JP2015025609A - 三段昇温型吸収ヒートポンプ - Google Patents

三段昇温型吸収ヒートポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】温水などの低質熱を熱源として、熱源温度よりも高温の蒸気などを発生させる昇温型吸収ヒートポンプ装置に関し、特に装置の高さ寸法の低減と起動特性を改良した三段昇温型吸収ヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】凝縮器と再生器を収めた缶胴の上に、またはほぼ同じ高さで横に、低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴を配置し、低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴よりも上に、高温吸収器を収めた缶胴と中温吸収器を収めた缶胴とをほぼ同じ高さで配置した構成とし、再生器で濃縮した溶液を溶液ポンプで、高温吸収器と中温吸収器に並列に導入する溶液フローとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、温水などの低質熱を熱源として高温水や蒸気を発生させる多段昇温型吸収ヒートポンプ装置に関し、特に装置の高さ寸法の低減と起動特性を改良した三段昇温型吸収ヒートポンプ装置に関するものである。
昇温型吸収ヒートポンプは、温水などの低質熱を熱源として熱源温度よりも高温の蒸気などを発生させる装置であり、吸収器、蒸発器、再生器、凝縮器からなる単段昇温型が特許文献1や特許文献2に開示されている。また、昇温幅を上げるために吸収器と蒸発器を二段にして、高温吸収器、高温蒸発器、低温吸収器、低温蒸発器、再生器、凝縮器からなる二段段昇温型とした吸収ヒートポンプが特許文献1、特許文献3に開示されている。多段昇温型吸収ヒートポンプは、複数個の吸収器を備え、吸収器における吸収熱を順次高温段に利用することによって、比較的低温の温水などを熱源として、熱源温度よりもかなり高い温度の被加熱流体を得る装置であり、特許文献3で二段昇温型と共に三段昇温型吸収ヒートポンプが開示されている。
図5は特許文献3に開示された三段昇温型吸収ヒートポンプの概略構成図であり、高温吸収器、中温吸収器、低温吸収器、高温蒸発器、中温蒸発器、低温蒸発器、再生器、凝縮器を主要構成機器として備え、再生器・凝縮器を収めた缶胴の上に吸収器・蒸発器を収めた缶胴を配置した単段昇温型ヒートポンプを基にして、その上に中温吸収器缶胴、高温吸収器缶胴を配置している。なお、前記低温吸収器には管外で溶液が冷媒蒸気を吸収し、管内で冷媒液が蒸発する伝熱管があり、この伝熱管の管内側が前記中温蒸発器になっている。また、中温吸収器にも同様な管外吸収・管内蒸発を行わせる伝熱管があり、この伝熱管の管内側が前記高温蒸発器になっている。温水などの熱源により低温蒸発器で加熱蒸発させた冷媒蒸気を、前記低温吸収器に導入して溶液に吸収させ、その吸収熱で管内の中温蒸発器の冷媒液を加熱蒸発させる。中温蒸発器で発生した冷媒蒸気を前記中温吸収器に導入して溶液に吸収させ、その吸収熱で管内の高温蒸発器の冷媒液を加熱蒸発させる。高温蒸発器で発生した冷媒蒸気を前記高温吸収器に導入して溶液に吸収させ、その吸収熱で管内の被加熱媒体を加熱して高温蒸気として取り出している。再生器で温水により加熱濃縮した溶液を、溶液ポンプにより前記高温吸収器に強制的に導入し、次いで前記中温吸収器、さらに前記低温吸収器、再生器へと機器間の圧力差と位置ヘッドによって導き、各吸収器で冷媒蒸気を吸収して薄くなってきた溶液を、前記再生器に戻している。
この三段昇温吸収ヒートポンプでは、起動時に溶液温度が低く機器間に圧力差がなくても、位置ヘッドで溶液循環を確保できるようにするため、装置高さが非常に高くなっている。すなわち、再生器の上に低温吸収器を、その上に中温吸収器を、さらにその上に高温吸収器を配置し、再生器から溶液を溶液ポンプで最高位置にある高温吸収器に送り、その後は位置ヘッドだけでも、高温吸収器から中温吸収器に、中温吸収器から低温吸収器に、低温吸収器から再生器へと送ることを可能にしている。
特開2006−207882号公報 特開2008−106983号公報 特開2010−48519号公報
この従来構成の三段昇温吸収ヒートポンプでは、再生器の上に低温吸収器が、低温吸収器の上に中温吸収器が、中温吸収器の上に高温吸収器が配置してあり、ヒートポンプ装置の背が高くなってしまうという点、さらに、高さに対して幅が狭く設置上不安定であるという欠点がある。また、少しでも高さを抑えようと機器間の高さ方向のスペースを減らすと、溶液循環のための位置ヘッドが小さくなって、起動時の機器間圧力がほとんどない状態での溶液循環量が減り、起動に時間がかかってしまうという欠点がでてくる。
特許文献2に再生器・凝縮器を収めた缶胴と吸収器・蒸発器を収めた缶胴を左右に配置し、再生器の溶液を吸収器に送る溶液ポンプSPと吸収器の溶液を再生器に戻す補助溶液ポンプSPXを設けた単段昇温型ヒートポンプ開示されているが、このヒートポンプを基にして、低温吸収器を含む缶胴の上に中温吸収器、さらにその上に高温吸収器を配置した三段昇温吸収ヒートポンプも構成できる。この構成であれば、前述の従来構成(図5)の三段昇温吸収ヒートポンプと同様の起動特性を持たせることができ、前述の従来機より高さを抑えることができるが、溶液循環のためのポンプ動力が大きくなるという欠点がある。
