JP2013129238A - ハンドルの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータ線を低コストでかつ容易に取り付けできるステアリングホイールの製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】所定位置に配列した複数の引っ掛けピン36間にヒータ線22を掛け回して平面状の第1の面S1を形成する。リム部となる内側被覆部20の背面側を第1の面S1に対して押し当てる。第1の面S1を内側被覆部20に沿って内側被覆部20の一部と連続する側面から正面側に向かって巻き込むように変形させる。ヒータ線22により内側被覆部20の外面の少なくとも一部を包む曲面状の第2の面S2を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、通電によって発熱するヒータ線を把持される把持部に備えたハンドルを製造するハンドルの製造方法及びその製造装置に関する。
従来、冬季の屋外に駐車していた車両である自動車を始動して運転するとき、ハンドルすなわちステアリングホイールが冷たいことに起因する操作のしづらさや不快感を軽減するため、ステアリングホイールにヒータ装置を組み込み、始動から間もない、まだ各種機関が充分に温まらないときでもステアリングホイールを温めて、快適性を向上した構成が知られている。
このような構成として、例えば2枚のシート間にヒータ線を挟着したヒータ装置をステアリングホイールの表面に装着し、その外側を表皮体で覆った構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このようなヒータ装置は、ステアリングホイールの曲面をなす表面に皺なく貼り付けることが容易でない。すなわち、このヒータ装置は、平面体であるため、円環状のリムの表面に貼り付けると、中央部が延ばされ周縁部がだぶつくなどして皺が発生する。そして、このような皺は表皮体の凹凸となって現れ、良好な外観を得ることが容易でない。しかも、ヒータ線をシート間に組み込んであるので、ヒータ装置は可撓性を得にくく、かつ、リムの表面に沿わせるための切り込みなどを周縁部に自在に入れることも容易でない。
さらには、ヒータ線を所定形状に保持するシートのような担体は、非電熱側には遮蔽作用が有用であるものの、電熱側(加温側)には遮蔽作用が加温性能の向上を妨げるおそれがある。一方で、ヒータ装置をステアリングホイールの表面に露出させることは意匠上好ましくない。したがって、表皮体を利用して外観の意匠性を向上しているものの、このような表皮体は熱の伝わりを阻害するものとなり得る。このように、上記の構成では、充分な加温性能を得ることが容易でなく、また、例えば合成皮革、あるいは天然皮革などの表皮体を必要とすることから、材料費及び取り付けコストを要する。
また、上記の構成では、ヒータ装置がステアリングホイールの左右1箇所ずつ(正面視でアナログ時計の9時と3時の位置)に配置されている。自動車が直線道路を走るだけであれば、運転者はステアリングホイールのほぼ両側を把持するものの、例えば始動後駐車場から道路へと自動車が出るなどの想定される運転操作を考慮すると、必ずしもステアリングホイールの両側を把持するわけではなく、そのような場合、左右1箇所ずつのヒータ装置では、運転者の手を充分に温めることが容易でない。したがって、リム部の全周に亘ってヒータ装置を組み込む方が好ましいと考えられるものの、上記のようなヒータ装置をリム部の全周に取り付ける場合には、外観とコストとの問題が一層大きくなる。
また、ヒータ線を格子状に編み込んだヒータ装置を円環状に形成し、リム部の外周に巻き付けた構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この構成の場合、ヒータ装置をリム部の全周に配置でき、また、ヒータ線を細くすることで、表面に現れる凹凸の問題も解消できる。
しかしながら、このような構成の場合でも、意匠上、ヒータ線の編み体がリム部に露出する形態とすることはできず、ヒータ装置を覆って表皮体を巻き付ける必要がある。したがって、このような構成であっても、表皮体の有無の仕様を任意選択的に作り分けることはできない。
また、この構成では、適合するヒータ線の太さに制限が生じ、例えば線径0.05〜0.1mm程度の微細な線の場合には表皮体に視認される凹凸は生じにくいものの、その範囲を超え、例えば線径0.5mmまたはそれ以上の線径を有するヒータ線では、表皮体に凹凸が生じる。したがって、意匠性を考慮すると、ヒータ線としては細いものを用いざるを得ない。この場合、例えば編み体を表皮体の裏面に貼り付けてしまえば、その後の工程などの扱いにおいてヒータ線の断線などの危険性は大幅に下がるものの、貼り付けるまでの間は断線に対して細心の注意が必要となり、作業性が良好とはいえない。
さらに、編み体のリム部への貼り付けは一般に自動化に適さず、表皮体に編み体を貼り付けたものを準備するまでの作業コストを要する。また、表皮体に代えてポリウレタンなどの合成樹脂をインサート成形する構成も考えられるものの、この場合には、編み体をステアリングホイール基体に取り付ける作業が必要となる。さらに、編み体を伸縮性の担体に取り付けて作業時の断線を低減することも考えられるものの、ヒータ線を編む工程、ヒータ線を編んだ編み体を担体に取り付ける工程などが別途必要となり、ヒータ線を取り扱う工数だけコストと不良発生のリスクを伴う。
特開昭61−81272号公報 (第2頁、第1図−第5図) 特開2002−96739号公報 (第3−7頁、図1−5)
近年、地球環境を保全し温室効果ガスの発生を抑制する取り組みの一環として、ガソリンエンジン車に代わる環境負荷の少ない、電気自動車(EV)が注目されてきている。
例えばハイブリッド車(HEV)のように、搭載したエンジンによって発電できるものであれば、適宜のエンジン動力を利用して発電し、その排熱も暖房などに利用できるものの、電気自動車にあっては、蓄電池とモータとの組み合わせにより構成されており、基本的に外部充電器からエネルギーを補充しなければならず、暖房用に電力を使用すると航続距離が短くなることが認識されている。
そこで、冬季に車室内の雰囲気温度を上昇させるのは多大なエネルギーを要するものの、運転者が直接触れるステアリングホイールによって暖を取れれば、雰囲気温度を抑制しても充分に温かさを感じることができる。そのため、ステアリングホイールにヒータ装置を取り付けて運転者の快適性を得ることが検討される。
したがって、電気自動車に対してヒータ装置を備えたステアリングホイールを採用する上で、手工業的作業により製造する方法以外に選択肢がなければ、安価な電気自動車を提供及び普及することが容易でない。そのため、このようなステアリングホイールを、量産コストを抑制して製造できるようにすることが望まれている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ヒータ線を低コストでかつ容易に取り付けできるハンドルの製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のハンドルの製造方法は、通電によって発熱するヒータ線を把持される把持部に備えたハンドルを製造するハンドルの製造方法であって、所定位置に配列された複数の保持部材間に前記ヒータ線を掛け回して第1の面を形成する掛け回し工程と、前記把持部となる把持予定部の外面の一部を前記第1の面に対して押し当てる押し当て工程と、前記第1の面を前記把持予定部の外面に沿ってこの把持予定部の外面の一部と連続するこの把持予定部の外面に向かって巻き込むように変形させることで、前記ヒータ線により前記把持予定部の外面の少なくとも一部を包む第2の面を形成する巻き込み工程とを具備したものである。
請求項2記載のハンドルの製造方法は、請求項1記載のハンドルの製造方法において、押し当て工程において、把持予定部の外面の一部を第1の面を超えるように押し当てるものである。
請求項3記載のハンドルの製造方法は、請求項1または2記載のハンドルの製造方法において、第1の面は、平面状であり、第2の面は、曲面状であるものである。
請求項4記載のハンドルの製造装置は、通電によって発熱するヒータ線を把持される把持部に備えたハンドルを製造するハンドルの製造装置であって、所定位置に配列され前記ヒータ線を掛け回し可能な複数の保持部材と、これら保持部材に掛け回された前記ヒータ線を前記把持部となる把持予定部の外面に沿って押し付ける押付装置とを具備したものである。
