JP2013254847A - コンデンサ - Google Patents

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秀俊 増田
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Abstract

【課題】誘電体層と導電体層との間の密着性を高めることができるコンデンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るコンデンサ10は、誘電体層110と、第1及び第2の外部電極層121,122と、第1及び第2の内部電極部131,132と、吸着部150とを具備する。第1の内部電極部131は、第1の貫通孔部113aに設けられ、一端が第1の外部電極層121に接続され、他端が第2の外部電極層122から絶縁される。第2の内部電極部132は、第2の貫通孔部113bに設けられ、一端が第2の外部電極層122に接続され、他端が第1の外部電極層121から絶縁される。吸着部150は、第3の貫通孔部113cに設けられ、第1の外部電極層121と第2の外部電極層122とを吸着する負圧空間151を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、誘電体層の内部に複数の微細な内部電極が充填された構造を有するコンデンサに関する。
現在広く用いられているコンデンサとして、例えば、Al電解コンデンサや積層セラミックコンデンサが知られている。Al電解コンデンサは、電解液を使用するため、液漏れ対策などを必要とする。また、積層セラミックコンデンサは焼成処理を経て製造されるため、電極と誘電体間における熱収縮に伴う種々の問題をクリアする必要がある。
一方、近年では新しいタイプのコンデンサとして、絶縁層に陽極酸化処理された酸化アルミニウムを誘電体層に使用したコンデンサが提案されている。例えば特許文献1には、一対の導電体層と、一対の導電体層間に設けられた誘電体層と、一対の導電体層と略直交する方向に誘電体層を貫通するように形成された複数の略柱状の微細な孔と、複数の孔に充填された第1及び第2の内部電極とを備えたコンデンサが開示されている。第1の内部電極は、複数の孔のうち一部の孔に充填されており、一端が一方の導電体層に導通し、他端が他方の導電体層と絶縁されている。第2の内部電極は、複数の孔のうち、第1の電極が充填されていない孔に充填されており、一端が上記他方の導電体層に導通し、他端が上記一方の導電体層と絶縁されている。
このような構成のコンデンサは、電解液や焼成処理を必要としないため、Al電解コンデンサや積層セラミックコンデンサが有していた問題を解消することができる。また、誘電体層に充填される第1及び第2の内部電極がナノスケールという微細構造を有するため素子全体を小型化できる。さらに、第1及び第2の内部電極がそれぞれ一対の導電体層で並列に接続されているため、素子の高容量化を実現することができる。
特許第4493686号公報
上記特許文献1に記載のコンデンサにおいては、第1及び第2の内部電極がナノスケールという微細構造を有するため、誘電体層の表裏面に形成された一対の導電体層との接続面積が素子面積の1割程度に留まり、残りの9割は誘電体層と導電体層との間の接続となる。一般に、金属−セラミック間の接合は、金属−金属間の接合よりも弱いため、応力等の影響により誘電体層と導電体層との界面が剥離して、素子特性を低下させるおそれがある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、誘電体層と導電体層との間の密着性を高めることができるコンデンサを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るコンデンサは、誘電体層と、第1の外部電極層と、第2の外部電極層と、第1の内部電極部と、第2の内部電極部と、吸着部とを具備する。
上記誘電体層は、第1の面と、上記第1の面と対向する第2の面と、上記第1の面と上記第2の面との間を連絡する複数の貫通孔と、を有する。
上記第1の外部電極層は、上記第1の面に配置される。
上記第2の外部電極層は、上記第2の面に配置される。
上記第1の内部電極部は、上記複数の貫通孔の一部である第1の貫通孔部に設けられ、一端が上記第1の外部電極層に接続され、他端が上記第2の外部電極層から絶縁される。
上記第2の内部電極部は、上記複数の貫通孔の他の一部である第2の貫通孔部に設けられ、一端が上記第2の外部電極層に接続され、他端が上記第1の外部電極層から絶縁される。
上記吸着部は、上記複数の貫通孔の残部である第3の貫通孔部に設けられ、上記第1の外部電極層と上記第2の外部電極層とを吸着する。
本発明の一実施形態に係るコンデンサの概略構成を示す部分破断平面図である。 上記コンデンサの部分破断側面図である。 図1における[A]−[A]線方向断面図である。 図3に示すコンデンサの製造方法を説明する工程断面図である。 図3に示すコンデンサの製造方法を説明する工程断面図である。 図3に示すコンデンサの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るコンデンサの概略構成を示す側断面図である。 図7のコンデンサの作用を説明する概略断面図であり、(A)は空孔内に導体が配置されない例を示し、(B)は空孔内に導体が配置された例を示している。 図7に示すコンデンサの製造方法を説明する工程断面図である。 図7に示すコンデンサの製造方法を説明する工程断面図である。 図7に示すコンデンサの製造方法を説明する工程断面図である。
