JP2006047922A - 結像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 AF用の結像光学系に色収差があっても、基板から発生する光の波長特性に応じたフォーカス誤差を確実に低減できるオートフォーカス装置を有する結像装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも対物レンズ19を介して基板11を照明する手段(13〜19)と、基板から発生する光L2を少なくとも対物レンズを介して受光し、予め定めた複数の波長帯域のうち各波長帯域ごとに、基板と対物レンズとの相対位置に応じたフォーカス信号を生成する手段(41〜49)と、各波長帯域ごとに生成されるフォーカス信号どうしのオフセット情報を予め記憶する手段27と、少なくとも1つの波長帯域におけるフォーカス信号とオフセット情報とに基づいて、基板と対物レンズとの相対位置を調整する手段27とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板のフォーカス調整を自動的に行うオートフォーカス装置を有する結像装置に関し、特に、半導体素子や液晶表示素子などの製造工程において基板(半導体ウエハや液晶基板など)に形成されたマークの位置を高精度に検出する際のフォーカス調整に好適なオートフォーカス装置を有する結像装置に関する。
半導体素子や液晶表示素子などの製造工程では、周知のリソグラフィ工程を経てレジスト層に回路パターンが転写され、このレジストパターンを介してエッチングなどの加工処理を行うことにより、所定の材料膜に回路パターンが転写される(パターン形成工程)。そして、このパターン形成工程を何回も繰り返し実行することにより、様々な材料膜の回路パターンが基板(半導体ウエハや液晶基板)の上に積層され、半導体素子や液晶表示素子の回路が形成される。
さらに、上記の製造工程では、様々な材料膜の回路パターンを精度よく重ね合わせるため(製品の歩留まり向上を図るため)、各々のパターン形成工程のうち、リソグラフィ工程の前に、基板のアライメントを行い、リソグラフィ工程の後でかつ加工工程の前に、基板上のレジストパターンの重ね合わせ検査を行っている。なお、基板のアライメントには、1つ前のパターン形成工程で下地層に形成されたアライメントマークが用いられる。レジストパターンの重ね合わせ検査には、現在のパターン形成工程でレジスト層に形成された重ね合わせマークと、1つ前のパターン形成工程で下地層に形成された重ね合わせマークとが用いられる。
また、基板のアライメントを行う装置や、基板上のレジストパターンの重ね合わせ検査を行う装置には、上記のアライメントマークや重ね合わせマーク(総じて単に「マーク」という)の位置を検出する装置が組み込まれている。
位置検出装置では、検出対象のマークを視野領域内に位置決めし、自動的にフォーカス調整を行った後、そのマークの画像をCCDカメラなどの撮像素子によって取り込み、マークの画像に対して所定の画像処理を施すことにより、マークの位置検出を行う。上記のフォーカス調整は、位置検出用の結像光学系の対物レンズと基板との相対位置の調整に相当する。フォーカス調整の後、その相対位置は合焦位置に設定される。
このような位置検出装置のオートフォーカス装置としては、例えば瞳分割方式が提案されている(例えば特許文献1を参照)。従来のオートフォーカス装置では、基板を照明したときに基板から発生する反射光の全波長帯域を1つのセンサで一括して受光し、そのセンサからの出力信号に基づいて、上記の相対位置に応じたフォーカス信号を生成し、基板のフォーカス調整を行っている。
特開2002−40322号公報
しかしながら、上記した従来のオートフォーカス装置では、AF用の結像光学系に色収差が発生することがある。色収差は、設計値計算において、ある程度低減することはできるが、2次分散に関しては限界がある。また、ガラスの屈折率分散の誤差やレンズ曲率半径の誤差やレンズ中心厚の誤差などにより、設計値計算の結果より大きな色収差が発生することもある。
そして、AF用の結像光学系に色収差がある場合、上記の相対位置が同じであっても、基板から発生する反射光の波長特性に応じてセンサ上での結像位置が変化し、センサからの出力信号に基づいて生成されるフォーカス信号も変化してしまう。このため、フォーカス調整後の相対位置(つまり合焦位置)は、基板からの反射光の波長特性に応じて変化することになり、フォーカス誤差が生じてしまう。ちなみに、基板からの反射光の波長特性は、基板のレジスト層や下地層の膜厚などに依存することが知られている。
本発明の目的は、AF用の結像光学系に色収差があっても、基板から発生する光の波長特性に応じたフォーカス誤差を確実に低減できるオートフォーカス装置を有する結像装置を提供することにある。
請求項1に記載の結像装置は、基板を戴置するステージと、前記基板を照明する照明手段と、前記基板の像を形成する結像手段とを備えた結像装置において、前記基板から前記結像手段に入射した光を分岐して受光し、予め定められた複数の波長帯のうち各波長帯ごとに、前記基板と前記結像光学系との相対位置に応じたフォーカス信号を生成する信号生成手段と、少なくとも、所定の基準光での合焦位置に対する、前記複数の波長帯ごとに生成される前記フォーカス信号により求められた合焦位置のオフセット情報を予め記憶する記憶手段と、少なくとも前記複数の波長帯のうちのいずれか1つの波長帯における前記フォーカス信号と前記オフセット情報とに基づいて前記基板と前記結像手段との相対位置を調整する調整手段とを備えたオートフォーカス装置を有するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の結像装置において、前記信号生成手段は、前記基板からの光を同時に前記複数の波長帯に分離する分光素子と、前記分光素子によって分離された各波長帯の光