請求項5記載のハンドルの製造装置は、請求項4記載のハンドルの製造装置において、保持部材は、所定線に沿って位置する第1の位置と、前記所定線に対してジグザグ状に位置する第2の位置との2つの位置を移動可能であるものである。
請求項6記載のハンドルの製造装置は、請求項4または5記載のハンドルの製造装置において、押付装置は、把持予定部が埋没されることにより弾性的に変形することでこの把持予定部の外面に沿ってヒータ線を押し付けるクッション体を備えているものである。
請求項7記載のハンドルの製造装置は、請求項4ないし6いずれか一記載のハンドルの製造装置において、押付装置は、把持予定部に対して偏心回転することでヒータ線を把持予定部の外面に沿って押し付ける回転体を備えているものである。
請求項8記載のハンドルの製造装置は、請求項4ないし6いずれか一記載のハンドルの製造装置において、把持予定部は、円形の少なくとも一部に沿って設けられ、押付装置は、前記把持予定部を前記円形に沿う方向に回転させる輪転装置と、保持部材に掛け回されたヒータ線を前記輪転装置により回転された前記把持予定部の外面に沿って押し付ける賦形型とを備えているものである。
請求項1記載のハンドルの製造方法によれば、所定位置に配列された複数の保持部材間にヒータ線を掛け回して第1の面を形成し、この第1の面に把持部となる把持予定部の外面の一部を押し当て、第1の面を把持予定部の外面に沿ってこの把持予定部の外面の一部と連続する把持予定部の外面に向かって巻き込むように変形させてヒータ線により把持予定部の外面の少なくとも一部を包む第2の面を形成することにより、複雑な構成及び工程を有することなく、ヒータ線を低コストで、かつ、容易に取り付けできる。
請求項2記載のハンドルの製造方法によれば、請求項1記載のハンドルの製造方法の効果に加え、押し当て工程において、把持予定部の外面の一部を第1の面を超えるように押し当てることにより、第1の面を形成したヒータ線により把持予定部の外面の少なくとも一部を包む第2の面をより容易に形成できる。
請求項3記載のハンドルの製造方法によれば、請求項1または2記載のハンドルの製造方法の効果に加え、第1の面を平面状とすることで、ヒータ線により第1の面を容易に形成できるとともに、第2の面を曲面状とすることで、曲面状の断面を有する把持予定部にヒータ線を確実に沿わせることができる。
請求項4記載のハンドルの製造装置によれば、所定位置に配列された複数の保持部材にヒータ線を掛け回し、これら保持部材に掛け回されたヒータ線を把持部となる把持予定部の外面に沿って押付装置によって押し付けることにより、複雑な構成及び工程を有することなく、ヒータ線を低コストで、かつ、容易に取り付けできる。
請求項5記載のハンドルの製造装置によれば、請求項4記載のハンドルの製造装置の効果に加え、保持部材を、所定線に沿って位置する第1の位置と、所定線に対してジグザグ状に位置する第2の位置との2つの位置に移動可能とすることにより、保持部材に対してヒータ線をより容易に掛け回すことができる。
請求項6記載のハンドルの製造装置によれば、請求項4または5記載のハンドルの製造装置の効果に加え、把持予定部を埋没させて弾性的に変形したクッション体によって把持予定部の外面に沿ってヒータ線を押し付けることにより、ヒータ線を簡単な構成で把持予定部により容易に巻き込むことができる。
請求項7記載のハンドルの製造装置によれば、請求項4ないし6いずれか一記載のハンドルの製造装置の効果に加え、把持予定部に対して偏心回転した回転体がヒータ線を把持予定部に押し付けることにより、ヒータ線を簡単な構成で把持予定部により確実に巻き込むことができる。
請求項8記載のハンドルの製造装置によれば、請求項4ないし6いずれか一記載のハンドルの製造装置の効果に加え、円形の少なくとも一部に沿って設けた把持予定部を輪転装置により円形に沿う方向に回転させつつ、保持部材に掛け回されたヒータ線を賦形型により把持予定部の外面に沿って押し付けることで、より簡単で省スペースな構成によってヒータ線を把持予定部に巻き込むことができる。
本発明のハンドルの製造方法の第1の実施の形態の押し当て工程及び巻き込み工程を(a)及び(b)の順に示す断面図である。 同上ハンドルの製造方法の掛け回し工程を(a)及び(b)の順に示す平面図である。 同上ハンドルの製造方法の掛け回し工程を(a)及び(b)の順に示す断面図である。 同上ハンドルの製造装置の保持部材を示し、(a)はヒータ線を係止した状態を示す平面図、(b)は(a)の側面図である。 同上保持部材を示し、(a)はヒータ線の係止を解除した状態を示す平面図、(b)は(a)の側面図である。 同上ハンドルの製造方法の製造方法及びその製造装置により製造されたハンドルを示し、(a)はハンドルの一部の正面図、(b)はハンドルの把持部の一部を切り欠いて示す拡大図、(c)は(a)のI−I相当位置の断面図である。 本発明のハンドルの製造装置の保持部材の第2の実施の形態を示す側面図である。 本発明のハンドルの製造装置の保持部材の第3の実施の形態を示す側面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第4の実施の形態の一部を示す平面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第5の実施の形態の一部を示す平面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第6の実施の形態の保持部材を示す側面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第7の実施の形態を示す側面図である。 同上ハンドルの製造方法の押し当て工程及び巻き込み工程の一部を示す断面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第8の実施の形態の一部を示す断面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第9の実施の形態の一部を示す断面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第10の実施の形態の一部を示す斜視図である。 同上ハンドルの製造方法の巻き込み工程を示し、(a)はその断面図、(b)はその平面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第11の実施の形態を示す平面図であり、(a)及び(b)はハンドルの製造方法の巻き込み工程の一部を示す。 本発明のハンドルの製造装置の第12の実施の形態の一部を示す斜視図である。 同上ハンドルの製造装置の一部を示す断面図である。 同上ハンドルの製造装置のハンドルの製造方法の掛け回し工程の一部を(a)及び(b)の順に模式的に示す側面図である。 同上ハンドルの製造装置により第1の面を形成した状態を示す平面図である。 同上ハンドルの製造方法の巻き込み工程の一部を(a)及び(b)の順に示す断面図である。 本発明のハンドルの製造装置の第13の実施の形態の一部を示す斜視図である。 同上ハンドルの製造方法の掛け回し工程を示す平面図である。 同上ハンドルの製造方法の巻き込み工程を示す側面図である。
以下、本発明のハンドルの製造方法及びその製造装置の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図6(a)ないし図6(c)において、10は例えば車両としての自動車のハンドルであるステアリングホイールで、このステアリングホイール10は、ハンドル本体であるステアリングホイール本体11、このステアリングホイール本体11の乗員側に装着される図示しないパッド体としてのセンタパッドであるエアバッグ装置(エアバッグモジュール)、及び、図示しないスイッチモジュールなどを備えている。なお、ステアリングホイール10は、通常傾斜した状態で車両に備えられるステアリングシャフトに装着されるものであるが、以下、エアバッグ装置の乗員側すなわち正面側を上側、ステアリングシャフト側すなわち背面側を下側、車両の前側すなわち前側上方のフロントガラス側を前側、車両の後側すなわち後側下方を後側あるいは手前側として説明する。
