本発明のシステムの実施形態が、本明細書において以下記載されている。実施形態は具体的に記載されており、特定の構成部品パラメータを有している様子が示されているが、本発明のシステムがそれらのパラメータの範囲に限定されないことに留意すべきである。本明細書に記載されている実施形態では、要素の特性が具体的に記載されているが、実施形態のいかなる要素の特性のうちのいずれの特定値も、工学的な公差内で提供されることに留意すべきである。本明細書で利用される工学的な公差は、要素を入手できる範囲内の公差と、設計が所望の機能を実行する範囲内の公差とを含む。
本明細書で使用される「a」は、特に明記しない限り1つまたは複数を意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「ビームスプリッタ」という用語は、入射光線について透過と反射との両方が可能な部分反射光学素子であって、部分反射ミラー、ペリクル、または光学的なコーティングもしくは光学層を含むものを意味するが、これらに限定されない。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「全ビーム(全体ビーム)」という用語は、各出射ビームがその他の出射ビームに対して視覚誤差を示すことのないように、入力および出射の各々における光学ビームの空間的な横断面領域全体(幅および高さなど)からの光を利用することを意味する。例えば、「全ビーム」ビームスプリッタは、入力ビームの横断面全体を2つ以上の出射ビーム部分に分割し、分割されたビーム部分の各々が入力ビームの横断面領域全体からの光を利用する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「ビーム部分」という用語は、例えば、全ビーム広帯域ビームスプリッタや全ビーム広帯域HDRIビームスプリッタなど、ビームスプリッタによって反射されたか、またはビームスプリッタによって透過された光学ビームを意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「光量」という用語は、画像全体を形成する目的で使用される光ビームの放射強度を意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「画像センサ」という用語は、検出器、光学式検出器、センサ、CMOSセンサ、CCDセンサ、線形検出器アレイ、フィルム、セルロイド、またはその他任意の光学的感知媒体または機器を意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「CFA画像センサ」という用語は、カラーフィルタアレイ(CFA)またはカラーフィルタモザイク(CFM)を備えるか、またはこれらと併用される画像センサを意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「プロセッサ」という用語は、コンピュータプロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタルプロセッサ、画像プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、中央処理ユニット(CPU)、画像編集デバイス、映画または映像編集デバイスなどを意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「画像形成ビーム」という用語は、空間中の平面上で収束しており、かつ、有限の距離にわたって妨害または変更が行われない場合にその平面で実画像を形成する、光学的な放射ビームを意味する。
2つの数値について言及する際に、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「同位数内(位数の大きさの範囲内)」という用語は、大きい方の値と小さい方の値との比が10未満であることを意味する。例えば、75および8という数値は、同位数内であるとみなされる。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「対象波長範囲」という用語は、特定のシステムでは、(1)光学部品、レンズ、コーティング、およびビームスプリッタを通過することができ、(2)すべての画像センサによって検出することができる波長値の全範囲を意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「波長平均」という用語は、対象波長範囲を超えて取得された波長依存的な関数のすべての値の平均を意味する。
ビームスプリッタについて言及する際に、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「非2色性の」という用語は、対象波長範囲内のどの波長におけるビームスプリッタの透過率もビームスプリッタの波長平均透過率値の同位数内であり、かつ対象波長範囲内のどの波長におけるビームスプリッタの反射率もビームスプリッタの波長平均反射率値の同位数内であることを意味する。
ビームスプリッタについて言及する際に、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「非偏光性」という用語は、S偏光およびP偏光のビームスプリッタの波長平均透過率値が相互の同位数内であり、かつS偏光およびP偏光のビームスプリッタの波長平均反射率値が相互の同位数内であることを意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「広帯域ビームスプリッタ」という用語は、非偏光性かつ非2色性のビームスプリッタであり、かつ反射および透過ビーム部分が実質的に同一であることから、実質的に同一の画像がその反射および透過ビーム部分によって生成され得るビームスプリッタを意味する。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「広帯域HDRIビームスプリッタ」という用語は、非偏光性かつ非2色性のビームスプリッタであり、かつ反射および透過ビーム部分が光量を除いて実質的に同一であることから、その反射および透過ビーム部分によって生成される画像が光量を除いて実質的に同一であり得るビームスプリッタを意味する。そのため、例えば、広帯域HDRIビームスプリッタによって生成された2つの画像は、一方の画像が他方よりも全体的に暗く見えることを除き、標準的な観察人には概して同一に見える。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される、画像ビームに関して「有効にコリメートされた」という用語は、画像ビームが、約20度未満である最大発散半角または最大収束半角を有することを意味する。すなわち、有効にコリメートされた画像ビーム内の任意の光線の光軸と伝播方向との間の最大角度は、約20度未満である。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「実質的に同一である」という用語は、視線方向、全体的な色成分、空間的な画像構成、空間的構造、幾何収差、回折収差、色収差、幾何学的な画像の歪、光量、焦点、および倍率を含むがこれらに限定されない光学特性上のいかなる差異も、標準的な観察人によって概して識別可能でないように少なくとも十分に小さいことを意味する。例えば、画像間のすべての差異の和が、(a)このシステム画像センサの画素の大きさ、または(b)このシステムの回折エアリーディスクの大きさのうちの大きい方よりも小さい場合に、2つの画像が「実質的に同一である」とみなされる。本発明上、実質的に同一の画像は、軸に対して反射してもよく、かつ/または互いに対して回転してもよく、それでもなお実質的に同一であるとみなしてよい。したがって、例えば、1つの画像が他方の鏡像である場合を除き、標準的な観察人にとって2つの画像が概して同一であるように見える場合には、それらの画像は「実質的に同一である」とみなされる。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「中間画像面」という用語は、先行する光学素子が光に実画像を形成させた空間中の仮想面を意味する。
ビームスプリッタについて言及する際に、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される「薄い」という用語は、ビームスプリッタがこのシステムに加えるいかなる光学収差も、ビームスプリッタが存在しない場合のシステムに固有の収差よりも程度が低くなるか、または小さくなるように、ビームスプリッタの厚さが十分に薄いことを意味する。すなわち、かかるいずれの収差も、所望であれば、システムが実質的に同一の画像を形成できるよう十分に最小化される。
図1Aは、3つの別個の検出器の平面上に3つの空間的に同一の画像を生成するように、単一の結像システムから光を分割するために1対のビームスプリッタを利用する本発明の実施形態100の概略図である。図1Aを参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射110が、結像レンズシステム112に入射する。本発明の本実施形態では、いかなる結像または画像形成レンズシステムを使用してもよい。例えば、ニコン社、オリンパス社、パナビジョン社、またはタレスアンジェニュー社によって製造されたカメラレンズのいずれも、結像レンズシステム112として使用され得る。所望のカメラレンズの後側焦点距離が本発明で使用するには短すぎる場合には、結像レンズシステム112が再結像レンズを任意で含んでもよい。別例として、レンズと口径との組み合わせ全体によって最終的に実画像を形成するのであれば、結像レンズシステム112が、後にオプションの視野絞り(迷光線を遮断するように設計された単なる矩形の口径)、さらにその後に再結像レンズを伴うツァイス社製の映画撮影用カメラレンズを備えてもよい。レンズと口径とのかかる組み合わせを、迷光を遮断したり、カメラレンズだけを使用した場合よりも後側焦点距離を延ばしたりする目的で使用することには、利点があり得る。かかる結像レンズシステム112を備えるレンズと口径の厳密な設計、配置、サイズ決定、および仕様は、レンズ設計および結像レンズシステム補正の当業者にとって一般に容易な事項である。再結像レンズを備える結像レンズシステムなど、かかる結像レンズシステムは、本明細書に開示されたどの実施形態で利用してもよい。
画像形成ビーム114は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム112を出射し、画像形成ビーム114の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ118に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。
ビームスプリッタ118は、薄いものが好ましく、例えば、厚さ0.5mmであって平坦かつ平行な前面と背面とを有するガラスでできていてもよい。または、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。実際には、ビームスプリッタ118の厚さが増加するにつれて、ビームスプリッタ118の傾斜したガラス/空気界面によってもたらされる幾何収差は大きさが増加することから、実質的に同一の画像を形成するように十分に収差を最小化するために、ビームスプリッタ118は薄いのが好ましいということが見出されている。いくつかの実施形態では、一般的な措置として、ビームスプリッタの厚さが、(a)画像センサにおける個々の画素の画素幅と、(b)このシステムの結像レンズシステムまたはフロントレンズの回折点の大きさ、すなわちエアリーディスク径という2つの値のどちらか大きい方の約100倍未満であることが好ましい。
このビームスプリッタ配置により、第1の透過ビーム部分120は、画像を形成する画像センサ116の方に進み、第1の反射ビーム部分122は、第1の反射ビーム部分122に対して好ましくは垂直に方向付けられたビームスプリッタ124の方へと反射され、ビームスプリッタ124に入射する。その結果、第2の透過ビーム部分126が画像センサ128上に画像を形成するのに対し、第2の反射ビーム部分130は、画像センサ134上に画像を形成する第3の透過ビーム部分132を透過するビームスプリッタ118の方に戻る。
画像形成ビーム114の口径食(検出器に到達する一部の光の暗化)を回避するために、結像レンズシステム112の背面とビームスプリッタ118の中心との間の距離D1、ビームスプリッタ118の中心とビームスプリッタ124の中心との間の距離D2、およびビームスプリッタ118の中心と画像センサ134の中心との間の距離D3は、各々画像形成ビーム114の直径の半分以上であることが好ましい。(後述するとおり)焦点のばらつきが所望される場合を除き、画像形成ビーム114が伝播する全光路長は、画像センサ116、128、および134の各々までのその全経路にわたって測定されたときに同一であることが好ましい。その場合、ビームスプリッタ118の中心と画像センサ116の中心との間の距離は、[D3+(2×D2)]に等しく、ビームスプリッタ124の中心と画像センサ128の中心との間の距離は、[D2+D3]に等しい。さらに、結像レンズシステム112の背面とその通常の焦点面との間の距離である後側焦点距離は、[D1+(2×D2)+D3]に略等しいのが好ましい。この場合、次に記載されているとおり、好ましくは光量の違いを除き、各々の画像センサ上に形成される画像は実質的に同一である。
画像センサ116上に形成される画像内に存在する元の画像形成ビーム114の放射強度の部分は、(1−R1−A1)に等しい。式中、R1はビームスプリッタ118の反射率であり、A1はビームスプリッタ118の吸光度である。R1の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。画像センサ128上に形成される画像内に存在する元の画像形成ビーム114の放射強度の部分は、[R1×(1−R2−A2)]に等しい。式中、R2はビームスプリッタ124の反射率であり、A2はビームスプリッタ124の吸光度である。R2の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。画像センサ134上に形成された画像内に存在する元の画像形成ビーム114の放射強度の部分は、[R1×R2×(1−R1−A1)]に等しい。これら3つの式により、画像センサ116、画像センサ128、および画像センサ134間の光量比率のいかなる組も、R1およびR2の適性値を選択することによって実現することができる。
例えば、2:1である画像センサ116と画像センサ128との間の光量比率と、4:1である画像センサ116と画像センサ134との間の光量比率とを実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.50に等しく、最適な反射率値R2は0.50に等しい。あるいは、10:1である画像センサ116と画像センサ128との間の光量比率と、100:1である画像センサ116と画像センサ134との間の光量比率を実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.10に等しく、最適な反射率値R2は0.10に等しい。または、3:1である画像センサ116と画像センサ128との間の光量比率と、5:1である画像センサ116と画像センサ134との間の光量比率を実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.40に等しく、最適な反射率値R2は0.50に等しい。
ビームスプリッタで使用されるコーティングは、非偏光性であることが好ましい。ただし、場合によっては、ビームスプリッタが非偏光性であるとみなされても、ビームスプリッタに固有であり得る偏光効果も減らすのが望ましいことがある。ビームスプリッタの潜在的な偏光効果の緩和を支援するために、入来ビーム110もしくは画像形成ビーム114内、またはカメラレンズ112内の任意の場所に、偏光効果素子136を任意で設置してもよい。使用され得る偏光効果素子136の例としては、四分波長板、半波長板、円偏光子、楕円偏光子、または、線形偏光を乱すか、非線形偏光を有する光に変換する任意の要素を含むがそれらに限定されないその他任意の偏光効果素子のクラスなどがある。この偏光効果素子136は、本明細書に記載されている本発明の実施形態のいずれにも適用可能であり、任意で追加してもよい。
別例では、各画像センサ上の画像の光量が等しいことが有用である。したがって、1:1である画像センサ116と画像センサ128との間の光量比率と、1:1である画像センサ116と画像センサ134との間の光量比率を実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.90に等しく、最適な反射率値R2は0.90に等しい。この場合、3つの画像センサ116、128、および134の各々は、実質的に同一の光量を有する実質的に同一の画像を取り込む。
全3つの画像センサが実質的に同一の光量を有する実質的に同一の画像を取り込むとき、3つの個々の画像センサ116、128、および134の各々の画像取り込みの瞬間は、任意で、3つの画像センサの各々によって連続して取り込まれた個々の動画フレームがインターリーブできる方法で正確に交互に配列することができ、それにより、任意の1つの画像センサの3倍のフレームレートで動画フィルムを提供する。本発明は、より多数の画像センサへと拡大適用してもよく、かかる方法で、1つの個々の画像センサのフレームレートの4、5、6倍以上でフレームレートを増やす目的で使用してもよく、それにより、通常のフレームレートを有するカメラを超高速度カメラとして使用できるようになる。この高速カメラ用途は、本明細書に記載されている本発明の実施形態のすべてに適用可能である。
図1Bは、本発明の実施形態1300の概略図である。図1Bを参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射160が結像レンズシステム162に入射する。画像形成ビーム164は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム162を出射し、画像形成ビーム164の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ168に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。ビームスプリッタ168は、薄いのが好ましく、例えば、厚さ0.5mmであって平坦かつ平行な前面と背面とを有するガラスを備えてもよい。あるいは、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。
