JP2013234832A - 冷蔵庫の扉体 - Google Patents
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Abstract
【課題】最表面にガラス板を有する冷蔵庫の扉体において生産性と意匠性に優れた冷蔵庫の扉体を提供する。また、マグネットの保持が可能なように構成部材の調整が可能な冷蔵庫の扉体を提供する。
【解決手段】互いに対向する外板および内板と、前記外板および内板の間に挟持される断熱材層とを有する冷蔵庫の扉体であって、前記外板は、最も外側に配置される強化ガラス板と、前記強化ガラス板の内側主面に配置される粘着層と、前記粘着層を介して前記強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとを有する、冷蔵庫の扉体。
【選択図】図2
【解決手段】互いに対向する外板および内板と、前記外板および内板の間に挟持される断熱材層とを有する冷蔵庫の扉体であって、前記外板は、最も外側に配置される強化ガラス板と、前記強化ガラス板の内側主面に配置される粘着層と、前記粘着層を介して前記強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとを有する、冷蔵庫の扉体。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷蔵庫の扉体、特に意匠性が向上した冷蔵庫の扉体に関する。
近年、家庭用電気製品は多様化が進み、高級な機種は多機能、高性能であるとともに外観に高級感をもたせることが求められるようになった。このような動向に対して、冷蔵庫においては、扉体の前面に印刷等で着色層を形成したガラス板を配置することで、扉体の表面に凹凸がなく、光沢に深みがあり、意匠性を向上させた冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載された技術では、着色層はガラス板に形成されていることから、その処理は枚葉で行う必要があり、生産効率がよいとは言えなかった。また、ガラス板への着色層の形成においては、限られた印刷技術しか適用できず、デザインや風合いに幅をもたせることができない問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、最表面にガラス板を有する冷蔵庫の扉体において生産性と意匠性に優れた冷蔵庫の扉体の提供を目的とする。また、マグネットの保持が可能なように構成部材の調整が可能な冷蔵庫の扉体の提供を目的とする。
本発明の冷蔵庫の扉体は、互いに対向する外板および内板と、前記外板および内板の間に挟持される断熱材層とを有する冷蔵庫の扉体であって、
前記外板は、最も外側に配置される強化ガラス板と、前記強化ガラス板の内側主面に配置される粘着層と、前記粘着層を介して前記強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとを有する。
前記外板は、最も外側に配置される強化ガラス板と、前記強化ガラス板の内側主面に配置される粘着層と、前記粘着層を介して前記強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとを有する。
なお、本明細書において「外側」、「内側」は、特に断りのない限り、「内側」は冷蔵庫の庫内側を、「外側」はその反対側をそれぞれ意味する。
本発明の冷蔵庫の扉体において、前記外板は、前記透明樹脂フィルムが前記着色印刷層を内側主面に有する構成であって、さらに前記着色印刷層の内側に印刷保護層を有する構成であってもよい。
本発明の冷蔵庫の扉体は、さらに、前記外板と前記断熱材層との間に磁性体金属板を有し、前記外板の板厚を0.2〜6.1mmとした構成であってもよい。その場合の、前記強化ガラス板の板厚は0.1〜6.0mmが好ましい。
本発明によれば、最表面にガラス板を有する冷蔵庫の扉体において、生産性の改善と意匠性の向上が達成できる。また、本発明の冷蔵庫の扉体は、ガラス板を含めた外板の板厚を幅広く調整できることから、冷蔵庫の扉体にマグネットを保持する機能を付加する等の板厚変更によるバリエーションが可能である。
本発明の冷蔵庫の扉体に係る実施の形態について、図面を参照しながら以下に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
本発明の冷蔵庫の扉体は、互いに対向する外板および内板と、前記外板および内板の間に挟持される断熱材層とを有する冷蔵庫の扉体であって、前記外板は、最も外側に配置される強化ガラス板と、前記強化ガラス板の内側主面に配置される粘着層と、前記粘着層を介して前記強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとを有する。
図1に本発明の冷蔵庫の扉体の実施形態の一例の概略外観図(a)および断面図(b)を示す。冷蔵庫の扉体10は、互いに対向する外板1と内板2を有し、外板1と内板2は、これと外板1と内板2とで函体が形成可能な枠体3で接合されている。そして、断熱材層4が、外板1と内板2の互いに対向する面、および枠体3の内周面で形成される空間を充填するように配置されている。冷蔵庫の扉体10において、内板2と枠体3は一体成形されていてもよい。また、断熱材層4は、通常、外板1、内板2、および枠体3で形成される上記空間内で発泡材組成物を発泡充填させて形成される。
