JP2003291269A - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

化粧シート及び化粧材

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JP2003291269A
JP2003291269A JP2002104801A JP2002104801A JP2003291269A JP 2003291269 A JP2003291269 A JP 2003291269A JP 2002104801 A JP2002104801 A JP 2002104801A JP 2002104801 A JP2002104801 A JP 2002104801A JP 2003291269 A JP2003291269 A JP 2003291269A
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layer
decorative
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Tsutomu Saito
努 齋藤
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属板上に積層した化粧材に対して折り曲げ加
工や絞り加工を施しても割れや破断を発生しにくい化粧
シートと、当該化粧シートを用いた化粧材とを提供す
る。 【解決手段】貯蔵弾性率(23℃、1Hz)が4.0×
102〜8.0×102MPaである第一熱可塑性樹脂層
12の表面上に、貯蔵弾性率(同)が4.5×103
6.0×103MPaである第二熱可塑性樹脂層15を
積層してなる化粧シート1と、それを金属板2上に積層
してなる化粧材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築内装材、建具
や家電製品の表面材等に用いられる化粧シート及び化粧
材に関する。特に、鋼板等の金属板の表面に積層して用
いるために好適な化粧シートと、当該化粧シートを金属
板の表面に積層した化粧材とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、主に冷蔵庫等の家電製品の表面材
や浴室内装材等として、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの
表面上に透明ポリエステル系樹脂フィルムを積層させた
化粧シートを、鋼板等の金属板上に積層させ、透明ポリ
エステル系樹脂フィルム面を鏡面状にしてハイグロス仕
上げとした化粧材が、広く用いられている(特開昭63
−280627号等)。また近年では、ポリ塩化ビニル
樹脂は燃焼時に有毒ガスを発生するために嫌われ、上記
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムに代えてポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂フィルムを使用した化粧材も、
既に提案されている(特開平10−258488号
等)。
【0003】しかし、ポリオレフィン系樹脂フィルムと
透明ポリエステル系樹脂フィルムとの複合による化粧シ
ートを金属板上に積層した化粧材は、折り曲げ加工や絞
り加工などを行うと、透明ポリエステル系樹脂フィルム
の割れや破断などの現象が発生し易く、その加工性は従
来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを使用した化粧材よる
も遥かに劣るものであった。
【0004】この現象について詳細に調査したところ、
ポリオレフィン系樹脂フィルムと透明ポリエステル系樹
脂フィルムとの複合による化粧シートを金属板上に積層
した化粧材に対して、折り曲げ加工や絞り加工を行った
際には、加工部分において金属板が湾曲するのに追従し
て化粧シートが引き延ばされるが、化粧シートの下層で
あるポリオレフィン系樹脂フィルムは一般に、樹脂が均
一に伸びずに局部的に伸びてしまう、所謂ネッキングが
発生する為に、上層の透明ポリエステル系樹脂フィルム
がそれに追従できずに割れや破断が発生していることが
判明した。
【0005】また、上記ネッキングを防止しようとし
て、ポリオレフィン系樹脂にエチレンプロピレンゴム等
のゴム成分やその他の軟質成分を大量に添加した軟質ポ
リオレフィン系樹脂フィルムを使用すると、フィルムが
柔らか過ぎて低張力でも大きく伸びてしまう為、ウェブ
での印刷を行う際には不適となる。また、上層となる透
明樹脂フィルムをポリオレフィン系樹脂フィルムのネッ
キングにも追従できる柔軟な樹脂フィルムで置き換える
と、化粧材として用いる際に、表面からの荷重などによ
って傷や凹みが発生し易くなり、美観の保持という点で
