JP2013242271A - 半導体ガスセンサおよびその製造方法 - Google Patents

半導体ガスセンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】立ち上がり応答速度の早い半導体ガスセンサを実現することのできる技術を提供する。
【解決手段】Si層5上にゲート絶縁膜(例えばSiO膜)4が形成され、ゲート絶縁膜4上に改質TiOx(TiOxナノ結晶)膜1が形成されている。さらに改質TiOx膜1上にPt膜が形成されている。このPt膜は、複数のPt結晶粒3から構成され、複数のPt結晶粒3間にある結晶粒界間隙7にはTiと酸素(O)が存在し、特に粒界3重点近傍表面を中心にTiOxナノ結晶が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体材料を用いたガスセンサ(半導体ガスセンサ)およびその製造技術に関し、特に、水素ガスの検出に適し、信頼性が高く高感度であり、高温環境動作にも適用できる半導体ガスセンサおよびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
水素ガスの検出に用いられるガスセンサには、Pd(パラジウム)ゲート構造のSi−MOSFET(金属−酸化物−半導体電界効果型トランジスタ)型ガスセンサ(例えばI. Lundstrom et al., Applied Physics Letters, Vol.26, No.2, 15 January、55-57(1975)(非特許文献1))、およびPt(プラチナ)、その他のPt族金属をゲート金属に用いたSi−MOSFET型ガスセンサがある。しかし、これらガスセンサには、信頼性欠如の問題(例えばT. Usagawa et al., Journal of Applied Physics, Vol.108, 074909(2010)(非特許文献2)のIntroduction)がある。そのため、Ptゲート構造の場合、膜剥がれによる信頼性欠如およびプロセスラインの装置の汚染を防止するために、接着膜として、Ti(チタン)またはMo(モリブデン)などの金属膜をPt膜とゲート絶縁膜(例えばSiO(酸化シリコン)膜)との間に挿入する必要がある。しかし、上記接着膜を挿入すると、ガスセンサが水素に応答しなくなるという問題があった。
そこで、その問題を解決するため、Pt−Ti−O(プラチナ−チタン−酸素)ゲート構造のMISFET(金属−絶縁体−半導体電界効果型トランジスタ)型ガスセンサが開発されている。このPt−Ti−Oゲート構造のMISFET型ガスセンサについては、例えば特開2009−300297号公報(特許文献1)、T. Usagawa et al., Sensors and Actuators, B160, 105-114(2011)(非特許文献3)および前記非特許文献2に記載されている。
Pt−Ti−Oゲート構造は、ゲート絶縁膜(例えばSiO膜)上に、酸素ドープの非晶質Tiと、非晶質TiOx(酸化チタン)またはTiOxナノ結晶と、が混じり合って形成された酸素ドープTi膜(以下、改質Ti膜と言うこともある)を有し、この酸素ドープTi膜上にPt膜を有している。そして、Pt膜は複数のPt結晶粒から構成され、複数のPt結晶粒間にある粒界領域にはTiと酸素(O)が存在している(以下、改質Pt膜と言うこともある)。
特開2009−300297号公報
I. Lundstrom et al., Applied Physics Letters, Vol.26, No.2, 15 January、55-57(1975) T. Usagawa et al., Journal of Applied Physics, Vol.108, 074909(2010) T. Usagawa et al., Sensors and Actuators, B160, 105-114(2011) R. Loloee et al., Sensors and Actuators, B129, 200-210(2008) A. Branzahi et al., Sensors and Actuators, B26/27, 165(1995)
しかしながら、前述した従来のPt−Ti−Oゲート構造のMISFET型ガスセンサでは、その水素応答特性において、立ち上がり応答時間が数10秒から数100秒となるケースがあり、対策が必要になっていた。
一方、厳しい外部環境の中で用いるガスセンサには、例えばジーゼル自動車や原子力発電所の格納容器内において、排ガス(例えばアンモニア)や水素ガスを検出するニーズがある。この場合、原子力発電所などが何らかの理由で大きく壊れたりする激甚災害下、またはタービンやジーゼル内燃機関などの高温(例えば300℃から900℃)ガス環境下におけるガスセンサの使用が求められている。
しかし、前述した従来のPt−Ti−Oゲート構造のMISFET型ガスセンサでは、300℃から400℃程度の温度で数10日間動作させると、立ち上がり応答時間が数100秒と遅くなる現象が見つかっている。
高温(例えば800℃)での動作を目的とした水素ガスセンサとしては、例えばSiC(炭化シリコン(Silicon Carbide))を用いたSiC−MOSFET型ガスセンサ(例えばR. Loloee et al., Sensors and Actuators, B129, 200-210(2008)(非特許文献4))が検討されている。
しかし、センサ信号のドリフトや低濃度(52.2ppm)でも0.6V程度も正体不明の信号が検出されており、高温で長期間安定に動作するゲート電極、パッシベーション膜、ソース・ドレイン電極、およびヒータなどの基本的な技術が未だ確立されていない。特に、結晶性に起因する信頼性の問題以外に、信頼性の高いゲート電極が見つかっていないことが、実用化の最大の障害になっている。
例えばPtゲート構造における信頼性の最大の障害は、Pt膜の厚さが100nmでは、800℃の数時間アニールで数μmの穴(ボイド)が形成され、Pt膜の厚さが300nmでは、700℃のアニールで数μmの穴(ボイド)やクラックが形成されることである(例えばA. Branzahi et al., Sensors and Actuators, B26/27, 165-169(1995)(非特許文献5))。このため、高温におけるセンサ信号のドリフトおよび再現性に問題が生じる。
本発明の目的(第1目的)は、立ち上がり応答速度が極めて早い半導体ガスセンサおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的(第2目的)は、高温環境下(例えば250℃から900℃)において動作できる半導体ガスセンサおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的(第3目的)は、高温環境下(例えば300℃から900℃)において、立ち上がり応答速度が劣化することなく動作できる半導体ガスセンサおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態を簡単に説明すれば、次のとおりである。
この実施の形態は、半導体層と、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成された結晶膜と、結晶膜上に形成されたゲート電極と、半導体層に形成されたソース領域と、半導体層に形成されたドレイン領域と、を備える半導体ガスセンサである。結晶膜は、改質TiOx膜から構成され、ゲート電極は、複数の結晶粒から構成されるPt膜またはIr膜を有し、Pt膜またはIr膜は複数の結晶粒間にある粒界領域にはTiと酸素(O)が存在する。改質TiOx膜は、酸素ドープの非晶質Tiと、非晶質TiOxまたはTiOxナノ結晶と、が混じり合って形成された酸素ドープTi膜中のTiOxナノ結晶が大きく成長してTiOx微結晶領域を形成し、酸素ドープの非晶質Tiの領域が少ない構造である。
この実施の形態は、半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上にTi膜を形成する工程と、Ti膜上に複数のPt結晶粒または複数のIr結晶粒から構成されるPt膜またはIr膜を形成する工程と、その後、酸素(O)を含む雰囲気中で、熱処理温度が300℃から630℃、熱処理時間が2時間から2年のアニールを施す工程とを含む。そして、Ti膜の厚さは1nm以上、15nm以下であり、Pt膜またはIr膜の厚さは1nm以上、90nm以下である。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
立ち上がり応答速度が極めて早い半導体ガスセンサおよびその製造方法を提供することができる。
また、高温環境下(例えば250℃から900℃)において動作できる半導体ガスセンサおよびその製造方法を提供することができる。
また、高温環境下(例えば300℃から900℃)において、立ち上がり応答速度が劣化することなく動作できる半導体ガスセンサおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1によるPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後に、水素アニールを行い、その後、空気希釈1%水素を照射したときの水素応答特性を説明するグラフ図である。 本発明の実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETの要部断面図である。 本発明の実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETの要部断面図である。 Pt(15nm)−Ti(5nm)/SiO/Si基板構造のMISFETを400℃、128時間、空気雰囲気中でアニールした後のPt−Ti/SiO/Si基板の断面TEM写真である。 本発明の実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。 本発明の実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの要部断面図である。 本発明の実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの要部断面図である。 