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを有し、各受光素子からの出力信号に基づいて前記フォーカス信号を生成するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の結像装置において、前記信号生成手段は、前記基板からの光のうち前記複数の波長帯の光のそれぞれを時系列で取り出す分光素子と、前記分光素子によって分離された各波長帯の光を時系列で受光出する受光素子とを有し、前記受光素子からの出力信号に基づいて前記フォーカス信号を生成するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の結像装置において、前記信号生成手段は、前記波長帯ごとの光を受光して各々の光の強度を検出する強度検出手段を備え、前記調整手段は前記波長帯ごとのフォーカス信号と、前記波長帯ごとの前記オフセット情報と、前記波長帯ごとに受光された光の相対強度に基づいて前記基板と前記結像手段との相対位置を調整するものである。
本発明のオートフォーカス装置を有する結像装置によれば、AF用の結像光学系に色収差があっても、基板から発生する光の波長特性に応じたフォーカス誤差を確実に低減することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
ここでは、第1実施形態のオートフォーカス装置を有する結像装置について、図1に示す重ね合わせ測定装置10を例に説明する。重ね合わせ測定装置10は、半導体素子や液晶表示素子などの製造工程において、基板11のレジストパターン(不図示)の重ね合わせ検査を行う装置である。重ね合わせ検査では、基板11の下地層に形成された回路パターン(以下「下地パターン」という)に対するレジストパターンの位置ずれ量の測定が行われる。
基板11は、半導体ウエハや液晶基板などであり、レジスト層に対する露光・現像後で、所定の材料膜に対する加工前の状態にある。基板11には、重ね合わせ検査のために多数の測定点が用意されている。測定点の位置は、基板11の各ショット領域の四隅などである。各測定点には、レジストパターンの基準位置を示すレジストマークと下地パターンの基準位置を示す下地マークとが形成されている。以下の説明では、レジストマークと下地マークとを総じて「重ね合わせマーク30」という。
第1実施形態では、基板11として、重ね合わせ測定装置10の使用波長(後述の光源13の波長)の全域にわたって反射率の波長特性が略均一な標準基板、または、一般的な製品基板が用いられる。製品基板の場合には、そのレジスト層や下地層(蒸着膜)の膜厚ムラなどに依存して、各ショット領域ごとに(各重ね合わせマーク30ごとに)反射率の波長特性が異なることが多い。
次に、重ね合わせ測定装置10の説明を行う。
重ね合わせ測定装置10は、図1(a)に示す通り、基板11を支持する検査ステージ12と、照明光学系(13〜19)と、結像光学系(19〜23)と、CCD撮像素子25と、画像処理部26と、焦点検出部(41〜49)と、ステージ制御部27とで構成されている。このうち、検査ステージ12と照明光学系(13〜19)と焦点検出部(41〜49)とステージ制御部27が、第1実施形態のオートフォーカス装置として機能する。
検査ステージ12は、図示省略したが、基板11を水平状態に保って支持するホルダと、このホルダを水平方向(XY方向)に駆動するXY駆動部と、ホルダを鉛直方向(Z方向)に駆動するZ駆動部とで構成されている。そして、XY駆動部とZ駆動部は、ステージ制御部27に接続されている。
ステージ制御部27は、検査ステージ12のXY駆動部を制御し、ホルダをXY方向に移動させて、基板11上の重ね合わせマーク30を視野領域内に位置決めする。また、焦点検出部(41〜49)から出力される後述のフォーカス信号などに基づいて、検査ステージ12のZ駆動部を制御し、ホルダをZ方向に上下移動させる。このフォーカス調整により、基板11をCCD撮像素子25の撮像面に対して合焦させることができる(詳細は後述する)。
照明光学系(13〜19)は、光軸O1に沿って順に配置された光源13と照明開口絞り14とコンデンサーレンズ15と視野絞り16と照明リレーレンズ17とビームスプリッタ18と、光軸O2上に配置された第1対物レンズ19とで構成されている。ビームスプリッタ18は、反射透過面が光軸O1に対して略45°傾けられ、光軸O2上にも配置されている。照明光学系(13〜19)の光軸O1は、結像光学系(19〜23)の光軸O2に垂直である。
また、光源13は、波長帯域の広い光(例えば白色光)を射出する。照明開口絞り14は、その中心が光軸O1上に位置し、光源13から射出された広帯域波長の光の径を特定の径に制限する。コンデンサーレンズ15は、照明開口絞り14からの光を集光する。視野絞り16は、重ね合わせ測定装置10の視野領域を制限する光学素子であり、図1(b)に示すように、矩形状の開口である1つのスリット16aを有する。照明リレーレンズ17は、視野絞り16のスリット16aからの光をコリメートする。ビームスプリッタ18は、照明リレーレンズ17からの光を下向きに反射する。
上記の構成において、光源13から射出された広帯域波長の光は、照明開口絞り14とコンデンサーレンズ15を介して、視野絞り16を均一に照明する。そして、視野絞り16のスリット16aを通過した光は、照明リレーレンズ17を介してビームスプリッタ18に導かれ、その反射透過面で反射した後(照明光L1)、光軸O2上の第1対物レンズ19に導かれる。
第1対物レンズ19は、ビームスプリッタ18からの照明光L1を入射して集光する。これにより、検査ステージ12上の基板11は、第1対物レンズ19を透過した広帯域波長の照明光L1によって垂直に照明される(落射照明)。第1対物レンズ19は、請求項の「対物レンズ」に対応する。
