JP2013529930A - 食品の酸性化及び保存 - Google Patents

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Abstract

食品の酸性化及び保存方法。この方法は、初期pHを有する食品を用意する工程と、食品を最終pHへと酸性化して酸性化食品を製造する工程と、感湿イソチオシアネート化合物を含む保存料組成物で酸性化された食品を処理する工程と、を含むことができ、酸性化工程及び処理工程が、酸性化及び保存された食品を製造する。

Description

本発明の実施形態は、食品の酸性化及び保存に関する。制限するものではないが、より具体的には、本発明の実施形態は、特定の条件下で酸及び抗菌剤を添加して食品を酸性化することに関する。
酸は食品のpHを低下させるために使用される。pHを低下させることにより、微生物に対する安定性を改善し、酸自体の持つフレーバーを付与することで、及び他の成分に関する味覚認識を変化させることで味に影響を与える。酸は、微生物に対する食品の安定性を改善することから、酸化方法において保存料として使用するこができる。より広範には、従来の食品保存方法、例えば特に缶詰、冷凍、酸性化、冷蔵などは、典型的には複数回の熱処理工程を包含し、及び/又は熱処理と、食品の品質及びフレーバーに悪影響を与える他の加工工程との組み合わせを包含する。しかしながら、消費者らは、食品の品質に悪影響を与える一部の工程に起因する品質低下をもはや望んでいない。したがって、これまでに食品の品質及びフレーバーに悪影響を与える工程を最低限に抑えようとする様々な解決法が提示されてきた。
所望のpHレベルを得るための酸性化において、製造者らは様々な酸の選択肢を有する。慣習、分類、コスト、安定性、品質及び供給などが、様々な酸からいずれの酸を使用するか選択する際に製造者の選択に影響をおよぼす因子のうちの一部として挙げられる。加えて、実施する酸性化の程度により利用され得る下流の食品保存工程数を減少させることができるものの、酸性化の程度が高くなればなるほど、食品のフレーバー及び味に悪影響が生じる恐れがある。
前述の試みのうち一部のものでは、食品の品質、フレーバー、及び味などの一部の面で改善が見られるものの、更なる改善が必要とされている。
特許文献及び科学文献の両方で、高pH食品をpH 4.6未満に酸性化することで、酸性度の低い缶詰化した食品を安定化させる場合よりも熱加工の強度を減じて食品を加工することができるということに関する、多くの報告例が存在している。しかしながら、特に混合した酸を使用して低pHを得る場合、酸性化の順序についてははっきりと記載されていない。典型的には、酸の混合物は、どの酸を始めに添加するのかなどといった酸の添加の順序を明記せずに使用される。これは恐らく、一般的に使用される有機酸をイオン化する際のpKa値が互いに比較的似通っていることに一部起因する。
加えて、現在、保健所は、平均的な食事中のナトリウム濃度が高すぎることに懸念を抱いている。ナトリウム濃度が高くなるのは、一部は加工食品中の高濃度の食塩に起因する。食塩は、砂糖のように、酸性化食品の酸味の知覚を軽減させる知覚作用を有する。食品加工機にはこの手法が用いられ、食品のpHを4.6未満に酸性化し、それにより生じる酸味を、多量の塩を使用することで誤魔化していた。混合酸をうまく使用することで、特に添加の効果の順番を利用して、酸性化した食品の酸味を軽減させ、結果的に、加工食品の塩濃度を減少させることができる。
混合した酸を順に添加する技術を使用する第3の領域としては、熱加工前の酸性化食品への微生物の持ち込みを減少させるために、抗菌化合物又は抗菌系をこれらの酸性化効果と組み合わせて使用することができる。
この手法により、このような食品の加工に使用される熱加工の強度も低下させることができる。このような手法には、白ガラシ精油などの天然に生じる抗菌剤を使用することができるため、この手法は特に有用である。風味豊かで、安全で、便利な食品を求めている現代の消費者らにとって、この手法を組み合わせることで生じる魅力的な味わいは有利なものとして好まれるであろう。
本発明の実施形態は、食品の酸性化及び保存に関する。制限するものではないが、より具体的には、本発明の実施形態は、特定の条件下で酸及び抗菌剤を添加して食品を酸性化することに関する。
一実施形態では、食品の酸性化及び保存方法が開示される。一実施形態では、この方法は、初期pHを有する食品を用意する工程と、食品を最終pHへと酸性化して酸性化食品を製造する工程と、感湿イソチオシアネート化合物を含むことができる保存料組成物で酸性化された食品を処理する工程と、を含むことができ、酸性化工程及び処理工程が、酸性化及び保存された食品を製造する。一実施形態では、保存料組成物は、4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートを含み得る白ガラシ精油を含んでよい。一実施形態では、保存料組成物は、吸湿性担体を更に含んでよい。一実施形態では、保存料組成物は、ソルビン酸、安息香酸、及びこれらの塩を実質的に含まなくてよい。
別の実施形態では、酸性化は、第1の酸を食品に添加して、食品の初期pHを食品の中間pHに調整する工程と、第2の酸を食品に添加して食品の中間pHを食品の最終pHに調整する工程と、を含むことができ、最終pHを有する酸性化食品が製造される。一実施形態では、第1の酸はグルコン酸を含んでよく、並びに第2の酸は、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グリシン、及び混合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される酸を含んでよい。
他の実施形態では、食品の酸性化及び保存方法が開示される。一実施形態では、この方法は、初期pHを有する食品を用意する工程と、食品を最終pHへと酸性化して酸性化された食品を製造する工程であって、ここで、酸性化が第1の酸を食品に添加して、食品の初期pHを食品の中間pHへと調整することと、第2の酸を食品に添加して、食品の中間pHを食品の最終pHへと調整することを含む、工程と、酸性化された食品を保存料組成物で処理する工程であって、ここで、保存料組成物が4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートとマルトデキストリンを含む吸湿性担体とを含み得る、工程と、を含むことができ、酸性化工程及び処理工程が、酸性化及び保存された食品を製造する。
他の実施形態では、酸性化及び保存された食品を用意することができる。一実施形態では、食品は、初期pHを有する食品を用意する工程と、食品を最終pHへと酸性化して、酸性化された食品を製造する工程と、感湿イソチオシアネート化合物を含むことができる保存料組成物で酸性化された食品を処理する工程と、を含むことができる方法により用意することができ、酸性化工程及び処理工程が、酸性化及び保存された食品を製造する。
本明細書に記載の方法の一実施形態のフローチャート。
I.定義
特に指定されない限り、本明細書で使用される百分率、比、及び割合はすべて重量に基づいたものである。
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように含む。
品目の全リスト、例えば、成分のリストは、マルクーシュ群として解釈されることが意図され、またそのように解釈されるべきである。したがって、すべてのリストは、リストの品目「からなる群から選択される」品目「並びにこれらの組み合わせ及び混合物」として読むこと及び解釈することができる。
本発明において利用する様々な成分を包含する構成要素の商品名が本明細書で参照される可能性がある。本発明者らは本明細書において、ある特定の商品名の物質により限定されることは意図していない。商品名により参照されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
