JP2005310600A - MgB2線材の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 臨界温度Tc=39Kを持つ金属間化合物超導電体MgB2の線材化を可能とする方法を開発する。
【解決手段】 下記の工程(a) 〜(e) によりMgB2線材を製造する。(a) 粉末状のMgとBの混合粉末とMgB2粉末とを混ぜ合わせて混合原料とし、(b) 得られた混合原料を圧縮成形してペレットとし、(c) 得られたペレットを金属管に封入し、(d) 上記ペレットを封入した金属管に伸線加工を施して線材とし、そして、(e) 得られた線材に不活性ガス加圧雰囲気中で熱処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、MgB2系超電導線材の製造方法に関し、電力用ケーブル、マグネット、モータ、発電機などに適用するための超電導線材を低コストで安定供給できる道を開くものである。
極低温に冷却すると電気抵抗が急激に減少して完全にゼロを示す現象が見られる。これを超電導現象と呼び、そのような現象を示す材料を超電導材料( 物質) と称する。このような超電導物質は、線材化してコイル状に成形し、これに通電することで非常に高い磁場を安定して発生させることができることから、今日、高磁場を利用する医療用機器等各種機器に広く用いられている。
現在、主流の金属間化合物型の超電導物質は、NbTiであるが、超電導特性を得るために、極低温域まで冷却する必要があり、冷媒に高価な液体ヘリウム (沸点:4.2 K) を必要とすること、また冷却用クライオスタット等の装置が大がかりになること等が難点である。
超電導物質の次世代線材として、液体窒素の沸点温度77Kで超電導特性を得られるビスマス(Bi)系、イットリウム (Y) 系の酸化物系高温超電導体の研究が盛んに行われているが、材料費が高いこと、成分比が複雑で量産が困難であり、製造費用が高いことなどが問題となっている。
これらの酸化物系は、77Kまで温度を上げると臨界電流特性が大幅に下がってしまうが、温度20K程度では実用的な臨界電流特性を示すことから、冷凍機もしくは液体水素を冷媒にすることによって得られる温度20Kでの使用も検討されている。温度20Kの使用でも、大幅な経済効果はあるからである。
ここに、最近に至り、特許文献1に示すように、臨界温度Tc=39Kを持つ金属間化合物合金MgB2が発見され、温度20Kでの使用が期待でき、軽量であり、資源が豊富、製法が比較的簡易なことから期待されており、実用化への研究・開発が精力的に行われている。
特開2002−211916号公報
本発明の課題は、そのような優れた臨界電流特性を示すMgB2を線材化する技術を開発することである。
従来にあっても、超電導体材料の線材化方法としては色々な方法が知られているが、その中で、原料粉末を金属管に詰め込み、伸線加工を行う粉末封管法(Powder-In-Tube)は、比較的、簡易な製造方法であるため、Bi系線材の加工方法として有名である。この方法は、MgB2線材の作製方法としても有望であることから、広く利用されている。そして、この粉末封管法は、大別して二種類の方法に分けられる。
(1)in-situ 法
これは、超電導体を構成する各元素の粉末を金属管に詰め込み、超電導物質の生成加工と伸線加工を同時に行う方法である。
(2)ex-situ 法
これは、超電導物質の粉末を金属管に詰め込み、その金属管に伸線加工を行う方法である。
本明細書では、便宜上、そのような粉末のペレットを詰め込む金属管をシース管とも云い、その材料をシース材料とも云う。
なお、超電導物質の場合、極低温域ではフラックスジャンプが頻発するため、以下においては、シース管として、また安定化材として、高熱伝導率で発熱対策に効果がある銅管を例にして本発明を説明する。
本発明者らは、超電導物質MgB2についても、従来法にしたがって、まず、in-situ 法による線材化を試みたところ、細線への伸線は著しく困難であって、伸線・熱処理を行った製品の段階で内部の断線が頻発することを経験した。
そこで、ex-situ 法による伸線化をも試みたが、粉末粒径を均一かつ微細化しないと十分な臨界電流特性が得られないこと、また、粒間の十分な結合を得るためには、一般的な伸線加工方法を用いるだけでは、困難であることを経験した。
すなわち、ex-situ 法の場合は、体積の減少はほとんどないが、高い超電導特性を得るには、MgB2粒子を強固に結合させるために、十分な高圧をかける必要がある。特に銅シースの場合、機械的強度が軟らかすぎることから、圧力をかけることができず、臨界電流特性が低くなる。