このビームスプリッタ配置により、第1の反射ビーム部分176は、画像を形成する画像センサ178の方へと方向付けられ、第1の透過ビーム部分172は、第1の透過ビーム部分172に対して好ましくは垂直に方向付けられたビームスプリッタ174に入射する。その結果、第2の透過ビーム部分170が画像センサ166上に画像を形成するのに対し、第2の反射ビーム部分180は、画像センサ184上に画像を形成する第3の反射ビーム部分182を反射させるビームスプリッタ168の方に戻る。
画像形成ビーム164の口径食(検出器に到達する一部の光の暗化)を回避するために、結像レンズシステム162の背面とビームスプリッタ168の中心との間の距離D1、ビームスプリッタ168の中心とビームスプリッタ174の中心との間の距離D2、およびビームスプリッタ168の中心と画像センサ184の中心との間の距離D3は、各々画像形成ビーム164の直径の半分以上であることが好ましい。(後述するとおり)焦点のばらつきが求められる場合を除き、画像形成ビーム164が伝播する全光路長は、画像センサ166、178、および184の各々までのその全経路にわたって測定されたときに同一であることが好ましい。その場合、ビームスプリッタ168の中心と画像センサ176の中心との間の距離は、[D3+(2×D2)]に等しく、ビームスプリッタ174の中心と画像センサ166の中心との間の距離は、[D2+D3]に等しい。さらに、結像レンズシステム112の背面とその通常の焦点面との間の距離である後側焦点距離は、[D1+(2×D2)+D3]に略等しいのが好ましい。この場合、次に記載されているとおり、好ましくは光量の違いを除き、各々の画像センサ上に形成される画像は実質的に同一である。
画像センサ178上に形成された画像内に存在する元の画像形成ビーム164の放射強度の部分はR1に等しい。式中、R1はビームスプリッタ168の反射率である。R1の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。画像センサ128上に形成された画像に存在する元の画像形成ビーム164の放射強度の部分は、[(1−R1−A1)×(1−R2−A2)]に等しい。式中、A1はビームスプリッタ168の吸光度であり、R2はビームスプリッタ174の反射率であり、A2はビームスプリッタ174の吸光度である。R2の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。画像センサ184上に形成された画像内に存在する元の画像形成ビーム114の放射強度の部分は、[R1×R2×(1−R1−A1)]に等しい。これら3つの式により、画像センサ116、画像センサ128、および画像センサ134間の光量比率のいかなる組も、R1およびR2の適性値を選択することによって実現することができる。
以上のとおり、ビームスプリッタ174が第1の反射ビーム部分176の代わりに第1の透過ビーム部分172を分割することを除き、実施形態1300は、実施形態100と同様である。実施形態1400は、実施形態600の同様の変形例である。そのため、本発明は、本明細書に記載されている実施形態のいずれかのビームスプリッタの順序または配置における同様の変形例によって実現され得る。
図2は、本発明の実施形態200の概略図である。図2を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射210が結像レンズシステム212に入射する。画像形成ビーム214は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム212を出射し、画像形成ビーム214の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ218に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。その結果、第1の透過ビーム部分220は、画像センサ216の方に進み、第1の反射ビーム部分222は、第1の反射ビーム部分222に対して好ましくは垂直に方向付けられたビームスプリッタ224の方へと反射される。その結果、第2の透過ビーム部分226は、ビームスプリッタ224を通過して画像センサ228上に画像を形成する。第2の透過ビーム部分226は、自身に加え、光ビーム210、214、または222も、傾斜したビームスプリッタ218を決して通過しないことから、一般に補正レンズシステムを通過する必要がない。
第1の透過ビーム部分220は、第1の補正レンズシステム240を通過し、補正されたビーム242は、画像センサ216上に画像を形成する。補正レンズシステム240は、良質の画像が画像センサ216上に確実に形成されるように、ビームスプリッタ218と協働し、かつ光ビーム214および220が伝播する特定の距離との関連によって、結像レンズシステム212の特殊性に適応するように設計されていることが好ましい。補正レンズシステム240の厳密な設計は一般に、結像レンズシステム212のデザインと、ビームスプリッタ218の材料および厚さとに依存する。補正レンズシステム240の設計は一般に、レンズ設計および結像レンズシステム補正の当業者にとって容易な事項である。補正レンズシステム240は、反射防止コーティングによってすべての光学面上が被覆されていることが好ましい。
ビームスプリッタ218は、その第1の表面217が広帯域部分反射コーティングによって被覆されていることが好ましく、かつその第2の表面219が反射防止コーティングによって被覆されていることが好ましい。ビームスプリッタ224は、その第1の表面223が部分反射コーティングによって被覆されていることが好ましく、かつその第2の表面225が反射防止コーティングによって被覆されていることが好ましい。
第2の反射ビーム部分230は、ビームスプリッタ218によって透過される。その結果、第3の透過ビーム部分232は、第2の補正レンズシステム248を通過する。補正されたビーム250は、画像センサ234上に画像を形成する。補正レンズシステム248は、良質の画像が画像センサ234上に確実に形成されるように、ビームスプリッタ218と協働し、かつ光ビーム214、222、230、および232が伝播する特定の距離との関連によって、結像レンズシステム212の特殊性に適応するように設計されていることが好ましい。補正レンズシステム248の厳密な設計は、結像レンズシステム212のデザインと、ビームスプリッタ218の材料および厚さとに依存し得る。補正レンズシステム248の設計は一般に、レンズ設計および結像レンズシステム補正の当業者にとって容易な事項である。補正レンズシステム248は、反射防止コーティングによってすべての光学面上が被覆されていることが好ましい。
補正レンズシステム240および248は、一般に空気によって囲まれたガラスの傾斜した平板を備える(または平板と考えることのできる)ビームスプリッタ218を経由した画像形成ビーム214の通過によって誘発される収差(非点収差および/またはコマ収差を含むが、これらに限定されない)を補正することを目的とする。ペリクルおよび他の薄いビームスプリッタは一般に非常に脆弱であることから、補正レンズシステム240および248の存在により、ビームスプリッタ218を厚くし、したがって強度を高めることが可能となる。かかる補正レンズシステムの設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。最適な性能のために、補正レンズシステム240および248は、形態および機能が互いに異なり、各々がその特定の箇所でビームを補正するよう個々に設計されていることが好ましい。ただし、これは本実施形態の機能にとって必須ではなく、形態および/または機能が同一である補正レンズシステム240および248を使用して良好な補正を行うことができる。補正レンズシステム240が、ビームスプリッタ218によって表される傾斜した平坦なガラス板と共に結像レンズシステム212に対して相補的であるように設計されていることが好ましいことから、結像レンズシステム212、ビームスプリッタ218、および第1の補正レンズシステム240は、画像センサ216上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム212、ビームスプリッタ218、および第2の補正レンズシステム248は、画像センサ234上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。画像センサ216、228、および234上に形成される画像は、光量の違い(あるいは後述する焦点の違い)を除き、すべて実質的に同一であることが好ましい。
図3は、本発明の実施形態400の概略図である。図3を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射410が、結像レンズシステム412に入射する。画像形成ビーム414は、結像レンズシステム412を出射し、画像形成ビーム414の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ418に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。その結果、第1の透過ビーム部分420は、画像センサ416の方にその経路を進み、第1の反射ビーム部分422は、ビームスプリッタ424の方へと反射される。ビームスプリッタ418を通過した後に、第1の透過ビーム部分420は、画像センサ416上に第1のサブ画像を形成する。次に、第1の反射ビーム部分422は、第1の反射ビーム部分422に対して好ましくは垂直に方向付けられたビームスプリッタ424に入射する。その結果、第2の透過ビーム部分426は、ビームスプリッタ424を通過して画像センサ428上に画像を形成する一方で、第2の反射ビーム部分430は、ビームスプリッタ418を通過する。その結果、第3の透過ビーム部分432は、画像センサ434上に画像を形成する。
ビームスプリッタ424は、平行な光学面を有する平坦なガラスまたはプラスチックの窓を備えることが好ましく、あるいは、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタ備えてもよい。ビームスプリッタ424は、その第1の表面423が部分反射コーティングによって被覆されていることが好ましく、かつその第2の表面425が反射防止コーティングによって被覆されていることが好ましい。ビームスプリッタ418はまた、その前面417上が広帯域部分反射コーティングによって被覆されており、その背面419上が反射防止コーティングによって被覆されていることが好ましい。本実施形態400では、ビームスプリッタ418が、平坦な前面417と湾曲した背面419とを備えることが好ましい。湾曲した背面419の厳密な形状は、2つの透過された画像形成ビーム部分420および432に対してビームスプリッタ418によって与えられる収差を補正する(または少なくとも部分的に補正する)ように設計されていることが好ましい。これにより、ビームスプリッタ418を厚くし、したがって強度を高めることが可能となる一方で、実施形態200で使用されたもののような補正レンズシステムの必要性を無くすことができる。かかる補正レンズ形状の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
図4は、本発明の実施形態1100の概略図である。図4を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射460が、結像レンズシステム462に入射する。画像形成ビーム464は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム462を出射し、画像形成ビーム464の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ468に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。ビームスプリッタ468を通過した後に、第1の透過ビーム部分470は、画像センサ466上に画像を形成し、第1の反射ビーム部分472は、第1の反射ビーム部分472に対して好ましくは垂直に方向付けられたビームスプリッタ474の方に反射されてビームスプリッタ474に入射する。その結果、第2の透過ビーム部分476は、ビームスプリッタ474を通過して画像センサ478上に第2の画像を形成する一方で、第2の反射ビーム部分480は、ビームスプリッタ468を通過する。その結果、第3の透過ビーム部分482は、画像センサ484上に画像を形成する。
ビームスプリッタ474は、平行な光学面を有する平坦なガラスまたはプラスチックの窓を備えることが好ましく、その第1の表面473上が部分反射コーティングによって被覆されていることが好ましく、その第2の表面475上が反射防止コーティングによって被覆されていることが好ましい。あるいは、ビームスプリッタ474は、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。ビームスプリッタ468は、2つの異なるガラス種がアクロマティックダブレットレンズを形成するように一体的に接着または固定されたものと同様の方法で一体的に接着された2つの異なるガラス種を備えていることが好ましい。かかる接着されたダブレットビームスプリッタを使用することによって得られる利点は、色収差を補正するのに役立つようにビームスプリッタを設計できるということである。かかるアクロマティックダブレットの設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。あるいは、3つ以上の異なるガラス種を一体的に接着してトリプレット(またはより多くの素子数の)レンズを形成してもよい。
ビームスプリッタ468は、平坦な前面467と湾曲した背面469とを備えることが好ましい。背面469の厳密な形状は、それが2つの画像形成透過ビーム部分470および482に対してビームスプリッタ468によって与えられる収差を補正する(または、少なくとも部分的に補正する)ように設計されていることが好ましい。かかる補正レンズ形状の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。ビームスプリッタ468は、その前面467上が広帯域部分反射コーティングによって被覆されており、その背面469上が反射防止コーティングによって被覆されていることが好ましい。
幾何学的な配置が似ていることから、実施形態100の反射率式は、実施形態200、400、および1100にも適用され得る。
図5Aは、本発明の実施形態600の概略図を示す。図5Aを参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射610は、結像レンズシステム612に入射する。いかなる結像レンズシステムが本発明の本実施形態で使用されてもよい。例えば、ニコン社、オリンパス社、パナビジョン社、またはタレスアンジェニュー社によって製造されたカメラレンズのいずれかが、結像レンズシステム612として使用されてもよい。画像形成光614は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム612を出射し、画像形成ビーム614の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ618に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。ビームスプリッタ618に入射する画像形成ビーム614は、部分的に反射され、部分的に透過される。第1の反射ビーム部分622は、画像センサ628上に画像を形成する。第1の透過ビーム部分620は、好ましくは、第1の透過ビーム部分620の経路に対して45度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度、ビームスプリッタ618に対して90度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度で方向付けられたビームスプリッタ624に入射する。このビームスプリッタ配置の結果、第2の反射ビーム部分632は、画像センサ634上に第2の画像を形成する。第2の透過ビーム部分626は、画像センサ616上に画像を形成する。
ビームスプリッタ618、624は、薄いことが好ましい。それらは、例えば厚さ0.5mmであって、平坦かつ平行な前面と背面とを有するガラスを備えてもよく、あるいは、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。実際には、実質的に同一の画像を保証するために、各ビームスプリッタ618、624のそれぞれの厚さは、(a)画像センサ616における個々の画素の画素幅、または(b)結像レンズシステム612の回折点の大きさ、すなわちエアリーディスク径という2つの値のうちのどちらか大きい方の約100倍未満であることが好ましいということが見出されている。この厚さ制約の理由は、ビームスプリッタ618、624の厚さが増すにつれて、ビームスプリッタ618、624の傾斜したガラス/空気界面によってもたらされる幾何収差が増大するというものである。
本実施形態600では、画像形成ビーム614の口径食を回避するために、結像レンズシステム612の背面とビームスプリッタ618の中心との間の距離D1が、画像形成ビーム614の直径の半分以上であることが好ましい。ビームスプリッタ618の中心とビームスプリッタ624の中心との間の距離D2は、画像形成ビーム614の直径以上であることが好ましい。ビームスプリッタ624の中心と画像センサ616の中心との間の距離D3は、画像形成ビーム614の直径の半分以上であるのが好ましい。大半の用途について、画像形成ビーム614が伝播する全光路長は、画像センサ628、616、および634の各々までのその全経路にわたって測定されたときに同じであるのが好ましい。したがって、ビームスプリッタ618の中心と画像センサ628の中心との間の距離は、(D3+D2)に等しいのが好ましく、ビームスプリッタ624の中心と画像センサ634の中心との間の距離は、D3に等しいのが好ましい。さらに、結像レンズシステム612の背面とその通常の焦点面との間の距離である後側焦点距離は、(D1+D2+D3)にほぼ等しいのが好ましい。この場合、次に記載されているとおり、好ましくは光量の違いを除き、各々の画像センサ上に形成される画像は実質的に同一である。
