したがってITOに置き換わる)IZO、
・例えばITOの下の又はITOに置き換わる、厚さが50nm未満、さらに言うと35nm以下の、アモルファスSnZnO、又はZnOをベースとした結晶層、
・(好ましくは最終層としての、したがってITOに置き換わる)MoO3、WO3、V25
・例えばTiNが上にくる、厚さ1〜2nmのZnxSnyz(この式中のx+y≧3、z≦6)
を挙げることができる。
代替案として又は併合的に、構造化したガラス、例を挙げると、例えば弗酸を用いて粗さを得たガラス、が選択される。高屈折率層が構造化したガラスを平坦化する。

Claims (15)

  1. OLEDと称される有機発光ダイオード用の散乱性導電性支持体であって、以下のもの、すなわち、
    ・透明基材、
    ・前記基材上の層である及び/又は前記基材の散乱面により構成される散乱層、
    ・1.8以上の屈折率n0を有する高屈折率層、
    ・下部電極と称される第1の透明電極であって、以下の層、すなわち、
    ・屈折率n1及び0nm以上の厚さt1を有する誘電性の下層、
    ・接触層と称される誘電性結晶層、
    ・銀をベースとし、6nm未満の所定の厚さt2を有する、電気伝導の役割を担う単一の金属層、
    ・導電性の上層、
    のこの順序の積層体を含む第1の透明電極、
    をこの順番で含む、有機発光ダイオード用の散乱性導電性支持体。
  2. t1がゼロでなく、n1が2.2以上であることを特徴とする、請求項1に記載の散乱性導電性支持体。
  3. t1がゼロでなく、そして前記下層が、酸化チタンをベースとした層、又は酸化ジルコニウムをベースとした層、又はチタンとジルコニウムの混合酸化物をベースとした層を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の散乱性導電性支持体。
  4. 前記下層が、亜鉛とスズをベースとした混合酸化物の、特にアモルファスの層、及び/又は窒化ケイ素で作製された層を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  5. 前記電極がITO、IZO又は単一酸化物ZnOから選択される酸化物の任意選択的にドープされた層を含む場合、当該酸化物の層が50nm以下、さらには30nm以下の厚さを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  6. 前記下層が、
    ・酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はチタンとジルコニウムの混合酸化物、
    ・窒化ケイ素/酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はチタンとジルコニウムの混合酸化物、
    ・酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はチタンとジルコニウムの混合酸化物/亜鉛とスズをベースとしたアモルファス混合酸化物、
    ・窒化ケイ素又は酸化スズ/亜鉛とスズをベースとしたアモルファス混合酸化物、
    を含み、さらに言うとそれからなり、好ましくは前記下層の上にZnOをベースとした結晶層があることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  7. 前記銀の単一層の下ではどの層もインジウムを含まず、そして好ましくは、前記下部電極におけるインジウムを含む材料の合計の厚さが60nm以下、好ましくは50nm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  8. 前記接触層が任意選択的にドープされた酸化亜鉛をベースとしており、特にアルミニウムをドープされた単一の酸化亜鉛の層又は亜鉛とスズの混合酸化物の層であり、前記接触層が好ましくは10nm未満の厚さを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  9. 前記金属層が、次の金属、すなわち、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Zr、Hf、Al、Nb、Ni、Cr、Mo、Ta又はW、のうちの少なくとも1種をベースとした、又は前記材料のうちの少なくとも1種のものの合金をベースとした、好ましくはTiもしくはTiOxをベースとした、金属、金属窒化物及び/又は金属酸化物層を含む少なくとも1つの第1オーバーブロッキングコーティングの直下にあることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  10. 前記上層が、任意選択的にドープされた次の金属酸化物、すなわち、酸化インジウム、酸化亜鉛(任意選択的に亜化学量論的)、酸化モリブデンMoO3、酸化タングステンWO3、酸化バナジウムV25、ITO、IZOもしくはSnxZnyz、のうちの少なくとも1種をベースとした層を、好ましくは最終層として、含むこと、及び/又は前記上層が、金属薄層をベースとした、特にニッケル、白金若しくはパラジウムをベースとした最終層を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  11. 前記上層が、特にTi、Zr又はNiCrの、窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物又は酸炭化物から選択される、厚さが5nm未満、さらに言うと2.5nm未満で、少なくとも0.5nm、さらに言うと少なくとも1nmの層を、最終誘電層として含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  12. 前記散乱層が、前記基材上の、高屈折率マトリックスと散乱成分とを有する層であり、好ましくはこのマトリックスは、1.8以上の屈折率n3を有する無機材料、特にエナメルであり、そして前記高屈折率層が好ましくは無機材料であり、特に前記散乱層がエナメルであり、前記高屈折率層がエナメルであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  13. 前記散乱層が、前記基材の構造化された規則的でない表面であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の支持体と、前記下部電極上の、多色放射線を発するOLEDシステムとが組み込まれたOLEDデバイス。
  15. 前記下部電極を180℃より高い、好ましくは230℃と450℃の間、特に300℃と350℃の間の温度で、好ましくは5分と120分の間、特に15分と90分の間の時間、加熱する段階を含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の散乱性導電性支持体又は請求項14に記載のOLEDデバイスの製造方法。
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