本発明の実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETに空気希釈1%水素を照射したときの水素応答特性を説明するグラフ図である。 本発明の実施の形態3による改良Ir−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態3による改良Ir−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの要部断面図である。 本発明者によって検討されたPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。 本発明者によって検討されたPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETにおけるソース・ドレイン電流(Ids)とゲート電圧(Vg)との関係を説明するグラフ図である。 本発明者によって検討されたPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETにおけるソース・ドレイン電流(Ids)と動作温度(絶対温度(T))との関係を説明するグラフ図である。 本発明者によって検討されたPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後に、空気希釈0.1%水素を照射したときの水素応答特性を説明するグラフ図である。 本発明者によって検討されたPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後の改良Pt−Ti−Oゲート構造の断面TEM写真である。 各種Pt−Tiゲート構造の各種アニール実験例の断面TEM写真である。(a)はPt(15nm)−Ti(5nm)/SiO/Si基板構造を400℃、2時間、空気雰囲気中でアニールした後、600℃、12日間、空気雰囲気中でアニールした後の断面TEM写真である。(b)はPt(15nm)−Ti(5nm)/SiO/Si基板構造を400℃、2時間、空気雰囲気中でアニールした後、700℃、12日間、空気雰囲気中でアニールした後の断面TEM写真である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる「ナノ結晶」とは、サイズがnm(ナノメートル)オーダー(nmから10数nmの範囲を通例表わす)の領域にある微細な結晶を言う。ナノ結晶は結晶の原子の数が数100個から数10,000個から成る多結晶体であり、ナノ結晶のサイズは分子より大きくバルク結晶よりは小さい。
また、以下の実施の形態では、酸素ドープの非晶質Tiと、非晶質TiOxまたはTiOxナノ結晶と、が混じり合って形成された酸素ドープTi膜を改質Ti膜と言う。また、改質Ti膜中のTiOxナノ結晶が大きく成長したTiOx微結晶が大半を占める膜を改質TiOx膜と言い、この改質TiOx膜では、TiOx微結晶領域が形成されることにより、酸素ドープの非晶質Tiの領域は少なくなる。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態によるガスセンサの構造がより明確となると思われるため、比較例として、本発明者によって検討された、本願発明が適用される前の従来のPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFET型ガスセンサの構造およびその特性、ならびに従来のSiC−MOSFET型ガスセンサの特性について説明する。
(1)本発明者によって検討された従来のPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFET型ガスセンサの構造およびその特性について、図12〜図17を用いて説明する。
例えば前記特許文献1および前記非特許文献2,3に記載されているように、従来のPt−Ti−Oゲート構造は、Pt/Ti積層構造(Ti膜上にPt膜が積層された構造)に、例えば酸化温度400℃を施すことにより形成され、Ti膜への酸素(O)の浸入に伴い、Ti膜のTiをPt結晶粒界を通じてPt膜の表面に流失させて、Pt膜にかかる応力を緩和させている。これにより、Ti膜の厚さをほぼ一定に保ち、Pt結晶粒の剥がれを阻止している。
図12は、従来のPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。
Si(シリコン)層5上にゲート絶縁膜4(例えばSiO膜)が形成され、ゲート絶縁膜4上に改質Ti膜6が形成されている。改質Ti膜6は、酸素ドープの非晶質Ti11Aと、非晶質TiOxまたはTiOxナノ結晶11とが混ざり合って形成された酸素ドープTi膜である。この改質Ti膜6上にPt膜(ゲート電極)が形成されている。このPt膜は、複数のPt結晶粒3から構成され、複数のPt結晶粒3間にある結晶粒界間隙7にはTiと酸素(O)とが存在している。改質Ti膜6はゲート絶縁膜4とPt膜との密着性を維持する効果も有する。
図13は、従来のPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETにおけるソース・ドレイン電流(Ids)とゲート電圧(Vg)との関係を説明するグラフ図である。ゲート長(Lg)は10μm、ゲート幅(Wg)は150μmである。ソースとp型のウェルをアースにし、ソース・ドレイン電圧(Vds)を1.5Vに固定して、ゲート電圧(Vg)を−5Vから+5Vに変化させた時のソース・ドレイン電流(Ids)を測定した。パラメータは、Si−MISFETの動作温度であり、53℃から351℃までの範囲において選択した7点の温度(53℃、118℃、162℃、216℃、270℃、324℃、および351℃)である。グラフ図の縦軸はソース・ドレイン電流(Ids)を示し、横軸はゲート電圧(Vg)を示す。なお、ここでは、nチャネル型のMISFETの測定結果を示すが、pチャネル型のMISFETにおいても同様の測定結果が得られている。
図14は、前述の図13において、ゲート電圧(Vg)を−1.5V、ドレイン電圧(Vds)を1.5Vとしたときの、ソース・ドレイン電流(Ids)と動作温度(絶対温度(T))との関係を説明するグラフ図である。グラフ図の縦軸はソース・ドレイン電流(Ids)を示し、横軸は1000/絶対温度(T)を示す。図14中の点線は、53℃から351℃までの範囲で測定した7点の温度におけるデータの最小2乗フィッティング関数を表しており、点線のアレニウスプロットから得られる活性化エネルギーは、Si半導体のバンドギャップのほぼ半分である。
通常、ガスセンシングにおいては、ソース・ドレイン電流は10μAから100μA程度で使用されており、センサ強度の温度依存性も考慮すると、ガスセンサとして使用できる上限は270℃程度である。
図15は、従来のPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後に、空気希釈0.1%水素を照射(ガス照射)したときの水素応答特性を説明するグラフ図である。グラフ図の縦軸は水素応答強度(ΔVg)を示す。Pt膜の厚さは15nm、Ti膜の厚さは5nm、SiO膜の厚さは18nmである。センサ動作温度は115℃である。
Si−MISFET型ガスセンサでは、300℃から400℃程度の温度から、水素終端が外れ始める現象(ガス照射時の立ち上がり応答時間が数100秒程度まで遅くなり、しきい値電圧(Vth)が大きくシフトし、残留応答強度(ΔVgres)が発生する現象)が生じていた。事実、400℃、68日間の空気雰囲気中でアニールを行う前では、ガス照射時の立ち上がり時間が数秒と短く、ガス照射をやめた時の残留応答時間も短かった。
しかし、400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールすることにより、ゲート絶縁膜(SiO膜)と半導体(Si)との界面近傍において水素終端していた水素が抜けるため、ガス照射時の立ち上がり時間が300秒程度まで遅くなり、ガス照射をやめた時の残留応答時間が長くなる。さらには、ガス照射後、しきい値電圧(Vth)が大きくシフトして固定され、残留応答強度(ΔVgres)が0.3V程度残る現象が現れている。
前述の図15に示した水素応答特性を測定した試料について、断面TEM(Transmission Electron Microscope:透過電子顕微鏡)による観察を行った。
図16は、実際に作製した従来のPt−Ti−Oゲート構造のMISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後の改良Pt−Ti−Oゲート構造の断面TEM写真である。Pt膜の厚さは15nm、Ti膜の厚さは5nm、SiO膜の厚さは18nmである。
図16(a)、および図16(a)の拡大図である図16(b)は暗視野像であり、Ti膜は、TiOxナノ結晶が大きく成長し(TiOx微結晶)、酸素ドープの非晶質Tiの領域が非常に少なくなる構造(改質TiOx膜)に変化していることがわかる。
この例では、TEM観察から、TiOx微結晶領域の割合が酸素ドープの非晶質Tiの領域の割合よりも大きくなり、TiOx微結晶領域が改質TiOx膜の75%程度を占めていると判断することができる。
一方、図16(b)の明暗を逆転させた明視野像を図16(c)に示す。図16(c)中における符号2−10、2−8などは、Pt結晶粒界にTiと酸素(O)が蓄積しているため黒っぽく見え、TEM−EDX分析からもTiと酸素(O)が蓄積していることが明瞭に示されている。また、Pt膜上にPtの微結晶2−1が部分的にPt膜の表面から柱状に析出することが分かったが、表面の特異点として振舞うので、このような特異点は、水素分子などをより効率的に水素原子に分解するガス触媒機能を持つので、ガスセンサとしては、ガス触媒機能を向上させる効果がある。
(2)本発明者によって検討された従来のSiC−MISFET型ガスセンサの特性について説明する。
SiC−MISFET型ガスセンサを構成するSiC半導体では多くの結晶多形が存在する。これまで最も良く用いられてきた4H−SiCと3C−SiCを例にとると、バンドギャップ(Eg)は、4H−SiCで3.26eV、3C−SiCで2.36eVであり、Siに比べて2倍から3倍程度大きいので、300℃から1000℃の高温でも、ソース・ドレイン間のリーク電流は非常に小さくできる。従って、高温動作環境(300℃から1000℃)下で、水素ガス等のガスを計測できる可能性があり、これが大きな長所になる。