本明細書の組成物及び方法は、本明細書に記載の特徴又は実施形態のいずれかから本質的になり、あるいは、これらからなる。
本開示の様々な実施形態の記述において、様々な実施形態又は個別の特徴が開示される。当業者には明らかなように、このような実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、そして本開示の好ましい実施態様とすることができる。本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
本明細書で使用するとき、「the」、「a」及び「an」を包含する冠詞は、特許請求又は明細書の範囲で使用されるときには、請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
本明細書で使用するとき、「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、限定することを意図しない。
本明細書で使用するとき、「複数」という言葉は、1を超えることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「抗菌効果」は、製品が、例えば、酵母、細菌、カビ及び/又は真菌など(好ましくは酵母及び/又は細菌)の増殖を阻害する、これらの存在を除去する、並びに/あるいは別の方法でこれらの存在を低減させることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「食品」は、栄養摂取の目的で、哺乳動物などの動物が食用あるいは飲用するかして消化することが意図される組成物を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「元のpH(natural pH)」は、食品のpHが酸性化により影響を受けていないことを、ひいては食品のpHが変更されていないことを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「開放環境」は、酸性化プロセス時に、食品が、密閉容器などの圧力が制御された環境に制約を受けないことを意味する。
II.本発明の実施形態
本発明の実施形態は、食品の酸性化に関する。制限するものではないが、より具体的には、本発明の実施形態は、特定の条件下で特定の食品に特定の酸を添加することによる食品の酸性化に関する。このような条件としては、限定するものではないが、酸を添加する順番、開放環境での添加、食品のpH、食品の種類、酸の種類、及びその他の条件が挙げられる。
したがって、食品の酸性化方法が開示される。酸性化方法は、初期pHを有する食品を用意する工程を含むことができる。第1の酸を食品に添加して、食品の初期pHを食品の中間pHに調整することができる。次に第2の酸を食品に添加して、食品の中間pHを食品の最終pHに調整することができ、これにより、最終pHを有する酸性化した食品を製造する。第2の酸を添加する前に第1の酸をすべて添加するなどのように、第1の酸の添加及び第2の酸の添加は連続的に行ってよい。一実施形態では、第1の酸は、グルコン酸であってよい。
概して、酸性化により、食品の保存は補助され得る。本発明の実施形態は、特定の条件下での食品の酸性化方法に関する。本発明に使用される食品としては、限定するものではないが、固形食品、液体食品、及び半固形食品が挙げられる。
具体的な実施形態では、酸性化に使用される混合酸の一部として、第1の酸としてグルコン酸が使用される場合、その酸性化性能が最大限活用され、ひいては酸味を増加させずにpHの減少度を最大化できることが判明している。
固形食品は、食品の貯蔵の際に典型的である温度にて重力下で容易に流動することのない、食用の摂取可能な組成物を指す。固形食品の例としては、限定するものではないが、果実、野菜、肉(限定するものではないが、牛、豚、鶏及び魚など)、ナチュラルチーズ及びプロセスチーズ、加熱食品、スナック食品、マーガリン、スプレッド、及びゲル化食品組成物が挙げられる。
本発明の実施形態は、ブレンド、混合又は注入、ないしは別の方法で最終固形食品に組み込まれる、あるいは固形食品の表面に塗布される流体製品にも利用することもできる。非限定的な例としては、例えば、限定するものではないが、食肉、家禽、魚、及び野菜などの固形食品への添加が意図される、マリネード、食塩水、食肉軟化溶液、ドレッシング、ソース、グレイビーソース、及びこれに類するものなどが挙げられる。
液体食品は、食品の貯蔵の際に典型的である温度にて重力下で容易に流動する、食用の、摂取可能な組成物を指す。液体食品の例としては、限定するものではないが、飲料(限定するものではないが、ジュース、果汁飲料、茶、コーヒー、及びコーラなど)、スムージー、スポーツドリンク、及びフレーバー・ウォーターが挙げられる。
半固形食品は、固形食品及び液体食品の混合物である、食用の、摂取可能な組成物を指す。半固形食品の例としては、限定するものではないが、ピューレ、果実ピューレ、野菜ピューレ、皮むきトマト及び皮を剥いていないトマト(ホールトマト、ダイスカットトマト、クラッシュトマト、缶詰トマト、及び/又は冷凍トマトであり得る)、ラビオリ、マメ、スープ、野菜スープ、ビーフスープ、チキンスープ、野菜を含む又は含まない任意のスープ、缶詰化されたソーセージ製品、及びウィンナーなどが挙げられる。
本発明の実施形態は、酸性化を行った後の食品の熱暴露を最小化させることのできる酸性化方法を提供する。熱暴露を制限することは、元のフレーバー及び味を最終製品まで維持するのに有利であり得る。本発明の実施形態により、食品保存加工(缶詰化、冷凍、酸性化、及び冷蔵など)などの他の食品保存工程を最小限にすることができる。例えば、一態様では、本発明の実施形態は、食品を保存するために従来は完了されていた食品の冷凍を減じ、又は更には避けることができる。加えて、本発明の実施形態は、微生物を殺菌するのに使用される下流での熱処理を減じ、又は更には避けることができる。
記載されるように、酸性化により、食品の保存は補助され得る。したがって、本発明の実施形態は、食品を特定の条件下で酸性化させて、食品の保存を補助することに関する。本発明に使用される食品としては、限定するものではないが、固形食品、液体食品、及び半固形食品が挙げられる。一部の具体的な実施形態は、ピューレ、詳細には、ニンニクピューレ、ローストした赤ピーマンのピューレ、ショウガピューレ、トマトピューレ、オニオンピューレ、並びに食品粒子を低粘度のジュース/ソース又はより粘度の高いピューレ、及び他の混合物に懸濁させた混合物に関する。
したがって、食品の酸性化方法が開示される。酸性化方法は、初期pHを有する食品を用意する工程を含むことができる。第1の酸を食品に添加して、食品の初期pHを食品の中間pHに調整することができる。次に第2の酸を食品に添加して、食品の中間pHを食品の最終pHに調整することができ、これにより、最終pHを有する酸性化した食品を製造する。第1の酸及び第2の酸は、第2の酸を食品に添加し始める前に第1の酸をすべて添加するなどのようにして、連続的に添加することができる。一実施形態では、第1の酸は、グルコン酸であってよい。一実施形態では、第2の酸は、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グリシン、及び混合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される酸を含み得る。言うまでもなく、任意の有機酸を使用することができる。3種、4種、5種及び6種など、加える酸の数は無制限に増やすことができる。