本発明の一実施形態に係るコンデンサは、誘電体層と、第1の外部電極層と、第2の外部電極層と、第1の内部電極部と、第2の内部電極部と、吸着部とを具備する。
上記誘電体層は、第1の面と、上記第1の面と対向する第2の面と、上記第1の面と上記第2の面との間を連絡する複数の貫通孔と、を有する。
上記第1の外部電極層は、上記第1の面に配置される。
上記第2の外部電極層は、上記第2の面に配置される。
上記第1の内部電極部は、上記複数の貫通孔の一部である第1の貫通孔部に設けられ、一端が上記第1の外部電極層に接続され、他端が上記第2の外部電極層から絶縁される。
上記第2の内部電極部は、上記複数の貫通孔の他の一部である第2の貫通孔部に設けられ、一端が上記第2の外部電極層に接続され、他端が上記第1の外部電極層から絶縁される。
上記吸着部は、上記複数の貫通孔の残部である第3の貫通孔部に設けられ、上記第1の外部電極層と上記第2の外部電極層とを吸着する。
上記コンデンサにおいて、第1及び第2の外部電極層は、誘電体層の第1及び第2の面にそれぞれ負圧雰囲気中で成膜されることで、負圧空間を有する吸着部が形成される。これにより第1及び第2の外部電極層は、吸着部によって誘電体層の第1及び第2の面にそれぞれ吸着される。したがって上記コンデンサによれば、誘電体層と第1及び第2の外部電極層との間の密着性を高めることができる。
上記吸着部は、第1の端部と第2の端部とを有する充填体をさらに有してもよい。上記第1の端部は、負圧状態に維持された第1の空隙部を介して上記第1の外部電極層と対向する。上記第2の端部は、負圧状態に維持された第2の空隙部を介して前記第2の外部電極層と対向する。これにより、第1及び第2の外部電極層は、第1及び第2の空隙部を介して誘電体層の第1及び第2の面にそれぞれ密着される。
上記充填体は、導電体で構成されてもよい。これにより、負圧空間を挟んで対向する第1及び第2の内部電極部間における静電容量を大きくすることができ、コンデンサの全容量を高めることができる。
上記第1及び第2の外部電極層は、それぞれ金属のスパッタ膜や蒸着膜で構成されてもよい。これらの成膜は負圧雰囲気中で形成され、成膜後、第3の貫通孔部は第1及び第2の外部電極層で密閉される。このため第3の貫通孔部は容易に負圧状態に維持できる。
本発明の一実施形態に係るコンデンサの製造方法は、金属製の基材を陽極酸化させることで、複数の貫通孔を有する誘電体層を作製することを含む。
上記複数の貫通孔の一部である第1の貫通孔部に、上記誘電体層の第1の面に一端が到達する第1の内部電極部が形成される。
上記第1の面に、上記第1の内部電極部と接続される第1の外部電極層が負圧雰囲気中で成膜される方法で形成される。
上記第2の面に、上記第2の内部電極部と接続される第2の外部電極層が負圧雰囲気中で成膜される方法で形成されつつ、上記複数の貫通孔の残部である第3の貫通孔部に負圧空間を有する吸着部が形成される。
上記製造方法においては、第1及び第2の外部電極層の形成工程において吸着部を同時に形成することができる。これにより耐久性に優れたコンデンサを容易に作製することが可能となる。
上記吸着部を形成する工程は、吸着部の構成に応じて任意に設定可能である。例えば、吸着部が負圧状態に維持された空孔で構成される場合、吸着部の形成工程は、誘電体層の内部に中空部を形成することを含む。当該中空部を加工することで第3の貫通孔部が形成される。そして、誘電体層の第1及び第2の面に第1及び第2の外部電極層がそれぞれ形成される。これにより、第1及び第2の外部電極層に両端が閉塞された吸着部が形成される。
一方、第3の貫通孔部に充填体が配置された吸着部を構成する場合、吸着部の形成工程は、誘電体層の内部に第3の貫通孔部を形成することを含む。第3の貫通孔部に導体が充填され、導体の両端がエッチングされる。そして、誘電体層の第1及び第2の面に第1及び第2の外部電極層がそれぞれ形成される。これにより、第1及び第2の外部電極層に両端が閉塞された、充填体を有する吸着部が形成される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るコンデンサの構成を概略的に示す外観図であり、図1は平面図、図2は側面図である。また図3は、図1における[A]−[A]線方向の要部断面図である。図中、X,Y及びZ軸方向は、相互に直交する3軸方向を示している。
[全体構成]
本実施形態のコンデンサ10は、誘電体層110と、第1の外部電極層121と、第2の外部電極層122と、複数の第1の内部電極部131と、複数の第2の内部電極部132とを有する。
第1及び第2の外部電極層121,122は、誘電体層110を挟んで相互に対向して配置される。第1の外部電極層121は例えば正極に接続され、第2の外部導体層122は例えば負極に接続される。第1及び第2の内部電極部131,132は、誘電体層110の内部に設けられており、誘電体層110の厚み方向(Z軸方向)に伸びる略柱状に形成されている。第1の内部電極部131は、第1の外部電極層121に接続され、第2の外部電極層122から絶縁されている。一方、第2の内部電極部132は、第2の外部電極層122に接続され、第1の外部電極層121から絶縁されている。
