JP2013526625A - 熱吸収特性と高い安定性を有するポリマー組成物 - Google Patents

熱吸収特性と高い安定性を有するポリマー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、透明な熱可塑性プラスチック、および安定剤を有する無機の赤外線吸収剤を含有する熱吸収ポリマー組成物、および本発明に係るポリマー組成物の製造および使用、並びにそれらから製造される製品に関する。特に、本発明は、亜鉛ドープタングステン化合物の群からの無機IR吸収剤の安定化、ならびにビル、自動車および軌道車または航空機において使用する窓ガラスを製造するための、これらの安定化無機IR吸収剤を含有する本発明に係るポリマー組成物の使用に関する。

Description

本発明は、透明な熱可塑性プラスチック、および安定剤を有する無機の赤外線吸収剤を含有する熱吸収ポリマー組成物、および本発明に係るポリマー組成物の製造および使用、並びにそれらから製造される製品に関する。特に、亜鉛ドープタングステン化合物の群からの無機IR吸収剤の安定化、ならびにビル、自動車および軌道車または航空機において使用する窓ガラスを製造するための、これらの安定化無機IR吸収剤を含有する本発明に係るポリマー組成物の使用に関する。
透明な熱可塑性ポリマー、例えば、ポリカーボネートを含有する組成物から製造されるグレージング(glazing)は、自動車分野および建築分野において使用されるガラス製の常套の板ガラスに対して多くの利点を有している。このような利点には、例えば、増加した破砕抵抗特性または増加重量の抑制を含み、自動車のグレージングの場合、このことは、交通事故の際に乗員に対してより大きな安全性をもたらし、より低い燃料消費をもたらす。最後に、透明な熱可塑性ポリマーを含有する透明材料は、それらは成形が容易であるので、デザインに関して十分により大きな自由度をもたらす。
しかしながら、太陽の作用下において、透明熱可塑性ポリマーの高い熱伝達性(すなわち、IR放射に関する伝達性)は、自動車および建物の内部の所望でない加熱をもたらす。内部における上昇する温度は乗員の快適性を減少させるか、または空調に関する増加した要求を含む。このことは、エネルギー消費を増加させ、これによって、これによって良好な効果を再び消滅させる。とはいうものの、低いエネルギー消費の要求を満たし、乗員の高い快適性を備えるために、適当な熱保護をもたらすグレージングが要求される。特に、自動車分野においてこのことは事実である。
長年既知のように、ほとんどの太陽エネルギーは、400〜750nmの間の可視光範囲に加えて、750〜2500nmの間の近赤外(NIR)範囲に存在する。透過性太陽光線は、例えば自動車内部で吸収され、5〜15μmの長波長熱放射として放出される。この範囲で、通常の板ガラス材料、特に可視領域で透明な透明熱可塑性ポリマーは、透明ではないので、熱放射を外側に放散することができない。即ち温室効果が得られ内部が加熱される。この効果を可能な限り小さくするためにNIRにおける板ガラスの透過性を、できる限り低く維持すべきである。しかしながら通常の透明熱可塑性ポリマー、例えばポリカーボネートは、可視領域およびNIRの両方で透明である。それゆえ例えば、可視範囲のスペクトルにおいて透明性に悪影響を及ぼすことなく、NIRにおいて最も低く可能な透明性を示す添加剤が必要である。
透明な熱可塑性プラスチックのうち、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリカーボネートに基づくポリマーは、グレージング材料として使用するのに特に適当である。なぜならば、それら、特にポリカーボネートの高い強度は、このような使用に関して極めて良好な特性を有するからである。
したがって、これらのプラスチックに熱吸収特性を付与するために、関連する赤外線吸収剤が添加剤として使用される。特に、NIR領域(近赤外、750〜2500nm)における広帯域吸収スペクトルを有する一方で、可視領域において低い吸収(低い固有色)を同時に備えるIR吸収剤系が、この目的に関して特に興味深い。対応するポリマー組成物は、高い熱安定性と優れた光安定性を更に有するべきである。
透明な熱可塑性プラスチックに使用できる有機または無機材料に基づく数多くのIR吸収剤が既知である。このような材料の選択は、例えば、J.Fabian,H.Nakazumi,H.Matsuoka,Chem. Rev. 92, 1197(1992)、US−A5712332またはJP−A06240146に記載されている。
しかしながら、有機材料に基づくIR-吸収添加剤は、それらが熱負荷または放射に関してごく僅かな安定性を示すといった欠点を有する場合が多い。したがって、それらを加工する間に最大350℃の温度が要求されるので、これらの添加剤の多くは、透明な熱可塑性材料内に組込まれる場合に、不十分な熱安定性を示す。さらに、使用する間に、グレージングは、太陽放射に起因する、50℃よりも高い温度に長期間にわたって曝されることが多く、このことは、有機吸収剤の分解または変質を生じ得る。さらに、有機IR吸収剤は、NIR領域において十分に広い吸収バンドを示さないことが多いので、グレージング材料におけるIR吸収剤としてのそれらの使用は効果が無く、これに関連して、さらにこれらの系において強い固有色が生じることが頻繁に生じ、このことは一般に望ましくない。
無機材料に基づくIR吸収添加剤は、有機添加剤と比較して顕著により安定であることが多い。このような系の使用は、より経済的である。なぜならば、多くの場合において、それらは明確により好ましい費用/パフォーマンス率を示すからである。したがって、微粒子ホウ化物に基づく材料、例えば、六ホウ化ランタンなどは、効果的なIR吸収剤であることが判明している。なぜならば、それらは、幅広い吸収帯が付与されていると共に高い熱安定性を有するからである。La、Ce,Pr,Nd、Tb、Dy、Ho、Y,Sm、Eu,Er,Tm、Yb、Lu、Sr,Ti,Zr、Hf,V,Ta,Cr,Mo、WおよびCaに基づくこのようなホウ化物は、例えば、DE10392543またはEP1559743に記載されている。
しかしながら、これらの添加剤の欠点は、それらの著しい固有色である。導入後にこれらのホウ化物含有添加剤は、透明プラスチックに対して特有の緑色をもたらし、このことは、望ましくない場合が多い。なぜならば、それは中間色を付与する余地を制限することが多いからである。
固有色を補償するために、比較的多量の更なる着色剤が使用される場合が多い。しかし、このとは組成物の光学特性を損ない、可視領域において、著しく減少した透過率を生じさせる。このことは、特に自動車用グレージング(glazing)の場合に望ましくなく、あるいは運転者の視点が損なわれてはいけない特定の場合に許容できない。
先行技術から既知の無機ホウ化物系IR吸収剤と比べて、可視スペクトル領域により低い固有吸収を有するタングステン化合物の群からのIR吸収添加剤は、更に既知である。
熱可塑性材料におけるこれらの物質の調製及び使用は、例えば、H.Tanaka,K.Adachi,J.Am.Ceram.Soc. 90, 4059-4061,(2007)、WO2005037932、JP2006219662、JP2008024902、JP2008150548、WO2009/059901およびJP2008214596に記載されている。しかしながら、熱に曝されることに対する長期間の安定性の欠如が欠点であると証明されている。熱に対する酸化タングステンの不安定な性質はとりわけ既知であり、例えば、Romanyuk 等; J.Phys.Chem.C 2008,112巻,第11090頁-第11092頁に記載されており、これらの化合物がポリマーマトリックス内へ導入される場合、IR領域における吸収も、昇温による熱で、対応するポリマー組成物(例えば、ポリカーボネート組成物など)を貯蔵する間に著しく減少する。
しかしながら、グレージング分野、特に自動車グレージングにおいて組成物を使用するために、関連するIR吸収ポリマー組成物がより高い温度に対する長期間安定性を有することが必要不可欠である。より高い温度とは、例えば、ポリカーボネート製の物品が強い太陽放射(例えば50℃〜110℃)のもとで使用できる温度を意味する。さらに、常套の加工条件の下、結果としてIR−吸収特性が減少することなく、組成物を加工できることが確保されなければならない。
熱可塑性材料中に、熱安定剤、例えば、ホスフィット、ヒンダードフェノール、芳香族、脂肪族または脂肪−芳香族ホスフィン、ラクトン、チオエーテルおよびヒンダードアミン(HALS,ヒンダードアミン光安定剤)などを使用して加工特性を改良することがさらに知られている。
WO−A01/18101は、加工安定性を改良するために、酸化防止剤、例えばホスフィット、ヒンダードフェノール、芳香族、脂肪族または混合フェノール、ラクトン、チオエーテルおよびヒンダードアミンなどを含有できるフタロシアニン染料またはナフタロシアニン染料、および熱可塑性物質を含有する成形組成物を開示する。これとは対照的に、本発明は、タングステンに基づく無機IR吸収剤を含有する組成物に関する。
EP1266931は、ホスフィンと組合せてポリカーボネート組成物中で有機IR吸収剤を用いることを開示する。しかしながら、無機IR吸収剤、特に、タングステンに基づく無機IR吸収剤と、熱可塑性マトリックス中で吸収剤を安定化させるためのホスフィンとの組合せの開示は、EP1266931に記載されていない。
EP1559743は、熱安定剤、例えばホスホナイトおよびホスフィンなどと併用するホウ化物に基づく無機IR吸収剤を含有するポリカーボネート組成物を開示し、これらの添加剤は、ポリカーボネートマトリックスを安定させる役割を果たす。タングステン系組成物は開示されていない。上記安定剤が無機IR吸収剤に影響を及ぼすことは知られていない。
