以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、運転支援装置100の構成を示す図である。図1に示すように、運転支援装置100は、駆動源20を有する自車両50に搭載されている。駆動源20は、自車両50を駆動するものである。適用される駆動源20としては、例えば、ディーゼルエンジン又はガソリンエンジン等のエンジン、及び/又は、モータが挙げられる。自車両50としては、例えばトラックやバス等の商用車が挙げられる。なお、自車両50としては、特に限定されず、例えば大型車両や中型車両、普通乗用車、小型車両又は軽車両等の何れであってもよい。自車両50は、ハイブリッド車両、エンジン車両、電気自動車又は燃料電池車等の何れであってもよい。
運転支援装置100は、自車両50の前方を実際に走行している先行他車両又は自車両50の前方に設定した仮想車両を先行車両とし、この先行車両に追従するように自車両50の運転を支援する。運転支援装置100は、車速センサ1、周辺監視センサ2、GPS[Global Positioning System]受信部3、反力アクチュエータ4、及びECU[Electronic Control Unit]10、を備えている。
車速センサ1は、自車両50の速度を検出する検出器である。車速センサ1としては、例えば、自車両50の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサ1は、検出した車速情報をECU10に送信する。
周辺監視センサ2は、自車両50の周辺情報を検出する検出機器である。周辺監視センサ2は、カメラ、レーダー、及びレーザレーダのうち少なくとも一つを含む。カメラは、自車両50の周辺情報を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば、自車両50のフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、撮像情報を周辺情報としてECU10へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。
レーダーは、電波(例えばミリ波)を利用して自車両50の外部の障害物を検出する。レーダーは、電波を自車両50の周囲に発信し、障害物で反射された電波を受信することで障害物を検出する。レーダーは、検出した障害物情報を周辺情報としてECU10へ送信する。レーザレーダは、光を利用して自車両50の外部の障害物を検出する。レーザレーダは、光を自車両50の周囲に出射し、障害物で反射された光を受光することで反射点までの距離を計測し、障害物を検出する。レーザレーダは、検出した障害物情報を周辺情報としてECU10へ送信する。なお、周辺監視センサ2としてのカメラ、ライダー及びレーダーは、必ずしも重複して備える必要はない。
GPS受信部3は、3個以上のGPS衛星から信号を受信して、自車両50の現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報には、例えば緯度及び経度が含まれる。GPS受信部3は、測定した自車両50の位置情報をECU10へ出力する。なお、GPS受信部3に代えてもしくは加えて、自車両50の位置情報を取得できる他の手段を用いてもよい。
反力アクチュエータ4は、運転者がアクセル操作を行うアクセルペダル(アクセル操作部)5において、そのアクセル操作に抗する反力を発生させる。反力は、運転者によるアクセルペダル5の踏込を妨げるように当該踏込に対して抵抗となる力である。反力アクチュエータ4は、アクセルペダル5に接続されている。例えば反力アクチュエータ4は、電動モータと電動モータの出力軸に連結されたアームとを有し、電動モータがアームに回転トルクを加えることによりアクセルペダル5に反力を付与する。反力アクチュエータ4は、ECU10からの制御信号に基づき動作制御され、後述するように、目標アクセル操作量よりも実アクセル操作量が大きい場合にアクセルペダル5において反力を発生させる。
ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
ECU10は、走行履歴記憶部D、先行車両情報取得部11、目標追従トルク演算部12、目標アクセル開度演算部13、実アクセル開度取得部14、反力算出部15、反力アクチュエータ制御部16、駆動制御部17、第1補正部18、及び第2補正部19を有する。なお、以下においては、Vfを自車両50の車速、Xdistを先行車両との車間距離、Vpを先行他車両の車速、Vp_imgを仮想車両の車速として説明する。
走行履歴記憶部Dは、自車両50の過去における位置、時間及び車速Vfに関する走行履歴を記憶して蓄積する。具体的には、走行履歴記憶部Dは、車速センサ1から出力された自車両50の車速情報を、GPS受信部3から出力された位置情報と関連付けて記憶する。
先行車両情報取得部11は、先行車両に対する自車両50の車間距離Xdist及び相対速度を含む先行車両情報を取得する。先行車両情報取得部11は、他車両情報取得部11a及び仮想車両情報取得部11bを含む。先行車両情報取得部11は、周辺監視センサ2の周辺情報に基づいて、自車両50の前方を実際に走行する先行他車両が存在するか否かを判定する。先行他車両が存在する場合、他車両情報取得部11aにより当該先行他車両との車間距離Xdist及び相対速度を先行車両情報として取得する。一方、先行他車両が存在しない場合、自車両50の前方を仮想的に走行する仮想車両との車間距離Xdist及び相対速度を先行車両情報として取得する。
