JP5889116B2 - MgB2超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

MgB2超電導線材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二ホウ化マグネシウム(以下、MgB2と略す)超電導線材に関し、特に超電導特性の向上と実用領域の長尺化とを両立したMgB2超電導線材およびその製造方法に関するものである。
MgB2超電導体は、金属系超電導体として最も高い臨界温度(39 K)を有し、液体ヘリウムフリー(例えば10〜20 K)で運転する超電導電磁石を実現する超電導材料として期待されている。MgB2超電導体を超電導マグネットシステム(例えば、NMRやMRI等)の超電導電磁石に適用すれば、温度マージン(臨界温度と使用温度の差)を従来よりも大きくできるので、クエンチが生じにくく、熱的安定性の高い超電導マグネットシステムを提供することができる。
MgB2超電導線材は、Mg(マグネシウム)粉末とB(ホウ素)粉末との混合粉末またはMgB2粉末、更にはそれらに第三元素を添加した混合粉末を金属管に充填し、伸線加工する方法(いわゆるパウダーインチューブ法)で一般的に作製される。パウダーインチューブ法では、Mg粉末とB粉末とを反応させてMgB2相を生成・焼結するために、伸線加工の後に通常600℃以上の温度領域での熱処理が行われる。
MgB2超電導線材は未だ開発途上であることから、超電導特性を向上させることを目的として様々な研究開発が行われている。また、超電導電磁石を構成する超電導線材としては、該超電導電磁石自身が発生する高磁界中でも高い電流密度を維持し、かつ均質な長尺線材(例えば1 km以上の長さ)が必要とされている。
MgB2超電導線材の超電導特性を向上させるためには、Mgの酸化を防止してMgB2相生成率を向上させたり、MgB2相結晶粒の粗大化を抑制して(すなわち結晶粒界を増加させて)磁束ピニングセンタの密度を向上させたりすることが有効である。そして、それら(Mgの酸化防止や結晶粒の粗大化抑制)を実現するには、MgB2相の生成熱処理を低温化することが有効である。
例えば、特許文献1(特開2008-120659号公報)には、マグネシウムとホウ素の混合粉末を焼成する二ホウ化マグネシウム超伝導体の製造方法であって、マグネシウムに対して0.9〜25 mol%の銀を添加して混合粉末とし、焼成温度を600℃未満としたことを特徴とする二ホウ化マグネシウム超伝導体の製造方法が開示されている。特許文献1によると、600℃未満の焼成温度での焼成でも、600℃以上の焼成温度で得られたものと同様かそれ以上の超伝導特性を有する二ホウ化マグネシウム超伝導体を提供できるとされている。
また、特許文献2(特開2012-014912号公報)には、金属パイプに原料粉末を充填した後に伸線加工する二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法であって、脂肪酸金属塩または前記脂肪酸金属塩と脂肪酸との混合物を該原料粉末に添加することを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法が開示されている。特許文献2によると、超電導特性の高性能化と線材長尺化とを兼ね合わせたMgB2超電導線材の製造方法およびそれによるMgB2超電導線材を提供することができると報告されている。
特開2008−120659号公報 特開2012−014912号公報
上述した特許文献1および特許文献2はそれぞれ有用な先行技術と思われたことから、本発明者等は、特許文献1および特許文献2の記載に基づいて超電導コイル用線材として種々のMgB2超電導線材を作製し、それらの超電導特性を評価した。しかしながら、得られたMgB2超電導線材の超電導特性は特許文献2のそれとほぼ同等であり、特許文献1の技術との組み合わせから期待されるような超電導特性の向上は得られなかった。
また、超電導コイルを磁場発生源とする超電導電磁石において、超電導コイルを構成する線材の超電導特性(例えば、臨界電流密度−磁場特性)は、当該超電導電磁石の性能(例えば、最大発生磁場)やコイルの小型化を左右する重要な因子である。すなわち、従来以上に高い超電導特性を有し、かつ線材長尺化が可能なMgB2超電導線材が求められている。