元の画像形成ビーム614の放射強度のうち、画像センサ628上に形成される画像内に存在する部分はR1に等しい。式中、R1はビームスプリッタ618の反射率である。R1の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。元の画像形成ビーム614の放射強度のうち、画像センサ634上に形成される画像内に存在する部分は、[R2×(1−R1−A1)]に等しい。式中、A1はビームスプリッタ618の吸光度であり、R2はビームスプリッタ624の反射率である。R2の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。元の画像形成ビーム614の放射強度のうち、画像センサ616上に形成される画像内に存在する部分は、[(1−R2−A2)×(1−R1−A1)]に等しい。式中、A2はビームスプリッタ624の吸光度である。これらの3つの式により、画像センサ628、634、および616の間の光量比率のいかなる組も、R1およびR2の適性値を選択することによって実現され得る。
例えば、2:1である画像センサ628と画像センサ634との間の光量比率と、4:1である画像センサ628と画像センサ616との間の光量比率とを実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.5714に等しく、最適な反射率値R2は0.6667に等しい。あるいは、10:1である画像センサ628と画像センサ634との間の光量比率と、100:1である画像センサ628と画像センサ616との間の光量比率を実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.901に等しく、最適な反射率値R2は0.909に等しい。または、3:1である画像センサ628と画像センサ634との間の光量比率と、5:1である画像センサ628と画像センサ616との間の光量比率を実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.6522に等しく、最適な反射率値R2は0.6249に等しい。
別例では、1:1である画像センサ628と画像センサ634との間の光量比率と、1:1である画像センサ628と画像センサ616との間の光量比率とを実現することが所望され、かつ2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.3333に等しく、最適な反射率値R2は0.50に等しい。本例では、3つの画像センサ628、634、および616の各々が、実質的に同一の光量を有する画像を取り込む。
全3つの画像センサが実質的に同一の光量を有する画像を取り込むとき、上述のような等しい光路の制約とは対照的に、画像形成ビーム614が伝播する全光路長は、焦点の違いを除いて実質的に同一の3つの画像を同時に取り込む装置を提供するために、画像センサ628、616、および634の各々までのその全経路にわたって測定されたときに意図的にわずかに異なるように形成されてもよい。したがって、同じシーンは、異なる焦点を各々有する複数の画像で同時に取り込まれる。1つの用途において、カメラマンは、シーンの撮影中またはパン撮り中に焦点を変える必要がなく、焦点変化(すなわち、第1の焦点を有する1つの画像から第2の焦点を有する別の画像への切り替え)を後処理時に行うことができるであろう。この用途は、本明細書に記載されている実施形態のいずれかによって達成され得るものの、互いに90度に配置された2つのビームスプリッタを有する実施形態(すなわち、図5、図6、図7、図13、および図17に示す実施形態)によって実行する方が容易である。(ただし、図17では、光ビームが光路長の大部分にわたってコリメートされることから、各画像センサの異なる焦点は、全光路長によってではなく、各画像センサと対応する結像レンズとの間の距離によって決定される。あるいは、各結像レンズが、各画像センサと対応する結像レンズとの間の距離が同じであっても異なる焦点を提供するように適切に設計されていてもよい。)
図5Bは、本発明の実施形態1400の概略図を示す。図5Bを参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射1110は、結像レンズシステム1112に入射する。画像形成光1114は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム1112を出射し、画像形成ビーム1114の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ1118に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。ビームスプリッタ1118に入射する画像形成ビーム1114は、部分的に反射され、部分的に透過される。第1の透過ビーム部分1120は、画像センサ1116上に画像を形成する。第1の反射ビーム部分1122は、好ましくは、第1の反射ビーム部分1122の経路に対して45度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度、ビームスプリッタ1118に対して90度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度で方向付けられたビームスプリッタ1124に入射する。このビームスプリッタ配置の結果、第2の反射ビーム部分1132は、画像センサ1134上に第2の画像を形成する。第2の透過ビーム部分1126は、画像センサ1128上に画像を形成する。
ビームスプリッタ1118、1124は、薄いことが好ましい。それらは、例えば厚さ0.5mmであって、平坦かつ平行な前面と背面とを有するガラスを備えてもよく、あるいは、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。
本実施形態1400では、画像形成ビーム1114の口径食を回避するために、結像レンズシステム1112の背面とビームスプリッタ1118の中心との間の距離D1が、画像形成ビーム1114の直径の半分以上であるのが好ましい。ビームスプリッタ1118の中心とビームスプリッタ1124の中心との間の距離D2は、画像形成ビーム1114の直径以上であるのが好ましい。ビームスプリッタ1124の中心と画像センサ1128の中心との間の距離D3は、画像形成ビーム1114の直径の半分以上であるのが好ましい。大半の用途について、画像形成ビーム1114が伝播する全光路長は、画像センサ1128、1116、および1134の各々までのその全経路にわたって測定されたときに同じであるのが好ましい。したがって、ビームスプリッタ1118の中心と画像センサ1116の中心との間の距離は、(D3+D2)に等しいのが好ましく、ビームスプリッタ1124の中心と画像センサ1134の中心との間の距離は、D3に等しいのが好ましい。さらに、結像レンズシステム1112の背面とその通常の焦点面との間の距離である後側焦点距離は、(D1+D2+D3)にほぼ等しいのが好ましい。この場合、次に記載されているとおり、好ましくは光量の違いを除き、各々の画像センサ上に形成される画像は実質的に同一である。
元の画像形成ビーム1114の放射強度のうち、画像センサ1116上に形成される画像内に存在する部分は、(1−R1−A1)に等しい。式中、R1はビームスプリッタ1118の反射率であり、A1はビームスプリッタ1118の吸光度である。R1の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。元の画像形成ビーム1114の放射強度のうち、画像センサ1134上に形成される画像内に存在する部分は、[R2×R1]に等しい。式中、R2はビームスプリッタ1124の反射率である。R2の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。元の画像形成ビーム1114の放射強度のうち、画像センサ1128上に形成される画像内に存在する部分は、[(1−R2−A2)×R1]に等しい。式中、A2はビームスプリッタ1124の吸光度である。これら3つの式により、画像センサ1128、1134、および1116の間の光量比率のいかなる組も、R1およびR2に関する適性値を選択することによって実現され得る。
図6は、本発明の実施形態700の概略図である。図6を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射710が、結像レンズシステム712に入射する。画像形成光714は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム712を出射し、画像形成光ビーム714の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ718に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。その結果、第1の反射ビーム部分722が、画像センサ728の方に反射されて画像センサ728上に画像を形成する。第1の透過ビーム部分720は、好ましくは、第1の透過ビーム部分720の経路に対して45度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度、ビームスプリッタ718に対して90度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度で方向付けられたビームスプリッタ718に入射し、第2の透過ビーム部分726と第2の反射ビーム部分732とを形成する。
ビームスプリッタ718は、その第1の表面717が広帯域部分反射コーティングによって被覆されているのが好ましく、かつその第2の表面719が反射防止コーティングによって被覆されているのが好ましい。同様に、ビームスプリッタ724は、その第1の表面723上が部分反射コーティングによって被覆されているのが好ましく、その第2の表面725上が反射防止コーティングによって被覆されているのが好ましい。
次に、第2の透過ビーム部分726が補正レンズシステム740を通過し、補正されたビーム742が画像センサ716上に画像を形成する。補正レンズシステム740は、良質の画像が画像センサ716上に確実に形成されるように、光ビーム部分714、720、および726が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム712の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。補正レンズシステム740の厳密な設計は、結像レンズシステム712のデザインと、ビームスプリッタ718および724の材料および厚さとに依存する。具体的には、補正レンズシステム740は、各々がガラスの傾斜した平板を備えてもよく、または平板と考えられ得るビームスプリッタ718および724を通過した画像形成ビーム714の、通過によって誘発される収差を補正することを目的としている。補正レンズシステム740は、反射防止コーティングによってすべての光学面上が被覆されているのが好ましい。補正レンズシステム740の設計は、レンズ設計および結像レンズシステム補正の当業者にとって容易な事項である。
第2の反射ビーム部分732は、補正レンズシステム748を通過し、補正されたビーム750は、画像センサ734上に画像を形成する。補正レンズシステム748は、良質の画像が画像センサ734上に確実に形成されるように、光ビーム部分714、722、および732が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム712の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。補正レンズシステム748の厳密な設計は、結像レンズシステム712のデザインと、ビームスプリッタ718の材料および厚さとに依存する。具体的には、補正レンズシステム748は、ビームスプリッタ718を経由した画像形成ビーム714の通過によって誘発される収差を補正することを目的としている。補正レンズシステム748は、反射防止コーティングによってすべての光学面上が被覆されているのが好ましい。補正レンズシステム748の設計は、レンズ設計および結像レンズシステム補正の当業者にとって容易な事項である。
最適な性能のために、補正レンズシステム740および748は、形態および機能が互いに異なっており、各々がその特定の箇所でビームを補正するように個々に設計されているのが好ましい。ただし、これは本発明の機能に必須というわけではなく、補正レンズシステム740および748の形態が同一であれば、良好な補正を行うことが可能である。補正レンズシステム740は、ビームスプリッタ718および724からなる有効な傾斜した平坦なガラス板と共に結像レンズシステム712に対して相補的であるように設計されているのが好ましい。このようにして、結像レンズシステム712、ビームスプリッタ718、ビームスプリッタ724、および補正レンズシステム740は、画像センサ716上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム712、ビームスプリッタ718、および補正レンズシステム748も、画像センサ734上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。画像センサ728、716、および734上に形成される画像は、後述するとおり、光量または焦点の違いを除き、互いに実質的に同一であるのが好ましい。
図7は、本発明の実施形態1200の概略図である。図7を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射660が、結像レンズシステム662に入射する。画像形成光ビーム664は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム662を出射し、画像形成光ビーム664の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ668に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。その結果、第1の反射ビーム部分672は、画像センサ678の方に反射されて画像センサ678上に画像を形成する。第1の透過ビーム部分670は、第1の透過ビーム部分670の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ418に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。その結果、第2の透過ビーム部分676は、画像センサ666上に画像を形成し、第2の反射ビーム部分682が画像センサ684の方に反射されて画像センサ684上に画像を形成する。
ビームスプリッタ668は、好ましくは広帯域部分反射コーティングを備える平坦な前面667と、好ましくは反射防止コーティングを備える湾曲した背面669とを備えるのが好ましい。湾曲した背面669の厳密な形状は、第1の透過ビーム部分670に対してビームスプリッタ668によって与えられる収差を補正する(または少なくとも部分的に補正する)ように設計されているのが好ましい。ビームスプリッタ674は、好ましくは部分反射コーティングを備える湾曲した前面673と、好ましくは反射防止コーティングを備える湾曲した背面675とを備えるのが好ましい。前面673は、任意で平坦であってもよい。湾曲した前面673および湾曲した背面675の厳密な形状は、ビームスプリッタ674が第2の透過ビーム部分676に対してビームスプリッタ668および674によって与えられる収差を補正する(または、少なくとも部分的に補正する)ように設計されているのが好ましい。湾曲した前面673および湾曲した背面675の厳密な設計は、結像レンズシステム662のデザインと、ビームスプリッタ668の材料および厚さと、ビームスプリッタ668の湾曲した背面669のデザインとに依存する。
ビームスプリッタ668の背面669およびビームスプリッタ674の前面673および背面675は、良質で良好に補正された画像が画像センサ666および684上に確実に同時に形成されるように、ビーム部分664、670、676、および682が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム662の特殊性に協調して適応するようにすべて設計されているのが好ましい。これらの補正面により、ビームスプリッタ668および674を厚くすることができ、したがって頑健性を高められるようになる一方で、実施形態700で使用された補正レンズシステムなど、補正レンズシステムの必要性を無くすこともできる。かかる補正レンズ形状の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
最適な性能のために、補正面669、673、および675の形態および機能が互いに異なり、各々がその特定の箇所でビームを補正するように個々に設計されているが好ましい。ただし、これは本発明の機能に必須というわけではなく、表面669、673、および675の形態が同一であれば、良好な補正を行うことができる。なお、背面669が、ビームスプリッタ668によって表される傾斜した平坦なガラス板と、ビームスプリッタ674の前面673および背面675と共に結像レンズシステム662に対して相補的であるように設計されているのが好ましい。このようにして、結像レンズシステム662、ビームスプリッタ668、およびビームスプリッタ674は、画像センサ666上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム662、ビームスプリッタ668、およびビームスプリッタ674の前面673は、画像センサ684上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。画像センサ678、666、および684上に形成される画像は、互いにすべて実質的に同一であるのが好ましい。
