JP2013249275A - 美白剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた美白効果を有し、安定性および皮膚に対して安全性の高い新規な成分を有効成分とする美白剤を提供することを課題とする。
【解決手段】海洋細菌の産生する酸性ムコ多糖類またはその生理学的に許容される塩もしくは誘導体を有効成分として含有する美白剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、海洋細菌の産生する酸性ムコ多糖類を有効成分として配合した美白剤に関するものである。
さらに詳しくは、本発明は海洋細菌の産生する酸性ムコ多糖類またはその生理学的に許容される塩もしくは誘導体を有効成分として含有する美白剤に関するものであり、特にシミ、ソバカス等の予防または治療に有効であって、優れた美白効果を示すと共に保湿性に富み、安定性および皮膚に対する高い安全性を併せ持つ美白剤に関するものである。
皮膚の着色の原因となるメラニン色素は、日焼け等により組織中にメラニンが産生することに起因していることが知られている。皮膚が日光に起因する紫外線の照射を受けると、皮膚内に存在しているチロシンが酵素チロシナーゼの作用により酵素的に酸化された後、数段階の反応を経て黒色のメラニンへ変化する過程がメラニン色素の生成過程である。
そして従来から、上記メラニンの生成を抑制し、皮膚の美白状態を維持せしめる美白用皮膚外用剤の組成物として、アルブチンなどのハイドロキノン誘導体、エラグ酸、アスコルビン酸およびその配糖体、コウジ酸およびその誘導体等が知られている。
しかしこれら美白用皮膚外用剤には、種々の問題点が残されており、実用性の面で問題があった。例えば、美白成分としてのコウジ酸は発ガンの恐れがあること、アルブチンなどのハイドロキノン誘導体は発疹、かぶれなど安全性に問題があった。また、動植物抽出物配合も知られてはいるが、その効果は満足出来るものではなかった。
そのため、優れた美白効果を示すと共に、安定性および皮膚に対する高い安全性を併せ持つ成分が求められていた。
一方、乳酸菌が産生するリン酸化多糖類や海洋細菌の作る多糖類に美白作用を持ち、美白剤としての有用性が開示されている(特許文献1〜4)。また、種々の海洋細菌が多糖類を産生することが知られている(特許文献5〜7、非特許文献1〜2)。
特許2971027号 特許3802011号 特開2008−194026号 特開2009−34094号 特許3083858号 特許4390259号 特願2012−57185号
A.Shamsuddinら, Fisheries Science, 64,469-473,1998. M.Matsudaら, Fisheries Science, 63, 983-988,1997.
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、優れた美白効果を有し、安定性および皮膚に対して安全性の高い新規な成分を有効成分とする美白剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、ヒト皮膚美白剤として使用が可能な物質を求めて、鋭意研究を進めていたところ、抗ウイルス作用を有する物質として知られている海洋細菌が産生する酸性ムコ多糖類にメラノーマ細胞のメラニンの生成を抑制する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は(1)海洋細菌の産生する酸性ムコ多糖類またはその生理学的に許容される塩もしくは誘導体を有効成分として含有することを特徴とする美白剤に関する。
尚、本酸性ムコ多糖類としては、コベチア(Cobetia)属に属し寄託番号がFERM P-21297として寄託されている菌株またはその変異株の培養物より分離精製された酸性ムコ多糖類を用いることが好ましい。これら酸性ムコ多糖類は、本明細書において単に「本酸性ムコ多糖類」と表記する。
本発明の美白剤の有効成分として用いられる海洋細菌が産生する本酸性ムコ多糖類は、次の構造式で示される化合物である。
Figure 2013249275