他車両情報取得部11aは、先行他車両が存在する場合、周辺監視センサ2の周辺情報に基づいて先行他車両を先行車両として認識する。他車両情報取得部11aは、周辺監視センサ2の周辺情報に基づいて、先行車両との車間距離Xdistを取得する。他車両情報取得部11aは、車間距離Xdistの微分値を先行車両との相対速度として取得する。
仮想車両情報取得部11bは、先行他車両が存在せず、周辺監視センサ2の周辺情報から先行他車両を認識しない場合に、仮想的に自車両の前方を仮想車速Vp_imgで走行する仮想車両を設定する。仮想車速Vp_imgとしては、GPS受信部3からの位置情報及び走行履歴記憶部Dからの走行履歴に基づいて、過去に現在地点付近を走行したときの自車両50の車速Vpが設定される。例えば、仮想車速Vp_imgとしては、過去において、現在地点を走行した時点を含む一定時間内における自車両50の平均車速が設定される。例えば一定時間は、実験、過去の実績及び経験、並びにシミュレーション等に基づき定めることができ、固定値又は変動値であってもよい。
仮想車両情報取得部11bは、自車両50の車速V
f及び仮想車速V
p_imgから、仮想車両に対する相対速度を算出して取得する。仮想車両情報取得部11bは、下式(1)により、仮想車両に対する車間距離X
distを取得する。下式(1)における時間tは、仮想車両に追従走行を開始してからの時間である。
X
0_imgは、仮想車両に追従走行を開始した時点(瞬間)の仮想車間距離である。仮想車間距離X
0_imgは、目標車間時間T
h_optと、仮想車両に追従走行を開始した時点の車速V
f(0)との積(=T
h_opt・V
f(0))で表される。車間距離X
distは、その飽和を防止するため、下式(2)とする。車間距離X
distは、追従走行として意味を成す範囲の距離を有しており、車間距離の最大値X
dist_maxは100[m]〜200[m]とされる。
目標追従トルク演算部12は、先行車両情報取得部11で取得した先行車両情報に基づいて、先行車両に自車両50を追従させる目標追従トルクを演算する。目標追従トルクは、先行車両に対する車間時間が目標車間時間Th_optとなるように自車両50を追従させる、又は、車間距離Xdistが目標車間距離(=Th_opt・Vf)となるように自車両50を追従させるトルクである。加えて、目標追従トルクは、走行エネルギ低減運転を実現するトルクである。ここで、走行エネルギ低減運転について、以下に説明する。
図2は、走行エネルギ低減運転を説明するためのグラフである。走行エネルギ低減運転とは、単位距離当たりの走行に必要なエネルギ[Wh/km]を低減させる運転である。走行エネルギ低減運転は、省燃費運転とも称される。走行エネルギ低減運転は、加速度を制御量とするのではなく、車速を制御量としており、極力、減速させない運転操作(つまり、投入したエネルギを捨てない運転操作)の実現を図るものである。
図2に示すように、車速パターンAと車速パターンBとは、発進から停車までに同一距離を走行している。一方で、車速パターンAは、車速パターンBと比較して、加速度が小さいものの、同一距離を走行後は損失エネルギが大きい(走行エネルギが大きい)運転になる。これは、自車両50の運動エネルギが車速Vfの二乗に比例することから、車速Vfを過剰に上昇させると二次関数的に投入エネルギが増加することに起因する。そこで、走行エネルギ低減運転においては、予め減速が見込まれるような場面では、速度を制限することで損失エネルギを減すことが図られる。車速Vfの振動に関しても同様に、車速Vfが30[km/h]±10[km/h]で波状走行するよりも、車速が100[km/h]±5[km/h]で走行するほうが損失エネルギは大きくなることから、この場合には、例えば100[km/h]で車速Vfが制限される。これにより、無駄な減速が抑えられて損失エネルギの低減が可能である。
図3は、走行エネルギ低減運転により先行他車両に追従するシチュエーションを例示する図である。図3(a)は、走行エネルギ低減運転モデルの概略図であり、図3(b)は、車速パターンを例示するグラフである。図3(a)に示すように、先行他車両61を先行車両60として追従する走行エネルギ低減運転は、先行他車両61との間にバネ6a及びダンパ6bを有するバネ減衰系モデル6を用いて表すことができる。このような走行エネルギ低減運転は、目標車間距離よりも先行他車両61に近づくほど相対速度が小さくなるように減速させる特性を有する。換言すると、本実施形態の走行エネルギ低減運転は、バネ6a及びダンパ6bの作用によって、車速変化が鈍感となって先行他車両61に近づき難く、且つ、近づくほど遠ざけるような特性を有する。
図3(b)に示すように、一般的な追従運転による車速V0は、先行他車両61の車速Vpを大きく超える場合がある。また、車速V0では、無駄な加減速のために波状走行となる部分を有する。これに対して、走行エネルギ低減運転による車速Vfは、車速制限を有しており、無駄な加減速が抑制されるように制御される。