そして、ステアリングホイール本体11は、円環状をなす把持部としてのリム部(リング部)15と、このリム部15の内側に位置するボス部16と、これらリム部15とボス部16とを連結する複数の、本実施の形態では3本のスポーク部17とから構成されている。また、ボス部16の車体側となる下部には、ステアリングシャフトと歯合するセレーション構造を備えた略円筒状のボス18が設けられているとともに、このボス18に、ハブコアとも呼ばれる芯体を構成するボスプレート19が例えばマグネシウム合金などを重力鋳造法や射出成形法などにより成形することにより一体的に固着されている。さらに、ボス部16には、裏カバーあるいはボディカバーとも呼ばれる図示しない樹脂製の下部カバーが取り付けられ、ボス部16の下側部が覆われている。そして、ボスプレート19から、スポーク部17の芯金17aが一体に延設され、あるいは溶接などして固着されている。さらに、このスポーク部17の芯金17aに、リム部15の芯金15aが溶接などして固着されている。
また、これらリム部15の芯金15aの全周の表面側と、スポーク部17の芯金17aのリム部15側の部分との表面側には、軟質の合成樹脂などからなる把持予定部としてのコア被覆部である内側被覆部20が形成されている。この内側被覆部20の表面には、溝部21が設けられ、この溝部21に沿って通電により発熱するヒータ線22が配置されている。さらに、内側被覆部20及びヒータ線22は、薄皮状のトップ被覆部である外側被覆部23により覆われている。
内側被覆部20は、本実施の形態では、例えば軟質の発泡ポリウレタン樹脂を微細発泡させたものを使用するが、その他に、軟質の発泡ポリエチレンブロック体などで形成してもよい。すなわち、この内側被覆部20は、内周側と外周側または上下などに分割されて互いに組み合わせられることによりこの内側被覆部20の形状となるブロック体を用いることができる。さらに、内側被覆部20としては、発泡ポリエチレンに代えて発泡スチロールなどを用いることができるが、この場合は後工程で成形一体化される外側被覆部23を構成する樹脂の材料(例えばポリウレタン成形用反応液など)によって侵されないよう、表面を保護する薄膜を形成することが好ましい。
また、内側被覆部20の溝部21は、内側被覆部20の正面側ではU字状(V字状)で、内側被覆部20の背面側では互いに連続する形状となっており、例えば0.3mm程度の深さを有している。
また、ヒータ線22は、通電時に発熱する芯線の表面に、絶縁膜を設けたものである。本実施の形態では、例えば0.5mm程度の線径(直径)に設定されている。すなわち、このヒータ線22は、溝部21に対して僅かに突出する程度の線径を有している。そして、このヒータ線22は、図示しない制御回路と接続され、この制御回路により通電されることにより発熱するように構成されている。
さらに、外側被覆部23は、ヒータ線22を埋没させるように内側被覆部20の表面にインサート成形(オーバモールド)されている。この外側被覆部23の材料としては、本実施の形態では、例えば紫外線などにより変色しない軟質のポリウレタン樹脂(低黄変タイプまたは無黄変タイプのポリウレタン)を微細発泡させたものを用いることができる。そして、この外側被覆部23は、例えばヒータ線22を配置した状態の基体(内側被覆部20)を図示しない成形型にインサートし、反応してポリウレタンとなる反応混合液を成形型(RIM型)に注入して成形型内で発泡させることにより成形されており、例えば1.0〜2.0mm程度の厚みに形成されている。すなわち、この外側被覆部23は、ヒータ線22の線径よりも僅かに厚めに形成されている。したがって、ステアリングホイール10は、表面の昇温と触感とが良好で、かつ、ヒータ線22が組み込まれていることが外観から分からない(分かり難い)、ポリウレタンステアリングホイールとなっている。なお、外側被覆部23の材料として、上記のポリウレタン樹脂を用いない場合には、経年変色防止策として、外側被覆部23の表面に隠蔽塗装(バリアコート)を付与することが行われる。この隠蔽塗装は、成形型から取り出した後、スプレー塗装する方法(アフターコート)を用いてもよいし、成形型面に対して成形品キャビティ部分を中心にその周辺も含めて隠蔽用塗料を吹き付け成形品表面に反転付着させて形成するインモールドコート法などを用いてもよい。
また、エアバッグ装置は、袋状のエアバッグ、折り畳んだエアバッグを覆う樹脂製のカバー体、ガスを噴射するインフレータなどを備えており、自動車が衝突した際などに、インフレータからエアバッグの内部にガスを急速に噴射し、折り畳んで収納したエアバッグを急激に膨張させ、カバー体を開裂させて、エアバッグを乗員の前側に膨張展開させて、乗員を保護するようになっている。なお、このエアバッグ装置は、スイッチ装置としてのホーンスイッチ機構を一体的に組み込んでもよい。
次に、ステアリングホイール10の製造装置31について説明する。
図1ないし図5に示す製造装置31は、ボス部16に対してスポーク部17の芯金17aにより一体となった芯金15aに対して内側被覆部20を形成した中間体32にヒータ線22を巻き付けるものであり、ヒータ線22が巻回されたヒータ線巻回部としてのドラム33と、中間体32に対してヒータ線22を巻き付ける巻付装置34とを備えている。
ドラム33は、巻付装置34の側方の位置に回動可能に配置されており、引き出されたヒータ線22が巻付装置34へと順次供給されるように構成されている。
また、巻付装置34は、ベース体であるベース板35と、このベース板35に移動可能に設けられた保持部材としての引っ掛けピン36と、ベース板35上に設けられたクッション体としての台座部37とを有している。
ベース板35は、硬質の部材によって平板状に形成されている。
また、引っ掛けピン36は、下端側がベース板35の下方に突出して移動機構及び回転機構を備えた駆動装置40と接続され、上端側が台座部37の上方に突出している。また、この引っ掛けピン36の上端部には、対をなす(一対の)突起部41,41が上下に離間された位置で突設され、これら突起部41,41の間がヒータ線22を係止保持する係止凹部42となっている。そして、この引っ掛けピン36には、中間体32の溝部21に対応する位置に配置された一方及び他方のピン36a,36bが設定されている。これら一方及び他方のピン36a,36bは、駆動装置40により、所定線である仮想円PCに沿ってヒータ線22の線径と略等しい間隔になるように位置し一方のピン36aが仮想円PCの内側、他方のピン36bが仮想円PCの外側に位置する第1の位置と、一方のピン36aが仮想円PCの外側、他方のピン36bが仮想円PCの内側に位置し仮想円PCに対してジグザグ状となる第2の位置との2つの位置に移動可能となっているとともに、各中心軸の周囲に回転可能となっている。したがって、これら一方及び他方のピン36a,36bの間にヒータ線22を仮想円PCに沿って配置できるように構成されている。
また、台座部37は、引っ掛けピン36に掛け回されたヒータ線22を内側被覆部20に押し付ける押付装置44の少なくとも一部を構成するもので、例えば発泡ポリウレタン製ブロックなどであり、例えば各種荷役緩衝材などに用いられるように、手押しなどによって変形する程度の軟質のものが選択される。そして、この台座部37は、平面視で中間体32より大きい四角形状となっている。また、この台座部37の中央部には、中間体32を受け入れ可能な平面視円形状の凹部45が設けられている。この凹部45の中央部には、切取部としての平面視円形状の凹溝部46が設けられており、この凹溝部46の中心に沿って、仮想円PCの中心となるガイド部としてのガイドシャフト47がベース板35に突設されている。すなわち、ガイドシャフト47は、台座部37(ベース板35)の中央部に位置している。さらに、この台座部37には、引っ掛けピン36の一方及び他方のピン36a,36bをガイドするガイド溝48が設けられている。これらガイド溝48は、仮想円PCに対して交差(直交)し、かつ、ガイドシャフト47に対して放射状に、すなわち仮想円PCの径方向に沿って所定長を有するスリット状(長穴状)に設けられ、仮想円PCの周方向に略等間隔に離間されて配置されている。なお、これらガイド溝48は、仮想円PCの全周に亘って設けられているが、図2においては、説明を明確にするために一部のみを図示するものとする。
ガイドシャフト47は、円形の一定断面を有する棒材であり、ボス18に挿入され、中間体32が上下動自在に挿通可能であって、仮想円PCに対して中間体32を位置決め可能とする。