(上記の構造式において、GlcNAcpはピラノース型N-アセチルグルコサミン残基を、GlcUApはピラノース型グルクロン酸残基を、Gluはグルタミン酸を、DはD型を、LはL型を、nはゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子量がプルランを標準として100万〜150万であることを示す繰り返しの数をそれぞれ表す。)
海洋細菌が産生する本酸性多糖類を有効成分とする美白剤は、B-16メラノーマ細胞に対して、細胞毒性を示すことなくメラニン産生を抑制する。
本発明の有効成分である酸性ムコ多糖類は、B-16メラノーマ細胞に対して、細胞毒性を示すことなくメラニン生成を抑制し,皮膚に美白作用をなすので、美白剤として安全で非常に有用である。しかも本酸性ムコ多糖類にはグルタミン酸という天然保湿因子が結合し、皮膚外用剤としての価値ある用件を備えている点でこれまでの多糖類にない有利な材料である。
本発明の有効成分である酸性ムコ多糖類はまた、美容食品などの経口用途にも用いることができる。
図1はマウスメラノーマ細胞の増殖およびメラニン生成に対する本酸性ムコ多糖類の影響を示したものである。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、本酸性ムコ多糖類を有効成分として含有する美白用組成物に関するものである。
本酸性ムコ多糖類については、従来、その誘導体に抗ウイルス作用を有することが知られているが、これを美白剤として使用したという報告はないことからすると上記知見はまさに驚くべきものであった。
本発明において、美白剤とは、シミ、ソバカス等の予防または治療に有効な皮膚外用剤組成物または経口用組成物であって、化粧品や医薬部外品としてのローション、乳液、クリーム、パック剤、石鹸等の薬用化粧品、および医薬品としてのローション、乳液、クリーム、軟膏等の皮膚外用剤、ならびに美容食品や機能性食品などの経口剤を含むものである。
本発明の美白用皮膚外用剤組成物は、有効成分である本酸性ムコ多糖類と、皮膚外用剤に一般に用いられている各種成分、例えば、油分、界面活性剤、紫外線吸収剤、アルコール、保湿剤、防腐剤、殺菌剤、色剤、粉末、香料、増粘剤、緩衝剤などとを、その剤形にあわせ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することにより調製される。
本発明の美白用経口用組成物は、有効成分である本酸性ムコ多糖類と、経口用組成物に一般的に用いられている各種成分、例えば、賦形剤、防腐剤、色剤、香料などとを、その剤形にあわせ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することにより調製される。
本発明の美白用組成物に、本酸性ムコ多糖類を配合するに当たっては、これら化合物の美白作用ならびに皮膚の角質透過性等を考慮することが好ましく、一般にはこれら化合物を有効成分として少なくとも0.001重量%以上、好ましくは0.01〜20.0重量%程度添加すればよい。必ずしも有効成分を単離して使用する必要はなく、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の化合物を含む粗精製物を使用することができる。
本発明の美白用皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば化粧水等の可溶化系、乳液またはクリーム等の乳化系、あるいは軟膏または分散液などの剤型をとることができる。
本発明の美白用経口剤の剤型は任意であり、例えば錠剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤などの剤型をとることができる。
こうして所望の美白効果、例えば顔などのシミの発生を防ぐことができ、また既に生成しているシミの脱色に使用できる美白剤が提供される。
(有効成分)
本発明で使用される本酸性ムコ多糖類は、医薬として使用できる程度に精製されたものであれば、種々の方法で調製されたものを用いることができる。本ムコ多糖類の調製方法としては、各種の方法が知られている。例えば、海洋微生物を炭素源として蔗糖、窒素源としてペプトン、酵母エキスを含有する海水を寒天で固めた培地で培養して産生する多糖類を採取、精製して得ることができる。
より具体的には、例えば寒天平板培養では、炭素源として蔗糖、窒素源としてペプトン、酵母エキスを含有する多糖類生産用海水培地を寒天で固めた培地においてコベチア(Cobetia)属に属し寄託番号がFERM P-21297として寄託されている菌株またはその変異株を培養し、寒天平板上に生じた粘質物中の本酸性ムコ多糖類を分離、精製して得ることができる。
