JP2013229237A - 超電導線材、超電導線材の前駆体及びその製造方法、並びに、超電導多芯導体の前駆体 - Google Patents

超電導線材、超電導線材の前駆体及びその製造方法、並びに、超電導多芯導体の前駆体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも十分に長い線材長を有し、全長に亘って均一に高い臨界電流密度を有する超電導線材等を提供する。
【解決手段】二ホウ化マグネシウムコア1の密度が1.5g/cm以上であり、超電導線材10の長手方向の任意の縦断面に存在する空隙4において、空隙4を形成する閉曲線における最も遠い二点同士を結ぶ線分の長さをLとした場合に、長さLが20μm以上の空隙4のうち、前記線分と超電導線材10の長手方向の軸との為す角が45°以上の空隙4の数が、前記線分と超電導線材10の長手方向の軸との為す角が45°よりも小さい空隙4の数よりも少なく、前記縦断面における長手方向の任意の100μmの領域において、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界曲線について最小二乗法による仮想的な近似直線を引いたときに、当該近似直線と前記境界曲線との距離が10μm以下とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、超電導線材、超電導線材の前駆体及びその製造方法、並びに、超電導多芯導体の前駆体に関する。
二ホウ化マグネシウム(MgB)は2001年に発見された超電導体である。金属を用いた超電導体の中では、最高の臨界温度(39K)を有する。そのため、二ホウ化マグネシウムを用いることにより、従来、液体ヘリウム温度(4.2K)に冷却して運転していた超電導機器を、液体ヘリウムを用いずにより高温(10K〜20K)で運転することが可能になる。特に、核磁気共鳴分析装置(NMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置)や医療用MRI装置(医療用磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging)装置)等のように、時間的変動が極めて小さい磁場を用いる機器への応用が期待されている。これは、二ホウ化マグネシウムを用いた超電導体は、銅酸化物を用いた超電導体等で顕著な磁束クリープの課題が小さくなるためである。
線状化された超電導体(超電導線材)は、例えば、金属シースに原料粉末を充填した後に減面加工を施して線材化し、焼成を施すことで得られる。そして、このようにして得られた超電導線材は、実用的な臨界電流密度を有している。この製造方法は、パウダー・イン・チューブ法と呼称される。
パウダー・イン・チューブ法は、充填される原料粉末に応じて、二つの方法に大別される。即ち、原料粉末としてマグネシウム粉末とホウ素粉末とを用い、金属シース内で二ホウ化マグネシウムを焼成により生成する方法は、in−Situ法と呼称される。また、原料粉末として二ホウ化マグネシウムを用い、金属シース内で二ホウ化マグネシウム同士を焼成により強固に結合させる方法は、ex−Situ法と呼称される。
このような技術に関連して、特許文献1及び2が知られている。
特許4667638号公報 特開2003−031057公報
二ホウ化マグネシウムを含む超電導線材を用いた超電導磁石において、所定の磁場を発生させるためには、超電導線材の臨界電流密度と線材長との積を高めることが重要である。この積の値が大きければ大きいほど、発生可能な磁場の範囲が広くなる。従って、超電導線材には、十分に長い線材長と、全長に亘って均一に高い臨界電流密度とが要求される。
本発明は前記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来よりも十分に長い線材長を有し、全長に亘って均一に高い臨界電流密度を有する超電導線材、超電導線材の前駆体及びその製造方法、並びに、超電導多芯導体の前駆体を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、超電導線材に含まれる二ホウ化マグネシウムを所定の条件を満たすようにすることで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、従来よりも十分に長い線材長を有し、全長に亘って均一に高い臨界電流密度を有する超電導線材、超電導線材の前駆体及びその製造方法、並びに、超電導多芯導体の前駆体を提供することができる。
超電導線材10の斜視図である。 超電導線材10の断面図である。 従来の超電導線材11の断面図である。 二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界を説明する図である。 二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界を説明する図である。 印加磁場と臨界電流密度との関係を示すグラフである。 印加磁場と臨界電流密度との関係を示すグラフである。 二ホウ化マグネシウムの配合比と臨界電流密度との関係を示すグラフである。 二ホウ化マグネシウムの配合比と密度との関係を示すグラフである。 印加磁場と臨界電流密度との関係を示すグラフである。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。なお、図示の便宜上、各図面における図の拡大率や縮小率は一定ではなく、同じ部材が全ての図面で必ずしも同じ大きさで示していないことがある。また、説明の便宜上、同一図面内で一部の部材を特に拡大又は縮小して示すこともある。
[1.超電導線材]