このSiC−MISFET型ガスセンサの課題は、結晶性に起因する信頼性の問題以外では、このような高温で長期間安定に動作させることが可能な技術、特にゲート電極に関する高い信頼性を実現するための技術開発である。
つまり、従来のPtゲート構造のSiC−MISFET型ガスセンサは、ゲート電極を構成する金属(Pt)がポーラス構造になっており、そのためガスセンシングが可能になり、5日程度から480時間の動作期間を確保することができる。しかし、センシングゲート電圧のドリフトが非常に顕著となる。例えば前記非特許文献4の図4では、水素濃度が52.2ppmにおいても正体不明の0.6V近くのセンサ信号があり、1時間程度の測定時間で100mV程度のドリフトが見え、上記図4からはドリフトが収束する様子は見られない。
Pt(100nm)がポーラス構造になっていることは、例えば前記非特許文献5に記載されたSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)観察結果(前記非特許文献5の図1および図4)からも分かる。すなわち、高温加熱された100nm程度の厚さのPt膜に共通する性質と考えられる。前記非特許文献5によれば、特に、Ptゲート構造における信頼性の最大の障害は、Pt膜の厚さが100nmでは、800℃の数時間アニールで数μmの穴(ボイド)が形成され、Pt膜の厚さが300nmでは、700℃のアニールで数μmの穴(ボイド)やクラックが形成されることが報告されている。Pt膜の厚さが300nmと厚くても700℃以上の高温では、単純なPt膜では、穴(ボイド)やクラックが発生し、ガスセンサのゲート電極としての信頼性を欠く要因になっていた。
一方、本発明者は、Pt−Ti−Oゲート構造を雰囲気ガス中で高温に晒した時、Pt粒がどの温度で剥がれるかおよびボイドが発生するかを系統的に調べた。
初期値のPt−Ti−Oゲート構造として、Si基板上に厚さ124nmの熱酸化膜(SiO膜)を形成し、さらにEB法(電子ビーム蒸着法)により、厚さ5nmのTi膜および厚さ15nmのPt膜を形成した後、400℃、2時間、空気中でアニールを行った。その後、475℃において56日間、空気中のアニール、および600℃、630℃、650℃、700℃においてそれぞれ12日間、空気中のアニールを行い、断面TEM写真観察、SEM表面観察、光学顕微鏡による表面観察を行った。
その結果、650℃から、部分的な剥がれが発生し、700℃では、前記特許文献1の図19とほぼ同じ円盤状のPt粒(幅160nmから280nm程度、高さ60nmから100nm程度)がTi酸化物上に散らばる特有な剥がれ構造が出現した。一方、475℃、600℃、630℃では、改良Pt−Ti−Oゲート構造を実現できることがわかってきた。図17(a)および(b)に600℃、12日間のアニールを行った試料および700℃、12日間のアニールを行った試料の断面TEM写真を示す。
600℃、12日間のアニールを行った試料では、TEM観察からTiOx微結晶領域と酸素ドープの非晶質Tiの領域との割合は、TiOx微結晶領域が90%程度であると判断することができる。前述の図16に示した試料と比べて、TiOx微結晶領域の割合が増えているのは、より高温でアニールしたためと考えられる。
このような15nm程度のPt薄膜の酸素雰囲気中の高温アニールでは、前記非特許文献5に示されるような単純なPt膜での数μmの穴(ボイド)やクラックとは異なる現象を引き起こすと考えられる。ゲート絶縁膜(SiO膜)に強く接着した改質Ti膜上の改質Pt膜は、温度の上昇に伴い熱膨張し、ある温度で、改質Pt膜は、改質Ti膜との界面の全面に渡り接着することができず、15nm程度の薄膜では、改質Pt膜と改質Ti膜との界面において部分的に微小な剥がれが発生すると考えられる。その剥がれが生じた改質Pt膜の断裂部分から大量の酸素が改質Ti膜に流れ込み、改質Ti膜は改質TiOx膜に変質する。
一方、さらに15nm程度のPt薄膜では、バルク状態での融点(Pt:1774℃、Ti:1727℃)とは大きく異なり、650℃(絶対温度923K)程度の温度から、溶液に近い柔らかい膜になり、自身の表面張力により、前述した円盤状のPt粒に凝集する。そのため、本来、Ptは1774℃(絶対温度2047K)が融点であるにもかかわらず、650℃(絶対温度923K)程度の温度から、溶液に近い性質を示し始める。
後述する図5に示すように、厚さが15nmのPt膜と厚さが100nmから300nmのPt膜(前記非特許文献5)との間に位置する試料(Pt膜の厚さ78nm、Ti膜の厚さ32nm)を空気雰囲気中で400℃、128時間のアニールを行った場合のTEM観察およびTEM−EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分光法)分析を行った結果を示している。ゲート絶縁膜はSiO膜であり、その厚さは16nmである。
この場合には、Pt粒界に酸素が流入し、酸素を吸蔵してTi膜が膨張したことに伴う応力によるPt粒団の剥がれが見られる。前記非特許文献5の場合には、Pt膜の下地層としてのTi膜は形成されていないので、同じ700℃のアニールであっても数μmの穴(ボイド)やクラックの形成メカニズムは異なると思われる。つまり、図17(b)の700℃、12日間のアニールを行った試料の断面TEM写真例に示される円盤状のPt粒への凝集のような溶液に近い性質を示していない。
一方、Pt薄膜を用いる限り、長時間にわたり、改良Pt−Ti−Oゲート構造を維持できるのは、雰囲気ガスの成分および圧力にも依存するが、上記議論の通り、630℃が上限である。しかし、実際には、1000℃近辺までのガスセンシングの要求があり、SiC半導体では動作可能な温度なので、630℃以上でも長時間安定に動作できる触媒ゲート構造の実現が望まれる。
ガスセンシングの信頼性を考えた場合、ゲート構造に数μmの穴(ボイド)やクラックを有するのは好ましくない。そこで、本発明者は、このようなポーラス構造でない改質Pt−Ti−Oゲート構造と同種で、1000℃近辺までのガスセンシングできる触媒ゲート構造を探索した。上記考え方が正しければ、Ptと同じく酸化し難く、Ptより融点が高い触媒金属があれば、実現できると考えられた。
そこで、Ptと同じ白金族(Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Os(オスミウム)、およびIr(イリジウム))を検討した。Ru、Rh、およびPdは、酸化物を容易に作ることから候補外とし、Osも融点は2700℃と高いが、毒性酸化物を作るので候補外とした。Irは融点が2454℃とPtより680℃も高く、容易に酸化されないので、有力な候補物質と判断した。
そこで、初期値のIr−Ti−Oゲート構造として、Si基板上に厚さ124nmの熱酸化膜(SiO膜)を形成し、EB法(電子ビーム蒸着法)により、厚さ5nmのTi膜および厚さ15nmのIr膜を形成した後、400℃、2時間、空気中でアニールを行った。その後、600℃、700℃、800℃、900℃、930℃において12日間、空気中のアニール処理を行うと、改質Ir−Ti−Oゲート構造(改質Pt−Ti−Oゲート構造でPtをIrに置き換えた構造)を保持していることがわかった。
次に、本実施の形態による具体的なSi−MISFET型ガスセンサおよびSiC−MISFET型ガスセンサおよびその製造方法について述べる。実施の形態1では、Si−MISFET型ガスセンサの構造およびその特性について説明し、実施の形態2および3では、SiC−MISFET型ガスセンサの構造およびその特性について説明する。実施の形態4では、Si−MISFET型ガスセンサおよびSiC−MISFET型ガスセンサのそれぞれの特性について説明する。
(実施の形態1)
本発明者は、Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETに対して、空気雰囲気中で400℃、68日間のアニール(熱処理)を施した。Pt膜の厚さは15nm、Ti膜の厚さは5nm、SiO膜の厚さは18nmである。また、ゲート長(Lg)は10μm、ゲート幅(Wg)は150μmである。これにより、改質Ti膜中のTiOxナノ結晶(TiOx微結晶)が大きく成長し、酸素ドープの非晶質Tiの領域が非常に少なくなる構造変化が見出された(以下、TiOxナノ結晶(TiOx微結晶)から構成される結晶膜を改質TiOx膜と言う)。この現象は、5nm程度の極薄膜において現れるものであり、通常のバルクTi膜では、TiOxナノ結晶が大きく成長することはない。Tiの融点1727℃に比べて、比較的低温でも改質Ti膜中のTiOxナノ結晶が大きく成長するという現象は本発明者によって新たに見出された現象である。本構造を改良Pt−Ti−Oゲート構造と呼んで、これまでの構造(前述した従来のPt−Ti−Oゲート構造)と区別する。
しかし、Pt膜は、複数のPt結晶粒から構成され、複数のPt結晶粒間にある粒界領域にはTiと酸素(O)が存在するという特徴、およびPt結晶粒界、特に粒界3重点近傍表面を中心にTi膜から流失してきたTiの酸化により、TiOxナノ結晶が形成されるという特徴は変わらない。
そこで、改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETに対して種々の実験を行った。その結果、さらに水素アニールを追加することにより、ガスセンサにおける立ち上がり応答時間が、数秒と極めて高速応答することを本発明者は新たに見出した。
また、水素アニールを追加した改良Pt−Ti−Oゲート構造では、水素ガス照射を切った後、ガスセンサから水素が抜ける過程において、改質Ti膜やSiO膜中に存在する遅い時定数をもつ水素トラップに由来する長時間での水素応答のテール残りを除去することができる。これは、改質Ti膜中の酸素ドープの非晶質Tiの割合が、改良Pt−Ti−Oゲート構造では、非常に少なくなり、遅い時定数をもつ水素トラップが少なくなった効果であると考えられる。
次に、本実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFET型ガスセンサの基本的な構成および実験結果について図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。