本酸性ムコ多糖類を産生する微生物を培養する基本培地としては、多糖類を産生しうる微生物が生育できるものであって、少なくとも炭素源と、窒素源と、各種無機塩と、および微量元素とを適量含有するものが用いられる。さらに好ましくは、前記基本培地として、コベチア(Cobetia)属に属する微生物が生育できるものが用いられる。炭素源としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース、シュクロース等の糖、あるいは糖蜜や廃糖蜜が挙げられる。炭素源として1種または2種以上を単独でまたは組み合わせて用いることができる。窒素源としては、硝酸塩、アンモニウム塩等の化合物やペプトン、酵母エキス、アミノ酸などの天然物が挙げられる。窒素源として1種または2種以上を単独でまたは組み合わせて用いることができる。無機塩としては、例えば、リン酸塩、マグネシウム塩、カリウム塩等が挙げられる。無機塩として1種または2種以上を単独でまたは組み合わせて用いることができる。固体培地の場合は寒天を用いる。
使用する培地、培地のpH、培地への添加物、培養温度などは通常微生物の培養の際に用いられている条件をそのまま用いることができる。
本酸性ムコ多糖類の産生に用いられる微生物としては、多糖類を産生しうるものであれば特に制限なく使用することができる。好ましくは海洋微生物、さらに好ましくは本酸性ムコ多糖類を産生する能力のある海洋微生物が用いられる。具体的にはコベチア(Cobetia)属細菌が挙げられ、より具体的にはコベチア(Cobetia)属に属し寄託番号がFERM P-21297として寄託されている菌株またはその変異株が挙げられる。本菌株は本発明者らが瀬戸内海において海水より分離した海洋性細菌であり、その分類学的特性は、上記特許文献7に記載されている。
本発明における培養条件は、培養時のpHは微生物が生育し、かつ多糖類を産生する範囲であれば制限されないが、通常は6から7.5の範囲のpHが好ましい。培養温度については微生物が生育し、かつ多糖類を産生する範囲であれば制限されないが、25℃から30℃の範囲が多糖類の産生には良好である。培養期間は培養のpHや温度により変化するが、通常2日から5日が適切である。
前記した培地と微生物を用いて従来法を用いて微生物を培養することにより、本発明の有効成分である本酸性ムコ多糖類が効率的に産生されることとなる。
本発明に用いられる本酸性ムコ多糖類は、構成糖のモル比がN−アセチル−D−グルコサミン:D−グルクロン酸:L−グルタミン酸が2:1:1(モル濃度比)で、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子量がプルランを標準として100〜150万であることが好ましい。構成成分の分析には、セルロースアセテート膜電気泳動、または高速液体クロマトグラフィーを用いることができる。この構成成分の分析には、多糖類を2Mのトリフルオロ酢酸(TFA)、または4N-HClで100℃、12時間加水分解し、ロータリーエバポレイターでTFAまたはHClを除いたものを検体とし、中性糖、ウロン酸、有機酸、アミノ酸およびアミノ糖の分析を行う。構成有機酸の分析にはこの他に酵素法を用いることができる。
本酸性ムコ多糖類の分子量の測定は、ゲル濾過クロマトグラフィー法を用いることができる。具体的には、Asahipak GFA-7M(昭和電工製)をカラムとする高速液体クロマトグラフィー(島津製)を使用し、0.1M-NaClを移動相とし、分子量既知のプルラン(Shodex STANDARD KIT P-82、昭和電工製)を標準サンプルとして作成した分子量保持時間標準曲線を使用して測定することができる。
(有効成分の製造方法)
次に、本発明の美白剤の有効成分である本酸性ムコ多糖類の製造方法について、好ましい実施形態を挙げて説明する。尚、本酸性ムコ多糖類の生産方法は以下の製法に限定されない。
好ましい1実施形態としての本酸性ムコ多糖類の製造方法は、(a)前記培地において微生物を培養し多糖類を産生する工程と、(b)産生された本酸性ムコ多糖類を抽出・回収する工程とを有する。
続いて、前記の実施形態を各工程毎に詳細に説明していく。