また、ガイド溝48は、仮想円PCの径方向に沿って(仮想円PCと交差(直交)する方向に沿って)引っ掛けピン36を移動可能にガイドするものである。
そして、中間体32に対してヒータ線22を巻き付ける際には、まず、図2(a)及び図3(a)に示すように、ドラム33からヒータ線22の先端側を引き出し、クランプCなどにより挟んで固定した後、仮想円PCに沿う第1の位置に位置する一方及び他方のピン36a,36b間を通って、仮想円PCに沿って円形に配置する(ヒータ線配置工程)。このとき、一方及び他方のピン36a,36bは、係止凹部42が仮想円PC側に向いた状態となっている(図4(a)及び図4(b))。
次いで、図2(b)及び図3(b)に示すように、一方及び他方のピン36a,36bを、ヒータ線22の先端側に近い位置のものから時計回り方向に隣接するものへと順次ガイド溝48に沿って駆動装置40により第2の位置へと移動させる(移動工程)。すなわち、本実施の形態では、駆動装置40は、ヒータ線22の先端側に直近の他方のピン36bを、仮想円PCを横切ってその外側へと移動させ、次いでこの他方のピン36bに対して時計回り方向に隣接する一方のピン36aを、仮想円PCを横切ってその内側へと移動させ、さらに、この一方のピン36aに対して時計回り方向に隣接する他方のピン36bを、仮想円PCを横切ってその外側へと移動させるなど、以下仮想円PCの全周に亘って繰り返すことにより、ヒータ線22が一方及び他方のピン36a,36bの係止凹部42に係止された保持状態となり、仮想円PCに対してジグザグ状に湾曲して配置される。このとき、ヒータ線22の先端側から一方及び他方のピン36a,36bが順次移動するので、ヒータ線22は先端側から必要長さが増してゆくのに応じてドラム33から徐々に引き出されて供給される。一方及び他方のピン36a,36bが第1の位置から第2の位置へと移動する前には、これら一方及び他方のピン36a,36b間にガイドされた単純円弧状のヒータ線22があるのみなので、ヒータ線22は殆ど抵抗なくドラム33から引き出されてジグザグ状に賦形され、ヒータ線22に対して局所的な引っ張りや曲げなどのストレスが掛からないため、ヒータ線22の劣化や断線などの欠陥が生じない。
このようにして、仮想円PCを中心にこの仮想円PCの内外に所定幅でジグザグ状をなすヒータ線22が準備され、このジグザグ状のヒータ線22によって平面状の第1の面S1が構成される(掛け回し工程)。
次いで、図1(a)及び図1(b)に示すように、中間体32のボス18をガイドシャフト47に挿通し、内側被覆部20の外面の一部、例えば背面側をヒータ線22による第1の面S1に接触する位置まで下げて押し当てた(押し当て工程)後、さらに凹部45内へと押し下げて、中間体32の内側被覆部20を仮想円PCに合わせるようにヒータ線22とともに台座部37に押し当てて埋没させる。この結果、台座部37が弾性的に変形し、その表面に配置されているヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って、この内側被覆部20の背面側から正面側(乗員側)に亘って曲面状に変形されるように押し付けられる(巻き込み工程)。すなわち、ヒータ線22により形成された第1の面S1を内側被覆部20がこの第1の面S1を超えて押し下げることにより変形させ、内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22のジグザグ形状が湾曲して変形される。換言すれば、中間体32の内側被覆部20が第1の面S1を超えて押し当てられることによりヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って側面から正面側へと巻き込まれるように変形して曲面状の第2の面S2を形成し、この第2の面S2が内側被覆部20の外面の一部(溝部21に対応する部分)を背面側から正面側に亘って包む。
このとき、駆動装置40により、図5(a)及び図5(b)に示すように、一方及び他方のピン36a,36bを180°回転させて、ヒータ線22の保持状態からヒータ線22の非保持状態に移行させると、一方及び他方のピン36a,36bは、予め図6(b)に示す内側被覆部20の溝部21に合わせて配置されていることにより、ヒータ線22が溝部21内に案内される。なお、例えば中間体32(図1)を円周方向に(仮想円PCの周方向に)微小振動させながら台座部37でヒータ線22を内側被覆部20に押し当ててもよく、この場合には、より容易にヒータ線22が溝部21内に案内される。
このようにして、中間体32(図1)の内側被覆部20の外面の溝部21にヒータ線22が取り付けられる。
さらに、このヒータ線22を取り付けた中間体32(図1)を成形型にインサートし、ヒータ線22及び内側被覆部20を一括して図6に示すように外側被覆部23により覆う。このとき、外側被覆部23は、例えば革調の小皺や内周の縫製に似せた縫い目状の造形などを施すことによって、革貼りステアリングホイールのような外観としてもよい。
次いで、外側被覆部23の成形に伴い形成されるゲート、オーバフロー部、ばりなどを適宜除去し、ヒータ線22の端末にコネクタなどを取り付ける。
そして、エアバッグ装置、裏カバー、スイッチモジュール、及び木目柄またはメタリック調などのフィニッシャなどを取り付けることにより、ヒータ線22が完全に隠蔽され、外観上、一見してヒータ線22が組み込まれているか否かの区別ができない外観を有するステアリングホイール10が完成する。
このように、本実施の形態では、所定位置に配列された複数の引っ掛けピン36(一方及び他方のピン36a,36b)間にヒータ線22をジグザグ状に掛け回して平面状の第1の面S1を形成し、この第1の面S1にリム部15となる内側被覆部20の外面の一部を押し当て、第1の面S1を内側被覆部20に沿ってこの内側被覆部20の外面の一部(背面側)と連続するこの内側被覆部20の外面の側面から他部(正面側)に向かって巻き込むように台座部37で押し付けることで変形させてヒータ線22により内側被覆部20の外面の一部(溝部21に対応する部分)を包む曲面状の第2の面S2を形成する。このため、複雑な構成及び工程を有することなく、ヒータ線22を低コストで、かつ、容易に取り付けできる。すなわち、この製造方法は、自動化や機械化が可能となり、ステアリングホイール10の量産性に優れている。また、製造装置31は、所定位置に配列された複数の引っ掛けピン36や、これら引っ掛けピン36に掛け回されたヒータ線22を、弾性変形によりリム部15となる内側被覆部20の外面に沿って押し付ける押付装置44(台座部37)など、簡単な動作をさせるのみで実施できるので、大掛かりな装置とならず、高額な設備費用を要しないなど、低コスト化を実現できる。
また、押し当て工程において、内側被覆部20の外面の一部を第1の面S1を超えるように押し当てることにより、第1の面S1を形成したヒータ線22により内側被覆部20の外面の一部(溝部21に対応する部分)を包む第2の面S2をより容易に形成できる。
さらに、第1の面S1を平面状とすることで、ヒータ線22により第1の面S1を容易に形成できるとともに、第2の面S2を曲面状とすることで、曲面状(円形状)の断面を有する内側被覆部20にヒータ線22を確実に沿わせることができる。
また、引っ掛けピン36(一方及び他方のピン36a,36b)は、仮想円PCに沿って位置する第1の位置と、仮想円PCに対してジグザグ状に位置する第2の位置との2つの位置に移動可能とすることにより、ヒータ線22を仮想円PCに沿って配置するだけで、引っ掛けピン36(一方及び他方のピン36a,36b)が第1の位置から第2の位置へと移動することによってヒータ線22が第1の面S1を形成するように賦形されるので、引っ掛けピン36(一方及び他方のピン36a,36b)に対してヒータ線22をより容易に掛け回すことができるとともに、ヒータ線22に断線などが生じにくい。
そして、台座部37は、内側被覆部20を埋没させて弾性的に変形することで内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22を押し付けることにより、ヒータ線22を簡単な構成で内側被覆部20の外面に沿ってより容易に巻き込むことができる。
また、外側被覆部23は、ヒータ線22を巻き付けた内側被覆部20の外面に、ヒータ線22の線径よりも僅かに厚めに成形しているので、乗員がリム部15を把持してステアリングホイール10を操作する際に良好な温感を得ることができるとともに、外側被覆部23によってヒータ線22が隠蔽されているので、リム部15に対して皮革などの表皮体などの取り付けが必須とならないため、このような表皮体の取り付けのための手工業的作業が不要であり、製造コストをより低減できる。