図4は、走行エネルギ低減運転により仮想車両に追従するシチュエーションを例示する図である。図4(a)は、走行エネルギ低減運転モデルの概略図であり、図4(b)は、車速パターンを例示するグラフである。図4(a)に示すように、仮想車両62を先行車両60として追従する走行エネルギ低減運転は、図3(a)に示す概略図と同様に、仮想車両62との間にバネ6a及びダンパ6bを有するバネ減衰系モデル6を用いて表すことができる。このような走行エネルギ低減運転は、目標車間距離よりも仮想車両62に近づくほど相対速度が小さくなるように減速させる特性を有する。換言すると、本実施形態の走行エネルギ低減運転は、バネ6a及びダンパ6bの作用によって、車速変化が鈍感となって仮想車両62に近づき難く、且つ、近づくほど遠ざけるような特性を有する。
図4(b)に示すように、一般的な運転による車速V0では、速度の出し過ぎによるエネルギロスが生じる場合がある。また、車速V0では、無駄な加減速のために波状走行となる部分を有する。これに対して、走行エネルギ低減運転による車速Vfは、車速制限を有している。走行エネルギ低減運転による車速Vfは、速度の出し過ぎによるエネルギロスを抑制し且つ無駄な加減速が抑制されるように制御される。図示する例では、仮想車速Vp_imgをスピードリミッタとして自車両50の走行に作用させることが可能である。なお、図示するように、本実施形態の走行エネルギ低減運転では、制限された車速範囲内であれば、運転者は任意に車速Vfを設定することが可能である。
図5は、目標追従トルク演算部12のブロック線図である。目標追従トルク演算部12は、図5に示すブロック線図に基づく演算を実行し、目標追従トルクT
drv_refを取得する。具体的には、目標追従トルク演算部は、下式(3)に従い、先行車両情報取得部11で取得した先行車両情報及び自車両50の車速情報に基づいて、目標追従トルクT
drv_refを演算する。但し、駆動源20の制約条件により、目標追従トルクT
drv_refは下式(4)とする。
ここで、GX_optは、先行車両60との車間距離Xdistに対する規範ゲインである。GV_optは、先行車両60との相対速度に対する規範ゲインである。Th_optは、先行車両との目標車間時間(規範車間時間)である。Th_opt・Vfは、目標車間時間Th_optに車速Vfを乗算してなる目標車間距離である。換言すると、目標車間距離は、目標車間時間Th_optに車速Vfを乗算することにより算出される。Tref_maxは、駆動源20の加速性能に応じたトルクであり、例えば、エンジン及び/又はモータの最大出力トルクに対応する。Tref_minは、主制動装置以外の減速性能に応じたトルクであり、例えば、エンジンブレーキとモータとリターダとにおける最大出力トルクに対応する。
規範ゲインGX_opt,GV_opt及び目標車間時間Th_optは、例えば走行エネルギが小さい(燃費の良い)運転の運転データを用いて、上記(3)式で示したモデル構造に対して同定を行うことにより取得できる。これに加えて、規範ゲインGX_opt,GV_opt及び目標車間時間Th_optは、制御工学的観点から、図5に示す系の安定性(減衰)を向上させるように調整を行う。定性的には、規範ゲインGX_optを小さくし、規範ゲインGV_optを大きくし、目標車間時間Th_optを大きくすることで、走行エネルギの低減に対して有利になる。
規範ゲインGX_opt,GV_opt及び目標車間時間Th_optは、走行エネルギ低減運転を適切に実現するために、予め設定されて記憶された値である。規範ゲインGX_opt,GV_opt及び目標車間時間Th_optは、実験、過去の実績及び経験、並びにシミュレーション等に基づいて定めてもよい。規範ゲインGX_opt,GV_opt及び目標車間時間Th_optは、固定値であってもよいし、変動値であってもよい。
図6は、駆動源20の回転数及びアクセル開度に対する出力トルクの関係を表すマップMの一例を示すグラフである。図6中において、L1はアクセル全開時のエンジンブレーキトルクであり、L2はモータ負側(回生)トルクである。図示するように、自車両50がハイブリッド車両の場合、減速側のトルクには、モータ負側トルクL2が含まれてもよい。
目標アクセル開度演算部13は、予め設定され記憶されたマップMを参照して、目標追従トルク演算部12で得られた目標追従トルクTdrv_refを発生させるアクセル操作量である目標アクセル開度(目標アクセル操作量)Accp_refを演算する。具体的には、目標アクセル開度演算部13は、目標追従トルク演算部12で目標追従トルクTdrv_refが取得されると、マップMにおいて、そのときの駆動源20の回転数で目標追従トルクTdrv_refが発生するアクセル開度を探索し、そのアクセル開度を目標アクセル開度Accp_refとして取得する。なお、目標追従トルクTdrv_refから目標アクセル開度Accp_refを取得する手法及び/又は構成としては、特に限定されず、公知の手法を採用することができる。
図7は、運転支援装置100の構成を示す他の図である。図1及び図7に示すように、実アクセル開度取得部14は、自車両50の運転者7による実際のアクセル操作量である実アクセル開度(実アクセル操作量)Accpを取得する。例えば実アクセル開度取得部14は、アクセルペダル5の変位量を検出するセンサの検出結果に基づいて、実アクセル開度Accpを取得する。実アクセル開度Accpを取得する手法及び/又は構成としては、特に限定されず、公知の手法を採用することができる。