前記した本発明の培地を用いることが望ましく、その際に炭素源として蔗糖、窒素源としてペプトン、酵母エキスを用いることがより望ましい。
(a)前記培地において微生物を培養し多糖類を産生する工程
前記のようにして調製した培地を用いて微生物を培養して目的の多糖類を産生させるわけであるが、本酸性ムコ多糖類を得るためには微生物としてコベチア(Cobetia)属の細菌を用いることが好ましい。さらに好ましくはコベチア(Cobetia)属に属し寄託番号がFERM P-21297として寄託されている菌株またはその変異株を用いることが望ましい。微生物として該菌株またはその変異株を用いることで、本酸性ムコ多糖類を効率的に産生することができる。
そして、以下に説明する抽出・回収工程を経ることにより高純度の本酸性ムコ多糖類を高収率で得ることが可能となる。
(b)産生された所定の多糖類を抽出・回収する工程
上記製造方法で得られた培養液から本酸性ムコ多糖類を抽出する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、培養液をそのまま、あるいは高温で殺菌した後で、遠心分離により菌体を除去し、これをそのまま、あるいは濃縮してから、2〜3倍量のエタノール、イソプロパノール、あるいはアセトン等を加え、沈殿を生じさせる。この沈殿物を再度、水あるいは1〜15%塩化ナトリウム溶液に溶解させた後で、アルコール等による沈殿を2〜3回繰り返し、水で透析を行い、噴霧乾燥や凍結乾燥機等を用いて乾燥させることにより、本酸性ムコ多糖類を得る。これ以外にも電気透析法や限外濾過法も利用することができる。さらに精製するためには、イオン交換、ゲル濾過等の各種クロマトグラフィーや第4級アンモニウム塩による沈殿や塩析などを用いることができる。
かくして本酸性ムコ多糖類が産生および回収されることになる。本発明により得られる本酸性ムコ多糖類は特に制限なく種々の用途に使用されうるものであるが、好ましくは上述の美白剤として好適に用いられる。
ここで、本酸性ムコ多糖類は下記構造単位を有するものである。
Figure 2013249275
(上記の構造式において、GlcNAcpはピラノース型N-アセチルグルコサミン残基を、GlcUApはピラノース型グルクロン酸残基を、Gluはグルタミン酸を、DはD型を、LはL型を、nはゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子量がプルランを標準として100万〜150万であることを示す繰り返しの数をそれぞれ表す。)
本発明では、有効成分として少なくとも0.001重量%以上、好ましくは、0.01〜20重量%の本酸性ムコ多糖類を美白剤に配合する。
この本酸性ムコ多糖類を有効成分として含有する外用美白剤は、通常使用されている皮膚外用剤基材を使用することにより、クリーム、乳液、化粧水等の適当な形態とすることができる。さらに、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、アルブチン等のメラニン合成抑制剤、その他の薬効成分、増粘剤、可塑剤、着色料、香料等、任意の添加物をこの美白剤に含有させることができる。なお、本発明の美白剤の有効成分である本酸性ムコ多糖類については、皮膚に対する毒性も刺激も無く、副作用も無い。また一般に多糖類には保湿効果があること、および本酸性ムコ多糖類には天然保湿因子のグルタミン酸が含まれていることからして、本酸性ムコ多糖類またはそれらの生理学的に許容される塩もしくは誘導体を有効成分として含む本発明の美白剤は、美白効果に加えて好ましい保湿効果を有することは当業者であれば容易に推測できるであろう。
この本酸性ムコ多糖類は、上述のように、美容食品や機能性食品などの美白用経口剤に配合することもできる。
以上本発明の美白剤について説明してきたが、本発明の美白剤のメラニン抑制効果を利用することにより、エビなどの変色防止剤といった食品添加物としても用いることも可能である。即ち、本発明の別の態様として、本酸性ムコ多糖類またはその生理学的に許容される塩もしくは誘導体を有効成分として含有することを特徴とする食品添加物が提供される。この場合、食品添加物の使用量は当業者の知識に基づき用途に応じて適宜定まるものである。
次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるものではない。尚、特記しない限り、百分率(%)は重量基準である。
