JP2013230777A - ハンドル、その製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒータ線を組み込みつつ、良好な外観を確保でき、かつ、生産性を向上できるハンドル、その製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】円形状のリム部15の被覆部20に、円弧の周方向に沿って溝部21を設ける。溝部21にヒータ線22を収納する。ヒータ線22及びリム部15の被覆部20を覆う表皮部23を設ける。簡単な構成でリム部15の被覆部20及びヒータ線22を覆う表皮部23にヒータ線22のラインが浮き出しにくくなる。良好な外観を確保しつつ、生産性を向上できる。
【選択図】図1
【解決手段】円形状のリム部15の被覆部20に、円弧の周方向に沿って溝部21を設ける。溝部21にヒータ線22を収納する。ヒータ線22及びリム部15の被覆部20を覆う表皮部23を設ける。簡単な構成でリム部15の被覆部20及びヒータ線22を覆う表皮部23にヒータ線22のラインが浮き出しにくくなる。良好な外観を確保しつつ、生産性を向上できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、溝部に収納され通電により発熱するヒータ線を備えたハンドル、その製造方法及び製造装置に関する。
従来、冬季の屋外に駐車していた車両である自動車を始動して運転するとき、ハンドルすなわちステアリングホイールが冷たいことに起因する操作のしづらさや不快感を軽減するため、ステアリングホイールのリム部にヒータ線を組み込み、始動から間もない、まだ各種機関が充分に温まらないときでもステアリングホイールを温めて、快適性を向上した構成が知られている。
このような構成として、例えばヒータ線を編み込んだ素材(予備成形体)を用い、この素材を表皮体である皮革などの被覆材に取り付け(連結し)、この被覆材を素材とともにリム部に取り付けることで、ヒータ線部分の輪郭が浮きでないようにした構成(例えば、特許文献1参照。)、あるいは、伸縮性を有するネット状のヒータ線をリム部に巻き付けた構成(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
上述の構成では、ヒータ線のラインがステアリングホイールの表面に浮き出ないように、柔軟で細径のヒータ線を使用することが好ましい。そのため、組立工程で断線などを生じないように慎重な作業が必要になるなど、自動化や省力治具の使用になじまず、生産性の向上が容易でないという問題点を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ヒータ線を組み込みつつ、良好な外観を確保でき、かつ、生産性を向上できるハンドル、その製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のハンドルは、少なくとも円弧の一部に沿う形状を有する操作用のリム部と、このリム部の表面部に、前記円弧の周方向に沿って設けられた溝部と、この溝部に収納され通電により発熱するヒータ線と、このヒータ線及び前記リム部の表面部を覆う表皮部とを具備したものである。
請求項2記載のハンドルは、請求項1記載のハンドルにおいて、リム部は、少なくとも表面部が弾性体により設けられ、溝部は、少なくとも前記リム部の外部に連通する開口部がヒータ線の外径寸法よりも小さく設定されているものである。
請求項3記載のハンドルは、請求項1または2記載のハンドルにおいて、リム部の表面部に、溝部に対して交差する交差溝部が設けられ、ヒータ線は、前記交差溝部及び前記溝部に連続して収納されているものである。
請求項4記載のハンドルは、請求項1ないし3いずれか一記載のハンドルにおいて、溝部は、複数設けられ、リム部の表面部に、前記溝部を連結する連結溝部が設けられ、ヒータ線は、前記連結溝部及び前記各溝部に連続して収納されているものである。
請求項5記載のハンドルの製造方法は、少なくとも円弧の一部に沿う形状を有する操作用のリム部と、このリム部の表面部に、前記円弧に沿って設けられた溝部と、この溝部に収納され通電により発熱するヒータ線と、このヒータ線及び前記リム部の表面を覆う表皮部とを具備したハンドルの製造方法であって、予め形成した前記リム部の表面部に対して、切削部材を用いて前記溝部を形成し、前記溝部に前記ヒータ線を収納するものである。
請求項6記載のハンドルの製造装置は、少なくとも円弧の一部に沿う形状を有する操作用のリム部と、このリム部の表面部に、前記円弧に沿って設けられた溝部と、この溝部に収納され通電により発熱するヒータ線と、このヒータ線及び前記リム部の表面を覆う表皮部とを具備したハンドルの製造装置であって、前記リム部に対して相対的に移動することにより前記溝部を前記リム部の表面部に形成する切削部材と、前記リム部に対して相対的に移動しつつ前記溝部に前記ヒータ線を圧入する圧入部材とを具備したものである。
請求項1記載のハンドルによれば、少なくとも円弧の一部に沿う形状のリム部の表面部に円弧に沿って設けた溝部にヒータ線を収納し、リム部の表面部及びヒータ線を覆って表皮部を設けることにより、簡単な構成で表皮部にヒータ線のラインが浮き出しにくくなる。したがって、ヒータ線を組み込みつつ、良好な外観を確保でき、かつ、生産性を向上できる。