上記構成において、複数の内部電極部131,132が誘電体層110の内部に設けられているため、第1の外部電極層121と第2の外部電極層122との間の対向面積が大きくなり、これによりコンデンサ10の高容量化が図れるようになる。特に、内部電極部131,132を微細構造とすることで、高容量化と共に素子の小型化を実現することができる。
以下、本実施形態に係るコンデンサ10の各部の構成について説明する。
[誘電体層]
誘電体層110は、第1の面111(図3において下面又は裏面)と、第1の面111に対向する第2の面112(図3において上面又は表面)とを有する所定厚みの矩形の誘電体材料で構成される。本実施形態において誘電体層110は、弁金属の酸化物で構成される。弁金属としては、Al、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Zn、W、Sb等が挙げられ、本実施形態ではAl酸化物が用いられる。厚みも特に限定されず、例えば数100nm〜数100μmである。
誘電体層110の内部には、誘電体層110の面内全域にわたって複数の貫通孔113が形成されている。複数の貫通孔113は、誘電体層110の厚み方向に貫通しており、第1の面111と第2の面112との間を連絡する。貫通孔113は、第1及び第2の面内に規則的に又は不規則的に形成される。図1の例では、各貫通孔113が所定の配列で形成された例を示しており、例えば各々の中心が正六角形の角に位置する正六方規則配列で複数の貫通孔113が形成される。各貫通孔113の形状、孔径は特に限定されず、本実施形態では、内径が数10〜数100nmの略円形で形成される。隣接する貫通孔113の間隔も特に限定されず、例えば数10〜数100nmとされる。
[外部電極層]
第1の外部電極層121は、誘電体層110の第1の面111を覆うように配置され、かつ、第1の面111に密着している。第2の外部電極層122は、誘電体層110の第2の面112を覆うように配置され、かつ、第2の面112に密着している。
第1及び第2の外部電極層121,122はそれぞれ、Cu、Ni、Cr、Ag、Pd、Fe、Sn、Pb、Pt、Ir、Rh、Ru、Al、Ti等の純金属やこれらの合金等の導体材料からなり、その厚さは、例えば数10nm〜数μmである。第1及び第2の外部電極層121,122は、二種以上の導体材料の積層体であってもよく、例えばTi層とその上に積層されたCu層で構成されてもよい。
[内部電極部]
第1の内部電極部131は、複数の貫通孔113の一部である複数の第1の貫通孔部113aにそれぞれ配置され、かつ、第1の貫通孔部113aの内面に密着している。図3に示すように、第1の内部電極部131の一端131aは、誘電体層110の第1の面111に到達し、かつ、第1の外部電極層121に接続されている。第1の内部電極部131の他端131bは、誘電体層110の第2の面112には到達しておらず、第2の外部電極層122から絶縁されている。第1の内部電極部131の他端131bと第2の外部電極層122との間には、空間又は絶縁材料からなる絶縁層141が形成されている。
第2の内部電極部132は、複数の貫通孔113の他の一部である複数の第2の貫通孔部113bにそれぞれ配置され、かつ、第2の貫通孔部113bの内面に密着している。図3に示すように、第2の内部電極部132の一端132aは、誘電体層110の第2の面112に到達し、かつ、第2の外部電極層122に接続されている。第2の内部電極部132の他端132bは、誘電体層110の第1の面111には到達しておらず、第1の外部電極層121から絶縁されている。第2の内部電極部132の他端132bと第1の外部電極層121との間には、空間又は絶縁材料からなる絶縁層142が形成されている。
第1及び第2の内部電極部131,132は金属材料で構成され、本実施形態では、めっき可能な金属全般(Cu,Ni,Co,Cr,Ag,Au,Pd,Fe,Sn,Pb,Pt等)やこれらの合金等が用いられる。
第1の内部電極部131及び第2の内部電極部132の各々の配列位置は特に限定されない。本実施形態では図1に示すように、各々がほぼ同数、ランダムに配列される。第1の内部電極部131と第2の内部電極部132の数的割合は特に限定されないが、各々が同程度の割合であるほど効率よく素子の高容量化を実現することができる。
[吸着部]
本実施形態のコンデンサ10は、吸着部150をさらに有する。吸着部150は、複数の貫通孔113の残部である第3の貫通孔部113cに設けられ、第1の外部電極層121と第2の外部電極層122とを吸着する負圧空間151を有する。
本実施形態において吸着部150は、負圧状態に維持された柱状の負圧空間151で構成される。負圧空間151は、第3の貫通孔部113cの内壁面と、その両端を閉塞する第1及び第2の外部電極層121,122の内面とで区画される。負圧空間151は負圧状態に維持されているため、外気との圧力差によって第1及び第2の外部電極層121,122を各々吸着する。これにより第1及び第2の外部電極層121,122は誘電体層110の第1及び第2の面111,112にそれぞれ密着され、これら外部電極層121,122と誘電体層110との間の接着力が増大する。