したがって、このステアリングホイール10を自動車などに搭載することで、より安価な自動車を提供できる。特に、このステアリングホイール10を電気自動車に搭載することにより、暖房用に割り当てる蓄電池の電力を抑制できるので、蓄電池の電力を有効に利用でき、航続距離が短くなることを防止できる。したがって、より使い勝手が良好な電気自動車を提供できるので、電気自動車の普及、及びそれに伴う温室効果ガスの排出量の抑制、地球環境の保全などにも寄与できる。
なお、上記第1の実施の形態は、ヒータ線22として例えば線径0.2mm程度のものにも適用可能なものであるが、例えば0.5mm程度の線径を有する、より太いヒータ線22を用いる場合には、巻付装置34をより高速に動作させても断線などのおそれがない。すなわち、引っ掛けピン36を全て同時に動かしたり、最初に動き出した引っ掛けピン36の動作中に次の引っ掛けピン36を順次動作させるようにしたりすることで、仮想円PCに沿って幅狭のジグザグ上となり、それを順次より大きな波状とすることで最終形状としてのジグザグ形状を得るようにすれば、ヒータ線22の賦形時間を大幅に短縮でき、生産性がより向上する。
すなわち、図2などに示す巻付装置34の動作速度や引っ掛けピン36の動き出しのタイミングなどは、ヒータ線22の仕様や、ヒータ線22によりカバーする内側被覆部20の領域の大小(広い、狭い)に応じて適宜選択できる。
また、図7に示す第2の実施の形態のように、引っ掛けピン36は、先端側が弧状に湾曲したものを用いてもよい。この場合には、ヒータ線22を巻き付ける際に、引っ掛けピン36がヒータ線22を放つ位置(リリースポイント)を、引っ掛けピン36の回転によって内側被覆部20の上方に移動でき、ヒータ線22を溝部21に対して、より確実かつ容易に取り付けることができる。
さらに、図8に示す第3の実施の形態のように、引っ掛けピン36を長手方向(軸方向)に沿う面によって分割した分割保持部材としての半ピン51,51により構成してもよい。この場合には、これら半ピン51,51を互いに離間させるように移動させることによってヒータ線22の形状を変化させて賦形することが可能になり、例えばヒータ線22をより幅広の略U字状に湾曲した状態とすることができる。
そして、図9に示す第4の実施の形態のように、引っ掛けピン36を可動させずに、予め仮想円PCに対してジグザグ状の所定位置に配置して、ヒータ線22を例えば6軸ロボットなどの配線装置を用いて蛇腹状(ジグザグ状)に配置することで第1の面S1を形成するように構成してもよい。この場合には、図示しないが、例えば6軸ロボットなどの配線装置の先端に、例えば円環状などのガイドを配置し、このガイド内を挿通してヒータ線22を引っ掛けピン36に掛け回すことが好ましい。また、引っ掛けピン36は、ヒータ線22を掛け回す際のストレスを軽減するために、樹脂製とし、例えば滑りやすい材質や表面処理を施すことが好ましい。さらに、これら引っ掛けピン36の基端側の台座部37には、図示しないが、ガイド溝48に代えて、ヒータ線22を内側被覆部20の表面に沿って巻き込む際に引っ掛けピン36が倒れないようにスリットを形成することが好ましい。
また、上記の第4の実施の形態において、図10に示す第5の実施の形態のように、引っ掛けピン36を仮想円PCの内側と外側とに対をなして仮想円PCの全周に配置するようにすると、2系統のヒータ線22,22をリム部15に密に引き回すことができ、ステアリングホイール10をより確実に、かつ、きめ細かく温めることができる。
さらに、上記の第4及び第5の実施の形態において、図11に示す第6の実施の形態のように、引っ掛けピン36の先端側にベアリングなどのローラガイド53を配置するとともに、引っ掛けピン36を撓み変形可能な弾性材などにより形成して、ヒータ線22の長手方向の動きを可能にしてもよい。
次に、第7の実施の形態を図12及び図13を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第7の実施の形態は、ベース板35上に昇降装置としての昇降テーブル55をベース板35に対して昇降可能(上下動可能)に配置し、この昇降テーブル55上に台座部37を配置したものである。
また、この台座部37の上方には、押付装置44の一部を構成する規制部としての受け板56が下方に向けて配置されており、この受け板56が支持部としての支え台57によって、台座部37の上方の所定位置に固定された状態で支持されている。
受け板56は、昇降テーブル55によって上方に押し上げられた中間体32をそれ以上上方へと移動しないように規制するものであり、リム部15となる内側被覆部20に対応する位置に円環状に形成されている。また、この受け板56の下部には、リム部15となる内側被覆部20の外面に沿って断面円弧状に湾曲した受け溝部56aが形成されている。なお、一方及び他方のピン36a,36bは同一断面上に位置することはないが、説明をより明確にするために、図13においてはほぼ同一断面として説明する。
そして、上記の各実施の形態と同様の工程によりヒータ線22によって第1の面S1を形成した後、昇降テーブル55を台座部37とともに上方へと移動させることによって中間体32の内側被覆部20の外面の上側が受け板56の受け溝部56aに嵌合し、内側被覆部20の外面が第1の面S1に押し当てられるとともに、さらに昇降テーブル55及び台座部37を上方へと移動させることによって、中間体32の内側被覆部20の外面、例えば背面側をヒータ線22の第1の面S1に押し当て、このヒータ線22とともに台座部37に埋没させる。この結果、台座部37が弾性的に変形し、内側被覆部20の外面に沿って、この内側被覆部20の背面側から正面側に亘って曲面状に変形されるように押し付けられる。すなわち、ヒータ線22により形成された第1の面S1を内側被覆部20がこの第1の面S1を超えることによりこの第1の面S1を変形させ、内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22のジグザグ形状が湾曲して変形される。換言すれば、中間体32の内側被覆部20の外面が第1の面S1を超えて押し当てられることによりヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って巻き込まれるように変形して第2の面S2を形成し、この第2の面S2が内側被覆部20の外面の一部(溝部21に対応する部分)を背面側から正面側に亘って包む。
なお、このようにヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って背面側から正面側に亘って巻き込まれる位置では、引っ掛けピン36が台座部37から相対的に下方へと抜けるように構成してもよいし、この位置で駆動装置40を下方へと降下させることにより、引っ掛けピン36をヒータ線22から離れるようにしてもよい。
このように、本実施の形態によれば、昇降テーブル55を用いて台座部37をヒータ線22とともに押し上げ、ステアリングホイール10の中間体32の内側被覆部20を受け板56に押し付けることにより、この内側被覆部20をヒータ線22とともに、より確実に台座部37へと埋没させて、内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22をより確実に押し付けることができる。
なお、上記の第7の実施の形態において、図14に示す第8の実施の形態のように、リム部15となる中間体32の内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22を押し当てる台座部37の表面(上面)には、緩V字状の溝58を形成してもよいし、図15に示す第9の実施の形態のように台座部37の表面(上面)に、円弧状の溝59を形成してもよい。なお、これら第8及び第9の実施の形態においては、中間体32を、内側被覆部20の背面側を上側として正面側にヒータ線22を押し当てるようにしているが、上記の第1ないし第7の実施の形態も、これら第8及び第9の実施の形態と同様にしてもよいし、第8及び第9の実施の形態を、上記の第1ないし第7の実施の形態と同様に、内側被覆部20の乗員に対向する正面側を上側として背面側にヒータ線22を押し当てるようにしてもよい。