耐久性に劣るものとなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的とするところは、金属板上に積層し
た化粧材に対して折り曲げ加工や絞り加工を施しても割
れや破断を発生しにくい化粧シートと、当該化粧シート
を用いた化粧材とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧シートは、
少なくとも下層となる第一熱可塑性樹脂層の表面上に上
層となる第二熱可塑性樹脂層を具備してなる化粧シート
において、前記第一熱可塑性樹脂層の温度23℃におけ
る周波数1Hzに対する貯蔵弾性率が4.0×102
8.0×102MPaであり、且つ、前記第二熱可塑性
樹脂層の温度23℃における周波数1Hzに対する貯蔵
弾性率が4.5×103〜6.0×103MPaであるこ
とを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の化粧シートは、上記化粧シ
ートにおいて、前記第一熱可塑性樹脂層がポリオレフィ
ン系樹脂からなり、前記第二熱可塑性樹脂層がポリエス
テル系樹脂からなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の化粧シートは、上記化粧シ
ートにおいて、前記第二熱可塑性樹脂層が透明であり、
前記第一熱可塑性樹脂層と前記第二熱可塑性樹脂層との
間に絵柄層を具備することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の化粧シートは、上記化粧シ
ートにおいて、前記第二熱可塑性樹脂層の上に表面コー
ト層を具備することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の化粧材は、、金属板の表面
に、上記のいずれかの化粧シートの前記第一熱可塑性樹
脂層側の面を向けて積層してなることを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の化粧シート及び
化粧材の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明す
る。図1は本発明の化粧シートの実施の形態を示す模式
断面図であり、図2は本発明の化粧材の実施の形態を示
す模式断面図である。
【0013】本発明の化粧シート1は、裏面側が金属板
等の被貼着基材に対する積層面となる下層としての第一
熱可塑性樹脂層12と、その表面側の上層としての第二
熱可塑性樹脂層15とが少なくとも積層されて構成され
るものであり、該第一熱可塑性樹脂層12及び第二熱可
塑性樹脂層15の、温度23℃における周波数1Hzに
対する貯蔵弾性率が、それぞれ4.0×102〜8.0
×102MPa及び4.5×103〜6.0×103MP
aであることを特徴としている。
【0014】上記貯蔵弾性率とは、非共振強制振動法に
よる動的粘弾性によって得られるものであり、以下の様
にして求められる。試験片に、下式(1) ε=ε0iωt (1) (但し、ここで e:自然対数の底、 i:虚数単位、 ω:周波数、 t:時間である)で表される振幅ε0の正弦波歪みεを
加えたとき、試験片の他端に生じる応力σは、歪みεよ
りもδだけ位相が進む。このとき、応力δは、歪みと同
一位相を持つ成分と、歪みεよりπ/2だけ進んだ位相
を持つ成分とに分けられる。 σ=E★ε=(E’+iE”)ε (2) E’=|E★|cosδ E”=|E★|sinδ δ=ωΔt |E★|=(L0S)*(ΔF/ΔL)*K (但し、ここで L0:試験片の初期長さ、 S:試験片の断面積、 ΔF/ΔL:振動荷重/振動変位の出力、 K:装置定数(補正項など)、 E★:複素弾性率、 E’:貯蔵弾性率、 E”:損失弾性率である) 弾性率は、応力と歪みの最大値の比として定義され、上
式(2)の様に複素数で与えられる。このとき得られた
複素弾性率E★のうち、実数部を貯蔵弾性率(弾性項)
E’、虚数部を損失弾性率(粘性項)E”とする。
【0015】下層である第一熱可塑性樹脂層12の貯蔵
弾性率E’が4.0×102MPaに満たないと、シー
トが柔軟すぎて印刷中や加工中に伸び易く、多色印刷の
見当を合わせるのが困難になるほか、表面に物が強く押
し付けられたりぶつかったりした時に凹み跡(圧痕、打
痕)が残りやすいことなどの問題があり、8.0×10
2MPaを越えると、折り曲げ加工や絞り加工の際に、
第二熱可塑性樹脂層15の割れや破断を発生し易くな
る。また、上層である第二熱可塑性樹脂層15の貯蔵弾
性率E’が4.5×103MPaに満たないと、表面硬
度が不足し、折り曲げ加工や絞り加工の際に金型の痕が
つき易いことや、取り扱いに際し擦り傷が発生し易いこ
となどの問題があり、6.0×103MPaを越える
と、この層が硬すぎるために、第一熱可塑性樹脂層12
として本発明において特定する範囲の貯蔵弾性率を持つ
ものを使用しても、折り曲げ加工や絞り加工の際の割れ
