JP2013253748A - 吸収ヒートポンプ及び吸収ヒートポンプの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加熱媒体の需要喪失後に吸収熱が被加熱媒体に伝達されることを回避する吸収ヒートポンプとその運転方法を提供する。
【解決手段】吸収ヒートポンプ1は、冷媒蒸気Veを溶液Saが吸収する際の吸収熱で被加熱媒体Wqを加熱する吸収器10と、溶液Swから冷媒Vgを離脱させる再生器30と、溶液Sw、Saを循環させる溶液管16、35と、循環していた溶液が、加熱管11に接触しないように、溶液Saを溶液散布ノズル12に導かずに循環する溶液Sa、Swの系統における加熱管11の下流に導くバイパス手段50と、被加熱媒体Wvの需要喪失を検出する被加熱媒体需要喪失検出手段58と、制御装置99とを備える。制御装置99は、被加熱媒体Wvの需要喪失を検出したときに、溶液Saが加熱管11を迂回するようにバイパス手段50を制御する。而して、被加熱媒体Wvの需要喪失後に吸収熱が加熱管11に伝達されることを回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は吸収ヒートポンプ及び吸収ヒートポンプの運転方法に関し、特に被加熱媒体の需要の喪失後に吸収熱が発生することを回避する吸収ヒートポンプ及び吸収ヒートポンプの運転方法に関する。
各種工場等のプロセスからの廃熱を駆動熱源として利用し、駆動熱源温度より高い温度の被加熱媒体(被加熱媒体蒸気等)を取り出す熱源機械の1つに吸収ヒートポンプがある。吸収ヒートポンプは、冷媒液を蒸発させる蒸発器、冷媒蒸気を溶液で吸収させる吸収器、溶液から冷媒を離脱させる再生器、冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器を主要構成として備えている。プロセスから吸収ヒートポンプに導入される熱量が過多になったり、凝縮器に導入される冷却水温度の低下等により凝縮器内の圧力が低下したりすると、溶液の過濃縮あるいは結晶が生じ、吸収ヒートポンプの運転の継続が困難になる。このような状況において、溶液の過濃縮あるいは結晶を回避するようにした吸収ヒートポンプとして、吸収器から希溶液配管を通って再生器に戻る希溶液を再生器入口部でバルブを備えたバイパス配管で分岐し、再生器の熱源媒体流路に散布する溶液の量を減少させ、熱源媒体から溶液への伝熱量を減少させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−248013号公報(段落0035、図3等)
上述の吸収ヒートポンプによれば、再生器における熱源媒体から溶液への伝熱量を減少させることによって出力を制限することができる。吸収ヒートポンプの出力を制限する場面は、導入される熱源媒体や冷却水の条件が変化した場合のほか、吸収ヒートポンプで生成された被加熱媒体蒸気等の需要が減少する場合にも生じ得る。しかしながら、被加熱媒体蒸気等の需要が急激に減少した場合、特許文献1の吸収ヒートポンプでは、機内に残留している溶液及び冷媒によって生じる吸収熱により吸収器内の温度が上昇して、被加熱媒体蒸気等の生成を直ちに停止するのが困難である。
本発明は上述の課題に鑑み、被加熱媒体の需要の喪失後に吸収熱が被加熱媒体に伝達されることを回避する吸収ヒートポンプ及び吸収ヒートポンプの運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、冷媒の蒸気である冷媒蒸気Veを溶液Saが吸収する際に生じる吸収熱で被加熱媒体Wqを加熱する吸収器10であって、被加熱媒体Wqを流す加熱管11と、加熱管11に向けて溶液Swを散布する溶液散布ノズル12と、を有する吸収器10と;冷媒が吸収された溶液Swを加熱して溶液Swから冷媒Vgを離脱させる再生器30と;溶液Sw、Saを吸収器10及び再生器30に通して循環させる溶液管16、35と;吸収器10、再生器30、及び溶液管16、35を循環していた溶液Sw、Saが、加熱管11に接触しないように、溶液Saを溶液散布ノズル12に導かずに循環する溶液Sw、Saの系統における加熱管11の下流に導くバイパス手段50と;吸収器10で加熱された被加熱媒体Wvの需要の喪失を検出する被加熱媒体需要喪失検出手段58と;被加熱媒体需要喪失検出手段58が被加熱媒体Wvの需要の喪失を検出したときに、溶液Saが溶液散布ノズル12を流れずにバイパス手段50を流れるようにバイパス手段50を制御する制御装置99とを備える。
このように構成すると、被加熱媒体の需要の喪失後に吸収熱が被加熱媒体に伝達されることを回避することができ、需要のない加熱された被加熱媒体が生成されることを回避することができる。