請求項2記載のハンドルによれば、請求項1記載のハンドルの効果に加え、弾性体により設けたリム部の表面部に、溝部を、少なくともリム部の外部に連通する開口部がヒータ線の外径寸法よりも小さくなるように設けることにより、溝部に収納されたヒータ線をリム部の表面部によって弾性的に保持でき、ヒータ線の収納作業がより容易となり、生産性をより向上できる。
請求項3記載のハンドルによれば、請求項1または2記載のハンドルの効果に加え、リム部の表面部に、溝部に対して交差する方向に沿って交差溝部を設け、この交差溝部及び溝部にヒータ線を連続して収納することにより、ヒータ線の一部を交差溝部によってリム部の内周側などに引き出すことが可能となり、ヒータ線を電源などにより容易に接続できる。
請求項4記載のハンドルによれば、請求項1ないし3いずれか一記載のハンドルの効果に加え、リム部の表面部に設けた複数の溝部を連結溝部によって連結し、この連結溝部及び各溝部にヒータ線を連続して収納することにより、1本のヒータ線をリム部の表面部のより広い面積に亘って容易に配置できる。
請求項5記載のハンドルの製造方法によれば、予め形成したリム部の表面部に対して切削部材によって溝部を形成することで、溝部を容易に形成できるとともに、その溝部にヒータ線を収納することにより、リム部の表面部及びヒータ線を覆う表皮部にヒータ線のラインが浮き出しにくくなる。したがって、ヒータ線を組み込みつつ、良好な外観を確保でき、かつ、生産性を向上できる。
請求項6記載のハンドルの製造装置によれば、リム部の表面部に切削部材によって溝部を形成することで、溝部を容易に形成できるとともに、その溝部にヒータ線を圧入部材によって圧入して収納することにより、リム部の表面部及びヒータ線を覆う表皮部にヒータ線のラインが浮き出しにくくなる。したがって、ヒータ線を組み込みつつ、良好な外観を確保でき、かつ、生産性を向上できる。
以下、本発明のハンドルの第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、10は例えば車両としての自動車のハンドルであるステアリングホイールで、このステアリングホイール10は、ハンドル本体であるステアリングホイール本体11、このステアリングホイール本体11の乗員側に装着される図示しないパッド体としてのセンタパッドであるエアバッグ装置(エアバッグモジュール)、及び、図示しないスイッチモジュールなどを備えている。なお、ステアリングホイール10は、通常傾斜した状態で車両に備えられるステアリングシャフトに装着されるものであるが、以下、エアバッグ装置の乗員側すなわち正面側を上側、ステアリングシャフト側すなわち背面側を下側、車両の前側すなわち前側上方のフロントガラス側を前側、車両の後側すなわち後側下方を後側あるいは手前側として説明する。
そして、ステアリングホイール本体11は、少なくとも一部が円周に沿って形成された、本実施の形態では円環状をなす把持部としてのリム部(リング部)15と、このリム部15の内側に位置するボス部16と、これらリム部15とボス部16とを連結する複数の、本実施の形態では3本のスポーク部17とから構成されている。また、ボス部16の車体側となる下部には、ステアリングシャフトと歯合するセレーション構造を備えた略円筒状のボス18が設けられているとともに、このボス18に、ハブコアとも呼ばれる芯体を構成するボスプレート19が例えばマグネシウム合金などを重力鋳造法や射出成形法などにより成形することにより一体的に固着されている。さらに、ボス部16には、裏カバーあるいはボディカバーとも呼ばれる図示しない樹脂製の下部カバーが取り付けられ、ボス部16の下側部が覆われている。そして、ボスプレート19から、スポーク部17の芯金17aが一体に延設され、あるいは溶接などして固着されている。さらに、このスポーク部17の芯金17aに、リム部15の芯金15aが溶接などして固着されている。
また、リム部15は、芯金15aと、この芯金15aの全周の表面側を覆う被覆部20とを備えている。そして、この被覆部20の表面部の外周20aには、溝部21が設けられ、この溝部21には、この溝部21に沿って通電により発熱するヒータ線22が収納されている。さらに、被覆部20及びヒータ線22は、薄皮状の表皮部23により覆われている。
被覆部20は、本実施の形態では、例えば弾性体である軟質の発泡ポリウレタン樹脂を微細発泡させたものを使用する。そして、この被覆部20は、例えば芯金15a及び芯金17aを、上下方向に開閉する成形型にインサートして成形されている。