US2006/0251996は、熱可塑性ポリマーとIR吸収添加剤を含有するコア層を含む多層シートを開示し、該IR吸収添加剤は、金属酸化物である。さらに、コア層は、熱安定剤を付加的に含有できる。タングステン酸塩に基づく亜鉛ドープIR吸収剤、または本発明の特定の実施態様に係るホスフィン安定化IR吸収剤、および、ホスフィンで安定化したマスターバッチを有するポリマー組成物は、US2006/0251996に記載されていない。特に、US2006/0251996は、分散剤中に組込まれたナノスケールIR吸収剤の使用について開示しない。
今までに開示されたIR吸収剤を有する熱可塑性組成物の全てにおいて、しかしながら、熱安定剤はもっぱら、特に加工する間における、特にポリマーマトリックスを安定させる役割を果たす。これらの系を用いることによって、EP1266931に記載されるように、光に照射した後のポリカーボネートの黄色変化は制限できる。
米国特許5712332号A明細書 特開平06−240146号公報 独国特許第10392543号明細書 欧州特許出願第1559743号明細書 国際特許出願公開第2005037932号明細書 特開2006−219662号公報 特開2008−024902号公報 特開2008−150548号公報 国際特許出願公開第2009/059901号明細書 特開2008−214596号公報 国際特許出願公開第01/18101号A明細書 欧州特許第1266931号明細書 欧州特許第1559743号明細書 米国特許出願公開第US2006/0251996号明細書
J.Fabian,H.Nakazumi,H.Matsuoka,Chem. Rev. 92, 1197(1992) H.Tanaka,K.Adachi,J.Am.Ceram.Soc. 90, 4059-4061,(2007),Romanyuk 等; J.Phys.Chem.C 2008,112巻,第11090頁-第11092頁 Romanyuk 等; J.Phys.Chem.C 2008,112巻,第11090頁-第11092頁
したがって、低い固有色を有すると共に、高い熱安定性および光の照射に対する安定性を備えるIR吸収系を見いだすこと、および熱可塑性材料を有する関連する組成物を提供することが目的である。これらの添加剤は、NIR領域において幅広い吸収特性を有する一方で、経済的に受け入れることができるまたは興味深い費用/特性比を有するべきである。本発明の更なる目的は、既知のIR吸収剤の長期間安定性を顕著に改良する安定剤を提供し、および更なる加工におけるマスターバッチとして熱可塑性ポリマー中に高い濃度で安定剤およびIR吸収剤を有する組成物を提供することである。
驚くべきことに、亜鉛ドープタングステン酸塩は、亜鉛でドープされていない他のタングステン酸塩と比べてポリカーボネート中でより高い熱安定性を有することが見いだされている。
驚くべきことに、亜鉛ドープした、IR吸収タングステン酸塩、特にセシウムタングステン酸塩の熱安定性を、特定の安定剤の添加により更に改良できることが更に見いだされており、本発明の目的は、先行技術から既知の無機ホウ化物系IR吸収剤と比べて可視スペクトル範囲においてより低い固有色を有する亜鉛ドープタングステン酸塩の群からのIR吸収添加剤を有する組成物によりもたらされ、より低い固有色を有する熱可塑性材料をもたらし、特に本発明における実施態様において、無機IR吸収剤は、熱に対するより長期間の安定性のためにホスフィンの群からの安定剤で安定化される。
亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩およびホスフィンの間の相乗効果は、完全に驚くべきことであり、予期せぬことであった。
本発明に係るドープしたタングステン酸塩は、以下の種類の物質である;
Zn(Mは、H,He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、レアメタルの群からの金属、Mg、Zr,Cr,Mn、Fe,Ru、Co,Rh、Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Cd,Al,Ga,In、Tl、Si,Ge,Sn,Pb,Sb,B,F、P,S,Se,Br,Te,Ti、Nb,V,Mo,Ta,Re,Be,Hf,Os、Biから成る群から選択される少なくとも1種の成分;x/y=0.001−1.000;z/y=2.2〜3.0;w=0.001〜0.015)、また、成分H、Cs、Rb,K、Tl、In,Ba,Li,Ca,Sr,FeおよびSnがMとして好ましい。また、これらの要素のうち、Csが最も特に好ましい。亜鉛ドープBa0.33WO、Tl0.33WO、K0.33WO、Rb0.33WO、Cs0.33WO、Na0.33WO、Na0.75WO、およびそれらの混合物がより特に好ましい。
本発明の特定の実施態様において、ZnCs0.33WO(w=0.001〜0.015)を単独で無機IR吸収剤として使用することがとりわけ特に好ましい。0.20〜0.25のCs/W比を有する化合物も同様に既知である。
これに関連して、驚くべきことに、特定の群の安定剤のみが相乗的に活性であり、類似した構造の他の安定剤は、効果を有さないか、または有害であり、IR吸収における更なる減少を加速させることが更に見いだされている。したがって、本発明に関連して、それらのホスフィン形態でのリン系安定剤は、さらに、IR吸収タングステン酸塩を安定させ有益にすることが見いだされており、一方、ホスフィット、ホスホン酸塩または亜ホスホン酸エステルの種類のリン含有安定剤の単独での使用は、ほとんど効果がないか効果がないことが見いだされている。これらの化合物を含有するか形成するホスフェート、リン酸、リン酸誘導体または対応する安定剤が使用される場合、本発明に係るタングステン酸塩に対してより早い損傷をもたらす。
特に、亜鉛ドープタングステン酸塩とトリフェニルホスフィンの組合せが特に有利な特性をもたらすことが見いだされている。
本発明に関連するホスフィンは、一般式Pn+2の化合物、特にPHから誘導され、好ましくは全ての水素原子は、脂肪族および/または芳香族炭化水素基により置換され、芳香族炭化水素基は、更なる置換基、例えばアルキル基を含有できる。ここで、ホスフィンは、1つのリン原子または、関連する脂肪族および/または芳香族炭化水素を介して架橋された複数のリン原子を含有できる。
本発明に関連するホスフィットは、一般構造P(OR)(式中、Rは脂肪族および/または芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基は更なる置換基、例えばアルキル基を含有できる)を有するホスホン酸のエステル(亜リン酸エステルと称される場合もある)を意味するものと理解される。
ホスホネートは、ベース構造R−PO(OH)(式中、Rは脂肪族および/または芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基は更なる置換基、例えばアルキル基を含有できる)から誘導される化合物を意味するものとして理解される。ベース構造のOH基は、OR官能基(式中、Rは脂肪族および/または芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基は更なる置換基、例えばアルキル基を含有できる)と部分的または完全にエステル化でき、または部分的もしくは完全に脱プロトン化でき、負の全体の電荷は対応する対イオンにより補償される。
本発明に関連する亜ホスホン酸エステルは、R−P(OH)型(式中、Rは脂肪族および/または芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基は更なる置換基、例えばアルキル基を含有できる)の亜リン酸のエステル、特に、ジエステルを意味するものと理解される。ここで亜ホスホン酸エステルは、1つのリン原子、または関連する脂肪族および/または芳香族炭化水素を介して架橋された複数のリン原子を含有できる。
本発明に関連して、ホスフェートは、塩、部分もしくは完全なエステル、およびリン酸(HPO)の縮合物を意味するものとして理解される。
従って、本発明の目的は以下のものを含有するポリマー組成物によりもたらされる;
a)透明な熱可塑性プラスチック、好ましくはポリカーボネート、コポリカーボネート、ポリスチレン、スチレンコポリマー、芳香族ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−シクロヘキサンジメタノールコポリマー(PETG)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィン、ポリ−またはコポリメチルメタクリレート、例えばポリメチルメタクリレート、熱可塑性ポリウレタン、より好ましくは、ポリカーボネート、コポリカーボネート、芳香族ポリエステルまたはポリメチルメタクリレート、または記載された成分の混合物、ならびに、特に好ましくは、ポリカーボネートおよびコポリカーボネート、
b)ドープ剤として好ましくは亜鉛、酸化亜鉛でドープされた、タングステン酸塩の群からの少なくとも1種の無機IR吸収剤、特に好ましくはZnCs0.33WO(W=0.001〜0.015)、および
c)本発明による特定の実施態様において所望により添加される少なくとも1種のホスフィン化合物、好ましくはトリフェニルホスフィン(TPP)、トリアルキルフェニルホスフィン、トリナフチルホスフィンまたはビスジフェニルホスフィノエタン、特にトリフェニルホスフィン(TPP)が特に好ましい。
好ましい実施態様において、成分b)におけるCs0.33WOに対する酸化亜鉛の割合は、22.6〜76.4重量%である。
本発明において、ポリマー組成物中の無機IR吸収剤としてタングステン酸塩を安定化させることに基づく問題は、亜鉛ドープタングステン酸塩の安定化、特に長期間の安定化に関して、ホスフィン化合物を使用することによりさらに解決され、このことは、先行技術において全く示されていない。
更に、本発明は本発明に係る組成物の製造法、およびそれらの使用、ならびにそれらから製造される製品を提供する。