また、本発明の第2の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、被加熱媒体需要喪失検出手段が、吸収器10で加熱された被加熱媒体Wvの圧力に関連する物理量が所定の値であることを検出する検出器58で構成されている。検出器は、典型的には、吸収器で加熱された被加熱媒体の圧力を直接検出する圧力検出器、又は吸収器で加熱された被加熱媒体の圧力を間接的に検出する温度検出器で構成される。
このように構成すると、比較的簡便な構成で、被加熱媒体の需要の急激な減少に伴う被加熱媒体の需要の喪失を推定することができる。
また、本発明の第3の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第2の態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、吸収器10で加熱された被加熱媒体Wvを利用先に向けて導く被加熱媒体供給管89と;被加熱媒体供給管89に接続された安全弁59とを備え;所定の値が、被加熱媒体Wvの需要が喪失したと推定することができる値であって、安全弁59が開放する圧力に関連する物理量よりも小さい値に設定されている。
このように構成すると、安全弁が開放することを抑制することができる。
また、本発明の第4の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、再生器30で溶液Saから離脱した冷媒蒸気Vgを導入し凝縮させて冷媒の液体である冷媒液Vfを生成する凝縮器40と;凝縮器40内の冷媒液Vfを吸収器10に導く吸収器用冷媒液管49と;吸収器用冷媒液管49を介して吸収器10に導かれた冷媒液Vfを、加熱管11に向けて散布する冷媒液散布ノズル12とを備える。
このように構成すると、被加熱媒体の需要を喪失したときに加熱管を冷却して被加熱媒体の加熱を抑制することができると共に、溶液の希釈を行うことができる。
上記目的を達成するために、本発明の第5の態様に係る吸収ヒートポンプの運転方法は、例えば図1及び図2に示すように、被加熱媒体Wqを流す加熱管11に向けて散布された溶液Saが、冷媒の蒸気である冷媒蒸気Veを吸収する際に生じる吸収熱で被加熱媒体Wqを加熱する被加熱媒体加熱工程(S1)と;加熱された被加熱媒体Wvの需要の喪失を検出する被加熱媒体需要喪失検出工程(S2)と;被加熱媒体需要喪失検出工程(S2)において被加熱媒体Wvの需要の喪失を検出したときに、加熱管11を流れる被加熱媒体Wqが吸収熱で加熱されないように、溶液Saが加熱管11に散布されるのを回避させるバイパス工程(S3)とを備える。
このように構成すると、被加熱媒体の需要の喪失後に吸収熱が被加熱媒体に伝達されることを回避することができ、需要のない加熱された被加熱媒体が生成されることを回避することができる。
本発明によれば、被加熱媒体の需要の喪失後に吸収熱が被加熱媒体に伝達されることを回避することができ、需要のない加熱された被加熱媒体が生成されることを回避することができる。
本発明の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。 被加熱媒体の過熱抑制の制御を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1を説明する。図1は、吸収ヒートポンプ1の模式的系統図である。吸収ヒートポンプ1は、吸収ヒートポンプサイクルを行う主要構成機器である吸収器10、蒸発器20、再生器30、及び凝縮器40と、吸収器10で加熱された被加熱媒体を気液分離する気液分離器80と、制御装置99とを備えている。吸収ヒートポンプ1は、比較的利用価値の低い低温(例えば80℃〜90℃程度)の排温水を熱源媒体として再生器30及び蒸発器20に供給して、利用価値の高い被加熱媒体蒸気Wv(例えば、圧力が約0.1MPa(ゲージ圧)を超え、望ましくは0.8MPa(ゲージ圧)程度)を気液分離器80から取り出すことができるものである。
なお、以下の説明においては、溶液に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「希溶液Sw」や「濃溶液Sa」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「溶液S」ということとする。また、冷媒に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「蒸発器冷媒蒸気Ve」、「再生器冷媒蒸気Vg」、「冷媒液Vf」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒V」ということとする。本実施の形態では、溶液S(吸収剤と冷媒Vとの混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Vとして水(HO)が用いられている。また、被加熱媒体に関し、液体の被加熱媒体である「被加熱媒体液Wq」、気体の被加熱媒体である「被加熱媒体蒸気Wv」、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した「混合被加熱媒体Wm」を総称して「被加熱媒体W」ということとする。本実施の形態では、被加熱媒体Wとして水(HO)が用いられている。