次に、第10の実施の形態を図16及び図17を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第10の実施の形態は、上記の第1の実施の形態の台座部37を円形状とするとともに、この台座部37の上側の外周に、段差状の巻込当接部としての被押圧部である段部61を設けたものである。
この段部61の外方には、段部61を台座部37の中心側、すなわちガイドシャフト47側に向けて押圧可能な押圧装置としてのローラ62が配置されている。このローラ62は、押付装置44の一部を構成するものであり、上下方向に沿って回動軸を有するように軸支されている。また、このローラ62は、台座部37の周囲に、この台座部37に対して相対的に周方向に沿って旋回可能であるとともに、台座部37に対して相対的に径方向に沿って進退可能となっている。
そして、上記の各実施の形態と同様の工程によりヒータ線22によって第1の面S1を形成した後、中間体32の内側被覆部20の外面、例えば背面側をヒータ線22の第1の面S1に押し当て、さらに中間体32の内側被覆部20をヒータ線22とともに台座部37に埋没させた状態で、引っ掛けピン36によるヒータ線22の係止を解除し、隆起した段部61に対してローラ62を進出させて当接させ、台座部37の周方向に旋回させることにより、段部61の外縁部を中間体32の内側被覆部20側へと、台座部37の周方向に沿って順次押し倒し、ヒータ線22とともに内側被覆部20に沿って背面側へと倒し込んで賦形する。この結果、内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22が巻き込まれるように変形して第2の面S2を形成し、この第2の面S2が内側被覆部20の外面の一部(溝部21に対応する部分)を背面側から正面側に亘って包む。
このように、本実施の形態によれば、台座部37に埋没された中間体32の内側被覆部20の外面に対して、ローラ62が段部61を押し倒すことでヒータ線22を押し付けることにより、ヒータ線22を簡単な構成で内側被覆部20に沿ってより確実に巻き込むことができ、溝部21により確実に取り付けできる。
なお、上記の第10の実施の形態において、ローラ62は、台座部37の段部61の内縁部側、すなわち凹部45などに配置して、段部61の内縁部を外側へと、台座部37の周方向に沿って順次押し倒してもよいし、段部61の外縁部及び内縁部のそれぞれに配置して段部61の外縁部及び内縁部をそれぞれ押し倒してもよい。
次に、第11の実施の形態を図18を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第11の実施の形態は、上記の第10の実施の形態のローラ62に代えて、押付装置44の一部を構成する押圧装置としての回転体装置64を備えるものである。
この回転体装置64は、台座部37の段部61の外方に位置する第1の押圧部、すなわち外側押圧部としての(第1の)回転体であるリング体としてのドーナツ板65と、台座部37の凹部45に位置する第2の押圧部、すなわち内側押圧部としての(第2の)回転体である円盤66とを有している。
ドーナツ板65は、台座部37の段部61の外周よりも大きい径寸法を有する円形状の開口部65aを中央部に備えており、台座部37の段部61の外縁部に対向して位置し、この台座部37(中間体32)に対して、この台座部37の段部61の径寸法よりも大きい径寸法を有する大円の回転軌道に沿って偏心回転可能となっている。そして、このドーナツ板65は、開口部65aの内周縁部が段部61を台座部37の中心側、すなわちガイドシャフト47側に向けて押圧可能となっている。
また、円盤66は、凹部45の内周よりも小さい径寸法を有しており、段部61の内縁部に対向して位置し、台座部37(中間体32)に対して、凹部45の径寸法よりも大きい径寸法を有する小円の回転軌道に沿って偏心回転可能となっている。そして、この円盤66は、外周縁部が段部61に対向する台座部37の凹部45を外方に向けて押圧可能となっている。
そして、上記の各実施の形態と同様の工程によりヒータ線22によって第1の面S1を形成した後、中間体32の内側被覆部20の外面、例えば背面側をヒータ線22の第1の面S1に押し当て、さらに中間体32の内側被覆部20をヒータ線22とともに台座部37に埋没させた状態で、引っ掛けピン36によるヒータ線22の係止を解除し、図18(a)及び図18(b)に示すように、ドーナツ板65を台座部37(中間体32)に対して偏心回転させることにより、隆起した段部61に対してドーナツ板65の開口部65aの内縁部を当接させ、段部61の外縁部を中間体32の内側被覆部20側へと、台座部37の周方向に沿って順次押し倒すとともに、円盤66を台座部37(中間体32)に対して偏心回転させることで、隆起した段部61の内縁部に対して円盤66の外縁部を当接させ、段部61の内縁部を中間体32の内側被覆部20側へと、台座部37の周方向に沿って順次押し倒すヒータ線22とともに内側被覆部20の外面に沿って倒し込んで賦形する。この結果、内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って巻き込まれるように変形して第2の面S2を形成し、この第2の面S2が内側被覆部20の外面の一部(溝部21に対応する部分)を背面側から正面側に亘って包む。
このように、本実施の形態によれば、台座部37に埋没された中間体32の内側被覆部20に対して偏心回転したドーナツ板65及び円盤66が段部61の外縁部及び内縁部をそれぞれ押し倒すことでヒータ線22を押し付けることにより、ヒータ線22を簡単な構成で内側被覆部20の外面に沿ってより確実に巻き込むことができ、溝部21により確実に取り付けできる。
しかも、ドーナツ板65及び円盤66により、内側被覆部20の外面に対して外周側と内周側とのそれぞれからヒータ線22を押し付けるので、断面円形状の内側被覆部20の外面に対して、より確実にヒータ線22を巻き込むことができる。
次に、第12の実施の形態を図19ないし図23を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第12の実施の形態は、引っ掛けピン36が、それぞれクランク状に屈曲されており、この引っ掛けピン36に複数の第1及び第2のピン組71,72が仮想円PCの周方向に沿って交互に設定されているものである。
引っ掛けピン36は、上下方向に長手状で駆動装置40と接続されてガイド溝48に挿通されている挿通部としての縦軸部74と、この縦軸部74に対して仮想円PC側へと屈曲され台座部37の表面に沿って略平行な延設部としての横軸部75と、この横軸部75の先端部から上方に向けて屈曲されヒータ線22を係止可能なフック部である係止部76とを一体に備えている。そして、この引っ掛けピン36は、ガイド溝48に沿って、仮想円PCの径方向に沿って(仮想円PCと交差(直交)する方向に沿って)移動可能となっている。
各第1のピン組71は、中間体32の溝部21に対応する位置に配置された一方及び他方の第1のピン36c,36dが設定されている。これら一方及び他方の第1のピン36c,36dは、仮想円PCの周方向に沿って互いにずれた位置となっている。また、これら一方及び他方の第1のピン36c,36dは、駆動装置40により、各係止部76が仮想円PCに沿ってヒータ線22の線径と略等しい間隔になるように位置し一方の第1のピン36cの係止部76が仮想円PCの内側、他方の第1のピン36dの係止部76が仮想円PCの外側に位置する第1の位置と、一方の第1のピン36cの係止部76が仮想円PCの外側、他方の第1のピン36dの係止部が仮想円PCの内側に位置し仮想円PCに対してジグザグ状となる第2の位置との2つの位置に移動可能となっているとともに、各縦軸部74の中心軸の周囲に回転可能となっている。したがって、これら一方及び他方の第1のピン36c,36dの係止部76,76間にて横軸部75,75上にヒータ線22を仮想円PCに沿って配置できるように構成されている。