吸着部150は、コンデンサ10の面内の複数箇所に形成される。吸着部150が形成される位置は特に限定されず、誘電体層110の面内に規則的又は不規則的に形成される。吸着部150が複数形成されることによって、誘電体層110に対する第1及び第2の外部電極層121,122の密着効果が高められる。吸着部150の形成個数は特に限定されず、その下限は、例えば誘電体層110に対する第1及び第2の外部電極層121,122の密着強度によって設定され、上限は、例えばコンデンサ10に要求される全容量に応じて設定される。
また、吸着部150は、誘電体層110の周縁部に選択的に形成されてもよいし、誘電体層110の面内全域に分散するように形成されてもよい。本発明者は、誘電体層110の周縁部に吸着部150を形成したコンデンサのサンプル(サンプル1)と、誘電体層110の面内全域に吸着部150を形成したコンデンサのサンプル(サンプル2)と、吸着部を有しないコンデンサのサンプル(サンプル3)とをそれぞれ1000個ずつ作製し、80倍の光学顕微鏡を用いて外部電極層121,122の剥離の有無を評価した。その結果、上記剥離が検出されたサンプルの割合は、サンプル1で0%、サンプル2で0.3%、そして、サンプル3で2.7%であった。
本実施形態のコンデンサ10によれば、誘電体層110に対する第1及び第2の外部電極層121,122の密着強度が高まるため、応力等の影響による誘電体層と外部電極層121,122との界面の剥離を防止することができる。これにより、コンデンサ10の耐久性を高めることができる。また、誘電体層110と外部電極層121,122の材料選定の自由度が高まり、相互の密着強度が低い材料の組み合わせも採用可能となる。
[製造方法]
次に、本実施形態のコンデンサ10の製造方法について説明する。図4〜図6は、コンデンサ10の製造方法を説明する要部の工程断面図である。
まず、図4(A)に示すように、弁金属からなる金属基材50が準備され、金属基材50の表面50Aに陽極酸化の起点となるピット52が最密充填六方配列で形成される。次に、電圧を印加して陽極酸化処理を施すことにより、図4(B)に示すように所望の深さ(ないし長さ)の有底の複数の第1の孔54が、金属基材50の厚み方向に形成される。
引き続き、第1の孔54を形成したときよりも大きな印加電圧で陽極酸化処理を施すことで、図4(C)に示すように有底の複数の第2の孔56が形成される。その後、金属基材50の地金部分をウェットエッチング法により除去することで、第1の孔54と第2の孔56とを有する酸化物基材53が得られる。
陽極酸化で発生する孔のピッチ(孔同士の間隔)は電圧の大きさに比例するため、大きい電圧で処理された第2の孔56は第1の孔54よりもピッチが大きくなり、第1の孔54の一部とランダムに接続される。
陽極酸化処理の条件は適宜設定可能であり、例えば、図4(B)に示す1段階目の陽極酸化の印加電圧は数V〜数100V、処理時間は数分〜数日に設定される。図4(C)に示す2段階目の陽極酸化の印加電圧では、電圧値を1段階目の数倍とし、処理時間は数分〜数十分に設定される。例えば、1段階目の印加電圧を40Vとすることにより径が約100nmの第1の孔54が得られ、2段階目の印加電圧を80Vとすることにより径が約200nmの第2の孔56が得られる。2段階目の電圧値を上述した範囲内とすることにより、第2の孔56に接続された第1の孔54と、第2の孔56に接続されていない第1の孔54の数を概ね同等とすることができる。これにより第2の孔56に接続された第1の孔54の内側に形成される第1の電極部131と、第2の孔56に接続されていない第1の孔54の内側に形成される第2の電極部132との割合が同等となるため、効率的に容量を取り出すことが可能となる。また、2段階目の処理時間を上述の範囲内とすることで、孔のピッチ変換が十分に完了しつつ、2段階目で形成される酸化物基材の厚さを小さくすることができる。2段階目で形成される酸化物基材は、後の工程で除去されるため、できるだけ薄いことが好ましい。
続いて、図4(D)に示すように、酸化物基材53の裏面53Bにレジストパターン57が形成される。レジストパターン57は、吸着部150を形成するためのものであり、吸着部150の形成位置に応じて酸化物基材53の任意の位置に形成される。
レジストパターン57は、スクリーン印刷法や噴霧塗布法等が採用可能である。例えばコンデンサ素子の周縁部等に選択的に吸着部150を形成する場合にはスクリーン印刷法でレジストパターン57が形成され、コンデンサ素子の面内にランダムに吸着部150を形成する場合には、噴霧塗布法でレジストパターン57が形成される。
次に、酸化物基材53の裏面53Bに反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を施すことで、図5(A)に示すように第2の孔56の底を開放させる。これにより、第1の貫通孔部113aが形成される。このとき、レジストパターン57はレジストマスクとして機能し、レジストパターン57の直上に位置する第2の孔56の非貫通状態を維持する。そして、酸化物基材53の表面53Aに導体層58が形成される。導体層58は、例えばスパッタ法、真空蒸着法等によって形成される。
続いて、図5(B)に示すように、導体層58をシード層とする電解めっき法により、底部が開放された第2の孔56と接続された第1の孔54(第1の貫通孔部113a)の内側に、所定長さの第1のめっき導体M1が形成される。この際、レジストパターン57の直上に位置する第1の孔54には、めっき液が侵入しないため、第1のめっき導体M1は形成されない。