吸収器10は、被加熱媒体Wの流路を構成する加熱管11と、濃溶液Saを散布する溶液散布ノズルとしての濃溶液散布ノズル12とを、吸収器缶胴17の内部に有している。濃溶液散布ノズル12は、散布した濃溶液Saが加熱管11に降りかかるように加熱管11の上方に配設されている。吸収器10は、濃溶液散布ノズル12から濃溶液Saが散布され、濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する際に吸収熱を発生させる。この吸収熱を、加熱管11を流れる被加熱媒体Wが受熱して、被加熱媒体Wが加熱されるように構成されている。吸収器10の下部には、散布された濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swが貯留される貯留部13が形成されている。加熱管11は、希溶液Swに没入しないように、貯留部13よりも上方に配設されている。貯留部13には、貯留された希溶液Swの液位を検出する吸収器液位検出器14が配設されている。
蒸発器20は、加熱媒体としての熱源温水hの流路を構成する伝熱管21を、蒸発器缶胴27の内部に有している。蒸発器20は、蒸発器缶胴27の内部に冷媒液Vfを散布するノズルを有していない。このため、伝熱管21は、蒸発器缶胴27内に貯留された冷媒液Vfに浸かるように配設されている(満液式蒸発器)。蒸発器20は、伝熱管21周辺の冷媒液Vfが伝熱管21内を流れる熱源温水hの熱で蒸発して蒸発器冷媒蒸気Veが発生するように構成されている。蒸発器缶胴27内には、内部に貯留された冷媒液Vfの液面の高位VHを検出する高位検出器24H及び低位VLを検出する低位検出器24Lを有する蒸発器液位検出器24が配設されている。蒸発器缶胴27の底面には、蒸発器缶胴27内に冷媒液Vfを供給する冷媒液管45が接続されている。
吸収器缶胴17と蒸発器缶胴27とは、上部で接続されており、これにより、吸収器10と蒸発器20とが気相部で相互に連通している。吸収器10と蒸発器20とが気相部で連通することにより、吸収器10及び蒸発器20の内部の圧力が概ね等しくなっている。また、吸収器10と蒸発器20とが連通することにより、蒸発器20で発生した蒸発器冷媒蒸気Veを吸収器10に供給することができるように構成されている。吸収器10と蒸発器20とは、典型的には、濃溶液散布ノズル12より上方で連通している。
再生器30は、希溶液Swを加熱する熱源媒体としての熱源温水hを内部に流す熱源管31と、希溶液Swを散布する希溶液散布ノズル32とを、再生器缶胴37の内部に有している。再生器30は、散布された希溶液Swから冷媒Vが蒸発して濃度が上昇した濃溶液Saが下部に貯留されるように構成されている。再生器30では、希溶液Swが熱源温水hに加熱されることにより、希溶液Sw中の冷媒Vが離脱し、濃溶液Saと再生器冷媒蒸気Vgとが生成されるように構成されている。再生器30の濃溶液Saが貯留される部分と吸収器10の濃溶液散布ノズル12とは、濃溶液Saを流す濃溶液管35で接続されている。濃溶液管35には、再生器30の濃溶液Saを吸収器10に圧送する溶液ポンプ35pが配設されている。溶液ポンプ35pは、吸収器液位検出器14と信号ケーブルで接続されたインバータ35vを有しており、吸収器液位検出器14が検出する液位に応じて回転速度が調節されて吸収器10に圧送する濃溶液Saの流量を調節することができるように構成されている。希溶液散布ノズル32と吸収器10の貯留部13とは希溶液Swを流す希溶液管16で接続されている。濃溶液管35及び希溶液管16には、濃溶液Saと希溶液Swとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器38が配設されている。
溶液ポンプ35p及び溶液熱交換器38よりも下流側の濃溶液管35には、濃溶液Saを、濃溶液散布ノズル12に導入されないように迂回させるバイパス手段としてのバイパス部50が設けられている。バイパス部50は、バイパス管51と、バイパス管51に配設されたバイパス弁52とを含んで構成されている。バイパス管51は、一端が、溶液ポンプ35p及び溶液熱交換器38よりも下流側の濃溶液管35に接続されており、他端が、加熱管11よりも下方の吸収器缶胴17内で開放されている。このようにバイパス管51が配設されていることで、バイパス管51を流れる濃溶液Saは、加熱管11に降りかからずに貯留部13に導かれることとなる。バイパス弁52は、制御装置99と信号ケーブルで接続されており、制御装置99からの指令により開の状態と閉の状態とを切り替えて、濃溶液Saがバイパス管51を流動するか否かを切り替えることができるように構成されている。バイパス管51及びバイパス弁52は、バイパス弁52が開になったときに、濃溶液管35を流れる濃溶液Saが濃溶液散布ノズル12に到達せずに大部分がバイパス管51を流れるように、呼び径が決定されている。