Si層5上にゲート絶縁膜4(例えばSiO膜)が形成され、ゲート絶縁膜4上に改質TiOx膜(TiOxナノ結晶(TiOx微結晶)から構成される結晶膜)1が形成されている。さらに改質TiOx膜1上にPt膜(ゲート電極)が形成されている。このPt膜は、複数のPt結晶粒3から構成され、複数のPt結晶粒3間にある結晶粒界間隙7にはTiと酸素(O)とが存在し(図1中、Tiと酸素(O)が存在する部分を符号2で示す)、Pt結晶粒界、特に粒界3重点近傍表面を中心にTiOxナノ結晶62(TiOx微結晶)が形成されている(改質Pt膜)。改質TiOx膜1はゲート絶縁膜4とPt膜との密着性を維持する効果も有する。図1中、符号9は、ゲート電圧に依存するキャリア反転層を示している。
図2は、Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後に、水素アニールを行い、その後、空気希釈1%水素を照射したときの水素応答特性を説明するグラフ図である。グラフ図の縦軸は水素応答強度(ΔVg)を示す。Pt膜の厚さは15nm、Ti膜の厚さは5nm、SiO膜の厚さは18nmである。
図2に示すように、立ち上がり時間は数秒であり、しきい値電圧(Vth)のシフトはなくなり、残留応答強度(ΔVgres)もなくなった。
本実施の形態1では、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定し、400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールすることにより改良Pt−Ti−Oゲート構造を作製した。しかし、実用的には、短時間でのアニールが好ましい。そのためには、例えば400℃、7日間、酸素雰囲気中でアニールする、または例えば450℃、1日程度でアニールするなどの方法を採用してもよい。これにより、改良Pt−Ti−Oゲート構造を実現することができる。
300℃のような低温で、2年程度酸素雰囲気中でアニールを続ければ、改良Pt−Ti−Oゲート構造を形成できるが、300℃程度が、低温の限界である。
改良Pt−Ti−Oゲート構造では、改質Ti膜中のTiOxナノ結晶が大きく成長してTiOx微結晶領域を形成し、酸素ドープの非晶質Tiの領域が非常に少なくなる構造(改質TiOx膜)を用いることが1つのポイントである。しかし、アニール温度、酸素雰囲気ガス種、アニール時間などの具体的な値により、TiOx微結晶領域と酸素ドープの非晶質Tiの領域の割合を正確に制御することは難しい。そこで、改質TiOx膜中にTiOx微結晶領域が50%以上形成できれば、水素ガスや他のガスへの応答特性において、ほぼ同じ応答特性が得られることから、TiOx微結晶領域を50%以上から100%の割合で含むものを改質TiOx膜と定義する。
本実施の形態1に示した改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFET型ガスセンサでは、Ti膜の代わりに、W(タングステン)膜、Mo(モリブデン)膜、Nb(ニオブ)膜、Ta(タンタル)膜、Cr(クロム)膜、またはSn(錫)膜を用いても同様な手法によりガスセンサを形成できることは言うまでもない。
次に、本実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETの製造方法を図3および図4を用いて説明する。図3および図4は改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETの要部断面図である。ここでは、本実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFETの主要部分である改良Pt−Ti−Oゲート構造を作製する部分および酸素(O)を含む雰囲気中でのアニールについて主に説明する。
チップサイズは、例えば2mm×2mmである。ゲート長(Lg)が10μm、ゲート幅(Wg)が150μmのnチャネル型のMISFETである。
まず、図3に示すように、半導体基板29にp型不純物を導入して、p型の半導体層(p型のウェル)28を形成した後、p型の半導体層28に局所酸化膜26a,26bを形成する。局所酸化膜26bは、ゲート電極形成領域を定義するため、局所酸化を行って、例えば厚さが250nmのSiO膜から形成される。次に、p型の半導体層28の表面にn型チャネル領域を形成するため、不純物のイオン注入をドーズ量10×1011/cmで行う。その後、p型の半導体層28内にソース領域27aとドレイン領域27bとなるn型半導体領域を形成するためのイオン注入を行い、Si−MISFETの能動層を形成する。
次に、半導体基板29に対して前処理を実施した後、p型の半導体層28の表面に厚さが18nmのゲート絶縁膜25を形成する。このゲート絶縁膜25は、例えばSiO膜から構成され、水蒸気雰囲気中の熱酸化法により形成することができる。その後、例えばリフトオフ法により、ゲート絶縁膜25上にTi膜(図示は省略)およびPt膜から成るゲート電極20を形成する。Ti膜の厚さは、例えば5nmであり、Pt膜の厚さは、例えば15nmである。
このとき、図3に示すように、ゲート電極20の形成領域を規定する局所酸化膜26bに合わせてソース領域27aとドレイン領域27bとを構成するn型半導体領域が形成されている。そして、ゲート電極20は、ゲート絶縁膜25上だけでなく、局所酸化膜26bの淵上を覆うように形成され、ゲート電極20の端部がn型半導体領域の端部上と重なるように配置される。これは、本実施の形態1では、Si−MISFETの形成方法として主流であるゲート電極20に対して自己整合的にn型半導体領域を形成する技術が使えないからである。Ti膜およびゲート電極20を構成するPt膜は、例えば電子線照射蒸着法で形成される。
次に、高純度の空気雰囲気中において、熱処理温度が400℃、熱処理期間が68日間の空気アニールを実施することにより、前述の図1に示す本実施の形態1の特徴であるゲート構造を実現することができる。
その後、ゲート電極20上を含む半導体基板29上にPSG(リンドープガラス)から成る絶縁膜24を形成する。そして、この絶縁膜24を貫通するコンタクトホールを形成し、表面処理などの工程を経る。絶縁膜24の厚さは、例えば500nmである。そして、コンタクトホール内を含む絶縁膜24上にSiを含有するAl(アルミニウム)膜から成るソース電極21およびドレイン電極22を形成する。ソース電極21およびドレイン電極22の厚さは、例えば500nmである。ゲート電極20の引き出し線は省略している。
また、図4に示すように、チップを加熱するヒータとして、ソース電極21やドレイン電極22と同じSiを含有するAl膜から構成される配線46も形成する。この配線46の配線幅は、例えば20μmであり、配線長は、例えば29,000μmである。
次に、水素濃度が1%の窒素雰囲気中において、熱処理温度が380℃、熱処理時間が30分の水素アニールを実施する。
次に、ソース電極21、ドレイン電極22、および配線46を覆うようにパッシベーション膜として機能する絶縁膜23を半導体基板29上に形成する。この絶縁膜23は、例えばPSG(リンドープガラス)および窒化シリコン膜の積層膜から構成される。窒化シリコン膜は、低温プラズマCVD法により形成され、その厚さは、例えば700nmである。
最後に、ボンディングワイヤと接続するために電極パッド(図示は省略)上に開口部を形成し、かつ、センサ部であるゲート電極20を露出するように開口部を形成する。
このとき、同一のチップ内にゲート電極20上の絶縁膜23,24を除去しない、つまり、水素に応答しない参照Si−MISFETも同時に形成する場合がある。この場合には、センサSi−MISFETと参照Si−MISFETのしきい値電圧(Vth)は、同一の空気アニールと水素アニールとを施しているため、しきい値電圧(Vth)はほぼ同じ値になる。
本実施の形態1の場合、ドレイン電圧(Vds)を1.5Vとし、ソース領域27aとp型の半導体層28との間をショートした状態で、ドレイン電流(Ids)が10μAになるゲート電圧(Vg)をしきい値電圧(Vth)と定義すると、しきい値電圧(Vth)は1.1Vであった。また、標準的なチップ実装では、配線抵抗は、チップ温度115℃において240Ω、170℃において280.5Ωであった。このように改良Pt−Ti−Oゲート構造を用いることにより、前述の図2に示すように、水素ガス照射時の立ち上がり応答時間が数秒であり、しきい値電圧(Vth)のシフトがなく、残留応答強度(ΔVgres)のないSi−MISFET型ガスセンサを実現することができる。
本実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造では、水素ガス照射を切った後、ガスセンサから水素が抜ける過程において、改質Ti膜やSiO膜中に存在する遅い時定数をもつ水素トラップに起因する長時間での水素応答のテール残りを除去できる効果がある。これは、本実施の形態1による改良Pt−Ti−Oゲート構造では、改質Ti膜中の酸素ドープの非晶質Tiの割合が非常に少なくなったことにより、遅い時定数をもつ水素トラップが少なくなった効果である。
前述した実施の形態1によるSi−MISFETの製造方法では、ゲート絶縁膜には、SiO膜を用いたが、SiO膜上にTa(酸化タンタル)膜、Al(アルミナ)膜、またはSi(窒化シリコン)膜などの絶縁膜を形成した積層膜を用いてもよく、この積層膜を形成した後、前述した製造工程と同様に、Ti膜、およびPt膜から成るゲート電極20を形成する。
また、前述した実施の形態1によるSi−MISFETの製造方法では、改良Pt−Ti−Oゲート構造の作製において、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定し、空気雰囲気中でアニールを行ったが、酸素(酸素ガス)雰囲気中、Arで希釈された酸素(酸素ガス)雰囲気中、またはN(窒素)で希釈された酸素(酸素ガス)雰囲気中でアニールを行ってもよい。
また、前述した実施の形態1によるSi−MISFETの製造方法では、改良Pt−Ti−Oゲート構造の作製において、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定し、熱処理温度が400℃の空気雰囲気中のアニールを68日間行ったが、酸素雰囲気中でアニールすることにより、熱処理温度が400℃でも熱処理時間を7日間程度に短縮することができる。