なお、基板11に入射するときの照明光L1の入射角度は、照明開口絞り14の中心と光軸O1との位置関係によって決まる。また、基板11の各点における照明光L1の入射角度範囲は、照明開口絞り14の絞り径によって決まる。照明開口絞り14が第1対物レンズ19の瞳と共役な面に配置されているからである。
さらに、視野絞り16と基板11とは共役な位置関係にあるため、基板11の表面のうち、視野絞り16のスリット16aに対応する領域が照明光L1によって照明される。つまり、基板11の表面には、照明リレーレンズ17と第1対物レンズ19の作用によって、スリット16aの像が投影される。
そして、上記した広帯域波長の照明光L1が照射された基板11の領域から、反射光L2が発生する。反射光L2の波長特性は、基板11が標準基板(つまり反射率の波長特性が略均一)の場合、照明光L1の波長特性と略等しくなる。また、基板11が一般的な製品基板の場合、反射光L2の波長特性は、基板11の反射率の波長特性に応じて変化する。基板11からの反射光L2は、後述の結像光学系(19〜23)に導かれる。
結像光学系(19〜23)は、光軸O2に沿って順に配置された第1対物レンズ19と第2対物レンズ20と第1結像リレーレンズ21と結像開口絞り22と第2結像リレーレンズ23とで構成されている。結像光学系(19〜23)の光軸O2は、Z方向に平行である。
なお、第1対物レンズ19と第2対物レンズ20との間には、照明光学系(13〜19)のビームスプリッタ18が配置され、第2対物レンズ20と第1結像リレーレンズ21との間には、後述する焦点検出部(41〜49)のビームスプリッタ41が配置されている。ビームスプリッタ18,41は、光の振幅分離を行うハーフプリズムである。
そして、第1対物レンズ19は、基板11からの反射光L2をコリメートする。第1対物レンズ19でコリメートされた反射光L2は、上記のビームスプリッタ18を透過して第2対物レンズ20に入射する。第2対物レンズ20は、ビームスプリッタ18からの反射光L2を1次結像面10a上に集光する。
1次結像面10aの後段に配置された焦点検出部(41〜49)のビームスプリッタ41は、焦点検出部(41〜49)の光軸O3と結像光学系(19〜23)の光軸O2に対して、反射透過面が略45°傾けられている。そして、ビームスプリッタ41は、第2対物レンズ20からの反射光L2の一部(L3)を透過すると共に、残りの一部(L4)を反射する。ビームスプリッタ41を透過した一部の光L3は、結像光学系(19〜23)の第1結像リレーレンズ21に導かれる。
第1結像リレーレンズ21は、ビームスプリッタ41からの光L3をコリメートする。結像開口絞り22は、第1対物レンズ19の瞳と共役な面に配置され、第1結像リレーレンズ21からの光の径を特定の径に制限する。第2結像リレーレンズ23は、結像開口絞り22からの光をCCD撮像素子25の撮像面(2次結像面)上に再結像する。
CCD撮像素子25は、複数の画素が2次元配列されたエリアセンサであり、基板11からの反射光L2に基づく像(反射像)を撮像して、画像信号を画像処理部26に出力する。画像信号は、CCD撮像素子25の撮像面における各画素ごとの輝度値に関する分布(輝度分布)を表している。
画像処理部26は、基板11として製品基板が検査ステージ12上に載置され、製品基板の重ね合わせマーク30が視野領域内に位置決めされているとき、CCD撮像素子25から得られる画像信号の輝度分布に基づいて、製品基板の重ね合わせ検査(下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ状態の検査)を行う。この場合、不図示のテレビモニタよる目視観察も可能である。
また、画像処理部26は、基板11として標準基板が検査ステージ12上に載置され、標準基板の重ね合わせマーク30が視野領域内に位置決めされているとき、CCD撮像素子25からの画像信号を不図示のテレビモニタに出力する。この場合、標準基板の重ね合わせマーク30の目視観察が可能となる。
次に、焦点検出部(41〜49)の説明を行う。焦点検出部(41〜49)は、検査ステージ12上の基板11がCCD撮像素子25の撮像面に対して合焦状態にあるか否かを検出するものである。
焦点検出部(41〜49)は、光軸O3に沿って順に配置されたビームスプリッタ41とAF第1リレーレンズ42と平行平面板43と瞳分割ミラー44とAF第2リレーレンズ45とシリンドリカルレンズ46とからなる結像光学系(41〜46)と、波長分離素子47と、AFセンサ48(1)〜(3)と、信号処理部49(1)〜(3)とで構成されている。AFセンサ48(1)〜(3)はラインセンサであり、その撮像面48aには複数の画素が1次元配列されている。シリンドリカルレンズ46は、AFセンサ48(1)〜(3)の各撮像面48aにおける画素の配列方向(図中A方向)に対して垂直な方向の屈折力を持つ。
焦点検出部(41〜49)において、ビームスプリッタ41で反射した一部の光L4(以下「AF光」という)は、AF第1リレーレンズ42によってコリメートされ、平行平面板43を透過して、瞳分割ミラー44に入射する。瞳分割ミラー44上には、照明光学系(13〜19)の照明開口絞り14の像が形成される。平行平面板43は、照明開口絞り14の像を瞳分割ミラー44の中心に位置調整するための光学素子であり、チルト調整が可能な機構になっている。
瞳分割ミラー44に入射したAF光は、そこで2方向の光に振幅分離された後、AF第2リレーレンズ45とシリンドリカルレンズ46を介して、波長分離素子47に入射する。そして、シリンドリカルレンズ46からのAF光は、波長分離素子47を介して3方向の光L5〜L7に波長分離された後、AFセンサ48(1)〜(3)の各撮像面48aの近傍に集光される。このとき、各撮像面48aには、画素の配列方向(図中A方向)に沿って離れた位置に、2つの光源像が形成される。