従って、本発明の目的は、パウダーインチューブ法によるMgB2超電導線材において、超電導特性の更なる高性能化と線材長尺化とが共に具現化されたMgB2超電導線材およびその製造方法を提供することにある。
(I)本発明の一態様は、上記目的を達成するため、二ホウ化マグネシウム(MgB2)コアと該MgB2コアを被覆する金属シースとからなるMgB2超電導線材であって、
前記MgB2コアは、MgB2多結晶体であり、
前記MgB2多結晶体の中に、Mgよりもイオン化傾向が大きいアルカリ金属の酸化物粒子とマグネシウム−銀合金(Mg-Ag合金)粒子とが分散しており、
前記Mg-Ag合金粒子の平均粒径が1μm以下であり、
前記アルカリ金属の酸化物粒子の平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とするMgB2超電導線材を提供する。
(II)本発明の他の一態様は、上記目的を達成するため、MgB2コアと該MgB2コアを被覆する金属シースとからなるMgB2超電導線材の製造方法であって、
前記MgB2コアとなる充填粉末を用意する工程と、
前記金属シースとなる金属管に前記充填粉末を充填して粉末充填ビレットを作製する工程と、
前記粉末充填ビレットに伸線加工を施して前駆体線材を作製する工程と、
前記前駆体線材に熱処理を施して前記MgB2コアを形成する工程とを有し、
前記充填粉末を用意する工程は、Mgよりもイオン化傾向が大きいアルカリ金属の脂肪酸塩と酸化銀(Ag2O)粉末とを混合して添加剤を用意する工程と、前記添加剤とMg粉末とB粉末とを混合する工程とを有し、
前記熱処理は、非酸化性雰囲気中かつ500℃以上550℃以下の温度領域で行われ、
前記MgB2コアは、MgB2多結晶体であり、
前記MgB2多結晶体の中に、前記脂肪酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の酸化物粒子とMg-Ag合金粒子とが分散しており、
前記Mg-Ag合金粒子の平均粒径が1μm以下であり、
前記アルカリ金属の酸化物粒子の平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とするMgB2超電導線材の製造方法を提供する。
本発明によれば、パウダーインチューブ法によるMgB2超電導線材において、超電導特性の更なる高性能化と線材長尺化とが共に具現化されたMgB2超電導線材およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係るMgB2超電導線材の構造例を示す断面模式図である。 本発明に係るMgB2超電導線材の他の構造例を示す断面模式図である。 本発明に係るMgB2超電導線材のMgB2コアの微細構造を示す断面模式図である。 本発明に係るMgB2超電導線材の製造方法の工程例を示すフロー図である。 脂肪酸アルカリ金属塩で被覆されたAgO粒子の断面模式図である。 脂肪酸アルカリ金属塩の添加の有無における、MgB2超電導線材の臨界電流密度とMg添加量に対するAgO添加量のモル比との関係を示すグラフである。 MgB2超電導線材の臨界電流密度とMg添加量に対するステアリン酸リチウム添加量のモル比との関係を示すグラフである。 MgB2超電導線材の臨界電流密度とMg添加量に対するAgO添加量のモル比との関係を示すグラフである。 MgB2超電導線材の臨界電流密度と印加磁場との関係を示すグラフである。
本発明は、前述した本発明に係るMgB2超電導線材(I)およびMgB2超電導線材の製造方法(II)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記アルカリ金属の酸化物粒子は、前記MgB2多結晶体の各結晶粒子の粒界領域に主に存在し、前記Mg-Ag合金粒子は、前記各結晶粒子の内部に主に存在する。なお、「粒界領域に主に存在する」とは結晶粒子の内部よりも粒界領域に多く存在することを意味するものであり、「結晶粒子の内部に主に存在する」とは粒界領域よりも結晶粒子の内部に多く存在することを意味するものである。
(ii)前記アルカリ金属の含有量および前記脂肪酸アルカリ金属塩の添加量は、それぞれ前記MgB2多結晶体中のMg含有量および前記Mgの添加量に対してモル比で0.5%以上20%以下であり、前記Agの含有量および前記Ag2Oの添加量は、それぞれ前記Mg含有量および前記Mg添加量に対してモル比で0.8%以上40%以下である。