その後、いろいろ試行錯誤の結果、in-situ 法による線材化の問題点が、熱処理の際の反応体の急激な体積収縮にあることが判明した。
すなわち、MgとBがMgB2に変化すると理論上の体積は、約78%に減少する。また実際には、粉末原料に対して常温で高圧をかけても、スプリングバック現象によって、ある程度の密度以上には圧縮成形できないために、そのような体積減少を加工によって相殺することはできない。
この点、さらに検討したところ、そのような体積収縮は、単純な伸線加工では吸収できず、伸線加工の段階での破断は避けられないことが判明した。
そこで、熱処理時の体積収縮を低減する手段として、予め一定割合のMgB2粉末を配合しておくことに着目した。つまり、体積収縮の原因が単体Mgと単体Bとの反応にあることから、一部すでに反応が完了したMgB2粉末を配合することにより、全体として、そのような体積収縮を低減することができると考えたのである。そして、実際に実験を行ったところ、連続性のあるMgB2線材を封入したときの臨界電流特性の低下および伸線加工の際の加工性の悪さが解消されることが分かった。つまり、単体Mgと、単体Bと、MgB2粉末とを組合せて配合することで、効率的な伸線加工を行うことができ、臨界電流特性の改善も図ることができたのである。
ここに、本発明は次の通りである。
(1) MgB2線材の製造方法において、
(a) 粉末状のMgとBの混合粉末とMgB2粉末とを混ぜ合わせて混合原料とし、
(b) 得られた混合原料を圧縮成形してペレットとし、
(c) 得られたペレットを金属管に封入し、
(d) 上記ペレットを封入した金属管に伸線加工を施して線材とし、そして、
(e) 得られた線材に不活性ガス加圧雰囲気中で熱処理を行う
ことを特徴とするMgB2線材の製造方法。
(2) MgB2線材の製造方法において、
(a) 粉末状のMgとBの混合粉末とMgB2粉末とを混ぜ合わせて混合原料とし、
(b) 得られた混合原料を圧縮成形してペレットとし、
(c) 得られたペレットを金属管に封入し、
(d) 上記ペレットを封入した金属管に伸線加工を施して線材とし、そして、
(e) 得られた線材をコイル状に巻回した後、不活性ガス加圧雰囲気中で熱処理を行う
ことを特徴とするMgB2線材の製造方法。
(3)前記伸線加工を複数回に分けて施すことを特徴とする上記(1) または(2) に記載のMgB2線材の製造方法。
(4)前記伸線加工を施して得た線材 (金属体) をさらに別の金属管で被覆して、さらに伸線加工を施すことを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
(5)前記伸線加工を施して得た線材 (金属体) を複数本、必要に応じ、空隙を充填する金属材とともに別の金属管で被覆して、さらに伸線加工を施すことを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
(6)前記金属管が銅管であることを特徴とする上記(1) 〜(5) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
(7)前記金属管が、銅−ニッケル合金、鉄合金、ステンレス鋼および炭素鋼などのいずれかの金属管であることを特徴とする上記(1) 〜(5) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
(8)前記ペレットを封入する金属管が銅管であって、伸線加工後の金属体を収容する別の金属管が銅−ニッケル合金、鉄合金、ステンレス鋼および炭素鋼などのいずれかの金属管であることを特徴とする上記(4) または(5) に記載のMgB2線材の製造方法。
(9)前記熱処理を550 〜800 ℃で行うことを特徴とする上記(1) 〜(8) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
(10) 前記熱処理を550 〜750 ℃で行うことを特徴とする上記(1) 〜(8) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
(11) 前記熱処理を580 〜680 ℃で行うことを特徴とする上記(1) 〜(8) のいずれかに記載のMgB2線材の製造方法。