冷蔵庫の扉体10において、外板1は、最も外側に強化ガラス板を有し、その内側に粘着層を介してこの強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムを有する構成である。
本発明においては、透明樹脂フィルムに着色印刷層を設け、これをガラス板に接着することで、従来では実行できなかった、冷蔵庫の扉体のガラス板を用いた外板における多層塗りや文字等の精彩性が求められる印刷を実行可能とし、意匠性の向上に大きく寄与できるようにした。さらに、ガラス板への枚葉印刷に比べ、透明樹脂フィルムへの印刷はロール単位で行うことができ、生産性も大きく向上できる。また、外板にガラス板を用いることで、従来から得られているガラスの高級感を付与する、傷つきにくく汚れてもふき取りやすい構成にできる等の利点は、本発明においても従来と同様とできる。
ここで、本発明の冷蔵庫の扉体には、着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとして、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムが用いられる。すなわち、本発明においては、両主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムを用いてもよく、どちらか一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムを用いてもよい。生産性の観点から、いずれか一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムが好ましく用いられる。
以下、図2に部分断面図を示す、内側の主面、すなわち断熱材層側の主面に、着色印刷層を有する透明樹脂フィルムを用いた冷蔵庫の扉体の実施形態の一例、および、図3に部分断面図を示す、外側の主面、すなわち強化ガラス板側の主面に、着色印刷層を有する透明樹脂フィルムを用いた冷蔵庫の扉体の実施形態の一例について、それぞれ例を挙げて説明する。
なお、外板1以外の構成部材、すなわち内板2、枠体3、断熱材層4については、従来公知の構成部材を、特に制限することなくそのまま使用できる。また、大きさについては、本発明の冷蔵庫の扉体が使用される冷蔵庫本体の仕様に合わせて適宜選択される。
図2に部分断面図を示す冷蔵庫の扉体10Aは、外観および断面については図1(a)、(b)に示す冷蔵庫の扉体10と同様であり、図2は、冷蔵庫の扉体10Aの、図1(b)における破線部分を拡大して示す部分断面図である。
冷蔵庫の扉体10Aにおいて、外板1Aは外側から順に、強化ガラス板11、粘着層12、透明樹脂フィルム13、着色印刷層14、印刷保護層15を有する。外板1Aを構成する全ての構成要素は、強化ガラス板11と同形、同寸であり、厚さのみがそれぞれ異なる。冷蔵庫の扉体10Aにおいて、外板1Aが有する最も内側の層である印刷保護層15は、断熱材層4と接する構成である。
以下、外板1Aが有する各構成要素について説明する。
冷蔵庫の扉体10Aにおいて、外板1Aは外側から順に、強化ガラス板11、粘着層12、透明樹脂フィルム13、着色印刷層14、印刷保護層15を有する。外板1Aを構成する全ての構成要素は、強化ガラス板11と同形、同寸であり、厚さのみがそれぞれ異なる。冷蔵庫の扉体10Aにおいて、外板1Aが有する最も内側の層である印刷保護層15は、断熱材層4と接する構成である。
以下、外板1Aが有する各構成要素について説明する。
外板1Aが有する強化ガラス板11は、強化ガラス板であれば特に制限されず使用できる。
ここで、本明細書において強化ガラス板とは、強化処理により表面に圧縮応力層が形成されたガラス板をいう。ガラスは圧縮応力には強く引張応力には弱いという性質を有するため、荷重がかけられ撓むと割れやすい。強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有することで、荷重や衝撃等による割れに対する耐性に優れる。さらに、強化ガラス板は、万が一割れが生じてもその破砕破片が小さいうえ端面も鋭利な刃物のようになることが少なく安全性が高い。
ここで、本明細書において強化ガラス板とは、強化処理により表面に圧縮応力層が形成されたガラス板をいう。ガラスは圧縮応力には強く引張応力には弱いという性質を有するため、荷重がかけられ撓むと割れやすい。強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有することで、荷重や衝撃等による割れに対する耐性に優れる。さらに、強化ガラス板は、万が一割れが生じてもその破砕破片が小さいうえ端面も鋭利な刃物のようになることが少なく安全性が高い。
外板1Aが有する強化ガラス板11において、用いる強化ガラス板の製法、すなわちガラス板の表面に圧縮応力層を形成させて強化ガラス板とする手法は、特に制限されない。
軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷等により急速に冷却する風冷強化法(物理強化法)、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス板表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きいアルカリイオン(例えば、Kイオン)に交換する化学強化法の何れであってもよい。
軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷等により急速に冷却する風冷強化法(物理強化法)、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス板表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きいアルカリイオン(例えば、Kイオン)に交換する化学強化法の何れであってもよい。
強化ガラス板11は、その要求特性に応じて、強化ガラス板の、板厚、表面圧縮応力(MPa)および圧縮応力層の深さ(μm)を適宜選択すればよい。また、意匠性を高めるために、強化ガラス板11の切断面(側面)は、適宜加工されていてもよい。
なお、冷蔵庫の扉体10Aにおいては、外板1Aは断熱材層4と接する構成である。上記のとおり、断熱材層4は、通常、外板1と内板2の互いに対向する面、および枠体3の内周面で形成される空間内で発泡材組成物を発泡充填させて形成される。強化ガラス板11としては、断熱材層4の種類によるが、断熱材層4の成形時にかかる荷重に耐えうる強度の強化ガラス板11が選択される。
外板1Aに用いる強化ガラス板11として、風冷強化ガラス板を用いる場合、用いる強化ガラス板の物性や断熱材層4の種類によるが、板厚は1.0〜30mm程度が好ましい。
また、化学強化ガラス板を用いる場合には、板厚は0.1〜5.0mm程度が好ましい。
また、化学強化ガラス板を用いる場合には、板厚は0.1〜5.0mm程度が好ましい。
外板1Aに用いる透明樹脂フィルム13は、透明樹脂からなり、その表面に以下に説明する着色印刷層14の形成が可能なフィルムであれば特に制限されない。
ここで、本明細書において透明とは、可視光線を透過しかつヘイズが小さいことをいい、具体的には視感透過率が50%以上、ヘイズ値が20%以下であることを指す。透明樹脂フィルム13の視感透過率は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ヘイズ値は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
ここで、本明細書において透明とは、可視光線を透過しかつヘイズが小さいことをいい、具体的には視感透過率が50%以上、ヘイズ値が20%以下であることを指す。透明樹脂フィルム13の視感透過率は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ヘイズ値は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
外板1Aが有する透明樹脂フィルム13の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の各種合成樹脂が挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工のしやすさ等の観点で好ましい。
透明樹脂フィルム13の厚さは、10〜500μmが好ましく、30〜300μmがより好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。透明樹脂フィルム13の厚さが10μm以上であることでフィルムが破れる等破損しにくくなるため好ましい。厚さが500μm以下であることで、加工がしやすくなり、また透明樹脂フィルム13の可視光線透過率を大きくできるため好ましい。
外板1Aにおける着色印刷層14は、透明樹脂フィルム13の一方の主面上に形成された層として、外板1Aに組み込まれる層である。外板1Aにおいて、透明樹脂フィルム13は、着色印刷層14が透明樹脂フィルム13の内側、すなわち断熱材層4側に位置するように配設されている。
着色印刷層14は、外側から断熱材層4を隠蔽するとともに、冷蔵庫の扉体10Aの意匠性を向上させる機能を有する。外板1Aにおける着色印刷層14は、これらの機能を達成可能なように顔料等の各種成分を配合して調製したインキを用いて、透明樹脂フィルム13の一方の主面上に印刷し、乾燥することによって形成してもよい。透明樹脂フィルム13の一方の主面にヘアライン加工および金属蒸着を施したものを使用してもよい。
着色印刷層14の形成に用いるインキが含有する成分としては、顔料、有機溶剤、乾性油、樹脂、耐摩擦剤、乾燥促進剤、裏付き防止剤等が挙げられる。なお、インキは、印刷の方法に合わせて、適宜その印刷法に最適な粘度に調整される。
インキに配合する顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれを用いてもよく両者を組み合わせて用いてもよい。また、顔料の色は、冷蔵庫の扉体10Aのデザインや要求特性に合わせて、通常使用される顔料の色が適宜選択される。色の種類は特に制限されない。例えば、高い隠蔽性が求められる場合には黒色や、暗色の顔料、または組み合わせることで黒色になる顔料が適宜選択されて用いられる。
インキに配合する顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれを用いてもよく両者を組み合わせて用いてもよい。また、顔料の色は、冷蔵庫の扉体10Aのデザインや要求特性に合わせて、通常使用される顔料の色が適宜選択される。色の種類は特に制限されない。例えば、高い隠蔽性が求められる場合には黒色や、暗色の顔料、または組み合わせることで黒色になる顔料が適宜選択されて用いられる。