酸性化工程の具体的一実施形態を、概略して図1中に工程100として示す。生野菜などの食材は、泥を落とし洗浄することができる。続いて加工工程の任意の更なる操作単位を実施することができる。このような工程としては、例えば、蒸気処理、焙煎処理、及び軟白処理が挙げられる。次に加工食品を磨砕工程に送り、食品を初期pHを有するピューレへと磨り潰すことができる。次にこのピューレを酸と組み合わせることができる。第一工程では、グルコン酸などの第1の酸をピューレに添加することができる。グルコン酸はピューレとほぼ混合することができる。本具体的実施形態では、ピューレは、第1の酸と混合して、約4.2の中間pHを有するピューレにすることができる。第1の酸を完全に加えたならば第2の酸を加えることができる。第2の酸は乳酸であってよく、及びピューレに添加してほぼ混合することができる。本具体例では、ピューレは、第2の酸と混合して、約3.8〜約3.9の最終pHを有するピューレにすることができる。続いて、目的とする具体的なpHに基づき、ピューレの最終pHが目的とするpHと一致するものになるように更にpHを調節することができる。pHの調整は、乳酸などの第2の酸を用い行うことができる。ピューレのpHが目的とするpHに到達したなら、このピューレは追加の強度の低い熱工程に送り込むことができる。次にピューレを好適な容器にパックし、小売店に輸送するか又は保管することができる。
本発明の具体的実施形態を本明細書に記載する。一実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約5.7の元のpHから、約3.80の最終pH、又は目的とするpHに酸性化することができる。一実施形態では、食品はピューレであってよい。一実施形態では、ピューレはニンニクピューレであってよい。別の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約4.7の元のpHから、約3.80の最終pHに酸性化することができる。一実施形態では、ピューレはローストした赤ピーマンのピューレであってよい。これらの実施形態では、酸性化した食品に、酸性化していない食品又はクエン酸のみで酸性化した食品と比較して知覚可能な酸味が生じないよう、又は食品の酸味が強められないように食品を酸性化することができる。
本明細書の実施形態では、食品は、約4.0を超える元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約4.5を超える元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約5.0を超える元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約5.5を超える元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約6.0を超える元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約6.5を超える元の又は初期pHを有し得る。本明細書の実施形態では、食品は、約4.0の元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約4.5の元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約5.0の元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約5.5の元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約6.0の元の又は初期pHを有し得る。一部の実施形態では、食品は、約6.5の元の又は初期pHを有し得る。
本明細書の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約4.0未満の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.9未満の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.8未満の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.7未満の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.6未満の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約4.0の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.9の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.8の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.7の最終又は目的pHを有し得る。本明細書の一部の実施形態では、食品は、本明細書に記載されるように、約3.6の最終又は目的pHを有し得る。
食品の元のpHと酸性化した食品の最終pHとの任意の組み合わせは、本発明の実施形態の範囲内である。
本明細書の実施形態では、元のpHは酸性化する食品の種類に対応し得る。したがって、一部の実施形態では、食品は様々な元のpHを有することが周知であるけれども、元のpHは、これから酸性化されることになる食品の種類の作用である。例えば、ニンニクピューレは約5.7の元のpHを有することができる一方、ローストした赤ピーマンのピューレは約4.7の元のpHを有することができる。トマトピューレは約4.4の元のpHを有することができ、ショウガピューレは約6.6の元のpHを有することができる。
記載されるように、食品の酸性化は、第1の酸を添加して食品の初期pHを中間pHに調整することで実施される。次に第2の酸を食品に添加して、食品の中間pHを食品の最終pHに調整することができ、これにより、最終pHを有する酸性化した食品を製造する。第1の酸及び第2の酸は、第2の酸を食品に添加し始める前に第1の酸をすべて添加するなどのようにして、連続的に添加することができる。一実施形態では、第1の酸は、グルコン酸であってよい。一実施形態では、第2の酸は乳酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グリシン、及び混合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される任意の酸であってよい。一部の実施形態では、酸は水溶液として添加することができる。一部の実施形態では、酸は液状ピューレ形態で添加することができる。
第1の酸を食品に添加して、食品の初期pHを食品の中間pHに調整することができる。食品の中間pHは、食品の初期pH及び食品の所望される最終pHに応じて様々であり得、初期pH及び最終pHはいずれも本明細書に記載される。したがって、中間pHは食品の初期pHと食品の所望される最終pHの間であってよい。一部の実施形態では、中間pHは約6.5〜約3.7である。実施形態では、食品は、約4.0を超える中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約4.5を超える中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約5.0を超える中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約5.5を超える中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約6.0を超える中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約6.5を超える中間pHを有してよい。