凝縮器40は、冷却媒体流路を形成する冷却水管41を、凝縮器缶胴47の内部に有している。冷却水管41には、冷却媒体としての冷却水cが流れる。凝縮器40は、再生器30で発生した再生器冷媒蒸気Vgを導入し、これを冷却水cで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管41は、再生器冷媒蒸気Vgを直接冷却することができるように、再生器冷媒蒸気Vgが凝縮した冷媒液Vfに浸らないように配設されている。凝縮器40には凝縮した冷媒液Vfを蒸発器20に送る冷媒液管45が接続されている。冷媒液管45には、冷媒液Vfを蒸発器20に圧送するための冷媒ポンプ46が配設されている。冷媒ポンプ46は、蒸発器液位検出器24と信号ケーブルで接続されており、蒸発器液位検出器24が検出する液位に応じて発停が制御されるように構成されている。
冷媒ポンプ46よりも下流側の冷媒液管45には、冷媒液Vfを吸収器10に導く吸収器用冷媒液管49の一端が接続されている。吸収器用冷媒液管49の他端は、吸収器缶胴17の内部に配置されている濃溶液散布ノズル12に接続されている。吸収器用冷媒液管49には、内部を流れる冷媒液Vfの流れを遮断する開閉弁49vが配設されている。開閉弁49vは、制御装置99と信号ケーブルで接続されており、制御装置99からの指令を受けて開閉動作をするように構成されている。吸収器用冷媒液管49及び開閉弁49vは、開閉弁49vが開になったときに、冷媒液管45を流れる冷媒液Vfの一部が濃溶液散布ノズル12に導かれ、残りは蒸発器缶胴27内に導入されるように、呼び径が決定されている。典型的には、濃溶液散布ノズル12に導かれる冷媒液Vfが、定常運転時に吸収器10に導入される蒸発器冷媒蒸気Veと概ね同じ質量流量となるように構成されている。開閉弁49vが開となって冷媒液Vfが濃溶液散布ノズル12に導かれると、濃溶液散布ノズル12は冷媒液散布ノズルとして機能する。換言すると、濃溶液散布ノズル12は、濃溶液散布ノズルとしての役割を主としつつ、冷媒液散布ノズルを兼ねている。
再生器缶胴37と凝縮器缶胴47とは、上部で接続されており、これにより、再生器30と凝縮器40とが気相部で相互に連通している。再生器30と凝縮器40とが気相部で連通することにより、再生器30及び凝縮器40の内部の圧力が概ね等しくなっている。また、再生器30と凝縮器40とが連通することにより、再生器30で発生した再生器冷媒蒸気Vgを凝縮器40に供給することができるように構成されている。再生器30と凝縮器40とは、典型的には、希溶液散布ノズル32より上方で連通している。
気液分離器80は、吸収器10の加熱管11を流れて加熱された被加熱媒体Wを導入し、被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとを分離する機器である。気液分離器80には、内部に貯留する被加熱媒体液Wqの液位を検出する気液分離器液位検出器81が設けられている。気液分離器80の下部と吸収器10の加熱管11の一端とは、被加熱媒体液Wqを加熱管11に導く被加熱媒体液管82で接続されている。被加熱媒体液管82には、被加熱媒体液Wqを加熱管11に向けて圧送する被加熱媒体ポンプ83が配設されている。内部が気相部となる気液分離器80の側面と加熱管11の他端とは、混合被加熱媒体Wmを気液分離器80に導く加熱後被加熱媒体管84で接続されている。
また、気液分離器80には、蒸気として系外に供給された分の被加熱媒体Wを補うための補給水Wsを系外から導入する補給水管85が接続されている。補給水管85には、気液分離器80に向けて補給水Wsを圧送する補給水ポンプ86と、逆止弁85cと、補給水Wsを温水で予熱する補給水熱交換器87Bと、希溶液Swと熱交換させて補給水Wsをさらに加熱する補給水熱交換器87Aとが、補給水Wsの流れ方向に向かってこの順に配設されている。補給水ポンプ86は、気液分離器液位検出器81と信号ケーブルで接続されており、気液分離器80内の被加熱媒体液Wqの液位に応じて発停が制御されるように構成されている。補給水熱交換器87Aは、補給水Wsと希溶液Swとを熱交換させるように、補給水管85と、溶液熱交換器38よりも上流側の希溶液管16とに配設されている。また、気液分離器80には、被加熱媒体蒸気Wvを系外に供給する被加熱媒体供給管としての被加熱媒体蒸気供給管89が上部(典型的には頂部)に接続されている。被加熱媒体蒸気供給管89には、内部の圧力を検出する被加熱媒体需要喪失検出手段としての圧力センサ58と、安全弁59とが設けられている。圧力センサ58は、制御装置99と信号ケーブルで接続されており、検出された値を信号として制御装置99に送信することができるように構成されている。