(iii)前記アルカリ金属は、リチウム(Li)およびカリウム(K)から選ばれる少なくとも一種である。
(iv)前記金属シースおよび前記金属管は、鉄、銅、ニオブ、タンタル、ニッケルもしくはこれらの合金、またはこれらを複合させた構造である。
(v)前記脂肪酸アルカリ金属塩を構成する脂肪酸は、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルチミン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、イコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、およびメリシン酸から選ばれる1種である。
また、本発明は、他の一態様として、上記の本発明に係るMgB2超電導線材を用いたことを特徴とする超電導コイルを提供する。
さらに本発明は、他の一態様として、上記の本発明に係る超電導コイルを用いたことを特徴とする超電導マグネットシステムを提供する。
前述したように、本発明者等は、特許文献1および特許文献2の技術を組み合わせて、MgB2超電導線材の超電導特性向上を試みたが、単純な組み合わせからは期待されるような超電導特性の向上が得られなかった。そこで、超電導特性が向上しなかった要因を詳細に調査した結果、特許文献1に基づいて添加したAg粒子同士が伸線加工中に合体してしまうために、望ましい微細分散が実現できていないことが判明した。本発明者等は、超電導特性の向上に適した微細構造を実現するために鋭意検討を重ね、ついに好適な製造方法を見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。また、同義の部材・部位については、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
(MgB2超電導線材)
図1Aは、本発明に係るMgB2超電導線材の構造例を示す断面模式図である。図1Aに示したように、MgB2超電導線材1は、MgB2コア10と金属シース20とからなる構造を有している。図1Aにおいては、金属シース20として、安定化層23となる銅(Cu)層およびバリア層22となる鉄(Fe)層からなる複合構造(以下、Cu/Fe構造と称する)の場合を示した。なお、安定化層23としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、またはその合金を利用することができる。また、バリア層22としては、ニオブ(Nb)、鉄(Fe)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、またはその合金を利用することができる。
図1Bは、本発明に係るMgB2超電導線材の他の構造例を示す断面模式図である。図1Bに示したように、MgB2超電導線材2は、複数のMgB2コア10と金属シース21とからなる構造を有している。図1Bにおいては、金属シース21として、安定化層24となるCu層およびバリア層22となるFe層からなる場合を示した。
図2は本発明に係るMgB2超電導線材のMgB2コアの微細構造を示す断面模式図である。図2に示したように、本発明に係るMgB2超電導線材1,2のMgB2コア10は、MgB2結晶粒子11の多結晶体であり、Mg-Ag合金粒子12とアルカリ金属の酸化物粒子13とが、MgB2多結晶体内に分散している。Mg-Ag合金粒子12は、平均粒径が0.05μm以上1μm以下であり、MgB2結晶粒子11の粒界領域よりも粒子内部に多く存在している。アルカリ金属の酸化物粒子13は、平均粒径が0.01μm以上0.1μm以下であり、MgB2結晶粒子11の粒子内部よりも粒界領域に多く存在している。
Mg-Ag合金粒子12の平均粒径が1μm超になると、超電導特性の向上効果がほとんど得られない。また、アルカリ金属の酸化物粒子13の平均粒径が0.1μm超になると、超電導特性の向上効果がほとんど得られない。一方、平均粒径が0.05μm未満のMg-Ag合金粒子や平均粒径が0.01μm未満のアルカリ金属酸化物粒子を、後述する本発明に係る製造方法の範疇で制御しながら形成・分散することは困難である。
MgB2コア10中のAg含有量は、Mg含有量に対してモル比で0.8%以上40%以下が好ましい。Ag含有量が当該範囲を外れると、超電導特性の向上効果が要求されるレベルに十分届かない。また、MgB2コア10中のアルカリ金属含有量は、Mg含有量に対してモル比で0.5%以上20%以下が好ましい。アルカリ金属含有量が当該範囲を外れると、超電導特性の向上効果が要求されるレベルに十分届かない。Ag含有量およびアルカリ金属含有量の規定については、追って詳述する。