反力算出部15は、目標アクセル開度A
ccp_refよりも実アクセル開度A
ccpが大きい場合に、反力アクチュエータ4によりアクセルペダル5で発生させる反力F
Pedalを算出する。反力算出部15は、下式(5)に例示するように実アクセル開度A
ccp及び目標アクセル開度A
ccp_refの関数として、反力F
Pedalを算出する。反力F
Pedalは、運転者7によるアクセルペダル5の踏込を完全には阻止せずに、一定以上の踏込力に対しては当該踏込を許容する力とされる。
反力アクチュエータ制御部16は、反力アクチュエータ4の動作を制御する。反力アクチュエータ制御部16は、反力算出部15で算出した反力FPedalに応じた制御信号を、反力アクチュエータ4に出力する。これにより、反力アクチュエータ制御部16は、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合に、反力アクチュエータ4を介してアクセルペダル5において反力FPedalを発生させる。
駆動制御部17は、実アクセル開度取得部14で取得した実アクセル開度に応じて駆動するように、駆動源20の駆動を制御する。例えば駆動制御部17は、予め設定されて記憶されたマップを参照し、実アクセル開度取得部14で取得した実アクセル開度に対応する回転数及び出力トルクとなるように、駆動源20の駆動を制御する。
図8は、第1補正部18により補正する補正時間ΔT
h_optの一例を示すグラフである。第1補正部18は、目標アクセル開度A
ccp_refと実アクセル開度A
ccpとの差を成分に含む第1評価関数J
1を算出し、その第1評価関数J
1に基づいて目標追従トルクT
drv_refを補正する。具体的には、第1補正部18は、目標アクセル開度A
ccp_refよりも実アクセル開度A
ccpが大きい場合、下式(6)により、所定時間t
wにおける第1評価関数J
1を算出する。第1評価関数J
1によれば、目標アクセル開度A
ccp_refと実アクセル開度A
ccpとの乖離を評価できる。第1評価関数J
1は、ドライビリティに相関が高いパラメータである。
下式(7)に示すように、所定時間t
wは、所定の時間域であり、第1時点t
w_sttから第2時点t
w_endまでの時間窓で表すことができる。所定時間t
wは、現時点の直近の時間域としてもよく、この場合、第2時点t
w_endを現時点とすることができる。所定時間t
w、第1時点t
w_stt及び第2時点t
w_endは、第1評価関数J
1を適切に算出するために、予め設定された値である。所定時間tw、第1時点t
w_stt及び第2時点t
w_endは、例えば実験、過去の実績及び経験、並びにシミュレーション等に基づいて定めてもよく、固定値又は変動値であってもよい。
第1補正部18は、下式(8)に示すように、第1評価関数J
1に応じた補正時間ΔT
h_optだけ、目標追従トルクT
drv_refを演算する上式(3)の目標車間時間T
h_optを小さくする。補正時間ΔT
h_optは、第1評価関数J
1の関数で表される。図8に示す例では、補正時間ΔT
h_optは、第1評価関数J
1が所定値以下の場合には第1評価関数J
1に比例するように増大し、所定値よりも大きい場合には一定となる値である。なお、補正後の目標車間時間T
h_optは、下式(9)に示すように、下限時間T
h_optlim以上とされる。下限時間T
h_optlimは、人間が先行車両60に対して追突せずに停車できる運転操作の実施に必要な最低限の時間である。下限時間T
h_optlimは、例えば0.8[s]〜1.0[s]程度とされる。
第2補正部19は、自車両50の車速変化の大きさを成分に含む第2評価関数J
2を算出する。具体的には、第2補正部19は、走行履歴記憶部Dの走行履歴に基づいて、下式(10)により、所定時間t
wにおける走行距離D
twを算出する。第2補正部19は、走行履歴記憶部Dの走行履歴及び算出した走行距離D
twに基づいて、下式(11)により、所定時間t
wにおける第2評価関数J
2を算出する。V
actは、走行履歴に記憶された自車両50の車速である。第2評価関数J
2によれば、自車両50の車速V
fの変化度合(加減速頻度)を評価できる。第2評価関数J
2は、走行エネルギに相関が高いパラメータである。
第2補正部19は、仮想車両情報取得部11bで仮想車両62を先行車両60と設定した場合に、第1評価関数J1及び第2評価関数J2に基づいて仮想車速Vp_imgを増減又は維持する。第2補正部19は、第1評価関数J1及び第2評価関数J2から、ファジー推論(ファジー制御)に基づいて仮想車速補正量ΔVp_imgを算出し、この仮想車速補正量ΔVp_imgだけ仮想車速Vp_imgを補正する。
ファジー推論は、人間の経験的操作を制御則に反映する手法である。ファジー推論によれば、性質と具体的な数値を結びつける推論を可能となる。第2補正部19におけるファジー推論は、第1評価関数J1及び第2評価関数J2に関する各メンバシップ関数を前件部とし、仮想車速補正量ΔVp_imgに関するメンバシップ関数を後件部する。第2補正部19は、第1〜第4ファジールールを定義し、これら第1〜第4ファジールールに基づいて第1評価関数J1及び第2評価関数J2に対する適合度を求め、仮想車速補正量ΔVp_imgに関するメンバシップ関数に重心法を適用することで、非ファジー化(仮想車速補正量ΔVp_imgを決定)する。以下に詳説する。