や破断の発生を確実に防止することができない。
【0016】本発明において、下層となる第一熱可塑性
樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂の種類は、上記弾性
率特性を有するものであれば特に限定されるものではな
いが、ポリ塩化ビニル樹脂などのハロゲン系樹脂は環境
問題の面から望ましくなく、非ハロゲン系樹脂を使用す
ることが望ましい。具体的には、例えばポリオレフィン
系樹脂、非晶質ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート
樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
樹脂等を使用することが好ましく、中でもコストや加工
性などの面からポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂が好ましい。
【0017】上層となる第二熱可塑性樹脂層15を構成
する熱可塑性樹脂の種類についても、上記弾性率特性を
有するものであれば特に限定されるものではないが、透
明性や耐傷付き性、耐溶剤性、耐水性、表面鮮映性等を
考慮すれば、ポリエチレンテレフタレート(特に、2軸
延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム)に代表
されるポリエステル系樹脂を使用することが最も好まし
い。
【0018】第一熱可塑性樹脂層12及び第二熱可塑性
樹脂層15の弾性率特性を本発明において規定する範囲
に制御する方法としては、例えば平均分子量や分子量分
布による制御方法や、共重合成分の種類や量による制御
方法、ゴム成分等の軟質成分の添加による制御方法、結
晶化度や結晶粒径による制御方法、延伸等の配向による
制御方法等、従来公知の種々の方法を1種又は2種以上
組み合わせて行うことができる。
【0019】例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂の場合には、エチレンプロピレンゴムやスチレ
ンブタジエンゴム又はその水素添加物等の軟質ゴム成分
の添加(ブレンド又はブロック共重合等)による制御方
法(添加量を増すほど弾性率は低下する)が最も有効で
あり、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系
樹脂の場合には、イソフタル酸やジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等の共重合成分の添加
による制御方法(添加量を増すほど弾性率は低下する)
や、延伸倍率による制御(延伸倍率が高いほど弾性率は
上昇する)等が有効である。
【0020】第一熱可塑性樹脂層12及び第二熱可塑性
樹脂層15は、その一方又は両方が、同種又は異種の樹
脂層からなる積層体によって構成されていても良い。そ
の場合、第一熱可塑性樹脂層12については、該積層体
を構成する各層の貯蔵弾性率の、各層の厚みを考慮した
加重平均値が、本発明において規定する範囲内となって
いれば良く、第二熱可塑性樹脂層12については、最も
硬質の層の貯蔵弾性率が、本発明において規定する範囲
内となっていれば良い。しかし、各積層体を構成する全
ての層の貯蔵弾性率が、本発明において規定する範囲内
となっていることが、最も望ましい。
【0021】本発明において、第一熱可塑性樹脂層12
及び第二熱可塑性樹脂層15の厚みは特に限定されるも
のではないが、厚みが極端に厚すぎると、曲げ加工や絞
り加工を行った部分においてこれら樹脂層の伸び率が高
くなるために、割れや破断などが発生し易くなる。その
ため、第一熱可塑性樹脂層12及び第二熱可塑性樹脂層
15の厚みとしては、それぞれ25〜200μmの範囲
内とすることが望ましい。また、化粧シート1の総厚と
しては、50〜250μmの範囲内とすることが望まし
い。
【0022】第一熱可塑性樹脂層12と第二熱可塑性樹
脂層15との間には、所望の絵柄による意匠性を付与す
るための絵柄層13を挟持させることができ、この場合
には第二熱可塑性樹脂層15は透明なものとする。一般
的には透明度の高い無色透明のフィルムが用いられる
が、本発明はこれに限られるものではなく、絵柄層13
を透視可能な限りにおいて半透明や着色透明であっても
良い。第一熱可塑性樹脂層12は、金属板等の被貼着基
材を隠蔽したい場合には隠蔽性に着色すれば良いし、被
貼着基材の表面の質感を活かしたい場合には透明とすれ
ば良い。
【0023】絵柄層13は、染料又は顔料等の着色剤及
びバインダー樹脂を溶媒中に溶解又は分散した印刷イン
キ又は塗料を使用して、例えばグラビア印刷法、オフセ
ット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、イン