また、各第2のピン組72は、中間体32の溝部21に対応する位置に配置された一方及び他方の第2のピン36e,36fが設定されている。これら一方及び他方の第2のピン36e,36fは、仮想円PCの周方向に沿って互いにずれた位置となっている。また、一方の第2のピン36eは、一方の第1のピン36cと仮想円PCの周方向に交互に(1つ置きに)配置され、他方の第2のピン36fは、他方の第1のピン36dと仮想円PCの周方向に交互に(1つ置きに)配置されている。さらに、これら一方及び他方の第2のピン36e,36fは、駆動装置40により、各係止部76が仮想円PCに沿ってヒータ線22の線径と略等しい間隔になるように位置し一方の第2のピン36eの係止部76が仮想円PCの内側、他方の第2のピン36fの係止部76が仮想円PCの外側に位置する第1の位置と、一方の第2のピン36eの係止部76が仮想円PCの外側、他方の第2のピン36fの係止部が仮想円PCの内側に位置し仮想円PCに対してジグザグ状となる第2の位置との2つの位置に移動可能となっているとともに、各縦軸部74の中心軸の周囲に回転可能となっている。したがって、これら一方及び他方の第2のピン36e,36fの係止部76,76間にて横軸部75,75上にヒータ線22を仮想円PCに沿って配置できるように構成されている。さらに、この第2のピン組72の一方及び他方の第2のピン36e,36fの横軸部75は、第1のピン組71の一方及び他方の第1のピン36c,36dの係止部76よりも上方に位置しており、第1のピン組71と第2のピン組72とが互いに干渉しないように配置されている。
また、ガイド溝48は、仮想円PCに対して外周側と内周側とにそれぞれ離間された位置に設けられている。換言すれば、ガイド溝48の仮想円PC側の端部は、所定距離分、互いに離間されている。したがって、仮想円PCを介して互いに対向するガイド溝48,48間の台座部37の表面には、中間体32の内側被覆部20の外面に沿ってヒータ線22を圧縮押圧する平面状などの押圧面78が仮想円PCに沿って所定幅に連続する円形状に設けられている。さらに、ガイド溝48は、引っ掛けピン36を仮想円PCに対して最大に後退させた位置(第2の位置)よりも、これら引っ掛けピン36の退避方向に長く延びて形成される。そして、一方の第1のピン36c用のガイド溝48の一端部と、他方の第2のピン36f用のガイド溝48の他端部とが、仮想円PCの径方向に互いに対向し、他方の第1のピン36d用のガイド溝48の他端部と一方の第2のピン36e用のガイド溝48の一端部とが、仮想円PCの径方向に互いに対向している。したがって、平面視で、一方の第1のピン36cと他方の第2のピン36fとが仮想円PCの径方向に対向し、他方の第1のピン36dと一方の第2のピン36eとが仮想円PCの径方向に対向している。
さらに、ドラム33には、図示しないが、例えば第1のピン組71に対してヒータ線22を供給する第1のドラムと、第2のピン組72に対してヒータ線22を供給する第2のドラムとが設定されている。
そして、中間体32に対してヒータ線22を巻き付ける際には、まず、第1のピン組71の一方及び他方の第1のピン36c,36dを仮想円PC側に最大に進出させた第1の位置とするとともに、第2のピン組72の一方及び他方の第2のピン36e,36fを仮想円PCに対して退避させた位置(例えば第2の位置)とした状態で、第1のドラムからヒータ線22の先端側を引き出し、クランプCなどにより挟んで固定した後、一方及び他方の第1のピン36c,36dの係止部76,76間を通って、仮想円PCに沿って円形に配置する。なお、ピン36c,36d,36e,36fは同一断面上に位置することはないが、説明をより明確にするために、図20においてはほぼ同一断面として説明する。
次いで、第2のピン組72の一方及び他方の第2のピン36e,36fを仮想円PC側に最大に進出させた第1の位置とした状態で、第2のドラムからヒータ線22の先端側を引き出し、クランプCなどにより挟んで固定した後、一方及び他方の第2のピン36e,36fの係止部76,76間を通って、仮想円PCに沿って円形に配置する。
この状態で、一方及び他方の第1のピン36c,36dを駆動装置40により第2の位置へと移動させるとともに、一方及び他方の第2のピン36e,36fを駆動装置40により第2の位置へと移動させることにより、一方及び他方の第1のピン36c,36dの係止部76,76に係止されたヒータ線22、及び、一方及び他方の第2のピン36e,36fの係止部76,76に係止されたヒータ線22が、それぞれ仮想円PCに対してジグザグ状に湾曲して配置される。このとき、各ピン組71,72は上下方向に積層状に配置されているため、ジグザグ状のヒータ線22,22は互いに干渉することなく賦形される。このようにして、仮想円PCを中心にこの仮想円PCの内外に所定幅でジグザグ状をなすヒータ線22,22が準備され、これらジグザグ状のヒータ線22,22によって押圧面78の上方に第1の面S1が構成される。
次いで、中間体32の内側被覆部20を仮想円PCに合わせるように内側被覆部20の外面、例えば背面側をヒータ線22の第1の面S1に押し当て、ヒータ線22とともに台座部37の押圧面78に埋没させる。この結果、台座部37が弾性的に変形し、その表面に配置されているヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って、この内側被覆部20の背面側から正面側に亘って曲面状に変形されるように押し付けられる。このとき、内側被覆部20が埋没する押圧面78は、ガイド溝48などが位置していない一連の円滑な面であるため、ヒータ線22を確実に圧縮押圧できる。また、台座部37の変形によりガイド溝48が仮想円PCに向かって移動するように変形するものの、ガイド溝48は、引っ掛けピン36の第2の位置よりも引っ掛けピン36の退避方向に長く延びているため、このように台座部37が変形した状態でも、引っ掛けピン36の縦軸部74の遊動範囲を確保でき、引っ掛けピン36との干渉を抑制できる。したがって、ヒータ線22を巻き込み賦形しやすく、ヒータ線22の巻き上がり(仕上がり)もよい。
なお、中間体32を台座部37に埋没させる際には、上記の第1の実施の形態のように中間体32を下方へと移動させて台座部37に押し当ててもよいし、上記の第7の実施の形態のように台座部37を上方へと移動させて中間体32に押し当ててもよい。
中間体32を下方へと移動させて中間体32の内側被覆部20の外面を台座部37に押し当てる場合には、台座部37の変形にしたがって引っ掛けピン36を相対的に下降させ、ヒータ線22が係止部76から外れる位置において、適宜引っ掛けピン36を回転させるなどしてガイド溝48内へと退避させる。
また、台座部37を上方へと移動させて中間体32の内側被覆部20の外面に押し当てる場合には、台座部37の上昇に伴って引っ掛けピン36も上昇させ、ヒータ線22が係止部76から外れる位置に近づいたときに、係止部76の高さ分だけ引っ掛けピン36を相対的に下降させてヒータ線22の係止を解除し、適宜引っ掛けピン36を回転させるなどしてガイド溝48内へと退避させる。
このようにして、中間体32の内側被覆部20の外面の溝部21にヒータ線22,22が取り付けられる。
そして、本実施の形態によれば、上記の各実施の形態と同様の1系統のヒータ線22を取り付けるときの工程と同様の工程によって2系統のヒータ線22,22を内側被覆部20の外面の溝部21に容易かつ確実に取り付けできるので、ヒータ線22をリム部15に密に引き回すことができ、ステアリングホイール10をより確実に、かつ、きめ細かく温めることができる。
なお、上記の第10ないし第12の実施の形態において、中間体32は、内側被覆部20の外面の乗員に対向する正面側を上側として背面側にヒータ線22を押し当てるようにしたが、例えば内側被覆部20の外面の背面側を上側として正面側にヒータ線22を押し当てるようにしてもよい。
次に、第13の実施の形態を図24ないし図26を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第13の実施の形態は、引っ掛けピン36を直線状の所定線である仮想線PLに沿って配列し、これら引っ掛けピン36に掛け回したヒータ線22を内側被覆部20の外面に沿って巻き付けるものである。
すなわち、引っ掛けピン36は、仮想線PLに沿って位置し、ガイド溝48に沿って、仮想線PLに対して交差(直交)する方向に移動可能となっている。さらに、引っ掛けピン36の下端部は、ベース板35の下部に位置しこのベース板35に対して上下動可能な可動駒81とそれぞれ接続されている。
