JP2013256225A - 車両の走行支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバビリティの低下を招くことなく、減速制御を適切なタイミングで開始させることができる車両の走行支援装置を提供する。
【解決手段】衝突回避ECUは、制動制御開始条件の成立時に目標相対減速度Afを第1の目標値Af1に設定し、相対減速度Grを目標相対減速度Afに近づける第1の制動制御を実行させる。衝突回避ECUは、第1のタイミングt11での相対減速度を基準とする基準相対減速度Asubが規定相対減速度Athに達したときには、その時点の基準相対減速度の変化量である減速度変化量が小さいときには減速度変化量が大きいときよりも第2の目標値を大きい値に決定する。そして、衝突回避ECUは、目標相対減速度Afを第2の目標値に設定し、相対減速度Grを目標相対減速度Afに近づける第2の制動制御を実行させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の走行支援装置に関する。
近年、設定された目標に従って自車両の走行を制御する走行支援装置の開発が進められている。こうした走行支援装置の一例としては、自車両と自車両の進行方向前側に存在する先行車との車間距離が所定距離以上で保持されるように車両制御を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
こうした装置においては、自車両と先行車との車間距離が監視されている。そして、車間距離が所定距離未満になったときには、所定距離から車間距離を差し引いた偏差が算出され、同偏差が「0(零)」未満となるように車体速度(詳しくは、先行車を基準とした自車両の相対速度)が制御される。例えば、上記の偏差が大きいときには小さいときよりも目標相対減速度が大きい値に設定され、先行車を基準とした自車両の相対減速度が目標相対減速度に近づくように減速制御が行われる。
特開2000−177428号公報
ところで、上記のような走行支援装置としては、予め設定された所定周期毎に、上記の偏差を算出するとともに、目標相対減速度を最新の偏差に応じた値に変更する装置が挙げられる。この場合、上記の偏差が変化する度に目標相対減速度が変更されることになる。
ここで、フィードバック制御を含む減速制御で用いられる制御ゲイン(例えば、比例ゲインや積分ゲイン)が大きいときには、相対減速度を目標相対減速度近傍まで速やかに上昇させることが可能となる。しかし、相対減速度が目標相対減速度近傍に達した後においては、相対減速度が目標相対減速度を上回るオーバーシュートと相対減速度が目標相対減速度を下回るアンダーシュートとが繰り返し発生し、相対減速度を一定値に収束させるのにある程度の時間が要することとなる。これは、オーバーシュート時やアンダーシュート時であっても上記の偏差が変化し、こうした偏差の変化に応じて目標相対減速度が変更されるためである。このように制御ゲインが大きい値に設定された状態で目標値である目標相対減速度が一定値に定まっていないときには、相対減速度を収束させにくい。この場合、減速制御時にあっては、自車両の減速度の上昇及び低下に起因してドライバビリティが低下するおそれがある。
このようなドライバビリティの低下を抑制する方法としては、上記の制御ゲインを小さくする方法が考えられる。この場合、相対減速度が目標相対減速度近傍に達した後にあっては、相対減速度を早期に一定値に収束させやすくなる。しかし、この場合には、相対減速度を目標相対減速度近傍まで上昇させる過程において相対減速度の変化勾配が緩やかになる。そのため、自車両と先行車との衝突を回避するためには、所定距離を比較的長い距離に設定し、減速制御を早期に開始させることが好ましい。
なお、こうした問題は、自車両と先行車との車間距離を所定距離以上で保つために減速制御を実行する場合に限らず、自車両の進行方向前側に設定された目標位置までに相対速度を規定速度以下とする際に減速制御を実行する場合であっても同様に発生し得る。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、ドライバビリティの低下を招くことなく、減速制御を適切なタイミングで開始させることができる車両の走行支援装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
本発明の一態様は、自車両(C1)の進行方向前側に存在する対象(C2)を基準とした自車両(C1)の相対減速度(Gr)が目標相対減速度(Af)となるように減速制御を行い、対象(C2)を基準とした自車両(C1)の相対速度(Vr)を、対象(C2)の後ろに設定された目標位置(P1)で規定速度(Vth)以下とする車両の走行支援装置を前提としている。そして、この走行支援装置では、減速制御の開始条件の成立時に目標相対減速度(Af)を第1の目標値(Af1)とし、相対減速度(Gr)を目標相対減速度(Af)に近づける第1の減速制御を実行させ(S15,S19)、第1の減速制御が開始された時点の相対減速度を基準とした基準相対減速度(Asub)が規定相対減速度(Ath)に達したとき(S14:YES)に、その時点の基準相対減速度の変化量である減速度変化量(Jt)が小さい場合にはその時点の減速度変化量(Jt)が大きい場合よりも第2の目標値(Af2)を大きい値に決定し(S176)、目標相対減速度(Af)を第2の目標値(Af2)とし、相対減速度(Gr)を目標相対減速度(Af)に近づける第2の減速制御を実行させる(S18,S19)ようにした。
