JP2013258803A - モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な方法で、モータ回転時の異音を低減することができるモータ装置、及び電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】マイコン29は、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iα以上の場合には、q軸電流指令値Iq*監視用タイマTrをインクリメントする。そして、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*監視用タイマTrが、q軸電流指令値Iq*監視用タイマ所定値Trα以上の場合には、d軸電流指令値Id*切替制御を実行する。一方、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iαより小さい場合には、d軸電流指令値Id*通常制御を実行する(Id*=0)。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置(EPS)等に用いられるモータ制御装置には、
無効電流成分であるd軸電流と、有効電流成分であるq軸電流とのd/q座標系で、モータの電機子電流を制御して、モータにトルクを発生するものが知られている。
しかし、トルクを発生しているモータの場合、モータのロータとステータ間で吸引力、及び反発力が発生する。モータのステータは、この吸引力、反発力により、微小に変形する。詳述すると、吸引力が働く箇所では、ステータが内径側に力を受けて微小に内側に変形する。一方、反発力が働く箇所では、ステータが外径側に力を受けて微小に外側に変形する。その結果、ステータ概略形状が雲形となる。そして、この雲形の変形が、回転磁界の回転とともに移動し、ステータが拡縮運動を発生する。
この拡縮により、異音が発生する。特に、回転磁界が一定速度で回転する場合には、この拡縮が決まった周期で生じるために、異音が所定の周波数に集中し、音圧レベルが上がり、異音が大となる場合があった。
これに対し、ハウジングの肉厚や、ステータコアのバックヨーク部分の肉厚(径方向の厚み)を増す、又は材質をアルミから鉄に代える方法により、ステータの拡縮を小さくし、異音を防ぐ方法が知られている。
しかし、上記モータでは、ハウジングの肉厚や、ステータコアのバックヨーク部分の肉厚(径方向の厚み)が増加するので、モータが大型化する。又、材質をアルミから鉄に代えるので、モータ質量が増加するという問題があった。
本発明の目的は、簡易な方法で、モータ回転時の異音を低減することができるモータ装置、及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、無効電流成分であるd軸電流と、有効電流成分であるq軸電流と、のd/q軸座標系でモータの電機子電流を制御し、前記モータにトルクを発生させるモータ制御装置において、d軸電流指令値を正負に変化させるd軸電流指令値正負切替手段を有すること、を要旨とする。
上記構成によれば、d軸電流指令値を正負に変化させるd軸電流指令値正負切替手段を有しているので、回転磁界のq軸成分が一定速度で回転する場合でも、正負に切替わるd軸電流指令値により、回転磁界の回転速度を変化させることができる。即ち、ステータの拡縮が決まった周期で生じることを防止できる。その結果、モータ回転時の異音を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、前記d軸電流指令値正負切替手段は、切替周期が一定でないこと、を要旨とする。
上記構成によれば、切替周期が一定でないd軸電流指令値正負切替手段を有しているので、回転磁界のq軸成分が一定速度で回転する場合でも、切替周期がランダムに正負に切替わるd軸電流指令値により、回転磁界の回転速度を著しく変化させることができる。即ち、ステータの拡縮が決まった周期で生じることを、より一層防止できる。その結果、モータ回転時の異音を更に低減することができる。
請求項3に記載の発明は、前記d軸電流指令値正負切替手段は、前記d軸電流指令値の正負切替え面積の総和が零近傍となること、を要旨とする。
上記構成によれば、d軸電流指令値正負切替手段は、d軸電流指令値の正負切替え面積の総和が零近傍となるので、回転磁界の回転速度の変化の総和をほぼ零にすることができる。
その結果、回転ムラによるモータ回転時の異音を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置であること、を要旨とする。
上記構成によれば、モータ回転時の異音を低減することができる。その結果、静粛性に優れた電動パワーステアリング装置を実現できる。
本発明によれば、簡易な方法で、モータ回転時の異音を低減することができるモータ装置、及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの制御ブロック図。 d軸電流指令値Id*生成部の制御ブロック図。 d軸電流指令値Id*生成の処理手順を示すフローチャート図。 本実施形態におけるd軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*のベクトル概念図。 本実施形態におけるd軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*の一実施波形図。 d軸電流指令値Id*切替制御の処理手順を示すフローチャート図(1/2)。 d軸電流指令値Id*切替制御の処理手順を示すフローチャート図(2/2)。