気液分離器80は、典型的には、加熱管11内で被加熱媒体液Wqの一部が蒸発して被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した混合被加熱媒体Wmを導入するが、被加熱媒体液Wqのまま気液分離器80に導いて減圧し一部を気化させて混合被加熱媒体Wmとしたものを気液分離させるようにしてもよい。被加熱媒体液Wqを減圧気化するには、オリフィス等の絞り手段を用いることができる。加熱管11内で被加熱媒体液Wqの一部を蒸発させるか否かは、典型的には、被加熱媒体ポンプ83及び/又は補給水ポンプ86の吐出圧力を調節することにより、加熱管11内の圧力を被加熱媒体液Wqの温度に相当する飽和圧力よりも高くするか否かによって調節することができる。
制御装置99は、吸収ヒートポンプ1の運転を制御する機器である。制御装置99は、被加熱媒体ポンプ83と信号ケーブルで接続されており、この発停や回転速度の調節を行うことができるように構成されている。これまでの説明では吸収器液位検出器14の出力を直接入力して制御されることとした溶液ポンプ35p、蒸発器液位検出器24の出力を直接入力して制御されることとした冷媒ポンプ46、及び気液分離器液位検出器81の出力を直接入力して制御されることとした補給水ポンプ86も、制御装置99を介して(検出器の出力信号を一旦制御装置99に入力して)制御されることとしてもよい。また、制御装置99は、開閉弁49v及びバイパス弁52に、それぞれ信号を送信して弁の開閉動作をさせることができるように構成されている。また、制御装置99は、圧力センサ58と信号ケーブルで接続されており、圧力センサ58で検出された値を信号として受信することができるように構成されている。
引き続き図1を参照して、吸収ヒートポンプ1の作用を説明する。吸収ヒートポンプ1の定常運転時は、開閉弁49v及びバイパス弁52が、共に閉となっている。まず、冷媒側のサイクルを説明する。凝縮器40では、再生器30で蒸発した再生器冷媒蒸気Vgを受け入れて、冷却水管41を流れる冷却水cで冷却して凝縮し、冷媒液Vfとする。凝縮した冷媒液Vfは、冷媒ポンプ46で蒸発器20に送られ、蒸発器缶胴27の底部から蒸発器缶胴27内に導入される。このとき、蒸発器缶胴27内に貯留される冷媒液Vfの液面が低位VLと高位VHとの間に収まるように、蒸発器液位検出器24の検出液位に応じて冷媒ポンプ46の発停が制御される。典型的には、冷媒液Vfの液面が低位VLまで下降したことを低位検出器24Lが検出したら冷媒ポンプ46が起動し、液面が高位VHまで上昇したことを高位検出器24Hが検出したら冷媒ポンプ46が停止する。蒸発器缶胴27内に貯留された冷媒液Vfは、伝熱管21内を流れる熱源温水hによって加熱され、蒸発して蒸発器冷媒蒸気Veとなる。蒸発器20で発生した蒸発器冷媒蒸気Veは、蒸発器20と連通する吸収器10へと移動する。
次に吸収ヒートポンプ1の溶液側のサイクルを説明する。吸収器10では、濃溶液Saが濃溶液散布ノズル12から散布され、この散布された濃溶液Saが蒸発器20から移動してきた蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する。蒸発器冷媒蒸気Veを吸収した濃溶液Saは、濃度が低下して希溶液Swとなる。吸収器10では、濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、加熱管11を流れる被加熱媒体液Wqが加熱される(被加熱媒体加熱工程)。ここで、被加熱媒体蒸気Wvを取り出すための気液分離器80まわりの作用について説明する。
気液分離器80には、系外から補給水Wsが補給水管85を介して導入される。補給水Wsは、補給水ポンプ86により補給水管85を圧送され、まず補給水熱交換器87Bで温度が上昇した後に、補給水熱交換器87Aで希溶液Swと熱交換してさらに温度が上昇して、気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された補給水Wsは、被加熱媒体液Wqとして気液分離器80の下部に貯留される。気液分離器80の下部に貯留される被加熱媒体液Wqが適切な液位になるように、補給水ポンプ86が制御される。気液分離器80の下部に貯留されている被加熱媒体液Wqは、被加熱媒体ポンプ83で吸収器10の加熱管11に送られる。加熱管11に送られた被加熱媒体液Wqは、吸収器10における上述の吸収熱により加熱される。加熱管11で加熱された被加熱媒体液Wqは、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして、気液分離器80に向けて加熱後被加熱媒体管84を流れる。あるいは、加熱後被加熱媒体管84を、温度が上昇した被加熱媒体液Wqが流れることとしてもよく、この場合、被加熱媒体液Wqは、気液分離器80に導入される際に減圧され、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された混合被加熱媒体Wmは、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが分離される。分離された被加熱媒体液Wqは、気液分離器80の下部に貯留され、再び吸収器10の加熱管11に送られる。他方、分離された被加熱媒体蒸気Wvは、被加熱媒体蒸気供給管89に導出され、蒸気利用場所に供給される。