本発明は上述の課題に鑑み、起動特性を維持したまま、従来よりも装置の高さを少しでも低く抑え、かつポンプ動力の増大を防いだ吸収ヒートポンプの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、高温吸収器、中温吸収器、低温吸収器、高温蒸発器、中温蒸発器、低温蒸発器、再生器、凝縮器、溶液ポンプ、冷媒ポンプを溶液配管及び冷媒配管で接続して溶液循環経路及び冷媒循環経路を構成し、凝縮器には冷却水を通水し、再生器と低温蒸発器には熱源流体を供給し、前記低温蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記低温吸収器の溶液に吸収させ、低温吸収器の吸収熱で中温蒸発器(低温吸収器伝熱管の管内側)の冷媒液を加熱蒸発させて中温吸収器の溶液に吸収させ、さらに中温吸収器の吸収熱で高温蒸発器(中温吸収器伝熱管の管内側)の冷媒液を加熱蒸発させて高温吸収器の溶液に吸収させ、高温吸収器から高温の被加熱流体を取り出す三段昇温型吸収ヒートポンプにおいて、凝縮器と再生器を収めた缶胴の上に低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴を配置するか、または凝縮器と再生器を収めた缶胴の横に低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴をほぼ同じ高さで配置して、低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴よりも上に高温吸収器を収めた缶胴と中温吸収器を収めた缶胴とをほぼ同じ高さで配置し、再生器で濃縮した溶液を溶液ポンプで、少なくとも高温吸収器と中温吸収器に並列に導入する構成としている。
また、高温吸収器からの出口溶液と中温吸収器からの出口溶液の少なくとも一方の溶液を、低温吸収器を経由せず直接再生器に導くことができる。
また、高温吸収器からの出口溶液と中温吸収器からの出口溶液の少なくとも一方の溶液を、低温吸収器に導くことができる。
従来構成の三段昇温吸収ヒートポンプでは、再生器と凝縮器を収めた缶胴の上に、低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴を設け、その上に中温吸収器缶胴と高温吸収器缶胴を配置しているが、本発明によれば、再生器で濃縮した溶液を溶液ポンプで、高温吸収器と中温吸収器に並列に導入するので、低温吸収器ALと低温蒸発器ELを収めた缶胴の上に、高温吸収器AH缶胴と中温吸収器AM缶胴とを左右に並べた状態で設置することができ、装置の高さを抑えることができる。また、機器間の圧力差が無い状態でも、位置ヘッドによって、溶液循環ができ、起動特性を損ねることはない。
また、高温吸収器からの出口溶液と中温吸収器からの出口溶液の少なくとも一方の溶液を、低温吸収器を経由せず直接再生器に導くことで、低温吸収器の溶液を再生器に戻すための補助溶液ポンプを用いる場合でも、そのポンプ動力の増大を少なくすることができる。
高温吸収器からの出口溶液と中温吸収器からの出口溶液の少なくとも一方の溶液を、低温吸収器に導くこともできるので、低温吸収器の流量確保も容易である。
本発明の第一の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの構成を示すフローシートおよびデューリング線図である。 本発明の第二の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの構成を示すフローシートである。 本発明の第三の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの構成を示すフローシートである。 本発明の第四の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの構成を示すフローシートである。 従来の吸収ヒートポンプの構成を示すフローシートおよびデューリング線図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
また、以下の説明において、溶液に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「希溶液Sw」や「濃溶液Sa」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「溶液S」ということとする。同様に、冷媒に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「高温冷媒蒸気Rvh」、「再生器冷媒蒸気Rvg」、「冷媒液Rq」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒R」ということとする。本実施の形態では、溶液S(吸収剤と冷媒Rとの混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Rとして水(HO)が用いられている。また、被加熱媒体Wは、液体の被加熱媒体Wである被加熱媒体液Wq、気体の被加熱媒体である被加熱媒体蒸気Wvの総称である。本実施の形態では、被加熱媒体Wとして水(HO)が用いられている。
図1(a)を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る三段昇温型吸収ヒートポンプ1を説明する。図1(a)は、三段昇温型吸収ヒートポンプ1の模式的系統を示すフローシートである。缶胴の概略配置は、再生器と凝縮器を収めた缶胴を下側に、低温吸収器と低温蒸発器を収めた缶胴を上側にした構成とし、さらにその上に高温吸収器と中温吸収器を左右に配置しており、図1(a)のフローシートでも機器の上下関係をイメージ的に表している。なお、他の実施例でも同様にイメージ的ではあるが、フローシート内で機器の上下関係を示している。