実施形態では、食品は約4.0の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約4.5の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約5.0の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約5.5の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約6.0の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約6.5の中間pHを有してよい。実施形態では、食品は、約4.0未満の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約3.9未満の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約3.8未満の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約3.7未満の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約3.9の中間pHを有してよい。一部の実施形態では、食品は、約3.8の中間pHを有してよい。本発明の一部の実施例では、食品は、約3.7の中間pHを有するよう酸性化することができる。一部の実施形態では、中間pHは、3.7〜6.5の範囲内の画分など任意の範囲であってよい。
次に第2の酸を食品に添加して、食品の中間pHを食品の最終pHに調整することができ、これにより、最終pHを有する酸性化した食品を製造する。最終pHは本明細書に記載されるような値である。
一実施形態では、第1の酸及び第2の酸は、第2の酸を食品に添加し始める前に第1の酸をすべて添加するなどのようにして、連続的に添加することができる。一実施形態では、第1の酸を食品に添加して、十分に撹拌することで、確実にほぼ均一に混合することができる。中間pHのpH測定値がほぼ安定したら、第2の酸を加えて目的pHに調整することができる。第2の酸を食品に添加して、十分に撹拌することで、確実にほぼ均一に混合することができる。一実施形態では、第1の酸は、グルコン酸であってよい。一実施形態では、第2の酸は乳酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グリシン、及び混合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される任意の酸であってよい。
記載されるように、一実施形態では、食品に添加する酸としては、グルコン酸を選択することができる。一実施形態では、食品に添加する第1の酸としては、グルコン酸を選択することができる。グルコン酸は分子式C6127及び簡略化構造式HOCH2C(CHOH)4COOHを有する有機化合物である。グルコン酸の化学構造は、カルボン酸基で終端している、ヒドロキシル基を5個有する6炭素鎖からなる。水溶液中で、グルコン酸は環状エステルであるグルコノデルタラクトンとの平衡状態で存在する。微妙に酸性pHの水溶液では、グルコン酸はグルコネートイオンを形成する。グルコン酸の塩は「グルコネート」として知られる。グルコン酸、グルコン酸塩、及びグルコネートエステルは、グルコースの酸化により生じることから、自然界で幅広く生じる。グルコン酸は、果実、蜂蜜、昆布茶、及びワインなどの中に自然に生じる。食品添加剤としては、酸性の調整剤である。
一実施形態では、グルコン酸などの第1の酸を食品に添加した後、第2の酸を食品に添加することができる。第2の酸は、第1の酸とは異なっていてよく、本明細書中に列挙されている任意の食用酸であってよい。1つの具体的な実施形態では、第2の酸は乳酸であってよい。
記載されているように、一実施形態では、食品に添加する酸としては、乳酸を選択することができる。一実施形態では、乳酸を第2の酸として添加してもよい。一実施形態では、グルコン酸を添加した後に乳酸を添加してもよい。乳酸は、血液及び他の生体液に見られる天然の有機酸である。市販製剤では、炭水化物源は、ホモ乳酸発酵を行うデルブリュッキ菌(Lactobacillus delbrueckii)、ブルガリア菌(L. bulgaricus)、及びライヒマン菌(L. leichmanii)などの乳酸菌による発酵にさらされる。分類に示されるように、これらの乳酸菌に発酵産物として乳酸のみを過剰産生させ、高度な濾過など好適な精製工程により乳酸菌及び他の不純物を除去することで食品グレードの乳酸が生成される。
グルコン酸及び乳酸は、同濃度に希釈し、味見をした場合に、クエン酸、リンゴ酸、及びシュウ酸などの他の市販の有機酸と比較していずれも比較的口当たりがよく、及び酢酸、プロピオン酸の及び酪酸などの有機酸と比較して悪臭も比較的少ない。
記載されるように、酸性化に関し追加の条件が制御され得る。一実施形態では、酸は水性溶液として液体又は固体に添加することができる。一部の実施形態では、酸は約1M(1モル濃度)添加してよい。したがって、一部の実施形態では、1.0モル濃度の酸水溶液などの希釈した酸が使用される。酸溶液は少しずつ添加してよく、混合しながらpH測定値が安定する毎に更に酸を少量添加することができる。目的とするpHに到達したら、酸性化した食品を撹拌し、pH測定値を確認することができる。次に、撹拌しながら未希釈の酸を食品に直接連続的に添加して、酸性化を繰り返すことができる。最終pH値を測定し、実験をスケールアップした場合に添加される実際量を確認する。他の実施形態では、酸は、1つ以上の担体と混合された粉末及び錠剤などの他の物理形態で添加してもよい。含有させることのできる任意選択的な成分としては、甘味料、塩、香辛料、調味料、天然及び合成香料、天然繊維、天然色素、及び他の植物及び抽出物などが挙げられる。
別の実施形態では、保存料組成物を使用することができる。保存料組成物は、追加の抗菌剤、化合物、又は系であってよい。一実施形態は、例えば、4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネート(4−HBITC)を含む白ガラシ精油(WMEO)を挙げることができる感湿イソチオシアネート化合物を含む。保存料組成物は、熱処理の直前に酸性化食品を処理するために使用することができる。記載の感湿イソチオシアネート化合物に対して、特にWMEOに対して特異的なこのような実施形態は、Procter & Gamble Companyに譲渡された米国特許第7,658,961号(‘961特許)に記載されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。したがって、一実施形態では、本明細書に記載される本発明の実施形態による酸性化した食品は、‘961特許に記載されるように、4−HBITCにより処理することができる。したがって、食品を酸性化し、次に‘961特許に記載のように保存することができる。一実施形態では、保存処理は、食品を用意する工程と、食品に、感湿イソチオシアネート化合物を含む保存料組成物を添加する工程と、保存料組成物を食品に添加してから約2時間以内に食品の温度を訳10℃以下にし、この温度を少なくとも約12時間維持する工程と、を含んでもよい。具体的な保存料組成物は‘961特許に開示されるものであってよい。具体的には、食品用の保存料組成物は、WMEOなどの感湿イソチオシアネート化合物及び吸湿性キャリアを含んでもよく、この場合、組成物はソルビン酸、安息香酸、及びこれらの塩を実質的に含まない。