(実施例1)
ペプトン0.5%、酵母エキス0.1%、蔗糖3%の組成を有し海水で調製した培地を、温度121℃としたオートクレーブ中で15分間滅菌し、本菌株(FERM P-21297)の斜面培養から、1白金耳を試験管中の上記滅菌培地(10ml)に接種し、25℃の温度で24時間静置培養を行い、次いでこの前培養液を500ml容の三角フラスコ中に上記組成の培地100ml(121℃、15分間滅菌)に接種し、25℃の温度で3日間の静置培養を行った。培養後培養液を遠心分離した後濾過助剤(ラヂオライト#500)を用いてGF-75濾紙(Advantec)で濾過し、菌体を除いた培養濾過液から分子量5万カットの中空糸UF膜モジュール(Spectrum社製)を備えた膜濾過装置により得られる高分子画分を短時間のうちに濃縮、脱塩回収し、活性炭処理し、凍結乾燥により粉末化した。膜濾過装置は東洋紡エンジニアリング社製SYLS-SB04型を用いた。
このようにして得られた多糖画分については、セルロースアセテート膜電気泳動を用いて均一性を確認すると共に、DEAE-セルロースイオン交換カラムクロマト分析、化学分析、核磁気共鳴分析により、公知の本酸性ムコ多糖類であることを確認した。
(実施例2)
前培養までは実施例1と同様に処理し、次いでこの前培養液を500ml容の三角フラスコ中に上記組成を有する海水から調製した滅菌培地100ml(121℃、15分間)に接種し、25℃の温度で3日間振とう培養を行った。次いで培養液を遠心分離した後濾過助剤(ラヂオライト#500)を用いてGF−75濾紙(Advantec)で濾過し、菌体を除いた培養濾液から分子量5万カットの中空糸UF膜モジュール(Spectrum社製)を備えた膜濾過装置により得られる高分子画分を短時間のうちに濃縮、脱塩回収し、活性炭処理し、凍結乾燥により粉末化した。膜濾過装置は東洋紡エンジニアリング社製SYLS-SB04型を用いた。このようにして得られた多糖画分については、セルロースアセテート膜電気泳動を用いて均一性を確認すると共に、DEAE-セルロースイオン交換カラムクロマト分析、化学分析、核磁気共鳴分析により、公知の本酸性ムコ多糖類であることを確認した。
(実施例3)
前培養までは実施例1と同様に処理し、上記実施例2で述べた培地に寒天を1.5%添加した寒天平板培地250mlを平板(18×26cm)に広げて前培養液を塗沫し、25℃の温度で4日間培養を行った。寒天平板の表面に生じた粘質物をかきとり、1%フェノール液に懸濁させ、遠心分離した後濾過助剤(ラヂオライト#500)を用いてGF-75濾紙で濾過し、菌体を除いた上澄液にエタノールを加えて沈殿する画分を集め、水に溶解後再度エタノールを加えて沈殿する画分を集め、水に溶解後透析した。次いで活性炭処理し、凍結乾燥により多糖画分を得た。尚、実用的な精製レベルとしては、培養濾過液から分子量5万カットの中空糸UF膜モジュール(Spectrum社製)を備えた膜濾過装置により得られる高分子画分を短時間のうちに濃縮、脱塩回収し、活性炭処理し、凍結乾燥により粉末化した。膜濾過装置は東洋紡エンジニアリング社製SYLS-SB04型を用いた。このようにして得られた多糖画分については、セルロースアセテート膜電気泳動を用いて均一性を確認すると共に、DEAE-セルロースイオン交換カラムクロマト分析、化学分析、核磁気共鳴分析により、公知の本酸性ムコ多糖類であることを確認した。
(実施例4)
(マウス培養細胞株によるメラニン生成抑制試験)
実施例1で得られた本酸性ムコ多糖類を使用して,メラノーマ細胞に対する細胞増殖と美白効果を調べ試料無添加の場合と比較して試料添加系での細胞増殖率,メラニン生成量を求めた。
(細胞培養)
(1)前培養したB16F10細胞を12穴マルチウェルプレートの各ウェルに1.0x10細胞/ウェルの細胞数に播種した。播種48時間後、所定濃度の被験物質を含む0.5mMテオフィリン含有DMEM+10%FBS培地に交換した。被験物質の濃度は、25μg/ml、50μg/ml、100μg/mlに設定した。各試料濃度毎に3ウェルを割り当てアッセイに供した(N=3)。細胞増殖計数用のプレートとメラニン定量用のプレート2枚を1組として各試料のアッセイに使用した。培地交換後、72時間培養を続けた。
(2)細胞増殖計数用プレートを用いて各ウェル内の細胞数(相対値)をWST-1法を用い450nmの吸光度を測定することにより、細胞の生育度を測定した。