本実施形態の超電導線材10は、図1に示すように、二ホウ化マグネシウムが電気的に連続してなる二ホウ化マグネシウムコア1と、二ホウ化マグネシウムコア1を被覆する金属シース2とを有するものである。そして、超電導線材10は、以下の3つの物性を満たす。
物性1:二ホウ化マグネシウムコア1の密度が1.5g/cm以上である。
物性2:超電導線材10の長手方向の任意の縦断面に存在する空隙において、当該空隙を形成する閉曲線における最も遠い二点同士を結ぶ線分の長さをLとした場合に、長さLが20μm以上の空隙のうち、前記線分と超電導線材10の長手方向の軸との為す角が45°以上の空隙の数が、前記線分と超電導線材10の長手方向の軸との為す角が45°よりも小さい空隙の数よりも少ない。
物性3:前記縦断面における長手方向の任意の100μmの領域において、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界曲線について最小二乗法による仮想的な近似直線を引いたときに、当該近似直線と前記境界曲線との距離が10μm以下である。
以下、各物性について説明する。
<物性1>
超電導線材10に含まれる二ホウ化マグネシウムコア1の密度は、1.5g/cm以上になっている。ただし、二ホウ化マグネシウムコア1の密度は、好ましくは1.57g/cm以上であり、また、その上限は、二ホウ化マグネシウムの真密度が2.62g/cmであること、粉末の充填密度が90%を超えると流動性が悪化して線状化して加工が困難になることから、好ましくは2.36g/cm以下である。なお、密度は、線材の金属シースを除去して取り出した二ホウ化マグネシウムコア1に対し、電子天秤により質量を計測し、電子顕微鏡によりその寸法から体積を算出し、質量を体積で除すことによって測定することができる。
そして、二ホウ化マグネシウムコア1の密度がこの範囲にあることにより、二ホウ化マグネシウムコア1内部の空隙を減らすことができる。これにより、超電導線材1(二ホウ化マグネシウムコア1)において、超電導電流が流れることが可能な経路を増大させ、良好な臨界電流密度を有する超電導線材1とすることができる。
<物性2>
超電導線材10の長手方向の任意の縦断面(図1に示すA−A線断面)として図2(a)に示すように、二ホウ化マグネシウムコア1内部には空隙4が存在する。なお、この空隙4は、in−Situ法の場合、原料粉末(ホウ素、マグネシウム)を金属シース2内に仮に100%の充填割合となるように充填したとしても、充填後に金属シース2を焼成することにより発生する。即ち、原料粉末を構成する微細なホウ素とマグネシウムとの粒子を焼成すると、二ホウ化マグネシウムが生成するときに少なからず収縮するため、このような空隙4が生じることになる。また、金属シース2内に100%の充填割合で粉末を充填することは実質不可能であるため、ex−Situ法の場合にも空隙4は存在する。
そして、図2(b)に示すように、空隙4を形成する閉曲線における最も遠い二点同士を結ぶ線分の長さをLとした場合に、Lの長さが20μm以上の空隙のうち、前記線分と超電導線材10の長手方向の軸との為す角θが45°以上の空隙の数が、前記線分と超電導線材10の長手方向の軸との為す角θが45°よりも小さい空隙の数よりも少ないようになっている。
なお、本明細書においては、空隙4の大きさを、前記の線分の長さLで表すものとする。また、このような縦断面は、後記する実施例に記載の方法により観察することができる。
例えば図2(b)に示す例においては、θは約20°である。そして、このようなθが45°よりも小さい(45°は含まず)空隙4の数が、θが45°以上の空隙4の数よりも多くなっている。このような条件を満たすことで、超電導線材10(二ホウ化マグネシウム1)の超電導電流が流れることが可能な経路を増大させることができる。即ち、超電導線材における二ホウ化マグネシウムコア1の直径は20μm〜500μmの程度であり、Lが20μmを超えてθが45°以上の空隙4の数が多すぎる場合、二ホウ化マグネシウムコア1内の電流の通流路が塞がれる可能性が高まることになる。従って、二ホウ化マグネシウムコア1内に存在するθが45°以上の空隙4の数はできるだけ少ないことが好ましい。なお、空隙4のθの大きさが大きい場合であっても、二ホウ化マグネシウムコア1に対して空隙4の大きさが小さなときには、電流路を塞いでしまう可能性は低い。そのため、本実施形態においては、θの大きさを判断する空隙4の大きさとして、線分の長さLが20μm以上のものにしている。
また、前記した空隙4のθの大きさはできるだけ小さいことが好ましい。具体的には、境目となるθの大きさとしては、20°よりも小さいことが好ましく、10°よりも小さいことがより好ましい。
詳細は実施例にて後記するが、例えば本実施形態の超電導線材10に当てはまらない例として、図3に示す超電導線材11(従来の超電導線材)が挙げられる。図3に示す超電導線材11においては、二ホウ化マグネシウムコア1内部に、電流の通流方向に垂直な方向(θが約90°)の空隙4が多数存在している。このような場合には、二ホウ化マグネシウムコア1超電導電流の電流路が塞がれる可能性が高まり、長手方向に均一な臨界電流密度特性を有する良好な超電導線材10が得られない可能性がある。
<物性3>
超電導線材10は、図4に示すように、前記縦断面における長手方向の任意の100μmの領域において、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界曲線5について最小二乗法による仮想的な近似直線6を引いたときに、境界曲線5と近似曲線6との距離x1,x2,x3がいずれも10μm以下になっている。これは、境界曲線5と近似直線6との間の距離のうち、最も長い距離が10μm以下になっているとも言える。なお、図示のような境界面5のうねりは、図5に示すような、硬度の大きい二ホウ化マグネシウム7やホウ素8の存在により生じる。