また、溝部21は、被覆部20の上下方向の中心部である外周20aの位置、すなわち被覆部20を成形する成形型により生じるパーティングラインに対応する位置、換言すれば、成形型の開閉方向に対して交差(直交)する方向に、リム部15の全周に亘って環状に連続して形成されている、浅い線状溝である。本実施の形態では、この溝部21は、リム部15(被覆部20)の周方向に沿う底面部21aと、この底面部21aの上部及び下部から被覆部20の外周20aへと連続する側面部21b,21bとを有している。すなわち、これら側面部21b,21b間が、溝部21をリム部15の外部へと連通する開口部21cとなっている。さらに、この溝部21の幅寸法である側面部21b,21b間の距離(例えば0.5mm)は、それぞれヒータ線22の外径寸法以下に設定され、溝部21の深さ寸法である開口部21cから底面部21aまでの距離(例えば0.7mm)は、幅寸法より大きく、かつ、ヒータ線22の外径寸法(例えば0.75mm)とほぼ等しい略一定値に設定されている。そのため、この溝部21に収納されているヒータ線22は、側面部21b,21bにより上下から挟持され、かつ、被覆部20の外側に突出しないようになっている。
また、ヒータ線22は、例えば通電時に発熱する芯線の表面に例えばフッ素樹脂(PTFE等)による絶縁膜を設けた単線である。そして、このヒータ線22は、エアバッグ装置や下部カバーの内部にて、図示しない電源及びサーミスタなどを備えた制御回路(サーモコントローラ)と接続され、この制御回路により通電されることにより発熱するように構成されている。
さらに、表皮部23は、被覆部20とヒータ線22とを覆って被覆部20の表面にインサート成形(オーバモールド)されている。この表皮部23の材料としては、本実施の形態では、例えば紫外線などにより変色しない軟質の無発泡(ソリッド)ポリウレタン樹脂を用いることができる。すなわち、表皮部23とは、皮革のみを意味するのではなく、被覆部20及びヒータ線22を覆う薄皮状の任意の部材(皮革を含む)を意味するものとする。そして、この表皮部23は、例えばヒータ線22を配置した状態の基体(被覆部20)を図示しない成形型にインサートし、反応してポリウレタンとなる反応混合液を成形型(RIM型)に注入して成形されている。
また、エアバッグ装置は、袋状のエアバッグ、折り畳んだエアバッグを覆う樹脂製のカバー体、ガスを噴射するインフレータなどを備えており、自動車が衝突した際などに、インフレータからエアバッグの内部にガスを急速に噴射し、折り畳んで収納したエアバッグを急激に膨張させ、カバー体を開裂させて、エアバッグを乗員の前側に膨張展開させて、乗員を保護するようになっている。なお、このエアバッグ装置は、スイッチ装置としてのホーンスイッチ機構を一体的に組み込んでもよい。
次に、ステアリングホイール10の製造装置31について説明する。
図2に示す製造装置31は、ボス部16に対してスポーク部17の芯金17aにより一体となった芯金15aを被覆部20で覆ってリム部15を形成した中間体32に溝部21を形成するとともにヒータ線22を圧入するものであり、中間体32を回転させる回転装置33と、この回転装置33に取り付けられた中間体32に対して進退可能に設けられた切削装置34及び圧入装置35とを備えている。
回転装置33は、図示しないモータなどを有し、中間体32を、例えば軸方向が上下方向に沿うように固定してリム部15の周方向に沿って中間体32を一定の速度で回転させるものである。
また、切削装置34は、図示しないモータ、及び、このモータにより回転駆動される切削部材である回転刃38などを有し、回転装置33に対して一側に配置されている。回転刃38としては、本実施の形態では、例えば円板状で外周に歯部を有し、かつ、平面視の中心位置で厚さ方向に貫通する回転軸38aを有するものを用い、この回転軸38aが回転装置33に固定された中間体32と平行な方向となるように配置されている。そして、この切削装置34は、リム部15との相対的な位置を検出したり、NC制御をしたりすることで、リム部15の被覆部20の例えば外周20aに対して回転刃38の外周を接離させてミーリング加工することが可能となっている。
また、圧入装置35は、回転自在の圧入部材である圧入ローラ39、及び、ヒータ線22に張力(テンション)を付加する張力付加部材である図示しないテンションプーリなどを有し、回転装置33に対して他側、すなわち切削装置34と反対側に配置されている。圧入ローラ39は、回転装置33に固定された中間体32と平行な方向に沿って回転軸39aを有し、外周にヒータ線22を嵌合保持する凹溝39bが形成されている。なお、ヒータ線22は、長尺に設けられ、例えば図示しない回転自在のドラム(糸巻き)などに巻回されており、このドラムからテンションプーリを介して圧入ローラ39へと順次繰り出し可能となっている。そして、この切削装置34は、リム部15との相対的な位置を検出したり、NC制御をしたりすることで、リム部15の被覆部20に対して圧入ローラ39の外周を接離させることが可能となっている。
そして、ステアリングホイール10を製造する際には、まず、中間体32を予め形成する。
この中間体の形成の際には、成形型のキャビティ面に、被覆部20と表皮部23との接合強度を向上するための表面改質塗料、例えばポリオールとポリイソシアネートとを含有する2液ウレタン系の塗料を噴霧スプレーなどによって所定の塗膜厚(例えば5〜25μm、好ましくは5〜15μm、例えば10μm以上)に予め塗布し、この成形型に芯金15a及び芯金17aをインサートして成形型を閉じ、発泡ポリウレタン樹脂を成形型に注入して成形する。このとき、表面改質塗料は、成形樹脂の反応熱で硬化するため、塗布直後は未反応状態であり、親和性が良好な状態で反応中の樹脂と接触し、一体化して表面を形成する。この状態で、中間体32の被覆部20は、例えば45〜50程度のぬれ性を有し、後工程で表皮部23を形成する際のプライマー(接着剤)が馴染み、表皮部23との界面接合強度が向上する。