以下、コラム型の電動パワーステアリング装置(以下、EPSという)に具体化した本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、モータ21を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ24と、EPSアクチュエータ24の作動を制御するECU27とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ24は、コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ21は、減速機構23を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。そして、同モータ21の回転を減速機構23により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU27には、車速センサ25、トルクセンサ26、及びモータ回転角センサ22が接続されており、ECU27は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、操舵トルクτ、及びモータ回転角θmを検出する。
尚、トルクセンサ26はツインレゾルバ型のトルクセンサである。ECU27は、図示しないトーションバーの両端に設けられた一対のレゾルバの各出力信号に基づいて操舵トルクτを演算する。また、ECU27は、これら検出される各状態量に基づいて目標アシスト力を演算し、その駆動源であるモータ21への駆動電力の供給を通じて、EPSアクチュエータ24の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する。
次に、本実施形態のEPS1における電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPS1の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU27は、モータ制御信号を出力するマイコン29と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21に三相の駆動電力を供給するモータ駆動回路40、及びモータ21に通電される各相電流値Iu、Iv、Iwを検出するための電流センサ30u、30v、30wとを備えている。
モータ駆動回路40は、直列に接続された一対のスイッチング素子を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる公知のPWMインバータ(図示せず)である。また、マイコン29の出力するモータ制御信号は、モータ駆動回路40を構成する各スイッチング素子のオンデューティ比を規定するものとなっている。モータ制御信号が各スイッチング素子のゲート端子に印加され、モータ制御信号に応答して、各スイッチング素子がオン/オフすることにより、バッテリ28の電源電圧に基づく三相のモータ駆動電力を生成して、モータ21へと出力する構成になっている。
ECU27には、モータ21のモータ回転角θmを検出するためのモータ回転角センサ22が接続されている。そして、マイコン29は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ21の各相電流値Iu、Iv、Iw及びモータ回転角θm、並びに上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、モータ駆動回路40にモータ制御信号を出力する。
以下に示す各制御ブロックは、マイコン29が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。マイコン29は、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
図2に示すように、マイコン29は、モータ21を制御する電流指令値を演算する電流指令値演算部31と、上記モータ駆動回路40を制御するモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部44と、を備えている。
マイコン29は、各相電流値Iu、Iv、Iwをd/q座標系に写像することにより(d/q変換)、同d/q座標系における電流フィードバック制御を実行する。そして、モータ駆動回路40を構成するFETのオン/オフタイミングを決定するDUTY指令値をPWM変換部36で生成し、そのDUTY指令値に基づいてゲートオン/オフ信号の出力を実行する。
詳述すると、電流指令値演算部31は、d軸電流指令値Id*生成部31a、及びq軸電流指令値Iq*生成部31bで構成されている。q軸電流指令値Iq*生成部31bには、トルクセンサ26により検出された操舵トルクτ、及び車速センサ25により検出された車速Vが入力される。そして、q軸電流指令値Iq*生成部31bは、入力された操舵トルクτ、及び車速Vに基づいて、アシストトルクの制御目標であるq軸電流指令値Iq*を演算し、出力する。
一方、d軸電流指令値Id*生成部31aには、モータ回転角センサ22により検出されたモータ回転角θm、及びq軸電流指令値Iq*生成部31bで演算されたq軸電流指令値Iq*が入力される。そして、d軸電流指令値Id*生成部31aは、入力されたモータ回転角θm、及びq軸電流指令値Iq*に基づいて、d軸電流指令値Id*を演算し、出力する。
また、モータ制御信号生成部44には、電流センサ30u、30v、30wにより検出された各相電流値Iu、Iv、Iw、及びモータ回転角センサ22により検出されたモータ回転角θmが入力される。入力された各相電流値Iu、Iv、Iw、及びモータ回転角θmは、d/q変換演算部32で演算され、d軸電流値Id、及びq軸電流値Iqを出力する。
d/q変換演算部32から出力された、d軸電流値Idは、d軸電流指令値Id*生成部31aから出力されたd軸電流指令値Id*と減算器33Jで減算され、d軸偏差電流値ΔIdを生成する。また、d/q変換演算部32から出力された、q軸電流値Iqは、q軸電流指令値Iq*生成部31bから出力されたq軸電流指令値Iq*減算器34Jで減算され、q軸偏差電流値ΔIqを生成する。