(MgB2超電導線材の製造方法)
図3は、本発明に係るMgB2超電導線材の製造方法の工程例を示すフロー図である。以下、図3に沿ってMgB2超電導線材(図1Aの態様)を例にして、本発明に係る製造方法について説明する。
図3に示したように、出発原料としてMg粉末、B粉末、AgO粉末および脂肪酸アルカリ金属塩の粉末を用意する。本発明では、Ag供給源としてAgO粉末を用いる。これにより、伸線加工工程中におけるAg成分粒子同士の合体を抑制することができる。まず、AgO粉末と脂肪酸アルカリ金属塩の粉末とを混合装置を用いてよく混合し、脂肪酸アルカリ金属塩で被覆されたAgO粒子からなる添加剤を用意する。図4は、脂肪酸アルカリ金属塩で被覆されたAgO粒子の断面模式図である。AgO粒子31を脂肪酸アルカリ金属塩32で被覆することによって、AgO粒子31同士の凝集が更に抑制され、後述する工程(混合工程、伸線加工工程、熱処理工程)において、充填粉末内およびMgB2コア内におけるAg成分の分散状態が良好となる。なお、混合装置としては、遊星ボールミル装置、ボールミル装置、Vミキサー、浮鉢混合などを利用可能である。
脂肪酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、Mgよりもイオン化傾向の大きい元素が好ましい。金属のイオン化傾向は、酸化のされやすさ(還元力の大きさ)を示すものであり、イオン化傾向の大きい金属ほど還元力が強い。AgOは230℃程度でAgとO2とに熱分解するが、Mgよりもイオン化傾向の大きいアルカリ金属を用いることによって、該アルカリ金属の方が優先的に酸化されるので、Mgの酸化を防ぐことができる。すなわち、このようなアルカリ金属は、AgO分解時の酸素ゲッター剤(還元剤)として機能する。アルカリ金属としては、具体的にはLiおよび/またはKが好ましい。
また、脂肪酸アルカリ金属塩を構成する脂肪酸としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルチミン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、イコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、およびメリシン酸から選ばれる1種が好適である。なお、必要に応じて、脂肪酸アルカリ金属塩に脂肪酸を更に加えた混合物を用いても良い。
次に、上記で得た添加剤と、Mg粉末と、B粉末とを所定の比率で混合装置を用いてよく混合し、充填粉末を準備する。このとき、粉末の取り扱いはグローブボックス内で行うことが望ましく、グローブボックス内雰囲気中の水分量と酸素量は、共に10 ppm以下に制御することが望ましい。この量を超えると出発原料(特にMg粉末)が酸化しやすくなり、超電導特性を劣化させる要因となる。また、Mg粉末とB粉末との混合比(モル比)は、厳密に1:2である必要はなく、1.0:1.5〜1.0:30が好ましく、1.0:2.0〜1.0:2.5が特に好ましい。さらに、得られた添加剤混合充填粉末に対して、残存する水分等を除去する目的で充填前熱処理(例えば、Ar雰囲気中、100〜200℃で1〜30時間保持)を施してもよい。
次に、金属シース20となる金属管を用意する。前述したように、金属シース20の安定化層23としては、Cu、Al、Ag、Au、またはその合金を利用することができる。また、バリア層22としては、Nb、Fe、Ta、Ni、またはその合金を利用することができる。図1Aに示したような単芯線を製造する場合、安定化層とバリア層とが予め複合された構造を有する金属管を利用することができる。
上記充填粉末を上記金属管に充填し、粉末充填ビレットを作製する。充填後、1パス当たりの減面率(断面積減少率)が8〜12%の範囲内となるように伸線装置を用いて伸線加工を繰り返し、所定の直径まで伸線加工して単芯の前駆体線材を作製する。なお、伸線装置としては、静水圧押出機、ドローベンチ、伸線機、スエージャー、カセットローラーダイス、溝ロールなどを利用可能である。