実施形態1100と同様に、ビームスプリッタ668および674の一方または両方が、2つの異なるガラス種を一体的に接着または固定してアクロマティックダブレットレンズを形成する方法と同様の方法で一体的に接着された2つの異なるガラス種を任意で備えてもよい。かかる接着されたダブレットビームスプリッタを使用することによって得られる利点は、色収差を補正するのに役立つようにビームスプリッタを設計できるということである。かかるアクロマティックダブレットの設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。あるいは、3つ以上の異なるガラス種を一体的に接着してトリプレット(またはより多くの素子数の)レンズを形成してもよい。
幾何学的な配置が似ていることから、実施形態600の反射率式は、実施形態700および1200にも適用され得る。
図8は、本発明の一実施形態300の概略図である。本実施形態300の基本的な機能は実施形態100の基本的な機能と同一であることから、光路について改めて詳説はしない。図8を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム312に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射310が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。
結像レンズシステム312を通過した後、次に光は、それが固体プリズム314、318、および324を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム312の特殊性に適応するように好ましくは設計されている光学補正レンズシステム313を通過する。具体的には、厚いガラスを好ましくは備えるプリズム314、318、および324が、色収差と球面収差とを画像形成ビーム部分319、325、および327にもたらすことから、光学補正レンズシステム313の主な機能は、反対方向に同量の収差を加えることであり、それによって画像形成ビーム部分319、325、および327がすべて光学的に良好に補正され、それらすべてが高解像度の画像を確実に形成する。全3つのビーム部分についての全光路長は同一であるのが好ましいことから、1つの任意の補正レンズシステムだけが全3つのビーム部分に必要とされる。補正レンズシステム313の設計は、レンズ設計およびレンズシステム適応の当業者にとって容易な事項である。結像レンズシステム312が固体プリズム314、318、および324の存在と関連付けて設計される場合には、一般に任意の補正レンズシステム313を含む必要がない。
図9に示すとおり、補正レンズシステム313は、空隙があるダブレットを備えるのが好ましい。補正レンズシステム313を備える個々のレンズ素子352および354は、それらの中心の光軸350に対して回転対称であるのが好ましい。レンズ素子352は、ショットガラス社製のN−SF11など、ナトリウムd線波長(nd)が1.7847に等しい屈折率と、ナトリウムd線波長(Vd)が25.680に等しいアッベ分散値とを有するガラスを備えるのが好ましい。レンズ素子352は、31.0mmの端直径と、4.00mmの中心厚さ(回転の中心光軸350に沿って測定)とを有するのが好ましい。レンズ素子354は、ショットガラス社製のN−SF57など、ナトリウムd線波長(nd)が1.8467に等しい屈折率と、ナトリウムd線波長(Vd)が23.780に等しいアッベ分散値とを有するガラスを備えるのが好ましい。レンズ素子354は、28.0mmの端直径と、3.00mmの中心厚さ(回転の中心光軸350に沿って測定)とを有するのが好ましい。
レンズ素子352および354の光学面の形状は、平坦な非球面であるのが好ましく、各平坦な非球面の表面凹状曲線は、次に示す平坦な非球面凹状曲線式によって求められる。
式中、cは曲率(mmの単位を有する曲率半径の逆数)であり、rはmmでの動径座標であり、kは円錐定数であり、α4、α6、α8およびα10は、それぞれ、4乗、6乗、8乗、および、10乗の多項式の項における係数である。レンズ素子352の第1の表面356の形状は、184.504mmの曲率半径と、−286.156の円錐定数と、α4=2.718e−6mm−3と、α6=−6.116e−8mm−5と、α8=1.211e−10mm−7と、α10=−3.542e−13mm−9とを有する凸上の平坦な非球面であるのが好ましい。レンズ素子352の第2の表面358の形状は、−56.021mmの曲率半径と、−3.062の円錐定数と、α4=6.891e−6mm−3と、α6=−9.066e−8mm−5と、α8=3.541e−10mm−7と、α10=−8.330e−13mm−9とを有する凸上の平坦な非球面であるのが好ましい。レンズ素子354の第1の表面360の形状は、−43.175mmの曲率半径と、5.173の円錐定数と、α4=5.363e−5mm−3と、α6=−2.496e−7mm−5と、α8=1.650e−9mm−7と、α10=−3.862e−12mm−9とを有する凹上の平坦な非球面であるのが好ましい。レンズ素子352の第2の表面362の形状は、383.586mmの曲率半径と、−5000.0の円錐定数と、α4=3.810e−5mm−3と、α6=−2.671e−7mm−5と、α8=1.656e−9mm−7と、α10=−4.221e−12mm−9とを有する凹上の平坦な非球面であるのが好ましい。
結像レンズシステム312の背面側の取り付け面とレンズ素子352との間の中心厚さ(回転の中心光軸350に沿って測定)は、15.0mmであるのが好ましい。レンズ素子352とレンズ素子354との間の中心厚さ(回転の中心光軸350に沿って測定)は、4.088mmであるのが好ましい。レンズ素子354とガラスプリズム314の前面315との間の中心厚さ(回転の中心光軸350に沿って測定)は、3.0mmであるのが好ましい。
図8を再度参照すると、プリズム314の前面315は反射防止コーティングを備えるのが好ましく、部分反射コーティング316は、プリズム314の背面に塗布されているのが好ましい。部分反射コーティング316は、波長または偏光にかかわらずすべての光の13%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の77%を透過するのが好ましい。かかる部分反射コーティングは、例えばニューポート社のカタログ品番MB.1など、すべての可視波長とすべての偏光状態とで一定の透過率を提供するハイブリッド金属・誘電体コーティング技術を使用して蒸着されるのが好ましい。
プリズム318は、プリズム314の背面上の部分反射コーティング316と接触して設置されるのが好ましく、部分反射コーティング316に固定されるのが好ましい。あるいは、部分反射コーティング316がプリズム318の前面に塗布されていてもよく、その後コーティングおよびプリズムがプリズム314の背面に固定される。反射防止コーティングがプリズム318の背面317に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分319は、プリズム314、部分反射コーティング316、およびプリズム318によって透過され、例えばシリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ320上に画像を形成する。
部分反射コーティング322が、プリズム314の側面またはプリズム324の前面のどちらかに塗布されており、その後2つのプリズムは、一体的に固定されるのが好ましい。部分反射コーティング322は、波長または偏光にかかわらずすべての光の84%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の6%を透過するのが好ましい。かかる部分反射コーティングは、例えばニューポート社のカタログ品番MB.1など、すべての可視波長とすべての偏光状態で一定の透過率を提供するハイブリッド金属・誘電体コーティング技術を使用して蒸着されるのが好ましい。反射防止コーティングが、ガラスプリズム324の出射面323に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分325は、プリズム314によって透過され、部分反射コーティング316に反射し、プリズム314、部分反射コーティング322、およびプリズム324によって再度透過され、シリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ326上に画像を形成する。
画像センサ328は、ガラスプリズム318の側面329に設置されている。反射防止コーティングが側面329に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分327は、シリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ328上に画像を形成する。
部分反射コーティング316および322は、比較的薄いビームスプリッタを備えるのが好ましく、プリズムが一体的に固定される(したがって空隙を残さない)のが好ましいことから、傾斜したコーティング316によって収差がもたらされない。
図10Aは、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスでできているプリズム314の傾斜図を示す。プリズム314は、25.4mmに等しい長さ(「L1」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W1」で明示)と、25.4mmに等しい高さ(「H1」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい背面角(「θ1」で明示)とを有するのが好ましい。
図10Bは、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスでできているプリズム318の傾斜図を示す。プリズム318は、50.8mmに等しい長さ(「L1+L2」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W2」で明示)と、25.4mmに等しい高さ(「H2」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい背面角(「θ2」で明示)とを有するのが好ましい。
図10Cは、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスでできているプリズム324の傾斜図を示す。プリズム324は、25.4mmに等しい長さ(「L3」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W3」で明示)と、25.4mmに等しい高さ(「H3」で明示)とを有するのが好ましい。
上述したとおり、本実施形態に記載された寸法、材料、および他の特性は、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製の大型フィルムカメラレンズに特有のものである。他の結像レンズシステムでは、異なる寸法、材料、および特性が適用可能である。幾何学的な配置が似ていることから、実施形態100の反射率式は、本実施形態300にも適用され得る。
図11Aは、y−z平面で示された本発明の実施形態500の側面図の概略図である。図中、z方向は、元の光学的な放射510が伝播する方向と定義される。y方向は、z方向に対して垂直であるものと定義され、図中では上方を向いている。x方向は、yおよびz方向の両方に対して垂直であるものと定義され、したがって図の面内を向いている。図11Bは、x−z平面で示された本発明の実施形態500の上面図の概略図である。図中、x方向は、z方向に対して垂直であるものと定義され、図中では上方を向いている。y方向は、xおよびz方向の両方に対して垂直であるものと定義され、したがって図の面外を向いている。図11Cは、x−y平面で示された本発明の実施形態500の端面図の概略図である。図12は、本発明の実施形態500の傾斜図の透視概略図である。実施形態500の基本的な機能およびレイアウトは、2つのビームスプリッタが追加され、それに伴って2つの追加画像が形成された実施形態300の基本的な機能およびレイアウトと同様であることから、光路について改めて詳説はしない。
図11A〜図11Cおよび図12を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射510が結像レンズシステム512に入射する。本実施形態に関する記述の中で引用された寸法、材料、および他の特性に関して、結像レンズシステム512は、80mmの焦点距離とf/2.8のf値とを有するハッセルブラッド社製の市販の大型フィルムカメラレンズであるのが好ましい。ただし、異なる寸法、材料、および特性が異なる結像レンズシステムで使用されてもよい。結像レンズシステム512を通過した後、光は次に補正レンズシステム513を通過する。任意の補正レンズシステム513は、実施形態300における任意の補正レンズシステム313と形態および機能が同一である。ビーム分割立方体514は、任意の補正レンズシステム513の遠位端に設置されている。ビーム分割立方体514および本実施形態の他のビーム分割立方体は、ニューポート社製の型番10BC17MB.1など、各辺が好ましくは25.4mmであり、その前面515およびその底面529の両方に塗布された反射防止コーティングを好ましくは備える市販の広帯域非偏光ビーム分割立方体と形態および機能が同様であるのが好ましい。ビーム分割立方体514は、好ましくは標準のハイブリッド金属・誘電体反射コーティング技術を使用して実現される内部の部分反射ビームスプリッタコーティング516を備えるのが好ましい。ビームスプリッタコーティング516の反射率は1.0%であるのが好ましく、ビームスプリッタコーティング516の透過率は89.0%であるのが好ましい。ハイブリッド金属・誘電体コーティングが全入射光の約10%を吸収するのが一般的である。
ビーム分割立方体518は、図示のとおりビーム分割立方体514の背面に固定されるのが好ましく、各辺が25.4mmであるのが好ましく、その背面517およびその側面534の両方に塗布された反射防止コーティングを備えるのが好ましい。ビーム分割立方体518は、10.0%の反射率と80.0%の透過率とを好ましくは有する内部の部分反射ビームスプリッタコーティング521を備えるが好ましい。ビーム分割立方体524は、図示のとおりビーム分割立方体514の上面に固定されるのが好ましく、各辺が25.4mmであるのが好ましく、その上面523およびその側面535の両方に塗布された反射防止コーティングを備えるのが好ましい。ビーム分割立方体524は、1.0%の反射率と89.0%の透過率とを好ましくは有する内部の部分反射ビームスプリッタコーティング536を備えるが好ましい。ビーム分割立方体514、518、および524を組み立て、固定する前に、ビームスプリッタコーティング522が、ビーム分割立方体514の上面におよび/またはビーム分割立方体524の底面に塗布されているのが好ましい。ビームスプリッタコーティング522は、10.0%の反射率と80.0%の透過率を有するのが好ましい。
ビーム分割立方体518の背面517を出射した画像形成ビーム部分519は、画像センサ520上に画像を形成する。背面517と画像センサ520との間の中心厚さは、5.0mmであるのが好ましい。ビーム分割立方体514の底面529を出射した画像形成ビーム部分527は、画像センサ528上に画像を形成する。底面529と画像センサ528との間の中心厚さは、5.0mmであるのが好ましい。ビーム分割立方体524の上面523を出射した画像形成ビーム部分525は、画像センサ526上に画像を形成する。上面523と画像センサ526との間の中心厚さは、5.0mmであるのが好ましい。ビーム分割立方体518の側面534を出射した画像形成ビーム部分531は、画像センサ532上に画像を形成する。側面534と画像センサ532との間の中心厚さは、5.0mmであるのが好ましい。ビーム分割立方体524の側面535を出射した画像形成ビーム部分533は、画像センサ530上に画像を形成する。側面535と画像センサ530との間の中心厚さは、5.0mmであるのが好ましい。したがって、本実施形態の4つのビーム分割コーティング516、521、522、536は、同時に5つの別個の画像を生成するように構成されている。ただし本発明は、実際には、単にある個数のビームスプリッタを追加または削除するだけで、任意の数のサブ画像を形成するように拡大適用(または縮小適用)されてもよい。
本実施形態では、5つの画像センサ520、528、526、532、および530上に形成された画像が、第1のビーム分割立方体514の前面515から5つの画像センサの各々までとられる光路がすべて異なる透過率レベルを提供するという事実により、光量の違いを除いて実質的に同一である。より具体的には、画像センサ520上に画像を形成する画像形成ビーム部分519が、ビームスプリッタコーティング516および521によって透過され、したがって前面515で放射強度の71.200%を含む。画像センサ528上に画像を形成する画像形成ビーム部分527は、コーティング516および522に反射され、その後コーティング516によって透過され、したがって前面515で放射強度の0.089%を含む。画像センサ526上に画像を形成する画像形成ビーム部分525は、コーティング516に反射され、その後コーティング522および536によって透過され、したがって前面515で放射強度の0.712%を含む。画像センサ532上に画像を形成する画像形成ビーム部分531は、ビームスプリッタコーティング516によって透過され、コーティング521に反射され、したがって前面515で放射強度の8.900%を含む。画像センサ530上に画像を形成する画像形成ビーム部分533は、ビームスプリッタコーティング516に反射され、コーティング522によって透過され、その後コーティング536に反射され、したがって前面515で放射強度の0.008%を含む。
換言すれば、画像センサ530上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/8900の光量を有する。画像センサ528上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/800の光量を有する。画像センサ526上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/100の光量を有する。そして画像センサ532上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/8の光量を有する。したがって、各種画像センサ上に形成される画像は、絞り12段分を超える露光量における全範囲について、1つの画像センサから次のセンサまでの光量が、写真絞り約3段分だけ異なる。
