JP2013234690A - 自動調心ころ軸受及び回転機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】外輪回転の場合にも調心機能を有することが可能となる自動調心ころ軸受を提供する。
【解決手段】内周に凹曲面からなる外輪軌道11が形成されている外輪1と、外周に凹曲面からなる内輪軌道21,22が軸方向に並んで二列形成されている内輪2と、外輪軌道11と内輪軌道21,22それぞれとの間に介在している二列の樽型のころ3,4とを備えている。そして、外輪1が内輪2に対して回転する。内輪軌道21,22それぞれにおいて、軸方向の内側領域32,34の曲率半径が、軸方向の外側領域31,33の曲率半径よりも大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外輪が回転する自動調心ころ軸受、及び、この自動調心ころ軸受を備えている回転機器に関する。
自動調心ころ軸受として、例えば特許文献1に記載のものがある。自動調心ころ軸受は、図5に示すように、内周に凹曲面からなる外輪軌道96が形成されている外輪93と、外周に凹曲面からなる内輪軌道94,95が形成されている内輪92と、樽型のころ90,91とを備えている。
外輪軌道96は凹状の球面に沿った形状であり、この外輪軌道96の中心が軸受の中心点Pと一致していることから、この軸受は自動調心性を有しており、シャフト98のたわみによって、あるいは、ハウジング97に対する軸受の取り付け誤差によって、内輪92と外輪93との間に傾きが生じる場合であっても、ハウジング97に対してシャフト98を回転可能に支持することができる。
特開2009−180307号公報(図1参照)
図5に示すような自動調心ころ軸受は、一般的に知られているように、内輪92が回転する場合には、調心機能を有するのに対し、外輪93が回転する場合、調心機能を有することができない。これは、以下の理由による。なお、図5において、直線C1は外輪93の中心線であり、直線C2は内輪92の中心線である。
ころ90,91は内輪92によって軸方向の移動が規制されているため、内輪92と外輪93との間に傾き(傾き角度θ)が生じた場合には、ころ90,91は内輪92に追従する構成となっている。つまり、ころ90,91は、内輪92の中心線C2回りに転走する。
このため、内輪92が中心線C2回りに回転する場合は、内輪92の回転方向と、ころ90,91の転走方向とは、いずれも中心線C2回りの方向となって一致することから、調心機能を有することができる。
これに対して、外輪93が中心線C1回りに回転する場合には、この外輪93の回転方向G1と、内輪92の中心線C2回りとなるころ90,91の転走方向G2とが一致しなくなり、ころ90,91には、軸方向へ向かう力(図5の場合、右側へ向かう力)が発生する。この軸方向へ向かう力は、ころ90,91が内輪軌道94,95の正規位置から外れようとする力となる。
この場合、ころ90,91と内輪軌道94,95とのすべりが大きくなり、滑らかな回転が阻害されたり、内輪軌道94,95及びころ90,91が異常摩耗したりするなどの不具合が生じるおそれがある。したがって、外輪回転の場合、内輪回転で用いる場合のような調心機能を有することができない。
そこで、本発明は、外輪回転の場合にも調心機能を有することが可能となる自動調心ころ軸受、及びこの自動調心ころ軸受を有している回転機器を提供することを目的とする。
(1)本発明は、内周に凹曲面からなる外輪軌道が形成されている外輪と、外周に凹曲面からなる内輪軌道が軸方向に並んで二列形成されている内輪と、前記外輪軌道と前記内輪軌道それぞれとの間に介在している二列の樽型のころとを備え、前記外輪が前記内輪に対して回転する自動調心ころ軸受であって、前記内輪軌道それぞれにおいて、軸方向の内側領域の曲率半径が、軸方向の外側領域の曲率半径よりも、大きいことを特徴とする。
本発明によれば、回転する外輪と、内輪との間に傾きが生じた場合、一方の列のころ(「第一ころ」という)には、軸方向内側へ向かう力が生じ、他方の列のころ(「第二ころ」という)には、軸方向外側へ向かう力が生じる。
この際、第一ころが転走する内輪軌道では、その内側領域の方が外側領域よりも曲率半径が大きいため、第一ころに軸方向外側へ向かう力(正スキューによる力)が生じる。このため、内外輪の傾きによって第一ころに生じる前記軸方向内側へ向かう力は、打ち消される。また、第二ころが転走する内輪軌道では、その外側領域の方が内側領域よりも曲率半径が小さいため、第二ころに軸方向内側へ向かう力(負スキューによる力)が生じる。このため、内外輪の傾きによって第二ころに生じる前記軸方向外側へ向かう力は、打ち消される。