最後に、伸線加工した前駆体線材に対して、非酸化性雰囲気中、500℃以上550℃以下の温度領域で1時間以上50時間以下保持する熱処理(焼結熱処理)を施すことによりMgB2相を生成させて(MgB2コア10を形成して)MgB2超電導線材1を作製する。当該熱処理は、充填粉末の望まない酸化を防ぐために、非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。具体的には、アルゴン(Ar)、窒素(N2)などの不活性ガスまたは中真空以上の真空度を有する真空(総称して非酸化性雰囲気)が好ましく、いずれにおいても水分と酸素の含有量が共に10 ppm以下であることが好ましい。
以上説明したような製造方法により、従来よりも高い超電導特性と線材長尺化とが共に具現化されたMgB2超電導線材を得ることができる。なお、図1Bに示したような多芯構造の線材は、従前の方法(例えば、単芯の素線を複数本組み合わせて更に伸線加工する方法)により製造することができる。
(MgB2超電導線材の製造条件の検討)
従来よりも高い超電導特性を有するMgB2超電導線材の製造方法を確立するために、製造条件の異なるMgB2超電導線材を作製し、製造条件が該MgB2超電導線材の超電導特性に及ぼす影響を調べた。それらの実験結果について説明する。
(1)脂肪酸アルカリ金属塩の添加効果
充填粉末の添加剤として、脂肪酸アルカリ金属塩で被覆されたAgO粉末を用いた場合とAgO粉末のみを用いた場合とで、それぞれ複数種のMgB2超電導線材を作製した。脂肪酸アルカリ金属塩にはステアリン酸リチウムを用い、Mg添加量に対するリチウム(Li)添加量のモル比は5%とした。MgB2超電導線材の熱処理条件は、アルゴン雰囲気中、550℃で30時間保持とした。また、臨界電流密度の測定は、温度4.2 K(液体ヘリウム中)、磁場強度5 Tの条件で行った。
図5は、脂肪酸アルカリ金属塩の添加の有無における、MgB2超電導線材の臨界電流密度(Jc)とMg添加量に対するAgO添加量のモル比との関係を示すグラフである。図5に示したように、ステアリン酸リチウムを全く添加していないサンプルは、AgO添加量の増加とともにJcが低下したが、ステアリン酸リチウムを添加したサンプルは、AgO添加量の増加とともにJcが増大した。
各サンプルのMgB2コアに対してX線回折(XRD)測定と走査型電子顕微鏡(SEM)による微細組織観察を行った。その結果、ステアリン酸リチウムを全く添加していないサンプルでは、MgB2相の生成率が20%以下であるとともにMgO相の回折ピークが確認された。また、Ag含有相が微細分散せずに凝集している様子が観察された。一方、ステアリン酸リチウムを添加したサンプルでは、MgB2相の生成率が95%以上であり、MgO相の回折ピークは確認されずLi2O2相の回折ピークが確認された。また、Ag含有相が微細分散している様子が観察された。なお、ステアリン酸リチウムを全く添加していないサンプルを用いて、熱処理温度を600℃にしたところ、MgB2相の生成率が90%以上になることを別途確認した。
ステアリン酸リチウムの添加が無い場合、AgO粒子同士が凝集して偏在してしまうため、MgB2生成反応の低温化効果が発揮されづらいことに加えて、AgOが分解して生成したO2がMgと化合してMgOを生成してしまうため、MgB2の生成反応を阻害していると考えられた。一方、ステアリン酸リチウムの添加がある場合は、AgO粒子同士の凝集を防止してAg成分が均等に微細分散するため、MgB2生成反応の低温化効果が十分発揮されることに加えて、AgOが分解して生成したO2はLi成分と化合してLi2O2を生成してMgの酸化を防止するため、MgB2の生成反応を阻害しないと考えられた。
以上の結果から、充填粉末の添加剤として脂肪酸アルカリ金属塩で被覆されたAgO粉末を用いると、従来よりも低温熱処理(例えば550℃)でも、MgB2相の生成率が向上しJc特性が向上することが示された。なお、アルカリ金属としてKを用いた場合も同様の効果が得られることを別途確認した。ただし、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を用いた場合は、その効果が不十分であった。Naにおいて効果が不十分であった要因は未解明であるが、例えば、イオン化傾向の程度(例えば、MgとNaとの標準電極電位の差)が不十分であった可能性が考えられる。
(2)アルカリ金属の添加量の検討
