JP2013247241A - コイル部品の製造方法及びコイル部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一本の平角線Hを同一巻方向に曲げる曲げ部12、22を形成し、互いに軸心をずらして積層する角筒形状の二つのコイル要素1、2の内、一方のコイル要素1に対して他方のコイル要素2を積層方向が反転する方向に折り返して形成するコイル部品100の製造方法であって、二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3を曲げ部12、22間に設け、渡り部3で折り返すこと、折り返す前には、一方のコイル要素1の一辺11と他方のコイル要素2の一辺23とが隣り合うよう配置され、折り返した後には、他方のコイル要素2の一辺23と、渡り部3を介して連続する一方のコイル要素1の他辺13とが、並列して配置されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかし、各コイル要素110、120を連結部材130で連結する構成では、各コイル要素110、120の製作は容易であるが、新たに連結部材130を形成するとともに、溶接等の工程も必要となり、材料歩留りや生産コスト上、好ましくない。また、溶接部における強度低下の恐れもある。
そのため、二つのコイル要素を一本の平角線で形成するコイル部品の製造方法が、提案されている(例えば、特許文献1、2)。
曲げ部313、323で水平方向(矢印R方向)に90度曲げ(エッジワイズ曲げ)成形して、並列状に配置させる。これによって、二つのコイル要素310、320の曲げ部313、323間で渡り部330が形成される。
さらに、平角線Hを180度折り返した位置(中間点211A)では、平角線Hの幅方向に膨らみが突出しやすい。そのため、コイル要素210内周側へ突出する上記膨らみが、挿入される鉄心コア(図示せず)と干渉するおそれがあった。したがって、上記干渉を回避するため、コイル要素と鉄心コアとの隙間を大きくせざるを得ず、その分、磁気特性が低下する問題もあった。
また、生産スペースも平角線Hの長さ分だけ必要となり、スペース効率が大幅に低下するとともに、その分、設備も大きくなってコスト高となる問題があった。
(1)一本の平角線を同一巻方向に曲げる曲げ部を形成し、互いに軸心をずらして積層する角筒形状の二つのコイル要素の内、一方のコイル要素に対して他方のコイル要素を積層方向が反転する方向に折り返して形成するコイル部品の製造方法であって、
前記二つのコイル要素を繋ぐ渡り部を前記曲げ部間に設け、前記渡り部で折り返すこと、
前記折り返す前には、前記一方のコイル要素の一辺と前記他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され、
前記折り返した後には、前記他方のコイル要素の一辺と、前記渡り部を介して連続する前記一方のコイル要素の他辺とが、並列して配置されることを特徴とする。
ここで、「前記一方のコイル要素の一辺と前記他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され」には、一方のコイル要素の一辺と他方のコイル要素の一辺とが、少なくとも一箇所で近接して配置されることを意味する(以下、同じ)。例えば、一方のコイル要素の一辺と他方のコイル要素の一辺とが、互いに並列して近接する場合の他、一方のコイル要素の一辺に対して他方のコイル要素の一辺が、一箇所で近接し他の箇所で離間する場合が含まれる。
(2)(1)に記載されたコイル部品の製造方法において、
前記渡り部には、螺旋状の折り返し部を有することを特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載されたコイル部品の製造方法において、
前記渡り部を介して連続する前記他方のコイル要素の他辺が、該他方のコイル要素の外周側にずれて形成されることを特徴とする。
前記二つのコイル要素を繋ぐ渡り部が前記曲げ部間に設けられ、前記渡り部で折り返されたこと、
前記折り返される前には、前記一方のコイル要素の一辺と前記他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され、
前記折り返された後には、前記他方のコイル要素の一辺と、前記渡り部を介して連続する前記一方のコイル要素の他辺とが、並列して配置されたことを特徴とする。
(5)(4)に記載されたコイル部品において、
前記渡り部には、螺旋状の折り返し部を有することを特徴とする。
(6)(4)又は(5)に記載されたコイル部品において、