以上より、内外輪の傾きに起因して第一ころ及び第二ころに作用する軸方向へ向かう力を、打ち消すことができ、これによって、従来のような異常摩耗等の不具合の発生を防止し、外輪回転の場合にも調心機能を有することが可能となる。
(2)また、前記内輪軌道の前記外側領域の曲率半径が、前記外輪軌道の曲率半径よりも小さいのが好ましい。
この場合、前記正スキューによる力、前記負スキューによる力を効果的に生じさせることができる。
(3)また、前記内輪軌道それぞれにおいて、前記内側領域から前記外側領域に向かって連続的に又は段階的に曲率半径が小さくなっているのが好ましい。
この場合、内側領域から外側領域に向かうにつれて曲率半径が徐々に小さくなる構成が得られ、内外輪に傾きが発生しても、ころと内輪軌道とは良好な接触状態が得られる。
(4)また、本発明の回転機器は、シャフトと、このシャフトの径方向外側に設けられ当該シャフトを中心として回転するハウジングと、前記シャフトと前記ハウジングとの間に設けられ当該ハウジングを回転可能に支持する自動調心ころ軸受とを有し、前記自動調心ころ軸受は、内周に凹曲面からなる外輪軌道が形成され前記ハウジングと一体回転する外輪と、前記シャフトに固定され外周に凹曲面からなる内輪軌道が軸方向に並んで二列形成されている内輪と、前記外輪軌道と前記内輪軌道それぞれとの間に介在している二列の樽型のころとを備え、前記内輪軌道それぞれにおいて、軸方向の内側領域の曲率半径が、軸方向の外側領域の曲率半径よりも、大きいことを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングが回転する回転機器において、シャフトのたわみによって、あるいは、ハウジングに対するシャフトの取り付け誤差によって、内輪と外輪との間に傾きが生じる場合であっても、自動調心ころ軸受は、前記(1)と同じ作用効果を奏して調心機能を有することができ、ハウジングを回転可能に支持することが可能となる。
本発明によれば、自動調心ころ軸受は、外輪回転の場合にも調心機能を有することが可能となる。
本発明の自動調心ころ軸受の実施の一形態を示す縦断面図である。 内輪の縦断面図である。 (A)は、第一ころと外輪との間に作用する力やモーメント等の説明図であり、(B)は、この第一ころと内輪との間に作用する力やモーメント等の説明図である。 (A)はころに作用する正スキュー説明図であり、(B)はころに作用する負スキューの説明図である。 本発明の課題を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の自動調心ころ軸受の実施の一形態を示す縦断面図である。本実施形態の自動調心ころ軸受10(以下、単に軸受10ということもある)は、外輪1と内輪2と複数個の樽形のころ(スフェリカルローラ)3,4とを備えている。ころ3,4は、外輪1と内輪2との間に二列設けられており、列毎で周方向に複数個設けられている。更に、軸受10は、保持器5を備えており、保持器5は各列のころ3(4)を周方向等間隔として保持している。
図1の自動調心ころ軸受10は、シャフト7と、このシャフト7の径方向外側に設けられているハウジング8とを備えた回転機器に設けられている。つまり、軸受10は、シャフト7とハウジング8との間に設けられている。そして、この回転機器は、ハウジング8がシャフト7を中心として回転するものであり、軸受10は、シャフト7に対してハウジング8を回転可能に支持している。
本実施形態では、図1の右側と左側、つまり、軸受10の軸方向両側を「軸方向外側」と定義し、軸受10の軸方向中央側、つまり、ころ3,4の間の空間側を「軸方向内側」と定義している。また、外輪1の中心点と内輪2の中心点とは一致しており、この中心点が自動調心ころ軸受10の中心点Pとなる。
外輪1は、ハウジング8の内周面に嵌め入れられ固定されている。前記のとおり、本実施形態ではハウジング8が回転することから、外輪1はこのハウジング8と一体回転する。つまり、この軸受10では、外輪1が内輪2に対して回転する。
外輪1は、中心点Pを通りかつ外輪1の中心線に直交する仮想平面を挟んで対称に構成されており、外輪1の内周には単一の外輪軌道11が形成されている。外輪軌道11は、外輪1の中心線上の点(中心点P)から所定の半径を有する球面に沿った形状である。したがって、外輪軌道11は、凹曲面(球面の一部)からなり、外輪軌道11の中心は、軸受10の中心点Pと一致している。そして、図1に示すように、外輪1の中心線を含む断面(縦断面)において、外輪軌道11の形状は円弧となる。