先ず、吸収ヒートポンプとしての通常運転時の動作を説明する。吸収ヒートポンプ1は、希溶液Swを加熱濃縮して濃溶液Saを生成する再生器Gと、再生器Gで希溶液Swから蒸発した冷媒蒸気Rvgを冷却凝縮させて冷媒液Rqとする凝縮器Cと、冷媒液Rqを加熱して冷媒蒸気Rvlを生成する低温蒸発器ELと、冷媒蒸気Rvlを受入れて溶液Sに吸収させる低温吸収器ALと、低温吸収器ALの吸収熱で冷媒液Rqを加熱して冷媒蒸気Rvmを生成する中温蒸発器EMと、冷媒蒸気Rvmを受入れて溶液Sに吸収させる中温吸収器AMと、中温吸収器AMの吸収熱で冷媒液Rqを加熱して冷媒蒸気Rvhを生成する高温蒸発器EHと、冷媒蒸気Rvhを受入れて溶液Sに吸収させ、その吸収熱で被加熱媒体液Wqを加熱蒸発させる高温吸収器AHと、高温吸収器AHからの被加熱媒体Wを導入して蒸気と液体とを分離する気液分離器65と、制御装置100とを備えている。吸収ヒートポンプ1は、比較的利用価値の低い低温(例えば80℃〜90℃程度)の温水を熱源媒体として再生器G及び低温蒸発器ELに供給して、利用価値の高い蒸気(例えば、圧力がゲージ圧で約0.5MPaを超え、望ましくはゲージ圧で0.8MPa程度)を気液分離器65から取り出すことができるものである。
再生器Gは、管内に熱源媒体が流れる伝熱管11と、希溶液Swを散布する溶液散布装置12とを有し、下部の貯留部13に濃溶液Saが貯留されるように構成されている。伝熱管11には、熱源媒体としての熱源温水hが流れ、散布された希溶液Swは熱源温水hに加熱されることにより、濃溶液Saと再生器冷媒蒸気Rvgとになる。本実施の形態では、低温蒸発器ELの伝熱管31を流れる熱源温水hと、再生器Gの伝熱管11を流れる熱源温水hとは同じ温水であり、伝熱管11を流れた熱源温水hがその後伝熱管31を流れるように、伝熱管11の一端と伝熱管31の一端とが配管で接続されている。
再生器Gと凝縮器Cとは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成され、再生器Gで発生した冷媒蒸気Rvgは凝縮器Cに缶胴内を移動することができる。
凝縮器Cは、管内に冷却媒体としての冷却水cwが流れる伝熱管21を有している。伝熱管21は、再生器Gから導入された冷媒蒸気Rvgを冷却して凝縮させ冷媒液Rqとする。凝縮器Cには冷媒液管80と冷媒ポンプRPが接続され、冷媒液Rqを低温蒸発器EL、中温蒸発器EM、高温蒸発器EHに直接的あるいは間接的に送っている。冷媒液管80には、低温蒸発器ELへの冷媒液Rqの供給を調節する冷媒調節弁81、気液分離器45を経由して中温蒸発器EMへの冷媒液Rq供給を調節する冷媒調節弁82、気液分離器55を経由して高温蒸発器EHへの冷媒液Rq供給を調節する冷媒調節弁85が設けられている。
低温蒸発器ELは、熱源媒体としての熱源温水hの流路を構成する伝熱管31を内部に有し、伝熱管31の70〜80%程度が冷媒液に浸るように冷媒液Rqを貯留する貯留部33を有し、伝熱管31の周囲の冷媒液Rqが伝熱管31内を流れる熱源温水hの熱で沸騰し冷媒蒸気Rvlが発生する構造となっている。伝熱管31の露出した部分では、沸騰蒸発の際に発生する冷媒液飛沫がかかって液膜を形成し、この液膜は熱源温水hで加熱され、露出部でも冷媒蒸気Rvlが発生する。低温蒸発器ELには、貯留された冷媒液Rqの液位を検出する低温蒸発器液位検出器34が配設されており、液位検出器34の信号に応じて冷媒調節弁81を操作し、低温蒸発器ELに導入する冷媒液Rqの流量を調節することができるように構成されている。
低温吸収器ALと低温蒸発器ELとは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成され、低温蒸発器ELで発生した冷媒蒸気Rvlは、低温吸収器ALへと缶胴内を移動することができる。
低温吸収器ALは、伝熱管41と、溶液散布装置42を内部に有している。伝熱管41の管内側には気液分離器45から冷媒液Rqが供給され、管外には溶液散布装置42から散布された溶液Sdが降りかかり、溶液Sdが低温蒸発器ELからの冷媒蒸気Rvlを吸収し、その際に生じる吸収熱により、伝熱管41の内側を流れる冷媒液Rqを加熱し、冷媒蒸気Rvmを生成する。すなわち、伝熱管41の管内側は、冷媒蒸気Rvmを生成する中温蒸発器EMを形成し、伝熱管41の内面が中温蒸発器EMの伝熱面となっている。低温吸収器ALで散布された溶液Sdは冷媒蒸気Rvlを吸収して濃度が低下し希溶液Swとなり、溶液配管77を通し、吸収ヒートポンプ1の下部に配置されている低温溶液熱交換器HLの加熱側、減圧器78を経て、再生器Gへと導かれる。
本実施例では、低温吸収器ALの出口部の液面は、溶液配管77の内部で低温吸収器AL出口から低温溶液熱交換器HLまでの間に形成され、その液面位置は溶液の流量と低温吸収器ALと再生器Gの圧力差(溶液の液ヘッドで表すと1〜1.5m程度である)によって変化する。低温吸収器ALが再生器Gの上部にあり、低温溶液熱交換器HLを再生器Gよりも下側に置くことにより、低温吸収器ALの出口から再生器G入口の散布装置12までの間が、大きな液面変動を許容する液シール管となり、低温蒸発器ELの冷媒蒸気の吹き抜けを防止することができる。なお、減圧器78はオリフィスであり、定格運転時の溶液流量を規定し、液位を適当な位置に設定する役目をしている。