ここで、波長分離素子47は、2つの反射透過面を有するダイクロイックプリズム(光学素子)である。2つの反射透過面は、互いに直交し、光軸O3に対して略45°傾いている。また、AF光の進行方向に沿って1番目の反射透過面は、予め定めた波長αよりも長波側の波長帯域(光L7)を反射すると共に、波長αよりも短波側の波長帯域(光L6,L5)を透過する。さらに、AF光の進行方向に沿って2番目の反射透過面は、予め定めた波長β(<α)よりも長波側の波長帯域(L6)を反射すると共に、波長βよりも短波側の波長帯域(L5)を透過する。
このため、シリンドリカルレンズ46からのAF光は、波長分離素子47の2つの反射透過面により、3つの波長帯域、つまり、短波長帯域(波長βよりも短波側)と、中心波長帯域(波長βよりも長波側で且つ波長αよりも短波側)と、長波長帯域(波長αよりも長波側)とに分離される。そして、短波長帯域の光L5はAFセンサ48(1)に入射し、中心波長帯域の光L6はAFセンサ48(2)に入射し、長波長帯域の光L7はAFセンサ48(3)に入射する。
上記のように、焦点検出部(41〜49)では、波長分離素子47によってAF光が3つの波長帯域に分離され、分離後の各波長帯域の光L5〜L7がそれぞれ独立したAFセンサ48(1)〜(3)に導かれる。3つのAFセンサ48(1)〜(3)は、波長分離素子47からの各波長帯域の光L5〜L7をそれぞれ受光する。AFセンサ48(1)〜(3)は、請求項の「受光素子」に対応する。波長分離素子47は「分光素子」に対応する。
AFセンサ48(1)〜(3)からの出力信号は、それぞれ信号処理部49(1)〜(3)に出力され、個別に信号処理される。例えば、信号処理部49(1)では、AFセンサ48(1)からの出力信号に基づいて、AFセンサ48(1)の撮像面48aに形成された2つの光源像の結像中心P1,P2(図2(a)〜(c))の距離を求め、この距離に応じたフォーカス信号を生成する。また、信号処理部49(2),(3)では、AFセンサ48(2),(3)からの出力信号に基づいて、各々の撮像面48aに形成された2つの光源像の結像中心P1,P2の距離を求め、この距離に応じたフォーカス信号を生成する。
つまり、焦点検出部(41〜49)では、波長分離素子47によってAF光が3つの波長帯域に分離され(光L5〜L7)、各波長帯域ごとにフォーカス信号が生成される。この焦点検出部(41〜49)は、請求項の「信号生成手段」に対応する。焦点検出部(41〜49)で生成された各波長帯域ごとのフォーカス信号は、信号処理部49(1)〜(3)から後段のステージ制御部27に出力される。
ここで、AFセンサ48(1)〜(3)の各撮像面48aに形成された2つの光源像の結像中心P1,P2の距離について説明する。
図2(a),(b),(c)には、3つの波長帯域(L5〜L7)のうち、ある1つの波長帯域に関し、基板11と第1対物レンズ19との相対位置に応じて、2つの光源像の結像中心P1,P2の距離が変化する様子を示した。図2(a),(b),(c)は、各々、基板11が前ピン状態(合焦状態よりも下方),合焦状態,後ピン状態(合焦位置よりも上方)のときの様子に対応する。
図2(a),(b),(c)から分かるように、2つの光源像の結像中心P1,P2は、前ピン状態(a)ほど互いに接近し、後ピン状態(c)ほど互いに離れる。つまり、検査ステージ12をZ方向に上下させ、基板11と第1対物レンズ19との相対位置を変化させることで、2つの光源像の結像中心P1,P2は、撮像面48aの画素の配列方向(図中A方向)に沿って、近づいたり離れたりする。
また、ある1つの波長帯域(例えば短波長帯域)に関し、2つの光源像の結像中心P1,P2の距離の変化は、基板11と第1対物レンズ19との相対位置の変化に1対1で対応する。このため、既に説明した結像中心P1,P2の距離に応じたフォーカス信号は、基板11と第1対物レンズ19との相対位置に応じたフォーカス信号と考えることができる。上記した通り、焦点検出部(41〜49)では、3つの波長帯域(L5〜L7)のうち各波長帯域ごとに、基板11と第1対物レンズ19との相対位置に応じたフォーカス信号を生成して、後段のステージ制御部27に出力する。
ところで、AF用の結像光学系(41〜46)に色収差がある場合、基板11と第1対物レンズ19との相対位置が同じであっても、AFセンサ48(1)〜(3)の各撮像面48aにおける2つの光源像の結像中心P1,P2の距離は異なるため、AFセンサ48(1)〜(3)からの出力信号に基づいて各波長帯域ごとに生成されるフォーカス信号どうしを比較すると、互いにオフセット成分を含むことになる。
このような各波長帯域のフォーカス信号どうしのオフセット量は、次のようにして予め計測され、ステージ制御部27のメモリ(記憶手段)に、オフセット情報として記憶されている。
オフセット量の計測について説明する。オフセット量の計測には、反射率の波長特性が略均一な標準基板が、基板11として用いられる。オフセット量の計測手順は、次の手順(I)〜(IV)の通りである。
手順(I) 標準基板を重ね合わせ測定装置10の検査ステージ12上に搬送し、その重ね合わせマーク30を視野領域内に位置決めし、照明光L1を照射する。このとき、標準基板の重ね合わせマーク30から発生する反射光L2の波長特性は、照明光L1の波長特性と略等しい。
手順(II) 標準基板の重ね合わせマーク30からの反射光L2を、結像光学系(19〜23)とCCD撮像素子25と画像処理部26を介して取り込み、不図示のテレビモニタで目視観察しながら、検査ステージ12をZ方向に駆動し、マーク像のフォーカス状態を確認する。そして、フォーカス状態が最も良好なZ位置(例えばマーク像のコントラストが最も高いZ位置)で、検査ステージ12を停止させる。このとき、基板11と第1対物レンズ19との相対位置は、合焦位置に設定される。