また、前述した実施の形態1によるSi−MISFETの製造方法では、改良Pt−Ti−Oゲート構造の作製において、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定し、熱処理温度が400℃の空気雰囲気中のアニールを68日間行ったが、熱処理温度としては、350℃から500℃までの温度範囲で行うことができる。例えば熱処理温度が500℃の場合、前述の図1に示した改良Pt−Ti−Oゲート構造は5時間程度の熱処理時間で形成することができる。
また、前述した実施の形態1によるSi−MISFETの製造方法では、改良Pt−Ti−Oゲート構造の作製において、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定して、Si−MISFETの製造方法を説明したが、Ti膜の厚さおよびPt膜の厚さは、これに限定されるものではない。例えば水素ガス濃度0.1%の検出では、Ti膜の厚さは10nm以下、Pt膜の厚さは30nm以下にすることができる。さらに、例えば水素ガス濃度50%の検出では、応答できるPt膜の厚さの上限は90nm程度であった。この場合、Ti膜の厚さは5nm以上、最大15nm程度が限度である。例えばTi膜の厚さを30nm、Pt膜の厚さを90nmとし、例えば空気雰囲気中で熱処理温度400℃のアニールを200時間程度実施すると、Pt膜の剥がれが起こり、水素ガスには応答しなくなる。
実際、水素ガス濃度0.1%の検出では、水素応答強度(ΔVg)については、Ti膜の厚さが5nmと薄い場合、Pt膜の厚さが30nmまでは水素ガスに応答する。しかし、Pt膜の厚さが45nmでは、空気雰囲気中で128時間のアニールを実施しても水素ガスに応答しない。Ti膜が存在しない場合には、Pt膜の厚さが90nm程度までは水素ガスに応答する事が報告されているので、センサ応答を阻害するTi膜の挿入効果が現れていると考えられる。
この特徴的な現象を理解するために、空気雰囲気中で400℃、128時間のアニールを行った試料(Pt膜の厚さ78nm、Ti膜の厚さ32nm)のTEM観察およびTEM−EDX分析を行った。その結果を図5に示す。ゲート絶縁膜はSiO膜であり、その厚さは16nmである。
図5中の表面において剥がれた部分は、EDX分析から、Pt結晶粒のブロックであり、濃くみえる第2部分、第7部分、および第8部分(丸印)のFFT像(高速フーリエ変換像)からPt微結晶であることが判明している。白くみえる第1部分、第3部分、第4部分、第5部分、および第6部分(丸印)はチタン酸化物である。特に第1部分、第4部分、および第5部分は、Tiの酸化のため、膜厚が増加している。
このTEM観察から分かるのは、Ti膜が厚くなると、Pt結晶粒界から浸潤した酸素(O)によってPt結晶粒界下のTi膜が膨張し、ある時間でPt結晶粒のブロックが剥離することである。Pt結晶粒が剥離した後、Ti膜は急激に酸化されると考えられる。Pt膜/Ti膜の積層膜全体としては、Pt膜で覆われているので、しきい値電圧(Vth)はPt膜で支配されることになる。しかし、さらにTi膜の酸化が進めば、Pt膜で覆われる領域が減少して、しきい値電圧(Vth)が漸減するものと推定される。
しかし、第4部分、第5部分、第6部分、および第8部分は、局部的にTiがTiOに変質する過程でPt(第8部分)がTiO(第4部分および第5部分)の下部に浸潤しており、この部分ではPt浸潤による剥がれが発生している。このようなPt浸潤による剥がれという現象は改めて確認されたものであり、剥がれを発生させないPt膜の厚さとTi膜の厚さとの組合せが決定的に重要であるということが言える。
加熱温度を下げて、超長時間加熱することが許されれば、前述の図5に示したように、Ti膜の厚さが32nmと厚くても非常にゆっくりと酸素をPt結晶粒界から浸入させて、Ti膜の膨張を非常にゆっくりなものにしてTiをPt結晶粒界からゆっくり流出させていけばよい。これにより、Ti膜の膨張に伴う応力発生によるPt膜の剥がれを抑制できる可能性はある。しかし、現実的な加熱時間を考えれば、水素ガス濃度0.1%の検出では、Ti膜の厚さは1nmから10nmの範囲、Pt膜の厚さは1nmから30nmの範囲である。また、水素ガス濃度50%程度まで、水素ガス濃度を検出できるPt膜の厚さとTi膜の厚さとの組み合わせは、Pt膜の厚さは最大90nm程度であり、Ti膜の厚さは3nmから15nm程度までが限度である。
本実施の形態1に示した改良Pt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFET型ガスセンサでは、Ti膜の代わりに、W膜、Mo膜、Nb膜、Ta膜、Cr膜、またはSn膜を用いても同様な手法によりガスセンサを形成できることは言うまでもない。
本実施の形態1では、配線46を形成した後に、水素濃度が1%の窒素雰囲気中において、熱処理温度が380℃、熱処理時間が30分の水素アニールを実施した。しかし、水素の代わりに重水素を用いて、熱処理温度が400℃、熱処理時間が60分の重水素アニールを実施すれば、水素離脱を400℃程度まで阻止することができる。また、重水素アニールの効果は、前述の図12に示す従来構造のPt−Ti−Oゲート構造のSi−MISFET型ガスセンサについても、ゲート絶縁膜近傍の水素トラップの終端機能があり、水素離脱を400℃程度まで阻止できるようになり、高速応答および残留応答強度の低減に同様な効果がある。通例、水素濃度または重水素濃度が0.1%から3.5%の水素ガスまたは重水素ガスを用いている。
(実施の形態2)
改良Pt−Ti−Oゲート構造は、400℃、68日間の長期にわたるアニールにより構造が安定化するので、改良Pt−Ti−Oゲート構造をSiC−MISFETのゲート電極に適用することで、400℃程度の温度において長期間安定に動作させることができる。このゲート構造を採用した改良Pt−Ti−O/SiO/SiC基板構造は非常に安定である点が、従来のPt(100nm)/SiO/SiC基板構造(前述した前記非特許文献4の201頁左コラム下から3行目にPt100nmと記載)と異なる点である。
SiC−MISFET型ガスセンサを形成する製造過程において、ゲート絶縁膜(例えばSiO膜)を形成した後に、800℃から1000℃、30分間程度の水素アニールを行い、SiO/SiC界面近傍において水素終端をする。これにより、水素終端が外れ始める現象(ガス照射時の立ち上がり応答時間が数100秒程度まで遅くなり、しきい値電圧(Vth)が大きくシフトし、残留応答強度(ΔVgres)が発生する現象)を止めることができて、水素応答特性の劣化を防ぐことができる。
次に、本実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFET型ガスセンサの基本的な構成について図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図である。
SiC層10上にゲート絶縁膜(例えばSiO)4が形成され、ゲート絶縁膜4上に改質TiOx膜1が形成されている。さらに改質TiOx膜1上にPt膜(ゲート電極)が形成されている。このPt膜は、複数のPt結晶粒3から構成され、複数のPt結晶粒3間にある結晶粒界間隙7には酸素(O)とTiが存在し(図6中、Tiと酸素(O)が存在する部分を符号2で示す)、特に粒界3重点近傍表面を中心にTiOxナノ結晶62が形成されている(改質Pt膜)。図6中、符号9は、ゲート電圧に依存するキャリア反転層を示している。
次に、本実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの製造方法を図7および図8を用いて説明する。図7および図8は改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの要部断面図である。ここでは、本実施の形態2による改良Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの主要部分である改良Pt−Ti−Oゲート構造を作製する部分について主に説明する。
ゲート長(Lg)が20μm、ゲート幅(Wg)が300μmのnチャネル型のMISFETを作成した。
まず、図7に示すように、p型の4H−SiC8°オフ半導体基板39を準備する。この半導体基板39上にホモエピタキシャル技術により、例えば10μm程度の厚さのp型の半導体層(p型のウェル)38を形成する。p型の半導体層38の正孔濃度は、例えば7.5×1015/cmである。続いて、酸化膜をマスクとして、p型の半導体層38にn型不純物、例えばP(リン)をイオン注入して、不純物濃度が1×1020/cm、p型の半導体層38の表面からの深さが200nm程度のソース領域37aとドレイン領域37bを形成する。続いて、p型の半導体層38にN(窒素)をイオン注入する。ドーズエネルギーは、例えば2.5keVと5.5keVであり、それぞれのドーズ量は、例えば10×1011/cmである。その後、Ar(アルゴン)雰囲気中で、1300℃、20分のArアニールを行う。
次に、半導体基板39に対して前処理を実施した後、ウェット酸化法により、p型の半導体層38の一部表面にゲート絶縁膜35を形成する。ゲート絶縁膜35は、例えばSiO膜から構成され、その厚さは、例えば30nmである。ウェット酸化法では、例えば850℃、30分の熱酸化と1100℃、6時間の熱酸化を行う。このウェット酸化法により、ソース領域37aおよびドレイン領域37bのp型の半導体層38の表面にも、厚さ60nmの局所酸化膜36が形成される。ソース領域37aおよびドレイン領域37bでは、先のイオン注入によりp型の半導体層38の表面近傍がアモルファス状となっているので、増殖酸化により、ゲート絶縁膜35よりも厚い局所酸化膜36が形成される。
次に、水素濃度が1%に希釈されたAr雰囲気中(Ar希釈1%水素)で、熱処理温度が800℃から1000℃、熱処理時間が30分の水素アニールを行う。この場合、水素の代わりに重水素を用いれば、水素終端の保持力が向上することは、実施例1と同様である。通例、水素濃度が0.1%から3.5%の水素ガスを用いている。
その後、例えばリフトオフ法により、ゲート絶縁膜35上にTi膜(図示は省略)およびPt膜から成るゲート電極30を形成する。Ti膜とPt膜とは連続成膜される。Ti膜の厚さは、例えば5nmであり、Pt膜の厚さは、例えば15nmである。