再び吸収ヒートポンプ1の溶液側のサイクルの説明に戻る。吸収器10で蒸発器冷媒蒸気Veを吸収した濃溶液Saは、濃度が低下して希溶液Swとなり、貯留部13に貯留される。貯留部13内の希溶液Swは、重力及び吸収器10と再生器30との内圧の差により再生器30に向かって希溶液管16を流れ、補給水熱交換器87Aで補給水Wsと熱交換して温度が低下した後に、溶液熱交換器38で濃溶液Saと熱交換してさらに温度が低下して、再生器30に至る。再生器30に送られた希溶液Swは、希溶液散布ノズル32から散布される。希溶液散布ノズル32から散布された希溶液Swは、熱源管31を流れる熱源温水h(本実施の形態では約85℃前後)によって加熱され、散布された希溶液Sw中の冷媒が蒸発して(離脱して)濃溶液Saとなり、再生器30の下部に貯留される。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒Vは再生器冷媒蒸気Vgとして凝縮器40へと移動する。再生器30の下部に貯留された濃溶液Saは、溶液ポンプ35pにより、濃溶液管35を介して吸収器10の濃溶液散布ノズル12に圧送される。このとき、吸収器10の貯留部13に貯留された希溶液Swが所定の液位になるように、吸収器液位検出器14の検出液位に応じてインバータ35vにより溶液ポンプ35pの回転速度(ひいては吐出流量)が調節される。濃溶液管35を流れる濃溶液Saは、溶液熱交換器38で希溶液Swと熱交換して温度が上昇してから吸収器10に流入し、濃溶液散布ノズル12から散布される。以降、同様のサイクルを繰り返す。
上記のような溶液S及び冷媒Vのサイクルを行う吸収ヒートポンプ1は、運転を停止するには、停止後に温度が低下しても溶液が結晶しない濃度以下に濃溶液Saを希釈する希釈運転が行われ、希釈運転が終了した後に停止される。このため、吸収ヒートポンプ1は、運転停止の指令(信号)を受けた後、直ちに停止されるのではなく、希釈運転を経た後に停止される。他方、被加熱媒体蒸気Wvの需要が低下し、吸収ヒートポンプ1の運転を必要としなくなった場合は、吸収ヒートポンプ1が停止されることとなるが、希釈運転中にも、機内に残留する蒸発器冷媒蒸気Veが濃溶液散布ノズル12から散布される濃溶液Saに吸収されることで吸収熱が発生し、被加熱媒体蒸気Wvの生成が続いている。被加熱媒体蒸気Wvの需要がなくなっても被加熱媒体蒸気Wvが生成され続けると、被加熱媒体蒸気管89の内部の圧力及び温度が上昇して、装置が損傷する可能性があるので、これを防ぐために例えば安全弁59から被加熱媒体蒸気Wvが放出される。安全弁59が開くと、吸収ヒートポンプ1の管理者は異常の発生の有無を疑うため、また、騒音の発生や白煙に見える蒸気の放出を防ぐ観点からも、極力安全弁59が開かないようにするのが好ましい。そこで、吸収ヒートポンプ1では、以下のような制御を行うこととしている。
図2は、被加熱媒体Wの過熱抑制の制御を説明するフローチャートである。吸収ヒートポンプ1は、定常運転時は、上述した吸収器10における吸収熱を発生させる作用により、被加熱媒体Wを加熱している(被加熱媒体加熱工程:S1)。吸収ヒートポンプ1は、被加熱媒体加熱工程中、制御装置99が、圧力センサ58で検出された圧力が所定の圧力以上となったか否かを判断することにより(S2)、被加熱媒体蒸気Wvの需要の喪失の有無を検出している(被加熱媒体需要喪失検出工程)。被加熱媒体蒸気Wvの需要が減少すると、被加熱媒体蒸気Wvの消費量が少なくなるため、被加熱媒体蒸気供給管89内の被加熱媒体蒸気Wvの量が増加して、被加熱媒体蒸気供給管89内の圧力が増大するので、被加熱媒体蒸気供給管89内の圧力が所定の圧力(所定の値)まで上昇したことをもって、被加熱媒体蒸気Wvの需要が喪失したと推定することとしている。この趣旨から、所定の圧力は、被加熱媒体蒸気Wvの需要が喪失したと推定することができる圧力であって、安全弁59が開放する圧力未満の圧力である。
圧力センサ58で検出された圧力が所定の圧力以上となったか否かを判断する工程(S2)において、所定の圧力以上となっていない場合は、被加熱媒体蒸気Wvの需要が喪失していないと推定して、被加熱媒体加熱工程(S1)に戻る。他方、所定の圧力以上となっている場合は、制御装置99がバイパス弁52に開信号を送信して、バイパス弁52を開にする(S3)。バイパス弁52が開になると、濃溶液ポンプ35pによって圧送されて濃溶液管35を流れてきた濃溶液Saが、濃溶液散布ノズル12に導かれずに、バイパス管51を流れて加熱管11の下部で吸収器缶胴17内に放出される(バイパス工程)。このバイパス工程によって、濃溶液Saは、濃溶液散布ノズル12から加熱管11に散布されず、すなわち加熱管11を迂回する。これにより、吸収器缶胴17内において、吸収熱が加熱管11内を流れる被加熱媒体Wに伝達されることが回避され、ひいては被加熱媒体蒸気Wvが生成されることが回避される。