次いで、この形成した中間体32を回転装置33に取り付け固定し、この回転装置33によりリム部15を低速で周方向に回転させる。
この状態で、切削装置34が、回転刃38を高速で回転させつつリム部15の被覆部20の外周20aへと接近させて圧接した状態とすることで、回転刃38が被覆部20の外周20aを周方向に沿って連続的に切削して溝部21を形成する(図3(a))。この切削装置34は、溝部21を必要な長さ、例えばリム部15の全周に亘って形成した後、リム部15の被覆部20から回転刃38を離間する。
次いで、ヒータ線22の先端側を例えばリム部15の被覆部20などの所定位置に固定した状態で、圧入装置35の圧入ローラ39の外周側を溝部21へと挿入し、回転装置33により中間体32(リム部15)を回転させる。この結果、凹溝39bに保持されたヒータ線22が、中間体32(リム部15)の回転に伴い圧入ローラ39により送り出されつつ溝部21に沿って順次圧入される(図3(b))。このとき、溝部21の側面部21b,21b間の距離、すなわち開口部21cがヒータ線22の外径寸法よりも小さいことにより、溝部21に圧入されたヒータ線22は、被覆部20(溝部21)の復帰変形によって側面部21b,21b間で挟持され、溝部21に収納保持される(図3(c))。また、ヒータ線22は、溝部21の底面部21aに当接し、それ以上被覆部20の内部に埋没することはない。この状態で、ヒータ線22の外周と被覆部20の外周側の表面とが仮想的な平面に沿ってほぼ面一となっている。
そして、溝部21に必要寸法のヒータ線22を収納した後、リム部15の被覆部20から圧入ローラ39を離間し、ヒータ線22を切断する。なお、ドラム側のヒータ線22は、次のステアリングホイール10の製造に供され、無駄が発生することはない。
この後、回転装置33を停止させて中間体32を取り外し、この中間体32のヒータ線22及び被覆部20を一括して表皮部23により覆う(図3(d))。具体的に、この表皮部23を成形するための成形型のキャビティ面に、モールドコートを所定の塗膜厚(外観、性能維持のために、例えば5〜25μm、好ましくは5〜15μm、例えば10μm程度)に予め塗布し、この成形型に、被覆部20の表面に例えばイソシアネート基を含むプライマーを塗布した中間体32をインサートして成形型を閉じ、ポリウレタン樹脂を成形型に注入して表皮部23を例えば2mm以下の厚みに成形する。このとき、成形時に表面改質塗料によって表面のぬれ性を改質した中間体32の被覆部20は、プライマーとの親和性が良好であり、表面改質塗料とプライマーとの間で分子間力が作用して表皮部23と被覆部20とが強力に接着される。また、ヒータ線22が被覆部20から大きく突出及び凹陥しないので、表皮部23のウレタン成形用の樹脂液が層流状態を保ち、均一かつ気泡(ボイド)を含まないように表皮部23を成形できる。
次いで、表皮部23の成形に伴い形成されるゲート、オーバーフロー部、ばりなどを適宜除去し、スポーク部17を越えて延設されたヒータ線22の両端末に制御回路と接続するためのターミナルやコネクタなどと取り付ける。
そして、エアバッグ装置、裏カバー、スイッチモジュール、及びフィニッシャなどを取り付けることにより、ヒータ線22が完全に隠蔽され、外観上、一見してヒータ線22が組み込まれているか否かの区別ができない外観を有するステアリングホイール10が完成する。
このように製造したステアリングホイール10は、断線しにくい比較的太い外径寸法を有するヒータ線22を用いても、簡単な構成で表皮部23にヒータ線22のラインが浮き出しにくくなり、ヒータ線22を組み込みつつ、良好な外観を確保でき、かつ、生産性を向上できる。
しかも、ヒータ線22は、リム部15の外周に沿って配置されているので、リム部15を把持した乗員の掌への暖房効果を効果的に得ることができる。
さらに、弾性体であるポリウレタンにより設けたリム部15の表面部である被覆部20に、溝部21を、少なくともリム部15の外部に連通する開口部21cがヒータ線22の外径寸法よりも小さくなるように設けることにより、溝部21に収納されたヒータ線22をリム部15の被覆部20によって弾性的に保持でき、ヒータ線22の収納作業がより容易となり、生産性をより向上できる。
また、一般的に発泡ウレタンは断熱の傾向を持ち、無発泡ウレタンは伝熱の傾向を持つため、ヒータ線22を溝部21に収納した被覆部20を発泡ウレタンとし、この被覆部20を覆う表皮部23を無発泡ウレタンによって成形することで、ヒータ線22に通電すると、表皮部23が昇温し、ヒータ線22に対応する位置だけでなく、その周辺部をも温めることができる。そのため、ヒータ線22の外径寸法(線径)よりも広い範囲で暖かさを感じるようにすることができる。