このとき、図7に示すように、ゲート電極30の形成領域を規定する局所酸化膜36に合わせてソース領域37aとドレイン領域37bとを構成するn型半導体領域が形成される。そして、ゲート電極30は、ゲート絶縁膜35上だけでなく、局所酸化膜36の淵上を覆うように形成され、ゲート電極30の端部がn型半導体領域の端部上と重なるように配置される。これは、本実施の形態2では、SiC−MISFETの形成方法として主流であるゲート電極30に対して自己整合的にn型半導体領域を形成する技術が使えないからである。Ti膜およびPt膜は、例えば電子線照射蒸着法により形成され、成膜速度は、例えば10nm/1分である。
次に、高純度の空気中において、熱処理温度が400℃、熱処理期間が68日間の空気アニールを実施することにより、前述の図6に示す本実施の形態2の特徴であるゲート構造を実現することができる。ここで、水素または重水素の濃度が0.1から3.5%程度の窒素雰囲気中において、熱処理温度が400℃から630℃程度で、熱処理時間が30分の水素アニールを実施することもできる。
その後、ゲート電極30上を含む半導体基板39上にPSG(リンドープガラス)から成る絶縁膜34を形成する。そして、この絶縁膜34を貫通するコンタクトホールを形成し、表面処理などの工程を経る。そして、コンタクトホール内を含む絶縁膜34上にTi膜、Pt膜、およびMo膜を順次堆積して、積層膜から成るソース電極31およびドレイン電極32を形成する。ソース電極31およびドレイン電極32の厚さは、例えば500nmである。ゲート電極30の引き出し線は省略している。
前述した実施の形態1とは異なり、半導体基板39にp型のSiCを用いている。そのため、半導体基板39の電位を固定する必要がある。半導体基板39の裏面にTi膜を被着させた後、Pt膜を形成するなどして、裏面全体に基板電位固定用電極を形成する方法があるが、本実施の形態2では、半導体基板39の表面側に基板電位固定用電極およびヒータを形成した。
図8に示すように、まず、半導体基板39上にホモエピタキシャル技術により、例えば10μm程度の厚さのp型の半導体層(p型のウェル)38を形成する。p型の半導体層38の正孔濃度は、例えば7.5×1015/cmである。続いて、MISFETが形成される領域(ゲート電極、ソース領域、およびドレイン領域が形成される領域)以外のp型の半導体層38をメサエッチングにより除去する。その後は、前述したように、ソース電極31やドレイン電極32を形成するプロセスに合わせて、基板電位固定用電極45を形成する。
チップを加熱するヒータとして、ソース電極31やドレイン電極32と同じTi膜、Pt膜、およびMo膜を順次堆積した積層膜から構成される配線47も形成する。この配線47の配線幅は、例えば20μmであり、配線長は、例えば29,000μmである。
次に、水素濃度が1%の窒素雰囲気中において、熱処理温度が400℃、熱処理時間が30分の水素アニールを実施する。
次に、ソース電極31、ドレイン電極32、基板電位固定用電極45、および配線47を覆うようにパッシベーション膜として機能する絶縁膜33を半導体基板39上に形成する。この絶縁膜33は、例えばPSG(リンドープガラス)および窒化シリコン膜の積層膜から構成される。窒化シリコン膜は、低温プラズマCVD法により形成され、その厚さは、例えば700nmである。
最後に、ボンディングワイヤと接続するために電極パッド(図示は省略)上に開口部を形成し、ボンディングパッド部分を覆うように、Au(金)パッドを形成する。Auパッドの厚さは、例えば500nmである。ところで、Auは、低温であってもSi中を拡散するので、ソース電極31とソース領域37aとの間およびドレイン電極32とドレイン領域37bとの間などにはバリアメタルとしてTi膜上にPt膜を堆積した積層膜を用いた。この場合、加熱処理を行うと、加熱条件によっては、ソース電極31やドレイン電極32において、TiとSiとのTiSi合金層が形成される。Pt膜はAuのTi膜やSi膜への拡散バリアとして機能する。TiSi合金膜が形成されることによりオーミックコンタクトは安定化する。
その後、センサ部であるゲート電極30を露出するように開口部を形成する。このとき、同一のチップ内にゲート電極30上の絶縁膜33,34を除去しない、つまり、水素に応答しない参照Si−MISFETも同時に形成する場合がある。この場合には、センサSi−MISFETと参照Si−MISFETのしきい値電圧(Vth)は、同一の空気アニールと水素アニールとを施しているため、しきい値電圧(Vth)はほぼ同じ値になる。
本実施の形態2の場合、ドレイン電圧(Vds)を5.0Vとし、ソース領域37aとp型の半導体層38との間をショートした状態で、ドレイン電流(Ids)が10μAになるゲート電圧(Vg)をしきい値電圧(Vth)と定義すると、しきい値電圧(Vth)は2.0Vであった。また、標準的なチップ実装では、配線抵抗は、チップ温度400℃において240Ωであった。
図9は、改質Pt−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETを400℃、68日間、空気雰囲気中でアニールした後に、水素アニールを行い、その後、空気希釈1%水素を照射したときの水素応答特性を説明するグラフ図である。センサ動作温度は400℃である。
このように、改良Pt−Ti−Oゲート構造を用いることにより、水素ガス照射時の立ち上がり応答時間が数秒となり、しきい値電圧(Vth)のシフトはなくなり、残留応答強度(ΔVgres)もなくなる。これは、水素濃度が1%に希釈されたAr雰囲気中(Ar希釈1%水素)で、熱処理温度800℃から1000℃、熱処理時間30分程度で実施される水素アニールにより、ゲート絶縁膜とSiC半導体との界面近傍で水素終端していた水素が抜けることを防止できるようになったためである。
前述した実施の形態2によるSiC−MISFETの製造方法では、ゲート絶縁膜には、SiO膜を用いたが、SiO膜上にTa(酸化タンタル)膜、Al(アルミナ)膜、またはSi(窒化シリコン)膜などの絶縁膜を形成した積層膜を用いてもよく、この積層膜を形成した後、前述した製造工程と同様に、Ti膜、およびPt膜から成るゲート電極30を形成する。
また、前述した実施の形態2によるSiC−MISFETの製造方法では、改良Pt−Ti−Oゲート構造の作製において、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定し、熱処理温度が400℃の空気雰囲気中のアニールを68日間行ったが、熱処理温度としては、350℃から630℃までの温度範囲で行うことができる。例えば熱処理温度が500℃の場合、前述の図6に示した改良Pt−Ti−Oゲート構造は5時間程度の熱処理時間で形成することができる。
また、前述した実施の形態1と同様に、改良Pt−Ti−Oゲート構造の作製において、Ti膜の厚さを5nm、Pt膜の厚さを15nmに固定して、SiC−MISFETの製造方法を説明したが、Ti膜の厚さおよびPt膜の厚さは、これに限定されるものではない。例えば水素ガス濃度0.1%の検出では、Ti膜の厚さは10nm以下、Pt膜の厚さは30nm以下にすることができる。さらに、例えば水素ガス濃度50%の検出では、応答できるPt膜の厚さの上限を、90nm程度とすることができる。
ところで、ヒータにAlからなる配線を用いた場合、475℃以上の温度で、数日間空気雰囲気中でアニールを実施すると、最終パッシベーション膜(絶縁膜33)である窒化シリコン膜中にひび割れが生じる。これは、Alは融点が659℃と低く、体積膨張率が他の金属と比べて、3×23.9×10−6/℃(20℃)と3倍から7倍程度大きいためである。そこで、高温で使用する場合には、本実施の形態2のように、Mo/Pt/Ti(Ti膜、Pt膜、およびMo膜を順次堆積した積層膜)のように比較的融点が高く熱膨張係数が小さい金属を用いる必要がある。体積膨張率は通例高温になるほど大きくなるが、金属物質間の体積膨張率の比はそれほど変わらないので、20℃の値で比較した。630℃以下の温度では、本実施の形態2に示した例(Mo/Pt/Ti)の選択でよいが、930℃の高温になれば、後述する実施の形態3に示す配線およびパッシベーション膜を用いる必要がある。
ここでは、SiCは、その表面に熱酸化膜を形成すると、SiC−MISFET型ガスセンサを450℃以上の温度で動作させても、水蒸気などに酸系のガスが混じる場合を除いて、環境ガスには十分耐性がある。そこで、窒化シリコン膜をパッシベーション膜に使用しないSiC−MISFET型ガスセンサを例示することもできる。この構造は、例えば図7および図8において、窒化シリコン膜(絶縁膜33)を形成しない構造となる。但し、SiCの表面にPSG(絶縁膜34)を直接被着しても、PSGだけでは良いパッシベーション膜にはならないので、PSGがSiCに直接接する部分では、PSGとSiCとの間に酸化膜(例えばSiO膜)を形成する。この酸化膜は、SiCの表面を熱酸化することにより形成される。
(実施の形態3)
前述した実施の形態2では、SiC−MISFETのゲート電極に改良Pt−Ti−Oゲート構造を適用しているので、信頼性が保証できる動作温度は630℃までである。これより高い温度、例えば、信頼性が保証できる動作温度として930℃まで保証しようとすると、改良Ir−Ti−Oゲート構造が必要になる。ゲート部分およびヒータ配線部分が前述した実施の形態2と相違するので、前述した実施の形態2と相違する点を中心に説明する。
本実施の形態3による改良Ir−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFET型ガスセンサの基本的な構成について図10および図11を用いて説明する。
図10は、本実施の形態3による改良Ir−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETのゲート構造部分を拡大して示す断面模式図、図11(a)および(b)は改良Ir−Ti−Oゲート構造のSiC−MISFETの要部断面図である。図10において符号53はIr結晶粒を示し、Ir膜の厚さは15nmである。また、図11(a)に示すゲート電極50、ソース電極51、およびドレイン電極52、図11(b)に示すソース電極51、基板電位固定用電極55、およびヒータ配線57が前述した実施の形態2と異なるので、以下に詳細に説明する。
図10に示すように、改良Ir−Ti−Oゲート構造は、ゲート絶縁膜(SiO膜)4上に、例えばEB法などにより厚さ5nmのTi膜および厚さ15nmのIr膜を形成した後、500℃、2時間、高純度空気中でアニールし(初期アニール)、さらに、630℃、2日間程度、高純度空気中でアニールすることで実現できる。時間短縮のため、熱処理温度を630℃から800℃に上昇させてもよく、数時間のアニールで改良Ir−Ti−Oゲート構造を実現することもできる。