保存料組成物は、例えば、白ガラシ精油で見られる4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネート化合物などの感湿イソチオシアネート化合物(すなわち、−N=C=S部分を担持している化合物)を含んでよい。任意の感湿イソチオシアネートを使用できるものの、4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートは1つの具体的な化合物である。本発明者らは、採用される感湿イソチオシアネートに関係なく、比較的低濃度の化合物により、本組成物及び方法に所望の抗菌効果がもたらされることを発見した。この際、イソチオシアネート化合物を、組成物の総重量の約0.0025重量%〜約10重量%、又は約0.005重量%〜約8重量%、又は約0.01重量%〜約6重量%、又は約0.1重量%〜約4重量%の量で保存料組成物に使用することができる。−N=C=S部分を担持している任意の感湿イソチオシアネート化合物を本発明に利用することができる。好ましくは、本組成物に利用されるイソチオシアネート化合物は、R−N=C=S構造を有し、式中、Rは4−ヒドロキシベンジル部分又はパラ−ヒドロキシベンジル部分である。この構造は一般に4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネート又はp−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートとして知られており、合成により、あるいは例えば白ガラシなどから天然に得ることができる。したがって、一実施形態では、感湿イソチオシアネート化合物を含む成分は、白ガラシ又は黄カラシ科(Sinapis alba又はBrassica alba)の精油、精油の天然成分、又は精油の合成成分(本明細書で以降により詳細に記載されるようなものすべて)であることができる。あるいは、感湿イソチオシアネート化合物を含む成分は、感湿イソチオシアネート化合物を生じ得る任意の他の科の植物の精油、精油の天然成分又は精油の合成成分であり得る。精油は、イソチオシアネート化合物を生成することのできる(例えば、ミロシナーゼ酵素により触媒される、1種以上のグルコシノレートの加水分解により)グルコシノレート化合物に由来する精油であってよく、この場合、前駆体及び酵素を含有している植物組織は均質化され、挽かれ、破砕され、圧搾され、ないしは別の方法で損傷を受ける。当業者に一般に知られる手順を用い、アブラナ科植物から精油を得る。次に、感湿イソチオシアネート化合物を1種以上含有する、好ましくは4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートを含有する精油を、本発明の組成物及び方法に使用することができる。
感湿イソチオシアネートを希釈する様々な方法が存在する。例えば、イソチオシアネート、又はイソチオシアネートを含む精油は、液体吸湿性担体に溶解若しくは分散させることができ、又はさもなければ不均一に混合することができる。あるいは、イソチオシアネート若しくはイソチオシアネートを含む精油は、粉末化若しくは顆粒化した吸湿性担体の固形粒子と共に粉砕してよく、又はそのような粒子上に塗布してよく、又はさもなければそのような粒子と共にしっかりと混合することができる。粉砕とは、イソチオシアネート、又はイソチオシアネートを含む精油、及び吸湿性粉末材料又は顆粒材料を、一緒に粉砕しながらしっかりと混合する工程、及び/又は一緒に摩擦又は磨砕して粉末状にする工程からなる手法である。粉末化した又は顆粒状の吸湿性担体の固体粒子上へのイソチオシアネート又はイソチオシアネートを含む精油の塗布は、このような粒子表面をフィルムコーティングする工程、あるいはイソチオシアネート又は精油をコーティングする工程、を指す。
任意の数の吸湿性材料を使用することができる。担体として使用するのに好適な液体吸湿性材料としては、限定するものではないが、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールが挙げられる。担体として好適な粉末化又は顆粒化させた固形吸湿性材料としては、限定するものではないが、多糖(マルトデキストリン、デンプン、及び微結晶セルロースなど)、オリゴ糖、糖(グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、及びラクトース)、糖アルコール(マンニトール、マルチトール、エリスリトール、及びソルビトール)、塩、二酸化ケイ素(析出シリカ及びヒュームドシリカ)、及び凝固防止剤及び/又は流動性制御剤(アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、及び炭酸マグネシウム)が挙げられる。特に好適な担体はマルトデキストリン及びグリセリンである。使用する吸湿性担体は、保存料組成物の最終用途に応じて決めることができる。例えば、保存料組成物が取り扱いやすく及び輸送しやすくなることから、多くの使用において、担体は粉末化又は顆粒化した固形材料であってよく、具体的には、マルトデキストリンであってよい。しかしながら、送り出し若しくは注入性能、及び/又は流動特性は固形食品表面の効果的なコーティングに重要なものであり得ることから、液体保存料組成物が使用され得る特定の例も存在し得る。例えば、保存料組成物を牛挽肉に混合する際に、保存料組成物を流動させることのできる吸湿剤としてグリセリンを使用することが効果的な場合があり、及び個々の牛挽肉片を不均一にコーティングすることが有効な場合がある。
保存料組成物は、約90重量%〜約99.9重量%の吸湿性担体を含むことができる。典型的には、組成物は、約92重量%〜約99.9重量%、より典型的には約94重量%〜約99.9重量%、及び更により典型的には約96重量%〜約99.9重量%の吸湿性担体を含み得る。
記載されるように、本明細書で開示される食品は、本明細書に記載の保存料組成物により処理することができる。この観点から、4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートなどの感湿イソチオシアネート化合物は、食品の約0.001重量%〜約0.06重量%の量で存在することができる。より典型的には、感湿イソチオシアネート化合物は、食品の約0.003重量%〜約0.05重量%、更により典型的には約0.005重量%〜約0.04重量%の量で存在することができる。
イソチオシアネート保存料組成物を食品に添加するための様々な方法が存在し、限定するものではないが、食品基材(例えば、牛挽肉)に混ぜ込む、すなわち混合する方法、又はイソチオシアネート保存料組成物(例えば、洗浄液、食塩水、食肉軟化剤、又はマリネ液)を含む溶液若しくは分散液に固形食品(フルーツ、野菜、あるいは鶏肉又は魚肉など)を浸し若しくは浸含させて、表面に保存料を塗布することのできる方法、が挙げられる。あるいは、イソチオシアネート保存料組成物(例えば、食塩水、食肉軟化剤、又はマリネ液)を含む溶液又は分散液を固形食品(例えば、牛又は鶏の枝肉)の表面に散布、刷毛塗り、ないしは別の方法でコーティングすることができ、あるいは保存料組成物は、加圧注入又は減圧タンブリングにより固形食品の内側に組み込むことができる。加圧注入及び減圧タンブリングは、イソチオシアネート保存料組成物を、牛、豚、鶏及び魚などの生肉に組み込むための追加的方法である。パッケージ材と食品は密着することから、食品をパッケージングする材料にイソチオシアネート保存料組成物を組み込むことができ、これにより、保存料組成物を食品表面に転写することもできる。このようなパッケージング材料の非限定例としては、小売流通目的で鶏肉などの肉の切り身の下に配置される吸収用パッドが挙げられる。
前述の保存工程及び保存料組成物を、本明細書に記載されるような任意の食品に使用することができるが、これらは特に固形食品に有効である。固形食品の非限定例としては、限定するものではないが、果実、野菜、食肉(牛、豚、鶏、及び魚など)、ナチュラルチーズ及びプロセスチーズ、加熱食品、スナック食品、マーガリン、スプレッド、並びにゲル化食品組成物などが挙げられる。本発明に記載の保存料組成物は、ブレンド、混合又は注入、ないしは別の方法で最終固形食品に組み込まれる、あるいは固形食品の表面に塗布される流体製品にも利用することができる。例としては、食肉、家禽、魚、及び野菜などの固形食品への添加が意図される、マリネード、食塩水、食肉軟化溶液、ドレッシング、ソース、グレイビーソース、及びこれに類するものなどが挙げられる。