本発明に係るタングステン酸塩の粒径は、好ましくは200nm未満、特に好ましくは100nm未満であり、より好ましくは50nm未満であり、粒径は、好ましくは5nmよりも大きく、より好ましくは10nmよりも大きい。特に好ましい実施態様において、粒径は15nmと25nmの間である。粒子は、スペクトルの可視領域において透過性であり、透過性の意味は、光の可視領域におけるIR吸収剤の吸収が、IR領域における吸収と比べて低いこと、および組成物または特定の最終製品の(光の可視領域における)IR吸収剤が、顕著に増加した曇度または透過率において顕著な減少を示さないことを意味する。
この種のタングステン酸塩は、アモルファス、立方晶、正方晶、または六方晶系のタングステンブロンズ構造を有する。ドープタングステン酸塩の製造は、WO2005037932に開示されている。
このような材料を調製するために、例えば、三酸化タングステン、二酸化タングステン酸化タングステンの水和物、タングステン六塩化物、アンモニウムタングステン酸塩またはタングステン酸および亜鉛塩、好ましくは酸化亜鉛、および成分Mを含有する少なくとも1種の更なる塩(例えば、炭酸セシウム)を、各成分のモル比が式ZnWO(w=0.001〜0.15)の式により表されるように、特定の理論混合比で混合する。その後、この混合物を、還元性雰囲気(例えば、アルゴン/水素雰囲気)にて100℃〜850℃の温度で処理し、最後に、得られる粉末を、不活性ガス雰囲気下で550℃〜1200℃の温度で処理する。
本発明に係る無機IR吸収剤ナノ粒子を調製するために、IR吸収剤は、以下に記載の分散剤および更なる有機溶媒、例えば、トルエン、ベンゼンまたは同様の芳香族炭化水素でIR吸収剤を混合し、所望の粒径分布を調整するために、適当なミル、例えば、ボールミルを用い、酸化ジルコニウム(例えば、0.3mmの直径を有する)を添加して破砕できる。ナノ粒子は、分散体の形態で得られる。破砕の後、更なる分散剤を所望により添加できる。溶媒は昇温および減圧条件にて除去される。
粒子サイズ(直径)は、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて測定できる。IR吸収剤ナノ粒子におけるこのような測定は、例えば、Adachi等,JAm.Ceram.Soc.2008,91,2897-2902に記載されている。
透明な熱可塑性物質において使用するために、得られる粒子は、有機マトリックス中、例えば、アクリレート中に分散され、適当な補助物質、例えば二酸化ジルコニウムを使用し、および所望による有機溶媒、例えば、トルエン、ベンゼンまたは同様の炭化水素を用いて、ミル中で上述のようにして所望により破砕される。
適当なポリマー系分散剤は、特に、高い光透過率を有する分散剤、例えば、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステルまたはポリエステルウレタン、ならびに、それらから誘導されるポリマーである。
ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエステル系ポリマーが分散剤として好ましく、ポリアクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレートおよびポリメチルアクリレート(ポリメチル(メタ)アクリレート)とも称される)およびポリエステルが、高温安定性を有する分散剤として特に好ましい。また、これらのポリマーの混合物を使用してもよく、またはアクリレート系のコポリマーを使用してもよい。タングステン酸塩分散体の調製に関する方法およびこのような分散助剤および方法は、例えば、JP2008214596およびAdachi等,JAm.Ceram.Soc.2007,90,4059-4061に記載されている。
本発明に対して適当な分散剤は商業的に入手できる。ポリアクリレート系分散剤が特に適当である。このような適当な分散剤は、例えば、EFKA(登録商標)の商品名、例えば、EFKA(登録商標)4500およびEFKA(登録商標)4530の商品名で、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できる。ポリエステル含有分散剤も同様に適当である。ポリエステル含有分散剤は、Solsperse(登録商標)の商品名、例えば、Solsperse(登録商標)22000、24000SC、26000、27000の商品名でAvecia社から入手できる。ポリエーテル含有分散剤も既知であり、これらは、クスモトケミカル製のDisparlon(登録商標)DA234およびDA325の商品名で既知である。ポリウレタン系のものも適当である。ポリウレタン系のものは、EFKA(登録商標)4046、EFKA(登録商標)4047の商品名でチバスペシャリティーケミカルズ社から入手できる。Texaphor(登録商標)P60およびP63は、コグニスの対応する商品名である。
分散剤中のIR吸収剤の量は、本発明に係る使用される無機IR吸収剤の分散体に基づき、0.2重量%〜80.0重量%、好ましくは1.0重量%〜40.0重量%、より好ましくは5重量%〜35重量%、および最も好ましくは10重量%〜30重量%である。すぐに使用できるIR吸収剤配合物の総組成物は、IR吸収剤の純粋な物質および分散剤に加えて、更なる補助物質、例えば、二酸化ジルコニウム、および残留溶媒、例えば、トルエン、ベンゼンまたは同様の芳香族炭化水素を含有できる。
本発明に係るポリマー組成物中の、本発明に係るIR吸収無機タングステン酸塩の量に関して限定はない。しかしながら、タングステン酸塩は、総ポリマー組成物中の亜鉛−ドープタングステン酸塩の固形分として算出される、0.0001重量%〜10.0000重量%、好ましくは0.001重量%〜1.000重量%、および特に好ましくは0.002重量%〜0.100重量%の量で通常使用される。
本発明の特定の実施態様において、総ポリマー組成物中のタングステン酸塩の固形分として同様に算出される、使用される本発明に係るタングステン酸塩の量は、0.009重量%〜0.020重量%、好ましくは0.012重量%〜0.018重量%である。これに関連するタングステン酸塩の固形分は、他に言及のない限り、純物質としてのタングステン酸塩を意味し、純物質を含有する分散体、懸濁液または他の配合物を意味するものではなく、タングステン酸塩含有量に関する以下のデータもまた、この固形分と常に関係する。
これらの濃度は、2mm〜8mm、好ましくは3.5mm〜7.0mmおよび特に好ましくは4mm〜6mmの厚さを有する最終部品に対して好ましく使用される。
特定の更なる実施態様において、特に、軌道車、および航空機において使用される場合、グレージングの厚さは、8mmよりも大きく、好ましくは9mm〜15mmであることができ、それによって、対応するIR吸収剤および安定剤の濃度は調整される。
更なる実施態様において、IR吸収剤としての本発明に係る亜鉛−ドープタングステン酸塩に加えて、更なるIR吸収剤を付加的に使用でき、しかしながら、このような混合物における留意すべき量および/または特性と関連するこれらの含有量は、上記タングステン酸塩の含有量よりも低い。混合物の場合、2以上5以下および特に好ましくは2または3の異なるIR吸収剤を含有する組成物が好ましい。
更なるIR吸収剤は、好ましくはホウ化物および酸化スズ、特に好ましくはLaBまたはアンチモン−ドープ酸化スズまたはインジウムスズ酸化物の群から好ましく選択される。
本発明の別の実施態様において、本発明の特定の態様において、本発明に係るポリマー組成物は、金属ホウ化物型の無機IR吸収剤、例えば、六ホウ化ランタン、LaBを含有しない。
更なる好ましい実施態様において、付加的なIR吸収剤(類)は、吸収極大に関して、使用されるタングステン酸塩とは異なる吸収スペクトルを有し、それによって、最大吸収領域は最大限カバーされる。
適切な更なる有機赤外吸収剤は、例えばM.Matsuoka、Infrared AbsorbingDyes、Plenum Press、ニューヨーク、1990の中に示されている物質の種類に従って記述される。フタロシアニン、ナフタロシアニン、金属錯体、アゾ染料、アントラキノン、二次酸誘導体、インモニウム染料、ペリレン、クアテレリンおよびポリメチンの分類からの赤外吸収剤が特に適当である。これらのうち、フタロシアニンおよびナフタロシアニンがとりわけ特に適当である。
熱可塑性物質における改良された溶解性のために、立体的に厳しい側鎖、例えば、フェニル、フェノキシ、アルキルフェニル、アルキルフェノキシ、tert−ブチル、(−S−フェニル)、−NH−アリール、−NH−アルキルおよび同様の基を有するフタロシアニンおよびナフタロシアニンが好ましい。
2〜30atom%、好ましくは4〜12atom%のスズ(ITO)または10〜70atm%のフッ素でドープされたインジウム酸化物などの化合物を更に添加できる。
2〜60atom%のアンチモン(ATO)または10〜70atm%のフッ素でドープされた、更なるIR吸収剤としてのスズ酸化物との組合せも特に好ましい。
1〜30atom%、好ましくは2〜10atom%のアルミニウムでドープされた酸化亜鉛、または2〜30atom%のインジウムまたは2〜30atom%のガリウムでドープされた酸化亜鉛が、更に特に適当である。
当業者は、適当な選択により、例えば異なる最大吸収を有する吸収剤を用いることにより、近赤外領域における吸収を最適化できるので、上記赤外吸収剤の混合物が特に適当である。
ホスフィンの選択に関して制限はなく、ホスフィン化合物は、好ましくは、脂肪族ホスフィン、芳香族ホスフィンおよび脂肪族−芳香族ホスフィンを含む群から選択される。
ホスフィン化合物は、第一級、第二級および第三級ホスフィンであることができる。第三級ホスフィンが好ましく使用され、特に芳香族ホスフィンが特に好ましく、第三級芳香族ホスフィンがとりわけ特に好ましい。
本発明における好ましい実施態様において、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリアルキルフェニルホスフィン、ビスジフェニルホスフィノ−エタンまたはトリナフチルホスフィンが使用され、これらのうち、トリフェニルホスフィンがとりわけ特に好ましく、または、これらのホスフィンの混合物が使用される。