中温蒸発器EM(すなわち、伝熱管41の管内側)で加熱された冷媒Rは、冷媒気液分離器45に導かれ、中温冷媒蒸気Rvmに含まれる冷媒液滴が分離され、冷媒蒸気配管84を通って中温吸収器AMへと導かれる。分離された冷媒液Rqは、気液分離器45の下部に貯留される。冷媒液ポンプRPから圧送され、冷媒液管80を通して冷媒気液分離器45に導入される冷媒液量を、冷媒気液分離器45内の冷媒液Rqの液位を検出する分離器液位検出器46の信号を基に、冷媒調節弁82で調節する。気液分離器45の底部と中温蒸発器(伝熱管41の内側)とは、下側に凸になったU字形の冷媒配管83で接続され、気液分離器45の冷媒液Rqが供給されるようになっている。本実施例では、伝熱管41の内部で冷媒液Rqが蒸気に変化して密度が大幅に減少することを利用し、気液分離器45の貯留部と伝熱管41とで気泡ポンプとして機能させて、冷媒Rを循環させている。なお、この気泡ポンプ機能の代わりに、気液分離器45の貯留部から伝熱管41への配管中に冷媒循環ポンプを持たせて、強制的に循環をさせてもよい。以後の気泡ポンプ機能部も同様にポンプで置き換え可能である。
中温吸収器AMは、伝熱管51と、溶液散布装置52を内部に有している。伝熱管51の管内側には気液分離器55から冷媒液Rqが供給され、管外には溶液散布装置52から散布された濃溶液Saが降りかかり、濃溶液Saは中温蒸発器EMからの冷媒蒸気Rvmを吸収し、その際の吸収熱で伝熱管51の内側を流れる冷媒液Rqを加熱し、冷媒蒸気Rvhを生成する。すなわち、伝熱管51の管内側は、冷媒蒸気Rvhを生成する高温蒸発器EHを形成し、伝熱管51の内面が高温蒸発器EHの伝熱面となっている。中温吸収器AMの下部には、散布された濃溶液Saが冷媒蒸気Rvmを吸収して濃度が低下し中間溶液Scとなって、貯留部53に貯留される。伝熱管51は、通常運転時に溶液Scに没入しないように、貯留部53よりも上方に配設されている。貯留部53には、貯留された中間溶液Scの液位を検出する中温吸収器液位検出器54が配設されている。
高温蒸発器EH(すなわち、加熱器51の管内側)で加熱された冷媒Rは、冷媒気液分離器55に導かれ、高温冷媒蒸気Rvhに含まれる冷媒液滴が分離され、蒸気配管87を通して高温吸収器AHへと導かれる。分離された冷媒液Rqは、気液分離器55の下部に貯留される。冷媒液ポンプRPから圧送され、冷媒液管80を通して冷媒気液分離器55に導入される冷媒液量を、冷媒気液分離器55内の冷媒液位を検出する冷媒液位検出器56の信号を基に冷媒調節弁85で調節する。気液分離器55の底部と高温蒸発器EH(伝熱管51の内側)とは、下側に凸になったU字形の冷媒配管86で接続され、気液分離器55の冷媒液Rqが高温蒸発器EHに供給されるようになっている。伝熱管51の内部で冷媒液Rqが蒸気に変化して密度が大幅に減少、気液分離器55の貯留部と伝熱管51とで気泡ポンプとして機能し、冷媒Rが循環する。
高温吸収器AHは、管内側に被加熱媒体Wが流れる伝熱管61と、濃溶液Saを散布する濃溶液散布装置62を内部に有している。濃溶液散布装置62から散布した濃溶液Saは伝熱管61に降りかかり、濃溶液Saが高温冷媒蒸気Rvhを吸収する際の吸収熱で伝熱管61を流れる被加熱媒体Wを加熱する。高温吸収器AHの下部には、散布された濃溶液Saが高温冷媒蒸気Rvhを吸収して濃度が低下した中間溶液Sbとなり、貯留部63に貯留される。伝熱管61は、通常運転時に中間溶液Sbに没入しないように、貯留部63よりも上方に配設されている。貯留部63には、貯留された中間溶液Sbの液位を検出する高温吸収器液位検出器64が配設されている。
被加熱媒体気液分離器65は、高温吸収器AHの伝熱管61を流れて加熱された被加熱媒体Wを導入し、被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとを分離する機器である。気液分離器65には、内部に貯留する被加熱媒体液Wqの液位を検出する気液分離器液位検出器66が設けられている。気液分離器65の底部と高温吸収器AHの伝熱管61の一端とは、被加熱媒体液Wqを伝熱管61に導く被加熱媒体液管92で接続されている。液管92は下側に凸になったU字形をしており、伝熱管61の内部で被加熱媒体液Wqが蒸気に変化して密度が大幅に減少することを利用し、気液分離器65の貯留部と伝熱管61とで気泡ポンプとして機能させて、被加熱媒体Wを伝熱管61と気液分離器65の間を循環させている。伝熱管61の出口側は被加熱媒体管93で、気液分離器65に接続されている。
また、気液分離器65には、蒸気として系外に供給した被加熱媒体Wを補うため、被加熱媒体液(補給水)Wqを系外から導入する被加熱媒体配管(補給水管)90が接続されている。補給水管90には、気液分離器65に向けて補給水Wqを圧送する補給水ポンプWPと、逆止弁91と、補給水Wqを熱源温水で予熱する補給水熱交換器HWとが配設されている。補給水ポンプWPは、気液分離器液位検出器66の信号により、気液分離器65内の被加熱媒体液Wqの液位に応じて発停制御あるいは回転速度制御されるように構成されている。また、気液分離器65には、被加熱媒体蒸気Wvを系外に供給する被加熱媒体蒸気供給管94が上部(典型的には頂部)に接続されている。被加熱媒体蒸気供給管94には、系外に供給する被加熱媒体蒸気Wvの流量を調節することで気液分離器65内の圧力を調節する圧力調節弁95と、被加熱媒体蒸気Wvの気液分離器65内への逆流を防ぐ逆止弁96とが配設されている。気液分離器65には、内部の静圧を検出する気液分離器圧力センサ97が設けられ、検出された圧力に応じて圧力調節弁95の開度を調節することができるように構成されている。