あるいは、ビームスプリッタコーティング516、521、536、および522の反射率の値は、5つの画像センサ520、528、526、532、および530上に形成される画像にいかなる変量の光量をも提供するように変えてもよい。例えば、コーティング516の反射率が6.0%であり、コーティング516の透過率が84.0%であり、コーティング521の反射率が18.0%であり、コーティング521の透過率が72.0%であり、コーティング536の反射率が5.0%であり、コーティング536の透過率が85.0%であり、コーティング522の反射率が20.0%であり、コーティング522の透過率が70.0%である場合、画像センサ530上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/228の光量を有する。第2の画像センサ528上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/60の光量を有する。画像センサ526上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/17の光量を有する。そして画像センサ532上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/4の光量を有する。したがって、本例では、各種画像センサ上に形成される画像が、絞り8段分を超える露光量における全範囲について、1つの画像センサから次の画像センサまでの光量が、写真絞り約2段分だけ異なる。
別例では、コーティング516の反射率が25.0%であり、コーティング516の透過率が65.0%であり、コーティング521の反射率が30.0%であり、コーティング521の透過率が60.0%であり、コーティング536の反射率が30.0%であり、コーティング536の透過率が60.0%であり、コーティング522の反射率が57.0%であり、コーティング522の透過率が33.0%である場合、画像センサ530上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/16の光量を有する。第2の画像センサ528上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/4の光量を有する。画像センサ526上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/8の光量を有する。かつ、532上に形成される画像は、画像センサ520上に形成される画像の1/2の光量を有する。したがって、本例では、各種画像センサ上に形成される画像が、絞り4段分を超える露光量における全範囲について、1つの画像センサから次の画像センサまでの光量が、写真絞り約1段分異なる。
一般に、画像センサ520上に画像を形成する画像形成ビーム部分519の光量は、コーティング516の透過率を乗じ、コーティング521の透過率を乗じたビーム分割立方体514の前面515における放射強度に等しい。画像センサ528上に画像を形成する画像形成ビーム部分527の光量は、コーティング516の反射率を乗じ、コーティング522の反射率を乗じ、コーティング516の透過率を乗じた前面515における放射強度に等しい。画像センサ526上に画像を形成する画像形成ビーム部分525の光量は、コーティング516の反射率を乗じ、コーティング522の透過率を乗じ、コーティング536の透過率を乗じた前面515における放射強度に等しい。画像センサ532上に画像を形成する画像形成ビーム部分531の光量は、コーティング516の透過率を乗じ、コーティング521の反射率を乗じた前面515における放射強度に等しい。画像センサ530上に画像を形成する画像形成ビーム部分533の光量は、コーティング516の反射率を乗じ、コーティング522の透過率を乗じ、コーティング536の反射率を乗じた前面515における放射強度に等しい。
図13は、本発明の実施形態800の概略図である。実施形態800の基本的な配置、機能、およびレイアウトは、実施形態600と同様であることから、光路について改めて詳説はせず、実施形態600の反射率式は本実施形態800にも適用され得る。図13を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射810が結像レンズシステム812に入射する。本実施形態に関する記述の中で引用された寸法、材料、および他の特性に関して、結像レンズシステム812は、80mmの焦点距離とf/2.8のf値とを有するハッセルブラッド社製の市販の大型フィルムカメラレンズであるのが好ましい。ただし、異なる寸法、材料、および特性が異なる結像レンズシステムで使用されてもよい。
結像レンズシステム812を通過した後、光は次に、好ましくは厚いガラスを備えるプリズム814、818、および824を通って伝播するのに最適であるように結像レンズシステムから出射した光を事前補正するために、結像レンズシステム812の特殊性に適応するように好ましくは設計されている補正レンズシステム813を通過する。具体的には、厚いガラスプリズムが色および球面収差を画像形成ビーム部分819、825、および827にもたらすことから、補正レンズシステム813の主な機能は、反対方向に同量の収差を加えることであり、それによって画像形成ビーム部分819、825、および827がすべて光学的に良好に補正され、高解像度の画像を確実に形成する。補正レンズシステム813の設計は、レンズ設計およびレンズシステム適応の当業者にとって容易な事項である。図14に示すとおり、補正レンズシステム813は、空隙があるダブレットを備えるのが好ましい。補正レンズシステム813を備える2つの個々の補正レンズ素子852および854は、それらの中心の光軸850に対して回転対称であるのが好ましい。レンズ素子852、854、それらの表面856、858、860、862、および関連する中心厚さは、上述した補正レンズシステム313のものと同一である。
図13を再度参照すると、プリズム814は、結像レンズシステム812および補正レンズシステム813の出射端の近くに位置しており、その前面815上に反射防止コーティングを備えるのが好ましい。部分反射型ビーム分割コーティング816が、角を成す背面プリズム814に塗布されている。コーティング816は、波長または偏光にかかわらずすべての光の81%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の9%を透過するのが好ましく、標準のハイブリッド金属・誘電体反射コーティング技術を使用して実現されるのが好ましい。プリズム818が、第1のガラスプリズム814の背面に塗布されたコーティング816に接触して設置され、コーティング816に固定されるのが好ましい。あるいは、コーティング816が、代わりに/さらにプリズム818の前面に塗布されていてもよい。したがって、プリズム814および818は、一体的に接着されるか、またはビームスプリッタコーティング816に取り付けられる。同様に、部分反射ビームスプリッタコーティング822が、プリズム818の背面およびプリズム824の前面の一方または両方に塗布されている。コーティング822は、波長または偏光にかかわらずすべての光の81%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の9%を透過するのが好ましい。プリズム818および824は、コーティング822がそれらの間に位置するように一体的に固定、接着、または取り付けられるのが好ましい。
画像センサ826は、プリズム814の背面823の近くに位置している。画像形成ビーム部分825は、画像センサ826上に画像を形成する。反射防止コーティングがプリズム814の背面823に塗布されているのが好ましい。画像センサ820は、プリズム824の出射面817の近くに位置している。画像形成ビーム部分819は、画像センサ820上に画像を形成する。反射防止コーティングがプリズム824の出射面817に塗布されているのが好ましい。画像センサ828は、プリズム818の側面829の近くに位置している。画像形成ビーム部分827は、画像センサ828上に画像を形成する。反射防止コーティングがプリズム818の側面829に塗布されているのが好ましい。各画像センサは、シリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを備えるのが好ましい。
図15Aは、好ましくは矩形体積を有し、ショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスを好ましくは備え、25.4mmに等しい長さ(「L1」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W1」で明示)と、50.8mmに等しい高さ(「H1」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい背面角(「θ1」で明示)とを好ましくは有するプリズム814の傾斜図を示している。プリズム814の前面815上の反射防止コーティングは、25.4mmの高さ(「H2」で明示)を有するのが好ましい。
図15Bは、好ましくは矩形体積を有し、ショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスを好ましくは備え、50.8mmに等しい長さ(「L1+L3」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W2」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい前面角(「θ2」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい背面角(「θ3」で明示)とを好ましくは有するプリズム818の傾斜図を示している。
図15Cは、好ましくは矩形体積を有し、ショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスを好ましくは備え、25.4mmに等しい長さ(「L3」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W3」で明示)と、25.4mmに等しい高さ(「H3」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい前面角(「θ4」で明示)とを好ましくは有するプリズム824の傾斜図を示している。
本発明は、先の実施形態の集束している画像ビーム(すなわち画像形成ビーム)とは対照的に、有効にコリメートされた画像ビームに塗布されてもよい。図16は、本発明の実施形態900の概略図である。図16を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射910が、例えばカメラレンズを備え得る結像レンズシステム912に入射する。結像レンズシステム912の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。結像レンズシステム912は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。画像形成光902は、結像レンズシステム912を出射し、中間画像面904で画像を形成する。結像レンズシステム912が非テレセントリックである場合に生じ得る「口径食」を最小化するために、任意で、視野レンズ906が中間画像面904と実質的に一致して設置されていてもよい。視野レンズ906の必要性についての判断および視野レンズ906の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。視野レンズ906は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。
発散光908は、中間画像面904(およびオプションの視野レンズ906)を出射し、次に、画像ビーム914を有効にコリメートするように好ましくは設計、設置、および方向付けされた視準レンズシステム911に入射する。視準レンズシステム911は、発散光908の発散を制限する。制限しないと、発散が大きすぎて一部の光がビームスプリッタ918に当たらない可能性がある。この事象は、例えば、結像レンズシステム912を1のf段(f/1)など、低いf値に設定するのが所望される場合に発生し得る。成形光学部品を備え得る視準レンズシステム911の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。視準レンズシステム911は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。有効にコリメートされた画像ビーム914は、有効にコリメートされた画像ビーム914の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ918に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。ビームスプリッタ918は、その第1の表面917が広帯域部分反射コーティングによって被覆されているのが好ましく、かつその第2の表面919が反射防止コーティングによって被覆されているのが好ましい。あるいは、ビームスプリッタ918は、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。
次に、第1の透過ビーム部分920は、画像センサ916上に画像を形成する画像形成ビーム部分942へと第1の透過ビーム部分920を焦点合わせする結像レンズシステム940を通過する。結像レンズシステム940は、良質の画像が第1の画像センサ916上に確実に形成されるように、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、ビームスプリッタ918、ならびに光ビーム902、908、914、920、および942が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム912の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。結像レンズシステム940の厳密な設計は、結像レンズシステム912、オプションの視野レンズ906、および視準レンズシステム911の厳密な設計と、ビームスプリッタ918の材料および厚さとに依存する。結像レンズシステム940は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。結像レンズシステム940は、(傾斜した平坦なガラス板を備え得る)ビームスプリッタ918の傾斜した空気/ガラス界面を光ビームが通過することによって誘発される収差を補正するように任意で設計されていてもよい。ただし、その領域における画像ビームが視準レンズ911およびオプションの視野レンズ906によって有効にコリメートされていることから、これらの収差は一般に小さい。結像レンズシステム940の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
次に、第1の反射ビーム部分922は、第1の反射ビーム部分922に対して好ましくは垂直に方向付けられたビームスプリッタ924に入射する。ビームスプリッタ924は、その第1の表面923が部分反射コーティングによって被覆されているのが好ましく、かつその第2の表面925が反射防止コーティングによって被覆されているのが好ましい。あるいは、ビームスプリッタ924は、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。次に、第2の透過ビーム部分926は、結像レンズシステム944を出射して画像センサ928上に画像を形成する画像形成ビーム部分946を焦点合わせする結像レンズシステム944を通過する。結像レンズシステム944は、良質の画像が画像センサ928上に確実に形成されるように、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、ビームスプリッタ925、ならびに光ビーム902、908、914、922、926、および946が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム912の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。結像レンズシステム944の厳密な設計は、結像レンズシステム912、オプションの視野レンズ906、および視準レンズシステム911の厳密な設計と、ビームスプリッタ925の材料および厚さとに依存する。結像レンズシステム944は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。結像レンズシステム944の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
第2の反射ビーム部分930は、ビームスプリッタ918に入射する。その結果、第3の透過ビーム部分932が作成され、画像センサ934上に画像を形成する画像形成ビーム部分950を焦点合わせする結像レンズシステム948を通過する。結像レンズシステム948は、良質の画像が画像センサ934上に確実に形成されるように、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、ビームスプリッタ918、ならびに光ビーム902、908、914、922、930、932、および950が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム912の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。結像レンズシステム948の厳密な設計は、結像レンズシステム912、オプションの視野レンズ906、および視準レンズシステム911の厳密な設計と、ビームスプリッタ918の材料および厚さとに依存する。結像レンズシステム948は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。結像レンズシステム948は、(傾斜した平坦なガラス板を備え得る)ビームスプリッタ918の傾斜した空気/ガラス界面を光ビームが通過することによって誘発される収差を補正するように任意で設計されていてもよい。ただし、その領域における画像ビームが視準レンズ911およびオプションの視野レンズ906によって有効にコリメートされていることから、これらの収差は一般に小さい。結像レンズシステム948の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