種々のホスフィンの混合物も原則として使用できる。
本発明の特定の実施態様において、本発明に係るホスフィン化合物は、ホスフィットもしくはフェノール系酸化防止剤、もしくは最後に記載された化合物の混合物と共に使用される。
更に好ましい実施態様において、本発明に係るIR吸収剤は、熱可塑性ポリマーマトリックス内へ導入される前に、本発明に係るホスフィン安定剤、または本発明に係るホスフィン化合物とホスフィットもしくはフェノール系酸化防止剤もしくは最後に記載した2つの混合物を含有する混合物と混合される。
ホスフィン化合物の調製および特性は当業者によって既知であり、例えば、EP−A0718354および「ウルマンズ工業化学百科事典」第4版、第18巻、第378-398頁、および「Kirk-Othmer,第3版、第17巻,第527-534頁に記載されている。
ポリマー組成物中に存在するホスフィン化合物の量は制限されない。好ましくは、ホスフィンは、総ポリマー組成物の質量に基づき、0.0001重量%〜10.0000重量%、特に好ましくは0.01重量%〜0.20重量%の量で使用される。本発明の特定の実施態様において、ホスフィンは、総ポリマー組成物の質量に基づき、0.05重量%〜0.15重量%の量で使用される。使用されるホスフィン化合物の量に関して、物質は、温度および滞留時間に基づく特定の加工条件下に、酸化されることに注意すべきである。酸化部分は、タングステン酸塩系の無機IR吸収剤を安定化するのにもはや利用できない。したがって、加工工程の数、および個々の加工条件も重要な要素である。
好ましくは、最終製品における酸化されていないホスフィン化合物の量は、>0.01重量%、更に好ましくは>0.02重量%である。
上記ホスフィン安定剤を用いることにより、ポリマーマトリックス中の、本発明における亜鉛−ドープタングステン酸塩IR吸収剤、特にZnCs0.33WO(w=0.001〜0.015)を更に長期間安定させることができ、およびIR吸収における減少を防ぐことができる。トリフェニルホスフィン(TPP)は、ここで、安定剤として特に好ましく使用される。
熱可塑性マトリックスを安定させるために、上記安定化の効果が悪影響を受けない限り、更なるリン系安定剤を使用できる。
ホスフィンは、IR吸収亜鉛−ドープタングステン酸塩を明らかに安定化させ、驚くべきことに、ホスフェート、リン酸、リン酸誘導体または、これらを含有するかこれらの化合物から形成される対応する安定剤が使用される場合、本発明に係るタングステン酸塩のより早い損傷をもたらし、その結果、IR吸収を減少させることが見いだされている。
適当な更なる安定剤は、IR吸収剤の安定性に悪影響を及ぼすことなく上記ホスフィンと併用できる、ホスフィットもしくはフェノール系酸化防止剤、もしくはそれらの混合物である。
商業的に入手できる適当なホスフィット安定剤は、例えば、Irgafos(登録商標)168(tris(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィット/CAS番号31570−04−4)、Irgafos(登録商標)TPP(CAS番号101−02−0)およびIrgafos(登録商標)TNPP(CAS番号26523−78−4)であり、Irgafos(登録商標)168が特に好ましい。
商業的に入手可能な適当なフェノール系酸化防止剤は、例えば、Irganox(登録商標)1076(2,6−ジ−tert−ブチル−4−(オクタデカノキシカルボニルエチル)フェノール)およびIrganox(登録商標)1010(CAS番号6683−19−8)である。
好ましい実施態様において、亜鉛−ドープセシウムタングステン酸塩およびトリフェニルホスフィンならびにIrgafos(登録商標)168の三成分の組合せが好ましい。
更なる実施態様において、亜鉛−ドープセシウムタングステン酸塩、トリフェニルホスフィンおよびIrgafos(登録商標)168、ならびにIrganox(登録商標)1076もしくはIrganox(登録商標)1010(ペンタエリトリトール3−(4−ヒドロキシ−3,5-ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート;CAS番号6683−19−8)の四成分の組み合せが好ましい。
好ましい実施態様において、フェノール系酸化防止剤に対するホスフィット安定剤の割合は、1:10〜10:1、より好ましくは1:5〜5:1、および特に好ましくは4:1である。
所望により使用されるホスフィットの量は、総組成物に基づき、好ましくは0.20重量%〜0.01重量%、特に好ましくは、0.10重量%〜0.20重量%である。所望により使用されるフェノール系酸化防止剤の量は、総組成物に基づき、好ましくは、0.100重量%〜0.001重量%、特に好ましくは0.075重量〜0.025重量%である。
好ましい実施態様において、本発明に係るポリマー組成物は、紫外線吸収剤を更に含有する。本発明に係るポリマー組成物における使用に適当な紫外線吸収剤は、400nm未満で可能な限り低い透過率を有し、および400nm超にて可能な限り高い透過率を有する。このような化合物および調製法は文献において既知であり、例えば、EP−A0839623、WO−A96/15102およびEP−A0500496に記載されている。本発明に係る組成物における使用に特に適当な紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール、トリアジン、ベンゾフェノンおよび/またはアリール化シアノアクリレートである。
特に適当な紫外線吸収剤は、ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール、例えば、2−(3',5'-ビス−(1,1-ジメチルベンジル)-2'-ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標)234、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(tert−オクチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール((Tinuvin(登録商標)329、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)、2−(2'−ヒドロキシ−3'−(2−ブチル)−5'−(tert−オクチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標)350、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)、ビス−(3−(2H−ベンゾトリアゾール)−2−ヒドロキシ−5−tert−オクチル)メタン(Tinuvin(登録商標)360、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)、(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5-トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)−フェノール(Tinuvin(登録商標)1577、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)、ならびにベンゾフェノン2,4-ジヒドロキシ−ベンゾフェノン(Chimasorb(登録商標)22、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)および2−ヒドロキシ−4−(オクチル)−ベンゾフェノン(Chimasorb(登録商標)81、チバ、バーゼル)、2−プロペン酸、2−シアノ−3,3-ジフェニル−2,2-ビス[[(2−シアノ−1−オキソ−3,3−ジフェニル−2−プロペニル)オキシ]−メチル]-1,3-プロパン−ジイルエステル(9CI)(Uvinul(登録商標)3030、BASF AG、ルートウィヒスハーフェン)、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6-ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CGX UVA006、チバスペシャリティーケミカルズ、バーゼル)またはテトラ−エチル−2,2'-(1,4-フェニレン−ジメチリデン)−ビスマロネート(Hostavin(登録商標)B−Cap、クラリアントAG)である。
これらの紫外線吸収剤の混合物も使用できる。
組成物から製造される成形体の適切な透明性とUV放射の所望の吸収が成される限り、組成物中に含有される紫外線吸収剤の量は特に限定されない。本発明の特定の実施態様において、組成物は、総組成物に基づき、0.05重量%〜20.00重量%、特に0.07重量%〜10.00重量%、およびまさに特に好ましくは0.10重量%〜1.00重量%の量で紫外線吸収剤を含有する。
本発明の範囲内の透明な熱可塑性物質は、例えば、エチレン性不飽和モノマーおよび/または二官能反応性化合物の重縮合生成物である。透明な熱可塑性ポリマーの例は、例えば、ジフェノールに基づくポリカーボネートまたはコポリカーボネート、ポリ−またはコポリアクリレートおよびポリ−またはコポリ−メタクリレート、例えば、ポリ−またはコポリ−メチルメタクリレート(例えばPMMA)、ならびに、スチレンとのコポリマー、例えば、透明なポリスチレンアクリロニトリル(PSAN)、あるいは、エチレンおよび/またはプロピレンに基づくポリマー、および芳香族ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、またはポリエチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメタノールコポリマー(PETG)、透明熱可塑性ポリウレタンおよびポリスチレンである。環状オレフィンに基づくポリマー(例えば、TOPAS(登録商標)、Ticonaの製品)も混合できる。