第2補正部19は、第1ファジールールとして、「第1評価関数J1が小さく第2評価関数J2が小さい場合に仮想車速補正量ΔVp_imgを維持する」という条件を定義する。これは、第2評価関数J2が小さいので加減速頻度が少ない、すなわち燃費の良い(エネルギ損失の少ない)走り方をしていることになる。さらに第1評価関数J1が小さいため、運転者7は現在の走り方に対してフラストレーションを抱いていないことになる。したがって、仮想車速補正量ΔVp_imgは妥当な設定となっていると推測でき、値を変化させずに仮想車速補正量ΔVp_img=0とすることによる。
第2補正部19は、第2ファジールールとして、「第1評価関数J1が小さく第2評価関数J2が大きい場合に仮想車速補正量ΔVp_imgを減少させる」という条件を定義する。これは、第2評価関数J2が大きいので加減速頻度が多い、すなわち燃費の悪い(エネルギ損失の多い)走り方をしていることになる。これに対して、第1評価関数J1は小さいため、運転者7は現在の走り方に対してフラストレーションを抱いていないことになる。したがって、仮想車速Vp_imgが過剰な設定となっている(運転者7を自由にさせすぎており、もう少し低エネルギ走行に移行できる状態である)と推測できるため、値を減少させて仮想車速補正量ΔVp_img<0とすることによる。
第2補正部19は、第3ファジールールとして、「第1評価関数J1が大きく第2評価関数J2が小さい場合に仮想車速補正量ΔVp_imgを増加させる」という条件を定義する。これは、第2評価関数J2が小さいので加減速頻度が少ない、すなわち燃費の良い(エネルギ損失の少ない)走り方をしていることになる。これに対して、第1評価関数J1が大きいため、運転者7は現在の走り方に対してフラストレーションを抱いていることになる。したがって、仮想車速Vp_imgが過小な設定(運転者7の運転操作を走行エネルギ低減運転寄りに規制し過ぎている状態)となっていると推測できるため、値を増加させて仮想車速補正量ΔVp_img>0とすることによる。
第2補正部19は、第4ファジールールとして、「第1評価関数J1が大きく第2評価関数J2が大きい場合に仮想車速補正量ΔVp_imgを増加させる」という条件を定義する。これは、第2評価関数J2が大きいので加減速頻度が多い、すなわち燃費の悪い(エネルギ損失の多い)走り方をしていることになる。さらに、第1評価関数J1が大きいため、運転者7は現在の走り方に対してフラストレーションを抱いていることになる。したがって、仮想車速Vp_imgが過小な設定(運転者7の運転操作を走行エネルギ低減運転寄りに規制し過ぎている状態)となっていると推測できるため、値を増加させて仮想車速補正量ΔVp_img>0とすることによる。
なお、第4ファジールールでは、第2評価関数J2が大きいため、本来は「運転操作を走行エネルギ低減運転寄りに規制」を継続すべきであるとも考えられる。しかし、第1評価関数J1が高止まりする状態が継続すると、運転者7は運転支援に不満を持つ。このことは、運転支援自体の使用を拒絶させる最も大きな要因となる。したがって、本実施形態では、第4ファジールールにおいて、第2評価関数J2によらず第1評価関数J1が大きい場合に、運転者7の意思を尊重する選択を採っている。各メンバシップ関数は、目標となる走行エネルギ、及び、例えば実際の交通環境下で取得したデータ等の統計データに基づいて、適合して設定することができる。
図9は、第2補正部19における仮想車速補正量ΔVp_imgの算出を説明するグラフである。図10は、第2補正部19における仮想車速補正量ΔVp_imgの算出を説明する他のグラフである。仮想車速補正量ΔVp_imgの算出の一例について、図9及び図10を参照して説明する。各図において縦軸は適合度を示す。以下の例では、第1評価関数J1として値Z1が算出され、第2評価関数J2として値Z2が算出されたとして説明する。
図9(a)に示すように、まず第1ファジールールに基づく適合度を求める。具体的には、第1評価関数J1に関して小さい(ドライビリティ良)を表すメンバシップ関数において、値Z1の適合度O1Aを求める。第2評価関数J2に関して小さい(損失小)を表すメンバシップ関数において、値Z2の適合度O2Aを求める。適合度O1A及び適合度O2AにMIN演算を施す。そして、仮想車速補正量ΔVp_imgに関して維持を表すメンバシップ関数において、適合度O1A及び適合度O2Aのうち小さい適合度O2Aについての値を頂部とする台形領域(ファジー集合)を、後件部の値O3Aとする。
図9(b)に示すように、第2ファジールールに基づく適合度を求める。具体的には、第1評価関数J1に関して小さい(ドライビリティ良)を表すメンバシップ関数において、値Z1の適合度O1Bを求める。第2評価関数J2に関して大きい(損失大)を表すメンバシップ関数において、値Z2の適合度O2Bを求める。適合度O1B及び適合度O2BにMIN演算を施す。そして、仮想車速補正量ΔVp_imgに関して減少を表すメンバシップ関数において、適合度O1B及び適合度O2Bのうち小さい適合度O2Bについての値を頂部とする台形領域を、後件部の値O3Bとする。