インキに配合する有機溶剤としては、石油系溶剤、高級アルコール等が挙げられ、イソプロピルアルコール(IPA)、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、ニトロセルロース等が印刷適性の点で好ましい。
着色印刷層14は単層で構成されてもよく多層で構成されてもよい。透明樹脂フィルム13への印刷であるため多層塗りや精彩な文字や模様の印刷等が可能であり、幅広いデザインに対応可能である。なお、着色印刷層14の厚さは、単層の場合0.5〜50μm程度であり、多層であっても1〜100μm程度である。ヘアライン加工と金属蒸着を組み合わせる場合の、金属蒸着層の厚さは、1〜500nm程度である。
透明樹脂フィルム13の主面に着色印刷層14を形成する方法としては、例えば、あらかじめ所定の寸法、形状に裁断された透明樹脂フィルム13の一方の主面に、スクリーン印刷法等により、所望の組成に調整されたインキを塗布し、乾燥することにより着色印刷層14を形成する方法が挙げられる。
また、以下のようにロールツーロールで製造することもできる。ロール状に巻かれた長尺状の透明樹脂フィルムを巻き出しながら、透明樹脂フィルムの主表面上に、グラビア印刷法等により、所望の組成に調整されたインキを、塗布し、乾燥することで、長尺状の透明樹脂フィルムの片面に連続して着色印刷層を印刷する。次いで、連続して着色印刷層が形成された長尺状の透明樹脂フィルムを所定の大きさに切断することにより、着色印刷層14付きの透明樹脂フィルム13が得られる。ロールツーロールで製造することで、印刷工程の生産効率を大幅に向上できる。
インキを透明樹脂フィルムに塗布した後の乾燥の条件としては、温度は40〜120℃が好ましく、45〜100℃がより好ましく、50〜80℃がさらに好ましい。温度が40℃以上であることで、効率よく短時間で塗布したインキを乾燥させることができる。温度が120℃以下であることで、透明樹脂フィルムの熱による変形を防ぐことができる。乾燥時間は、0.5〜60秒が好ましく、1〜30秒がより好ましく、1〜10秒がさらに好ましい。乾燥時間が0.5秒以上であることで十分にインキを乾燥でき、生産性の観点からは乾燥時間は短い方が好ましく、生産性とインキの十分な乾燥とのバランスから60秒以下が好ましい。
外板1Aにおいて、印刷保護層15は上記透明樹脂フィルム13の一方の主面上に形成された着色印刷層14の表面にさらに形成された層として、外板1Aに組み込まれる。外板1Aにおいて、透明樹脂フィルム13は、着色印刷層14が透明樹脂フィルム13の内側、すなわち断熱材層4側に位置するように配設されるため、断熱材層4から着色印刷層14を保護する目的で印刷保護層15が断熱材層4と着色印刷層14の間に配設される。
なお、着色印刷層14が、加工時の耐熱性や傷付き防止、断熱材に対する劣化、断熱材層との密着性等に対して十分な耐性を有する場合には、印刷保護層15を設けなくともよい。
なお、着色印刷層14が、加工時の耐熱性や傷付き防止、断熱材に対する劣化、断熱材層との密着性等に対して十分な耐性を有する場合には、印刷保護層15を設けなくともよい。
印刷保護層15は、着色印刷層14を保護する機能とともに外板1Aと断熱材層4の密着性を向上させる機能を有してもよい。外板1Aにおける印刷保護層15は、これらの機能を達成可能なように各種成分を配合して調製した液状組成物を用いて、透明樹脂フィルム13上の着色印刷層14の表面に塗布し、乾燥することによって形成される。印刷保護層15を形成するための液状組成物としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂を1種または2種以上混ぜたものを用いることができ、これを有機溶剤等で塗布可能な粘度に配合した液状組成物が好ましく挙げられる。
上記透明樹脂フィルム13上の着色印刷層14の表面に印刷保護層15を形成する方法としては、上記透明樹脂フィルム13上に着色印刷層14を形成する方法と同様とできる。塗布方法や乾燥条件等は、用いる液状組成物に適する方法、条件が適宜選択される。印刷保護層15の厚さは、上記着色印刷層14の保護や、断熱材層4との密着性向上の機能が果たせる厚さであれば、特に制限されず、0.1〜100μmが好ましい。
外板1Aにおいて、強化ガラス板11と透明樹脂フィルム13は粘着層12を介して接着されている。透明樹脂フィルム13は一方の主面に着色印刷層14と印刷保護層15をその順に有し、他方の主面が粘着層12により強化ガラス板11と接着される。粘着層12の材質としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ブタジエン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤は、アクリル系単量体単位を主成分として含む重合体である。アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、クロトン酸、これらのアルキルエステルが挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸を総称するものとして使用する。(メタ)アクリレートも同様である。
アクリル系粘着剤においては、粘着剤の凝集力を高めるために、架橋点となりうる官能基、例えば、ヒドロキシル基、グリシジル基等を有する単量体の使用が好ましい。架橋点となりうる官能基を有する単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。