充填粉末の添加剤として、Mg添加量に対するAgO添加量のモル比を5%とした場合と10%とした場合とで、それぞれステアリン酸リチウムの添加量(Mg添加量に対するLi添加量のモル比)を変えて、複数種のMgB2超電導線材を作製した。MgB2超電導線材の熱処理条件は、アルゴン雰囲気中、540℃で40時間保持とした。また、臨界電流密度の測定は、温度4.2 K(液体ヘリウム中)、磁場強度5 Tの条件で行った。
図6は、MgB2超電導線材の臨界電流密度(Jc)とMg添加量に対するステアリン酸リチウム添加量のモル比との関係を示すグラフである。図6に示したように、Mg添加量に対するAgO添加量のモル比が5%又は10%のいずれの場合であっても、Mg添加量に対するLi添加量のモル比が0.5%以上20%以下のときに、Jcは1000 A/mm2を超える値を示した。なお、「Jc ≧ 1000 A/mm2」は、超電導コイルを設計する上での一つの指標であり、超電導線材の特性としてその値が求められるものである。
以上の結果から、充填粉末の添加剤におけるアルカリ金属成分の添加量は、Mg添加量に対するモル比で0.5%以上20%以下が好ましいことが判った。
(3)AgOの添加量の検討
充填粉末の添加剤として、Mg添加量に対するステアリン酸リチウムの添加量(Mg添加量に対するLi添加量のモル比)を10%とした場合において、Mg添加量に対するAgO添加量を変えて、複数種のMgB2超電導線材を作製した。MgB2超電導線材の熱処理条件は、真空中、500℃で50時間保持とした。また、臨界電流密度の測定は、温度4.2 K(液体ヘリウム中)、磁場強度5 Tの条件で行った。
図7は、MgB2超電導線材の臨界電流密度(Jc)とMg添加量に対するAgO添加量のモル比との関係を示すグラフである。図7に示したように、Mg添加量に対するAgO添加量のモル比が10%のときに、Jcは最大値(1420 A/mm2)を示した。また、Mg添加量に対するAgO添加量のモル比が0.4%以上44%以下のときにJcは1000 A/mm2を超える値を示し、0.8%以上40%以下のときにJcは1200 A/mm2を超える値を示した。
以上の結果から、充填粉末の添加剤におけるAgO添加量は、Mg添加量に対するモル比で0.4%以上44%以下が好ましく、0.8%以上40%以下がより好ましいことが判った。
以下、実施例により本発明の具体例をより詳細に説明する。
(実施例1の作製)
MgB2コアの出発原料として、Mg粉末(平均粒径:40μm、純度:99%以上)、B粉末(平均粒径:1μm、純度が95%以上)、AgO粉末(平均粒径:30 nm、純度:99%以上)、およびステアリン酸リチウム粉末(平均粒径:100 nm、純度:99%以上)を用意した。はじめに、Arガスを充満させたグローブボックス内で、各粉末のモル比が、「Mg:B:Ag:Li=1.0:2.2:0.1:0.05」となるように秤量した。
ステアリン酸リチウム粉末とAgO粉末とをボールミルポット(ポット、ボール共にジルコニア製)へ投入し、ボールミル装置を用いて両粉末を十分に混合して添加剤を準備した。次に、当該ボールミルポットにMg粉末とB粉末とを追加投入し、遊星ボールミル装置を用いて添加剤とMg粉末とB粉末とを5時間混合して、添加剤混合充填粉末を得た。
金属シースとなる金属管として、安定化層/バリア層が複合されたCu/Fe管(外径:20.0 mm、内径:16.0 mm、長さ:500 mm)を用意した。上述で準備した添加剤混合充填粉末を該Cu/Fe管に充填して、粉末充填ビレットを作製した。充填後、1パス当たりの減面率が8〜12%の範囲内となるようにドローベンチおよび伸線機を用いて伸線加工を繰り返し、単芯の前駆体線材(外径:0.6 mm、長さ:1 km)を作製した。
最後に、伸線加工した単芯前駆体線材に対して、Ar雰囲気中(水分と酸素とが共に10 ppm以下)、550℃で30時間保持の熱処理を施すことにより実施例1のMgB2超電導線材を作製した。作製した超電導線材の形態は、図1Aと同様である。
(比較例1の作製)
出発原料としてMg粉末とB粉末のみを用い(添加剤を混合せず)、650℃で30時間保持の熱処理を施したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のMgB2超電導線材を作製した。ただし、比較例1は、伸線加工の途中で複数回の断線が発生し、長尺線材を安定して製造することができなかった。
(比較例2の作製)