複数の透明な熱可塑性ポリマーの混合物もまた適当である。
特に好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールAに基づくホモポリカーボネート、1,3−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンに基づくホモポリカーボネート、およびビスフェノールAと1,1-ビス−(4−ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンに基づくコポリカーボネートである。
本発明の範囲内のポリカーボネートは、ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートのいずれでもあり、ポリカーボネートは、既知の方法で直鎖または分岐させてもよい。
ポリカーボネートの調製は、ジフェノール、炭酸誘導体、所望による連鎖停止剤および分岐剤から既知の方法で行われる。
ポリカーボネートの調製に関する詳細な情報は、過去40年ほどにわたって、数百もの特許明細書に記録されている。例えば、ここでは以下のものが参照される: Schnell著、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」、Polymer Reviews、第9巻、Interscience Publishers、ニューヨーク、ロンドン、シドニー、1964年;D. Freitag、U. Grigo、P. R. Muller、N. Nouvertne著、バイエル・アクチエンゲゼルシャフト、エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジニアリング中の「ポリカーボネーツ」、第11巻、第2版、1988年、648〜718頁、そして最後に、Dres. U. Grigo、K. Kirchnerおよびピー・アール・ミュラー著、ベッカー/ブラウンの「ポリカーボネーツ」、クンシュトシュトッフ−ハンドブッフ、第3/1巻、ポリカーボネーツ、ポリアセテーツ、ポリエステルズ、セルロースエステルズ、カール・ハンサー・フェルラーク、ミュンヘン、ウィーン、1992年、117〜299頁。
ポリカーボネートの製造において、好適なジフェノールは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ビス-(ヒドロキシフェニル)-アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)-シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)-スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)-エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)-ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)-スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)-スルホキシド、α,α'-ビス(ヒドロキシフェニル)-ジイソプロピルベンゼン、イサチンから誘導されるフタルイミジンまたはフェノールフタレイン誘導体、およびこれらの核-アルキル化および核-ハロゲン化化合物である。
好ましいジフェノールは、4,4'-ジヒドロキシフェニル、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-メタン、2,2-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-スルホン、2,4-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、および1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンである。
特に好ましいジフェノールは、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキサン、および1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンである。
前記ジフェノールおよび更に好適なジフェノールは、例えば、米国特許第3028635号明細書、同第2999835号明細書、同第3148172号明細書、同第2991273号明細書、同第3271367号明細書、同第4982014号明細書および同第2999846号明細書、ドイツ特許出願公開第1570703号公報、同第2063050号公報、同第2036052号公報、同第2211956号公報および同第3832396号公報、フランス特許第1561518号明細書、論文「エイチ・シュネル著、ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、1964年」、並びに特開昭61(1986)−62039号公報、特開昭61(1986)−62040号公報および特開昭61(1986)−105550号公報である。
ホモポリカーボネートの場合、1種類のジフェノールのみを使用するが、コポリカーボネートの場合は、数種類のジフェノールを使用する。
好適な炭酸誘導体は、例えば、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートである。
ポリカーボネートの調製において使用できる好適な連鎖停止剤は、モノフェノールおよびモノカルボン酸である。適当なモノフェノールは、フェノールそのもの、クレゾール、p-tert-ブチルフェノール、クミルフェノール、p-n-オクチルフェノール、p-イソオクチルフェノール、p-n-ノニルフェノールおよびp-イソノニルフェノールなどのアルキルフェノール、p-クロロフェノール、2,4-ジクロロフェノール、p-ブロモフェノール、および2,4,6-トリブロモフェノール、2,4,6-トリヨードフェノール、p−ヨードフェノールなどのハロゲン化フェノール、並びにこれらの混合物である。
好ましい連鎖停止剤は、フェノール、クミルフェノールおよび/またはp−tert−ブチルフェノールである。
適当なモノカルボン酸は、安息香酸、アルキル安息香酸およびハロ安息香酸である。
好ましい連鎖停止剤は、直鎖または分岐状のC1〜C30アルキル基、によりモノ置換または多置換されたフェノール、好ましくはtert−ブチルにより未置換または置換されたフェノールである。
使用される連鎖停止剤の量は、使用される具体的なジフェノールのモル数に基づき、好ましくは0.1〜5モル%である。連鎖停止剤の添加は、ホスゲン化の前、間または後に行える。
適当な分岐剤は、三官能以上の官能価を有するポリカーボネート化学において既知の化合物であり、特に、3以上のフェノール系OH基を有するものである。
適当な分岐剤は、例えば、フロログルシノール、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプト-2-エン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゼン、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、2,2-ビス-[4,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニルイソプロピル)-フェノール、2,6-ビス-(2-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロパン、ヘキサ-(4-(4-ヒドロキシフェニルイソプロピル)-フェニル)-オルトテレフタル酸エステル、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、テトラ-(4-(4-ヒドロキシフェニルイソプロピル)-フェノキシ)-メタン、並びに1,4-ビス-((4',4''-ジヒドロキシトリフェニル)-メチル)-ベンゼンおよび2,4-ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌール酸クロライド、および3,3-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドールである。
任意に使用される分岐剤の量は、用いられる特定のジフェノールのモル数に対して好ましくは0.05モル%〜2.00モル%である。
分岐剤は、ジフェノールおよび連鎖停止剤と共に水性アルカリ相中に仕込まれても、あるいは有機溶媒中に溶解してホスゲン化前に添加されてもよい。エステル交換法の場合、分岐剤は、ジフェノールと共に使用される。
本発明の芳香族ポリカーボネートは、5000〜200000、好ましくは10000〜80000および特に好ましくは15000〜40000の重量平均分子量Mw(ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定され、およびポリカーボネートキャリブレーションを用いて校正する)を有する(これは、ポリスチレン標準試薬を用いる校正によって測定された、約12000〜330000、好ましくは20000〜135000、および特に好ましくは28000〜69000に相当する)。
本発明に係るポリカーボネートは、既知の方法、例えば、界面法または溶融エステル交換法により調製できるが、界面法からのポリカーボネートが好ましい。
本発明に係る安定剤に加えて、本発明に係るポリマー組成物は、更なる常套のポリマー添加剤、例えば、EP−A0839623、WO−A96/15102、EP−A0500496または「プラスチック添加剤ハンドブック」Hans Zweifel, 第5版2000年、ハンサーバーグ、ミュンヘンに記載された、離型剤、防炎加工剤、着色剤、光学的光沢剤を、問熱可塑性物質に対して常套の量で所望により添加できる。本発明の具体的な実施態様において、所望により存在する、組成物が所望により含有する上記の更なる常套のポリマー添加剤は、着色剤が特に好ましい。