この距離は、理想的には0μm、即ち、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界が完全な平滑状態になっていることが好ましい。ただし、現実的にはこのような状態は困難であるため、通常は10μm以下であるが、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下とすることが望ましい。
境界曲線5と近似曲線6との距離がこの範囲にあることにより、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界が平滑に近い状態になる。そして、この境界を平滑に近い状態にさせることにより、長手方向に均一な臨界電流密度特性を有する良好な超電導線材10が得られる。
また、前記したように、二ホウ化マグネシウムは、例えばホウ素、炭素、マグネシウム等と比べて硬度が大きい。従って、詳細は後記するが、二ホウ化マグネシウムコア1の原料の一部として二ホウ化マグネシウムを用いる場合、二ホウ化マグネシウム等の原料を金属シース2に充填して延伸すると、二ホウ化マグネシウムと金属シースとが接触する部分で線材が切断されることがある。即ち、二ホウ化マグネシウムは硬度が大きいため、金属シース2に過度に食い込みすぎることがある。その結果、金属シース2の強度が低下し、線材が切断されることになる。そこで、このような現象を回避するには、二ホウ化マグネシウムの粒径を10μm以下とすることが好ましい。このようにすることで、境界曲線5と近似曲線6との距離Lを10μm以下にすることができる。
<その他の物性>
超電導線材10は、前記の3つの物性を満たしていれば、その他の物性は任意である。例えば、超電導線材10を構成する二ホウ化マグネシウムコア1は、前記のように二ホウ化マグネシウムを含む。ただし、含まれる二ホウ化マグネシウムのホウ素原子サイトの一部が炭素原子により置換されていてもよい。超電導線材10がこのような構成となることにより、結晶に格子ひずみを生じさせることができ、超電導線材10の高磁場領域における臨界電流密度を増加させることができる。
なお、このような置換は、二ホウ化マグネシウムの調製時に、マグネシウム及びホウ素に加えて炭化ホウ素等の炭素を含む材料(炭素源)を併用して焼成することで生じさせることができる。また、置換量は、炭素を含む材料の使用量や当該材料の種類を適宜変更することで制御可能である。
また、超電導線材10を構成する金属シース2の材料は特に制限されない。ただし、金属シース2の材料としては、マグネシウム、ホウ素、二ホウ化マグネシウム等と反応しない金属材料を用いることが好ましい。さらに、金属シース2内にこれら以外の材料が用いられる場合には、そのような材料とも反応しない金属材料を用いることが好ましい。また、同様の理由により、これらの材料との反応性が低いか、反応しても臨界電流密度が著しく低下しない材料であっても同様に適用可能である。
このような材料としては、例えば、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)等が挙げられる。中でも、金属シース2を構成する材料としては、これらが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で用いてもよい。また、これらを成分とする合金が用いられてもよい。
また、金属シース2の外表面には、銅(Cu)を含む材料によって被覆されていてもよい。このような材料で金属シース2を被覆することで、超電導線材10の加工性を向上させることができる。さらに、銅は、良好な導電性及び良好な伝熱性を有するため、このような銅を含む材料で金属シース2を被覆することにより、超電導材料に特有の熱的な不安定性を改善することができる。なお、銅を含む材料としては、銅単体又は銅化合物(銅合金等)のいずれであってもよい。また、銅を含む材料としては、銅単体と銅化合物とを組み合わせたものであってもよい。
[2.超電導線材の製造方法]
超電導線材10は、超電導線材10の前駆体20を焼成することにより得られる。以下、焼成体20の物性及び焼成条件を説明しつつ、超電導線材10の製造方法を説明する。
前駆体20としては、以下のいずれかの前駆体21,22が用いられる。
即ち、超電導線材10を構成する二ホウ化マグネシウムコア1が、マグネシウムとホウ素とが金属シース1に充填された後に焼成されてなるものであり、前記ホウ素は結晶性であり、前記ホウ素の体積平均粒子径が2μm以下である前駆体21が挙げられる。
従来は、マグネシウムとホウ素との混合物を金属シースに充填後に焼成する所謂in−Situ法が用いられていた。しかし、この方法によると、金属シース内でのマグネシウムとホウ素との焼成による反応時に収縮する。その結果、金属シース内での充填密度が低下するため(即ち、空隙が多く存在することがあり)、得られる超電導線材の臨界電流密度が低くなることがあった。
さらに、従来は、予めマグネシウムとホウ素との混合物を焼成して二ホウ化マグネシウムを得た後、得られた二ホウ化マグネシウムを金属シースに充填する所謂ex−Situ法も用いられていた。しかし、この方法によると、金属シースに充填して延伸しても、二ホウ化マグネシウム同士の電気的な結合が良好なものにならないことがあった。その結果、超電導線材の臨界電流密度が低くなることがあった。また、二ホウ化マグネシウムの硬度が大きいため、粗大な二ホウ化マグネシウムが金属シース内部に存在すると、このような二ホウ化マグネシウムが金属シースに過度に食い込むことがあった。その結果、延伸時に超電導線材を十分な長さまで延伸させることができず、途中で断線することがあった。