減速制御によって自車両(C1)が減速し始めたとしても、その減速度の変化量は、そのときの自車両(C1)の減速特性によって変わる。すなわち、自車両(C1)の減速度の変化量は、自車両(C1)が減速しにくいときには小さくなり、自車両(C1)が減速しやすいときには大きくなる。そこで、第1の減速制御の開始によって相対減速度(Gr)を第1の目標値(Af1)に近づける過程で基準相対減速度(Asub)が規定相対減速度(Ath)に達すると、その時点の減速度の変化量である減速度変化量(Jt)に基づいて第2の目標値(Af2)が決定される。すると、相対減速度(Gr)を第2の目標値(Af2)に近づける第2の減速制御が、第1の減速制御に変わって実行される。その結果、そのときの自車両の減速特性に拘わらず、相対速度(Vr)を、目標位置(P1)で規定速度(Vth)以下とすることが可能となる。
また、上記構成では、その時点の基準相対減速度とその時点の目標相対減速度との偏差によって次回の目標相対減速度が逐次変更される場合と比較して、目標相対減速度(Af)を早期に一定値とすることが可能となる。そのため、減速制御中における自車両の減速度を速やかに一定値に収束することが可能となる。その結果、減速制御中においては、減速制御時に用いられる制御ゲインを大きい値に設定しても自車両の減速度の上昇と低下との繰り返しが発生しにくくなり、ひいては減速制御時におけるドライバビリティの低下が抑制される。したがって、ドライバビリティの低下を招くことなく、減速制御を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
なお、走行支援装置にあっては、規定相対減速度(Ath)よりも大きい値を含み且つ互いに値の異なる複数の候補値(Af2C(N))を記憶する記憶部(202)を設け、取得した減速度変化量(Jt)が小さいときには、減速度変化量(Jt)が大きいときよりも大きい値の候補値を選択し、この選択した候補値に基づいて第2の目標値(Af2)を決定することが好ましい。
また、走行支援装置にあっては、規定相対減速度(Ath)よりも大きい値を含み且つ互いに値の異なる複数の候補値(Af2C(N))を記憶する記憶部(202)を設け、減速度変化量(Jt)を取得したとき(S13)に、第2の制動制御の実行によって相対速度(Vr)が規定速度(Vth)に達する時点の自車両(C1)の位置と目標位置(P1)との間隔(Xs)が最小となり得る候補値を、取得した減速度変化量(Jt)に基づいて選択し(S176)、この選択した候補値に基づいて第2の目標値(Af2)を決定することが好ましい。これにより、相対速度(Vr)が規定速度(Vth)に達する時点の自車両(C1)の位置と目標位置(P1)との間隔(Xs)を極力狭くすることが可能となる。
例えば、第2の目標値(Af2)を決定するに際しては、以下に示すように決定することが好ましい。
すなわち、基準相対減速度(Asub)が規定相対減速度(Ath)に達した第1時点から基準相対減速度(Asub)が候補値(Af2C(N))に達する第2時点までに要する推定時間である推定到達時間(T)、第2時点での相対速度の推定値である推定相対速度(Vs)、及び第1時点から第2時点までの自車両(C1)の移動距離の推定値である推定移動距離(X)を、候補値毎に算出する(S172,S173,S174)。さらに、間隔(Xs)を、算出した推定到達時間(T)、推定相対速度(Vs)及び推定移動距離(X)に基づいて候補値毎に算出する(S175)。
そして、こうして候補値(Af2C(N))毎に間隔(Xs(N))が算出されると、各候補値(Af2C(N))のうち間隔(Xs)が最小となる候補値を選択し、この選択した候補値に基づいて第2の目標値(Af2)を決定することが可能となる。こうした制御構成を採用することにより、目標相対減速度を早期に一定値に定めることが可能となり、減速制御時におけるドライバビリティの低下を抑制することができるようになる。
また、第1の目標値(Af1)を、第1の減速制御を行うに際し、自車両(C1)の車体速度(VS)が高速であるときには低速であるときよりも大きい値に設定する(S12)ことが好ましい。これにより、そのときに自車両(C1)に発生させることができる相対減速度の変化量の限界値に近い値を、減速度変化量(Jt)として取得することが可能となる。そのため、第2の目標値(Af2)を、そのときの自車両(C1)の減速特性に応じた値に設定しやすくすることができるようになる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明にかかる車両の走行支援装置の一実施形態である衝突回避ECUを備える車両を示すブロック図。 (a),(b)は制動制御の実行によって自車両と先行車との衝突が回避される様子を示す模式図。 (a)〜(c)は本実施形態の制動制御が実行されたときの相対速度、相対距離、相対減速度が変化する様子を示すタイミングチャート。 自車両と衝突回避対象との衝突を回避するために衝突回避ECUが実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)〜(c)は本実施形態の制動制御が実行される場合と、第1及び第2の各比較例の制動制御が実行される場合とでの減速度の変化態様の相違を説明するタイミングチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、車両には、運転者によるアクセル操作に応じた動力を出力するエンジン11と、車輪12に制動トルクを付与するために作動するブレーキアクチュエータ13と、車輪12毎に設けられる摩擦式のブレーキ機構14とが設けられている。このブレーキ機構14は、車輪12と一体回転する回転体141(ロータなど)と、非制動時には回転体141から離れた位置に位置する摩擦材142(パッドなど)とを備えている。こうしたブレーキ機構14においては、運転者によるブレーキ操作時やブレーキアクチュエータ13の作動時に、摩擦材142が回転体141に接近する。そして、摩擦材142が回転体141に摺接すると、摩擦材142と回転体141との間に生じた摩擦力に応じた制動トルクが車輪12に付与される。