キジェット印刷法、転写印刷法等の各種印刷方法や、ベ
タ状の場合は例えばグラビアコート法、ロールコート
法、ナイフコート法、リップコート法、スプレーコート
法、フローコート法等の各種塗工方法等によって形成さ
れる。絵柄の種類は、例えば木目柄、石目柄、抽象柄、
単色無地等、所望により任意である。
【0024】絵柄層13は、図1に示す様に第一熱可塑
性樹脂層12の表面に形成しても良いし、第二熱可塑性
樹脂層15の裏面に形成しても良い。また、必要に応じ
て、第二熱可塑性樹脂層15の表面や、第一熱可塑性樹
脂層12が透明であればその裏面に形成することもで
き、第一熱可塑性樹脂層12及び/又は第二熱可塑性樹
脂層15が複数の樹脂層からなる積層体である場合に
は、その層間に形成することもでき、これらから選ばれ
る複数箇所に絵柄層13を設けることによって、見る角
度により絵柄が変化する立体的な意匠効果を得ることも
できる。
【0025】第一熱可塑性樹脂層12と第二熱可塑性樹
脂層15との積層方法は、本発明において特に限定され
るものではなく、例えば適宜の接着剤層14を介したド
ライラミネート法又はウェットラミネート法や、接着剤
層14を介するか又は介さない熱ラミネート法、第一熱
可塑性樹脂層12又は第二熱可塑性樹脂層15を形成す
るための樹脂を加熱溶融してシート状に押し出すと同時
に他方に積層する押出ラミネート法等、従来公知の手法
を適宜採用することができる。
【0026】第二熱可塑性樹脂層15の上には、表面保
護や艶調整等のための表面コート層16を設けることが
できる。表面コート層16には、表面物性に優れた塗膜
を与える硬化性樹脂を用いるのが一般的で、例えば2液
硬化型ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、メラミ
ン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の
熱硬化性樹脂や、(メタ)アクリレート系樹脂等の電離
放射線硬化性樹脂等を、好適に使用することができる。
【0027】表面コート層16には、種々の機能性材料
を添加して、各種の機能性を付加することができる。例
えば、シリコーン系化合物等の添加による汚染防止機能
や、無機系又は有機系抗菌剤の添加による抗菌機能、硬
質粒子の添加による耐摩耗性機能、界面活性剤又は導電
性粒子等の添加による帯電防止機能、紫外線吸収剤及び
/又は光安定剤の添加による耐候性機能等を挙げること
ができる。
【0028】本発明の化粧シート1は、図2に示す様
に、金属板2等の被貼着基材と貼り合わせて化粧材とし
て用いられる。その際、第一熱可塑性樹脂層12を構成
する樹脂の種類によっては、被貼着基材との貼り合わせ
のための接着適性が劣る場合があるので、そのような場
合には、接着力を向上させるためのプライマー層11
を、第一熱可塑性樹脂層12の裏面に予め設けておくと
良い。
【0029】プライマー層11としては、例えばウレタ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂等からなる従来公知の易接着プライマー剤から、第一
熱可塑性樹脂層12の材質に合わせて選択すればよい。
また、このプライマー層11にシリカ等の無機質粉末を
添加して、投錨効果による接着力向上と共に、化粧シー
ト1の巻取保存時のブロッキング防止を図ることもでき
る。
【0030】本発明の化粧シート1は、被貼着基材とし
ての金属板2の表面に貼り合わせた化粧材の形態におい
て、その効果を最も顕著に発揮する。金属板2の材質は
特に限定されるものではなく、例えば鋼板、アルミニウ
ム板、真鍮板、ステンレス板等、種々の金属材料を任意
に用いることができる。また、金属板2の表面に防錆、
易塗装性などの機能を付与するために、例えば溶融亜鉛
メッキ、電気亜鉛メッキ、ボンデライジング等の種々の
表面処理を任意に施すことができる。
【0031】金属板2の厚みは特に限定されるものでは
ないが、厚みが極端に薄くなると化粧材として十分な剛
性が得られず、一方、極端に厚くなると、その重量のた
め取り扱い作業性が悪化したり、折り曲げ加工や絞り加
工等の加工性が低下したりするほか、不経済でもあるの
で、一般的には、0.2〜2mm程度の厚みのものを使
用することが好ましい。
【0032】金属板2上への化粧シート1の積層方法は
特に限定されるものではなく、例えば化粧シート1の裏
面側の第一熱可塑性樹脂層を加熱軟化ないし半溶融させ
た状態で金属板2と熱融着させる方法や、金属板2上及
び/又は化粧シート1の裏面に塗布した接着剤層3を介
して接着させる方法等、従来公知の手法を任意に採用す
ることができる。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の化粧シート及び化粧材の具
体的な実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説