内輪2は、シャフト7の外周面に外嵌されており、シャフト7に固定されている。
内輪2は、中心点Pを通りかつ内輪2の中心線に直交する仮想平面を挟んで対称に構成されており、内輪2の外周には二列の内輪軌道21,22が軸方向に並んで形成されている。内輪軌道21,22それぞれは凹曲面からなり、図1に示すように、内輪2の中心線を含む断面(縦断面)において、内輪軌道21,22それぞれの形状は円弧となる。ただし、後にも詳しく説明するが、この円弧は、一定の曲率半径からなる円弧ではなく、複数の(徐々に変化する)曲率半径からなる円弧である。
また、内輪2の外周面において、二列の内輪軌道21,22の間に、円筒面23が形成されており、この円筒面23は内輪2の中心線に平行な面である。
さらに、内輪2は、軸方向の両外側に、径方向外側へ突出している鍔部25,26を有しており、この鍔部25,26はころ3,4が軸方向外側へ移動するのを規制している。
このような構成を備えている内輪2は、円筒面23を外周面とする大径部27、鍔部25を含む小径部28、及び、鍔部26を含む小径部29を有している。そして、大径部27と一方の小径部28との間における内輪2の外周面に、一方の内輪軌道21が形成されており、この大径部27と他方の小径部29との間における内輪2の外周面に、他方の内輪軌道22が形成されている。
ころ3,4は樽形であり、凸曲面からなる外周面を有しており、また、外輪軌道11と内輪軌道21,22との間に介在し、外輪軌道11と内輪軌道21,22とを転走する。図1の左側の列に含まれるころ3を「第一ころ3」という。そして、図1の右側の列に含まれるころ4を「第二ころ4」という。なお、第一ころ3と第二ころ4とは全て同じ形状である。
ころ3(4)の外周面の形状は、ころ3(4)の中心線を含む断面において、円弧である。なお、本実施形態では、ころ3(4)の前記断面における円弧の曲率半径Rrは、外輪軌道11の曲率半径Raよりも僅かに小さく設定されている(Rr<Ra)。
図2は、内輪2の縦断面図である。内輪軌道21,22それぞれは、前記のとおり、凹曲面からなり、その断面形状は複数の曲率半径からなる円弧である。
第一ころ3が転走する内輪軌道21は、軸方向外側にある外側領域31と、軸方向内側にある内側領域32とを有している。内輪軌道21を軸方向に二分割して、左側を外側領域31、右側を内側領域32としている。そして、内側領域32の曲率半径r2が、外側領域31の曲率半径r1よりも大きく構成されている(r2>r1)。
本実施形態では、外側領域31の曲率半径r1は、外輪軌道11の曲率半径Raよりも小さく設定されており(r1<Ra)、内側領域32の曲率半径r2は、外輪軌道11の曲率半径Raよりも大きく設定されている(r2>Ra)。
そして、第二ころ4が転走する内輪軌道22は、軸方向外側にある外側領域33と、軸方向内側にある内側領域34とを有している。内輪軌道22を軸方向に二分割して、左側を内側領域34、右側を外側領域33としている。そして、内側領域34の曲率半径r4が、外側領域33の曲率半径r3よりも大きく設定されている(r4>r3)。
本実施形態では、外側領域33の曲率半径r3は、外輪軌道11の曲率半径Raよりも小さく設定されており(r3<Ra)、内側領域34の曲率半径r4は、外輪軌道11の曲率半径Raよりも大きく設定されている(r4>Ra)。
なお、左側の内輪軌道21に関して、内側領域32の曲率半径r2は一定ではなくて、内側領域32内においても曲率半径r2が徐々に(連続的に又は段階的に)変化していてもよい。また、外側領域31の曲率半径r1は一定ではなくて、外側領域31内においても曲率半径r1が徐々に(連続的に又は段階的に)変化していてもよい。ただし、この場合であっても、内側領域32及び外側領域31において、大径部27側から小径部28側に向かって曲率半径が小さくなるように内輪軌道21は形成されている。つまり、内側領域32から外側領域31に向かって連続的に又は段階的に曲率半径が小さくなっている。