次に、酸化物基材53の裏面53Bに反応性イオンエッチングを施すことで、図5(C)に示すように、レジストパターン57の形成領域以外の第1の孔54の底部を開放させる。これにより、第2の貫通孔部113bが形成される。そして再び、導体層58をシード層とする電解めっき法により、図5(D)に示すように第1及び第2の貫通孔部113a,113bに第2のめっき導体M2が形成される。
第2のめっき導体M2の長さは、第1のめっき導体M1が形成された第1の貫通孔部113aを当該めっき導体M2によって充填できる程度の長さとされる。これにより、第2の貫通孔部113bには、その深さに達しない長さで第2のめっき導体M2が形成され、空隙部が残る。この空隙部は中空であってもよいし、内部に絶縁材料が充填されてもよい。絶縁材料としては、酸化物基材53と同様に弁金属の酸化物、電着可能な樹脂材料(例えば、ポリイミド、エポキシ、アクリル)、SiO2等が挙げられる。上記空隙部の厚み(高さ)は特に限定されず、素子容量、内部電極部と外部電極層との間の所定の絶縁耐圧等に応じて設定でき、例えば、数10nm〜数10μmとされる。
ここで、第1及び第2のめっき導体M1,M2からなる積層導体は、後に第1の内部電極部131を形成するための第1の電極柱59aを構成し、第2のめっき導体M2のみからなる単層導体は、後に第2の内部電極部132を形成するための第2の電極柱59bを構成する。なお、第1及び第2のめっき導体M1,M2は、典型的には同種の金属材料で構成されるが、互いに異種の金属材料で構成されてもよい。
次に、図6(A)に示すように、酸化物基材53の裏面を研磨して平坦化する。平坦化処理は、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法が採用される。これによりレジストパターン57の直上に位置する第1の孔54の底部が開放され、かつ、めっき導体M1,M2が形成されていない中空の第3の貫通孔部113cが形成される。平坦化された酸化物基材53は、コンデンサ10の誘電体層110を構成する。
続いて、図6(B)に示すように酸化物基材53の裏面に第1の外部電極層121が形成される。第1の外部電極層121は、例えばスパッタ法、蒸着法等の負圧雰囲気中で成膜される方法によって形成される。このような方法を採用することで、酸化物基材53に対する密着性の高い第1の外部電極層121を成膜することができる。特にスパッタ法はエネルギー量が高いため、より高い密着性を得ることができる。第1の外部電極層121は、貫通孔113が完全に密閉されるように十分な厚さ(例えば貫通孔113の孔径の2倍以上の厚さ)で形成される。第1の外部電極層121を形成するときの負圧雰囲気は、例えば10Pa(パスカル)以下であればよい。
その後、図6(C)に示すように、酸化物基材53の表面の導体層58が除去される。導体層58の除去方法は特に限定されず、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP法等が適用可能である。
次に、図6(D)に示すように、第1の外部電極層121をシード層とする電解エッチング法により、第1の電極柱59aが所定の深さだけ除去される。これにより、第1の電極柱59aの先端と酸化物基材53の表面との間に所定の深さの空隙部が形成される。当該空隙部は、そのまま中空であってもよいし、内部に絶縁材料が充填されてもよい。絶縁材料としては、酸化物基材53と同様に弁金属の酸化物、電着可能な樹脂材料(例えば、ポリイミド、エポキシ、アクリル)、SiO2等が挙げられる。上記空隙部の厚み(高さ)は特に限定されず、素子容量、内部電極部と外部電極層との間の所定の絶縁耐圧等に応じて設定でき、例えば、数10nm〜数10μmとされる。
最後に、図6(E)に示すように、酸化物基材53の表面に第2の外部電極層122が形成される。第2の外部電極層122は、例えばスパッタ法、蒸着法等の負圧雰囲気中で成膜される方法によって形成される。このような方法を採用することで、酸化物基材53に対する密着性の高い第2の外部電極層122を成膜することができる。特にスパッタ法はエネルギー量が高いため、より高い密着性を得ることができる。第2の外部電極層122は、貫通孔113が完全に密閉されるように十分な厚さ(例えば貫通孔113の孔径の2倍以上の厚さ)で形成される。第2の外部電極層122を形成するときの負圧雰囲気は、例えば10Pa(パスカル)以下であればよい。
これにより第3の貫通孔部113cが第1及び第2の外部電極層121,122で封止された、負圧空間を有する吸着部150が形成される。また、第1の外部電極層121に接続され、かつ、第2の外部電極層122から絶縁された第1の電極部131と、第2の外部電極層122に接続され、かつ、第1の外部導体層121から絶縁された第2の電極部132とが形成される。
以上のようにして、本実施形態に係るコンデンサ10が作製される。本実施形態によれば、外部電極層121,122が負圧雰囲気中で成膜されるため、負圧空間151を有する吸着部150を容易に作製することができる。これにより負圧空間151による真空吸着作用を利用して、誘電体層110に対する外部電極層121,122の密着性を高めることができ、信頼性に優れたコンデンサ10を得ることができる。