630℃、2日間のアニールにより形成した改良Ir−Ti−Oゲート構造では、TEM観察から、TiOx微結晶領域と酸素ドープの非晶質Tiの領域との割合は、TiOx微結晶領域が70%程度占めていると判断することができる。前記改良Pt−Ti−Oゲート構造に比べてTiOx微結晶領域の割合が変わっているのは、熱処理温度、熱処理時間が異なる点以外にも、Irの場合、Ptに比べて、結晶粒界を通じての酸素(O)およびTiの通過速度、ならびにこれらの通過量が異なるためと考えられる。
実際のプロセスでは、前述した実施の形態2と同様に、リフトオフ法により、ゲート絶縁膜35上にTi膜およびIr膜から成るゲート電極50を形成する。Ti膜とIr膜とは連続成膜される。Ti膜の厚さは1nmから15nm、Ir膜の厚さは1nmから90nmであり、例えばTi膜の厚さは5nm、Ir膜の厚さは15nmとする。酸素雰囲気アニールの条件は、上記に説明したとおりである。Ti膜の代わりにW膜またはTa膜などの高融点金属を用いても良い。この場合、初期アニールでは、600℃、2時間、高純度空気中でアニールを行っている。
改良Ir−Ti−Oゲート構造を用いる理由の1つとして、600℃から900℃の高温度での安定動作を目的としているので、ソース電極、ドレイン電極、基板電位固定用電極、およびヒータ配線が高温で安定な金属、および熱膨張に伴うパッシベーション膜のひび割れなどの破壊が起こらないような、熱膨張係数が小さく、高耐熱の金属が必要になる。
前述した実施の形態2ではMo/Pt/Ti(Ti膜、Pt膜、およびMo膜を順次堆積した積層膜)など比較的融点が高く熱膨張係数が小さい金属を用いたが、930℃と高温になれば、W、W/Mo、またはMo/W/Moのように高耐熱の金属を用いる必要がある。例えばWおよびMoの体積膨張率は、それぞれ3×3.3×10−6/℃(20℃)および3×8.9×10−6/℃(20℃)であり、熱膨張に伴うパッシベーション膜のひび割れなどの破壊を防ぐことができる。また、これら高耐熱の金属をソース電極、ドレイン電極、基板電位固定用電極に用いても、Wの下地にMoを敷くと高温工程でモリブデンシリサイドが形成されて、各電極はSiCと良いオーミック接続が取れる。Wの融点は3782℃と高く安定である。またMoの融点は2622℃とTiの融点1727℃に比べても高く、930℃のような高温での安定な動作に好適である。ヒータ配線は、930℃で240Ωになるように設計している。動作温度が930℃と高いので、Auなどのパッドを形成しないことが多い。
ゲート絶縁膜には、SiO膜を用いたが、SiO膜上にTa(酸化タンタル)膜、Al(アルミナ)膜、またはSi(窒化シリコン)膜などの絶縁膜を形成した積層膜を用いても良い。
前述した実施の形態2および本実施の形態3においても、SiC半導体では、ゲート絶縁膜(SiO膜)を形成した後、熱処理温度が800℃から1000℃、熱処理時間が30分の水素アニールを行うことで、600℃程度までの高温動作でも水素抜けが防止できるようになり、水素応答立ち上がり時間も数秒に保持できる。通例、水素濃度が0.1%から3.5%の水素ガスを用いている。
さらに、本実施の形態に共通する手段として、水素アニールに代えて重水素アニールを行ってもよい。水素トラップ部位に質量が約2倍の重水素を補償することにより、高温での水素抜けを、水素アニールに比べて広い温度範囲で防止することができるので、立ち上がり応答速度が劣化することなく動作できる半導体ガスセンサを提供することができる。SiC半導体では、高温重水素アニールを行うことで、900℃程度まで水素抜けが防止できるようになり、水素応答立ち上がり時間も数秒に保持することができる。
重水素は、原子核が陽子と中性子で構成されているため、水素に比べて、約2倍の質量である。そのため、水素トラップに終端された重水素を熱エネルギーで動かすには、重水素のほうが平均速度が、統計力学的考察から、1/√2小さくなる。従って、水素アニールで600℃(873K)で保持されていた水素は、重水素では962℃(1235K=873K×√2)程度までトラップに保持されることが予想され、上記値と良く一致する。
(実施の形態4)
前述した実施の形態1、2、および3では、ゲート絶縁膜とPt膜との間に挿入される結晶膜はTi膜であったが、W膜、Mo膜、Nb膜、Ta膜、Cr膜、またはSn膜を用いてもよく、Ti膜と同様の効果が得られる。ただし、電子線照射蒸着法による成膜後の酸化プロセスは、Mo膜、Cr膜においてはTi膜と大きく変わらないが、W膜やTa膜の場合は、Ti膜よりも高温か、または同じ温度でも長時間が必要である。また、Sn膜の場合は、Ti膜よりも低温か、または同じ温度でも短時間ですみ、改良Pt−Ti−O構造と同様な構造を実現することができる。
例えば前述の図3または図7に示したゲート構造では、Sn膜の厚さが5nm、Pt膜の厚さが15nmの場合、空気雰囲気中のアニールでは、熱処理温度は300℃、熱処理時間は24時間程度でよく、Ti膜をSn膜に変更した改良Pt−Sn−Oゲート構造を実現することができる。Sn膜は融点が232℃と低いので、熱処理温度は300℃でも十分である。ただし、一旦、酸化物(SnO)に変質すると、酸化物(SnO)は ガスセンサの世界では、最も安定な材料なので、改良Pt−Sn−Oゲート構造も安定な構造に変質する。一方、W膜やTa膜の場合は、融点がそれぞれ、3782℃と3029℃なので、熱処理温度は600℃前後で初期アニールを実施する必要がある。改良Pt−W−Oゲート構造、改良Pt−Ta−Oゲート構造、改良Ir−W−Oゲート構造、改良Ir−Ta−Oゲート構造を作製する手順は、前述の実施の形態3に示すようにアニール温度が若干異なるが、基本的構造(図1、図6、図10など)を実現できる。この場合も、Pt膜またはIr膜と、W膜、Mo膜、Nb膜、Ta膜、Cr膜、またはSn膜との相互関係で、アニール条件が変わってくることは、前述した実施の形態1,2,3と同様である。
(本実施の形態によるガスセンサの効果について)
本実施の形態により得られる主な効果を以下にまとめる。
(1)改良Pt−Ti−Oゲート構造をSi−MISFETのゲート構造に適用することで、立ち上がり応答速度が極めて速く、ガス照射を止めた時の残留応答時間の短い半導体ガスセンサを提供することができる。
(2)改良Pt−Ti−Oゲート構造をSiC−MISFETのゲート構造に適用することで、250℃から630℃程度の高温環境下で動作できる半導体ガスセンサを提供することができる。
(3)改良Ir−Ti−Oゲート構造をSiC−MISFETのゲート構造に適用することで、250℃から930℃程度の高温環境下で動作できる半導体ガスセンサを提供することができる。
(4)300℃から630℃程度の高温環境下で動作させる時、SiC−MISFETの改良Pt−Ti−Oゲート構造を形成する前に800℃から1000℃の水素アニールを施すことで、ゲート絶縁膜とSiC半導体との界面近傍で水素終端していた水素が抜けることを防止することができる。これにより、ガス照射時の立ち上がり応答時間が数100秒程度まで遅くなり、しきい値電圧(Vth)が大きくシフトし、残留応答強度(ΔVgres)が発生する現象などの水素応答特性の劣化を防ぐことのできる半導体ガスセンサを提供することができる。
(5)630℃から930℃程度の高温環境下で動作させる時、SiC−MISFET型ガスセンサの改良Ir−Ti−Oゲート構造を形成する前に800℃から1000℃の重水素アニールを行うことにより、ゲート絶縁膜とSiC半導体との界面近傍で水素終端していた水素が抜けることを防止することができる。これにより、ガス照射時の立ち上がり応答時間が数100秒程度まで遅くなり、しきい値電圧(Vth)が大きくシフトし、残留応答強度(ΔVgres)が発生する現象などの水素応答特性の劣化を防ぐことのできる半導体ガスセンサを提供することができる。
(6)Pt−Ti−O構造Si−MISFET型ガスセンサにおいても重水素アニールを行うことにより、ゲート絶縁膜とSi半導体との界面近傍で水素終端していた水素が抜けることを防止することができる。これにより、ガス照射時の立ち上がり応答時間が数100秒程度まで遅くなり、しきい値電圧(Vth)が大きくシフトし、残留応答強度(ΔVgres)が発生する現象などの水素応答特性の劣化を防ぐことのできる半導体ガスセンサを提供することができる。
本発明者らは、ゲート絶縁膜(例えばSiO膜)上にTiO等の金属酸化物を形成した後、Ptなどの貴金属触媒のゲート金属を用いるMISFETについても検討した。しかし、Ptなどの貴金属触媒が剥がれ易いことは変わらず、Ptなどの貴金属触媒の結晶粒界には、Tiや酸素(O)の蓄積は実現せず、加熱しても、高温にしなければTiO等の金属酸化物を分解することができず、高温にするとPtなどの貴金属触媒が剥がれてしまう。従って、上記ゲート構造は実用的ではなく、また、本発明によるゲート構造とは大きく異なる。つまり改質Pt膜と改質TiOx膜(または、改質Ti膜)との接合が安定な膜を形成することを意味している。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前述した実施の形態では、本発明をMISFET型ガスセンサに適用した場合について説明したが、容量素子を含むガスセンサにも適用することができる。容量素子を含むガスセンサでは、例えばSi層(またはSiC層)上に容量絶縁膜(例えばSiO膜)が形成され、容量絶縁膜上に改質TiOx膜が形成される。さらに改質TiOx膜上にゲート電極を構成するPt膜が形成される。このPt膜は、複数のPt結晶粒から構成され、複数のPt結晶粒間にある結晶粒界間隙にはTiと酸素(O)とが存在し、Pt結晶粒界、特に粒界3重点近傍表面を中心にTiOxナノ結晶が形成されている。そして、Si層(またはSiC層)に接着して形成されたソース電極、容量絶縁膜、およびゲート電極により上記容量素子が形成される。
また、前述した実施の形態では、MISFET型ガスセンサに本発明である改良Pt−Ti−Oゲート構造を適用する実施の形態を説明してきたが、MIS型CV(容量)素子、ショットキーダイオードの整流電極にも改良Pt−Ti−Oゲート構造を適用することができる。また以上の素子について、Pt膜の代わりにIr膜を用いることができることは、前述した実施の形態からも明らかである。
本発明は、特に、半導体ガスセンサおよびその製造に適用することができる。