また、これと同様に、右側の内輪軌道22に関して、内側領域34の曲率半径r4は一定ではなくて、内側領域34内においても曲率半径r4が徐々に(連続的に又は段階的に)変化していてもよい。また、外側領域33の曲率半径r3は一定ではなくて、外側領域33内においても曲率半径r3が徐々に(連続的に又は段階的に)変化していてもよい。ただし、この場合であっても、内側領域34及び外側領域33において、大径部27側から小径部29側に向かって曲率半径が小さくなるように内輪軌道22は形成されている。つまり、内側領域34から外側領域33に向かって連続的に又は段階的に曲率半径が小さくなっている。
以上の構成を備えた本実施形態に係る軸受10の調心機能について説明する。
以下の説明では、図1の二点鎖線で示すように、回転する外輪1が、中心点Pを中心として反時計回りに変位して、内輪2の中心線に対して傾いた場合としている。
このように、回転する外輪1に傾きが生じた場合、左側の内輪軌道21を転走する第一ころ3は、軸方向内側(図1では右側)へ向かう力F1が生じ、右側の内輪軌道22を転走する第二ころ4は軸方向外側(図1では右側)へ向かう力F2が生じる。
そして、左側の内輪軌道21では、前記のとおり(図2参照)、その内側領域32の方が外側領域31よりも曲率半径が大きいので(r2>r1)、左側の列の第一ころ3には、軸方向外側(図1では左側)へ向かう力f1が生じる。この力f1は、第一ころ3がスキューする際の力であり、これを「正スキューによる力f1」とする。
この正スキューによる力f1が生じる原理は、以下のとおりである。
まず、第一ころ3がスキューするメカニズムについて説明する。図3(A)は、第一ころ3と外輪1との間に作用する力やモーメント等の説明図であり、図3(B)は、この第一ころ3と内輪2との間に作用する力やモーメント等の説明図である。なお、この図3に示す軸受は、本実施形態の軸受10とは異なり、仮想的な軸受であって、内輪軌道21の曲率半径(一定)と、内輪軌道22の曲率半径(一定)と、外輪軌道11の曲率半径(一定)とは同じであり、この軌道の曲率半径は、ころ3,4の外周面の曲率半径よりも僅かに大きく設定されている。なお、外輪軌道11の曲率半径と、ころ3,4の外周面の曲率半径とに関しては、本実施形態の軸受10と同じである。
第一ころ3と外輪軌道11との間には、面圧、すべり(すべり速度)、摩擦力が、図3(A)に示す分布で作用する。なお、すべり速度は、第一ころ3と外輪軌道11との周方向速度差であり、「純ころがり点」では周方向速度が一致している。この場合、外輪軌道11と接触する第一ころ3にはモーメントM1(スキューモーメントM1)が作用する。
これに対して、第一ころ3と内輪軌道21との間には、面圧、すべり(すべり速度)、摩擦力が、図3(B)に示す分布で作用する。この場合、内輪軌道21と接触する第一ころ3にはモーメントM2(スキューモーメントM2)が作用する。
この仮想的な軸受の場合、モーメントM1とモーメントM2とは、同じ大きさであってかつ方向が反対となるため、両モーメントはバランスし(M1=M2)、第一ころ3に作用するスキューモーメントはゼロとなる。つまり、第一ころ3はスキューしないと考えられる。
しかし、第一ころ3と内輪軌道21との接触状態が変化すると、つまり、本実施形態のように、内輪軌道21の曲率半径を前記のとおり設定すると、モーメントのバランス(M1=M2)はくずれる。
例えば、外輪1との接触によるモーメントM1が、内輪2との接触によるモーメントM2よりも大きくなると(M1>M2)、図4(A)に示すように、第一ころ3には軸方向外側(左側)へ向かおうとする力が発生し、スキューする。これを正スキューとする。
これとは反対に、外輪1との接触によるモーメントM1が、内輪2との接触によるモーメントM2よりも小さくなると(M1<M2)、図4(B)に示すように、図4(A)の場合とは反対に、第一ころ3には軸方向内側(右側)へ向かおうとする力が発生し、スキューする。これを負スキューとする。
そこで、本実施形態の軸受10の場合、前記のとおり、外輪1に傾きが生じることで、第一ころ3には、軸方向内側へ向かう力F1が生じていることから(図1参照)、第一ころ3は、内輪軌道21(図2参照)の内側領域32側に接触しようとするが、この内側領域32の曲率半径r2は、外輪軌道11の曲率半径Ra及び外側領域31の曲率半径r1よりも大きく設定されているので、内側領域32における接触範囲(接触幅)が、外輪軌道11と比較すると小さくなり(つまり、点接触気味となり)、内輪2との接触によるモーメントM2が小さくなる。なお、この場合であっても、外輪1との接触によるモーメントM1は変化しない。したがって、モーメントの関係は、M1>M2となり、第一ころ3には正スキューによる力f1(図1参照)が発生する。