吸収ヒートポンプ1では、さらに、制御装置99が開閉弁49vに開信号を送信して、開閉弁49vを開にする(S4)。開閉弁49vが開になると、冷媒ポンプ46によって圧送されて冷媒液管45を流れてきた冷媒液Vfが、吸収器用冷媒液管49にも流れ、濃溶液散布ノズル12から散布される(冷媒液散布工程)。濃溶液散布ノズル12から散布された冷媒液Vfは、加熱管11に降りかかって加熱管11を冷却することとなる。これにより、加熱管11内を流れる被加熱媒体Wが冷却され、被加熱媒体蒸気Wvが生成されることが回避されることをより確実にしている。さらに、吸収器缶胴17内に冷媒液Vfが導かれることで、吸収器缶胴17内の溶液Sが希釈される。
開閉弁49vを開にしたら、制御装置99は、吸収ヒートポンプ1の希釈運転を開始する(S5)。希釈運転は、あらかじめ決められた時間をかけて行われる。その間、制御装置99は、希釈運転が終了したか否かを判断する(S6)。制御装置99は、希釈運転が終了していなければ、希釈運転を行う工程(S5)に戻る。他方、希釈運転が終了した場合は、制御装置99は、バイパス弁52及び開閉弁49vを閉にして(S7)、吸収ヒートポンプ1を停止する。
以上で説明したように、吸収ヒートポンプ1によれば、圧力センサ58で検出された圧力が所定の圧力以上となったか否かを判断することにより、被加熱媒体蒸気Wvの需要の喪失の有無を検出し、被加熱媒体蒸気Wvの需要を喪失したときに、バイパス弁52を開にして、濃溶液Saが加熱管11に接触するのを回避し、吸収熱が加熱管11(被加熱媒体W)に伝達されるのを回避させるので、希釈運転の終了を待たずに被加熱媒体蒸気Wvの生成を速やかに停止させることができ、被加熱媒体蒸気Wvが安全弁59から放出されることを回避することができる。
以上の制御の説明では、説明の便宜上、バイパス弁52及び開閉弁49vを開とし(S3、S4)、その後に希釈運転(S5)に移行することとしたが、希釈運転に移行した後にバイパス弁52及び開閉弁49vを開とすることとしてもよく、バイパス弁52の開(S3)、開閉弁49vの開(S4)、希釈運転(S5)を同時に行うこととしてもよい。しかしながら、被加熱媒体蒸気Wvの需要喪失後に速やかに吸収熱が加熱管11に伝達されることを回避するため、バイパス弁52の開(S3)を最初に行うことが好ましい。
以上の制御の説明では、説明の便宜上、バイパス弁52を開き(S3)、その後に開閉弁49vを開にする(S4)こととしたが、典型的にはバイパス弁52の開(S3)及び開閉弁49vの開(S4)が同時に行われる。また、開閉弁49vを開にする工程(S4)は、省略してもよい。この場合、吸収器用冷媒液管49及び開閉弁49vを省略することができ、吸収ヒートポンプ1の装置構成を簡略化することができる。
以上の説明では、他端が加熱管11よりも下方の吸収器缶胴17内で開放されているバイパス管51を設けることにより、濃溶液Saの流れが加熱管11を迂回することができるようにしたが、濃溶液ポンプ35pと濃溶液散布ノズル12との間の濃溶液管35に一端が接続されたバイパス管51の他端は、希溶液管16に接続されていてもよく、あるいは再生器缶胴37に接続されていてもよい。しかしながら、吸収ヒートポンプ1の内部の圧力関係を考慮すると、円滑な運転を行う観点から、バイパス管51の他端は加熱管11よりも下方の吸収器缶胴17内で開放されていることが好ましい。
以上の説明では、バイパス弁52が、濃溶液管35から分岐したバイパス管51に配設された二方弁であるとしたが、濃溶液管35とバイパス管51との分岐部に設けられる三方弁としてもよい。三方弁を用いることとすると、濃溶液Saがバイパス管51を流れる際にさらに確実に濃溶液Saが濃溶液散布ノズル12に導入されないようにすることができる。なお、三方弁に代えて、バイパス管51に二方弁を配設すると共にバイパス管51の分岐部よりも下流側の濃溶液管35にも二方弁を設けて、2つの二方弁を相互に切り替えるように構成してもよい。同様に、開閉弁49vが、吸収器用冷媒液管49に配設された二方弁に代えて、冷媒液管45と吸収器用冷媒液管49との分岐部に設けられる三方弁として、冷媒液Vfを濃溶液散布ノズル12に導くときは蒸発器缶胴27内に導かれないように構成してもよく、三方弁に代えて、吸収器用冷媒液管49との分岐部よりも下流側の冷媒液管45と、吸収器用冷媒液管49とのそれぞれに二方弁を設け、2つの二方弁を相互に切り替えるように構成してもよい。