更に、本発明者らは、まず、イソチオシアネート保存料組成物を上記の任意の手法により食品に加え、次に、食品の温度を約10℃以下、好ましくは約7.5℃以下、及びより好ましくは約5℃以下に維持することで、感湿イソチオシアネート化合物の滞留時間、一実施形態では4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートの滞留時間を延長できることを発見した。低温下で固形食品を貯蔵する結果、感湿イソチオシアネートの分解速度(すなわち、加水分解)を減速させることができる。結果的に、活性なイソチオシアネート系抗菌性化合物の滞留時間又は貯蔵寿命が延長される結果、抗菌効果も強化される。
イソチオシアネート系保存料組成物を含む前述の溶液又は分散液(例えば、洗浄溶液、食塩水、食肉軟化剤、又はマリネ液)を利用して保存料を食品に添加する場合、溶液又は分散液は、感湿イソチオシアネートの分解を最小限に抑えるために低温に維持することができる。一実施形態では、溶液又は分散液は約10℃未満、又は約7.5℃未満、又は約5℃未満の低温に維持することができる。更に、感湿イソチオシアネートの分解速度を減速させるために、イソチオシアネート保存料組成物を含む溶液又は分散液は約pH 2〜5、又はpH 3〜4.5のpHを有し得る。分散性を改善させ、固形食品の表面に溶液又は分散液を均一にコーティングするために、溶液又は分散液は、所望により、界面活性剤又は乳化剤を含有してもよい。
必ずしもイソチオシアネート保存料組成物を添加した直後に食品を低温貯蔵する必要はなく、一部の実施形態では、食品を低温に置くまでに約2時間以下、又は約1時間以下、又は約30分以下経過してもよい。一実施形態では、食品はイソチオシアネート保存料組成物を添加した直後に低温に置いてもよい。一度低温に置いたら、感湿イソチオシアネート化合物又は食品の滞留時間を延長させるために、食品の温度は少なくとも約12時間、又は少なくとも約24時間、又は少なくとも72時間、又は少なくとも約120時間にわたって低温に維持してもよい。
白ガラシ精油に関する工程及び保存料組成物に関する記載に基づくと、白ガラシ精油はバクテリア、酵母、及びかびに対する強力な抗菌特性を持ち、熱処理の前に補助剤として混合酸と組み合わせて使用することで微生物の混入を減少させることができる。このやり方では、食品の安定性を確保するのに十分な滅菌条件をもたらすために、熱処理強度を低下させることができる。例えば、トマトソース缶をクエン酸のみでpH 4.2に酸性化する場合、約10分間約85℃の缶中心温度をもたらす熱処理を必要とするだけである。グルコン酸及び乳酸の混合物を酸味料として使用できる場合には、酸味を増強せずにpHを更に約3.8にまで低下させることができ、ひいては熱処理強度を75℃で8分に減少させることもできる。加えて、熱処理前にWMEO抗菌剤として使用する場合、熱処理強度は65〜70℃にて7分間に減少させることもできる。この手法により、従来のトマト缶よりもはるかに優れたトマト缶を製造することができる。
同様にして、ホールトマト又はダイスカットトマトなどのトマト缶には、固形のトマトを約70%と添加液(着香又は未着香)を約30%含有する缶を大気圧のレトルト加工装置での処理スケジュールにさらすことで、商業的に滅菌することができる。例えば、pHが約4.40以下であるダイスカットトマトは、一実施形態では、約0.50分以上にわたってF15/102℃(215°F)相当の滅菌を行う必要があり得る。典型的には、正味重量411.1g(14.5oz)を収容している300×407の缶に関しては、レトルト処理時間は、約4.40以下のpH下で約25分である。この処理時間は、レトルト温度が99℃(210°F)であり、かつ初期食品温度が38℃(100°F)(z値=−9℃(15°F)かつ参照温度=102℃(215°F))である場合に得られるものである。熱処理は、回転速度、ダイス対液体比、パッケージの大きさ、パッケージの種類、使用された具体的な材料、液体の厚み(連続相)、レトルト時の撹拌の種類(調理状態のまま保持(still cook)、回転撹拌、軸対照撹拌)、及び防菌処理用途などに応じより短くも長くもなる。いずれも、本明細書に記載されるようなpHの低下及び/又はWMEOの組み込みを介し、レトルト温度又は処理時間を減少させて、固形トマトのパッケージング用のレトルト加工を削減できる。加えて、固形トマトをパッケージングするためのレトルト処理も、上記のものと同様に、より穏やかな加熱充填保持(hot-fill-hold)処理へと容易に変更することができる。
他の保存料組成物も本明細書に記載のWMEOなどと同様に使用することができる。これらの保存料組成物としては、米国特許第6,132,787号、同第6,136,356号、及び同第6,376,005号に記載のものが挙げられる。使用できる他の保存料組成物としてはバクテリオシンが挙げられる。バクテリオシンとしては、ナイシンAの商品名であり、Daniscoにより製造されるNisalpin(登録商標)、Kerry Groupにより製造される、自然な新鮮さを持続させる製品についての商品名であるDURAFresh(商標)、モノグリセリド、並びにSHMPなどのポリリン酸塩を挙げることができる。
一実施形態では、酸性化は開放環境で実施することができる。開放環境は使用時温度並びに使用時圧力からなり、例えば、約20℃(68°F)〜約22℃(77°F)かつ約101.4kPa(14.7psi)を含むことができる。加えて、開放環境は、米国特許第2004/0156960号に記載のように、酸性化が制御された容器内に配置されない場合を含み得る。したがって、一実施形態では、本明細書に記載されるような食品の酸性化は、密閉容器内で実施されず、食品は開放環境から隔離されない。一実施形態では、食品の酸性化は開放環境で行われ、用いられる周辺温度及び/又は圧力に明らかな変化は生じない。
食品に添加することができる酸の量は、見込まれるように、食品の種類によって異なる。一部の食品は、元々非常に緩衝化されており、したがって、緩衝化されている程度の低い他の食品と比較して、pHを変化させる際により多量の酸が必要とされる。自然食品中の緩衝剤は、単純カチオン及びアニオン、遊離アミノ酸及びペプチドなどの様々な供給源に由来するものであり、可溶性タンパク質及び不溶性タンパク質は、結果として様々な緩衝強度を生じる自然食品の供給源に応じ異なり得る。例えば、一実施形態では、ローストした赤ピーマンのピューレを食品の総重量の約0.9重量%使用し、乳酸を添加してpHを本明細書に開示される通りの目的とするpHに調整することができる一方、一実施形態では、ニンニク及びショウガのピューレを食品の総重量の約1.3〜2.0重量%使用し、酸を添加してpHを本明細書に開示される通りの目的とするpHに調整することもできる。したがって、一実施形態では、食品は約0.75%〜約1.05%の追加の酸を含んでよい。したがって、他の実施形態では、食品は約1.15%〜約2.15%の追加の酸を含んでよい。
酸を添加するタイミングも様々であり得る。一実施形態では、酸は、原材料を洗浄した後の処理操作の任意の時点で使用することができる。典型的には、酸は、食品をピューレ状にした後、熱処理する前に加えられる。例えば、焙煎処理などの他の操作単位は、一実施形態では、操作単位に関し、芳香の生成効果を最大化させるために、酸の添加工程の前に実行することができる。
熱処理の直前のこの時点で、着香料、食物繊維、塩若しくは他の同等物、並びに香辛料又は植物又は抽出物などの、他の任意選択的な成分を加えることができる。