かくして、本発明によれば、in-situ 法と体積減少が生じないex-situ 法の長所を組み合わせることにより、臨界電流特性の高い金属シースのMgB2線材を製造できる。
ここに、臨界電流特性の高い線材を製造できるということは、単芯線材、例えば、MgB2/Cu 単芯線材φ1.0mm ×40mを製造しても断線は見られないということである。
より具体的には、予備実験の段階でも、短尺材では、臨界電流が208 A 、臨界電流密度が230 KA/cm2であり、一方、条長5m の線材で、臨界電流が100 A 、臨界電流密度が110 KA/cm2が実現された。
ここで、本発明にかかるMgB2線材の製造方法について、その基本的な工程の流れを順次説明する。
原料の配合:
粉末状のMgおよびBの粉末原料にMgB2粉末を配合して混合原料を得る。このとき、MgB2粉末を配合するのは、焼結の際のMgおよびBからのMgB2生成による体積の減少を低減させるためである。
粉末状MgとBとの配合割合は、焼結、つまり熱処理の段階でMgB2が生成する化学量論的量に従えばよく、理論的には、MgとBとの元素比1:2の割合で配合すればよいが、実際には、MgとBとの元素比1:1.5 〜2.5 程度の範囲で配合することも可能である。
このような粉末原料に対して焼結済みのMgB2粉末を配合するのであるが、そのときの配合比を、下記のような質量比とすることによって、in-situ 法の利点とex-situ 法の利点とを合わせて得ることができるという効果の他、焼結時の体積減少を伸線加工によって補償できる程度にまで緩和できるという予想外の効果も期待できる。
(Mg+2B) :MgB2=1:0.1 〜1:10 (質量比)
粉体の粒径は、−50mesh (直径0.3mm)以下が好ましく、粒径は細かければ細かいほど良い。
圧粉成形
このようにして用意した混合粉末を、適宜、金型に入れて圧粉成形してペレットとする。ペレットとするのは、混合原料の扱いを容易にするとともに、一定の原料密度を確保するためである。
シース管へのペレットの封入
得られたペレットはシース管としての金属管に封入される。具体的には、不活性雰囲気中で、一端が封止された金属管に他端からペレットを挿入し、金属管を封止する。
このときの管体の材料、つまりシース材料は、十分な加工性を有するものであれば、特に制限されないが、通常は、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、銅、ニッケル、銅ニッケルなどのうちから選択するのが好ましい。
超電導は、極低温域で発現する現象であるため、超電導体に対する熱対策は非常に重要な項目となる。超電導線材の場合、シース材料はサポート材としてだけではなく、熱的安定化材料としても非常に重要な役割を果たす。
安定化用シース材料として、熱伝導率が高く、電気抵抗率が低く、延性に優れ、手に入り易い物質として、銅が挙げられる。しかし、MgB2の場合、CuとMgが熱処理の際に反応し、化合物を生成することがあるときは、ステンレス鋼、Ni、Feなどを使用してもよい。
しかしながら、安定化材として劣る金属を用いると、フラックスジャンプによる発熱を吸収し、冷媒中に放出する能力が不十分なので、急激な磁束の乱れ→発熱の悪循環を招き、一瞬で超電導状態が壊れるクエンチ現象を誘発する。超電導体に流れていた大電流は、シース材に流れ込むので、急激に発熱し、線材は一気に焼損する。したがって、実用化を前提にした場合、安定化材として優れる銅をシース材料として用いることが望ましい。
伸線加工
上述のようにして用意した、ペレットと挿入した金属管に伸線加工を施すが、この場合の伸線加工は、すでに公知のローラダイス等の方法によればよく、本発明において、伸線加工手段に、特に制限はない。
ある程度まで伸線加工が進んだ段階で、再び同種または異種の材料のシース管に封入して 伸線加工を続ける。このような同種または異種金属による二重シースは、機械的強度を確保するためであり、最初の伸線加工によって細くなったMgB2線材の機械的強度を補強するために、一回り大きな銅管を線材に被せ、機械的強度を補強してから伸線加工を継続する。
線材の機械的強度は、線径を細くするほど、線材の機械的強度は極端に弱くなる。MgB2はセラミックに似て引張り方向の荷重には弱いので、線材化した場合には、コアの不連続を防ぐ上で、長手方向への荷重に対して金属シース管によるサポートが不可欠になる。