また、車両には、車両の進行方向前側に存在する衝突回避対象を認識する衝突回避対象認識システム15が設けられている。なお、本実施形態において、衝突回避対象としては、自車両の進行方向前側を走行する先行車、自車両の進行方向前側に設けられた壁などの非移動物、自車両の走行経路に突然進入した対象(車両、通行人など)などが挙げられる。
衝突回避対象認識システム15としては、レーザやミリ波を用いたレーダシステムや、ステレオ画像処理システムなどが挙げられる。こうした衝突回避対象認識システム15には、自車両の進行方向前側を監視可能な位置に設置されるカメラ、レーダ及びセンサなどの監視部151が設けられている。
衝突回避対象認識システム15は、監視部151によって衝突回避対象が認識されると、自車両と衝突回避対象との相対距離Xr、衝突回避対象を基準とした自車両の相対速度Vr、衝突回避対象を基準とした自車両の相対減速度Grを、監視部151による監視結果に基づいて予め設定された所定周期毎に測定する。そして、衝突回避対象認識システム15は、相対距離Xr、相対速度Vr及び相対減速度Grを測定する毎に相対距離Xr、相対速度Vr及び相対減速度Grに関する相対情報を、車両の制御システム20に送信する。なお、「相対速度Vr」は、相対距離Xrを時間微分した値に応じた値である。また、「相対減速度Gr」は、相対速度Vrを時間微分した値に応じた値である。
制御システム20は、衝突回避対象認識システム15から所定周期毎に相対情報を受信する。こうした制御システム20には、自車両の前後方向減速度(以下、単に「減速度」ともいう。)を検出するための前後方向加速度センサ31、及び車輪12の車輪速度を検出するための車輪速度センサ32が電気的に接続されている。また、制御システム20には、運転者によるアクセル操作量を検出するためのアクセル開度センサ33、及び運転者によるブレーキ操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ34が電気的に接続されている。
制御システム20は、CPU201と、ROM、RAM及び不揮発性メモリなどで構成される記憶部202とを有する複数のECU(Electronic Control Unit)を備えている。こうしたECUとして、エンジンECU21、ブレーキECU22及び走行支援装置の一例としての衝突回避ECU23が設けられている。
エンジンECU21は、燃料の噴射制御及び吸気量の調整制御などのエンジン11の各種制御を司る。こうしたエンジンECU21は、アクセル開度センサ33からの検出信号に基づきアクセル開度を算出し、このアクセル開度に関する情報を他のECUに送信する。
ブレーキECU22は、自車両に対する制動トルクの調整制御、及び車輪12毎の制動トルクの調整制御などを司る。こうしたブレーキECU22は、車輪12毎に設けられた各車輪速度センサ32のうち少なくとも一つの車輪速度センサ32からの検出信号に基づき自車両の車体速度と、前後方向加速度センサ31からの検出信号に基づき自車両の減速度となどを算出する。そして、ブレーキECU22は、算出した車体速度及び減速度などに関する情報に加え、ブレーキ操作がなされているか否かに関する情報を他のECUに送信する。なお、ここで算出される「減速度」は、自車両が減速しているときには正の値となり、自車両が加速しているときには負の値となる。
アクセル開度、車体速度及び減速度などの走行情報は、衝突回避対象認識システム15での相対距離Xr、相対速度Vr及び相対減速度Grの測定間隔である所定周期よりも短い周期毎に算出される。
次に、自車両と衝突回避対象との衝突を回避する方法の一例について、図2を参照して説明する。なお、ここでは、衝突回避対象が自車両C1の進行方向前側を走行する先行車C2であるものとし、先行車C2の急停止によって自車両C1と先行車C2との相対距離Xrが短くなるものとする。
図2(a)に示すように、自車両C1と先行車C2との車体速度VSが同一速度である場合、即ち先行車C2を基準とする自車両C1の相対速度Vrが「0(零)」である場合、相対距離Xrは変化しない。しかし、自車両C1が一定速度で走行しているときに先行車C2が減速して停止すると、先行車C2を基準とする自車両C1の相対速度Vrが「0(零)」よりも大きくなる。その結果、相対距離Xrが急激に短くなる。
そして、自車両C1の衝突回避ECU23で自車両C1と先行車C2との衝突の可能性が高くなったと判断されると、自車両C1では減速制御の一例としての制動制御が開始される。例えば、図2(b)に示すように、先行車C2よりも目標相対距離Xt(例えば、1m)だけ後ろに目標位置P1が設定され、相対速度Vrが目標位置P1あたりで規定速度Vth(本実施形態では「0(零)」)となるように目標相対減速度が設定される。すなわち、設定された目標位置P1で自車両C1の車体速度VSが「0(零)」となるように制動制御が実行される。