記載されるように、一部の実施形態では、食品保存加工(缶詰化、冷凍、酸性化、及び冷蔵など)などの、他の食品保存工程を最小限にすることができる。例えば、一態様では、本発明の実施形態は、食品を保存するために従来は完了されていた食品の冷凍を減じ、又は更には避けることができる。加えて、本発明の実施形態は、微生物を殺菌するのに使用される下流での熱処理を減じ、又は更には避けることができる。しかしながら、一部の実施形態では、本明細書に記載されるような酸性化に加え、これらの追加の保存処理を実施してもよいことには留意されたい。例えば、一実施形態では、酸性化した食品に対して熱処理、冷蔵、冷凍、パッキングなどを行うことができる。一実施形態では、酸性化した食品は酸性化後には冷凍しない。一実施形態では、酸性化食品の熱処理を行うことができる。熱処理を実施して、食品を約85℃(185°F)に加熱して微生物を殺菌することができる。熱処理は、約5〜約10分などの特定の時間にわたって実施することができる。加えて、酸性化した食品を冷蔵することもできる。同様に、酸性化した食品を無菌でパッケージングすることもできる。
パッケージングは、ポリエチレンフィルムで裏打ちされた(polythene lined)スチールドラム及び円筒型容器、おけ、及び他の剛性のプラスチック製容器などの様々な形態を取り得る。パウチ及び可撓性のプラスチック製容器及び箱(totes)などでパッケージングを行ってもよい。ガラスにより特に小売製品のパッケージングを行ってもよい。
酸性化し、穏やかに加工した食品は冷蔵保存することができ、又は殺菌するために熱処理した場合には使用時温度で食料品店の商品棚で貯蔵することができる。
食品に抗菌性が付与され、腐敗微生物の増殖に対する耐性が強化されていることから、通常なら冷凍保存される食品も、本発明の実施形態に従って酸性化した後は冷蔵温度で保存することができる。冷凍保存には非常に費用がかかるものであり、このような高費用な材料は、元々状態が不安定であることに起因し通常は冷凍保存のみされる。冷凍した材料を解凍する場合、特に大容量の材料を解凍する場合には時間がかなりかかり、かつ解凍時に不均一に解凍されることから、冷凍した食品は様々な部位で様々な温度特性に曝露されることになり、その結果、違いはわずかだが、それでもはっきりと知覚することのできる匂いの変化及びその他の感覚的な変化が生じる。それに対し、冷蔵は食品の塊を凍結させないことから、食品製造者によりかなり容易に使用することができる。冷蔵保存は対費用効果も高く、全般的に低費用であり、かつ食品の品質を高く保持させることもできる。
(実施例1)
ローストした赤ピーマンを、下表1に示されるように、乳酸、続いてグルコン酸で酸性化した。pH(5.011)のローストした赤ピーマンのピューレ約285グラムを用意した。次に、天然糖液とも呼ばれる濃縮サトウキビジュース(ECJ)約15グラムをローストした赤ピーマンのピューレに加えた。ECJを添加することで、ピューレのpHは4.966に低下した。次に、1Mの乳酸を次のように段階的に添加した:1.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.878に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.795に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.732に低下した;5.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.500に低下した;並びに最後に更に1.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.423に低下した。合計で、1Mの乳酸を9.00mL添加したことになり、ピューレのpHは4.966から4.423に低下した。
次に、1Mのグルコン酸を次のように段階的にピューレに添加した:1.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.383に低下した;5.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.213に低下した;5.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.076に低下した;2.50mL添加した結果、ピューレのpHは4.017に低下した;2.50mL添加した結果、ピューレのpHは3.967に低下した;1mL添加した結果、ピューレのpHは3.936に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.917に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.896に低下した;2.50mL添加した結果、ピューレのpHは3.849に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.834に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.816に低下した;0.50mL添加した結果、ピューレのpHは3.810に低下した;並びに最後に更に0.50mL添加した結果、ピューレのpHは3.803に低下した。合計で、1Mのグルコン酸を24.50mL添加したことになり、ピューレのpHは4.423から3.803に低下した。
要約すると、ローストした赤ピーマンのピューレに1Mの乳酸を9.00mL添加し、pHを4.966から4.423に低下させた。次に、ローストした赤ピーマンのピューレに1Mのグルコン酸を24.50mL添加し、pHを4.423から3.803に低下させた。
Figure 2013529930
得られた、酸性化したローストした赤ピーマンのピューレでは酸味はなんら増強されていなかったものの、風味の保存性が強化されており、もぎたてを思わせる、新鮮さを感じさせる香りが強化されていた。全体的な香りはわずかに減少していることも感知された。これらの所見は、酸性化させていないピューレ、並びにクエン酸のみを用いて酸性化したピューレとの比較に基づくものである。
(実施例2)
ローストした赤ピーマンを、下表2に示されるように、グルコン酸、続いて乳酸で酸性化した。pH(4.979)のローストした赤ピーマンのピューレ約285グラムを用意した。次に、天然糖液とも呼ばれる濃縮サトウキビジュース(ECJ)約15グラムをローストした赤ピーマンのピューレに加えた。ECJを添加することで、ピューレのpHは4.956に低下した。次に、1Mのグルコン酸を次のように段階的に添加した:5.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.640に低下した;2.50mL添加した結果、ピューレのpHは4.519に低下した;並びに最後に更に2.50mL添加した結果、ピューレのpHは4.404に低下した。合計で、1Mのグルコン酸を10.00mL添加したことになり、ピューレのpHは4.956から4.404に低下した。
次に、1Mの乳酸を次のように段階的にピューレに添加した:5.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.205に低下した;5.00mL添加した結果、ピューレのpHは4.051に低下した;2.50mL添加した結果、ピューレのpHは3.993に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.974に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.949に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.922に低下した;2.50mL添加した結果、ピューレのpHは3.869に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.853に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.837に低下した;1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.820に低下した;並びに最後に更に1.00mL添加した結果、ピューレのpHは3.804に低下した。合計で、1Mの乳酸を22.00mL添加したことになり、ピューレのpHは4.404から3.804に低下した。