最適な性能のために、結像レンズシステム940、944、および948の形態および機能が互いにすべて異なり、各々がその特定の箇所で光線を補正するように個々に設計されているのが好ましい。ただし、これは本発明の機能に必須というわけではなく、形態および/または機能が同一である結像レンズシステムを使用して良好な機能を有することは可能である。
結像レンズシステム940は、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、およびビームスプリッタ918と共に結像レンズシステム912に対して相補的であるように設計されているのが好ましい。このようにして、結像レンズシステム912、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、ビームスプリッタ918、および結像レンズシステム940は、画像センサ916上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム912、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、ビームスプリッタ925、および結像レンズシステム944は、画像センサ928上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム912、オプションの視野レンズ906、視準レンズシステム911、ビームスプリッタ918、および結像レンズシステム948は、画像センサ934上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。画像センサ916、928、および934上に形成される画像は、一般に光量または焦点の違いを除き、互いにすべて実質的に同一であるのが好ましい。
有効にコリメートされた画像ビームを使用することには、上述した利点(小さい収差、f値の低い結像レンズ)がある。ただし、有効にコリメートされた画像ビームを使用するには、結像レンズ940、944、および948を含む必要があることから、視準レンズ911が存在しない場合と比較してシステムの複雑度が増す。本実施形態では、視準レンズ911の後、画像ビームが、結像レンズ944、940、948に達するまで有効にコリメートされる。
画像センサ916、928、934上に形成される画像が、(任意で光量または焦点の違いを除き)本実施形態において互いにすべて実質的に同一であるのが好ましいものの、結像レンズシステム940、944、948は、異なる倍率を任意で有してもよく、それにより、単一の結像レンズシステム912全体を通じて複数の異なるズーム量と複数の異なる視野とを提供する全体の結像システムを提供する。
幾何学的な配置が似ていることから、実施形態100の反射率式は、本実施形態900にも適用され得る。
図17は、本発明の実施形態1000の概略図である。図17を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射1010が、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が好ましくは被覆されている結像レンズシステム1012に入射する。結像レンズシステム1012の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。画像形成光ビーム1002は、結像レンズシステム1012を出射し、中間画像面1004で画像を形成する。視野レンズ1006が、任意で、中間画像面1004と実質的に一致して配置されてもよい。視野レンズ1006は、すべての場合において厳密に必須であるというわけではないが、視野レンズは、「口径食」の最小化を支援する目的で使用されることが多い。オプションの視野レンズ1006は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。視野レンズ1006の必要性についての判断および視野レンズ1006の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
発散光1008は、中間画像面1004(およびオプションの視野レンズ1006)を出射し、次に、視準レンズシステム1011を出射した光ビーム1014が有効にコリメートされた画像ビームであるように好ましくは設置および方向付けされた視準レンズシステム1011に入射する。視準レンズシステム1011は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。コリメートされた光ビームを使用する利点および不利点は、先の実施形態で上述されている。視準レンズシステム1011の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
有効にコリメートされた画像ビーム1014は、光ビーム1014の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ1018に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。ビームスプリッタ1018は、その第1の表面1017が広帯域部分反射コーティングによって被覆されているのが好ましく、かつその第2の表面1019が反射防止コーティングによって被覆されているのが好ましい。あるいは、ビームスプリッタ1018は、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。
次に、第1の反射ビーム部分1022は、良質の画像が画像センサ1028上に確実に形成されるように、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、ならびに光ビーム1002、1008、1014、1022、および1046が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム1012の特殊性に適応するように好ましくは設計されている結像レンズシステム1044を通過する。結像レンズシステム1044の厳密な設計は、結像レンズシステム1012、オプションの視野レンズ1006、および視準レンズシステム1011の厳密な設計に依存する。結像レンズシステム1044は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。結像レンズシステム1044の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。第1の画像形成ビーム部分1046は、結像レンズシステム1044を通過し、結像レンズシステム1044によって焦点合わせされた後に、画像センサ1028上に画像を形成する。
第1の透過ビーム部分1020は、好ましくは、第1の透過ビーム部分1020の経路に対して45度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度、ビームスプリッタ1018に対して90度の角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい角度で方向付けられたビームスプリッタ1024に入射する。ビームスプリッタ1024は、その第1の表面1023が部分反射コーティングによって被覆されているのが好ましく、かつその第2の表面1025が反射防止コーティングによって被覆されているのが好ましい。あるいは、ビームスプリッタ1024は、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。
次に、第2の透過ビーム部分1026は、ビームを焦点合わせする結像レンズシステム1040を通過して、画像センサ1016上に画像を形成する第2の画像形成ビーム部分1042を形成する。結像レンズシステム1040は、良質の画像が画像センサ1016上に確実に形成されるように、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、ビームスプリッタ1018、ビームスプリッタ1024、ならびに光ビーム1002、1008、1014、1020、1026、および1042が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム1012の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。結像レンズシステム1040の厳密な設計は、結像レンズシステム1012、オプションの視野レンズ1006、および視準レンズシステム1011の厳密な設計に依存し、ビームスプリッタ1018および1024の材料および厚さにも依存する。結像レンズシステム1040は、反射防止コーティングによってすべての透過光学面が被覆されているのが好ましい。結像レンズシステム1040は、(傾斜した平坦なガラス板を各々備え得る)ビームスプリッタ1018および1024の傾斜した空気/ガラス界面を光ビームが通過することによって誘発される収差を補正するように任意で設計されていてもよい。ただし、その領域における画像ビームが視準レンズ1011およびオプションの視野レンズ1006によって有効にコリメートされていることから、これらの収差は一般に小さい。結像レンズシステム1040の設計は、レンズ設計の当業者にとって容易な事項である。
第2の反射ビーム部分1032は、結像レンズシステム1048を通過し、結像レンズシステム1048によって焦点合わせされ、第3の画像形成ビーム部分1050は、画像センサ1034上に画像を形成する。結像レンズシステム1048は、良質の画像が画像センサ1034上に確実に形成されるように、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、ビームスプリッタ1018、ならびに光ビーム1002、1008、1014、1020、1032、および1050が伝播する特定の距離との関連によって結像レンズシステム1012の特殊性に適応するように設計されているのが好ましい。結像レンズシステム1048の厳密な設計は、結像レンズシステム1012、オプションの視野レンズ1006、および視準レンズシステム1011の厳密な設計に依存し、ビームスプリッタ1018の材料および厚さにも依存する。結像レンズシステム1048は、反射防止コーティングによってすべての光学面が被覆されているのが好ましい。結像レンズシステム1048は、(傾斜した平坦なガラス板を各々備え得る)ビームスプリッタ1018および1024の傾斜した空気/ガラス界面を光ビームが通過することによって誘発される収差を補正するように任意で設計されていてもよい。ただし、その領域における画像ビームが視準レンズ1011およびオプションの視野レンズ1006によって有効にコリメートされていることから、これらの収差は一般に小さい。結像レンズシステム1048の設計は、レンズ設計および結像レンズシステム補正の当業者にとって容易な事項である。
最適な性能のために、結像レンズシステム1040、1044、および1048の形態および機能が互いに異なり、各々がその特定の箇所でビームを補正するように個々に設計されているのが好ましい。ただし、これは本発明の機能に必須というわけではなく、形態が同一である結像レンズシステムを使用して良好な補正を行うことが可能である。結像レンズシステム1040は、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、ビームスプリッタ1018、およびビームスプリッタ1024(そのどちらかまたは両方が傾斜した平坦なガラス板を備えてもよい)と共に結像レンズシステム1012に対して相補的であるように設計されているのが好ましい。このようにして、結像レンズシステム1012、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、ビームスプリッタ1018、ビームスプリッタ1024、および結像レンズシステム1040は、画像センサ1016上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム1012、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、および結像レンズシステム1044は、画像センサ1028上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。同様に、結像レンズシステム1012、オプションの視野レンズ1006、視準レンズシステム1011、ビームスプリッタ1018、および結像レンズシステム1048は、画像センサ1034上に良好な画像を生成する結像システムを集合的に形成する。画像センサ1028、1016、および1034上に形成される画像は、用途に応じて、光量または焦点の違いを除き、互いにすべて実質的に同一であるのが好ましい。
結像レンズシステム1040、1044、1048の各々は、異なる倍率を提供するように任意で設計されていてもよく、それにより、画像センサ1016、1028、1034の各々上に形成される画像を比較するときに「ズーム」倍率効果を提供する。
幾何学的な配置が似ていることから、実施形態600の反射率式は、本実施形態1000にも適用され得る。
あるいは、実施形態900および1000が、上述した実施形態300および800とそれぞれ同様に、固体プリズムを利用してもよい。
図18は、2つの別個の検出器の平面上に2つの空間的に同一の画像を生成するように、単一の結像システムから光を分割するために単一のビームスプリッタを利用する本発明の実施形態2000の概略図である。図18を参照すると、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2010が、結像レンズシステム2012に入射する。本発明の本実施形態では、いかなる結像または画像形成レンズシステムを使用してもよい。例えば、ニコン社、オリンパス社、パナビジョン社、またはタレスアンジェニュー社によって製造されたカメラレンズのいずれも、結像レンズシステム2012として使用され得る。画像形成ビーム2014は、集束している画像ビームとして結像レンズシステム2012を出射し、画像形成ビーム2014の経路に対して好ましくは45度の角度で方向付けられたビームスプリッタ2018に入射する。ただし、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい。
ビームスプリッタ2018は、薄いのが好ましく、例えば、厚さ0.5mmであって、平坦かつ平行な前面と背面とを有するガラスを備えてもよい。または、エドモンド・オプティクス社製の部品番号NT39−482など、いわゆる「ペリクル」ビームスプリッタを備えてもよい。実際には、ビームスプリッタ2018の厚さが増すにつれて、ビームスプリッタ2018の傾斜したガラス/空気界面によってもたらされる幾何収差は大きくなることから、実質的に同一の画像を形成するように十分に収差を最小化するために、ビームスプリッタ2018は薄いのが好ましいということが見出されている。いくつかの実施形態では、一般的な措置として、ビームスプリッタの厚さは、(a)画像センサにおける個々の画素の画素幅と、(b)このシステムの結像レンズシステムまたはフロントレンズの回折点の大きさ、すなわちエアリーディスク径という2つの値のどちらか大きい方の約100倍未満であるのが好ましい。
このビームスプリッタ配置により、第1の透過ビーム部分2020は、画像センサ2016の方に進み、そこで画像を形成する。反射ビーム部分2026は、画像センサ2028の方へと反射され、画像センサ2028上に画像を形成する。この場合、次に記載されているとおり、好ましくは光量の違いを除き、画像センサ2016、2028上に形成される画像は実質的に同一である。
画像センサ2016上に形成される画像内に存在する元の画像形成ビーム2014の放射強度の部分は、(1−R1−A1)に等しい。式中、R1はビームスプリッタ2018の反射率であり、A1はビームスプリッタ2018の吸光度である。R1の値は、0〜1.0の範囲内で任意の値を選択することができる。画像センサ2028上に形成される画像内に存在する元の画像形成ビーム2014の放射強度の部分は、R1に等しい。これら2つの式により、画像センサ2016と画像センサ2028との間の光量比率のいかなる組も、R1に関する適性値を選択することによって実現され得る。
例えば、約2:1である画像センサ2016と画像センサ2028との間の光量比率を実現することが所望され、かつビームスプリッタ2018の吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.33に等しい。あるいは、約10:1である画像センサ2016と画像センサ2028との間の光量比率を実現することが所望され、かつビームスプリッタ2018の吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.09に等しい。または、3:1である画像センサ2016と画像センサ2028との間の光量比率を実現することが所望され、かつビームスプリッタ2018の吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.25に等しい。
別例では、各画像センサ上の画像の光量が等しいことが有用である。そのため、1:1である画像センサ2016と画像センサ2028との間の光量比率を実現することが所望され、2つのビームスプリッタの吸光度がゼロである場合、最適な反射率値R1は0.50に等しい。この場合、2つの画像センサ2016および2028の各々は、実質的に同一の光量を有する実質的に同一の画像を取り込む。
両画像センサ2016および2028が実質的に同一の光量を有する実質的に同一の画像を取り込むとき、2つの個々の画像センサ2016および2028の各々についての画像取り込みの瞬間は、任意で、2つの画像センサの各々によって連続して取り込まれた個々の動画フレームがインターリーブできる方法で正確に交互に配列することができ、それにより、いずれか1つの画像センサの2倍のフレームレートで動画フィルムを提供する。この高速カメラ用途は、本明細書に記載されている本発明の実施形態のいずれにも適用可能である。