さらに、被覆部20は、ヒータ線22の断面形状を是正するように包み込むことができるので、ヒータ線22を組み込んだ位置において、平面(または平面に近似の面)を得やすくなる。したがって、この被覆部20を覆う表皮部23にヒータ線22のラインが出にくく(目立ちにくく)なるとともに、表皮部23を成形するためのポリウレタンの反応液を流したときにも流れの乱れが生じにくいので、その反応液により形成される表皮部23の品質、すなわち外観がより良好になる。
そして、ヒータ線22は、溝部21に圧入することで位置を決めることができるので、全長に亘って接着をする必要がなく、例えば部分接着、または無接着とすることができ、接着工数の低減または接着工程の削除が可能となり、生産性をより向上できるとともに、簡単な構造でヒータ線22を確実に位置決めして取り付けできるので、作業性に優れ、性能のばらつきが少ない。
さらに、溝部21の深さ寸法を、この溝部21に収納されたヒータ線22が被覆部20の外周側とほぼ面一となるように設定することにより、ヒータ線22を底面部21aに当接させるように圧入するだけで、ヒータ線22を被覆部20の外周側と容易にほぼ面一とすることができる。
また、製造装置31は、回転刃38を用いて被覆部20の成形後に溝部21を形成することにより、例えば溝部を被覆部20の成形の際に金型によって形成する場合と比較して、被覆部20の成形の際の材料の流動あるいは充填の不良などを防止でき、溝部21を容易に形成できる。
すなわち、ポリウレタンを用いて被覆部20を金型で成形する場合、金型の開閉方向以外の位置(リム部15の上側あるいは下側以外の位置)に溝部を形成するためにはスライド構造が必要となり、このスライド構造を用いる場合、スライド構造と金型との間に原料が入り込んでスライド構造が可動できなくなることがあるなど、量産には適さない。また、ポリウレタンの成形の際に溝部を形成すると、溝部の開口部近傍でポリウレタンの樹脂原料の貼り付きが生じ、安定した品質を維持することが容易でないとともに、このような溝部にはヒータ線を確実に固定することが容易でない。そのため、本実施の形態では、被覆部20の成形後、回転刃38を用いて溝部21を切削することにより、被覆部20の成形不良などを確実に防止しつつ、精度よく溝部21を形成できる。
さらに、回転刃38によって切削加工された被覆部20の加工面は、金型面に沿って滑らかな表面を形成する被覆部20の加工されない面に比べて表面に微細な凹凸がある。すなわち、被覆部20の成形時、金型表面の転写として平滑面を形成した後、加工面については、平滑面を回転刃38が切削し、発泡ポリウレタンの内部気泡が切り開けられる。表面側が切削された気泡は残部が凹部として表面に開口した状態になるので、平滑面がヒータ線22に接するときは密に接触する関係となるが、切削加工により開口する多数の気泡に接するときは、平滑面よりも疎に接触する関係となる。したがって、より多くの断熱作用があり、内部への伝熱を少なくできる。
また、ヒータ線22として、相当の外径寸法(線径)を有するものを用いることができるので、ヒータ線22を多数配置しなくても発熱機能が発揮されるとともに、断線のリスクが少なく、ステアリングホイール10の製造工程での取り扱いが容易になり、生産性及び歩留まりが良好になり、製造コスト及び部品コストを低減でき、高効率での製造が可能になる。
さらに、ヒータ線22を溝部21に対して埋め込むように圧入していくだけでよいため、例えば圧入装置35(圧入ローラ39)などを用いた自動化に適する。
しかも、圧入装置35(圧入ローラ39)を用いてヒータ線22を溝部21に圧入するので、予めヒータ線22によりネットを形成する必要がなく、工程を簡素化できるとともに、断線しにくい比較的太い外径寸法を有するヒータ線22を用いることができるので、長尺のヒータ線22をドラムに巻き付け、必要長さだけ繰り出しつつ使用でき、ネットを製作する工程において生じるような、ヒータ線22の資材の無駄が生じることがない。
そして、被覆部20を成形する際に、表面改質塗料を用いてぬれ性を向上することにより、プライマーが馴染みやすくなり、被覆部20を覆って表皮部23を成形した際の接着強度が向上する。また、表面改質塗料を成形型に塗布するだけでよいため、成形工程内での改質が可能になり、設備や工程数を増加させる必要がなく、作業性が良好である。
次に、第2の実施の形態を図4を参照して説明する。なお、上記の第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、上記の第1の実施の形態の溝部21に加えて、リム部15の表面部である被覆部20に、溝部21と交差する方向に沿って交差溝部41が形成されているものである。
交差溝部41は、例えばスポーク部17に対応する位置において、溝部21からリム部15の内周側へと延びており、側面視で傾斜し、互いに略平行となっている。この交差溝部41には、本実施の形態では、例えば一方及び他方の交差溝部42,43が設定されている。そして、一方の交差溝部42は、溝部21からリム部15(被覆部20)の上側を介してスポーク部17側へと延びており、他方の交差溝部43は、溝部21からリム部15(被覆部20)の下側を介してスポーク部17側へと延びている。