好ましくは、更なるポリマー添加剤は、いずれの場合も特定の総ポリマー組成物量に基づき、0重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜1.0重量%の量で使用される。複数の添加剤の混合物も適当である。
本発明の特定の実施態様において、ポリマー組成物は、ホスフェート、リン酸、リン酸誘導体または、これらの化合物を含有するかこれらの化合物から形成される対応する安定剤を含まない。
本発明に関連する着色剤または顔料は、硫黄含有顔料、例えば、カドミウムレッドおよびカドミウムイエロー、鉄シアニド系顔料、例えばベルリンブルー、酸化顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、レッド酸化鉄、ブラック酸化鉄、酸化クロム、チタンイエロー、亜鉛鉄ブラウン、チタンコバルトグリーン、コバルトブルー、銅クロム系ブラックおよび銅鉄系ブラック、またはクロム系顔料、例えばクロムイエロー、フタロシアニン系染料、例えば、銅フタロシアニンブルーおよび銅フタロシアニングリーン、縮合多環状着色剤および顔料、例えば、アゾ系(例えば、ニッケルアゾイエロー)、硫黄インディゴ染料、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、およびキノフタロン誘導化誘導体、アントラキノン系、ヘテロ環系などである。
市販品の具体例は、例えば、MACROLEX(登録商標)ブルーRR、MACROLEX(登録商標)バイオレット3R、MACROLEX(登録商標)バイオレットB(ランクセスAG、ドイツ)、Sumiplast(登録商標)バイオレットRR、Sumiplast(登録商標)バイオレットB、Sumiplast(登録商標)ブルーOR(住友化学)、Diaresin(登録商標)バイオレットD、Diaresin(登録商標)ブルーG、Diaresin(登録商標)ブルーN、(三菱化学)、Heliogen(登録商標)ブルーまたはHeliogen(登録商標)グリーン(BASF AG、ドイツ)である。
これらのうち、シアニン誘導体、キノリン誘導体、アントラキノン誘導体およびフタロシアニン誘導体が好ましい。
本発明に係る組成物に対して特に特に適当な離型剤は、例えば、ペンタエリトリトールテトラステアレート(PETS)またはグリセロールモノステアレート(GMS)およびそれらの炭酸塩、ならびにこれらの離型剤の混合物である。
本発明に係るポリマー組成物の製造法は、当業者に既知である。
熱可塑性物質、亜鉛−ドープタングステン化合物の群からの無機IR吸収剤、および特定の実施態様におけるホスフィン化合物および所望による更なる常套のポリマー添加剤を含有する本発明に係るポリマー組成物の製造は、相互に寄せ集め、混合および各成分の均質化、特に好ましくは剪断力の下、溶融状態で行われる均質化により行われる。相互に寄せ集めることおよび混合は、粉末状の事前混合物を用いて、溶融均質化の前に所望により行われる。
適当な溶媒を用いる混合成分の溶液から調製されている事前混合物を使用することも可能であり、均質化は所望により溶液中で行われ、該溶媒はその後除去されて使用される。
本発明に係る組成物における、特に、IR吸収剤、ホスフィン化合物、紫外線吸収剤および他の添加剤は、既知の方法で導入でき、または、マスターバッチの形態で導入できる。
マスターバッチの使用は、IR吸収剤の導入に特に好ましく、分散剤、好ましくは、ポリアクリレート、ポリエーテル、またはポリエステル系分散剤など、高温安定性を有する好ましい分散剤、例えば、ポリアクリレート(ホモ−またはコ−ポリマー)、例えば、ポリメチルメタクリレート、および/またはポリエステルあるいはそれらの混合物を含有し、更に、補助物質、例えば、二酸化ジルコニウム、および所望による残留溶媒、例えばトルエン、ベンゼンまたは同様の芳香族炭化水素などを含有する、すぐに使用できるIR吸収剤配合物の形態でその内部へIR吸収剤が導入されている、特にポリカーボネートに基づくマスターバッチが特に使用される。関連するIR吸収剤配合物と併用してこのようなマスターバッチを用いることにより、ポリマー組成物中のIR吸収剤の凝集が効果的に妨げられる。
これに関連して、組成物は相互に集められ、混合され、均質化され、その後、常套の装置、例えば、スクリュー型押出し機(例えば、二軸押出し機、TSE)、ニーダー、ブラベンダー(Brabender)またはバンバリー(Banbury)ミルで押出される。押出し後、押出し物は冷却され、破砕される。個々の成分を事前に混合してもよく、その後、残りの出発物質をそれぞれ添加してもよくおよび/または混合物として同様に添加できる。
特定の実施態様において、熱可塑性ポリマーマトリックス内へ導入される前に、本発明に係るIR吸収剤は、本発明に係るホスフィン安定剤、または本発明に係るホスフィン化合物と共にホスフィットおよび/またはフェノール系酸化防止剤もしくは最後に記載の2つの化合物の混合物を含有する混合物と混合され、マスターバッチを形成し、好ましくは、せん断力の下、溶融状態で混合が行われる(例えば、ニーダーまたは二軸押出し機を用いる)。これらの方法は、IR吸収剤が配合される間にすでに保護され、その上損傷を避けることができるという利点をもたらす。マスターバッチを調製するために、最終的な総ポリマー組成物の主な成分を構成する熱可塑性プラスチックが、ポリマーマトリックスとして好ましく選択される。
このように調製されるマスターバッチは、以下のものを含有する;
a.85.00重量%〜98.90重量%、好ましくは93.00重量%〜98.90重量%の、透明な熱可塑性プラスチック;
b.0.10重量%〜2.00重量%の無機IR吸収剤としての亜鉛−ドープタングステン酸塩、好ましくはZnCs0.33WO(w=0.001〜0.015);および
c.1.00重量%〜4.80重量%の分散剤;
d.所望による0.00重量%〜0.20重量%、好ましくは0.01重量%〜0.10重量%の、ホスフィンに基づく安定剤、
e.所望による0.00重量%〜8.00重量%の、少なくとも1種の更なる補助物質および/または添加剤、例えば、二酸化ジルコニウムなど;
ただし、成分a〜eの合計は100重量%である。
好ましい実施態様において、無機IR吸収剤はアクリレートマトリックス中に存在する。更に好ましい実施態様において、透明な熱可塑性物質はポリカーボネートである。さらに好ましい実施態様は、安定剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用いる。
本発明に係るポリマー組成物は、例えば、まず、記載されたようにしてポリマー組成物を押出し、粒状物を形成し、該粒状物を既知の方法で様々な製品または成形体へと適当な方法によって加工することにより、製品または成形体に加工できる。
これに関連して、本発明に係る組成物は、製品または成形体、例えば玩具用の成形物、繊維、フィルム、テープ、シート、例えば、固体シート、多層シート、二層シートまたは波形シートなど、容器、チューブまたはたの異形材へと、熱圧縮、スピニング、ブロー成形、深絞り、押出しまたは射出成形によって変換できる。多層系の使用もまた興味深い。適用は、例えば、共押出しまたは多成分射出成形によって、ベースボディの成形と同時または直後に行うことができる。しかしながら、適用は、例えば、フィルムとのラミネーションまたは溶液を用いるコーティングによって、完成した成形ベースボディへ施してもよい。
しかしながら、基層のシートおよび所望による最上層(最上層類)は、(共)押出しにより好ましく製造される。
押出しに関して、例えば、乾燥などにより、所望により事前に処理されているポリマー組成物は、押出し機へ供給され、押出し機の樹脂加工系中で溶融される。プラスチックの溶融体は、その後、フラットダイまたは多層シートダイを介して押し出されることにより成形され、平滑カレンダーのロールギャップ中で所望の最終的な形態がもたらされ、該形態は、平滑ローラーと周囲空気の交互冷却によって固定される。ポリマー組成物を押出すのに必要な温度は、通常、製造者の指示に従うことができる。ポリマー組成物が、例えば、高い溶融粘度をするポリカーボネート含有する場合、それらは通常、260℃〜350°の溶融温度にて加工され、樹脂加工シリンダーのシリンダー温度とダイ温度は、それにしたがって設定される。
シートダイの前に、1以上の共押出機および多重チャンネルダイまたは所望による適当な溶融アダプターを用いることにより、異なる組成の熱可塑性溶融体を他の組成物の上に配置することができ、それによって、多層シートまたはフィルムを製造できる(共押出しは、例えば、EP−A0110221,EP−A0110238およびEP−A0716919を参照、アダプターおよびダイ加工に関しては、ヨハンナバー及びアスト著「プラスチック機能ガイドブック」ハンサー出版(ドイツ)、2000年;およびプラスチック工業協会編:「共押出フィルム/プレート:将来の展望、要望、設備と生産、品質保全」VDI出版(ドイツ)、1990年を参照)。
本発明に係る好ましい成形品または成形体は、本発明に係る組成物を含有するシート、フィルム、グレージング、例えば自動車窓、軌道車および航空機用の窓、自動車サンルーフ、パノラマルーフ、建築物用のルーフまたはグレージングである。これに関連して、固体シートに加えて、二層シートまたは多層シートも使用できる。本発明に係る更なる成分として、本発明に係る組成物に加えて、本発明に係る製品は、例えば、更なる材料成分を含有できる。例えば、グレージングは、パネルの端部に、シーリング材料を有することができる。例えば、ルーフカバーは、(折りたたみ式またはスライド式のルーフの場合)安全用またはガイド用に使用できる、ねじ、金属ピンなどの金属要素を有することができる。更なる材料は、例えば2成分射出成形によって、本発明による組成物と結合できる。それによって、IR吸収特性を有する対応する構造要素は、例えば接着する役割を果たす端部を備えてもよい。