出発原料としてAgO粉末の換わりにAg粉末(平均粒径:100 nm、純度:99.5%以上)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のMgB2超電導線材を作製した。
(MgB2超電導線材の評価)
上記で作製したMgB2超電導線材(実施例1、比較例1〜2)に対して、液体ヘリウム中で超電導特性の測定を行った。図8は、MgB2超電導線材の臨界電流密度と印加磁場との関係(Jc-B特性)を示すグラフである。なお、測定試料としては得られた線材の両端領域と中央領域から切り出したものを用い、グラフには各測定結果の平均値をプロットした。図8に示したように、実施例1のMgB2超電導線材は、比較例1および比較例2のMgB2超電導線材よりも高い臨界電流密度特性を示すこと(比較例1の約5倍、比較例2の約1.5倍)が確認された。
また、上記で作製したMgB2超電導線材(実施例1、比較例1〜2)に対して、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置(SEM-EDX)を用いて、微細組織観察と組成分析とを行った。その結果、実施例1では、図2に示したような構造を有することが確認された。すなわち、MgB2結晶粒子の内部には、平均粒径が1μm以下のMg-Ag合金粒子が主に分散しており、MgB2結晶粒子の粒界領域には、平均粒径が0.1μm以下のLi2O2粒子が主に存在していた。また、熱処理温度(MgB2生成温度)の低温化効果により、MgB2結晶粒子の平均粒径は、従来技術の比較例1のそれよりも半分程度に小さくなっていた。一方、比較例2では、平均粒径が10μm程度の大きな粒子(Mg-Ag合金粒子および/またはAg粒子)が偏在している様子が観察された。
これらの結果から、実施例1において超電導特性が向上した要因としては、特許文献2の技術よりも、熱処理温度の低温化によるMgB2結晶粒子の粗大化抑制(結晶粒界の増加)と、非超電導相(Mg-Ag合金粒子、Li2O2粒子)の微細分散とを具現化できたことが大きいと考えられた。
加えて、本発明に係るMgB2超電導線材は、電流リード、送電ケーブル、大型マグネット、核磁気共鳴分析装置、医療用磁気共鳴診断装置、超電導電力貯蔵装置、磁気分離装置、磁場中単結晶引き上げ装置、冷凍機冷却超電導マグネット装置、超電導エネルギー貯蔵、超電導発電機、核融合炉用マグネット等の機器において適用可能である。本発明に係るMgB2超電導線材を利用することにより、それら機器の性能・機能を向上させることができる(例えば、発生磁場の向上、超電導コイルの小型化など)。
1,2…MgB2超電導線材、10…MgB2コア、20,21…金属シース、
22…バリア層、23,24…安定化層、
11…MgB2結晶粒子、12…Mg-Ag合金、13…アルカリ金属の酸化物、
31…AgO粒子、32…脂肪酸アルカリ金属塩。

Claims (13)

  1. 二ホウ化マグネシウムコアと該二ホウ化マグネシウムコアを被覆する金属シースとからなる二ホウ化マグネシウム超電導線材であって、
    前記二ホウ化マグネシウムコアは、二ホウ化マグネシウム多結晶体であり、
    前記二ホウ化マグネシウム多結晶体の中に、マグネシウムよりもイオン化傾向が大きいアルカリ金属の酸化物粒子とマグネシウム−銀合金粒子とが分散しており、
    前記マグネシウム−銀合金粒子の平均粒径が1μm以下であり、
    前記アルカリ金属の酸化物粒子の平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材。
  2. 請求項1に記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材において、
    前記アルカリ金属の酸化物粒子は、前記二ホウ化マグネシウム多結晶体の各結晶粒子の粒界領域に主に存在し、
    前記マグネシウム−銀合金粒子は、前記各結晶粒子の内部に主に存在することを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材において、
    前記アルカリ金属の含有量は、前記二ホウ化マグネシウム多結晶体中のマグネシウム含有量に対してモル比で0.5%以上20%以下であり、
    前記銀の含有量は、前記マグネシウム含有量に対してモル比で0.8%以上40%以下であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材において、