明する。
【0034】なお、以下の実施例及び比較例において、
各樹脂フィルムの貯蔵弾性率の値は、動的粘弾性測定装
置「DMS6100」(セイコーインスツルメンツ社
製)を用い、測定周波数:1Hz、試料長:20mm、
動的歪み:10μm、最小張力:50mN、測定温度
域:20℃〜150℃、昇温速度:2℃/min、測定
雰囲気:窒素ガス気流中(流量約500cc/mi
n)、試験室雰囲気:21±2℃、60±5%RHの測
定条件にて測定して求めたものである。
【0035】実施例1 ポリプロピレン樹脂を主成分とし、エチレンプロピレン
ゴム(EPR)の添加により貯蔵弾性率(23℃、1H
z)を6.17×102MPaに調整した樹脂組成物か
らなる厚さ120μmの白色ポリプロピレン系樹脂フィ
ルム「RIVEST TPO」(リケンテクノス社製)
を第一熱可塑性樹脂層とし、その片面にウレタン系印刷
インキ「ラミスター」(東洋インキ製造社製)を用いて
グラビア印刷法により絵柄印刷を施した後、該印刷面に
第二熱可塑性樹脂層として、貯蔵弾性率(23℃、1H
z)が5.35×103MPaである厚さ50μmの透
明ポリエステル系樹脂フィルム「エンブレットS」(ユ
ニチカ社製)を、ウレタン系接着剤「A−543」(武
田薬品工業社製)を用いてドライラミネート法により積
層して、本発明の化粧シートを作製した。
【0036】上記化粧シートのポリプロピレン系樹脂フ
ィルム面を、ウレタン系接着剤「モルプライム」(東洋
モートン社製)を用いて、厚さ0.5mmのボンデ鋼板
上に積層して、本発明の化粧材を作製した。得られた化
粧材は、5℃雰囲気下でのプレス密着曲げ(t=0)及
びエクセリン押出し(8mm)において化粧シートの割
れ、破断が発生しなかった。
【0037】実施例2 上記実施例1において、第一熱可塑性樹脂層を、ポリプ
ロピレン樹脂を主成分とし、エチレンプロピレンゴム
(EPR)の添加により貯蔵弾性率(23℃、1Hz)
を6.17×102MPaに調整した樹脂組成物からな
る厚さ70μmの白色ポリプロピレン系樹脂フィルム
「RIVEST TPO」(リケンテクノス社製)に換
えると共に、第二熱可塑性樹脂層を、貯蔵弾性率(23
℃、1Hz)が4.98×103MPaである厚さ10
0μmの透明ポリエステル系樹脂フィルム「ルミラー
T60」(東レ社製)に換え、さらに、該第二熱可塑性
樹脂層上に、防汚剤としてシリコーン化合物を添加した
イソシアネート硬化型ポリウレタン樹脂「YL341」
(東洋インキ製造社製)をリバースグラビア法により塗
工して表面コート層を形成したほかは、上記実施例1と
同一の要領にて、本発明の化粧シートを作製した。
【0038】得られた化粧シートのポリプロピレン系樹
脂フィルム面を、厚さ1mmの溶融亜鉛メッキ鋼板上
に、上記実施例1と同一の要領にて積層して、本発明の
化粧材を作製した。得られた化粧材は、5℃雰囲気下で
のプレス密着曲げ(t=0)及びエクセリン押出し(8
mm)において化粧シートの割れ、破断が発生しなかっ
た。
【0039】比較例1 上記実施例1において、第一熱可塑性樹脂層を、ポリプ
ロピレン樹脂を主成分とし、エチレンプロピレンゴム
(EPR)の添加により貯蔵弾性率(23℃、1Hz)
を3.25×102MPaに調整した樹脂組成物からな
る厚さ70μmの白色ポリプロピレン系樹脂フィルムに
換え、その他は上記実施例1と同一の要領にて化粧シー
ト及び化粧材を作製した。
【0040】得られた化粧材は、5℃雰囲気下でのプレ
ス密着曲げ(t=0)及びエクセリン押出し(8mm)
において化粧シートの割れ、破断が発生しなかった。し
かし、絵柄印刷の際に印刷機中においてポリプロピレン
系樹脂フィルムの伸びが10%程度発生し、多色印刷の
見当が合わなかったほか、得られた化粧材の表面をハン
マーで軽く叩いた際に、実施例1の化粧材よりも打痕が
残り易いことが確認された。
【0041】比較例2 上記実施例1において、第一熱可塑性樹脂層を、ポリプ
ロピレン樹脂を主成分とし、エチレンプロピレンゴム
(EPR)の添加により貯蔵弾性率(23℃、1Hz)
を9.35×102MPaに調整した樹脂組成物からな
る厚さ70μmの白色ポリプロピレン系樹脂フィルムに
換え、その他は上記実施例1と同一の要領にて化粧シー
ト及び化粧材を作製した。
【0042】得られた化粧材は、5℃雰囲気下でのプレ
ス密着曲げ(t=0)において、第二熱可塑性樹脂層で
あるポリエステル系樹脂フィルムの割れが発生した。
【0043】比較例3 上記実施例1において、第二熱可塑性樹脂層を、貯蔵弾
性率(23℃、1Hz)が2.98×103MPaであ
る厚さ50μmの透明ポリエステル系樹脂フィルム「S
AEHAN APET SHEET」(SAEHAN社
製)に換え、その他は上記実施例1と同一の要領にて化
粧シート及び化粧材を作製した。
【0044】得られた化粧材は、5℃雰囲気下でのプレ