架橋点となりうる官能基を有する単量体を使用する場合には、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤を官能基に反応させることで架橋点を有するポリマーが得られ、粘着剤とした際に凝集力を確保できる。架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物、金属塩、金属水酸化物、金属キレート、ポリイソシアネート、カルボキシ基含有ポリマー、酸無水物、ポリアミン等が挙げられ、架橋点となりうる官能基の種類に応じて適宜選択される。
粘着層12の厚さは、10〜200μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。ここで、粘着層12は、通常、剥離性を有する剥離層上に形成され、透明樹脂フィルム13の着色印刷層14と印刷保護層15が形成されていない側の主面と貼り合わされて準備される。さらに、この積層体から剥離層を剥がして強化ガラス板11に貼り合わせることで外板1Aが得られる。
剥離層上への粘着層12の形成は、具体的には、予め調製された粘着剤組成物を、例えば、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等のような一般的な塗膜形成方法により、剥離層上に均一な厚さで塗布し乾燥することで行われる。粘着層12は、着色印刷層14の意匠性等を補うために、染料や顔料を添加し、着色粘着層としてもよい。
冷蔵庫の扉体10Aにおいては、外板1Aは、例えば、外側から順に、強化ガラス板11、粘着層12、着色印刷層14、透明樹脂フィルム13の構成であってもよく、その場合には、透明樹脂フィルム13の内側に断熱材層4が接する構成である。
図3に部分断面図を示す冷蔵庫の扉体10Bは、外板1Bと断熱材層4との間に磁性体金属板5を有し、磁性体金属板5は外板1Bと接着層6を介して接着された構成である以外は、上記冷蔵庫の扉体10Aと同様である。
冷蔵庫の扉体10Bは、磁性体金属板5を有し、これにより、冷蔵庫の扉体10Bの外側にマグネットを用いて紙等の被保持物を保持させる機能、マグネット付き道具を保持させる機能、マグネット付き表示を保持させる機能等を有する。ここで、磁性体金属板5を有する冷蔵庫の扉体10Bにマグネットの使用による被保持物の保持機能を持たせるためには、外板1Bの板厚は、0.2〜6.1mmが好ましく、0.5〜3.5mmがより好ましい。
外板1Bは、外側から順に、強化ガラス板11、粘着層12、着色印刷層14、透明樹脂フィルム13を有する。外板1Bを構成する全ての構成要素は、強化ガラス板11と同形、同寸であり、厚さ以外は、上記外板1Aで説明したのと同様の構成とできる。ここで厚さについては、マグネットの使用を可能とするために、外板1Bの厚さを上記範囲に調整する場合、強化ガラス板11以外の構成要素は、上記最大の厚さで準備されても、問題ないが、強化ガラス板11はその板厚を調整することが必要とされる。
マグネットの使用を可能とするために、外板1Bにおける、強化ガラス板11の板厚は0.1〜6.0mmが好ましく、0.4〜3.4mmがより好ましい。なお、強化ガラス板11においては、マグネットの使用に対して耐傷付き性を十分に有する。
ここで、板厚が1.0mmを下回るような薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差がつきにくいために圧縮応力層を形成することが困難であり、目的の高強度という特性を得ることができない。そのため、板厚が1.0mm以下の強化ガラス板11としては、化学強化ガラス板が用いられる。
冷蔵庫の扉体10Bに用いる磁性体金属板5としては、通常、冷蔵庫の扉体に用いられる磁性体金属板と同様の磁性体金属板が使用できる。具体的には、鉄や、フェライト系、マルテンサイト系のステンレス鋼等からなる厚さ0.1〜3.0mm程度の磁性体金属板が挙げられる。
接着層6としても、冷蔵庫の扉体に用いる磁性体金属板を他の部材と接着する際に用いるのと同様の接着層を特に制限なく使用できる。具体的には、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、ニトリルゴム系接着剤等からなる接着層が挙げられる。
冷蔵庫の扉体10Bにおいては、外板1Bは、例えば、外側から順に、強化ガラス板11、粘着層12、透明樹脂フィルム13、着色印刷層14、印刷保護層15の構成であってもよく、その場合には、印刷保護層15と接着層6が接する構成である。
また、冷蔵庫の扉体10A、10Bにおいては、本発明の効果を損なわない範囲で、強化ガラス板11はその外側主面に表面処理が施されていてもよく、各種機能を備える機能層を有していてもよい。本発明の冷蔵庫の扉体において、強化ガラス板は最も外側に配置されるが、このように強化ガラス板が外側の主面に表面処理層や機能層を備える態様も、本発明の冷蔵庫の扉体の範疇とされる。
上記機能層として具体的には、撥水撥油性層、アンチフィンガープリント層等が挙げられる。撥水撥油性層を用いる場合には、その水接触角が90度以上のものが好ましい。
強化ガラス板11の外側主面が撥水撥油性層を有することで、冷蔵庫の扉体は防汚性、具体的には、指紋が付着しにくく、付着しても目立たず、付着した指紋を容易にしかもきれいに拭き取ることができ、また水で拭いた跡が目立たず、さらにそれらの効果が長期に持続するという性能に優れる。