1 改質TiOx膜(結晶膜)
2 Tiと酸素(O)とが存在する部分
3 Pt結晶粒
4 ゲート絶縁膜
5 Si層
6 改質Ti膜
7 結晶粒界間隙
9 キャリア反転層
10 SiC層
11 非晶質TiOxまたはTiOxナノ結晶
11A 酸素ドープの非良質Ti
20 ゲート電極
21 ソース電極
22 ドレイン電極
23,24 絶縁膜
25 ゲート絶縁膜
26a,26b 局所酸化膜
27a ソース領域
27b ドレイン領域
28 p型の半導体層(p型のウェル)
29 半導体基板
30 ゲート電極
31 ソース電極
32 ドレイン電極
33,34 絶縁膜
35 ゲート絶縁膜
36 局所酸化膜
37a ソース領域
37b ドレイン領域
38 p型の半導体層(p型のウェル)
39 半導体基板
45 基板電位固定用電極
46,47 配線
50 ゲート電極
51 ソース電極
52 ドレイン電極
53 Ir結晶粒
55 基板電位固定用電極
57 ヒータ配線
62 TiOxナノ結晶

Claims (16)

  1. (a)半導体層と、
    (b)前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に形成された結晶膜と、
    (d)前記結晶膜上に形成されたゲート電極と、
    (e)前記半導体層に形成されたソース領域と、
    (f)前記半導体層に形成されたドレイン領域と、を備え、
    前記結晶膜は改質TiOxから構成され、
    前記改質TiOxはTiOx微結晶領域および酸素ドープの非晶質Tiの領域から形成され、前記TiOx微結晶領域の割合が50%以上で構成され、
    前記ゲート電極はプラチナ膜またはイリジウム膜を有し、前記プラチナ膜または前記イリジウム膜は複数の結晶粒から構成され、前記複数の結晶粒間にある粒界領域には酸素とチタンが存在することを特徴とする半導体ガスセンサ。
  2. 請求項1記載の半導体ガスセンサにおいて、
    前記半導体層はシリコンまたは炭化シリコンから成り、前記ゲート絶縁膜は酸化シリコンから成ることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  3. 請求項1記載の半導体ガスセンサにおいて、
    前記プラチナ膜または前記イリジウム膜の厚さは1nm以上、90nm以下であり、前記結晶膜の厚さは1nm以上、15nm以下であることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  4. 請求項1記載の半導体ガスセンサにおいて、さらに、
    (g)前記半導体ガスセンサを加熱するためのヒータと、を備え、
    前記ヒータが、チタン膜とプラチナ膜とモリブデン膜を順次形成した積層膜、タングステン単層膜、モリブデン膜とタングステン膜を順次形成した積層膜、モリブデン膜とタングステン膜とモリブデン膜を順次形成した積層膜により構成されていることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  5. (a)半導体層と、
    (b)前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に形成された結晶膜と、
    (d)前記結晶膜上に形成されたゲート電極と、
    (e)前記半導体層に形成されたソース領域と、
    (f)前記半導体層に形成されたドレイン領域と、を備え、
    前記結晶膜は改質金属酸化物から構成され、
    前記改質金属酸化物は金属酸化物微結晶領域および酸素ドープの非晶質金属の領域から形成され、前記金属酸化物微結晶領域の割合が50%以上で構成され、
    前記ゲート電極はプラチナ膜またはイリジウム膜を有し、前記プラチナ膜または前記イリジウム膜は複数の結晶粒から構成され、前記複数の結晶粒間にある粒界領域には酸素と前記改質金属酸化物を構成する金属とが存在し、
    前記金属は、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、クロム、または錫であることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  6. 請求項5記載の半導体ガスセンサにおいて、
    前記半導体層はシリコンまたは炭化シリコンから成り、前記ゲート絶縁膜は酸化シリコンから成ることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  7. 請求項5記載の半導体ガスセンサにおいて、
    前記プラチナ膜または前記イリジウム膜の厚さは1nm以上、90nm以下であり、前記結晶膜の厚さは1nm以上、15nm以下であることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  8. 請求項5記載の半導体ガスセンサにおいて、さらに、
    (g)前記半導体ガスセンサを加熱するためのヒータと、を備え、
    前記ヒータが、チタン膜とプラチナ膜とモリブデン膜を順次形成した積層膜、タングステン単層膜、モリブデン膜とタングステン膜を順次形成した積層膜、モリブデン膜とタングステン膜とモリブデン膜を順次形成した積層膜により構成されていることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  9. (a)半導体層と、
    (b)前記半導体層上に形成された容量絶縁膜と、
    (c)前記容量絶縁膜上に形成された結晶膜と、
    (d)前記結晶膜上に形成されたゲート電極と、
    (e)前記半導体層に接着したソース電極と、を備え、
    前記容量絶縁膜を挟んだ前記ソース電極と前記ゲート電極とにより容量素子を形成し、
    前記結晶膜は改質TiOxから構成され、
    前記改質TiOxはTiOx微結晶領域および酸素ドープの非晶質Tiの領域から形成され、前記TiOx微結晶領域の割合が50%以上で構成され、
    前記ゲート電極はプラチナ膜またはイリジウム膜を有し、前記プラチナ膜または前記イリジウム膜は複数の結晶粒から構成され、前記複数の結晶粒間にある粒界領域には酸素とチタンが存在することを特徴とする半導体ガスセンサ。
  10. 請求項9記載の半導体ガスセンサにおいて、
    前記半導体層はシリコンまたは炭化シリコンから成り、前記容量絶縁膜は酸化シリコンから成ることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  11. 請求項9記載の半導体ガスセンサにおいて、
    前記プラチナ膜または前記イリジウム膜の厚さは1nm以上、90nm以下であり、前記結晶膜の厚さは1nm以上、15nm以下であることを特徴とする半導体ガスセンサ。
  12. 同一の半導体基板上に形成された第1センサ部と第2センサ部とを有し、
    前記第1センサ部は、
    (a)半導体層と、
    (b)前記半導体層上に形成された第1ゲート絶縁膜と、
    (c)前記第1ゲート絶縁膜上に形成された第1結晶膜と、
    (d)前記第1結晶膜上に形成された第1ゲート電極と、
    (e)前記半導体層に形成された第1ソース領域と、
    (f)前記半導体層に形成された第1ドレイン領域と、
    (g)前記第1ゲート電極の表面上を覆う絶縁膜と、を備え、
    前記第2センサ部は、
    (h)前記半導体層と、
    (i)前記半導体層上に形成された第2ゲート絶縁膜と、
    (j)前記第2ゲート絶縁膜上に形成された第2結晶膜と、
    (k)前記第2結晶膜上に形成された第2ゲート電極と、
    (l)前記半導体層に形成された第2ソース領域と、
    (m)前記半導体層に形成された第2ドレイン領域と、を備え、
    前記第2ゲート電極の表面は露出し、
    前記第1結晶膜および前記第2結晶膜は改質TiOxから構成され、
    前記改質TiOxはTiOx微結晶領域および酸素ドープの非晶質Tiの領域から形成され、前記TiOx微結晶領域の割合が50%以上で構成され、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極は、プラチナ膜またはイリジウム膜を有し、前記プラチナ膜または前記イリジウム膜は複数の結晶粒から構成され、前記複数の結晶粒間にある粒界領域には酸素とチタンが存在することを特徴とする半導体ガスセンサ。
  13. 以下の工程を含む半導体ガスセンサの製造方法:
    (a)半導体層の互いに異なる領域にソース領域およびドレイン領域を形成する工程;
    (b)前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程;
    (c)前記ゲート絶縁膜上にチタン、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、クロム、または錫のいずれかの結晶膜を形成する工程;
    (d)前記結晶膜上に複数のプラチナ結晶粒から構成されるプラチナ膜またはイリジウム膜を形成する工程;
    (e)酸素を含む雰囲気中で、熱処理温度が300℃から630℃、熱処理時間が2時間から2年のアニールを施す工程、
    ここで、前記チタン膜の厚さは1nm以上、15nm以下であり、前記プラチナ膜または前記イリジウム膜の厚さは1nm以上、90nm以下である。
  14. 請求項13記載の半導体ガスセンサの製造方法において、
    前記工程(e)における前記酸素を含む雰囲気は、空気、酸素ガス、アルゴンで希釈された酸素ガス、または窒素で希釈された酸素ガスであることを特徴とする半導体ガスセンサの製造方法。
  15. 請求項13記載の半導体ガスセンサの製造方法において、
    前記半導体層は、シリコンまたは炭化シリコンから成り、前記ゲート絶縁膜は酸化シリコンから成ることを特徴とする半導体ガスセンサの製造方法。
  16. 請求項13記載の半導体ガスセンサの製造方法において、
    前記工程(b)の後、前記工程(c)の前に、さらに以下の工程を含むことを特徴とする半導体ガスセンサの製造方法:
    (f)水素濃度または重水素濃度が0.1%から3.5%に希釈された雰囲気中で、熱処理温度が380℃から1000℃のアニールを行う工程。
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