本発明のポリマー組成物を含有する物品は、4%未満の曇度、好ましくは3%未満、さらに好ましくは2.5%未満、特に好ましくは2%未満の曇度を有し、4%未満の値は、著しい曇りを伴わない。曇度は、ここでは、非エージング製品の初期曇りに基づく。
更に、物品は、好ましくは<80%のTds値を有する(Tds:直達日射透過率;値は、4mmの厚さを有する光カラーサンプルシートにより測定される。総透過率Tdsは、ISO13837、コンピューターによる慣習「A」に従い算出される)。
特定の実施態様において、本発明の組成物から製造される物品はコーティングされる。コーティングは、通常の風化作用(例えば、日光による損傷)および表面への機械的な損傷(例えば、引っ掻き)に対して熱可塑性材料を保護する役割を果たし、それによって、相応に装備された物品の耐性が増加する。
ポリカーボネートは、種々のコーティングを用いることによりUV放射に対して保護できることが知られている。このようなコーティングは、通常、UV吸収剤を含有する。このような層は、同様に、関連する物品の耐引掻き性を増加させる。本発明の物品は、単層または多層系であることができる。それらは片面または両面を被覆できる。好ましい実施態様において、物品はUV吸収剤を含有する耐引掻きラッカーを含む。特定の実施態様において、多層製品は、本発明に係る組成物を含有する少なくとも1種の層、少なくとも1種の耐UV層、および所望による耐引掻きコーティングを含む。
グレージング材料の場合において、物品は、少なくとも1種の耐引掻き性または反射防止コーティングを少なくとも片側に備える。
コーティング、例えば反射防止コーティングを調製することは、種々の方法により行うことができる。例えば、コーティングは蒸着、例えば電子線処理法、抵抗加熱およびプラズマ蒸着または種々のスパッタリング法、例えば、高周波スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリングなど、DC、RF、HCD法を用いるイオンメッキ、反応イオンメッキなど、または化学気相蒸着などの種々の方法により行うことができる。反射防止コーティングはまた、溶液からも施すことができる。したがって、シリコーン系ラッカーの場合、関連するコーティング溶液は、高い反射指数を有する金属酸化物、例えばZrO、TiO,SbまたはWOなどの分散体を介して調製でき、該コーティング溶液はプラスチック物品のコーティングに適し、熱的にまたはUVを用いて硬化できる。
プラスチック物品上に耐引掻きコーティングを製造するための様々な方法が既知である。例えば、エポキシ、アクリル、ポリシロキサン、コロイド状シリカゲルまたは無機/有機材料(ハイブリッド系)に基づくラッカーを使用できる。このような系は、例えば、浸漬法、スピンコーティング、噴霧法またはフローコーティングにより行うことができる。硬化は、熱的またはUV放射を用いて行うことができる。単層または多層系が使用できる。耐引掻きコーティングは、直接施してもよく、または、プライマーを用いる基板表面の調製後に施してもよい。更に、耐引掻きコーティングは、プラズマ支援重合法、例えば、SiOプラズマを用いて施されてもよい。
防曇または反射防止コーティングも同様にプラズマ法によって製造できる。更に、特定の射出成形法、例えば、表面処理フィルムのバック射出などを用いて、得られる成形体に耐引掻きコーティングを更に施すことができる。種々の添加剤、例えば、トリアゾールまたはトリアジンから誘導されるUV吸収剤などは、耐引掻きコーティング中に存在できる。これは、有機性または無機性のIR吸収剤をさらに含有できる。このような添加剤は、耐引掻きラッカー自体に含まれてもよく、プライマー層に含まれてもよい。耐引掻き層の厚さは、1〜20μm、好ましくは2〜15μmである。1μm未満では、耐引掻き層の耐性が満足でない。20μmよりも大きいと、ラッカー中に亀裂がより頻繁に生じる。本発明に記載される、本発明に係る原料物質は、射出成形された物品が製造された後、上記耐引掻きおよび/または反射防止層が好ましく施される。なぜならば、使用の好ましい領域は、窓または自動車グレージング分野だからである。
ポリカーボネートに関して、UV吸収剤を含有するプライマーは、耐引掻きラッカーの接着性を改良するのに好ましく使用される。プライマーは、更なる安定剤、例えば、HALS系(立体障害アミンに基づく安定剤)、接着促進剤、流動改良剤などを含有できる。具体的な樹脂は、数多くの材料から選択でき、例えば、ウルマンズ工業化学百科事典、第5版、第A18,第368-426頁、VCH,Weinheim,1991年に記載されている。ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール系、メラミン系、エポキシおよびアルキド系、またはこれらの混合物が使用できる。樹脂は通常、適当な溶媒(多くの場合アルコール)中に溶解される。選択される樹脂に基づき、硬化は室温または昇温条件にて行うことができる。50℃〜130℃の温度が好ましく使用され、多くの場合、室温にて溶媒の大部分を簡単に除去した後に行われる。商業的に入手可能な系は、例えば、モーメンティブパフォーマンスマテリアル社製の、SHP470、SHP470FT2050およびSHP401である。このようなコーティングは、例えば、US6350512B1、US5869185、EP1308084、WO2006/108520に記載されている。
耐引掻きラッカー(ハード−コート)は、好ましくはシロキサンから構成され、好ましくはUV吸収剤を含有する。これらは、好ましくは浸漬またはフロー法により施される。硬化は、50℃〜130℃の温度で行われる。商業的に入手可能な系は、例えば、モーメンティブパフォーマンスマテリアル社製の、AS4000、SHC5020、およびAS4700である。このような系は、例えば、US5041313、DE3121385、US5391795およびWO2008/109072に記載されている。これらの材料の合成は、通常、酸または塩基触媒条件下、アルコキシ−および/またはアルキルアルコキシ−シランの縮合により行われる。ナノ粒子は、所望により導入される。好ましい溶媒は、アルコール、例えば、ブタノール、イソプロパノール、メタノール、エタノールおよびそれらの混合物である。
プライマー/耐引掻きコーティングの組合せに代わり、1成分ハイブリッド系を使用できる。これらは、例えば、EP0570165またはWO2008/071363あるいはDE2804283に記載されている。商業的に入手可能なハイブリッド系は、例えば、PHC587またはUVHC3000商品名で、モーメンティブパフォーマンスマテリアル社から入手可能である。
本発明は、実施例を用いて以下により詳細に記載され、個々の記載される測定法は、他に示されない限り本発明における対応するパラメータ全てに対して使用される。
メルトボリュームレート(MVR)は、ISO1133(300℃、1.2kg)に従い測定される。
DS値の測定(直達日射透過率)
透過および反射の測定は、フォトメーター球を有するPerkin Elmer Lambda900スペクタルフォトメーターを用いて行った(すなわち、拡散および直接透過と、拡散および直接反射を共に測定することにより、総透過率を算出する)。全ての値は、320nm〜2300nmにて測定した。
総透過率TDSは、ISO 13837、コンピューターによる慣習「A」に従い算出した。
加熱条件でのサンプルの貯蔵は、循環空気オーブン中で行われる。加熱条件での貯蔵は、110℃および120℃にて行われる。TDS値における変化(ΔTDS=TDS528時/1000時−TDS0時)を表1および3に示す。測定値から、TDS0時に基づく、対応値におけるパーセンテージの変化を算出した。結果を、表2および4に示す。
試験片を製造するために、ISO 1033に従い、300℃および1.2kgの荷重にて、12cm/10分のメルトボリューム指数(MVR)を有する、バイエルマテリアルサイエンス製の添加剤を含有しないポリカーボネートMakrolon(登録商標)2608(直鎖ビスフェノールAポリカーボネート)を用いた。
添加剤の配合を、KrausMaffei Berstorff製の形式ZE25二軸押出機を用い、例に記載の添加材量、100rpmの速度にて、260℃のハウジング温度および270℃の溶融温度でおこなった。
粒状物を3時間、真空下、120℃にて乾燥させ、その後、金型温度90℃、300℃の溶融温度にて、25−射出ユニットを有するArburg370型射出成形装置を用いて加工して、60mm×40mm×4mmに測定された着色サンプルシートを形成する。
セシウムタングステン酸塩(Cs0.33WO)分散体(YMDS874住友金属鉱山、日本、アクリレート分散剤)を、比較例におけるIR吸収剤として使用し、分散体中のセシウムタングステン酸塩の固形分は25重量%である。例における重量データは、純物質としてのセシウムタングステン酸塩に関連する。
亜鉛−ドープセシウムタングステン酸塩ZnCs0.33WO(w=0.001〜0.015)を、本発明に係る例におけるIR吸収剤として使用する。分散体中のドープされたセシウムタングステン酸塩の固形分は、25重量%である。例における重量データは、純物質としての亜鉛−ドープセシウムタングステン酸塩に関連する。
好ましくは、ドープしたタングステン酸塩中のZnOに対するCs0.33WOの重量比は77.4:22.6である。
以下の化合物を、無機IR吸収剤を安定させるための安定剤として使用した:
T1:トリフェニルホスフィン(TPP,シグマ−アルドリッヒ、82018、taufkirchen、ドイツ)
T2:Irganox(登録商標)B900(80%のIrgafos(登録商標)168(CAS31570−04−4)および20%Irganox(登録商標)1076(CAS2082−79−3);BASF AG;ルートウィヒスハーフェン)
UV吸収剤:
TINUVIN(登録商標)329(TIN329は以下の通り)(2−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4-トリメチルペンタン−2−イル)フェノール/CAS番号.3147−75−9)BASF AG製(ルートウィヒスハーフェン)を、UV吸収剤として使用した。