要約すると、ローストした赤ピーマンのピューレに1Mの乳酸を10.00mL添加し、pHを4.956から4.404に低下させた。次に、ローストした赤ピーマンのピューレに1Mの乳酸を22.00mL添加し、pHを4.404から3.804に低下させた。
Figure 2013529930
得られた、酸性化したローストした赤ピーマンのピューレでは、pHは3.804に低下していたものの酸味はなんら増強されていなかった。風味に関し、認識される程の低下あるいは何らかの異臭は観察されなかった。サンプルでは、酸性化させていない対照サンプルと比べ、もぎたてを思わせる香調が強化されており、新鮮さを感じさせる香りが示されていた。これらの所見は、酸性化させていないピューレ、並びにクエン酸のみを用いて酸性化したピューレとの比較に基づくものである。
(実施例3)
ニンニクの鱗茎を畑から収穫し、まず、乾燥している状態で、ニンニクから付着している泥の大部分を取り除く。泥を取り除いた後、羊皮紙様の白い外表皮と残留している根を取り除き、外皮により覆われているニンニクを取りだす。次に、取り出したニンニクに、回転穴あきトンネル(rotating perforated tunnel)を通過させ、典型的には表面温度が約70〜72℃の生蒸気に曝露させる。蒸気処理したニンニクの鱗茎に、次に水を噴霧して冷却し、更に外皮を何枚か取り除く。冷却した鱗茎を次にミルで刻んでピューレにする。次に粒径を正確に揃えるためにピューレを選別して、パドルミキサーを取り付けた混合タンクに回収する。ポンプを使用してまずグルコン酸を添加し、確実に均質化されるようニンニクのピューレと十分に混合する。次に目標とするpH 3.8に到達するまで乳酸を添加する。更に5〜10分混合した後、酸性化したニンニクピューレを5ガロンの円筒型容器に配置し、4〜5℃で冷蔵する。
(実施例4)
ローストした赤ピーマンのピューレを酸性化し、冷蔵保存する。まず赤ピーマンを洗い、割って種を取り除く。回転表面上で転がしながら新鮮な赤ピーマンをローストし、その後直ちに冷却する。次に外側の皮を擦り落とし、この、皮を剥いたローストした赤ピーマンをピューレにして、大きすぎる粒子を取り除く。まずピューレにグルコン酸溶液(50%)を添加し、pHを約4.2〜4.1の中間pHにした。この工程に続いて、乳酸を添加して3.75〜3.85の最終pHに調整した。酸性化した、ローストした赤ピーマンのピューレを、確実に均質化されるよう十分に混合し、5ガロンの円筒型容器に入れ、約4〜5℃の条件で冷蔵する。
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
相互参照されるか又は関連するすべての特許又は特許出願を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のすべての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (15)

  1. 食品の酸性化及び保存方法であって、
    a)初期pHを有する食品を用意する工程と、
    b)前記食品を最終pHへと酸性化して酸性化された食品を製造する工程と、
    c)感湿イソチオシアネート化合物を含む保存料組成物で前記酸性化された食品を処理する工程と、
    を含み、前記酸性化工程及び前記処理工程が、酸性化及び保存された食品を製造する、方法。
  2. 前記保存料組成物が、4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートを含む白ガラシ精油を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記保存料組成物が吸湿性担体を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記保存料組成物が、ソルビン酸、安息香酸、及びこれらの塩を実質的に含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートが前記保存料組成物中に約0.0025重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記吸湿性担体がマルトデキストリンを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートが前記酸性化された食品の約0.001重量%〜約0.06重量%の量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記保存料組成物を前記食品に添加してから約2時間以内に前記食品の温度を、約10℃以下の温度に少なくとも約12時間にわたって維持する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記処理工程が、前記酸性化された食品の任意の加熱処理より前に行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記酸性化工程が、
    b)第1の酸を前記食品に添加して、前記食品の前記初期pHを前記食品の中間pHへと調整する工程と、
    c)第2の酸を前記食品に添加して、前記食品の前記中間pHを前記食品の最終pHへと調整する工程と、
    を含み、前記最終pHを有する酸性化された食品が製造される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1の酸がグルコン酸を含み、前記第2の酸が、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グリシン、及びこれらの混合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される酸を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記食品の前記初期pHが約4.0超である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記食品の前記最終pHが約3.9未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記食品が、固形食品、液体食品、及び半固形食品からなる群から選択される食品を含み、好ましくは、前記食品がピューレを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 食品の酸性化及び保存方法であって、
    a)初期pHを有する食品を用意する工程と、
    b)前記食品を最終pHへと酸性化して、酸性化された食品を製造する工程であって、ここで、酸性化が、
    i)第1の酸を前記食品に添加して、前記食品の前記初期pHを前記食品の中間pHへと調整することと、
    ii)第2の酸を前記食品に添加して、前記食品の前記中間pHを前記食品の前記最終pHへと調整すること、を含む、工程と、
    c)前記酸性化された食品を保存料組成物で処理する工程であって、ここで、前記保存料組成物が4−ヒドロキシベンジルイソチオシアネートとマルトデキストリンを含む吸湿性担体とを含む、工程と、
    を含み、前記酸性化工程及び前記処理工程が、酸性化及び保存された食品を製造する、方法。
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