図10(a)に示すように、第3ファジールールに基づく適合度を求める。具体的には、第1評価関数J1に関して大きい(ドライビリティ悪)を表すメンバシップ関数において、値Z1の適合度O1Cを求める。第2評価関数J2に関して小さい(損失小)を表すメンバシップ関数において、値Z2の適合度O2Cを求める。適合度O1C及び適合度O2CにMIN演算を施す。そして、仮想車速補正量ΔVp_imgに関して増加を表すメンバシップ関数において、適合度O1C及び適合度O2Cのうち小さい適合度O1Cについての値を頂部とする台形領域を、後件部の値O3Cとする。
図10(b)に示すように、第4ファジールールに基づく適合度を求める。具体的には、第1評価関数J1に関して大きい(ドライビリティ悪)を表すメンバシップ関数において、値Z1の適合度O1Dを求める。第2評価関数J2に関して大きい(損失大)を表すメンバシップ関数において、値Z2の適合度O2Dを求める。適合度O1D及び適合度O2DにMIN演算を施す。そして、仮想車速補正量ΔVp_imgに関して増加を表すメンバシップ関数において、適合度O1D及び適合度O2Dのうち小さい適合度O1Dについての値を頂部とする台形領域を、後件部の値O3Dとする。
その後、得られた後件部の値O3A〜O3Dを合成するMAX演算を施し、合成した値O3A〜O3Dに重心法を適用し、仮想車速補正量ΔVp_imgを算出する。具体的には、後件部の値O3A〜O3Dを重ね合わせ、重ね合わせた領域の重心位置の横軸の値を、仮想車速補正量ΔVp_imgをとして算出する。
なお、仮想車速補正量ΔVp_imgは、ECU10の演算サイクルに依存する。仮想車速補正量ΔVp_imgは、急激な変化がドライバビリティの面から望ましくないとして、例えば0.5[km/h/s]〜1[km/h/s]程度とされる。ドライバビリティは、運転のしやすさであり、運転性とも称される。ドライバビリティは、例えば、運転者7の意図どおりの加速走行、定常走行又は減速走行ができることの評価をいう。
次に、運転支援装置100で実行される処理について、図11及び図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
図11は、運転支援装置100のECU10における処理の一例を示すフローチャートである。運転支援装置100では、例えば運転者7の操作により運転支援(追従走行)の実行が要求された場合、ECU10において以下の処理を所定処理周期で繰り返し実行する。
図11に示すように、まず、車速センサ1から、自車両50の車速に関する車速情報を取得する。周辺監視センサ2から周辺情報を取得する。GPS受信部3から自車両50の位置情報を取得する(S1)。また、取得した自車両50の車速情報及び位置情報を、走行履歴記憶部Dに記憶して蓄積する。自車両50の車速が、予め設定された最低基準速度よりも大きいか否かを判定する(S2)。最低基準速度は、それ以下の場合には追従走行が想定されない速度であって、例えば5[km/h]〜10[km/h]とされる。
上記S2でYesの場合、先行車両情報取得部11により先行他車両61が存在するか否かを判定する(S3)。上記S3でYesの場合、他車両情報取得部11aにより、先行他車両61に対する車間距離Xdist及び相対速度を先行車両情報として取得する(S4)。上記S3でNoの場合、仮想車両情報取得部11bにより仮想車両62を設定する(S5)。そして、仮想車両情報取得部11bにより、仮想車両62に対する車間距離Xdist及び相対速度を先行車両情報として取得する(S6)。
上記S4又は上記S6の後、目標追従トルク演算部12により、先行車両情報及び自車両50の車速情報に基づいて目標追従トルクTdrv_refを演算し取得する(S7)。目標アクセル開度演算部13により、目標追従トルクTdrv_ref及びマップMに基づいて目標アクセル開度Accp_refを演算し取得する(S8)。実アクセル開度取得部14により、実アクセル開度Accpを取得する(S9)。上記S2でNOの場合又は上記S9の後、次周期の処理へ移行する。
図12(a)は、運転支援装置100のECU10におけるペダル反力制御処理の一例を示すフローチャートである。運転支援装置100では、例えば目標アクセル開度演算部13により目標アクセル開度Accp_refを演算した場合、図11に示す一連の上記処理に併せて、以下の処理を所定周期で繰り返し実行する。
図12(a)に示すように、まず、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きいか否かを判定する(S11)。上記S11でYesの場合、反力算出部15により反力FPedalを算出する(S12)。反力アクチュエータ制御部16により反力アクチュエータ4を制御し、アクセルペダル5にて反力FPedalを発生させる(S13)。これにより、運転者7によるアクセルペダル5の踏込が、目標アクセル開度Accp_ref以上踏み込まないように反力FPedalによって規制されることになる。
上記S11でNoの場合、又は、上記S13の後、駆動制御部17により、実アクセル開度取得部14で取得した実アクセル開度Accpに対応する回転数及び出力トルクとなるように駆動源20の駆動を制御する。そして、次周期の処理へ移行する。