細くすることによって、機械的強度の弱くなったMgB2線材を補強するために、外側にさらにシース管を被せる。外側のシース管は鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケルなどでも構わないが、銅シース管に対して、同じ銅シース管を用いることによって、安定化材としての性能を落とさずに機械的強度を補強することが可能になる。
熱処理:
伸線加工を施して得た線材 (金属体) を所定寸法にまで仕上げてから、例えばAr雰囲気のような不活性雰囲気において、2気圧以上の高圧雰囲気下で、550 〜800 ℃、好ましくは550 〜750 ℃、より好ましくは580 〜680 ℃の温度で1 〜2 時間加熱を行う熱処理を行い、線材内部のMgとB をMgB2に変化させる。このときに結晶化による体積収縮が生じるが、事前に混合しているMgB2の体積変化はないことから、全体の体積収縮は大幅に低減され、いわゆる断線などが見られない。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
粒径44μm 以下の粉末状Mgと1μm 以下の粉末状状アモルファスBとを元素比1: 2で配合し、第1粉末原料とし、一方、予め熱処理により反応させたMgB2粉末を第2粉末原料 (粒径150 μm 以下) として別途用意し、第1、第2粉末原料を1:1の割合で混合して混合原料を得た。
このようにして得た混合原料を、専用の金型を用いて、寸法φ6×10mmのペレット状圧縮成形体とした。圧粉密度は1.6g/cm3であった。
肉厚3mm、直径12mmの銅シース管にこの圧縮成形体を封入したが、このときの見掛け密度は1.4g/cm3であった。
このようにして得たペレット充填銅シース管には、次いで、伸線加工施したが、これは、慣用のスエージング加工機を用いて行った。
銅シース管の径が1.0mm となった時点で3気圧のArガス雰囲気下で銅シース管を650 ℃で2時間加熱して、Mg+2B→MgB2の反応を行わせた。
このようにして得た線材の臨界電流特性を、通電法によって求めた。図1は、長さ30mmの短尺試料について、I-V 特性を4端子法で測定し、臨界電流を10μV/cmの電圧基準により評価したI-V 曲線である。温度4.2 Kの自己磁場において、200 Aを超える臨界電流値を示し、臨界電流密度は230kA/cm2 に達した。図中、線材の断面を示すが、中心部に黒く示す領域が超電導材料であって、その周囲が銅であるシース材料である。
図2は、このとき得られた直径1mm、長さ5m の線材を直径64mmのコアに25回巻いてコイルについて計測したI−V曲線を示す。温度は4.2Kで大気雰囲気下で計測したものである。臨界電流値が100 A という超電導特性を示すことが分かる。
表1は、これらのI−V曲線から得られたMgB2/Cu 線材の温度4.2 K、自己磁場における臨界電流と臨界電流密度の結果を、短尺材、条長5m材のそれぞれについてまとめて示す。
Figure 2005310600
実施例1を繰り返したが、銅管の径が1.0mm となった時点で3気圧のArガス雰囲気下で銅管を700 ℃で1時間加熱して、Mg+2B→MgB2の反応を行わせた。
実施例1を繰り返したが、銅管の径が1.0mm となった時点で3気圧のArガス雰囲気下で銅管を600 ℃で1時間加熱して、Mg+2B→MgB2の反応を行わせた。
実施例1を繰り返したが、銅管の径が1.0mm となった時点で3気圧のArガス雰囲気下で銅管を750 ℃で1時間加熱して、Mg+2B→MgB2の反応を行わせた。
図3および図4は、実施例2ないし4で得られた線材についてのI−V曲線である。特に図4は、熱処理温度600 ℃( 実施例3) および700 ℃( 実施例2) の場合について、縦軸のスケールを変えて表示してある。
図3に示す結果からは、700 ℃1hr熱処理のものは、160A付近まで、電圧の上昇が見られず、超電導状態であることが確認できる。それに対して600 ℃1hrと750 ℃1hrは電圧の上昇が見られる。
しかし、図4のように電圧のスケールを大きくすると、750 ℃1hrのものは、160A付近に超電導独特の電圧の急峻部が見られる。600 ℃1hrのものについては、装置の都合上、200Aまでの電流印加で終えているが、まだ、電圧の急激な上昇は見られない。直径1.0mm の線材に160 、200Aの大電流を流しても焼き切れないのは、超電導状態にあるからであり、常電導材料では、不可能である。