次に吸収ヒートポンプ1の溶液側のサイクルを前述と重複する部分もあるが説明する。再生器Gで、希溶液Swは、希溶液散布装置12から散布される。希溶液散布装置12から散布された希溶液Swは、伝熱管11を流れる熱源温水hによって加熱され、散布された希溶液Sw中の冷媒が蒸発して濃溶液Saとなり、再生器Gの下部に貯留される。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒Rは再生器冷媒蒸気Rvgとして凝縮器Cへと移動する。再生器Gの下部に貯留された濃溶液Saは、濃溶液管70中の溶液ポンプSPにより、高温吸収器AHの溶液散布装置62と中温吸収器AMの溶液散布装置52に圧送される。濃溶液管70を流れる濃溶液Saは、まず低温溶液熱交換器HLで希溶液Swと熱交換して温度上昇し、一部が分岐して、溶液配管73で中温溶液熱交換器HMの加熱側を経由して中温吸収器AMへと流れ、残部は高温溶液熱交換器HHの加熱側経由で高温吸収器AHへと流れる。このとき、高温吸収器AHの貯留部63に貯留された中間溶液Sbが所定の液位になるように、高温吸収器液位検出器64の検出液位に応じて溶液ポンプSPの回転速度が操作されて高温吸収器AHへの流入量が調節され、また、中温吸収器AMの貯留部53に貯留された中間溶液Scが所定の液位になるように、中温吸収器液位検出器54の検出液位に応じて溶液配管73中の溶液流量調節弁VMの開度が操作され中温吸収器AMへの流入量が調節される。
高温吸収器AHで、溶液散布装置62から伝熱管61に散布された濃溶液Saは、高温冷媒蒸気Rvhを吸収し、濃度が低下して中間溶液Sbとなり、貯留部63に貯留される。貯留部63内の中間溶液Sbは、位置ヘッド及び蒸気圧力差により低温吸収器ALに向かって溶液配管71を通り、高温溶液熱交換器HHで濃溶液Saと熱交換して温度が低下し、減圧器としてのオリフィス72を経て、中温吸収器AMからの溶液との合流点(低温吸収器ALの散布装置42の入口部)に至る。
中温吸収器AMで、濃溶液Saは、溶液散布装置52から伝熱管51に向けて散布され、中温蒸発器EMから移動してきた冷媒蒸気Rvmを吸収し、その際に発生する吸収熱で伝熱管51内すなわち高温蒸発器EHを流れる冷媒液Rqを加熱して高温冷媒蒸気Rvhとする。中間冷媒蒸気Rvmを吸収した溶液は、濃度が低下して中間溶液Scとなり、貯留部53に貯留される。貯留部53内の中間溶液Scは、位置ヘッド及び蒸気圧力差により低温吸収器ALに向かって溶液配管74を通り、中温溶液熱交換器HMで濃溶液Saと熱交換して温度が低下し、減圧器としてのオリフィス75を経て、高温吸収器AHからの溶液との合流点に至る。なお、液位検出器54と溶液調節弁VMとは、一体化したフロート弁で代用してもよい。
前記合流点で、高温吸収器AHからの中間溶液Sbと中温吸収器AMからの中間溶液Scとは、合流点で混合し中間溶液Sdとなって、低温吸収器ALに導入される。中間溶液Sdは、溶液散布装置42から伝熱管41に向けて散布され、低温蒸発器ELから移動してきた冷媒蒸気Rvlを吸収し、その際に発生する吸収熱で伝熱管41内すなわち中温蒸発器EMを流れる冷媒液Rqを加熱して冷媒蒸気Rvmとする。冷媒蒸気Rvlを吸収した中間溶液Sdは、濃度が低下して希溶液Swとなり、低温吸収器ALの下部出口部に集り、希溶液配管77を通り、低温溶液熱交換器HLで濃溶液Saと熱交換して温度が低下し、減圧器としてのオリフィス78を経て再生器Gの溶液散布装置12に導かれる。
低温吸収器ALから再生器Gに戻った希溶液Swは、再生器Gで加熱濃縮されて濃溶液Saとなり、サイクルを一巡する。
制御装置100は、吸収ヒートポンプ1の運転を制御する機器である。制御装置100は、冷媒液ポンプRP、溶液ポンプSP、補給水ポンプWPなどとそれぞれ信号ケーブルで接続されており、これらの発停や回転速度の調節を行うことができるように構成されている。これまでの説明では高温吸収器液位検出器64の出力を直接入力して制御されることとした溶液ポンプSP、及び気液分離器液位検出器66の出力を直接入力して制御されることとした補給水ポンプWP等は、制御装置100を介して(検出器の出力信号を一旦制御装置100に入力して)制御されることとしてもよい。同様に、操作端となる溶液調節弁VM、冷媒流量調節弁81、82、85と、対応する検出器との関係も制御装置100を介して制御されることとしてもよい。
図1(b)はヒートポンプ1の通常運転時のデューリング線図である。本図を参照して、図1(a)の吸収ヒートポンプ1の作用を簡略化して再度説明する。図1(b)のデューリング線図は、縦軸に冷媒R(本実施の形態では水)の露点(溶液の蒸気圧に対する飽和温度)を、横軸に溶液S(本実施の形態ではLiBr水溶液)の温度をとっている。右上がりの直線は溶液Sの等濃度線を表し、右側の直線ほど高濃度、左側の直線ほど低濃度であり、図中の露点0℃を通る右上がりの線Rは溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の冷媒線である。なお、縦軸が示す露点は飽和圧力と対応関係にあるため、冷媒蒸気Rvg、Rvl、Rvm、Rvhが飽和蒸気である本実施の形態のヒートポンプサイクルでは、縦軸は内部圧力を表していると見ることもできる。