前記渡り部を介して連続する前記他方のコイル要素の他辺が、該他方のコイル要素の外周側にずれて形成されたことを特徴とする。
(1)に記載されたコイル部品の製造方法によれば、二つのコイル要素を繋ぐ渡り部を曲げ部間に設け、渡り部で折り返すこと、折り返す前には、一方のコイル要素の一辺と他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され、折り返した後には、他方のコイル要素の一辺と、渡り部を介して連続する一方のコイル要素の他辺とが、並列して配置されることを特徴とするので、シンプルな装置でコイル部品の材料歩留りを向上させ、重量軽減や磁気特性の向上にも寄与できる。
よって、(1)に記載されたコイル部品の製造方法によれば、シンプルな装置でコイル部品の材料歩留りを向上させ、重量軽減や磁気特性の向上にも寄与できる。
<コイル部品の構造>
まず、第一実施形態に係るコイル部品の構造を説明する。図1に、本発明に係る第一実施形態であるコイル部品の斜視図を示す。図2に、図1に示すコイル部品の平面図を示す。
なお、二つのコイル要素1、2の内周側の中空部には、環状の鉄心コア(図示しない)が挿入される。コイル部品100は、鉄心コアとの隙間及びコイル要素1、2の外周側を、樹脂で被覆されて固定されることによって、リアクトルを構成する。
次に、コイル部品100における二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3で折り返す方法を説明する。図3に、図1に示すコイル部品における渡り部の折り返し方法を説明する斜視図を示す。
<コイル部品の構造と渡り部の折り返し方法>
次に、第二実施形態に係るコイル部品の構造及び渡り部の折り返し方法を説明する。図4に、本発明に係る第二実施形態であるコイル部品における渡り部の折り返し方法を説明する平面図を示す。図5に、図1に示すコイル部品におけるコイル要素間の隙間を説明する平面図を示す。図6に、図4に示すコイル部品におけるコイル要素間の隙間を説明する平面図を示す。
そのため、図6に示すように、第二実施形態では、ずれ量Yに応じて、並列状に配置した二つのコイル要素1、2の隙間W2を狭くすることができる。
これに対して、図5に示すように、渡り部3に連続する他方のコイル要素2の短辺(他辺)21が、該他方のコイル要素2の外周側にずれていない第一実施形態では、並列状に配置した二つのコイル要素1、2の隙間W1が広くなる。したがって、第二実施形態のコイル部品101の方が、第一実施形態のコイル部品100よりもスペース的にコンパクトになる。
以上、詳細に説明したように、本発明では、二つのコイル要素が並列したコイル部品において、シンプルなコイル巻きと渡り部の最短化を両立させたことを特徴としている。この解決原理は、次の基本的な考え方による。
第一点は、二つのコイル要素について、一本の平角線で同一方向に巻くことである。コイル要素ごとに巻方向を変更しては、コイル巻き装置が複雑となり、設備費や生産スペース等の無駄も増大するからである。
第二点は、二つのコイル要素を繋ぐ渡り部を互いの曲げ部間に設け、渡り部で折り返したことである。これによって、渡り部を一方のコイル要素の曲げ部と他方のコイル要素の曲げ部との僅かなスペース(三角スペース)で折り返し可能としたのである。
第三点は、折り返す前には、一方のコイル要素の一辺と他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され、折り返した後には、他方のコイル要素の一辺と、渡り部を介して連続する一方のコイル要素の他辺とが、並列して配置されるように折り返したことである。そのため、一方のコイル要素における曲げ部を基点に渡り部で簡単に折り返すことができたのである。
本発明では、上記第一から第三の基本的考えの基で、二つのコイル要素が並列したコイル部品において、シンプルなコイル巻きと渡り部の最短化を両立させたのである。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るコイル部品100の製造方法によれば、二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3を曲げ部12、22間に設け、渡り部3で折り返すこと、折り返す前には、一方のコイル要素1の短辺(一辺)11と他方のコイル要素2の長辺(一辺)23とが隣り合うよう配置され、折り返した後には、他方のコイル要素2の長辺(一辺)23と、渡り部3を介して連続する一方のコイル要素1の長辺(他辺)13とが、並列して配置されることを特徴とするので、シンプルな装置でコイル部品100の材料歩留りを向上させ、重量軽減や磁気特性の向上にも寄与できる。