そして、d軸偏差電流値ΔIdは、d軸用F/B制御部33に入力され、d軸用F/B制御部33は、d軸電圧指令値Vd*を生成する。一方、q軸偏差電流値ΔIqは、q軸用F/B制御部34に入力され、q軸用F/B制御部34は、q軸電圧指令値Vq*を生成する。
更に、d軸用F/B制御部33で生成されたd軸電圧指令値Vd*、及びq軸用F/B制御部34で生成されたq軸電圧指令値Vq*は、d/q逆変換演算部35に入力され、各相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が生成される。そして、d/q逆変換演算部35で生成された各相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*は、PWM変換部36で、モータ制御信号に変換され、モータ駆動回路40に出力される。
次に、d軸電流指令値Id*生成部31aの概要を図3に基づいて説明する。
d軸電流指令値Id*生成部31aは、d軸電流指令値Id*制御選択部31aa、及びd軸電流指令値Id*切替制御部31abで構成されている。d軸電流指令値Id*制御選択部31aaには、q軸電流指令値Iq*が入力され、d軸電流指令値Id*切替制御部31abには、q軸電流指令値Iq*、及びモータ回転角θmが入力される。
d軸電流指令値Id*制御選択部31aaは、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定の電流値より大きい場合には、モータのロータと、ステータの吸引力、反発力が強まりステータが拡縮運動を起こすと判断する。そして、この拡縮により異音や振動を発生させないために、d軸電流指令値Id*切替制御部31abにて、d軸電流指令値Id*切替制御(詳細は、後述する)を実行することを選択する。一方、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定の電流値より小さい場合には、モータのロータと、ステータの吸引力、反発力が強くなく、ステータが拡縮運動を起こさないと判断し、通常制御(Id*=0)を実行する。
次に、本実施形態のマイコン29によるd軸電流指令値Id*生成の処理手順について図4を用いて詳細に説明する。
即ち、マイコン29は、先ず、q軸電流指令値Iq*を読込む(ステップS101)。次に、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iα以上か否かを判定する(ステップS102)。そして、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iα以上の場合(|Iq*|≧Iα、ステップS102:YES)には、q軸電流指令値Iq*監視用タイマTrをインクリメントする(Tr=Tr+1、ステップS103)。
次に、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*監視用タイマTrが、q軸電流指令値Iq*監視用タイマ所定値Trα以上か否かを判定する(ステップS104)。そして、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*監視用タイマTrが、q軸電流指令値Iq*監視用タイマ所定値Trα以上の場合(Tr≧Trα、ステップS104:YES)には、モータのロータとステータ間で大きな吸引力、及び反発力が発生すると判断し、ステータの拡縮運動を低減するd軸電流指令値Id*切替制御を実行する(ステップS105)。そして、マイコン29は、d軸電流指令値Id*をモータ制御信号生成部44に出力し(ステップS106)、処理を終わる。
一方、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iαより小さい場合(|Iq*|<Iα、ステップS102:NO)には、モータのロータとステータ間で大きな吸引力、及び反発力が発生しないと判断し、d軸電流指令値Id*通常制御を実行する(Id*=0、ステップS107)。そして、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*監視用タイマTrをリセットする(Tr=0、ステップS108)。そして、マイコン29は、d軸電流指令値Id*をモータ制御信号生成部44に出力し(ステップS106)、処理を終わる。
(d軸電流指令値Id*切替制御)
本実施形態における、d軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*のベクトル概念を、図5に基づいて説明する。
図5は、磁石のN極方向をd軸、それと直角方向をq軸とする、公知のd/q軸座標系をあらわしている。本実施形態における、d軸電流指令値Id*通常制御時には、q軸にのみq軸電流指令値Iq*が流され、d軸のd軸電流指令値Id*は零に設定される。一方、本実施形態における、d軸電流指令値Id*切替制御時には、q軸にq軸電流指令値Iq*が流されるとともに、d軸には、d軸の正方向(+方向:強め界磁)にd軸電流指令値Id*、d軸の負方向(−方向:弱め界磁)にd軸電流指令値−Id*が交互に流される。
図6は、図5のd軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*のベクトル概念図を、横軸を時間、縦軸をd軸電流指令値Id*であらわした、本実施形態におけるd軸電流指令値Id*切替制御時の、d軸電流指令値Id*の一実施波形図である。d軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*は、第1波(斜線部S11及びS12)として、切替周波数fd1を有するサイン波(L1)であらわされる。ここで、斜線部S11は、前述したd軸の正方向(+方向:強め界磁)に流されるd軸電流指令値Id*であり、斜線部S12は、前述したd軸の負方向(−方向:弱め界磁)に流されるd軸電流指令値−Id*である。