手順(III) 標準基板の重ね合わせマーク30からの反射光L2を、第1対物レンズ19→第2対物レンズ20→AF用の結像光学系(41〜46)の順に通過させた後、波長分離素子47によって3つの波長帯域(L5〜L7)に分離し、3つのAFセンサ48(1)〜(3)で各波長帯域ごとに受光する。そして、信号処理部49(1)〜(3)は、AFセンサ48(1)〜(3)からの出力信号(2つの光源像の結像中心P1,P2の距離)に基づいて、合焦位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号を生成し、後段のステージ制御部27に出力する。
手順(IV) ステージ制御部27は、合焦位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号を大小比較して、フォーカス信号どうしのオフセット量を計測する。具体的には、3つの波長帯域(L5〜L7)のうち、例えば中心波長帯域(L6)を基準とする。そして、中心波長帯域(L6)のフォーカス信号と短波長帯域(L5)のフォーカス信号との差分を求め、大小の符号を含む差分値をオフセット量O56とする。また、中心波長帯域(L6)のフォーカス信号と長波長帯域(L7)のフォーカス信号との差分を求め、大小の符号を含む差分値をオフセット量O67とする。
上記のようにして、各波長帯域のフォーカス信号どうしのオフセット量O56,O67を計測し終えると、ステージ制御部27は、そのオフセット量O56,O67をメモリに記憶する。また、オフセット量O56,O67の基準である中心波長帯域(L6)のフォーカス信号(つまり合焦位置における値)もメモリに記憶する。これらの情報は、一般的な製品基板に対するオートフォーカス制御に使用される。
次に、一般的な製品基板に対するオートフォーカス制御について説明する。このオートフォーカス制御は、重ね合わせ検査の前に行われる。制御手順は、次の手順(i)〜(iii)の通りである。
手順(i) 製品基板を重ね合わせ測定装置10の検査ステージ12上に搬送し、その重ね合わせマーク30を視野領域内に位置決めし、照明光L1を照射する。製品基板では、レジスト層や下地層(蒸着膜)の膜厚ムラなどに依存して、各ショット領域ごとに(各重ね合わせマーク30ごとに)反射率の波長特性が異なることが多い。このため、製品基板の重ね合わせマーク30から発生する反射光L2の波長特性は、その箇所での反射率の波長特性に応じて変化する。
手順(ii) 製品基板の重ね合わせマーク30からの反射光L2を、第1対物レンズ19→第2対物レンズ20→AF用の結像光学系(41〜46)の順に通過させた後、波長分離素子47によって3つの波長帯域(L5〜L7)に分離し、3つのAFセンサ48(1)〜(3)で各波長帯域ごとに受光する。そして、信号処理部49(1)〜(3)は、AFセンサ48(1)〜(3)からの出力信号(2つの光源像の結像中心P1,P2の距離)に基づいて、製品基板の現在のZ位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号を生成し、後段のステージ制御部27に出力する。このとき、AFセンサ48(1)〜(3)からの出力信号の強弱に関する情報も、ステージ制御部27に出力される。
ちなみに、製品基板の重ね合わせマーク30の反射率の波長特性に応じて、反射光L2の波長特性が変化する。また、反射光L2の波長特性に応じて、波長分離素子47により3つの波長帯域に分離された光L5〜L7の強度比が変化し、AFセンサ48(1)〜(3)での受光量が相対的に増減し、AFセンサ48(1)〜(3)からの出力信号の強弱も変化する。例えば、長波長帯域(L7)の割合が他の波長帯域(L5,L6)に比べて高ければ、長波長帯域(L7)に対応したAFセンサ48(3)からの出力信号が強くなる。
手順(iii) ステージ制御部27は、AFセンサ48(1)〜(3)の出力信号の強弱に関する情報を参照して、AFセンサ48(1)〜(3)のうち出力信号が最も強いAFセンサに注目する。さらに、製品基板の現在のZ位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号のうち、注目センサに対応するフォーカス信号と、メモリ内のオフセット量O56,O67と、メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号とに基づいて、オフセット量O56,O67をキャンセルするように、検査ステージ12をZ方向に駆動し、基板11と第1対物レンズ19との相対位置を調整する(フォーカス調整)。
例えば、長波長帯域(L7)に対応したAFセンサ48(3)の出力信号が最も強い場合、AFセンサ48(3)に対応するフォーカス信号と、メモリ内のオフセット量O67と、メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号とに基づいて、オフセット量O67をキャンセルするようにフォーカス調整を行う。同様に、短波長帯域(L5)に対応したAFセンサ48(1)の出力信号が最も強い場合、AFセンサ48(1)に対応するフォーカス信号と、メモリ内のオフセット量O56と、メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号とに基づいて、オフセット量O56をキャンセルするようにフォーカス調整を行う。また、中心波長帯域(L6)に対応したAFセンサ48(2)の出力信号が最も強い場合、AFセンサ48(2)に対応するフォーカス信号と、オフセット量(=0)と、メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号とに基づいて、フォーカス調整を行う。
このように、フォーカス調整の際にメモリ内のオフセット量O56,O67を加味するため、AFセンサ48(1)〜(3)の何れに対応するフォーカス信号を用いても、「AFセンサ48(2)に対応するフォーカス信号」が「メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号」に一致するようなZ位置で、検査ステージ12を停止させることができる。フォーカス調整の後、基板11と第1対物レンズ19との相対位置は、予め定めた合焦位置に設定される。以上で1つの重ね合わせマーク30のAF制御が終了する。