図19は、本発明の一実施形態2100の概略図である。本実施形態2100の基本的な機能は実施形態2000の基本的な機能と同一であることから、光路、画像形成、画像取り込み、および画像結合方法について改めて詳説はしない。図19を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2112に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2110が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。
結像レンズシステム2112を通過した後、次に光は、それが固体プリズム2114および2129を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2112の特殊性に適応するように好ましくは設計されている光学補正レンズシステム2113を通過する。具体的には、厚いガラスを好ましくは備えるプリズム2114および2129が、色収差と球面収差とを画像形成ビーム部分2119および2125にもたらすことから、光学補正レンズシステム2113の主な機能は、反対方向に同量の収差を加えることであり、それによって画像形成ビーム部分2119および2125が共に光学的に良好に補正され、その両方が高解像度の画像を確実に形成する。両方のビーム部分の全光路長は同一であるのが好ましいことから、1つの任意の補正レンズシステム2113だけが両方のビーム部分に必要とされる。補正レンズシステム2113の設計は、レンズ設計およびレンズシステム適応の当業者にとって容易な事項である。結像レンズシステム2112が固体プリズム2114および2129の存在と関連付けて設計される場合には、一般に任意の補正レンズシステム2113を含む必要がない。
図20に示すとおり、補正レンズシステム2113は、空隙があるダブレットを備えるのが好ましい。補正レンズシステム2113を備える個々のレンズ素子2152および2154は、それらの中心の光軸2150に対して回転対称であるのが好ましい。レンズ素子2152は、ショットガラス社製のN−SF11など、ナトリウムd線波長(nd)が1.7847に等しい屈折率と、ナトリウムd線波長(Vd)が25.680に等しいアッベ分散値とを有するガラスを備えるのが好ましい。レンズ素子2152は、32.0mmの端直径と、3.50mmの中心厚さ(回転の中心光軸2150に沿って測定)とを有するのが好ましい。レンズ素子2154は、ショットガラス社製のN−SF57など、ナトリウムd線波長(nd)が1.8467に等しい屈折率と、ナトリウムd線波長(Vd)が23.780に等しいアッベ分散値とを有するガラスを備えるのが好ましい。レンズ素子2154は、28.0mmの端直径と、3.50mmの中心厚さ(回転の中心光軸2150に沿って測定)とを有するのが好ましい。
レンズ素子2152および2154の光学面の形状は、球面であるのが好ましい。レンズ素子2152の第1の表面2156の形状は、107.552mmの曲率半径を有する凸状の球面であるのが好ましい。レンズ素子2152の第2の表面2158の形状は、−1,321.559mmの曲率半径を有する凹状の球面であるのが好ましい。レンズ素子2154の第1の表面2160の形状は、平面であるのが好ましい。レンズ素子2152の第2の表面2162の形状は、93.487mmの曲率半径を有する凹状の球面であるのが好ましい。
結像レンズシステム2112の背面側の取り付け面とレンズ素子2152との間の中心厚さ(回転の中心光軸2150に沿って測定)は、10.5mmであるのが好ましい。レンズ素子2152とレンズ素子2154との間の中心厚さ(回転の中心光軸2150に沿って測定)は、7.055mmであるのが好ましい。レンズ素子2154とガラスプリズム2114の前面2115との間の中心厚さ(回転の中心光軸2150に沿って測定)は、3.426mmであるのが好ましい。
図19を再度参照すると、プリズム2114の前面2115は反射防止コーティングを備えるのが好ましく、部分反射コーティング2116はプリズム2114の背面に塗布されているのが好ましい。部分反射コーティング2116は、波長または偏光にかかわらずすべての光の約13%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の約77%を透過するのが好ましい。かかる部分反射コーティングは、例えばニューポート社のカタログ品番MB.1など、すべての可視波長とすべての偏光状態で一定の透過率を提供するハイブリッド金属・誘電体コーティング技術を使用して蒸着されるのが好ましい。
プリズム2129は、プリズム2114の背面上の部分反射コーティング2116と接触して設置されるのが好ましく、部分反射コーティング2116に固定されるのが好ましい。あるいは、部分反射コーティング2116が、プリズム2129の前面に塗布されていてもよく、その後このコーティングおよびプリズムは、プリズム2114の背面に固定される。反射防止コーティングがプリズム2129の背面2117に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分2119は、プリズム2114、部分反射コーティング2116、およびプリズム2129によって透過され、例えばシリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ2120上に画像を形成する。
反射防止コーティングが、ガラスプリズム2124の出射面2123に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分2125は、プリズム2114によって透過され、部分反射コーティング2116に反射し、プリズム2114によって再度透過され、例えばシリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ2126上に画像を形成する。
部分反射コーティング2116は、比較的薄いビームスプリッタを備えるのが好ましく、プリズム2114および2129が一体的に固定される(したがって空隙を残さない)のが好ましいことから、傾斜したコーティング2116によって収差がもたらされない。
図21は、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスでできているプリズム2114の傾斜図を示す。プリズム2114は、25.4mmに等しい長さ(「L1」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W1」で明示)と、25.4mmに等しい高さ(「H1」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい背面角(「θ1」で明示)とを有するのが好ましい。
図22は、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のN−FK51A(nd=1.4866、Vd=84.468)などの低分散ガラスでできているプリズム2129の傾斜図を示す。プリズム2129は、25.4mmに等しい長さ(「L2」で明示)と、25.4mmに等しい幅(「W2」で明示)と、25.4mmに等しい高さ(「H2」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい前面角(「θ2」で明示)とを有するのが好ましい。
上述したとおり、本実施形態に記載された寸法、材料、および他の特性は、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製の大型フィルムカメラレンズに特有のものである。他の結像レンズシステムでは、異なる寸法、材料、および特性が適用可能である。幾何学的な配置が似ていることから、実施形態2000の反射率式は、本実施形態2100にも適用され得る。
図23は、本発明の一実施形態2200の概略図である。本実施形態2200の基本的な機能は実施形態2100の基本的な機能と同一であることから、光路、画像形成、画像取り込み、および画像結合方法について改めて詳説はしない。図23を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2212に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2210が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。実施形態2100に記載されているとおり、実施形態2200における結像レンズシステム2212は、結像レンズシステム2112と同一である。結像レンズシステム2212を通過した後、次に光は、それが固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2212の特殊性に適応するように好ましくは設計されている光学補正レンズシステム2213を通過する。実施形態2200における任意の補正レンズシステム2213は、実施形態2100における補正レンズシステム2113と同一であるのが好ましい。
実施形態2200の光学機能は、実施形態2100の光学機能と同一であるのが好ましい。実施形態2100と比較して、実施形態2200は、固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215の代わりに、コーティングが異なる任意数の固定された固体状立方体ビームスプリッタのうちの1つを迅速かつ正確に代替できる性質をさらに含む。図24は、中心軸2252を中心とするディスク2250に対して好ましくは等間隔であり、ディスク2250に好ましくはしっかりと添付されている、固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215、2222、2224、および2226の正面概略図を示す。ディスク2250は、好ましくは運動学的な光機械的配列の分野で周知かつ広く使われている方法を利用して、中心軸2252を中心とするディスクの回転により、所望の固定された固体状立方体ビームスプリッタが正確な設置および配列で先の固定された固体状立方体ビームスプリッタに置き換わるように設計されている。例えば、ディスク2250が反時計方向に90度回転すると、固定された固体状立方体ビームスプリッタ2222が、固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215に実施形態2200の光学的配列で正確に置き換わる。
固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215は、実施形態2100における固定およびコーティングされたプリズム2114および2129と同一であるのが好ましく、13%の反射率と77%の透過率を呈するのが好ましい。固定された固体状立方体ビームスプリッタ2222は、8%の反射率と82%の透過率を呈するのが好ましい。固定された固体状立方体ビームスプリッタ2224は、4%の反射率と86%の透過率を呈するのが好ましい。固定された固体状立方体ビームスプリッタ2226は、3%の反射率と87%の透過率を呈するのが好ましい。ただし、任意数の立方体ビームスプリッタ、および任意の透過率および反射率値を使用してよい。
図25は、好ましくは等間隔であり、線形変換台部2260にしっかりと添付された3つの固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215、2222、および2224の正面概略図を示す。任意で、線形変換台部2260は、実施形態2200の回転ディスク2250に置き換わり、それによって、固定された固体状立方体ビームスプリッタを実施形態2200の光学的配列で迅速かつ正確に切り換えるための同様の方法が提供されてもよい。線形変換台部2260は、運動学的な光機械的配列の分野で周知かつ広く使われている方法を利用して、台部の線形変換により、所望の固定された固体状立方体ビームスプリッタが正確な設置で先の固定された固体状立方体ビームスプリッタに置き換わるように設計される。例えば、台部2260を変換すると、固定された固体状立方体ビームスプリッタ2222が、固定された固体状立方体ビームスプリッタ2215に実施形態2200の光学的配列で正確に置き換わる。
図26は、本発明の一実施形態2300の概略図である。本実施形態2300の基本的な光学機能は実施形態2100の基本的な機能と同様であることから、光路について改めて詳説はしない。図26を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2312に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2310が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。実施形態2100に記載されているとおり、実施形態2300における結像レンズシステム2312は、結像レンズシステム2112と同一であるのが好ましい。結像レンズシステム2312を通過した後、次に光は、それが固定された固体状立方体ビームスプリッタ2315を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2313の特殊性に適応するように好ましくは設計されている任意の補正レンズシステム2113を通過する。実施形態2300における任意の補正レンズシステム2313は、実施形態2100における補正レンズシステム2113と同一であるのが好ましい。
実施形態2300における固定された固体状立方体ビームスプリッタ2315は、形態が異なっても、実施形態2100における固定およびコーティングされたプリズム2114および2129に対する機能は同一であるのが好ましい。具体的には、実施形態2300における部分反射コーティング2316は、実施形態2100における部分反射コーティング2116と同一であるのが好ましい。実施形態2300では、反射ビーム部分がその後、画像センサに到達する前にプリズム面から内側に反射される。実施形態2300における固定された固体状立方体ビームスプリッタ2315で代替角度および追加反射が存在しても、その機能は、実施形態2100における固定およびコーティングされたプリズム2114および2129の機能から実質的に変わらないという点に留意することが重要である。
図27は、本発明の一実施形態2400の概略図である。本実施形態2400の基本的な光学機能は、実施形態800の基本的な機能と同一であるのが好ましいことから、光路について改めて詳説はしない。図27を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2412に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2410が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。実施形態800に記載されているとおり、実施形態2400における結像レンズシステム2412は、結像レンズシステム812と同一である。結像レンズシステム2412を通過した後、次に光は、それが固定された固体状立方体ビームスプリッタ2415を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2412の特殊性に適応するように好ましくは設計されている任意の補正レンズシステム2413を通過する。実施形態2400における任意の補正レンズシステム2413は、実施形態800における補正レンズシステム813と同一であるのが好ましい。
実施形態2400における固定された固体状立方体ビームスプリッタ2415は、形態が異なっても、実施形態800における固定およびコーティングされたプリズム814、818、および824に対する機能は同一であるのが好ましい。具体的には、実施形態2400における部分反射コーティング2416は、実施形態800における部分反射コーティング816と同一であるのが好ましく、実施形態2400における部分反射コーティング2422は、実施形態800における部分反射コーティング822と同一であるのが好ましい。実施形態2400では、第1および第2の反射ビーム部分がその後、画像センサに到達する前にプリズム面から各々内側に反射される。実施形態2400における固定された固体状立方体ビームスプリッタ2415における代替角度および追加反射が存在しても、実施形態800における固定およびコーティングされたプリズム814および818および824の機能から実質的に変わらないという点に留意することが重要である。
図28は、本発明の一実施形態2500の概略図である。本実施形態2500の基本的な光学機能は実施形態2100の基本的な機能と同一であるのが好ましいことから、光路、画像形成、画像取り込み、および画像結合方法について改めて詳説はしない。図28を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2512に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2510が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。実施形態2100に記載されているとおり、実施形態2500における結像レンズシステム2512は、結像レンズシステム2112と同一である。結像レンズシステム2512を通過した後、次に光は、それが固定された固体状立方体ビームスプリッタ2515を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2512の特殊性に適応するように好ましくは設計されている任意の補正レンズシステム2513を通過する。実施形態2500における任意の補正レンズシステム2513は、実施形態2100における補正レンズシステム2113と同一であるのが好ましい。