次に、d軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*は、第2波(斜線部S21及びS22)として、切替周波数fd2を有するサイン波(L1)であらわされる。ここで、切替周波数fd2は、切替周波数fd1より大きくなっている。そして、d軸電流指令値Id*切替制御時のd軸電流指令値Id*は、第n波(斜線部Sn1及びSn2)として、切替周波数fdnを有するサイン波(L1)であらわされる。ここで、切替周波数fdnは、切替周波数fd(n−1)より大きくなっている。
上述したように、切替制御時のd軸電流指令値Id*の切替周波数fdは、漸増するのみならず、漸減してもよいし、増減を繰り返してもよい。即ち、回転磁界が一定速度で回転しないように、正負に切替わるd軸電流により、回転磁界の回転速度を変化させることができればよい。そうすることによって、ステータの拡縮が決まった周期で生じることを防止でき、その結果、モータ回転時の異音を低減することができる。
また、図6からわかるように、切替制御時のd軸電流指令値Id*の正負切替え面積の総和が零近傍と、なるようにすれば、更によい。上記構成によれば、d軸電流指令値Id*によって、回転磁界の回転速度の変化の総和をほぼ零にすることができる。
その結果、回転ムラによるモータ回転時の異音を低減することができる。
次に、本実施形態のマイコン29によるd軸電流指令値Id*切替制御の処理手順について図7、図8を用いて詳細に説明する。
即ち、マイコン29は、先ず、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfをリセットする(Kf=0、ステップS201)。次に、マイコン29は、q軸電流指令値Iq*を読込む(ステップS202)。更に、マイコン29は、モータ回転角θmを読込む(ステップS203)。そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωmを演算する(ωm=dθm/dt、ステップS204)。
次に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の所定周波数fαを演算する(fα=ωm/2π・1/P・βα、ステップS205)。ここで、Pは極対数であり、βαは、d軸電流指令値Id*の所定周波数fαの重み付け係数である。そして、所定周波数fαは、切替周波数fd(後述する)の最大値である。更に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fdを演算する(fd=Kf・ωm/2π、ステップS206)。
次に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fdが、d軸電流指令値Id*の所定周波数fαより小さいか否かを判定する(ステップS207)。そして、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fdが、d軸電流指令値Id*の所定周波数fαより小さい場合(fd<fα、ステップS207:YES)には、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfをインクリメントする(Kf=Kf+1、ステップS208)。こうすることによって、回転磁界が一定速度で回転する場合でも、正負に切替わる切替周波数が変化するd軸電流指令値Id*により、回転磁界の回転速度を変化させることができる。即ち、ステータの拡縮が決まった周期で生じることを防止できる。
次に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグFLGをセットする(FLG=1、ステップS209)。そして、d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグFLGがセットされている期間は、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfのカウントを継続し、d軸電流指令値Id*を出力し続ける。
次に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の振幅値Aを演算する(A=q軸電流指令値Iq*・αa、ステップS210)。ここで、αaはq軸電流指令値Iq*の重み付け係数である。更に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*を演算する(Id*=A・sinfd、ステップS211)。即ち、d軸電流指令値Id*をサイン波にすることにより、強め、弱め界磁を滑らかに、また、一周期の面積を零にすることで、回転磁界の回転速度の変化の総和をほぼ零にすることができる。その結果、回転ムラによるモータ回転時の異音を低減することができる。そして、マイコン29は、d軸電流指令値Id*を出力する(ステップS212)。
次に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfが「0」か、否かを判定する(ステップS213)。そして、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfが「0」でない場合(Kf≠「0」、ステップS213、NO)には、d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグFLGが「0」か、否かを判定する(ステップS214)。そして、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグFLGが「0」でない場合(FLG≠「0」、ステップS214、NO)には、ステップS202に移行する。