ところで、自車両C1と先行車C2との衝突を回避するために制動制御が開始されたとしても、制動制御時における自車両C1の減速特性は、その時々によって変わることがある。例えば、自車両C1の積載量が多い状態での制動制御時には、積載量が少ない状態での制動制御時と比較して自車両C1の減速度が大きくなりにくい。また、減速特性は、車輪12に装着されるタイヤの摩耗度合などによっても変わることもある。そのため、制動制御の実行時には、制動制御時における目標相対減速度を、そのときの自車両C1の減速特性に応じた値に設定することが好ましい。
すなわち、自車両C1の減速度が大きくなりにくい状態での制動制御時には、目標相対減速度を比較的大きい値に決定することが好ましい。その一方で、自車両C1の減速度が大きくなりやすい状態での制動制御時には、目標相対減速度を比較的小さい値に決定することが好ましい。このようにその時点の自車両C1の減速特性に応じて目標相対減速度を決定することにより、制動制御によって、目標位置P1近傍で相対速度Vrが規定速度Vth以下となりやすくなる。つまり、制動制御が適切に実行される。
そこで次に、本実施形態の制動制御時における自車両C1の動作について、図3に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、図3では、制動制御の開始時点では先行車C2が既に停止しているものとする。
図3(a),(b)に示すように、相対速度Vrが「0(零)」よりも大きい値で一定となっている場合には、相対距離Xrが次第に短くなる。そして、第1のタイミングt11で自車両C1と先行車C2とが衝突の可能性が有りと判断されると、制動制御が開始される。すると、この第1のタイミングt11では、自車両C1の相対速度Vrが目標位置P1で「0(零)」となるように、第1の目標値Af1が算出される。例えば、第1の目標値Af1は、制動制御の開始時点における自車両C1の車体速度に基づき算出される。そして、この第1の目標値Af1が、暫定的な目標相対減速度Afとされる。
すると、第1のタイミングt11以降からは、この時点での相対減速度Gr(=0(零))を基準とした相対的な減速度として基準相対減速度Asubが目標相対減速度Af(=第1の目標値Af1)に近づくようにブレーキアクチュエータ13を作動させる第1の制動制御が開始される。そして、時間の経過とともに基準相対減速度Asubが大きくなり、この基準相対減速度Asubが予め設定された規定相対減速度Athに達すると、この時点の基準相対減速度Asubの変化量である減速度変化量Jtが算出される。そして、この減速度変化量Jtに基づいて第2の目標値Af2が決定され、目標相対減速度Afが第1の目標値Af1から第2の目標値Af2に変更される。すると、基準相対減速度Asubが目標相対減速度Af(=第2の目標値Af2)に近づくようにブレーキアクチュエータ13を作動させる第2の制動制御が、第1の制動制御に変わって実行される。
ここで、図3(c)に示すように、第2の目標値Af2が決定されるタイミングは、制動制御の開始時における自車両C1の減速特性によって異なる。これは、第1の目標値Af1が自車両C1の減速特性とは無関係に算出されるためである。そのため、積載量が少ない場合などのように自車両C1が減速しやすいときには、比較的早い第2のタイミングt12で第2の目標値Af2が決定される。この場合、第2の目標値Af2は、減速度変化量Jtが大きいため、比較的小さい値、例えば第1の目標値Af1よりも小さい値に設定される。このように第2の目標値Af2を設定しても、図3(a)〜(c)に示すように、目標位置P1近傍で相対速度Vrを「0(零)」とすることが可能となる(第5のタイミングt15)。
また、積載量が中程度である場合などのように自車両C1がある程度減速しやすいときには、第2のタイミングt12よりも後の第3のタイミングt13で第2の目標値Af2が決定される。この場合、第2の目標値Af2は、中程度の値、例えば第1の目標値Af1と同一値に設定される。このように第2の目標値Af2を設定することで、目標位置P1近傍で相対速度Vrを「0(零)」とすることが可能となる(第5のタイミングt15)。
また、積載量が多い場合などのように自車両C1が減速しにくいときには、第3のタイミングt13よりも後の第4のタイミングt14で第2の目標値Af2が決定される。この場合、第2の目標値Af2は、比較的大きい値、例えば第1の目標値Af1よりも大きい値に設定される。このように第2の目標値Af2を設定することで、目標位置P1近傍で相対速度Vrを「0(零)」とすることが可能となる(第5のタイミングt15)。
次に、本実施形態の衝突回避ECU23が実行する処理ルーチンについて、図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この処理ルーチンは、予め設定された所定周期毎に実行される。
図4に示す処理ルーチンにおいて、衝突回避ECU23は、制動制御の開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS11)。開始条件が成立していない場合(ステップS11:NO)、衝突回避ECU23は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、開始条件が成立している場合(ステップS11:YES)、衝突回避ECU23は、第1の目標値Af1を算出するための第1の目標値設定処理を行う(ステップS12)。例えば、第1の目標値設定処理において、衝突回避ECU23は、以下に示す関係式(式1),(式2)を用いて第1の目標値Af1を算出する。このとき、第1の目標値Af1は、開始条件の成立時における車体速度「VS」が高速であるときほど大きい値となる。