上し、重量軽減に貢献できる。また、曲げ部間に設ける渡り部で折り返すので、折り返される渡り部によって、逆方向の磁界を発生させることがなく、折り返し点での幅方向膨らみはコイル要素外周側に向いてコイル要素内周側へ突出しないので、コイル部品の磁気特性を低下させるおそれがない。
よって、本実施形態に係るコイル部品の製造方法によれば、シンプルな装置でコイル部品の材料歩留りを向上させ、重量軽減や磁気特性の向上にも寄与できる。
(1)本実施形態では、渡り部3の折り返し治具として、固定治具4と可動治具5を用いた例で説明した。固定治具4と可動治具5は、いずれも円柱状の当接部を有し、可動治具5は、固定治具4を中心に回動運動を行うこととした。
しかしながら、回動運動を行う上で、可動治具5は必ずしも必要としない。
例えば、図7に示すように、固定治具4のみで渡り部3を折り返すこともできる。この場合は、他のコイル要素2を把持して回動させる。そのとき、渡り部3を案内する案内溝41を固定治具4に形成すると、折り返す方向を安定させることができる。
しかしながら、一方のコイル要素1の短辺(一辺)11と他方のコイル要素2の長辺(一辺)23とが、必ずしも並列して隣り合うよう配置されている必要はない。
例えば、図8に示すように、折り返す前には、一方のコイル要素1の短辺(一辺)11と他方のコイル要素2Bの長辺(一辺)23Bとが、一方のコイル要素1の曲げ部12を基点に角度Eで傾斜して隣り合うよう配置してもよい。この場合、一方のコイル要素1を固定した状態で、他方のコイル要素2を、固定治具4を中心に矢印Sの方向へ折り返しながら、矢印Yの方向に回動させる。その結果、一方のコイル要素1の短辺(一辺)11と他方のコイル要素2Bの長辺(一辺)23Bとの、折り返す前における隣り合う状態の自由度を向上させることができる。これによって、コイル巻き工程から折り返し工程へのコイル要素搬送時における変形等にも対応できる。
2 他方のコイル要素
3 渡り部
4 固定治具
5 可動治具
11 一方のコイル要素の短辺(一辺)
12 一方のコイル要素の曲げ部
13 一方のコイル要素の長辺(他辺)
21 他方のコイル要素の短辺(他辺)
21A 外周側にずれた他方のコイル要素の短辺(他辺)
22 他方のコイル要素の曲げ部
23 他方のコイル要素の長辺(一辺)
31 螺旋状の折り返し部
Claims (6)
- 一本の平角線を同一巻方向に曲げる曲げ部を形成し、互いに軸心をずらして積層する角筒形状の二つのコイル要素の内、一方のコイル要素に対して他方のコイル要素を積層方向が反転する方向に折り返して形成するコイル部品の製造方法であって、
前記二つのコイル要素を繋ぐ渡り部を前記曲げ部間に設け、前記渡り部で折り返すこと、
前記折り返す前には、前記一方のコイル要素の一辺と前記他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され、
前記折り返した後には、前記他方のコイル要素の一辺と、前記渡り部を介して連続する前記一方のコイル要素の他辺とが、並列して配置されることを特徴とするコイル部品の製造方法。 - 請求項1に記載されたコイル部品の製造方法において、
前記渡り部には、螺旋状の折り返し部を有することを特徴とするコイル部品の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載されたコイル部品の製造方法において、
前記渡り部を介して連続する前記他方のコイル要素の他辺が、該他方のコイル要素の外周側にずれて形成されることを特徴とするコイル部品の製造方法。 - 一本の平角線を同一巻方向に曲げる曲げ部が形成され、互いに軸心をずらして積層された角筒形状の二つのコイル要素の内、一方のコイル要素に対して他方のコイル要素を積層方向が反転する方向に折り返して形成されたコイル部品であって、
前記二つのコイル要素を繋ぐ渡り部が前記曲げ部間に設けられ、前記渡り部で折り返されたこと、
前記折り返される前には、前記一方のコイル要素の一辺と前記他方のコイル要素の一辺とが隣り合うよう配置され、
前記折り返された後には、前記他方のコイル要素の一辺と、前記渡り部を介して連続する前記一方のコイル要素の他辺とが、並列して配置されたことを特徴とするコイル部品。 - 請求項4に記載されたコイル部品において、
前記渡り部には、螺旋状の折り返し部を有することを特徴とするコイル部品。 - 請求項4又は請求項5に記載されたコイル部品において、
前記渡り部を介して連続する前記他方のコイル要素の他辺が、該他方のコイル要素の外周側にずれて形成されたことを特徴とするコイル部品。
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