以上の説明では、被加熱媒体需要喪失検出手段が圧力センサ58で構成されていることとしたが、圧力センサ58に代えて被加熱媒体蒸気供給管89内の被加熱媒体蒸気Wvの温度を検出する温度センサで構成されていてもよく、あるいは、吸収ヒートポンプ1の停止信号を検出する機器等、被加熱媒体蒸気Wvの需要の喪失が予測される契機となる事実を検出するものであればよい。被加熱媒体需要喪失手段を温度センサとした場合、被加熱媒体蒸気供給管89内の圧力が所定の圧力となるときの被加熱媒体蒸気Wv温度を所定の温度(所定の値)として設定し、温度センサが所定の温度まで上昇したことをもって、被加熱媒体蒸気Wvの需要が喪失したと推定することとなる。
以上の説明では、吸収器用冷媒液管49の他端が濃溶液散布ノズル12に接続されていて、濃溶液散布ノズル12が濃溶液Saを散布するノズルと冷媒液散布ノズルとを兼ねているとしたが、冷媒液散布ノズルを濃溶液散布ノズル12とは別に設けることとしてもよい。なお、冷媒液Vfによる加熱管11の冷却を行わなくてもよい場合は、吸収器用冷媒液管49及び開閉弁49vは、設けられていなくてもよい。
以上の説明では、吸収ヒートポンプ1が、吸収器10及び蒸発器20を1つずつ備える単段の吸収ヒートポンプであるとしたが、吸収器10及び蒸発器20を作動温度の異なる2組あるいは3組以上に構成して、2段あるいは3段以上の多段の吸収ヒートポンプとしてもよい。
1 吸収ヒートポンプ
10 吸収器
11 加熱管
12 濃溶液散布ノズル(兼冷媒液散布ノズル)
16 希溶液管
20 蒸発器
30 再生器
35 濃溶液管
40 凝縮器
49 吸収器用冷媒液管
49v 開閉弁
50 バイパス部
51 バイパス管
52 バイパス弁
58 圧力センサ
59 安全弁
80 気液分離器
99 制御装置
Sa 濃溶液
Sw 希溶液
Ve 蒸発器冷媒蒸気
Vf 冷媒液
Vg 再生器冷媒蒸気
W 被加熱媒体
Wq 被加熱媒体液
Wv 被加熱媒体蒸気

Claims (5)

  1. 冷媒の蒸気である冷媒蒸気を溶液が吸収する際に生じる吸収熱で被加熱媒体を加熱する吸収器であって、前記被加熱媒体を流す加熱管と、前記加熱管に向けて前記溶液を散布する溶液散布ノズルと、を有する吸収器と;
    前記冷媒が吸収された溶液を加熱して前記溶液から前記冷媒を離脱させる再生器と;
    前記溶液を前記吸収器及び前記再生器に通して循環させる溶液管と;
    前記吸収器、前記再生器、及び前記溶液管を循環していた前記溶液が、前記加熱管に接触しないように、前記溶液を前記溶液散布ノズルに導かずに前記循環する溶液の系統における前記加熱管の下流に導くバイパス手段と;
    前記吸収器で加熱された前記被加熱媒体の需要の喪失を検出する被加熱媒体需要喪失検出手段と;
    前記被加熱媒体需要喪失検出手段が前記被加熱媒体の需要の喪失を検出したときに、前記溶液が前記溶液散布ノズルを流れずに前記バイパス手段を流れるように前記バイパス手段を制御する制御装置とを備える;
    吸収ヒートポンプ。
  2. 前記被加熱媒体需要喪失検出手段が、前記吸収器で加熱された前記被加熱媒体の圧力に関連する物理量が所定の値であることを検出する検出器で構成された;
    請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
  3. 前記吸収器で加熱された前記被加熱媒体を利用先に向けて導く被加熱媒体供給管と;
    前記被加熱媒体供給管に接続された安全弁とを備え;
    前記所定の値が、前記被加熱媒体の需要が喪失したと推定することができる値であって、前記安全弁が開放する圧力に関連する物理量よりも小さい値に設定された;
    請求項2に記載の吸収ヒートポンプ。
  4. 前記再生器で前記溶液から離脱した冷媒蒸気を導入し凝縮させて前記冷媒の液体である冷媒液を生成する凝縮器と;
    前記凝縮器内の前記冷媒液を前記吸収器に導く吸収器用冷媒液管と;
    前記吸収器用冷媒液管を介して前記吸収器に導かれた前記冷媒液を、前記加熱管に向けて散布する冷媒液散布ノズルとを備える;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸収ヒートポンプ。
  5. 被加熱媒体を流す加熱管に向けて散布された溶液が、冷媒の蒸気である冷媒蒸気を吸収する際に生じる吸収熱で前記被加熱媒体を加熱する被加熱媒体加熱工程と;
    加熱された前記被加熱媒体の需要の喪失を検出する被加熱媒体需要喪失検出工程と;
    前記被加熱媒体需要喪失検出工程において前記被加熱媒体の需要の喪失を検出したときに、前記加熱管を流れる前記被加熱媒体が前記吸収熱で加熱されないように、前記溶液が前記加熱管に散布されるのを回避させるバイパス工程とを備える;
    吸収ヒートポンプの運転方法。
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