また、ヒータ線22は、一端側が一方の交差溝部42に収納され、この一方の交差溝部42から溝部21へと連続し、この溝部21にリム部15の周方向に沿って周回するように収納され、かつ、他端側がこの溝部21から他方の交差溝部43へと連続して収納されている。すなわち、ヒータ線22は、一方の交差溝部42、溝部21、他方の交差溝部43に亘って収納されている。さらに、このヒータ線22の端部は、それぞれ交差溝部41(交差溝部42,43)の端末から延出しており、制御回路などと接続されている。
そして、交差溝部41を形成する際には、切削装置34の回転刃38を用い、この回転刃38の位置を制御してもよいし、例えば切削装置34と同様に別途構成された、交差溝部41を形成するための図示しない交差溝部用切削装置(交差溝部用切削部材)を用いてもよい。
また、ヒータ線22を配置する際には、ヒータ線22の先端側を例えば他方の交差溝部43に嵌合させ、圧入装置35の圧入ローラ39の外周側を溝部21へと挿入し、回転装置33により中間体32(リム部15)を回転させる。そして、溝部21に必要寸法のヒータ線22を収納した後、リム部15の被覆部20から圧入ローラ39を離間してヒータ線22を切断し、溝部21から突出するヒータ22の端部を例えば一方の交差溝部42に嵌合させる。この後、回転装置33を停止させて中間体32を取り外し、この中間体32を成形型にインサートし、ヒータ線22及び被覆部20を一括して表皮部23により覆う。
このように、上記の第2の実施の形態によれば、リム部15の被覆部20に、溝部21に対して交差する方向に沿って交差溝部41を設け、この交差溝部41及び溝部21に連続してヒータ線22を収納することにより、交差溝部41(交差溝部42,43)によって、リム部15の周方向にほぼ一回りするヒータ線22を近接してかつ接触しないように引き回すことができるとともに、ヒータ線22の端部を交差溝部41によってリム部15の内周側などに引き出すことが可能となり、ヒータ線22を電源などにより容易に接続できる。
そして、簡単な構造で1本のヒータ線22を確実に引き回したり引き出したりできるので、ヒータ線22の配置の作業性に優れ、性能のばらつきが少ない。
なお、上記の第2の実施の形態において、図5に示す第3の実施の形態のように、溝部21に対して交差する方向に沿って、リム部15の内周側へと上下に延びる交差溝部44を形成するとともに、リム部15及び交差溝部42に対して交差する交差溝部45を形成しても同様の作用効果を奏することができる。
また、図6に示す第4の実施の形態のように、溝部21に対して交差する方向に沿って、リム部15の内周側へと上下に延びる交差溝部46を形成し、この交差溝部46と溝部21との交差位置46aにおいて、交差溝部46を例えばヒータ線22の外径寸法の2倍以上の深さに深彫り形成してもよい。この場合には、この交差溝部46と溝部21との交差位置46aにてヒータ線22を接触しないように潜り込ませる(図6(b))ことで、上記の第2及び第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、1本の交差溝部46のみでヒータ線22を引き回すことができるので、交差溝部46をより容易に形成できるとともに、被覆部20及びヒータ線22を覆って表皮部23を成形する際の交差溝部46の形状による影響を抑制できる。なお、ヒータ線22は樹脂によるコーティングが施してあれば、交差するヒータ線22の接触による電気特性の変化は問題にならない。そして、実質的に交差溝部46と溝部21との交差位置46aで交差するヒータ線22が被覆部20の外側へと突出することがなく、表皮部23にヒータ線22のラインが浮き出しにくい。
次に、第5の実施の形態を図7を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、溝部21が複数、例えば2つ設定され(一方及び他方の溝部51,52)、これら溝部21に対して交差する交差溝部53が複数、例えば2つ設定され(一方及び他方の交差溝部54,55)、かつ、溝部21(一方及び他方の溝部51,52)に対して交差しこれら溝部21(一方及び他方の溝部51,52)を連結する連結溝部56が形成されているものである。
一方の溝部51と他方の溝部52とは、例えばリム部15の外周の上下方向の中心位置を上下に挟む位置に、上下方向に互いに対称でかつ互いにほぼ平行に形成されている。
また、一方の交差溝部54は、溝部51,52を連結するとともに、一方の溝部51からリム部15の内周側へと上方向に延びて形成されている。
また、他方の交差溝部55は、溝部51,52を連結するとともに、他方の溝部52からリム部15の内周側へと下方向に延びて形成されている。
そして、一方及び他方の交差溝部54,55は、リム部15の周方向に互いにずれた位置に配置されている。
さらに、連結溝部56は、一方及び他方の交差溝部54,55間に位置しており、両端部が溝部51,52近傍に位置している。
そして、交差溝部53及び連結溝部56を形成する際には、それぞれ切削装置34の回転刃38を用い、この回転刃38の位置を制御してもよいし、例えば切削装置34と同様に別途構成された、交差溝部53を形成するための図示しない交差溝部用切削装置(交差溝部用切削部材)、あるいは、連結溝部56を形成するための図示しない連結溝部用切削装置(連結溝部用切削部材)を用いてもよい。