なお、関係式(式1)は、制動制御が開始された時点から相対減速度Grが目標相対減速度であると仮定した場合を示している。そのため、関係式(式1)を用いて算出された減速度「α」に対して補正ゲイン「β(>1)」を掛け合わせることにより、第1の目標値Af1が算出される。
R…開始条件成立時(第1のタイミングt11)での相対距離Xr。
そして、衝突回避ECU23は、現時点の相対減速度Grから開始条件成立時の相対減速度Grを差し引いた減算結果を基準相対減速度Asubとする(ステップS13)。続いて、衝突回避ECU23は、ステップS13で算出した基準相対減速度Asubが予め設定された規定相対減速度Ath以上であるか否かを判定する(ステップS14)。規定相対減速度Athは、第1の制動制御の実行によって、自車両C1の減速度の変化勾配が一定勾配となっていると推定される時点の基準相対減速度Asubに基づいて設定されている。
そして、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Ath未満である場合(ステップS14:NO)、衝突回避ECU23は、目標相対減速度AfにステップS12で算出した第1の目標値Af1を設定し(ステップS15)、その処理を後述するステップS19に移行する。一方、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Ath以上になった場合(ステップS14:YES)、衝突回避ECU23は、現在相対速度Vc、現在相対減速度Ac及び現在相対距離Xcを記憶部202から読み出す(ステップS16)。なお、現在相対速度Vc、現在相対減速度Ac及び現在相対距離Xcは、今回の処理ルーチンの実行時点での相対速度Vr、相対減速度Gr及び相対距離Xrのことである。続いて、衝突回避ECU23は、第2の目標値Af2を設定するための第2の目標値設定処理を行う(ステップS17)。
この第2の目標値設定処理において、衝突回避ECU23は、その記憶部202に記憶されているM個(Mは2以上の正数)の候補値Af2C(N)を読み出す(ステップS171)。例えば、これら各候補値Af2C(N)には、規定相対減速度Athよりも大きく且つ互いに大きさの異なる複数の値が含まれている。なお、「N」には、「1」、「2」、・・・、「M」が代入される。
そして、衝突回避ECU23は、推定到達時間T(N)、推定相対速度Vs(N)、推定移動距離X(N)及び推定残存距離Xs(N)を、以下に示す関係式(式3),(式4),(式5),(式6)を用いて候補値Af2C(N)毎に算出する(ステップS172,S173,S174,S175)。続いて、衝突回避ECU23は、全ての候補値Af2C(N)のうち、ステップS175で算出した推定残存距離Xsが最小となる候補値を第2の目標値Af2とし(ステップS176)、第2の目標値設定処理を終了する。例えば、推定残存距離Xs(1),Xs(2),・・・,Xs(M)のうち推定残存距離Xs(2)が最小である場合、推定残存距離Xs(2)に対応する候補値Af2C(2)が第2の目標値Af2に決定される。
なお、推定到達時間T(N)は、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Athに達した第1時点から基準相対減速度Asubが候補値Af2C(N)に達し得る第2時点までに要する推定時間である。本実施形態では、第1時点から第2時点までの間では相対減速度が一定勾配で変化するとの仮定の下、推定到達時間T(N)は、候補値Af2C(N)、現在相対減速度Ac及び減速度変化量Jtに基づいて算出される。
また、推定相対速度Vs(N)は、第2時点での相対速度の推定値である。本実施形態では、第1時点から第2時点までの間では相対減速度が一定勾配で変化するとの仮定の下、推定相対速度Vs(N)は、現在相対速度Vc、推定到達時間T(N)、現在相対減速度Ac及び減速度変化量Jtに基づいて算出される。
また、推定移動距離X(N)は、第1時点から第2時点までの自車両C1の移動距離の推定値である。本実施形態では、第1時点から第2時点までの間では相対減速度が一定勾配で変化するとの仮定の下、推定移動距離X(N)は、現在相対速度Vc、推定到達時間T(N)、現在相対減速度Ac及び減速度変化量Jtに基づいて算出される。
そして、推定残存距離Xs(N)は、相対速度Vrが「0(零)」となった時点における自車両C1の到達位置と目標位置P1との間隔の推定値である。本実施形態では、第2時点以降においては相対減速度が一定であるとの仮定の下、推定残存距離Xs(N)は、現在相対距離Xc、推定移動距離X(N)、推定相対速度Vs(N)及び候補値Af2C(N)に基づいて算出される。
その後、衝突回避ECU23は、目標相対減速度AfにステップS176で設定した第2の目標値Af2を設定し(ステップS18)、その処理を次のステップS19に移行する。
ステップS19において、衝突回避ECU23は、ステップS15又はステップS18で設定した目標相対減速度Afに関する情報をブレーキECU22に送信する。そして、衝突回避ECU23は、本処理ルーチンを一旦終了する。
情報を受信したブレーキECU22は、基準相対減速度Asubが目標相対減速度Afに近づくようにブレーキアクチュエータ13を制御する制動制御を行う。すなわち、本実施形態の衝突回避ECU23は、ステップS15にて目標相対減速度Afを設定したときには、第1の減速制御の一例としての第1の制動制御を実行させる。また、衝突回避ECU23は、ステップS18にて目標相対減速度Afを設定したときには、第2の減速制御の一例としての第2の制動制御を第1の制動制御に変わって実行させる。