強化ガラス板11の外側主面が撥水撥油性層を有することで、冷蔵庫の扉体は防汚性、具体的には、指紋が付着しにくく、付着しても目立たず、付着した指紋を容易にしかもきれいに拭き取ることができ、また水で拭いた跡が目立たず、さらにそれらの効果が長期に持続するという性能に優れる。
上記撥水撥油性層としては、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を用いて形成される含フッ素有機ケイ素化合物被膜が好ましい。含フッ素加水分解性ケイ素化合物としては、得られる含フッ素有機ケイ素化合物被膜が、撥水性、撥油性等による防汚性を有するものであれば特に限定されない。
具体的には、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基(以下、「含フッ素有機基」ということもある)を有する含フッ素加水分解性ケイ素化合物が挙げられる。これらの基は加水分解性シリル基のケイ素原子に連結基を介してまたは直接結合する含フッ素有機基として存在する。なお、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン基とエーテル性酸素原子とが交互に結合した構造を有する2価の基をいう。
含フッ素加水分解性ケイ素化合物の数平均分子量(Mn)は、2,000〜10,000が好ましく、3,000〜5,000がより好ましい。数平均分子量(Mn)が前記範囲内であることで防汚性能が十分に発現され、耐摩耗性にも優れた被膜が得られる。なお、本明細書における数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより測定されたものをいう。
含フッ素加水分解性ケイ素化合物の数平均分子量(Mn)は、2,000〜10,000が好ましく、3,000〜5,000がより好ましい。数平均分子量(Mn)が前記範囲内であることで防汚性能が十分に発現され、耐摩耗性にも優れた被膜が得られる。なお、本明細書における数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより測定されたものをいう。
含フッ素有機ケイ素化合物の被膜は、上記含フッ素加水分解性ケイ素化合物の加水分解性シリル基が、加水分解によりシラノール基となり、さらにこれらが分子間で脱水縮合して−Si−O−Si−で表されるシロキサン結合を生成することで形成される。得られる被膜において、シロキサン結合のケイ素原子に結合する上記含フッ素有機基の殆どは、被膜が形成される基体側、この場合は強化ガラス11側と反対側の被膜表面付近に存在する。この含フッ素有機基の作用により該被膜は、撥水性、撥油性等の防汚性の発現が可能となる。また、上記で生成したシラノール基は、強化ガラス板11の外側主面、すなわち被膜形成面の水酸基(基体−OH)と脱水縮合反応により化学結合して、密着点(基体−O−Si)を形成する。
上記含フッ素有機基を有する含フッ素加水分解性ケイ素化合物の具体例としては、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物等が挙げられる。本明細書において、一般式(I)で示される化合物を、化合物(I)ということもある。他の一般式で示される化合物も同様である。
式(I)中、Rf1は炭素数1〜16の直鎖状のパーフルオロアルキル基(アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)、R1は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)、X1は加水分解可能な基(例えば、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、イソシアネート基等)またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、mは1〜50、好ましくは1〜30の整数、nは0〜2、好ましくは1〜2の整数、pは1〜10、好ましくは1〜8の整数である。
化合物(I)において、Rf1の炭素数は1〜4が好ましい。また、R1はメチル基が好ましい。X1で示される加水分解性基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
CqF2q+1CH 2CH2Si(NH2)3 …(II)
式(II)中、qは1以上、好ましくは2〜20の整数である。
一般式(II)で表される化合物としては例えば、n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン(n−CF3CH2CH2Si(NH2)3)、n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン(n−C3F7CH2CH2Si(NH2)3)等を例示することができる。
式(II)中、qは1以上、好ましくは2〜20の整数である。
一般式(II)で表される化合物としては例えば、n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン(n−CF3CH2CH2Si(NH2)3)、n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン(n−C3F7CH2CH2Si(NH2)3)等を例示することができる。