また、第1の内部電極部131と第2の外部電極層122との間に形成された空隙と、第2の内部電極部132と第1の外部電極層121との間に形成された空隙との少なくともいずれか一方を中空状態とすることによっても、吸着部150と同様な、外部電極層121,122に対する負圧吸着作用を得ることができる。この形態と部分的な比較をすると、本実施形態においては1貫通孔あたり2カ所の吸着部があり、また大きな領域の負圧空間151が存在するため外部電極層121,122への吸着力、密着力が高い点で優れている。
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係るコンデンサの構成を示す概略断面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
本実施形態のコンデンサ20は、誘電体層110と、第1の外部電極層121と、第2の外部電極層122と、第1の内部電極部131と、第2の内部電極部132と、吸着部250とを有する。誘電体層110、第1及び第2の外部電極層121,122、第1及び第2の内部電極部131,132は第1の実施形態と同様の構成を有するため、ここではそれらの説明は省略する。
[吸着部]
吸着部250は、誘電体層110の内部に形成された複数の貫通孔部113d(第3の貫通孔部)に設けられ、第1の外部電極層121及び第2の外部電極層122をそれぞれ吸着する第1の空隙部251及び第2の空隙部252を有する。第1及び第2の空隙部251,252はいずれも、負圧状態に維持された負圧空間に相当する。すなわち第1の空隙部251における真空吸着作用によって第1の外部電極層121は誘電体層110の第1の面111に密着し、第2の空隙部252における真空吸着作用によって第2の外部電極層122は誘電体層110の第2の面112に密着する。
吸着部250は、貫通孔部113dの内部に配置された充填体253を有する。充填体253は、第1の空隙部251を介して第1の外部導体層121と対向する第1の端部253aと、第2の空隙部252を介して第2の外部導体層122と対向する第2の端部253bとを有する。吸着部250は、コンデンサ20の面内の複数箇所に形成される。形成位置は特に限定されず、規則的に形成されてもよいし、不規則的に形成されてもよい。吸着部250の形成数も特に限定されない。
また、吸着部250は、誘電体層110の周縁部に選択的に形成されてもよいし、誘電体層110の面内全域に形成されてもよい。本発明者らの実験によれば、誘電体層110の周縁部に吸着部250を形成したコンデンサのサンプル(サンプル1)と、誘電体層110の面内全域に吸着部250を形成したコンデンサのサンプル(サンプル2)と、吸着部を有しないコンデンサのサンプル(サンプル3)とをそれぞれ1000個作製し、80倍の光学顕微鏡を用いて外部電極層121,122の剥離の有無を評価した。その結果、上記剥離が検出されたサンプルの割合は、サンプル1で0.2%、サンプル2で0.8%、そして、サンプル3で2.7%であった。
充填体253は、貫通孔部113d各々に設けられることで、これら貫通孔部113dの強度が高められるという利点を有する。また、充填体253は、貫通孔部113d各々について第1の空隙部251と第2の空隙部252との間を相互に分離する機能を有する。第1の空隙部251と第2の空隙部252の厚さ(深さ)は同一であってもよいし、相互に異なっていてもよい。
充填体253の構成材料は特に限定されず、絶縁体であってもよいし、金属等の導体であってもよい。充填体253が導体で構成されることによって、充填体253が絶縁体で構成される場合や充填体253が設けられない場合(吸着部全体が空間で構成されている場合)と比較して、素子容量を増加させることができる。
例えば図8に、空孔部が形成された場合と形成されない場合との違いを比較して示す。図8(A)は充填体が内部に配置されていない貫通孔部113eを備えたコンデンサの要部概略断面図、図8(B)は充填体253が内部に配置された貫通孔部113dを備えたコンデンサの要部概略断面図である。
図8(A)に示すように、空孔(貫通孔部113e)が正負の内部電極部131,132の間に存在する場合、破線D1で示す1容量ユニットの容量は、誘電体壁による2つの容量C1と空孔による1つの容量C2との直列合成容量となる。一方、図8(B)に破線D2で示すように、貫通孔部113dに導体からなる充填体253が配置された場合の容量は、2つの容量C1の直列合成容量となり、充填体253が配置された場合の方が大きな容量を取り出せることになる。すなわち、C2が小さいほど直列合成容量を大きくすることができる。空孔内に何もない場合だとC2は比較的大きくなり、空孔内に充填体253が配置された場合だとC2は比較的小さくなる。
本実施形態のコンデンサ20によれば、誘電体層110に対する第1及び第2の外部電極層121,122の密着強度が高まるため、応力等の影響による誘電体層と外部電極層121,122との界面の剥離を防止することができる。これにより、コンデンサ20の耐久性を高めることができる。また、誘電体層110と外部電極層121,122の材料選定の自由度が高まり、相互の密着強度が低い材料の組み合わせも採用可能となる。
また、吸着部250を構成する充填体253を導体材料で形成することにより、吸着部250の存在に起因する素子容量の低下を抑えることができる。これにより、耐久性に優れた高容量のコンデンサ20を提供することが可能となる。
[製造方法]