しかしながら、前駆体21においては、体積平均粒子径が2μm以下の結晶性ホウ素を原料の一部として用いている。そのため、in−Situ法によっても、金属シース2内の原料粉末の体積収縮を抑制することができる。これにより、焼成後に生じうる空隙の量を少なくすることができる。そのため、得られる超電導線材10の臨界電流密度が過度に低くなることがない。
前駆体21に含まれるホウ素及びマグネシウムの量に特に制限は無い。ただし、生成する二ホウ化マグネシウムの組成に基づき、ホウ素2モルに対してマグネシウムが1モルとなるように金属シース2に充填することが好ましい。
また、前駆体20としては、超電導線材10を構成する二ホウ化マグネシウムコア1が、マグネシウムとホウ素と二ホウ化マグネシウムとが金属シース2に充填された後に焼成されてなるものであり、金属シース2に充填される二ホウ化マグネシウムの体積平均粒子径が10μm以下である前駆体22も挙げられる。
前駆体22においては、二ホウ化マグネシウムコア1を形成する原料として、マグネシウム及びホウ素に加え、体積平均粒子径が10μm以下の二ホウ化マグネシウムも併せて用いている。二ホウ化マグネシウムは、焼成されてもそれ以上ほとんど収縮しない。そのため、マグネシウムとホウ素とを原料としてin−Situ法を行うことで生じうる空隙の量を減少させることができる。これにより、金属シース2内の空隙を減らし、充填密度を高めることができる。その結果、超電導線材10の良好な臨界電流密度が得られる。
なお、本明細書において、「体積平均粒子径」は、以下の式(1)により定義される値である。即ち、粒度分布測定装置(例えば堀場製作所社製LA950)により測定した粒度分布から、算出することができる。測定原理はレーザー回折・散乱法に基づくものである。体積平均粒子径MVは粒径を体積で重みづけした平均値である。即ち、n個の粒子について各粒子の体積をV(i=1、2、3、・・・、n)とし、各粒子の直径をdとすると、体積平均粒子径MVは下記式(1)により算出される。
MV=(d・V+d・V+…+d・V)/(V+V+…+V) …(1)
体積平均粒子径が10μm以下の二ホウ化マグネシウムは、二ホウ化マグネシウムの固形物を粉砕した後、篩等を用いて分級することにより得られる(調製される)。そして、このようにして調製された二ホウ化マグネシウムと、ホウ素とマグネシウムとを混合して混合物を得、当該混合物を金属シース2に充填すればよい。
前駆体22に含まれるホウ素及びマグネシウムの量に特に制限は無い。ただし、生成する二ホウ化マグネシウムの組成に基づき、ホウ素2モルに対してマグネシウムが1モルとなるように、金属シース2に充填することが好ましい。また、前駆体22に含まれる二ホウ化マグネシウムの量も特に制限されない。ただし、前駆体22を構成する金属シース2に充填される原料粉末において、二ホウ化マグネシウムの含有量は50質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。このような組成とすることで、より高い臨界電流密度を有する超電導線材10を得ることができる。なお、原料として用いられる二ホウ化マグネシウムは、例えば、マグネシウムとホウ素とを混合して不活性雰囲気下で焼成することにより得られる。
また、前駆体22を構成する金属シース2に充填される二ホウ化マグネシウムは、含まれる二ホウ化マグネシウムのホウ素原子サイトの一部が炭素原子により置換されていてもよい。このような材料を用いることにより、得られる超電導線材の高磁場領域における臨界電流密度を増加させることができる。このような一部が置換された二ホウ化マグネシウムは、前記の[1.超電導線材]において説明した方法及び材料によって調製可能である。また、臨界電流密度が増加する理由も、前記した[1.超電導線材]に記載の理由と同様である。
前駆体21,22の主な構成は前記の通りであるが、いずれの前駆体21,22においても、充填される原料としてその他の任意の成分が任意の量で用いられてもよい。このような成分としては、例えば、炭化ホウ素等の炭素を含む材料(炭素源)が挙げられる。
また、前駆体21,22における金属シース2の構成については特に制限されない。従って、[1.超電導線材]で説明した金属シース2と同様の構成を適用すればよい。即ち、金属シース2が、鉄、ニオブ、タンタル及びチタンからなる群より選ばれる1種以上の金属を含むことが好ましい。また、金属シース2の外表面が、銅を含む材料によって被覆されていることが好ましい。
以上のような構成を備える前駆体21,22を焼成することで、超電導線材10が得られる。なお、超電導線材10は、前駆体21,22の両方の物性を備える前駆体を焼成しても得られる。焼成に先だって、得られる超電導線材10が所望の太さ及び長さを有するように、前駆体21,22は、その焼成前に減面加工により線材化される。そして、線材化された前駆体21,22に対し、焼成が施されることになる。
焼成時の条件は特に制限されない。例えば、前駆体21,22を得た後、得られた前駆体21,22を電気炉内に配設し、所定の温度及び時間で焼成を行えばよい。このような温度及び時間としては、例えば800℃で12時間等とすることができる。温度は段階的に変化させてもよく、常時一定となるようにしてもよい。さらに、焼成時の雰囲気も特に制限されない。例えば、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気とすることができる。