CrF2r+1CH2CH2Si(OCH3)3 …(III)
式(III)中、rは1以上、好ましくは1〜20の整数である。
一般式(III)で表される化合物としては、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(n−C8F17CH2CH2Si(OCH3)3)等を例示することができる。
式(III)中、rは1以上、好ましくは1〜20の整数である。
一般式(III)で表される化合物としては、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(n−C8F17CH2CH2Si(OCH3)3)等を例示することができる。
式(IV)中、Rf2は、−(OC3F6)s−(OC2F4)t−(OCF2)u−(s、t、uはそれぞれ独立に0〜200の整数)で表される2価の直鎖状パーフルオロポリエーテル基であり、R2、R3は、それぞれ独立に炭素数1〜8の一価炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)である。X2、X3は独立に加水分解可能な基(例えば、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、イソシアネート基等)またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、d、eは独立に1または2であり、c、fは独立に1〜5(好ましくは1〜2)の整数であり、aおよびbは独立に2または3である。
化合物(IV)が有するRf2において、s+t+uは、20〜300であることが好ましく、25〜100であることがより好ましい。また、R2、R3はメチル基、エチル基、ブチル基が好ましい。X2、X3で示される加水分解性基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。また、aおよびbはそれぞれ3が好ましい。
F−(CF2)v−(OC3F6)w−(OC2F4)y−(OCF2)z(CH2)hO(CH2)i−Si(X4)3−k(R4)k …(V)
式(V)中、vは1〜3の整数であり、w、y、zはそれぞれ独立に0〜200の整数であり、hは1または2であり、iは2〜20の整数であり、X4は加水分解性基であり、R4は炭素数1〜22の直鎖または分岐の炭化水素基であり、kは0〜2の整数である。w+y+zは、20〜300であることが好ましく、25〜100であることがより好ましい。また、iは2〜10であることが好ましい。X4は、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。R4は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
式(V)中、vは1〜3の整数であり、w、y、zはそれぞれ独立に0〜200の整数であり、hは1または2であり、iは2〜20の整数であり、X4は加水分解性基であり、R4は炭素数1〜22の直鎖または分岐の炭化水素基であり、kは0〜2の整数である。w+y+zは、20〜300であることが好ましく、25〜100であることがより好ましい。また、iは2〜10であることが好ましい。X4は、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。R4は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
また、市販されているパーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物として、KP−801(商品名、信越化学工業社製)、X−71(商品名、信越化学工業社製)、KY−130(商品名、信越化学工業社製)、KY−178(商品名、信越化学工業社製)、オプツ−ル(登録商標)DSX(商品名、ダイキン工業社製)などが好ましく使用できる。
含フッ素有機ケイ素化合物被膜は、例えば、このような含フッ素加水分解性ケイ素化合物と必要に応じて添加される任意成分を混合することで調製される被膜形成用組成物を強化ガラス板11の外側主面に付着させ反応させ成膜することで得られる。含フッ素有機ケイ素化合物被膜の成膜は、通常乾式法により行われ、なかでも真空蒸着法による成膜が好ましい。なお、市販品の含フッ素加水分解性ケイ素化合物について、これが溶剤とともに供給される場合には、溶剤を除去して使用される。また、乾式法による具体的な成膜方法、反応条件については従来公知の方法、条件等が適用可能である。
なお、強化ガラス板11の外側主面に含フッ素有機ケイ素化合物被膜を形成する時期については、特に制限されず、強化ガラス板に何も付いていない段階で行ってもよく、外板とした後に行ってもよく、冷蔵庫の扉体とした後に行ってもよい。冷蔵庫の扉体とした後に行うことが好ましい。
なお、強化ガラス板11の外側主面に含フッ素有機ケイ素化合物被膜を形成する時期については、特に制限されず、強化ガラス板に何も付いていない段階で行ってもよく、外板とした後に行ってもよく、冷蔵庫の扉体とした後に行ってもよい。冷蔵庫の扉体とした後に行うことが好ましい。
含フッ素有機ケイ素化合物被膜の膜厚は外観およびコストの観点から50nm以下が好ましく、その下限は単分子層の厚さである。被膜の膜厚は2〜30nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