    前記アルカリ金属は、リチウムおよびカリウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材において、
    前記金属シースは、鉄、銅、ニオブ、タンタル、ニッケルもしくはこれらの合金、またはこれらを複合させた構造であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材を用いたことを特徴とする超電導コイル。
  7. 請求項6に記載の超電導コイルを用いて構成されたことを特徴とする超電導マグネットシステム。
  8. 二ホウ化マグネシウムコアと該二ホウ化マグネシウムコアを被覆する金属シースとからなるニホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法であって、
    前記二ホウ化マグネシウムコアとなる充填粉末を用意する工程と、
    前記金属シースとなる金属管に前記充填粉末を充填して粉末充填ビレットを作製する工程と、
    前記粉末充填ビレットに伸線加工を施して前駆体線材を作製する工程と、
    前記前駆体線材に熱処理を施して前記ニホウ化マグネシウムコアを形成する工程とを有し、
    前記充填粉末を用意する工程は、マグネシウムよりもイオン化傾向が大きいアルカリ金属の脂肪酸塩と酸化銀粉末とを混合して添加剤を用意する工程と、前記添加剤とマグネシウム粉末とホウ素粉末とを混合する工程とを有し、
    前記熱処理は、非酸化性雰囲気中かつ500℃以上550℃以下の温度領域で行われ、
    前記二ホウ化マグネシウムコアは、二ホウ化マグネシウム多結晶体であり、
    前記二ホウ化マグネシウム多結晶体の中に、前記脂肪酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の酸化物粒子とマグネシウム−銀合金粒子とが分散しており、
    前記マグネシウム−銀合金粒子の平均粒径が1μm以下であり、
    前記アルカリ金属の酸化物粒子の平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法。
  9. 請求項8に記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法において、
    前記アルカリ金属の酸化物粒子は、前記二ホウ化マグネシウム多結晶体の各結晶粒子の粒界領域に主に存在し、
    前記マグネシウム−銀合金粒子は、前記各結晶粒子の内部に主に存在することを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法において、
    前記脂肪酸アルカリ金属塩の添加量は、前記マグネシウムの添加量に対してモル比で0.5%以上20%以下であり、
    前記酸化銀の添加量は、前記マグネシウムの添加量に対してモル比で0.8%以上40%以下であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法において、
    前記脂肪酸アルカリ金属塩のアルカリ金属は、リチウムおよびカリウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法において、
    前記脂肪酸アルカリ金属塩を構成する脂肪酸は、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルチミン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、イコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、およびメリシン酸から選ばれる1種であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法。
  13. 請求項8乃至請求項12のいずれかに記載の二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法において、
    前記金属管は、鉄、銅、ニオブ、タンタル、ニッケルもしくはこれらの合金、またはこれらを複合させた構造であることを特徴とする二ホウ化マグネシウム超電導線材の製造方法。
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