以上説明した方法により、超電導線材10を得ることができる。特に、前駆体22の製造方法をまとめると、以下のようになる。即ち、前駆体22は、マグネシウムとホウ素とを混合して焼成することにより二ホウ化マグネシウムを得る工程と、得られた二ホウ化マグネシウムの体積平均粒子径が10μm以下になるように調製する工程と、体積平均粒子径が10μm以下の二ホウ化マグネシウムと、ホウ素と、マグネシウムとを混合して混合物を得る工程と、当該混合物を金属シース2に充填した後、減面加工によって線材化する工程と、を少なくとも経ることにより得られる。
[3.超電導線材の用途]
前駆体21,22を焼成して得られる超電導線材10は、例えば20K程度の高温領域でも、高い臨界電流密度を有する。そのため、このような超電導線材10を用いることにより、核磁気共鳴分析装置、医療用磁気共鳴イメージング診断装置等に適用される超電導磁石をより容易かつ安価に駆動させることができる。即ち、超電導磁石冷却のために高価な液体ヘリウムを用いて極低温まで冷却する必要がなく、冷凍機等によって冷却することができる。その結果、これらの製造コストやランニングコストを削減することができる。
また、前記した実施形態は、1本の超電導線材を用いる例(単芯線材)を挙げて説明している。ただし、例えば単芯線材の加工をより太い線材径でいったんやめて、そのような複数の単芯線材を金属シースに束ねて挿入後、減面加工することにより、超電導多芯導体とすることができる。さらに、例えば、単芯線材を所定の線材径とし、それらを撚り合わせることによっても超電導多芯導体とすることができる。
即ち、前記の前駆体21,22の製造方法によって超電導線材の前駆体21,22を得、複数の超電導線材の前駆体21,22を撚り合わせることにより、超電導多芯導体の前駆体を得ることができる。そして、このようにして得られた超電導多芯導体の前駆体を焼成することにより、超電導多芯導体を得ることができる。このような超電導多芯導体は、超電導単芯導体(前記した超電導線材10)と比較して、より高い電流容量を有することができる。
以下、実施例を挙げて、本実施形態をより具体的に説明する。
<実施例1>
原料粉末としてマグネシウム粉末、ホウ素粉末及び二ホウ化マグネシウム粉末を用いて超電導線材を作製した。そして、作製した超電導線材の特性を評価した。
マグネシウム粉末(Mg)としては、体積平均粒子径が40μmのものを用いた。なお、この体積平均粒子径は、前記した方法によって測定した。以下の材料においても同様である。ホウ素粉末(B)及び二ホウ化マグネシウム粉末(MgB)は、作製する超電導線材毎に異なり、以下の表1記載の体積平均粒子径のものを用いた。
なお、この二ホウ化マグネシウム粉末は、体積平均粒子径40μmのマグネシウム粉末と体積平均粒子径2μmのホウ素粉末とを混合した後、材質SUS304の金属管に充填して両端部を封止し、アルゴン雰囲気下で焼成することにより得た。また、ホウ素粉末及び二ホウ化マグネシウム粉末の微細な粉末は、遊星ボールミル装置による乾式粉砕、ビーズミル装置による湿式粉砕を組み合わせることで得た。
前記のマグネシウム粉末及びホウ素粉末を混合し、組成物を得た。マグネシウム粉末とホウ素粉末とは、モル比で1:2となるように混合した。そして、この組成物に対し、表1に示す配合比となるように、前記の方法により得られた二ホウ化マグネシウム粉末を適宜配合した。ただし、線材番号11の超電導線材については、この組成物を用いず、前記の方法により得られた二ホウ化マグネシウム粉末のみの組成物とした。なお、表1中、「wt%」は「質量%」を示す。
Figure 2013229237
前記組成物は、鉄製の金属シースに充填した。この金属シースの外径は18mm、内径は13.5mmである。そして、引抜加工によって直径φ0.5mmまで細線化し、単芯線材が得られた。この細線化の際、#2(線材番号2、以下他の線材についても同様)及び#5は引抜加工の際に断線が繰り返し発生したため、細線化が容易ではなかった。結局、直径φ0.5mmまで細線化したものの、他の線材と比較して線材長は短くなってしまった。他の線材試料に関しては、断線がほとんど発生することなく細線化できた。
得られた単芯線材から60mmの長さを切り取り、アルゴン雰囲気下、800℃12時間焼成することにより、中心部のフィラメント状の粉末充填部を二ホウ化マグネシウム化した。即ち、焼成により、図1に示す二ホウ化マグネシウムコア1を含む超電導線材10が得られた。
得られた超電導線材10について、磁化法によって温度20Kにおける外部磁場(B(T))と臨界電流密度(J(A/mm))との関係(J−B特性)を評価した。具体的には、J−B特性は、超電導線材の長手方向に垂直方向に磁場を印加して磁化曲線を取得し、得られた磁気ヒステリシスループに対して拡張Beanモデルを適用することによって算出した。なお、超電導線材10の磁化は、日本カンタム・デザイン社製の磁気特性測定装置MPMSにより行った。
図6は、#1〜#4の20KにおけるJ−B特性である。#1は、一般的に高いJが得られるとされる純度99.99%、体積平均粒子径0.05μmのアモルファスホウ素粉末を用いた線材である。#2は、入手容易な市販の体積平均粒径45μmの結晶性ホウ素粉末を用いた線材であり、全磁場領域に渡って#1と比較してJが大きく劣るのがわかる。
#3及び#4は、#2に用いた結晶性ホウ素粉末を粉砕して微細化した原料を用いたものである。そして、#3及び#4においては、特に低磁場領域(0T〜約2T)において、#1と比較して高い臨界電流密度が得られることがわかった。これは、#3及び#4では、原料として結晶性の高いホウ素を用いていることに起因するものと考えられる。