なお、制動制御の実行中では、エンジンECU21は、エンジン11から車輪12に伝達される動力を制限する制限制御を実行する。
次に、本実施形態の制動制御と、以下に示す2つの比較例の制動制御との比較について、図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。
第1及び第2の各比較例の制動制御では、予め設定された周期毎に、その時点の相対減速度Grとその時点の目標相対減速度Afとの偏差が算出されるとともに、この偏差に基づいて次回の目標相対減速度Afが決定される。そして、その時点の相対減速度Grが次回の目標相対減速度Afに近づくようにブレーキアクチュエータ13が制御される。
第1の比較例の制動制御では、第2の比較例の制動制御と比較して、制動制御の実行に際して用いられる制御ゲイン(比例ゲインなど)が大きい値に設定されている。そのため、フィードバック制御を含む制動制御を行うと、図5(a),(b)に示すように、第1の比較例では第2の比較例よりも制動制御が開始される第1のタイミングt21から、相対減速度Grが最終的な目標相対減速度Af近傍に達する第3のタイミングt23までの期間が短くなる。しかし、制御ゲインが大きいとともに、第3のタイミングt23以降でも目標相対減速度Afが適宜変更されるため、第3のタイミングt23以降では、相対減速度Grが目標相対減速度Afを上回るオーバーシュートと相対減速度Grが目標相対減速度Afを下回るアンダーシュートとが繰り返し発生する。そのため、相対減速度Grが一定値で収束するまでの期間Aが長くなる。
その一方で、第2の比較例では、第1の比較例よりも、相対減速度Grが最終的な目標相対減速度Af近傍まで達するのに時間がかかる。すなわち、第3のタイミングt23よりも後の第4のタイミングt24で、相対減速度Grが最終的な目標相対減速度Af近傍に達する。しかし、相対減速度Grが最終的な目標相対減速度Af近傍まで達してからは、制御ゲインが小さいために、相対減速度Grが早期に一定値で収束する。
これに対し、本実施形態では、第1のタイミングt21で制動制御(第1の制動制御)が開始されると、第3のタイミングt23よりも手前の第2のタイミングt22で、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Athに達する。この第1のタイミングt21から第2のタイミングt22までの間では、目標相対減速度Afが第1の目標値Af1で一定となっている。この第2のタイミングt22では、減速度変化量Jtが、そのときの自車両C1の減速特性に基づいた減速度変化量の限界値に近い値となっている。そして、こうした第2のタイミングt22で第2の目標値Af2が決定され、第2のタイミングt22以降では基準相対減速度Asubが第2の目標値Af2に達するように第2の制動制御が、第1の制動制御に変わって実行される。
本実施形態では、上記各比較例の場合とは異なり、基準相対減速度Asubが最終的な目標相対減速度Af近傍に達したタイミング以降では、目標相対減速度Afが変更される可能性が低い。すなわち、相対減速度Grが目標相対減速度Afを上回るオーバーシュートや相対減速度Grが目標相対減速度Afを下回るアンダーシュートが発生する期間であっても、目標相対減速度Afが一定値である可能性が高い。そのため、第1の比較例の場合と比較して、オーバーシュートやアンダーシュートの発生時における偏差(即ち、その時点の相対減速度Grと目標相対減速度Afとの差)が小さくなりやすい。そのため、上記の制御ゲインを第1の比較例の場合と同様に大きい値に設定しても、基準相対減速度Asubが目標相対減速度Af近傍に達する第3のタイミングt23以降では、基準相対減速度Asubが早期に一定値に収束しやすくなる。その結果、自車両C1の減速度の変動が少なくなり、制動制御時におけるドライバビリティの低下が抑制される。また、このように制御ゲインを大きい値に設定できる分、第1の比較例の場合と同様に、基準相対減速度Asubが最終的な目標相対減速度Af近傍まで早期に達するようになる。
なお、上記では先行車C2の走行状態が一定である場合(即ち、停止している場合)について説明している。しかし、実際には、制動制御中に先行車C2が急発進したり、走行中の先行車C2が急停止したりするなど、先行車C2の走行状態が変わることもあり得る。この場合、前回の相対距離Xrと今回の相対距離Xrとが大きく異なる可能性が生じる。第1及び第2の各比較例の場合にあっては、先行車C2の走行状態が急変しても、目標相対減速度Afを速やかに修正することが困難である。そのため、先行車C2の走行状態が急変するときには、適切な制動制御を実行できるとは言い難い。
これに対し、本実施形態では、相対距離Xrの大幅な変化によって、上記関係式(式6)に基づき各推定残存距離Xs(N)が新たに算出され、第2の目標値Af2が変更される。そして、この変更された第2の目標値Af2に基づき第2の制動制御が実行されることとなる。すなわち、先行車C2の走行状態の急変に併せて制動制御の制御態様を適切に調整することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1の制動制御の実行中に基準相対減速度Asubが規定相対減速度Athに達すると、その時点の基準相対減速度Asubの変化量である減速度変化量Jtに基づいて第2の目標値Af2が決定される。そして、基準相対減速度Asubを第2の目標値Af2に近づける第2の制動制御が、第1の制動制御に変わって実行される。その結果、第1及び第2の各比較例と比較して、目標相対減速度Afを早期に一定値とすることが可能となる。そのため、制御ゲインを大きい値に設定して制動制御を実行しても、制動制御中における自車両の減速度を速やかに一定値に収束することが可能となるとともに、基準相対減速度Asubが最終的な目標相対減速度Af近傍まで早期に達するようになる。したがって、ドライバビリティの低下を招くことなく、制動制御を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