図1(b)中、吸収ヒートポンプ1の定格運転における溶液Sの状態は溶液線SLで表され、定格運転における冷媒Rの状態は冷媒線R上のC、EL、EM、EHで表されている。本実施の形態の定格条件(設計条件)は、凝縮器Cの伝熱管21に出入りする冷却水cwの入口温度が25℃、出口温度が30℃、再生器Gの伝熱管11に流入する熱源温水hの温度が90℃、低温蒸発器ELの伝熱管31から導出される熱源温水hの温度が75℃であり、気液分離器65から供給される被加熱媒体蒸気Wvの圧力を0.8MPa(ゲージ圧)に調節している。図1(b)中、Gは再生器Gの溶液Sの状態を表し、ALは低温吸収器ALの溶液Sの状態を表し、AMは中温吸収器AMの溶液Sの状態を表し、AHは高温吸収器AHの溶液Sの状態を表している。これらの溶液の状態が水平方向に伸びているのは、等圧下で溶液Sの濃度が変化していることを表している。傾斜線Saは濃溶液の温度変化、Sbは高温吸収器出口の中間溶液の温度変化、Scは中温吸収器出口の中間溶液の温度変化、Sdは低温吸収器入口状態を、Swは低温吸収器出口の希溶液の温度変化を表す。また、Cは凝縮器Cの冷媒の状態を、ELは低温蒸発器ELの冷媒の状態を、EMは中温蒸発器EMの冷媒の状態を、EHは高温蒸発器EHの冷媒の状態をそれぞれ表している。図1(b)から明らかなように、ヒートポンプサイクル中で最も圧力が高くなるのは高温蒸発器EHと高温吸収器AHである。なお、冷媒Rの蒸気を移動させるために互いに連通している高温吸収器AHと高温蒸発器EHは、厳密に言えば冷媒蒸気の下流側となる高温吸収器AHの方が、流動による圧力損失分だけ低くなるがほぼ同圧である。
再生器Gで、希溶液Swは加熱濃縮され、冷媒蒸気Rvgを凝縮器Cに放出し、濃溶液Saとなる。濃溶液Saは、溶液ポンプSPにより昇圧されて、低温溶液熱交換器HLで希溶液Swと熱交換し昇温した後、一部が分岐されて中間溶液Scと熱交換して温度上昇して中温吸収器AMに入り、残部は中間溶液Sbと熱交換して温度上昇し、高温吸収器AHに入る。
高温吸収器AHで、濃溶液Saは、高温蒸発器EHからの高温冷媒蒸気Rvhを吸収し、濃度が低下して中間溶液Sbとなる。高温蒸発器EHの露点(冷媒蒸気の飽和温度)と平衡する溶液温度(濃度Sa〜Sb)は高温であり、被加熱媒体Wを高温化することができる。中間溶液Sbは、高温吸収器AHと低温吸収器ALの高位差(位置ヘッド)及び内圧の差(圧力ヘッド)により、高温吸収器AHから低温吸収器ALに向かって流れ、途中で濃溶液Saと熱交換して温度が低下して、中温吸収器AMからの溶液との合流点に至る。
中温吸収器AMで、濃溶液Saは、中温蒸発器EMからの冷媒蒸気Rvmを吸収し、濃度が低下して中間溶液Scとなる。中温蒸発器EMの冷媒の露点と平衡する溶液温度(濃度Sa〜Sc)は高温蒸発器EHの冷媒の露点よりも高温であり、中温吸収器AMの溶液で、高温蒸発器EHの冷媒を加熱蒸発させることができる。中間溶液Scは、中温吸収器AMと低温吸収器ALの高位差(位置ヘッド)及び内圧の差(圧力ヘッド)により、中温吸収器AMから低温吸収器ALに向かって流れ、途中で濃溶液Saと熱交換して温度が低下して、高温吸収器AHからの溶液との合流点に至る。合流点で中間溶液SbとScは混合してSdとなり、低温吸収器ALに導かれる。
低温吸収器ALで、中間溶液Scは、低温蒸発器ELからの冷媒蒸気Rvlを吸収し、濃度が低下して希溶液Swとなる。低温蒸発器ELの冷媒の露点と平衡する溶液温度(濃度Sc〜Sw)は中温蒸発器EMの冷媒の露点よりも高温であり、低温吸収器ALの溶液で、中温蒸発器EMの冷媒を加熱蒸発させることができる。希溶液Swは、低温吸収器ALと再生器Gとの高位差(位置ヘッド)及び内圧の差(圧力ヘッド)により、低温吸収器ALから再生器Gに向かって流れ、途中、低温溶液熱交換器HLで濃溶液Saと熱交換して温度が低下して、再生器Gに戻り、溶液サイクルを一巡する。
次に、起動から通常運転までの動作について説明する。運転前、溶液Sの大部分は再生器G下部の貯留部13に貯留されており、運転開始とともにこの溶液Sは、溶液ポンプSPにより高温吸収器AHと中温吸収器AMに送られる。溶液ポンプSPの回転速度は高温吸収器AHの液面検出器64の信号を基に操作されるのであるが、最大回転速度を高温吸収器AHの状態値(たとえば冷媒蒸気圧とし、圧力センサー69で検出)で制限し、起動直後に通常運転時の回転速度よりも低い速度からスムーズに立ち上がれるようにしている。(制限を加えない場合、起動直後に最大回転速度になり、その後、液面上昇で急激に回転速度が低下する急変動作が生じる)。
ヒートポンプ起動時に、高温吸収器AHおよび中温吸収器AMから低温吸収器ALへと流出する流量は、低温吸収器ALとの蒸気圧力差が小さく、それぞれ、高温吸収器AH出口液面および中温吸収器AM出口液面と低温吸収器ALの溶液散布装置42との位置ヘッド差を主な駆動力としている。高温吸収器液位検出器64の信号により溶液ポンプSPの回転速度が調整されて、高温吸収器AHへの溶液流入量は流出能力に見合ったものとなり、また、中温吸収器液位検出器54の信号により溶液流量調節弁VMの開度が調整されて、中温吸収器AMへの溶液流入量は流出能力に見合ったものとなる。
高温吸収器AHおよび中温吸収器AMは、低温吸収器ALの溶液散布装置42よりも高位にあり、溶液Sは位置ヘッド差で低温吸収器ALの溶液散布装置42へと導かれ、伝熱管41に散布される。低温吸収器ALは再生器Gの溶液散布装置12よりも高位にあり、溶液Sは位置ヘッド差で再生器Gに戻ることができる。
熱源温水hは、再生器伝熱管11で溶液Sを加熱し、次いで低温蒸発器ELの伝熱管31で冷媒液Rqを加熱蒸発させる。低温蒸発器で発生した冷媒蒸気Rvlは低温吸収器ALに入り、伝熱管41の周囲で溶液Sに吸収され、前記溶液Sは吸収熱で昇温し、蒸発器ELの冷媒温度よりも高温になって、伝熱管41内部の中温蒸発器EMの冷媒液を加熱蒸発させる。中温蒸発器EMで発生した冷媒蒸気Rvmは、気液分離器45を経由して、中温吸収器AMに入り、溶液Sに吸収される。中温吸収器で溶液Sは吸収熱で昇温され、蒸発器EMの冷媒温度よりも高温になり、伝熱管51内部の高温蒸発器EHの冷媒液を加熱蒸発させる。高温蒸発器EHで発生した冷媒蒸気Rvhは、気液分離器55を経由して、高温吸収器AHに入り、高温吸収器AHの蒸気圧を上げるとともに、溶液Sに吸収され、溶液Sはその吸収熱で高温になる。