即ち、結晶性の良いホウ素を用いた場合、アモルファスホウ素粉末を用いたときと比較して、後記するように、空隙の量が少ない二ホウ化マグネシウムを得られることができる。空隙の量が少ないと、超電導電流の電流路が増加するため、低磁場領域の臨界電流密度は向上する。一方、二ホウ化マグネシウムの結晶性が良いものになると、高磁場領域での臨界電流密度が低下する。#3及び#4では二ホウ化マグネシウムの結晶性が良いため、高磁場領域における臨界電流密度の低下の割合が#1よりも大きくなったと考えられる。換言すれば、#3及び#4では結晶性の良いホウ素を用いることにより高磁場領域での臨界電流密度は低下したが、低磁場領域での臨界電流密度は良好になったと言える。なお、高磁場領域での臨界電流密度は、後記する<実施例2>の方法によって改善させることができる。
これらのことから、高価で入手困難な高純度のアモルファスホウ素粉末を使用しなくても、結晶性ホウ素粉末を粉砕して微細化して用いれば、十分高い臨界電流密度を有する超電導線材を得られることがわかった。また、低磁場領域においては、むしろアモルファスホウ素粉末を用いるよりも高い臨界電流密度を得られることもわかった。
図7は、#5〜#7の20KにおけるJ−B特性である。なお、比較例としての#1のデータも併記した。#5は、#1と比較して全磁場領域において臨界電流密度が劣っていた。これは、二ホウ化マグネシウムの体積平均粒子径が大きすぎたためと考えられる。しかし、#6及び#7においては、特に低磁場領域(0T〜約3T)において、#1と比較して高い臨界電流密度が得られることがわかった。この理由も、前記した#3及び#4についての理由と同様であると考えられる。
これらのことから、高価で入手困難な高純度のアモルファスホウ素粉末を使用しなくても、マグネシウム粉末、ホウ素粉末に加えて体積平均粒子径が10μm以下の二ホウ化マグネシウム粉末を加えることで、十分高い臨界電流密度を有する超電導線材を得られることがわかった。
図8は、#1、#3、#6及び#8〜#11の20K、0Tにおける二ホウ化マグネシウムの配合比と臨界電流密度との関係である。二ホウ化マグネシウムを混合した#6及び#8〜#11は、二ホウ化マグネシウムを混合しない#1及び#3と比較して、臨界電流密度が増加していた。この結果から、マグネシウム及びホウ素の混合粉末に二ホウ化マグネシウム粉末を加えることによって、臨界電流密度が向上することがわかった。
特に、二ホウ化マグネシウムの配合比が50質量%〜90質量%において、#6、#9及び#10に示すように、その向上効果が高いことがわかった。また、図8での評価で用いた超電導線材に関して、それぞれの超電導線材について10本ずつ臨界電流密度を測定した。その結果、#11では臨界電流密度に±40%のバラツキがあったのに対し、それ以外での線材ではバラツキは±5%以下であった。
以上の結果から、体積平均粒子径2μm以下の結晶性ホウ素粉末を原料としたり、体積平均粒子径10μm以下の二ホウ化マグネシウム粉末を配合したりすることで、得られる超電導線材の臨界電流密度を向上させることができることがわかった。
次に、高性能な二ホウ化マグネシウム超電導線材を得るための普遍的な特徴を得ることを目的に、前記線材を詳細に分析した。
#1、#3、#5、#6及び#8〜#11において、鉄シースを極めて丁寧に剥がすことで、内部の円柱状の二ホウ化マグネシウムコアを取り出した。取り出した二ホウ化マグネシウムコアの質量と寸法とを測定した。そして、二ホウ化マグネシウムのコア密度ρを、二ホウ化マグネシウムコアの質量を体積で除した値として定義した。
図9に、二ホウ化マグネシウム配合比とコア密度ρとの関係を示す。アモルファス性のホウ素粉末を用いた#1は、結晶性ホウ素粉末を用いた他の線材と比較して、コア密度ρが低いことがわかる。これは、アモルファス性のホウ素の密度は1.7g/cmであり、結晶性のホウ素の密度は2.37g/cmと比較して、アモルファス性のホウ素の密度の方が低いことに起因すると考えられる。
また、二ホウ化マグネシウム粉末を配合した#6及び#8〜#11においては、更なるコア密度ρの向上が認められた。マグネシウムの密度は1.74g/cm、結晶性ホウ素の密度は2.37g/cmであるのに対し、二ホウ化マグネシウムの密度は2.62g/cmと大きい。そのため、焼成時に体積収縮が起こり、二ホウ化マグネシウムコアに空隙が生じることになる。しかしながら、これらの線材においては、あらかじめ二ホウ化マグネシウムが配合されていたため、この体積収縮量が低減された効果であると考えられる。
ただし、二ホウ化マグネシウム粉末の粒径が大きい#5については、コア密度ρは、二ホウ化マグネシウム粉末を配合しない#3よりも劣っていた。これは、粗大な二ホウ化マグネシウムが粉末の充填密度を低下させる要因となったと考えられる。
このように、体積平均粒子径2μm以下の結晶性ホウ素粉末を原料としたり、体積平均粒子径10μm以下の二ホウ化マグネシウム粉末を配合したりすることが、超電導線材の臨界電流密度の改善につながった理由は、以下のように考えられる。即ち、コア密度ρが高められたことにより電流経路が増加し、その結果、臨界電流密度が向上したためであると考えられる。
原料粉末としてアモルファス性のホウ素粉末を用い、二ホウ化マグネシウム粉末を用いない場合、超電導線材の前駆体における金属シース内への充填率は最大でも90%程度である。そして、マグネシウムの密度は1.74g/cmであり、アモルファス性のホウ素の密度は1.7g/cmである。即ち、金属シース内にマグネシウム及びアモルファス性のホウ素を充填する場合、充填率(90%程度)及び焼成に伴う体積収縮により34%程度の空隙が生じることを考慮すると、焼成後に得られる二ホウ化マグネシウムコアの密度は最大でも1.5g/cm程度である。結晶性のホウ素の密度はアモルファス性のホウ素の密度よりも大きい。従って、結晶性のホウ素粉末を原料として得られる超電導線材の二ホウ化マグネシウムコアの密度は1.5g/cm以上となる。即ち、結晶性ホウ素粉末を用いることにより、アモルファス性ホウ素粉末を用いた場合と比較して、二ホウ化マグネシウムコアの密度を高めることができる。