その後、同じ製品基板の他の重ね合わせマーク30を視野領域内に位置決めし、同様のAF制御を行う際に、その箇所での反射率の波長特性が異なり、重ね合わせマーク30から発生する反射光L2の波長特性が異なると、AFセンサ48(1)〜(3)のうち出力信号が最も強いAFセンサ(注目センサ)も変わる可能性がある。
しかし、第1実施形態のオートフォーカス装置では、既に説明した通り、AFセンサ48(1)〜(3)の何れに対応するフォーカス信号を用いても、メモリ内のオフセット量O56,O67を加味するため、「AFセンサ48(2)に対応するフォーカス信号」が「メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号」に一致するようなZ位置で、検査ステージ12を停止させることができる。
したがって、第1実施形態のオートフォーカス装置によれば、AF用の結像光学系(41〜46)に色収差があっても、基板11(製品基板)から発生する反射光L2の波長特性に応じたフォーカス誤差を確実に低減することができる。その結果、同じ基板11(製品基板)の全ての重ね合わせマーク30において、ほぼ同一のフォーカス状態に設定することができる。
このため、重ね合わせ測定装置10では、製品基板の重ね合わせ検査(下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ状態の検査)を、ほぼ同一のフォーカス状態で行うことが可能となる。ちなみに、重ね合わせ検査は、重ね合わせマーク30の画像からレジストマークと下地マークの各々の位置を検出し、その相対的な位置ずれ量(重ね合わせずれ量Δ)を算出した後、得られた重ね合わせずれ量Δを装置起因の誤差成分(TIS値:Tool Induced Shift)によって補正することにより行われる。TIS値による補正後の重ね合わせずれ量が最終値となる。
また、重ね合わせ測定装置10では、ほぼ同一のフォーカス状態で製品基板の重ね合わせ検査を行えるため、1つの製品基板におけるTIS値のバラツキが非常に小さくなる。したがって、重ね合わせずれ量ΔをTIS値によって補正する際、同じ製品基板の全ての重ね合わせマーク30において、共通のTIS値を使い回すことが可能となる。この場合には、基板11を反方向(180度方向)に向けた状態での測定を省略し、基板11を正方向(0度方向)に向けた状態での測定のみを実行すればよいので、重ね合わせ検査のスループットが向上する。
なお、上記した第1実施形態では、AF用の結像光学系(41〜46)の光路上にプリズム形状の波長分離素子47を組み込む例で説明したが、本発明はこれに限定されない。その他、ダイクロイックミラーのような波長分離機能を有する光学素子を2段構成にしても構わない。また、波長分離素子47のように2つの反射透過面がAF光の進行方向に沿って順に配置された構成に限らず、クロスダイクロイックプリズムを用いてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態では、図3に示す重ね合わせ測定装置50を例に説明する。第2実施形態のオートフォーカス装置を有する結像装置は、第1実施形態のオートフォーカス装置の波長分離素子47とAFセンサ48(1)〜(3)と信号処理部49(1)〜(3)に代えて、図3に示す波長帯域切替部51と1つのAFセンサ52と信号処理部53を設けたものである。それ以外の構成は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。図3に示す重ね合わせ測定装置50うち、検査ステージ12と照明光学系(13〜19)と焦点検出部(41〜46,51〜53)とステージ制御部27が、第2実施形態のオートフォーカス装置として機能する。
焦点検出部(41〜46,51〜53)は、AF用の結像光学系(41〜46)と、波長帯域切替部51と、AFセンサ52と、信号処理部53とで構成される。波長帯域切替部51は、結像光学系(41〜46)の第2リレーレンズ45とシリンドリカルレンズ46との間に配置されている。このため、AF光は、第2リレーレンズ45→波長帯域切替部51→シリンドリカルレンズ46の順に通過した後、AFセンサ47に入射する。
波長帯域切替部51には、図4に示す通り、透過波長帯域が互いに異なる3種類のフィルタ54(1)〜(3)が設けられる。フィルタ54(1)〜(3)の透過波長帯域は、各々、第1実施形態で説明した短波長帯域,中心波長帯域,長波長帯域に対応する。3種類のフィルタ54(1)〜(3)を軸51Aまわりに回転させることで、フィルタ54(1)〜(3)のうち何れか1つを順に切り替えてAF光の光路に挿入することができる。
したがって、フィルタ54(1)〜(3)の切り替えにより、3つの波長帯域の光(L5〜L7)を順に選択して(つまり時系列で取り出して)AFセンサ52に導くことができる。波長帯域切替部51は、請求項の「選択部」に対応する。AFセンサ52は、波長帯域切替部51のフィルタ54(1)〜(3)によって選択された1つの波長帯域の光を順に(つまり時系列で)受光する。AFセンサ52の出力信号は、各波長帯域ごとに信号処理部53に出力される。信号処理部53は、AFセンサ52からの出力信号に基づいて、各波長帯域ごとにフォーカス信号を生成し、後段のステージ制御部27に出力する。
第2実施形態のオートフォーカス装置でも、AF用の結像光学系(41〜46)に色収差がある場合、各波長帯域ごとに生成されるフォーカス信号どうしを比較すると、互いにオフセット成分を含むことになる。フォーカス信号どうしのオフセット量の計測は、上記した手順(I)〜(IV)のうち、途中の手順(III)を次の手順(III')に変更することで行われる。