次に、本実施形態のコンデンサ20の製造方法について説明する。図9〜図11は、コンデンサ20の製造方法を説明する要部の工程断面図である。ここで、図9に示す工程までは上述の第1の実施形態と同様であるため(図4(A)〜(D)、図5(A)〜(D)、図6(A)参照)、ここでは説明を省略する。
図9(B)に示すように、酸化物基材73の裏面に第2の導体層58Bが形成される。酸化物基材73は、第1の実施形態における酸化物基材53に相当し、複数の貫通孔部113a,113b,113dを有する。第2の導体層58Bは、例えばスパッタ法、真空蒸着法等によって形成される。その後、図9(C)に示すように、酸化物基材73の表面から第1の導体層58が除去される。第1の導体層58の除去方法は特に限定されず、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP法等が適用可能である。
次に、図9(D)に示すように、酸化物基材73の表面に絶縁膜80が形成される。絶縁膜80は、貫通孔部113dを開放しつつ、酸化物基材73の表面と第1及び第2の電極柱79a,79bの表面とを被覆する。
第1の電極柱79aは、第1及び第2のめっき導体M1,M2の積層導体からなり、後に第1の内部電極部131を構成する。第2の電極柱79bは、第2のめっき導体M2の単層導体からなり、後に第2の内部電極部132を構成する。絶縁膜80の種類は特に限定されず、シリコン酸化膜等の無機絶縁膜、あるいは合成樹脂等の有機絶縁膜が適用可能である。成膜方法も特に限定されず、スパッタ法、CVD法、塗布法等が採用可能である。絶縁膜80の厚みは特に限定されず、貫通孔部113dが閉塞しない任意の厚みに設定可能である。
続いて図9(E)に示すように、第2の導体層58Bをシード層とする電解めっき法により、貫通孔部113dに第3のめっき導体M3が充填される。第3のめっき導体M3は、当該めっき導体M3の先端が絶縁膜80の表面に達する高さにまで形成される。第3のめっき導体M3は、第1及び第2のめっき導体M1,M2と同種の材料で形成されるが、第1及び第2のめっき導体M1,M2とは異なる材料で形成されてもよい。
次に、図10(A)に示すように、絶縁膜80の表面に第3の導体層58Cを形成する。第3の導体層58Cは、例えばスパッタ法、真空蒸着法等によって形成される。第3の導体層58Cは、絶縁膜80の表面から露出する第3のめっき導体M3の先端に接続される。その後、図10(B)に示すように、酸化物基材73の裏面から第2の導体層58Bが除去される。第2の導体層58Bの除去方法は特に限定されず、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP法等が適用可能である。
続いて図10(C)に示すように、第3の導体層58Cをシード層とする電解エッチング法により、酸化物基材73の裏面から露出する第3のめっき導体M3が所定の深さだけ除去される。これにより、酸化物基材73の裏面から酸化物基材73の内部に上記所定の深さだけ沈んだ位置に、めっき導体M3の下端部M31が形成される。この下端部M31は、後に充填体253の第1の端部253aを構成する。
次に、図10(D)に示すように、酸化物基材73の裏面に第1の外部電極層121が形成される。第1の外部電極層121は、例えばスパッタ法、蒸着法等の負圧雰囲気中で成膜される方法によって形成される。このような方法を採用することで、酸化物基材73に対する密着性の高い第1の外部電極層121を成膜することができる。特にスパッタ法はエネルギー量が高いため、より高い密着性を得ることができる。第1の外部電極層122は、貫通孔113が完全に密閉されるように十分な厚さ(例えば貫通孔113の孔径の2倍以上の厚さ)で形成される。第1の外部電極層122を形成するときの負圧雰囲気は、例えば10Pa(パスカル)以下であればよい。
続いて図11(A)に示すように、酸化物基材73の表面から第3の導体層58Cが除去される。第3の導体層58Cの除去方法は特に限定されず、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP法等が適用可能である。
本実施形態では、ウェットエッチング法により、第3の導体層58Cが除去される。引き続き、絶縁膜80のから露出する第3のめっき導体M3が所定の深さだけエッチングされる。これにより、酸化物基材73の表面から酸化物基材73の内部に上記所定の深さだけ沈んだ位置に、めっき導体M3の上端部M32が形成される。この上端部M32は、後に充填体253の第2の端部253bを構成する。
第3のめっき導体M3は、第3の導体層58Cの除去工程に使用されるエッチング液に溶解可能な材料で構成されることにより、これら導体層58C及びめっき導体M3のエッチング処理を同一工程で実施することができ、生産性の向上が図れる。このため第3のめっき導体M3は、第3の導体層58Cと同一の材料で形成されてもよい。
次に、図11(B)に示すように酸化物基材73上の絶縁膜80が除去される。絶縁膜80の除去方法は特に限定されず、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP法等が適用可能である。