したがって、内外輪の傾きによって第一ころ3が軸方向内側へと向かう力F1は、この正スキューによる力f1により、打ち消される。
そして、第二ころ4について説明すると、外輪1に傾きが生じることで、第二ころ4には、軸方向外側へ向かう力F2が生じていることから(図1参照)、第二ころ4は、内輪軌道22(図2参照)の外側領域33側に接触しようとするが、この外側領域33の曲率半径r3は、外輪軌道11の曲率半径Ra及び内側領域34の曲率半径r4よりも小さく設定されているので、外側領域33における接触範囲(接触幅)が、外輪軌道11と比較すると大きくなり、内輪2との接触によるモーメントM2が大きくなる。なお、この場合であっても、外輪1との接触によるモーメントM1は変化しない。したがって、モーメントの関係は、M1<M2となり、第二ころ4には負スキューによる力f2(図1参照)が発生する。
したがって、内外輪の傾きによって第二ころ4が軸方向外側へと向かう力F2は、この負スキューによる力f2により、打ち消される。
以上より、内外輪の傾きに起因して、ころ3,4に作用する軸方向へ向かう力F1,F2、つまり、ころ3,4が、内輪軌道21,22の正規位置から外れようとする力(F1,F2)を、正スキューによる力f1及び負スキューによる力f2によって、低下させることができ、これにより、滑らかな回転が保たれ、ころ3,4と内輪2との間において異常摩耗等の不具合の発生を防止することができる。この結果、外輪回転の場合にも効果的な調心機能を有することが可能となる。
したがって、図1に示すハウジング8が回転する回転機器において、シャフト7のたわみによって、回転する外輪1と、内輪2との間に傾きが生じても、シャフト7に対してハウジング8を回転可能に支持することができる。また、ハウジング8に対する軸受10の取り付け誤差が生じ、回転する外輪1と、内輪2との間に傾きが生じても、シャフト7に対してハウジング8を回転可能に支持することができる。つまり、取り付け誤差の許容値を大きく設定することが可能となり、軸受のロバスト性を高めることが可能となる。
また、内輪軌道21,22それぞれにおいて、内側領域32,34から外側領域31,33に向かうにつれて曲率半径が徐々に小さくなることから、内外輪に傾きが発生しても、ころ3,4と内輪軌道21,22とは良好な接触状態が得られる。
また、本発明の自動調心ころ軸受は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
1:外輪 2:内輪 3:第一ころ 4:第二ころ 7:シャフト 8:ハウジング 10:軸受(自動調心ころ軸受) 11:外輪軌道 21:内輪軌道 22:内輪軌道 31:外側領域 32:内側領域 33:外側領域 34:内側領域 r1,r2,r3,r4:内輪軌道の曲率半径 Ra:外輪軌道の曲率半径

Claims (4)

  1. 内周に凹曲面からなる外輪軌道が形成されている外輪と、外周に凹曲面からなる内輪軌道が軸方向に並んで二列形成されている内輪と、前記外輪軌道と前記内輪軌道それぞれとの間に介在している二列の樽型のころと、を備え、前記外輪が前記内輪に対して回転する自動調心ころ軸受であって、
    前記内輪軌道それぞれにおいて、軸方向の内側領域の曲率半径が、軸方向の外側領域の曲率半径よりも、大きいことを特徴とする自動調心ころ軸受。
  2. 前記内輪軌道の前記外側領域の曲率半径が、前記外輪軌道の曲率半径よりも小さい請求項1に記載の自動調心ころ軸受。
  3. 前記内輪軌道それぞれにおいて、前記内側領域から前記外側領域に向かって連続的に又は段階的に曲率半径が小さくなっている請求項1又は2に記載の自動調心ころ軸受。
  4. シャフトと、このシャフトの径方向外側に設けられ当該シャフトを中心として回転するハウジングと、前記シャフトと前記ハウジングとの間に設けられ当該ハウジングを回転可能に支持する自動調心ころ軸受と、を有し、
    前記自動調心ころ軸受は、
    内周に凹曲面からなる外輪軌道が形成され前記ハウジングと一体回転する外輪と、前記シャフトに固定され外周に凹曲面からなる内輪軌道が軸方向に並んで二列形成されている内輪と、前記外輪軌道と前記内輪軌道それぞれとの間に介在している二列の樽型のころと、を備え、
    前記内輪軌道それぞれにおいて、軸方向の内側領域の曲率半径が、軸方向の外側領域の曲率半径よりも、大きいことを特徴とする回転機器。
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