電圧が発生している理由については、600 ℃1hrの場合は、温度が低く、MgB2の結晶化が不完全な箇所があったためと考えられる。これは、温度保持時間をさらに長くすることによって解決する。750 ℃1hrの場合は、温度が高く、シース材料と内部に充填した超電導物質の境界面にMgとCuの合金層が多量に生成されたためと考えられる。これは、温度保持時間を短くすることによって解決するものと考えられる。
実施例1と同じような試作を繰り返したが、MgとBを元素比1:2で配合した第1粉末原料に対して、MgB2の第2粉末原料を表2に示す割合でそれぞれ混合した。熱処理条件は、実施例1〜実施例4までの結果から、3気圧のArガス雰囲気下で600 ℃で2時間加熱して、MgB2の反応を行わせた。
これらの短尺試料について、I−V特性を評価した結果を図5に示す。
これより、第2原料粉末であるMgB2を25%配合したものがもっとも特性が良い傾向が得られた。第2原料粉末100 %のものは、電圧が発生していたが、75%のものは、電圧の発生が抑えられていた。
Figure 2005310600
銅管に封入された短尺の単芯MgB2線材についてのI−V曲線である。 銅管に封入された単芯MgB2線材をコイル状にしたときのI−V曲線である。 実施例2ないし実施例4の結果をまとめて示すI−V曲線である。 実施例3および実施例4の結果を電圧のスケールを拡大して示す同じくI−V曲線である。 粉末状のMgとBの混合粉末とMgB2粉末の配合比を変更して混ぜ合わせたそれぞれの混合原料を銅管に封入し、作製した短尺の単芯MgB2線材についてのI−V曲線である。

Claims (11)

  1. MgB2線材の製造方法において、
    (a) 粉末状のMgとBの混合粉末とMgB2粉末とを混ぜ合わせて混合原料とし、
    (b) 得られた混合原料を圧縮成形してペレットとし、
    (c) 得られたペレットを金属管に封入し、
    (d) 上記ペレットを封入した金属管に伸線加工を施して線材とし、そして、
    (e) 得られた線材に不活性ガス加圧雰囲気中で熱処理を行う
    ことを特徴とするMgB2線材の製造方法。
  2. MgB2線材の製造方法において、
    (a) 粉末状のMgとBの混合粉末とMgB2粉末とを混ぜ合わせて混合原料とし、
    (b) 得られた混合原料を圧縮成形してペレットとし、
    (c) 得られたペレットを金属管に封入し、
    (d) 上記ペレットを封入した金属管に伸線加工を施して線材とし、そして、
    (e) 得られた線材をコイル状に巻回した後、不活性ガス加圧雰囲気中で熱処理を行う
    ことを特徴とするMgB2線材の製造方法。
  3. 前記伸線加工を複数回に分けて施すことを特徴とする請求項1または2に記載のMgB2線材の製造方法。
  4. 前記伸線加工を施し得た線材(金属体)をさらに別の金属管で被覆して、さらに伸線加工を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
  5. 前記伸線加工を施して得た線材(金属体)を複数本、必要に応じ、空隙を充填する金属材とともに別の金属管で被覆して、さらに伸線加工を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
  6. 前記金属管が銅管であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
  7. 前記金属管が、銅−ニッケル合金、鉄合金、ステンレス鋼および炭素鋼などのいずれかの金属管であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
  8. 前記ペレットを封入する金属管が銅管であって、伸線加工後の金属体を収容する別の金属管が銅−ニッケル合金、鉄合金、ステンレス鋼および炭素鋼などのいずれかの金属管であることを特徴とする請求項4または5に記載のMgB2線材の製造方法。
  9. 前記熱処理を550 〜800 ℃で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
  10. 前記熱処理を550 〜750 ℃で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
  11. 前記熱処理を580 〜680 ℃で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のMgB2線材の製造方法。
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