実施形態2500は、2つの光学シャッターメカニズムハウジング2550および2570と、2つの光学シャッターリーフ2552および2572と、オプションのファインダ装置2556とを備えるのが好ましい。光学シャッターメカニズムハウジング2550および2570、シャッターリーフ2552および2572、ならびに光学ファインダ2556の目的は、スルーザレンズ(TTL)集束システム、または一眼レフ(SLR)カメラシステムで一般に見受けられるフリップミラーおよびファインダの機能と同様の機能を提供することである。画像形成光が2つの画像センサ2520および2526に集束され、画像センサ2520および2526によって記録され、取り込まれると、シャッターリーフ2552および2572の両方が、対応するシャッターハウジング2550および2570へとそれぞれ格納されるのが好ましい。各シャッターハウジング2550および2570は、シャッターリーフ2552および2572を好ましくは速やかに格納または延出できるモーター駆動の格納/延出機構を備えるのが好ましい。なお、両シャッターメカニズムハウジングは、形態および機能が任意で同一だが、図28に示すとおり、シャッターメカニズムハウジング2550は垂直に方向付けられており、シャッターメカニズムハウジング2570は水平に方向付けられている(ページ内を向いている)。なお、シャッターメカニズムハウジング2550および2570の向きは重大ではなく、垂直であっても水平であっても、またはページの内/外を向いていても、同じ機能を提供し得る。
ユーザーによって始動されると、両シャッターメカニズムハウジング2550および2570はシャッターリーフ2552および2572をそれぞれ延出する。2つのシャッターリーフ2552および2572のどちらかまたは両方が、反射ミラー面を備えてもよい。加えて、2つのシャッターリーフ2552および2572のどちらか一方が、光を吸収するために黒く塗られていてもよい(または任意で、どちらも黒く塗られていなくてもよい)。シャッターメカニズムハウジング2550および2570がそれらのシャッターリーフ2552および2572をそれぞれ延出しているときに、光が画像センサに到達するのが妨げられ、代わりに画像形成光2554がファインダ装置2556の方へとリダイレクトされる。この光が、ひいては、閲覧者の目2560に視認されるTTLファインダ画像光2558を呈示する。
2つのシャッターメカニズムハウジング2550および2570と2つのシャッターリーフ2552および2572とを備える機構および表面の厳密な設計、配置、サイズ決定、および仕様は、シャッターおよび機構設計ならびに機械工学の当業者にとって一般に容易な事項である。ファインダ装置2556を備える画像適正化プリズム、レンズ、ミラー、コーティング、および他の品目の厳密な設計、配置、サイズ決定、および仕様は、光工学およびレンズ設計の当業者にとって一般に容易な事項である。
図29は、本発明の一実施形態2600の概略図である。本実施形態2600の基本的な光学機能は実施形態2500の基本的な機能と同一であるのが好ましいことから、光路、画像形成、画像取り込み、および画像結合方法について改めて詳説はしない。図29を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2612に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2610が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。実施形態2500に記載されているとおり、実施形態2600における結像レンズシステム2612は、結像レンズシステム2512と同一である。結像レンズシステム2612を通過した後、次に光は、それが固定された固体状立方体ビームスプリッタ2615を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2612の特殊性に適応するように好ましくは設計されている任意の補正レンズシステム2613を通過する。実施形態2600における任意の補正レンズシステム2613は、実施形態2500における補正レンズシステム2513と同一であるのが好ましい。
実施形態2500とは対照的に、可動式シャッターリーフを使用して立方体による光路変更を行う代わりに、第2のコーティング2616が立方体2615の上面に塗布されている。コーティング2616は、光を部分的に反射し、部分的に透過する。そのため、入来光2610のわずかな部分2654がファインダ2656に向かって下方へと送られ、ファインダ2656が、ビューア2660が見る鮮明な画像を提供する。この立方体2615の反射および透過光学機能は、実施形態300に示す固体ガラスプリズムのものと同一であるのが好ましい。
図30は、本発明の一実施形態2700の概略図である。本実施形態2700の基本的な光学機能は、実施形態300の基本的な機能と同一であるのが好ましいことから、光路について改めて詳説はしない。図30を参照すると、本実施形態向けに本明細書で提示された寸法および材料に関しては、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製のものなど市販の大型フィルムカメラレンズを好ましくは備える結像レンズシステム2712に、好ましくは物体(図示せず)からの光学的な放射2710が入射する。ただし、任意のレンズシステムを使用してよい。結像レンズシステム2712を通過した後、次に光は、それが固体プリズム2714および2718を通って伝播するのに最適となるように光を適切に事前補正するために、結像レンズシステム2712の特殊性に適応するように好ましくは設計されている任意の補正レンズシステム2713を通過する。具体的には、厚いガラスを好ましくは備えるプリズム2714および2718が、色収差と球面収差とを画像形成ビーム部分2719、2725、および2727にもたらすことから、任意の補正レンズシステム2713の主な機能は、反対方向に同量の収差を加えることであり、それによって画像形成ビーム部分2719、2725、および2727がすべて光学的に良好に補正され、それらすべてが高解像度の画像を確実に形成する。補正レンズシステム2713の設計は、レンズ設計およびレンズシステム適応の当業者にとって容易な事項である。結像レンズシステム2712が固体プリズム2714および2718の存在と関連付けて設計される場合には、一般に任意の補正レンズシステム2713を含む必要がない。
図31に示すとおり、補正レンズシステム2713は、空隙があるダブレットを備えるのが好ましい。補正レンズシステム2713を備える個々のレンズ素子2752および2754は、それらの中心の光軸2750に対して回転対称であるのが好ましい。レンズ素子2752は、ショットガラス社製のF2ガラスなど、ナトリウムd線波長(nd)が1.6200に等しい屈折率と、ナトリウムd線波長(Vd)が36.367に等しいアッベ分散値とを有するガラスを備えるのが好ましい。レンズ素子2752は、25.4mmの端直径と、3.50mmの中心厚さ(回転の中心光軸2750に沿って測定)とを有するのが好ましい。レンズ素子2754は、ショットガラス社製のLAFN7ガラスなど、ナトリウムd線波長(nd)が1.7495に等しい屈折率と、ナトリウムd線波長(Vd)が34.951に等しいアッベ分散値とを有するガラスを備えるのが好ましい。レンズ素子2754は、22.0mmの端直径と、2.50mmの中心厚さ(回転の中心光軸2750に沿って測定)とを有するのが好ましい。
レンズ素子2752および2754の光学面の形状は、球面であるのが好ましい。レンズ素子2752の第1の表面2756は、51.711mmの曲率半径を有する凸状の球面であるのが好ましい。レンズ素子2752の第2の表面2758の形状は、−232.979mmの曲率半径を有する凸状の球面であるのが好ましい。レンズ素子2754の第1の表面2760の形状は、−197.092mmの曲率半径を有する凹状の球面であるのが好ましい。レンズ素子2752の第2の表面2762の形状は、49.745mmの曲率半径を有する凹状の球面であるのが好ましい。
結像レンズシステム2712の背面側の取り付け面とレンズ素子2752との間の中心厚さ(回転の中心光軸2750に沿って測定)は、32.142mmであるのが好ましい。レンズ素子2752とレンズ素子2754との間の中心厚さ(回転の中心光軸2750に沿って測定)は、2.895mmであるのが好ましい。レンズ素子2754とガラスプリズム2714の前面2715との間の中心厚さ(回転の中心光軸2750に沿って測定)は、6.105mmであるのが好ましい。
図30を再度参照すると、プリズム2714の前面2715は反射防止コーティングを備えるのが好ましく、部分反射コーティング2716はプリズム2714の背面に塗布されるのが好ましい。部分反射コーティング2716は、波長または偏光にかかわらずすべての光の13%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の77%を透過するのが好ましい。かかる部分反射コーティングは、例えばニューポート社のカタログ品番MB.1など、すべての可視波長とすべての偏光状態で一定の透過率を提供するハイブリッド金属・誘電体コーティング技術を使用して蒸着されるのが好ましい。
部分反射コーティング2722は、プリズム2714の側面に塗布されるのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の13%を反射するのが好ましく、波長または偏光にかかわらずすべての光の77%を透過するのが好ましい。かかる部分反射コーティングは、例えばニューポート社のカタログ品番MB.1など、すべての可視波長とすべての偏光状態で一定の透過率を提供するハイブリッド金属・誘電体コーティング技術を使用して蒸着されるのが好ましい。あるいは、部分反射コーティング2722を完全に省略してもよく、プリズム2714と空気との間にあるガラス・空気境界で生来的に生じるフレネル反射により、本実施形態によって必須とされる部分反射機能を任意で提供してもよい。
プリズム2718は、プリズム2714の背面上の部分反射コーティング2716と接触して設置されるのが好ましく、部分反射コーティング2716に固定されるのが好ましい。あるいは、部分反射コーティング2716が、プリズム2718の前面に塗布されていてもよく、その後コーティングおよびプリズムがプリズム2714の背面に固定される。反射防止コーティングがプリズム2718の背面2717に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分2719は、プリズム2714、部分反射コーティング2716、およびプリズム2718によって透過され、シリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ2720上に画像を形成する。
画像形成ビーム部分2725は、プリズム2714によって透過され、部分反射コーティング2716に反射し、プリズム2714によって再度透過され、部分反射コーティング2722によって透過され、シリコンイメージング社製のモデルSl−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ2726上に画像を形成する。
画像センサ2728は、ガラスプリズム2718の側面2729に設置されている。反射防止コーティングが側面2729に塗布されているのが好ましい。画像形成ビーム部分2727は、シリコンイメージング社製のモデルSI−1920HDなどの高精細度動画CMOSまたはCCDセンサを好ましくは備える画像センサ2728上に画像を形成する。
部分反射コーティング2716は、比較的薄いビームスプリッタを備えるのが好ましく、このプリズムが一体的に固定される(したがって空隙を残さない)のが好ましいことから、傾斜したコーティング2716によって収差がもたらされないのが好ましい。
図32は、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のリトテックフッ化カルシウム(nd=1.4338、Vd=95.233)などの低分散ガラスでできているプリズム2714の傾斜図を示す。プリズム2714は、13.5mmに等しい長さ(「L3」で明示)と、16.5mmに等しい幅(「W3」で明示)と、13.5mmに等しい高さ(「H3」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい後面角(「θ3」で明示)とを有するのが好ましい。
図33は、好ましくは矩形体積を有し、好ましくはショットガラス社製のリトテックフッ化カルシウム(nd=1.4338、Vd=95.233)などの低分散ガラスでできているプリズム2718の傾斜図を示す。プリズム2718は、13.5mmに等しい長さ(「L4」で明示)と、16.5mmに等しい幅(「W4」で明示)と、13.5mmに等しい高さ(「H4」で明示)と、45度に等しい角度だが、0〜180度の範囲内で任意の角度を使用してよい前面角(「θ4」で明示)とを有するのが好ましい。
上述したとおり、本実施形態に記載された寸法、材料、および他の特性は、80mmの焦点距離およびf/2.8のf値を有するハッセルブラッド社製の大型フィルムカメラレンズに特有のものである。他の結像レンズシステムでは、異なる寸法、材料、および特性が適用可能である。幾何学的な配置が似ていることから、実施形態100の反射率式は、本実施形態2700にも適用され得る。
本明細書の実施形態に記載されているビームスプリッタおよびビーム分割素子は、用途に応じて、全ビーム広帯域ビームスプリッタまたは全ビーム広帯域HDRIビームスプリッタを備えるのが好ましい。したがって、本発明は、別個の画像との間で視差誤差を示さないのが好ましい。本発明はまた、別個の画像との間で、測定可能な波長成分の差異を呈しないのが好ましい。
本明細書に提示された実施形態のいずれにおいても、特定の好適なビームスプリッタ/プリズム角度および/または(他のビームスプリッタまたは画像形成ビームもしくはビーム部分の経路方向に対する)ビームスプリッタの向きが図示されており好ましいものの、0度以上180度以下の任意の角度および/または相対的な方向を代替的に使用してもよい。
本明細書に提示された実施形態のいずれにおいても、特定の好適な反射率値または透過率値が明示されており、好適であり得るものの、0%以上100%以下の任意の反射率値または透過率値を代替的に使用してもよい。
本発明の実施形態で使用される全ビームHDRIビームスプリッタは、透過率に対する反射率の比率が特定値Xよりも大きくなるように、あるいは、反射率に対する透過率の比率が特定値Xよりも大きくなるように一般に設計されている。別の言い方をすれば、この好適な比率は、透過率に対する反射率の比率が1/X未満であるか、またはXより大きいということである。参考までに、X=2という値は、1段の写真絞りの反射ビームと透過ビームとの間の光量差に対応し、X=4という値は、2段の写真絞りの反射ビームと透過ビームとの間の光量差に対応し、X=8という値は、3段の写真絞りの反射ビームと透過ビームとの間の光量差に対応する。すなわち、反射ビーム部分と透過ビーム部分との間の写真絞りの段数は、log2Xに等しい。これらの実施形態は、互いに露出または光量が異なる取り込み画像を生成するのが好ましい。あるいは、画像の光量または露出の違いが、異なるビーム部分に合わせて、および/または異なる画像センサのさまざまな露出時間に合わせてニュートラルデンシティフィルタを使用した結果であってもよい。
現在流通している大半の商用のカラーカメラ製品は、CFA画像センサを利用している。CFA画像センサとは、画像センサの画素の前に異なる色のフィルタ(一般に赤、緑、および青)の配列が規則的なモザイクパターンで配置された画像センサのことである。CFA画像センサによって取り込まれた画像は、ビューアに適切に表示され得る前に、このカラーモザイクパターンを取り除くために処理される必要がある。現在流通している大半の商用のカラーカメラ製品では、この色補間、すなわち「モザイク解除」処理が自動的に実行されるのが一般的である。モザイク解除された画像は、元の赤色フィルタ処理された画素、緑色フィルタ処理された画素、および/または青色フィルタ処理された画素が、取り込まれた時点で飽和していたか、または露出不足であったなどの原情報の一部を失っている。元の色飽和情報または露出不足情報を、CFA画像センサによって取り込まれた画像がモザイク解除された後に取り戻すことはできない。このように、画像のいくつかの原情報(具体的には、飽和した個々の画素および露出不足だった画素)は、モザイク解除処理後に失われる。
モザイク解除処理後に情報がこのように失われることから、モザイク解除された光量差の大きいカラー画像は、結合されてHDR画像になったときに大きな色差を呈するため、結合してHDR画像になるには不適切である。そのため、現在の技法では、良質のHDR画像を確実かつ自動的に作成するために、HDR画像を形成するために他のモザイク解除済み画像と結合されるモザイク解除された画像の写真絞りが、次に近い光量を有するモザイク解除済み画像から1段分より多く離れていてはならない。一般に、この写真絞り値が3段よりも大きい場合には、それらの画像を結合して有用なHDR画像にすることはできない。
そのため、1つまたは複数のCFA画像センサで取り込まれた光量差の大きいカラー画像は、取り込まれた画像が色補間またはモザイク解除される前に結合してHDR画像を形成するのが好ましい。事前にモザイク解除された画像を結合してHDR画像にするための数多くのアルゴリズムが、当該技術で公知である。この処理により、写真絞り2段分の光量差および写真絞り3段分の光量差、写真絞り3段分の光量差、またはそれ以上の光量差の間で、特に写真絞り1段分またはそれ以上の光量差で取り込まれた画像について、さらには写真絞り2段分またはそれ以上の光量差で取り込まれた画像について、質の高いHDR画像を生成することができる。この方法により、光量の写真絞り段差を大きくすることができるため、広ダイナミックレンジのHDR画像を取り込むために結合する必要のある画像が少なくて済む。または、同じ枚数の画像が結合される場合に、はるかに大きなダイナミックレンジを有するHDR画像を形成することができる。
本発明を使用することにより、あるシーンの複数の高解像度画像を同時に取得することが可能であり、これらの画像を結合して単一のHDR画像を形成してもよい。複数の画像センサによって同時に取り込まれた画像は、各画像センサ上で同じ露出時間を用いて、同じ瞬間に取り込まれるのが好ましい。したがって、動いている対象の高解像度HDRスナップショットと、対象および/またはカメラが動いている高解像度のHDR動画(例えば、映写フィルム、映画、または他の映像)とを得ることが可能である。
本発明を、これら実施形態を特に参照して詳説してきたが、他の実施形態でも同じ結果を達成し得る。本発明の変形および修正は、当業者には明白であり、かかる修正およびその等価物はすべて、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図する。上記引用したすべての参考文献、出願、特許および刊行物のすべての記載が、参照により、本明細書に援用されるものとする。