また、#11は比較的高いコア密度ρにも関わらず、臨界電流密度が低く、そのバラツキも大きかった。この理由を明らかにするため、#4及び#11の縦断面を走査式電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果を模式的に示した様子が、前記した図2(a)及び図3である。即ち、図2(a)は#4の縦断面を模式的に示すもの、図3は#11(比較例)の縦断面を模式的に示すものである。
なお、SEMによって縦断面を観察するにあたっては、線材を樹脂に埋め込んだ後、乾式研磨によって線材の通流方向に切断して縦断面を得、得られた縦断面をイオンミリングによって更に平滑化した状態で観察した。
図2及び図3に示すように、いずれの線材においても空隙4が存在した。しかし、#4は、空隙4の大多数が線材長手方向に伸びていたのに対して、#11では空隙4の形状も向きもランダムであった。また、空隙4の大きさに関し、#4の20μm以上の大きさの空隙4において、80%以上の空隙4のθは20°より小さかった。一方で、#11では、θが45°以上の空隙の個数とθが45°より小さい空隙の個数とはほぼ同じ、或いは、θが45°以上の空隙の個数の方がやや多かった。
θが45°より大きく、二ホウ化マグネシウムコア1の直径と比較して無視できない大きさの空隙4は、電流経路を局所的に狭めることになる。そのため、臨界電流密度の低下に加えて、臨界電流密度のバラツキの要因となると考えられる。従って、#11の臨界電流密度が低かった理由は、θが45°以上の空隙4が多数存在することに起因すると考えられる。
また、断線が発生した#2及び#5以外では、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界面5は直線的であった。即ち、前記した図4において、x1、x2及びx3のいずれも10μm以下であった。換言すれば、近似直線6と境界曲線5との距離が10μm以下であった。一方、断線が発生した#2及び#5は、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界面5は、極めてうねりの大きなものであった。換言すれば、近似直線6と境界曲線5との距離が10μmを超えていた。
#2及び#5の断線は、このような大きなうねりに起因するものであると考えられる。即ち、金属シース2に局所的に厚みの薄い(強度の弱い)部分が発生し、その部分が起点となって断線が発生したものと考えられる。そこで、線材長の長い超電導線材を得るためには、二ホウ化マグネシウムコア1と金属シース2との境界面5が直線的になるようにすることが重要である。ここでいう「直線的」とは、近似直線6と境界曲線5との距離が10μm以下にあることである。
さらに、断線した#2及び#5においては、前記した図5に示す二ホウ化マグネシウム7及びホウ素8の大きさが非常に粗大化したものであった。このように、二ホウ化マグネシウム7及びホウ素8の大きさが大き過ぎると、減面加工時、金属シース2の内壁に過度に食い込む現象が生じる。その結果、前記のように局所的に厚みの薄い部分が発生し、断線が発生することになる。これらのことから、線材長の長い超電導線材を得るためには、二ホウ化マグネシウム粉末とホウ素粉末の体積平均粒子径を小さくすることが重要である。
なお、図5に示すマグネシウム9は、線材長手方向に引き延ばされた形態で観察された。このことから、マグネシウム9は、二ホウ化マグネシウム7及びホウ素8と比較して減面加工時に容易に塑性変形することがわかる。従って、マグネシウム9は粗大化されていたとしても長尺化を妨げる原因にはならないものと考えられる。
<実施例2>
原料粉末としては、マグネシウム粉末、ホウ素粉末、二ホウ化マグネシウム粉末、炭化ホウ素(BC)粉末を準備した。マグネシウム粉末、ホウ素粉末、二ホウ化マグネシウム粉末、炭化ホウ素粉末の体積平均粒子径はそれぞれ、40μm、2μm、10μm、0.05μmとした。なお、二ホウ化マグネシウム粉末は、体積平均粒径40μmのマグネシウム粉末と体積平均粒径2μmのホウ素粉末と体積平均粒子径0.05μmの炭化ホウ素粉末とをモル比で1:1.9:0.02の割合で混合した後、前記した実施例1と同様の方法で作製した。
そして、マグネシウム粉末、ホウ素粉末、炭化ホウ素粉末、得られた二ホウ化マグネシウム粉末を混合した。混合粉末中、これらの組成は、モル比として1:1.9:0.02:1とした。この混合粉末を用いて、前記した実施例1と同様の方法で超電導線材#6Cを得た。なお、#6Cは、前記の#6に炭化ホウ素を添加したものとなる。得られた#6Cについて、実施例1と同様の方法により、J−B特性を評価した。
その結果を図10に示す。なお、図10には、#1及び#6の結果も併せて示している。図10の#6Cに示されるように、炭化ホウ素の添加によって、特に高磁場領域(約1.5T〜5T程度)の臨界電流密度が増加していた。そして、測定した全磁場領域において、高純度のアモルファスホウ素粉末を用いた#1よりも高い臨界電流密度を示した。
この結果は、二ホウ化マグネシウムのホウ素原子サイトの一部が炭素原子で置換されることで、格子ひずみが生じるためであると考えられる。そして、このような格子ひずみが生じることで、コヒーレンス長が低下し、粒界におけるピニング力が強化されたためであると考えられる。このように、原料粉末に対し炭化ホウ素等の炭素を含む材料を添加することで、高磁場領域の臨界電流密度を改善することができることがわかった。即ち、より広い範囲の磁場領域で高い臨界電流密度を有する超電導線材が得られることがわかった。