手順(III') 標準基板の重ね合わせマーク30からの反射光L2を、第1対物レンズ19→第2対物レンズ20→AF用の結像光学系(41〜46)の順に通過させた後、波長帯域切替部51によって3つの波長帯域(L5〜L7)のうち1つを選択し、AFセンサ52で受光する。また、3種類のフィルタ54(1)〜(3)を切り替え、他の波長帯域も順に選択し、AFセンサ52で受光する。そして、信号処理部53は、AFセンサ52からの出力信号(2つの光源像の結像中心P1,P2の距離)に基づいて、合焦位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号を生成し、後段のステージ制御部27に出力する。
第2実施形態では、手順(I)→手順(II)→手順(III')→手順(IV)を経て、各波長帯域のフォーカス信号どうしのオフセット量O56,O67が計測され、その結果がステージ制御部27のメモリに記憶される。また、上記と同様、オフセット量O56,O67の基準である中心波長帯域(L6)のフォーカス信号(つまり合焦位置における値)もメモリに記憶される。これらの情報は、一般的な製品基板に対するオートフォーカス制御に使用される。
製品基板に対するAF制御の手順は、上記した手順(i)〜(iii)のうち、途中の手順(ii)を次の手順(ii')に変更し、手順(iii)を次の手順(iii')に変更することで行われる。
手順(ii') 製品基板の重ね合わせマーク30からの反射光L2を、第1対物レンズ19→第2対物レンズ20→AF用の結像光学系(41〜46)の順に通過させた後、波長帯域切替部51によって3つの波長帯域(L5〜L7)のうち1つを選択し、AFセンサ52で受光する。また、3種類のフィルタ54(1)〜(3)を切り替え、他の波長帯域も順に選択し、AFセンサ52で受光する。そして、信号処理部53は、AFセンサ52からの出力信号(2つの光源像の結像中心P1,P2の距離)に基づいて、製品基板の現在のZ位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号を生成し、後段のステージ制御部27に出力する。このとき、各波長帯域ごとのAFセンサ52の出力信号の強弱に関する情報も、ステージ制御部27に出力される。
手順(iii') ステージ制御部27は、各波長帯域ごとのAFセンサ52の出力信号の強弱に関する情報を参照して、3つの波長帯域(L5〜L7)のうち出力信号が最も強い波長帯域に注目する。さらに、製品基板の現在のZ位置における各波長帯域ごとのフォーカス信号のうち、注目波長帯域に対応するフォーカス信号と、メモリ内のオフセット量O56,O67と、メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号とに基づいて、オフセット量O56,O67をキャンセルするように、検査ステージ12をZ方向に駆動し、基板11と第1対物レンズ19との相対位置を調整する(フォーカス調整)。
このように、第2実施形態でも、フォーカス調整の際にメモリ内のオフセット量O56,O67を加味するため、3つの波長帯域(L5〜L7)の何れに対応するフォーカス信号を用いても、「中心波長帯域(L6)が選択されたときに対応するフォーカス信号」が「メモリ内の合焦位置における中心波長帯域(L6)のフォーカス信号」に一致するようなZ位置で、検査ステージ12を停止させることができる。フォーカス調整の後、基板11と第1対物レンズ19との相対位置は、予め定めた合焦位置に設定される。以上で1つの重ね合わせマーク30のAF制御が終了する。
したがって、第2実施形態のオートフォーカス装置によれば、AF用の結像光学系(41〜46)に色収差があっても、基板11(製品基板)から発生する反射光L2の波長特性に応じたフォーカス誤差を確実に低減することができる。その結果、同じ基板11(製品基板)の全ての重ね合わせマーク30において、ほぼ同一のフォーカス状態に設定することができる。
このため、重ね合わせ測定装置50では、製品基板の重ね合わせ検査を、ほぼ同一のフォーカス状態で行うことが可能となる。したがって、1つの製品基板におけるTIS値のバラツキが非常に小さくなり、重ね合わせずれ量ΔをTIS値によって補正する際、同じ製品基板の全ての重ね合わせマーク30において、共通のTIS値を使い回すことが可能となる。この場合には、基板11を反方向(180度方向)に向けた状態での測定を省略し、基板11を正方向(0度方向)に向けた状態での測定のみを実行すればよいので、重ね合わせ検査のスループットが向上する。
なお、上記した第2実施形態では、AF用の結像光学系(41〜46)の光路上に波長帯域切替部51を設けたが、本発明はこれに限定されない。同様の波長帯域切替部を照明光学系(13〜19)の光路上に設け、照明光L1の波長帯域を選択してもよい。照明波長の切り替えにおいて、照明波長フィルタの透過特性がAF用の結像光学系(41〜46)の波長切替部51に含まれるフィルタのうち何れか1つと略同一の場合、AF光学系の波長帯域は、照明光L1の波長帯域と略一致するものに設定する。
(変形例)
なお、上記した第1実施形態と第2実施形態では、波長帯域の分離数を3つとしたが、その分離数は2つでも4つ以上でもよい。分離数を多くするほど、基板11から発生する反射光L2の波長特性に応じたフォーカス誤差を大きく低減させることができる。
フォーカス精度を高める変形例として、例えば、波長分離素子をグレーティング等で構成し、入射光のスペクトルを受光してこのスペクトル情報に基づいてオフセット量を算出する構成としてもよい。オフセット情報は基準波長、又は基準波長に対するオフセット情報を波長−オフセットデータ表や波長−オフセット曲線として予め求めておく。この場合には、オートフォーカス光学系に入射した光を分岐してグレーティング側に入射させる光と、フォーカス信号生成部に入射させる光とに分け、各々を受光面に導く構成とする。そして、グレーティング側に配置された受光面で受光された情報に基づいて基板からの光のスペクトルを得、このスペクトルと、オフセット情報(波長−オフセットデータ表や波長−オフセット曲線)とに基づいてオフセット量を演算する。