一方、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfが「0」の場合(Kf=「0」、ステップS213、YES)には、ステップS202に移行する。更に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグFLGが「0」の場合(FLG=「0」、ステップS214、YES)には、ステップS215に移行する。
更に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fdが、d軸電流指令値Id*の所定周波数fα以上の場合(fd≧fα、ステップS207:NO)には、d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタKfをデクリメントする(Kf=Kf−1、ステップS215)。更に、マイコン29は、d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグFLGをリセットする(FLG=0、ステップS216)。そして、マイコン29は、ステップS210に移行する。
次に、上記のように構成された本実施形態のEPS1の作用及び効果について説明する。
d軸電流指令値を正負に変化させるd軸電流指令値正負切替手段を有しているので、回転磁界のq軸成分が一定速度で回転する場合でも、正負に切替わるd軸電流により、回転磁界の回転速度を変化させることができる。即ち、ステータの拡縮が決まった周期で生じることを防止できる。その結果、モータ回転時の異音を低減することができる。
切替周期が一定でないd軸電流指令値正負切替手段を有しているので、回転磁界のq軸成分が一定速度で回転する場合でも、切替周期がランダムに正負に切替わるd軸電流指令値により、回転磁界の回転速度を著しく変化させることができる。即ち、ステータの拡縮が決まった周期で生じることを、より一層防止できる。その結果、モータ回転時の異音を更に低減することができる。
d軸電流指令値正負切替手段は、d軸電流指令値の正負切替え面積の総和が零近傍となるので、回転磁界の回転速度の変化の総和をほぼ零にすることができる。その結果、回転ムラによるモータ回転時の異音を低減することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iα以上の場合のみ、d軸電流指令値を正負に交互に変化させるようにしたが、q軸電流指令値Iq*の絶対値が、所定電流指令値Iαより小さい場合でも、d軸電流指令値を正負に交互に変化させるようにしてもよい。
・本実施形態では、本発明をコラムアシストEPSに具体化したが、本発明をラックアシストEPSやピニオンアシストEPSに適用してもよい。
1:電動パワーステアリング装置(EPS)、2:ステアリング、
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
6:タイロッド、7:転舵輪、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、
21:モータ、22:モータ回転角センサ、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、25:車速センサ、
26:トルクセンサ、27:ECU、28:バッテリ、29:マイコン、
30u、30v、30w:電流センサ、31:電流指令値演算部、
31a:d軸電流指令値Id*生成部、31aa:d軸電流指令値Id*制御選択部、
31ab:d軸電流指令値Id*切替制御部、31b:q軸電流指令値Iq*生成部、
32:d/q変換演算部、33:d軸用F/B制御部、33J、34J:減算器、
34:q軸用F/B制御部、35:d/q逆変換演算部、36:PWM変換部、
40:モータ駆動回路、44:モータ制御信号生成部、
V:車速、τ:操舵トルク、θm:モータ回転角(機械角)、
ωm:モータ回転角速度、Iu、Iv、Iw:各相電流値、
Iq*:q軸電流指令値、Id*:d軸電流指令値、Id:d軸電流値、
ΔId:d軸偏差電流値、ΔIq:q軸偏差電流値、
Iq:q軸電流値、Vd*:d軸電圧指令値、Vq*:q軸電圧指令値、
Vu*、Vv*、Vw*:各相電圧指令値、
Iα:所定電流指令値、P:極対数、
Tr:q軸電流指令値Iq*監視用タイマ、
Trα:q軸電流指令値Iq*監視用タイマ所定値、
Kf:d軸電流指令値Id*の周波数変更カウンタ、
fα:d軸電流指令値Id*の所定周波数、
fd:d軸電流指令値Id*の切替周波数、
A:d軸電流指令値Id*の振幅値、
αa:q軸電流指令値Iq*の重み付け係数、
βα:d軸電流指令値Id*の所定周波数fαの重み付け係数、
FLG:d軸電流指令値Id*の切替周波数fd増加フラグ

Claims (4)

  1. 無効電流成分であるd軸電流と、有効電流成分であるq軸電流と、のd/q軸座標系でモータの電機子電流を制御し、前記モータにトルクを発生させるモータ制御装置において、
    d軸電流指令値を正負に変化させるd軸電流指令値正負切替手段を有すること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記d軸電流指令値正負切替手段は、切替周期が一定でないことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記d軸電流指令値正負切替手段は、前記d軸電流指令値の正負切替え面積の総和が零近傍と、なることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記請求項1〜3に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置。
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