1 二ホウ化マグネシウムコア
2 金属シース
4 空隙
5 境界面(境界曲線)
6 近似直線
7 二ホウ化マグネシウム
8 ホウ素
9 マグネシウム
10 超電導線材

Claims (13)

  1. 二ホウ化マグネシウムが電気的に連続してなる二ホウ化マグネシウムコアと、前記二ホウ化マグネシウムコアを被覆する金属シースとを有する超電導線材であって、
    前記二ホウ化マグネシウムコアの密度が1.5g/cm以上であり、
    前記超電導線材の長手方向の任意の縦断面に存在する空隙において、当該空隙を形成する閉曲線における最も遠い二点同士を結ぶ線分の長さをLとした場合に、長さLが20μm以上の空隙のうち、前記線分と前記超電導線材の長手方向の軸との為す角が45°以上の空隙の数が、前記線分と前記超電導線材の長手方向の軸との為す角が45°よりも小さい空隙の数よりも少なく、
    前記縦断面における長手方向の任意の100μmの領域において、前記二ホウ化マグネシウムコアと前記金属シースとの境界曲線について最小二乗法による仮想的な近似直線を引いたときに、当該近似直線と前記境界曲線との距離が10μm以下である
    ことを特徴とする、超電導線材。
  2. 請求項1に記載の超電導線材において、
    二ホウ化マグネシウムのホウ素原子サイトの一部が炭素原子により置換されている
    ことを特徴とする、超電導線材。
  3. 請求項1又は2に記載の超電導線材において、
    前記金属シースが、鉄、ニオブ、タンタル及びチタンからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む
    ことを特徴とする、超電導線材。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の超電導線材において、
    前記金属シースの外表面が、銅を含む材料によって被覆されている
    ことを特徴とする、超電導線材。
  5. 二ホウ化マグネシウムが電気的に連続してなる二ホウ化マグネシウムコアと、前記二ホウ化マグネシウムコアを被覆する金属シースとを有する二ホウ化マグネシウム超電導線材の前駆体であって、
    前記二ホウ化マグネシウムコアは、マグネシウムとホウ素とが前記金属シースに充填された後に焼成されてなり
    前記ホウ素は結晶性であり、
    前記ホウ素の体積平均粒子径が2μm以下である
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  6. 二ホウ化マグネシウムが電気的に連続してなる二ホウ化マグネシウムコアと、前記二ホウ化マグネシウムコアを被覆する金属シースとを有する二ホウ化マグネシウム超電導線材の前駆体であって、
    前記二ホウ化マグネシウムコアは、マグネシウムとホウ素と二ホウ化マグネシウムとが前記金属シースに充填された後に焼成されてなり
    前記金属シースに充填される二ホウ化マグネシウムの体積平均粒子径が10μm以下である
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  7. 請求項6に記載の超電導線材の前駆体において、
    前記金属シースに充填される原料中、二ホウ化マグネシウムの含有量は、50質量%以上90質量%以下である
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  8. 請求項6又は7に記載の超電導線材の前駆体において、
    前記金属シースに充填される二ホウ化マグネシウムのホウ素原子サイトの一部が、炭素原子により置換されている
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  9. 請求項6〜8の何れか1項に記載の超電導線材の前駆体において、
    前記金属シースに、炭素を含む材料が充填される
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  10. 請求項6〜9の何れか1項に記載の超電導線材の前駆体において、
    前記金属シースが、鉄、ニオブ、タンタル及びチタンからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  11. 請求項6〜10の何れか1項に記載の超電導線材の前駆体において、
    前記金属シースの外表面が、銅を含む材料によって被覆されている
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体。
  12. 二ホウ化マグネシウムが電気的に連続してなる二ホウ化マグネシウムコアと、前記二ホウ化マグネシウムコアを被覆する金属シースとを有する二ホウ化マグネシウム超電導線材の前駆体を製造する方法であって、
    マグネシウムとホウ素とを混合して焼成することにより二ホウ化マグネシウムを得る工程と、
    得られた二ホウ化マグネシウムの体積平均粒子径が10μm以下になるように調製する工程と、
    体積平均粒子径が10μm以下の二ホウ化マグネシウムと、ホウ素と、マグネシウムとを混合して混合物を得る工程と、
    該混合物を前記金属シースに充填した後、減面加工によって線材化する工程と、
    を有する
    ことを特徴とする、超電導線材の前駆体の製造方法。
  13. 請求項12に記載の超電導線材の前駆体の製造方法によって超電導線材の前駆体を得、得られた超電導線材の前駆体の複数を撚り合わせてなる
    ことを特徴とする、超電導多芯導体の前駆体。
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