以上、本発明の実施形態の例示として冷蔵庫の扉体10A、10Bについて説明したが、本発明の前面板の構成はこれらに限定されず、本発明の趣旨に反しない限度において、要求特性等に応じて適宜変更可能である。
磁性体金属板を有する冷蔵庫の扉体において、意匠性向上等の目的で強化ガラス板を配した外板を使用した場合の、外板の厚さとマグネットの使用可否との関係を以下の方法で試験した。
[試験方法]
冷蔵庫の扉体の外板に相当する構成の試験板、すなわち、強化ガラス板の一方の主面に透明アクリル粘着剤層を介してPETフィルムを貼合した試験板1〜16を表1に示す各種厚さで準備した。試験板の作製に用いた、透明アクリル粘着剤層は25μmであり、PETフィルムは75μmであった。また、強化ガラス板として、0.5〜6.0mmのものを用いた。
[試験方法]
冷蔵庫の扉体の外板に相当する構成の試験板、すなわち、強化ガラス板の一方の主面に透明アクリル粘着剤層を介してPETフィルムを貼合した試験板1〜16を表1に示す各種厚さで準備した。試験板の作製に用いた、透明アクリル粘着剤層は25μmであり、PETフィルムは75μmであった。また、強化ガラス板として、0.5〜6.0mmのものを用いた。
準備した試験板1〜16のそれぞれについて、試験板を市販の冷蔵庫の扉の前面に強化ガラス板側を外側にして配置した場合に、以下の2種類のマグネットによりOPP用紙1枚が試験板と該マグネットの間で保持されるかを評価した。
冷蔵庫は、日立社製のR−22A6(商品名、扉の鉄板厚み:推定1mm)を用いた。マグネットは、マク−1020NT(商品名、コクヨ社製、ネオジム磁石)およびマク−40NW(商品名、コクヨ社製、フェライト磁石)を用いた。
OPP用紙1枚を保持できた場合を「○」、保持できなかった場合を「×」として結果を表1に示す。結果は、ネオジム磁石では、6.1mmの試験板を介しても紙を保持でき、フェライト磁石では、1.2mmの試験板を介しても紙を保持できた。
OPP用紙1枚を保持できた場合を「○」、保持できなかった場合を「×」として結果を表1に示す。結果は、ネオジム磁石では、6.1mmの試験板を介しても紙を保持でき、フェライト磁石では、1.2mmの試験板を介しても紙を保持できた。
また、上記試験板3と同様にPETフィルム付き強化ガラス板を作製した後、強化ガラス板のPETフィルムを貼合したのと反対側の主面に撥水撥油性層を形成して試験板17を作製した。撥水撥油性層の形成は、オプツ−ル(登録商標)DSX(商品名、ダイキン工業社製)を用いて真空蒸着により膜厚7nmの含フッ素有機ケイ素化合物被膜を成膜することで行った。得られた試験板17と、撥水撥油性層を有しない試験板3について以下の項目について比較した。
試験板17の撥水撥油性層の表面と、試験板3の強化ガラス板の表面について、それぞれ水接触角を測定するとともに、防汚性に係る以下の試験を行い外観の違いを確認した。
(水拭き試験)
上記試験面を、十分に水を含ませたセルロース製不織布(ベンコットM−3:商品名、旭化成社製)により水拭きした後の外観を評価した。
(指紋付着試験)
上記試験面に、人差し指1本で指先を軽く触れることにより指紋を付着させた後の外観を評価した。
(指紋から拭き試験)
上記指紋付着試験で試験面に付着した指紋をセルロース製不織布(ベンコットM−3:商品名、旭化成社製)で拭きとった後の外観を評価した。
結果を試験板17と試験板3の構成とともに表2に示す。
(水拭き試験)
上記試験面を、十分に水を含ませたセルロース製不織布(ベンコットM−3:商品名、旭化成社製)により水拭きした後の外観を評価した。
(指紋付着試験)
上記試験面に、人差し指1本で指先を軽く触れることにより指紋を付着させた後の外観を評価した。
(指紋から拭き試験)
上記指紋付着試験で試験面に付着した指紋をセルロース製不織布(ベンコットM−3:商品名、旭化成社製)で拭きとった後の外観を評価した。
結果を試験板17と試験板3の構成とともに表2に示す。
本発明の冷蔵庫の扉体は、冷蔵庫の意匠性を高めるのに有用である。
1,1A,1B…外板、2…内板、3…枠体、4…断熱材層、5…磁性体金属板、6…接着層、10,10A,10B…冷蔵庫の扉体
11…強化ガラス板、12…粘着層、13…透明樹脂フィルム、14…着色印刷層、15…印刷保護層
11…強化ガラス板、12…粘着層、13…透明樹脂フィルム、14…着色印刷層、15…印刷保護層
Claims (4)
- 互いに対向する外板および内板と、前記外板および内板の間に挟持される断熱材層とを有する冷蔵庫の扉体であって、
前記外板は、最も外側に配置される強化ガラス板と、前記強化ガラス板の内側主面に配置される粘着層と、前記粘着層を介して前記強化ガラス板に接着される、少なくとも一方の主面に着色印刷層を有する透明樹脂フィルムとを有する、冷蔵庫の扉体。 - 前記透明樹脂フィルムは前記着色印刷層を内側主面に有し、前記外板はさらに前記着色印刷層の内側に印刷保護層を有する請求項1記載の冷蔵庫の扉体。
- さらに、前記外板と前記断熱材層との間に磁性体金属板を有し、前記外板の板厚が0.2〜6.1mmである請求項1または2記載の冷蔵庫の扉体。
- 前記強化ガラス板の板厚が0.1〜6.0mmである請求項3記載の冷蔵庫の扉体。
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