また、ヒータ線22を配置する際には、ヒータ線22の先端側を例えば他方の交差溝部55に嵌合させ、圧入装置35の圧入ローラ39の外周側を他方の溝部52へと挿入し、回転装置33により中間体32(リム部15)を回転させる。そして、ヒータ線22を、他方の交差溝部55と他方の溝部52との交差位置にて向きを変え、この他方の溝部52に沿って周回させるとともに、この他方の溝部52から、この他方の溝部52と連結溝部56との交差位置にて向きを変えて連結溝部56へと嵌合させ、さらに、この連結溝部56と一方の溝部51との交差位置にて向きを変えてこの一方の溝部51に沿って周回させる。この後、リム部15の被覆部20から圧入ローラ39を離間してヒータ線22を切断し、一方の溝部51から突出するヒータ22の端部を例えば一方の溝部51と一方の交差溝部54との交差位置にて向きを変えてこの一方の交差溝部54へと嵌合させる。そして、回転装置33を停止させて中間体32を取り外し、この中間体32を成形型にインサートし、ヒータ線22及び被覆部20を例えばオーバーモールドして一括して表皮部23により覆う。
このように、上記の第5の実施の形態によれば、リム部15の被覆部20に複数の溝部21(一方及び他方の溝部51,52)を設け、これら溝部21(一方及び他方の溝部51,52)を連結溝部56によって連結し、これら連結溝部56及び溝部21に連続してヒータ線22を収納することにより、1本のヒータ線22をリム部15の被覆部20のより広い面積に亘って容易に配置できる。
また、交差溝部53は、上記の交差溝部41,44,45,46と同様に、リム部15の周方向にほぼ一回りするヒータ線22を近接してかつ接触しないように引き回すことができるとともに、ヒータ線22の端部をリム部15の内周側などに引き出すことが可能となり、ヒータ線22を電源などにより容易に接続できる。
溝部21を部分的に深くし、あるいは浅くし、ヒータ線22の表面からの深さを変化させてもよい。溝部21を深くした部分では、ヒータ線22の発熱を広範囲に分散させ、直上表面の温度上昇を緩やかにすることもできる。溝部21を浅くした部分では、ヒータ線22が逆に直上に比較的狭い範囲でシャープな温度上昇をもたらす。ヒータ線22は、溝部21の例えばヒータ線22の外径寸法の半分の深さ部分において位置決めされ、この部分の両近傍のヒータ線22の略外径寸法相当の深さの位置において圧入されて保持されることで、ステアリングホイール10の異なる部位に対してより好ましい昇温特性を発揮するように調節できる。
なお、上記の各実施の形態において、図8に示す第6の実施の形態のように、切削装置34の円板状の回転刃38に代えて、回転軸61aに対して径方向に、基端側から先端側へと拡開状に傾斜した切削部材である回転刃61を用いてもよい。この場合には、回転刃61の切り始めの位置は正面視で円形状の円形部62となるものの、この円形部62に連続して溝部21が形成される。そして、この溝部21は、側面部21b,21bが開口部21c側へと徐々に接近するように傾斜し、形成される溝部21の開口部21cが溝部21の内部に対して狭くヒータ線22の外径寸法よりも小さい狭幅部となるように、換言すれば、溝部21は開口部21cが最も狭く、底面部21aへと徐々に広くなるように形成される。このため、溝部21に収納したヒータ線22を、側面部21b,21bによってより効果的に挟持でき、より確実に溝部21に保持できる。
さらに、上記の第1ないし第5の実施の形態において、図9に示す第7の実施の形態のように、切削装置34の円板状の回転刃38に代えて、回転軸63aに対して径方向に円形状(半円形状)に突出する切削部材である回転刃63を用いてもよい。この場合には、形成される溝部21の断面が円形状となって開口部21cが溝部21の内部に対して狭い狭幅部となり、溝部21に収納したヒータ線22を、より確実に溝部21に保持できるとともに、回転刃63の外径寸法をヒータ線22の外径寸法とほぼ一致させることにより、溝部21の断面形状をヒータ線22と相補的な形状とすることができ、ヒータ線22を、より確実に溝部21に保持できる。
また、上記の第1ないし第5の実施の形態において、図10に示す第8の実施の形態のように、切削装置34の円板状の回転刃38に代えて、回転軸64aに対して、基端側に位置する相対的に小径の一方の円弧部64bと、先端側に位置する相対的に大径の他方の円弧部64cとが連結された、いわば半瓢箪形状の切削部材である回転刃64を用いてもよい。この場合には、形成される溝部21の断面が他方の円弧部64cによって円形状となるとともに、開口部21cの縁部が一方の円弧部64bによって外方へと徐々に拡開した面取り部21dとなる。したがって、面取り部21dによって溝部21へとヒータ線22をより容易に圧入して収納でき、この収納の作業性がより向上する。
さらに、上記の第6ないし第8の実施の形態の回転刃61,63,64は、それぞれ交差溝部41,44,45,46,53および連結溝部56などを形成する際に用いてもよい。