各蒸発器の冷媒温度が上昇すると共に、各吸収器の蒸気圧が上昇し、溶液温度も次第に上昇していく。蒸気圧上昇と共、機器間の蒸気圧差も大きくなり、溶液循環量が増大していき、各部の圧力は通常運転の蒸気圧分布に近づいていく。高温吸収器AHの伝熱管61内の被加熱媒体Wは加熱され蒸発はするが、圧力センサ97で蒸気弁95が調節されており、所定の圧力以下では外部に供給されることはないので、高温吸収器AHの加熱能力は、主に内部の溶液温度や被加熱媒体の温度上昇に使われ、急激な温度上昇、圧力上昇となって、起動から通常運転へと立ち上がっていくことになる。
図1(a)では、中温吸収器AMへの溶液分岐点を低温溶液熱交換器HL加熱側の下流で、中温溶液熱交換器HM加熱側の上流とし、高温吸収器AHからの溶液と中温吸収器AMからの溶液の合流点を高温溶液熱交換器HH被加熱側の直後で、かつ中温溶液熱交換器HM被加熱側の直後としている。この分岐点、合流点は、中温吸収器AMへの溶液の分岐点を中温溶液熱交換器HL加熱側と高温溶液熱交換器HM加熱側の中間とし、合流点を高温吸収器AH被加熱側と中温溶液熱交換器HM被加熱側の中間とすることもできる。
次に図2を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る三段昇温型の吸収ヒートポンプ2を説明する。吸収ヒートポンプ1との大きな違いは、吸収ヒートポンプ1が高温吸収器AHおよび中温吸収器AMからの溶液Sを合流させて低温再生器ALの散布装置42に導いているのに対し、吸収ヒートポンプ2は高温吸収器AHからの溶液Sbを低温再生器ALの出口側に導くとともに、中温再生器AMからの溶液Scは低温吸収器ALの散布装置42に導いている点である。また、再生器Gと凝縮器Cを含む缶胴と、低温吸収器ALと低温蒸発器ELを含む缶胴を、合体させた構造としている点も吸収ヒートポンプ1と異なる。
高温吸収器AHからの溶液Sbを低温再生器ALの出口側に導くことで、高温吸収器AHから低温吸収器ALの散布装置42に導いた時よりも、位置ヘッド差を大きくすることができ、起動時の高温吸収器AHからの流出能力が増え、高温吸収器の溶液循環量を多くすることができる。また、再生器G、凝縮器C、低温吸収器ALおよび低温蒸発器ELを単胴とすることで、ヒートポンプ装置の高さ寸法を抑えることができる。
なお、図2では、高温吸収器AHからの溶液Sbを低温再生器ALの出口側に導くとともに、中温再生器AMからの溶液Scは低温吸収器ALの散布装置42に導いているが、高温吸収器AHからの溶液Sbを低温吸収器ALの散布装置42に、中温再生器AMからの溶液Scを低温再生器ALの出口側に導いてもよい。この場合、起動時の中温吸収器AMの循環量を多くすることができる。
また、図2の溶液の変形フローとして、溶液ポンプSPの吐出側直後で分岐し、高温吸収器AH、中温再生器AM、低温吸収器ALに溶液Sを導き、各吸収器からの戻りの溶液Sを再生器Gの散布装置12の入口側で合流させることもできる。この場合は、高温吸収器AHおよび中温吸収器AMからの流出に係る位置ヘッド差が大きくとれるので、起動時の高温吸収器AHおよび中温吸収器AMの溶液循環量を多くすることができ、起動を速めることができる。
次に図3を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る三段昇温型吸収ヒートポンプ3を説明する。吸収ヒートポンプ3は、再生器Gと凝縮器Cを収めた缶胴と、低温吸収器ALと低温蒸発器ELを収めた缶胴とを左右に配置し、これらの缶胴の上に高温吸収器AHと中温吸収器AMとを左右にほぼ同じ高さで配置して、ヒートポンプの高さを抑えている。この場合、両吸収器AHとAMの間に圧力差のほとんどない状態では、高温吸収器AHからの溶液Sbを中温吸収器AMの散布装置52に位置ヘッド差で戻すことはできない。
吸収ヒートポンプ3では、再生器Gの濃溶液Saを溶液ポンプSPで昇圧し、高温吸収器AHと中温吸収器AMとに並列に導くと共に、中温吸収器AMからの戻り溶液Scは中温吸収器AMの出口液面より下側に配置された再生器Gの散布装置12に導き、高温吸収器AHからの戻り溶液Sbは高温吸収器AHの出口液面より下側に配置された低温吸収器ALの散布装置42に導き、低温吸収器ALからの溶液Swは、補助溶液ポンプSPXで再生器Gの溶液散布装置12に導くことで、機器間の圧力差が無い状態でも溶液循環ができるようにしている。なお、低温吸収器ALの下部には溶液貯留部43と貯留部液位検出器44を設け、液位検出器44の信号でSPXの溶液Swの吐出流量を低温吸収器ALへの流入量にバランスするように調節している。
吸収ヒートポンプ3では、中温吸収器AMからの溶液Scを、直接再生器Gの散布装置12に導いて、補助溶液ポンプSPXの動力を減らしているが、高温吸収器AHからの溶液Sbを再生器Gの散布装置12に導き、中温吸収器AMからの溶液Scを低温吸収器ALの散布装置42に導いても補助溶液ポンプSPXの動力を減らすことはできる。なお、補助溶液ポンプSPXの動力削減にはならないが、高温吸収器AHおよび中温吸収器AMからの溶液Sを、合流して再生器Gの散布装置12に導いても、起動時の溶液循環が可能で、ヒートポンプ装置の高さ抑制効果はある。