続いて図11(C)に示すように、第1の外部電極層121をシード層とする電解エッチング法により、第1の電極柱79aが所定の深さだけ除去される。これにより、第1の電極柱79aの先端と酸化物基材73の表面との間に所定の深さの空隙部が形成される。当該空隙部は、そのまま中空であってもよいし、絶縁材料が充填されてもよい。絶縁材料としては、酸化物基材73と同様に弁金属の酸化物、電着可能な樹脂材料(例えば、ポリイミド、エポキシ、アクリル)、SiO2等が挙げられる。上記空隙部の厚み(高さ)は特に限定されず、素子容量、内部電極部と外部電極層との間の所定の絶縁耐圧等に応じて設定でき、例えば、数10nm〜数10μmとされる。
最後に、図11(D)に示すように、酸化物基材73の表面に第2の外部電極層122が形成される。第2の外部電極層122は、例えばスパッタ法、蒸着法等の負圧雰囲気中で成膜される方法によって形成される。このような方法を採用することで、酸化物基材73に対する密着性の高い第2の外部電極層122を成膜することができる。特にスパッタ法はエネルギー量が高いため、より高い密着性を得ることができる。第2の外部電極層122は、貫通孔113が完全に密閉されるように十分な厚さ(例えば貫通孔113の孔径の2倍以上の厚さ)で形成される。第2の外部電極層122を形成するときの負圧雰囲気は、例えば10Pa(パスカル)以下であればよい。
これにより貫通孔部113dが第1及び第2の外部電極層121,122で封止される。そして、第1の外部電極層121に接続され、かつ、第2の外部電極層122から絶縁された第1の電極部131と、第2の外部電極層122に接続され、かつ、第1の外部導体層121から絶縁された第2の電極部132とが形成される。また、かつ、貫通孔部113dに充填体253と第1及び第2の空隙部251,252とを有する吸着部250が形成される。
以上のようにして、本実施形態に係るコンデンサ20が作製される。本実施形態によれば、第1及び第2の外部電極層121,122が真空雰囲気中で成膜されるため、第1及び第2の空隙部251,252を有する吸着部250を容易に作製することができる。これにより空隙部251,252による負圧吸着作用を利用して、誘電体層110に対する外部電極層121,122の密着性を高めることができ、信頼性に優れたコンデンサ20を得ることができる。
また、第1の内部電極部131と第2の外部電極層122との間に形成された空隙と、第2の内部電極部132と第1の外部電極層121との間に形成された空隙との少なくともいずれか一方を中空状態とすることによっても、吸着部250と同様な、外部電極層121,122に対する負圧吸着作用を得ることができる。この形態と部分的な比較をすると、本実施形態においては1貫通孔あたり2カ所の吸着部があるため外部電極層121,122への吸着力、密着力が高い点で優れている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の第1の実施形態で説明された負圧空間151(空孔)の形成方法に代えて、一端底部が開放された貫通孔部を形成し、吸着部150として構成すべき貫通孔部に絶縁材を充填し、内部電極部の加工後、当該絶縁材をエッチング等により除去することで部分的に空孔を形成してもよい。
また、以上の各実施形態に係るコンデンサは各々単独で実施される場合に限られず、同時に実施されてもよい。すなわち吸着部として、第1の実施形態の吸着部150と第2の実施形態の吸着部250とを含むコンデンサが構成されてもよい。
10,20…コンデンサ
53,73…酸化物基材
110…誘電体層
113…貫通孔
113a…第1の貫通孔部
113b…第2の貫通孔部
113c,113d…第3の貫通孔部
121…第1の外部電極層
122…第2の外部電極層
131…第1の内部電極部
132…第2の内部電極部
150,250…吸着部
151…負圧空間
251,252…空隙部
253…充填体
M1,M2,M3…めっき導体

Claims (4)

  1. 第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間を連絡する複数の貫通孔と、を有する誘電体層と、
    前記第1の面に配置された第1の外部電極層と、
    前記第2の面に配置された第2の外部電極層と、
    前記複数の貫通孔の一部である第1の貫通孔部に設けられ、一端が前記第1の外部電極層に接続され、他端が前記第2の外部電極層から絶縁される第1の内部電極部と、
    前記複数の貫通孔の他の一部である第2の貫通孔部に設けられ、一端が前記第2の外部電極層に接続され、他端が前記第1の外部電極層から絶縁される第2の内部電極部と、
    前記複数の貫通孔の残部である第3の貫通孔部に設けられ、前記第1の外部電極層と前記第2の外部電極層とを吸着する吸着部と
    を具備するコンデンサ。
  2. 請求項1に記載のコンデンサであって、
    前記吸着部は、第1の空隙部を介して前記第1の外部電極層と対向する第1の端部と、第2の空隙部を介して前記第2の外部電極層と対向する第2の端部と、を有する充填体をさらに有する
    コンデンサ。
  3. 請求項2に記載のコンデンサであって、
    前記充填体は、導電体で構成される
    コンデンサ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンデンサであって、
    前記第1の外部電極層及び前記第2の外部電極層は、金属のスパッタ膜で構成される
    コンデンサ。
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