そして、上記の各実施の形態において、圧入部材としては、任意の構成を用いることができる。例えば、ヒータ線22を着脱自在に保持する保持部の先端部に溝部21に差し込み可能な差込部を形成し、保持部に保持したヒータ線22を差込部によって溝部21に差し込んだ後、保持部によるヒータ線22の保持を解除しつつこのヒータ線22を溝部21へと圧入して溝部21内に残すように配置する構成などとすることもできる。すなわち、ヒータ線22を溝部21に収納する際には、任意の簡易治具を用いた省力化が可能である。
また、溝部21にヒータ線22が段差なく嵌合された状態では、表皮部23として合成樹脂によりオーバーモールドする構成だけでなく、例えば皮革を巻き付ける構成などとしてもよい。
さらに、溝部21は、リム部15の外周に螺旋状に複数周形成してもよい。この場合には、溝部21が一筆書き状に形成されるので、回転刃38,61,63,64などによって、溝部21をより容易に形成できる。
上記溝部21として、リム部15の外周に形成するほか、リム部15の内周にも形成可能である。例えばNC制御された多軸ロボットのアームの先端などに回転刃38,61,63,64を取り付け、隣接する2つのスポーク部17の間のリム部15内周部分に、円弧状に回転刃38,61,63,64の刃先を動かして、ヒータ線22を圧入可能な溝部21を形成してもよい。スポーク部17の接続部分のリム部15から、スポーク部17に三次元曲線を描かせることで交差溝部を形成し、リム部15の外周に設けた溝部21などと連結してもよい。回転刃をエンドミルとすれば、上記多軸ロボットによりステアリングホイール10の内周部分などの複雑に変化する立体面にも自在に変化する曲線を描いて溝部21を掘り込むことが可能である。
また、ステアリングホイール10は、3本のスポーク部17を備えた構成に限られず、例えば4本のスポーク部17を備えた構成などにも適用できる。
そして、エアバッグ装置に代えて、例えば衝撃吸収体を収納したパッド体を用いることもできる。
本発明は、例えば自動車のステアリングホイール、その製造方法及び製造装置として好適に用いることができる。
10 ハンドルであるステアリングホイール
15 リム部
21 溝部
21c 開口部
22 ヒータ線
23 表皮部
31 製造装置
38,61,63,64 切削部材である回転刃
39 圧入部材である圧入ローラ
41,44,45,46,53 交差溝部
56 連結溝部
15 リム部
21 溝部
21c 開口部
22 ヒータ線
23 表皮部
31 製造装置
38,61,63,64 切削部材である回転刃
39 圧入部材である圧入ローラ
41,44,45,46,53 交差溝部
56 連結溝部
Claims (6)
- 少なくとも円弧の一部に沿う形状を有する操作用のリム部と、
このリム部の表面部に、前記円弧の周方向に沿って設けられた溝部と、
この溝部に収納され通電により発熱するヒータ線と、
このヒータ線及び前記リム部の表面部を覆う表皮部と
を具備したことを特徴とするハンドル。 - リム部は、少なくとも表面部が弾性体により設けられ、
溝部は、少なくとも前記リム部の外部に連通する開口部がヒータ線の外径寸法よりも小さく設定されている
ことを特徴とする請求項1記載のハンドル。 - リム部の表面部に、溝部に対して交差する交差溝部が設けられ、
ヒータ線は、前記交差溝部及び前記溝部に連続して収納されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のハンドル。 - 溝部は、複数設けられ、
リム部の表面部に、前記溝部を連結する連結溝部が設けられ、
ヒータ線は、前記連結溝部及び前記各溝部に連続して収納されている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のハンドル。 - 少なくとも円弧の一部に沿う形状を有する操作用のリム部と、このリム部の表面部に、前記円弧に沿って設けられた溝部と、この溝部に収納され通電により発熱するヒータ線と、このヒータ線及び前記リム部の表面を覆う表皮部とを具備したハンドルの製造方法であって、
予め形成した前記リム部の表面部に対して、切削部材を用いて前記溝部を形成し、
前記溝部に前記ヒータ線を収納する
ことを特徴とするハンドルの製造方法。 - 少なくとも円弧の一部に沿う形状を有する操作用のリム部と、このリム部の表面部に、前記円弧に沿って設けられた溝部と、この溝部に収納され通電により発熱するヒータ線と、このヒータ線及び前記リム部の表面を覆う表皮部とを具備したハンドルの製造装置であって、
前記リム部に対して相対的に移動することにより前記溝部を前記リム部の表面部に形成する切削部材と、
前記リム部に対して相対的に移動しつつ前記溝部に前記ヒータ線を圧入する圧入部材と
を具備したことを特徴とするハンドルの製造装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150424 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160203 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160803 |