(2)本実施形態では、第2の目標値Af2を決定するに際し、記憶部202に記憶されている複数の候補値Af2C(N)の中から、減速度変化量Jtが小さいときほど大きい値の候補値が選択され、この選択された候補値に基づいて第2の目標値Af2が決定される。このようにそのときの自車両C1の減速しやすさによって第2の目標値Af2を決定することにより、その時点の自車両C1の減速特性に拘わらず、目標位置P1近傍で相対速度Vrを規定速度Vth以下とすることができるようになる。
(3)具体的には、記憶部202に記憶されている複数の候補値Af2C(N)の中から、推定残存距離Xsが最短となる候補値が第2の目標値Af2とされる。その結果、目標位置P1に極力近い位置で相対速度Vrを「0(零)」とすることができるようになる。そのため、制動制御時には、自車両C1に対して適度な制動トルクを付与することができるようになる。
(4)本実施形態では、第1の目標値Af1は、制動制御の開始時点における相対速度Vrが高速であるときほど大きい値に設定される。このように設定された第1の目標値Af1に基準相対減速度Asubを近づける第1の制動制御を実行することにより、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Athに達した時点で、そのときに自車両C1に発生させることができる相対減速度の変化量の限界値に近い値を、減速度変化量Jtとして取得することが可能となる。そのため、第2の目標値Af2を、そのときの自車両C1の減速特性に応じた値に設定しやすくすることができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第1の目標値Af1を、制動制御の開始条件の成立時における自車両C1の減速度が大きいときには減速度が小さいときよりも大きい値に設定するようにしてもよい。
・第1の目標値Af1を、制動制御の開始条件の成立時点の相対速度Vrなどとは関係なく、予め設定された所定値としてもよい。
このように制動制御の開始条件の成立時点の相対速度Vrなどとは無関係に第1の目標値Af1を設定する場合には、規定相対減速度Athを、開始条件の成立時点の相対速度Vrが高速であるときほど大きい値とするようにしてもよい。
・第2の目標値Af2の決定に際し、上記関係式(式6)を用いて算出された各推定残存距離Xs(N)の中から値が正となる推定残存距離Xsを抽出し、抽出した推定残存距離Xsのうち最小となる推定残存距離に応じた候補値Af2Cを第2の目標値Af2としてもよい。
・第2の目標値Af2を、推定残存距離Xsが最小となる候補値Af2C(N)に対して予め設定された所定ゲインを掛け合わせた値としてもよい。例えば、この所定ゲインを、予め設定された所定値としてもよいし、車体速度などの自車両C1の状態に基づいて設定してもよいし、前回の制動制御の制御結果や通常時の制動状態などから学習した自車両C1の状態に基づいて設定してもよい。ただし、所定ゲインは「1」以上の値(例えば、1.1)であることが好ましい。
・第2の目標値Af2を、2番目に小さい推定残存距離Xsに応じた候補値Af2C(N)に決定してもよい。
・図3からも明らかなように、自車両C1が減速しやすいか減速しにくいかによって、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Ath以上になるタイミングは異なる。そこで、基準相対減速度Asubが規定相対減速度Ath以上になった時点の基準相対減速度Asubの変化量である減速度変化量Jtの代わりに、制動制御の開始条件が成立した時点から基準相対減速度Asubが規定相対減速度Ath以上になる時点までの期間を取得してもよい。そして、取得した期間が長いときには期間が短いときよりも第2の目標値Af2を大きい値に設定するようにしてもよい。このような制御構成を採用しても、上記実施形態と同等の作用・効果を得ることができる。
・候補値としては、規定相対減速度Athよりも大きい2つ以上の候補値が記憶部202に記憶されているのであれば、規定相対減速度Ath以下となる候補値を記憶部202に記憶させておいてもよい。
・各候補値Af2C(N)は、予め設定された所定値であってもよいし、制動制御が実行される度に変更(学習)される値であってもよい。
・減速制御は、自車両C1に対する制動トルクを調整する制動制御に加え、車輪に対する駆動トルクを調整する駆動制御を含んだ制御であってもよい。
・衝突回避対象認識システム15は、相対距離Xrを測定できる機能を有していれば、相対速度Vrや相対減速度Grを測定できないものであってもよい。この場合、衝突回避ECU23が、衝突回避対象認識システム15から取得した相対距離Xrを用いて相対速度Vrや相対減速度Grを算出するようにしてもよい。