図12(b)は、運転支援装置100のECU10における補正制御処理の一例を示すフローチャートである。運転支援装置100では、例えば目標アクセル開度演算部13により目標アクセル開度Accp_refを演算した場合、図11及び図12(a)に示す一連の上記処理に併せて、以下の処理を所定周期で繰り返し実行する。
図12(b)に示すように、まず、第1補正部18により、第1評価関数J1を演算する(S21)。第1補正部18により、第1評価関数J1に応じた補正時間ΔTh_optだけ目標車間時間Th_optを小さくする(S22)。第2補正部19により、先行車両60が仮想車両62か否か、すなわち、仮想車両情報取得部11bで仮想車両62を先行車両60と設定したか否かを判定する(S23)。
上記S23でYesの場合、第2補正部19により、第2評価関数J2を演算する(S24)。第2補正部19により、第1評価関数J1及び第2評価関数J2から、ファジー推論に従って仮想車速補正量ΔVp_imgを算出し、この仮想車速補正量ΔVp_imgだけ仮想車速Vp_imgを補正する(S25)。上記S23でNoの場合、又は上記S25の後、次周期の処理へ移行する。
以上、運転支援装置100では、運転者7による実アクセル開度Accpが目標アクセル開度Accp_refよりも大きい場合、目標追従トルクTdrv_refで自車両50が走行するように運転が支援される。これにより、走行エネルギの省力化が可能な(無駄な減速を抑えて損失エネルギを低減可能な)走行エネルギ低減運転で、自車両50が先行車両60に追従可能となる。
加えて、第1評価関数J1は、運転者特性に係るアクセル開度と運転支援に係るアクセル開度との乖離度合を表すことができる。第1評価関数J1が大きいほど、運転者7のアクセル操作を走行エネルギ低減運転寄りに規制し過ぎており、加速して先行車両60側に寄ろうとする運転者7の意図が走行に十分に反映されていないと判断できる。よって、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合、第1評価関数J1に応じた補正時間ΔTh_optだけ目標車間時間Th_optを小さくすることにより、当該意図を走行に十分に反映させ、高いドライバビリティを確保できる。したがって、運転支援装置100によれば、走行エネルギの低減と高いドライバビリティの確保との両立が可能となる。
運転支援装置100では、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合、アクセル開度が目標アクセル開度Accp_refとなるように物理的に制御される。すなわち、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合に、アクセルペダル5においてアクセル操作に抗する反力FPedalを発生させる。これにより、運転支援を運転者7に自然に認識させることができる。また、反力FPedalが生じている場合においても、例えば強い踏込力ではアクセルペダル5を踏むことが可能であるため、運転支援に対するオーバーライドが可能となる。
運転支援装置100では、先行車両情報取得部11が他車両情報取得部11aと仮想車両情報取得部11bとを含んでいる。他車両情報取得部11aは、先行他車両61を先行車両60として認識し、先行他車両61に対する先行車両情報を取得する。一方で、先行他車両61を認識しない場合、仮想車両情報取得部61bは、仮想車両62を先行車両60として設定し、仮想車両62に対する先行車両情報を取得する。これにより、先行他車両61が実際には存在しない場合であっても、先行車両60として設定した仮想車両62に対して追従走行するように運転支援を実施できる。
ところで、第1評価関数J1がドライビリティに相関が高く、第2評価関数J2が走行エネルギに相関が高いことが見出される。そこで、運転支援装置100では、仮想車両62を先行車両60とした場合(先行他車両61が存在しない状態での走行時)において、第1評価関数J1及び第2評価関数J2に基づき仮想車両Vp_imgを制御することにより、走行エネルギの低減と高いドライバビリティの確保との両立を好適に実現可能となる。
また、運転支援装置100の第2補正部19では、第1評価関数J1及び第2評価関数J2からファジー推論に基づき仮想車速補正量ΔVp_imgを算出し、この仮想車速補正量ΔVp_imgだけ仮想車速Vp_imgを補正する。ファジー推論を利用することにより、「ドライビリティ」という定性的な制御目標を、「車速」という定量値に置き換えることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と異なる点について説明する。
図13は、運転支援装置200の構成を示す図である。図14は、運転支援装置200の構成を示す他の図である。図13及び図14に示すように、運転支援装置200が第1実施形態と異なる点は、反力アクチュエータ4を備えず、ECU10が反力算出部15及び反力アクチュエータ制御部16を有さず、ECU10が駆動制御部17に代えて駆動制御部27を有する点である。