離型剤:
ペンタエリトリトールテトラステアレート(コグニス油脂化学工業、デュッセルドルフ)を、離型剤として使用した。
例1(比較例)
Makrolon(登録商標)2608を、上述のようにして、0.015重量%のセシウムタングステン酸塩Cs0.33WO(YMDS874分散体の0.060重量%に相当する)と配合する。加熱状態における貯蔵の結果を表1に示す。
例2(本発明に係る)
Makrolon(登録商標)2608を、上述のようにして、0.015重量%の亜鉛−ドープセシウムタングステン酸塩(亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩分散体の0.060重量%に相当する)と配合する。加熱状態における貯蔵の結果を表1に示す。
例3(比較例)
0.015重量%のセシウムタングステン酸塩Cs0.33WO(YMDS874分散体の0.060重量%に相当する)および0.050重量%のトリフェニルホスフィン(T1)を、上述のような条件の下、Makrolon(登録商標)2608に添加する。
例4(本発明に係る)
Makrolon(登録商標)2608を、上述のようにして、0.015重量%の亜鉛−ドープセシウムタングステン酸塩(亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩分散体の0.060重量%に相当する)および0.050重量%のトリフェニルホスフィン(T1)と配合する。加熱状態における貯蔵の結果を表1に示す。
例5(比較例)
0.015重量%のセシウムタングステン酸塩Cs0.33WO(YMDS874分散体の0.060重量%に相当する)、0.050重量%のトリフェニルホスフィン(T1)、0.200重量%のPETSおよび0.200重量%のTINUVIN(登録商標)329を、上述のような条件の下、Makrolon(登録商標)2608に添加する。
例6(本発明に係る)
0.015重量%の亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩(亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩分散体の0.060重量%に相当する)、0.050重量%のトリフェニルホスフィン(T1)、0.200重量%のPETSおよび0.200重量%のTINUVIN(登録商標)329を、上述のような条件の下、Makrolon(登録商標)2608に添加する。
例7(比較例)
0.015重量%のセシウムタングステン酸塩Cs0.33WO(YMDS874分散体の0.060重量%に相当する)、0.05重量%のトリフェニルホスフィン(T1)および0.050重量%のIrganox(登録商標)B900(T2)を、上述のような条件の下、Makrolon(登録商標)2608に添加する。
例8(本発明に係る)
Makrolon(登録商標)2608を、上述のようにして、0.015重量%の亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩(亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩分散体の0.060重量%に相当する)、0.050重量%のトリフェニルホスフィン(T1)および0.050重量%のIrganox(登録商標)B900(T2)と配合する。
例1〜8から得られる造形品を、110℃にて循環空気オーブン中に貯蔵し、例7および8から得られる造形品を、更に120℃にて貯蔵する。結果を、表1〜4に示す。
Figure 2013526625
Figure 2013526625
Figure 2013526625
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例1と2の比較は、本発明に係る亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩が、ドープしていないタングステン酸塩よりもポリマーマトリックス中で本質的に長期間に亘ってより安定であることを示す。
安定剤T1の添加は、常套のセシウムタングステン酸塩と亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩の両方に、長期間に亘るより安定な特性をもたらす。それでもなお、この効果は、亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩においてより顕著である。このことは驚くべきことであり、予期できなかった。したがって、安定剤T1と亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩を用いることにより、ΔTDs値を、常套のセシウムタングステン酸塩とT1の組合せと比べて、約50%(110℃にて)改めて低くできる。UV吸収剤を用いる本発明に係る同様の組成物もまた、この良好な効果を示す。
加熱状態での貯蔵前の初期値と比較される、本発明に係る組成物のTDs値は、比較例の該値と比べて、加熱状態での貯蔵後により低く増加する。このことは、加熱状態における貯蔵後の良好なIR吸収特性を意味する。
例7および8は、亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩と、本発明に係るホスフィン、ホスフィットおよびフェノール系酸化防止剤の安定剤の組合せとを組合せることにより、IR吸収剤の安定性も、昇温した貯蔵温度(120℃/1000時間)にて著しく改良できることを示す。

Claims (15)

  1. a. 少なくとも1種の透明熱可塑性プラスチック、
    b. 無機IR吸収剤としての亜鉛ドープセシウムタングステン酸塩、および
    c. ホスフィンに基づく所望による少なくとも1種の安定剤
    を含有するポリマー組成物。
  2. 安定剤が、脂肪族ホスフィン、芳香族ホスフィンおよび脂肪族−芳香族ホスフィンから成る群から選択されるホスフィンであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 安定剤が、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリアルキルフェニルホスフィン、ビスジフェニルホスフィノエタン、トリナフチルホスフィンおよびこれらのホスフィンの混合物を含む群から選択されるホスフィンである、請求項2に記載の組成物。
  4. 組成物が、総組成物に基づき、0.01重量%〜0.20重量%の量でホスフィン化合物を含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 組成物が、総組成物に基づき、0.0001重量%〜10.0000重量%(亜鉛ドープタングステン酸塩に基づく固形分)の量で赤外線吸収剤を含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. ホスフィンに加えて、組成物が、ホスフィットから成る群からの少なくとも1種の安定剤およびフェノール系酸化防止剤から成る群からの少なくとも1種の安定剤を含有することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. ホスフィンが(tris(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィット)であり、およびフェノール系酸化防止剤が(2,6−ジ−tert−ブチル−4−(オクタデカノキシカルボニルエチル)フェノール)であることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  8. 透明熱可塑性プラスチック材料がポリカーボネートであることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
  9. 組成物が、更なる成分として、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤および防炎加工剤から成る群からの少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
  10. 以下のものを含有するマスターバッチ:
    a.85.00重量%〜98.90重量%の、透明な熱可塑性プラスチック、
    b.0.10重量%〜2.00重量%の無機IR吸収剤としての亜鉛ドープタングステン酸塩、および
    c.1.00重量%〜4.80重量%の分散剤、
    d.0.00重量%〜0.20重量%の、ホスフィンに基づく安定剤、
    e.0.00重量%〜8.00重量%の、少なくとも1種の更なる補助物質および/または添加剤、
    ただし、成分a〜eの合計は100重量%である。
  11. 無機IR吸収剤がアクリレートマトリックス中に存在し、透明熱可塑性プラスチックがポリカーボネートであり、および安定剤がトリフェニルホスフィンであることを特徴とする、請求項10に記載のマスターバッチ。
  12. ポリマー組成物におけるIR吸収剤としての亜鉛ドープタングステン酸塩を安定化させるためのホスフィンの使用。
  13. ホスフィンがトリフェニルホスフィン(TPP)であり、タングステン酸塩がZnCs0.33WO(w=0.001〜0.015)であり、およびポリマーがポリカーボネートであることを特徴とする、請求項12に記載の使用。
  14. シート、および自動車、軌道車、航空機および建築物のグレージングを製造するための請求項1に記載のポリマー組成物の使用。
  15. 熱可塑性ポリマー組成物における無機IR吸収剤を安定させるための、ホスフィンに基づく安定剤、ならびにホスフィットおよび少なくとも1種のフェノール系酸化防止剤に基づく安定剤を少なくとも含有する安定剤配合の使用。
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