次に図4を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る三段昇温型の吸収ヒートポンプ4を説明する。図3の吸収ヒートポンプ3との違いは、再生器Gの濃溶液Saを溶液ポンプSPで昇圧して、高温吸収器AH、中温吸収器AMおよび低温吸収器ALとに三方向に分岐して並列に導くと共に、高温吸収器AHおよび中温吸収器AMからの溶液Sを直接再生器Gの散布装置12に導いている点である。補助溶液ポンプSPXで低温吸収器ALから再生器Gの溶液散布装置12に戻す溶液は、溶液ポンプSPにより低温吸収器ALに送り込まれた分量だけであり、補助溶液ポンプSPXの動力を減らすことができる。
以上の説明では、低温再生器ELの伝熱管31の大部分を冷媒液Rqに浸して、伝熱管内を流れる熱源温水hと熱交換させる形式(満液式)として説明したが、通常の吸収冷凍機と同じように冷媒液を散布して伝熱管外面に液膜を形成する形式であっても差し支えない。
以上の説明では、熱源媒体が熱源温水hとしたが、排蒸気等の熱媒体としてもよい。また、伝熱管11及び伝熱管31に同じ熱源温水hが流れるとしたが、それぞれの伝熱管11、31に異なる熱源媒体が流れるように構成してもよい。
以上の説明では、高温吸収器AHの状態検出器を高温吸収器AHの缶胴内蒸気圧力を検出する高温吸収器圧力センサ69としたが、高温吸収器と高温蒸発器とはほぼ同圧なので、高温蒸発器EHの缶胴内蒸気圧力を検出する圧力センサとしてもよく、また蒸気圧と相関関係のある、例えば、高温蒸発器EHの内部温度(飽和温度)を検出する温度センサ等を用いてもよい。また高温吸収器の溶液温度センサ等を用いてもよい。
以上の説明で、高温吸収器AHの溶液循環量は、定格運転時に定格流量になるように、高温吸収器出口部のオリフィス72で設定し、運転状態によりオリフィスを通る流量(流出量)が変化するのに合わせて流入量を調節するため、流入出量のバランスを液面検出器66で検出し、溶液ポンプSPの回転速度制御をしているが、溶液ポンプSPの吐出側に流量調節弁を用いて溶液の流入量を調節してもよい。また、例えば高温吸収器の運転状態を基にインバータなどでポンプ能力を調節することで流入量を可変とし、その流入量に合わせて流出量を高温吸収器出口の調節弁で調節する方式などであってもよい。
1、2、3、4 昇温型吸収ヒートポンプ
11、21、31、41、51、61 伝熱管
12、42、52、62 溶液散布装置
13、33、43、53、63 貯留部
34、44、54、64 液位検出器
45、55、65 気液分離器
46、56、66 分離器液位検出器
69、97 圧力センサ
70、71、73、74、76、77 溶液配管
72、75、78 減圧器(オリフィス)
80、83、86 冷媒液配管
81、82、85 冷媒調節弁
84、87 冷媒蒸気配管
90、92、93、94 被加熱媒体配管
91、96 チェッキ弁
100 制御装置
AH 高温吸収器
AL 低温吸収器
AM 中温吸収器
C 凝縮器
cw 冷却水
EH 高温蒸発器
EL 低温蒸発器
EM 中温蒸発器
G 再生器
h 熱原水
HL、HM、HH 溶液熱交換器
R 冷媒
RP 冷媒ポンプ
Rq 冷媒液
Rvg、Rvh、Rvm、Rvl 冷媒蒸気
S、Sa、Sb、Sc、Sd、Sw 溶液
SP 溶液ポンプ
SPX 溶液循環補助ポンプ
VM 溶液調節弁
W、Wv、Wq 被加熱媒体
WP 補給水ポンプ

Claims (3)

  1. 高温吸収器、中温吸収器、低温吸収器、高温蒸発器、中温蒸発器、低温蒸発器、再生器、凝縮器、溶液ポンプ、冷媒ポンプなどを溶液配管及び冷媒配管で接続して溶液循環経路及び冷媒循環経路を構成し、前記凝縮器には冷却水を通水し、前記再生器と前記低温蒸発器には熱源流体を供給し、前記低温蒸発器で加熱蒸発した冷媒蒸気を前記低温吸収器の溶液に吸収させ、その吸収熱で前記中温蒸発器の冷媒液を加熱蒸発させて前記中温吸収器の溶液に吸収させ、さらに前記中温吸収器の吸収熱で前記高温蒸発器の冷媒液を加熱蒸発させて前記高温吸収器の溶液に吸収させ、前記高温吸収器から高温の被加熱流体を取り出す三段昇温型吸収ヒートポンプにおいて;
    前記凝縮器と前記再生器を収めた缶胴の上に前記低温吸収器と前記低温蒸発器を収めた缶胴を配置するか、または前記凝縮器と前記再生器を収めた缶胴の横に前記低温吸収器と前記低温蒸発器を収めた缶胴をほぼ同じ高さで配置し;
    前記低温吸収器と前記低温蒸発器を収めた缶胴よりも上に、前記高温吸収器を収めた缶胴と前記中温吸収器を収めた缶胴とをほぼ同じ高さで配置し;
    前記再生器で濃縮した溶液を前記溶液ポンプで、少なくとも前記高温吸収器と前記中温吸収器に並列に導入すること;
    を特徴とする三段昇温型吸収ヒートポンプ装置。
  2. 前記高温吸収器からの出口溶液と前記中温吸収器からの出口溶液の少なくとも一方の溶液を、前記低温吸収器を経由せず、直接前記再生器に導くこと;
    を特徴とする請求項1に記載の三段昇温型吸収ヒートポンプ装置。
  3. 前記高温吸収器からの出口溶液と前記中温吸収器からの出口溶液の少なくとも一方の溶液を、前記低温吸収器に導く
    ことを特徴とする請求項1に記載の三段昇温型吸収ヒートポンプ装置。
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CN113188108A (zh) * 2021-04-26 2021-07-30 松下制冷(大连)有限公司 一种高效热泵及控制使用方法

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