また、上述した実施形態では、波長分離素子47または波長帯切替部51で分離した波長帯域のうちの中心波長帯域を基準としてオフセット量を求めたが、基準波長帯はこれに限定されない。中心波長帯域以外の帯域での合焦位置を基準としてオフセット量を算出してもよいし、また、ステージに全反射ミラー等を戴置して、白色光を入射したときのフォーカス位置を基準として各波長帯域でのフォーカス信号とのオフセット量であってもよい。また、所定の狭帯域の波長光の合焦位置を基準としてもよい。
また、上記した実施形態では、各波長帯域のフォーカス信号どうしのオフセット量を計測する際、反射率の波長特性が略均一な標準基板を用いたが、本発明はこれに限定されない。分離された各波長帯域の光(L5〜L7)の強度を十分に大きく確保できるような既知の反射特性であれば、標準基板の反射特性として採用可能である。
さらに、上記した実施形態では、オフセット量の計測の際、手順(II)で、重ね合わせマーク30の画像を目視観察しながらフォーカス状態を確認する例で説明したが、本発明はこれに限定されない。画像処理部26においてマーク像の画像処理を行い、コントラスト方式のAF制御を行ってもよい。
また、上記した実施形態では、重ね合わせ測定装置10,50に組み込まれたオートフォーカス装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。基板11の同じ層に形成された2つのマークの位置ずれ量を測定する装置や、単一のマークとカメラの基準位置との光学的位置ずれを検出する装置や、単一のマークの位置を検出する装置や、基板11に対する露光工程の前に基板11のアライメントを行う装置(つまり露光装置のアライメント系)に組み込まれたオートフォーカス装置にも、本発明を適用できる。アライメント系では、下地層に形成されたアライメントマークの位置を検出し、その検出結果とステージ座標系(干渉計など)との位置関係を求める。
さらに、重ね合わせ測定装置10,50のステージ制御部27によりオフセット量の計測を行う場合に限らず、重ね合わせ測定装置などに接続された外部のコンピュータを用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
重ね合わせ測定装置10に組み込まれた第1実施形態のオートフォーカス装置の構成を示す図である。 オートフォーカス装置の動作原理を説明する図である。 重ね合わせ測定装置50に組み込まれた第2実施形態のオートフォーカス装置の構成を示す図である。 第2実施形態のオートフォーカス装置の波長帯域切替部51について説明する図である。
符号の説明
10,50 重ね合わせ測定装置
11 基板
12 検査ステージ
13 光源
14 照明開口絞り
15 コンデンサーレンズ
16 視野絞り
17 照明リレーレンズ
18,41 ビームスプリッタ
19 第1対物レンズ
20 第2対物レンズ
21 第1結像リレーレンズ
22 結像開口絞り
23 第2結像リレーレンズ
25 CCD撮像素子
26 画像処理装置
27 ステージ制御装置
30 重ね合わせマーク
42 AF第1リレーレンズ
43 平行平面板
44 瞳分割ミラー
45 AF第2リレーレンズ
46 シリンドリカルレンズ
47 波長分離素子
48(1)〜(3),52 AFセンサ
49(1)〜(3),53 信号処理部
51 波長帯域切替部

Claims (4)

  1. 基板を戴置するステージと、前記基板を照明する照明手段と、前記基板の像を形成する結像手段とを備えた結像装置において、
    前記基板から前記結像手段に入射した光を分岐して受光し、予め定められた複数の波長帯のうち各波長帯ごとに、前記基板と前記結像光学系との相対位置に応じたフォーカス信号を生成する信号生成手段と、
    少なくとも、所定の基準光での合焦位置に対する、前記複数の波長帯ごとに生成される前記フォーカス信号により求められた合焦位置のオフセット情報を予め記憶する記憶手段と、
    少なくとも前記複数の波長帯のうちのいずれか1つの波長帯における前記フォーカス信号と前記オフセット情報とに基づいて前記基板と前記結像手段との相対位置を調整する調整手段とを備えたオートフォーカス装置を有する
    ことを特徴とする結像装置。
  2. 請求項1に記載の結像装置において、
    前記信号生成手段は、前記基板からの光を同時に前記複数の波長帯に分離する分光素子と、前記分光素子によって分離された各波長帯の光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを有し、各受光素子からの出力信号に基づいて前記フォーカス信号を生成する
    ことを特徴とする結像装置。
  3. 請求項1に記載の結像装置において、
    前記信号生成手段は、前記基板からの光のうち前記複数の波長帯の光のそれぞれを時系列で取り出す分光素子と、前記分光素子によって分離された各波長帯の光を時系列で受光出する受光素子とを有し、前記受光素子からの出力信号に基づいて前記フォーカス信号を生成する
    ことを特徴とする結像装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の結像装置において、
    前記信号生成手段は、前記波長帯ごとの光を受光して各々の光の強度を検出する強度検出手段を備え、前記調整手段は前記波長帯ごとのフォーカス信号と、前記波長帯ごとの前記オフセット情報と、前記波長帯ごとに受光された光の相対強度に基づいて前記基板と前記結像手段との相対位置を調整する
    ことを特徴とする結像装置。
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