(細胞中のメラニン量の測定方法)
B-16メラノーマ細胞を培養し、細胞中に産生したメラニンをアルカリで溶解し、吸光度を測定することによりメラニン生成量を求めた。72時間培養後のメラニン定量用のプレートを用いて各ウェル内の細胞を10%トリクロロ酢酸溶液で処理した後にエタノール/エーテル(1:1(V/V))で処理した。
これに1N-NaOH/10%DMSO溶液を加え、メラニンを可溶化した後吸光度475nmを測定した。合成メラニン(Sigma)を1N-NaOH/10%DMSO溶液に溶解した溶液を所定の濃度に希釈し標準液として使用し、本標準液と測定溶液の吸光度を比較することにより測定溶液中のメラニン含有量を算出した。(2)で求めたウェル内細胞数(相対値)と本ウェル内メラニン量から細胞内メラニン量(相対値)を計算した。これらの結果を図1に示す。
図1から明らかなように,本酸性多糖類の添加によりメラニン生成の抑制が認められた。また本酸性ムコ多糖類は,メラノーマ細胞の増殖抑制効果、すなわち細胞毒性は認められなかった。各濃度の本酸性多糖類の添加で細胞毒性に伴う細胞の形態の変化も見られなかった。即ち、本酸性ムコ多糖類は、細胞の生育に影響を与えない濃度範囲で美白作用を示すことが認められた。
本発明に係る美白剤は種々の剤型で使用されるが例示として溶液(例えば、美容液、化粧水など)、クリーム、乳液、石けん、乳化型ファンデーションおよび浴用剤の処方例を処方例1〜5として説明する。
(処方例1)
処方例1(美容液)
下記成分により常法でもって美容液を調製した。
Figure 2013249275
(処方例2)
処方例2(クリーム)
下記成分A、別に成分Bを加温溶解させてそれぞれA液およびB液とし、A液にB液を加えて乳化し、撹拌しながら冷却し、クリームを調製した。
Figure 2013249275
(処方例3)
処方例3(乳液)
下記成分A、別に成分Bを加温溶解させてそれぞれA液およびB液とし、A液にB液を加えて乳化し、撹拌しながら冷却し、乳液を調製した。
Figure 2013249275
(処方例4)
処方例4(石けん)
石けん製造の常法により下記成分を混合して石けんを製造した。
Figure 2013249275
(処方例5)
処方例5(乳化型ファンデーション)
下記成分Aを充分に混合粉砕した粉末部Aとし、成分BをB液、成分CをC液とする。C液を加温攪拌後、Aを添加しホモミキサー処理し、さらに加温混合したB液を加えてホモミキサー処理する。攪拌しながら室温まで冷却して乳化型ファンデーションを調製した。
Figure 2013249275
(処方例6)
処方例6(浴用剤)
下記成分により常法でもって浴用剤を調製した。
Figure 2013249275
(処方例7)
処方例7(錠剤)
下記成分Aをそれぞれ篩過して混合し、次に成分Bを添加して混合した。その後、常法により打錠して、全量が600mgの錠剤を得た。
Figure 2013249275
(処方例8)
処方例8(清涼飲料)
下記成分により常法でもって清涼飲料を調製した。
Figure 2013249275
なお、本実施例1〜3において用いられた上記のFERM P-21297菌株は、日本国独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6 に寄託し、平成19年5月16日 受託番号FERM P-21297として受託されたものである。

Claims (3)

  1. 次の式(1)で示される構造の酸性ムコ多糖類またはそれらの生理学的に許容される塩もしくは誘導体を有効成分として含む美白剤。
    Figure 2013249275
    (上記の構造式において、GlcNAcpはピラノース型N-アセチルグルコサミン残基を、GlcUApはピラノース型グルクロン酸残基を、Gluはグルタミン酸を、DはD型を、LはL型を、nはゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子量がプルランを標準として100万〜150万であることを示す繰り返しの数をそれぞれ表す。)
  2. 皮膚外用剤である請求項1に記載の美白剤。
  3. 美容食品である請求項1に記載の美白剤。
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