ス密着曲げ(t=0)及びエクセリン押出し(8mm)
において化粧シートの割れ、破断が発生しなかった。し
かしながら、上記実施例1の化粧材と比較して、折り曲
げ加工時に金型の痕がつき易いことや、取り扱い中に表
面に擦り傷が発生し易いことなどの問題があり、実用に
堪えるものではなかった。
【0045】比較例4 上記実施例1において、第二熱可塑性樹脂層を、貯蔵弾
性率(23℃、1Hz)が6.45×103MPaであ
る厚さ50μmの透明ポリエステル系樹脂フィルム「テ
オネックスフィルム」(帝人社製)に換え、その他は上
記実施例1と同一の要領にて化粧シート及び化粧材を作
製した。
【0046】得られた化粧材は、5℃雰囲気下でのプレ
ス密着曲げ(t=0)において、第二熱可塑性樹脂層で
あるポリエステル系樹脂フィルムの割れが発生した。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
シートは、温度23℃における周波数1Hzに対する貯
蔵弾性率が4.0×102〜8.0×102MPaである
第一熱可塑性樹脂層の表面上に、温度23℃における周
波数1Hzに対する貯蔵弾性率が4.5×103〜6.
0×103MPaである第二熱可塑性樹脂層を積層して
構成したことにより、金属板等に積層した化粧材の折り
曲げ加工や絞り加工の際に割れや破断を発生しにくく、
しかも、印刷時のシートの伸びが少なく意匠性に優れた
鮮明な印刷が可能であり、加工時の金型痕や、取扱中や
使用中の圧痕、打痕、擦り傷等も付きにくいという、実
用上の優れた利点を有するものである。
【0048】特に、第一熱可塑性樹脂層としてポリオレ
フィン系樹脂を、第二熱可塑性樹脂層としてポリエステ
ル系樹脂を使用することにより、安価で加工性に優れ製
造容易であると共に、表面鮮映性の高い、所謂ハイグロ
ス仕上げの化粧材を容易に得ることができる。また、適
切な表面コート層を設けることによって、耐傷付き性や
耐候性、耐汚染性等の機能性を付与することもできるな
ど、種々の優れた実用上の利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施の形態を示す模式断
面図。
【図2】本発明の化粧材の実施の形態を示す模式断面
図。
【符号の説明】
1 化粧シート 11 プライマー層 12 第一熱可塑性樹脂層 13 絵柄層 14 接着剤層 15 第二熱可塑性樹脂層 16 表面コート層 2 金属板 3 接着剤層
フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 AB04 AB23 BA05 BA12 BB02 GA03W GB52W 4F100 AB01E AK01A AK01B AK03A AK07 AK41B AK51 AK51G AK75 AL05 AR00C BA02 BA03 BA04 BA10A BA10B BA10D BA10E CB02 CC00D GB08 GB48 HB00 HB00C JB16A JB16B JK07A JK07B JK09 JK14 JL00 JL01 JN01B YY00A YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下層となる第一熱可塑性樹脂層
    の表面上に上層となる第二熱可塑性樹脂層を具備してな
    る化粧シートにおいて、前記第一熱可塑性樹脂層の温度
    23℃における周波数1Hzに対する貯蔵弾性率が4.
    0×102〜8.0×102MPaであり、且つ、前記第
    二熱可塑性樹脂層の温度23℃における周波数1Hzに
    対する貯蔵弾性率が4.5×103〜6.0×103MP
    aであることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】前記第一熱可塑性樹脂層がポリオレフィン
    系樹脂からなり、前記第二熱可塑性樹脂層がポリエステ
    ル系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の化
    粧シート。
  3. 【請求項3】前記第二熱可塑性樹脂層が透明であり、前
    記第一熱可塑性樹脂層と前記第二熱可塑性樹脂層との間
    に絵柄層を具備することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】前記第二熱可塑性樹脂層の上に表面コート
    層を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の化粧シート。
  5. 【請求項5】金属板の表面に、請求項1〜4のいずれか
    に記載の化粧シートの前記第一熱可塑性樹脂層側の面を
    向けて積層してなることを特徴とする化粧材。
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