駆動制御部27は、実アクセル開度Accpが目標アクセル開度Accp_ref以下の場合、実アクセル開度Accpに応じて駆動するように駆動源20の駆動を制御する。例えば駆動制御部27は、実アクセル開度Accpが目標アクセル開度Accp_ref以下と判定すると、予め設定されて記憶されたマップを参照し、実アクセル開度取得部14で取得した実アクセル開度Accpに対応する回転数及び出力トルクとなるように駆動源20の駆動を制御する。
一方、駆動制御部27は、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合、目標追従トルクT drv_ref に応じて駆動するように駆動源20の駆動を制御する。
図15は、運転支援装置200のECU10におけるアクセル開度リミット制御処理の一例を示すフローチャートである。運転支援装置200では、図12(a)に示す上記ペダル反力制御処理に代えて、以下の処理を所定周期で繰り返し実行する。
図15に示すように、まず、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きいか否かを判定する(S31)。上記S31でYesの場合、駆動制御部27により、実アクセル開度Accpにかかわらず、目標追従トルクT drv_ref に応じて駆動源20の駆動を制御する(S32)。上記S31でNoの場合、駆動制御部27により、実アクセル開度Accpに対応する回転数及び出力トルクとなるように駆動源20の駆動を制御する(S33)、上記S32又は上記S33の後、次周期の処理へ移行する。
以上、運転支援装置200においても、走行エネルギの低減と高いドライバビリティの確保との両立が可能となる。また、運転支援装置200では、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合、実アクセル開度Accpにかかわらず、目標追従トルクT drv_ref に応じて駆動するように駆動源0を制御する。これにより、確実に自車両50を目標追従トルクTdrv_refで走行させることができる。
ちなみに、本実施形態の運転支援装置200は、上記第1実施形態と同様に、反力アクチュエータ4と反力算出部15と反力アクチュエータ制御部16とをさらに備え、目標アクセル開度Accp_refよりも実アクセル開度Accpが大きい場合、アクセルペダル5において反力FPedalを発生させてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
上記実施形態において、目標車間距離は目標車間時間Th_optと車速Vfとの積であることから、車間時間が目標車間時間Th_optとなるように追従させることは、車間距離Xdistが目標車間距離となるように追従させることと同義である。つまり、車間時間が目標車間時間となるように追従制御してもよいし、車間距離が目標車間距離となるように追従制御してもよい。
上記実施形態において、目標車間距離は目標車間時間Th_optと車速Vfとの積であることから、第1補正部18により第1評価関数J1に応じた補正時間ΔTh_optだけ目標車間時間Th_optを小さくすることは、第1評価関数J1に応じた補正距離(=ΔTh_opt・Vf)だけ目標車間距離(=Th_opt・Vf)を小さくすることと同義である。つまり、第1補正部18は、第1評価関数J1に応じた補正時間ΔTh_optだけ目標車間時間Th_optを小さくしてもよいし、第1評価関数J1に応じた補正距離だけ目標車間距離を小さくしてもよい。
上記実施形態では、第2補正部19によってファジー推論に基づき仮想車速補正量ΔVp_imgを算出したが、第2補正部19における仮想車速補正量ΔVp_imgの算出は、ファジー推論に基づく算出に限定されない。例えば第2補正部19は、予め定められたマップを用いて仮想車速補正量ΔVp_imgを算出してもよい。
上記実施形態において、走行エネルギ低減運転は、上記の運転に限定されない。要は、走行エネルギ低減運転は、目標車間距離よりも先行車両60に近づくほど相対速度が小さくなるように減速させる特性を有していればよい。上記第1実施形態では、運転者7によるアクセルペダル5の踏込が一定以上の踏込力を有する場合に当該踏込を許容する力を反力FPedalとしたが、踏込を完全に阻止する力を反力FPedalとしてもよい。
上記実施形態において、ECU10の各機能の一部、すなわち、先行車両情報取得部11、他車両情報取得部11a、仮想車両情報取得部11b、目標追従トルク演算部12、目標アクセル開度演算部13、実アクセル開度取得部14、反力算出部15、反力アクチュエータ制御部16、駆動制御部17,27、第1補正部18、第2補正部19及び走行履歴記憶部Dの一部は、自車両50と通信可能な情報処理センター等の施設のコンピュータにおいて実行されてもよい。
上記実施形態では、ファジー推論のルールとして第1〜第4ファジールールを設定したが、ルール数及びルール内容は特に限定されず、例えば推論の精度によって適宜設定してもよい。上記実施形態では、ファジー推論にMIN−MAX法を採用したが、これに限定されず、例えば代数積-加算重心法及び簡略化推論法等を採用してもよい。
なお、上記第1実施形態において、反力アクチュエータ4と反力算出部15と反力アクチュエータ制御部16とが支援実施部を構成する。上記第2実施形態において、駆動制御部27が支援実施部を構成する。