また、一方のピン36aと他方のピン36bとは、仮想線PLに沿ってヒータ線22の線径と略等しい間隔になるように位置し一方のピン36aが仮想線PLの一側で、他方のピン36bが仮想線PLの他側に位置する第1の位置と、一方のピン36aが仮想線PLの他側で、他方のピン36bが仮想線PLの一側に位置してこの仮想線PLに対してピン36a,36bがジグザグ状に位置する第2の位置との2つの位置に移動可能となっているとともに、各中心軸の周囲に回転可能となっている。したがって、これら一方及び他方のピン36a,36bとの間にヒータ線22を仮想線PLに沿って配置できるように構成されている。
また、台座部37は、仮想線PLに沿って直線状に形成された賦形型であり、この仮想線PLと交差(直交)するガイド溝48によって引っ掛けピン36の可動範囲を規制している。
さらに、中間体32は、台座部37の長手方向、すなわち仮想線PLに沿って移動可能な輪転装置としての移動台83に取り付けられる。この移動台83は、台座部37の幅方向に沿って水平状に支軸83aを備え、この支軸83aに対して中間体32を軸支することにより、中間体32を台座部37の長手方向、すなわち仮想線PLに沿って回転可能とする。したがって、中間体32は、リム部15となる内側被覆部20が台座部37の長手方向に沿って順次埋没するように配置されている。
また、ドラム33は、台座部37の長手方向の一端側に配置されている。
そして、中間体32の内側被覆部20の外面に対してヒータ線22を巻き付ける際には、まず、引っ掛けピン36の一方及び他方のピン36a,36bを仮想線PL側に最大に進出させた第1の位置とした状態で、ドラム33からヒータ線22の先端側を引き出し、クランプCなどにより挟んで固定した後、一方及び他方のピン36a,36b間を通って、仮想線PLに沿って直線状に配置する。
次いで、一方及び他方のピン36a,36bを駆動装置40により第2の位置へと移動させることにより、一方及び他方のピン36a,36bの係止凹部42,42に係止されたヒータ線22が仮想線PLに対してジグザグ状に湾曲して配置される。このとき、引っ掛けピン36は、例えばドラム33から遠い側から近い側へと順次移動させることにより、ドラム33から供給されるヒータ線22の円滑な送りとヒータ線22へのストレスを抑制できる。このようにして、仮想線PLを中心にこの仮想線PLの両側に所定幅でジグザグ状をなすヒータ線22が準備され、このジグザグ状のヒータ線22によって第1の面S1が構成される。
次いで、中間体32のボス18に移動台83の支軸83aを挿入して回転可能に支持した状態で、移動台83を台座部37の長手方向に沿ってドラム33から離間する方向へと移動させつつ、中間体32を図23中の時計回り方向、すなわち移動方向に向けて輪転させることにより、リム部15となる内側被覆部20の外面をヒータ線22による第1の面S1に押し当てた後、さらにヒータ線22とともに台座部37に押し当てて埋没させる。この結果、台座部37が弾性的に変形し、その表面に配置されているヒータ線22が内側被覆部20の外面に沿って、この内側被覆部20の外周側から内周側に亘って曲面状に変形されるように押し付けられる。このとき、引っ掛けピン36は、可動駒81によって中間体32の回転に対応させて台座部37の一端側から他端側へと順次下降させることにより、リム部15となる内側被覆部20が台座部37にちょうど没入する箇所で内側被覆部20の外面の溝部21に押し付けられたヒータ線22の保持が引っ掛けピン36の下降によって解除され、台座部37の変形によって内側被覆部20の外面に沿って曲面状に変形されるように押し付けられる。このようにして、中間体32の内側被覆部20の外面の溝部21に、外周側から内周側に亘ってヒータ線22が巻き込まれて取り付けられる。
そして、本実施の形態によれば、円環状に設けた内側被覆部20を移動台83により円形に沿う方向(周方向)に回転させつつ、引っ掛けピン36に掛け回されたヒータ線22を台座部37により内側被覆部20の外面に沿って押し付けることで、台座部37(ベース板35)などを直線状とすることができ、より簡単で省スペースな構成によってヒータ線22を内側被覆部20の外面に沿って巻き込んで取り付けできる。
なお、上記の第13の実施の形態において、内側被覆部20は、円環状に限らず、例えば円弧状などの、円形の一部に沿った形状としても同様に適用できる。
また、移動台83によって中間体32を台座部37(ベース板35)に対して回転させつつ相対的に移動させてヒータ線22を内側被覆部20全体に取り付けたが、中間体32を回転させつつ、台座部37(ベース板35)側を中間体32に対して相対的に移動させることによりヒータ線22を内側被覆部20全体に取り付けてもよい。
さらに、上記の各実施の形態において、ヒータ線22は、例えばジグザグ状だけでなく、内側被覆部20の外面に沿って効果的に配置できる任意の形状の第1の面S1を形成するように引っ掛けピン36に掛け回すことができる。したがって、引っ掛けピン36の位置も、第1の面S1の形状に対応して任意に設定できる。
また、ステアリングホイール10は、3本のスポーク部17を備えた構成に限られず、例えば4本のスポーク部17を備えた構成にも適用できる。
そして、エアバッグ装置に代えて、例えば衝撃吸収体を収納したパッド体を用いることもできる。
本発明は、例えば自動車のステアリングホイールとして好適に用いることができる。
10 ハンドルであるステアリングホイール
15 把持部としてのリム部
20 把持予定部としての内側被覆部
22 ヒータ線
31 製造装置
36 保持部材としての引っ掛けピン
37 クッション体としての賦形型である台座部
44 押付装置
65 回転体であるドーナツ板
66 回転体である円盤
83 輪転装置としての移動台
PC 所定線である仮想円
PL 所定線である仮想線
S1 第1の面
S2 第2の面

Claims (8)

  1. 通電によって発熱するヒータ線を把持される把持部に備えたハンドルを製造するハンドルの製造方法であって、
    所定位置に配列された複数の保持部材間に前記ヒータ線を掛け回して第1の面を形成する掛け回し工程と、
    前記把持部となる把持予定部の外面の一部を前記第1の面に対して押し当てる押し当て工程と、
    前記第1の面を前記把持予定部の外面に沿ってこの把持予定部の外面の一部と連続するこの把持予定部の外面に向かって巻き込むように変形させることで、前記ヒータ線により前記把持予定部の外面の少なくとも一部を包む第2の面を形成する巻き込み工程と
    を具備したことを特徴とするハンドルの製造方法。
  2. 押し当て工程において、把持予定部の外面の一部を第1の面を超えるように押し当てる
    ことを特徴とする請求項1記載のハンドルの製造方法。
  3. 第1の面は、平面状であり、
    第2の面は、曲面状である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のハンドルの製造方法。
  4. 通電によって発熱するヒータ線を把持される把持部に備えたハンドルを製造するハンドルの製造装置であって、
    所定位置に配列され前記ヒータ線を掛け回し可能な複数の保持部材と、
    これら保持部材に掛け回された前記ヒータ線を前記把持部となる把持予定部の外面に沿って押し付ける押付装置と
    を具備したことを特徴とするハンドルの製造装置。
  5. 保持部材は、所定線に沿って位置する第1の位置と、前記所定線に対してジグザグ状に位置する第2の位置との2つの位置を移動可能である
    ことを特徴とする請求項4記載のハンドルの製造装置。
  6. 押付装置は、把持予定部が埋没されることにより弾性的に変形することでこの把持予定部の外面に沿ってヒータ線を押し付けるクッション体を備えている
    ことを特徴とする請求項4または5記載のハンドルの製造装置。
  7. 押付装置は、把持予定部に対して偏心回転することでヒータ線を把持予定部の外面に沿って押し付ける回転体を備えている
    ことを特徴とする請求項4ないし6いずれか一記載のハンドルの製造装置。
  8. 把持予定部は、円形の少なくとも一部に沿って設けられ、
    押付装置は、
    前記把持予定部を前記円形に沿う方向に回転させる輪転装置と、
    保持部材に掛け回されたヒータ線を前記輪転装置により回転された前記把持予定部の外面に沿って押し付ける賦形型とを備えている
    ことを特徴とする請求項4ないし6いずれか一記載のハンドルの製造装置。
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