・減速制御を、自車両C1の進行方向前側に設定された目標位置P1までに相対速度Vrを規定速度Vth以下とする場合であれば、自車両C1と衝突回避対象との衝突を回避する場合以外で実行してもよい。例えば、有料道路の料金所を通過する際に、料金所の手前に目標位置P1を設定し、この目標位置P1の通過時には相対速度Vr(この場合には自車両の車体速度)が規定速度Vth以下となるように減速制御を実行してもよい。この場合、規定速度Vthを、「0(零)」以上の値(例えば、「20」)に設定してもよい。
・走行支援装置を、ブレーキECU22やエンジンECU21に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記走行支援装置には、前記規定相対減速度(Ath)よりも大きい値を含み且つ互いに値の異なる複数の候補値(Af2C(N))を記憶する記憶部(202)が設けられてなり、
減速度変化量(Jt)を取得したときに、前記第2の制動制御の実行によって相対速度(Vr)が前記規定速度(Vth)に達する時点の自車両(C1)の位置と前記目標位置(P1)との間隔(Xs)が2番目に短くなり得る候補値を、取得した減速度変化量(Jt)に基づいて選択し、同選択した候補値に基づいて前記第2の目標値(Af2)を決定することが好ましい。
(ロ)前記第2の目標値(Af2)を、相対速度(Vr)が規定速度(Vth)以下となった時点の自車両(C1)が、対象(C2)よりも後ろとなる値に決定することが好ましい。
21,22,23…走行支援装置の一例としてのECU、202…記憶部、Af…目標相対減速度、Af1…第1の目標値、Af2…第2の目標値、Af2C(N)…候補値、Asub…基準相対減速度、Ath…規定相対減速度、C1…自車両、C2…対象の一例としての先行車、Gr…相対減速度、Jt…減速度変化量、P1…目標位置、T(N)…推定到達時間、Vr…相対速度、Vs(N)…推定相対速度、VS…車体速度、Vth…規定速度、X(N)…推定移動距離、Xs…間隔としての推定残存距離。

Claims (5)

  1. 自車両(C1)の進行方向前側に存在する対象(C2)を基準とした自車両(C1)の相対減速度(Gr)が目標相対減速度(Af)となるように減速制御を行い、前記対象(C2)を基準とした自車両(C1)の相対速度(Vr)を、前記対象(C2)の後ろに設定された目標位置(P1)で規定速度(Vth)以下とする車両の走行支援装置であって、
    前記減速制御の開始条件の成立時に前記目標相対減速度(Af)を第1の目標値(Af1)とし、相対減速度(Gr)を前記目標相対減速度(Af)に近づける第1の減速制御を実行させ(S15,S19)、
    前記第1の減速制御が開始された時点の相対減速度を基準とした基準相対減速度(Asub)が規定相対減速度(Ath)に達したとき(S14:YES)に、その時点の基準相対減速度の変化量である減速度変化量(Jt)が小さい場合にはその時点の減速度変化量(Jt)が大きい場合よりも第2の目標値(Af2)を大きい値に決定し(S176)、
    前記目標相対減速度(Af)を前記第2の目標値(Af2)とし、相対減速度(Gr)を前記目標相対減速度(Af)に近づける第2の減速制御を実行させる(S18,S19)
    ことを特徴とする車両の走行支援装置。
  2. 前記走行支援装置には、前記規定相対減速度(Ath)よりも大きい値を含み且つ互いに値の異なる複数の候補値(Af2C(N))を記憶する記憶部(202)が設けられてなり、
    取得した減速度変化量(Jt)が小さいときには、減速度変化量(Jt)が大きいときよりも大きい値の候補値を選択し、同選択した候補値に基づいて前記第2の目標値(Af2)を決定する(S176,S18)
    請求項1に記載の車両の走行支援装置。
  3. 前記走行支援装置には、前記規定相対減速度(Ath)よりも大きい値を含み且つ互いに値の異なる複数の候補値(Af2C(N))を記憶する記憶部(202)が設けられてなり、
    減速度変化量(Jt)を取得したとき(S13)に、前記第2の減速制御の実行によって相対速度(Vr)が前記規定速度(Vth)に達する時点の自車両(C1)の位置と前記目標位置(P1)との間隔(Xs)が最小となり得る候補値を、取得した減速度変化量(Jt)に基づいて選択し(S176)、同選択した候補値に基づいて前記第2の目標値(Af2)を決定する(S18)
    請求項1に記載の車両の走行支援装置。
  4. 前記第2の目標値(Af2)を決定するに際し、
    基準相対減速度(Asub)が前記規定相対減速度(Ath)に達した第1時点から同基準相対減速度(Asub)が候補値(Af2C(N))に達する第2時点までに要する推定時間である推定到達時間(T)、前記第2時点での相対速度の推定値である推定相対速度(Vs)、及び前記第1時点から前記第2時点までの自車両(C1)の移動距離の推定値である推定移動距離(X)を、候補値毎に算出し(S172,S173,S174)、
    さらに、前記間隔(Xs)を、算出した推定到達時間(T)、推定相対速度(Vs)及び推定移動距離(X)に基づいて候補値毎に算出する(S175)
    請求項3に記載の車両の走行支援装置。
  5. 前記第1の目標値(Af1)を、前記第1の減速制御を行うに際し、自車両(C1)の車体速度(VS)が高速であるときには低速であるときよりも大きい値に設定する(S12)
    請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の走行支援装置。
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